JP6222033B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機 Download PDF

Info

Publication number
JP6222033B2
JP6222033B2 JP2014211168A JP2014211168A JP6222033B2 JP 6222033 B2 JP6222033 B2 JP 6222033B2 JP 2014211168 A JP2014211168 A JP 2014211168A JP 2014211168 A JP2014211168 A JP 2014211168A JP 6222033 B2 JP6222033 B2 JP 6222033B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
movable
wrap
movable side
scroll
end plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014211168A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016079873A (ja
Inventor
祥佳瑞 上原
祥佳瑞 上原
梶原 幹央
幹央 梶原
知巳 横山
知巳 横山
遼介 和田
遼介 和田
上川 隆司
隆司 上川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2014211168A priority Critical patent/JP6222033B2/ja
Publication of JP2016079873A publication Critical patent/JP2016079873A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6222033B2 publication Critical patent/JP6222033B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Rotary Pumps (AREA)
  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)

Description

本発明は、スクロール圧縮機に関する。
従来、冷凍装置等に、スクロール圧縮機が広く用いられている。
スクロール圧縮機は、例えば特許文献1(特開2001−165068号公報)に開示されているように、固定側鏡板および固定側鏡板の前面から延びる固定側ラップを有する固定スクロールと、可動側鏡板および可動側鏡板の前面から延びる可動側ラップを有する可動スクロールとを備える。そして、スクロール圧縮機では、固定側ラップと可動側ラップとが、固定側鏡板の前面と可動側鏡板の前面とが対向し、固定側ラップが可動側鏡板の前面まで延び、可動側ラップが固定側鏡板の前面まで延びるように組み合わされて、固定側ラップの側面と可動側ラップの側面との間に圧縮室が形成される。
ところで、このようなスクロール圧縮機では、運転停止時に、圧縮機構の吐出側から吸入側へと冷媒が逆流し、逆流した冷媒により可動側スクロールが通常運転時とは逆回転をする場合がある。可動スクロールの逆回転時には、可動側ラップに通常運転時とは異なる力が作用する。そして、スクロール圧縮機の運転条件によっては、運転停止時に可動側ラップに作用する力が大きくなったり、頻繁に可動側ラップの逆回転が発生したりして、可動側ラップの巻き終わりの基部で損傷が引き起こされる可能性がある。そのため、可動側ラップの巻き終わりの基部が可動側ラップの逆回転により破損しない運転条件でしか、スクロール圧縮機を用いることができず、スクロール圧縮機の使用可能な運転条件が制限されている。
本発明の課題は、運転停止時の可動側スクロールの逆回転により可動側ラップの巻き終わり基部に損傷が引き起こされることを抑制できる、使用可能な運転条件範囲の広いスクロール圧縮機を提供することにある。
本発明の第1観点に係るスクロール圧縮機は、固定スクロールと、可動スクロールとを備える。固定スクロールは、固定側鏡板と、固定側鏡板の前面から延びる固定側ラップと、を有する。可動スクロールは、可動側鏡板と、可動側鏡板の前面から延びる可動側ラップと、を有する。可動スクロールは、固定スクロールに対して旋回運動をする。固定側ラップと可動側ラップとは、固定側鏡板の前面と可動側鏡板の前面とが対向する状態で組み合わされて圧縮室を形成する。可動側鏡板の中央部には、可動側鏡板を貫通して延びる、圧縮室で圧縮された冷媒を吐出する吐出口が形成されている。可動側ラップの巻き始めから巻き終わりにわたって、可動側鏡板の前面から、可動スクロールの旋回の軸方向における可動側ラップの最大高さ位置まで上方に延びる仮想可動側ラップを仮想した時に、可動側ラップには、仮想可動側ラップに対して、巻き終わり周辺に切り欠きが形成されている。切り欠きの側面視形状は、第1辺と、第2辺と、第3辺と、第4辺と、第5辺と、を含む五角形形状である。第1辺は、仮想可動側ラップの巻き終わりの上下に延びる直線から、可動側鏡板の前面の近傍を除いた辺である。第2辺は、第1辺の上端から、可動側ラップの最大高さ位置において水平方向に延びる辺である。第3辺は、第2辺の端部から下方に延びる辺である。第4辺は、第3辺の下端から斜め下方向に、第1辺側に延びる辺である。第5辺は、第4辺の第1辺側の端部から、水平方向に、第1辺まで延びる辺である。
第1観点に係るスクロール圧縮機では、可動側ラップの巻き終わり周辺に、仮想可動側ラップに対する切り欠きが設けられている。そのため、仮想可動側ラップが実際に可動側ラップとして用いられると仮定した場合に比べ受圧面積が低減され、可動スクロールの逆回転時に、可動側ラップの巻き終わり周辺において、可動側ラップの可動側鏡板の前面近傍(以後、可動側ラップの基部と呼ぶ)に作用する力を低減できる。その結果、巻き終わり周辺における可動側ラップの損傷を防止できる。特に、ここでは、切り欠きの側面視形状が、可動側ラップの最大高さ位置から下方に延びる第3辺を有するため、可動側ラップの巻き終わりの基部に作用する力を比較的大きく低減可能である。一方で、可動側ラップが仮想可動側ラップに段差を設けたような形状であった場合(切り欠きの側面視形状が、第3辺の下端から第1辺側に水平に延びる辺を有する場合)には、可動側ラップの、第3辺の下端近傍に対応する部分で比較的大きな応力集中が生じる。これに対し、切り欠きの側面視形状は、第3辺の下端から斜め下方向に延びる第4辺を有しているため、第3辺の下端近傍に対応する部分での応力集中を抑制でき、可動スクロールの逆回転時に、可動側ラップの損傷を防止することができる。
本発明の第2観点に係るスクロール圧縮機は、第1観点に係るスクロール圧縮機であって、第3辺と第4辺との交差部分が丸められている。
第2観点に係るスクロール圧縮機では、第3辺と第4辺との交差部分が丸められているため、可動側ラップの、第3辺の下端近傍に対応する部分における応力集中を抑制できる。そのため、可動スクロールの逆回転時に、可動側ラップの損傷を防止することが容易である。
本発明の第3観点に係るスクロール圧縮機は、第1観点又は第2観点に係るスクロール圧縮機であって、第3辺の長さは、軸方向における可動側ラップの最大高さの1/3以上かつ1/2以下である。
第3観点に係るスクロール圧縮機では、第3辺の長さが、可動側ラップの最大高さの1/3以上であるため、可動側ラップの巻き終わり周辺において、可動側ラップの基部に作用する力を比較的大きく低減することが容易である。一方で、第3辺の長さが、可動側ラップの最大高さの1/2以下であるため、第3辺の下端近傍に対応する部分における応力集中を抑制できる。
本発明の第4観点に係るスクロール圧縮機は、第1観点から第3観点のいずれかに係るスクロール圧縮機であって、切り欠きは、平面視において、可動側ラップの、巻き終わりから、可動側鏡板の中心に対して巻き終わりから10度以上かつ45度以下の角度までの区間に設けられる。
第4観点に係るスクロール圧縮機では、仮想可動側ラップに対して切り欠きの形成される区間が、巻き終わりから、巻き終わりから10度以上の角度までの区間であるため、巻き終わりからわずかな区間にしか切り欠きを設けない場合に比べ、可動スクロールの逆回転時に、可動側ラップの巻き終わりの基部に作用する力を比較的大きく低減できる。一方で、仮想可動側ラップに対して切り欠きの形成される区間が、巻き終わりから、巻き終わりから45度以下の角度までの区間であるため、可動側ラップの冷媒の圧縮に寄与しない部分が過大となることを防止できる。
本発明の第5観点に係るスクロール圧縮機は、第1観点から第4観点のいずれかに係るスクロール圧縮機であって、非対称ラップ構造である。
ここでは、スクロール圧縮機が非対称ラップ構造であるため、可動スクロールが逆回転することで、圧縮機構が膨張機構として機能した時に、可動側ラップの巻き終わり周辺を外周側に倒そうとする力と、内周側に倒そうとする力とが交互に作用しやすく、特に可動側ラップの巻き終わりの基部に損傷が発生しやすい。
これに対し、可動側ラップは、仮想可動側ラップに対し、巻き終わり周辺に切り欠きが形成された形状であるため、スクロール圧縮機が非対称ラップ構造である場合にも、可動側ラップの巻き終わりの基部の損傷を防止可能である。
本発明に係るスクロール圧縮機では、可動側ラップの巻き終わり周辺に、仮想可動側ラップに対する切り欠きが設けられている。そのため、仮想可動側ラップが実際に可動側ラップとして用いられると仮定した場合に比べ受圧面積が低減され、可動スクロールの逆回転時に、可動側ラップの巻き終わり周辺において、可動側ラップの基部に作用する力を低減できる。その結果、可動側ラップの巻き終わり周辺において、可動側ラップの損傷を防止できる。特に、ここでは、切り欠きの側面視形状が、可動側ラップの最大高さ位置から下方に延びる第3辺を有するため、可動側ラップの巻き終わりの基部に作用する力を比較的大きく低減可能である。一方で、可動側ラップが仮想可動側ラップに段差を設けたような形状であった場合(切り欠きの側面視形状が、第3辺の下端から第1辺側に水平に延びる辺を有する場合)には、可動側ラップの、第3辺の下端近傍に対応する部分で比較的大きな応力集中が生じる。これに対し、切り欠きの側面視形状は、第3辺の下端から斜め下方向に延びる第4辺を有しているため、第3辺の下端近傍に対応する部分での応力集中を抑制でき、可動スクロールの逆回転時に、可動側ラップの損傷を防止することができる。
本発明の一実施形態に係るスクロール圧縮機の概略図である。 図1のスクロール圧縮機の圧縮機構の固定スクロールおよび可動スクロールの周辺の縦断面図である。 図1のスクロール圧縮機の可動スクロールの斜視図である。 図1のスクロール圧縮機の可動スクロールを上方から見た平面図である。 図1のスクロール圧縮機の可動スクロールの可動側ラップの巻き終わり周縁の側面図である。 一の参考例に係る可動側ラップの巻き終わり周縁の側面図である。 他の参考例に係る可動側ラップの巻き終わり周縁の側面図である。
本発明の一実施形態に係るスクロール圧縮機を、図面を参照しながら説明する。なお、下記の実施形態は、実施例に過ぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
(1)全体構成
スクロール圧縮機10は、高低圧ドーム型の圧縮機である。スクロール圧縮機10は、空気調和装置を含む冷凍装置(図示せず)の室外機に使用され、冷凍装置の冷媒回路の一部を構成する。スクロール圧縮機10は、特に低温用途の冷凍装置に用いられる。低温用途の冷凍装置に用いられるスクロール圧縮機10では、吸入圧と吐出圧との差圧(冷媒回路における高圧と低圧との差圧)が大きくなりやすい。また、低温用途の冷凍装置に用いられるスクロール圧縮機10では、その運転/停止の切り替えの頻度が高い。なお、スクロール圧縮機10の用途は、低温用途に限定されるものではない。
スクロール圧縮機10は、主に、ケーシング20と、圧縮機構30と、駆動軸40と、駆動機構50と、を備えている(図1参照)。
ケーシング20には、圧縮機構30、駆動軸40および駆動機構50が収納されている(図1参照)。圧縮機構30は、ケーシング20内の上部に配置されている。圧縮機構30は、固定スクロール31および可動スクロール32を含む(図2参照)。駆動機構50は、圧縮機構30の下方に配置される電動機である。駆動機構50は、一定速の電動機である。圧縮機構30および駆動機構50は、上下方向に延びる駆動軸40を介して連結されている(図1参照)。駆動機構50が駆動されると、駆動軸40を介して圧縮機構30が駆動される。圧縮機構30は、ケーシング20の上蓋22を貫通して設けられた吸入管23(図2参照)を通じて供給される冷媒を、圧縮機構30内で圧縮する。圧縮機構30により圧縮された冷媒は、ケーシング20の側面を形成する円筒部材21(図2参照)の、上下方向における中間部分に設けられた吐出管24(図1参照)を通じて、ケーシング20の外部に吐出される。
(2)詳細構成
スクロール圧縮機10の圧縮機構30について以下に詳述する。
なお、以下の説明では、方向や配置を説明するために、「上」、「下」等の表現を用いる場合があるが、特に断りの無い場合、図2中の矢印Uの方向を上とする。また、以下の説明では、水平や垂直等の表現を用いる場合があるが、これには実質的に水平や垂直の場合、つまり略水平や略垂直の場合を含む。
圧縮機構30は、図2に示されるように、主に、固定スクロール31と、可動スクロール32と、ハウジング33とを有する。固定スクロール31は、ハウジング33の上方に配置され、ハウジング33に固定される。固定スクロール31は固定側ラップ312を有し、可動スクロール32は可動側ラップ322を有する。固定側ラップ312と可動側ラップ322とは組み合わされ、冷媒を圧縮する圧縮室Scを形成する(図2参照)。なお、圧縮機構30は、非対称渦巻き構造(非対称ラップ構造)である。
(2−1)固定スクロール
固定スクロール31は、円板状の固定側鏡板311と、固定側鏡板311の前面311a(下面)から下方に延びる渦巻状の固定側ラップ312と、固定側ラップ312を囲む周縁部313と、を主に有する。
固定側鏡板311の背面311b(上面)側には、圧力室S1が設けられている。圧力室S1は固定側鏡板311と、固定スクロール31の上方に取り付けられる蓋34とにより囲まれて形成されている。
固定側鏡板311の中心部には、固定側鏡板311を貫通して上下に延びるポート311cが設けられている。ポート311cは、圧縮室Scと圧力室S1とを連通する。ポート311cは、圧縮室Scで圧縮された吐出圧(スクロール圧縮機10が一部を構成する冷媒回路における高圧)の冷媒を、圧力室S1に導く通路である。
さらに、固定側鏡板311には、固定側鏡板311を貫通して上下に延びるリリーフポート311dが設けられている。リリーフポート311dは、圧縮途中の圧縮室Scと圧力室S1とを連通している。リリーフポート311dは、圧縮時の過圧縮を防止するために設けられている。リリーフポート311dには、リリーフ弁35が設けられている。リリーフ弁35は、リリーフポート311dの開閉を行う。また、リリーフ弁35の上方には、リリーフ弁35の開く範囲を制限する弁抑え35aが設けられている。リリーフ弁35および弁押え35aは、圧力室S1内に配置され、ボルト36により固定側鏡板311に固定されている。
固定側ラップ312は、渦巻き状に形成され、固定側鏡板311の前面311aから下方に突出する。固定側ラップ312の高さ(固定側鏡板311の前面311aから固定側ラップ312の先端312aまで高さ)は、場所によらず高さKである(図2参照)。固定側ラップ312と、可動スクロール32の可動側ラップ322とが、固定側鏡板311の前面311a(下面)と可動側鏡板321の前面321a(上面)とが対向する状態で組み合わされることで、隣接する固定側ラップ312と可動側ラップ322との間に圧縮室Scが形成される(図2参照)。
周縁部313は、厚肉のリング状に形成され、固定側ラップ312を取り囲むように配置される(図2参照)。固定スクロール31は、周縁部313の下面がハウジング33の上端面と密着するように配置され、ボルト37によりハウジング33と固定されている(図2参照)。
(2−2)可動スクロール
可動スクロール32は、略円板状の可動側鏡板321と、可動側鏡板321の前面321a(上面)から上方に延びる渦巻状の可動側ラップ322と、可動側鏡板321の背面321b(下面)から下方に突出する、円筒状に形成されたボス部323と、を主に有する(図2参照)。
可動側鏡板321の略中央付近には、可動側鏡板321を貫通して上下に延びる吐出口321cが形成されている。圧縮室Scで圧縮されて吐出圧(スクロール圧縮機10が一部を構成する冷媒回路における高圧)となった冷媒は、吐出口321cから吐出され、駆動軸40に設けられた吐出通路43(図2参照)に導かれる。吐出通路43に導かれた冷媒は、駆動軸40の下端側の吐出出口(図示せず)まで導かれ、最終的に、ケーシング20の側面(円筒部材21)に設けられた吐出管24を通じて、ケーシング20の外部に吐出される。なお、吐出口321cには、運転停止時(駆動機構50の停止時)に冷媒の逆流を抑制する吐出弁が設けられていない。
ボス部323は、可動側鏡板321の背面321bから下方に延びる円筒状の部分である(図2参照)。ボス部323は、上端の塞がれた円筒状部分である。ボス部323に駆動軸40の偏心部41が挿入されることで、ボス部323と偏心部41とが連結される(図2参照)。駆動軸40が駆動機構50により駆動されて回転すると、可動スクロール32は固定スクロール31に対して自転することなく公転し、圧縮室Sc内の冷媒が圧縮される。
可動側ラップ322は、渦巻き状に形成され、可動側鏡板321の前面321aから上方に突出する。可動側ラップ322の先端322aには、形成される複数の圧縮室Sc間の気密を保つためのチップシール(図示せず)を収容する溝322bが形成されている。
可動側ラップ322の最大高さ(可動側鏡板321の前面321aから可動側ラップ322の先端322aまでの高さの最大値)は、最大高さHmaxで表される(図3参照)。可動側ラップ322は、その巻き終わり322c(図4参照)の周辺部分(可動側ラップ322の外周側の端部の周辺部分)で、その高さが低くなるように形成されている。具体的には、可動側ラップ322は、平面視において、その巻き終わり322cから、可動側鏡板321の中心Oに対して巻き終わり322cから角度θ(図4参照)までの区間にわたって、その高さが最大高さHmaxより低くなるように形成されている。これにより、可動側ラップ322の受圧面積を低減でき、スクロール圧縮機10の停止時に、ケーシング20内のハウジング33より下方の高圧空間(スクロール圧縮機10が一部を構成する冷媒回路における高圧の空間)から、ケーシング20内のハウジング33より上方の低圧空間(スクロール圧縮機10が一部を構成する冷媒回路における低圧の空間)へと冷媒が逆流し、可動スクロール32が逆回転する時に、可動側ラップ322の巻き終わり322cの基部に作用する応力を低減できる。なお、本可動側ラップ322では、巻き終わり322cから巻き始め322d(可動側ラップ322の内周側端部、図4参照)側に角度θ戻った部分が、圧縮室Scの閉じ切り位置となる。
なお、本実施形態では角度θは35度であるが、角度θはこれに限定されるものではない。ただし、可動側ラップ322の巻き終わり322cの基部に作用する力を十分に低減するためには、角度θは10度以上であることが好ましい。一方で、可動側ラップ322の冷媒の圧縮に寄与しない部分が過大となることを防止するため、角度θは45度以下であることが好ましい。
可動側ラップ322の巻き終わり322c周辺の形状について詳細に説明する。
初めに、可動側ラップ322の巻き始め322dから巻き終わり322cにわたって、可動側鏡板321の前面321aから、可動スクロール32の旋回の軸方向(駆動軸40の軸方向、すなわち上下方向)における可動側ラップ322の最大高さHmaxの位置まで上方に延びる仮想可動側ラップ100を仮想する(図5参照)。可動側ラップ322には、仮想可動側ラップ100に対して、巻き終わり322c周辺に切り欠き200が形成されている(図3および図5参照)。具体的には、切り欠き200は、平面視において、仮想可動側ラップ100の、巻き終わり(すなわち可動側ラップ322の巻き終わり322c)から、可動側鏡板321の中心Oに対して巻き終わり322cから角度θの区間(図4参照)に設けられている。
なお、可動側ラップ322は、仮想可動側ラップ100に相当する形状の部材に対し、切り欠き200の部分を実際に切り欠く加工を施すことで成形される必要はない。可動側ラップ322は、鋳造等により、切り欠き200の部分が初めから存在しない状態で成形されてもよい。
可動側ラップ322が、仮想可動側ラップ100に対して巻き終わり322c周辺に切り欠き200が形成された形状となっていることで、可動側ラップ322は、巻き終わり322c周辺に、第1垂直部201、連結部202、水平部203、および第2垂直部204を有する(図3参照)。
第1垂直部201は、平面視において、可動側ラップ322の巻き終わり322cから、巻き始め322d側に角度θだけ戻った部分に位置する。第1垂直部201は、可動側鏡板321の先端322aから下方に垂直に延びる縁部である。連結部202は、第1垂直部201の下端と、水平部203の一端(可動側ラップ322の巻き始め322d側の端部)とを繋ぐ。連結部202は、可動側ラップ322の上縁部である(図3参照)。連結部202は、平面視において、巻き終わり322cから巻き始め322d側に角度θだけ戻った部分から、可動側ラップ322の渦巻きに沿って、巻き終わり322c側に延びる。連結部202の設けられた領域では、巻き終わり322c側に近づくほど、可動側ラップ322の高さが低くなる。このような形状に連結部202が構成されることで、スクロール圧縮機10の停止時に、可動スクロール32が逆回転する時に、第1垂直部201と連結部202との接続部に生じる応力集中を緩和することができる。また、第1垂直部201と連結部202との接続部で生じる応力集中を更に緩和するため、第1垂直部201と連結部202との接続部にはR面取り加工が施されている(図3参照)。水平部203は、連結部202の一端(可動側ラップ322の巻き終わり322c側の端部)と、第2垂直部204の上端とを繋ぐ。水平部203は、可動側ラップ322の上縁部である。水平部203は、平面視において、連結部202の一端(可動側ラップ322の巻き終わり322c側の端部)から、可動側ラップ322の渦巻きに沿って、可動側ラップ322の巻き終わり322cまで延びる。水平部203の設けられた領域では、可動側ラップ322の高さは一定である。第2垂直部204は、可動側ラップ322の巻き終わり322cにおいて、水平部203の端部(可動側ラップ322の巻き終わり322c側の端部)から、可動側鏡板321の前面321aまで、下方に垂直に延びる縁部である。可動側鏡板321の前面321aから第2垂直部204の上端までの高さ(すなわち第2垂直部204の高さa、図3参照)は、可動側ラップ322の最大高さ(最大高さHmax)の1/4である。なお、可動スクロール32が逆回転する時(スクロール圧縮機10の停止時)に、可動側ラップ322の巻き終わり322cの基部に作用する応力を低減するためには、第2垂直部204の高さaは、出来るだけ小さいことが好ましく、可能であればゼロであることが好ましい。ただし、可動側ラップ322の形状(例えば輪郭度)の管理や、加工時の可動側鏡板321のスラスト面(可動側鏡板321の前面321a)の保護のためには、第2垂直部204の高さaを所定値以上とすることが好ましい。なお、第2垂直部204の高さaを、可動側ラップ322の最大高さHmaxの1/4としたのは、例示にすぎず、これに限定されるものではない。
切り欠き200の側面視形状400について説明する。可動側ラップ322の巻き終わり322c周辺を側方(軸方向と直交する方向)から見ると、切り欠き200は、以下の様な側面視形状400を示す(図5参照)。
側面視形状400は、多角形形状である。具体的には、側面視形状400は、第1辺401、第2辺402、第3辺403、第4辺404、および第5辺405を含む五角形形状である(図5参照)。
第1辺401は、前述した仮想可動側ラップ100を側面から見た時に、その巻き終わり(つまり可動側ラップ322の巻き終わり322c)において上下に延びる直線101から、可動側鏡板321の前面321aの近傍を除いた部分である(図5参照)。具体的には、第1辺401は、仮想可動側ラップ100を側面から見た時に、その巻き終わりにおいて上下に延びる直線101から、上述の第2垂直部204に対応する部分を除いた部分である。第2辺402は、第1辺401の上端から、可動側ラップ322の最大高さHmaxの位置において水平方向に延びる(図5参照)。第3辺403は、第2辺402の端部(第1辺401とは反対側の端部)から下方に延びる。第3辺403は、上述の第1垂直部201に対応する部分である。第3辺の長さ403の長さhは、駆動軸40の軸方向における可動側ラップ322の最大高さ(つまり最大高さHmax)の1/3以上かつ1/2以下である。例えば、長さhは、最大高さHmaxの3/8である。ここでは、第3辺403が、可動側ラップ322の最大高さHmaxの1/3以上延びるため、可動側ラップ322の巻き終わり322c周辺において、可動側ラップ322の基部に作用する力を比較的大きく低減することが容易である。一方で、第3辺403の長さhが、可動側ラップ322の最大高さHmaxの1/2以下であるため、可動側ラップ322の、第3辺403の下端近傍に対応する部分における応力集中を抑制できる。第4辺404は、第3辺403の下端から斜め下方向に、第1辺401側に延びる(図5参照)。第4辺404は、上述の連結部202に対応する部分である。上述のように、第1垂直部201と連結部202との接続部にはR面取り加工が施されているため、これを側面から見た、第3辺403と第4辺404との交差部分は丸められている(図5参照)。第5辺405は、第4辺404の第1辺401側の端部から水平方向に延びる(図5参照)。
なお、側面視形状400が多角形形状であるとは、側面視形状400が厳密に直線だけで形成されている形状に限定されるものではない。例えば、辺と辺との交差部分(例えば、第3辺403と第4辺404との交差部分)は丸められていてもよい。また、例えば、各辺は、加工精度等の問題で厳密には直線から外れるものであってもよく、ほぼ直線状であればよい。
なお、本願発明者は、巻き終わり322c周辺における、可動側ラップ322の基部(可動側鏡板321近傍)の損傷防止により適した可動側ラップ322の形状を採用するため、上記の切り欠き200に加え、形状の異なる切り欠きを仮想可動側ラップ100に対して形成した場合についても評価を行っている。
一の参考例として、仮想可動側ラップ100に対して切り欠き500が形成された可動側ラップの巻き終わり近傍の側面図を図6Aに示す。切り欠き500の側面視形状は、垂直に延びる第1辺501と、第1辺501の上端から水平に延びる第2辺502と、第2辺502の第1辺501とは反対側の端部から下方に延びる第3辺503と、第3辺503の下端から水平に第1辺501側に延びる第4辺504と、を含む長方形形状である(図6A参照)。つまり、切り欠き500の側面視形状には、切り欠き200の側面視形状における第4辺404に対応する部分が存在しない。
他の参考例として、仮想可動側ラップ100に対して切り欠き600が形成された可動側ラップの巻き終わり近傍の側面図を図6Bに示す。切り欠き600の側面視形状は、垂直に延びる第1辺601と、第1辺601の上端から水平に延びる第2辺602と、第2辺602の第1辺601とは反対側の端部から斜め下方向に、第1辺601の下端まで延びる第3辺603と、を含む三角形形状である(図6B参照)。つまり、切り欠き600の側面視形状には、切り欠き200の側面視形状における第3辺403に対応する部分が存在しない。
仮想可動側ラップ100に対して切り欠き500、切り欠き600を設けた場合にも、巻き終わり周辺における可動側ラップの基部に作用する応力は低減されるものの、仮想可動側ラップ100に対して切り欠き200を設けた場合に比べれば、十分に応力が低減されない。また、仮想可動側ラップ100に対して切り欠き500を設けた場合には、第3辺503と第4辺504とが直交しているため、第3辺503の下端近傍に対応する部分では、比較的大きな応力集中が生ずる。
(2−3)ハウジング
ハウジング33は、可動スクロール32の可動側鏡板321の下方に配置される部材である(図1参照)。ハウジング33は、ケーシング20の円筒部材21に圧入され、ハウジング33の外周面の全周が、円筒部材21の内周面に固定されている。スクロール圧縮機10の運転時には、ケーシング20内のハウジング33より上方の空間は低圧空間(スクロール圧縮機10が一部を構成する冷媒回路における低圧の空間)となり、ケーシング20のハウジング33より下方の空間は高圧空間(スクロール圧縮機10が一部を構成する冷媒回路における高圧の空間)となる。ハウジング33の上方には、ハウジング33の上端面と固定スクロール31の周縁部313の下面とが密着するように固定スクロール31が配置され、ハウジング33と固定スクロール31とは、ボルト37により固定されている。
ハウジング33には、中央上部に第1凹部331が形成されている(図2参照)。第1凹部331は、平面視において円形状に形成されている。第1凹部331の内側には、駆動軸40の偏心部41が連結された、可動スクロール32のボス部323が収容される。
(3)スクロール圧縮機の動作
スクロール圧縮機10の動作について説明する。
駆動機構50が駆動されると、駆動機構50と連結された駆動軸40が回転する。駆動軸40が回転すると、駆動軸40の偏心部41がボス部323に挿入された可動スクロール32は、自転せずに、固定スクロール31に対して公転する。可動スクロール32が旋回駆動されることで、固定側ラップ312および可動側ラップ322によって形成される圧縮室Scが、外周部から中心部に向かって収縮しながら移動する。これにより、吸入管23から圧縮室Scに送り込まれた低圧(スクロール圧縮機10がその一部を構成する冷媒回路における低圧)の冷媒が圧縮される。圧縮されて高圧(スクロール圧縮機10がその一部を構成する冷媒回路における高圧)となった冷媒は、可動スクロール32の可動側鏡板321に形成された吐出口321cから吐出される。吐出口321cから吐出された高圧の冷媒ガスは、駆動軸40に設けられた吐出通路43を通って、駆動軸40の下端側に設けられた吐出出口(図示せず)からケーシング20内のハウジング33の下方の高圧空間に流れ出る。ハウジング33の下方の高圧空間に流れ出た高圧の冷媒は、吐出管24を介してケーシング20外へ送り出される。
このような一連の動作において、高圧の冷媒が吐出口321cから吐出される際に、高圧の冷媒の一部が、固定側鏡板311に形成されたポート311cを経て圧力室S1へ流れ込む。また、運転状況によって、吐出口321cの圧力よりも、圧縮途中の圧縮室Sc内の流体の圧力が高い圧力になった場合、すなわち過圧縮状態になった場合には、リリーフ弁35が開き、圧縮室Scにおける圧縮途中の冷媒ガスがリリーフポート311dを通じて圧力室S1に流れ込む。
(4)特徴
(4−1)
本実施形態のスクロール圧縮機10は、固定スクロール31と、可動スクロール32とを備える。固定スクロール31は、固定側鏡板311と、固定側鏡板311の前面311aから延びる固定側ラップ312と、を有する。可動スクロール32は、可動側鏡板321と、可動側鏡板321の前面321aから延びる可動側ラップ322と、を有する。可動スクロール32は、固定スクロール31に対して旋回運動をする。固定側ラップ312と可動側ラップ322とは、固定側鏡板311の前面311aと可動側鏡板321の前面321aとが対向する状態で組み合わされて圧縮室Scを形成する。可動側ラップ322の巻き始め322dから巻き終わり322cにわたって、可動側鏡板321の前面321aから、可動スクロール32の旋回の軸方向における可動側ラップ322の最大高さ位置(最大高さHmaxの位置)まで上方に延びる仮想可動側ラップ100を仮想した時に、可動側ラップ322には、仮想可動側ラップ100に対して、巻き終わり322c周辺に切り欠き200が形成されている。切り欠き200の側面視形状400は、第1辺401と、第2辺402と、第3辺403と、第4辺404と、を含む多角形形状である。第1辺401は、仮想可動側ラップ100の巻き終わり(すなわち可動側ラップ322の巻き終わり322c)の上下に延びる直線101から、可動側鏡板321の前面321aの近傍(第2垂直部204に対応する部分)を除いた辺である。第2辺402は、第1辺401の上端から、可動側ラップ322の最大高さHmaxの位置において水平方向に延びる辺である。第3辺403は、第2辺402の端部から下方に延びる辺である。第4辺404は、第3辺403の下端から斜め下方向に、第1辺401側に延びる辺である。
ここでは、可動側ラップ322の巻き終わり322c周辺に、仮想可動側ラップ100に対する切り欠き200が設けられている。そのため、仮想可動側ラップ100が実際に可動側ラップとして用いられると仮定した場合に比べ受圧面積が低減され、可動スクロール32の逆回転時に、可動側ラップ322の巻き終わり322c周辺において、可動側ラップ322の可動側鏡板321の前面321a近傍(可動側ラップ322の基部)に作用する力を低減できる。その結果、巻き終わり322c周辺における可動側ラップ322の損傷を防止できる。特に、ここでは、切り欠き200の側面視形状400が、可動側ラップ322の最大高さHmaxの位置から下方に延びる第3辺403を有するため、可動側ラップ322の巻き終わり322cの基部に作用する力を比較的大きく低減可能である。一方で、可動側ラップ322が、仮想可動側ラップ100に段差を設けたような形状であった場合(仮想可動側ラップ100に対して図6Aのような側面視形状の切り欠き500が形成された場合)には、可動側ラップ322の、第3辺403の下端近傍に対応する部分(図6Aに示した可動側ラップの第3辺503の下端近傍に対応する部分)で比較的大きな応力集中が生じる。これに対し、切り欠き200の側面視形状400は、第3辺403の下端から斜め下方向に延びる第4辺404を有しているため、第3辺403の下端近傍に対応する部分での応力集中を抑制でき、可動スクロール32の逆回転時に、可動側ラップ322の損傷を防止することができる。
(4−2)
本実施形態のスクロール圧縮機10では、第3辺403と第4辺404との交差部分が丸められている。言い換えれば、第3辺403に対応する第1垂直部201と、第4辺404に対応する連結部202との接続部には、R面取り加工が施されている。
ここでは、第3辺403と第4辺404との交差部分が丸められているため、可動側ラップ322の、第3辺403の下端近傍に対応する部分における応力集中を抑制できる。そのため、可動スクロール32の逆回転時に、可動側ラップ322の損傷を防止することが容易である。
(4−3)
本実施形態のスクロール圧縮機10では、第3辺403の長さhは、軸方向における可動側ラップ322の最大高さHmaxの1/3以上かつ1/2以下である。
ここでは、第3辺403が、可動側ラップ322の最大高さHmaxの1/3以上延びるため、可動側ラップ322の巻き終わり322c周辺において、可動側ラップ322の基部に作用する力を比較的大きく低減することが容易である。一方で、第3辺403の長さが、可動側ラップ322の最大高さHmaxの1/2以下であるため、可動側ラップ322の、第3辺403の下端近傍に対応する部分の応力集中を抑制できる。
(4−4)
本実施形態のスクロール圧縮機10では、切り欠き200は、平面視において、可動側ラップ322の、巻き終わり322cから、可動側鏡板321の中心Oに対して巻き終わり322cから10度以上かつ45度以下の角度θまでの区間に設けられる。特に、ここでは、切り欠き200は、平面視において、可動側ラップ322の、巻き終わり322cから、可動側鏡板321の中心Oに対して巻き終わり322cから35度の区間に設けられる。
ここでは、仮想可動側ラップ100に対して切り欠き200の形成される区間が、巻き終わり322cから、巻き終わり322cから10度以上の角度θまでの区間であるため、巻き終わり322cからわずかな区間にしか切り欠きを設けない場合に比べ、可動スクロール32の逆回転時に、可動側ラップ322の巻き終わり322cの基部に作用する力を比較的大きく低減できる。一方で、仮想可動側ラップ100に対して切り欠き200の形成される区間が、巻き終わり322cから、巻き終わり322cから45度以下の角度θまでの区間であるため、可動側ラップ322の冷媒の圧縮に寄与しない部分が過大となることを防止できる。
(4−5)
本実施形態のスクロール圧縮機10は、非対称ラップ構造である。
スクロール圧縮機10が非対称ラップ構造であるため、可動スクロール32が逆回転することで、圧縮機構30が膨張機構として機能した時に、可動側ラップ322の巻き終わり322c周辺を外周側に倒そうとする力と、内周側に倒そうとする力とが交互に作用しやすく、特に可動側ラップ322の巻き終わり322cの基部に損傷が発生しやすい。
これに対し、可動側ラップ322は、仮想可動側ラップ100に対し、巻き終わり322c周辺に切り欠き200が形成された形状であるため、スクロール圧縮機10が非対称ラップ構造である場合にも、可動側ラップ322の巻き終わり322cの基部の損傷を防止可能である。
(5)変形例
以下に本実施形態の変形例を示す。なお、変形例は、適宜組み合わされてもよい。
(5−1)変形例A
上記実施形態のスクロール圧縮機10では、切り欠き200の側面視形状400が、第4辺404の第1辺401側の端部から、第1辺401に向かって水平に延びる第5辺405を有するが、これに限定されるものではない。切り欠き200の側面視形状400は、第5辺405を有していなくてもよい。例えば、切り欠き200の側面視形状400は、第4辺404が、第3辺403の下端と第1辺401の下端とを結ぶ、台形状に形成されてもよい。
(5−2)変形例B
上記実施形態のスクロール圧縮機10は、非対称ラップ構造であるが、これに限定されるものではなく、本発明に係るスクロール圧縮機は、対称ラップ構造であってもよい。
(5−3)変形例C
上記実施形態のスクロール圧縮機10では、圧縮室Scで圧縮された高圧の冷媒が、可動側鏡板321に形成された吐出口321cおよび駆動軸40に形成された吐出通路43を通過して、ケーシング20内のハウジング33の下方の高圧空間に流れ出るが、これに限定されるものではない。本発明に係るスクロール圧縮機は、例えば、圧縮室Scで圧縮された高圧の冷媒が、固定側鏡板311に形成された吐出口、および、固定スクロール31およびハウジング33に形成された冷媒通路を通過して、ケーシング20内のハウジング33の下方の高圧空間に流れ出るよう構成されていてもよい。
本発明に係るスクロール圧縮機は、運転停止時の可動スクロールの逆回転により可動側ラップの巻き終わり基部に損傷が引き起こされることを抑制できる、使用可能な運転条件範囲の広いスクロール圧縮機として有用である。
10 スクロール圧縮機
31 固定スクロール
311 固定側鏡板
311a 固定側鏡板の前面
312 固定側ラップ
32 可動スクロール
321 可動側鏡板
321a 可動側鏡板の前面
322 可動側ラップ
322c 巻き終わり
322d 巻き始め
100 仮想可動側ラップ
101 直線
200 切り欠き
400 切欠きの側面視形状
401 第1辺
402 第2辺
403 第3辺
404 第4辺
h 第3辺の長さ
Hmax 可動側ラップの最大高さ
O 可動側鏡板の中心
Sc 圧縮室
θ 角度
特開2001−165068号公報

Claims (5)

  1. 固定側鏡板(311)と、前記固定側鏡板の前面(311a)から延びる固定側ラップ(312)と、を有する固定スクロール(31)と、
    可動側鏡板(321)と、前記可動側鏡板の前面(321a)から延びる可動側ラップ(322)と、を有し、前記固定スクロールに対して旋回運動をする可動スクロール(32)と、
    を備え、
    前記固定側ラップと前記可動側ラップとが、前記固定側鏡板の前記前面と前記可動側鏡板の前記前面とが対向する状態で組み合わされて圧縮室(Sc)を形成する、
    スクロール圧縮機であって、
    前記可動側鏡板の中央部には、前記可動側鏡板を貫通して延びる、前記圧縮室で圧縮された冷媒を吐出する吐出口が形成され、
    前記可動側ラップの巻き始め(322d)から巻き終わり(322c)にわたって、前記可動側鏡板の前記前面から、前記可動スクロールの旋回の軸方向における前記可動側ラップの最大高さ(Hmax)位置まで上方に延びる仮想可動側ラップ(100)を仮想した時に、前記可動側ラップには、前記仮想可動側ラップに対して、前記巻き終わり周辺に切り欠き(200)が形成されており、
    前記切り欠きの側面視形状(400)は、
    前記仮想可動側ラップの前記巻き終わりの上下に延びる直線(101)から、前記可動側鏡板の前記前面の近傍を除いた第1辺(401)と、
    前記第1辺の上端から、前記可動側ラップの前記最大高さ位置において水平方向に延びる第2辺(402)と、
    前記第2辺の端部から下方に延びる第3辺(403)と、
    前記第3辺の下端から斜め下方向に、前記第1辺側に延びる第4辺(404)と、
    前記第4辺の前記第1辺側の端部から、水平方向に、前記第1辺まで延びる第5辺(405)と、
    を含む五角形形状である。
    スクロール圧縮機(10)。
  2. 前記第3辺と前記第4辺との交差部分が丸められている、
    請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  3. 前記第3辺の長さ(h)は、前記軸方向における前記可動側ラップの前記最大高さの1/3以上かつ1/2以下である、
    請求項1又は2に記載のスクロール圧縮機。
  4. 前記切り欠きは、平面視において、前記可動側ラップの、前記巻き終わりから、前記可動側鏡板の中心(O)に対して前記巻き終わりから10度以上かつ45度以下の角度(θ)までの区間に設けられる、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
  5. 非対称ラップ構造である、
    請求項1から4のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機。
JP2014211168A 2014-10-15 2014-10-15 スクロール圧縮機 Active JP6222033B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014211168A JP6222033B2 (ja) 2014-10-15 2014-10-15 スクロール圧縮機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014211168A JP6222033B2 (ja) 2014-10-15 2014-10-15 スクロール圧縮機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016079873A JP2016079873A (ja) 2016-05-16
JP6222033B2 true JP6222033B2 (ja) 2017-11-01

Family

ID=55958126

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014211168A Active JP6222033B2 (ja) 2014-10-15 2014-10-15 スクロール圧縮機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6222033B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3722607B1 (en) 2018-01-17 2022-11-16 Daikin Industries, Ltd. Scroll compressor
JP6551569B1 (ja) 2018-03-30 2019-07-31 ダイキン工業株式会社 スクロール流体機械およびスクロール流体機械の製造方法
WO2021117490A1 (ja) 2019-12-12 2021-06-17 ダイキン工業株式会社 スクロール圧縮機

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5968583A (ja) * 1982-10-09 1984-04-18 Sanden Corp スクロ−ル型流体装置
JP2616111B2 (ja) * 1990-03-12 1997-06-04 ダイキン工業株式会社 スクロール型流体装置
JPH0510277A (ja) * 1991-07-02 1993-01-19 Hitachi Ltd スクロール圧縮機
JPH09112456A (ja) * 1995-10-20 1997-05-02 Sanden Corp スクロール型圧縮機
JP3820824B2 (ja) * 1999-12-06 2006-09-13 ダイキン工業株式会社 スクロール型圧縮機
JP4410392B2 (ja) * 2000-06-22 2010-02-03 三菱重工業株式会社 スクロール圧縮機
JP2006022657A (ja) * 2004-07-06 2006-01-26 Matsushita Electric Ind Co Ltd スクロール圧縮機
JP5166803B2 (ja) * 2007-09-13 2013-03-21 三菱重工業株式会社 スクロール圧縮機
JP5034975B2 (ja) * 2008-01-24 2012-09-26 パナソニック株式会社 スクロール圧縮機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016079873A (ja) 2016-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6395059B2 (ja) スクロール圧縮機
US9157438B2 (en) Scroll compressor with bypass hole
US9163632B2 (en) Injection port and orbiting-side wrap for a scroll compressor
JP2007170253A (ja) スクロール圧縮機
JP6222033B2 (ja) スクロール圧縮機
JP2006283751A (ja) スクロール圧縮機の固定スクロール
ES2930776T3 (es) Compresor de espiral
TWI632298B (zh) Oil-cooled screw compressor
KR20140136796A (ko) 스크롤 압축기
US9879679B2 (en) Scroll compressor
JP5836867B2 (ja) スクリュー圧縮機
ES2902517T3 (es) Compresor de espiral
JP5814606B2 (ja) スクリュー圧縮機
EP3306096B1 (en) Scroll-type fluid machine
JP4821660B2 (ja) シングルスクリュー圧縮機
JP5789581B2 (ja) スクロール型圧縮機
JP2009138641A (ja) 圧縮機
JP2014047708A (ja) スクリュー圧縮機
KR102480587B1 (ko) 스크롤 압축기 및 스크롤 압축기로 가스 유체를 압축하는 방법
JP2016089710A (ja) ロータリ圧縮機
EP2441959B1 (en) Scroll compressor
JP2019143548A (ja) スクロール流体機械
WO2022085631A1 (ja) スクリュー圧縮機及びスクリューロータ
JP7039320B2 (ja) スクロール流体機械
CN114776587A (zh) 一种涡旋压缩机消弱气流脉动的涡旋结构

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160810

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160816

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161017

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170307

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170428

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170905

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170918

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6222033

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151