JP6230292B2 - モータのステータ、モータ、および洗濯機 - Google Patents
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Description
(第1実施形態)
まず、第1実施形態について図1から図5を参照して説明する。図1にはドラム式の洗濯機1の概略的な断面図が示されている。この洗濯機1の外殻を構成する外箱2の前面(図1では左側)のほぼ中央部には、洗濯物出入口3と、この洗濯物出入口3を開閉する扉4が設けられている。外箱2内には水槽5が配設されている。この水槽5は、前面側が開口し背面側が閉塞された有底円筒状をなしていて、内部に貯水が可能となっている。この水槽5は、これの中心軸線が横軸状でかつ前上がりに傾斜した形態で、サスペンション6によって外箱2内に弾性的に支持されている。水槽5の前面開口部と洗濯物出入口3との間は、環状の弾性材(例えばゴム)からなるべローズ7によって連結されている。この結果、洗濯物出入口3は、べローズ7を介して水槽5の内部に連なっている。
まず、モータ12のステータ13におけるステータコア31は、積層鋼板で形成された鉄心33と、この鉄心33を覆うように型成形により設けられ磁性粉を加圧固化させた磁性粉固化部34と、を備える構成とした。これによれば、型成形により設けられる磁性粉固化部34は、三次元的な形状の自由度が増える。この場合、磁性粉固化部34のティース形成部34Bの先端部に、軸方向に突出する凸部39を設けていて、ティース高さを部分的に変えているが、このような形状を比較的容易に製造することができる。また、ステータコア31において、中心部は積層鋼板からなる鉄心33により形成しているので、ステータコア31全体を磁性粉固化部34で構成する場合に比べて透磁率が高く、鉄損を抑えることができる。よって、磁性粉固化部34で形成されるコアの三次元形状の製造のし易さと、鉄心33で形成されるコアの高透磁率特性を併せ持つステータコア31の提供が可能になる。
第2実施形態について図6を参照して説明する。この第2実施形態は、次の点を特徴としている。ステータコア31にいて、各露出部38における鉄心33には、周辺と段差を形成した段差部57が形成されている。段差部57は、この場合凹部によって形成されている。露出部38に段差部57を設けることで、鉄心33の周りに磁性粉固化部34を型成形により設ける際に、鉄心33の三次元方向の位置決めが可能になり、位置決め精度を一層向上させることができる。段差部57が複数あることで、鉄心33の位置決め精度を一層向上させることができる。段差部57としては、凹部に代えて凸部とすることもできる。
第3実施形態について図7を参照して説明する。この第3実施形態は、次の点を特徴としている。鉄心33において、各ティース形成部33Bの先端部に、外周部側が開口した切欠き部58を形成している。切欠き部58は、軸方向から見てほぼ台形状で、いわゆるあり溝形状となっていて、外周部側の開口部よりも底部側の寸法が大きく形成されている。そして、鉄心33を覆う磁性粉固化部34は、その切欠き部58内にも充填されている。これにより、鉄心33と磁性粉固化部34はその切欠き部58部分で強固に連結されるようになり、鉄心33と磁性粉固化部34の結合力を向上させることができる。
第4実施形態について図8を参照して説明する。この第4実施形態は、次の点を特徴としている。図8には、ステータコアを周方向に分割した分割コア59の一つが示されている。分割コア59において、鉄心33のヨーク形成部33Aには、周方向の一端部にあり溝状の切欠き部60が形成され、他端部にその切欠き部60に対応した台形状の凸部61が形成されている。一つの分割コア59の凸部61を、隣の分割コア59の切欠き部60に嵌合させることを繰り返し、分割コア59を複数個組み合わせることで、環状のステータコアが形成される。
(第5実施形態)
第5実施形態について図9を参照して説明する。この第5実施形態は、次の点を特徴としている。図9では、被覆材50を設ける前のステータコア31が示されている。磁性粉固化部34の外面に、露出部38を基準として平坦な切削面63を形成している。この場合、切削面63は、磁性粉固化部34の上下両面に形成している。切削面63は、露出部38を基準とすることで、切削時の寸法精度を向上できる。切削面63を形成することで、ステータコア31の寸法精度の向上を図ることが可能となる。切削面63を形成した後、被覆材50が設けられる。
第6実施形態について図10を参照して説明する。この第6実施形態は、次の点を特徴としている。ステータコア31における磁性粉固化部34の磁気配向方向B1を、ティース形成部34Bに巻装されたステータコイル32に電流を流したときに発生する磁束の方向B2とほぼ同方向となるようにしている。これにより、磁性粉固化部34の磁気抵抗を低減できて、モータとしての効率を一層向上させることが可能となる。
第7実施形態について図11を参照して説明する。この第7実施形態は、次の点を特徴としている。ステータコア31において、磁性粉固化部34のヨーク形成部34Aは、径方向中心側の寸法が大きく設定されている。そのヨーク形成部34Aの軸方向の上下両面を切削して切削面63を形成していて、この切削面63を、製品である洗濯機の軸受ハウジング15に、固定手段であるボルト64により固定している。したがって、ステータコア31ひいてはステータ13は、切削面63を製品への取付面に用いている。これによれば、ステータコア31の基準面となる切削面63を、製品の軸受ハウジング15に当接させることで、ステータ13と軸受ハウジング15との取付精度が向上し、ひいてはステータ13とロータ14の間のギャップの最小化による効率改善や、効率向上による小型化が可能となる。
第8実施形態について図12を参照して説明する。この第8実施形態は、次の点を特徴としている。ステータコア31における磁性粉固化部34のティース形成部34Bの外面において、4箇所の角部を曲面状に形成してカット部65としている。磁性粉固化部34の周りは被覆材50で覆われている。ティース形成部34Bの4箇所の角部をカット部65とすることで、4箇所の角部を角部のままとした場合に比べて、ティース形成部34Bの周りに巻装されるステータコイル32の巻き線長さを短くすることができ、その分、銅損を低減することが可能になる。カット部65としては、曲面状に形成することに代えて、平面状の斜面とすることもできる。
第9実施形態について図13を参照して説明する。この第9実施形態は、次の点を特徴としている。図13は、図4と同様に、鉄心33の周りに磁性粉固化部34を設けるための型構造が示されている。この型構造において、鉄心33の反ロータ側(図13において右側)に、露出部形成部70が設けられている。この露出部形成部70は、鉄心33の反ロータ側において軸方向(上下方向)の中央部に位置し、水平方向への移動が可能となっている。
第10実施形態について図14を参照して説明する。この第10実施形態は、次の点を特徴としている。図14は、図13と同様に、鉄心33の周りに磁性粉固化部34を設けるための型構造が示されている。この型構造において、下型40および上型41には、反ロータ側(図14において右側)に露出部形成部40A,41Aが設けられていて、これら露出部形成部40A,41Aの先端部が鉄心33の上下両面に当接している。下型40および上型41の反ロータ側には、軸方向(図14において上下方向)に延びる固定型73が設けられていて、この固定型73は、鉄心33の反ロータ側の側面に当接している。この場合、下型40と上型41との間に設けられた磁性粉固化部34形成用のキャビティ74は、鉄心33の径方向においてロータ側のほぼ半分(図14において左側半分)となっている。
ステータコア31にあって、鉄心33は、鋼板を積層した積層鋼板に代えて、磁性体である例えば鋼鉄の塊で構成することも可能である。
合成樹脂製の被覆材50は、必要に応じて設ければよい。
モータとしては、アウターロータ型に限られず、インナーロータ型にも適用できる。
Claims (14)
- 磁性体で形成された鉄心と、この鉄心を覆うように型成形により設けられ磁性粉を加圧固化させた磁性粉固化部と、を有するステータコアを備え、前記ステータコアは、ステータコイルが巻装されるティース形成部を有し、前記ティース形成部のうち前記ステータコイルが巻装される部分には、前記鉄心の一部を露出させた露出部が設けられていることを特徴とするモータのステータ。
- 前記ステータコアにあってロータと対向する側の端部の軸方向の高さ寸法が、ステータコイルが巻装される部分の軸方向の高さ寸法よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項1記載のモータのステータ。
- 前記ステータコアには、前記鉄心の一部を露出させた露出部が複数あることを特徴とする請求項1または2記載のモータのステータ。
- 前記露出部において露出した前記鉄心には、周辺と段差を形成した段差部が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のモータのステータ。
- 前記段差部は複数箇所に存していることを特徴とする請求項4記載のモータのステータ。
- 前記ステータコアの外面を、型成形により設けられた合成樹脂製の被覆材により覆う構成としたことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のモータのステータ。
- 前記鉄心に切欠き部を形成し、前記磁性粉固化部を前記切欠き部内に充填させたことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のモータのステータ。
- 前記ステータコアは、複数の分割コアを組み合わせて構成したことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のモータのステータ。
- 前記ステータコアは、前記露出部を基準として前記磁性粉固化部の外面を切削したことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のモータのステータ。
- 前記ステータコアは、前記露出部を基準として前記磁性粉固化部の外面の複数面を切削したことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のモータのステータ。
- 前記ステータコアにあって前記切削した面を、製品への取付面に用いることを特徴とする請求項9または10に記載のモータのステータ。
- 前記磁性粉固化部の磁気配向方向を、前記ステータコアに巻装したステータコイルに電流を流したときに発生する磁束の方向とほぼ同方向となるようにしたことを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載のモータのステータ。
- 請求項1から12のいずれか一項に記載のモータのステータと、
このステータに対して回転可能に設けられたロータと、を備えたことを特徴とするモータ。 - 洗濯物が収容される回転槽と、
この回転槽を回転させる駆動手段と、を備え、
前記駆動手段に請求項13のモータを用いることを特徴とする洗濯機。
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