JP6221832B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Description

この発明は、非水電解質二次電池に関し、特に、ハードカーボンを含有する負極活物質を含む負極を備える非水電解質二次電池に関する。
非水電解質二次電池の負極活物質には、炭素材料が用いられている。一般に、非水電解質二次電池の炭素材料は、結晶性が高い黒鉛と結晶性が低い非晶質炭素とに大別される。黒鉛は炭素原子の六角の結晶面が規則正しく積層した構造を有するものである。リチウムの挿入、脱離反応が六角の結晶面の端部においてしか進行しないことから、高率放電特性の値そのものが著しく低い。これに対して、非晶質炭素は、結晶面の積層が不規則に積層した構造を有するものであり、リチウムの挿入、脱離反応は比較的多くの表面で進行することから、リチウムの挿入、脱離反応の抵抗が低く、良好な高率放電特性を有するリチウム二次電池が得やすい。
黒鉛は、結晶面が規則正しく積層しており、活物質粒子が軟らかいために、高密度化を達成することが容易である。これに対し、非晶質炭素であるハードカーボンは、黒鉛と異なり、結晶面がランダムであり、活物質粒子が硬質である。活物質粒子が硬質であるために、高密度化を達成することが困難であり、活物質粒子間に多くの間隙が生じる。
特許文献1には、ハードカーボンを含有する電気二重層キャパシタ、リチウムイオン電池およびリチウムイオンキャパシタ用電極が開示されている。電気二重層キャパシタの一例として、平均粒径が9μmの球状の炭素電極材と、平均粒径が1μmの球状の炭素電極材とを含有している電極が示されている。平均粒径が異なる2つの炭素電極材を混合して用いることにより、炭素電極材の充填密度を向上させることができると記載されている。
特開2009−49236号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の球状の炭素電極材を負極活物質として適用した非水電解質二次電池では、満足できる高率放電特性(短時間で大電流を放電することが可能な性質)が得られなかった。
この発明は、上記のような課題を鑑みなされたものであり、この発明の1つの目的は、高率放電特性をより向上させることが可能な非水電解質二次電池を提供することである。
上記目的を達成するために本願発明者が鋭意検討した結果、上記課題を解決するために以下のような構成を見出した。すなわち、この発明の一の側面による非水電解質二次電池は、非球状のハードカーボンと、略球状のハードカーボンとを含有する負極活物質を含む負極を備え、略球状のハードカーボンの平均粒径に対する、非球状のハードカーボンの平均粒径の比率は、0.2倍以上5倍以下の範囲内である。「略球状」とは、真球状だけでなく若干歪な球状も含み、略円状の断面を主に有することを意味する。また、「非球状」とは、略球形でない不規則な形状であり、角を有する形(有角状)の断面を主に有することを意味する。「ハードカーボン」とは、結晶の平均面間隔d002が約0.36nm以上の炭素である。
この発明の一の側面による非水電解質二次電池では、略球状のハードカーボンの平均粒径に対する、非球状のハードカーボンの平均粒径の比率が0.2倍以上5倍以下の範囲内である負極活物質を含む負極を設けることにより、高率放電特性をより向上させることができる。非球状のハードカーボンは形状が不規則であり、間隙を生じやすいと考えられる。平均粒径の比率が0.2倍以上5倍以下の範囲内である略球状のハードカーボンと非球状のハードカーボンとを含有することで、形状の異なるハードカーボンが互いに隣接し、間隙を低減することができ、ハードカーボン間の導電性をより向上させることができると考えられる。また、このような良好な高率放電特性を有する非水電解質二次電池は、一時的に大電流が流れるようなハイブリッドカー(HV)などに特に有用である。
上記一の側面による非水電解質二次電池において、好ましくは、略球状のハードカーボンの平均粒径は、非球状のハードカーボンの平均粒径よりも小さい。平均粒径の小さい略球状のハードカーボンが、非球状のハードカーボンの間隙に入り込むことによりハードカーボン間の導電性を向上させることができるので、負極の導電性をより向上させることができる。
上記一の側面による非水電解質二次電池において、好ましくは、非球状のハードカーボンの平均粒径は、2μm以上6μm以下である。このように構成すれば、より良好な高率放電特性を得ることができる。非球状のハードカーボンの平均粒径を2μm以上とすることにより、略球状のハードカーボンが、非球状のハードカーボンの間隙に容易に入り込むことができる。非球状のハードカーボンの平均粒径を6μm以下とすることにより、非球状のハードカーボンが略球状のハードカーボンに隣接し、略球状のハードカーボンが凝集するおそれをさらに低減することができると考えられる。
上記一の側面による非水電解質二次電池において、好ましくは、略球状のハードカーボンおよび非球状のハードカーボンの合計質量に対する、略球状のハードカーボンの含有割合は、1質量%以上30質量%以下である。このように構成すれば、より良好な高率放電特性を得ることができる。略球状のハードカーボンの含有割合を1質量%以上にすることにより、ハードカーボン間の導電性を向上させることができる。略球状のハードカーボンの含有割合を30質量%以下にすることにより、非球状のハードカーボンに隣接する略球状のハードカーボンの割合を増やすことができ、略球状のハードカーボンが凝集するおそれを低減することができると考えられる。
本発明によれば、上記のように、高率放電特性をより向上させることができる。
本発明の一実施形態による電池の全体構成を示した断面図である。 本発明の一実施形態による電池の非球状のハードカーボンの一例を示した図である。 本発明の一実施形態による電池の非球状のハードカーボンの別の一例を示した図である。 本発明の一実施形態による電池の非球状のハードカーボンのさらに別の一例を示した図である。 本発明の一実施形態による負極活物質の非球状のハードカーボンと略球状のハードカーボンとの含有割合を変化させた際の高率放電特性を示すグラフである。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1〜図4を参照して、本発明の一実施形態による電池1の構成について説明する。なお、電池1は、本発明の「非水電解質二次電池」の一例である。
本発明の一実施形態による電池1は、図1に示すように、発電要素2を備えている。この発電要素2は、正極3と負極4とセパレータ5とが巻回されることによって形成されている。また、正極3では、アルミニウム箔またはアルミニウム合金箔からなる正極集電体の両面に正極活物質を含有する正極合剤が塗布されている。また、負極4では、銅箔からなる負極集電体の両面に負極活物質を含有する負極合剤が塗布されている。
また、発電要素2は、電池ケース6の内部に収納されているとともに、発電要素2が電池ケース6の内部に収納された状態で電池ケース6の開口部を塞ぐように、電池蓋7が電池ケース6にレーザ溶接により取り付けられている。また、発電要素2の正極3は正極板リード10を介して電池蓋7に接続されているとともに、発電要素2の負極4は負極板リード11を介して電池蓋7の負極端子9に接続されている。また、電池ケース6には、図示しない注液口が形成されている。その注液口を介して電池ケース6の内部に非水電解質を注入した後に、注液口を封止することによって、電池1が形成されている。
また、正極3の正極合剤には、正極活物質が含有されている。正極活物質は、特に限定されるものではなく、種々の正極活物質を用いることが可能である。たとえば、正極活物質としては、リチウムおよび遷移金属の複合酸化物を用いることが可能である。具体的には、一般式LiM1(2−δ)(式中、M1はCo、NiまたはMnからなる少なくとも1種の金属であり、xは0.4≦x≦1.2である。また、pは、0.8≦p≦1.2であり、δは0≦δ≦0.5である)層状構造を有する複合酸化物や、一般式LiM2(4−δ)(式中、M2はCo、NiまたはMnからなる少なくとも1種の金属であり、xは0.4≦x≦1.2である。また、qは1.5≦q≦2.2であり、δは0≦δ≦0.5である)で表されるスピネル構造を有する複合酸化物を正極活物質として用いることが可能である。また、これらの複合酸化物にAl、Fe、Cr、Ti、Zn、PおよびBからなる群の少なくとも1種の元素を含有した化合物を用いることも可能である。
さらに、一般式LiM3PO(4−δ)(式中、M3は3d軌道に空位の軌道を有する3d遷移金属である。また、xは0≦x≦2であり、uは0.8≦u≦1.2であり、δは0≦δ≦0.5である)で表されるオリビン構造を有するリン酸化合物を正極活物質として用いることが可能である。また、導電性を確保するために、このリン酸化合物に非晶質炭素などの炭素を被覆したものを用いることも可能である。また、正極活物質として、上記した複合酸化物およびリン酸化合物を2種以上含有するように構成してもよい。
また、必要に応じて、正極合剤に導電助剤、結着剤および粘度調整剤などを含有させてもよい。導電助剤としては、アセチレンブラック(AB)、カーボンブラックまたは黒鉛などを用いることが可能である。また、結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ポリアクリロニトリルなどを単独または混合して用いることが可能である。また、粘度調整剤としては、N−メチルピロリドン(NMP)などを用いることが可能である。
負極4の負極合剤は、非球状のハードカーボンと略球状のハードカーボンとを含有している。非球状のハードカーボンは、砕けた形状のハードカーボンであり、略球状のハードカーボンは、略丸形状のハードカーボンである。
ここで、本実施形態では、非球状のハードカーボンは、図2〜図4に一例として示すように、歪な塊形状を有している。具体的には、非球状のハードカーボンは、粉砕工程を経ることによって、略球状とは異なる不規則な形状に形成される。粉砕工程を行う場合には、ハンマーミルやジェットミルなどの装置を用いることができる。
非球状のハードカーボンは、平均粒径が約2μm以上約6μm以下になるように調整されることが好ましく、平均粒径が約5μm未満であることがより好ましい。さらに平均粒径が約3μm以上約4μm以下であることが好ましい。なお、平均粒径は、分布の中央値に対応する粒子径(メジアン径:D50)を示す概念である。
ここで、非球状ハードカーボンの平均粒径の計測方法について説明する。
非球状ハードカーボンの平均粒径は、SEM(Scanning Electron Microscope)により5000倍の倍率で撮影されたSEM画像を使用して、計測される。具体的には、SEM画像から非球状のハードカーボンを100個抽出する。なお、非球状のハードカーボンは、非球状のハードカーボンの平均的な大きさとは異なるものも含んでいる。極端に大きいものおよび小さいものは避けて、100個の非球状のハードカーボンを抽出する。また、1枚のSEM画像から、上記の手順で適切に抽出した非球状のハードカーボンのサンプル数が不足する場合には、複数枚のSEM画像から100個の非球状のハードカーボンを抽出する。そして、SEM画像に表示されているスケールを参照して、100個の非球状のハードカーボンのそれぞれの粒径を計測する。この際、歪な形状を有している非球状ハードカーボンのうち、最も長い部分を計測する。そして、計測した非球状のハードカーボンの粒径を平均化することにより、非球状のハードカーボンの平均粒径を取得する。
また、本実施形態では、略球状のハードカーボンは、真球状または真球状に近い形状を有している。略球状のハードカーボンは非球状のハードカーボンと異なり、球状フェノール樹脂を焼成することによって形成できる。略球状のハードカーボンは、粒径分布がシャープになるように形成されている。粒度分布がシャープであることにより、安定した導電パスを形成できると考えられる。また、略球状のハードカーボンに関して、SEM画像を撮った場合には略球状のハードカーボンの長軸/短軸で表されるアスペクト比が略1であることが好ましい。真球状のハードカーボンは、アスペクト比が1である。なお、略球状とは、真球形状だけでなく、若干歪な球状も含む概念であり、具体的には、SEM画像に映されている略球状のハードカーボンのアスペクト比が1以上1.05以下である。
非球状のハードカーボンは、略球状のハードカーボンの平均粒径に対する平均粒径の比率が約0.2倍以上約5倍以下の範囲内であるように調整されている。非球状のハードカーボンは、略球状のハードカーボンの平均粒径に対する平均粒径の比率が0.25倍以上4倍以下の範囲内であることが好ましい。この範囲とすることで、大部分の非球状のハードカーボンが略球状のハードカーボンに隣接し、略球状のハードカーボンが凝集するおそれを低減することができる。さらに、非球状のハードカーボンは、略球状のハードカーボンの平均粒径に対する平均粒径の比率が0.33倍以上3倍以下の範囲内であることが好ましい。
略球状のハードカーボンは、非球状のハードカーボンの平均粒径よりも平均粒径が小さいことが好ましい。略球状のハードカーボンの平均粒径が約5μm以下であることが好ましく、平均粒径が約1μm以上約2μm未満であることがより好ましい。略球状のハードカーボンの平均粒径は、非球状のハードカーボンと同様の方法で測定する。
また、略球状のハードカーボンおよび非球状のハードカーボンの合計質量に対する、略球状のハードカーボンの含有割合が約1質量%以上約30質量%以下になるように正極活物質は調整されることが好ましい。略球状のハードカーボンの含有割合が約10質量%以上であれば略球状のハードカーボンが分散し、略球状のハードカーボンの含有割合が約10質量%以上であれば、大部分の非球状のハードカーボンに略球状のハードカーボンが隣接することができるので好ましい。略球状のハードカーボンの含有割合が約10質量%以上約20質量%以下であることがさらに好ましい。略球状のハードカーボンの含有割合は、10質量%程度であることがよりいっそう好ましい。
また、必要に応じて、負極合剤に、結着剤および粘度調整剤を含有させてもよい。また、結着剤および粘度調整剤は、それぞれ、正極合剤に用いたものと同様の材料を含有させてもよい。なお、負極合剤に導電助剤を用いなくともよい。
発電要素2のセパレータ5としては、不織布および合成樹脂微多孔膜などを用いることが可能である。なお、加工のしやすさおよび耐久性向上の観点から、合成樹脂微多孔膜を用いることが好ましい。特に、ポリエチレンやポリプロピレンなどからなるポリオレフィン系微多孔膜を用いることがより好ましい。
また、発電要素2と共に電池ケース6の内部に配置される非水電解質として、電解質塩を非水溶媒に溶解させたものを用いる。非水電解質の電解質塩としては、LiClO、LiPF、LiBF、LiAsF、LiCFCO、LiC(CF、LiC(C、LiCFSO、LiCFCFSO、LiCFCFCFSO、LiN(SOCF、LiN(SOCFCF、LiN(COCF、LiN(COCFCFおよびLiPF(CFCFなどを用いることが可能である。また、上記電解質塩を単独または2種以上混合して用いることも可能である。なお、導電性向上の観点から、電解質塩としてLiPFを用いることが好ましい。また、電解質塩として、LiPFを主成分とするとともに、LiBFなどのLiPF以外の上記電解質塩が混合された混合物を用いてもよい。
非水電解質の非水溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、トリフルオロプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピレン酸メチル、プロピレン酸エチル、ジメチルスルホキシド、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート、メチルプロピルカーボネートおよびジブチルカーボネートなどを用いることが可能である。また、非水溶媒は、非水電解質の導電性や粘度を調整するという観点から、上記した複数の非水溶媒を混合して用いることが好ましい。
[実施例]
次に、本発明の効果を確認するために行った電池の評価試験について説明する。具体的には、上記実施形態に対応する実施例として、以下の実施例1〜3による負極4および電池を作製するとともに、比較例として、以下の比較例1〜6による負極および電池を作製して、評価試験を行った。
(実施例1)
(非球状および略球状ハードカーボン)
負極活物質に含有するハードカーボンとして、平均粒径が3.3μmの非球状のハードカーボン(以下、3.3μmの非球状のハードカーボンという)を用いた。非球状のハードカーボンは、粒径を制御するために原料を粉砕し(粉砕工程を経ることにより)、その後焼成して得られた。一方、略球状のハードカーボンとしては、粉砕工程を経ていない平均粒径が1.1μmのハードカーボン(以下、1.1μmの略球状のハードカーボンという)を用いた。
(負極の作製)
また、NMP溶媒中に、3.3μmの非球状のハードカーボンと、1.1μmの略球状のハードカーボンと、ポリフッ化ビニリデンの粒子からなる結着剤とを所定の割合で混合することにより、ペースト状の負極合剤を作製した。この際、負極活物質(非球状のハードカーボンおよび略球状のハードカーボン)および結着剤の比率を、95質量%および5質量%の割合で混合した。また、非球状のハードカーボンおよび略球状のハードカーボンの合計質量(以下、ハードカーボンの合計質量という)に対する、略球状のハードカーボンの含有割合が10質量%になるように、非球状のハードカーボンおよび略球状のハードカーボンを混合した。
そして、作製した負極合剤を、20μmの厚みを有する銅箔の両面に塗布して乾燥させた。これにより、負極合剤が塗布された負極を用いた。
(正極の作製)
また、正極(対極)としてリチウム金属を用いた。
(非水電解質の作製)
また、LiClOからなる電解質塩を、エチレンカーボネート(EC)およびジメチルカーボネート(DMC)の体積比が、5:5になるように調整した混合溶媒からなる非水溶媒に溶解させた。この際、LiClOの濃度が1mol/Lになるように、LiClOを非水溶媒の混合溶媒内に溶解させて非水電解質を作製した。そして、作製した非水電解質、負極および正極を用いて、実施例1の電池(測定用の電池)を作製した。
(実施例2)
ハードカーボンの合計質量に対する、略球状のハードカーボンの含有割合が、20質量%にした点以外は、実施例1と同様にして、実施例2による電池を作製した。
(実施例3)
ハードカーボンの合計質量に対する、略球状のハードカーボンの含有割合が、30質量%にした点以外は、実施例1と同様にして、実施例3による電池を作製した。
(比較例1)
略球状のハードカーボンを含有せず、3.3μmの非球状のハードカーボンのみを負極活物質に含有させた点以外は、実施例1と同様にして、比較例1による電池を作製した。
(比較例2)
非球状のハードカーボンを含有せず、1.1μmの略球状のハードカーボンのみを負極活物質に含有させた点以外は、実施例1と同様にして、比較例2による電池を作製した。
(比較例3)
3.3μmの非球状のハードカーボンおよび1.1μmの略球状のハードカーボンを含有せず、平均粒径が7.9μmの非球状のハードカーボン(以下、7.9μmの非球状のハードカーボンという)のみを負極活物質に含有させた点以外は、実施例1と同様にして、比較例3による電池を作製した。
(比較例4〜6)
3.3μmの非球状のハードカーボンを含有せず、7.9μmの非球状のハードカーボンおよび1.1μmの略球状のハードカーボンを負極活物質に所定割合で含有させた点以外は、実施例1と同様にして、比較例4〜6による電池を作製した。ここで、比較例4では、ハードカーボンの合計質量に対する、略球状のハードカーボンの含有割合を10%にした。比較例5では、ハードカーボンの合計質量に対する、略球状のハードカーボンの含有割合を20%にした。比較例6では、ハードカーボンの合計質量に対する、略球状のハードカーボンの含有割合を30%にした。
(高率放電特性の評価試験)
作製した実施例1〜3の電池の負極4および比較例1〜6の電池の負極を用い、対極(正極)にリチウム金属を用いて作製した測定用の電池を用いて、単極評価による高率放電特性の測定を行った。具体的には、実施例1〜3および比較例1〜6の測定用電池の各々に対して、負極を満充電状態としたときに電流密度10mA/cmで放電した際の放電容量を測定するとともに、電流密度0.5mA/cmで放電した際の放電容量を測定した。そして、高率放電特性を、(電流密度10mA/cmで放電した際の放電容量)/(電流密度0.5mA/cmで放電した際の放電容量)×100という式を用いて算出した。また、表1に示した高率の放電容量は、電流密度10mA/cmで放電した際の放電容量の値を示した。
実施例1〜3の電池および比較例1〜6の電池の高率放電特性および放電容量を表1に示す。表1に示した評価試験の結果から、実施例1〜3のように、負極活物質が、3.3μmの非球状のハードカーボンと、1.1μmの略球状のハードカーボンとを、それぞれ所定割合ずつ含有する場合では、高率放電特性は、比較例1に比べて向上した(図5参照)。特に、略球状のハードカーボンの含有割合が10%の実施例1の場合では、高率放電特性は、86.7%であった。一方、7.9μmの非球状のハードカーボンのみを含有する比較例3の場合と比べて、7.9μmの非球状のハードカーボンと1.1μmの略球状のハードカーボンとを、それぞれ所定割合ずつ含有する比較例4〜6の場合では、球状のハードカーボンの含有割合が増加するにつれて高率放電特性が低下する結果であった。
Figure 0006221832
上記した評価試験の結果から、1.1μmの略球状のハードカーボンおよび3.3μmの非球状のハードカーボンを含有する(略球状のハードカーボンの平均粒径に対する、非球状のハードカーボンの平均粒径の比率が3倍)負極活物質を含む負極4を設けることによって、高率放電特性をより向上させることができることが判明した。
また、実施例1〜3と、比較例1および2との結果から、略球状のハードカーボンの平均粒径に対する非球状のハードカーボンの平均粒径の比率が3倍の場合、1種類のハードカーボンだけを含有する負極活物質の比較例1および2よりも、2種類のハードカーボンを含有する負極活物質の実施例1〜3の方が、高率放電特性をより向上させることができることが判明した。
また、実施例1〜3と、比較例1との結果から、非球状のハードカーボンと所定量の略球状のハードカーボンとを含有する負極活物質の実施例1〜3は、非球状のハードカーボンのみを含有する負極活物質の比較例1と比較して、高率放電特性が向上し、高率の放電容量の大きさもそれほど変化しないことが判明した。
また、7.9μmの非球状のハードカーボンを用いる場合の比較例4〜6では、3.3μmの非球状のハードカーボンを用いる場合の実施例1〜3と比較して、形状が異なるハードカーボンを負極活物質が含有しているにも関わらず、高率放電特性は向上しなかった。これは、比較例4〜6では、略球状のハードカーボンの平均粒径に対する、非球状のハードカーボンの平均粒径の比率が7倍であり、平均粒径の差が大きいので、略球状のハードカーボンが凝集してしまったからであると考えられる。その結果、非球状のハードカーボンの間隙が略球状のハードカーボンにより十分に充填されずに、負極の導電性に略球状のハードカーボンが余り寄与しなかったと考えられる。
さらに、実施例1〜3の結果から、ハードカーボンの合計質量に対する、略球状のハードカーボンの含有割合を、1質量%以上30質量%以下に調整することによって、負極の導電性を効果的に向上させることができる。略球状のハードカーボンが非球状のハードカーボンと隣接し、ハードカーボン間の導電性の向上に寄与することができると考えられる。
より詳細には、3.3μmの非球状のハードカーボンを用い、かつ、ハードカーボンの合計質量に対する1.1μmの略球状のハードカーボンの含有割合が10質量%である場合(実施例1)において、高率放電特性が顕著に向上することが判明した。これは、3.3μmの非球状のハードカーボンを用い、かつ、ハードカーボンの合計質量に対する1.1μmの略球状のハードカーボンの含有割合が10質量%である場合が、負極活物質に含有される非球状のハードカーボンの間隙に多くの略球状のハードカーボン充填されること、かつ、非球状のハードカーボンと隣接している略球状のハードカーボンの割合が多いことにより導電性が向上し、高率放電特性が顕著に向上する結果が得られたと考えられる。
なお、今回開示された実施形態および実施例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態および実施例の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態および実施例1〜3では、1つの発電要素を備えた電池の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、発電要素は、2つ以上でもよい。
また、上記実施例1〜3では、略球状のハードカーボンの平均粒径が、非球状のハードカーボンの平均粒径より小さい例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、上記実施形態に記載したように、略球状のハードカーボンの平均粒径が非球状のハードカーボンの平均粒径に対して1倍以上5倍以下であれば、略球状のハードカーボンの平均粒径が、非球状のハードカーボンの平均粒径以上の大きさであってもよい。
また、上記実施例1〜3では、略球状のハードカーボンの平均粒径が3.3μmであり、非球状のハードカーボンの平均粒径が1.1μmである例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、上記実施形態に記載したように、略球状のハードカーボンの平均粒径が非球状のハードカーボンの平均粒径に対して0.2倍以上5倍以下であればよい。
また、上記実施例1〜3では、略球状のハードカーボンおよび非球状のハードカーボンの合計質量に対する、略球状のハードカーボンの含有割合が、10質量%、20質量%および30質量%である例を示したが、本発明はこれに限られない。
また、上記実施形態および実施例1〜3では、負極合剤が導電助剤を含有しない例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、負極合剤が導電助剤を含有してもよい。
1 電池(非水電解質二次電池)
4 負極

Claims (4)

  1. 非球状のハードカーボンと、略球状のハードカーボンとを含有する負極活物質を含む負極を備え、
    前記略球状のハードカーボンの平均粒径に対する、前記非球状のハードカーボンの平均粒径の比率は、0.2倍以上5倍以下の範囲内であり、
    前記非球状のハードカーボンは、有角状の断面を有し、
    前記略球状のハードカーボンは、アスペクト比が1以上1.05以下である略円状の断面を有する、非水電解質二次電池。
  2. 前記略球状のハードカーボンの平均粒径は、前記非球状のハードカーボンの平均粒径よりも小さい、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記非球状のハードカーボンの平均粒径は、2μm以上6μm以下である、請求項1または2に記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記略球状のハードカーボンおよび前記非球状のハードカーボンの合計質量に対する、前記略球状のハードカーボンの含有割合は、1質量%以上30質量%以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
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