JP6220998B1 - 識別機能付き物品輸送ケース - Google Patents

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Abstract

【課題】ケースに備えられたRFIDリーダライタとケース内に収容された物品のRFIDタグとの間の通信信頼度が向上された物品識別機能付きケースを提供する。【解決手段】物品識別機能付きケースは、RFIDリーダライタを備え、物品情報を記録したパッシブ型RFIDタグが取り付けられた物品を収容することができ、そのRFIDタグに記憶されている物品情報を読み出してRFIDタグのアンテナからRFIDリーダライタのアンテナに送出し、RFIDリーダライタの記憶部に記憶する。ケースの周壁に、ケースの外側から内側に向けて、耐衝撃性を有する薄い外装板、衝撃吸収性を有する外側断熱材、高断熱性を有するアルミ製真空断熱材、電波吸収性または電磁波遮断性を有するシールド材、内部通信用アンテナをこの順序で配置し、アルミ製真空断熱材と内部通信用アンテナとの間を、その間で電波の乱反射が生じない程度に隔てた。【選択図】図4

Description

本発明は、識別機能付き物品輸送ケース、すなわち収容されている物品を個別に識別する機能を有する物品輸送ケースに関する。
特許文献1には、(a)物品に取付けられたRFIDタグと通信する内蔵アンテナと、その内蔵アンテナに接続され、ケースの外面に設けられる、外部のRFIDリーダライタと通信するための外面同軸コネクタまたは中継用送受信アンテナを含む通信用構造体とを有する物品輸送ケースと、(b)リードライト機構と送受信アンテナを備え、通信用構造体に接続してRFIDタグにアクセスするRFIDリーダライタと、を含むRFIDシステムが提案されている。このRFIDシステムは、物品輸送ケースに収容される物品に関する情報(物品情報)の記録媒体として、RFIDタグを物品に取付け、情報読み取り手段としてRFIDリーダライタを用いるものである。
特許文献1のRFIDシステムによれば、物品輸送ケースに収容される物品には物品情報を記録したRFIDタグが取り付けられるので、物品を物品輸送ケースに収容した後、またはさらに物品輸送ケースを密閉した後も、RFIDリーダライタを通信用構造体を介してRFIDタグに接続して、全ての物品の物品情報を読み取り、その物品情報を情報処理装置により文字情報に変換して、物品の中身を出荷側、回収側のいずれにおいても迅速容易に確認することができる。
特許文献2には、金属ケース内にRFIDシステム全体、すなわち、ICタグ付き物品、RFIDリーダライタ、送受信アンテナおよび電源回路を格納して、金属ケースの蓋を開けずにケース内でID情報を読み取り、その情報をケース外面のコネクタに接続した外部コネクタを介して別の機器に送信することにより、電波の金属ケース外への漏洩の防止を図った金属ケース内の物品の識別装置が開示されている。
特許文献3には、物品輸送ケースの送受信アンテナに関し、物品輸送ケースの側面(6面)に送信アンテナおよび受信アンテナを設け、各面のアンテナを順次有効化する、レンタル品回収検出装置が記載されている。物品輸送ケース内の物品のIDタグの情報を読み取るには、物品輸送ケースを、受信アンテナを備えた検出箱を通過させなければならない。
特開2008−107888号公報 特開2000−137873号公報 特開2001―26308号公報
特許文献1のRFIDシステムにおいては、次のような問題点がある。第1の問題点は、物品輸送ケースおよび物品のアンテナの設置位置及び設置数の問題である。すなわち、物品輸送ケースの内蔵アンテナは、物品輸送ケースの蓋の下面に、物品輸送ケースの本体の内側底面に対面するように設けられている。そして、収容される物品には、その物品を既定の向きで収容したときにRFIDタグのアンテナが物品輸送ケースの内蔵アンテナと対面するように、RFIDタグが設けられている。つまり、物品輸送ケースの内蔵アンテナは、物品のRFIDタグとの間で1方向においてのみ通信可能である。
ところが、物品には、試験管のように細長い円筒状(多角筒状を含む。以下、同じ。)の容器がある。このような細長い円筒状の物品は、物品輸送ケース内のラックなどの物品保持具に直立姿勢で保持される。また、1個の物品輸送ケースには数個から数十個の物品が収容される。そのため、物品輸送ケースのアンテナの設置数または設置位置によっては、物品のRFIDタグとの間の通信(アクセス)が行えない場合がある。つまり、RFIDタグからの物品情報読み取りに漏れ(読み取りミス)が発生する虞がある。
特許文献1のRFIDシステムの第2の問題点は、RFIDリーダライタが物品輸送ケースから分離して設けられ(特許文献1の段落0019)、電源がRFIDリーダライタまたはRFIDリーダライタの外に設けられる(特許文献1の段落0021)点である。電源は重量が大きいため、物品輸送ケースの搬送中は、RFIDリーダライタが物品輸送ケースから分離されているので、物品輸送ケースの所在位置を知ることができない。また、物品輸送ケースに何らかのトラブル、たとえば、落下、その他の衝撃、温度または湿度の過度な変化などが生じた場合に、その物品輸送ケースに収容されている物品の安全性、保全性に関する情報を出荷側または回収側のいずれでも速やかに収集することはできない。
したがって、特許文献1のRFIDシステムは、輸送中の物品の所在位置、安全性、保全性の確認および輸送中の事故に対する迅速な対処能力が十分であるとは言えない。
特許文献2の物品の識別装置が別の機器にICタグ付き物品のID情報を送信できるのは、金属ケース外面のコネクタに別の機器の外部コネクタを接続した時のみに限られる。したがって、特許文献2の物品の識別装置も、輸送中の物品の安全性、保全性の確認および輸送中の事故に対する迅速な対処能力が十分であるとは言えない。
さらに、特許文献3の装置は、物品輸送ケース内の物品のIDタグの情報を読み取るには、物品輸送ケースを受信アンテナを備えた検出箱を通過させなければならないので、輸送中の物品の所在位置、安全性、保全性の確認および輸送中の事故に対する迅速な対処能力が十分であるとは言えない。
本発明者の一人は、特願2015-144870の明細書において、識別機能付き物品輸送ケースに収容されている物品の物品情報の随時読取り・送信を可能にして、出荷時から回収時までの輸送途上の物品の存否、所在位置、安全性、保全性の確認および輸送中に発生した事故に対する迅速な対処を可能にする物品輸送管理システムを提案した。
その物品輸送管理システムは、(a)識別機能付き物品輸送ケース(以下、単にケースという場合がある。)と、物品と、携帯端末と、出荷元および回収先の情報処理装置と、電気通信回線とを含み、(b)ケースは、ケース内面に設けられた内部通信用アンテナと、ケース外面に設けられた外部通信用アンテナと、ケースに設けられた電源とを含むRFIDリーダライタを備え、(c)物品は、品情報を記録したパッシブ型RFIDタグが取り付けられるとともに、FIDタグのアンテナがケースの内部通信用アンテナに対面するようにケース内に保持され、(c)携帯端末は、輸送者に携帯され、ケースの外部通信用アンテナとの間で通信を行い、RFIDリーダライタが物品のRFIDタグから読み取って記憶した物品情報を読出し、電気通信回線を介してケース(物品)の出荷元および/または回収先の情報処理装置に伝送するものである。
物品が円筒状である場合は、その物品の側面にRFIDタグ付きラベルが貼り付けられ、物品はケース内のラック等に直立状態でマトリックス状に保持される。ケースの内部通信用アンテナは、ケースの2対の互いに対向する内壁面に設けられ、RFIDリーダライタの制御部は、ラックに保持された物品のRFIDタグと通信するときは、4つの内壁面の内部通信用アンテナを順次有効化する。
ケースがポータブルである場合は、ケースの外周壁(周囲4面と上下2面の計6面の壁)に耐衝撃性と軽量性が求められ、また、収容される物品がたとえば検体、輸血、製剤、鮮魚、生菓子などの温度変化の影響を受けやすい物である場合は、ケース内温度を一定に保つ保温手段が備えられるとともに、断熱性が要求される。そして、RFIDリーダライタとRFIDタグとの交信の際の電波がケース外に漏洩したり、外部の不要な電波がケース内に侵入したりすることを防ぐため、電波吸収性または電磁波遮断性が要求される。
特願2015-144870に記載されたケースは、耐衝撃性と軽量性を備えるためにケースの外面にアルミニウム板とウレタンフォームで構成された外装板が設けられ、その外装板の内側に、電波吸収性または電磁波遮断性を備えるためにシールド材(電波吸収材または電磁波遮断材)が設けられ、また、断熱材として、2枚の発泡スチロールの間に真空断熱材を挟んで構成されたものが備えられた。しかし、シールド材と断熱材の配置順序は任意であるとされ、それらの厚みも、とくに特定されていなかった。
本発明者らは、特願2015-144870に記載されたケースを改良して軽量性と断熱性をさらに向上させるため、ケースの外周壁の厚みを極力薄くし、断熱材を特願2015-144870に記載された2枚の発泡スチロールの間に真空断熱材を挟んだ構造のものに代えて、多孔質構造の芯材を薄いアルミニウム板で被覆した後、内部を減圧し封止してなる真空断熱材(以下、アルミ製真空断熱材という。)を用いたところ、ケース内のRFIDリーダライタとケースに収容された物品のRFIDタグとの間の通信の信頼度が低くなる場合があることが判明した。
すなわち、RFIDリーダライタとRFIDタグとの間の通信は、RFIDリーダライタのアンテナから電力波が出力され、その電力波をRFIDタグのアンテナが受けて、RFIDタグの記憶部から物品情報を読み出し、RFIDタグのアンテナからRFIDリーダライタのアンテナに送信することにより行われるが、RFIDリーダライタのアンテナから出力される電波の周波数、進行方向、位相、出力電圧等によっては、RFIDリーダライタがRFIDタグからの物品情報を読み取れない、つまり、物品の識別欠落が発生することがある。
本発明者らがこの原因を究明したところ、RFIDリーダライタとRFIDタグとの間の通信信頼度は、ケースの周壁の構成部材であるシールド材(電波吸収材または電磁波遮断材)とアルミ製真空断熱材およびRFIDリーダライタの内部通信用アンテナの配置順序または配置構造に依存することを見出した。
本発明は、上記の知見に基づいてなされたものであり、ケースに備えられたRFIDリーダライタとケース内に収容された物品のRFIDタグとの間の通信信頼度が向上された物品識別機能付きケースを提供することを目的とする。
本発明の一側面は、上記目的を達成するため、ケースに、内部通信用アンテナと、外部通信用アンテナと、電源とを含むRFIDリーダライタを備え、物品情報を記録したパッシブ型RFIDタグが取り付けられた物品を前記RFIDタグのアンテナがケースの内部通信用アンテナに対面するように収容することができ、RFIDリーダライタの内部通信用アンテナから放射される電力波をRFIDタグのアンテナで受け、前記RFIDタグに記憶されている物品情報を読み出してRFIDタグのアンテナからRFIDリーダライタの内部通信用アンテナに送信し、RFIDリーダライタの記憶部に記憶する物品識別機能付きケースにおいて、前記ケースの周壁に、ケースの外側から内側に向けて、耐衝撃性を有する薄い外装板、衝撃吸収性を有する外側断熱材、高断熱性を有するアルミ製真空断熱材、電波吸収性または電磁波遮断性を有するシールド材、そして内部通信用アンテナをこの順序で配置し、アルミ製真空断熱材と内部通信用アンテナとの間を、その間で電波の乱反射が生じない程度に隔てたことを特徴とする。
前記シールド材と前記内部通信用アンテナとの間に内側断熱材を備えることにより、前記アルミ製真空断熱材と前記内部通信用アンテナとの間に電波の乱反射が生じない距離を確保することが望ましい。
本発明の他側面は、他の態様として、ケースに、内部通信用アンテナと、外部通信用アンテナと、電源とを含むRFIDリーダライタを備え、物品情報を記録したパッシブ型RFIDタグが取り付けられた物品を前記RFIDタグのアンテナが前記内部通信用アンテナに対面するように収容することができ、前記RFIDリーダライタの内部通信用アンテナから放射される電力波を前記RFIDタグのアンテナで受け、前記RFIDタグに記憶されている物品情報を読み出して前記RFIDタグのアンテナから前記RFIDリーダライタのアンテナに送出し、前記RFIDリーダライタの記憶部に記憶する物品識別機能付きケースにおいて、前記ケースの周壁に、前記ケースの外側から内側に向けて、耐衝撃性を有する薄い外装板、衝撃吸収性を有する外側断熱材、高断熱性を有するアルミ製真空断熱材、電波吸収性または電磁波遮断性を有するシールド材をこの順序で配置するとともに、前記ケースの収容空間の高さ方向のほぼ中間に、前記内部通信用アンテナを実質的に水平状態に設置し、前記内部通信用アンテナの上側と下側に前記物品を収容する収容空間を形成したことを特徴とする。
上記物品識別機能付きケースには、ケースの本体の底部に通信機器収容ボックスを切り離し可能に設け、前記通信機器収容ボックスに前記内部通信用アンテナ以外の通信機器を収容することが望ましい。
ケースの内部通信用アンテナは、その表裏両面から電波を出し、かつ受ける。そのため、アルミ製真空断熱材と内部通信用アンテナとの間の距離が近すぎる(4mm未満)場合は、内部通信用アンテナの裏面から出された電波がアルミ製真空断熱材で反射され、内部通信用アンテナの裏面で受けられる。したがって、アルミ製真空断熱材と内部通信用アンテナとの間で電波の乱反射が発生し、その乱反射した電波が内部通信用アンテナの表面から出される電波(電力波)に基づいて物品のRFIDタグのアンテナから内部通信用アンテナ方向に放射される電波と混信し、RFIDタグから送信される物品情報の解読が困難または不可能になる。
しかし、請求項1に係る発明によれば、アルミ製真空断熱材と内部通信用アンテナとの間をその間で電波の乱反射が生じない程度に隔てたので、アルミ製真空断熱材と内部通信用アンテナとの間での電波の乱反射が発生しないか激減する。とくに、アルミ製真空断熱材と内部通信用アンテナとの間にシールド材が配置されるときは、アルミ製真空断熱材で反射される電波量が一層減るか、皆無になる。したがって、本発明による物品識別機能付きケースを用いれば、ケースに収容されている物品の識別欠落の発生を無くすことができる。
請求項2に係る発明によれば、アルミ製真空断熱材と内部通信用アンテナとの間に電波の乱反射が生じない距離を確保することが容易であるとともに、ケースの断熱性を一層高めることができる。
請求項3に係る発明によれば、ケースの収容空間の高さ方向のほぼ中間に、内部通信用アンテナを水平状態に設置するので、内部通信用アンテナの設置数を減すことができ、しかも、内部通信用アンテナよりも上側の収容空間及び下側の収容空間に収容されるいずれの物品のRFIDタグからも欠落なしに物品情報の読取りが可能である。このような物品識別機能付きケースは、輸血バッグや製剤の輸送用に好適である。
請求項4に係る発明によれば、ケースの重心が低くなるので、ケースを平面上に置いた場合の安定性が得られるとともに、通信機器収容部がケース本体から切り離しが可能であるので、通信機器の交換、保守などを容易に行うことができる。
本発明に係るケースを用いる物品輸送管理システムの構成の一例を示す概念図である。 図1のケースの一例を、蓋を本体から離して示す縦断面図である。 図2のケースの本体の横断面図である。 図2の円IV部分の詳細を示す拡大断面図である。 のV―V線断面図である。 図1のケースに備えられるRFIDリーダライタの構成の一例を示すブロック図である。 ケースと、その中に収容されるラックの一例を示す一部破断斜視図である。 図7のケースに収容されて輸送される物品の一例を示す斜視図である。 図8の物品に取付けられるRFIDタグの構成の一例を示すブロック図である。 ケースの対向する2対の内壁面にRFIDリーダライタの内部通信用アンテナが設けられている場合の物品のRFIDタグとRFIDリーダライタとの間の通信可能性を説明する図である。 本発明の実施の形態に係る物品輸送管理システムの動作の流れを説明するフローチャートである。 本発明の他の実施の形態を示す斜視図である。
続いて、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本発明に係るケースは、物品の出荷元で出荷される時から回収先で回収される時まで、ケースに収容して輸送される物品の物品情報の随時読取り・送信を可能にして、輸送途上の物品の存否、所在位置、安全性、保全性の確認および輸送中に発生した事故に対する迅速な対処を可能にする物品輸送管理システムの一構成要素として用いられる。
物品輸送管理システムは、図1に例示するように、出荷元で輸送対象である物品を収容し、輸送手段により回収先まで輸送されるケースであって、物品に取付けられたRFIDタグにアクセスして、そのタグに記憶されている物品情報などを常に読取って記憶するRFIDリーダライタを備えたケースAと、輸送者が携帯し、ケースAのRFIDリーダライタと交信してRFIDリーダライタに記憶されている物品情報などを読取って所定の送信先に送信する携帯端末Bと、その携帯端末Bから送信される物品情報などをインターネット等Cの電気通信回線を介して受信して、輸送対象物品の存否、所在位置、安全性、保全性の確認などの情報処理を行う出荷元の情報処理装置D及び回収先の情報処理装置Eとを含む。
ケースAは、図2にも例示するように、本体1と、その本体1の収容空間2の上面を密閉する蓋3とを有する。蓋3は、図示の例では、本体1に対して上下方向に開閉可能に取付けられている。しかし、蓋3の取付位置、開放方向は特に制限されない。物品の安全性確保のため、所定の鍵を用いないと蓋3を開けられないように錠4(図1)を備えることが望ましい。また、ケースAは、蓋3の上面に取付けられている取っ手5を持って、または、図示されていないベルトなどを肩に掛けて、水平状態で移動することができる。
図2、図3に示すように、ケースAの周壁、すなわち、本体1の4面の側壁1aと底壁1b、および蓋3の上壁3aと4面の側壁3bは、本発明に基づき、次のような構造を有する。すなわち、図4に示すように、ケースAの外面から内面に向けて、耐衝撃性と軽量性を有する薄い外装板6、たとえばウレタンフォームまたは発泡スチロールなどの衝撃吸収性を有する外側断熱材7、高断熱性を有するアルミ製真空断熱材8、電波吸収性または電磁波遮断性を有する既知のシールド材9、そしてRFIDリーダライタの内部通信用アンテナ10をこの順序で配置して構成され、アルミ製真空断熱材8と内部通信用アンテナ10との間の距離dが、アルミ製真空断熱材8と内部通信用アンテナ10との間に電波の乱反射が生じない距離、一例として4mm以上とされている。
シールド材9は、RFIDリーダライタ13(図2)の内部通信用アンテナ10がケースAに収容されている後記物品FのRFIDタグ15以外からの不要な電磁波(ノイズ)を受信することを避けるため、また、物品FのRFIDタグ15から出される電波のケースA外への漏出を防止するため、ケースAの本体1および蓋3の壁1a,1b,3a,3b中に設けられている。
図示の例では、シールド材9と内部通信用アンテナ10の間にウレタンフォームまたは発泡スチロールなどの内側断熱材11が設けられ、シールド材9が薄い場合に、この内側断熱材11を介在させることにより、アルミ製真空断熱材8と内部通信用アンテナ10との間の距離dを4mm以上に確保することを容易にしていると同時にケースAの断熱性をさらに高めている。しかし、シールド材9等により4mm以上の距離dが確保されるならば、内側断熱材11は必ずしも必要ではない。
薄い外装板6は、ケースの軽量化のため、軟質の樹脂板もしくは硬質樹脂シートであることが望ましいが、アルミニウムまたはステンレススチールなどの金属外装板でもよい。
図2に示すように、本体1の底部1cには、電気機器収容部12が設けられ、その中に図5に例示するようにRFIDリーダライタ13の主たる構成部材であるRFIDリーダライタ本体13a、電源、たとえばリチウムイオンバッテリー13b、制御部13c、主電源スイッチ13d、モバイル通信ルーター13e、GPSユニット13f等の内部通信用アンテナ10以外の通信機器が収容されている。
本体1の底部1cに電気機器収容部12を設けることで、ケースAの重心が低くなるので、ケースを平面上に置いた時の安定性が得られ、ケースへの物品の収容又はケースからの物品の取り出しを安全に行うことができる。
RFIDリーダライタ本体13aには、図6に例示するように、ケースAの内面に設けられた内部通信用アンテナ10とケースAの外面に設けられた外部通信用アンテナ14とが電気的に接続され、RFIDリーダライタ本体13aには演算制御部13aとデータ処理部13aとデータ記憶部13aが含まれている。また、制御部13cには電源・センサーコントローラ、RFIDリーダライタ通信コントローラーが含まれる。
内部通信用アンテナ10は、後述されるように、ケースAに収容される物品Fに取付けられているRFIDタグ15(図8参照)との間で無線通信(ブルートゥース(登録商標))を行なうためのアンテナであり、パッシブ型のRFIDタグ15に対して電力を供給するとともに、RFIDタグ15のアンテナから発信される電波を受信する。
また、内部通信用アンテナ10は、ケースAの本体1の少なくとも1つの内壁面に設けられていればよいが、物品Fが比較的細い円筒状または多角筒状である場合は、互いに対向する2対の内壁面に設けられる。そして、本体1の各側壁の中にカプラー調整部10a(図2,3)が設けられている。カプラー調整部10aはケースA内の全物品Fから物品情報を読み取るとき、制御部13cのコントロールを受けて4個の内部通信用アンテナ10を順次有効化させる。
演算制御部13aとデータ処理部13aとデータ記憶部13aは、複数の内部通信用アンテナ10を介して、ケースAに収容されている物品FのRFIDタグ15から受信した情報同士を比較し、同一のRFIDタグから複数の情報を読み取った場合は、最も明確な一つの情報のみを保持し、他の情報を消去する。
外部通信用アンテナ14は、RFIDリーダライタ13と輸送者が所持する携帯端末Bとの間で通信をするためのものである。外部通信用アンテナ14は、本体1の外側面に設けてもよいし、蓋3の上面に設けてもよい。
携帯端末Bには、無線送受信機能を有する携帯端末、たとえば、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末等を使用することができる。また、携帯端末Bとの間の通信は、外部通信用アンテナ14をコネクタに代えて、そのコネクタにUSBを結合して通信するようにしてもよい。
図7に例示するように、ケースAの本体1の収容空間2には、物品保持具であるラック16が収容され、収容空間2の底部上面に静置され、または固定される。ラック16は、上面に開口する穴16aを複数個有する。この穴16aには、物品Fの下部を挿入して直立状態に保持することができる。穴16aは、多数個をマトリックス状に配設することが好ましい。
RFIDタグ15は、図8に例示するように、ラベル15’に設けられ、そのRFIDタグ15が付けられたラベル(以下、RFIDタグ付きラベルという。)15’が物品Fの側面に貼り付けられる。また、RFIDタグ15は、図9に例示するように、アンテナ15aと、ICチップにより構成された制御部15bと記憶部15cとを有する。そして、RFIDタグ15の記憶部15cには、物品情報として、たとえば、出荷人名、物品の名称または種類、生産もしくは産出または製造日時、出荷日時、荷受人名などが記録される。
通常、RFIDタグ15には、出荷元に設置されているコンピュータで構成される情報処理装置Dから入力された情報に基づいて、その情報処理装置Dに接続されている既知のタグ記録装置(図示省略)により物品情報の記録が行われる。したがつて、RFIDタグ15に記録された物品情報は、出荷元の情報処理装置Dにも保存され、管理される。また、同じ物品情報は、ケースAの輸送開始前に、インターネットCのクラウドその他の電気通信回線を介して、ケースAの回収先に設置されているコンピュータで構成される情報処理装置Eに伝送され、管理される。
上記のようにして、出荷元に用意されたケースAに、それぞれ物品情報が記録されたRFIDタグ付きラベル15’が貼り付けられた物品Fを収容し終えた時は、ケースAの蓋3が密閉され、施錠される。したがって、ケースAの中の物品Fを輸送中の盗難、紛失、加害行為などから保護することができる。
ケースAの施錠に続き、RFIDリーダライタ13の主電源スイッチ13dをONすると、RFIDリーダライタ13が起動する。RFIDリーダライタ13では、制御部13cが物品情報読み取りプログラムを実行させる。まず、各カプラー調整部10aを介して4個の内部通信用アンテナ10を順次有効化させる。内部通信用アンテナ10は、それぞれケースAの収容空間2の1つの内壁面から対向する内壁面に向けて電力供給波を放射する。ケースAの収容空間2に直立状態で保持されている物品Fのうち、電力供給波の照射を受けるアンテナ15aを有する物品FのRFIDタグ15は、電力を発生するとともに、記録部15cに記録されている物品情報を読み出して、そのアンテナ15aからケースAのアンテナ15aに対向している内部通信用アンテナ10に物品情報を送信する。
図10は、ケースAの内部通信用アンテナ10〜10の配置位置と、ケースAの中に収容されたラックにRFIDタグ15がランダムな向きで直立状態で保持されている12個の物品F〜F12とを示している。1番目の物品FのRFIDタグ15は、その全面が内部通信用アンテナ10に対向しているので、そのRFIDタグ15は、内部通信用アンテナ10からの電力波をアンテナ15aで受信し、記録部11cから物品情報を読み出して内部通信用アンテナ10に送信する。すなわち、1番目の物品Fの物品情報は内部通信用アンテナ10を経てRFIDリーダライタ13に読み取られ、データ記憶部13aに格納される。
また、2番目の物品FのRFIDタグ15は、その全面が内部通信用アンテナ10側に対向しているので、そのRFIDタグ15は、内部通信用アンテナ10からの電力波をアンテナ15aで受信し、記録部15cから物品情報を読み出して内部通信用アンテナ10に送信する。すなわち、2番目の物品Fの物品情報は内部通信用アンテナ10を経てRFIDリーダライタ13に読み取られ、データ記憶部13aに格納される。
3番目の物品FのRFIDタグ15は内部通信用アンテナ10側に対向しているが、3番目の物品FのRFIDタグ15よりも内部通信用アンテナ10に近い位置に1番目の物品FのRFIDタグ15が全面的に内部通信用アンテナ10側に対向しているので、3番目の物品FのRFIDタグ15と内部通信用アンテナ10との間の電磁結合力が弱ぃ。これに対し、3番目の物品FのRFIDタグ15は一部が内部通信用アンテナ10にも対向していて、そのRFIDタグ15と内部通信用アンテナ10との間の電磁結合力が内部通信用アンテナ10との間の電磁結合力よりも強いので、3番目の物品Fの物品情報は内部通信用アンテナ10を経てRFIDリーダライタ13に読み取られ、データ記憶部13aに格納される
同様の原理で、他の物品F〜F12の物品情報は、各RFIDタグ15の向きにおいて最も強い電磁結合力が発生する内部信用アンテナ10〜10との間の通信によりRFIDリーダライタ13に読み取られ、データ記憶部13aに格納される。すなわち、内部信用アンテナ10〜10をケースAの4つの内壁面に設けたことにより、ケースAに収容された物品(RFIDタグ15)の向きに関わりなく、その物品情報の読み取りが可能であるという利点を有する。
また、RFIDリーダライタ13の作動時は、物品F〜F12のRFIDタグ15の内部信用アンテナ10〜10に対する向き、または内部信用アンテナ10〜10からの出力周波数や出力電圧によって、内部信用アンテナ10〜10と各RFIDタグ15のアンテナ15aの間の電磁結合力が弱くなる。そのため、ケースAの周壁を構成するアルミ製真空断熱材8と内部信用アンテナ10の距離が、たとえば4mm未満である場合は、RFIDリーダライタ13がRFIDタグ15の送信する物品情報を受信できない場合があることは既述した通りである。
しかし、本実施の形態においては、アルミ製真空断熱材8と内部信用アンテナ10の距離がたとえば4mm以上に設定されているため、アルミ製真空断熱材8と内部信用アンテナ10との間で電波の乱反射が生じないので、図10に例示するように各物品FのRFIDタグ15の向きがランダムでも、物品情報読み取り漏れが生じることがない。したがって、物品FをケースAに収容する際に、その物品FのRFIDタグ15の向きを一定方向に揃える必要がないので、物品収容能率を高くすることができる。
上記のように、RFIDリーダライタ13の主電源スイッチ13dをONすると、ケースA内の物品Fの物品情報が瞬時に読み取られ、データ記憶部13aに格納される。収容されている全ての物品Fからの物品情報の読み取りを終了したときは、ケースAの外面、たとえば、蓋3の上面に設けた表示手段(図示省略)により、読み取りが終了した事実と物品情報が読み取られた物品の数とを表示することが望ましい。
物品情報の読み取り終了に続き、RFIDリーダライタ13の演算制御部13aは、所定の携帯端末Bからのアクセス要求を待機する。輸送者が、所持する携帯端末Bを起動させると、携帯端末Bはたとえばブルートゥース(登録商標)によりケースAの外部通信用アンテナ14を経て予め定めてあるアドレスに宛てて通信回線を接続し、そのケースAのRFIDリーダライタ13と携帯端末Bとの間での通信(アクセス)を要求する。これに基づき、RFIDリーダライタ13の演算制御部13aは、データ記憶部13aに格納されているそのケースAの中の物品Fの物品情報を呼び出し、これを携帯端末Bに送信する。携帯端末Bは受信した物品情報を、インターネット等Cを介して所定の送信先、すなわちケースAの出荷元の情報処理装置Dおよび/または回収先の情報処理装置Eに送信する。
出荷元の情報処理装置Dは、受信した物品情報を先にRFIDタグ15に記録した物品情報と照合することにより、所定の物品Fが指示通り、ケースAに収容されたか否かを確認することが可能である。また、回収先の情報処理装置Bは、出荷時点に、すなわち、ケースAが回収先に到着する前に物品情報を受信するので、回収先はケースAが到着するまでの間に十分な時間的余裕をもって検品・分析などの準備を始めることが可能である。
また、ケースAが回収先に到着した時点にも、輸送者は、ケースAを開ける前に、所持する携帯端末Bを起動させ、そのケースAのRFIDリーダライタ13にアクセスして通信を行い、データ記憶部13aに格納されている物品情報を呼び出し、再びインターネット等Cを介して、出荷元の情報処理装置Dおよび回収先の情報処理装置Eに送信することができる。これにより、出荷元および回収先は、ケースAを開けずに、出荷時にケースAに収容された物品Fが確実に回収先に届いたか否かを確認することができる。
図11は、上記物品輸送管理システムの基本的な動作の流れの一例を示すフローチャートである。ステップS1においてケースAを用意する。ステップS2において出荷元の情報処理装置Dを用いて物品情報を記録したRFIDタグ付きラベル15’を貼り付けた物品FをケースAに収容する。ステップS3においてケースAのRFIDリーダライタ13の制御部は、電源スイッチがONされたか、否かをチェックする。電源スイッチがONされた場合は、ステップS4においてRFIDリーダライタ13が物品FのRFIDタグ15から物品情報を読み取り、記録する。続いて、ステップS5において読み取りを終了したか否かをチェックし、終了した場合は、ステップS6において終了した旨を表示する。このとき、好ましくは物品情報を読み取った物品の数を表示する。その後、ステップS7において所定の携帯端末Bからアクセス要求があったか否かをチェックする。アクセス要求があった場合は、ステップS8においてRFIDリーダライタ13がRFIDタグ15から読み取って記録した物品情報を携帯端末Bに送信する。したがって、図11のフローチャートには表れていないが、携帯端末Bはその物品情報を出荷元および/または回収先に送信する。RFIDリーダライタ13が携帯端末Bに送信した後は、ステップS9においてRFIDリーダライタ13の電源スイッチがOFFされたか否かをチェックする。OFFされていない場合は、ステップS7に戻る。これに対して、電源スイッチがOFFされた場合は、ステップS10において待機し、ステップS3に移行する。
ケースAの輸送途中で、万一、ケースAに何らかの衝撃が加わった場合、その衝撃がケースA内の物品に破損、漏れなどの影響を与えられた可能性があるときは、ケースA中の物品の保存状態を確認することが望ましい。このような場合は、輸送者は、ケースAを開けずに、携帯端末Bを起動させ、ケースAのRFIDリーダライタ13にアクセスして、再度、物品情報読み取りプログラムを実行させ、読み取りができた物品情報をデータ記憶部13aに記憶させ、携帯端末Bによりその読み取られた物品情報を出荷元の情報処理装置Aおよび/または回収先の情報処理装置Bに送信することができる。
携帯端末BがGPS(Global Positioning System)を有する場合は、好ましくは携帯端末Bが起動されるたびに、GPSにより現在地点情報を取得し、出荷元の情報処理装置Aおよび/または回収先の情報処理装置Bに送信する。
物品の破損の程度によっては、RFIDタグ15の物品情報の送信が不可能になる。したがって、出荷元および/または回収先で受信された情報の中にその物品情報が欠落していることから、所要の物品の到着不能が予測可能であるので、出荷元は迅速に物品の再生産等を行って輸送し直すことができる。あるいは、回収先が出荷元に対して物品の再生産等を速やかに要請することができる。
輸送される物品Fには、ケースA内の温度の上昇により品質が悪くなるものがある。検体、輸血、製剤、鮮魚、生鮮野菜、生菓子などはその一つである。そこで、このような物品の輸送に供されるケースAには、ケースAの収容空間内温度を一定の低い温度に保つ保温手段が備えられている。図2は、ケースAの蓋3に開閉可能な保冷剤収容部17aを形成し、その保冷剤収容部17aに保冷剤17bを交換可能に収容できるようにした物理的保温手段の例を示している。
物理的保温手段に代えて、既知の電気的保温手段を用いることもできる。電気的保温手段は、図示を省略したが、蓋3に設けられ、たとえば、電源としてのバッテリと、ペルチェ素子と、バッテリからペルチェ素子に与えられる電流を制御する制御基板と、ペルチェ素子の上下両側に配置され、それぞれ反対方向に送風するファンと、ファンに駆動電源を供給するバッテリとを有する。ペルチェ素子は、電源を与えられると、上面に温熱を発生し、下面に冷熱を発生する。そして、温熱はファンにより蓋3の外方に放散され、冷熱はファンによりケースAの収容空間2に流下される。
ケースAの収容空間2内の温度は、常に一定とは限らず、ケースAの外気温で変動する可能性がある。その変動を阻止するため、収容空間2内の温度を測定する温度センサ(図示省略)を設け、測定温度が設定温度からずれた場合は、制御基板の制御部がペルチェ素子に与える電流を測定温度が設定温度と等しくなるように制御する。
電気的保温手段に、何らかの故障、たとえばバッテリまたはペルチェ素子のいずれかに不具合が発生して、収容空間2内の温度が物品の品質等に影響を与える程度に上昇した場合に、その事実を検証できるようにするため、上記温度センサの測定温度を時系列的に記録しておくことが好ましい。
このような温度記録手段を備えた場合は、ケースAの輸送中または検査機関に到着後に、携帯端末Bによりその記録された測定温度を読み取り、出荷元または/および回収先の情報処理装置D,Eに送信して、記録内容から温度の異常上昇の有無、したがって、また、物品の品質悪化の有無を確認することができ、物品の保全性の確認に資することができる。
電気的保温手段には、加温手段と冷却手段の両方を備え、かつ、収容空間2内の測定温度がケースに収容される物品の保存適温よりも所定範囲以下に下がったとき、または所定範囲以上に上がった時に、それぞれ加温手段と冷却手段を作動させる制御部を備えることが望ましい。
収容される物品Fによっては、温度管理手段に加えて、または温度管理手段に代えて、加湿と除湿を行い、湿度を調整する湿度管理手段を設けてもよい。
[他の実施の形態]
物品Fには、上記円筒状のほか扁平な物がある。扁平な物品には、たとえば、輸血バッグや製剤バッグなどがあり、その上面にRFIDタグ付きラベル15’が貼り付けられる。図12は、扁平な物品の輸送用に作られたケースA'の一例を示す。
このケースA’は、正面に開閉される蓋3’を有し、その蓋3’ならびに本体1’の上下左右の壁1a’,1b’及び背面の壁は、既述されたケースAと同様に、ケースA’の外側から内側に向けて、耐衝撃性を有する薄い外装板、衝撃吸収性を有する外側断熱材、高断熱性を有するアルミ製真空断熱材、電波吸収性または電磁波遮断性を有するシールド材をこの順序で配置して構成されている。しかし、既述されたケースAとは異なって、図2,3の内部通信用アンテナ10〜10は備えられていない。また、各壁に図2,3のカプラー調整部10aが取付けられていない。
このケースA’には、収容空間2の高さのほぼ中間位置に1個の内部通信用アンテナ10がほぼ水平状態に取付けられ、収容空間2a,2bが内部通信用アンテナ10の上側と下側に2分されている。上下それぞれの収容空間2a,2bには、RFIDタグ付きラベルが貼り付けられた扁平な物品を、無作為に、または積み重ねた状態で収容することができる。
ケースA’の本体1’の底壁1b’の下側、すなわち、本体1’の底部には電子通信機器収容ボックス18が接続されている。このボックス18は、面ファスナー、ファスナー、またはボタン等を用いて、本体1’から切り離し可能に接続されていることが望ましい。
ボックス18を本体1’から切り離し可能にすることにより、収容されている通信機器の交換、保守などが必要になった時は、使用していたボックス18を分離して新ボックスを取り付け、旧ボックスをワークショップに移動して通信機器の交換、保守などを容易に行うことができる。
ボックス18内には、図5に例示されたRFIDリーダライタ13(RFIDリーダライタ本体13a、リチウムイオンバッテリー13b、制御部13c、主電源スイッチ13d、モバイル通信ルーター13e、GPSユニット13fが設けられ、制御部13cは内部通信用アンテナ10に電気的に接続されている。また、ボックス18の外側面にRFIDリーダライタの電源をON/OFFするためのボタン19と充電ジャック20が設けられている。
内部通信用アンテナ10と積み重ねて収容された全ての扁平な物品のRFIDタグとの間での通信を確実なものとするため、内部通信用アンテナ10からケースA’の上壁と下壁までの距離を20〜25cmとしてある。この距離は、内部通信用アンテナ10から発射される電波の出力値および周波数などにより変化する。実施例では、電波の出力値および周波数は、3W、13.56MHzであったが、全物品のRFIDタグから物品情報を欠落することなく読み取ることができた。
図12のケースA’において、蓋3’は、正面と背面のいずれか一方又は双方に開閉されるもの、左右いずれか一方又は双方に開閉されるものに変更してもよい。また、保温手段を付加することも任意である。
A ケース
1 ケースの本体
1a,1b ケースの周壁(本体部分の周壁)
2 ケースの収容空間
3 ケースの蓋
3a,3b ケースの周壁(蓋部分の周壁)
6 周壁の外装板
7 外側断熱材
8 アルミ製真空断熱材
9 シールド材
10 内部通信用アンテナ
11 内側断熱材
13 RFIDリーダライタ
14 外部通信用アンテナ
15 RFIDタグ
16 ラック
18 通信機器収容ボックス

Claims (4)

  1. ケースに、内部通信用アンテナと、外部通信用アンテナと、電源とを含むRFIDリーダライタを備え、物品情報を記録したパッシブ型RFIDタグが取り付けられた物品を前記RFIDタグのアンテナが前記内部通信用アンテナに対面するように収容することができ、前記RFIDリーダライタの内部通信用アンテナから放射される電力波を前記RFIDタグのアンテナで受け、前記RFIDタグに記憶されている物品情報を読み出して前記RFIDタグのアンテナから前記RFIDリーダライタのアンテナに送出し、前記RFIDリーダライタの記憶部に記憶する物品識別機能付きケースにおいて、
    前記ケースの周壁に、前記ケースの外側から内側に向けて、耐衝撃性を有する薄い外装板、衝撃吸収性を有する外側断熱材、高断熱性を有するアルミ製真空断熱材、電波吸収性または電磁波遮断性を有するシールド材、そして前記内部通信用アンテナをこの順序で配置し、
    前記アルミ製真空断熱材と前記内部通信用アンテナとの間を、その間で電波の乱反射が生じない程度に隔てた、
    ことを特徴とする物品識別機能付きケース。
  2. 請求項1記載の物品識別機能付きケースにおいて、
    記シールド材と前記内部通信用アンテナとの間に内側断熱材を備えることにより、前記アルミ製真空断熱材と前記内部通信用アンテナとの間に電波の乱反射が生じない距離を確保していることを特徴とする物品識別機能付きケース。
  3. ケースに、内部通信用アンテナと、外部通信用アンテナと、電源とを含むRFIDリーダライタを備え、物品情報を記録したパッシブ型RFIDタグが取り付けられた物品を前記RFIDタグのアンテナが前記内部通信用アンテナに対面するように収容することができ、前記RFIDリーダライタの内部通信用アンテナから放射される電力波を前記RFIDタグのアンテナで受け、前記RFIDタグに記憶されている物品情報を読み出して前記RFIDタグのアンテナから前記RFIDリーダライタのアンテナに送出し、前記RFIDリーダライタの記憶部に記憶する物品識別機能付きケースにおいて、
    前記ケースの周壁に、前記ケースの外側から内側に向けて、耐衝撃性を有する薄い外装板、衝撃吸収性を有する外側断熱材、高断熱性を有するアルミ製真空断熱材、電波吸収性または電磁波遮断性を有するシールド材をこの順序で配置するとともに、
    前記ケースの収容空間の高さ方向のほぼ中間に、前記内部通信用アンテナを水平に設置し、
    前記内部通信用アンテナの上側と下側に前記物品を収容する収容空間を形成した、
    ことを特徴とする物品識別機能付きケース。
  4. 請求項1、2または3のいずれか1項に記載の物品識別機能付きケースにおいて、
    前記ケースの本体の底部に通信機器収容ボックスを切り離し可能に設け、前記通信機器収容ボックスに前記内部通信用アンテナ以外の通信機器を収容したことを特徴とする物品識別機能付きケース。
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