JP6230342B2 - 保湿剤含有ティシュペーパーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、保湿剤が含有された保湿剤含有ティシュペーパーの製造方法に関する。
ローションティシューなどとも称される保湿剤を塗布した保湿剤含有ティシュペーパーは、よく知られるところであるが、このような保湿剤含有ティシュペーパーは、原紙に保湿剤を塗工することにより製造される。
保湿剤の塗工は、例えば、原紙を複数積層する積層工程を行なう積層設備に保湿剤の塗工設備を設置して行なわれたり、原紙を折り畳む折畳み工程を行なう折畳み設備に保湿剤の塗工設備を設置して行なわれたり、或いは、折畳み設備や積層設備とは別途に専用の保湿剤塗工設備において原紙に保湿剤を塗工したりして行なわれる。いずれにしても、保湿剤の塗工は、通常、ティシュペーパーの製品の幅にされる前の幅広の原紙に対して行なわれている。
一方、保湿剤の塗工設備は、各種の塗工機や印刷機などを用いたロール転写装置、スプレー塗布装置により行なわれているが、幅広の原紙に対応しやすいことから、ロール転写装置によるものが広く普及している。
ところで、ティシュペーパーに用いられる保湿剤は、自身の吸湿作用により周辺雰囲気の水分を取り込むことによって保湿効果を有するものであり、温度に対する粘度変化が顕著である。例えば、ティシュペーパーの保湿剤としては、ポリオールが主成分であるものが多く、なかでもグリセリンを主成分とする保湿剤は、この温度に対する粘度変化が極めて顕著である。
したがって、ロール転写装置によって保湿剤を塗工するにあたっては、保湿剤を所定の温度にして供給することにより、原紙の幅方向に対する保湿剤の塗布量の差が生じないようにするが、刷版ロールの幅方向に保湿剤の塗布ムラが生ずる。
これは、定かではないが、原紙に保湿剤を転写する刷版ロールや刷版ロールに保湿剤を受け渡すアニロックスロールが高速で回転する際に発する熱による保湿剤の粘度変化、或いは、装置に安全性のために設置されるカバーや装置内への各種ロールの組み込みの態様等によって刷版ロールの幅方向で排熱の差が生ずることにより刷版ロール表面の温度差に起因する保湿剤の粘度変化が原因と考えられる。
すなわち、このような刷版ロールの幅方向の表面の温度差に起因して、保湿剤を所定の温度に維持してロール転写装置に供給しても、刷版ロールやアニロックスロール表面の温度差により保湿剤に粘度変化が生じ、高速で回転する刷版ロール又はアニロックスロール上から保湿剤が部分的に飛散したり、刷版ロール上に残りやすくなったり、或いは粘度上昇によって原紙に対して保湿剤が浸透しやすくなったりすることにより、原紙に対して付与される保湿剤の量が原紙の幅方向に沿って異なることがあると考えられる。そして、その原紙に対する保湿剤の塗布量のムラが、製品の品質管理を難しくする要因となっている。
特開2011−156120号公報 特許第4637295号
そこで、本発明の主たる課題は、保湿剤が付与されたティシュペーパーを製造するにあたり、ロール転写装置によって原紙に保湿剤を塗工する際の刷版ロール幅方向の塗布ムラを防止することにある。
上記課題を解決するための手段及びそれらの作用効果は次記のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
保湿剤含有ティシュペーパーの製造方法において、
幅方向中央部から幅方向端部に向かって網点面積率及びスクリーン線数の少なくとも一方を連続的又は段階的を増加又は減少させるように変化させた刷版ロールを用いて、保湿剤を原紙に塗布することを特徴とする保湿剤含有ティシュペーパーの製造方法。
〔請求項2記載の発明〕
前記刷版ロールを組み込んだフレキソ印刷機により原紙に保湿剤を塗布する請求項1記載の保湿剤含有ティシュペーパーの製造方法。
〔請求項3記載の発明〕
操業速度における刷版ロール表面の温度分布に応じて、前記刷版の網点面積率及びスクリーン線数を決定する請求項1又は2記載の保湿剤含有ティシュペーパーの製造方法。
〔請求項4記載の発明〕
前記保湿剤がグリセリンを主成分とするものである請求項1〜3の何れか1項に記載の保湿剤含有ティシュペーパーの製造方法。
〔請求項5記載の発明〕
ロール転写装置への保湿剤の供給時の粘度を10〜300mPa・Sの範囲とする請求項1〜4の何れか1項に記載の保湿剤含有ティシュペーパーの製造方法。
〔請求項記載の発明〕
刷版ロールの1インチ当たりの線数を10〜80線の範囲で変化させる請求項1〜記載の保湿剤含有ティシュペーパーの製造方法。
(作用効果)
一般に、ロール転写装置によって紙に印刷インクを同一濃度で全面印刷する場合に用いられる刷版ロールは、ロール幅方向に同じスクリーン線数及び網点面積率のものである。これは印刷インクを使用する印刷において、紙面に均一かつムラなくインキを付与するためである。刷版ロールのスクリーン線数や網点面積率をロールの幅方向に変化させた場合には、その線数や網点面積の変化に応じた印刷濃淡、すなわちインクの塗布量のムラが生ずる。
しかし、これがティシュペーパーの原紙のような低密度の紙に対して保湿剤を塗布する場合には、必ずしも上記印刷インクを紙に印刷する場合のようにならないことがある。
これは次のような理由と考えられる。まず、印刷用インクは、ロール転写に適するように粘度安定性が高く、紙に浸透し難い。また、保湿剤を塗布する刷版ロールと比較して印刷用の刷版ロールは非常にスクリーン線数や網点面積率が高い。
これに対して、保湿剤は、そもそも印刷に特化したものではなく主たる目的がティシュペーパーに保湿性を与えることを目的とするものであり、温度に粘度安定性を高めるにしても限界があるものである。さらに、塗布対象物であるティシュペーパーの原紙は低密度で保湿剤が素早く浸透するという特徴がある。さらに、刷版ロールのスクリーン線数や網点面積率が通常の印刷と比較して低い。
このため、保湿剤は温度による粘度変化の影響が顕著に生じやすく、必ずしも刷版ロール上で均一粘度で存在しないことがある。
ここで、刷版ロール表面の温度の相違は通常は幅方向に沿って変化する。そして、その温度によって保湿剤の粘度が高い部分では刷版ロールの回転によって刷版ロール上から保湿剤が飛散しやすくなるものの原紙への浸透性は向上する。その一方、粘度が高い部分では刷版ロールからの飛散はし難いが原紙への浸透性はさほど高まらない。
したがって、本発明により、面積率及び線数の少なくとも一方を幅方向に沿って連続的又は段階的に変化させた刷版ロールを用いることにより、原紙への保湿剤の塗布量を幅方向でバランスよく付与することが可能となり、塗布ムラを防止することができるようになるのである。
また、特にフレキソ印刷機は、刷版ロールが表面樹脂製のロールで印圧が低く、保湿剤を原紙に効果的に塗布することができる。
さらに、操業速度における刷版ロール表面の温度分布に応じて、前記刷版の網点面積率及びスクリーン線数を決定するようにすれば、より塗布ムラ防止の精度が高まる。
特に、本発明は、前記保湿剤がグリセリンを主成分とするものである場合に有効である。グリセリンは、温度による粘度変化が顕著であるとともに、高い保湿効果が得られるからである。
また、ロール転写装置への保湿剤の供給時の粘度を10〜300mPa・Sの範囲とすると、原紙への保湿剤の付与が確実になるとともに、塗布ムラ防止の効果がより高まる。
ここで、原紙へ保湿剤を塗布するロール転写装置の多くは、排熱の関係で機器の中心部に熱が高まりやすい傾向にある。したがって、刷版ロールの幅方向中央部から幅方向端部に向かって面積率及び線数の少なくとも一方を連続的又は段階的に低くなるように変化させた刷版ロールを用いること、このような場合に保湿剤の塗布ムラを効果的に防止できる。
刷版ロールの1インチ当たりの線数を10〜80線の範囲で変化させると、適切な保湿剤の粘度で原紙への保湿剤を確実に付与できるようになるとともに、塗布ムラ防止の効果がより高まる。
以上のとおり本発明によれば、保湿剤が付与された保湿剤含有ティシュペーパーを製造するにあたり、ロール転写によって原紙に保湿剤を塗工する際のロール幅方向の塗布ムラが防止される。
積層工程で保湿剤を塗工する場合の設備例を示す図である。 ドクターチャンバー方式のフレキソ印刷方式により原紙に対して保湿剤を塗工する場合の設備例を示す図である。 本実施形態に係る刷版ロール表面を説明するための刷版ロールの平面図である。 本発明の実施例及び比較例の結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳説する。
本実施形態に係る保湿剤含有ティシュペーパーの製造方法は、特に、JIS P 8124による坪量が1プライ当たり10〜18g/m2、保湿剤含有量がソックスレー抽出法による抽出で有効成分量が原紙に対して10〜35質量%の範囲の保湿剤含有ティシュペーパーを製造するに特に適する方法である。この範囲の保湿剤含有ティシュペーパーは、通常の保湿剤を含有しないティシュペーパーと比較して、しっとり感、滑らかさ、柔らかさが明確に優れたものとなる。
また、本実施形態に係る保湿剤含有ティシュペーパーは、市販の製品形態においては、カートン又はカートン箱とも称される収納箱内に収められた製品形態やポケットティシューの製品形態など適宜の製品形態とすることができる。また、その製品形態において保湿剤含有ティシュペーパーは、適宜の折畳み形態をとることができる。
例えば、本実施形態に係る保湿剤含有ティシュペーパーは、上面に取出し口を有する収納箱内に、ポップアップ式又はピックアップ式とも称される複数枚を折畳み積層した束として収納された製品形態とすることができる。
ここで、ティシュペーパーの基本的な製造方法は、パルプを主原料とする抄紙原料を抄紙設備にて抄紙して原紙を製造する抄紙工程、この原紙を必要に応じて適宜の積層構造とする積層工程、さらに積層された原紙を製品形態に応じて折り畳む折畳み工程、折り畳まれた原紙の積層体を裁断して個々の束にする裁断工程、裁断された原紙の束を箱詰めするなどする収納工程を経て製品化されている。
本実施形態に係る保湿剤含有ティシュペーパーの製造方法においては、上記抄紙工程、積層工程、折畳み工程において、ロール転写装置を設置したり、抄紙工程と積層工程との間又は積層工程と折畳み工程との間にロール転写装置を有するロール転写設備を介在させることにより、原紙に保湿剤を塗布して、保湿剤含有ティシュペーパーとすることができる。
以下、さらに本実施形態に係る保湿剤含有ティシュペーパーの製造方法例を詳述していく。まず、本発明の保湿剤塗布前の原紙は、公知の抄紙設備によって抄紙して形成することができる。すなわち、パルプスラリーを主原料とする紙料をフェルトやワイヤー上に供給して湿紙を形成し、その後その湿紙を脱水ロールなどによって脱水し、ヤンキードライヤー表面に付着させて乾燥させた後にドクターブレードによって掻き剥がしてクレープを有する原紙を形成し、これを巻き取って原反ロールを製造する。クレープ率や原紙の坪量に影響する抄紙原料の目付量は、製造する保湿剤含有ティシュペーパーに応じて適宜に設計変更できる。
なお、本実施形態においてはドクターブレードでヤンキードライヤーから掻き剥がした原紙を巻き取って原反ロールに巻き取るまでの間にロール転写装置を設けて保湿剤を原紙に塗布することができる。
ティシュペーパーの原紙を構成するパルプ、すなわち抄紙原料たるパルプスラリーの原料パルプは、公知のものが使用できる。具体的には、NBKP(針葉樹クラフトパルプ)とLBKP(広葉樹クラフトパルプ)とを適宜配合したものが好ましく用いられる。保湿剤との相性がよく、また得られるティシュペーパーの風合いの点でも望ましいことから、バージンパルプのNBKPとLBKPのみから構成されているのがよく、その場合の配合割合としては、NBKPよりLBKPの配合割合が高いほうが望ましい。なお、原紙のパルプ配合は、そのまま保湿剤含有ティシュペーパーのパルプ組成を構成することになる。
次いで、ティシュペーパーは、一般に複数枚一組の積層構造をとるため、プライマシンなどとも称される積層設備において、上記抄紙設備で製造した原反ロールの複数から原紙を繰出して流れ方向に積層した後、再度巻き取って二次原反ロールとも称される原紙が複数枚積層された積層シートに巻き取ることが行なわれる。
上記のとおり本発明においては、ロール転写装置を設ける位置は特に限定されないが、積層設備にロール転写装置を設けると、幅広の原紙に対して保湿剤を高速かつ効率よく塗布することができるため、生産性を高めることができ望ましい。本実施形態として図1に積層設備100にロール転写装置50を設けた設備例の概要を示している。
この図の積層設備100では、抄紙設備で形成した原反ロール10,10を二つ設置して、これらの原反ロール10,10から連続する原紙11,12をそれぞれ繰出して、積層部30で流れ方向に積層した後、ロール転写装置50にて原紙11,12が積層された積層シート20の両面に保湿剤を塗布し、その後、エンボス装置40にてコンタクトエンボスとも称されるエンボスを積層シート20に付与して積層された各原紙11,12を固定化し、さらに後段のスリッターにて折畳み設備に応じた幅、例えば、保湿剤含有ティシュペーパーの製品幅やその複数倍幅にスリットし、巻き取り手段70によって巻き取っている。
ここで、本発明におけるロール転写装置50としては、例えば、フレキソ塗布装置、グラビア塗布装置、2ロール転写装置、3ロール転写装置など刷版ロールを用いるロール転写装置が用いられる。好ましくは、水性である保湿剤との相性が良く、また、刷版ロールの表面が樹脂製であり印圧が低いため塗布時にティシュペーパーが圧密化せずに柔らかさを保持しやすいことなどから、図2に示すフレキソ塗布装置が特に適する。フレキソ塗布装置においては、ドクターチャンバー式、2ロール式、3ロール式等が存在するが、特に図2に示すドクターチャンバー式のものが刷版ロールへの保湿剤の供給安定性に優れるため好ましい。ドクターチャンバー式のフレキソ塗布装置50は、図示されない加温タンクで所定温度に加温された保湿剤をドクターチャンバー51に供給し、このドクターチャンバー51からアニロックスロール53に保湿剤が受け渡され、さらにアニロックスロール53から刷版ロール54へと保湿剤が移行され、そして、刷版ロール54と圧胴ロール55との間を通る原紙11,12に対して保湿剤が塗布される。
本発明に係る保湿剤としては、ポリオールを50〜90質量%、より好適には70〜90質量%、水分を1〜15質量%含むものが望ましい。ポリオールはグリセリンのほかにジグリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、およびその誘導体等の多価アルコール、ソルビトール、グルコース、キシリトール、マルトース、マルチトール、マンニトール、トレハロース等の糖類が例示できる。特にグリセリンを主成分とするものは、保湿効果に優れるとともに温度による粘度変化が大きいため本発明の効果を顕著に享受できる。より具体的なグリセリンの粘度を示すと、0℃では1000mPa・S以上、10℃では600〜1000mPa・S、30℃で100〜300mPa・S程度であり、温度依存性が高い。本発明はこのような粘度の温度依存性が高い保湿剤にたいして特に有効である。保湿剤を原紙に塗布する際には、その粘度を概ね10〜300mPa・Sとするのが望ましく、グリセリンを主成分とするものであれば、概ね20〜60℃の範囲である。
ここで、刷版ロールに保湿剤を供給するにあたっては、外気温などに応じて加温タンクで温度調整して、刷版ロールへ保湿剤を受け渡すためのアニロックスロール等へ供給していく。しかし、実際にはロール転写装置の構成によって刷版ロール表面の温度が幅方向で一定にならない。本実施形態では、このような刷版ロール表面の温度分布が幅方向に一定に成り難いことから、ロール転写装置における刷版ロール、すなわち原紙に直接的に接触するロールを網点面積率及びスクリーン線数の少なくとも一方を幅方向に沿って、連続的又は幅方向に所定の範囲毎に段階的に変化させたものとするものである。なお、スクリーン線数が低くなるにつれて転写量が増加し、網点面積率が増加するにつれて転写量が増加する傾向になる。また、本発明におけるロールの幅方向とは回転軸に沿う方向を意味する。
そして、この網点面積率又はスクリーン線数の少なくとも一方を段階的な幅方向の変化は、その刷版ロールの幅方向における保湿剤の粘度差に応じて適宜設計することができる。保湿剤の粘度差は、上記のとおり温度に依存するためロール転写装置を運転した際の刷版ロール表面の幅方向の温度分布を予め測定するなどして、刷版ロール表面の温度に応じて適宜に刷版ロールの網点面積率又はスクリーン線数の少なくとも一方の幅方向に向かう変化量を決定することができる。
但し、このように刷版ロールの網点面積率又はスクリーン線数の少なくとも一方を段階的な幅方向に変化するにしても、上記のロール転写装置への保湿剤の供給時の粘度を10〜300mPa・Sの範囲とするのが望ましい。この範囲の粘度でロール転写装置に保湿剤を供給すれば、本発明による保湿剤の塗布ムラの防止効果をより発揮しやすくなる。
ここで、本発明者によればロール転写装置を用いて保湿剤を塗布する場合、刷版ロールの幅方向の中央部から端部にむかって温度が低くなることを知見している。これは、ロール転写装置の構成などに起因して刷版ロールの軸心部で熱が発生し、その芯部の熱の排熱はロール側端の開放部分において多く行なわれるためと考えられる。したがって、本発明においては、刷版ロール表面の詳細な温度測定をおこなわなくとも、通常は、刷版ロール54の幅方向中央部から幅方向端部に向かって網点面積率及びスクリーン線数の少なくとも一方を連続的又は段階的に増加又は減少させるように変化させた刷版ロールを用いることで、塗工ムラを防止することができる。例えば、図3に示す刷版ロールのように、幅方向中央部のA領域からそれよりも両端側のB領域、C領域、D領域に向かって、段階的に網点面積率及びスクリーン線数の少なくとも一方を段階的に増加又は減少するように変化させるようにする。もちろん、何段にするかは適宜である。
ここで、幅方向中央部から幅方向端部に向かって網点面積率及びスクリーン線数の少なくとも一方を連続的又は段階的に増加又は減少させるかは、塗布量や転写ロールの回転数によって選択することができる。通常は、刷版ロールは幅方向の端部にいくにしたがって温度は下がる傾向にあるため、幅方向中央部から端部に行くにしたがって、保湿剤の粘度が高まる傾向にあり、粘度が低い中央部のほうが転写量が増加しやすい傾向にある。したがって、幅方向の中央から端部に向けて網点面積率を増加、スクリーン線数を低下させるようにすると、刷版ロールの幅方向における塗布量が均一化する。
ここで、本発明における刷版ロールの具体的なスクリーン線数及び網点面積率は、原紙の坪量及び保湿剤の塗布量にもよるが、保湿剤含有ティシュペーパーの好ましい塗布量として例示される1プライ当たり0.5〜8.0g/m2の範囲とするのであれば、塗布量は1.5〜5.0g/m2とするのが望ましく、この場合、刷版ロールの具体的なスクリーン線数は1インチ当たり10〜40線の範囲内、網点面積率は10〜40%の範囲内で幅方向に変化させるのが望ましい。この範囲であれば、通常の保湿剤を含有しないティシュペーパーと比較して、しっとり感、滑らかさ、柔らかさが明確に優れる、JIS P 8124による坪量が1プライ当たりが10〜18g/m2、保湿剤含有量がソックスレー抽出法による抽出で有効成分量が原紙に対して10〜35質量%の範囲の保湿剤含有ティシュペーパーを製造することができる。
なお、刷版ロールと組み合わせるアニロックスロールの線数やセル容量は、保湿剤の塗布量に応じて適宜さだめることができ、このアニロックスロールについては幅方向に線数やセル容量を変化させなくてよい。アニロックスロールの線数を例示すれば、10〜300線、好ましくは25〜200線、特に好ましくは50〜100線である。線数が10線未満であると刷版ロールの構成に関係なく塗布ムラが生じやすくなり、他方、線数が300線超過であると紙粉が詰まり易くなる。セル容量は、10〜100cc、好ましくは15〜70cc、特に好ましくは30〜60ccである。セル容量が10cc未満であると所望の塗布量が得られず、他方、セル容量が100cc超過であると薬液の飛散量が多くなるおそれがある。
他方、本発明に係る保湿剤含有ティシュペーパーは、積層設備で二次原反ロールを製造したならば、製品化するにあたって、さらにその二次原反ロールを折畳み設備に移送して、適宜折畳み積層された原紙の束を製造する。折畳み設備は、ロータリー式インターフォルダ、スタンド式インターフォルダ、ポケットティシュー折り畳設備など製品形態に応じた適宜の折畳み設備で行なうことができる。なお、図2の本実施形態においては、積層設備にロール転写装置を設置して保湿剤の塗布を行なった形態を示しているが、上述のとおり、本発明ではこの折畳み設備にロール転写装置を設置し、積層設備で巻き取った二次原反ロールから積層した原紙を繰出して折畳みを行なう直前で保湿剤を塗布するようにしてもよい。また、積層設備と折畳み設備の間にロール転写装置を有する設備を設けてそこで保湿剤を塗布してもよい。
本発明は、ロール転写装置における刷版ロールの網点面積率又はスクリーン線数の少なくとも一方を幅方向に連続的又は段階的に変化させることで、原紙の幅方向の塗布ムラがなくなり、製品の品質安定化が向上する。
折畳み設備で原紙の束を形成した後には、公知の裁断工程及び収納工程を経て適宜包装して保湿剤含有ティシュペーパーを適宜の製品形態にすればよい。
本発明の製造方法の実施例及び比較例について試験し検討した、
試験は、フレキソ印刷機を設けた図1に示す装置を用い、ローション薬液温度50℃、の条件で保湿剤を塗布して、塗布後の幅広のティシュペーパー原紙を巻き取る。そして、そのロールに巻き取られたティシュペーパーの幅方向の異なる部分における薬剤含有量を測定し、その薬剤含有量より塗布量を算出して、幅方向の塗布量のバラツキを確認する。
各実施例では、幅方向にA〜Fの6区画に分け、各区画のスクリーン線数、網点面積率を異なるように変化させた刷版ロールを用い、各比較例は、各区画のスクリーン線数、網点面積率を同一にした刷版ロールを用いた。
各例の刷版ロールの具体的なスクリーン面積率、網点面積率、幅方向の実際の塗布量を下記表1に示すとともに、各例における各区画の塗布量の変化をグラフ化したものを図4に示す。
Figure 0006230342
表1及び図4に示されるように、各例は、すべて幅方向の各区画の塗布量の平均値は3g/m2前後となっているが、刷版ロールを幅方向のスクリーン線数、網点面積率とした比較例1及び比較例2では、特に、中央部C、中央部Dの塗布量が高くなっている。すなわち、幅方向の塗布量の均一性に難がある。
これに対して、本発明のスクリーン線数及び網点面積率の少なくとも一方を変化させた実施例1〜3については、幅方向の塗布量の均一性が高い。
各例のバラツキ3σを比較しても、本実施例の有意性が確認できる。
以上のとおり、本発明によれば、ロール転写によって原紙に保湿剤を塗工する際のロール幅方向の塗布ムラが防止される。
100…積層設備、50…ロール転写装置、10…原反ロール、11,12…原紙、30…積層部、20…積層シート、40…エンボス装置、60…スリッター、70…巻き取り手段、15…二次原反ロール、51…ドクターチャンバー、53…アニロックスロール、54…刷版ロール、55…圧胴ロール。

Claims (6)

  1. 保湿剤含有ティシュペーパーの製造方法において、
    幅方向中央部から幅方向端部に向かって網点面積率及びスクリーン線数の少なくとも一方を連続的又は段階的を増加又は減少させるように変化させた刷版ロールを用いて、保湿剤を原紙に塗布することを特徴とする保湿剤含有ティシュペーパーの製造方法。
  2. 前記刷版ロールを組み込んだフレキソ印刷機により原紙に保湿剤を塗布する請求項1記載の保湿剤含有ティシュペーパーの製造方法。
  3. 操業速度における刷版ロール表面の温度分布に応じて、前記刷版の網点面積率及びスクリーン線数を決定する請求項1又は2記載の保湿剤含有ティシュペーパーの製造方法。
  4. 前記保湿剤がグリセリンを主成分とするものである請求項1〜3の何れか1項に記載の保湿剤含有ティシュペーパーの製造方法。
  5. ロール転写装置への保湿剤の供給時の粘度を10〜300mPa・Sの範囲とする請求項1〜4の何れか1項に記載の保湿剤含有ティシュペーパーの製造方法。
  6. 刷版ロール1インチ当たりの線数を10〜80線の範囲で変化させる請求項1〜記載の保湿剤含有ティシュペーパーの製造方法。
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