JP6227847B1 - コグ付vベルト及びそれを用いた伝動システム - Google Patents
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Abstract
ベルト(S)の内周面に、ベルト幅方向に沿って延びるコグ(11)を、ベルト長さ方向に一定の間隔をあけて並設する。コグ(11)の突出方向における先端部(12)と、コグ(11)間に設けられた溝部(13)の底部(14)とをいずれも断面円弧状の曲面で形成し、溝部底部(14)の断面形状における曲率半径(R1)をコグ先端部(12)の断面形状における曲率半径(R2)よりも大きくする。
Description
本発明は、コグ付Vベルト及びそれを用いた伝動システムに関する。
従来、ベルト方式の伝動システムにおいて、プーリ間で動力を伝達するための伝動ベルトとしてコグ付Vベルトが一般的に知られている。このコグ付Vベルトは、その内周面や外周面に複数のコグがベルト長さ方向に並んで突設されたものであり、ベルトに厚みをもたせることで、プーリからのベルトの側面方向への圧力に対する剛性を維持しつつ、屈曲性に優れるという利点を有しており、さまざまな技術が開示されている(例えば特許文献1)。
ところで、そのようなコグ付Vベルトを、例えば農機などの大型機械の伝動システムに用いる場合には、ベルトの剛性を維持するためにベルトサイズを大型化する必要があり、それによってベルトの屈曲性が低下するのを避けられず、小径のプーリへの取り付けが困難になるという問題が生じていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、大型機械の伝動システムなどに用いるコグ付Vベルトの形状に工夫を加えることにより、ベルト剛性を維持しつつ屈曲性を向上させることにある。
前記の目的を達成するために、本発明では、ベルトにおけるコグ間に形成される溝部に着目し、その溝部底部の断面形状における曲率半径をコグ先端部の断面形状における曲率半径よりも大きくすることで、ベルトの屈曲性を向上させることとした。
具体的には、第1の発明は、内周面及び外周面の少なくとも一方に、ベルト幅方向に沿って延びる複数のコグがベルト長さ方向に一定の間隔をあけて並んだ状態で設けられたコグ付Vベルトであって、前記隣接するコグ間には、該コグの突出方向と反対向きに凹嵌した溝部が設けられており、前記各コグの突出方向における先端部と、前記各溝部の底部とは断面円弧状の曲面で形成され、前記溝部底部の断面形状における曲率半径は、前記コグ先端部の断面形状における曲率半径よりも大きいことを特徴とする。
上記構成とすることで、コグ間に形成された溝部底部の断面形状の曲率半径がコグ先端部の断面形状における曲率半径よりも大きいため、ベルトを容易に曲げることが可能となる。これによって、コグを設けてベルトに厚みをもたせて側面方向からの圧力に対するベルト剛性の確保を行いつつ、ベルトの屈曲性を向上させることができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記コグの先端部と、該コグに隣接する前記溝部の底部とは、両者の間に位置する平面によって接続されており、前記溝部両側の前記平面同士の交差角度は20°以上30°以下の値であることを特徴とする。
上記構成とすることで、曲面のみでコグ及び溝部が形成されたベルトと比較して、平面が存在する分だけ、コグ間の溝部をより深く形成することが可能となり、ベルトの屈曲性をさらに向上させることができる。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記各コグは、前記ベルト長さ方向と垂直で該コグの厚さ方向中央を通る対称面に対して面対称となるように形成されていることを特徴とする。
上記構成とすることで、ベルトの走行方向がベルト長さ方向の一方向に限定されないこととなり、ベルトがベルト長さ方向の両方向に走行する伝動システムに対して、本発明を適用することができる。
第4の発明は、第1〜第3のいずれかの発明のコグ付Vベルトが複数のプーリに巻き付けられたことを特徴とする伝動システムです。
上記の構成によれば、コグ付Vベルトにコグを設けてベルトに厚みをもたせて側面方向からの圧力に対するベルト剛性の確保を行いつつ、ベルトの屈曲性を向上させることができる。
以上説明したように、本発明によれば、コグ間に形成された溝部の底部と、コグ先端部とを断面円弧状の曲面で形成し、溝部底部の断面形状における曲率半径をコグ先端部の断面形状における曲率半径より大きくしたことにより、コグ付Vベルトの剛性を維持しつつ屈曲性を高めることが可能となり、大型農機などの伝動システムに好適に用いられるコグ付Vベルトを実現することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の実施形態の説明は本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1に係るコグ付VベルトSを示し、このベルトSは、閉じたループを形成するようにエンドレスに構成されており、例えば大型機械の伝動システムなどに用いられる。ベルトSは、ベルト長手方向に延びる心線7が埋設された心線埋設部1と、心線埋設部1の内周面側(図1における下面側)に一体に設けられた圧縮部2と、心線埋設部1の外周面側(図1における上面側)に設けられた伸長部3とを備える。そして、伸長部3の外周面側には帆布4が一体的に積層されている。
図1は本発明の実施形態1に係るコグ付VベルトSを示し、このベルトSは、閉じたループを形成するようにエンドレスに構成されており、例えば大型機械の伝動システムなどに用いられる。ベルトSは、ベルト長手方向に延びる心線7が埋設された心線埋設部1と、心線埋設部1の内周面側(図1における下面側)に一体に設けられた圧縮部2と、心線埋設部1の外周面側(図1における上面側)に設けられた伸長部3とを備える。そして、伸長部3の外周面側には帆布4が一体的に積層されている。
そして、ベルトSは、ベルト長手方向に垂直な平面における断面形状が、外周面側から内周面側に向かうにつれてベルト幅方向の長さが短くなる台形状となるように形成されている。
心線埋設部1は、ゴム組成物で形成された接着ゴム層8と、該接着ゴム層8の内部にベルト幅方向に互いに隣り合うように並べられた状態で螺旋状に配置されて埋設され、撚られた繊維からなる心線7,7,…とからなる。
接着ゴム層8を構成するゴム組成物のゴム成分としては、クロロプレンゴム(CR)、エチレン・プロピレン・ジエン・ターポリマーゴム(EPDM)などを用いることができる。心線7は、例えばポリエステル(PET)繊維等の撚り糸をレゾルシン・ホルマリン・ラテックス水溶液などに浸漬した後に、乾燥処理を施して製造することができる。
伸長部3は、短繊維がベルト幅方向に配向するように混合分散されたゴム組成物で形成されており、ゴム組成物のゴム成分としては、クロロプレンゴム(CR)、エチレン・プロピレン・ジエン・ターポリマーゴム(EPDM)などを用いることができる。
帆布4は、ナイロン繊維、綿、アラミド繊維、及びそれらの混合繊維等からなる伸性を有する織布にゴム糊に浸漬した後に乾燥させる接着処理を施して製造することができる。
圧縮部2は、短繊維がベルト幅方向に配向するように混合分散されたゴム組成物で成形されており、ゴム組成物のゴム成分としては、クロロプレンゴム(CR)、エチレン・プロピレン・ジエン・ターポリマーゴム(EPDM)などを用いることができる。
圧縮部2には、ベルト幅方向に沿って延び且つベルト内側方向に突出した凸条からなる複数のコグ11,11,…が、ベルト長さ方向に一定のピッチ(間隔)をあけて並設されている。各コグ11は、前記ベルト長さ方向と垂直で該コグ11の厚さ方向中央を通る対称面16に対して面対称となるように形成されている。
そして、図2に示すように、隣接するコグ11,11間には、コグ11の突出方向と反対向きに凹陥した凹条からなる溝部13が設けられている。各コグ11の突出方向における先端部12と、各溝部13の底部14とはいずれも断面円弧状の曲面で形成されており、溝部底部14の断面形状における曲率半径R2は、コグ先端部12の断面形状における曲率半径R1よりも大きくなっている(R1<R2)。
さらに、コグ先端部12と、該コグに隣接する溝部底部14との間は平面15に形成されており、コグ先端部12と溝部底部14とはそれらの曲面間に位置する平面15によって滑らかに接続されている。そして、溝部13両側(ベルト長さ方向の両側)に位置する平面15,15同士の交差角度Aの大きさは20°以上30°以下(20°≦A≦30°)であり、図示例では例えば27°となっている。この交差角度Aは、20°未満の場合、R1<R2の関係を保ったままコグ11,11,…を形成することが困難となり、その一方で30°よりも大きい場合には、側圧からの剛性が著しく低くなることから20°以上30°以下が好ましい。
以下に、図3及び図4に基づき、本実施形態のベルトSを用いた伝動システムVについて説明する。
伝動システムVは、図3に示すように、互いに離間して配置されて回転軸22,22回りに回転する2つのVプーリからなるプーリT,Tに本実施形態のベルトSが巻き付けられたものであり、一方側(例えば図3右側)のプーリTの動力を、ベルトSを介して他方側のプーリTに伝達するようになっている。尚、プーリT,Tは正転方向(図3では実線の矢印の方向)のみならず逆転方向(同破線の矢印の方向)に回転することで、ベルトSにより動力を伝達するようになっていてもよい。
ここで、図4に示すように、各プーリTには、断面V字状に凹嵌したプーリ溝21(V溝)が設けられており、このプーリ溝21に断面V字状のベルトSが嵌合するように巻き付けられている。そして、一方側の駆動プーリTが回転することに伴い、そのプーリTのプーリ溝21にベルトSが楔効果で食い込むことで、所定の張力がベルトSに加わり、ベルトSが駆動プーリTの回転方向に沿って走行することとなる。このベルトSの走行に伴って、他方側の従動プーリTのプーリ溝21にベルトSが楔効果で食い込み、そのプーリTが同一の方向に回転することとなるが、ベルトSは張力の加わる方向に引っ張られると共にプーリT,Tの中心方向へ向かってプーリ溝21に押し付けられ、そのプーリ溝21からの反力としてプーリ溝21の側壁23から圧力を受けることとなる。
ここで、ベルトSの内周面にコグ11,11,…が形成されていることで、プーリ溝21の側壁23からの圧力を受ける面積を大きくすることができ、該圧力に対するベルト剛性を確保することができる。そして、コグ11,11間に位置する溝部13の底部14の断面形状における曲率半径R2が、コグ11の先端部12の断面形状における曲率半径R1よりも大きくなっていることで、ベルトSの屈曲性が高められ、ベルトSを折り曲げてプーリT,Tに巻き付けることが容易となる。
また、コグ先端部12と、該コグに隣接する溝部底部14とが、その間に位置する平面15によって接続されていることで、仮に平面15がなくて曲面のコグ先端部12及び溝部底部14が直接に接続されている場合に比べてコグ11をより深く形成することができ、その分、ベルトSの屈曲性を高めることができる。このとき、溝部13両側の前記平面15,15同士の交差角度は20°以上30°以下であることから、ベルトSの側圧剛性を良好に確保することができる。
以上より、この実施形態においては、ベルトSの内周面にコグ11,11,…が形成されており、さらにコグ11,11間に位置する溝部13の底部14の断面形状における曲率半径R2が、コグ11の先端部12の断面形状における曲率半径R1よりも大きいため、プーリTにおけるプーリ溝21の側壁23からの圧力に対するベルト剛性を確保しつつ屈曲性を高めることが可能となり、それによって曲げ抵抗を抑えることができる。こうして曲げ抵抗を抑えることにより、ベルトSの屈曲疲労にも有利となり、ベルトSの発熱を抑え寿命を延ばすことができる。
さらに、コグ11がベルト長さ方向と垂直で該コグ11の厚さ方向中央を通る対称面16に対して面対称となるように形成されているため、ベルトSの走行方向が限定されないこととなり、プーリT,Tが正転方向及び逆転方向の両方向に回転する伝動システムVであってもベルトSを使用することができる。
(実施形態2)
図5は本発明の実施形態2に係るベルトS′を示している。尚、図1及び図2と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
図5は本発明の実施形態2に係るベルトS′を示している。尚、図1及び図2と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
図5に示すように、本実施形態では、伸長部3の外周面(図5における上側面)に、ベルト幅方向に沿って延び且つベルト外側方向に突出した凸条からなる複数の外側コグ18,18,…が形成されている。ここで各外側コグ18の形状や外側コグ18,18間のピッチは任意とすることができるが、内周側のコグ11と同様の構成を有していてもよい。つまり、隣接する外側コグ18間に外側コグ18の突出方向と反対向きに凹嵌した溝部が設けられると共に、各外側コグ18の突出方向における先端部と、各溝部の底部とが断面円弧状の曲面で形成され、且つ溝部底部の断面形状における曲率半径が、コグ先端部の断面形状における曲率半径よりも大きくてもよい。その他の構成は実施形態1と同様である。
この場合においても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。また、外側コグ18,18,…が形成されることで、プーリ溝21の側壁23からの圧力を受ける面積を一層大きくすることができ、該圧力に対するベルト剛性をさらに高めることができる。
(その他の実施形態)
上記実施形態1及び2では、コグ11の先端部12と、該コグ11に隣接する溝部13の底部14とが平面15によって接続された構成としたが、特にこれに限定されるものではなく、コグ先端部12と溝部底部14とが直接接続された構成であってもよい。
上記実施形態1及び2では、コグ11の先端部12と、該コグ11に隣接する溝部13の底部14とが平面15によって接続された構成としたが、特にこれに限定されるものではなく、コグ先端部12と溝部底部14とが直接接続された構成であってもよい。
上記実施形態1では、ベルトSの内周面のみにコグ11,11,…が設けられた構成とし、上記実施形態2では、ベルトSの内周面にコグ11,11,…及び外周面に外面コグ18,18,…がそれぞれ設けられた構成としたが、特にこれに限定されるものではなく、ベルトSの外周面のみにベルト幅方向に沿って延びる複数のコグがベルト長さ方向に一定の間隔をあけて並んだ状態で設けられた構成であって、隣接するコグ間にコグの突出方向と反対向きに凹嵌した溝部が設けられると共に、各コグの突出方向における先端部と、各溝部の底部とが断面円弧状の曲面で形成され、且つ溝部底部の断面形状における曲率半径が、コグ先端部の断面形状における曲率半径よりも大きいものであってもよい。
上記実施形態1では、ベルトSが2つのプーリT,Tに巻き付けられた伝動システムとしたが、特にこれに限定されるものではなく、ベルトSが3つ以上の複数のプーリT,Tに巻き付けられた伝動システムであってもよい。
以下において、具体的な本発明の実施例について説明する。
(実施例1〜4)
ベルトの厚さ15mm、コグ11,11間の溝部13の深さ6mm、コグ11,11間のピッチ13mmである上記実施形態1と同様の構成のコグベルトSについて、溝部底部14の断面形状における曲率半径R2を3.5mmと固定した上で、コグ先端部12の断面形状における曲率半径R1を変化させた。半径R1と平面15,15同士の交差角度Aとの関係を図8に示す。なお、コグベルトSの構造上、交差角度Aは20°以上とした。続いて以下の解析を行った。
ベルトの厚さ15mm、コグ11,11間の溝部13の深さ6mm、コグ11,11間のピッチ13mmである上記実施形態1と同様の構成のコグベルトSについて、溝部底部14の断面形状における曲率半径R2を3.5mmと固定した上で、コグ先端部12の断面形状における曲率半径R1を変化させた。半径R1と平面15,15同士の交差角度Aとの関係を図8に示す。なお、コグベルトSの構造上、交差角度Aは20°以上とした。続いて以下の解析を行った。
(ベルト剛性の解析)
図6に示すように、上述の交差角度Aを変化させた各ベルトSについて、VプーリからなるプーリTのプーリ溝21に挟んだ上で、各ベルトSの外周面の幅方向中央部をベルト長さ方向の押さえ棒U(図では半割状態で示す)で押圧して3点曲げ状態で発生する反力とたわみ量とから剛性G(単位N/mm)を求めるFEM(有限要素法)解析を行った。その解析結果を図9に示した。
図6に示すように、上述の交差角度Aを変化させた各ベルトSについて、VプーリからなるプーリTのプーリ溝21に挟んだ上で、各ベルトSの外周面の幅方向中央部をベルト長さ方向の押さえ棒U(図では半割状態で示す)で押圧して3点曲げ状態で発生する反力とたわみ量とから剛性G(単位N/mm)を求めるFEM(有限要素法)解析を行った。その解析結果を図9に示した。
ここで解析条件として、プーリTの有効直径を405mm、プーリ溝21のV溝角を26°、押さえ棒Uの直径を10mmとし、ベルトSを6面体要素、プーリTと押さえ棒Uとを剛体としてモデル化した。
(曲げ抵抗の解析)
図7に示すように、上述の交差角度Aを変化させたベルトSについて、プーリTのプーリ溝21に挟んだ上で、ベルト長さ方向に所定の張力を加えながらプーリTに巻き付けた際の曲げ抵抗M(単位N・mm)を求めるFEM解析を行った。その解析結果を図10に示した。
図7に示すように、上述の交差角度Aを変化させたベルトSについて、プーリTのプーリ溝21に挟んだ上で、ベルト長さ方向に所定の張力を加えながらプーリTに巻き付けた際の曲げ抵抗M(単位N・mm)を求めるFEM解析を行った。その解析結果を図10に示した。
ここで解析条件として、プーリTの有効直径を405mm、プーリ溝21のV溝角を26°、ベルト張力を350N、コグ11の1ピッチ分のベルト巻き付け角Bを0.0566rad、ベルトSを6面体要素、プーリTと押さえ棒Uを剛体としてモデル化した。
(解析結果)
図9及び図10に示すように、実施例1として交差角度A=20°とした場合、R1=3.0mm、ベルト剛性G=70N/mm、曲げ抵抗M=312N・mmという結果となった。
図9及び図10に示すように、実施例1として交差角度A=20°とした場合、R1=3.0mm、ベルト剛性G=70N/mm、曲げ抵抗M=312N・mmという結果となった。
実施例2として交差角度A=30°とした場合、R1=2.88mm、ベルト剛性G=69.8N/mm、曲げ抵抗M=317.5N・mmという結果となった。
実施例3として交差角度A=40°とした場合、R1=2.7mm、ベルト剛性G=69.3N/mm、曲げ抵抗M=321N・mmという結果となった。
実施例4として交差角度A=50°とした場合、R1=2.33mm、ベルト剛性G=68.3N/mm、曲げ抵抗M=323.5N・mmという結果となった。
(比較例)
コグ先端部12の半径R1が溝部底部14の半径R2よりも大きい(R1=3.0mm、R2=1.5mm)既存のコグベルトについて、前記と同様の解析を行った。その結果、ベルト剛性=103N/mm、曲げ抵抗=790N・mmとなった。
コグ先端部12の半径R1が溝部底部14の半径R2よりも大きい(R1=3.0mm、R2=1.5mm)既存のコグベルトについて、前記と同様の解析を行った。その結果、ベルト剛性=103N/mm、曲げ抵抗=790N・mmとなった。
(解析結果の考察)
実施例1〜実施例4は、比較例と比べていずれも曲げ抵抗が40パーセント程度にまで抑えられている。その一方で、ベルト剛性については65パーセント程度の低下となっている。つまり、ベルト剛性の低下を抑える形で曲げ抵抗を低下させることができている。このことより、本発明によってベルトの剛性を維持しつつ屈曲性を高めることができることが明らかである。
実施例1〜実施例4は、比較例と比べていずれも曲げ抵抗が40パーセント程度にまで抑えられている。その一方で、ベルト剛性については65パーセント程度の低下となっている。つまり、ベルト剛性の低下を抑える形で曲げ抵抗を低下させることができている。このことより、本発明によってベルトの剛性を維持しつつ屈曲性を高めることができることが明らかである。
ここで、図8から読み取れるように、交差角度Aを大きくするとR1が小さくなりベルト側面の面積が小さくなる。それに伴い、図9からも読み取れるように、ベルト剛性Gが低下する。そして図10より、交差角度Aを大きくすると、曲げ抵抗Mが逆に増加することを読み取ることができる。
これらのことから、ベルト剛性の低下を抑えつつ屈曲性を確保するためには、交差角度Aは20°〜30°が好ましい。
以上説明したように、本発明は、コグ付Vベルト及びそれを用いた伝動システムに極めて有用である。
S コグ付Vベルト
T プーリ
V 伝動システム
1 心線埋設部
2 圧縮部
3 伸長部
4 帆布
7 心線
8 接着ゴム層
11 コグ
12 先端部
13 溝部
14 底部
15 平面
16 対称面
18 外側コグ
21 プーリ溝
22 回転軸
23 側壁
T プーリ
V 伝動システム
1 心線埋設部
2 圧縮部
3 伸長部
4 帆布
7 心線
8 接着ゴム層
11 コグ
12 先端部
13 溝部
14 底部
15 平面
16 対称面
18 外側コグ
21 プーリ溝
22 回転軸
23 側壁
Claims (5)
- 内周面に、ベルト幅方向に沿って延びる複数のコグがベルト長さ方向に一定の間隔をあけて並んだ状態で設けられたコグ付Vベルトであって、
前記隣接するコグ間には、該コグの突出方向と反対向きに凹嵌した溝部が設けられており、
前記各コグの突出方向における先端部と、前記各溝部の底部とは断面円弧状の曲面で形成され、
前記溝部底部の断面形状における曲率半径は、前記コグ先端部の断面形状における曲率半径よりも大きく、
心線が埋設された心線埋設部と、該心線埋設部の内周面側に設けられた圧縮部と、を備え、前記コグ及び前記溝部が前記圧縮部に設けられていることを特徴とするコグ付Vベルト。 - 請求項1において、
前記コグの先端部と、該コグに隣接する前記溝部の底部とは、両者の間に位置する平面によって接続されており、
前記溝部両側の前記平面同士の交差角度は20°以上30°以下の値であることを特徴とするコグ付Vベルト。 - 請求項1又は2において、
前記各コグは、前記ベルト長さ方向と垂直で該コグの厚さ方向中央を通る対称面に対して面対称となるように形成されていることを特徴とするコグ付Vベルト。 - 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記心線埋設部がゴム組成物で形成された接着ゴム層を有するとともに、前記圧縮部がゴム組成物で形成されていることを特徴とするコグ付Vベルト。 - 請求項1乃至4のいずれかのコグ付Vベルトが複数のプーリに巻き付けられたことを特徴とする伝動システム。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016101619 | 2016-05-20 | ||
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