JP6223771B2 - 抗kir抗体、製剤、およびその使用 - Google Patents
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Description
本発明において有用な抗KIR抗体は、通常はKIRシグナル伝達を低下させることによって、NK細胞調節性(すなわち、NK細胞活性の調節において有効)である。これは、HLAリガンドのKIR分子への結合を遮断する抗体、または抗体の非競合的な拮抗メカニズムのいずれかによって達成することができる(国際公開第2006072626号パンフレットを参照)。例えば、KIR2DL1、KIR2DL2、およびKIR2DL3などの、1つまたは複数の阻害性KIRのシグナル伝達を低下または遮断する抗KIR抗体(本明細書では「中和抗KIR抗体」と呼ばれる)の場合、高いKIR占有率はNK細胞活性の増強をもたらす。また、適切な抗KIR抗体は、単一特異性(すなわち、単一の型のKIR分子に結合する)であってもよいし、多選択性(すなわち、複数のKIR分子に結合する)であってもよい。少なくとも、KIR2DL1、KIR2DL2、およびKIR2DL3の全てに結合する抗KIR抗体は、本明細書では、「交差反応性抗体」と呼ばれる。本発明に従う用途に有用な典型的な抗体には、国際公開第2006003179号パンフレットおよび国際公開第2006072626号パンフレットに記載される抗体が含まれる。例えば、中和および交差反応性の抗KIR抗体1−7F9(「抗KIR(1−7F9)」、「1−7F9」、および「抗KIR」とも呼ばれる)は、阻害性KIR2DL受容体、KIR2DL1、KIR2DL2、およびKIR2DL3と、そのHLA−Cリガンドとの相互作用を遮断し、それによって、NK細胞の細胞障害活性を高める。実施例13および14に記載されるように、単一の低用量の1−7F9でさえ、AMLまたは多発性骨髄腫を患っている患者で行われた用量増大(dose−escalation)試験においてこれまで試験したほとんどの患者において腫瘍マーカーを低減することができた。抗KIR(1−7F9)の可変軽鎖および重鎖配列は、それぞれ配列番号2および配列番号3で示される。
1つの態様では、本発明は、薬学的に許容可能な抗体製剤を提供する。当然ながら、1−7F9 IgG4抗KIR抗体または上記の1−7F9変異形IgG4分子(例えば、「1−F79v」、「1−7F9 S241P」、または「S241P変異形」などと呼ばれることもある)の製剤で例示されるが、このような製剤の特性は、同様のIgG4抗体、特に同様の抗KIR IgG4抗体および/または交差反応性の抗KIR抗体を含む製剤に適用することができる。例えば、国際公開第2006003179号パンフレットに記載されるヒト抗KIR抗体、ならびにDF200、NKVSF1、EB6、またはGL183などのマウス抗KIR抗体のヒト化IgG4変異形(S241P変異の有無にかかわらず)はどれも、本発明に従う製剤において同様に使用することができる。
1つの態様では、本発明は、NK細胞活性の増強を必要としている患者においてNK細胞活性を増強する方法を提供し、抗KIR抗体を含む組成物を、約0.0003mg(抗体)/kg(患者の体重)〜約3mg/kg(例えば、約0.003mg/kg〜約3mg/kg(約0.015〜約3mg/kgなど)、例えば、約0.075mg〜約3mg/kg、約0.3mg/kg〜約3mg/kg、および約1mg/kg〜約3mg/kgのいずれか、あるいは約0.0003mg/kg、約0.003mg/kg、約0.015mg/kg、約0.075mg/kg、約0.3mg/kg、約1mg/kg、および約3mg/kgのいずれか)の投与量で患者に投与することを含む。1つの実施形態では、組成物は、前のセクションのいずれかにおいて記載される抗体製剤である。1つの実施形態では、方法は、例えば1日あたり3回〜2ヶ月間に1回の範囲の投与頻度で、投与を少なくとも1回繰り返すことを含む。また、用量は、例えば、少なくとも3回、少なくとも6回、または少なくとも10回投与されてもよい。1つの実施形態では、抗体は静脈内に投与される。別の実施形態では、NK細胞の表面における抗体の阻害性KIRへの結合は、NK細胞の細胞障害活性を増強する。さらに別の実施形態では、抗体は交差反応性の抗KIR抗体である。例えば、抗体は、抗体1−7F9の可変重領域配列(配列番号3)および可変軽領域配列(配列番号2)を含むことができる。それに加えてまたはその代わりに、抗体は、配列番号1の配列を含む重鎖を含んでもよい。通常、必ずではないが、患者は、最初の用量の約24時間後に血液中のNK細胞において増大したCD107aレベルを有する。
ヒト抗体1−7F9の生物物理学的特性および安定性は、以下のように試験した。タンパク質の折りたたみ二次構造を円二色性(CD)によって試験し、オリゴマー化および凝集を動的光散乱(DLS)によって試験した。5℃における2年間の貯蔵条件を模倣するために、タンパク質を振とうさせながら37℃で14日間のインキュベーションにさらした。
サンプル調製。(a)50mMのリン酸Na、0.001%のポリソルベート80(シグマ(Sigma)、P8074)、pH7.0、(b)50mMのリン酸Na、0.001%のポリソルベート80、pH7.0、0.5mMのスクロース、(c)50mMのクエン酸塩、0.001%のポリソルベート80、pH3.0、およびd)50mMのトリス、0.001%のポリソルベート80、pH8.5中で、2mg/mlの1−7F9を調製した。
14日間のインキュベーションの後、DLSで評価されるように、pH7.0のサンプルの場合には分子サイズは変化しなかったが、pH3.0およびpH8.5で処方したサンプルはいずれも14日間の間に多量に凝集した。
抗KIRヒトIgG4抗体1−F79を含有する製剤において、1μlの液滴中で88個の異なる条件を試験する微小製剤スクリーンを実施した。スクリーンの条件は、3〜10の間のpH範囲およびいくつかの既知の賦形剤の添加を含んだ。沈殿について全ての製剤を目視検査した(生成物の透明性、色、および粒子/繊維の存在の評価)。視覚的評価のために、2人にオペレータによって独立して、黒色および白色の背景で日光(通常)または一般的な実験室の照明に対して外観を査定した。pH溶解度試験からの結果は図2に与えられ、種々の賦形剤に関連する沈殿分析の結果は図3に示される。
4つの異なる温度で3ヶ月までの貯蔵期間にわたって表3のスケジュールに従って、1−F79(10mg/mL)の12個の異なる製剤を、pH、外観、GP HPLC、SDS−PAGE、およびIEFに基づいて分析した。試験した製剤は表4に示される。
1−7F9 S241P変異形は、Quick−Change変異誘発キット(ストラタジーン(Stratagene))、ならびにプライマーP1:5’−cccccatgcccaccatgcccagcacctgag(配列番号4)およびP2:5’−ctcaggtgctgggcatggtgggcatggggg(配列番号5)を用いて、部位特異的変異誘発の適用によって発生させた。変異は、配列決定によって確認した。
1−F79の重鎖配列中のS241P変異の導入によって半抗体の形成が低減されたかどうかを評価するために、以下の実験を実施した。
この実施例は、ヒトの用量試験において抗KIR(1−7F9)の開始用量の選択のための薬物動態学的(PK)/薬力学的(PD)に基づいた理論的根拠を説明しており、検出可能な飽和度(>20%)を生じるが、最大飽和時のヒトにおけるKIR受容体の完全な飽和度(<95%)を生じないであろう用量を予測する。
データソース。KIR遺伝子導入マウスにおけるPK/PDモデルは、単一用量として静脈内投与された様々な用量レベルの抗KIR(1−7F9)についてインビボのKIR受容体の飽和度と血漿濃度との関係が決定された試験からのデータに基づいた。0.0004mg/kg〜4mg/kgの用量範囲を用いた。3の異なる系統のマウスを用いた。野生型B6(C57BL/6)マウスはKIR受容体を発現せず、2つのKIR遺伝子導入マウス系統において可能性のある標的媒介性のクリアランスの大きさを評価するための基準として使用した。ヒトで見られるパターンと同様にNK細胞およびT細胞のサブセットにおいてヒトKIR2DL2受容体を発現するマウス系統は、KIR遺伝子導入II(KIR−tgII)と命名した。このモデルでは、KIRの発現レベルは、正常なヒトNK細胞におけるKIRよりもわずかに低い。標的媒介性のクリアランスのために利用可能なKIR受容体の総数の観点から、最悪の場合のモデルとして、KIR遺伝子導入I(KIR−tgI)と命名したマウス系統を選択した。KIR−tgIマウスはKIR受容体を激しく過剰発現し、ヒトで見られるパターンを反映することは期待されない。
S−plus、バージョン6.1、米国ワシントン州シアトルのインサイトフル・コーポレーション(Insightful Corporation)。
Compaq Visual Fortran、バージョン6.6a、米国カリフォルニア州パロアルトのヒューレット−パッカード・カンパニー(Hewlett−Packard Company)、
NONMEM V,バージョン1.1、米国メリーランド州ハノーバーのGloboMax、
Visual−NM、バージョン5、仏国モンペリエのRDPP。
NONMEMの機能性は、現在の部門別手順(departmental procedure)を用いて検証した。
他のソフトウェアは、製造業者によって推奨されるように設置した。
フォーマット作成手順。PKおよびPDデータをエクセルファイルとして初めに作成した。続いて、S−PLUSを用いて、NONMEMおよびNM−TRANによる使用のためにPKおよびPDデータを結合および作成した。
モデルにおいて示されるように、NONMEMの一次条件付き(FOCE)推定法は、INTERACTIONの有無に関係なく、モデルの開発のために使用した。中間モデル評価およびその間の識別は、目的関数値および標準グラフィック評価法に基づいた。
1)野生型B6のみに対して、2)B6およびKIR−tgIIマウスの組み合わせに対して、および3)KIR−tgIマウスに対して、マウス系統における3つのPKモデルを開発した。
内在性IgGおよびモノクローナル抗体のPKについての文献には大量の情報が存在する。文献調査を行って、ヒトのIgGのための2コンパートメントモデルを定義するパラメータ(CL、V1、V2およびQ)の典型的な値を同定した。PKパラメータは、ヒトにおけるヒトIgGの一般的なPK特徴と一致しなければならない。初期中心容積はほぼ血漿量(すなわち、3リットル)であり、分布容積は中心容積と同様であるかあるいはわずかに大きく、平均末端半減期は20〜23日である(ゲティおよびウォード、Immunol Res 2002年、25:97−9113頁、モレル(Morell)ら、J Clin Invest 1970年、49:673−80頁、ロスコス(Roskos)ら、Drug Dev Res 2004年、61:108−20頁、ロボ(Lobo)ら、J Pharm Sci 2004年、93:2645−68頁)。
クリアランス=A*(体重)B
PD応答データ(MFI)の定義。このアプローチのための本質的な仮定は、蛍光強度中央値(MFI)データによって%結合の妥当な値を計算/定義できることである。スクリーニング時および測定時の両方で、対照動物および処置動物に対していくつかの異なるMFI測定を使用した。これらには:
対照動物に対するMFI
MFI.free.control : 遊離受容体に関連するMFI(PBMC)、
MFI.max.bound.control : 1−7F9と共にインキュベートすることによる、1−7F9に結合した受容体に関連する最大MFI(PBMC)、
MFI.free.backgr : 遊離受容体を査定する場合の背景MFI、
MFI.bound.backgr : 結合受容体を査定する場合の背景MFI、
スクリーニング時の処置動物に対するMFI
MFI.free.screen : 遊離受容体に関連するMFI(PBMC)(一部の動物についてだけ査定)
実験の時点における処置動物に対するMFI
MFI.free : 遊離受容体に関連するMFI(PBMC)
MFI.bound : 結合受容体に関連するMFI(PBMC)
MFI.bound.spleen : 結合受容体に関連するMFI(脾臓からの細胞)(一部の動物についてだけ査定)
MFImax.bound.spleen : 結合受容体に関連するMFI(脾臓からの細胞)(一部の動物についてだけ査定)
が含まれる。
単一用量の増大試験は、導入および強化化学療法後の最初の完全寛解状態にあり、骨髄移植に不適格な高齢のAML患者(60歳よりも高齢)において行われる。標準3+3設計が適用され、全計7つの用量レベルが探索されることが予定され、用量は0.0003mg/kg〜3mg/kgの範囲である。投与に続いて、KIR占有がもはや検出可能でなくなるまで、患者は安全性、PKおよびKIR占有についてモニターされる。
両方の試験において、その最初の完全寛解(CR)状態にあり、移植に不適格な高齢のAML患者(60歳よりも高齢)は、試験に適格であった。用量増量試験におけるスクリーニングにおいて、化学療法の最後の用量からの時間は、少なくとも30日であり、120日を超えない。他の適格性の判断基準としては、NK細胞におけるKIR2DL1および2/3の発現、ECOG状態0〜2、および前回の治療からの全ての毒性からの回復があった(しかし、これらに限定されなかった)。延長試験につては、許容可能な安全性プロファイルと共に用量増大試験が完了することが追加の適格性判断基準であった。
用量増大試験は、多施設オープンラベルの単一用量−増大の安全性および耐容性試験である。7つの用量レベルが探索されることが予定され、0.0003mg/kg、0.003mg/kg、0.015mg/kg、0.075mg/kg、0.3mg/kg、1mg/kgおよび3mg/kgである。一般的な(3+3)設計がこの試験のために選択される。それぞれの患者は1つの用量に割り当てられ、患者NK細胞において検出可能なKIR占有が存在しなくなるまで、安全性、薬物動態、および薬力学についてモニターされる。安全性、PKおよびKIR占有率は進行中に分析される。各用量グループから投与後の最初の4週間の間に得られるデータは、通常、用量増大の決定の基礎を成す。
報告される有害事象(AE)および実験室パラメータに基づいて、抗KIR(1−7F9)は、これまで試験した用量(0.0003mg/kg、0.003mg/kg、0.015mg/kg)において十分に耐容性であった。試験で報告されるSAEはこれまで全て試験薬物に関係ないまたは関係しそうにないとみなされている。投与後に生じる重症度グレード1の軽度の皮膚反応(背側の紅斑、そう痒および皮膚発疹)は、3人の患者において報告されている。これらの反応は重篤でなく、おそらく試験薬物に関係すると評価され、患者はほとんど数日以内に回復した。
用量増大試験は、再発性または難治性の多発性骨髄腫(MMy)患者においても行われ、患者は、月1回ベースで4回投与され得る。(すなわち、約4週間の投与間隔)。適格な患者は18歳以上である。
方法
抗KIR(1−7F9)の血漿濃度は、以下に簡単に説明されるようにELISAによって決定される。
これまで、用量増大試験において9人のAML患者に、0.0003、0.003および0.015mg/kgの3つの用量レベルの抗KIR mAbが静脈内投与されたが、4人のMMy患者には、0.0003mg/kgの抗KIRが投与された。AML患者において今まで得られた血漿データから、3つの最低用量の間の暴露において用量の直線的な増大があると思われる(図12)。MMy患者において観察される濃度は、AML患者のものと十分に適合する。0.015mg/kgの用量の後、測定可能な抗KIRの血漿濃度は、用量投与の後4週間まで検出された。これまで記録された最高の血漿暴露は、0.015mg/kgの用量の後、約400ng/mLに近づいた。
このアッセイでは、受容体の占有は、4色蛍光分析によってヒト全血サンプルにおいて評価される。簡単に、遊離および結合KIR2D受容体レベルは、EDTA抗凝固剤処置された末梢血中のTおよびNKリンパ球において査定される。遊離部位アッセイは、KIR2D分子に結合するPE接合1−7F9で染色することによって、非結合KIR2Dを査定し得る。結合部位アッセイは、KIR2D受容体に結合した1−7F9を認識するPE接合マウス抗ヒトIgG4モノクローナル抗体で染色することによって、1−7F9により占有されたKIR2D受容体を査定し得る。遊離および結合アッセイは、1−7F9−PEまたは抗hIgG4−PEについてパーセント陽性染色および蛍光強度[MESF]の両方の評価を可能にし得る。以下の2つのアッセイにおいて以下の接合抗体の組み合わせが使用される:
遊離部位アッセイ:CD3/1−7F9/CD45/CD56
結合アッセイ:CD3/□hIgG4/CD45/CD56
1−7F9による3つの進行中の臨床試験(実施例7および8を参照)からのデータを使用して、実施例6に記載される前臨床PK/PDモデルを、実施例9および10に記載されるように得られた薬物動態学的なKIR占有率のデータを用いて検証および更新した。
KIR占有率の計算のために、各患者は彼/彼女自身の対照としての役割を果たすので、前臨床PK/PDモデルで使用される複雑な式の使用は必要でなかった。同様に、検証によってこのアッセイはより頑強であることが示されたので、遊離KIR受容体の数を査定するアッセイだけを使用した。NK細胞の等価可溶性蛍光色素の分子(Molecules of Equivalent Soluble Fluorochrome、MESF)値(MESF)で表される標準化蛍光を計算のために使用した:
試験からのPKおよびPDデータに探索的分析を行い、1−7F9の血漿濃度に対してKIR占有率をプロットして、データの傾向を観察した。説明のために、簡単な1価の結合等温線(isoterm)をこれらのプロット上に重ね合わせた。前臨床モデルから、親和性(Kd)は特定の時間枠内で一定であると仮定することが妥当であると分かり、従って、それぞれの時間枠のKIR占有率は、式10:
集団モデリングのために利用可能なPKデータを用いて、ヒトにおける1−7F9のための予備的なPKモデルを作成したが、PK/PDの関係は探索的分析に基づいた。
S−plus、バージョン6.1、米国ワシントン州シアトルのインサイトフル・コーポレーション。
Compaq Visual Fortran、バージョン6.6a、米国カリフォルニア州パロアルトのヒューレット−パッカード・カンパニー、
NONMEM V,バージョン1.1、米国メリーランド州ハノーバーのGloboMax、
Visual−NM、バージョン5、仏国モンペリエのRDPP。
NONMEMの機能性は、現在の部門別手順(departmental procedure)を用いて検証した。
他のソフトウェアは、製造業者によって推奨されるように設置した。
LOQよりも低い値はモデリングから排除したが、その時点は予測値を得るためにデータファイル内に保持した。
前臨床PK/PDモデルの予測値。静脈内投与の後すぐ(10分)に、一般的なヒトIgGパラメータ(表15参照)を用いてPKモデルで1−7F9の血漿濃度を正確に予測した。最大血漿濃度は主として中心容積の大きさに関係し、これは、ヒトについてはかなり十分に確定されているので、このパラメータは最も確かに予測されるものであり得ることが予期される。後の時点での予測については、動力学的プロセス(クリアランス、分布)が作用しているので、観察されるようにあまり確かな予測は期待できない(以下を参照)。
全体として、前臨床PK/PDモデルによって予測される特徴は、これまで得られた臨床データにおいても観察された。最大占有率および最大1−7F9血漿濃度は十分に予測された。モデルによっても予測されたように、親和性は時間と共に変化し得る。
前の実施例で記載したように得られたPKパラメータを適用して、臨床試験で使用される抗KIR(1−7F9)用量レベルの最適な投与頻度を決定した。
NKおよびT細胞に媒介される腫瘍細胞の死滅において、細胞溶解性顆粒の膜の内側を覆うリソソーム膜タンパク質1(LAMP−1またはCD107a)は、NKおよびT細胞表面上に露出される(ベッツ(Betts)ら、J Immunol Method 2003年、281:65−78頁)。臨床試験において、NK細胞におけるCD107aの発現の査定は、NK細胞に媒介される腫瘍細胞の死滅の可能で信頼できるマーカーであると示された(コッホ(Koch)ら、Ann Surg 2006年、244:986−92頁)。
急性骨髄性白血病(AML)において、微小残存病変の検出は、リスク層別化および再発の早期発見のために重要性が高まっている。ウィルムス腫瘍遺伝子1(WT−1)転写物は、骨髄性白血病の90%よりも多くで過剰発現されることが示されている。WT−1は腫瘍量と十分に相関し、AMLにおける治療に対する応答をモニターする分子のための価値のある手段であることが証明されている。さらに、WT−1レベルの増大は、臨床的な再発に先行する(キローニ(Cilloni)ら、Acta Haematol.2004年、112:79−8頁)。
この実施例では、6ヶ月の安定性の設定において5つの異なる1−7F9製剤を試験した。
1−F79の5つの異なる製剤(10mg/mLの1−7F9、10〜50mMのリン酸ナトリウム、160〜240mMのスクロース、0.1〜0.5mg/mlのポリソルベート80、pH7.0)は、表20のスケジュールに従って、3つの異なる温度において6ヶ月までの貯蔵期間にわたって、pH、概観、GP HPLC、SDS−PAGE、およびIEFに基づいて分析した。製剤についての詳細は表21に提供される。
結果は、表22A〜C、23A〜C、24A〜C、および25A〜Cに示される。
本明細書に記載される本発明をより良く説明するために、ここで本発明の例示的な実施形態および特徴の非限定的なリストが提供される。これらの実施形態は、本明細書で提供される発明を実施するための形態においてより詳しく説明されており、本発明の追加的な実施形態、特徴、および利点はそれから明らかであろう。
1. NK細胞活性の調節を必要としている患者においてNK細胞活性を調節する方法であって、少なくとも1つのヒト阻害性KIRに結合する抗体を、約0.0003〜約3mg/kgの範囲の用量で患者に投与することを含む方法。
2. 用量が約0.075〜約3mg/kgの範囲である、実施形態1の方法。
3. 用量が、約0.0003、約0.003、約0.015、約0.075、約0.3、約1、および約3mg/kgから選択される、実施形態2の方法。
4. 投与を少なくとも1回繰り返すことを含む、実施形態1の方法。
5. 1日3回〜2ヶ月間に1回の範囲の投与頻度で投与が繰り返される、実施形態1の方法。
6. 用量が少なくとも3回投与される、先行する実施形態のいずれか1つの方法。
7. 用量が少なくとも6回投与される、実施形態14の方法。
8. 抗体が静脈内に投与される、先行する実施形態のいずれか1つの方法。
9. NK細胞の表面における阻害性KIRへの抗体の結合が、NK細胞の細胞障害活性を増強する、先行する実施形態のいずれかの方法。
10. 抗体が交差反応性の抗KIR抗体である、先行する実施形態のいずれかの方法。
11. 抗体が、
(a)約2〜約6ng/mlの高親和性Kd、
(b)約10〜約30ng/mlの低親和性Kd、
(c)約0.25〜約0.75ml/h/kgのクリアランス、および
(d)約50ml/kg〜約175ml/kgの分布容積
のうちの1つまたは複数の特性を有する、先行する実施形態のいずれかの方法。
12. 抗体が(a)〜(d)の特性を全て有する、実施形態11の方法。
13. 抗体が、抗体1−7F9の可変重(配列番号3)領域配列および可変軽(配列番号2)領域配列を含む、先行する実施形態のいずれかの方法。
14. 抗体が、配列番号1の配列を含む重鎖を含む、先行する実施形態のいずれかの方法。
15. 最初の用量の24時間後に患者から採取した血液サンプル中のNK細胞において、患者が増大したCD107aレベルを有する、先行する実施形態のいずれか1つの方法。
16. 血液サンプル中のT細胞において増大したCD107aレベルを有さない、先行する請求項のいずれかの方法。
17. NK細胞における少なくとも約50%のKIR占有率をもたらす、先行する実施形態のいずれかの方法。
18. 少なくとも約90%のNK細胞におけるKIR占有率をもたらす、先行する実施形態のいずれかの方法。
1. 血液中のNK細胞において少なくとも約3ヶ月間少なくとも約95%のKIR占有率を達成する用量および投与頻度で抗KIR抗体を投与することを含む、患者の癌の治療方法。
2. 用量が、約0.003〜約3mg/kgの範囲である、実施形態1の方法。
3. 用量が、約0.075〜約3mg/kgの範囲である、実施形態1の方法。
4. 用量が、約0.0003、約0.003、約0.015、約0.075、約0.3、約1、および約3mg/kgから選択される、実施形態2の方法。
5. 投与頻度が、1日1回〜2ヶ月間に1回の範囲である、実施形態1の方法。
6. 投与頻度が、1週間に約1回〜2ヶ月間に約1回の範囲である、実施形態5の方法。
7. 投与頻度が、1ヶ月に約1回である、実施形態6の方法。
8. 投与頻度が、1日に約3回、約2回、および約1回、1週間に約5回、約4回、約3回、および約2回、ならびに2、4、および6週間に約1回から選択される、実施形態5の方法。
9. 約0.075〜約0.3mg/kgの用量が、1週間に約2回〜1ヶ月に約1回投与される、実施形態1の方法。
10. 約0.3〜約1mg/kgの用量が、1ヶ月に約1回〜約2回投与される、実施形態1の方法。
11. 約1〜約3mg/kgの用量が、1ヶ月に約1回〜2ヶ月間に約1回投与される、実施形態1の方法。
12. 投与頻度が、1ヶ月に約1回である、実施形態10および11のいずれかの方法。
13. 用量および投与頻度が、以下の組み合わせのいずれか1つから選択される、実施形態1の方法。
15. 用量が少なくとも6回投与される、実施形態14の方法。
16. 血液中のNK細胞において少なくとも約6ヶ月間少なくとも約95%のKIR占有率を達成する用量および投与頻度で抗KIR抗体を投与することを含む、先行する実施形態のいずれかの方法。
17. 癌が、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、多発性骨髄腫(MMy)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、結腸直腸癌、腎臓癌、卵巣癌、肺癌、乳癌、または悪性メラノーマである、先行する実施形態のいずれかの方法。
18. 抗体が静脈内に投与される、先行する実施形態のいずれか1つの方法。
19. NK細胞の表面における阻害性KIRへの抗体の結合が、NK細胞の細胞障害活性を増強する、先行する実施形態のいずれかの方法。
20. 抗体が交差反応性の抗KIR抗体である、先行する実施形態のいずれかの方法。
21. 抗体が、
(a)約2〜約6ng/mlの高親和性Kd、
(b)約10〜約30ng/mlの低親和性Kd、
(c)約0.25〜約0.75ml/h/kgのクリアランス、および
(d)約50ml/kg〜約175ml/kgの分布容積
のうちの1つまたは複数の特性を有する、先行する実施形態のいずれかの方法。
22. 抗体が(a)〜(d)の特性を全て有する実施形態21の方法。
23. 抗体が、抗体1−7F9の可変重(配列番号3)領域配列および可変軽(配列番号2)領域配列を含む、先行する実施形態のいずれかの方法。
24. 抗体が、配列番号1の配列を含む重鎖を含む、先行する実施形態のいずれかの方法。
25. 最初の用量の約24時間後に患者から採取した血液サンプル中のNK細胞において、患者が増大したCD107aレベルを有する、先行する実施形態のいずれか1つの方法。
26. 血液サンプル中のT細胞において増大したCD107aレベルを有さない、先行する請求項のいずれかの方法。
27. 患者がAMLを患っており、1回または複数回の抗KIR抗体の用量の後に、血液および/または骨髄中のウィルムス腫瘍遺伝子1転写物のレベルが低下される、先行する実施形態のいずれかの方法。
28. 患者がMMyを患っており、1回または複数回の抗KIR抗体の用量の後に、尿中のMタンパク質のレベルが低下される、先行する実施形態のいずれかの方法。
1. (a)抗KIR抗体を含む容器と、
(b)患者の癌を治療するための説明書を含む添付文書と、
を含む製品であって、説明書には、約0.003〜約3mg/kgの抗KIR抗体の用量が1日に約1回〜2ヶ月間に約1回の頻度で患者に投与されることが示されている製品。
2. 用量が約0.075〜約0.3mg/kgであり、投与頻度が1週間に約2回〜1ヶ月に約1回である、実施形態1の製品。
3. 用量が約0.3〜約1mg/kgであり、投与頻度が1ヶ月に約1〜約2回である、実施形態1の製品。
4. 用量が約1mg/kg〜約3mg/kgであり、投与頻度が1ヶ月に約1回〜2ヶ月間に約1回である、実施形態1の製品。
5. 投与頻度が1ヶ月に約1回である、実施形態30および31のいずれかの製品。
6. 用量および投与頻度が、以下の組み合わせのいずれか1つから選択される、実施形態1の製品。
8. 第2の薬剤が、免疫調節剤、ホルモン剤、化学療法剤、抗血管新生薬、アポトーシス剤、阻害性KIRに結合する二次抗体、抗感染症薬、標的剤、および抗CD20抗体である、実施形態7の製品。
1. (a)約0.05mg/mL〜約10mg/mLのIgG4抗体と、(b)約10〜50mMのリン酸ナトリウムと、(c)約160〜250mMのスクロースまたは約100mMのNaClと、(d)約7のpHのポリソルベート80と、を含む、薬学的に許容可能で活性な製剤。
2. 抗体が、中和抗KIR抗体である、実施形態1の製剤。
3. 抗体が、交差反応性の抗KIR抗体である、実施形態2の製剤。
4. 抗体が、配列番号3に従う重鎖配列を含む、実施形態3の製剤。
5. 抗体が、配列番号2に従う軽鎖配列を含む、実施形態4の製剤。
6. 重鎖配列が配列番号1を含む、実施形態5の製剤。
7. IgG4抗体分子の濃度が約1〜10mg/mlである、実施形態1〜3のいずれかの製剤。
8. IgG4抗体の濃度が10mg/mlである、実施形態7の製剤。
9. 約20〜50mMのリン酸ナトリウム、約220〜250mMのスクロース、および約0.001%のポリソルベート80を含む、実施形態1〜8のいずれかの製剤。
10. 約20mMのリン酸ナトリウムおよび約220mMのスクロースを含む、実施形態9の製剤。
11. (a)配列番号1に従う重鎖および配列番号2に従う軽鎖可変領域を含む軽鎖を含む、約0.05mg/mL〜約10mg/mLのIgG4抗体分子と、(b)約50mMのリン酸ナトリウムと、(c)約250mMのスクロースと、(d)約7のpHの約0.001%のポリソルベート80とを含む、薬学的に許容可能で活性な製剤。
12. (a)配列番号3に従う重鎖可変領域を含む重鎖および配列番号2に従う軽鎖可変領域を含む軽鎖を含む、約0.05mg/mL〜約10mg/mLのIgG4抗体分子と、(b)約50mMのリン酸ナトリウムと、(c)約250mMのスクロースまたは約100mMの塩化ナトリウムと、(d)約0.001%のポリソルベート80を含み、約7のpHを有する薬学的に許容可能で活性な製剤。
13. (a)配列番号1に従う重鎖および配列番号2に従う軽鎖可変領域を含む軽鎖を含む、約0.05mg/mL〜約10mg/mLのIgG4抗体分子と、(b)約20mMのリン酸ナトリウムと、(c)約220mMのスクロースと、(d)約7のpHの約0.001%のポリソルベート80とを含む、薬学的に許容可能で活性な製剤。
14. (a)配列番号3に従う重鎖可変領域を含む重鎖および配列番号2に従う軽鎖可変領域を含む軽鎖を含む、約0.05mg/mL〜約10mg/mLのIgG4抗体分子と、(b)約20mMのリン酸ナトリウムと、(c)約220mMのスクロースまたは約100mMの塩化ナトリウムと、(d)約0.001%のポリソルベート80とを含み、約7のpHを有する薬学的に許容可能で活性な製剤。
15. 抗体が1−F79である、実施形態1〜14のいずれかの製剤。
16. 製剤中の抗体の濃度が、約10mg/mLである実施形態1〜15のいずれか1つに記載の製剤。
17. 製剤中の抗体の濃度が、約0.05mg/mLである、実施形態1〜15のいずれか1つに記載の製剤。
18. (a)製剤中の抗体の濃度が約10mg/mLであるような量の、配列番号3に従う重鎖可変領域を含む重鎖および配列番号2に従う軽鎖可変領域を含む軽鎖を含むIgG4抗体分子と、(b)約8.4mg/mLのリン酸水素ナトリウム(七水和物)と、(c)約2.6mg/mLのリン酸二水素ナトリウムと、(d)約85mg/mLのスクロースと、(e)約0.01mg/mLのポリソルベート80とを含む成分の混合物から調製され、約7のpHを有する薬学的に許容可能で活性な製剤。
19. 抗体が、配列番号1に従う重鎖を含む実施形態18の製剤。
20. 抗体が1−F79である、実施形態19の製剤。
21. 製剤が、約5℃における約1ヶ月までの貯蔵中に約10%未満の不純物含量を有する、実施形態1〜20のいずれか1つの製剤。
22. 製剤が、約5℃における約3ヶ月までの貯蔵中に、約5%未満の高分子量タンパク質不純物含量を有する、実施形態21の製剤。
23. (a)配列番号3に従う重鎖可変領域を含む重鎖および配列番号2に従う軽鎖可変領域を含む軽鎖を含む、約0.05mg/mL〜約10mg/mLのIgG4抗体分子と、(b)約5〜20mMのリン酸ナトリウムと、(c)約180〜約250mMのスクロースと、(d)約0.001〜0.1%のポリソルベート80とを含み、約7のpHを有する薬学的に許容可能で活性な製剤。
24. 製剤が、約200mMのスクロースを含む、実施形態21に従う製剤。
25. 製剤が、約5℃における約1ヶ月までの貯蔵中に、約10%未満の不純物含量を有する、実施形態23または実施形態24の製剤。
26. 製剤が、約5℃における約3ヶ月までの貯蔵中に、約5%未満の高分子量タンパク質不純物含量を有する、実施形態23〜25のいずれか1つの製剤。
27. 製剤が等張性である、実施形態23〜26のいずれか1つの製剤。
28. 製剤中の抗体の濃度が、約10mg/mLである、実施形態23〜27のいずれか1つの製剤。
29. 製剤中の抗体の濃度が、約0.05mg/mLである、実施形態23〜77のいずれか1つの製剤。
30. 製剤中の抗体の濃度が、約0.1mg/mLである、実施形態23〜27のいずれか1つの製剤。
31. 製剤中の抗体の濃度が、約1mg/mLである、実施形態23〜27のいずれか1つの製剤。
32. 静脈内注射によるヒト投与のための薬学的に許容可能な製剤の調製方法であって、実施形態1〜20のいずれか1つに記載の濃縮製剤を約5℃からの温度で貯蔵することと、実施形態1の成分(b)〜(d)(しかし、抗体が欠けている)を含む溶液中に濃縮製剤を希釈して、すぐに投与できる(希釈)生成物を生じさせることと、すぐに投与できる生成物を、投与前の約24時間までの間、約5℃からの温度で貯蔵することとを含む方法。
33. 濃縮生成物が約1mg/mL〜約10mg/mLの抗体濃度を有し、希釈生成物が約0.05mg/mLの抗体濃度を有する、実施形態32の方法。
34. 静脈内注射によるヒト投与のための薬学的に許容可能な製剤の調製方法であって、実施形態21〜31のいずれか1つに記載の濃縮製剤を約5℃からの温度で貯蔵することと、濃縮製剤を滅菌等張生理食塩水中に希釈して、すぐに投与できる(希釈)生成物を生じさせることと、すぐに投与できる生成物を、投与前の約24時間までの間、約5℃からの温度で貯蔵することとを含む方法。
35. 濃縮生成物が約1mg/mL〜約10mg/mLの抗体濃度を有し、希釈生成物が約0.05mg/mLの抗体濃度を有する、実施形態34の方法。
36. 約3mL〜約30mLの容積の、実施形態1〜22のいずれか1つに記載の製剤を含む貯蔵容器を含む医薬品。
37. 容器が、約5mLまたは約10mLの製剤を含む、実施形態36の医薬品。
38. 約3mL〜約30mLの容積の、実施形態23〜31のいずれか1つに記載の製剤を含む貯蔵容器を含む医薬品。
39. 容器が、約5mLまたは約10mLの製剤を含む、実施形態38の医薬品。
40. NK細胞活性の増強を必要としている患者においてNK細胞活性を増強する方法であって、実施形態1〜31のいずれか1つに記載の製剤を、約0.0003mg/kg(患者の体重)〜約3mg/kgの抗体投与量で患者に投与することを含む方法。
41. 投与量が、約0.001mg/kg〜約3mg/kgである、実施形態40の方法。
42. 患者が、癌と診断された患者である、実施形態40または実施形態41の方法。
43. 患者が、急性骨髄性白血病と診断された患者である、実施形態42の方法。
44. 患者が、慢性骨髄性白血病と診断された患者である、実施形態42の方法。
45. 患者が、多発性骨髄腫と診断された患者である、実施形態42の方法。
46. 患者が、非ホジキンリンパ腫と診断された患者である、実施形態42の方法。
47. 患者が、結腸直腸癌と診断された患者である、実施形態42の方法。
48. 患者が、腎臓癌と診断された患者である、実施形態42の方法。
49. 患者が、卵巣癌と診断された患者である、実施形態42の方法。
50. 患者が、肺癌と診断された患者である、実施形態42の方法。
51. 患者が、乳癌と診断された患者である、実施形態42の方法。
52. 患者が、悪性メラノーマと診断された患者である、実施形態42の方法。
53. 患者が、感染症と診断された患者である、実施形態40または41の方法。
54. 方法が、約0.0003mg/kg〜約3mg/kgの1回または複数回の追加の投与量を、前回の投与の少なくとも約6時間後に患者に投与することを含む、実施形態40〜53のいずれか1つの方法。
55. 薬剤の調製における、実施形態1〜31のいずれか1つに記載の製剤の使用。
56. 癌または感染症の治療のための薬剤を調製するための、実施形態1〜31のいずれか1つに記載の製剤の使用。
57. 癌の治療のための薬剤として、約0.0003mg/kg〜約3mg/kgの抗体投与量を提供する量における、実施形態1〜31のいずれか1つに記載の製剤の使用。
58. 癌または感染症の治療において使用するための実施形態1〜31のいずれか1つに記載の製剤。
59. 癌の治療において使用するための実施形態1〜31のいずれか1つに記載の製剤。
Claims (24)
- 以下を含む、単離された抗KIR抗体:
(a)配列番号2に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域内の3つのCDR;
(b)配列番号3に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域内の3つのCDR;および
(c)配列番号1に示すアミノ酸配列を含む重鎖内の定常領域。 - 配列番号3に示すアミノ酸配列を有する重鎖可変領域および配列番号2に示すアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む、請求項1に記載の抗体。
- IgG4アイソタイプである、請求項1または2に記載の抗体。
- ヒト抗体またはヒト化抗体である、請求項1または2に記載の抗体。
- 配列番号1に示すアミノ酸配列を有する重鎖および配列番号2に示すアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む軽鎖を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の抗体。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の抗体をコードする単離された核酸。
- 請求項6に記載の核酸を含むベクター。
- 請求項7に記載のベクターを含む宿主細胞。
- 適切な宿主細胞において請求項6に記載の核酸を発現させることを含む、抗KIR抗体を生産する方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の抗KIR抗体を含む医薬組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の抗体を含む、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、多発性骨髄腫(MMy)または非ホジキンリンパ腫(NHL)の治療に用いるための、医薬組成物。
- 1mg/kg〜3mg/kgの用量が1ヶ月に1回〜2ヶ月に1回投与されるものである、請求項11に記載の医薬組成物。
- 用量および投与頻度が(a)1mg/kgを1ヶ月に1回および(b)3mg/kgを2ヶ月に1〜2回から選択される、請求項11に記載の医薬組成物。
- 該用量が少なくとも3回投与されるものである、請求項12または13に記載の医薬組成物。
- 血液中のNK細胞において少なくとも6ヶ月の間少なくとも95%のKIR占有率を達成する用量および投与頻度で投与されるものである、請求項12〜14のいずれかに記載の医薬組成物。
- 最初の用量の24時間後に採取した血液サンプル中のNK細胞において、患者が投与前のNK細胞におけるCD107aレベルと比較して増大したCD107aレベルを有する、請求項13〜15のいずれかに記載の医薬組成物。
- 該投与される抗KIR抗体が前記KIRに対して2ng/ml〜6ng/mlの高親和性Kdを有するものである、請求項12〜16のいずれかに記載の医薬組成物。
- 急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、多発性骨髄腫(MMy)または非ホジキンリンパ腫(NHL)の治療のための薬剤の製造における、請求項1〜5のいずれかに記載の抗体の使用。
- 該抗体が、1mg/kg〜3mg/kgの範囲の用量で、1ヶ月に1回〜2ヶ月に1回の投与頻度で投与されるものである、請求項18に記載の使用。
- 用量および投与頻度が(a)1mg/kgを1ヶ月に1回および(b)3mg/kgを2ヶ月に1〜2回から選択される、請求項19に記載の使用。
- 該用量が少なくとも3回投与されるものである、請求項19または20に記載の使用。
- 血液中のNK細胞において少なくとも6ヶ月の間少なくとも95%のKIR占有率を達成する用量および投与頻度で投与されるものである、請求項19〜21のいずれかに記載の使用。
- 最初の用量の24時間後に採取した血液サンプル中のNK細胞において、患者が投与前のNK細胞におけるCD107aレベルと比較して増大したCD107aレベルを有する、請求項20〜22のいずれかに記載の使用。
- 該投与される抗KIR抗体が前記KIRに対して2ng/ml〜6ng/mlの高親和性Kdを有するものである、請求項19〜23のいずれかに記載の使用。
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