JP6229321B2 - 光源装置 - Google Patents
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Description
また近年では、ライトガイドに光を入射する光源装置として、LEDを光源とした装置も実施されている(例えば、特許文献2参照)。LED等の発光素子を光源に用いることで、ランプ交換が不要となる等のメンテナンスの面でメリットがある。
しかしながら、このような高出力型発光素子は、一般的な発光素子に比べて発光部が比較的大きい。このため、理想的な点光源の光を所定範囲に集光するように光学設計された反射型集光光学系を用いて、高出力型発光素子の光を集光制御した場合、発光部の大きさに起因して、集光箇所での光束断面が所定範囲よりも大きくなる、という問題がある。
しかしながら、光源装置の光源の発光部が点光源よりも大きくなるほど、集光箇所での集光光束には、入射角θが反射型集光光学系の設計値よりも大きい成分が多く含まれることとなる。このため、ライトガイドに入射しても導光されない光成分が多くなり、効率低下を招くという問題がある。
この構成の集光反射面によれば、発光部が大きさを有している場合であっても、第2焦点での光束の拡がりを抑え、また、第2焦点に光束に含まれる各光成分の入射角の増大を抑えることができる。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態に係る光源装置1の模式図である。
光源装置1は、ライトガイド4の端面4Aに光を入射する装置であり、光源6と、集光光学系2とを備えている。この集光光学系2は、光源6の光をライトガイド4の端面4Aに集光する反射型の光学系である。
ライトガイド4は、少なくとも一方向に延在する導光部材であり、一端側の端面4Aに入射した光を全反射によって内部を伝搬させながら他端側に導光し、当該他端側の端面(図示せず)から出射し、目的の照射物に照射される。このライトガイド4の具体例としては、例えば複数の光ファイバの素線を束ねて成るバンドルファイバや導光ロッドが挙げられる。
またライトガイド4には開口数NAが設定されている。開口数NAは、内部を伝搬可能な入射光の最大入射角θmaxを規定し、開口数NAと最大入射角θmaxとの間には、開口数NA=sin(最大入射角θmax)の関係が成立する。
なお、LED7は、1個のLEDの素子から成るものに限らず、複数のLEDの素子を集積して高出力化したものでも良い。集積化したLEDの例としては、例えばCOB型LED等が挙げられる。
この集光光学系2は、光源6とライトガイド4の結合効率を高めるために、集光箇所Saにおいて、光束に含まれる光成分の各々の入射角θが上記最大入射角θmaxを超えないように設計されている。これにより、理想的には、集光光学系2によって集束した光の全てがライトガイド4の端面4Aに入射し、その内部を全反射により伝搬して他端側に導光されることとなる。
図2は、集光反射面10を単一の楕円反射面14のみで構成した場合の説明図である。
同図に示すように、楕円反射面14の形状を、光源6の発光部7Aの中心を第1焦点S1とし、集光箇所Saの中心を第2焦点S2とする形状にすることで、発光部7Aの光が第2焦点S2に集光される。
また、楕円反射面14を、光軸K(楕円反射面14の長軸)との交点Mから第1焦点S1までの大きさとした場合、第2焦点S2での入射角θが最大となる光成分は、第1焦点S1から光軸Kに垂直方向(楕円反射面14の短軸方向)に放射されて光成分Hxである。この光成分Hxの入射角θHxは、楕円反射面14における光成分Hxの反射点をPHx、当該反射点PHxと第1焦点S1の距離をL1Hx、反射点PHxと第2焦点S2の距離をL2Hxとした場合、Arcsin(距離L1Hx/距離L2Hx)により求められる。
したがって、入射角θHxがライトガイド4の最大入射角θmaxを超えないように楕円反射面14を設計することで、第2焦点S2に集光する光成分のそれぞれの入射角θを最大入射角θmax以下に抑えることができる。
詳述すると、発光部7Aの中心、すなわち第1焦点S1から出射した光成分をHaとし、発光部7Aの端部7Atから出射し、楕円反射面14において光成分Haと同じ反射点PHaに入射する光成分をHbとする。この場合、図2に示すように、発光部7Aの中心(すなわち、第1焦点S1)から端部7Atまでの距離dに起因して、光成分Hbは、集光箇所Saにおいて第2焦点S2からズレ量δだけ離れた位置に入射する。このズレ量δは、距離dが大きいほど、すなわち発光部7Aが大きくなるほど大きくなる。例えばLED7がCOB型LED等である場合、COB型LED等は、発光部7Aが比較的大きな面状を成し、いわゆる面状光源となることから、発光部7Aの大きさに起因するズレ量δは無視できないほど大きくなる。
すなわち、楕円反射面14においては、楕円の特性により、第1焦点S1から反射点PHaまでの距離L1Haは、光成分Haの角度βが小さくなるほど短くなり、反射点PHaが発光部7Aに近付く。一方、第1焦点S1、反射点PHa、及び端部7Atの3点から成る角度をγとすると、この角度γが大きいほど、光成分Hbのズレ量δは大きくなる。
図3に示すように、角度β1の光成分Ha1と、この角度β1よりも小さな角度β2の光成分Ha2を例にすると、これらの光成分Ha1、Ha2では、光成分Ha1の反射点PHa1よりも光成分Ha2の反射点PHa2が発光部7Aに近付く。このため、光成分Ha1についての角度γ1よりも光成分Ha2についての角度γ2が大きくなる。
この結果、角度β1の光成分Ha1に対応する光成分Hb1のズレ量δ1に対し、角度β1よりも小さな角度β2の光成分Ha2に対応する光成分Hb2のズレ量δ2が大きくなる。
また、光成分Hbの入射角θは、ズレ量δが大きい大きくなるほど、対応する光成分Haの入射角θよりも大きくなることから、最大入射角θmaxを超えるような光成分Hbも多分に生じることになる。
すなわち、単一の楕円反射面14において、光成分Hbのズレ量δは、角度βが小さくなるほど、換言すれば反射点PHaが光軸Kに近付くほど、その反射点PHaと発光部7A(第1焦点S1)の距離L1Haが短くなる事に起因して増大する。
つまり、光成分Haの角度βが小さくなるほど、その光成分Haの反射点PHaと発光部7A(第1焦点S1)の距離L1Haを長くできれば、その反射点PHaに入射する光成分Hbのズレ量δの増大が抑えられることになる。
したがって、光源6に対して単一の楕円反射面14を配置するのではなく、図4に示すように、光源6に対し、それぞれが第1焦点S1、及び第2焦点S2を焦点とし、曲率が光源6から離れるについて順次に小さくなる(短軸、及び長軸が順次に長くなる)複数の楕円反射面14、14、・・・を配置する。これらの楕円反射面14、14、・・・によれば、光成分Haの角度βが小さくなるほど、その光成分Haは、光源6から離れた楕円反射面14で反射されることとなる。これにより、光成分Haの角度βが小さくなるほど、反射点PHaと第1焦点S1の距離L1Haが長くなる。この結果、光成分Haの角度βが小さくなっても、角度γの増大が抑えられるから、対応する光成分Hbのズレ量δの増大も抑えられることとなる。
この集光反射面10では、同図に示すように、それぞれの楕円反射面14の上端Qaと下端Qbとを連結面16によって連結して構成されている。このとき、この集光反射面10では、それぞれ楕円反射面14の上端Qaを結ぶ線Eと、光軸Kの方向とが成す角度εが上記最大入射角θmaxとなり、なおかつ、楕円反射面14の反射光が連結面16に入射しないように、各楕円反射面14の上端Qaから下端Qbまでの長さ(反射面の広さ)が規定されている。
集光反射面10にあっては、角度β=90の光成分である上記光成分Hxの入射角θHxが最大入射角θmaxを超えないように、当該光成分Hxを反射する楕円反射面14が形成されている。この光成分Hxを反射する楕円反射面14は、図1に示すように、集光反射面10の上端部10Aに位置する。その下に連設される各々の楕円反射面14は、上記の通り、共に同じ第2焦点S2を有することから、下端部10B(すなわち光軸K)に近い楕円反射面14で反射された光成分Haほど入射角θは小さくなる。このとき、光軸Kに近い楕円反射面14であっても、第1焦点S1たる発光部7Aからの距離L1Haが図2、図3に示す単一の楕円反射面14に比べて延長される位置に設けられる。このため、光軸Kに近い楕円反射面14においても、発光部7Aの端部7Atの光成分Hbのズレ量δが抑えられるから、所定の光束断面径Dの範囲に光束を収めることができる。また、その光成分Hbの入射角θについても最大入射角θmax以下に収められる。
換言すれば、この集光反射面10は、共に同じ第1焦点S1、第2焦点S2を有し、かつ、それぞれの距離L1Ha、距離L2Haとの比が各々等しくなる複数の楕円反射面14、14、・・・を連設して構成しているとも表現できる。
換言すれば、集光反射面10には、光源6の発光部7Aの中心を第1焦点S1とし、集光箇所Saの中心を第2焦点S2とする、互いに曲率が異なる複数の楕円反射面14、14、・・・を含み、各々の楕円反射面14、14、・・・が、第1焦点S1からの距離L1Haと、第2焦点S2までの距離L2Haとの比が略等しくなるように連ねられた構成としている。
この構成の集光反射面10によれば、発光部7Aが大きさを有している場合であっても、所定の光束断面径Dの範囲に光束を収めることができ、また、光束に含まれる各光成分の入射角θを最大入射角θmaxに収めることができる。
図6は、本実施形態に係る光源装置100の模式図である。なお、同図において、第1実施形態と同じ部材については同一の符号を付して、その説明を省略する。
同図に示すように、この光源装置100は、光源6の光を平行光化する平行光化光学系102を備え、この平行光化光学系102が光源6に対面配置される平行光化反射面110を備えている点で、第1実施形態の光源装置1と構成を大きく異にしている。
詳述すると、ライトガイド4の端面4Aが比較的大きい場合、当該発光部7Aの光を集光する必要はなく、略平行光化して端面4Aに入射することで、その入射角θを非常に小さくできる。特に、光源6がLED7である場合、放射角αのうち、光軸Kの近傍の放射角αhに光量が集中することから、この放射角αhの範囲の平行光によって端面4Aでの光束断面径Dが規定される。換言すれば、平行光化反射面110による全ての平行光が端面4Aに入射せずとも、この光束断面径Dが端面4Aに含まれれば、十分な効率が得られるとも言える。
図7は、平行光化反射面110を単一の放物反射面114のみで構成した場合の説明図である。
同図に示すように、放物反射面114の形状を、光源6の発光部7Aの中心を焦点Sとする放物面形状にすることで、発光部7Aの光を平行光化して端面4Aに照射することができる。
特に、この光成分Hbのズレ量δは、第1実施形態の楕円反射面14と同様の理由により、反射点PHaが光軸Kに近付くほど、すなわち光成分Haの角度βが小さいほど顕著になる。上述した通り、LED7にあっては、光軸Kの近傍に光量が集中するため、係るズレは、端面4Aでの光束断面径Dの増大に大きく影響を与える。
これにより、平行光化反射面110では、光成分Haの角度βが小さくなるほど、その光成分Haは、光源6から離れた放物反射面114で反射される。これにより、第1実施形態で説明した理由と同様の理由により、光成分Haの角度βが小さくなっても、対応する光成分Hbのズレ量δの増大が抑えられることとなる。
この結果、ライトガイド4の端面4Aにおいて、入射角θの増大、及び光束断面径Dの拡がりが抑えられ、光源6とライトガイド4の結合効率を良好にできる。
この構成によれば、発光部7Aが大きさを有している場合であっても、光束断面径Dの拡がりを抑え、かつ平行光の光束に含まれる各光成分の入射角θの増大を抑えることができる。
例えば、上述した第1、及び第2実施形態において、第1焦点S1、又は焦点Sに平坦な反射面を配置することで、集光箇所Sa、又は照射箇所を鏡像反転した位置に設けても良い。この例について、第1実施形態を例に説明する。
図8は、本変形例に係る光源装置300の構成を示す模式図である。なお、同図において、第1実施形態と同じ部材については同一の符号を付して、その説明を省略する。
この図に示すように、光源装置300は、第1焦点S1の直近に、法線方向gを光軸Kに平行にして、集光反射面10と対面配置された平面ミラー330を備えている点で、第1実施形態の光源装置100と構成を大きく異にする。
また、係る平面ミラー330は、第2実施形態についても適用可能であることは勿論である。
上述した光源装置300の応用例として、ライトガイドの一態様たるバンドルファイバに光を入射する光源装置500を説明する。
図10は本応用例に係る光源装置500の構成を示す斜視図であり、図11は光源装置500の組立図である。
これらの図に示すように、箱型のケース体550を備え、ケース体550の裏面には冷却ファン552が設けられ、またケース体550の上面550Aにはファイバコネクタ554が設けられている。ケース体550は、上下に分離可能な上ケース560と、下ケース562とを備え、図11に示すように、下ケース562の底面562Aには、冷却ファン552の冷却風を導入/排出する開口564が形成されている。下ケース562の底面562Aには、熱伝導性に優れた金属材等から成る通風板568が開口564を覆って取り付けられる。通風板568の面内には多数の貫通孔569が形成され、また、上ケース560の側面にも多数の貫通孔571が形成されており、これらの貫通孔569、571によって冷却ファン552による冷却風がケース体550の内部を冷却し外部に放出される。
光源モジュール506は、第1及び第2実施形態の光源6に対応し、集光光学ユニット502は、第1実施形態の集光光学系2に対応し、また平面ミラー530は変形例の平面ミラー330に対応するものである。
この光源モジュール506は、図11に拡大して示すように、実装基板508の上面に、LEDチップ507を実装したものである。このLEDチップ507は、平面視矩形状の複数のCOB型LED509を略隙間無く格子状に並べることで、実装基板508の実装面の法線方向を光軸Kとした平面視矩形状の面上光源を構成したものである。このように、LEDチップ507は、複数のCOB型LED509を備えるため、非常に高出力な光源となる。このようなLEDチップ507では、発熱が非常に大きくなるが、上述の通り、直下の冷却ファン552により冷却されて放熱することで適切な温度に維持される。なお、光源モジュール506の放熱手段としては、冷却ファン552に限らず、例えば光源モジュール506と熱的に結合される放熱フィン等を、通風板568の裏面(すなわち、平面ミラー530の裏面側)に設けても良い。
集光光学ユニット502は、集光反射面510が内部に形成されたユニットである。この集光反射面510は、第1実施形態で説明した集光反射面10を、光軸Kを軸にして回転した回転曲面形状を成している。この集光光学ユニット502では、光軸Kを境に2つのブロック502A、502Bに2分割可能に構成されている。
この集光反射面510は、光軸Kに同軸に貫通孔519が形成されており、この貫通孔519と同軸に、上記ファイバコネクタ554が取り付けられている。この集光反射面510では、貫通孔519の位置に第2焦点S2が設定されており、ファイバコネクタ554にバンドルファイバが装着されると、このバンドルファイバの端面が第2焦点S2に位置するように構成されている。
そして、光源モジュール506の光が集光反射面510によって貫通孔519の第2焦点S2に集まめられ、光源モジュール506の直射光Hsとともに、バンドルファイバに入射されることとなる。
この図に示すように、単一の楕円反射面14で集光反射面10を構成した場合(図12B)に比べ、光源装置500によれば、光束断面Wでの光の拡がりΔが十分に抑えられていることがわかる。
つまり、光源装置500によれば、ライトガイド4の端面4Aに応じた所定の光束断面径Dに、入射角θの増大を十分に抑えた光成分を集束させ、ライトガイド4との結合効率を十分に高められる。
2 集光光学系
4 ライトガイド
4A 端面
6 光源
7 LED
7A、507A 発光部
7At 端部
8、508 実装基板
10、410、510 集光反射面
14、414、514 楕円反射面
102 平行光化光学系
110 平行光化反射面
114 放物反射面
330、530 平面ミラー
502 集光光学ユニット
506 光源モジュール
507 LEDチップ
519 貫通孔
552 冷却ファン(放熱手段)
568 通風板
D 光束断面径
Ha、Hb 光成分
K 光軸
L1Ha 距離(第1焦点からの距離)
L2Ha 距離(第2焦点までの距離)
PHa 反射点
S 焦点
S1 第1焦点
S2、S2a 第2焦点
Sa 集光箇所
d 距離
θ 入射角
θmax 最大入射角
Claims (6)
- 光軸を有する発光部を備えた光源と、前記光源よりも前記光軸に沿った遠方の集光箇所に前記光源の光を集める集光反射面とを備えた光源装置であって、
前記集光反射面には、前記光源の発光部の中心を第1焦点とし、前記集光箇所の中心を第2焦点とする、互いに曲率が異なる複数の楕円反射面を含み、
各々の楕円反射面が、前記発光部から離れるほど曲率が小さくなり、前記発光部から離れた楕円反射面で反射された光成分ほど前記集光箇所に入射する入射角が小さくなるように階段状に連ねられており、
それぞれの楕円反射面の前記光源に近い側の端部を結ぶ線と、前記光軸の方向とが成す角度が、前記集光箇所に入射する光の最大入射角である
ことを特徴とする光源装置。 - 光軸を有する発光部を備えた光源と、前記光源よりも前記光軸に沿った遠方の集光箇所に前記光源の光を集める集光反射面とを備えた光源装置であって、
前記集光反射面には、前記光源の発光部の中心を第1焦点とし、前記集光箇所の中心を第2焦点とする、互いに曲率が異なる複数の楕円反射面を含み、
各々の楕円反射面が、前記第1焦点からの距離と、前記第2焦点までの距離との比が略等しくなるように階段状に連ねられており、
それぞれの楕円反射面の前記光源に近い側の端部を結ぶ線と、前記光軸の方向とが成す角度が、前記集光箇所に入射する光の最大入射角である
ことを特徴とする光源装置。 - 前記第2焦点を鏡像反転した位置に作る平面反射面を前記第1焦点の位置に合わせて設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の光源装置。
- 前記平面反射面の裏側に前記光源を冷却する放熱手段を設けたことを特徴とする請求項3に記載の光源装置。
- 前記集光反射面は、前記光源の光軸を軸とする回転体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光源装置。
- 複数の前記光源を列状に並べて配置し、それぞれの光軸を挟んで、前記集光反射面を対面配置したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光源装置。
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