以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。なお、以下では、パチンコ遊技機1を、単に、遊技機1という場合がある。
[パチンコ遊技機1の概略構成]
以下、図1〜図3を参照して、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機1の概略構成について説明する。なお、図1は、本発明の一実施形態に係る遊技機1の一例を示す概略正面図である。図2は、遊技機1に設けられた表示器4の一例を示す拡大図である。図3は、遊技機1の部分平面図である。
図1において、遊技機1は、例えば遊技者の操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたパチンコ遊技機である。この遊技機1は、遊技球が打ち出される遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材5とを備えている。枠部材5は、軸支側に設けられた蝶番を中心に、遊技機1の主部に対して開閉可能に構成されている。そして、枠部材5の前面側となる所定位置(例えば、軸支側とは反対側となる端部)には錠部43が設けられており、錠部43を開錠することによって枠部材5を開くことが可能となる。
遊技盤2は、その前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域20が形成されている。遊技領域20には、下方(発射装置211;図4参照)から発射された遊技球が遊技盤2の主面に沿って上昇して遊技領域20の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材(図示せず)と、上昇した遊技球を遊技領域20の右側に案内する案内部材(図示せず)とが備えられている。
また、遊技盤2には、遊技者により視認され易い位置に、各種演出のための画像を表示する画像表示部6が配設されている。画像表示部6は、遊技者による遊技の進行に応じて、例えば、装飾図柄を表示することによって特別図柄抽選(大当り抽選)の結果を遊技者に報知したり、キャラクタの登場やアイテムの出現等による予告演出を表示したり、特別図柄抽選が保留されている回数を示す保留画像を表示したりする。なお、画像表示部6は、液晶表示装置やEL(Electro Luminescence:電界発光)表示装置等によって構成されるが、他の任意の表示装置を利用してもよい。さらに、遊技盤2の前面には、各種の演出に用いられる可動役物7および盤ランプ8が設けられている。可動役物7は、遊技盤2に対して可動に構成され、遊技の進行に応じて又は遊技者の操作に応じて、所定の動作を行うことによって演出を行う。また、盤ランプ8は、遊技の進行に応じて発光することによって光による各種の演出を行う。
遊技領域20には、遊技球の落下方向を変化させる遊技くぎ及び風車(共に図示せず)等が配設されている。また、遊技領域20には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。なお、図1においては、入賞や抽選に関する種々の役物の一例として、第1始動口21、第2始動口22、ゲート25、第1大入賞口23、第2大入賞口51、V領域53、および普通入賞口24が遊技盤2に配設されている。さらに、遊技領域20には、遊技領域20に打ち出された遊技球のうち何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球を、遊技領域20の外に排出する排出口26が配設されている。
第1始動口21および第2始動口22は、それぞれ遊技球が入ると入賞して特別図柄抽選(大当り抽選)が始動する。第1始動口21は、予め定められた特別電動役物(第1大入賞口23、第2大入賞口51)および/または予め定められた特別図柄表示器(後述する第1特別図柄表示器4a)を作動させることとなる、遊技球の入賞に係る入賞口である。また、第2始動口22は、上記特別電動役物および/または予め定められた特別図柄表示器(後述する第2特別図柄表示器4b)を作動させることとなる、遊技球の入賞に係る入賞口である。ゲート25を遊技球が通過すると普通図柄抽選(下記の電動チューリップ27の開閉抽選)が始動する。なお、普通入賞口24に遊技球が入賞しても抽選は始動しない。
第2始動口22は、第1始動口21の右側に設けられ、普通電動役物の一例として、遊技球の入口近傍に電動チューリップ27を備えている。電動チューリップ27は、チューリップの花を模した一対の羽根部を有しており、後述する電動チューリップ開閉部112(例えば、電動ソレノイド)の駆動によって当該一対の羽根部が左右に開閉する。電動チューリップ27は、一対の羽根部が閉じていると(図1参照)、第2始動口22の入口へ案内される開口幅が極めて狭いため、遊技球が第2始動口22へ入らない閉状態となる。一方、電動チューリップ27は、一対の羽根部が左右に開くと(図示せず)、第2始動口22の入口へ案内される開口幅が拡大するため、遊技球が第2始動口22へ入り易い開状態となる。そして、電動チューリップ27は、ゲート25を遊技球が通過して普通図柄抽選に当選すると、一対の羽根部が規定時間(例えば、0.10秒間)開き、規定回数(例えば、1回)だけ開閉する。
第1大入賞口23は、第2始動口22の下方に位置し、特別図柄抽選の結果に応じて開放する。第1大入賞口23は、通常は閉状態であり遊技球が入ることがない状態となっているが、特別図柄抽選の結果に応じて遊技盤2の主面から突出傾斜して開状態となって遊技球が入り易い状態となる。例えば、第1大入賞口23は、所定条件(例えば、29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態となるラウンドを、所定回数(例えば、16回)だけ繰り返す。
第2大入賞口51は、遊技領域20の右側領域の第2始動口22の上方に位置し、特別図柄抽選の結果に応じて開放する。第2大入賞口51は、通常はハネ形状の開閉部材(以下、右ハネという)50が実線で示すように閉状態であり遊技球が入ることがない状態となっているが、特別図柄抽選の結果に応じて右ハネ50が点線で示すように開放して開状態となって遊技球が入り易い状態となる。例えば、第2大入賞口51は、所定条件(例えば、29.5秒経過または遊技球10個の入賞の条件、又は0.1秒経過または遊技球10個の入賞の条件)を満たすまで開状態となるラウンドを所定回数(例えば、1回)行う。
第2大入賞口51の内部には、図1に示すように、第2大入賞口51に入った遊技球が流下する空間があり、この空間には左側の流下経路と右側の流下経路とが設けられる。この右側の流下経路には、V領域(図1の「V」を記載した領域)53が設けられ、左側の流下経路と右側の流下経路との分岐部分にはV領域開閉部材(以下、Vハネという)52が設けられる。Vハネ52は、通常は実線で示すように右側の流下経路を閉塞する閉状態であり、遊技球が左側の流下経路のみを流下する状態となっている。そして、Vハネ52は、第2大入賞口51が開放してから所定時間経過後(例えば3秒後)に点線で示すように右側の流下経路を開放して左側の流下経路を閉塞する開状態となり、その後所定時間経過後(例えば6秒後)に上記した閉状態に戻る。つまり、Vハネ52が閉状態のときには、第2大入賞口51に入った遊技球は左側の流下経路を流下してV領域53を通過せず、Vハネ52が開状態のときには、第2大入賞口51に入った遊技球は右側の流下経路を流下してV領域53を通過することとなる。そして、第2大入賞口51に入った遊技球は、左側の流下経路又は右側の流下経路をした後に、領域54に入ることによって遊技領域20の外に排出される。なお、第2大入賞口51の入口部分(つまり、右ハネ50によって開閉される入口部分:図1参照)に第2大入賞口スイッチ117(図4参照)が配置されて、第2大入賞口51に遊技球が入った時点で第2大入賞口51に入賞したことが検出される。
また、遊技盤2の右下には、上述した特別図柄抽選や普通図柄抽選の結果や保留数に関する表示を行う表示器4が配設されている。表示器4の詳細については後述する。
ここで、賞球の払い出しについて説明する。第1始動口21、第2始動口22、第1大入賞口23、第2大入賞口51、および普通入賞口24に遊技球が入る(入賞する)と、遊技球が入賞した場所に応じて、1つの遊技球当たり規定個数の賞球が払い出される。例えば、第1始動口21および第2始動口22に遊技球が1個入賞すると3個の賞球、第1大入賞口23または第2大入賞口51に遊技球が1個入賞すると13個の賞球、普通入賞口24に遊技球が1個入賞すると10個の賞球がそれぞれ払い出される。なお、ゲート25を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは無い。
遊技機1の前面となる枠部材5には、ハンドル31、レバー32、停止ボタン33、取り出しボタン34、スピーカ35、枠ランプ36、演出ボタン37、演出キー38、および皿39等が設けられている。
遊技者がハンドル31に触れてレバー32を時計回りに回転させる操作を行うと、その操作角度に応じた打球力にて所定の時間間隔(例えば、1分間に100個)で、発射装置211(図4参照)が遊技球を電動発射する。皿39(図3参照)は、遊技機1の前方に突出して設けられ、発射装置211に供給される遊技球を一時的に溜めておく。また、皿39には、上述した賞球が払い出される。そして、皿39に溜められた遊技球は、遊技者のレバー32による操作と連動したタイミングで、供給装置(図示せず)によって1つずつ発射装置211に供給される。
停止ボタン33は、ハンドル31の下部側面に設けられ、ハンドル31に遊技者が触れてレバー32を時計回りに回転させている状態であっても、遊技者に押下されることによって遊技球の発射を一時的に停止させる。取り出しボタン34は、皿39が設けられた位置近傍の前面に設けられ、遊技者に押下されることによって皿39に溜まっている遊技球を箱(図示せず)に落下させる。
スピーカ35および枠ランプ36は、それぞれ遊技機1の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりする。スピーカ35は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行う。また、枠ランプ36は、点灯/点滅によるパターンや発光色の違い等によって光による各種の演出を行う。
次に、図2を参照して、遊技機1に設けられる表示器4について説明する。図2において、表示器4は、第1特別図柄表示器4a、第2特別図柄表示器4b、第1特別図柄保留表示器4c、第2特別図柄保留表示器4d、普通図柄表示器4e、普通図柄保留表示器4f、および遊技状態表示器4gを備えている。
第1特別図柄表示器4aは、第1始動口21に遊技球が入賞することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、第1特別図柄表示器4aは、7セグ表示装置で構成され、第1始動口21に遊技球が入賞した場合、特別図柄を変動表示した後に停止表示してその抽選結果を表示する。また、第2特別図柄表示器4bは、第2始動口22に遊技球が入賞することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、第2特別図柄表示器4bも同様に、7セグ表示装置で構成され、第2始動口22に遊技球が入賞した場合、特別図柄を変動表示した後に停止表示してその抽選結果を表示する。普通図柄表示器4eは、ゲート25を遊技球が通過することに対応して表示図柄が変動して表示される。例えば、普通図柄表示器4eは、LED表示装置で構成され、遊技球がゲート25を通過した場合、普通図柄を変動表示した後に停止表示してその抽選結果を表示する。
第1特別図柄保留表示器4cは、第1始動口21に遊技球が入賞した場合の特別図柄抽選を保留している回数を表示する。第2特別図柄保留表示器4dは、第2始動口22に遊技球が入賞した場合の特別図柄抽選を保留している回数を表示する。普通図柄保留表示器4fは、普通図柄抽選を保留している回数を表示する。例えば、第1特別図柄保留表示器4c、第2特別図柄保留表示器4d、および普通図柄保留表示器4fは、それぞれ列設されたLED表示装置で構成され、その点灯態様によって保留回数が表示される。
遊技状態表示器4gは、遊技機1の電源投入時点における遊技状態(時短状態等)を表示する。
次に、図3を参照して、遊技機1に設けられる入力装置について説明する。図3において、遊技機1には、入力装置の一例として、演出ボタン37および演出キー38が設けられている。
演出ボタン37および演出キー38は、それぞれ遊技者が演出に対する入力を行うために設けられている。演出ボタン37は、遊技機1の前方に突出した皿39の上面脇部に設けられる。演出キー38は、中央キーと略十字に配列された4つの方向キーとを有し、演出ボタン37に隣接して皿39の上面脇部に設けられる。演出ボタン37および演出キー38は、それぞれ遊技者に押下されることによって所定の演出が行われる。例えば、遊技者は、所定のタイミングで演出ボタン37を押下することによって所定の演出を楽しむことができる。また、遊技者は、演出キー38の4つの方向キーを操作することにより、画像表示部6に表示されている複数の画像のいずれかを選ぶこと等が可能である。また、遊技者は、演出キー38の中央キーを操作することにより、選んだ画像を情報として入力することが可能である。
また、遊技機1の背面側には、払出用の遊技球を溜めておく球タンクや遊技球を皿39に払い出す払出装置(払出駆動部311)が設けられ、各種の基板等が取り付けられている。例えば、遊技盤2の後面には、メイン基板およびサブ基板等が配設されている。具体的には、メイン基板には、内部抽選および当選の判定等を行うメイン制御部100(図4参照)が構成されたメイン制御基板が配設されている。サブ基板には、遊技球を遊技領域20の上部へ発射する発射装置211を制御する発射制御部200(図4参照)が構成された発射制御基板、賞球の払出を制御する払出制御部300が構成された払出制御基板、演出を統括的に制御する演出制御部400が構成された演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像音響制御部500が構成された画像制御基板、および各種のランプ(枠ランプ36、盤ランプ8)や可動役物7による演出を制御するランプ制御部600が構成されたランプ制御基板等が配設されている。また、遊技盤2の後面には、遊技機1の電源オン/オフを切り替えるとともに、遊技機1に供給された24V(ボルト)の交流電力を各種電圧の直流電力に変換して、それぞれの電圧の直流電力を上述した各種の基板等に出力するスイッチング電源が配設されている。
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
次に、図4を参照して、遊技機1における動作制御や信号処理を行う制御装置について説明する。なお、図4は、遊技機1に設けられた制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
図4において、遊技機1の制御装置は、メイン制御部100、発射制御部200、払出制御部300、演出制御部400、画像音響制御部500、およびランプ制御部600等を備えている。
メイン制御部100は、CPU(Central Processing Unit;中央処理装置)101、ROM(Read Only Memory)102、およびRAM(Random Access Memory)103を備えている。CPU101は、内部抽選および当選の判定等の払い出し賞球数に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM102には、CPU101により実行されるプログラムや各種データ等が記憶されている。RAM103は、CPU101の作業用メモリ等として用いられる。以下、メイン制御部100の主な機能について説明する。
メイン制御部100は、第1始動口21または第2始動口22に遊技球が入賞すると特別図柄抽選(大当り抽選)を行い、特別図柄抽選で当選したか否かを示す判定結果データを演出制御部400に送る。
メイン制御部100は、電動チューリップ27の羽根部が開状態となる開時間や羽根部が開閉する回数、さらには羽根部が開閉する開閉時間間隔を制御する。また、メイン制御部100は、遊技球が第1始動口21へ入賞したときの特別図柄抽選の実行保留回数、遊技球が第2始動口22へ入賞したときの特別図柄抽選の実行保留回数、および遊技球がゲート25を通過したときの普通図柄抽選の実行保留回数をそれぞれ管理し、これらの保留回数に関連するデータを演出制御部400に送る。
メイン制御部100は、特別図柄抽選の結果に応じて、第1大入賞口23や第2大入賞口51の開閉動作を制御する。例えば、メイン制御部100は、所定条件(例えば、29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで、第1大入賞口23が突出傾斜して開状態となるラウンドを所定回数(例えば16回)だけ繰り返すように制御する。また、例えば、メイン制御部100は、所定条件(例えば、29.5秒経過または遊技球10個の入賞の条件、あるいは0.1秒経過または遊技球10個の入賞の条件)を満たすまで、第2大入賞口51が開状態となるラウンドを所定回数(例えば1回)行うように制御する。また、メイン制御部100は、第1大入賞口23および第2大入賞口51が開閉する開閉時間間隔(インターバル時間)を制御する。
メイン制御部100は、第2大入賞口51内部の設けられたVハネ52の姿勢を制御してV領域53の開状態及び閉状態を制御する(図1参照)。また、メイン制御部100は、V領域53を遊技球が通過したことを検出する。
メイン制御部100は、遊技の進行に応じて遊技状態を変化させ、又、遊技の進行に応じて、特別図柄抽選の当選確率、特別図柄抽選の実行間隔(特別図柄が表示器4に変動表示されて停止表示される時間と言ってもよい)、電動チューリップ27の開閉動作等を変化させる。
メイン制御部100は、第1始動口21、第2始動口22、第1大入賞口23、第2大入賞口51および普通入賞口24に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように払出制御部300に対して指示する。なお、メイン制御部100は、ゲート25を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しを払出制御部300に指示しない。払出制御部300がメイン制御部100の指示に応じて賞球の払い出しを行った場合、払出制御部300から払い出した賞球の個数に関する情報がメイン制御部100へ送られる。そして、メイン制御部100は、払出制御部300から取得した情報に基づいて、払い出した賞球の個数を管理する。
上述した機能を実現するために、メイン制御部100には、第1始動口スイッチ111a、第2始動口スイッチ111b、電動チューリップ開閉部112、ゲートスイッチ113、第1大入賞口スイッチ114、第1大入賞口開閉部115、第2大入賞口スイッチ117、第2大入賞口開閉部118、V領域スイッチ119、V領域開閉部120、普通入賞口スイッチ116、表示器4(第1特別図柄表示器4a、第2特別図柄表示器4b、第1特別図柄保留表示器4c、第2特別図柄保留表示器4d、普通図柄表示器4e、普通図柄保留表示器4f、および遊技状態表示器4g)が接続されている。
第1始動口スイッチ111aは、第1始動口21へ遊技球が入賞したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。第2始動口スイッチ111bは、第2始動口22へ遊技球が入賞したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。電動チューリップ開閉部112は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、電動チューリップ27の一対の羽根部を開閉する。ゲートスイッチ113は、ゲート25を遊技球が通過したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。第1大入賞口スイッチ114は、第1大入賞口23へ遊技球が入賞したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。第1大入賞口開閉部115は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、第1大入賞口23を開閉する。第2大入賞口スイッチ117は、第2大入賞口51へ遊技球が入賞したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。第2大入賞口開閉部118は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、右ハネ50の姿勢を変化させて第2大入賞口51を開閉する。V領域スイッチ119は、V領域53を遊技球が通過したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。V領域開閉部120は、メイン制御部100から送られる制御信号に応じて、Vハネ52の姿勢を変化させてV領域53への流下経路を開閉する。普通入賞口スイッチ116は、普通入賞口24へ遊技球が入賞したことに応じた信号をメイン制御部100へ送る。
[本実施形態のスイッチ処理について]
以下では、本実施形態のスイッチ処理(遊技球通過判定処理)について、具体的に説明する。なお、この遊技球通過判定処理は、上記した第1始動口21、第2始動口22、ゲート25、第1大入賞口23、第2大入賞口51、V領域53等に遊技球が入球(又は通過)したことを判定する場合に限らず、例えば、払い出した賞球(賞球数)を払出制御部300が判定(カウント)する場合等にも実行される。
図5は、上記した第1始動口21等への遊技球入賞(通過)を検出するための第1始動口スイッチ111a等として設置される近接スイッチの出力信号の例、および、この出力信号を通過判定閾値(5V)を用いてONレベルとOFFレベルとに2値化した2値化信号の例について説明するための図である。なお、近接スイッチは、一例として、長方形のプレートに遊技球が通過する円形の貫通孔を有しており、この貫通孔を遊技球が通過する際の磁束の変化に対応した電圧の出力信号を出力する直流2線式電子スイッチである。図5の点線で示すように、近接スイッチの出力信号の電圧レベルは、遊技球が貫通孔の中心に近づくにつれて降下していき、遊技球が貫通孔の中心に達する辺りで最小(極小)となり、遊技球が貫通孔の中心を通り過ぎて離れるにつれて上昇していく。また、図5に示すように、近接スイッチの出力信号は、コンパレータ(図示なし)によって、電圧レベルが通過判定閾値(5V)よりも大きいときには2値化信号のOFFレベルに変換され、電圧レベルが通過判定閾値(5V)以下のときには2値化信号のONレベルに変換される。なお、図5の例では、判定に用いる通過判定閾値を1つの通過判定閾値(5V)として説明したが、例えば、OFFレベルからONレベルに切り替わる際には第1の通過判定閾値(5V)を用いる一方で、ONレベルからOFFレベルに切り替わる際には第2の通過判定閾値(6V)を用いる構成としてもよい。これにより、ノイズの影響等で通過判定閾値を跨いで近接スイッチの出力信号が上下することによって2値化信号が不適切にON/OFF間で行き来することを防止できる。
そして、図8を用いて後述するメイン制御部100により4ミリ秒(4ms)間隔で実行されるタイマ割り込み処理における各処理の一部として、図5に示す2値化信号を4ミリ秒間隔でON/OFF判定することによって、遊技球の通過判定を行う。以下、具体的に説明する。
図5に示すように、2値化信号に対して、ONレベルであるのかOFFレベルであるのかが4ミリ秒間隔で判定(ON/OFF判定)される。図5では、自然数nを用いて、ON/OFF判定の順番を表している。また、図5では、n−2回目からn回目のON/OFF判定によってOFFレベルと判定され、その後、n+1回目のON/OFF判定によってONレベルと判定されている。ここで、本実施形態では、ONレベルと判定された場合には、このONレベルと判定したON/OFF判定の処理において、4ミリ秒間隔よりも短い所定の微小時間(例えば4マイクロ秒)が経過したタイミングで2回目のON/OFF判定を実行する。図5では、n+1回目のタイマ割り込み処理におけるON/OFF判定で2回ともONレベルと判定されている。その後、n+2回目からn+4回目のON/OFF判定によってOFFレベルと判定されている。なお、2値化信号のONレベルの期間(ON期間という)が図5の場合よりも長く(つまり、遊技球が図5の場合よりも遅い速度で通過して)例えばn+2回目のON/OFF判定もON期間に実行される場合には、n+2回目のON/OFF判定においても2回の判定を実行する。
本実施形態では、図5に示すように、n回目のON/OFF判定によってOFFレベルと判定されて、n+1回目のON/OFF判定によって2回ONレベルと判定されると、近接スイッチの貫通孔を遊技球が1つ通過したと判定する。なお、これらのON/OFF判定は、例えば第1始動口スイッチ111aとして設置された近接スイッチに対しては、メイン制御部100(より正確にはCPU101)が実行し、例えば払出制御部300に接続された遊技球の払い出し数を検出するための近接スイッチに対しては、払出制御部300(より正確にはCPU301)が実行する(図4参照)。
ここで、図5に示すn+1回目のON/OFF判定における上記した所定の微小時間(例えば4マイクロ秒)は、遊技球通過判定の演算処理を実行するためのソフトウエアのプログラミング内容によって予め設定される。つまり、上記した所定の微小時間は、このプログラミング内容によって任意な時間に設定できる可変時間である。遊技機1には微細周期のノイズ(例えば3〜15マイクロ秒周期のノイズ)が発生する場合があり、このノイズの周期は、遊技機の機種に或る程度依存している。例えば、或る機種の遊技機には5マイクロ秒周期のノイズが発生し易く、或る機種の遊技機には9マイクロ秒周期のノイズが発生し易い。そこで、本実施形態では、上記した所定の微小時間をプログラミング内容によって任意な時間に設定できる構成とすることによって、微細周期のノイズによる誤判定を有効に回避することができる。なお、上記した所定の微小時間を設けるための演算処理は、遊技進行には関係しない処理であって時間を稼ぐためだけの処理である。例えば、1マイクロ秒の時間を要する処理を4回繰り返すことによって、上記した所定の微小時間として4マイクロ秒をソフト的に設けることができる。
ところで、近年の遊技機では、演算処理内容の増大により演算処理の負荷が増大したために、以前の遊技機では2ミリ秒であったタイマ割り込み処理の実行間隔は4ミリ秒に延長され、このため、図5を用いて説明したように、近接スイッチを用いたON/OFF判定も2ミリ秒間隔から延長されて4ミリ秒間隔で実行される。
ここで、以前の遊技機は、n回目のON/OFF判定でOFFレベルと判定してn+1回目のON/OFF判定でONレベルと判定してn+2回目のON/OFF判定でONレベルと判定したことをもって1つの遊技球が通過したと判定していた(以下、「以前の判定方法」という)。つまり、3回のタイマ割り込み処理による3回のON/OFF判定によって遊技球通過を判定していた。なお、このようにn+1回目およびn+2回目でONレベルと判定するのは、ノイズにより偶然ONレベルと1回判定されたことによって遊技球が通過したと誤判定することを回避するためである。しかしながら、ON/OFF判定の間隔が4ミリ秒間隔に延長された近年の遊技機においては、上記した以前の判定方法では、速い速度で通過する遊技球の通過を判定することはできない。例えば、図5に示すような2値化信号のONレベルの期間(ON期間)が非常に短くなる(例えば7ミリ秒前後)ほど、速い速度で通過する遊技球の通過を判定することは困難となってしまう。そこで、本実施形態では、図5を用いて説明した判定方法により、1つの遊技球が通過したと判定する。このことから、本実施形態によれば、2回のタイマ割り込み処理によるON/OFF判定によって、ノイズによる誤判定を防止しつつ確実に遊技球通過を判定することができる。
ところで、遊技機1には、遊技機1への電源供給が遮断されたことを検知するための電源監視回路、近接スイッチの配線が断線したことを検知するための断線検知回路、および近接スイッチの配線が短絡(ショート)したことを検知するための短絡検知回路等の異常検知回路(何れも図示なし)が設けられている。これらの異常検知回路は、異常発生を判定するための閾値(異常判定レベル)を、図5に示した通過判定閾値(5V)よりも高い電圧レベルに設けることによって、断線、電源遮断、又は短絡により近接スイッチの出力信号の電圧が低下した場合に、この出力信号の電圧が通過判定閾値まで降下する前に異常を判定して、遊技球が通過したと誤判定することを防止している。このように、通過判定閾値よりも高い電圧レベルに異常判定レベルを設けているため、通過判定閾値を高い値(例えば10V)にすることによってON期間を長く取ることは困難である(図5参照)。この結果として、遊技機1において、出力信号のON期間を長く取って、上記した以前の判定方法を用いて遊技球通過を判定することは、現実的ではない。
なお、以上に説明したスイッチ処理において、ON判定されたタイマ割り込み処理の後に実行されるON判定されるタイマ割り込み処理においては、2回目のON/OFF判定は行わない構成としてもよい。
また、以上に説明したスイッチ処理において、2値化信号がONからOFFに切り替わるところを検出して遊技球の通過を判定する構成としてもよい。つまり、図5において、n+1回目のタイマ割り込み処理で2回ON判定してn+2回目のタイマ割り込み処理でOFF判定したことを持って1つの遊技球が通過したと判定してもよい。
また、以上に説明したスイッチ処理において、1回のタイマ割り込み処理(ON検出)において、3回以上ON/OFF判定を行ってもよいし、又、1回のタイマ割り込み処理(OFF検出)において、2回以上ON/OFF判定を行ってもよい。
また、以上に説明したスイッチ処理において、近接スイッチの出力信号(アナログ信号)を2値化信号(デジタル信号)に変換することなく遊技球通過判定を行う構成としてもよい。つまり、近接スイッチの出力信号(アナログ信号)に対して通過判定閾値(5V)以下か否かを判定することによって、遊技球通過判定を行ってもよい。
また、以上に説明したスイッチ処理において、近接スイッチの出力信号は、遊技球非検出時には低電圧レベルであり遊技球検出時に高電圧レベルになる出力信号であり、この出力信号を反転させる信号反転手段によりこの出力信号を反転させて図5の点線で示すような信号に変換する構成としてもよい。
また、以上に説明したスイッチ処理において、近接スイッチ自身がアナログ信号を2値化信号に変換して出力する構成を備えて、近接スイッチから2値化信号が出力される構成としてもよい。
以上で、本実施形態のスイッチ処理(遊技球通過判定処理)についての説明を終了し、説明は図4に戻る。
また、メイン制御部100は、第1始動口21への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選(以下、第1特別図柄抽選という場合がある)の結果を、第1特別図柄表示器4aに表示する。メイン制御部100は、第2始動口22への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選(以下、第2特別図柄抽選という場合がある)の結果を、第2特別図柄表示器4bに表示する。メイン制御部100は、第1特別図柄抽選を保留している保留回数を、第1特別図柄保留表示器4cに表示する。メイン制御部100は、第2特別図柄抽選を保留している保留回数を、第2特別図柄保留表示器4dに表示する。メイン制御部100は、ゲート25への遊技球の通過により始動した普通図柄抽選の結果を、普通図柄表示器4eに表示する。メイン制御部100は、普通図柄抽選を保留している保留回数を、普通図柄保留表示器4fに表示する。また、メイン制御部100は、遊技機1の電源投入時にその時点の遊技状態を遊技状態表示器4gに表示する。
発射制御部200は、CPU201、ROM202、およびRAM203を備えている。CPU201は、発射装置211に関連する各種制御を行う際の演算処理を行う。ROM202は、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM203は、CPU201の作業用メモリ等として用いられる。
レバー32は、その位置が中立位置にある場合、信号を出力せずに発射停止状態となる。そして、レバー32は、遊技者によって時計回りに回転操作されると、その回転角度に応じた信号を打球発射指令信号として発射制御部200に出力する。発射制御部200は、打球発射指令信号に基づいて、発射装置211の発射動作を制御する。例えば、発射制御部200は、レバー32の回転角度が増すほど、遊技球が発射される速度が速くなるように、発射装置211の動作を制御する。発射制御部200は、停止ボタン33が押下された信号が出力された場合、発射装置211が遊技球を発射する動作を停止させる。
払出制御部300は、CPU301、ROM302、およびRAM303を備えている。CPU301は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行う。ROM302は、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM303は、CPU301の作業用メモリ等として用いられる。
払出制御部300は、メイン制御部100から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。具体的には、払出制御部300は、メイン制御部100から、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部311を制御する。ここで、払出駆動部311は、遊技球の貯留部(球タンク)から遊技球を送り出す駆動モータ等で構成される。
演出制御部400は、CPU401、ROM402、RAM403、およびRTC(リアルタイムクロック)404を備えている。また、演出制御部400には、遊技者によって操作される演出キー38が接続され、演出制御部400は、遊技者による演出キー38の操作に応じて演出キー38から出力される操作データを取得する。また、演出制御部400は、ランプ制御部600を介して演出ボタン37から出力される操作データを取得する。CPU401は、演出を制御する際の演算処理を行う。ROM402は、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM403は、CPU401の作業用メモリ等として用いられる。RTC404は、現時点の日時を計測する。
演出制御部400は、メイン制御部100から送られる特別図柄抽選結果等を示すデータに基づいて、演出内容を設定する。また、演出制御部400は、遊技者によって演出ボタン37または演出キー38が押下操作された場合、当該操作入力や検出結果に応じて演出内容を設定する場合もある。
画像音響制御部500は、CPU501、ROM502、およびRAM503を備えている。CPU501は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行う。ROM502は、CPU501にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM503は、CPU501の作業用メモリ等として用いられる。
画像音響制御部500は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、画像表示部6に表示する画像およびスピーカ35から出力する音響を制御する。具体的には、画像音響制御部500のROM502には、特別図柄抽選結果を報知等するための装飾図柄画像、予告演出や先読み予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等の画像、特別図柄抽選が保留されていることを示す保留画像、および各種背景画像等を、画像表示部6に表示するための画像データが記憶されている。また、画像音響制御部500のROM502には、画像表示部6に表示される画像と同期させて、または表示される画像とは独立に、スピーカ35から出力させる楽曲や音声等の各種音響データが記憶されている。画像音響制御部500のCPU501は、ROM502に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU501は、読み出した画像データを用いて、背景画像表示、装飾図柄画像表示、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理を行って、演出制御部400から送られたコマンドに対応した各種演出表示を行う。そして、CPU501は、画像処理された画像データが示す画像を画像表示部6に表示する。また、CPU501は、読み出した音響データを用いて音声処理を行い、音声処理された音響データが示す音響をスピーカ35から出力する。
ランプ制御部600は、CPU601、ROM602、およびRAM603を備えている。CPU601は、盤ランプ8や枠ランプ36の発光、および可動役物7の動作を制御する際の演算処理を行う。ROM602は、CPU601にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。RAM603は、CPU601の作業用メモリ等として用いられる。
ランプ制御部600は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ8や枠ランプ36の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、ランプ制御部600は、演出制御部400から送られたコマンドに基づいて、可動役物7の動作を制御する。具体的には、ランプ制御部600のROM602には、演出制御部400により設定される演出内容に応じた盤ランプ8や枠ランプ36での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU601は、ROM602に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU601は、読み出した発光パターンデータに基づいて、盤ランプ8や枠ランプ36の発光を制御する。また、ROM602には、演出制御部400により設定される演出内容に応じた可動役物7の動作パターンデータが記憶されている。CPU601は、ROM602に記憶された動作パターンデータの中から、演出制御部400から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、CPU601は、読み出した動作パターンデータに基づいて、可動役物7の動作を制御する。
また、ランプ制御部600には、遊技者によって操作される演出ボタン37が接続され、ランプ制御部600は、遊技者による演出ボタン37の操作に応じて演出ボタン37から出力される操作データを取得して、当該操作データを演出制御部400に伝達する。
なお、演出制御部400は、ランプ制御部600から伝達される演出ボタン37の操作データ、および演出キー38から出力された操作データに基づいて、画像音響制御部500に対して、演出ボタン37および演出キー38の操作状態を通知する。ここで、演出ボタン37および演出キー38の操作状態とは、操作が行われているか否かや、どのような操作が行われているか(例えば、演出ボタン37の長押しや、演出キー38左方向キーの押下)等を含む情報である。したがって、例えば演出ボタン37が遊技者によって操作された場合、ランプ制御部600によって検出された演出ボタン37の操作状態が、演出制御部400を介して画像音響制御部500に伝達される。このため、画像音響制御部500は、演出制御部400から伝達される演出ボタン37の操作状態に基づいて、演出内容を変化させることもできる。
[本実施形態における遊技状態の概要]
次に、本実施形態における遊技機1の遊技状態について説明する。遊技機1の遊技状態としては、高確状態、低確状態、電サポ状態、非電サポ状態、時短状態、非時短状態、大当り遊技状態が少なくとも存在する。低確状態は、特別図柄抽選の当選確率が通常の低確率(例えば1/400)に設定されている遊技状態であり、高確状態は、特別図柄抽選の当選確率が、低確状態よりも高確率(例えば1/100)に設定されている遊技状態である。非電サポ状態は、普通図柄抽選の当選確率が通常の低確率(例えば1/10)であり、かつ普通図柄抽選に当選した場合であっても電動チューリップ27が短時間(例えば0.10秒間を1回)しか開放制御されない遊技状態であり、このため、第2始動口22に遊技球が入球し難い遊技状態である。電サポ状態は、普通図柄抽選の当選確率が非電サポ状態よりも高確率(例えば10/10)であり、かつ普通図柄抽選に当選した場合に電動チューリップ27が長時間(例えば2.00秒間を3回)開放されるように制御される遊技状態であり、このため、電動チューリップ27が頻繁に長時間開放されて第2始動口22に遊技球が頻繁に入球(入賞)し易くなる遊技状態である。非時短状態とは、特別図柄抽選の実行時間が通常の所定時間である遊技状態であり、時短状態とは、特別図柄抽選の実行時間が、非時短状態よりも短縮される遊技状態である。大当り遊技状態とは、特別図柄抽選に当選して(大当りして)第1大入賞口23等が開放される大当り遊技が実行されている遊技状態である。なお、本実施形態においては、電サポ状態と時短状態とは同時に制御されるものとするが、この遊技状態においては、第2始動口22へ遊技球が入賞し易くなることにより遊技球が殆ど減ることなく、かつ短時間で多数の特別図柄抽選を実行できることとなる。また、以下では、低確状態かつ非電サポ状態かつ非時短状態に制御される遊技状態を通常遊技状態といい、高確状態かつ電サポ状態かつ時短状態に制御される遊技状態を確変遊技状態といい、低確状態かつ電サポ状態かつ時短状態を時短遊技状態という。なお、本実施形態では、高確状態かつ非電サポ状態かつ非時短状態に制御される遊技状態である潜伏遊技状態は設けていない。
[本実施形態における大当り遊技の概要]
次に、本実施形態における特別図柄抽選の大当り遊技の概要について、図6を参照して説明する。図6は、本実施形態に係る特別図柄抽選の大当り内訳の一例を説明するための図である。図6の(1)は、第1始動口21への遊技球入賞による特別図柄抽選の大当り内訳を示し、図6の(2)は、第2始動口22への遊技球入賞による特別図柄抽選の大当り内訳を示す。図6の(1)に示すように、第1始動口21への遊技球入賞による特別図柄抽選の大当り内訳は、大当りAの当選確率が55%であり、大当りBの当選確率が45%である。また、図6の(2)に示すように、第2始動口22への遊技球入賞による特別図柄抽選の大当り内訳は、大当りCの当選確率が80%であり、大当りDの当選確率が20%である。以下に、図6の(3)および図7を参照して、各大当りA〜Dに当選した場合の大当り遊技について説明する。
図7は、本実施形態に係る大当りAおよび大当りBに当選した場合の大当り遊技の一例を説明するための図であり、各大当りに当選した場合に実行される大当り遊技中の第1大入賞口23と第2大入賞口51とV領域53の開放タイミング及び閉鎖タイミングを示している。
まず、図7の(1)を用いて、大当りAに当選した場合の大当り遊技について説明する。大当り遊技が開始すると、所定のオープニング時間の経過後、第1大入賞口23が閉状態から開状態にされて1ラウンド(以下、単に「R」と記載する場合がある)目のラウンド遊技が開始される。1R目のラウンド遊技において、第1大入賞口23に遊技球が10個入賞するか開放時間が29.5秒経過すると、第1大入賞口23が開状態から閉状態にされて1R目のラウンド遊技が終了される。その後、ラウンドとラウンドとの間のインターバル期間(例えば2秒間)が設けられた後に、1R目と同様に第1大入賞口23が開放されてから2R目のラウンド遊技が開始され、第1大入賞口23が閉鎖されて2R目のラウンド遊技が終了する。同様に、インターバル期間(2秒間)を挟んで第1大入賞口23の開閉によって3R目のラウンド遊技が実行される。そして、3R目のラウンド遊技の終了後、インターバル期間(例えば、それまでの2秒間よりも長い5秒間)が設けられた後に、第2大入賞口51が閉状態から開状態にされて4R目のラウンド遊技が開始される。4R目のラウンド遊技において、第2大入賞口51に遊技球が10個入賞するか開放時間が29.5秒経過すると、第2大入賞口51が開状態から閉状態にされて4R目のラウンド遊技が終了される。ここで、V領域53は、第2大入賞口51が開状態にされてから(4R目のラウンド遊技が開始されてから)3秒後に閉状態から開状態にされ、所定時間(例えば8秒間)開放される。このことから、大当り遊技の4R目のラウンド遊技において、第2大入賞口51に入った遊技球が1つ以上V領域53を通過することが可能となる。そして、V領域53を遊技球が通過することを条件に、大当り遊技後の遊技状態が高確状態に制御され、より具体的には、大当り遊技が終了してから150回転終了するまで(つまり、特別図柄抽選が150回実行されて表示器4に特別図柄が150回変動されてから停止表示されるまで)の間確変遊技状態に制御され、その後通常遊技状態に制御されることとなる。なお、4R目のラウンド遊技において遊技球の打ち出しを行わなかった等の理由により、V領域53に1つも遊技球が通過しなかった場合には、大当り遊技後の遊技状態は低確状態に制御される。ただし、このような場合には、大当り遊技が終了してから100回転終了するまでの間時短遊技状態に制御され、その後通常遊技状態に制御されることとなる。4R目のラウンド遊技が終了されると、インターバル期間(例えば2秒間)を挟んで第1大入賞口23の開閉によって5R目のラウンド遊技が実行され、以後同様に、6R目〜9R目のラウンド遊技が実行される。そして、所定のエンディング時間が経過すると大当り遊技が終了し、その後、前述したように、4R目においてV領域53を遊技球が通過したことにより確変遊技状態に制御される。
次に、図7の(2)を用いて、大当りBに当選した場合の大当り遊技について説明する。大当り遊技が開始すると、大当りAに当選した場合の大当り遊技と同様に、所定のオープニング時間の経過後、1R目〜3R目のラウンド遊技が開始される。そして、3R目のラウンド遊技の終了後、インターバル期間(例えば、それまでの2秒間と同じ2秒間)が設けられた後に、第2大入賞口51が閉状態から開状態にされて4R目のラウンド遊技が開始される。ただし、この大当りBに当選した場合の大当り遊技における4R目のラウンド遊技は、大当りAに当選した場合の大当り遊技における4R目のラウンド遊技とは異なる。具体的には、大当りBに当選した場合の大当り遊技における4R目のラウンド遊技においては、開放時間が0.1秒経過すると、第2大入賞口51が開状態から閉状態にされて4R目のラウンド遊技が終了される。つまり、大当りBに当選した場合の大当り遊技の4R目のラウンド遊技において、第2大入賞口51は瞬間的に開放され、このことから遊技球が第2大入賞口51に入ることは殆どない。ここで、V領域53は、大当りAに当選した場合の大当り遊技と同様に、第2大入賞口51が開状態にされてから(4R目のラウンド遊技が開始されてから)3秒後に閉状態から開状態にされ、所定時間(例えば1秒間)開放される。つまり、大当りBに当選した場合の大当り遊技において、V領域53は、第2大入賞口51が閉状態になってから2.9秒後に開状態にされる。また、第2大入賞口51の構造から、0.1秒間の開放期間内に第2大入賞口51に遊技球が入ったとしても当該遊技球が第2大入賞口51の内部で2.9秒も滞留することは通常あり得ず、そのため、当該遊技球がV領域53を通過することは通常あり得ない仕組みとなっている。そして、V領域53を遊技球が通過しないので、大当り遊技後の遊技状態は低確状態に制御され、より具体的には、大当り遊技が終了してから100回転終了するまでの間時短遊技状態に制御され、その後通常遊技状態に制御されることとなる。4R目のラウンド遊技が終了されると、V領域53が閉状態にされてから所定時間(例えば5秒間)経過後に、5R目以降のラウンド遊技が開始される。具体的には、大当りAに当選した場合の大当り遊技と同様に、第1大入賞口23の開閉によって5R目〜9R目のラウンド遊技が実行される。そして、所定のエンディング時間が経過すると大当り遊技が終了し、その後、前述したように、4R目においてV領域53を遊技球が通過しなかったことにより時短遊技状態に制御される。
なお、大当りC、大当りDに当選した場合の大当り遊技については、図示しないが、ラウンド数が異なることを除いて大当りAに当選した場合の大当り遊技と同様である。具体的には、大当りCに当選した場合の大当り遊技は、1R目〜9R目までは大当りAに当選した場合のラウンド遊技と同様であり、その後、インターバル期間(2秒間)を挟んで第1大入賞口23の開閉によって10R目〜16R目のラウンド遊技が継続され、所定のエンディング時間が経過すると大当り遊技が終了する。大当りDに当選した場合の大当り遊技は、1R目〜4R目までは大当りAに当選した場合のラウンド遊技と同様であり、4R目のラウンド遊技が終了した後、所定のエンディング時間が経過すると大当り遊技が終了する。したがって、大当りC、大当りDに当選した場合の大当り遊技においても、大当りAに当選した場合の大当り遊技と同様に、4R目のラウンド遊技においてV領域53を遊技球が通過することを条件に大当り遊技が終了してから150回転終了するまでの間確変遊技状態に制御され、その後通常遊技状態に制御されることになる。
なお、以下では、大当りBに当選した場合の大当り遊技において第2大入賞口51が瞬間的に開放(短開放)されることにより遊技球がV領域53を通過困難な4R目のラウンド遊技のことをV短ラウンド遊技といい、大当りA、大当りC、または大当りDに当選した場合の大当り遊技において第2大入賞口51が上記短開放よりも長時間開放(長開放)されることにより遊技球がV領域53を通過可能な4R目のラウンド遊技のことをV長ラウンド遊技ということにする。また、以下では、V領域53を遊技球が通過することをV入賞といい、上記したV長ラウンド遊技が行われるラウンドを単にVラウンドということがある。また、上記では、V長ラウンド遊技およびV短ラウンド遊技は、大当り遊技における4R目のラウンド遊技として実行されるものとしたが、これに限られるものではなく、どのラウンド遊技として実行されるものであってもよいし、また、1回のラウンド遊技に限らず複数回のラウンド遊技として実行されるものとしてもよい。
以上のように、図6の(3)に示すように、大当りA、大当りC、大当りDでは、賞球を獲得可能なラウンド遊技として、それぞれ、V長ラウンド遊技を含む計9回(9R)、16回(16R)、4回(4R)のラウンド遊技が実行され、V長ラウンド遊技中に遊技球がV領域53を通過可能であるため、V領域53を遊技球が通過することにより、大当り遊技後は、原則的に150回転まで確変遊技状態で制御される。一方、大当りBでは、V短ラウンド遊技を含む計9回(9R)のラウンド遊技が実行されるが、V短ラウンド遊技では実質的に遊技球は第2大入賞口51に殆ど入らないため、賞球を獲得可能な実質的なラウンド遊技としては、V短ラウンド遊技を除く計8回(8R)のラウンド遊技が実行され、V短ラウンド遊技中に遊技球がV領域53を通過困難であるため、V領域53を遊技球が通過しないことにより、大当り遊技後は、100回転まで時短遊技状態で制御される。なお、以下では、V長ラウンド遊技が実行される(つまり、原則として大当り遊技後に高確遊技状態に制御される)大当りA、大当りC、大当りDのことを、まとめて連続大当りといい、V長ラウンド遊技が実行されない(つまり、原則として大当り遊技後に高確状態に制御されない)大当りBのことを単発大当りということがある。また、図6の(1)、(2)からわかるように、第2始動口22への遊技球入賞による大当り内訳において、大当り遊技後に制御される遊技状態が有利な状態(確変遊技状態)となる連続大当りの割合(100%)は、第1始動口21への遊技球入賞による大当り内訳における連続大当りの割合(55%)よりも高い。また、第2始動口22への遊技球入賞による大当りのラウンド数(実質ラウンド数)の期待値は、第1始動口21への遊技球入賞による大当りのラウンド数の期待値よりも高い。このように、本実施形態では、第2特別図柄抽選に当選した場合の利益度合は、第1特別図柄抽選に当選した場合の利益度合よりも大きくなっている。
次に、パチンコ遊技機1が実行する処理フローについて説明する。
[メイン制御部100によるメイン処理]
まず、図8を参照しつつ、メイン制御部100によって実行されるメイン処理について説明する。なお、このメイン処理は、パチンコ遊技機1の電源が投入されると開始され、メイン制御部100が起動している間、継続的に実行される。
図8のステップS901において、まず、CPU101は、例えば2000ms待機して、処理はステップS902に移る。なお、図示はしていないが、演出制御部400のCPU401は、パチンコ遊技機1の電源が投入されると、待機処理を行うことなく、メイン制御部100からの信号を受信可能な状態となる。すなわち、演出制御部400のCPU401は、メイン制御部100のCPU101よりも先に、処理を開始できる状態となる。
ステップS902において、CPU101は、RAM103へのアクセスが可能となり、処理はステップS903に移る。
ステップS903において、CPU101は、不図示のRAMクリアスイッチが「ON」であるか否かを判定する。ステップS903での判定がYESの場合、処理はステップS904に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS907に移る。
ステップS904において、CPU101は、RAMクリアを行う。ここで、RAMクリアは、公知の技術であるため詳細な説明は省略するが、RAM103に格納されている各種情報(例えば遊技状態を示す情報)を所定の初期状態とすることである。その後、処理はステップS905に移る。
ステップS905において、CPU101は、RAMクリア時の作業領域を設定し、処理はステップS906に移る。
ステップS906において、CPU101は、周辺部の初期設定を行う。ここで、周辺部とは、演出制御部400や払出制御部300等である。周辺部の初期設定は、それぞれの制御部に対して、初期設定の実行を指示する初期設定コマンドを送信することによって行われる。その後、処理はステップS910に移る。
ステップS907において、CPU101は、バックアップフラグが「ON」であるか否かを判定する。なお、バックアップフラグとは、電源遮断時にバックアップデータの生成が正常に完了した場合、オンになるフラグであり、生成したバックアップデータに関連付けて、当該バックアップデータが有効であることを示すフラグである。ステップS907での判定がYESの場合、処理はステップS908に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS904に移る。
ステップS908において、CPU101は、チェックサムが正常であるか否かを判定する。ステップS908での判定がYESの場合、処理はステップS909に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS904に移る。
ステップS909において、CPU101は、後述する復旧処理(図10参照)を実行し、処理はステップS910に移る。
ステップS910において、CPU101は、内蔵されているCTC(タイマカウンタ)の周期(例えば4ms)を設定する。なお、CPU101は、ここで設定された周期を用いて後述するタイマ割込処理(図11参照)を実行する。その後、処理はステップS911に移る。
ステップS911において、CPU101は、後述する電源遮断監視処理(図9参照)を実行し、処理はステップS912に移る。
ステップS912において、CPU101は、タイマ割込処理の割り込みを禁止する設定を行い、処理はステップS913に移る。
ステップS913において、CPU101は、各種の初期値乱数を更新し(カウントアップし)、処理はステップS914に移る。ここで、初期値乱数とは、後述するタイマ割り込み処理(図11参照)においてカウントアップ更新される各種の乱数(大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数)の開始値を決定するための乱数であり、各種の乱数に対応して複数の初期値乱数が用意されている。なお、初期値乱数は、所定のCTCの周期(4ms)ごとに発生するタイマ割込み処理(図11参照)と、その残余時間(すなわち、この所定のCTCの周期からタイマ割込み処理に要する処理時間を減じた時間)に処理されるメイン処理(図8参照)の両方でカウントアップ更新され、設定されている乱数の最大値(例えば299)に達した後は再び最小値(例えば0)に戻る。また、この残余時間は、CPU101の処理状況に応じて異なるので、ランダムな時間となっており、残余時間で更新される初期値乱数の更新回数もランダムとなる。一方、詳細は後述するが、他の各種乱数(大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数)は、タイマ割込み処理(図11参照)でしか更新されないため、初期値乱数とは乱数更新処理の処理周期が相違する。このように、処理周期が相違することにより、例えば、初期値乱数と大当り乱数の乱数範囲が同じ(例えば0〜299)であったとしても、大当り乱数の開始値として取得される初期値乱数の値は毎回ランダムとなる。そのため、大当りを発生させる大当り乱数値が取得されるタイミングを予測することを困難にすることができる。
ステップS914において、CPU101は、タイマ割込処理の割り込みを許可する設定を行い、処理がステップS911に戻される。すなわち、CPU101は、ステップS911〜ステップS914の処理を繰り返し実行する。
[メイン制御部100による電源遮断監視処理]
図9は、図8のステップS911における電源遮断監視処理の詳細フローチャートである。図9のステップS9111において、CPU101は、割込処理を禁止し、処理はステップS9112に移る。
ステップS9112において、CPU101は、不図示の電源部から電源遮断信号が入力されたか否かに基づいて、パチンコ遊技機1に対する電源供給が遮断されたか否かを判定する。ステップS9112での判定がYESの場合、処理はステップS9114に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS9113に移る。
ステップS9113において、CPU101は、割込処理を許可し、電源遮断監視処理を終了する(処理は図8のステップS912に移る)。
一方、ステップS9114において、CPU101は、CPU101に対して各種情報が入出力される出力ポートをクリアし、処理はステップS9115に移る。
ステップS9115において、CPU101は、現在の遊技機1の遊技状態等に基づいて、バックアップデータをRAM103に作成後、RAM103の内容からチェックサムを作成してRAM103に格納する。なお、この処理は、メイン制御部100に供給される電源の電源遮断により電源電圧が低下し始めたことを検出してから(ステップS9112で「YES」と判定されてから)電源電圧が「0」になるまでの期間に行われる。この処理によって、電源が遮断される直前の遊技状態情報等がRAM103に記憶される。その後、処理はステップS9116に移る。
ステップS9116において、CPU101は、バックアップフラグを「ON」に設定し、処理はステップS9117に移る。
ステップS9117において、CPU101は、RAM103へのアクセスを禁止し、電源遮断監視処理を終了する(処理は図8のステップS912に移る)。
[メイン制御部100による復旧処理]
図10は、図8のステップS909における復旧処理の詳細フローチャートである。まず、図10のステップS9091において、CPU101は、復旧時におけるRAM103の作業領域を設定し、処理はステップS9092に移る。
ステップS9092において、CPU101は、RAM103の情報を参照して、電源遮断時における遊技状態や特別図柄抽選の保留数に関する情報を確認し、当該情報を含めた復旧通知コマンドを演出制御部400に対して送信する。このように、CPU101は、パチンコ遊技機1に対する電源供給が復旧したことを通知するために、電源遮断時の状態を示す復旧通知コマンドを演出制御部400へ送信する。このステップS9092の処理により、演出制御部400は、電源遮断前の遊技状態等を確認することができる。
ステップS9093において、CPU101は、周辺部の設定を行い、処理はステップS9094に移る。
ステップS9094において、CPU101は、バックアップフラグを「OFF」に設定し、復旧処理を終了する(処理は図8のステップS910に移る)。
[メイン制御部のタイマ割り込み処理]
次に、メイン制御部100において実行されるタイマ割込処理について説明する。図11は、メイン制御部100によって行われるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。以下に、図11を参照して、メイン制御部100において行われるタイマ割込み処理について説明する。メイン制御部100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図11に示す一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図11以降のフローチャートに基づいて説明するメイン制御部100で行われる処理は、ROM102に記憶されているプログラムに基づいて実行される。
まず、ステップS1において、メイン制御部100のCPU101は、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等の各種の乱数の更新、および各乱数がカウントアップ更新される際の開始値となるそれぞれの初期値乱数の更新を行う乱数更新処理を実行する。ここで、大当り乱数は、特別図柄抽選の当選又は落選を判定する(つまり、特別図柄抽選を行う)ための乱数である。図柄乱数は、特別図柄抽選に当選した場合に大当りの種類を決定するための乱数である。大当り乱数及び図柄乱数は、後に説明する図15のステップS407の処理で使用される乱数である。リーチ乱数は、特別図柄抽選に落選した場合にリーチ演出を行うか否かを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄の変動時間(変動パターン)を決定するための乱数である。ここで、特別図柄の変動時間は、この特別図柄の変動に同期して実行される報知演出(変動演出)の実行時間と等しい。リーチ乱数及び変動パターン乱数は、後に説明する図15のステップS408の処理で使用される。ステップS1の乱数更新処理において、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等は、それぞれ、1ずつ加算されて更新される。つまり、カウントアップされる。そして、ステップS2の始動口スイッチ(SW)処理やステップS3のゲートスイッチ(SW)処理において各乱数が取得されて、後述するステップS4の特別図柄処理やステップS5の普通図柄処理で使用される。なお、このステップS1の処理を行うカウンタは、典型的にはループカウンタであり、設定されている乱数の最大値(例えば変動パターン乱数では299)に達した後は再び0に戻る(つまり、循環する)。また、ステップS1の乱数更新処理において、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等の各カウンタは、それぞれ、ループカウンタのカウントが一巡すると、その時点での各乱数に対応する初期値乱数を取得して、当該初期値乱数の値を開始値として、新たにループカウンタのカウントを開始する。なお、大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等の乱数範囲は、任意に設定すればよいが、それぞれを異なる範囲に設定することで、これらの乱数の間でカウンタの値(カウント値)が同期しないように設定することが好ましい。
次に、ステップS2において、CPU101は、第1始動口スイッチ111a及び第2始動口スイッチ111bの状態を監視し、いずれかのスイッチがONとなった時点(第1始動口スイッチ111a又は第2始動口スイッチ111bから遊技球の検出信号が出力された時点)で、第1特別図柄抽選の保留数U1や第2特別図柄抽選の保留数U2に関する処理や各種乱数を取得する処理を行う始動口スイッチ処理を実行する。この始動口スイッチ処理の詳細については、図14を参照して後に詳述する。
次に、ステップS3において、CPU101は、ゲートスイッチ113の状態を監視し、ゲートスイッチ113からの出力信号に基づいて、ゲート25を遊技球が通過したと判定された時点で普通図柄抽選の保留数が上限値(例えば4)未満か否かを判断し、保留数が上限値未満であると判断した場合、後述するステップS5の普通図柄処理に使用される乱数を取得するゲートスイッチ処理を実行する。
次に、ステップS4において、CPU101は、第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選を実行し、第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bに特別図柄を変動表示させた後にこれらの抽選結果を示す停止図柄の表示処理や、演出制御部400へ各種コマンドを送信等するための特別図柄処理を実行する。この特別図柄処理については、図15を参照して後に詳述する。
次に、ステップS5において、CPU101は、ステップS3のゲートスイッチ処理で取得された乱数が所定の当たり乱数と一致するか否かを判定する普通図柄処理を実行する。そして、CPU101は、普通図柄表示器4eに普通図柄を変動表示させた後に判定結果を示す普通図柄を停止表示させる。具体的には、CPU101は、普通図柄を変動表示させた後に停止表示させる普通図柄変動時間を、非時短状態では10秒に設定し、時短状態では0.5秒に短縮する。また、CPU101は、普通図柄表示器4eに表示された普通図柄が所定の当たり図柄となる確率(つまり、普通図柄抽選の当選確率)を、非時短状態では低確率(1/10)に設定し、時短状態では高確率(10/10)に上昇させる。
次に、ステップS6において、CPU101は、ステップS4の特別図柄処理で特別図柄抽選に当選したと判定された場合(大当りした場合)等に、第1大入賞口開閉部115を制御して第1大入賞口23に所定の開閉動作を行わせ、第2大入賞口開閉部118を制御して第2大入賞口51に所定の開閉動作を行わせ、また、いわゆる大当り遊技演出等に関する各種コマンドを演出制御部400に対して送信等するための大入賞口処理を実行する。この処理によって、大当り遊技(特別遊技)が進行され、遊技者は多量の賞球を獲得可能となる。この大入賞口処理については、図21〜図24を参照して後に詳述する。
次に、ステップS7において、CPU101は、ステップS5の普通図柄処理によって普通図柄表示器4eに表示された普通図柄が所定の当たり図柄である場合(つまり、普通図柄抽選に当選した場合)に、電動チューリップ27を作動させる電動チューリップ処理を実行する。その際、CPU101は、非電サポ状態では電動チューリップ27を極短期間(0.10秒間を1回)開放制御し、電サポ状態では電動チューリップ27を長期間(2.00秒間を3回)開放制御する。なお、電動チューリップ27が開放状態に制御されることによって第2始動口22に遊技球が入賞可能な状態となり、第2始動口22に遊技球が入賞することで、第2特別図柄抽選が行われることとなる。
次に、ステップS8において、CPU101は、遊技球の入賞個数の管理及び入賞に応じた賞球の払出しを制御する賞球処理を実行する。
次に、ステップS9において、CPU101は、ステップS2の始動口スイッチ処理、ステップS4の特別図柄処理、ステップS6の大入賞口処理、ステップS8の賞球処理等でRAM103にセットされた各種コマンドや演出に必要な情報を演出制御部400又は払出制御部300へ出力する出力処理を実行する。なお、CPU101は、第1始動口21、第2始動口22、第1大入賞口23、第2大入賞口51、普通入賞口24に遊技球が入賞する毎に、それぞれの入賞口に遊技球が入賞したことを通知するための入賞コマンドをRAM103にセットして、当該入賞コマンドを演出制御部400又は払出制御部300へ出力する。
[制御時間カウント処理について]
ここで、図11を用いて上述したタイマ割り込み処理では説明を省略したが、このタイマ割り込み処理において、CPU101は、特別図柄ゲーム側の一連の制御時間を1つのタイマ機能を用いて計測する特別図柄ゲーム側の制御時間カウント処理(「特図ゲームカウント処理」という)、および、普通図柄ゲーム側の一連の制御時間を1つのタイマ機能を用いて計測する普通図柄ゲーム側の制御時間カウント処理(「普図ゲームカウント処理」という)を実行する。特図ゲームカウント処理および普図ゲームカウント処理は、例えば、図11のステップS7の処理とステップS8の処理との間に、順番に実行される。なお、特別図柄ゲームは、始動口(21又は22)への遊技球の入賞を待機し、遊技球が入賞したことに応じて特別図柄抽選を実行してその抽選結果を報知することを繰り返し、特別図柄抽選に当選した場合には大当り遊技を実行するゲームである。また、普通図柄ゲームは、ゲート25への遊技球の通過を待機し、遊技球が通過したことに応じて普通図柄抽選を実行してその抽選結果を報知することを繰り返し、普通図柄抽選に当選した場合には電動チューリップ27の開閉制御(電チューの開放遊技)を実行するゲームである。
以下では、まず、特図ゲームカウント処理について説明する。図12は、特図ゲームカウント処理および普図ゲームカウント処理を実行する際に使用されるデータ、および、メイン制御部100のRAM103の記憶エリア(作業エリア)について説明するための図である。
図12の(1)は、特別図柄ゲーム側のカウント対象の時間を設定(特定)するためのデータ(「特図側設定データ」という)の種類を示している。特図側設定データは、特別図柄ゲームの各期間(時間)のうち何れの期間を計測しているのかを設定するためのデータである。この特別図柄ゲームの各期間(時間)には、図12の(1)に示すように、「始動口入賞待ち中」と、「特別図柄変動表示中」と、「特別図柄停止表示中」と、「オープニング表示中」と、「ラウンド中」と、「大入賞口有効期間中」と、「エンディング表示中」とが含まれる。
「始動口入賞待ち中」は、始動口入賞が有ると即時にこの始動口入賞に係る特別図柄抽選を実行して特別図柄の変動表示を開始できる状態(期間)であり、典型的には、大当り遊技中ではなく、特別図柄の変動表示中でも規定時間の停止表示中でもない状態である。「特別図柄変動表示中」は、始動口入賞に応じて特別図柄抽選を実行して表示器4に特別図柄の変動表示を実行している状態(期間)である。「特別図柄停止表示中」は、表示器4に変動表示していた特別図柄を特別図柄抽選結果を報知する表示態様で規定時間(0.5秒間)完全に停止表示している状態(期間)である。「オープニング表示中」は、特別図柄抽選に当選して画像表示部6に大当り遊技が開始したことを報知するオープニング演出を表示している状態(期間)である。「ラウンド中」は、大当り遊技において第1大入賞口23または第2大入賞口51が開放されるラウンド(ラウンド遊技)を実行している状態(期間)である。「大入賞口有効期間中」は、各ラウンドの直後に配置され、ラウンドが終了して第1大入賞口23または第2大入賞口51が閉塞されたにも関わらず遊技球の第1大入賞口23または第2大入賞口51への入賞を有効と認める期間であり、これによって、いわゆるオーバー入賞が認められることとなる。なお、ラウンド中の期間および大入賞口有効期間を除く期間においては、遊技球の第1大入賞口23または第2大入賞口51への入賞は有効と認められない。「エンディング表示中」は、画像表示部6に大当り遊技が終了することを報知するエンディング演出を表示している状態(期間)である。
図12の(1)に示すように、例えば、特図側設定データ「00H」は「始動口入賞待ち中」であることを設定するデータであり、例えば、特図側設定データ「01H」は「特別図柄変動表示中」であることを設定するデータである。なお、これらの特図側設定データは、ROM102に記憶されている。
図12の(3)は、RAM103の記憶エリア(作業エリア)の模式図である。図12の(3)に示すように、RAM103の記憶エリアには、カウント対象時間設定エリア10と、時間カウントエリア11と、単純変動表示用時間カウントエリア12とが含まれている。カウント対象時間設定エリア10は、特別図柄ゲーム側のカウント対象時間設定エリア10A(「エリア10A」という)と、普通図柄ゲーム側のカウント対象時間設定エリア10B(「エリア10B」という)とから成る。時間カウントエリア11は、特別図柄ゲーム側の時間カウントエリア11A(「エリア11A」という)と、普通図柄ゲーム側の時間カウントエリア11B(「エリア11B」という)とから成る。単純変動表示用時間カウントエリア12は、特別図柄ゲーム側の単純変動表示用時間カウントエリア12A(「エリア12A」という)と、普通図柄ゲーム側の単純変動表示用時間カウントエリア12B(「エリア12B」という)とから成る。
エリア11Aは、上記した特別図柄ゲームの各期間(「特別図柄変動表示中」等)についての時間経過を計測するためのタイマエリアであり、1つの時間データを書き込んで1つの時間経過について計測するためのタイマエリアである。エリア10Aは、図12の(1)を用いて説明した特図側設定データの何れか1つが書き込まれることによって、エリア11Aで計測する時間の種類を設定するためのエリアである。エリア12Aは、第1特別図柄表示器4a(又は第2特別図柄表示器4b)に特別図柄が7セグ表示で変動表示される際に、この7セグ表示の3つの表示態様を48ミリ秒毎に順番に切替えて循環表示させる制御を実行するにあたって、この48ミリ秒の時間経過を計測するためのタイマエリアであり、1つの時間データを書き込んで1つの時間経過について計測するためのタイマエリアである。なお、上記の7セグ表示の3つの表示態様は、例えば、数字の0を示す表示態様と、数字の7を示す表示態様と、7つのセグ全てが消灯した表示態様である。
CPU101は、エリア10Aに特図側設定データを書き込むことでエリア11Aによる計測対象の期間(時間)の種類を設定すると共に、エリア11Aに計測する時間データを書き込み、図11のタイマ割込み処理において4ミリ秒毎に実行される特図ゲームカウント処理によってエリア11Aの時間データの値を1ずつ減算することで、1つのタイマ領域(エリア11A)を順番に用いて特別図柄ゲームの各期間の経過を順番に計測する。
また、CPU101は、エリア11Aで特別図柄変動表示の時間が計測されているときには、エリア12Aに所定の時間データ(「12」)を書き込んで、図11のタイマ割込み処理において4ミリ秒毎に実行される特図ゲームカウント処理によってエリア12Aの時間データの値を1ずつ減算して0になると再び所定の時間データ(「12」)を書き込むと共に特別図柄の表示態様を切替える。これにより、第1特別図柄表示器4a(又は第2特別図柄表示器4b)に特別図柄が7セグ表示で変動表示される際に、この7セグ表示の3つの表示態様が48ミリ秒毎に順番に切替わって循環表示されることとなる。
なお、図12の(3)では、一例として、エリア10Aに「01H」が書き込まれていることによって、エリア11Aにおいて特別図柄変動表示の時間経過が計測されることを設定している。また、図12の(3)のエリア11Aには、一例として、時間を示す値「2500」が書き込まれているが、この値は図11のタイマ割り込み処理によって4ミリ秒毎に1減算されて更新されるので、この値「2500」は10.000秒を示している。また、図12の(3)のエリア12Aには、一例として、時間を示す値「12」が書き込まれているが、この値も同様に図11のタイマ割り込み処理によって4ミリ秒毎に1減算されて更新されるので、この値「12」は48ミリ秒を示している。
以上のように、本実施形態によれば、特別図柄ゲームの一連の制御時間を1つのタイマ機能(図12の(3)の11A参照)を用いて計測する。ここで、従来の遊技機においては、特別図柄ゲームを構成する各制御時間(特別図柄変動表示の制御時間、ラウンド実行の制御時間等)をそれぞれ個別のタイマ機能を用いて計測していたので、メイン制御部のRAMの記憶エリアに特別図柄ゲームを構成する制御時間毎に個別の時間カウントエリアを設けていた。一方、本実施形態では、上記のように特別図柄ゲームの一連の制御時間を1つのタイマ機能を用いて計測するので、演算負荷を効果的に低減することができる。また、本実施形態によれば、特別図柄変動表示の実行期間において特別図柄表示器4a(又は4b)に7セグ表示の3つの表示態様を48ミリ秒毎に順番に切替えて循環表示させる際の切替え時間の計測には、上記したタイマ機能(図12の(3)の11A参照)とは別のタイマ機能(図12の(3)の12A参照)を用いる。このことから、本実施形態によれば、演算処理の複雑化を効果的に抑制できる。
図13は、特別図柄変動表示の時間をエリア11Aに設定するために用いられる変動時間テーブルの概念図の一例である。この変動時間テーブルは、ROM102に記憶されており、RAM103に読み出されて使用される。図13に示すように、変動時間テーブルは、変動パターンの識別番号と、基本変動時間(秒)を示すデータと、加算変動時間(秒)を示すデータとから成る。変動パターンの識別番号は、図16〜図19を用いて後述する変動パターン決定テーブルHT1−1、HT1−2、HT2−1、およびHT2−2に含まれる変動パターンを識別するための番号である。基本変動時間は、変動パターン(つまり、特別図柄変動時間)を構成する基本の変動時間である。加算変動時間は、変動パターンを構成する加算される変動時間である。基本変動時間と加算変動時間とを加算した時間が、変動パターンである。例えば、識別番号5に対応する変動パターンは、基本変動時間90秒に加算変動時間0.06秒を加算した90.06秒であり、例えば、識別番号21に対応する変動パターンは、基本変動時間8秒である。なお、図13では変動パターンの一例を表示しているに過ぎず、全ての変動パターンを表示しているものではない。
CPU101は、図12の(3)のエリア11Aで特別図柄変動表示の時間を計測する場合には、後述する図15のステップS408の処理で決定された変動パターンに対応する時間データ(「秒」の時間を示すデータ)を、RAM103の変動時間テーブル(図13参照)から読み出して、読み出した時間データに250を乗算して4ミリ秒周期で実行される時間計測処理に適応する時間データに変換し、変換した時間データをRAM103のエリア11Aに書き込む。例えば、識別番号5に対応する変動パターン「90.06秒」を示す時間データの値をエリア11Aに設定する場合には、RAM103の変動時間テーブルから基本変動時間90秒および加算変動時間0.06秒を示す時間データを読み出して加算し、この加算した時間データに250を乗算して4ミリ秒周期の演算処理に適応する時間データ「22515」に変換し、変換した時間データ「22515」をRAM103のエリア11Aに書き込む。なお、図13の変動時間テーブルの横には、参考のために、250を乗算して4ミリ秒周期の演算処理に適応させた時間データを記載しているが、250を乗算すると自然数ではなくなるものは(括弧書きの値を参照)、四捨五入により自然数に調整して処理している。
以上のように、本実施形態によれば、ROM102に記憶されRAM103に読み出される変動時間テーブルの変動パターン(特別図柄変動時間)を示す時間データを「秒」の時間を示すデータ(つまり、除算値の時間データ;図13の基本変動時間の部分を参照)とし、特別図柄変動時間を設定する際に250を乗算して4ミリ秒周期の演算処理に適応する時間データ(つまり、乗算値の時間データ;図13の変動時間テーブルの右横の部分を参照)に変換する。このことから、本実施形態によれば、変動時間テーブルの特別図柄変動時間を示すデータを1バイト以下のデータ量に押さえられる場合がある(例えば、図13の識別番号20〜24)ので、ROM102およびRAM103の使用メモリ領域を効果的に抑制することができる。また、本実施形態によれば、例えば特別図柄変動時間90.02秒のように、除算値の時間データで示してもデータ量が1バイトを超える特別図柄変動時間については、加算変動時間の時間データ(小数点以下の時間を示す時間データ)として分割して変動時間テーブルを構成させている(図13参照)。ここで、図13では、加算変動時間の部分のテーブルにおいて、説明の便宜上、同じ時間データ値を変動パターン毎にそれぞれ記載しているが、実際にはこのテーブルにおいて同じ時間データ値は、重複して記憶されず、1つだけ記憶されている。例えば、加算変動時間の部分のテーブルにおいて、0.02秒の時間データ値は、図13では説明の便宜上3つ記載しているが、実際は1つだけ記憶されている。このことから、本実施形態によれば、ROM102およびRAM103の使用メモリ領域を効果的に抑制することができる。ここで、本実施形態では、説明の簡単のために、変動パターンを24個とした(図13参照)。しかし、実際の遊技機では、変動パターンは1000個〜10000個と膨大である。このことから、本実施形態による上記した使用メモリ領域抑制の効果は、実際の遊技機において絶大となる。
次に、普通図柄ゲーム側の一連の制御時間を1つのタイマ機能を用いて計測する普図ゲームカウント処理について、図12を用いて説明する。
図12の(2)は、普通図柄ゲーム側のカウント対象の時間を設定(特定)するためのデータ(以下、「普図側設定データ」という)の種類を示している。普図側設定データは、普通図柄ゲームの各期間(時間)のうち何れの期間を計測しているのかを設定するためのデータである。この普通図柄ゲームの各期間(時間)には、図12の(2)に示すように、「ゲート通過待ち中」と、「普通図柄変動表示中」と、「普通図柄停止表示中」と、「電チュー開閉制御中」と、「第2始動口有効期間中」とが含まれる。
「ゲート通過待ち中」は、ゲート25を遊技球が通過すると即時にこの通過に係る普通図柄抽選を実行して普通図柄の変動表示を開始できる状態(期間)であり、典型的には、電動チューリップ27の開閉制御中(電チューの開放遊技中)ではなく、後述する第2始動口有効期間中ではなく、普通図柄の変動表示中でも規定時間の停止表示中でもない状態である。「普通図柄変動表示中」は、遊技球のゲート25通過に応じて普通図柄抽選を実行して表示器4に普通図柄の変動表示を実行している状態(期間)である。「普通図柄停止表示中」は、表示器4に変動表示していた普通図柄を普通図柄抽選結果を報知する表示態様で規定時間(0.5秒間)完全に停止表示している状態(期間)である。「電チュー開閉制御中」は、普通図柄抽選に当選して電動チューリップ27の開閉制御(電チューの開放遊技)が実行されている状態(期間)である。「第2始動口有効期間中」は、電動チューリップ27の開閉制御が終了した直後の所定期間について例外的に第2始動口22への遊技球入賞を有効と認める期間である。なお、電動チューリップ27の開閉制御中は、一律に(つまり、電動チューリップ27が閉塞状態であっても)第2始動口22への遊技球入賞は有効と認められ、電動チューリップ27の開閉制御中および第2始動口有効期間を除く期間には、第2始動口22への遊技球入賞は有効と認められない。
図12の(2)に示すように、例えば普図側設定データ「00K」は「ゲート通過待ち中」であることを設定するデータである。また、普図側設定データはROM102に記憶されている。
以下、図12の(3)を参照して説明する。エリア11Bは、上記した普通図柄ゲームの各期間(「普通図柄変動表示中」等)についての時間経過を計測するためのタイマエリアであり、1つの時間データを書き込んで1つの時間経過について計測するためのタイマエリアである。エリア10Bは、図12の(2)を用いて説明した普図側設定データの何れか1つが書き込まれることによって、エリア11Bで計測する時間の種類を設定するためのエリアである。エリア12Bは、普通図柄表示器4e(図2参照)に普通図柄がマルバツで変動表示される際に、このマルバツ表示の2つの表示態様(マルのみが点灯する表示態様とバツのみが点灯する表示態様)を48ミリ秒毎に切替えて交互表示させる制御を実行するにあたって、この48ミリ秒の時間経過を計測するためのタイマエリアであり、1つの時間データを書き込んで1つの時間経過について計測するためのタイマエリアである。
CPU101は、エリア10Bに普図側設定データを書き込むことでエリア11Bによる計測対象の期間の種類を設定すると共に、エリア11Bに計測する時間データを書き込み、図11のタイマ割込み処理において4ミリ秒毎に実行される普図ゲームカウント処理によってエリア11Bの時間データの値を1ずつ減算することで、1つのタイマ領域(エリア11B)を順番に用いて普通図柄ゲームの各期間の経過を順番に計測する。
また、CPU101は、エリア11Bで普通図柄変動表示の時間が計測されているときには、エリア12Bに所定の時間データ(「12」)を書き込んで、図11のタイマ割込み処理において4ミリ秒毎に実行される普図ゲームカウント処理によってエリア12Bの時間データの値を1ずつ減算して0になると再び所定の時間データ(「12」)を書き込むと共に普通図柄の表示態様を切替える。これにより、普通図柄表示器4eに普通図柄がマルバツで変動表示される際に、このマルバツ表示の2つの表示態様が48ミリ秒毎に切替わって交互表示されることとなる。
以上のことから、本実施形態によれば、既に説明した特図ゲームカウント処理と同様の効果を、普図ゲームカウント処理においても実現できる。
なお、以上に説明した特別図柄ゲームの一連の制御時間を1つのタイマ機能を用いて計測する構成において、大当り遊技の制御において大入賞口有効期間の直後に第1大入賞口23または第2大入賞口51への入賞を有効とみなさない大入賞口休止期間を設けてもよい。
また、第1特別図柄抽選による特別図柄変動表示および特別図柄停止表示と、第2特別図柄抽選による特別図柄変動表示および特別図柄停止表示とを並行して実行可能な制御構成にして、例えば、第1特別図柄抽選による特別図柄変動表示および特別図柄停止表示の制御時間と、第1特別図柄抽選の当選による大当り遊技に関する制御時間とを、1つのタイマ機能を用いて計測し、一方で、第2特別図柄抽選による特別図柄変動表示および特別図柄停止表示の制御時間と、第2特別図柄抽選の当選による大当り遊技に関する制御時間とを、1つの他のタイマ機能を用いて計測してもよい。
また、特別図柄ゲームおよび普通図柄ゲームの一連の制御時間をそれぞれ1つのタイマ機能を用いて計測する際に、計測対象時間の経過を、「減算」処理ではなく、「加算」処理によって計測する構成としてもよい。この場合、例えば、特別図柄ゲーム側のタイマ(11A)の値が、計測対象時間(例えば、特別図柄停止表示の時間0.5秒)を示す時間データの値「125」に到達したか否かを判定する制御となる。
また、上記したように図13の加算変動時間の部分のテーブルにおいて同じ時間データ値を重複して記憶せずに1つだけ記憶することに加えて、図13の基本変動時間の部分のテーブルにおいても同じ時間データ値を重複して記憶せずに1つだけ記憶する構成にして、使用メモリ領域抑制の効果を更に高めてもよい。
また、以上に説明した方法により、演出制御部400等によって実行される各種演出の実行時間を計測してもよい。
以上で、制御時間カウント処理についての説明を終わる。
[始動口スイッチ処理]
図14は、図11のステップS2における始動口スイッチ処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図11のステップS2における始動口スイッチ処理について、図14を参照して説明する。
まず、ステップS201において、メイン制御部100のCPU101は、第1始動口スイッチ111aからの出力信号の有無に基づいて、第1始動口21に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ111aがONになったか否かを判定する。ステップS201での判定がYESの場合、処理はステップS202に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS207に移る。
ステップS202において、CPU101は、ROM102から第1特別図柄抽選の保留数の上限値Umax1(本実施形態では「4」)を読み出し、RAM103に記憶されている第1特別図柄抽選の保留数U1が上限値Umax1未満であるか否かを判定する。ステップS202での判定がYESの場合、処理はステップS203に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS207に移る。
ステップS203において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U1の値を、1加算した値に更新する。また、CPU101は、第1始動口21に遊技球が入賞したことを演出制御部400に対して通知するための入賞コマンドをRAM103にセットする。この入賞コマンドは、図11のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信される。その後、処理はステップS204に移る。
ステップS204において、CPU101は、第1特別図柄抽選等に使用される乱数のセット(大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得して、取得した乱数の各セット(遊技情報)を、時系列順でRAM103に格納する。なお、後述する図15のステップS406の処理によって第1特別図柄抽選の保留数U1の値が1減算される度に、RAM103に格納された上記乱数セットは、格納時期が早いものから順に1セットずつ削除される。このことから、例えば第1特別図柄抽選の保留数U1の値が「3」の場合、直近3回のステップS204の処理によって取得された直近3回の上記乱数セットが、時系列順でRAM103に格納されていることとなる。その後、処理はステップS205に移る。
ステップS205において、CPU101は、事前判定処理を行う。具体的には、CPU101は、直近のステップS204の処理で取得されてRAM103に格納された大当り乱数等の乱数セット(つまり、直近に格納された第1特別図柄抽選用の大当り乱数等の乱数セット)を読み出し、この大当り乱数等がROM102に記憶されている所定値等と一致するか否かに基づいて、この大当り乱数を用いる第1特別図柄抽選の結果が大当りであるか否かや、リーチ演出を実行するか否か等を事前判定する。つまり、先読み予告演出や保留変化予告演出を実行するために必要な判定を、後述する図15のステップS407及びS408の処理に先立って事前判定する。その後、処理はステップS206に移る。
ステップS206において、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数が1増加したことを通知する第1保留数増加コマンドをRAM103にセットする。ここで、この第1保留数増加コマンドには、ステップS205の処理で行われた事前判定の結果を示す情報(以下、「事前判定情報」という)が含められている。なお、この事前判定情報を含む第1保留数増加コマンドが、図11のステップS9の出力処理によって出力されることにより、第1特別図柄抽選の保留に対する抽選結果が、第1特別図柄抽選における図柄変動が開始されるよりも前にメイン制御部100から演出制御部400に通知される。その後、処理はステップS207に移る。
ステップS207において、CPU101は、第2始動口スイッチ111bからの出力信号の有無に基づいて、第2始動口22に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ111bがONになったか否かを判定する。ステップS207での判定がYESの場合、処理はステップS208に移り、この判定がNOの場合、処理は図11のステップS3(ゲートスイッチ処理)に移る。
ステップS208において、CPU101は、ROM102から第2特別図柄抽選の保留数の上限値Umax2(本実施形態では「4」)を読み出し、RAM103に記憶されている第2特別図柄抽選の保留数U2が上限値Umax2未満であるか否かを判定する。ステップS208での判定がYESの場合、処理はステップS209に移り、この判定がNOの場合、処理は図11のステップS3(ゲートスイッチ処理)に移る。
ステップS209において、CPU101は、RAM103に格納されている保留数U2の値を、1加算した値に更新する。また、CPU101は、第2始動口22に遊技球が入賞したことを演出制御部400に対して通知するための入賞コマンドをRAM103にセットする。この入賞コマンドは、図11のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信される。その後、処理はステップS210に移る。
ステップS210において、CPU101は、第2特別図柄抽選等に使用される乱数のセット(大当り乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得して、取得した乱数の各セットを、時系列順でRAM103に格納する。なお、後述する図15のステップS404の処理によって第2特別図柄抽選の保留数U2の値が1減算される度に、RAM103に格納された上記乱数セットは、格納時期が早いものから順に1セットずつ削除される。このことから、例えば第2特別図柄抽選の保留数U2の値が「3」の場合、直近3回のステップS210の処理によって取得された直近3回の上記乱数セットが、時系列順でRAM103に格納されていることとなる。その後、処理はステップS211に移る。
ステップS211において、CPU101は、事前判定処理を行う。具体的には、CPU101は、直近のステップS210の処理で取得されてRAM103に格納された大当り乱数等の乱数セット(つまり、直近に格納された第2特別図柄抽選用の大当り乱数等の乱数セット)を読み出し、この大当り乱数等がROM102に記憶されている所定値等と一致するか否かに基づいて、この大当り乱数を用いる第2特別図柄抽選の結果が大当りであるか否かや、リーチ演出を実行するか否か等を事前判定する。つまり、先読み予告演出や保留変化予告演出を実行するために必要な判定を、後述する図15のステップS407及びS408の処理に先立って事前判定する。その後、処理はステップS212に移る。
ステップS212において、CPU101は、第2特別図柄抽選の保留数が1増加したことを通知する第2保留数増加コマンドをRAM103にセットする。ここで、この第2保留数増加コマンドには、ステップS211の処理で行われた事前判定の結果を示す情報(事前判定情報)が含められている。なお、この事前判定情報を含む第2保留数増加コマンドが、図11のステップS9の出力処理によって出力されることにより、第2特別図柄抽選の保留に対する抽選結果が、第2特別図柄抽選における図柄変動が開始されるよりも前にメイン制御部100から演出制御部400に通知される。その後、処理は図11のステップS3(ゲートスイッチ処理)に移る。
[特別図柄処理]
図15は、図11のステップS4における特別図柄処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図15を参照して、図11のステップS4における特別図柄処理について説明する。
まず、ステップS401において、メイン制御部100のCPU101は、RAM103に記憶されている情報(後述する大当り遊技フラグによる情報)に基づいて、遊技機1の現在の状態が大当り遊技中(大当り遊技状態)であるか否かを判定する。つまり、特別図柄抽選に当選した場合に実行される大当り遊技(特別遊技)の実行中であるか否かを判定する。ステップS401での判定がYESの場合、処理は図11のステップS5(普通図柄処理)に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS402に移る。
ステップS402において、CPU101は、第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bによる特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する。ここで、特別図柄の変動表示中とは、特別図柄が所定の変動時間(後述するステップS408の変動パターン選択処理によって選択される変動パターンにより決定される変動時間)変動表示した後に停止図柄(特別図柄抽選の判定結果を示す判定図柄)が所定の確定時間(例えば既定の0.5秒間)停止表示される全体の期間内であることを示す。したがって、言い換えると、CPU101は、特別図柄が変動されている変動時間中または判定図柄が停止されている確定時間中であるか否かを判定する。ステップS402での判定がYESの場合、処理はステップS411に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS403に移る。
ステップS403において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U2が1以上であるか否か(つまり第2特別図柄抽選が保留されているか否か)を判定する。ステップS403での判定がYESの場合、処理はステップS404に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS405に移る。
ステップS404において、CPU101は、RAM103に格納されている図14のステップS210によって取得されて格納された第2特別図柄抽選の乱数セットのうち格納時期が最も早いものを読み出す。その後、処理はステップS407に移る。
一方、ステップS405において、CPU101は、RAM103に記憶されている保留数U1が1以上であるか否か(つまり第1特別図柄抽選が保留されているか否か)を判定する。ステップS405での判定がYESの場合、処理はステップS406に移り、この判定がNOの場合、実行されるべき特別図柄抽選は無いとみなして、処理はステップS415に移る。
ステップS406において、CPU101は、RAM103に格納されている図14のステップS204によって取得されて格納された第1特別図柄抽選の乱数セットのうち格納時期が最も早いものを読み出す。その後、処理はステップS407に移る。
以上のステップS403〜S406の処理によって、第2特別図柄抽選が、第1特別図柄抽選よりも優先して実行されることとなる。
ステップS407において、CPU101は、特別図柄抽選が大当りであるかハズレであるかを判定する大当り判定処理を実行する。具体的には、ステップS404の処理に続いてステップS407の処理を実行する場合、CPU101は、このステップS404の処理でRAM103から読み出した大当り乱数が、ROM102に記憶されている大当りの当選値と一致するか否かに基づいて、第2特別図柄抽選の結果が大当りであるかハズレであるかを判定する。一方、ステップS406の処理に続いてステップS407の処理を実行する場合、CPU101は、このステップS406の処理でRAM103から読み出した大当り乱数が、ROM102に記憶されている大当りの当選値と一致するか否かに基づいて、第1特別図柄抽選の結果が大当りであるかハズレであるかを判定する。そして、CPU101は、特別図柄抽選の結果がハズレと判定した場合、特別図柄抽選にハズレたことを表すハズレ図柄を、設定情報における特別図柄の停止図柄としてRAM103にセットする。一方、CPU101は、特別図柄抽選の結果が大当りであると判定した場合、この判定に使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された図柄乱数がROM102に記憶されている所定値の何れと一致するかに基づいて、今回の大当りの種類を判定する。そして、CPU101は、大当りしたこと及び大当りの種類を表す大当り図柄の情報を、設定情報における特別図柄の停止図柄の情報としてRAM103にセットする。その後、処理はステップS408に移る。
[変動パターン選択処理]
ステップS408において、CPU101は、変動パターン選択処理を実行する。具体的には、ステップS408において、CPU101は、非時短状態(通常遊技状態)のときには、図16及び図17に示す変動パターン決定テーブルHT1−1及びHT1−2を使用し、時短状態(確変遊技状態または時短遊技状態)のときには、図18及び図19に示す変動パターン決定テーブルHT2−1及びHT2−2を使用して、特別図柄抽選毎に変動パターンを決定(選択)する。ここで、この変動パターンは、表示器4に特別図柄が変動表示されてから停止表示されるまでの時間である特別図柄変動時間であり、この特別図柄変動時間は、報知演出の実行時間と同期しており報知演出の実行時間と同じ時間である。なお、以下では、変動パターン決定テーブルHT1−1、HT1−2、HT2−1およびHT2−2を、単に、HT1−1、HT1−2、HT2−1およびHT2−2いう場合がある。
まず、非時短状態(通常遊技状態)のときに、図16及び図17に示すHT1−1及びHT1−2を使用して変動パターンを選択する場合について、説明する。図16は、非時短状態(通常遊技状態)においてステップS407の処理で第1特別図柄抽選が実行された場合に、変動パターン決定に使用されるテーブルである。図17は、非時短状態(通常遊技状態)においてステップS407の処理で第2特別図柄抽選が実行された場合に、変動パターン決定に使用されるテーブルである。
[非時短状態/第1特別図柄抽選での変動パターン選択処理]
以下に、図16を用いて、非時短状態(通常遊技状態)においてステップS407の処理で第1特別図柄抽選が実行された場合における変動パターンの決定について、説明する。
ステップS408において、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理において、第1特別図柄抽選の結果が大当りであると判定した場合、変動パターン乱数に基づいて変動パターン(特別図柄変動時間)を決定する。具体的には、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数(0〜299のうちの何れか1つ)が、HT1−1の「大当り」の部分の各変動パターンに割り振られた乱数値の何れと一致するかに基づいて、変動パターン(特別図柄変動時間)を決定する。例えば、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数が「78」である場合、HT1−1の「大当り」の部分の変動パターン「90.03秒」に割り振られた乱数値「75〜124」に一致するので、変動パターンとして「90.03秒」を決定する。ここで、HT1−1に示すように、「大当り」の部分の変動パターン「15.01秒」、「15.02秒」、「40.01秒」、「40.02秒」、「90.01秒」、「90.02秒」、「90.03秒」、「90.04秒」及び「90.05秒」は、それぞれ、報知演出の演出パターンのタイプ「リーチ当り」、「擬似1当り」、「擬似2当り」、「SP当り」、「擬似3当り」、「第4SPSP当り」、「第3SPSP当り」、「第2SPSP当り」及び「第1SPSP当り」に対応する。また、「リーチ当り」はリーチが成立した後に大当りするタイプであり、「SP当り」は最終的にSPリーチに発展した後に大当りするタイプであり、「第1SPSP当り」〜「第4SPSP当り」は最終的に各種SPSPリーチに発展した後に大当りするタイプである。また、「擬似1当り」、「擬似2当り」、「擬似3当り」は、装飾図柄が擬似連図柄で仮停止表示された後に、一度仮停止表示された装飾図柄が再び変動表示される擬似連演出を経て大当りするタイプである。ここで、擬似連図柄とは、再変動表示の契機となる、最後に仮停止表示される装飾図柄のことであり、例えば「7」図柄である。また、装飾図柄の仮停止表示とは、装飾図柄の変動が停止したと遊技者が認識できる態様で停止されることをいい、完全に停止しているわけではなく、例えば、上下に僅かに変動した状態で表示される。これにより、特別図柄が未だ変動中であることが示される。より具体的には、「擬似1当り」は、1回再変動表示される擬似連演出を経てから大当りするタイプであり、「擬似2当り」は、2回再変動表示される擬似連演出を経てから大当りするタイプであり、「擬似3当り」は、3回再変動表示される擬似連演出を経てから大当りするタイプである。また、後述の説明によって明らかとなるが、この擬似連演出においては、再変動表示の回数(以下、擬似連回数ということがある)が多いほど大当りの信頼度が高いことが示唆される。
なお、リーチ(リーチ演出)とは、報知演出において例えば複数の装飾図柄のうち最後に停止される装飾図柄が、特定の図柄で停止表示されると、すでに停止中の他の図柄と合わせて特定の図柄パターンに一致することで大当りとなることを期待させる演出であり、典型的には、右側と左側の装飾図柄が同じ図柄(例えば7)で停止しており、最後に停止される中央の装飾図柄が、同じ図柄(例えば7)で停止する(つまり、ゾロ目777となる)ことを期待させて変動表示される演出である。また、SPリーチとは、一般にスーパーリーチやスペシャルリーチと呼ばれ、リーチよりも大当りすることを更に期待させる演出であり、例えば主人公キャラクタがミニゲームを行う動画像の演出である。また、SPSPリーチとは、一般にスーパースーパーリーチやスペシャルスペシャルリーチと呼ばれ、SPリーチ演出よりも大当りすることを更に期待させる演出であり、例えば主人公キャラクタが敵キャラクタと戦う動画像の演出である。
また、ステップS408において、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理において、第1特別図柄抽選の結果がハズレであると判定した場合、第1特別図柄抽選の保留数(U1)、リーチ乱数、及び変動パターン乱数に基づいて変動パターン(特別図柄変動時間)を決定する。
具体的には、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」である場合、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出されたリーチ乱数(0〜99のうちの何れか1つ)が、HT1−1の「ハズレ」の保留数「1、2」の部分のリーチ乱数値範囲「0〜69」に含まれるのかリーチ乱数値範囲「70〜99」に含まれるのかを判定する。
そして、CPU101は、この読み出されたリーチ乱数がリーチ乱数値範囲「0〜69」に含まれる場合、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数(0〜299のうちの何れか1つ)が、変動パターン乱数値範囲「0〜59」に含まれるのか変動パターン乱数値範囲「60〜299」に含まれるのかを判定する。そして、CPU101は、この変動パターン乱数が変動パターン乱数値範囲「0〜59」に含まれる場合には変動パターンとして「8.00秒」を決定し、この変動パターン乱数が変動パターン乱数値範囲「60〜299」に含まれる場合には変動パターンとして「13.50秒」を決定する。ここで、HT1−1に示すように、変動パターン「8.00秒」及び「13.50秒」は、何れも、報知演出の演出パターンのタイプ「即ハズレ」に対応する。なお、「即ハズレ」は、リーチの成立もなく即ハズレる演出パターンのタイプである。
一方、CPU101は、この読み出されたリーチ乱数がリーチ乱数値範囲「70〜99」に含まれる場合、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数(0〜299のうちの何れか1つ)が、HT1−1の上記したリーチ乱数値範囲「70〜99」の部分の各変動パターンに割り振られた変動パターン乱数値範囲の何れに含まれるかに基づいて、変動パターン(特別図柄変動時間)を決定する。例えば、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理で使用した大当り乱数と共にRAM103から読み出された変動パターン乱数が「260」である場合、変動パターン「40.03秒」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「256〜271」に含まれるので、変動パターンとして「40.03秒」を決定する。ここで、HT1−1に示すように、HT1−1の上記したリーチ乱数値範囲「70〜99」の部分の変動パターン「15.03秒」、「15.04秒」、「40.03秒」、「40.04秒」、「90.06秒」、「90.07秒」、「90.08秒」、「90.09秒」及び「90.10秒」は、それぞれ、報知演出の演出パターンのタイプ「リーチハズレ」、「擬似1ハズレ」、「擬似2ハズレ」、「SPハズレ」、「擬似3ハズレ」、「第4SPSPハズレ」、「第3SPSPハズレ」、「第2SPSPハズレ」及び「第1SPSPハズレ」に対応する。また、「リーチハズレ」はリーチが成立した後にハズレるタイプであり、「SPハズレ」は最終的にSPリーチに発展した後にハズレるタイプであり、「第1SPSPハズレ」〜「第4SPSPハズレ」は最終的に各種SPSPリーチに発展した後にハズレるタイプであり、「擬似1ハズレ」、「擬似2ハズレ」、「擬似3ハズレ」は、再変動表示の回数(擬似連回数)がそれぞれ1回、2回、3回の擬似連演出を経てからハズレるタイプである。
また、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数が「3」の場合、上記した第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」の場合と基本的に同様にして、変動パターンを決定する。但し、第1特別図柄抽選の保留数が「3」の場合には、CPU101は、HT1−1に示すように、上記した第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」の場合に対して、リーチ乱数値範囲「0〜69」を「0〜79」に置き換え、リーチ乱数値範囲「70〜99」を「80〜99」に置き換え、又、変動パターン「8.00秒」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「0〜59」を「0〜209」に置き換え、変動パターン「13.50秒」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「60〜299」を「210〜299」に置き換えた乱数値範囲によって、変動パターンを決定する。
また、CPU101は、第1特別図柄抽選の保留数が「4」の場合、上記した第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」の場合と基本的に同様にして、変動パターンを決定する。但し、第1特別図柄抽選の保留数が「4」の場合には、CPU101は、HT1−1に示すように、上記した第1特別図柄抽選の保留数が「1」又は「2」の場合に対して、リーチ乱数値範囲「0〜69」を「0〜84」に置き換え、リーチ乱数値範囲「70〜99」を「85〜99」に置き換え、又、変動パターン「8.00秒」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「0〜59」を「210〜269」に置き換え、変動パターン「13.50秒」に割り振られた変動パターン乱数値範囲「60〜299」を「270〜299」に置き換え、更に、演出パターンのタイプ「即ハズレ」に対応し変動パターン乱数値範囲「0〜209」が割り振られた変動パターン「3.00秒」が加えられた内容の乱数値範囲によって、変動パターンを決定する。
以上に図16に示す変動パターン決定テーブルHT1−1を用いて説明したように、非時短状態(通常遊技状態)において第1特別図柄抽選でハズレた場合には、第1特別図柄抽選の保留数が少ないほど、リーチありの変動パターンが選択され易く、又、リーチなしの変動パターンが選択された場合には第1特別図柄抽選の保留数が少ないほど長い変動パターンが選択され易い。
[大当り信頼度]
ここで、大当り信頼度(大当り期待度)について説明する。大当り信頼度が高い演出とは、その演出が実行された場合において大当りが報知される可能性が高い演出であり、大当り信頼度が低い演出とは、その演出が実行された場合において大当りが報知される可能性が低い演出である。以下、図16に示すHT1−1を用いて具体的に説明する。HT1−1の「大当り」の部分から分かるように、大当りの場合には、「リーチ当り」、「擬似1当り」、「擬似2当り」、「SP当り」、「擬似3当り」、「第4SPSP当り」、「第3SPSP当り」、「第2SPSP当り」、「第1SPSP当り」の順で、変動パターン乱数値範囲が大きくなっている(一部同一あり)。一方で、HT1−1の「ハズレ」の部分から分かるように、ハズレの場合には、「リーチハズレ」、「擬似1ハズレ」、「擬似2ハズレ」、「SPハズレ」、「擬似3ハズレ」、「第4SPSPハズレ」、「第3SPSPハズレ」、「第2SPSPハズレ」、「第1SPSPハズレ」の順で、変動パターン乱数値範囲が小さくなっている(一部同一あり)。以上から分かるように、大当りの場合に実行され易くハズレの場合に実行され難い演出は大当り信頼度が高い一方で、大当りの場合に実行され難くハズレの場合に実行され易い演出は大当り信頼度が低い。つまり、「リーチ演出」、「擬似連回数1回の擬似連演出(擬似1演出)」、「擬似連回数2回の擬似連演出(擬似2演出)」、「SPリーチ演出」、「「擬似連回数3回の擬似連演出(擬似3演出)」、「第4SPSPリーチ演出」、「第3SPSPリーチ演出」、「第2SPSPリーチ演出」、「第1SPSPリーチ演出」の順で大当り信頼度が高くなる。また、変動時間の長さの観点で見れば、変動時間が長いほど大当りの信頼度が高い演出が実行されることがわかる。
[非時短状態/第2特別図柄抽選での変動パターン選択処理]
以下に、図17を用いて、非時短状態(通常遊技状態)においてステップS407の処理で第2特別図柄抽選が実行された場合における変動パターンの決定について、説明する。ステップS408において、CPU101は、図16を用いて説明した変動パターン決定の処理と基本的に同様の処理を行って、変動パターンを決定する。但し、CPU101は、図16を用いて説明した変動パターン決定の処理ではHT1−1を用いて第1特別図柄抽選に対して処理を行ったのに対して、この変動パターン決定の処理では図17に示すHT1−2を用いて第2特別図柄抽選に対して処理を行う点で異なる。ここで、図17に示すHT1−2は、図16に示したHT1−1に対して、「第1特別図柄抽選の保留数」が「第2特別図柄抽選の保留数」に置き換わった点で異なるのみである。つまり、図16を用いて説明した変動パターン決定の処理では第1特別図柄抽選の保留数が考慮されたのに対して、この変動パターン決定の処理では第2特別図柄抽選の保留数が考慮される。なお、非時短状態では、第2始動口22には遊技球が入賞し難い状態であるため、第2特別図柄抽選が実行されることは稀(レア)である。このため、非時短状態において第2特別図柄抽選が実行される際には、このレア感を示唆するために、非時短状態において第1特別図柄抽選が実行される場合よりも長時間の変動パターンが選択され易いものとしてもよい。具体的には、例えば、HT1−2においては、「ハズレ」の保留数「1、2」、「3」、「4」の各部分において、リーチありと判定されるリーチ乱数値範囲が、HT1−1の該当部分よりも大きいものとすることにより、HT1−1よりもリーチが実行され易いものとして、結果的に長時間の変動パターンが選択され易いものとしてもよい。
[時短状態/第1特別図柄抽選での変動パターン選択処理]
以下に、図18を用いて、時短状態(確変遊技状態または時短遊技状態)においてステップS407の処理で第1特別図柄抽選が実行された場合における変動パターンの決定について、説明する。ステップS408において、CPU101は、図16を用いて説明した変動パターン決定の処理と基本的に同様の処理を行って、変動パターンを決定する。但し、CPU101は、図16を用いて説明した変動パターン決定の処理ではHT1−1を用いて第1特別図柄抽選に対して処理を行ったのに対して、この変動パターン決定の処理では図18に示すHT2−1を用いて第1特別図柄抽選に対して処理を行う点で異なる。ここで、図18に示すHT2−1は、図16に示したHT1−1に対して、「ハズレ」においてリーチ乱数によってリーチなしが選択された場合において、第1特別図柄抽選の保留数に関わらず一律に変動パターン「13.50秒」(即ハズレに対応)が選択される点で異なる。
[時短状態/第2特別図柄抽選での変動パターン選択処理]
以下に、図19を用いて、時短状態(確変遊技状態または時短遊技状態)においてステップS407の処理で第2特別図柄抽選が実行された場合における変動パターンの決定について、説明する。ステップS408において、CPU101は、図16を用いて説明した変動パターン決定の処理と基本的に同様の処理を行って、変動パターンを決定する。但し、CPU101は、図16を用いて説明した変動パターン決定の処理ではHT1−1を用いて第1特別図柄抽選に対して処理を行ったのに対して、この変動パターン決定の処理では図19に示すHT2−2を用いて第2特別図柄抽選に対して処理を行う点で異なる。ここで、図19に示すように、HT2−2は、図16に示したHT1−1に対して、「第1特別図柄抽選の保留数」が「第2特別図柄抽選の保留数」に置き換わっている。つまり、図16を用いて説明した変動パターン決定の処理では第1特別図柄抽選の保留数が考慮されたのに対して、この変動パターン決定の処理では第2特別図柄抽選の保留数が考慮される。また、図19に示すように、HT2−2では、「ハズレ」における第2特別図柄抽選の保留数「1」の場合においてリーチ乱数によってリーチなしが選択された場合に、一律に変動パターン「13.50秒」が決定される。また、図19に示すように、HT2−2では、「ハズレ」における第2特別図柄抽選の保留数「2〜4」の場合においてリーチ乱数によってリーチなしが選択された場合に、変動パターン乱数値範囲「0〜239」において変動パターン「2.00秒」が決定され、変動パターン乱数値範囲「240〜269」において変動パターン「4.00秒」が決定され、変動パターン乱数値範囲「270〜299」において変動パターン「10.00秒」が決定される。
ここで、ステップS403〜S406での処理で説明したように、本実施形態では、第2特別図柄抽選の保留が、第1特別図柄抽選の保留よりも優先して消化される。また、時短状態(確変遊技状態または時短遊技状態)では、図9のステップS5及びS7での処理で説明したように、電動チューリップ27が頻繁に長期間開放して第2始動口22に遊技球が頻繁に入賞するので、第2特別図柄抽選が頻繁に連続して実行される。また、図6を参照して前述したように、第2始動口22への遊技球入賞による第2特別図柄抽選の方が、第1始動口21への遊技球入賞による第1特別図柄抽選よりも、抽選に当選(大当り)した場合の利益度合が大きい。このことから、逆に言えば、時短状態において、第1特別図柄抽選が実行されると、遊技者の利益度合が小さい大当りに当選してしまう可能性が多くなってしまうと言える。本実施形態では、以上に図19のHT2−2を用いて説明したように、時短状態においては、第2特別図柄抽選の保留数が2〜4でリーチなしの場合には短時間の変動パターン(2.00秒、4.00秒)を選択し易くして第2特別図柄抽選の保留が高速で消化されるようにしてスピード感のある遊技を実行する一方で、第2特別図柄抽選の保留数が1でリーチなしの場合には長時間の変動パターン(13.50秒)を必ず選択して遊技者に比較的不利な第1特別図柄抽選が実行され難く制御している。更に、本実施形態では、以上に図18のHT2−1を用いて説明したように、時短状態においては、遊技者に比較的不利な第1特別図柄抽選が実行されたとしても、第1特別図柄抽選の保留数が1〜4の全てにおいて、リーチなしの場合には長時間の変動パターン(13.50秒)を必ず選択して、第2始動口22に遊技球が入賞して遊技者に比較的有利な第2特別図柄抽選が実行されるための時間を稼ぐように制御している。
以上のようにしてステップS408において決定された変動パターンの情報(つまり、報知演出の実行時間:報知演出の演出パターンのタイプの情報とも言える)は、設定情報としてRAM103にセットされる。その後、処理はステップS409に移る。
ステップS409において、CPU101は、ステップS407の大当り判定処理によってセットされた設定情報、及びステップS408の変動パターン選択処理によってセットされた設定情報を含む報知演出開始コマンドを生成して、RAM103にセットする。ここで、報知演出開始コマンドは、演出制御部400に対して、画像表示部6及びスピーカ35等による報知演出の開始を指示するコマンドである。また、報知演出開始コマンドに含まれる設定情報には、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選の何れが実行されたかを示す情報や大当りの種類を表す大当り図柄の情報も含まれる。また、CPU101は、現在の遊技状態(例えば、確変遊技状態)を示す遊技状態通知コマンドをRAM103にセットする。上記した報知演出開始コマンドおよび遊技状態通知コマンドは、図11のステップS9における出力処理によって、演出制御部400へ送信される。また、CPU101は、ステップS404の処理に続いてステップS409の処理を実行する場合、ステップS404の処理で読み出された第2特別図柄抽選の乱数セットをRAM103から削除し、RAM103に記憶されている保留数U2を1減算した値に更新する。また、CPU101は、ステップS406の処理に続いてステップS409の処理を実行する場合、ステップS406の処理で読み出された第1特別図柄抽選の乱数セットをRAM103から削除し、RAM103に記憶されている保留数U1を1減算した値に更新する。その後、処理はステップS410に移る。
ステップS410において、CPU101は、ステップS409の処理でセットされた報知演出開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bによる特別図柄の変動表示を開始する。その後、処理はステップS411に移る。
ステップS411において、CPU101は、ステップS410における特別図柄の変動表示の開始時点から、ステップS408の変動パターン選択処理で設定された変動パターンが示す特別図柄変動時間が経過したか否かを判定する。ステップS411での判定がYESの場合、処理はステップS412に移り、この判定がNOの場合、処理は図11のステップS5(普通図柄処理)に移る。
ステップS412において、CPU101は、画像表示部6等による報知演出の終了を指示する報知演出停止コマンド(図柄確定コマンド)をRAM103にセットする。その後、処理はステップS413に移る。なお、ステップS412でセットされた報知演出停止コマンドは、図11のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信される。
ステップS413において、CPU101は、ステップS410の処理で開始した第1特別図柄表示器4a又は第2特別図柄表示器4bによる特別図柄の変動表示を終了する。なお、このステップS413の処理によって特別図柄の変動表示が終了されると、その後、特別図柄抽選の判定結果を表す判定図柄が規定の確定時間(例えば、0.5秒)だけ停止表示される。その後、処理はステップS414に移る。
ステップS414において、CPU101は、停止中処理を実行する。ここで、図20を参照して、この停止中処理について説明する。図20は、図15のステップS414の停止中処理の一例を示す詳細フローチャートである。
まず、図20のステップS4141において、CPU101は、図15のステップS407の大当り判定処理で大当りしたか(つまり、RAM103に大当りの種類を表す大当り図柄の情報が記憶されているか)否かを判定する。ステップS4141での判定がYESの場合、処理はステップS4142に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS4144に移る。
ステップS4142において、CPU101は、演出制御部400に対して大当り遊技演出の開始を指示する情報及び開始する大当り遊技の種類(大当りA〜Dのいずれに基づく大当り遊技演出であるか)を示す情報等を含むオープニングコマンドをRAM103にセットする。なお、このオープニングコマンドは、ステップS414の停止中処理が開始されてから(ステップS413の処理が終了してから)、規定の確定時間(0.5秒)が経過すると、図11のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、これにより大当り遊技演出が開始される。その後、処理はステップS4143に移る。
ステップS4143において、CPU101は、遊技状態を設定する。具体的には、CPU101は、RAM103に格納された高確フラグおよび時短フラグを「OFF」に設定し、大当り遊技フラグを「ON」に設定する。ここで、時短フラグは、「OFF」に設定されることにより遊技状態が非時短状態かつ非電サポ状態で制御され、「ON」に設定されることにより遊技状態が時短状態かつ電サポ状態で制御されるフラグであり、初期設定としては「OFF」に設定され、後述する図24のステップS6253、ステップS6254の処理により「ON」に設定される。高確フラグは、「OFF」に設定されることにより遊技状態が低確状態で制御され、「ON」に設定されることにより遊技状態が高確状態で制御されるフラグであり、初期設定としては「OFF」に設定され、後述する図24のステップS6252の処理により「ON」に設定される。大当り遊技フラグは、「ON」に設定されることにより大当り遊技中であることが示され、後述する図22のステップS624の処理により「OFF」に設定されることにより大当り遊技の終了が示される。なお、このステップS4143の処理において、上記した各種フラグは、ステップS414の停止中処理が開始されてから(ステップS413の処理が終了してから)、規定の確定時間(0.5秒)が経過すると設定される。これにより、大当り遊技が開始されるときに遊技状態が大当り遊技状態で制御される。その後、処理はステップS4144に移る。
ステップS4144において、CPU101は、RAM103に格納されている高確フラグが「ON」であるか否かを判定する。ステップS4144での判定がYESの場合、処理はステップS4145に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS4148に移る。
ステップS4145において、CPU101は、RAM103に格納されているSの値を、1減算した値に書き換える。ここで、Sは、高確状態で遊技が制御される特別図柄抽選の残りの実行回数(残回数)であり、Sの値が「0」であることは、もはや高確状態では遊技が制御されない(すなわち、低確状態で遊技が制御される)ことを示す。なお、このSの値は、後述する図24のステップS6252の処理によって、高確フラグが「ON」に設定されるときに規定回数(本実施形態では「150」)が設定される。このステップS4145の処理により、特別図柄抽選が1回実行されて高確状態で遊技が制御される特別図柄抽選の残回数が1回減少したことが示される。その後、処理はステップS4146に移る。
ステップS4146において、CPU101は、RAM103に格納されている(ステップS4145の処理によって減算された)Sの値が「0」であるか否か、すなわち、今回の特別図柄抽選が高確状態で制御される最後の特別図柄抽選であったか否かを判定する。ステップS4146での判定がYESの場合、処理はステップS4147に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS4148に移る。
ステップS4147において、CPU101は、遊技状態を設定する。具体的には、CPU101は、RAM103に格納された高確フラグを「OFF」に設定する。なお、このステップS4147の処理において、上記した高確フラグは、ステップS414の停止中処理が開始されてから(ステップS413の処理が終了してから)、規定の確定時間(0.5秒)が経過すると「OFF」に設定される。これにより、次の特別図柄抽選が開始されるときに遊技状態が低確状態で制御される。その後、処理はステップS4148に移る。
ステップS4148において、CPU101は、RAM103に格納されている時短フラグが「ON」であるか否かを判定する。ステップS4148での判定がYESの場合、処理はステップS4149に移り、この判定がNOの場合、停止中処理は終了して、処理は図11のステップS5(普通図柄処理)に移る。
ステップS4149において、CPU101は、RAM103に格納されているJの値を、1減算した値に書き換える。ここで、Jは、時短状態(電サポ状態)で遊技が制御される特別図柄抽選の残りの実行回数(残回数)であり、Jの値が「0」であることは、もはや時短状態(電サポ状態)では遊技が制御されない(すなわち、非時短状態(非電サポ状態)で遊技が制御される)ことを示す。なお、このJの値は、後述する図24のステップS6253、ステップS6254の処理によって、時短フラグが「ON」に設定されるときに規定回数(本実施形態では「150」または「100」)が設定される。このステップS4149の処理により、特別図柄抽選が1回実行されて時短状態(電サポ状態)で遊技が制御される特別図柄抽選の残回数が1回減少したことが示される。その後、処理はステップS4150に移る。
ステップS4150において、CPU101は、RAM103に格納されている(ステップS4149の処理によって減算された)Jの値が「0」であるか否か、すなわち、今回の特別図柄抽選が時短状態(電サポ状態)で制御される最後の特別図柄抽選であったか否かを判定する。ステップS4150での判定がYESの場合、処理はステップS4151に移り、この判定がNOの場合、停止中処理は終了して、処理は図11のステップS5(普通図柄処理)に移る。
ステップS4151において、CPU101は、遊技状態を設定する。具体的には、CPU101は、RAM103に格納された時短フラグを「OFF」に設定する。なお、このステップS4151の処理において、上記した時短フラグは、ステップS414の停止中処理が開始されてから(ステップS413の処理が終了してから)、規定の確定時間(0.5秒)が経過すると「OFF」に設定される。これにより、次の特別図柄抽選が開始されるときに遊技状態が非時短状態(非電サポ状態)で制御され、設定される変動パターンテーブルが現在のテーブル(HT2−1またはHT2−2)からHT1−1またはHT1−2に切り替わる。そして、停止中処理は終了して、処理は図11のステップS5(普通図柄処理)に移る。
説明は図15に戻り、ステップS415おいて、CPU101は、客待ちコマンドおよび現在の遊技状態を示す遊技状態通知コマンドを、ステップ416の処理(後述)で既に送信済みであるか否かを判定する。ここで、客待ちコマンドとは、ステップS414の処理が開始されてから規定の確定時間(0.5秒)を経過した時点(言い換えると、ステップS413の処理において特別図柄の変動表示が終了してから0.5秒経過した時点)において、特別図柄抽選の保留が存在しない場合に送信されるコマンドであり、特別図柄抽選の抽選結果を報知する報知演出が実行されていない状態(以下、客待ち状態ということがある)になったことを通知するコマンドである。ステップS415での判定がYESの場合、処理は図11のステップS5(普通図柄処理)に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS416に移る。
ステップS416おいて、CPU101は、客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドをRAM103にセットする。この客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドは図11のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、当該客待ちコマンドに基づいて、所定の停止演出(例えば装飾図柄停止表示の演出)が開始される。なお、上記した停止演出が開始されてから所定時間(例えば90秒)が経過すると、客待ち演出が開始される。ここで、客待ち演出は、例えば、遊技機1の題材となったコンテンツ(アニメや物語等)に関する映像を画像表示部6に表示させる演出や、例えば、遊技中に実行される所定の演出(例えばリーチ演出)の一部を画像表示部6に表示させる演出である。その後、処理は図11のステップS5(普通図柄処理)に移る。
[大入賞口処理]
図21〜図24は、図11のステップS6における大入賞口処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図11のステップS6における大入賞口処理について、図21〜図24を参照して説明する。
まず、ステップS601において、メイン制御部100のCPU101は、RAM103に格納されている情報(大当り遊技フラグ)に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技中であるか否かを判定する。ステップS601での判定がYESの場合、処理はステップS602に移り、この判定がNOの場合、処理は図11のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS602において、CPU101は、RAM103に格納されている情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のオープニング演出中であるか否かを判定する。ステップS602での判定がYESの場合、処理はステップS603に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS609に移る。
ステップS603において、CPU101は、オープニング演出の実行時間を規定する設定オープニング時間が経過したか否かを判定する。ステップS603での判定がYESの場合、処理はステップS604に移り、この判定がNOの場合、オープニング演出は終了していないので、処理は図11のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS604において、CPU101は、大当り遊技の全ラウンド数Rmax、第1大入賞口23、第2大入賞口51、およびVハネ52の動作パターン等を設定し、その設定情報をRAM103にセットする。具体的には、CPU101は、図6を用いて説明した大当りA〜Dに基づく大当り遊技のうち今回実行する大当り遊技における、第1大入賞口23、第2大入賞口51、およびVハネ52の動作パターン等を設定し、その設定情報をRAM103にセットする。このステップS604の処理によって、大当り遊技の全ラウンド数Rmax、大当り遊技中のラウンドとラウンドとの間のインターバル時間、大当り遊技の最後にエンディング演出を行う時間である設定エンディング時間等が設定される。その後、処理はステップS605に移る。
ステップS605において、CPU101は、RAM103に格納されている第1大入賞口23または第2大入賞口51への遊技球の入賞数Cを「0」にリセットする。その後、処理はステップS606に移る。
ステップS606において、CPU101は、RAM103に格納されている大当り遊技のラウンド数Rを、1加算した値に更新する。その後、処理はステップS607に移る。
ステップS607において、CPU101は、第1大入賞口23または第2大入賞口51の開放制御を開始する。具体的には、RAM103に格納されているRの値が「4」でない場合、第1大入賞口開閉部115を制御して第1大入賞口23の開放制御を開始し、一方、Rの値が「4」(つまり、V長ラウンド遊技またはV短ラウンド遊技)の場合、第2大入賞口開閉部118を制御して第2大入賞口51の開放制御を開始する。この処理によって、大当り遊技のラウンド(ラウンド遊技)が開始されて第1大入賞口23または第2大入賞口51の開放動作(1回の開放動作)が開始される。その後、処理はステップS608に移る。
ステップS608において、CPU101は、ラウンド開始(ラウンド遊技開始)を通知するラウンド開始通知コマンドをRAM103にセットする。このラウンド開始通知コマンドは図11のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、ラウンド演出が開始されることとなる。なお、このラウンド開始通知コマンドには、ステップS604で設定された全ラウンド数Rmaxを示す情報およびステップS606の処理により更新された現在のラウンド数Rを示す情報が含まれている。その後、処理はステップS613に移る。
ステップS609において、CPU101は、RAM103に格納された情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のインターバル中であるか否かを判定する。ステップS609での判定がYESの場合、処理はステップS610に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS611に移る。
ステップS610において、CPU101は、大当り遊技中の前回のラウンド終了時に第1大入賞口23が閉塞された時点から、ステップS604の処理で設定された大当り遊技中の設定インターバル時間が経過したか否かを判定する。ステップS610での判定がYESの場合、大当り遊技中の次のラウンドを開始するタイミングになっているので処理はステップS605に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS613に移る。
ステップS611において、CPU101は、RAM103に格納された情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のエンディング演出の実行中であるか否かを判定する。ステップS611での判定がYESの場合、処理は図20のステップS623に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS612に移る。
ステップS612において、CPU101は、V領域開閉処理を実行する。ここで、図23を参照して、このV領域開閉処理について説明する。図23は、図21のステップS612のV領域開閉処理の一例を示す詳細フローチャートである。
まず、図23のステップS6121において、CPU101は、ステップS607で第2大入賞口51が開放された時点から、ステップS604の処理で設定されたV領域53を開放させるまでの規定時間(図7に示す3秒)が経過したか否かを判定する。ステップS6121での判定がYESの場合、処理はステップS6122に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS6125に移る。
ステップS6122において、CPU101は、V領域開閉部120を制御してV領域53の開放制御を開始する。この処理によって、(連続大当りの場合)第2大入賞口51に入った遊技球がV領域53を通過することとなる。その後、処理はステップS6123に移る。
ステップS6123において、CPU101は、ステップS6122でV領域53の開放制御を開始した時点から、ステップS604の処理で設定されたV領域53を閉鎖させるまでの規定時間(図7に示す8秒や1秒)が経過したか否かを判定する。ステップS6123での判定がYESの場合、処理はステップS6124に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS6125に移る。
ステップS6124において、CPU101は、V領域開閉部120を制御してV領域53を閉鎖する。その後、処理はステップS6125に移る。
ステップS6125において、CPU101は、V領域スイッチ119からの検出信号に応じて、V領域53を遊技球が通過したか否かを判定する。ステップS6125での判定がYESの場合、処理はステップS6126に移り、この判定がNOの場合、V領域開閉処理は終了して、処理は図21のステップS613に移る。
ステップS6126において、CPU101は、V領域53を遊技球が通過したと判断して、V領域53を遊技球が通過したことを演出制御部400に通知するためのV領域通過コマンドをRAM103にセットする。その後、V領域開閉処理は終了して、処理は図21のステップS613に移る。なお、ステップS6126でセットされたV領域通過コマンドは、図11のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信される。
説明は図21に戻り、ステップS613において、CPU101は、第1大入賞口スイッチ114または第2大入賞口スイッチ117からの出力信号に基づいて、第1大入賞口23または第2大入賞口51に遊技球が入賞したか否かを判定する。ステップS613での判定がYESの場合、処理はステップS614に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS615に移る。
ステップS614において、CPU101は、第1大入賞口23または第2大入賞口51への遊技球の入賞を検出したと判断して、RAM103に格納されている遊技球の入賞数Cを、1加算した値に更新する。ステップS614の処理が、第1大入賞口23または第2大入賞口51に遊技球が入賞する毎に実行されることで、1つのラウンド中に第1大入賞口23または第2大入賞口51に入賞した遊技球の総数(入賞数C)がRAM103に累積記憶されていく。また、CPU101は、第1大入賞口23または第2大入賞口51に遊技球が入賞したことを演出制御部400に対して通知するための入賞コマンドをRAM103にセットする。この入賞コマンドが図11のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信されることにより、演出制御部400は、1つのラウンド中に遊技球が第1大入賞口23または第2大入賞口51に入賞する毎に、その入賞数C(つまり、1つのラウンド中の何個目の入賞であるか)が通知され、当該通知情報に基づいて、図27のステップS126の入賞処理指示が実行されることとなる。なお、第1大入賞口23または第2大入賞口51への遊技球の入賞は、ラウンド中およびラウンド直後に設けられた大入賞口有効期間中において有効(すなわち、正常な入賞である)とみなされ、上記した入賞コマンドは、これらの有効とみなされる期間において遊技球の入賞が検出された場合に送信される。その後、処理はステップS615に移る。
ステップS615において、CPU101は、RAM103に格納された情報に基づいて、遊技機1の状態が大当り遊技のラウンド演出の実行中であるか否かを判定する。ステップS615での判定がYESの場合、処理はステップS616に移り、この判定がNOの場合、処理は図11のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS616において、CPU101は、ステップS607の処理で第1大入賞口23または第2大入賞口51の開放制御が開始された時点から規定の開放制御時間が経過したか否かを判定する。具体的には、CPU101は、連続大当りの場合、第1大入賞口23および第2大入賞口51に対して29.5秒間の開放制御時間が経過したか否かを判定する。一方、CPU101は、単発大当りの場合、第1大入賞口23に対しては29.5秒間の開放制御時間が経過したか否かを判定し、第2大入賞口51に対しては0.1秒間の開放制御時間が経過したか否かを判定する。ステップS616での判定がYESの場合、処理はステップS618に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS617に移る。
ステップS617において、CPU101は、今回のラウンドにおける遊技球の入賞数Cが、第1大入賞口23または第2大入賞口51が閉塞されるタイミングを規定する上限遊技球数Cmax(本実施形態では「10」)となったか否かを判定する。ステップS617での判定がYESの場合、処理はステップS618に移り、この判定がNOの場合、処理は図11のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
ステップS618において、CPU101は、第1大入賞口23が開放されている場合には、第1大入賞口開閉部115を制御して、ステップS607で開始した第1大入賞口23の開放制御を終了し、一方、第2大入賞口51が開放されている場合には、第2大入賞口開閉部118を制御して、ステップS607で開始した第2大入賞口51の開放制御を終了する。つまり、ステップS607で開放した大入賞口を閉鎖して今回のラウンドを終了する。その後、処理はステップS619に移る。
ステップS619において、CPU101は、ラウンド終了(ラウンド遊技終了)を通知するラウンド終了通知コマンドをRAM103にセットする。このラウンド終了通知コマンドは図11のステップS9の出力処理によって演出制御部400へ送信され、今回のラウンドが終了したことが通知される。その後、処理はステップS620に移る。
ステップS620において、CPU101は、RAM103に格納されている現在のラウンド数Rが、ステップS604の処理で設定された大当り遊技の最大ラウンド数Rmaxに達したか否かを判定する。ステップS620での判定がYESの場合、処理は図22のステップS621に移り、この判定がNOの場合、処理は図11のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
図22のステップS621において、CPU101は、RAM103に格納されているラウンド数Rを「0」にリセットする。その後、処理はステップS622に移る。
ステップS622において、CPU101は、演出制御部400に対して大当り遊技のエンディング演出の実行を指示するエンディングコマンドを、RAM103にセットする。この処理でセットされたエンディングコマンドは、図11のステップS9(出力処理)によって演出制御部400へ送信される。なお、このエンディングコマンドとしては、大当り図柄および大当り遊技終了後に制御される遊技状態に対応したコマンドが送信され、演出制御部400は、このエンディングコマンドに基づいて、エンディング演出終了後(大当り遊技演出終了後)の演出を制御する。具体的には、大当り遊技後に確変遊技状態で制御される大当り(例えば、図6に示す大当りA、大当りC、大当りD)を示す大当り図柄に対応したエンディングコマンドである場合には、大当り遊技終了後に確変遊技状態に制御されることを示すエンディングコマンドが送信され、演出制御部400は、当該エンディングコマンドに基づいて大当り遊技演出の終了後、確変遊技状態を示す演出モードの演出を実行する。その後、処理はステップS623に移る。
ステップS623において、CPU101は、ステップS622でエンディングコマンドをRAM103にセットした時点から図21のステップS604の処理で設定された設定エンディング時間が経過したか否かを判定する。ステップS623での判定がYESの場合、処理はステップS624に移り、この判定がNOの場合、処理は図21のステップS613に移る。
ステップS624において、CPU101は、実行していた大当り遊技を終了する。具体的には、CPU101は、RAM103に格納されている大当り遊技フラグをOFFに設定して、大当り遊技を終了する。その後、処理はステップS625に移る。
ステップS625において、CPU101は、遊技状態設定処理を実行する。ここで、図24を参照して、この遊技状態設定処理について説明する。図24は、図22のステップS625の遊技状態設定処理の一例を示す詳細フローチャートである。
まず、図24のステップS6251において、CPU101は、今回の大当り遊技において図23のステップS6125で1回以上の遊技球のV領域53通過が検出されたか否かを判定する。ステップS6251での判定がYESの場合、処理はステップS6252に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS6254に移る。
ステップS6252において、CPU101は、RAM103に格納されている高確フラグを「ON」に設定し、RAM103に記憶されたSの値を「150」に設定する。なお、前述したように、Sは高確状態で遊技が制御される特別図柄抽選の残回数を示す。その後、処理はステップS6253に移る。
ステップS6253において、CPU101は、RAM103に格納されている時短フラグを「ON」に設定し、RAM103に記憶されたJの値を「150」に設定する。なお、前述したように、Jは時短状態(電サポ状態)で遊技が制御される特別図柄抽選の残回数を示す。そして、遊技状態設定処理は終了して、処理は図11のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。なお、
V長ラウンド遊技ではV領域53を遊技球が通過可能であり、V短ラウンド遊技ではV領域53を遊技球が通過困難であることから、V領域53を遊技球が通過する(つまり、ステップS6251でYESと判定される)のは、原則として、V長ラウンド遊技が実行される連続大当りのときである。ただし、例外的に、V短ラウンド遊技が実行される単発大当りにおいて遊技球がV領域53を通過した(V入賞した)場合には、ステップS6251でYESと判定されるので、ステップS6252およびステップS6253の処理は、連続大当りにおいてV入賞した場合のみならず、単発大当りにおいて例外的にV入賞した場合にも実行されることになる。このため、単発大当りにおいて例外的にV入賞した場合には、大当り遊技後に確変遊技状態で制御されることになる。
ステップS6254において、CPU101は、RAM103に格納されている時短フラグを「ON」に設定し、RAM103に記憶されたJの値を「100」に設定する。そして、遊技状態設定処理は終了して、処理は図11のステップS7(電動チューリップ処理)に移る。
以上のように、遊技球がV領域53を通過すると(ステップS6251でYES)、大当り遊技後の遊技状態が150回転目まで(特別図柄抽選が150回実行されるまで)確変遊技状態に設定される(ステップS6252、S6253)。一方、遊技球がV領域53を通過しなかった場合(ステップS6251でNO)には、大当り遊技後の遊技状態が100回転目まで時短遊技状態で制御される(ステップS6254)。なお、本実施形態では、遊技球がV領域53を通過(V入賞)しなかった場合には、連続大当りの場合も単発大当りの場合も同じ時短回数(100回)の時短遊技状態で制御されるものとしているが、連続大当りのときにV入賞しなかった場合には、単発大当りのときにV入賞しなかった場合よりも多くの時短回数(例えば150回)の時短遊技状態で制御されるものとしてもよい。これは以下の理由による。すなわち、連続大当りでは、前述してきたとおり、V領域53を遊技球が通過可能なV長ラウンド遊技が実行されるため、大当り遊技後には確変遊技状態で遊技が制御されることが通常であり、このため、V領域53を遊技球が通過しないことで有利な遊技状態(確変遊技状態)を獲得できなかった場合には、本来獲得できるはずの利益を享受できなかったことになる。したがって、このような場合には、V短ラウンド遊技が実行されることにより大当り遊技後に確変遊技状態で遊技が制御されることが困難な単発大当りよりも、時短回数を多く付与することにして、いくばくかの救済措置を講じることにしてもよい。
以上で、図8〜図24を用いて説明したメイン制御部100の処理の説明は終了する。
[演出制御部によるタイマ割り込み処理]
図25〜図42は、演出制御部400によって行われるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャート、またはその補足説明のための図である。以下に、図25〜図42を参照して、演出制御部400において行われるタイマ割込み処理について説明する。演出制御部400は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図25に示す一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、演出制御部400で行われる処理はROM402に記憶されているプログラムに基づいて実行される。
まず、図25のステップS11において、CPU401は、メイン制御部100から図11のステップS9の出力処理により出力された各種コマンドを受信して、受信したコマンドに応じて演出内容を設定し、設定した演出内容の演出を画像音響制御部500等に実行指示するための各種コマンドをRAM403にセットするコマンド受信処理を実行する。なお、このコマンド受信処理については、図26及び図27を参照して後に詳述する。
次に、ステップS12において、CPU401は、ステップS11の処理でRAM403にセットされた各種コマンドを画像音響制御部500等に出力する出力処理を実行する。この処理によって、ステップS11の処理で実行決定された各種演出が、画像音響制御部500等の実行制御により、画像表示部6、スピーカ35および盤ランプ8等で実行されることとなる。
なお、上記したタイマ割り込み処理の実行毎に、CPU401は、演出に使用する各種演出乱数を更新する乱数更新処理を行う。この乱数更新処理においても、図11のステップS1の乱数更新処理と同様に、典型的にはループカウンタが用いられ、そのカウント値(更新された乱数値)は、最大値(例えば、99)に達した後は再び0に戻る(つまり、循環する)。また、この乱数更新処理において、各演出乱数のカウンタは、それぞれ、1回循環するとランダムに初期値(循環の起点となる値)を更新する。このことによって、これらの演出乱数の間でカウンタの値(カウント値)が同期することを回避できる。
[コマンド受信処理]
図26および図27は、図25のステップS11のコマンド受信処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図26および図27を参照して、図25のステップS11のコマンド受信処理について説明する。
まず、図26のステップS111において、演出制御部400のCPU401は、メイン制御部100から保留数増加コマンド(第1保留数増加コマンドまたは第2保留数増加コマンド;図14のステップS206及びS212参照)を受信したか否かを判定する。ステップS111での判定がYESの場合、処理はステップS112に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS114に移る。
ステップS112において、CPU401は、先読み予告演出設定処理を行う。具体的には、まず、CPU401は、第1保留数増加コマンドを受信した場合、RAM403に、第1特別図柄抽選の保留を示すデータ(保留データ)を時系列順で1つ累積記憶させ、一方、第2保留数増加コマンドを受信した場合、RAM403に、第2特別図柄抽選の保留を示すデータ(保留データ)を時系列順で1つ累積記憶させる。また、その際に、CPU401は、保留数増加コマンドに含まれる事前判定情報を抽出して上記した各保留データに含めて、RAM403に記憶する。なお、非時短状態においては原則的に第1特別図柄抽選が保留されるため、第1保留数増加コマンドに含まれる事前判定情報に基づいて先読み予告演出設定処理が実行され、時短状態においては原則的に第2特別図柄抽選が保留されるため、第2保留数増加コマンドに含まれる事前判定情報に基づいて先読み予告演出設定処理が実行される。ここで、この先読み予告演出設定処理の詳細について、図28を参照して説明する。なお、図28に示す先読み予告演出設定処理では、非時短状態において第1保留数増加コマンドに基づいて先読み予告演出設定処理が実行される場合について説明するが、時短状態において第2保留数増加コマンドに基づいて先読み予告演出設定処理が実行される場合も同様である。
[先読み予告演出設定処理]
図28を参照して、演出制御部400による先読み予告演出設定処理について説明する。図28は、図26のステップS112の先読み予告演出設定処理の一例を示す詳細フローチャートである。
ステップS1121において、CPU401は、図26のステップS111の処理により受信された保留数増加コマンド(第1保留数増加コマンド)に基づいて記憶された保留データ(以下、最新保留データ、または単に最新保留ということがある)に含まれる事前判定情報に基づいて先読み抽選処理を行い、処理はステップS1122に移る。ここで、先読み抽選処理とは、図29に示す抽選テーブルにしたがって、先読み予告演出(事前判定に基づく予告演出)の種類を、抽選により決定する処理である。以下、図29を参照して具体的に説明する。
[先読み予告演出の抽選テーブル]
図29は、ステップS1121における先読み抽選処理の際に参照される抽選テーブルを示す。図29に示す抽選テーブルには、事前判定情報の演出パターンのタイプに応じて、先読み予告演出の種類として、「一発型消化変化演出」、「ボタン保留変化予告」、「オート保留変化予告」、「予告演出なし」のそれぞれが決定される抽選割合が規定されており、この抽選割合に基づいて各先読み予告演出が決定される。ここで、一発型消化変化予告とは、詳細は後述するが、消化保留画像として、キャラクタを模したシルエットが完成するかしないかを煽り、完成すると大当りの信頼度が高いことを示唆し、完成しないとハズレである可能性が高いことを示唆する予告演出である。なお、消化保留画像とは、保留画像が示す特別図柄抽選の保留が消化されてこの特別図柄抽選が実行されていることを示すための画像であり、その表示態様によって実行中の特別図柄抽選の大当りの期待度等を示唆する画像である。ボタン保留変化予告とオート保留変化予告は、対象の保留(具体的には、上記した最新保留)が大当りである可能性を事前に予告するために保留画像の表示態様を変化させる保留変化演出であり、ボタン保留変化予告は、遊技者が演出ボタン37を操作(押下操作)することに応じて対象の保留を示す保留画像の表示態様(具体的には色)を変化させる保留変化演出であり、オート保留変化演出は、遊技者の操作にかかわらず所定タイミングで自動的に対象の保留を示す保留画像の表示態様(色)を変化させる保留変化演出である。一例として、演出パターンのタイプが「擬似3当り」を示す場合には、先読み予告演出として、「一発型消化変化予告」が5%の抽選割合で決定され、「ボタン保留変化予告」が、60%の抽選割合で決定され、「オート保留変化予告」が15%の抽選割合で決定され、「予告演出なし」が20%の抽選割合で決定される。なお、この抽選割合は一例に過ぎず、例えば同じ「SPSPリーチ演出」が実行される「SPSPリーチハズレ」と「SPSPリーチ当り」とでは、「SPSPリーチ当り」の方がボタン保留変化予告が行われ易い(すなわち、大当りの方がボタン保留変化予告が行われ易い)ものとしてもよい。
ステップS1122において、CPU401は、ステップS1121の先読み抽選処理によって一発型消化変化予告を行うことが決定されたか否かを判定する。ステップS1122での判定がYESの場合、処理はステップS1123に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS1126に移る。
ステップS1123において、CPU401は、一発型消化変化予告の変化結果を、事前判定情報が示す演出パターンのタイプ(変動パターン)に応じた抽選により決定する。なお、本実施形態において一発型変化予告が実行されるときの消化保留画像の表示態様(変化結果)は、シルエットが完成する成功表示態様またはシルエットが完成しない失敗表示態様であり(後述する図56の(4)参照)、この表示態様によって大当りの信頼度が示唆される。そして、処理はステップS1124に移る。
[一発型消化変化予告の変化結果の抽選テーブル]
ここで、図30を参照して、ステップS1123における抽選について説明する。図30は、ステップS1123における抽選の際に参照される抽選テーブルを示す。図30に示す抽選テーブルには、事前判定情報の演出パターンのタイプに応じて、変化結果としてシルエットの成功表示態様または失敗表示態様が決定される抽選割合が規定されており、この抽選割合に基づいて変化結果が決定される。一例として、演出パターンのタイプが「擬似3当り」を示す場合には、変化結果として成功表示態様が90%の抽選割合で決定され、失敗表示態様が、10%の抽選割合で決定される。なお、図30からわかるように、成功表示態様が決定される割合は大当りの場合で高く(90%)、またハズレの場合でも「擬似3演出」、「SPSPリーチ演出」が実行される演出パターンのタイプにおいては高い(60%)。このことから、一発型消化変化予告の変化結果が成功表示態様であると、大当りであるか、信頼度の高い「擬似3演出」または「SPSPリーチ演出」が実行される可能性が高いことが示唆される。その一方で、図30からわかるように、「即ハズレ」のときには、失敗表示態様のみが決定され、「リーチハズレ」や「擬似2ハズレ」のときにも失敗表示態様が決定され易い(90%)。このことから、一発型消化変化予告の変化結果が失敗表示態様であるとハズレである可能性が高く、また発展しても信頼度の高くない「SPリーチ演出」や「擬似2演出」までしか発展しない可能性が高いことが示唆される。このため、本実施形態における一発型消化変化予告は、その変化結果により大当りの期待度がかなり高いか、もしくはかなり低い(ハズレ)かという極端な結果を予告する演出として機能する。なお、図30に示す抽選テーブルにおいて、例えば失敗表示態様が決定されるのは「ハズレ」のときのみである(大当りの場合には決定されない)ものとして、一発型消化変化予告の変化結果が失敗表示態様であると必ずハズレとなるようにしてもよい。
図28のステップS1124において、CPU401は、最新保留に対応付けられた一発変化フラグをONに設定するとともに、一発変化フラグに対応付けてステップS1123で決定した変化結果をRAM403に記憶する。ここで、一発変化フラグとは、特別図柄抽選の保留に対応付けてRAM403に記憶されるフラグであり、この一発変化フラグがONである場合には、一発変化フラグがONである保留(以下、一発変化保留ということがある)が消化される際に、当該一発変化保留に対応する特別図柄の変動表示において一発型消化変化予告が実行される。その後、処理はステップS1125に移る。
ステップS1125において、CPU401は、最新保留を示す保留画像の表示態様として、通常表示態様(例えば「白」)を設定する。なお、通常表示態様とは、保留変化演出が実行されないときの保留画像のデフォルトの表示態様のことをいう。すなわち、一発型消化変化予告では、通常表示態様で表示された保留画像が示す保留が消化された後に消化保留画像としてその表示態様が変更されることになる。その後、先読み予告演出設定処理は終了し、処理は図26のステップS113に移る。
ステップS1126において、CPU401は、ステップS1121の先読み抽選処理によってボタン保留変化予告を行うことが決定されたか否かを判定する。ステップS1126での判定がYESの場合、処理はステップS1127に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS1131に移る。
ステップS1127において、CPU401は、ボタン保留変化予告が実行されるときの最新保留を示す保留画像の最終表示態様(以下、最終保留態様ということがある)を、事前判定情報が示す演出パターンのタイプ(変動パターン)に応じた抽選により決定する。なお、本実施形態においてボタン保留変化予告が実行されるときの保留画像の表示態様は、ボタン画像が付された保留球であり(後述する図55の(1)参照)、ボタン操作することで保留球の色が変化することが示唆され、この保留球の色の変化によって大当りの信頼度が示唆される。そして、処理はステップS1128に移る。
[最終保留態様の抽選テーブル]
ここで、図31を参照して、ステップS1127における抽選について説明する。図31は、ステップS1127における抽選の際に参照される抽選テーブルを示す。図31に示す抽選テーブルには、事前判定情報の演出パターンのタイプに応じて、最終表示態様(具体的には保留球の色)として「青」、「緑」、「赤」、「虹」のそれぞれが決定される抽選割合が規定されており、この抽選割合に基づいて各最終表示態様が決定される。一例として、演出パターンのタイプが「擬似3当り」を示す場合には、最終表示態様として「青」が10%の抽選割合で決定され、「緑」が、20%の抽選割合で決定され、「赤」が60%の抽選割合で決定され、「虹」が10%の抽選割合で決定される。なお、図31から分かるように、「虹」が決定されるのは、演出パターンのタイプが「当り」である場合に限り、演出パターンのタイプが「ハズレ」である場合には決定され得ない。このため、最終保留態様として「虹」が決定されると必ず「大当り」となる。また、「赤」が決定されるのは、「SPリーチ演出」、「擬似2演出」、「SPSPリーチ演出」、「擬似3演出」が実行される演出パターンのタイプであり、「リーチ演出」、「擬似1演出」が実行される演出パターンのタイプでは決定され得ない。このため、最終表示態様として「赤」が決定されると必ず「擬似2演出」以上の大当り信頼度の演出が実行されることになる。また、演出パターンのタイプで比較すると、大当り信頼度が低い「リーチ演出」、「擬似1演出」が実行される演出パターンのタイプでは、「青」が最も決定され易く、大当り信頼度が中程度の「擬似2演出」、「SPリーチ演出」が実行される演出パターンのタイプでは、「緑」が最も決定され易く、大当り信頼度が高い「擬似3演出」、「SPSPリーチ演出」が実行される演出パターンのタイプでは、「赤」が最も決定され易い。このため、本実施形態では、「虹」が大当り確定を示唆し、「赤」が大当りの信頼度が高いことを示唆し、「緑」が大当りの信頼度が中程度であることを示唆し、「青」が大当りの信頼度が低いことを示唆する。すなわち、本実施形態では、図31に示す最終保留態様は、右に行くほど信頼度が高くなる。以下では、説明の便宜のため、信頼度が高くなるほど段階が高くなるものとして、最終保留態様を左から順に段階1〜4に分類するものとする(例えば、「青」を段階1に分類し、「虹」を段階4に分類する)。
図28のステップS1128において、CPU401は、ステップS1127で決定された最終保留態様と現在の保留数とに応じて複数の保留変化シナリオの中から例えば抽選により1つを決定して、処理はステップS1129に移る。
[保留変化シナリオ]
ここで、図32を参照して、保留変化シナリオについて説明する。保留変化シナリオとは、特別図柄の変動表示が終了することに伴って保留画像が移動する際に変化させる表示態様を規定するシナリオである。図32の(1)は、保留数(第1特別図柄抽選の保留数)が4つ(つまり、最新保留が4つ目の保留)であり、最終保留態様が「赤」である場合の保留変化シナリオを示し、図32の(2)は保留数が4つであり、最終保留態様が「緑」である場合の保留変化シナリオを示す。
最新保留が4つ目の保留である場合には、保留の発生時(遊技球の入賞時)には、最新保留を示す保留画像は、第4保留位置(現在の保留のうち4番目に記憶された保留の位置)に表示され、その後、既に記憶された保留に対応する特別図柄の変動表示が終了する毎に、その表示位置を、第3保留位置、第2保留位置、第1保留位置へと変化させる。そして、保留変化シナリオは、各保留位置に移動したとき(表示されたとき)の保留画像の表示態様を規定する。図32の(1)では、最終保留態様が「赤」であるため、第1保留位置における保留画像の表示態様は「赤」に設定されるが、第4保留位置から第2保留位置における保留画像の表示態様として、複数の変化シナリオHR1〜HR10が規定される。なお、各変化シナリオでは、保留画像が第4保留位置から第1保留位置に移動するまでに(つまり、最終保留態様に変化するまでに)保留画像の表示態様によって示唆される信頼度が低くならないように(いわゆる、成り下がりがないように)、各保留位置における表示態様を規定するシナリオが設定される。一例として、変化シナリオHR9が設定されると、保留画像が第4保留位置から第1保留位置に移動するまでに、各保留位置において「青」→「青」→「緑」→「赤」と変化するシナリオが組まれることになる。同様に、図32の(2)では、最終保留態様が「緑」であるため、第1保留位置における保留画像の表示態様は「緑」に設定され、成り下がりがないように各保留位置における表示態様を規定する変化シナリオHG1〜HG4が規定される。一例として、変化シナリオHG3が設定されると、保留画像が第4保留位置から第1保留位置に移動するまでに、各保留位置において「青」→「青」→「緑」→「緑」と変化するシナリオが組まれることになる。
なお、図32では、最終保留態様が「青」や「虹」のときについて記載していないが、この場合にも同様に、第1保留位置における保留画像の表示態様が最終保留態様の色に設定され、成り下がりがないように各保留位置における表示態様を規定する変化シナリオが規定される。また、図32では、保留数が4つの場合について説明したが、保留数が3つの場合には図32の第4保留位置における表示態様の規定を割愛し、保留数が2つの場合には、図32の第4保留位置および第3保留位置における表示態様の規定を割愛することで同様に考えることができる。なお、保留数が1つの場合には、保留変化シナリオは、最終保留態様と同じになる。
図28のステップS1129において、CPU401は、最新保留を示す保留画像の初期表示態様(以下、初期保留態様という)としてボタン付き白保留画像(後述する図55の(1)の左端参照)を決定する。その後、処理はステップS1130に移る。なお、後述の説明によって明らかとなるが、本実施形態のボタン保留変化予告では、最新保留の発生時(遊技球の入賞時)に、当該最新保留を示す保留画像がボタン付き白保留画像で表示されることにより、演出ボタン37を操作することで保留変化する(保留画像の表示態様が変化する)ことが示唆される。そして、演出ボタン37を操作することによりステップS1128で決定された保留変化シナリオにしたがって保留変化する一方、演出ボタン37を操作しないと保留変化シナリオに沿った保留変化をしないため、必ずしも保留変化シナリオにしたがった保留変化をするとは限らない。
ステップS1130において、CPU401は、最新保留に対応付けられた変化予約フラグをONに設定するとともに、ステップS1124で決定した保留変化シナリオを変化予約フラグに対応付けてRAM403に記憶する。ここで、変化予約フラグとは、特別図柄抽選の保留に対応付けてRAM403に記憶されるフラグであり、この変化予約フラグがONである場合には、変化予約フラグがONである保留(以下、変化予約保留ということがある)においてボタン保留変化予告が実行される。その後、先読み予告演出設定処理は終了し、処理は図26のステップS113に移る。
ステップS1131において、CPU401は、ステップS1121の先読み抽選処理によってオート保留変化予告を行うことが決定されたか否かを判定する。ステップS1131での判定がYESの場合、処理はステップS1132に移り、この判定がNOの場合(つまり、予告演出を実行しない場合)、処理はステップS1136に移る。
ステップS1132において、CPU401は、オート保留変化予告が実行されるときの最新保留を示す保留画像の最終表示態様を、事前判定情報が示す演出パターンのタイプ(変動パターン)に応じた抽選により決定する。なお、本実施形態においてオート保留変化予告が実行されるときの保留画像の表示態様は、ボタン画像が付されない保留球であり(後述する図55の(2)参照)、この保留球の色が自動的に変化することによって大当りの信頼度が示唆される。また、このステップS1132の処理は、ボタン保留変化予告で説明したステップS1127の処理と同様であり、具体的には、図31に示す最終表示態様の抽選テーブルを参照して最新保留を示す保留画像の最終保留態様(色)を決定する。その後、処理はステップS1133に移る。
ステップS1133において、CPU401は、ステップS1132で決定された最終保留態様と現在の保留数とに応じて複数の保留変化シナリオの中から例えば抽選により1つを決定する。具体的には、ボタン保留変化予告で説明したステップS1128の処理と同様に、ステップS1132で決定された最終保留態様と現在の保留数とに応じて、例えば図32に示す保留変化シナリオの中から1つの保留変化シナリオを決定する。その後、処理はステップS1134に移る。
ステップS1134において、CPU401は、最新保留を示す保留画像の初期保留態様として、ステップS1133で決定された保留変化シナリオに規定された、最新保留が発生したときの保留の表示位置(4つ目の保留であれば第4保留位置)に対応する表示態様(例えば、図32に示す変化シナリオHR9であれば「青」)を決定する。その後、処理はステップS1135に移る。
ステップS1135において、CPU401は、最新保留に対応付けられた自動変化フラグをONに設定するとともに、ステップS1133で決定した保留変化シナリオを自動変化フラグに対応付けてRAM403に記憶する。ここで、自動変化フラグとは、特別図柄抽選の保留に対応付けてRAM403に記憶されるフラグであり、この自動変化フラグがONである場合には、自動変化フラグがONである保留(以下、自動変化保留ということがある)においてオート保留変化予告が実行される。その後、先読み予告演出設定処理は終了し、処理は図26のステップS113に移る。
ステップS1136において、CPU401は、最新保留を示す保留画像の表示態様として、通常表示態様(例えば「白」)を設定する。その後、先読み予告演出設定処理は終了し、処理は図26のステップS113に移る。
なお、上記した先読み予告演出設定処理において、図32を参照して説明した保留変化シナリオでは、第1保留位置〜第4保留位置のいずれの保留位置においても、デフォルトの通常表示態様(「白」)ではない表示態様(「青」、「緑」、「赤」、「虹」)が決定されるものとした。しかし、これに限らず、保留変化シナリオとして、通常表示態様(「白」)が設定されてもよい。具体的には、通常表示態様を段階0(図31参照)に分類するものとし、段階が下がらないように(すなわち成り下がりがないように)、保留画像が第4保留位置から第1保留位置に移動するまでに、各保留位置において「白」→「青」→「緑」→「赤」や「白」→「白」→「青」→「赤」と変化する変化シナリオが設定されてもよい。つまり、保留の発生時(遊技球の入賞時)から保留の表示態様(色)が変化するものではなく、所定個数の保留が消化されて保留画像の表示位置が移動した後にその表示態様が変化するものとしてもよい。
なお、上記した先読み予告演出設定処理では、ステップS1123において最終表示態様が決定され、この最終表示態様に基づいてステップS1124において保留変化シナリオが決定されるものとしたが、事前判定情報が示す演出パターンのタイプと保留数とに基づいて最終表示態様を含めたシナリオが一度に抽選されるものとしてもよい。また、上記した先読み予告演出設定処理では、説明を簡単にするために、保留変化演出としてボタン保留変化予告とオート保留変化予告について例示したが、抽選に応じて他の保留変化予告が実行可能であるものとしてもよい。
説明は図26に戻り、ステップS113において、CPU401は、受信した保留数増加コマンド(第1保留数増加コマンドまたは第2保留数増加コマンド)、およびステップS112の処理で設定された最新保留を示す保留画像の表示態様(初期表示態様または通常表示態様)に基づいて、画像音響制御部500に指示して、画像表示部6に、第1特別図柄抽選または第2特別図柄抽選の最新保留を示す保留画像の追加表示処理等を行う。なお、この画像音響制御部500への保留画像の表示指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS114に移る。
ステップS114において、CPU401は、図15のステップS409でセットされた報知演出開始コマンドおよび遊技状態通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS114での判定がYESの場合、処理はステップS115に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS116に移る。
ステップS115において、CPU401は、ステップS114の処理で受信した報知演出開始コマンドに応じて、画像表示部6等による報知演出の演出内容を設定し、設定した内容の報知演出の実行を画像音響制御部500等に指示して開始させる報知演出設定処理を行う。ここで、報知演出(変動演出)は、特別図柄の変動表示に応じて画像表示部6等において実行されて特別図柄抽選の結果を示唆する演出であり、例えば、装飾図柄が変動表示され、当該変動表示された装飾図柄が停止表示されることにより特別図柄抽選の結果が報知される演出である。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。ここで、この報知演出設定処理の詳細について、図33を参照して説明する。
[報知演出設定処理]
図33を参照して、演出制御部400による報知演出設定処理について説明する。図33は、図26のステップS115の報知演出設定処理の一例を示す詳細フローチャートである。
まず、ステップS1151において、CPU401は、図26のステップS114で受信した報知演出開始コマンドに含まれる設定情報に基づいて、今回の報知演出において実行する演出パターンを決定する。具体的には、図16〜図19に示したように、<擬似3の明細書を導入>CPU401は、設定情報が示す変動パターン(特別図柄変動時間)が「90.05秒」の場合には第1SPSPリーチまで実行して大当り報知する演出パターン(第1SPSP当り)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「90.04秒」の場合には第2SPSPリーチまで実行して大当り報知する演出パターン(第2SPSP当り)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「90.03秒」の場合には第3SPSPリーチまで実行して大当り報知する演出パターン(第3SPSP当り)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「90.02秒」の場合には第4SPSPリーチまで実行して大当り報知する演出パターン(第4SPSP当り)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「90.01秒」の場合には擬似連回数3回の擬似連演出を経てから大当り報知する演出パターン(擬似3当り)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「40.02秒」の場合にはSPリーチまで実行して大当り報知する演出パターン(SP当り)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「40.01秒」の場合には擬似連回数2回の擬似連演出を経てから大当り報知する演出パターン(擬似2当り)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「15.02秒」の場合には擬似連回数1回の擬似連演出を経てから大当り報知する演出パターン(擬似1当り)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「15.01秒」の場合にはリーチまで実行して大当り報知する演出パターン(リーチ当り)を決定する。またCPU401は、設定情報が示す変動パターンが「90.10秒」の場合には第1SPSPリーチまで実行してハズレ報知する演出パターン(第1SPSPハズレ)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「90.09秒」の場合には第2SPSPリーチまで実行してハズレ報知する演出パターン(第2SPSPハズレ)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「90.08秒」の場合には第3SPSPリーチまで実行してハズレ報知する演出パターン(第3SPSPハズレ)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「90.07秒」の場合には第4SPSPリーチまで実行してハズレ報知する演出パターン(第4SPSPハズレ)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「90.06秒」の場合には擬似連回数3回の擬似連演出を経てからハズレ報知する演出パターン(擬似3ハズレ)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「40.04秒」の場合にはSPリーチまで実行してハズレ報知する演出パターン(SPハズレ)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「40.03秒」の場合には擬似連回数2回の擬似連演出を経てからハズレ報知する演出パターン(擬似2ハズレ)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「15.04秒」の場合に擬似連回数1回の擬似連演出を経てからハズレ報知する演出パターン(擬似1ハズレ)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「15.03秒」の場合にはリーチまで実行してハズレ報知する演出パターン(リーチハズレ)を決定し、設定情報が示す変動パターンが「13.50秒」以下の場合にはリーチも実行せずハズレ報知する演出パターン(即ハズレ)を決定する。その後、処理はステップS1152に移る。
ステップS1152において、CPU401は、図28に示す先読み予告演出設定処理によって設定された保留変化演出(ボタン保留変化予告またはオート保留変化予告)による保留画像の表示態様の変化内容を決定する保留変化決定処理を実行する。ここで、この保留変化決定処理の詳細について、図34を参照して説明する。
[保留変化決定処理]
図34を参照して、演出制御部400による保留変化決定処理について説明する。図34は、図33のステップS1152の保留変化決定処理の一例を示す詳細フローチャートである。なお、図34に示す保留変化決定処理では、図26のステップS114において報知演出開始コマンドを受信したとき(すなわち、特別図柄の変動開始時)に、現在のRAM403に記憶されている特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)の保留の表示態様を変化させる内容を決定する処理が行われる。また、特別図柄の変動開始時に決定された内容の保留変化は、当該特別図柄の変動表示中において実行される。
まず、ステップS521において、CPU401は、特別図柄の変動開始時にRAM403に記憶されている特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)の保留の中に、変化予約保留または自動変化保留(以下、まとめて変化対象保留ということがある)が含まれているか否かを判定する。ステップS521での判定がYESの場合、処理はステップS522に移り、この判定がNOの場合、保留変化決定処理は終了して、処理は図33のステップS1153に移る。
ステップS522において、CPU401は、図26のステップS114で受信した報知演出開始コマンドに基づいて実行される現在の特別図柄の変動表示が、変化対象保留の変動表示であるか(すなわち、変化対象保留が消化されるか)否かを判定する。なお、詳細は後述の説明によって明らかとなるが、この処理が行われるのは、変化対象保留が消化される場合には、消化された後に表示される消化保留画像の最終表示態様に制約が課せられるためであり、変化対象保留ではない他の保留の変動表示と区別する必要があるからである。ステップS522での判定がYESの場合、処理はステップS526に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS523に移る。
ステップS523において、CPU401は、RAM403に記憶された変化予約フラグがONであるか否か(すなわち、変化予約保留があるか否か)を判定する。ステップS523での判定がYESの場合、処理はステップS524に移り、この判定がNOの場合(つまり、自動変化保留がある場合)、処理はステップS525に移る。
ステップS524において、CPU401は、図28のステップS1126において変化予約保留の変化予約フラグに対応付けて記憶された保留変化シナリオを参照して、変化予約保留の現在の保留位置に対応した表示態様(色)を、有効なボタン操作があった場合に変化させる表示態様として設定する。例えば、CPU401は、保留変化シナリオとしてHR9(図32参照)が記憶され、変化予約保留の保留位置が第2保留位置である場合には、有効なボタン操作があった場合に変化予約保留の表示態様を「緑」に変化させることを設定する。その後、保留変化決定処理は終了して、処理は図33のステップS1153に移る。
ステップS525において、CPU401は、図28のステップS1128において自動変化保留の自動変化フラグに対応付けて記憶された保留変化シナリオを参照して、自動変化保留の現在の保留位置に対応した表示態様(色)を、自動的に変化させる表示態様として設定する。例えば、CPU401は、保留変化シナリオとしてHR9(図32参照)が記憶され、自動変化保留の保留位置が第1保留位置である場合には、自動的に変化させる自動変化保留の表示態様を「赤」に設定する。その後、保留変化決定処理は終了して、処理は図33のステップS1153に移る。
ステップS526において、CPU401は、変化対象保留に対応付けられた制約フラグをONに設定するとともに、変化対象保留に対応付けられたフラグ(変化予約フラグまたは自動変化フラグ)に対応付けて記憶された保留変化シナリオの最終保留態様を、制約フラグに対応付けてRAM403に記憶する。ここで、制約フラグとは、特別図柄抽選の保留に対応付けてRAM403に記憶されるフラグであり、詳細は後述するが、この制約フラグがONである場合には、制約フラグがONである保留が消化された後に表示される消化保留画像の最終表示態様に制約が課せられる。なお、このステップS526の処理が行われるのは、前述したように、変化対象保留が消化される際には、消化された後に表示される消化保留画像の最終表示態様に制約が課せられるからである。また、後述の説明によって明らかとなるが、この制約は、変化対象保留に設定された保留変化シナリオの最終保留態様に基づいて課せられる。このため、CPU401は、変化対象保留に設定された保留変化シナリオの最終保留態様を、制約フラグに対応付てRAM403に記憶する。その後、処理はステップS527に移る。
ステップS527において、CPU401は、変化対象保留に対応付けられたフラグ(変化予約フラグまたは自動変化フラグ)をOFFに設定する。これにより、変化対象保留が消化されたことが示される。その後、保留変化決定処理は終了して、処理は図33のステップS1153に移る。
図33のステップS1153において、CPU401は、消化保留画像の変化予告の内容を決定する消化変化決定処理を実行する。ここで、この消化変化決定処理の詳細について、図35を参照して説明する。
[消化変化決定処理]
図35を参照して、演出制御部400による消化変化決定処理について説明する。図35は、図33のステップS1153の消化変化決定処理の一例を示す詳細フローチャートである。
まず、ステップS531において、CPU401は、図33のステップS1151で決定された演出パターンが、一発変化対象保留(一発変化フラグがONの保留)の変動表示に対するものであるか(すなわち、一発変化対象保留が消化されるか)否かを判定する。ステップS531での判定がYESの場合、処理はステップS532に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS533に移る。
ステップS532において、CPU401は、図28のステップS1131において一発変化保留の一発変化フラグに対応付けて記憶された変化結果を参照して、当該変化結果を伴う一発型変化予告を一発変化保留が消化された後の消化保留画像の表示演出として実行することを設定する。また、CPU401は、消化される一発変化対象保留に対応付けられた一発変化フラグをOFFに設定する。その後、消化変化決定処理は終了して、処理は図33のステップS1154に移る。
ステップS533において、消化保留変化演出を実行するか否かを判定する。ここで、消化保留変化演出とは、保留画像が示す特別図柄抽選の保留が消化された後に消化保留画像の表示態様を変化させることで、消化された保留(消化保留;現在の特別図柄の変動表示)が特別図柄抽選に当選する可能性等を予告する演出であり、本実施形態では、前述した一発型消化変化予告に加えて、参加型消化変化予告、信頼度型消化変化予告、展開示唆型消化変化予告が用意されている。なお、詳細は後述するが、参加型消化変化予告は、消化保留画像の表示態様を、遊技者の演出ボタン37に対する操作(具体的には長押し)に応じて変化させる予告演出であり、信頼度型消化変化予告は、消化保留画像の表示態様を適宜変化させることによって大当りの信頼度を示唆する予告演出であり、展開示唆型消化変化予告は、消化保留画像の表示態様を所定のアイテムに変化させることにより、アイテムによって示唆される内容の演出が実行されることを示唆する予告演出である。なお、消化保留変化演出を実行するか否かは、一例として、以下のようにして決定される。具体的には、CPU401は、消化保留の変動パターンの情報が「リーチあり」であり、かつ、保留変化演出を実行中ではなく、かつ、ランダムに取得した乱数が所定の当選値に一致した場合に、消化保留変化演出を実行すると決定する。なお、消化保留の制約フラグがONである場合(つまり、保留変化演出が実行された保留が消化されるときの変動表示である場合)には、必ず消化保留変化演出が実行されるものとしてもよい。すなわち、特別図柄抽選が保留されているときに保留変化演出を実行することにより、この保留に対する大当りへの期待度を高め、かつ、この保留が消化されるときに消化保留変化演出を実行することにより大当りへの期待感を継続させるものとしてもよい。ステップS533での判定がYESの場合、処理はステップS534に移り、この判定がNOの場合、消化変化決定処理は終了して、処理は図33のステップS1154に移る。なお、本実施形態では、ステップS533での判定がNOの場合(消化保留変化演出が実行されない場合)には、消化保留画像そのものが出現しない(表示されない)ものとする。
ステップS534において、CPU401は、上記した消化保留変化演出のうち、参加型消化変化予告、展開示唆型消化変化予告、および信頼度型消化変のいずれの消化変化予告を実行するかを抽選により決定する。なお、この抽選は乱数抽選に基づいてランダムに決定されるものとしてもよいし、これまでに各消化変化予告が実行された回数を記憶して、その実行回数が少ないほど選択され易いとしてもよいし、消化保留の変動パターンに応じた抽選割合で選択される(例えば信頼度の高い変動パターンほど参加型消化変化予告が選択され易い)ものとしてもよい。その後、処理はステップS535に移る。
ところで、本実施形態において、消化保留変化演出として、一発型消化変化予告、参加型消化変化予告、信頼度型消化変化予告、および展開示唆型消化変化予告の4つが用意されているが、一発型消化変化予告を実行するか否かは、先読み予告演出設定処理において決定される(図28のステップS1130参照)のに対して、残りの3つの消化変化予告は、上記したステップS533、S534の処理において決定される。すなわち、上記した4つの消化変化予告は、いずれも消化保留の特別図柄抽選に当選する可能性等を予告する点で共通するが、その実行を決定するタイミングが異なる。具体的には、一発型消化変化予告は、特別図柄抽選の保留の発生時(遊技球の入賞時)にその実行が決定されるのに対して、参加型消化変化予告、信頼度型消化変化予告、および展開示唆型消化変化予告は、特別図柄抽選の開始時(特別図柄の変動開始時)にその実行が決定される点が異なる。
ステップS535において、CPU401は、ステップS534で決定された消化保留変化演出が参加型消化変化予告であるか否かを判定する。ステップS535での判定がYESの場合、処理はステップS536に移り、この判定がNOの場合、消化変化決定処理は終了して、処理は図33のステップS1154に移る。
ステップS536において、CPU401は、参加型消化変化設定処理を行い、消化変化決定処理は終了して、処理は図33のステップS1154に移る。ここで、この参加型消化変化設定処理の詳細について図36を参照して説明する。
[参加型消化変化設定処理]
図36を参照して、演出制御部400による参加型消化変化設定処理について説明する。図36は、図35のステップS536の参加型消化変化設定処理の一例を示す詳細フローチャートである。
まず、ステップS5361において、CPU401は、消化保留に対応付けられた制約フラグがONであるか否かを判定する。つまり、CPU401は、消化保留が変化対象保留であることにより、その最終表示態様を決定する際に制約を設ける必要があるか否かを判定する。ステップS5361での判定がYESの場合、処理はステップS5363に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS5362に移る。
ステップS5362において、CPU401は、参加型消化変化予告が実行されるときの消化保留を示す消化保留画像の最終表示態様(以下、最終消化態様ということがある)を、消化保留の演出パターンのタイプ(変動パターン)に応じた抽選により決定する。なお、本実施形態において参加型消化変化予告が実行されるときの消化保留画像の表示態様は、ボタン画像が付されたメータ画像であり(後述する図56の(1)参照)、ボタン操作することでメータの針が0からMAXに変位し、MAXを振り切れることでメータ画像の色が変化することが示唆され、このメータ画像の色の変化によって大当りの信頼度が示唆される。そして、処理はステップS5364に移る。なお、このステップS5362において、参加型消化変化予告における消化保留画像の最終表示態様(具体的にはメータ画像の色)を決定するために参照される抽選テーブルは、ボタン保留変化予告における保留画像の最終表示態様(具体的には保留球の色)を決定するために用いられる抽選テーブル(図31参照)と同じである。すなわち、本実施形態では、参加型消化変化予告における消化保留画像の最終表示態様は、消化保留の演出パターンのタイプに応じて、「青」、「緑」、「赤」、「虹」のそれぞれが決定され、参加型消化変化予告におけるメータ画像の色が示す信頼度は、保留球の色が示す信頼度と同じになる。
ステップS5363において、CPU401は、参加型消化変化予告が実行されるときの消化保留画像の最終消化態様(具体的にはメータ画像の色)を、消化保留の演出パターンのタイプ(変動パターン)に応じた制約付きの抽選により決定する。また、CPU401は、消化保留に対応付けられた制約フラグをOFFにする。そして、処理はステップS5364に移る。
[制約付きの抽選テーブル]
ここで、図37を参照して、ステップS5363における制約付きの抽選について説明する。図37は、ステップS5363における抽選の際に参照される抽選テーブルを示す。図37に示す制約付きの抽選テーブルには、消化保留の演出パターンのタイプと、消化保留の制約フラグに対応付けて記憶された保留変化シナリオの最終保留態様(図34のステップS526参照)に応じて、最終消化態様(具体的にはメータ画像の色)として「青」、「緑」、「赤」、「虹」のそれぞれが決定される抽選割合が規定されており、この抽選割合に基づいて各最終消化態様が決定される。一例として、消化保留の演出パターンのタイプが「擬似3当り」を示し、最終保留態様が「赤」を示す(つまり、保留が消化されるまでに「赤」に変化することを予定されていた)場合には、消化保留の最終表示態様(最終消化態様)として、「赤」が90%の抽選割合で決定され、「虹」が10%の抽選割合で決定される。また、図37から分かるように、最終保留態様が「虹」を示す場合には、最終消化態様として「虹」よりも信頼度の低い「赤」、「緑」、「青」が決定されることはなく、最終保留態様が「赤」を示す場合には、「赤」よりも信頼度の低い「緑」、「青」が決定されることはなく、最終保留態様が「緑」を示す場合には、「緑」よりも信頼度の低い「青」が決定されることはない。つまり、消化保留の最終表示態様は、制約フラグがONであるとき(つまり、保留が消化されるまでに保留変化演出の実行が設定されていたとき)には、最終保留態様によって示唆される信頼度よりも低くならないように(いわゆる成り下がりがないように)、最終消化態様が決定される。このため、保留変化演出が実行された(表示態様が変化した)保留に対して大当りの期待感を高められた遊技者が、この保留が消化された後の消化保留画像の最終表示態様によって期待感を低減してしまうということを防止することができる。
ステップS5364において、CPU401は、消化保留の演出パターンのタイプが擬似連演出を実行するタイプ(「擬似1当り/ハズレ」、「擬似2当り/ハズレ」、「擬似3当り/ハズレ」)であるか否かを判定する。ステップS5364での判定がYESの場合、処理はステップS5365に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS5366に移る。
ステップS5365において、CPU401は、ステップS5362またはステップS5363で決定された最終消化態様と、消化保留の演出パターンのタイプが示す擬似連回数(例えば「擬似3当り」の場合は3回)とに応じて複数の消化擬似変化シナリオの中から例えば抽選により1つを決定して、処理はステップS5368に移る。
[消化擬似変化シナリオ]
ここで、図38を参照して、消化擬似変化シナリオについて説明する。消化擬似変化シナリオとは、特別図柄の変動表示中に、擬似連演出が実行される毎に、変化させる消化保留画像(メータ画像)の表示態様を規定するシナリオである。図38の(1)は、擬似連回数が3回であり、最終消化態様が「赤」である場合の消化擬似変化シナリオを示し、図38の(2)は擬似連回数が3回であり、最終消化態様が「緑」である場合の消化擬似変化シナリオを示す。
擬似連回数が3回である場合には、消化保留に対応する特別図柄の変動表示中に、擬似連演出(一度擬似連図柄で仮停止表示された後に再変動表示される演出)が3回実行される。そして、消化擬似変化シナリオは、各回における擬似連演出が実行されるときの消化保留画像の表示態様を規定する。図38の(1)では、最終保留態様が「赤」であるため、3回目の擬似連演出が実行されるときの消化保留画像の表示態様は「赤」に設定されるが、1回目の擬似連演出および2回目の擬似連演出が実行されるときの消化保留画像の表示態様として、複数の変化シナリオTR1〜TR6が規定される。なお、各変化シナリオでは、演出が進行することに伴って(擬似連回数が増えるに伴って)消化保留画像の表示態様によって示唆される信頼度が低くならないように(いわゆる、成り下がりがないように)、各回の擬似連演出が実行されるときの表示態様を規定するシナリオが設定される。一例として、変化シナリオTR5が設定されると、1回目〜3回目の擬似連演出が実行されるときに消化保留画像(具体的にはメータ画像)の色が「青」→「緑」→「赤」と変化するシナリオが組まれることになる。同様に、図32の(2)では、最終消化態様が「緑」であるため、3回目の擬似連演出が実行されるときの消化保留画像の表示態様は「緑」に設定され、成り下がりがないように各回の擬似連演出が実行されるときの表示態様を規定する変化シナリオTG1〜TG3が規定される。一例として、変化シナリオTG3が設定されると、1回目〜3回目の擬似連演出が実行されるときに消化保留画像(具体的にはメータ画像)の色が「青」→「青」→「緑」と変化するシナリオが組まれることになる。なお、後述の説明によっても明らかとなるが、参加型消化変化予告では遊技者が演出ボタン37を操作(より具体的には長押し)することによって初めて上記した変化シナリオに沿って消化保留画像の表示態様が変化する。したがって、上記した操作が行われるまでは消化保留画像(具体的にはメータ画像)の色は初期表示態様として「白」が設定される(後述のステップS5368参照)。
なお、図38では、最終消化態様が「青」や「虹」のときについて記載していないが、この場合にも同様に、3回目の擬似連演出が実行されるときの消化保留画像の表示態様が最終消化態様の色に設定され、成り下がりがないように各回の擬似連演出が実行されるときの表示態様を規定する変化シナリオが規定される。また、図38では、擬似連回数が3回の場合について説明したが、擬似連回数が2回の場合には図38の1回目の擬似連演出が実行されるときの表示態様の規定を割愛することで同様に考えることができる。なお、擬似連回数が1回の場合には、消化擬似変化シナリオは、最終保留態様と同じになる。
図36のステップS5366において、CPU401は、例えば乱数を用いたランダム抽選により、消化保留画像を変化させるために遊技者に演出ボタン37の操作を促す操作指示演出(例えば、演出ボタン37を模したボタン画像を表示する演出)を所定タイミングで実行する回数(変化回数;1回〜3回)を決定する。その後、処理はステップS5367に移る。
ステップS5367において、CPU401は、ステップS5362またはステップS5363で決定された最終消化態様と、ステップS5367で決定された変化回数とに応じて複数の消化自動変化シナリオの中から例えば抽選により1つを決定する。なお、消化自動変化シナリオとは、特別図柄の変動中に、擬似連演出は実行されないが、操作指示演出が実行される毎に、変化させる消化保留画像(メータ画像)の表示態様を規定するシナリオである。また、消化自動変化シナリオは、図38を参照して説明した消化擬似変化シナリオにおいて、「擬似連演出の回数」を「操作指示演出の回数」に置き換えたものであるため、その説明は省略する。その後、処理はステップS5368に移る。
ステップS5368において、CPU401は、消化保留画像(具体的にはメータ画像)の初期表示態様としてボタン付き白メータ画像(ボタン画像が付されれた「白」のメータ画像;図56の(1)の左端参照)を決定する。その後、参加型消化変化設定処理は終了して、処理は図33のステップS1154に移る。このように、本実施形態の参加型消化変化予告では、消化保留を示す消化保留画像がボタン付き白メータ画像で表示されることにより、演出ボタン37を操作することで変化する(消化保留画像の表示態様が変化する)ことが示唆される。
説明は図35に戻り、ステップS537において、CPU401は、ステップS534で決定された消化保留変化演出が展開示唆型消化変化予告であるか否かを判定する。ステップS537での判定がYESの場合、処理はステップS538に移り、この判定がNOの場合(すなわち、ステップS534で決定された消化保留変化演出が信頼度型消化変化予告である場合)、処理はステップS539に移る。
ステップS538において、CPU401は、展開示唆型消化変化設定処理を行い、消化変化決定処理は終了して、処理は図33のステップS1154に移る。ここで、この展開示唆型消化変化設定処理の詳細について図39を参照して説明する。
[展開示唆型消化変化設定処理]
図39を参照して、演出制御部400による展開示唆型消化変化設定処理について説明する。図39は、図35のステップS538の展開示唆型消化変化設定処理の一例を示す詳細フローチャートである。
まず、ステップS5381において、CPU401は、消化保留に対応付けられた制約フラグがONである(つまり、保留変化演出が実行された保留が消化されるときの変動表示である)か否かを判定する。ステップS5381での判定がYESの場合、処理はステップS5383に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS5382に移る。
ステップS5382において、CPU401は、展開示唆型消化変化予告が実行されるときの消化保留を示す消化保留画像の表示態様として、いずれのアイテムを設定するかを、消化保留の演出パターンのタイプ(変動パターン)に応じた抽選により決定する。なお、本実施形態において展開示唆型消化変化予告が実行されるときの消化保留画像の表示態様は、今後の展開を記載したプレート(板)を模ったアイテム画像であり(後述する図56の(3)参照)、このアイテム画像の内容によって今後の展開(例えば、リーチ発展する等)が示唆される。そして、展開示唆型消化変化設定処理は終了して、処理は図33のステップS1154に移る。
[展開示唆型消化変化予告の抽選テーブル]
ここで、図40を参照して、ステップS5382における抽選について説明する。図40の(1)は、ステップS5382における抽選の際に参照される抽選テーブルを示す。図40の(1)に示す抽選テーブルには、消化保留の演出パターンのタイプに応じて、アイテム画像として、アイテムAr、A1、Br、B2、Cr、C3、Dのそれぞれが決定される抽選割合が規定されており、この抽選割合に基づいて、いずれかのアイテム画像が決定される。なお、図40の(1)の記載において、演出パターンのタイプにおける「/」の区切りは、アイテムにおける「/」の区切りに対応する。例えば、演出パターンのタイプが「リーチハズレ」に対応するアイテムは「Ar」、「Br」、「Cr」、「D」であり、演出パターンのタイプが「擬似1ハズレ」に対応するアイテムは「A1」、「B2」、「C3」、「D」である。一例として、演出パターンのタイプが「擬似3当り」を示す場合には、アイテム画像として、「A1」が10%の抽選割合で決定され、「B2」が、20%の抽選割合で決定され、「C3」が60%の抽選割合で決定され、「D」が10%の抽選割合で決定される。なお、図40から分かるように、アイテム画像「D」が決定され得るのは、演出パターンのタイプが「当り」である場合に限り、演出パターンのタイプが「ハズレ」である場合には決定され得ない。このため、アイテム画像「D」が出現すると必ず「大当り」となることが示唆される。また、アイテム画像「C3」が決定されるのは、「擬似2演出」、「擬似3演出」が実行される演出パターンのタイプであり、「擬似1演出」が実行される演出パターンのタイプでは決定されない。このため、アイテム画像「C3」が出現すると必ず擬似連回数が2回以上の擬似連演出が実行されることが示唆される。このように、各アイテム画像は、演出パターンのタイプに応じた抽選割合で設定されることにより、図40の(2)に示すように、アイテムAr、A1、Br、B2、C3、Dは、それぞれ、今後の展開として「リーチ以上確定」、「擬似1演出以上確定」、「SPリーチ発展期待高」、「擬似2演出期待高」、「SPリーチ以上確定」、「擬似2演出以上確定」、「大当り確定」を示唆する。
図39のステップS5383において、CPU401は、展開示唆型消化変化予告が実行されるときの消化保留画像の表示態様(具体的にはアイテム画像)を、消化保留の演出パターンのタイプ(変動パターン)に応じた制約付きの抽選により決定する。また、CPU401は、消化保留に対応付けられた制約フラグをOFFにする。そして、展開示唆型消化変化設定処理は終了して、処理は図33のステップS1154に移る。
[展開示唆型消化変化予告の制約付きの抽選テーブル]
ここで、図41を参照して、ステップS5383における制約付きの抽選について説明する。図41は、ステップS5383における抽選の際に参照される抽選テーブルを示す。図41に示す制約付の抽選テーブルには、消化保留の演出パターンのタイプと、消化保留の制約フラグに対応付けて記憶された保留変化シナリオの最終保留態様(図34のステップS526参照)に応じて、アイテム画像として、アイテムAr、A1、Br、B2、Cr、C3、Dのそれぞれが決定される抽選割合が規定されており、この抽選割合に基づいて、いずれかのアイテム画像が決定される。なお、図41の記載において、演出パターンのタイプにおける「/」の区切りは、図40の(1)と同様に、アイテムにおける「/」の区切りに対応する。一例として、消化保留の演出パターンのタイプが「擬似3当り」を示し、最終保留態様が「赤」を示す(つまり、保留が消化されるまでに「赤」に変化することを予定されていた)場合には、消化保留のアイテム画像として、「C3」が90%の抽選割合で決定され、「D」が10%の抽選割合で決定される。また、図41から分かるように、最終保留態様が「虹」を示す場合には、アイテム画像としては「大当り確定」を示唆するアイテム画像「D」のみが決定され、最終保留態様が「赤」を示す場合には、示唆する今後の展開がそれほど期待できないアイテム画像「Ar」、「A1」、「Br」、「B2」は決定されない。このように、制約付きの抽選テーブルでは、最終保留態様の色(つまり、信頼度)に対応するようにアイテム画像が決定される。つまり、消化保留の表示態様(アイテム画像)は、制約フラグがONであるとき(つまり、保留が消化されるまでに保留変化演出の実行が設定されていたとき)には、最終保留態様によって示唆される信頼度に応じた内容を示唆するアイテム画像が決定される。このため、保留変化演出が実行された(表示態様が変化した)保留に対して大当りの期待感を高められた遊技者が、この保留が消化された後の消化保留画像(アイテム画像)によって期待感を低減してしまうということを防止することができる。
説明は図35に戻り、ステップS539において、CPU401は、信頼度型消化変化設定処理を行い、消化変化決定処理は終了して、処理は図33のステップS1154に移る。ここで、この信頼度型消化変化設定処理の詳細について図42を参照して説明する。
[信頼度型消化変化設定処理]
図42を参照して、演出制御部400による信頼度示唆型消化変化設定処理について説明する。図42は、図35のステップS539の信頼度型消化変化設定処理の一例を示す詳細フローチャートである。
まず、ステップS5391において、CPU401は、消化保留に対応付けられた制約フラグがONである(つまり、保留変化演出が実行された保留が消化されるときの変動表示である)か否かを判定する。ステップS5391での判定がYESの場合、処理はステップS5393に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS5392に移る。
ステップS5392において、CPU401は、信頼度型消化変化予告が実行されるときの消化保留を示す消化保留画像の最終表示態様(最終消化態様)を、消化保留の演出パターンのタイプ(変動パターン)に応じた抽選により決定する。なお、本実施形態において信頼度型消化変化予告が実行されるときの消化保留画像の表示態様は、炎を模った炎画像であり(後述する図56の(2)参照)、この炎の色が所定タイミングで変化することによって大当りの信頼度が示唆される。そして、処理はステップS5394に移る。なお、このステップS5392において、信頼度型消化変化予告における消化保留画像の最終表示態様(具体的には炎画像の色)を決定するために参照される抽選テーブルは、ボタン保留変化予告における保留画像の最終表示態様(具体的には保留球の色)を決定するために用いられる抽選テーブル(図31参照)と同じである。すなわち、本実施形態では、信頼度型消化変化予告における消化保留画像の最終表示態様は、消化保留の演出パターンのタイプに応じて、「青」、「緑」、「赤」、「虹」のそれぞれが決定され、信頼度型消化変化予告における炎画像の色が示す信頼度は、保留球の色が示す信頼度と同じになる。
ステップS5393において、CPU401は、信頼度型消化変化予告が実行されるときの消化保留画像の最終消化態様(具体的には炎画像の色)を、消化保留の演出パターンのタイプ(変動パターン)に応じた制約付きの抽選により決定する。また、CPU401は、消化保留に対応付けられた制約フラグをOFFにする。その後、処理はステップS5394に移る。なお、このステップS5393における制約付きの抽選の際に参照される抽選テーブルは、図37と同様であるから、その説明は省略するが、制約付きの抽選が実行されることにより、保留変化演出が実行された(表示態様が変化した)保留に対して大当りの期待感を高められた遊技者が、この保留が消化された後の消化保留画像の最終表示態様によって期待感を低減してしまうということを防止することができる。
ステップS5394において、CPU401は、例えば乱数を用いたランダム抽選により、消化保留画像を変化させる契機となる契機演出(例えば所定タイミングでキャラクタが登場して炎に薪をくべるようなアクション演出)を実行する回数(変化回数;1回〜3回)を決定する。なお、本実施形態では、擬似連演出が実行されるときには、変化回数として擬似連演出の実行回数が設定され、契機演出としては擬似連図柄が仮停止する演出が代用されるものとする。その後、処理はステップS5395に移る。
ステップS5395において、CPU401は、ステップS5392またはステップS5393で決定された最終消化態様と、ステップS5394で決定された変化回数とに応じて複数の信頼度変化シナリオの中から例えば抽選により1つを決定する。なお、信頼度変化シナリオとは、特別図柄の変動中に、キャラクタが登場するといった契機演出が実行される毎に、変化させる消化保留画像(炎画像)の表示態様を規定するシナリオである。また、信頼度変化シナリオは、図38を参照して説明した消化擬似変化シナリオにおいて、「擬似連演出の回数」を「契機演出の回数」に置き換えたものであるため、その説明は省略する。その後、信頼度型消化変化設定処理は終了して、処理は図33のステップS1154に移る。
説明は図33に戻り、ステップS1154において、CPU401は、ステップS1151で決定された演出パターンに基づく演出の詳細な構成内容(構成演出)を決定する。具体的には、CPU401は、ステップS1151で決定された演出パターンに基づいて最終的に実行する演出(リーチ演出の種類や即ハズレ演出)を決定するが、その際に、装飾図柄が停止表示される際の図柄の種類(いわゆる出目)を演出乱数等に基づいて決定し、また、最終的な演出が実行されるまでのシナリオとして、どのような構成演出を実行するかを、演出乱数等に基づいて決定する。なお、構成演出とは、演出パターンに基づいて決定された最終的に実行される演出に至るまでに、あるいは当該演出中に、実行される種々の演出であり、例えば、装飾図柄が再変動表示される擬似連演出や、装飾図柄がリーチ状態となるリーチ目成立演出や、リーチ演出中に信頼度を予告するカットイン演出等が挙げられる。また、抽出された演出乱数を照会するテーブルは、ステップS1151によって決定された演出パターンに応じて異なる(例えば、決定された演出パターンの信頼度が高いほど、遊技者の期待感をより高める予告演出が実行され易いテーブルが照会される)ことにより、演出パターンに応じて(つまり、変動パターンに応じて)、実行される構成演出が異なることになる。その後、処理はステップS1155に移る。
ステップS1155において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、ステップS1151〜S1154の処理によって決定された演出内容の(保留画像の表示態様の変化や、消化保留画像の表示態様の変化等を含む)報知演出を実行させる。その後、報知演出設定処理は終了して、処理は図26のステップS116に移る。なお、演出制御部400から報知演出の指示を受けた画像音響制御部500のCPU501は、指示された演出内容に基づいて、構成演出等の実行タイミングや実行時間等のスケジュールを設定し、当該スケジュールにしたがって各構成演出等を実行する演出実行処理を行う。この画像音響制御部500による演出実行処理については、図47を参照して後述する。
説明は図26に戻り、ステップS116において、CPU401は、図15のステップS412の処理でセットされた報知演出停止コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS116での判定がYESの場合、処理はステップS117に移り、この判定がNOの場合、処理は図27のステップS120に移る。
ステップS117において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、ステップS115の処理で実行開始した報知演出を終了して、変動表示させていた装飾図柄を最終的に全て停止させて(確定停止表示させて)特別図柄抽選の結果を演出的に報知する。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理は図27のステップS120に移る。
図27のステップS120において、CPU401は、図15のステップS414の停止中処理でセットされたオープニングコマンドを受信したか否かを判定する。ステップS120での判定がYESの場合、処理はステップS121に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS122に移る。
ステップS121において、CPU401は、オープニング演出指示を行う。具体的には、CPU401は、画像音響制御部500等に対して、大当り遊技演出のオープニング演出の開始を指示する。なお、画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS122に移る。また、演出制御部400からの指示を受けた画像音響制御部500が実行するオープニング演出処理については、図43を参照して後述する。
ステップS122において、CPU401は、図21のステップS608の処理でセットされたラウンド開始通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS122での判定がYESの場合、処理はステップS123に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS124に移る。
ステップS123において、CPU401は、ラウンド演出開始指示を行う。具体的には、CPU401は、画像音響制御部500に対して、大当り遊技演出のラウンド演出処理の開始を指示する。なお、画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS124に移る。また、演出制御部400からの指示を受けた画像音響制御部500が実行するラウンド演出処理については、図44を参照して後述する。
ステップS124において、CPU401は、図21のステップS614等の処理でセットされ、図11のステップS9の出力処理によって出力された入賞コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS124での判定がYESの場合、処理はステップS125に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS126に移る。
ステップS125において、CPU401は、入賞処理指示を行う。具体的にはCPU401は、画像音響制御部500に対して、入賞処理の開始を指示する。なお、画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS126に移る。また、演出制御部400からの指示を受けた画像音響制御部500が実行する入賞処理については、図45を参照して後述する。
ステップS126において、CPU401は、図21のステップS619の処理でセットされたラウンド終了通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS126での判定がYESの場合、処理はステップS127に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS128に移る。
ステップS127において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、大当り遊技演出のラウンド演出(例えばラウンド数の表示)を終了する。ただし、CPU401は、大当り遊技演出のラウンド演出のうち、ラウンド間に跨って継続する一連の演出については、そのまま継続させる。なお、この画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。その後、処理はステップS128に移る。
ステップS128において、CPU401は、図22のステップS622の処理でセットされたエンディングコマンドを受信したか否かを判定する。ステップS128での判定がYESの場合、処理はステップS129に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS130に移る。
ステップS129において、CPU401は、エンディング演出指示を行う。具体的には、CPU401は、画像音響制御部500に対して、大当り遊技演出のエンディング演出の開始を指示する。なお、画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われ、このコマンドがセットされた後に、大当り遊技演出の設定情報(大当り演出パターン等)がクリアされる。その後、処理はステップS130に移る。また、演出制御部400からの指示を受けた画像音響制御部500が実行するエンディング演出処理については、図46を参照して後述する。
ステップS130において、CPU401は、図15のステップS416の処理でセットされた客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS130での判定がYESの場合、処理はステップS131に移り、この判定がNOの場合、コマンド受信処理は終了し、処理は図25のステップS12に移る。
ステップS131において、CPU401は、ステップS130で受信した客待ちコマンドおよび遊技状態通知コマンドに基づいて、画像音響制御部500等に指示して、客待ち処理を開始させる。なお、画像音響制御部500等への指示は、コマンドをRAM403にセットすることで行われる。そして、コマンド受信処理は終了し、処理は図25のステップS12に移る。なお、客待ち処理は、いわゆる客待ち状態になることを契機に開始される処理であり、客待ち処理の開始を指示された画像音響制御部500のCPU501は、例えば、報知演出の開始指示を受けるまで、この客待ち処理を実行し、報知演出の開始指示を受けることで、この客待ち処理を終了する。具体的には、CPU501は、客待ち処理の開始を指示されると、遊技状態に応じた所定の停止演出(例えば、装飾図柄が停止表示された演出)を画像表示部6に表示し、この停止演出を開始してから所定時間(例えば90秒)が経過したときにCPU401から他の演出の指示を受けない場合に客待ち演出を開始する。ここで、客待ち演出(デモ演出)とは、例えば、遊技機1の題材となったコンテンツ(アニメや物語等)に関する映像を画像表示部6に表示させる演出や、例えば、遊技中に実行される所定の演出(例えばリーチ演出)の一部を画像表示部6に表示させる演出であり、この客待ち演出(デモ演出)によって、遊技が中断又は終了していることが示唆されるとともに、画像表示部6に静止画像の焼き付き(ゴーストイメージ)が発生することが防止される。また、CPU501は、ゲート25を遊技球が通過したことを示す情報や、普通入賞口に遊技球が入賞したことを示す情報を通知された場合には、客待ち処理を終了せずに継続する。
以上のように、演出制御部400によって行われるタイマ割り込み処理によって、後述する本実施形態で特徴的な保留変化演出(ボタン保留変化予告およびオート保留変化予告)や消化保留変化演出(参加型消化変化予告、信頼度型消化変化予告、展開示唆型消化変化予告、および一発型消化変化予告)が設定されて、画像音響制御部500に対してこれらの演出の実行が指示される。以下では、演出制御部400からの各種演出等の実行指示に基づいて、画像音響制御部500によって行われるタイマ割り込み処理について説明する。
[画像音響制御部によるタイマ割り込み処理]
図43〜図53は、画像音響制御部500によって行われるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。以下に、図43〜図53を参照して、画像音響制御部500において行われるタイマ割込み処理について説明する。画像音響制御部500は、演出制御部400からの指示に基づいて、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図43〜図53に示す処理をそれぞれ一定時間(例えば33ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図43〜図53のフローチャートに基づいて説明する画像音響制御部500で行われる処理は、ROM502に記憶されているプログラムに基づいて実行される。また、図43〜図53に示すフローチャートでは、本実施形態で特徴的な演出以外の部分については、その説明を簡略化している。
[オープニング演出実行処理]
まず、図43を参照して、演出制御部400からのオープニング演出の実行指示に基づいて画像音響制御部500のCPU501が実行するオープニング演出処理について説明する。
図43のステップS1210において、CPU501は、演出制御部400からオープニング演出の実行指示を受けたか否かを判定する。ステップS1210での判定がYESの場合、処理はステップS1211に移り、この判定がNOの場合、オープニング演出処理は終了して、次のタイマ割り込み処理のタイミングによって再び図43に示す処理を繰り返し実行する。
ステップS1211において、CPU501は、演出制御部400を介して受信したオープニングコマンドに基づいて、大当りが通常遊技状態からの大当り(いわゆる初当り)であるか否かを判定する。ステップS1211での判定がYESの場合、処理はステップS1212に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS1213に移る。
ステップS1212において、CPU501は、RAM503に記憶された履歴情報を消去する。ところで、CPU501は、例えば通常遊技状態において第1始動口21、第2始動口22、普通入賞口24等への遊技球入賞に基づいて払い出された賞球数、大当り遊技状態において第1大入賞口23、第2大入賞口51等への遊技球入賞に基づいて払い出された賞球数、大当り回数等の履歴情報を記憶している。そして、ステップS1212の処理によって、この履歴情報が消去されるため、オープニング演出が開始されてから(すなわち、大当り遊技が開始されてから)第1大入賞口23、第2大入賞口51等への遊技球入賞に基づいて払い出された賞球数が新たにカウント開始されることとなる。その後、処理はステップS1213に移る。
ステップS1213において、CPU501は、RAM503に大当り履歴を記憶する。具体的には、CPU501は、RAM503に記憶された大当り回数Wcの値に1を加算して履歴情報としてRAM503に更新する。この処理により、連続して大当りした回数Wcが履歴情報としてRAM503に記憶される。なお、この大当り回数Wcは初期値として0がセットされており、前述したステップS1212の処理によって0にリセットされるが、リセット条件としては、大当り遊技の終了後に遊技状態が通常遊技状態に制御されることを条件に0にリセットされるものとしてもよい。また、大当り履歴として、上記した大当り回数Wcに加えて、大当りの種類(図6に示す大当りA〜D)を示す情報がRAM503に記憶されるものとしてもよい。その後、処理はステップS1214に移る。
ステップS1214において、CPU501は、規定時間のオープニング演出を開始する。そしてオープニング演出実行処理は終了して、次のタイマ割り込み処理のタイミングによって再び図43に示す処理を繰り返し実行する。
[ラウンド演出処理]
次に、図44を参照して、演出制御部400からのラウンド演出の実行指示に基づいて画像音響制御部500のCPU501が実行するラウンド演出処理について説明する。
図44のステップS1230において、CPU501は、演出制御部400からラウンド演出の実行指示を受けたか否かを判定する。ステップS1230での判定がYESの場合、処理はステップS1231に移り、この判定がNOの場合、ラウンド演出処理は終了して、次のタイマ割り込み処理のタイミングによって再び図44に示す処理を繰り返し実行する。
ステップS1231において、CPU501は、演出制御部400から指示された現在のラウンド数Rを示す情報に基づいて、現在のラウンド数を画像表示部6に表示し、また、大当り履歴としてRAM503に記憶された大当りした回数Wcを示す情報を画像表示部6に表示する。なお、CPU501は、極めて短時間(例えば0.1秒間)の開放しか行われないラウンド(V短ラウンド)である場合には、当該ラウンドのラウンド数の表示を行わないものとしてもよい。その後、処理はステップS1232に移る。
ステップS1232において、CPU501は、演出制御部400から指示されたラウンド演出を実行する。そして、ラウンド演出処理は終了して、次のタイマ割り込み処理のタイミングによって再び図44に示す処理を繰り返し実行する。
[入賞処理]
次に、図45を参照して、演出制御部400からの入賞処理の開始指示に基づいて画像音響制御部500のCPU501が実行する入賞処理について説明する。
図45のステップS1250において、CPU501は、演出制御部400からの入賞処理の開始指示を受けたか否かを判定する。ステップS1250での判定がYESの場合、処理はステップS1251に移り、この判定がNOの場合、入賞処理は終了して、次のタイマ割り込み処理のタイミングによって再び図45に示す処理を繰り返し実行する。
ステップS1251において、CPU501は、ステップS1250において指示された入賞処理が、V領域53への遊技球入賞(V入賞)に基づくものであるか否かを判定する。ステップS1251での判定がYESの場合、処理はステップS1252に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS1254に移る。
ステップS1252において、CPU501は、RAM503に記憶された出力済フラグがOFFであるか否かを判定する。ここで、出力済フラグは、ONに設定されることにより、後述するV入賞演出を実行済であることを示すフラグである。ステップS1252での判定がYESの場合、処理はステップS1253に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS1254に移る。
ステップS1253において、CPU501は、V入賞したことを報知するV入賞演出(例えば、特定の効果音の出力や特定画像の表示)を実行し、RAM503に記憶された出力済フラグをONに設定する。これにより、すでにV入賞演出が実行されたことが示され、一回の大当り中にはV入賞演出は一度しか実行されない。その後、処理はステップS1254に移る。
ステップS1254において、CPU501は、演出制御部400から指示された入賞指示に基づいて、各入賞口(第1始動口21、第2始動口22、第1大入賞口23、第2大入賞口51、普通入賞口24)への遊技球の入賞数をカウントアップして、RAM503に記憶する。その後、処理はステップS1255に移る。
ステップS1255において、CPU501は、第1大入賞口23および第2大入賞口51への遊技球入賞に基づく入賞指示を受信すると(すなわち、第1大入賞口23および第2大入賞口51へ遊技球が1つ入賞すると)、対応する賞球数「13」を、RAM503に記憶された賞球総数Tに加算して更新する。なお、賞球総数Tは、初期値として0がセットされており、前述した図43のステップS1212の処理によって0にリセットされるが、リセット条件としては、大当り遊技の終了後に遊技状態が通常遊技状態に制御されることを条件に0にリセットされるものとしてもよい。このステップS1255の処理により、大当りした間に獲得された賞球総数Tが大当り履歴としてRAM503に記憶される。また、本実施形態では、賞球総数Tは、第1大入賞口23および第2大入賞口51への遊技球入賞に基づいて払い出された賞球数が加算されて算出されるものとしたが、第1大入賞口23および第2大入賞口51への遊技球入賞のみならず、他の入賞口への遊技球入賞に基づいて払い出された賞球数も併せて加算されるものとしてもよい。例えば、第1始動口21や第2始動口22への遊技球入賞に対応する入賞指示を受信すると、当該入賞に対応した賞球数を賞球総数Tに加算することにより、第1始動口21や第2始動口22への遊技球入賞に基づいて払い出された賞球数が併せて加算されるものとしてもよい。また、普通入賞口24への遊技球入賞に対応する入賞指示を受信すると、当該入賞に対応した賞球数を賞球総数Tに加算することにより、普通入賞口24への遊技球入賞に基づいて払い出された賞球数が併せて加算されるものとしてもよい。すなわち、賞球総数Tには、上記した第1始動口21、第2始動口22、普通入賞口24への遊技球入賞に基づいて払い出された賞球数のいずれが組み合わせて加算されてもよく、すべてが加算されるものとしてもよい。その後、処理はステップS1256に移る。
ステップS1256において、CPU501は、ステップS1255の処理によってRAM503に更新された賞球総数Tを示す情報を画像表示部6に表示する。これにより、画像表示部6には、ラウンド遊技中に第1大入賞口23および第2大入賞口51に遊技球が入賞する毎に更新される賞球総数Tが表示される。そして、入賞処理は終了して、次のタイマ割り込み処理のタイミングによって再び図45に示す処理を繰り返し実行する。
[エンディング演出処理]
次に、図46を参照して、演出制御部400からのエンディング演出の実行指示に基づいて画像音響制御部500のCPU501が実行するエンディング演出処理について説明する。
図46のステップS1290において、CPU501は、演出制御部400からエンディング演出の実行指示を受けたか否かを判定する。ステップS1290での判定がYESの場合、処理はステップS1291に移り、この判定がNOの場合、エンディング演出処理は終了して、次のタイマ割り込み処理のタイミングによって再び図46に示す処理を繰り返し実行する。
ステップS1291において、CPU501は、規定時間のエンディング演出を実行する。その後、処理はステップS1292に移る。
ステップS1292において、CPU501は、エンディング演出の指示(エンディングコマンド)に基づいて、エンディング演出後(すなわち、大当り遊技演出の終了後)に実行されるモード演出(例えば、確変遊技状態であることを示すモード演出)を、画像表示部6に表示されるエンディング演出の下層レイヤで事前に実行する。具体的には、エンディングコマンドは、大当り図柄(例えば図6に示す大当りA)に基づいて送信され、大当り遊技終了後の演出状態の情報が含まれているため(言い換えると、大当り遊技終了後の演出状態に対応したエンディングコマンドが送信されるため)、CPU501は、客待ちコマンドあるいは報知演出開始コマンドに伴って送信される遊技状態通知コマンドを受信する前に、大当り遊技終了後の演出状態を知ることができる。このため、CPU501は、客待ちコマンドあるいは報知演出開始コマンドが送信されるよりも前に、それぞれの演出状態に対応し演出を事前に実行することで、エンディング演出が終了するタイミングで即座に大当り遊技終了後の演出状態での演出を開始させることができる。その後、処理はステップS1293に移る。
ステップS1293において、CPU501は、RAM503に記憶された出力済フラグをOFFに設定する。これにより、次に大当り遊技が開始されて当該大当り遊技中にV入賞が初めて実現するとV入賞演出が実行されることになる。そして、エンディング演出処理は終了して、次のタイマ割り込み処理のタイミングによって再び図46に示す処理を繰り返し実行する。
[演出実行処理]
次に、図47を参照して、演出制御部400からの報知演出の実行指示に基づいて画像音響制御部500のCPU501が実行する演出実行処理について説明する。
図47のステップS801において、画像音響制御部500のCPU501は、演出制御部400から保留画像の表示指示(図26のステップS113参照)を受けたか否かを判定する。ステップS801での判定がYESの場合、処理はステップS802に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS803に移る。
ステップS802において、CPU501は、画像表示部6の例えば下部領域において、演出制御部400からの指示に基づいた表示態様(例えば初期表示態様「青」)で保留画像を表示する(例えば、後述する図57の(1)参照)。その後、処理はステップS803に移る。
ステップS803において、画像音響制御部500のCPU501は、演出制御部400から報知演出の実行指示を受けたか否かを判定する。ステップS803での判定がYESの場合、処理はステップS804に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS805に移る。
ステップS804において、CPU501は、ステップS803で受信した報知演出の実行指示にしたがって設定された演出内容に基づいて、構成された各演出(保留変化演出や消化保留変化演出)の実行タイミングや実行時間等の演出スケジュールを設定する。その後、処理はステップS805に移る。
ステップS805において、CPU501は、ステップS804の処理によって演出がスケジュール設定されているか否かを判定する。ステップS805での判定がYESの場合、処理はステップS806に移り、この判定がNOの場合、演出実行処理は終了し、次のタイマ割り込み処理のタイミングによって再び図47に示す処理を繰り返し実行する。
ステップS806において、CPU501は、ステップS804の処理によってスケジュール設定された装飾図柄DI(後述する図54参照)の変動表示の開始タイミングであるか否かを判定する。ステップS806での判定がYESの場合、処理はステップS807に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS808に移る。
ステップS807において、CPU501は、装飾図柄DIの変動表示を開始する。具体的には、CPU501は、画像表示部6において、各装飾図柄DIを上下方向に高速でスクロール変動表示を行うことにより出目(数字図柄)を遷移表示させる。また、保留画像の表示位置を順次変更し、第1保留位置に表示されていた保留画像を消化表示する。なお、この消化表示の詳細については、図57を参照して後述する。その後、処理はステップS808に移る。
ステップS808〜S813において、CPU501は、オート保留変化実行処理、ボタン保留変化実行処理、参加型消化変化実行処理、展開示唆型消化変化実行処理、信頼度型消化変化実行処理、一発型消化変化実行処理を実行して、処理はステップS814に移る。ここで、上記した各処理の詳細について図48〜図53を参照して説明する。
[オート保留変化実行処理]
まず、図48を参照して、画像音響制御部500によるオート保留変化実行処理について説明する。図48は、図47のステップS808のオート保留変化実行処理の一例を示す詳細フローチャートである。
ステップS8081において、CPU501は、ステップS804の処理によってスケジュール設定された演出が、オート保留変化予告を含むものであるか否かを判定する。ステップS8081での判定がYESの場合、処理はステップS8082に移り、この判定がNOの場合、オート保留変化実行処理は終了して、処理は図47のステップS809に移る。
ステップS8082において、CPU501は、ステップS804の処理によってスケジュール設定された、オート保留変化予告の開始タイミングであるか否かを判定する。なお、本実施形態では、保留画像が移動した直後のタイミングがオート保留変化予告の開始タイミングであると判定される。ステップS8082での判定がYESの場合、処理はステップS8083に移り、この判定がNOの場合、オート保留変化実行処理は終了して、処理は図47のステップS809に移る。
ステップS8083において、CPU501は、画像表示部6において、先読み予告演出の対象となっている自動変化保留の保留画像の表示態様を、スケジュール設定されたオート保留変化予告の表示態様(例えば「緑」の保留球)に変化させる(例えば、後述する図57の(2)〜(3)参照)。その後、処理は図47のステップS809に移る。
[ボタン保留変化実行処理]
次に、図49を参照して、画像音響制御部500によるボタン保留変化実行処理について説明する。図49は、図47のステップS809のボタン保留変化実行処理の一例を示す詳細フローチャートである。
ステップS8091において、CPU501は、ステップS804の処理によってスケジュール設定された演出が、ボタン保留変化予告を含むものであるか否かを判定する。ステップS8091での判定がYESの場合、処理はステップS8092に移り、この判定がNOの場合、ボタン保留変化実行処理は終了して、処理は図47のステップS810に移る。
ステップS8092において、CPU501は、演出ボタン37の操作有効期間内であるか否かを判定する。具体的には、CPU501は、ステップS804の処理によってスケジュール設定されたボタン保留変化予告に伴って設定されている操作有効期間内であるか否かを判定する。なお、本実施形態におけるこの操作有効期間については、図59を参照して後述する。ステップS8092での判定がYESの場合、処理はステップS8093に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS8095に移る。
ステップS8093において、CPU501は、演出ボタン37に対する操作が行われたか否かを判定する。具体的には、CPU501は、ランプ制御部600によって検出された演出ボタン37に対する操作が演出制御部400を介して伝達されたか否かを判定する。ステップS8093での判定がYESの場合、処理はステップS8094に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS8095に移る。
ステップS8094において、CPU501は、画像表示部6において、先読み予告演出の対象となっている変化予約保留の保留画像の表示態様を、スケジュール設定されたボタン保留変化予告の表示態様(例えばボタン画像が付された「青」の保留球)に変化させる(例えば、後述する図58の(1)〜(2)参照)。その後、処理は図47のステップS810に移る。
ステップS8095において、CPU501は、画像表示部6において、先読み予告演出の対象となっている変化予約保留の保留画像の表示態様(例えばボタン画像が付された「青」の保留球)を、そのままの表示態様で維持させる(例えば、後述する図58の(2)〜(3)参照)。その後、処理は図47のステップS810に移る。
[参加型消化変化実行処理]
次に、図50を参照して、画像音響制御部500による参加型消化変化実行処理について説明する。図50は、図47のステップS810の参加型消化変化実行処理の一例を示す詳細フローチャートである。
ステップS8101において、CPU501は、ステップS804の処理によってスケジュール設定された演出が、参加型消化変化予告を含むものであるか否かを判定する。ステップS8101での判定がYESの場合、処理はステップS8102に移り、この判定がNOの場合、参加型消化変化実行処理は終了して、処理は図47のステップS811に移る。
ステップS8102において、CPU501は、演出ボタン37の操作有効期間内であるか否かを判定する。具体的には、CPU501は、ステップS804の処理によってスケジュール設定されたボタン保留変化予告に伴って設定されている操作有効期間内であるか否かを判定する。なお、本実施形態におけるこの操作有効期間については、図62を参照して後述する。ステップS8102での判定がYESの場合、処理はステップS8103に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS8107に移る。
ステップS8103において、CPU501は、演出ボタン37に対する操作が行われたか否かを判定する。ステップS8103での判定がYESの場合、処理はステップS8104に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS8107に移る。
ステップS8104において、CPU501は、演出ボタン37に対する操作が条件を満たす操作であるか否かを判定する。具体的には、本実施形態では、CPU501は、演出ボタン37に対する操作が、演出ボタン37の操作有効期間(例えば5秒)内において、所定時間(例えば2.5秒)継続して押下操作されたか(いわゆる長押しされたか)否かを判定する。ステップS8104での判定がYESの場合、処理はステップS8105に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS8106に移る。
ステップS8105において、CPU501は、画像表示部6において、消化保留画像の表示態様を、スケジュール設定された参加型消化変化予告の表示態様(例えばボタン画像が付された「青」のメータ画像)に変化させる(例えば、後述する図61の(2)〜(3)参照)。その後、処理は図47のステップS811に移る。
ステップS8106において、CPU501は、画像表示部6において、消化保留画像の表示態様を、演出ボタン37に対する操作に応じた態様に変更する。具体的には、所定時間(2.5秒)に満たない長押しの長さに応じて、メータ画像のメータの針を0からMAXへ変位させる。その後、処理は図47のステップS811に移る。
ステップS8107において、CPU501は、画像表示部6において、消化保留画像の表示態様(例えばボタン画像が付された「青」のメータ画像)を、そのままの表示態様で維持させる(例えば、後述する図61の(4)〜(5)参照)。なお、本実施形態では、参加型消化変化予告が実行されるときには、はじめて操作有効期間が開始されたときに消化保留画像としてメータ画像が表示される。このため、初めてメータ画像が表示される場合には初期表示態様(例えばボタン画像が付された「白」のメータ画像)で表示される(例えば、後述する図61の(2)参照)。その後、処理は図47のステップS811に移る。
[展開示唆型消化変化実行処理]
次に、図51を参照して、画像音響制御部500による展開示唆型消化変化実行処理について説明する。図51は、図47のステップS811の展開示唆型消化変化実行処理の一例を示す詳細フローチャートである。
ステップS8111において、CPU501は、ステップS804の処理によってスケジュール設定された演出が、展開示唆型消化変化予告を含むものであるか否かを判定する。ステップS8111での判定がYESの場合、処理はステップS8112に移り、この判定がNOの場合、展開示唆型消化変化予告実行処理は終了して、処理は図47のステップS812に移る。
ステップS8112において、CPU501は、ステップS804の処理によってスケジュール設定された、展開示唆型消化変化予告の開始タイミング(つまり、アイテム画像の出現タイミング)であるか否かを判定する。ステップS8112での判定がYESの場合、処理はステップS8113に移り、この判定がNOの場合、展開示唆型消化変化実行処理は終了して、処理は図47のステップS812に移る。
ステップS8113において、CPU501は、画像表示部6において、消化保留画像を、スケジュール設定された展開示唆型消化変化予告の表示態様(例えばアイテムCr)で出現させる(例えば、後述する図65の(2)参照)。その後、処理は図47のステップS812に移る。
[信頼度型消化変化実行処理]
次に、図52を参照して、画像音響制御部500による信頼度型消化変化実行処理について説明する。図52は、図47のステップS812の信頼度型消化変化実行処理の一例を示す詳細フローチャートである。
ステップS8121において、CPU501は、ステップS804の処理によってスケジュール設定された演出が、信頼度型消化変化予告を含むものであるか否かを判定する。ステップS8121での判定がYESの場合、処理はステップS8122に移り、この判定がNOの場合、信頼度型消化変化実行処理は終了して、処理は図47のステップS813に移る。
ステップS8122において、CPU501は、ステップS804の処理によってスケジュール設定された、信頼度型消化変化予告の開始タイミング(つまり、炎画像の出現、あるいは変化タイミング)であるか否かを判定する。ステップS8122での判定がYESの場合、処理はステップS8123に移り、この判定がNOの場合、信頼度型消化変化実行処理は終了して、処理は図47のステップS813に移る。
ステップS8123において、CPU501は、画像表示部6において、消化保留画像を、スケジュール設定された信頼度型消化変化予告の表示態様(例えば「青」の炎画像)で出現させ、あるいは変化させる(例えば、図64の(2)〜(4)参照)その後、処理は図47のステップS813に移る。
[一発型消化変化実行処理]
次に、図53を参照して、画像音響制御部500による一発型消化変化実行処理について説明する。図53は、図47のステップS813の一発型消化変化実行処理の一例を示す詳細フローチャートである。
ステップS8131において、CPU501は、ステップS804の処理によってスケジュール設定された演出が、一発型消化変化予告を含むものであるか否かを判定する。ステップS8131での判定がYESの場合、処理はステップS8132に移り、この判定がNOの場合、一発型消化変化実行処理は終了して、処理は図47のステップS814に移る。
ステップS8132において、CPU501は、ステップS804の処理によってスケジュール設定された、一発型消化変化予告の開始タイミング(つまり、シルエットが完成するか否かを煽るための初期表示のシルエット画像の出現タイミング)であるか否かを判定する。ステップS8132での判定がYESの場合、処理はステップS8133に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS8134に移る。
ステップS8133において、CPU501は、画像表示部6において、消化保留画像として、シルエット画像を初期表示態様(例えば、一部のシルエットのみ完成された状態)で出現させる(例えば、図66の(2)参照)。その後、処理はステップS8134に移る。
ステップS8134において、CPU501は、シルエットが完成したか否かを報知する結果表示タイミングであるか否かを判定する。なお、シルエットが完成する成功表示態様が設定されている場合には、演出ボタン37の操作有効期間内に所定の長押し操作が行われたとき、または操作有効期間が経過したときに結果表示タイミングであると判定され、シルエットが完成しない失敗表示態様が設定されている場合には、操作有効期間が経過したときに結果表示タイミングであると判定される。ステップS8134での判定がYESの場合、処理はステップS8135に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS8136に移る。
ステップS8136において、CPU501は、演出ボタン37の操作有効期間内に演出ボタン37に対する操作があったか否かを判定する。ステップS8136での判定がYESの場合、処理はステップS8137に移り、この判定がNOの場合、一発型消化変化実行処理は終了して、処理は図47のステップS814に移る。
ステップS8137において、CPU501は、画像表示部6において、消化保留画像の表示態様を、演出ボタン37に対する操作に応じた態様に変更する。具体的には、CPU501は、長押しの長さに応じて、シルエット画像の完成度合を上昇させる。その後、処理は図47のステップS814に移る。
説明は図47に戻り、ステップS814において、CPU501は、ステップS804の処理によってスケジュール設定された、各種構成演出(例えばカットイン演出等)の開始タイミングであるか否かを判定する。ステップS814での判定がYESの場合、処理はステップS815に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS816に移る。
ステップS815において、CPU501は、各種構成演出を開始する。具体的には、CPU501は、画像表示部6において、スケジュール設定された実行タイミングの各種構成演出(例えばカットイン演出)を開始する。その後、処理はステップS816に移る。
ステップS816において、CPU501は、ステップS802の処理によってスケジュール設定された当落報知のタイミング(つまり、大当り結果を報知する結果報知タイミング)であるか否かを判定する。ステップS816での判定がYESの場合、処理はステップS817に移り、この判定がNOの場合、演出実行処理は終了し、次のタイマ割り込み処理のタイミングによって再び図47に示す処理を繰り返し実行する。
ステップS817において、CPU501は、少なくとも一部が変動中の装飾図柄DIを大当り図柄またはハズレ図柄で仮停止表示させることで、大当りまたはハズレを報知し、その後、演出制御部400を介して図柄確定コマンドを受信することによって、当該大当り図柄またはハズレ図柄で確定停止表示させる。具体的には、CPU501は、画像表示部6において、3つの装飾図柄DIの全てを、大当りの場合には大当り図柄として、設定された出目(いわゆるゾロ目;例えば出目「1」、「1」、「1」)で仮停止表示させ、ハズレの場合にはハズレ図柄として、設定された出目(いわゆるばらけ目;例えば出目「1」「2」「1」)で仮停止表示させ、その後、確定停止表示させる。そして、演出実行処理は終了し、次のタイマ割り込み処理のタイミングによって再び図47に示す処理を繰り返し実行する。
以上で、画像音響制御部500によるタイマ割り込み処理についての説明を終了する。次に、以上に説明した画像音響制御部500によるタイマ割り込み処理によって実現する、本実施形態において特徴的な各種演出の概要について説明する。
[演出概要]
次に、以上に説明した画像音響制御部500によるタイマ割り込み処理によって実現する、本実施形態において特徴的な各種演出の概要について図54〜図66を参照して説明する。なお、以下では、通常遊技状態において第1特別図柄抽選に基づいて実行される演出例について説明する。
[本実施形態における報知演出と保留表示の概要]
まず、図54を用いて、パチンコ遊技機1において行われる報知演出(装飾図柄の変動表示演出)、および保留表示の概要について説明する。なお、以下では、特別図柄抽選として第1特別図柄抽選が行われて、保留画像として第1特別図柄抽選が保留されていることを示す画像が表示される場合を例に説明するが、特別図柄抽選として第2特別図柄抽選が行われる場合も同様である。
図54に示すように、画像表示部6には、装飾図柄DI(DI1〜DI3)、保留画像RI(RI1〜RI4)、消化保留画像KI、ステージST(ST0〜ST4)が表示される。装飾図柄DIは、3つの装飾図柄DI1〜DI3から構成されて特別図柄の変動表示に応じて変動表示される。具体的には、左に配された第1装飾図柄DI1、右に配された第2装飾図柄DI2、中央に配された第3装飾図柄DI3の順に仮停止表示された後に、3つの装飾図柄DI1〜DI3が完全に停止表示される。なお、図54以降の図面では、変動中または仮停止中の装飾図柄DIを点線で表示し、完全に停止(本停止)した装飾図柄DIを実線で表示している。また、装飾図柄DIには、いわゆる出目と呼ばれる、3つ揃う(或いは、特定のパターンに一致する)ことで大当りを報知可能な数字図柄が描かれており、3つの装飾図柄DIが停止表示されることで当落結果(大当りか否か)が報知される。また、本実施形態では、擬似連演出が実行される契機となる図柄として数字図柄「7」が設定されており、第3装飾図柄DI3として数字図柄「7」が仮停止表示されると、擬似連演出が実行される。
保留画像RIは、遊技者に第1特別図柄抽選が保留されている数を示すための画像である。また、画像表示部6には、保留画像RIがそれぞれ表示される位置(第1保留位置〜第4保留位置)となる複数のステージST(ST1〜ST4)が設けられる。図54に示した一例では、画像表示部6の表示画面下部領域に左右方向にそれぞれ列設された複数のステージST(ST1〜ST4)の上方となる位置に、第1特別図柄抽選が保留されている回数それぞれに対応する保留画像RI(RI1〜RI4)が表示される。
消化保留画像KIは、保留画像が示す特別図柄抽選の保留が消化されてこの特別図柄抽選が実行されていることを示すための画像であり、その表示態様によって実行中の特別図柄抽選の大当りの期待度等を示唆する。また、画像表示部6には、消化保留画像KIが表示される位置となるステージST0が表示される。図54に示した一例では、ステージST1の右側に配置されたステージST0の上に、消化保留画像KIが表示される。
一例として、図54に示すように、列設された複数のステージSTの一方の端(右端)に配置されているステージST0には、現時点において第1特別図柄抽選における特別図柄の変動中となっていることを示す消化保留画像KIが表示される。また、ステージST0の隣(左隣)に配置されているステージST1(第1保留位置)には、第1特別図柄抽選が保留されており、次に第1特別図柄抽選が行われる予定となっている保留(第1保留)に対応する保留画像RI1が表示される。また、ステージST1の隣(左隣)に配置されているステージST2(第2保留位置)には、上記第1保留の次に第1特別図柄抽選が行われる予定となっている保留(第2保留)に対応する保留画像RI2が表示される。また、ステージST2の隣(左隣)に配置されているステージST3(第3保留位置)には、上記第2保留の次に第1特別図柄抽選が行われる予定となっている保留(第3保留)に対応する保留画像RI3が表示される。また、ステージST3の隣(左隣)に配置されているステージST4(第4保留位置)には、上記第3保留の次に第1特別図柄抽選が行われる予定となっている保留(第4保留)に対応する保留画像RI4が表示される。
複数のステージSTにそれぞれ表示された保留画像RIは、第1特別図柄抽選が終了するごとに、順次表示位置(すなわち、ステージST)を変更する。具体的には、現在の特別図柄の変動表示が終了すると(装飾図柄DIの変動表示が完全に停止すると)、ステージST0に表示されていた、現在の特別図柄の変動表示に対応する消化保留画像KIは、表示画面外へ移動したり、ステージST0から消滅したりすることによって、当該表示画面上から消える。そして、ステージST1に表示されていた保留画像RI1は消化して、消化保留画像KIとしてステージST0へ移動する。より正確には、保留画像RI1は、ステージST0の中に吸い込まれることによって消滅し、代わって、特別図柄の変動表示中に、当該変動表示に対応した消化保留画像KIがステージST0から出現する消化表示が実行される。同様に、ステージST2〜ST4に表示されていた保留画像RI2〜RI4は、それぞれステージST2〜ST4からステージST1〜ST3へ移動する。このように、保留画像RIは、第1特別図柄抽選の保留が消化されるごとに、順次ステージSTを移動していく。
ところで、前述したように、本実施形態では、第1特別図柄抽選の保留に対する抽選結果が、第1特別図柄抽選における図柄変動が開始されるよりも前にメイン制御部100から演出制御部400に通知される。つまり、例えば第2保留画像RI2がステージST0へ移動して第1特別図柄抽選における特別図柄の変動が開始されるよりも前に、例えば、第2保留が発生した時点で、第2保留に対する第1特別図柄抽選の抽選結果が判明する。したがって、例えば、第1特別図柄抽選において当選する信頼度が相対的に高い保留が存在することを、前もって遊技者に期待させることができる。本実施形態では、このような保留の存在を報知するための保留画像RIの保留変化演出として、ボタン保留変化予告およびオート保留変化予告が実行される。また、保留が消化された後に表示される消化保留画像KIの消化保留変化演出として、参加型消化変化予告、信頼度型消化変化予告、展開示唆型消化変化予告、一発型消化変化予告が実行される。以下に、これらの予告演出について説明する。
[保留変化演出の表示態様]
まず、図55を参照して、本実施形態における保留変化演出が実行されるときの保留画像RIの表示態様(保留変化)について説明する。図55の(1)に示すように、ボタン保留変化予告が実行されるときには、保留画像RIの表示態様は、ボタン画像が付された保留球に変化し、保留球の色の変化によって大当りの信頼度が示唆される。具体的には、ボタン保留変化予告が実行されるときには、まず、ボタン画像が付された「白」の保留球が初期表示態様として表示され、遊技者のボタン操作に応じて、保留球の色が「青」、「緑」、「赤」、「虹」に変化可能であり、「青」→「緑」→「赤」→「虹」の順に信頼度が高いことが示唆される。また、ボタン画像によって遊技者に演出ボタン37を操作(押下操作)することで保留球の表示態様が変化可能であることが示唆される。
図55の(2)に示すように、オート保留変化予告が実行されるときには、保留画像RIの表示態様は、ボタン画像が付されない保留球であり、保留球の色の変化によって大当りの信頼度が示唆される。具体的には、ボタン保留変化予告が実行されるときには、保留球の色が所定タイミングで「青」、「緑」、「赤」、「虹」に変化可能であり、「青」→「緑」→「赤」→「虹」の順に信頼度が高いことが示唆される。
[消化保留変化演出の表示態様]
次に、図56を参照して、本実施形態における消化保留変化演出が実行されるときの消化保留画像の表示態様(消化変化)について説明する。図56の(1)に示すように、参加型消化変化予告が実行されるときには、消化保留画像KIの表示態様は、ボタン画像が付されたメータ画像に変化し、メータ画像の色の変化によって大当りの信頼度が示唆される。具体的には、参加型消化変化予告が実行されるときには、まず、ボタン画像が付された「白」のメータ画像が初期表示態様として表示され、遊技者のボタン操作に応じて、メータの針が変位し、その結果として、メータ画像の色が「青」、「緑」、「赤」、「虹」に変化可能であり、「青」→「緑」→「赤」→「虹」の順に信頼度が高いことが示唆される。また、ボタン画像によって遊技者に演出ボタン37を操作(長押し操作)することでメータ画像の表示態様が変化可能であることが示唆される。
図56の(2)に示すように、信頼度型消化変化予告が実行されるときには、消化保留画像KIの表示態様は、炎を模った炎画像でに変化し、炎画像の色の変化によって大当りの信頼度が示唆される。具体的には、信頼度型消化変化予告が実行されるときには、炎画像の色が所定タイミングで「青」、「緑」、「赤」、「虹」に変化可能であり、「青」→「緑」→「赤」→「虹」の順に信頼度が高いことが示唆される。
図56の(3)に示すように、展開示唆型消化変化予告が実行されるときには、消化保留画像KIの表示態様は、今後の展開を記載したプレート(板)を模ったアイテム画像に変化し、このアイテム画像の内容によって今後の展開が示唆される。一例として、アイテムArには今後の展開として「リーチ!!」と記載されており、このアイテム画像が表示されることにより、リーチ演出が実行されることが示唆され、アイテムC3には今後の展開として赤文字で「NEXT!!」と記載されており、このアイテム画像が表示されることにより、擬似連回数が2回以上の擬似連演出が実行されることが示唆される(図40の(2)も参照)。
図56の(4)に示すように、一発型消化変化予告が実行されるときには、消化保留画像KIの表示態様は、ボタン画像が付されたシルエット画像に変化し、このシルエットが完成する成功表示態様、またはシルエットが完成しない失敗態様のいずれに変化するかによって大当りの信頼度(大当りの期待度がかなり高い、またはかなり低い(ハズレ))が示唆される。具体的には、一発型消化変化予告が実行されるときには、まず、ボタン画像が付された初期表示態様のシルエット画像(例えば、一部のシルエットのみ完成された画像)が表示され、遊技者のボタン操作に応じて、シルエットが段階的に完成し、最終結果として、シルエットが完成する態様(成功表示態様)か、完成しない態様(失敗表示態様)に変化可能である。
[保留変化演出]
次に、図57〜図60を参照して、本実施形態に係る保留変化演出(ボタン保留変化予告およびオート保留変化予告)の概要(演出例)について説明する。
[オート保留変化予告]
まず、図57を参照してオート保留変化予告の概要について説明する。いま、図57の(1)に示すように、特別図柄の変動表示(装飾図柄DIの変動表示)が実行されているときに、RAM403に第1保留〜第3保留が記憶されており(つまり、ステージST1〜ST3の上に保留画像RI1〜RI3が表示されており)、新たに第1始動口21に遊技球が1つ入賞して第4保留が発生したものとする。そして、演出制御部400は、メイン制御部100から事前に第4保留に対する特別図柄抽選の結果(例えば、演出パターンのタイプ「擬似3当り」)を通知され、この事前に判定される抽選結果(事前判定情報)に基づいて、オート保留変化予告を実行することを決定したものとする(図28のステップS1122参照)。このとき、第4保留の演出パターンのタイプ(この場合は「擬似3当り」)に応じた抽選テーブル(図31参照)に基づく抽選により、第4保留の最終表示態様が例えば「赤」に決定され(抽選割合60%)、保留数(この場合は「4」)に応じた保留変化シナリオ(図32参照)として、例えば変化シナリオHR9が決定されたものとする(図28のステップS1127参照)。すると、図57の(1)に示すように、第4保留が発生した時点で、変化シナリオHR9に応じた初期表示態様(この場合は、第4保留位置に対応した「青」の保留球)に変化する。なお、以下では、説明を簡単にするために、変化対象保留(第4保留)以降に保留は発生しない(第1始動口22に遊技球が入賞しない)ものとする。
次に、現在の変動表示が終了すると、各保留画像RIはステージSTを順次左に移動し、第1保留が消化されて(保留画像RI1がステージST0に吸い込まれて消滅して)第1保留に対する変動表示が開始する。そして、第1保留に対する変動表示が開始される際には、変化対象保留(第4保留)がステージST3(第3保留位置)に移動したことに応じて、変化対象保留の表示態様として、シナリオHR9の第3保留位置に対応する「青」が設定される。すると、図57の(2)に示すように、第1保留が消化される際に(第4保留がステージST3に移動する際に)、第4保留を示す保留画像RI4の表示態様は「青」の保留球のままとなる。
同様にして、図57の(3)に示すように、第2保留が消化される際に(第4保留がステージST2に移動する際に)、変化対象保留(第4保留)の表示態様は、シナリオHR9の第2保留位置に対応した「緑」の保留球に変化し、図57の(4)に示すように、第3保留が消化される際に(第4保留がステージST1に移動する際に)、変化対象保留(第4保留)の表示態様は、シナリオHR9の第1保留位置に対応した「赤」の保留球に変化する。
[ボタン保留変化予告]
次に、図58を参照してボタン保留変化予告の概要について説明する。いま、図58の(1)に示すように、特別図柄の変動表示(装飾図柄DIの変動表示)が実行されているときに、RAM403に第1保留〜第3保留が記憶されており(つまり、ステージST1〜ST3の上に保留画像RI1〜RI3が表示されており)、新たに第1始動口21に遊技球が1つ入賞して第4保留が発生したものとする。そして、演出制御部400は、メイン制御部100から事前に第4保留に対する特別図柄抽選の結果(例えば、演出パターンのタイプ「擬似3当り」)を通知され、この事前に判定される抽選結果(事前判定情報)に基づいて、ボタン保留変化予告を実行することを決定したものとする(図28のステップS1122参照)。このとき、第4保留の演出パターンのタイプ(この場合は「擬似3当り」)に応じた抽選テーブル(図31参照)に基づく抽選により、第4保留の最終表示態様が例えば「赤」に決定され(抽選割合60%)、保留数(この場合は「4」)に応じた保留変化シナリオ(図32参照)として、例えば変化シナリオHR9が決定され、初期保留態様としてボタン付き白保留画像が決定されたものとする(図28のステップS1123〜S1125参照)。すると、図58の(1)に示すように、第4保留が発生した時点では、まず、初期保留態様(ボタン画像が付された「白」の保留球)で表示される。なお、以下では、説明を簡単にするために、変化対象保留(第4保留)以降に保留は発生しない(第1始動口22に遊技球が入賞しない)ものとする。
ところで、ボタン保留変化予告が実行されるときには、遊技者が演出ボタン37を操作することが可能な(有効な操作とみなされる)操作有効期間が設定されている。具体的には、図59に示すように、本実施形態では、操作有効期間として、特別図柄の変動開始時(または変化対象保留の発生時)から所定時間(例えば0.5秒)経過したときから、変動終了の所定時間(例えば0.5秒)前までの期間が設定される。そして、この操作有効期間内において遊技者が演出ボタン37を操作すると、変化対象保留(第4保留)が変化シナリオHR9にしたがった表示態様(この場合は、第4保留位置に対応したボタン画像が付された「青」の保留球)に変化するが、上記操作がなかった場合には現在の表示態様(この場合はボタン画像が付された「白」の保留球)が維持される。なお、操作有効期間として特別図柄の変動開始時(または変化対象保留の発生時)から所定時間(0.5秒)が除かれているのは、保留画像の移動表示処理等に必要な時間を担保するためであり、変動終了前の所定時間(0.5秒)が除かれているのは、操作有効期間の最後において操作された場合に保留画像の表示態様を変化させるために必要な処理時間を担保するためである。
図58の(1)に示すように、現在の変動表示が終了するまでの操作有効期間内に演出ボタン37の操作がなかった場合には、変化対象保留(第4保留)の表示態様はボタン画像が付された「白」の保留球のまま変わらない。
次に、現在の変動表示が終了すると、各保留画像RIはステージSTを順次左に移動し、第1保留が消化されて(保留画像RI1がステージST0に吸い込まれて消滅して)第1保留に対する変動表示が開始する。そして、第1保留に対する変動表示が開始される際には、変化対象保留(第4保留)がステージST3(第3保留位置)に移動する。そして、図58の(2)に示すように、第1保留に対する変動表示における操作有効期間内に演出ボタン37の操作があると、変化対象保留(第4保留)の表示態様は、シナリオHR9の第3保留位置に対応するボタン画像が付された「青」の保留球に変化する。
同様にして、図58の(3)に示すように、第2保留が消化されて第4保留がステージST2(第2保留位置)に移動したときに第2保留に対する変動表示における操作有効期間内に演出ボタン37の操作がないと、変化対象保留(第4保留)の表示態様は、ボタン画像が付された「青」の保留球のまま変化せず、図58の(4)に示すように、第3保留が消化されて第4保留がステージST1(第1保留位置)に移動したときに第1保留に対する変動表示における操作有効期間内に演出ボタン37の操作があると、変化対象保留(第4保留)の表示態様は、シナリオHR9の第1保留位置に対応するボタン画像が付された「赤」の保留球に変化する。なお、変化対象保留が第1保留位置にある場合において演出ボタン37の操作が行われた後には、ボタン画像の表示が消えるものとしてもよい。
以上のように、本実施形態のボタン保留変化予告では、遊技者が演出ボタン37を操作有効期間内に操作すると、変化対象保留の表示態様が変化シナリオに応じた色に変化するが、上記操作がなかった場合には変化対象保留の表示態様は変化しない。具体的には、図60に示すように、変化シナリオHR9が設定されている場合には、変化対象保留が第4保留位置から第1保留位置(ステージST4からST1)まで移動する毎に、ボタン画像付きの保留球の色が「青」→「青」→「緑」→「赤」に変化するシナリオが規定されている。しかし、例えば、変化対象保留が第4保留位置(ステージST4)と第2保留位置(ステージST2)にあるときに、操作有効期間内に演出ボタン37の操作がなく、変化対象保留が第3保留位置(ステージST3)と第1保留位置(ステージST1)にあるときに、操作有効期間内に演出ボタン37の操作があった場合には、ボタン画像付きの保留球の色は、「白」→「青」→「青」→「赤」に変化することになる。つまり、演出ボタン37の操作に応じて、規定された変化シナリオとは異なるシナリオで変化対象保留の表示態様が変化することになる。このため、遊技者の演出ボタン37に対する操作意欲を向上させ、あるいは、バリエーションの富んだ保留変化演出を実現することができる。また、本実施形態のボタン保留変化予告では、保留が消化されて特別図柄抽選が開始される毎に演出ボタン37を操作する機会が与えられて、保留数に応じて複数回(最大4回)、保留画像の表示態様を変化させることが可能となる。そして、仮に最初の操作で保留画像の表示態様が変化したとしても、次の操作の機会がなくなるわけではない。このため、保留が消化されるまでの間、持続的に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
[消化保留変化演出]
次に、図61〜図66を参照して、本実施形態に係る消化保留変化演出(参加型消化変化予告、信頼度型消化変化予告、展開示唆型消化変化予告、および一発型消化変化予告)の概要(演出例)について説明する。なお、消化保留変化演出のうち、参加型消化変化予告、信頼度型消化変化予告、展開示唆型消化変化予告では、図57を参照して説明したオート保留変化予告が実行された変化対象保留(第4保留)が消化されたときの演出例について説明する。したがって、消化保留の演出パターンのタイプは「擬似3当り」であるものとする。また、一発型消化変化予告においても、消化保留の演出パターンのタイプは「擬似3当り」であるものとするが、一発消化変化予告では、図28のステップS1125を参照して前述したように、通常表示態様(例えば「白」)で表示された保留画像が消化された後に消化保留画像としてその表示態様が変更される。
[参加型消化変化予告]
まず、図61を参照して参加型消化変化予告の概要について説明する。図61の(1)に示すように、表示態様が「赤」の保留球に変化した変化対象保留(第4保留)が消化される(第4保留に対する変動表示が開始される)と、第4保留画像RI4は、ステージST0に吸い込まれる。そして、このときには、変化対象保留の最終表示態様が「赤」に設定されていたので、消化保留(第4保留)の演出パターンのタイプ(この場合は「擬似3当り」)に応じた制約付きの抽選テーブルに基づく抽選(図37、図36のステップS5363参照)により、消化保留の最終表示態様が、変化対象保留の最終表示態様よりも成り下がらない、例えば「赤」に決定される(抽選割合90%)。また、擬似連回数(この場合は「3」)に応じた消化擬似変化シナリオ(図38参照)として、例えば変化シナリオTR5が決定され、初期表示態様としてボタン付き白メータ画像が決定されたものとする(図36のステップS5365、S5368参照)。
そして、図61の(2)に示すように、最後に仮停止表示される第3装飾図柄DI3が擬似連図柄「7」で仮停止表示されると(つまり、1回目の擬似連演出が実行されると)、ステージST0上に、消化保留画像KIとして、初期表示態様のボタン付き白メータ画像(ボタン画像が付された「白」のメータ画像)が出現する(表示される)。
ところで、参加型消化変化予告が実行されるときには、遊技者が演出ボタン37を操作することが可能な(有効な操作とみなされる)操作有効期間が設定されている。具体的には、図62に示すように、本実施形態では、操作有効期間として、例えば擬似連演出が実行されるときには、擬似連図柄が仮停止表示されてからの所定期間(例えば5秒間)が設定される。そして、この操作有効期間内において遊技者が演出ボタン37を操作(2.5秒間の長押し)すると、消化保留(第4保留)が変化シナリオTR5にしたがった表示態様(この場合は、1回目の擬似連演出に対応したボタン画像が付された「青」のメータ画像)に変化するが、上記操作がなかった場合には現在の表示態様(この場合はボタン画像が付された「白」のメータ画像)が維持される。
図63の(2)に示すように、1回目の擬似連演出が実行されると(擬似連図柄が仮停止表示される)と、操作有効期間が開始され、演出ボタン37に対する長押し操作が可能になる。この1回目の擬似連演出が実行されたときの操作有効期間内において2.5秒間の長押し操作が行われると、図61の(3)に示すように、消化保留画像KIの表示態様は、シナリオTR5の1回目の擬似連演出に対応したボタン画像が付された「青」のメータ画像に変化する。
同様にして、図61の(4)に示すように、2回目の擬似連演出が実行されて操作有効期間が開始され、当該操作有効期間内において2.5秒間の長押し操作が行われないと図61の(5)に示すように、消化保留画像KIの表示態様は、ボタン画像が付された「青」のメータ画像のまま変化しない。そして、図61の(6)に示すように、3回目の擬似連演出が実行されて操作有効期間が開始され、当該操作有効期間内において2.5秒間の長押し操作が行われると、図61の(7)に示すように、消化保留画像KIの表示態様は、変化シナリオTR5の3回目の擬似連演出に対応したボタン画像が付された「赤」のメータ画像に変化する。そして、図61の(8)に示すように、例えばリーチ演出に発展する。なお、3回目の擬似連演出が実行されて操作有効期間内において演出ボタン37の長押しが行われた後には、ボタン画像の表示が消えるものとしてもよい。また、リーチ演出に発展するタイミングで消化保留画像KIの表示が消えるものとしてもよい。
以上のように、本実施形態の参加型消化変化予告では、遊技者が演出ボタン37を操作有効期間内に長押し操作すると、消化保留画像KIの表示態様が変化シナリオに応じた色に変化するが、上記操作がなかった場合には消化保留画像KIの表示態様は変化しない。具体的には、図63に示すように、変化シナリオTR5が設定されている場合には、3回の擬似連演出がそれぞれ実行される毎に、ボタン画像付きのメータ画像の色が「青」→「緑」→「緑」に変化するシナリオが規定されている。しかし、例えば、2回目の擬似連演出が実行されるときの操作有効期間内に演出ボタン37の長押し操作がなく、1回目と3回目の擬似連演出が実行されるときの操作有効期間内に演出ボタン37の長押し操作があった場合には、ボタン画像付きのメータ画像の色が「青」→「青」→「赤」に変化することになる。つまり、演出ボタン37の操作に応じて、規定された変化シナリオとは異なるシナリオで消化保留画像KIの表示態様が変化することになる。このため、遊技者の演出ボタン37に対する操作意欲を向上させ、あるいは、バリエーションの富んだ消化保留変化演出を実現することができる。また、本実施形態の参加型消化変化予告では、1回の特別図柄の変動表示中において、規定された複数回(擬似3演出が実行される場合には3回)演出ボタン37を操作する機会が与えられて、各回において消化保留画像KIの表示態様を変化させることが可能となる。そして、仮に最初の操作で消化保留画像KIの表示態様が変化したとしても、次の操作の機会がなくなるわけではない。このため、消化保留画像KIの表示が継続する間、持続的に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
なお、前述してきたように、変化対象保留が消化されたときに参加型消化変化予告が実行される場合には、参加型消化変化予告における消化保留画像の最終表示態様は、変化対象保留の最終表示態様よりも信頼度が低くならないように(成り下がりがないように)設定される。このため、上記した例のように、変化対象保留の最終表示態様が「赤」である場合には、消化保留画像の最終表示態様は例えば「赤」に設定されることになるが、例えば、1回目の擬似連演出において消化保留画像の表示態様が「青」(変化対象保留の最終表示態様よりも低い信頼度)に変化した場合には、その後に必ず「赤」以上に変化しなければならないことになる。このため、その後に「赤」以上に変化する機会があることが示唆され、すなわち、2回目以降の擬似連演出が実行されること(擬似連が継続されること)が示唆されることになる。このように、本実施形態では、保留変化演出の内容の決定と、消化保留変化演出の内容の決定とを独立して行うことにより、バリエーションの富んだ演出を実現可能にするとともに、成り下がりがないという制約を設けているため、保留変化演出の内容と、消化保留変化演出の内容とを比較することにより、消化保留画像KIがどのように変化するかという展開(ひいては擬似連演出の展開)まで予期させることが可能となる。
[信頼度型消化変化予告]
次に、図64を参照して信頼度型消化変化予告の概要について説明する。図64の(1)に示すように、表示態様が「赤」の保留球に変化した変化対象保留(第4保留)が消化される(第4保留に対する変動表示が開始される)と、第4保留画像RI4は、ステージST0に吸い込まれる。そして、このときには、変化対象保留の最終表示態様が「赤」に設定されていたので、消化保留(第4保留)の演出パターンのタイプ(この場合は「擬似3当り」)に応じた制約付きの抽選テーブルに基づく抽選(図37、図42のステップS5393参照)により、消化保留の最終表示態様が、変化対象保留の最終表示態様よりも成り下がらない、例えば「赤」に決定される(抽選割合90%)。また、消化保留の演出パターンは、擬似連演出が3回実行される演出パターンであるため、消化保留画像を変化させる契機演出として擬似連図柄が仮停止される演出が用いられ、変化回数として擬似連回数の3回が設定される(図42のステップS5394参照)。そして、変化回数(この場合は「3」)に応じた信頼度変化シナリオ(「擬似連演出」を「契機演出」に置き換えた図38参照)として、例えば変化シナリオTR5が決定されたものとする(図42のステップS5395参照)。
そして、図64の(2)に示すように、最後に仮停止表示される第3装飾図柄DI3が擬似連図柄「7」で仮停止表示されると(つまり、1回目の擬似連演出が実行されると)、ステージST0上に、消化保留画像KIとして、変化シナリオTR5に応じた初期表示態様(この場合は、1回目の契機演出に対応した「青」の炎画像)が出現する(表示される)。
同様にして、図64の(3)に示すように、装飾図柄DIが再変動表示され、図64の(4)に示すように、最後に仮停止表示される第3装飾図柄DI3が擬似連図柄「7」で再び仮停止表示されると(つまり、2回目の擬似連演出が実行されると)、消化保留画像KIの表示態様は、変化シナリオTR5の2回目の契機演出に対応した「緑」の炎画像に変化する。そして、再び図64の(5)に示すように、装飾図柄DIが再変動表示され、図64の(6)に示すように、最後に仮停止表示される第3装飾図柄DI3が擬似連図柄「7」で再び仮停止表示されると(つまり、3回目の擬似連演出が実行されると)、消化保留画像KIの表示態様は、変化シナリオTR5の3回目の契機演出に対応した「赤」の炎画像に変化する。そして、図64の(8)に示すように、例えばリーチ演出に発展する。なお、リーチ演出に発展するタイミングで消化保留画像KIの表示が消えるものとしてもよい。
[展開示唆型消化変化予告]
次に、図65を参照して展開示唆型消化変化予告の概要について説明する。図65の(1)に示すように、表示態様が「赤」の保留球に変化した変化対象保留(第4保留)が消化される(第4保留に対する変動表示が開始される)と、第4保留画像RI4は、ステージST0に吸い込まれる。そして、このときには、変化対象保留の最終表示態様が「赤」に設定されていたので、消化保留(第4保留)の演出パターンのタイプ(この場合は「擬似3当り」)に応じた制約付きの抽選テーブルに基づく抽選(図41、図39のステップS5383参照)により、消化保留画像KIの表示態様として、変化対象保留の最終表示態様によって示唆される信頼度に応じた内容を示唆するアイテム画像が決定され、例えばアイテムC3が決定されたものとする(抽選割合90%)。
そして、図65の(2)に示すように、装飾図柄DIが変動表示中の所定タイミングにおいて、消化保留画像KIとしてアイテムC3が表示され、具体的には赤文字で「NEXT!!」と記載されたプレート(板)を模したアイテム画像が出現する。そして、このアイテム画像(アイテムC3)の内容によって今後の展開として擬似連回数が2回以上の擬似連演出が実行されることが示唆される。そして、図65の(3)に示すように、消化保留画像KI(アイテムC3)によって示唆されたとおり、擬似連回数が2回以上(3回)の擬似連演出が実行され、図65の(4)に示すように、例えばリーチ演出に発展する。なお、消化保留画像KIは、示唆する展開(この例の場合には、2回以上の擬似連演出)が実現された後(例えばリーチ演出が実行されるとき)には表示が消えるものとしてもよい。
[一発型消化変化予告]
次に、図66を参照して一発型消化変化予告の概要について説明する。図66の(1)に示すように、表示態様が通常表示態様「白」の保留球のままの保留(例えば第4保留)が消化される(第4保留に対する変動表示が開始される)と、第4保留画像RI4は、ステージST0に吸い込まれる。なお、この保留が消化されたときに一発型消化変化予告が実行される場合には、第4保留が発生したときの事前判定情報に基づいて、一発型消化変化予告が実行されることが決定されていたことになる(図28のステップS1130参照)。具体的には、変化対象保留の演出パターンのタイプ(この場合は「擬似3当り」)に応じた抽選テーブル(図30、図28のステップS1131参照)に基づく抽選により、一発消化変化予告の変化結果の表示態様として「成功表示態様」が決定される(抽選割合90%)。
そして、図66の(2)に示すように、装飾図柄DIが変動表示中の所定タイミングにおいて、消化保留画像KIとして初期表示態様のシルエット画像(例えば、一部のシルエットのみ完成された状態)が出現するとともにシルエットを完成させるボタン操作を指示するためのボタン画像が表示される。そして、遊技者が規定の操作有効期間内に演出ボタン37を操作するか、操作有効期間が経過すると、図66の(3)に示すように、設定された「成功表示態様」にしたがって、消化保留画像KIの表示態様が成功表示態様に変化する(つまり、シルエットが完成する)ことにより、大当りの信頼度が高いことが示唆される。その後、図66の(4)に示すように、例えばリーチ演出に発展する。なお、消化保留画像KIは、変化結果(成功表示態様または失敗表示対応)が表示された後に表示が消えるものとしてもよい。
なお、上記では、消化保留変化演出のうち、参加型消化変化予告、信頼度型消化変化予告、展開示唆型消化変化予告として、保留変化演出の実行対象となった変化対象保留が消化されたときの例について説明したが、保留変化演出が実行されなかった保留が消化されたときにも上記した各消化変化予告は実行されてよい。この場合には、消化変化予告演出は、変化対象保留の制約を受けることなく(つまり、変化対象保留の最終表示態様によって示唆される信頼度よりも低くならないようにすることなく)実行可能となる。また、上記では、消化保留変化予告が実行されない(つまり、図35のステップS533でNOである)場合には、消化保留画像は表示されない(つまり、保留画像がステージST0に吸い込まれて終了する)ものとしたが、これに代えて、通常表示態様(例えば、デフォルト色の「白」)の消化保留画像が表示されるものとしてもよい。このようにした場合、消化保留画像は、変化対象保留の制約を受けない場合には、通常表示態様を含む様々な表示態様(例えば、「赤」の炎画像等)で表示可能となる一方、変化対象保留の制約を受ける場合には、通常表示態様では表示されないことになる。
以上に説明してきたように、本実施形態では、消化保留変化演出の表示態様の変化系統として、図56の(1)〜(4)に示す複数の変化系統を備えている。また、前述したように、これらの変化系統は、保留が消化されたとき(すなわち、特別図柄の変動表示が開始されるとき)、あるいは保留が発生したときに決定され、特別図柄の変動表示が終了するまで、他の変化系統の表示態様に変化することなく同じ変化系統内の表示態様に変化する。また、前述したように、図56の(1)に示す参加型消化変化予告では、ボタン操作に伴って保留画像の表示態様が変化するという特徴を有し、図56の(2)に示す信頼度型消化変化予告では、自動的に保留画像の表示態様が変化するという特徴を有し、図56の(3)に示す展開示唆型消化変化予告では、アイテムの内容によって今後の展開を示唆するという特徴を有し、図56の(4)に示す一発型消化変化予告ではシルエットが完成するか否かによって大当りの期待度がかなり高いか、かなり低い(ハズレ)かという極端な内容を示唆するという特徴を有する。すなわち、これらの4つの変化系統では、それぞれが相異なる固有の特徴を有するものであり、このため、消化保留画像を初めて表示するときに、どの変化系統の表示態様で表示するかによって、遊技者に対して異質の期待感や興趣性を提供することが可能となる。
以上のように、本実施形態の保留変化演出および消化保留変化演出によれば、遊技者の興味を惹きつける演出を実現することができる。
[変形例]
なお、上記した実施形態において、保留変化演出(オート保留変化予告、ボタン保留変化予告)では、保留画像が所定の保留位置に表示されている間には、その表示態様の変化機会が1回与えられるものとした(つまり、保留の表示位置が移動する毎に1回の変化機会が与えられるものとした)。しかし、これに限られれるものではなく、保留画像が所定の保留位置に表示されている間(つまり、1回の変動表示中に)複数回の変化機会が与えれらるものとしてもよい。したがって、例えば、ボタン保留変化予告では、1回の変動表示中に、複数回演出ボタン37の押下操作を行うことで、特定の保留画像の表示態様が複数回変化可能になるものとしてもよい。
また、上記した実施形態おける保留変化演出(オート保留変化予告、ボタン保留変化予告)では、保留の発生時(遊技球の入賞時)に当該保留に対する保留変化演出の変化シナリオ(例えば、図32参照)が決定され、当該変化シナリオにしたがって、保留変化演出が実行可能であるものとした。しかし、保留変化演出の内容(シナリオ)は保留の発生時に決定されるものに限られず、例えば、保留画像がその表示位置(保留位置)を移動する毎に、移動後の表示位置において変化可能な保留画像の表示態様を抽選により決定するものとしてもよい。
また、上記した実施形態における展開示唆型消化変化予告では、所定タイミングにおいて消化保留画像KIとして所定のアイテム画像が出現するものとした。しかし、展開示唆型消化変化予告において、所定のアイテム画像が出現するだけではなく、所定のアイテム画像が出現した後、別のアイテム画像に変化するものとしてもよい。例えば、アイテムC3が表示されることが設定されているときには、まず、アイテムA1を表示(出現)してから、変動演出に応じた所定のタイミングでアイテムA1からアイテムC3に変化させる演出を行うものとしてもよい。
また、上記した実施形態では、ボタン保留変化予告では演出ボタン37の押下操作を契機に保留画像の表示態様が変化可能であるとした。しかし、保留画像の表示態様が変化可能になる契機は演出ボタン37の押下操作に限られるものではなく、他の操作方法(例えば連打)によって代替されてもよいし、他の検知手段によって検知される操作によって代替されてもよい。例えば、赤外線センサやモーションセンサ等の他の検知手段によって遊技者の所定の操作が検知されることを契機に保留画像の表示態様が変化可能になるものとしてもよい。同様に、参加型消化変化予告では演出ボタン37の長押し操作を契機に消化保留画像の表示態様が変化可能であるとしたが、他の操作方法によって代替されてもよいし、他の検知手段によって検知される操作によって代替されてもよい。
また、上記した実施形態では、特別図柄抽選の保留を示す保留表示の例として、画像表示部6に保留画像RIが表示される場合について記載したが、保留表示はこれに限られるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、画像表示部6とは別に設けられたサブ表示部に保留画像RIが表示されるものとしてもよいし、画像表示部6とは別に設けられた複数の保留ランプが点灯表示される等して保留表示されるものとしてもよい。
また、上記した実施形態では、Vラウンド以外のラウンドでは第1大入賞口23が開閉制御され、VラウンドではV領域53を備える第2大入賞口51が開閉制御されるものとし、いわゆるダブルアタッカーの構成を例に説明したが、これに限られるものではなく、例えば第2大入賞口51のみを有するシングルアタッカーの構成でもよい。この場合には、Vラウンド以外のラウンドにおいても第2大入賞口51が開閉制御されるが、V領域53は開状態にされることはなく、V領域53は、Vラウンドにおいてのみ開状態にされ得るものとすればよい。
また、上記した実施形態では、演出制御部400が、報知演出開始コマンドに応じて演出パターンを決定し、演出パターンに基づいて各種演出の内容等を決定することで演出内容を設定し、当該演出内容を指示するコマンドを画像音響制御部500に送信し、画像音響制御部500が、当該コマンドにしたがって、各種演出等の実行タイミングや実行時間等の実行スケジュールを設定して演出を実行するものとした。しかし、演出制御部400と画像音響制御部500の処理分担は、これに限られるものではなく、例えば、演出制御部400は、報知演出開始コマンドに応じて演出パターンのみを決定し、画像音響制御部500は、演出制御部400から送信される演出パターンに基づいて各種演出の内容等を決定し、さらに、これらの実行スケジュールを決定して演出を実行するものとしてもよい。また、表示制御を行うためのCPUとして単一のCPUを用いる場合には、上記した全ての処理を同一のCPUが行うものとしてもよい。
また、上記した実施形態では、パチンコ遊技機を一例に挙げて本発明の説明を行った。しかし、本発明は、パチンコ遊技機に限られず、例えば、適用可能な範囲において、スロットマシン(回胴式遊技機、パチスロ)に適用されてもよい。この場合、スロットマシンにメダルが投入された状態でレバーがオン操作されることによって、当たりを判定するための遊技情報(乱数;判定情報)が取得されることとなる(つまり、遊技情報が取得されるための条件が成立することとなる)。また、この場合、上記した各実施形態での「報知演出」は、スロットマシンにおけるレバーのオン操作によってリールが変動してから停止するまでの演出に対応することとなる。
また、以上に本実施形態の特徴やその変形例の特徴等について説明したが、これらの特徴を適切に組み合わせてもよいことは言うまでもない。
また、上述したパチンコ遊技機1に設けられている各構成要素の形状、数、および設置位置等は、単なる一例に過ぎず他の形状、数、および設置位置であっても、本発明の範囲を逸脱しなければ本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述した処理で用いられている数値等は、単なる一例に過ぎず他の数値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
以上、本発明を実施形態を用いて詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義も含めて)が優先する。