JP6222555B2 - 水処理方法及び水処理装置 - Google Patents

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Description

本発明はマイクロバブル及びナノバブル等と呼ばれる微小気泡と多孔性物質とを利用した水処理方法及び水処理装置に関するものである。
近年、難分解性物質が含まれる排水の処理方法として、非常に酸化力の強いOHラジカルを利用した促進酸化法による排水中の難分解性物質の分解処理技術が検討されている。水中でのOHラジカルの発生方法の一つとして、マイクロバブルと呼ばれる微小気泡を利用した方法がある。
マイクロバブルとは、一般的に粒径が1[μm]以上、50[μm]以下の範囲となる微小気泡を表す。マイクロバブルは、自己加圧効果により水中で収縮し、消滅する(以下、「圧壊」ともいう)という特徴をもっている。マイクロバブルが圧壊する際に、OHラジカルが発生することが知られている。OHラジカルは、酸化力が強く、反応性が高いため、通常の環境下では長時間存在することはできず、発生後速やかに消滅する。このため、マイクロバブルの圧壊によりOHラジカルが発生しても、その近傍に難分解性物質が存在しないと、難分解性物質の分解に寄与することなくOHラジカルは消滅してしまう。
特許文献1及び特許文献2では、マイクロバブルや粒径が1[μm]未満のナノバブルを利用した排水処理方法で、活性炭を触媒として使用する構成が記載されている。詳しくは、処理対象である排水を処理するタンク内に活性炭を配置し、そのタンク内でマイクロバブルを発生させる構成である。活性炭の表面には多くの細孔があり、マイクロバブルや難分解性物質は活性炭の細孔に一時的に吸着されるが、マイクロバブルは吸着される際の接触によって圧壊が促される。活性炭の表面では、マイクロバブルや難分解性物質の密度が高い状態でマイクロバブルの圧壊が促されてOHラジカルが発生するため、発生したOHラジカルを効率的に難分解性物質の分解に寄与させることができる。
活性炭を触媒として使用する構成では、吸着した難分解性物質をOHラジカルで分解するため、活性炭の吸着性能の低下を防止でき、活性炭の交換などのランニングコストの抑制を図ることができる。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の構成について、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、活性炭の細孔分布によっては、効率的な排水処理を行うことが出来ず、難分解性物質の濃度が低い排水の処理にしか用いることが出来ないことがわかった。このため、従来よりも効率的な排水処理を行うことが求められる。
このような問題は、排水処理に限るものではなく、難分解性物質等の除去対象となる物質を含有する水から除去対象となる物質を除去する水処理であれば同様の問題が生じ得る。
また、触媒としては活性炭に限るものではなく、除去対象となる物質と微小気泡とを吸着する多孔性物質であれば同様の問題が生じ得る。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、多孔性物質を触媒として用いる微小気泡を利用した水処理で、従来よりも効率的な水処理を行うことができる水処理方法及び水処理装置を提供することである。
前記目的を達成するために、請求項1の発明は、処理対象の水の中に、微小気泡を発生させる微小気泡発生工程と、前記微小気泡が発生した水を多孔性物質に接触させる多孔性物質接触工程と、を有する水処理方法において、前記多孔性物質の表面に開口した細孔のうち、細孔直径が20[nm]以上、200[nm]以下の範囲となる細孔の容積の和は、全ての細孔の容積の和に対して、20[%]以上、40[%]以下であり、前記処理対象の水がトナーの生産排水であることを特徴とするものである。
本発明によれば、従来よりも効率的な水処理を行うことができるという優れた効果がある。
実施形態に係る排水処理装置の概略説明図。 実験例で用いた多孔性物質としての活性炭A乃至Dの細孔分布を示す図。 実験例で用いた多孔性物質としての二酸化マンガンA及びBの細孔分布を示す図。 多孔性物質を洗浄する工程を有する排水処理装置の概略説明図。
以下、本発明を適用した水処理方法の一例として排水処理方法に適用した実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る排水処理装置100の概略説明図である。
排水処理装置100は、微小気泡発生手段である微小気泡発生槽1と、円筒状の処理槽2と、循環ポンプ3とを備え、処理槽2内には粒状の多孔性物質5が充填されている。
排水処理装置100では、多孔性物質5を処理槽2へ入れ、微小気泡発生槽1及び処理槽2へ処理排水4を入れる。バッチ処理の場合、循環ポンプ3によって、処理槽2と微小気泡発生槽1を処理排水4が所定流量で循環し、所定時間の処理を行う。通水処理の場合、図1中の矢印Aで示すように微小気泡発生槽1に処理排水4を所定流量で供給しながら、処理水を図1中の矢印Bで示すように処理槽2の下部より所定流量で排出を行う。
微小気泡発生槽1における微小気泡発生方式は、特に限定されるものではなく、加圧溶解方式や超音波方式、気液混合・せん断方式など従来から公知のものでよい。好ましくは、気液混合・せん断方式である。気液混合・せん断方式では、一度発生させた微小気泡に対して、さらにせん断力を与えることができるため、気泡粒径を小粒径化することができる。
微小気泡を発生させる際に使用する気体は、空気や酸素などを用いればよく、特に限定されるものではない。好ましくは、酸化力の強いオゾンである。オゾンを使用することにより、微小気泡の圧壊によるOHラジカルの発生の他にも、水中でオゾンが分解する際に発生するOHラジカルや、溶存オゾンによる酸化作用などが期待できる。
OHラジカルは、極めて不安定で反応性が高いため、OHラジカルの発生とOHラジカルと被反応物とが反応する場所が同一であることが望ましい。OHラジカルによる被反応物の分解速度を上げるには、ラジカル濃度を高くする必要があるが、反応容器などの条件が適切でない場合、ラジカル同士が反応し消滅してしまい、あまり分解速度を上げることができない。
粒径が50[μm]以下の微小気泡は、水中での分散性に優れる。また、水中で収縮しながら、水質条件によっては数十[nm]程度まで安定に存在できるため、多孔性物質5の細孔中へ容易に進入することができる。また、多孔性物質5の細孔には分解対象である被反応物が吸着される。すなわち、微小気泡を、所定の細孔直径分布を有する多孔性物質5の細孔中において圧壊させることにより、OHラジカル同士が反応することなく、且つ、被反応物近傍のOHラジカル濃度を高くすることができる。このため、被反応物とOHラジカルとを効率よく反応させることができる。
微小気泡の粒径は50[nm]以上、50[μm]以下の範囲であることが好ましい。粒径が50[μm]より大きくなると、水中で消滅(圧壊)し難くなり、水中で微小気泡が消滅しないとOHラジカルが発生しないので好ましくない。また、粒径が50[nm]より小さくなると、水中で安定的に存在できず、即座に消滅してしまうので、細孔中への進入が出来ず、好ましくない。
微小気泡を発生させる際に使用する気体がオゾンである場合、水に対するオゾンの濃度は0.013[g/L]〜0.156[g/L]であることが好ましい。例えば、図4に示す処理装置100を使用した場合、液量をA[L]、オゾン印加量をm[g/h]、処理流量をv[L/min]とした場合、「A÷(m×((A÷v)÷60))」が示す値が0.013[g/L]〜0.156[g/L]であることが好ましい。
ここで、オゾン印加量の「g/h」という単位は、一時間当りのオゾンの供給量(g)を示している。また、図4に示す処理装置100についての詳細は後述する。
オゾン濃度が0.156[g/L]より高いとオゾンの酸化力によって触媒が壊れてしまうため好ましくない。オゾン濃度が0.013[g/L]以下だとオゾン分解によるOHラジカル量が少ないため好ましくない。
排水処理装置100で使用する多孔性物質5は、全細孔の容積の和に対して20[%]以上、40[%]以下が、細孔直径が20[nm]以上、200[nm]以下の範囲となる細孔であることが好ましい。
細孔直径が20[nm]以上、200[nm]以下の範囲となる細孔の容積の和が全細孔の容積の和に対して、20[%]より低い場合、多孔性物質5の細孔中での微小気泡の圧壊が起こりにくく、好ましくない。
また、細孔直径が20[nm]以上、200[nm]以下の範囲となる細孔の容積の和が、全細孔の容積の和に対して、40[%]より高い場合、多孔性物質5の強度が保てず、交換や補充の頻度が高くなってしまい、好ましくない。
多孔性物質5としては、全細孔の容積の和に対して15[%]以上、30[%]以下が、細孔直径が20[nm]以上、80[nm]以下の範囲となる細孔であることであることがより好ましい。直径が20[nm]以上、80[nm]以下の範囲となる細孔の容積の和が全細孔の容積和に対して、30[%]より高い場合、直径が80[nm]以上、200[nm]以下の細孔の割合が低くなる。これにより、微小気泡が細孔中へと進入しにくくなるため、好ましくない。
また、直径が20[nm]以上、80[nm]以下の細孔の容積の和が、全細孔の容積の和に対して、15[%]より低い場合、直径が80[nm]以上、200[nm]以下の範囲となる細孔の割合が高くなる。これにより、OHラジカルによる分解反応が多孔性物質の表面近傍でしか行なわれず、好ましくない。
排水処理装置100では、多孔性物質5として活性炭を用いている。活性炭は、表面に微細孔を有し、且つ、OHラジカルによる酸化反応の触媒としての作用もある。その他の多孔性物質5としては、金属酸化物が挙げられる。例えば、Mn、Ni、Fe、Cu、Al、Co、V、Cr、Siなどの酸化物が挙げられるが、細孔中で微小気泡を圧壊させることができれば良く、特に限定されるものではない。
排水処理装置100で使用する多孔性物質5は、平均粒径が1[mm]以上、3[mm]以下の範囲となる粒状であることが好ましい。多孔性物質5の平均粒径が1[mm]より小さくなると、排水中に分散し易くなってしまい、排水から分離除去する工程が必要となり、好ましくない。多孔性物質5の平均粒径が3[mm]より大きくなると、排水との接触面積が低下してしまい、処理する排水に対して、多量の多孔性物質5を使用しなければならないため、好ましくない。
排水処理装置100では、処理排水4の1[L]当りに使用する多孔性物質5の表面積と、処理排水4が多孔性物質5に接触する接触時間との積が「2.0×10[m・min]」以上であることが好ましい。例えば、図1に示す排水処理装置100を使用した場合、処理槽2内の排水の面速度をV[cm/min]、多孔性物質5の重量をm[g]、多孔性物質の充填高さをh[cm]、多孔性物質の比表面積をS[m/g]とする。このとき、「m×S×h÷V」で求まる値が「2.0×10」以上であることが好ましい。上記値が「2.0×10」より小さい場合、処理排水4が多孔性物質5の表面に接触する接触時間または接触面積が不十分な状態であり、処理効率が落ちてしまうため、好ましくない。
排水処理装置100で処理する排水は、難分解性の界面活性剤を含む排水である。難分解性の界面活性剤を含む排水としては、特に限定は無いが、例えば電子写真用重合トナーの生産排水が挙げられる。この重合トナーの製造方法としては、懸濁重合法、溶解懸濁法、乳化重合法、エステル伸長法、分散重合法などが知られている。これらの製造工程において、多量の難分解性の界面活性剤が使用されることが多く、重合トナーの生産排水には、多量の難分解性の界面活性剤が含まれる。
難分解性の界面活性剤としては、例えば、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられるが、特に限定されるものではない。
陰イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等が挙げられる。
陽イオン界面活性剤としては、例えば、アミン塩型界面活性剤、四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤等が挙げられる。
該非イオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタイン等が挙げられる。
排水処理装置100で処理する界面活性剤を含む排水は、COD(化学的酸素要求量)の値が2000[mg/L]以下であることが好ましい。CODの値が2000[mg/L]より高い場合、処理時間の増加を招くので好ましくない。
さらに、排水処理時とは逆の流路により多孔性物質を洗浄する工程を有し、その洗浄水においても、排水の処理時と同様の処理方法を行うことにより洗浄効率が向上するので多孔性物質の交換頻度が減少し、さらなるコスト低減を実現することができる。
図4に、多孔性物質を洗浄する工程を有する排水処理装置100の一例の概略図を示す。図4に示す排水処理装置100は、図1に示す排水処理装置100と同様に、多孔性物質5が円筒状の処理槽2内に充填されている。
排水処理時には、微小気泡発生槽1及び処理槽2へ処理排水4を入れる。バッチ処理の場合、循環ポンプ3によって、処理槽2と微小気泡発生槽1を処理排水4が所定流量で循環し、所定時間の処理を行う。
図4に示す排水処理装置100では、多孔性物質を洗浄する洗浄工程を実行するものであり、洗浄工程の際には、処理排水4の代わりに洗浄水を排水処理装置100内に供給する。
図4中の矢印A1は処理排水4の供給を示し、矢印A2は洗浄水の供給を示し、矢印Bは処理排水4の抜き出しを示し、矢印Cは、洗浄水の抜き出しを示す。
通水処理の場合、図4中の矢印A1で示すように微小気泡発生槽1に処理排水4を所定流量で供給しながら、処理水を図4中の矢印Bで示すように処理槽2の下部より所定流量で排出を行う。
洗浄処理の場合、図4中の矢印A2で示すように処理槽2の下部より所定の流量で洗浄水を流し、図4中の矢印Cで示すように処理槽2の上部より排出を行う。
ここで、従来の排水処理方法について説明する。
従来、排水の物理・化学処理方法としては、凝集沈殿法、加圧浮上法、活性炭吸着法、酸化分解法など様々な方法があり、排水の成分に応じて適切な手法が選択される。
難分解性物質が含まれる排水の処理方法としては、次のような方法がある。例えば、難分解性物質が高濃度の場合、焼却処理などの環境負荷の高い方法で処理されている。また、難分解性物質が低濃度の場合では、活性炭吸着法などにより処理される。活性炭吸着法では、処理量の増加に伴い吸着性能が下がってしまい、活性炭の交換などのランニングコストがかかることが課題となっている。
活性炭吸着法では活性炭で難分解性物質を吸着し続けるため、経時で吸着性能が低下していた。しかし、特許文献1や特許文献2に記載のように、活性炭を触媒として使用する構成では、吸着した難分解性物質をOHラジカルで分解するため、活性炭の吸着性能の低下を防止でき、活性炭の交換などのランニングコストの抑制を図ることができる。
特許文献1では、排水中に発生させたナノバブルと活性炭を利用した方法が提案されている。詳しくは、オゾンマイクロバブルを強制圧壊させ、粒径が50[nm]以上、500[nm]以下の範囲となるオゾンナノバブルとしてから、活性炭(触媒)と接触させてOHラジカルを発生させる。そして、発生させたOHラジカルにより排水中の有機系微小固体物質を分解している。特許文献1では、排水の種類に限定はなく、実施例ではCODが5000[mg/L]の排水を、CODが200[mg/L]となるまで処理できると記載されている。
特許文献1に記載の技術では、高濃度の排水が処理できないという欠点がある。
特許文献2では、排水中に発生させたオゾンマイクロバブルを強制的にナノバブル化させた後、活性炭と接触させる方法が提案されている。特許文献2に記載の技術では、活性炭の細孔分布を規定しておらず、活性炭の最表面付近でしか反応が行なわれないため、処理効率が悪いという欠点がある。
特許文献3では、マイクロバブルを超音波により圧壊させ、活性炭処理する方法が提案されている。特許文献3に記載の技術では、超音波により生じた定常波によりマイクロバブルが凝集してしまうため、圧壊時にラジカル同士が反応してしまい、処理効率が悪いという欠点がある。
特許文献4では排水中に発生させたマイクロバブルと活性炭を利用した方法が提案されている。特許文献4に記載の技術では、活性炭の細孔中での反応が行われないため、吸着作用による破過速度を抑制することが出来ず、交換頻度が多くなってしまうという問題がある。
すなわち、従来のマイクロバブル及びナノバブルを利用した促進酸化法は、高濃度の排水処理に適用できなかったり、OHラジカルによる酸化分解の制御ができかったりするため、極めて処理効率が悪いという課題があった。
このため、難分解性の界面活性剤を含む排水を、オゾンマイクロバブル及びオゾンナノバブルと多孔性物質とを利用することにより、低環境負荷、且つ低ランニングコストで処理する方法が求められている。
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、難分解性の界面活性剤を含有する排水を、排水処理装置100を用いた水処理によって、低環境負荷、且つ、低ランニングコストで処理することができることを見出した。すなわち、粒径が50[nm]以上、50[μm]以下の範囲となる微小気泡を排水中に発生させる。そして、この排水を、全細孔の容積の和に対して20[%]以上、40[%]以下が、細孔直径が20[nm]以上、200[nm]以下の範囲となる細孔である多孔性物質に接触させる水処理方法である。
排水処理装置100は、難分解性の界面活性剤を含む処理排水4に対して、微小気泡発生槽1で微小気泡を発生させ、適切に調整された細孔分布を有する多孔性物質5により処理することによって、処理排水4から難分解性の界面活性剤を効率良く分解除去できる。
〔実験例〕
以下、本発明の構成を備えた実施例と、本発明の構成を備えない比較例とによって排水処理を行った実験例について説明する。
図2は、本実験例で用いた多孔性物質としての活性炭A乃至Dの細孔分布を示す図であり、図3は、本実験例で用いた多孔性物質としての二酸化マンガンA及びBの細孔分布を示す図である。
BJH法によって求められる多孔性物質の細孔分布は、横軸に「細孔直径」(単位は[nm])をとり、縦軸に「細孔容積」(単位は、[cm/(g・nm)])をとった分布図で示される。この細孔分布図について、細孔直径の全範囲で積分を行うことで、全ての細孔の容積の和を算出することができる。さらに、上述した横軸に「細孔直径」をとり、縦軸に「細孔容積」とった分布図の縦軸の「細孔容積」を全ての細孔の容積の和の値で割り、100を掛けることで、図2及び図3で示される分布図を得ることができる。ここでは、「細孔容積」を全ての細孔の容積の和の値で割り、100を掛けることで算出される値を「頻度」(単位は[%])と呼ぶ。
そして、図2及び図3に示す分布図において、「20[nm]以上、200[nm]」等の特定の範囲の細孔直径について積分を行うことによって、細孔直径が特定の範囲となる細孔の容積の和の、全ての細孔の容積の和に対する割合を算出することができる。ここでは、この割合を細孔分布頻度(単位は[%])と呼ぶ。
〔実施例1〕
懸濁重合法によって製造された、電子写真用重合トナーの生産排水を分析した結果、排水のCODの値と陰イオン界面活性剤濃度は高い相関関係にあり、排水の主成分は陰イオン界面活性剤であった。この処理排水4を排水Aとする。
<COD値の測定>
処理排水4のCOD値の測定は、工場排水試験法JIS K 0102 7に準拠して行った。その結果、排水AのCOD値は、1800[mg/L]であった。
<細孔分布測定及び比表面積測定>
多孔性物質の比表面積測定及び細孔分布の測定は、島津製作所製トライスターII3020を用いて行った。前処理は、加熱真空排気方式により行い、70[mTorr]、90[℃]で1[時間]加熱後、350[℃]でさらに4[時間]加熱した。
比表面積測定は、BET法により解析を行った。
また、細孔分布は、吸着等温線をBJH法により解析を行った。
活性炭Aを測定した結果、直径が20[nm]以上、200[nm]以下の範囲となる細孔の細孔分布頻度は、全細孔の容積の和(以下、「全細孔容積」と呼ぶ)の32[%]であった。また、直径が20[nm]以上、80[nm]以下の範囲となる細孔の細孔分布頻度は、全細孔容積の24[%]であった。BET比表面積は、934[m/g]であった。
<微小気泡の発生>
微小気泡発生槽1で微小気泡を発生させる微小気泡発生装置としては、ホモジナイザーを使用した。ジェネレーターを3000[rpm]で回転させ、ジェネレーター下部より、気体を所定の流量で供給し、気液混合及び気泡のせん断により、微小気泡を発生させた。
<微小気泡の粒径測定>
微小気泡の粒径測定は、島津製作所製SALD−7100Hを用いて行った。測定には、フローセルを使用し、1[L/min]の流速で連続通水し、測定を行った。測定結果は、酸素の屈折率1.000276を用いて解析を行った。
排水Aに対して、0.02[g/L]のオゾンを含有する酸素を1.0[L/min]の流量で供給し、微小気泡を発生させた結果、微小気泡発生槽1及び処理槽2では排水A中に直径が50[nm]以上、40[μm]以下の範囲となる微小気泡が存在していた。
本実験例の排水処理装置100では、直径が20[cm]の円筒状の処理槽2に、多孔性物質5としての活性炭Aを1.5[kg]充填した。処理槽2における活性炭Aの充填高さは9.5[cm]であった。さらに処理槽2と微小気泡発生槽1とに合計10[L]の排水Aをいれた。その後、微小気泡発生槽1において、0.02[g/L]のオゾンを含有する酸素を1.0[L/min]の流量で供給し、微小気泡を発生させた。微小気泡の発生と同時に、循環ポンプ3により、排水Aを1.0[L/min]の流速で処理槽2と微小気泡発生槽1との間を循環させた。処理槽2における排水Aの面速度は3.2[cm/min]であった。その後、10分間のバッチ処理を行い、処理水Aを得た。処理水AのCOD値は、150[mg/L]であった。
その後、処理水Aを排出し、微小気体発生槽1に水を10[L]いれた。この水を洗浄水Aとする。
<CODの測定>
洗浄水AのCOD測定は、工場排水試験法JIS K 0102 7に準拠して行った。その結果、洗浄水AのCOD値は、40[mg/L]であった。
洗浄水Aを微小気泡発生槽1にいれた後、循環ポンプ3により、排水処理時とは逆の流路で水を1.0[L/min]の流速で処理槽に供給し、処理槽2の上部から排出した。洗浄水Aによる処理方法を洗浄工程とする。
上述した排水処理を行う処理工程と洗浄工程とを交互に各10回繰り返し、11回目の処理工程において、10[分間]のバッチ処理後に洗浄後処理水Aを得た。洗浄後処理水AのCOD値は、511[mg/L]であった。
〔実施例2〕
微小気泡発生槽1で、微小気泡を発生させる気体として酸素を用い、実施例1と同様の方法で微小気泡を発生させた。微小気泡発生槽1及び処理槽2では直径が50[nm]以上、40[μm]以下の範囲となる微小気泡が存在していた。その後、実施例1と同様の操作を行い、処理水Bを得た。処理水BのCOD値は、450[mg/L]であった。
洗浄工程において、実施例1と同様の操作を行い、11回目の処理工程において、10[分間]のバッチ処理後に洗浄後処理水Bを得た。洗浄後処理水BのCOD値は、1031[mg/L]であった。
〔実施例3〕
多孔性物質5として二酸化マンガンAを用いた。実施例1と同様の方法で、細孔分布及びBET比表面積を測定した結果、20[nm]以上、200[nm]以下の範囲となる細孔の細孔分布頻度は、全細孔容積の38[%]であった。また、20[nm]以上、80[nm]以下の範囲となる細孔の細孔分布頻度は、全細孔容積の30[%]であった。BET比表面積は、352[m/g]であった。多孔性物質5である二酸化マンガンAを処理槽2に6.0[kg]充填した。処理槽2における二酸化マンガンAの充填高さは7.6[cm]であった。その後、実施例1と同様の操作を行い、処理水Cを得た。処理水CのCOD値は、500[mg/L]であった。
洗浄工程において、実施例1と同様の操作を行い、11回目の処理工程において、10[分間]のバッチ処理後に洗浄後処理水Cを得た。洗浄後処理水CのCOD値は、934[mg/L]であった。
〔実施例4〕
多孔性物質5として活性炭Bを用いた。実施例1と同様の方法で、細孔分布及びBET比表面積を測定した結果、20[nm]以上、200[nm]以下の範囲となる細孔の細孔分布頻度は、全細孔容積の38[%]であった。また、直径が20[nm]以上、80[nm]以下の範囲となる細孔の細孔分布頻度は、全細孔容積の31[%]であった。BET比表面積は、977[m/g]であった。多孔性物質5である活性炭Bを処理槽2に1.5[kg]充填した。処理槽2における活性炭Bを充填高さは、9.5[cm]であった。その後、実施例1と同様の操作を行い、処理水Dを得た。処理水DのCOD値は、550[mg/L]であった。
洗浄工程において、実施例1と同様の操作を行い、11回目の処理工程において、10分間のバッチ処理後に洗浄後処理水Dを得た。洗浄後処理水DのCOD値は、999[mg/L]であった。
〔実施例5〕
多孔性物質5として二酸化マンガンBを用いた。実施例1と同様の方法で、細孔分布及びBET比表面積を測定した結果、直径が20[nm]以上、200[nm]以下の範囲となる細孔の細孔分布頻度は、全細孔容積の23[%]であった。また、直径が20[nm]以上、80[nm]以下の範囲となる細孔の細孔分布頻度は、全細孔容積の14[%]であった。BET比表面積は、348[m/g]であった。多孔性物質5である二酸化マンガンBを処理槽2に6.0[kg]充填した。処理槽2における二酸化マンガンBの充填高さは、7.5[cm]であった。その後、実施例3と同様の操作を行い、排水Aを処理し、処理水Eを得た。処理水EのCOD値は、600[mg/L]であった。
洗浄工程において、実施例1と同様の操作を行い、11回目の処理工程において、10[分間]のバッチ処理後に洗浄後処理水Eを得た。洗浄後処理水EのCOD値は、1171[mg/L]であった。
〔実施例6〕
処理排水4として、クリーニング工場排水を用いた。この処理排水4を排水Bとする。排水BのCOD値と非イオン界面活性剤濃度は、高い相関関係にあり、排水Bの主成分は、非イオン界面活性剤であった。排水BのCOD値を測定した結果、1000[mg/L]であった。その後、実施例1と同様の操作を行い、処理水Fを得た。処理水FのCOD値は、90[mg/L]であった。
洗浄工程において、実施例1と同様の操作を行い、11回目の処理工程において、10[分間]のバッチ処理後に洗浄後処理水Fを得た。洗浄後処理水FのCOD値は、311[mg/L]であった。
〔実施例7〕
実施例1と同様の操作を行い、バッチ処理を行った。その後、微小気泡発生槽1に1.0[L/min]の流量で排水Aを供給し、処理槽2の下部より処理水を1.0[L/min]の流量で排出しながら、再度実施例1と同様の操作を行い、通水処理を行った。20[分間]の通水処理を行い、処理槽2内の液が完全に入れ替わったところで、処理水Gを得た。処理水GのCOD値は、150[mg/L]であった。
洗浄工程において、実施例1と同様の操作を行い、11回目の処理工程において、10[分間]のバッチ処理後に洗浄後処理水Gを得た。洗浄後処理水GのCOD値は、561[mg/L]であった。
〔実施例8〕
多孔性物質5として活性炭Aを用い、処理槽2に1.0[kg]充填した。処理における活性炭Aの充填高さは6.4[cm]であった。その後、実施例1と同様の操作を行い、処理水Hを得た。処理水HのCOD値は400[mg/L]であった。
洗浄工程において、実施例1と同様の操作を行い、11回目の処理工程において、10[分間]のバッチ処理後に洗浄後処理水Hを得た。洗浄後処理水HのCOD値は、821[mg/L]であった。
〔実施例9〕
図4に示す排水処理装置100を用いて、実施例1と同様の操作を行い、処理液Iを得た。処理液IのCOD値は、150[mg/L]であった。
その後、処理液Iを排出し、微小気体発生槽1に水を10[L]いれた。この水を洗浄水Iとする。
<CODの測定>
洗浄水IのCOD測定は、工場排水試験法JIS K 0102 7に準拠して行った。その結果、洗浄水IのCOD値は、40[mg/L]であった。
洗浄水Iを微小気泡発生槽1にいれた後、微小気泡発生槽1において、1.2[g/h]のオゾンを供給する酸素を1.0[L/min]の流量で供給し、微小気泡を発生させた。微小気泡の発生と同時に、循環ポンプ3により、排水処理時とは逆の流路で水を1.0[L/min]の流速で処理槽2に供給し、処理槽2の上部から排出した。
このときのオゾン濃度は0.02[g/L]であった。洗浄水Iによる処理方法を洗浄工程とする。
上述した排水処理を行う処理工程と洗浄工程を交互に各10回繰り返し、11回目の処理工程において、10[分間]のバッチ処理後に洗浄後処理水Iを得た。洗浄後処理水IのCOD値は、162[mg/L]であった。
〔実施例10〕
図4に示す排水処理装置100を用いて、実施例3と同様の操作を行い、処理液Jを得た。処理液JのCOD値は、500[mg/L]であった。
その後、洗浄工程において、オゾンを供給しない以外は実施例9と同様に処理工程と洗浄工程を交互に10回行い、11回目の処理工程において、10[分間]のバッチ処理後に洗浄後処理水Jを得た。洗浄後処理水JのCOD値は、769[mg/L]であった。
〔実施例11〕
図4に示す排水処理装置100を用いて、実施例4と同様の操作を行い、処理液Kを得た。処理液KのCOD値は550[mg/L]であった。
その後、実施例9と同様に処理工程と洗浄工程を交互に10回行い、11回目の処理工程において、10[分間]のバッチ処理後に洗浄後処理水Kを得た。洗浄後処理水KのCOD値は、689[mg/L]であった。
〔実施例12〕
図4に示す排水処理装置100を用いて、実施例6と同様の操作を行い、処理液Lを得た。処理液LのCOD値は90[mg/L]であった。
その後、実施例9と同様に処理工程と洗浄工程を交互に10回行い、11回目の処理工程において、10[分間]のバッチ処理後に洗浄後処理水Lを得た。洗浄後処理水LのCOD値は、240[mg/L]であった。
〔比較例1〕
微小気泡発生槽1では、ジェネレーターを3000[rpm]で回転させ、0.02[g/L]のオゾンを含有する酸素を5.0[L/min]の流量で供給し、微小気泡を発生させた。その結果、微小気泡発生槽1及び処理槽2では直径が60[μm]以上、200[μm]以下の範囲となる微小気泡が存在していた。その後、実施例1の同様の操作を行い、処理水Mを得た。処理水MのCOD値は、1400[mg/L]であった。
洗浄工程において、実施例1と同様の操作を行い、11回目の処理工程において、10[分間]のバッチ処理後に洗浄後処理水Mを得た。洗浄後処理水MのCOD値は、1753[mg/L]であった。
〔比較例2〕
多孔性物質5として活性炭Cを用いた。実施例1と同様の方法で、細孔分布及びBET比表面積を測定した結果、直径が20[nm]以上、200[nm]以下の範囲となる細孔の細孔分布頻度は、全細孔容積の9[%]であった。また、直径が20[nm]以上、80[nm]以下の範囲となる細孔の細孔分布頻度は、全細孔容積の7[%]であった。BET比表面積は、1271[m/g]であった。多孔性物質5である活性炭Cを処理槽2に1.5[kg]充填した。
処理槽2における活性炭Cの充填高さは9.5[cm]であった。その後、実施例1と同様の操作を行い、処理水Nを得た。処理水NのCOD値は、1300[mg/L]であった。
洗浄工程において、実施例1と同様の操作を行い、11回目の処理工程において、10[分間]のバッチ処理後に洗浄後処理水Nを得た。洗浄後処理水NのCOD値は、1734[mg/L]であった。
〔比較例3〕
多孔性物質5として活性炭Dを用いた。実施例1と同様の方法で、細孔分布及びBET比表面積を測定した結果、直径が20[nm]以上、200[nm]以下の範囲となる細孔の細孔分布頻度は、全細孔容積の50[%]であった。また、直径が20[nm]以上、80[nm]以下の範囲となる細孔の細孔分布頻度は、全細孔容積の30[%]であった。BET比表面積は、950[m/g]であった。多孔性物質5である活性炭Dを処理槽2に1.5[kg]充填した。
処理槽2における活性炭Dの充填高さは9.5[cm]であった。その後、実施例1と同様の操作を行い、処理水Oを得た。処理水OのCOD値は、150[mg/L]であった。しかしながら、処理中に活性炭が破壊されており、再度使用することができなかった。
本実験例の各実施例及び各比較例の実験条件及び実験結果を表1に示す。
Figure 0006222555
表1に示すように、比較例1は、微小気泡の粒径が大きい。このため、微小気泡が水中で圧壊し難くなり、効率的な処理を行うことが出来ず、CDDの低下率が低くなっていると考えられる。
比較例2は、直径が20[nm]以上、200[nm]以下の範囲となる細孔の細孔分布頻度が、全細孔容積の20[%]より低くなっている。このため、多孔性物質5の細孔中での微小気泡の圧壊が起こりにくく、効率的な処理を行うことが出来ず、CDDの低下率が低くなっていると考えられる。
比較例3は、直径が20[nm]以上、200[nm]以下の範囲となる細孔の細孔分布頻度が、全細孔容積の40[%]より高い。このため、多孔性物質5の強度が保てず、処理中に活性炭が破壊されたと考えられる。
また、実施例2は、微小気泡を発生させる際に使用する気体として、酸素を用いている。このため、オゾンを用いた実施例1よりもCOD低下率が低くなっていると考えられる。
実施例3は、直径が20[nm]以上、80[nm]以下の範囲となる細孔の細孔分布頻度が、全細孔容積の30[%]である。また、実施例4は、直径が20[nm]以上、80[nm]以下の範囲となる細孔の細孔分布頻度が、全細孔容積の31[%]であり、30[%]を超えている。これらの場合は、直径が80[nm]以上、200[nm]以下の範囲となる細孔の割合が低くなっており、微小気泡が細孔中へと進入しにくくなるため、実施例1よりもCOD低下率が低くなっていると考えられる。
実施例5は、直径が20[nm]以上、80[nm]以下の範囲となる細孔の細孔分布頻度が、全細孔容積の15[%]より低くいなっている。このため、直径が80[nm]以上、200[nm]以下の範囲となる細孔の割合が高くなり、OHラジカルによる分解反応が多孔性物質5の表面近傍でしか行なわれず、実施例1よりもCOD低下率が低くなっていると考えられる。
実施例6は、処理排水4として、COD値が実施例1よりも低いクリーニング工場排水を用いているが、実施例1と同様のCOD低下率を得ることができている。このことから、COD値の値が異なる排水であっても良好な排水処理を行うことができることが分かる。
実施例7は通水処理を行っているが、通水処理においても良好な排水処理を行うことができることが分かる。
実施例8は、多孔性物質5の量を実施例1よりも少なくしている。このため、「表面積×接触時間」の値が「2.0×10」より小さくなり、処理排水4が多孔性物質5の表面に接触する接触時間または接触面積が不十分な状態となって、処理効率が落ちたため、実施例1よりもCOD低下率が低くなっていると考えられる。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
処理対象の処理排水4等の水の中に、マイクロバブル等の微小気泡を発生させる微小気泡発生工程と、微小気泡が発生した水を多孔性物質5等の多孔性物質に接触させる多孔性物質接触工程と、を有する水処理方法において、多孔性物質の表面に開口した細孔のうち、細孔直径が20[nm]以上、200[nm]以下の範囲となる細孔の容積の和は、全ての細孔の容積の和に対して、20[%]以上、40[%]以下である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、細孔直径が20[nm]以上、200[nm]以下の範囲の細孔の容積の和が、全細孔の容積の和の20[%]以上であるため、多孔性物質の細孔中での微小気泡の圧壊が起こり易い。これにより、処理対象の水の中に含まれる陰イオン界面活性剤等の除去対象となる物質とOHラジカルとを効率的に反応させることができる。また、細孔直径が20[nm]以上、200[nm]以下の範囲の細孔の容積の和が、全細孔の容積の和の40[%]以下であることで、多孔性物質の強度を保つことができ、交換や補充の頻度を少なくすることができる。除去対象となる物質とOHラジカルとを効率的に反応させつつ、多孔性物質交換や補充の頻度を少なくすることができるため、従来よりも効率的な水処理を行うことができる。
(態様B)
態様Aにおいて、多孔性物質5等の多孔性物質の表面に開口した細孔のうち、細孔直径が20[nm]以上、80[nm]以下の範囲となる細孔の容積の和は、全ての細孔の容積の和に対して、15[%]以上、30[%]以下である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、直径が20[nm]以上、80[nm]以下の範囲となる細孔の容積の和が、全細孔の容積の和の30[%]以下であるため、直径が80[nm]より大きく、200[nm]以下の細孔の割合が高くなる。これにより、微小気泡が細孔中へと進入し易くなり、除去対象となる物質とOHラジカルとを効率的に反応させることができる。また、直径が20[nm]以上、80[nm]以下の範囲となる細孔の容積の和が、全細孔の容積の和の15[%]以上であるため、直径が80[nm]より大きく、200[nm]以下の範囲となる細孔の割合が高くなり過ぎることを抑制できる。これにより、OHラジカルによる分解反応が多孔性物質5の表面近傍でしか行なわれない状態となることを抑制し、除去対象となる物質とOHラジカルとを効率的に反応させることができる。
(態様C)
態様AまたはBにおいて、多孔性物質5等の多孔性物質が活性炭である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、所望の細孔分布の多孔性物質を得ることができる。
(態様D)
態様A乃至Cの何れかの態様において、微小気泡を構成する気体が、オゾンを含有する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、微小気泡の圧壊によるOHラジカルの発生の他にも、水中でオゾンが分解する際に発生するOHラジカルや、溶存オゾンによる酸化作用などが期待できる。これにより、除去対象となる物質とOHラジカルとの反応頻度を向上することができ、排水の処理効率の向上を図ることができる。
(態様E)
態様Dにおいて、処理対象の水に対するオゾンの濃度が0.013[g/L]〜0.156[g/L]である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、オゾンの酸化力によって触媒が壊れたり、オゾン分解によるOHラジカル量が少なくなることを防止できる。
(態様F)
態様A乃至Eの何れかの態様において、処理排水4等の処理対象の水の1[L]当りに使用する多孔性物質5等の多孔性物質の表面積と、水が多孔性物質に接触する時間との積の値が、「2.0×10[m・min]」以上の値である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、水が多孔性物質の表面に接触する接触時間及び接触面積を確保することができ、除去対象となる物質とOHラジカルとを効率的に反応させることができる。
(態様G)
態様A乃至Fの何れかの態様において、処理排水4等の処理対象の水が電子写真用重合トナー等のトナーの生産排水である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、クリーニング工場排水等と比較して、COD値が高いトナーの生産排水であっても良好な排水処理を行うことができる。
(態様H)
態様A乃至Gの何れかの態様において、多孔性物質5等の多孔性物質を洗浄する洗浄工程を有し、洗浄工程では、オゾンを含有する気体を用いて洗浄水の中に微小気泡を発生させ、洗浄水に対するオゾンの濃度が0.013[g/L]〜0.156[g/L]である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、多孔性物質を洗浄する工程を有し、その洗浄水においても、排水の処理時と同様の処理方法を行うことにより洗浄効率が向上する。これにより、多孔性物質の交換頻度が減少し、さらなるコスト低減を実現することができる。
(態様I)
処理排水4等の処理対象の水の中にマイクロバブル等の微小気泡を発生させる微小気泡発生槽1等の微小気泡発生手段と、微小気泡が発生した水に接触する多孔性物質5等の多孔性物質と、を有する排水処理装置100等の水処理装置において、多孔性物質の表面に開口した細孔のうち、細孔直径が20[nm]以上、200[nm]以下の範囲となる細孔の容積の和は、全ての細孔の容積の和に対して、20[%]以上、40[%]以下である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、細孔直径が20[nm]以上、200[nm]以下の範囲の細孔の容積の和が、全細孔の容積の和の20[%]以上であるため、多孔性物質の細孔中での微小気泡の圧壊が起こり易い。これにより、処理対象の水の中に含まれる陰イオン界面活性剤等の除去対象となる物質とOHラジカルとを効率的に反応させることができる。また、細孔直径が20[nm]以上、200[nm]以下の範囲の細孔の容積の和が、全細孔の容積の和の40[%]以下であることで、多孔性物質の強度を保つことができ、交換や補充の頻度を少なくすることができる。除去対象となる物質とOHラジカルとを効率的に反応させつつ、多孔性物質交換や補充の頻度を少なくすることができるため、従来よりも効率的な水処理を行うことができる水処理装置を実現できる。
1 微小気泡発生槽
2 処理槽
3 循環ポンプ
4 処理排水
5 多孔性物質
100 排水処理装置
特開2010−75834号公報 特開2012−106213号公報 特開2012−55809号公報 特開2009−233551号公報

Claims (8)

  1. 処理対象の水の中に、微小気泡を発生させる微小気泡発生工程と、
    前記微小気泡が発生した水を多孔性物質に接触させる多孔性物質接触工程と、を有する水処理方法において、
    前記多孔性物質の表面に開口した細孔のうち、細孔直径が20[nm]以上、200[nm]以下の範囲となる細孔の容積の和は、全ての細孔の容積の和に対して、20[%]以上、40[%]以下であり、
    前記処理対象の水がトナーの生産排水であることを特徴とする水処理方法。
  2. 請求項1の水処理方法において、
    前記多孔性物質の表面に開口した細孔のうち、細孔直径が20[nm]以上、80[nm]以下の範囲となる細孔の容積の和は、全ての細孔の容積の和に対して、15[%]以上、30[%]以下であることを特徴とする水処理方法。
  3. 請求項1または2の水処理方法において、
    前記多孔性物質が活性炭であることを特徴とする水処理方法。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載の水処理方法において、
    前記微小気泡を構成する気体が、オゾンを含有することを特徴とする水処理方法。
  5. 請求項4に記載の水処理方法において、
    前記処理対象の水に対するオゾンの濃度が0.013[g/L]〜0.156[g/L]であることを特徴とする水処理方法。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載の水処理方法において、
    前記処理対象の水の1[L]当りに使用する前記多孔性物質の表面積と、水が前記多孔性物質に接触する時間との積の値が、「2.0×10[m・min]」以上の値であることを特徴とする水処理方法
  7. 求項1乃至の何れかに記載の水処理方法において、
    前記多孔性物質を洗浄する洗浄工程を有し、
    前記洗浄工程では、オゾンを含有する気体を用いて洗浄水の中に前記微小気泡を発生させ、
    前記洗浄水に対するオゾンの濃度が0.013[g/L]〜0.156[g/L]であることを特徴とする水処理方法。
  8. 処理対象の水の中に微小気泡を発生させる微小気泡発生手段と、
    前記微小気泡が発生した水に接触する多孔性物質と、を有する水処理装置において、
    前記多孔性物質の表面に開口した細孔のうち、細孔直径が20[nm]以上、200[nm]以下の範囲となる細孔の容積の和は、全ての細孔の容積の和に対して、20[%]以上、40[%]以下であり、
    前記処理対象の水がトナーの生産排水であることを特徴とする水処理装置。
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