JP6221346B2 - 物体変位検知装置、及び物体変位検知方法 - Google Patents

物体変位検知装置、及び物体変位検知方法 Download PDF

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Description

本発明は、非接触で物体の変位を検知する技術に関する。
自動車の乗員の生体信号を検知する生体信号検知装置が知られている。
生体信号検知装置は、人体が比較的安静なときは心拍などに起因する体表面の微小な変位を検知することができる。しかし、人体が大きく変動した場合は、大きな変位成分が支配的となり、微小な変位の検出精度が劣化する場合がある。
生体信号検知装置に関して、検知対象として小さな変位成分が設定されている状態で、大きな変位成分が検知された場合に検知動作を中断する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−120493号公報
検知対象として小さな変位成分が設定されている状態で、大きな変位成分が検出された場合に検知動作を中断することにより、小さな変位成分の検知精度の劣化を防止することができる。しかし、全検知時間に対する検知時間により検知率を表した場合に、検知率は低下する。検知動作が中断されている時間の分だけ検知時間が短くなるためである。
検知された変位成分から検知対象物体の状態を把握し、推定する場合、検知率が高い程、状態を把握し、推定する精度は向上する。つまり、検知精度が向上する。しかし、大きな変位成分が検出された場合には、検知動作が中断されるため、状態を把握し、推定する精度が低下し、検知精度は低下する。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、非接触で物体の変位を検知する際の検知精度を向上させることである。
開示の一実施例の物体変位検知装置は、
検知の対象となる物体に送信した送信波と該送信波の前記物体による反射波に基づいて、前記物体の変位を検知する物体変位検知装置であって、
前記送信波と前記反射波とに基づいて、前記物体の変位を演算する変位量演算部と、
該変位量演算部により演算される変位に基づいて取得される変位波形の変曲点から使用する変曲点である第1の変曲点を選択する変曲点選択部と、
前記第1の変曲点が発生した時刻から、前記物体の変位のうちの周期性を有する所定の変位成分の、過去の計測結果に基づく代表的な周期の半分の時間が経過した時刻の近傍の所定範囲における前記変曲点である第2の変曲点を抽出する逆極性変曲点抽出部と、
前記第1の変曲点が発生した時刻と、前記第2の変曲点が発生した時刻とに基づいて、前記物体の前記変位成分に関する第1の変位成分情報であって、前記変位成分の実際の周期、又は当該周期に関連する量を含む第1の変位成分情報を演算する変位成分情報演算部
を備える。
開示の実施例によれば、非接触で物体の変位を検知する際の検知精度を向上させることができる。
物体変位検知装置の一実施例を示す図である。 物体変位検知装置の一実施例を示す機能ブロック図である。 変位波形の一実施例を示す図である。 各変位成分に起因する変位と、各変位成分に起因する変位を合成することにより得られる物体表面の変位を示す図である。 加速度波形と、変曲点との関係を示す図である。 心拍に起因する変位の一例を示す図である。 変曲点の時刻設定(その1)の一実施例を示す図である。 変曲点の時刻設定(その2)の一実施例を示す図である。 変曲点の時刻設定(その3)の一実施例を示す図である。 物体変位検知装置の動作の一実施例を示すフローチャートである。 周期性の無い大きな変位に起因する変位の影響を示す図である。 物体変位検知装置の一実施例を示す機能ブロック図である。 物体変位検知装置の動作の一実施例を示す図である。 物体変位検知装置の動作の一実施例を示すフローチャートである。 物体変位検知装置の一実施例を示す図である。 物体変位検知装置の一実施例を示す機能ブロック図である。 物体変位検知装置の一実施例を示す図である。 物体変位検知装置の一実施例を示す機能ブロック図である。
次に、本発明を実施するための形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明する。以下で説明する実施例は一例に過ぎず、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施例に限られない。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
<実施例>
<物体変位検知装置100>
図1は、物体変位検知装置100の一実施例を示す。
物体変位検知装置100は、検知の対象となる物体に送信した送信波と該送信波の該検知の対象となる物体による反射波に基づいて、該検知の対象となる物体の変位を検知する。また、物体変位検知装置100は、所定の時間における物体の変位を検知することにより物体の変位量を検知する。
物体変位検知装置100は、車両などの移動体に搭載されるのが好ましい。物体変位検知装置100の一実施例は、車両に搭載される。
車両に搭載される物体変位検知装置100は、車両の周辺を監視する。この場合、物体変位検知装置100により、該物体変位検知装置100の搭載された車両の周辺の車が監視されるのが好ましい。物体変位検知装置100により、該物体変位検知装置100の搭載された車両の周辺の人、ものが監視されてもよい。つまり、該物体変位検知装置100の搭載された車両の周辺の車、人、ものが、検知の対象となる物体(以下、「検知対象物体」という)とされる。
また、車両に搭載される物体変位検知装置100は、車両内の状態を監視する。この場合、物体変位検知装置100により、該物体変位検知装置100の搭載された車両の乗員の状態、例えば乗員の動きが監視される。つまり、該物体変位検知装置100の搭載された車両の乗員が、検知対象物体とされる。
物体変位検知装置100は、変位計102と、A/D変換器104と、変位成分情報抽出装置106とを備える。
変位計102は、検知対象物体の変位を非接触検知し、変位に応じた電圧値を出力する。変位計102は、A/D変換器104へ、電圧値を入力する。変位計102は、マイクロ波で非接触検知するのが好ましい。また、変位計102は、レーザーで非接触検知するようにしてもよい。
A/D変換器104は、変位計102と接続される。A/D変換器104は、変位計102からの電圧値をデジタル値へ変換する。A/D変換器104は、変位成分情報抽出装置106へ、デジタル値へ変換した電圧値を入力する。
変位成分情報抽出装置106は、A/D変換器104と接続される。変位成分情報抽出装置106には、A/D変換器104からデジタル値へ変換した電圧値が入力される。変位成分情報抽出装置106は、デジタル値へ変換した電圧値から検知対象物体の変位量を演算し、該検知対象物体の変位量に基づいて目的とする変位成分情報を抽出し、出力する。
変位計102により検知対象物体の変位量が求められ、該検知対象物体に変位量が変位成分情報抽出装置106へ入力されてもよい。この場合、変位成分情報抽出装置106は、検知対象物体の変位量に基づいて目的とする変位成分情報を抽出し、出力する。
物体変位検知装置100の一実施例は、変位計102により検知対象物体の変位が非接触検知され、変位に応じた電圧値が出力される場合について説明する。
<変位成分情報抽出装置106>
変位成分情報抽出装置106は、信号演算回路108と、演算結果保存装置110とを有する。
信号演算回路108は、CPU(図示なし)と、RAM(図示なし)と、ROM(図示なし)とを有する。CPUは、デジタル値へ変換した電圧値に基づいて、目的とする変位成分情報を抽出し、出力する。RAMは、データを一時的に記憶する。ROMは、変位成分情報を抽出する処理を実行するためのプログラム、及び各種処理を実行するための各プログラムを記憶する。
信号演算回路108が複数のCPUを有していてもよい。また、信号演算回路108が1又は複数のマイコンを有していてもよい。信号演算回路108に、マイコンとCPUとが混在していてもよい。
<変位成分情報抽出装置106の機能>
図2は、変位成分情報抽出装置106の機能の一実施例を示す。
図2の機能ブロック図により表される機能は、主に、信号演算回路108により実行される。つまり、信号演算回路108は、変位量検知部1081と、変位量波形処理部1082と、変曲点選択部1084と、逆極性変曲点抽出部1086と、変曲点情報処理部1088と、変位成分情報演算部1090として機能する。
信号演算回路108のCPUの内部に記憶されたアプリケーション(ファームウェア)に従って、CPUにより変位量検知部1081と、変位量波形処理部1082と、変曲点選択部1084と、逆極性変曲点抽出部1086と、変曲点情報処理部1088と、変位成分情報演算部1090としての機能が実行されるのが好ましい。
また、記憶部(図示無し)に記憶されたアプリケーションに従って、信号演算回路108のCPUにより変位量検知部1081と、変位量波形処理部1082と、変曲点選択部1084と、逆極性変曲点抽出部1086と、変曲点情報処理部1088と、変位成分情報演算部1090としての機能が実行されてもよい。
信号演算回路108のCPUは、変位量検知部1081として機能する。変位量検知部1081は、A/D変換器104と接続される。変位量検知部1081は、A/D変換器104からのデジタル値へ変換した電圧値に基づいて、変位量を検知する。変位量検知部1081は、変位量波形処理部1082へ、変位量情報を入力する。
信号演算回路108のCPUは、変位量波形処理部1082として機能する。変位量波形処理部1082は、変位量検知部1081と接続される。変位量波形処理部1082は、変位量検知部1081からの変位量情報をプロットすることにより時系列波形(以下、「変位波形」という)を求める。変位量波形処理部1082は、変位波形に基づいて、変曲点と、該変曲点の時刻を検出する。
変位量波形処理部1082は、変位波形を1回微分した波形(速度波形)のピーク(上ピーク)時刻とボトム(下ピーク)時刻を抽出するのが好ましい。また、変位量波形処理部1082は、変位波形を2回微分した波形(加速度波形)の横軸(時間軸)と交差する時刻を抽出するようにしてもよい。変位量波形処理部1082により抽出された時刻が変位波形の変曲点時刻となる。
また、変位量波形処理部1082は、変曲点の極性を判別する。変位波形の変曲点は検知対象物体が変位した際の加速度の正負が逆転する時刻を表す。どちらの方向を正または負とするかは任意である。
物体変位検知装置100の一実施例では、加速度が負から正へ変化した場合の変曲点を「正変曲点」、加速度が正から負へ変化した場合の変曲点を「負変曲点」とする。変位量波形処理部1082は、抽出された各変曲点の極性を判別する。
図3は、変位波形の一実施例を示す。図3には、変位波形により求められる加速度波形も示される。
正変曲点と判別された変曲点は、抽出された順番にPH1、PH2、・・・・、PHnと表記する。同様に、負変曲点と判別された変曲点は抽出された順番にNH1、NH2、・・・・、NHnと表記する。
図3によれば、変位波形の変曲点として、PH1、NH1、PH2が得られる。
次に、各変位成分に起因する変位を合成することにより得られる物体表面の変位と、変曲点との関係について説明する。
物体変位検知装置100により検知される物体表面の変位は、各変位成分に起因する変位量を合成したものとなる。具体的には、各変位成分に起因する変位量を加算した結果となる。
図4は、各変位成分に起因する変位と、各変位成分に起因する変位を合成することにより得られる物体表面の変位を示す。
図4の左図は、各変位成分に起因する変位を示す。図4の左図において、横軸は時間であり、縦軸は変位量である。図4の左図には、一例として、検知対象物体を人体とし、各変位成分を"心拍"、"呼吸"、"直線的な体動(体動)"とした場合について示す。
図4の右図は、物体表面の変位を示す。図4の右図において、横軸は時間であり、縦軸は、検知対象物体を人体とし、各変位成分を"心拍"、"呼吸"、"直線的な体動"とした場合に、各変位成分に起因する変位を合成することにより得られる物体表面の変位、つまり変位波形を示す。
図5は、加速度波形と、変曲点との関係を示す。
図5には、図4の左図の "心拍"に起因する変位を2回微分した加速度波形と、図4の右図の変位波形を2回微分した加速度波形が示される。
図5によれば、2つの波形を比較すると、加速度が零となる時刻は、若干のずれはあるがほぼ近傍であるのが分かる。また、変曲点の極性も同様であるのが分かる。従って、変位波形を2回微分した加速度波形の変曲点は、心拍に起因する波形を2回微分した加速度波形の変曲点とみなすことができる。
図6は、心拍に起因する変位の一例を示す。図6において、横軸は時間、縦軸は変位量と加速度である。図6には、実線により心拍に起因する変位(心拍変位)の一周期が示され、破線により心拍に起因する変位の加速度(心拍変位加速度)が示される。
図6によれば、心拍変位の一周期の間に発生する変曲点は、以下の特徴を有するのが分かる。
特徴1:心拍変位の一周期の間に3つの変曲点が発生する。
特徴2:心拍変位の一周期の間に発生する3つの変曲点は隣り合う変曲点と極性が逆になる。
特徴3:1つ目の変曲点は直前の心拍における3つ目の変曲点でもある。また、3つ目の変曲点は次の心拍における1つ目の変曲点でもある。
特徴4:1つ目の変曲点と3つ目の変曲点の間隔が心拍周期となる。
特徴5:1つ目の変曲点と2つ目の変曲点の間隔、および2つ目の変曲点と3つ目の変曲点の間隔は心拍周期の約半分となる。
心拍に限らず周期性を持つ変位成分は、上述した特徴1−特徴5を有することが多い。例えば、変位対象物体が人体の場合には呼吸などについても、上述した特徴1−特徴5を有することが多い。
物体変位検知装置100の一実施例は、検知対象物体を人体とし、心拍に起因する変位を検出する場合について説明する。心拍に起因する変位が検出されることにより、心拍情報が抽出される。
信号演算回路108のCPUは、変曲点選択部1084として機能する。変曲点選択部1084は、変位量波形処理部1082と接続される。変曲点選択部1084は、変位量波形処理部1082により検出された変曲点から、処理の対象とする変曲点(以下、「処理対象変曲点」という)を選択する。変曲点選択部1084は、正変曲点を選択するようにしてもよいし、負変曲点を選択するようにしてもよい。物体変位検知装置100の一実施例は、正変曲点を選択する場合について説明する。変曲点選択部1084は、逆極性変曲点抽出部1086と変位成分情報演算部1090へ、処理対象変曲点を入力する。
信号演算回路108のCPUは、逆極性変曲点抽出部1086として機能する。逆極性変曲点抽出部1086は、変曲点選択部1084と接続される。逆極性変曲点抽出部1086は、変曲点選択部1084により選択された処理対象変曲点の時刻を検出し、該時刻から検知対象物体の変位波形の2分の1周期分時間が経過した付近に存在し、処理対象変曲点とは逆極性となる逆極性変曲点を抽出する。
逆極性変曲点抽出部1086は、処理対象変曲点の時刻(T_PHn)から心拍の一周期(ST)の2分の1の時間(0.5×ST)が経過した時刻付近[(T_PHn+0.5×ST)±Tw]に存在するPHnとは逆極性の変曲点を抽出するのが好ましい。Twは、心拍の一周期のばらつき範囲である。このばらつき範囲は、誤差と呼ばれてもよい。例えば、STおよびTwは過去の計測結果より設定されるのが好ましい。逆極性変曲点抽出部1086は、変曲点情報処理部1088へ、逆極性の変曲点を入力する。
信号演算回路108のCPUは、変曲点情報処理部1088として機能する。変曲点情報処理部1088は、逆極性変曲点抽出部1086と、変曲点選択部1084と接続される。変曲点情報処理部1088は、逆極性変曲点抽出部1086から入力される逆極性の変曲点の数に応じて、時刻を設定する。
(1)逆極性変曲点抽出部1086からの逆極性の変曲点の数が零個である場合
変曲点情報処理部1088は、処理対象変曲点の時刻(T_PHn)から心拍の一周期(ST)の2分の1の時間(0.5×ST)が経過した時刻を設定する。
図7は、変曲点の時刻設定(その1)の一実施例を示す。
逆極性変曲点抽出部1086から逆極性の変曲点が入力されなかった場合、変曲点情報処理部1088は、時刻(T_PHn+0.5×ST)を設定する。該時刻(T_PHn+0.5×ST)は、最新の2分の1心拍周期の時刻とされる。変曲点情報処理部1088は、変曲点選択部1084へ、該2分の1心拍周期の時刻を入力する。
(2)逆極性変曲点抽出部1086からの逆極性の変曲点の数が1個である場合
変曲点情報処理部1088は、逆極性変曲点抽出部1086からの逆極性の変曲点の時刻を設定する。
図8は、変曲点の時刻設定(その2)の一実施例を示す。
逆極性変曲点抽出部1086から逆極性の変曲点が1つ入力された場合、変曲点情報処理部1088は、該逆極性の変曲点の時刻を設定する。該逆極性の変曲点の時刻は、最新の2分の1心拍周期の時刻とされる。変曲点情報処理部1088は、変曲点選択部1084へ、該2分の1心拍周期の時刻を入力する。
(3)逆極性変曲点抽出部1086からの逆極性の変曲点の数が2個以上である場合
変曲点情報処理部1088は、逆極性変曲点抽出部1086からの逆極性の変曲点のうち、処理対象変曲点の時刻(T_PHn)から心拍の一周期(ST)の2分の1の時間(0.5×ST)が経過した時刻に最も近い変曲点の時刻を設定する。
図9は、変曲点の時刻設定(その3)の一実施例を示す。
逆極性変曲点抽出部1086から逆極性の変曲点が複数入力された場合、変曲点情報処理部1088は、逆極性変曲点抽出部1086からの逆極性の変曲点のうち、処理対象変曲点の時刻(T_PHn)から心拍の一周期(ST)の2分の1の時間(0.5×ST)が経過した時刻に最も近い変曲点の時刻を設定する。該変曲点の時刻は、最新の2分の1心拍周期の時刻とされる。例えば、心拍以外の変位成分に起因する変位や装置内でのノイズに起因する変位が生じた場合などにより、逆極性の変曲点が複数発生することがある。変曲点情報処理部1088は、変曲点選択部1084へ、該2分の1心拍周期の時刻を入力する。
変曲点情報処理部1088は、変曲点選択部1084へ2分の1心拍周期の時刻を入力することにより時刻を設定するとともに、変曲点選択部1084で選択する変曲点の極性を設定する。
変曲点情報処理部1088は、時刻を設定した後、逆極性変曲点抽出部1086へ、逆極性変曲点を抽出するように命令する。
信号演算回路108のCPUは、変位成分情報演算部1090として機能する。変位成分情報演算部1090は、変曲点選択部1084と、逆極性変曲点抽出部1086と接続される。変位成分情報演算部1090は、変曲点選択部1084からの処理対象変曲点に基づいて、変位成分を演算する。変曲点選択部1084から変位成分情報演算部1090へ、処理対象変曲点情報が連続的に入力されるのが好ましい。
変位成分情報演算部1090は、連続的に入力される処理対象変曲点に基づいて統計処理を行うことにより、以下の変位成分情報を演算する。統計処理を行う際に利用する2分の1心拍周期の時刻は、適宜変更されるのが好ましい。
(変位成分情報1)心拍周期
変位成分情報演算部1090は、連続する2回の2分の1心拍周期の時刻を加算することにより、心拍の一周期を演算する。
(変位成分情報2)心拍周期の平均値
変位成分情報演算部1090は、所定の時間における心拍の一周期の平均を演算することにより、心拍周期の平均値を演算する。
(変位成分情報3)心拍周期のゆらぎ
変位成分情報演算部1090は、過去に得られた心拍周期に基づいて、揺らぎ幅、標準偏差などを演算する。
(変位成分情報1)−(変位成分情報3)の変位成分情報は一例であり、(変位成分情報1)−(変位成分情報3)以外の変位成分が演算されてもよい。
変位成分情報演算部1090により演算された変位成分情報は、演算結果保存装置110へ入力されるとともに、出力されるのが好ましい。
変曲点選択部1084は、変曲点情報処理部1088から逆極性の変曲点の数が零個である場合に入力される2分の1心拍周期の時刻が連続して入力される回数をカウントするようにしてもよい。変曲点選択部1084は、カウントした値が所定の回数となった場合に、検知対象物体に目標とする変位成分が含まれないと判定するのが好ましい。変曲点選択部1084は、検知対象物体に目標とする変位成分が含まれないと判定した場合、変位成分情報演算部1090へ検知対象物体に目標とする変位成分が含まれないことを通知するようにしてもよい。例えば、変曲点選択部1084は、変曲点情報処理部1088から逆極性の変曲点の数が零個である場合に入力される2分の1心拍周期の時刻が連続して入力される回数が、3回の心拍に含まれる7変曲点分である7回になった場合に、変位成分情報演算部1090へ検知対象物体に目標とする変位成分が含まれないことを通知するようにしてもよい。
変曲点選択部1084は、逆極性の変曲点の数が零個である場合に入力される2分の1心拍周期の時刻が連続して入力される回数をカウント中に、逆極性の変曲点の数が1個以上である場合に入力される2分の1心拍周期の時刻が入力された場合には、カウント値をリセットするのが好ましい。
変位成分情報演算部1090は、変位成分情報を出力する。変位成分情報演算部1090は、逆極性変曲点抽出部1086へ、演算により得られた変位成分情報を入力するのが好ましい。逆極性変曲点抽出部1086は、変位成分情報演算部1090からの変位成分情報に基づいて、心拍の一周期(ST)、心拍の一周期のばらつき範囲(Tw)を更新するのが好ましい。
演算結果保存装置110は、信号演算回路108と接続される。演算結果保存装置110は、信号演算回路108からの変位成分情報を格納する。
<物体変位検知装置100の動作>
図10は、物体変位検知装置100の動作の一実施例を示す。図10には、主に変位成分情報抽出装置106の動作が示される。
ステップS1002では、物体変位検知装置100は、変位量を検知する。変位量検知部1081は、変位量を検知する。
ステップS1004では、物体変位検知装置100は、変位波形から変曲点を抽出し、極性を判別する。変位量波形処理部1082は、変位量に基づいて変位波形を求め、変曲点を抽出する。
ステップS1006では、物体変位検知装置100は、処理対象変曲点を選択する。変曲点選択部1084は、処理対象変曲点を選択する。
ステップS1008では、物体変位検知装置100は、処理対象変曲点の時刻を検出し、該時刻に基づいて逆極性変曲点を抽出する。逆極性変曲点抽出部1086は、処理対象変曲点の時刻に基づいて逆極性変曲点を抽出する。
ステップS1010では、物体変位検知装置100は、ステップS1008で抽出した逆極性変曲点が零個であるか否かを判定する。変曲点情報処理部1088は、逆極性変曲点が零個であるか否かを判定する。
ステップS1012では、ステップS1010で逆極性変曲点が零個であると判定した場合、物体変位検知装置100は、処理対象変曲点の時刻から変位波形の2分の1周期分の時間が経過した時刻を設定する。変曲点情報処理部1088は、逆極性変曲点が零個である場合、処理対象変曲点の時刻から変位波形の2分の1周期分の時間が経過した時刻を設定する。
ステップS1014では、ステップS1010で逆極性変曲点が零個でないと判定した場合、物体変位検知装置100は、ステップS1008で抽出した逆極性変曲点が1個であるか否かを判定する。変曲点情報処理部1088は、逆極性変曲点が1個であるか否かを判定する。
ステップS1016では、ステップS1014で逆極性変曲点が1個であると判定した場合、物体変位検知装置100は、逆極性変曲点の時刻を設定する。変曲点情報処理部1088は、逆極性変曲点が1個である場合、逆極性変曲点の時刻を設定する。
ステップS1018では、ステップS1014で逆極性変曲点が1個でないと判定した場合、つまり逆極性変曲点が複数ある場合、物体変位検知装置100は、処理対象変曲点の時刻から変位波形の2分の1周期分の時間が経過した時刻に最も近い変曲点の時刻を設定する。変曲点情報処理部1088は、処理対象変曲点の時刻から変位波形の2分の1周期分の時間が経過した時刻に最も近い変曲点の時刻を設定する。
ステップS1020では、物体変位検知装置100は、ステップS1006により選択された処理対象変曲点に基づいて、変位成分情報を演算する。変位成分情報演算部1090は、処理対象変曲点に基づいて、変位成分情報を演算する。
ステップS1022では、物体変位検知装置100は、周期情報を更新する。逆極性変曲点抽出部1086は、周期情報を更新する。
ステップS1022の処理の終了後、ステップS1002の処理から開始されるのが好ましい。
物体変位検知装置100の一実施例によれば、周期性を持つ微小な変位成分を非接触で検知する際に、周期性の無い大きな変位が発生した場合においても検知を継続できる。具体的には、心拍による変位成分を非接触で検知する際に、体が動いた場合でも、心拍による変位成分の検知を継続できる。
周期性の無い大きな変位に起因する変位は、該変位の間、直線的に増加する割合が高いと想定される。つまり、周期性の無い大きな変位に起因して、一定速度で変位する割合が高いと想定される。直線的に増加する割合が高い場合、周期性の無い大きな変位に起因する変位に関して、ノイズ成分などの変曲点は発生しない。変曲点が発生しないため、変位の影響を受けにくく、検知精度を向上できる。
検知対象物体の変位は、該変位を構成する各変位成分を合成することにより得られる。検知対象物体を人体とした場合は、心拍や呼吸、体の動きなどの生体信号に起因する変位成分を合成した変位が体表面の変位として観測される。
観測された体表面の変位から、心拍などの周期性を有する変位成分を分離し、抽出する際に、フィルターを使用することが多い。つまり、フィルターを使用して、周波数成分を抽出する。周波数成分を抽出する際に、体が大きく前後するなどの大きな変位が発生した場合、該大きな変位には複数の周波数成分が含まれる。波形の一部に直線的な形状を持つ「矩形波」や「三角波」をフーリエ級数展開で表記する場合、波形を構成する三角関数の周波数範囲は非常に広帯域になるためである。大きな変位の一部には抽出対象の周波数と同じ周波数が含まれる場合もある。さらに、変位が大きいため、その強度も大きくなる。このため、大きな変位に起因する変位の周波数成分の一部はフィルターを通過し、検知信号として観測される場合がある。この場合、検知信号が目的とする変位成分に起因するのか、目的外の変位成分に起因するのかの判別がつかなくなる場合がある。
図11は、周期性の無い大きな変位に起因する変位の影響を示す。図11において、横軸は時間であり、縦軸は変位である。
図11の左図は、大きな変位に起因する変位の一例として、大きな体動の発生区間を示す。大きな体動の発生区間において、微小変位成分と、大きな体動成分と、体表面の変位が示される。
体表面の変位は、大きな体動成分と微小変位成分とを合成したものである。大きな体動成分は、時間に対して変位が直線的に変化する。具体的には、大きな体動成分は直線的に増加した後に減少する。
図11の右図は、物体変位検知装置100の一実施例により検出される変位を示す。物体変位検知装置100の一実施例は、大きな変位に起因する変位の変曲点(処理対象変曲点)に基づいて、変位が検知される。従って、ノイズが発生するのは、変曲点の時刻の一瞬である。
一方、フィルターを使用した場合には、大きな変位に起因するノイズの周波数成分が、大きな変位に起因する変位の発生期間中に常に発生する。
<変形例(その1)>
物体変位検知装置100の一変形例は、図1を参照して説明した物体変位検知装置と略同一である。
<変位成分情報抽出装置106の機能>
図12は、変位成分情報抽出装置106の機能の一変形例を示す。
変位成分情報抽出装置106の機能の一変形例は、図2を参照して説明した変位成分情報抽出装置106に、変位状態監視部1092と、変位成分情報抽出部1094と、出力情報選択部1096とを備えたものである。
図12の機能ブロック図により表される機能は、主に、信号演算回路108により実行される。つまり、信号演算回路108は、変位量検知部1081と、変位量波形処理部1082と、変曲点選択部1084と、逆極性変曲点抽出部1086と、変曲点情報処理部1088と、変位成分情報演算部1090と、変位状態監視部1092と、変位成分情報抽出部1094と、出力情報選択部1096として機能する。
信号演算回路108のCPUの内部に記憶されたアプリケーション(ファームウェア)に従って、CPUにより変位量検知部1081と、変位量波形処理部1082と、変曲点選択部1084と、逆極性変曲点抽出部1086と、変曲点情報処理部1088と、変位成分情報演算部1090と、変位状態監視部1092と、変位成分情報抽出部1094と、出力情報選択部1096としての機能が実行されるのが好ましい。
また、記憶部(図示無し)に記憶されたアプリケーションに従って、信号演算回路108のCPUにより変位量検知部1081と、変位量波形処理部1082と、変曲点選択部1084と、逆極性変曲点抽出部1086と、変曲点情報処理部1088と、変位成分情報演算部1090と、変位状態監視部1092と、変位成分情報抽出部1094と、出力情報選択部1096としての機能が実行されてもよい。
変位成分情報演算部1090は、変曲点選択部1084と、逆極性変曲点抽出部1086と、変曲点情報処理部1088と接続される。変位成分情報演算部1090は、第1の変位成分情報を演算し、出力情報選択部1096へ入力する。変位成分情報演算部1090は、第1の変位成分情報を入力する際に、逆極性の変曲点の数の情報を出力情報選択部1096へ入力する。このため、変曲点情報処理部1088は、変位成分情報演算部1090へ、逆極性の変曲点の数の情報を入力する。具体的には、逆極性の変曲点の数が零個であるのか、1個であるのか、2個以上であるのかを示す情報を入力する。
信号演算回路108のCPUは、変位状態監視部1092として機能する。変位状態監視部1092は、変位量検知部1081と接続される。変位状態監視部1092は、変位量検知部1081からの変位量情報に基づいて、検知対象物体の単位時間当りの変位状態を判定する。
変位状態監視部1092は、検知対象物体の単位時間当りの変位状態として、以下の(変位状態1)−(変位状態3)のうちのいずれかであるかを判定するのが好ましい。
(変位状態1)特定の位置を中心として、検知対象物体の変位成分の想定される変位量と同程度の変位量および周期で振幅運動をしている
(変位状態2)有意性のある変位が確認できない状態(基本的には静止状態。微小変位は発生しているかもしれないが観測ができない状態)
(変位状態3)(1)、(2)以外の状態
変位状態監視部1092は、出力情報選択部1096へ、判定結果を入力する。
信号演算回路108のCPUは、変位成分情報抽出部1094として機能する。変位成分情報抽出部1094は、変位量検知部1081と接続される。変位成分情報抽出部1094は、変位量検知部1081からの変位量情報に基づいて、抽出対象の周波数成分を抽出する。変位成分情報抽出部1094は、変位量検知部1081からの変位量情報に基づいて時間連続波形を作成し、該時間連続波形から抽出対象の周波数成分をフィルターにより抽出するのが好ましい。変位成分情報抽出部1094は、抽出対象の周波数成分の特徴量を抽出する。特徴量は、ピークの時刻、ピークの間隔などであるのが好ましい。変位成分情報抽出部1094は、特徴量に基づいて、第2の変位成分情報を抽出する。変位成分情報抽出部1094は、出力情報選択部1096へ、第2の変位成分情報を入力する。
変位成分情報抽出部1094は、予め想定される範囲以外の特徴量が抽出された場合には、第2の変位成分情報の抽出ができないと判定するのが好ましい。この場合、変位成分情報抽出部1094は、出力情報選択部1096へ、判定情報を入力するのが好ましい。
信号演算回路108のCPUは、出力情報選択部1096として機能する。出力情報選択部1096は、変位成分情報演算部1090と、変位状態監視部1092と、変位成分情報抽出部1094と接続される。
出力情報選択部1096には、変位成分情報演算部1090から第1の変位成分情報および逆極性の変曲点の数の情報が入力され、変位状態監視部1092から検知対象物体の単位時間当りの変位状態の判定結果が入力され、変位成分情報抽出部1094から第2の変位成分情報が入力される。
出力情報選択部1096は、変位成分情報抽出部1094から第2の変位成分情報の抽出ができない判定情報が入力された場合、変位成分情報演算部1090から入力された第1の変位成分情報を選択する。
出力情報選択部1096は、変位成分情報抽出部1094から第2の変位成分情報の抽出ができない判定情報が入力されない場合、変位成分情報演算部1090からの逆極性の変曲点の数の情報と、変位状態監視部1092からの検知対象物体の単位時間当りの変位状態の判定結果とに基づいて、変位成分情報演算部1090からの第1の変位成分情報又は変位成分情報抽出部1094からの第2の変位成分情報を選択する。
図13は、出力情報選択部1096の動作を示す。
出力情報選択部1096は、変位状態監視部1092からの検知対象物体の単位時間当りの変位状態の判定結果が変位状態1である場合には、逆極性の変曲点の数に応じて、第1の変位成分情報又は第2の変位成分情報を選択する。
出力情報選択部1096は、逆極性の変曲点の数が零個である場合には、第2の変位成分情報を選択する。
出力情報選択部1096は、逆極性の変曲点の数が1個である場合には、第1の変位成分情報を選択する。
出力情報選択部1096は、逆極性の変曲点の数が2個以上である場合には、第2の変位成分情報を選択する。
出力情報選択部1096は、変位状態監視部1092からの検知対象物体の単位時間当りの変位状態の判定結果が変位状態2である場合には、逆極性の変曲点の数に応じて、第1の変位成分情報又は第2の変位成分情報を選択する。
出力情報選択部1096は、逆極性の変曲点の数が零個である場合には、第2の変位成分情報を選択する。
出力情報選択部1096は、逆極性の変曲点の数が1個である場合には、第1の変位成分情報を選択する。
出力情報選択部1096は、逆極性の変曲点の数が2個以上である場合には、第2の変位成分情報を選択する。
出力情報選択部1096は、変位状態監視部1092からの検知対象物体の単位時間当りの変位状態の判定結果が変位状態3である場合には、逆極性の変曲点の数に拘わらず、第1の変位成分情報を選択する。
出力情報選択部1096は、変位成分情報演算部1090へ、選択した変位成分情報を入力するのが好ましい。変位成分情報演算部1090は、逆極性変曲点抽出部1086へ、出力情報選択部1096からの変位成分情報を入力するのが好ましい。逆極性変曲点抽出部1086は、変位成分情報演算部1090からの変位成分情報に基づいて、心拍の一周期(ST)、心拍の一周期のばらつき範囲(Tw)を更新するのが好ましい。
<物体変位検知装置100の動作>
図14は、物体変位検知装置100の動作の一変形例を示す。図14には、主に変位成分情報抽出装置106の動作が示される。
ステップS1402では、物体変位検知装置100は、変位量を検知する。変位量検知部1081は、変位量を検知する。
ステップS1404では、物体変位検知装置100は、変曲点に基づいて変位成分情報を演算する。つまり、図10のステップS1004−S1020が実行される。
ステップS1406では、物体変位検知装置100は、変位状態を判定する。変位状態監視部1092は、変位状態を判定する。
ステップS1408では、物体変位検知装置100は、周波数成分に基づいて変位成分情報を抽出する。変位成分情報抽出部1094は、周波数成分に基づいて変位成分情報を抽出する。
ステップS1410では、物体変位検知装置100は、出力情報を選択する。出力情報選択部1096は、出力情報を選択する。
ステップS1412では、物体変位検知装置100は、周期情報を更新する。逆極性変曲点抽出部1086は、周期情報を更新する。
図14に示されるフローチャートにおいて、ステップS1404−S1408は、異なる順番で実行されてもよい。
物体変位検知装置100の一変形例によれば、変曲点に基づいて演算される変位成分情報および周波数成分に基づいて抽出される変位成分情報の何れかを選択できる。変曲点に基づいて変位成分情報を演算する方法は、大きな変位が発生した場合に効果が高い。周波数成分に基づいて変位成分情報を抽出する方法は、大きな変位が発生しない場合に効果が高く、様々な要因で発生する周期性の無いランダムな微小変位などを除去できる。つまり、検知対象物体が比較的安静状態であれば、周期性の無いランダムな微小変位成分を除去し、精度よく、目的とする変位成分情報を抽出することが可能である。例えば、人体が比較的安静状態であれば、周期性の無いランダムな微小変位成分を除去し、精度よく、目的とする心拍情報を抽出することが可能である。
変曲点に基づいて演算される変位成分情報および周波数成分に基づいて抽出される変位成分情報の何れかを、逆極性の変曲点の数および変位状態に基づいて選択することにより、相互補完動作を実現できる。つまり、大きな体動などの大きな変位が発生した状態で人体を検知する場合に、心拍成分などの小さな変位成分の情報の抽出が安定的にかつ高精度で実現できる。
<変形例(その2)>
図15は、物体変位検知装置100の一変形例を示す。物体変位検知装置100の一変形例は、図1を参照して説明した物体変位検知装置に、バンドパスフィルター114と、第2のA/D変換器116を備えたものである。
バンドパスフィルター114は、変位計102と接続される。バンドパスフィルター114は、変位計102からの電圧波形から抽出の対象となる周波数成分の波形を抽出する。バンドパスフィルター114により抽出された周波数成分の波形は、第2のA/D変換器116へ入力される。
第2のA/D変換器116は、バンドパスフィルター114から出力される電圧をデジタル値へ変換する。第2のA/D変換器116によりデジタル値へ変換された電圧は変位成分情報抽出装置106へ入力される。
<変位成分情報抽出装置106の機能>
図16は、変位成分情報抽出装置106の機能の一変形例を示す。
変位成分情報抽出装置106の機能の一変形例は、図12を参照して説明した変位成分情報抽出装置106において変位成分情報抽出部1094を省略したものである。第2のA/D変換器116の出力信号は、出力情報選択部1096へ入力される。
出力情報選択部1096は、第2のA/D変換器116からの出力信号に基づいて、第2の変位成分情報を求める。
出力情報選択部1096は、変位成分情報演算部1090からの逆極性の変曲点の数の情報と、変位状態監視部1092からの検知対象物体の単位時間当りの変位状態の判定結果とに基づいて、変位成分情報演算部1090からの第1の変位成分情報又は第2の変位成分情報を選択する。
<物体変位検知装置100の動作>
物体変位検知装置100の動作の一変形例は、図14と略同一である。
<変形例(その3)>
図17は、物体変位検知装置100の一変形例を示す。物体変位検知装置100の一変形例は、図1を参照して説明した物体変位検知装置に、デジタルフィルター118を備えたものである。
デジタルフィルター118は、A/D変換器104と接続される。デジタルフィルター118は、A/D変換器104によりデジタル値へ変換した電圧値に基づいて形成される電圧波形から抽出の対象となる周波数成分の波形を抽出する。デジタルフィルター118により抽出された周波数成分の波形は、変位成分情報抽出装置106へ入力される。
<変位成分情報抽出装置106の機能>
図18は、変位成分情報抽出装置106の機能の一変形例を示す。
変位成分情報抽出装置106の機能の一変形例は、図12を参照して説明した変位成分情報抽出装置106において変位成分情報抽出部1094を省略したものである。デジタルフィルター118の出力信号は、出力情報選択部1096へ入力される。
出力情報選択部1096は、デジタルフィルター118からの出力信号に基づいて、第2の変位成分情報を求める。
出力情報選択部1096は、変位成分情報演算部1090からの逆極性の変曲点の数の情報と、変位状態監視部1092からの検知対象物体の単位時間当りの変位状態の判定結果とに基づいて、変位成分情報演算部1090からの第1の変位成分情報又は第2の変位成分情報を選択する。
<物体変位検知装置100の動作>
物体変位検知装置100の動作の一変形例は、図14と略同一である。
物体変位検知装置100の一実施例、一変形例によれば、変位量が異なる複数の変位成分の合成により発生する物体表面変位を、電磁波等を用いて非接触検知する場合に、検知信号より目的とする変位成分情報を精度よく分離抽出することができる。
以上、本発明は特定の実施例及び変形例を参照しながら説明されてきたが、各実施例及び変形例は単なる例示に過ぎず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。説明の便宜上、本発明の実施例に従った装置は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウエアで、ソフトウエアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明は上記実施例に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が包含される。
100 物体変位検知装置
102 変位計
104 A/D変換器
106 変位成分情報抽出装置
108 信号演算回路
110 演算結果保存装置
112 第1のA/D変換器
114 バンドパスフィルター
116 第2のA/D変換器
118 デジタルフィルター
1081 変位量検知部
1082 変位量波形処理部
1084 変曲点選択部
1086 逆極性変曲点抽出部
1088 変曲点情報処理部
1090 変位成分情報演算部
1092 変位状態監視部
1094 変位成分情報抽出部
1096 出力情報選択部

Claims (6)

  1. 検知の対象となる物体に送信した送信波と該送信波の前記物体による反射波に基づいて、前記物体の変位を検知する物体変位検知装置であって、
    前記送信波と前記反射波とに基づいて、前記物体の変位を演算する変位量演算部と、
    該変位量演算部により演算される変位に基づいて取得される変位波形の変曲点から使用する変曲点である第1の変曲点を選択する変曲点選択部と、
    前記第1の変曲点が発生した時刻から、前記物体の変位のうちの周期性を有する所定の変位成分の、過去の計測結果により設定される代表的な周期の半分の時間が経過した時刻の近傍の所定範囲における前記変曲点である第2の変曲点を抽出する逆極性変曲点抽出部と、
    前記第1の変曲点が発生した時刻と、前記第2の変曲点が発生した時刻とに基づいて、前記物体の前記変位成分に関する第1の変位成分情報であって、前記変位成分の実際の周期、又は当該周期に関連する量を含む第1の変位成分情報を演算する変位成分情報演算部
    を備える物体変位検知装置。
  2. 記変位波形を微分して得られる速度波形に基づいて、前記変曲点を検出する変位量波形処理部を更に有する、
    請求項1に記載の物体変位検知装置。
  3. 逆極性変曲点抽出部により抽出された前記第2の変曲点の数に基づいて、前記物体の前記変位成分の実際の周期の半分の時間に相当する時刻を設定する変曲点情報処理部を更に有し、
    前記変位成分情報演算部は、前記変曲点情報処理部により設定された時刻に基づき、前記第1の変位成分情報を演算する、
    請求項1又は2に記載の物体変位検知装置。
  4. 前記変位波形から所定の周波数成分を抽出し、該周波数成分に基づいて、前記物体の前記変位成分に関する第2の変位成分情報を取得する第2の変位成分情報抽出部と、
    前記変位に基づいて、前記物体の変位状態を判定する変位状態監視部と、
    前記変位状態監視部により判定される変位状態に基づいて、前記第1の変位成分情報および前記第2の変位成分情報のいずれかを選択する選択部と
    を有する、
    請求項1乃至3の何れか一項に記載の物体変位検知装置。
  5. 前記選択部は、前記逆極性変曲点抽出部により抽出された前記第2の変曲点の数に基づいて、前記第1の変位成分情報および前記第2の変位成分情報のいずれかを選択する、
    請求項に記載の物体変位検知装置。
  6. 検知の対象となる物体に送信した送信波と該送信波の該検知の対象となる物体による反射波に基づいて、該検知の対象となる物体の変位を検知する物体変位検知装置における物体変位検知方法であって、
    前記送信波と前記反射波とに基づいて、前記物体の変位を演算し、
    該物体の変位に基づいて取得される変位波形の変曲点から使用する変曲点である第1の変曲点を選択し、
    前記第1の変曲点が発生した時刻から、前記物体の変位のうちの周期性を有する所定の変位成分の、過去の計測結果により設定される代表的な周期の半分の時間が経過した時刻の近傍の所定範囲における前記変曲点である第2の変曲点を抽出し、
    前記第1の変曲点が発生した時刻と、前記第2の変曲点が発生した時刻とに基づいて、前記物体の前記変位成分に関する第1の変位成分情報であって、前記変位成分の実際の周期、又は当該周期に関連する量を含む第1の変位成分情報を取得する、
    物体変位検知方法。
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