JP6223073B2 - 被検体情報取得装置 - Google Patents

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本発明は、被検体情報取得装置に関する。
レーザーなどの光源から生体等の被検体に光を照射し、被検体内に入射した光に基づいて得られる被検体内の情報を画像データとして生成する光計測技術の研究が、医療分野で積極的に進められている。この光計測技術の一つとして、光音響トモグラフィー(PAT:PhotoAcoustic Tomography)がある。
光音響トモグラフィーでは、まず、光源から被検体にパルス光を照射する。すると被検体内で伝播・拡散したパルス光のエネルギーを被検体内の組織が吸収し、音響波を発生させる。すなわち、腫瘍などの被検部位とそれ以外の組織との間には光エネルギーの吸収率の差があるため、照射された光エネルギーを吸収した被検部位が瞬間的に膨張し、音響波を発生させる。音響検出器(探触子)がこの音響波を複数の位置で検出する。この検出信号を数学的に解析処理する事により、被検体内の光学特性分布、特に、吸収係数分布が得られる。
これらの情報は、被検体内の特定物質(例えば血液中に含まれるグルコースやヘモグロビンなど)の定量的計測にも利用できる。近年、この光音響トモグラフィーを用いて、小動物の血管像をイメージングする前臨床研究や、この原理を乳がんなどの診断に応用する臨床研究が積極的に進められている(非特許文献1)。
光音響トモグラフィーでは、音響波を検出する音響検出器の検出面と、光照射を行う領域とが被検体の同面にある場合を、反射測定(あるいは反射モード)と呼ぶ。ここで、測定対象の全体において良好な光音響トモグラフィー画像を得るためには、被検体深部にまで効率よく光のエネルギーを伝播させることが望まれる。しかし、反射測定の場合、音響検出器の検出面直下に光を照射すると、音響検出器の検出面直下の被検体表面での光吸収に起因して光音響波が発生し、音響検出器に計測される。その結果、音響検出器からの出力信号中に大きな信号が観測されてしまう。
被検体内部から伝播する光音響波と、上記の被検体表面で発生した音響波とを区別するため、以降の説明では、後者を界面音響波と呼ぶ。音響検出器からの出力信号は、界面音響波に由来する信号と、被検体内部にある光吸収体から発生する光音響波に由来する信号とが重畳された信号となる。そのため、光吸収体の光学特性値が相対的に低く算出されてノイズに埋もれ、画像が劣化する課題があった。被検体が生体の場合、被検体表面の光吸収体としては、皮膚表面付近にあるメラニンや毛細血管などが挙げられる。
このような課題への対処法として、特許文献1では、界面音響波の検出を避けるために、音響検出器直下には光を照射しないで、音響検出器の横方向から光を照射する暗視野(dark−field)照明法を採用している。特許文献1の著者は、暗視野照明法であれば音響検出器の検出面直下の被検体表面から大きな光音響波(界面音響波)が発生しないため、被検体内部にある光吸収体から発生した光音響波を精度よく計測できると主張している。そして、その結果、被検体内部の光吸収体の光学特性を劣化する事なく画像データ化できると主張している。
また特許文献2には、音響検出器と被検体表面との界面における音響波の反射防止法が記載されている。すなわち、音響検出器の被検体側の部分のうち、音響検出器の可動領域
以外の面に反射抑制層を設けることにより、音響波が音響波源側に反射する事を抑制している。
米国特許第2006/0184042号公報 特開2012−100123号公報
"Photoacoustic imaging in biomedicine" M.Xu, L.V.Wang, REVIEW OF SCIENTIFIC INSTURUMENT、77、041101、2006
しかしながら、特許文献1においては、被検体内部に音響波を反射する組織があると、界面音響波が多重反射して、音響検出器に検出される恐れがあった。
光音響装置を生体に適用する場合、生体内での音響インピーダンスの違いにより超音波の一部が反射される。超音波の反射体としては例えば、骨や腹膜等が挙げられる。また、生体の音響インピーダンスは外界(空気)の音響インピーダンスと大きく異なるため、生体表面と外界との界面で超音波はほぼ完全反射する。生体表面に音響マッチング材を配した場合でも同様に、音響マッチング材と外界との界面で反射が生じる。
従って、界面音響波は、骨などの反射体と生体表面(又は音響マッチング材表面)との間で多重反射する恐れがある。多重反射が生じた場合、被検体内部にある光吸収体から発生する光音響波に界面音響波が重畳される。
しかし特許文献1においては、界面音響波の発生および多重反射を抑制してないため、多重反射した信号が計測される恐れがある。また、特許文献2においても、反射抑制層の無い領域では、界面音響波の反射が抑制されない。界面音響波は被検体表面の光照射領域で最大圧力が発生するため、光照射領域において多重反射が起こり、音響検出器に回り込む恐れがある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、光音響トモグラフィーにおいて、被検体表面から発生する光音響波の多重反射による影響を軽減するための技術を提供することである。
本発明は、以下の構成を採用する。すなわち、
検体に照射する光を出射する出射端を含む投光手段と、
前記光を照射された前記被検体から発生する音響波を検出する検出手段と、
前記音響波を用いて前記被検体内の特性情報を取得する処理手段と、
音響波を吸収する材料から構成される吸収手段と、
を有し、
前記吸収手段は、前記被検体の表面と前記出射端の間に配置される
ことを特徴とする被検体情報取得装置である。
本発明によれば、光音響トモグラフィーにおいて、光照射領域の被検体表面で発生する
光音響波の多重反射による影響を軽減することが可能になる。
本発明の実施形態における構成例を説明する図。 本発明の実施形態における投光用プローブの構成を説明する図。 本発明の実施形態における光音響波の伝播を説明する図。 本発明の実施形態における投光用プローブの配置を説明する図。 本発明の実施形態における超音波吸収材の配置を説明する図。 本発明の実施形態におけるシミュレーションモデルを説明する図。 本発明の実施形態におけるシミュレーション結果を説明するグラフ。 本発明の実施形態2における装置の構成例を説明する図。 本発明の実施形態における音響特性を説明する表。
以下に図面を参照しつつ、本発明の好適な実施の形態について説明する。ただし、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状およびそれらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の記載に限定する趣旨のものではない。
本発明において、音響波とは、音波、超音波、光音響波、光超音波と呼ばれる弾性波を含む。つまり本発明の被検体情報取得装置とは、被検体に光(電磁波)を照射することにより光音響効果に従って被検体内で発生した音響波を受信して、被検体内の特性情報を取得する装置である。
このとき取得される被検体内の特性情報とは、光照射によって生じた音響波の初期音圧や、あるいは、初期音圧から導かれる光エネルギー吸収密度や、吸収係数、組織を構成する物質の濃度等を反映した被検体情報を示す。物質の濃度とは例えば、酸素飽和度またはオキシヘモグロビン濃度もしくはデオキシヘモグロビン濃度である。また、特性情報としては、数値データではなく、被検体内の各位置の分布情報を取得しても良い。つまり、吸収係数分布や酸素飽和度分布等の分布情報を画像データとして取得しても良い。
以下、図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。なお、同一の構成要素には原則として同一の符号を付して、説明を省略する。本発明は被検体情報取得装置やその作動方法、制御方法としても捉えられる。本発明はまた、制御方法を情報処理装置等に実施させるプログラムとしても捉えられる。
<実施形態1>
本実施形態における光音響装置の投光用プローブおよび音響検出器(音響波受信用プローブ)の構成について、図1を使って説明する。投光用プローブ1には、光源(不図示)から光学系を経由して光2が導かれる。投光用プローブ1は、その出射端から被検体100へ光2を照射する。本発明において使用する光の波長は、被被検体内部まで光が伝播する波長であることが望ましい。被検体が生体の場合、600nm以上1300nm以下の近赤外線の領域が好ましい。投光用プローブは、本発明の投光手段に相当する。音響検出器は、本発明の検出手段に相当する。
本発明においては、図2に示すように、投光用プローブ1の先端(被検体100の表面と投光用プローブ1の出射端の間)に超音波吸収材3が配置される。超音波吸収材3の大きさは、投光用プローブ1の出射端の大きさと同程度にする。超音波吸収材は、本発明の吸収手段に相当する。
被検体100の内部を伝播した光のエネルギーの一部が光吸収体101に吸収されると、その光吸収体101の熱膨張により音響波が発生する。このとき光吸収体101は音源となる。
光音響波を検知する音響検出器4は、投光用プローブ1の近傍の被検体100表面に配置される。図1の例では、投光用プローブ1および音響検出器4が1つずつ存在する構成例を示した。投光用プローブ1および音響検出器4は複数であってもよい。例えば、投光用プローブの周囲に音響検出器を複数配置する構成でも良い。あるいは、音響検出器を挟んで複数の投光用プローブを配置してもよい。また、被検体100と超音波吸収材3および音響検出器4との間には、音響マッチング材(不図示)を配置してもよい。
次に、被検体100について説明する。被検体100は本発明を構成する物ではない。説明を簡略化するため、被検体100の内部を、表層部100a、反射体100b、内部組織100cの三層構造にモデル化する。内部組織100c内には測定対象となる光吸収体101がある。図1の例では平坦な三層構造で示したが、被検体100や内部の構造物は曲面であってもよい。また、反射体100bが内部組織100cに内包される一部分であってもよい。
被検体100が生体の場合、超音波を反射する組織としては、骨や腹膜などが挙げられる。例えば被検体が生体の頭部の場合、表層部100aは頭皮、反射体100bは頭蓋骨、内部組織100cは脳、光吸収体101は血管に相当する。骨の音響インピーダンスはおよそ4〜5×10[N・S/m](種類や年齢、性別によって異なる)であり、皮膚等の生体の音響インピーダンスは約1.6×10[N・S/m]である。また、空気の音響インピーダンスは0.0004x10[N・S/m]である。
音響インピーダンスが異なる媒質の平坦な境界面に垂直に超音波が入射する時の音圧の反射率は、次式(1)で表される。
R=(Z−Z)/(Z+Z) …(1)
ここで、Z、Zは入射側および透過側それぞれの媒質の音響インピーダンスである。皮膚から骨への反射率Rを計算すると、R=0.4から0.5となる。また、皮膚から空気への反射率Rを計算すると、R=−1.0となり、ほぼ全反射となる。
次に、被検体100で発生する光音響波の伝播について、図3を使って説明する。投光用プローブ1からパルス光を照射すると、光2は表層部100aを透過し、反射体100b、内部組織100cへと拡散する。
被検体100内の光吸収体101および被検体100表面での光の吸収により、それぞれ光音響波が発生する。光吸収体101で発生する音響波102は、一部が反射体100bで反射され、残りは反射体100bを透過して音響検出器4に受信される。一方、被検体100表面で発生する光音響波(界面音響波103)は、照射部直下が最大音圧となり周囲に拡散する。拡散した界面音響波103aは反射体100bで一部が反射し、被検体100の表面へ進行する界面音響波103bとなる。
次に、本発明の超音波吸収材3が界面音響波103を吸収する効果について説明する。光照射領域上に超音波吸収材3を配置する事で、界面音響波103は被検体100側だけでなく超音波吸収材3側にも分散する。このように界面音響波103が分散することで、界面音響波103aの振幅を小さくできる。さらに、反射体100bで反射し被検体100の表面に戻ってくる界面音響波103bを超音波吸収材3側に透過させることにより、被検体100の表面における再反射を防止できる。
超音波吸収材3内部へ伝播した音響波103cは、超音波吸収材3内で減衰吸収される
ため、被検体100に戻ることを抑制できる。
図4に示すように、被検体100の表面にある光照射領域で発生する界面音響波を吸収するために、超音波吸収材3は、投光用プローブ1の出射端の大きさと同程度とし、被検体100の表面の光照射領域Wの直上の領域に配置する。
なお、超音波吸収材3を出射端と一体に形成する、あるいは出射端と嵌合などにより連結させることで、超音波吸収材3を自然に光照射領域上に配置できるようになる。
なお、出射端の開口数NAによっては、出射端の大きさよりも被検体100の表面での光照射領域が広くなる場合がある。そこで図5に示すように、超音波吸収材3を、出射端よりも大きくし、かつ、光照射領域Wを取り囲む領域上に配置することが好ましい。このように配置することで、出射端よりも光照射領域が広くなる場合でも、光照射領域を超音波吸収材3で覆うことができる。その結果、音響波を吸収する効果が増大する。
また、投光用プローブ1の周りに支持部5を設けて、支持部5の先端に超音波吸収材3を配置してもよい。超音波吸収材3の設置領域が広くなるため、投光用プローブ1先端に超音波吸収材3を設けやすくなる。さらに、投光用プローブ1を被検体100の表面に安定して取り付けやすくなる。
次に、被検体100から超音波吸収材3へ音響波を伝播させる条件について説明する。
音響波を効率的に伝播させるために、超音波吸収材3の音響インピーダンスは被検体100の音響インピーダンスに近似した値であることが好ましく、略等しいことがより好ましい。例えば、被検体100の音響インピーダンスの±10%程度の誤差を許容値とする音響インピーダンスを有するものと定義できる。被検体100が生体の場合、代表的な音響インピーダンスは約1.6×10[N・S/m]なので、1.4〜1.8×10[N・S/m]の範囲が許容される。音響インピーダンスの差を±10%とした場合の反射される比率は、(1)式にZ=1.1Zおよび0.9Zを代入すると、約±5%となる。
このように、超音波吸収材3の音響インピーダンスを調整する事で、被検体100の表面に達した音響波を効率的に超音波吸収材3へ伝播させられる。
また、被検体100との間に音響マッチング材(不図示)を介してもよい。音響マッチング材を介する事で、超音波吸収材3と被検体の100との間の音響インピーダンスの整合を取ることができる。例えば、音響マッチング材が水の場合、水の音響インピーダンスは約1.5×10[N・S/m]なので、超音波吸収材3の音響インピーダンスの好ましい範囲は、1.35〜1.65×10[N・S/m]になる。
次に、超音波吸収材3内で音響波を減衰吸収する条件について説明する。数MHzの周波数帯では、音響波の減衰は媒質による吸収が主と考えられ、次式(2)で表される。
減衰=超音波減衰係数×透過距離×周波数 …(2)
音響波の減衰を大きくするには、超音波吸収材3を厚くするか、超音波減衰係数を大きくすればよい。すなわち、発生する界面音響波の強度と周波数および、使用する材料の超音波減衰係数に応じて適宜、超音波吸収材3の厚さを調整すればよい。なお超音波減衰係数を光音響波に適用する場合、音響波減衰係数と呼ぶことができる。
超音波吸収材3を大型化させずに音響波を減衰するために、超音波吸収材3の超音波減衰係数を被検体の超音波減衰係数より大きくすることが好ましい。生体の代表的な超音波減衰係数の値はおおよそ、0.5〜1.0[dB/(MHz・cm)]程度である。例えば、超音波吸収材3の厚さを1cm、音響波減衰係数を20[dB/(MHz・cm)]とした場合、1MHzの音響波は往復での減衰は40dBとなり、被検体100に戻る音
響波を1%に抑えられる。
次に、超音波吸収材3越しに光を照射する条件について説明する。超音波吸収材3越しに光2を照射するため、超音波吸収材3を透過する光が所望の照射強度になるように光源の強度を調整すればよい。効率的に光を照射するために、超音波吸収材3は光源の波長に対し光の透過性があることが好ましい。透過性を持たせる事で、超音波吸収材3が光を吸収して音響波が発生することも抑制できる。
光の透過吸収はBeer−Lambert則で近似できる。光の透過率Tは次式(3)で表される。
T=exp(−μa*d) …(3)
ここで、μaは光の吸収係数、dは媒体(超音波吸収材3)の厚さである。
超音波吸収材3に光の透過性を持たせるには、超音波吸収材3を薄くするか、光の吸収係数を小さくすればよい。本発明において使用する近赤外線の領域における生体組織の代表的な吸収係数は、0.002〜0.1[mm−1]程度である。例えば、超音波吸収材3の厚さを1cm、光の吸収係数を0.001[mm−1]とした場合、光の透過率Tを計算すると、T=99%となる。従って、超音波吸収材3の光の吸収係数を0.001[mm−1]以下とすれば、十分に光の透過性がある。
なお、超音波吸収材3を透過する光量の調整は、光源の強度を調整することによっても実現できる。この場合、超音波吸収材3を透過する光が、被検体に対する安全上の規格を超えないようにする。
次に、超音波吸収材を構成する材料について説明する。超音波吸収材は、被検体の音響インピーダンスと同等であることが好ましい。好ましい材料としては、シリコーンゲルやポリブタジエンゲル、ウレタンゲル、低硬度のシリコーンゴムやウレタンゴム、アクリル樹脂やアクリルゲル、エポキシ樹脂などが挙げられる。また、超音波吸収材は音響波を減衰吸収する機能を有さなければならない。
また、上記材料に高密度の微粒子を含有させると、音響インピーダンスの調整と音響波の減衰吸収の向上が可能となる。微粒子としては、タングステンやアルミナ、銅、チタン、白金、鉄もしくはそれらの化合物が挙げられる。いずれにせよ、所望の音響インピーダンスと所望の超音波吸収係数が得られる材料を用いればよい。
例えば、特殊ウレタンゴム(例えば、Flexane94L/DEVCON社製の商品名)に、タングステン粒子(例えば、2.1から2.5μm/株式会社アライドマテリアル社製の粒子)を10wt%程度混合して硬化させる。これにより、音響インピーダンスを1.8×10[N・S/m]程度に調整できる。そのときの減衰率は、1MHzで約50[dB/cm]程度となる。
この材料を使用する場合の被検体側に戻ってくる音圧は、以下の様に計算できる。超音波吸収材を厚さ0.5cmで形成し、被検体の音響インピーダンスを1.6×10[N・S/m]とする。超音波吸収材表面での反射率および、超音波吸収材内を往復して被検体側に戻ってくる音圧は、それぞれ、5.8%、0.3%となる。このように、超音波吸収材により、界面音響波の反射を大幅に抑制できることが分かる。
また、音響インピーダンスマッチング材は、一般的にはゲルや水のような液体である。音響インピーダンスマッチング材も、光源から照射される波長の光に対し透過性を有することが好ましい。
超音波吸収材の界面音響波の吸収効果についてシミュレーションにより確認した。1辺64mmの生体を模擬した二次元のモデルで、音響波の伝播を計算した。シミュレーショ
ンは超音波の伝播を取り扱える公知の解析ソフトを使用した。超音波を取り扱える解析ソフトとしては、例えば、University College Londonにてk−waveが一般に公開されている。インターネット上のホームページ(URLはhttp://www.k-wave.org/index.php)参照。
図6のような縦横64mmの二次元のモデルで、照射領域の中心を水平方向の原点とした。幅5mmの光照射領域上に超音波吸収材3(幅5mm)を配置した。また、中心(光照射領域)から10mm離れた位置に音響検出器4(幅1mm)を配置した。音響検出器4の両側の非振動面に相当する部分にも超音波吸収材6(幅各2.5mm)を配置した。表層部100aの表面と超音波吸収材3および音響検出器4の間には、1mmの隙間で音響マッチング材104を配置した。音響マッチング材104の上側の領域は空気105とした。
このモデルで、照射領域直下の表層部100aの表面に界面音響波を模擬した初期圧力106を設定し、音響検出器4に到達する圧力波のシミュレーションを行った。各層の厚さ、および音響特性を図9の表に示す。計算で使用した音響特性等は生体等の代表的な値を使用した。
また、比較のために超音波吸収材3が無い場合のシミュレーションも実行した。この比較計算では、超音波吸収材3に相当する領域に、光ファイバ等の光導波路を模した反射体を配置した。
図7のグラフに、照射領域上に超音波吸収材を配置する場合と配置しない場合の解析結果を示す。図中の横軸が時間(マイクロ秒)、縦軸が音響検出器に到達する圧力(超音波吸収材3が無い場合の最大振れ幅で規格化した値)を示す。実線のグラフは、超音波吸収材3を配置する場合の圧力波形に対応する。破線のグラフは、超音波吸収材3を配置しない場合の圧力波形に対応する。
本図より、超音波吸収材3を配置しない場合では、界面音響波の多重反射に起因する振動が発生する。一方、超音波吸収材3を配置する場合では、界面音響波の多重反射による振動が抑制されることが分かる。圧力波の振動の2乗平均で比較すると、約10%振動を抑制できる。
<実施形態2>
次に、上記投光用プローブおよび音響検出器を用いて被検体内部の光学特性値情報を測定する、被検体情報取得装置について説明する。この被検体情報取得装置は、光音響波を計測することから、光音響波計測装置とも呼べる。
本実施形態の被検体情報取得装置の基本構成を、図8を用いて説明する。装置は、基本的なハード構成として、光源10、投光用プローブ1、音響検出器4、信号処理部11、画像表示部12を有する。
投光用プローブ1および音響検出器4は、固定部材(不図示)等で、生体などの被検体100上の所望の位置に配置される。光源10から発せられた光2は、光学系13により所望の光分布形状に加工されながら投光用プローブ1に導かれ、生体などの被検体100に照射される。光学系13として例えば、レンズ、ミラー、光ファイバ、拡散板などが挙げられる。
図2の場合と同様、本実施形態においても、図8に示すように、投光用プローブ1の先端に(すなわち、光2の出射端と被検体100との間に)、超音波吸収材3が配置される。光照射後、被検体100の内部を伝播した光のエネルギーの一部が光吸収体101に吸収されると、その光吸収体101の熱膨張により光音響波が発生する。同時に被検体10
0の表面で界面音響波が発生するが、この界面音響波は超音波吸収材3により抑制される。
光吸収体101からの光音響波は音響検出器4により検出され、信号処理部11で既知の手法により画像データに変換され、画像表示部12に表示される。信号処理部は、本発明の処理手段に相当する。画像表示部は、本発明の表示手段に相当する。
本発明における被検体情報取得装置は、人や動物の悪性腫瘍や血管疾患などの診断や化学治療の経過観察、脳の活性部位の測定などを主な目的とする。よって、被検体100としては生体、具体的には人体や動物の頭、乳房や指、手足などの診断の対象部位が想定される。特に、内部に反射体を有する被検体に好適である。
被検体内部の光吸収体101としては、被検体内で相対的に吸収係数が高い組織が想定される。例えば、人体が測定対象であれば、オキシヘモグロビンおよびデオキシヘモグロビン、それらを含む多く含む血管あるいは大脳皮質、新生血管を多く含む悪性腫瘍が該当する。
なお、オキシヘモグロビンとデオキシヘモグロビンでは光の吸収スペクトルが異なる。そのため、吸収スペクトルを測定することで、血液内の酸素飽和度を求めることができ、酸素代謝などを測定できる。酸素代謝がイメージングできれば、そこから脳の活性部位や癌の腫瘍を調べることができるなどの利点がある。特性情報として求めるデータは、吸収分布に限らず、特定の位置における特性値であってもよい。あるいは、特性情報の分布状況や値の時間的な変化であってもよい。
以上述べたように、本発明を適用すれば、内部に反射物を有する生体の生体情報をイメージングする事が可能となる。
なお、本実施形態では生体を被検体として測定した例を述べたが、本発明の対象は生体に限られるものではない。例えば、食品の異物検査、その他のさまざまな非破壊検査に対して好適に利用できる。
1:投光用プローブ,3:超音波吸収材,4:音響検出器,10:光源、11:信号処理部

Claims (25)

  1. 被検体に照射する光を出射する出射端を含む投光手段と、
    前記光を照射された前記被検体から発生する音響波を検出する検出手段と、
    前記音響波を用いて前記被検体内の特性情報を取得する処理手段と、
    音響波を吸収する材料から構成される吸収手段と、
    を有し、
    前記吸収手段は、前記被検体の表面と前記出射端の間に配置される
    ことを特徴とする被検体情報取得装置。
  2. 前記吸収手段の音響インピーダンスは、前記被検体の音響インピーダンスに近似した値である
    ことを特徴とする請求項1に記載の被検体情報取得装置。
  3. 前記吸収手段の音響インピーダンスは、前記被検体の音響インピーダンスから±10%の範囲の値である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の被検体情報取得装置。
  4. 前記吸収手段の音響波減衰係数は、前記被検体の音響波減衰係数より大きい
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  5. 前記吸収手段は、出射される前記光の波長に対して透過性を有する
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  6. 前記光を発生させる光源をさらに有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  7. 前記光源は、前記吸収手段の光の吸収係数および厚さに基づいて、前記光の強度を調整する
    ことを特徴とする請求項6項に記載の被検体情報取得装置。
  8. 前記吸収手段は、前記被検体の表面の光照射領域上に配置される
    ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  9. 前記吸収手段は、前記出射端よりも大きく、かつ前記光照射領域を取り囲む領域上に配置される
    ことを特徴とする請求項8に記載の被検体情報取得装置。
  10. 前記被検体の表面と前記吸収手段との間に配置された音響マッチング材をさらに有することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  11. 前記被検体は、内部に光吸収体と、音響波の反射体とを含む生体である
    ことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  12. 前記処理手段が取得した前記特性情報を表示する表示手段をさらに有する
    ことを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  13. 光が出射される出射端と、
    前記出射端に設けられた、音響波を吸収する吸収手段と、
    前記光を吸収した被検体から発生した音響波を検出する検出手段と、を有し、
    前記光が前記吸収手段を介して出射されるように構成された光音響波検出装置。
  14. 前記吸収手段の音響インピーダンスは、前記被検体の音響インピーダンスから±10%の範囲の値である
    ことを特徴とする請求項13に記載の光音響波検出装置。
  15. 前記吸収手段の音響波減衰係数は、前記被検体の音響波減衰係数より大きい
    ことを特徴とする請求項13または14に記載の光音響波検出装置。
  16. 前記吸収手段は、出射される前記光の波長に対して透過性を有する
    ことを特徴とする請求項13ないし15のいずれか1項に記載の光音響波検出装置。
  17. 前記光を発生させる光源をさらに有することを特徴とする請求項13ないし16のいずれか1項に記載の光音響波検出装置。
  18. 前記光源は、前記吸収手段の光の吸収係数および厚さに基づいて、前記光の強度を調整する
    ことを特徴とする請求項17項に記載の光音響波検出装置。
  19. 前記吸収手段は、前記被検体の表面の光照射領域上に配置される
    ことを特徴とする請求項13ないし18のいずれか1項に記載の光音響波検出装置。
  20. 前記吸収手段は、前記出射端よりも大きく、かつ前記光照射領域を取り囲む領域上に配置される
    ことを特徴とする請求項19に記載の光音響波検出装置。
  21. 前記被検体の表面と前記吸収手段との間に配置された音響マッチング材をさらに有することを特徴とする請求項13ないし20のいずれか1項に記載の光音響波検出装置。
  22. 前記被検体は、内部に光吸収体と、音響波の反射体とを含む生体である
    ことを特徴とする請求項13ないし21のいずれか1項に記載の光音響波検出装置。
  23. 音響波吸収部材を介して光を被検体に照射し、
    前記光を照射された被検体から発生した音響波に基づいて、前記被検体内の特性情報を取得する被検体情報取得方法。
  24. 前記被検体は、内部に光吸収体と、音響波の反射体とを含む生体である
    ことを特徴とする請求項23に記載の被検体情報取得方法。
  25. 取得された前記特性情報を表示手段に表示する
    ことを特徴とする請求項23又は24に記載の被検体情報取得方法。
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