以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。
[パチンコ遊技機1の概略構成例]
まず、図1及び図2を参照しつつ、パチンコ遊技機1の概略構成について説明する。ここで、図1は、パチンコ遊技機1の概略正面図である。図2は、パチンコ遊技機1の一部を示す概略平面図である。図1に例示されるように、パチンコ遊技機1は、入賞や判定(抽選)に関する役物等が設けられた遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材3とを備えている。枠部材3は、遊技盤2と所定の間隔を隔てて平行配置された透明なガラス板を支持しており、このガラス板と遊技盤2とによって、遊技球が流下可能な遊技領域10が形成されている。
遊技者がハンドル20を握ってレバー21を時計方向に回転させると、上皿28に溜められた遊技球が発射装置(不図示)へと案内され、ハンドル20の回転角度に応じた打球力で遊技領域10へと発射される。この遊技領域10には、不図示の遊技クギや風車等が設けられており、発射された遊技球は、遊技領域10における上部位置へと案内され、遊技クギや風車等に接触することでその移動方向を変化させながら遊技盤2に沿って落下する。なお、遊技球の発射は、遊技者が停止ボタン22を操作することによって一時的に停止される。
上皿28は、発射装置へ供給される遊技球及び賞球を溜めるものである。この上皿28の下方には、賞球を溜める下皿29が設けられている。この下皿29と近接配置された取り出しボタン23を遊技者が操作すると、下皿29の下面の一部が開口されて、下皿29に溜まった遊技球が下皿29の下方に配置された不図示の箱に落下する。
遊技者がハンドル20を小さい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「左打ち」を行うと、遊技球が相対的に弱い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、矢印31に例示されるように遊技領域10における左側領域を流下する。一方、遊技者がハンドル20を大きい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「右打ち」を行うと、遊技球が相対的に強い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、矢印32に例示されるように遊技領域10における右側領域を流下する。
左打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、第1始動口11、第2始動口12、2つの普通入賞口14、第1ゲート15、及び電動チューリップ17が設けられている。また、右打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、上記第2始動口12、大入賞口13、2つの普通入賞口14、第2ゲート16、及び上記電動チューリップ17が設けられている。
遊技領域10に打ち出された遊技球は、遊技盤2に沿って流下する過程で、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口13、及び普通入賞口14のいずれかに入球して入賞する。これにより、入賞した箇所に応じた所定数の賞球が上皿28又は下皿29に払い出される。なお、入賞しなかった遊技球は、排出口18を介して遊技領域10から排出される。
第1始動領域としての第1始動口11は、常時開放されている始動口であり、第2始動領域としての第2始動口12は、普通電動役物としての電動チューリップ17が作動しているときだけ開放される始動口である。パチンコ遊技機1では、遊技球が第1始動口11を通過して入賞した場合、又は遊技球が第2始動口12を通過して入賞した場合、遊技者にとって有利な大当たり遊技(特別遊技)を実行するか否かが判定され、その判定結果が後述する表示器4に表示される。
なお、以下の説明では、第1始動口11への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第1特別図柄判定」と呼び、第2始動口12への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第2特別図柄判定」と呼び、これらの判定(抽選)を総称して「特別図柄判定(特別図柄抽選)」と呼ぶものとする。
大入賞口13は、特別図柄判定の結果に応じて開放される特別入賞領域である。この大入賞口13の開口部には、大入賞口13を開閉するプレートが設けられている。大入賞口13は、通常はこのプレートによって閉塞されている。これに対して、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す所定の大当たり図柄が表示器4に停止表示された場合、上記プレートを作動させて大入賞口13を開放する大当たり遊技が実行される。このため、遊技者は、大当たり遊技中に右打ちを行うことで、大当たり遊技が行われていないときに比べてより多くの賞球を得ることができる。
電動チューリップ17は、第2始動口12に近接配置されており、一対の羽根部材を有している。この電動チューリップ17は、一対の羽根部材が第2始動口12を閉塞する閉姿勢(図1参照)と、第2始動口12を開放する開姿勢(不図示)とに姿勢変化可能に構成されている。
第2始動口12は、図1に例示されるように、通常は電動チューリップ17によって閉塞されている。これに対して、遊技球が第1ゲート15又は第2ゲート16を通過すると、賞球の払い出しは行われないものの、第2始動口12を開放するか否かが判定される。ここで、第2始動口12を開放すると判定された場合、電動チューリップ17の一対の羽根部材が規定時間開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作が規定回数行われる。このように、第2始動口12は、電動チューリップ17が作動していないときには遊技球が通過し難い状態であるのに対して、電動チューリップ17が作動することによって遊技球が通過し易い状態となる。なお、以下の説明では、第1ゲート15又は第2ゲート16に対する遊技球の通過を条件として実行される判定(抽選)を「普通図柄判定(抽選)」と呼ぶものとする。
普通入賞口14は、第1始動口11と同様に常時開放されており、遊技球の入賞によって所定個数の賞球が払い出される入賞口である。なお、第1始動口11等とは異なり、普通入賞口14に遊技球が入賞しても判定(抽選)が行われることはない。
[パチンコ遊技機1の演出手段の構成例]
図1に例示されるように、遊技盤2又は枠部材3には、各種の演出を行うものとして、液晶表示器5、可動役物7、スピーカ24、盤ランプ25、及び回転演出装置38,39が設けられている。また、枠部材3には、図1には示されていない枠ランプ37(図4参照)が内蔵されている。
液晶表示器5は、演出画像を表示する画像表示装置であり、遊技者によって視認され易い位置に設けられている。液晶表示器5には、例えば、特別図柄判定の判定結果を報知する装飾図柄、予告演出などを行うキャラクタやアイテム、特別図柄判定が保留されている数だけ表示される保留画像等の各種表示オブジェクトを含む演出画像が表示される。なお、画像表示装置は、EL表示装置等の他の画像表示装置によって構成されてもよい。
可動役物7は、遊技盤2に対して可動に構成されており、例えば、所定の方向に移動したり、内蔵された発光素子(例えばLED)を発光させたりすることによって各種の演出を行う。可動役物7は、第1始動口11又は第2始動口12への遊技球の入賞に応じて動作する。
盤ランプ25及び枠ランプ37は、点灯又は点滅のパターンの変更、発光色の変更等の光による各種の演出を行う。回転演出装置38,39は、内蔵された発光素子と発光素子の周辺を回転する回転体とによって各種の演出を行う。スピーカ24は、液晶表示器5で行われる表示演出と同期するように楽曲や音声、効果音等を出力して音による演出を行う。
[パチンコ遊技機1の操作手段の構成例]
図2に例示されるように、枠部材3には、遊技者が操作する操作手段として、演出ボタン26及び演出キー27が設けられている。演出ボタン26は、遊技者が押下することによって操作情報を入力するための押ボタンである。演出キー27は、遊技者が選択操作を行うためのいわゆる十字キーである。パチンコ遊技機1では、演出ボタン26又は演出キー27の操作に応じた演出が行われる場合がある。
[表示器4の構成例]
図3は、図1における表示器4の拡大図である。表示器4は、主に特別図柄判定や普通図柄判定に関する情報を表示するものであり、図3に例示されるように、第1特別図柄表示器41、第2特別図柄表示器42、第1特別図柄保留表示器43、第2特別図柄保留表示器44、普通図柄表示器45、普通図柄保留表示器46、及び遊技状態表示器47を有して構成されている。
第1特別図柄表示器41は、第1特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第1特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって第1特別図柄判定の判定結果を報知する。第2特別図柄表示器42は、第2特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第2特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって第2特別図柄判定の判定結果を報知する。第1特別図柄表示器41及び第2特別図柄表示器42には、判定図柄として、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す大当たり図柄、又は特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを示すハズレ図柄が停止表示される。
第1特別図柄保留表示器43は、第1特別図柄判定の保留数を表示する。第2特別図柄保留表示器44は、第2特別図柄判定の保留数を表示する。
普通図柄表示器45は、普通図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから普通図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって普通図柄判定の判定結果を報知する。普通図柄表示器45の点灯パターンによって普通図柄の結果が当たりか否か(短開放当たり、長開放当たり、ハズレの何れか)が報知される。普通図柄保留表示器46は、普通図柄判定の保留数を表示する。遊技状態表示器47は、パチンコ遊技機1の電源投入時点における遊技状態を表示する。
なお、以下の説明では、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に表示される図柄を「特別図柄」と呼び、普通図柄表示器45に表示される図柄を「普通図柄」と呼ぶものとする。
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
遊技盤2の裏面側には、賞球として払い出される遊技球を溜めておく球タンクの他に、パチンコ遊技機1の動作を制御する制御装置が設けられている。
以下、図4を参照しつつ、パチンコ遊技機1の制御装置の構成について説明する。ここで、図4は、パチンコ遊技機1の制御装置の構成例を示すブロック図である。図4に示されるように、パチンコ遊技機1の制御装置は、判定(抽選)の実行や大当たり遊技の制御、演出制御部130へのコマンド送信処理等を制御する遊技制御部100、遊技制御部100から受信したコマンドに基づいて演出を統括的に制御する演出制御部130、画像や音による演出を制御する画像音響制御部140、および各種のランプや可動役物7による演出を制御するランプ制御部150を備えている。また、図4に示す他に、パチンコ遊技機1は、賞球の払い出しを制御する払出制御部(図示せず)も備えている。
[遊技制御部100の構成]
遊技制御部100は、CPU101、ROM102、およびRAM103を備えている。CPU101は、ROM102に記憶されたプログラムに基づいて、内部抽選や当選の判定等の払い出し賞球数に関連する各種の演算処理を行う。RAM103は、CPU101が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域またはデータ処理などの作業領域として使用される。
遊技制御部100には、第1始動口スイッチ(SW)111、第2始動口スイッチ(SW)112、電動チューリップ開閉部113、ゲートスイッチ(SW)114、大入賞口スイッチ(SW)115、大入賞口制御部116、普通入賞口スイッチ(SW)117、および表示器4が接続されている。
第1始動口スイッチ111は、第1始動口11に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御部100に出力する。第2始動口スイッチ112は、第2始動口12に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御部100に出力する。電動チューリップ開閉部113は、遊技制御部100からの制御信号に応じて、電動チューリップ17の一対の羽根部材に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、第2始動口12を開閉する。ゲートスイッチ114は、遊技球がゲート15又はゲート16を通過したことを検知して、その検知信号を遊技制御部100に出力する。大入賞口スイッチ115は、遊技球が大入賞口13に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御部100に出力する。大入賞口制御部116は、遊技制御部100からの制御信号に応じて、大入賞口13を閉塞するプレートに駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、大入賞口13を開閉する。普通入賞口スイッチ117は、遊技球が普通入賞口14に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御部100に出力する。
遊技制御部100のCPU101は、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、大入賞口スイッチ115、または普通入賞口スイッチ117からの検知信号が入力されると、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球の払い出しを払出制御部に指示し、払出制御部からの情報に基づいて、払い出す賞球の個数を管理する。
CPU101は、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力されたタイミングで乱数を取得し、取得した乱数を用いて第1特別図柄判定を実行する。また、CPU101は、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力されたタイミングで乱数を取得し、取得した乱数を用いて第2特別図柄判定を実行する。そして、特別図柄判定の結果が大当たりになると、大入賞口制御部116を介して大入賞口13の開閉させることによって、特別遊技を実行する。また、CPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号が入力されたタイミングで乱数を取得し、取得した乱数を用いて普通図柄判定を実行する。そして、普通図柄判定の結果が当たりになると、電動チューリップ開閉部113を介して電動チューリップ17を動作させることによって、第2始動口12を一時的に開放する。
また、CPU101は、特別図柄の変動開始や変動停止を示す情報を演出制御部130に送信する。また、CPU101は、特別図柄抽選の当選確率の変動設定や、普通図柄抽選の当選確率の変動設定に関する情報を演出制御部130に送信する。また、CPU101は、特別図柄の変動時間の短縮設定を示すデータ、第1始動口11または第2始動口12に遊技球が入賞したことを通知するための情報等を演出制御部130に送信する。
また、CPU101は、表示器4に対して、以下のような処理を実行する。すなわち、CPU101は、第1特別図柄判定を実行すると、第1特別図柄表示器41に特別図柄を変動表示させた後にその判定結果を示す特別図柄を停止表示させる。また、CPU101は、第2特別図柄判定を実行すると、第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させた後にその判定結果を示す特別図柄を停止表示させる。また、CPU101は、普通図柄判定を実行すると、普通図柄表示器45に普通図柄を変動表示させた後にその判定結果を示す普通図柄を停止表示させる。
また、CPU101は、第1特別図柄判定の保留数を第1特別図柄保留表示器43に表示させ、第2特別図柄判定の保留数を第2特別図柄保留表示器44に表示させ、普通図柄判定の保留数を普通図柄保留表示器46に表示させる。また、CPU101は、パチンコ遊技機1の遊技状態を遊技状態表示器47に表示させる。
[演出制御部130の構成]
演出制御部130は、CPU131、ROM132、RAM133、およびRTC(リアルタイムクロック)134を備えている。CPU131は、ROM132に記憶されたプログラムに基づいて、演出を制御する際の演算処理を行う。RAM133は、CPU131が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域またはデータ処理などの作業領域として使用される。RTC134は、現時点の日時を計測する。
演出制御部130は、遊技制御部100から送られる特別図柄判定の結果等を示すデータに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン26または演出キー27からの操作情報の入力を受け付けて、その操作情報に応じた演出内容を設定する場合もある。演出制御部130は、設定した演出内容の演出の実行を指示するコマンドを画像音響制御部140およびランプ制御部150に送信する。
[画像音響制御部140の構成]
画像音響制御部140は、CPU141、ROM142、およびRAM143を備えている。CPU141は、ROM142に記憶されたプログラムに基づいて、演出内容を表現する画像を制御する際の演算処理を行う。図には示されていないが、画像音響制御部140は、液晶表示器5に表示される演出画像を生成するVDP(Video Display Processor)、およびスピーカ24から出力される音響データを生成する音響DSP(Digital Signal Processor)を備えている。CPU141は、演出制御部130からのコマンドおよびROM142に記憶されているプログラムに基づいて制御信号を生成してVDPおよび音響DSPに出力することによって、VDPおよび音響DSPの動作を制御する。
音響DSPには、楽曲や音声、効果音等に関する各種音響データを記憶する音響用ROMと、音響DSPによるデータ処理等の作業領域として使用されるSDRAMが接続されている。音響DSPは、CPU141からの制御信号に対応する音響データを音響用ROMからSDRAMに読み出してデータ処理を実行し、データ処理後の音響データをスピーカ24へ出力する。
VDPは、演出画像の生成に必要な素材データを記憶する画像用ROM、演出画像の描画処理を実行する描画エンジン、および描画エンジンによって描画された演出画像を液晶表示器5に出力する出力回路を有している。描画エンジンは、CPU141からの制御信号に基づいて、画像用ROMに記憶されている素材データを用いて、フレームバッファに演出画像を描画する。出力回路は、このフレームバッファに描画された演出画像を所定のタイミングで液晶表示器5に出力する。
[ランプ制御部150の構成]
ランプ制御部150は、CPU151、ROM152、およびRAM153を備えている。CPU151は、ROM152に記憶されたプログラムに基づいて、盤ランプ25や枠ランプ37、および可動役物7の動作を制御する際の演算処理を行う。RAM153は、CPU151が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域またはデータ処理などの作業領域として使用される。
ROM152には、発光パターンデータおよび動作パターンデータが記憶されている。ここで、発光パターンデータは、枠ランプ37、盤ランプ25、および可動役物7が備える発光素子のそれぞれの発光パターンを示すデータである。動作パターンデータは、可動役物7の動作パターンを示すデータである。
CPU151は、ROM152に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部130から受信したコマンドに対応する発光パターンデータをRAM153に読み出して、盤ランプ25、枠ランプ37、および可動役物7の発光素子の発光を制御する。また、CPU151は、ROM152に記憶された動作パターンデータの中から、演出制御部130から受信したコマンドに対応する動作パターンデータをRAM153に読み出して、可動役物7を動作させるためのモータの駆動を制御する。
[遊技制御部100によるメイン処理]
次に、図5を参照しつつ、遊技制御部100によって実行されるメイン処理について説明する。ここで、図5は、遊技制御部100によって実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートである。遊技制御部100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図5に示されている一連の処理を割り込みにより一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図5以降のフローチャートに基づいて説明する遊技制御部100の処理は、ROM102に記憶されているプログラムをCPU101が実行することによって行われる。
まず、遊技制御部100のCPU101は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、および普通図柄乱数の各種乱数を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS1)。ここで、大当たり乱数は、特別図柄判定の結果が大当たりか、ハズレかを決定するための乱数である。図柄乱数は、特別図柄判定の結果が大当たりであった場合に、大当たりの種類(16R確変大当たり、10R通常大当たり等)を決定するための乱数である。リーチ乱数は、特別図柄判定の結果がハズレの場合に、リーチ有りの演出を行うか或いはリーチ無しの演出を行うかを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄が変動表示される際の変動パターン(変動時間)を決定するための乱数である。普通図柄乱数は、普通図柄抽選の当選または落選を決定するための乱数である。大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、および普通図柄乱数は、予め定めれた範囲で変動し、このステップS1の処理が行われる毎に「1」ずつ加算される。なお、ステップS1において、上記各乱数が予め設定されている最大値に達した場合は、各乱数はリセットされる。
ステップS1に続いて、CPU101は、始動口スイッチ(SW)処理を実行する(ステップS2)。始動口スイッチ処理では、CPU101は、第1始動口スイッチ111又は第2始動口スイッチ112からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される各乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)について、検知信号が入力された時点の値を取得して、RAM103に記憶する。この始動口スイッチ処理については、図6を参照して、後に詳述する。
ステップS2に続いて、CPU101は、ゲートスイッチ(SW)処理を実行する(ステップS3)。ゲートスイッチ処理では、CPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号の入力の有無を監視し、検知信号の入力があった場合、ステップS1の処理で更新された普通図柄乱数の値を取得して、RAM103に記憶する。このゲートスイッチ処理については、図7を参照して、後に詳述する。
ステップS3に続いて、CPU101は、特別図柄処理を実行する(ステップS4)。詳細は後述するが、特別図柄処理では、特別図柄判定の結果が大当たりであったか否か、大当たりであった場合の大当たりの種類(大当たり図柄)が判定される。また、CPU101は、ステップS2の始動口スイッチ処理で取得された乱数を用いて特別図柄判定を実行し、第1特別図柄表示器41または第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから特別図柄判定の結果を示す特別図柄を停止表示させる。特別図柄処理については、図8を参照して、後に詳述する。
ステップS4に続いて、CPU101は、普通図柄処理を実行する(ステップS5)。普通図柄処理では、CPU101は、ステップS3のゲートスイッチ処理で取得された普通図柄乱数を用いて普通図柄判定を実行し、普通図柄表示器45に普通図柄を変動表示させてから普通図柄判定の結果を示す普通図柄を停止表示させる。普通図柄処理については、図12を参照して、後に詳述する。
ステップS5に続いて、CPU101は、ステップS4の特別図柄処理における特別図柄判定で大当たりとなった場合に、大入賞口制御部116を介して大入賞口13を開閉する大入賞口処理を実行する(ステップS6)。大入賞口処理については、図13を参照して、後に詳述する。
ステップS6に続いて、CPU101は、電動チューリップ処理を実行する(ステップS7)。電動チューリップ処理では、CPU101は、ステップS5の普通図柄処理における普通図柄抽選に当選した場合に、電動チューリップ開閉部113を介して電動チューリップ17の一対の羽根部材を作動させる。電動チューリップ処理については、図15を参照して、後に詳述する。
ステップS7に続いて、CPU101は、遊技球の入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しを制御する賞球処理を実行する(ステップS8)。具体的には、CPU101は、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口13、および普通入賞口14の何れかに遊技球が入賞した場合、入賞した場所に応じた個数の賞球を払い出しする。例えば、CPU101は、第1始動口11または第2始動口12に遊技球が入賞した場合は、3個の賞球を払い出し、大入賞口13に遊技球が入賞した場合は10個の賞球を払い出す。
ステップS8に続いて、CPU101は、出力処理を実行する(ステップS9)。ステップS9の出力処理では、CPU101は、ステップS2の始動口スイッチ処理やステップS4の特別図柄処理、ステップS6の大入賞口処理等でRAM103にセットされた各種コマンドを演出制御部130に送信する。
[遊技制御部100による始動口スイッチ処理]
次に、図6を参照して、遊技制御部100において実行される始動口スイッチ処理の詳細について説明する。ここで、図6は、図5のステップS2における始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。
図6に示すように、ステップS201において、遊技制御部100のCPU101は、第1始動口スイッチ111が「ON」になったか否か(第1始動口11に遊技球が入賞したか否か)を判定する。ここで、第1始動口スイッチ111が「ON」になったと判定した場合(ステップS201:YES)、RAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が、予めROM102に記憶されている第1特別図柄判定の最大保留数Umax1(例えば、4)未満であるか否かを判定する(ステップS202)。
CPU101は、保留数U1が最大保留数Umax1未満であると判定した場合(ステップS202:YES)、保留数U1の値を「1」加算した値に更新する(ステップS203)。そして、CPU101は、ステップS1の処理によって更新した各種乱数(乱数データD1の大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)の値を取得して、RAM103に格納する(ステップS204)。
ここでは、第1始動口11に遊技球が入賞したことに応じて取得された各種乱数がRAM103に格納されることにより、ステップS203で保留数U1を増加させた保留玉に係る特別図柄判定の権利が、保留されることになる。詳細は後述するが、保留された特別図柄判定の権利は、ステップS4の特別図柄処理において消化されて、特別図柄が変動表示されて所定時間経過後に停止表示されることにより、当該特別図柄判定の結果が報知される。
続いて、CPU101は、ステップS204でRAM103に格納された各種乱数に基づいて事前判定処理を実行する(ステップS205)。事前判定処理は、保留された特別図柄判定の権利についての判定処理であり、大当たりか否かや大当たりの種類、変動パターン等を判定して当該判定結果を示す事前判定情報を生成する処理である。その後、CPU101は、事前判定情報を含む保留コマンドをRAM103にセットする(ステップS206)。保留コマンドは、特別図柄判定が保留されたことを通知するためのコマンドであって、図5のステップS9における出力処理において演出制御部130へと送信される。なお、ステップS205の事前判定処理では、ステップS204で取得された各種乱数がそのまま事前判定情報として生成されて、当該事前判定情報が保留コマンドに含められてもよい。
ステップS201で「NO」と判定した場合、ステップS202で「NO」と判定した場合、又はステップS206の処理を実行した場合、CPU101は、ステップS207の処理を実行する。ステップS207では、CPU101は、第2始動口スイッチ112が「ON」になったか否か(第2始動口12に遊技球が入賞したか否か)を判定する。ここで、第2始動口スイッチ112が「ON」になったと判定した場合(ステップS207:YES)、RAM103に記憶されている第2特別図柄判定の保留数U2が、予めROM102に記憶されている第2特別図柄判定の最大保留数Umax2(例えば、4)未満であるか否かを判定する(ステップS208)。
CPU101は、保留数U2が最大保留数Umax2未満であると判定した場合(ステップS208:YES)、保留数U2の値を「1」加算した値に更新する(ステップS209)。そして、CPU101は、ステップS1の処理で更新した各種乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得して、RAM103に格納する(ステップS210)。
そして、CPU101は、ステップS210の処理によってRAM103に格納された各種乱数を用いて、上記ステップS205の処理と同様に事前判定処理を実行し(ステップS211)、事前判定情報を含む保留コマンドをRAM103にセットする(ステップS212)。
ステップS207で「NO」と判定された場合、ステップS208で「NO」と判定された場合、又はステップS212の処理が行われた場合、CPU101は、始動口スイッチ処理を終了して、ゲートスイッチ処理に処理を進める。
[遊技制御部100によるゲートスイッチ処理]
図7は、図5のステップS3におけるゲートスイッチ処理の詳細フローチャートである。図7に示されるように、CPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号(ゲートスイッチ114が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、ゲートスイッチ114が「ON」になったか否かを判定する(ステップS301)。
CPU101は、ゲートスイッチ114が「ON」になったと判定した場合(ステップS301:YES)、RAM103に記憶されている普通図柄判定の保留数Gが、普通図柄判定の最大保留数Gmax(例えば、4)未満であるか否かを判定する(ステップS302)。
CPU101は、保留数Gが最大保留数Gmax未満であると判定した場合(ステップS302:YES)、保留数Gを「1」加算した値に更新し(ステップS303)、この処理によって保留された普通図柄判定に使用される普通図柄乱数を取得して、RAM103に格納する(ステップS304)。なお、ステップS204において格納された普通図柄乱数に対して上記ステップS205と同様に事前判定処理が行われ、当該事前判定処理の結果が普通図柄の保留コマンドとして演出制御部130に送信されてもよい。
[遊技制御部100による特別図柄処理]
次に、図8〜図11を参照しつつ、遊技制御部100によって実行される特別図柄処理の詳細について説明する。ここで、図8は、図5におけるステップS4の特別図柄処理を示す詳細フローチャートである。図9は、図8のステップS407の大当たり判定処理の詳細を示すフローチャートである。図10は、図8のステップS408の変動パターン設定処理の詳細を示すフローチャートである。
図8に示されるように、遊技制御部100のCPU101は、例えばRAM103に記憶されている情報に基づいて、特別遊技中(大当たり遊技中)であるか否かを判定する(ステップS401)。ここで、特別遊技中であると判定された場合(ステップS401:YES)、CPU101は、特別図柄処理を終了する。
CPU101は、特別遊技中ではないと判定した場合(ステップS401:NO)、特別図柄が変動表示中であるか否かを判定する(ステップS402)。ここで、特別図柄が変動表示中ではないと判定した場合(ステップS402:NO)、RAM103に記憶されている第2特別図柄判定の保留数U2が「1」以上であるか否かを判定し(ステップS403)、「1」以上であると判定した場合(ステップS403:YES)、保留数U2を「1」減算して保留玉を1だけ消化する(ステップS404)。
CPU101は、保留数U2が「1」以上ではない(第2特別図柄判定が保留されていない)と判定した場合(ステップS403:NO)、RAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が「1」以上であるか否かを判定し(ステップS405)、「1」以上であると判定した場合(ステップS405:YES)、保留数U1を「1」減算して保留玉を1だけ消化する(ステップS406)。一方、CPU101は、ステップS405で保留数U1が「1」以上でないと判定した場合(ステップS405:NO)、客待ちコマンドをRAM103に設定して、図8に示す特別図柄処理を終了する。
CPU101は、ステップS404またはステップS406の処理に続いて、大当たり判定処理を実行する(ステップS407)。以下、図9を参照して、大当たり判定処理について説明する。
図9に示すように、CPU101は、まず、大当たりか否かの判定を行う(ステップS431)。具体的には、CPU101は、図8のステップS404の処理に続いて大当たりか否かの判定を行う場合、ステップS404の処理で保留数U2を減算させた保留玉に係る大当たり乱数(ステップS2の処理でRAM103に格納された大当たり乱数)が、ROM102に予め記憶されている大当たり乱数の当選値と一致するか否かを判定する。これにより、CPU101は、第2特別図柄判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。なお、遊技状態が高確率遊技状態である場合は、通常よりも大当たりと判定される確率が高い。一方、図8のステップS406の処理に続いて大当たりか否かの判定を行う場合、CPU101は、ステップS406の処理で保留数U1を減算させた保留玉に係る大当たり乱数(ステップS2の処理でRAM103に格納された大当たり乱数)が、ROM102に予め記憶されている大当たり乱数の当選値と一致するか否かを判定する。これにより、CPU101は、第1特別図柄判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。
ここで、特別図柄判定の結果が大当たりである場合(ステップS431:YES)、CPU101は、上述した大当たり乱数と一緒にステップS2の処理でRAM103に格納された図柄乱数に基づいて、図柄乱数判定処理を行う(ステップS432)。具体的には、CPU101は、ステップS2の処理でRAM103に格納された図柄乱数がROM102に予め記憶されている複数種の大当たりのそれぞれに割り当てられた乱数値のいずれと一致するかを判定することにより、大当たりの種類を判定する。そして、CPU101は、判定した大当たりの種類に応じた大当たり図柄を、設定情報としてRAM103に設定する(ステップS433)。
一方、ステップS431において大当たりでないと判定された場合(ステップS431:NO)、CPU101は、特別図柄判定の結果がハズレであることを表すハズレ図柄を、設定情報としてRAM103に設定する(ステップS434)。
ステップS433の処理、またはステップS434の処理の後、CPU101は、大当たり判定処理を終了して、図8の特別図柄処理に処理を戻す。
図8に戻り、ステップS407の大当たり判定処理に続いて、CPU101は、変動パターン設定処理を実行する(ステップS408)。以下、図10を参照して、変動パターン設定処理について説明する。
図10に示すように、CPU101は、ステップS407の大当たり判定処理の結果が大当たりであったか否かを判定する(ステップS450)。CPU101は、ステップS407の大当たり判定処理において大当たりと判定した場合(ステップS450:YES)には、大当たり用の変動パターンテーブルをRAM103にセットする(ステップS451)。大当たり用の変動パターンテーブルには、変動時間が30秒、60秒、90秒、120秒等の変動パターンが記憶されている。
一方、ステップS407の大当たり判定処理において大当たりでないと判定した場合(ステップS450:NO)、すなわち、ステップS407の大当たり判定処理においてハズレと判定した場合、CPU101は、リーチ乱数判定処理を行う(ステップS452)。リーチ乱数判定処理では、CPU101は、大当たり判定処理に使用された大当たり乱数と一緒にRAM103に格納されたリーチ乱数が、ROM102に予め記憶されている値と一致するか否かを判定する。当該判定結果に基づいて、CPU101は、リーチ演出を行うか否かを決定する(ステップS453)。そして、CPU101は、リーチ演出を行うと決定した場合(ステップS453:YES)にはリーチ用の変動パターンテーブルをセットする(ステップS454)。リーチ用の変動パターンテーブルには、変動時間が30秒、60秒、90秒、120秒等の変動パターンが記憶されている。CPU101は、リーチ演出を行わないと判定した場合(ステップS453:NO)にはハズレ用の変動パターンテーブルをセットする(ステップS455)。ハズレ用の変動パターンテーブルには、2秒、8秒等の変動パターンが記憶されている。
ステップS451、ステップS454、またはステップS455の処理の後、CPU101は、変動パターン乱数判定処理を行う(ステップS456)。具体的には、ステップS456において、CPU101は、セットした変動パターンテーブルを用いて、上述した大当たり乱数(ステップS407の判定処理で用いられた大当たり乱数)と一緒にステップS2の処理でRAM103に格納された変動パターン乱数に基づいて、変動パターンを選択する。
このようにして、CPU101は、ステップS2で取得された変動パターン乱数と大当たりか否かによってセットした変動パターンテーブルとに基づいて、特別図柄の変動パターンを決定する。決定された変動パターンは、設定情報としてRAM103に設定される(ステップS457)。ステップS457の処理の後、CPU101は、図10に示す変動パターン設定処理を終了して、図8の特別図柄処理に処理を戻す。
図8に戻り、ステップS408の処理に続いて、CPU101は、ステップS407の処理で設定した図柄の設定情報、ステップS408の処理で設定した変動パターンの設定情報、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す情報等を含む変動開始コマンドを生成してRAM103にセットする(ステップS409)。この変動開始コマンドは、特別図柄の変動表示に伴う演出の実行を指示するコマンドであって、図5のステップS9の出力処理が実行されることによって演出制御部130へ送信される。
ステップS409の処理に続いて、CPU101は、ステップS409の処理でセットした変動開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、特別図柄の変動表示を開始し(ステップS410)、変動時間の計測を開始する(ステップS411)。なお、特別図柄の変動表示は、ステップS407〜S409の処理がステップS404の処理に続いて行われた場合には第2特別図柄表示器42を用いて行われ、ステップS406の処理に続いて行われた場合には第1特別図柄表示器41を用いて行われる。
CPU101は、ステップS402の処理で「YES」と判定した場合、またはステップS411の処理を実行した場合、ステップS411における変動時間の計測開始から、ステップS408の処理で設定された変動パターンに対応する変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS412)。
CPU101は、変動時間が経過したと判定した場合(ステップS412:YES)、特別図柄の変動表示が停止されることを通知する変動停止コマンドをRAM103にセットし(ステップS413)、ステップS410の処理で開始した特別図柄の変動表示を終了し(ステップS414)、計測した変動時間をリセットする(ステップS415)。これにより、第1特別図柄表示器41または第2特別図柄表示器42において、ステップS407の大当たり判定処理の判定結果に応じた図柄(大当たりの種類に応じた大当たり図柄やハズレ図柄)が停止表示され、特別図柄判定の結果が報知される。なお、ステップS413の処理でセットされた変動停止コマンドは、図5のステップS9の出力処理が実行されることによって演出制御部130へ送信される。
CPU101は、ステップS415の処理の後、停止中処理を実行する(ステップS416)。停止中処理の詳細については後述する。
ステップS401で「YES」と判定された場合、ステップS405で「NO」と判定された場合、ステップS412で「NO」と判定された場合、またはステップS416の処理が行われた場合、CPU101は、特別図柄処理を終了して、図5のステップS5の普通図柄処理を実行する。
[遊技制御部100による停止中処理]
次に、図8のステップS416の停止中処理について説明する。図11は、図8のステップS416の停止中処理を示す詳細フローチャートである。
図11に示されるように、CPU101は、上記ステップS407の大当たり判定処理の結果に基づいて、特別図柄判定の結果が大当たりか否かを判定する(ステップS480)。そして、CPU101は、大当たりと判定した場合(ステップS480:YES)、RAM103に記憶されている大当たり遊技フラグを「ON」に設定する(ステップS481)。
CPU101は、ステップS481の処理に続いて、RAM103に記憶されている補助遊技フラグ及び確変遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS482)。CPU101は、ステップS482の処理に続いて、オープニングを開始し(ステップS483)、オープニングコマンドをRAM103にセットする(ステップS484)。このオープニングコマンドは、大当たり判定処理の結果に応じて開始されるオープニング演出を演出制御部130に行わせるためのコマンドであり、当該コマンドは、図5のステップS9の出力処理が実行されることによって演出制御部130へ送信される。これにより、大入賞口13が開放されることを遊技者に報知するためのオープニング演出が行われる。
一方、CPU101は、大当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合(ステップS480:NO)、補助遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS485)。ここで、補助遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS485:YES)、RAM103に記憶されている補助遊技残余回数Jを「1」減算し、当該Jを更新する(ステップS486)。補助遊技残余回数Jは、補助遊技状態が維持される残りの特別図柄の変動回数(特別図柄判定の実行回数)を示し、大当たり遊技が行われた後に実行される遊技状態設定処理において設定される。遊技状態設定処理の詳細については後述する。
ステップS486の処理に続いて、CPU101は、補助遊技残余回数Jが「0」であるか否かを判定する(ステップS487)。ここで、補助遊技残余回数Jが「0」であると判定した場合(ステップS487:YES)、CPU101は、補助遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS488)。
ステップS488の処理を実行した場合、補助遊技フラグが「ON」ではないと判定した場合(ステップS485:NO)、又は補助遊技残余回数Jが「0」ではないと判定した場合(ステップS487:NO)、CPU101は、確変遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS489)。
確変遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS489:YES)、CPU101は、RAM103に記憶されている高確率遊技残余回数Xを「1」減算し、当該Xを更新する(ステップS490)。ここで、高確率遊技残余回数Xは、高確率遊技状態で特別図柄判定が行われる残りの回数を示し、大当たり遊技が行われた後に実行される遊技状態設定処理(後述する)において設定される。
ステップS490の処理に続いて、CPU101は、高確率遊技残余回数Xが「0」であるか否かを判定する(ステップS491)。ここで、高確率遊技残余回数Xが「0」であると判定した場合(ステップS491:YES)、RAM103に記憶されている確変遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS492)。
ステップS492の処理が実行された場合、ステップS484の処理が実行された場合、確変遊技フラグが「ON」ではないと判定された場合(ステップS489:NO)、又は高確率遊技残余回数Xが「0」ではないと判定された場合(ステップS491:NO)、CPU101は、図11の停止中処理を終了する。
[遊技制御部100による普通図柄処理]
次に、図12を参照しつつ、遊技制御部100によって実行される普通図柄処理の詳細について説明する。図12は、図5のステップS5の普通図柄処理を示す詳細フローチャートである。
まず、遊技制御部100のCPU101は、RAM103に記憶されている補助フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS501)。補助フラグは、普通図柄判定の結果が当りである場合に「ON」に設定されるフラグであり、電動チューリップ17を作動させる当たり遊技中であるか否かを示すフラグである。電動チューリップ17は、普通図柄判定の結果が当りである場合、所定のパターンで動作する。電動チューリップ17の動作パターンは、遊技機1の状態が補助遊技状態か否か(補助遊技フラグがONか否か)によって異なる。また、当たりの種類が長開放当たりか短開放当たりかで、電動チューリップ17の動作パターンは異なる。ここで、補助フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS501:YES)、CPU101は、図12の普通図柄処理を終了する。
補助フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS501:NO)、CPU101は、普通図柄表示器45における普通図柄の変動表示中であるか否かを判定し(ステップS502)、普通図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS502:NO)、RAM103に記憶されている普通図柄判定の保留数Gが「1」以上であるか否かを判定する(ステップS503)。ここで、保留数Gが「1」以上ではないと判定した場合(ステップS503:NO)、CPU101は、図12の普通図柄処理を終了する。
CPU101は、保留数Gが「1」以上であると判定した場合(ステップS503:YES)、保留数Gを「1」減算した値に更新し(ステップS504)、普通図柄乱数判定処理を実行する(ステップS505)。具体的には、遊技球がゲート15又はゲート16を通過したことに応じて上記ステップS3の処理で取得された普通図柄乱数が、ROM102に記憶されている普通図柄乱数の当選値(補助遊技状態か否かにより異なる)と一致するか否かに基づいて、普通図柄判定の結果が当たりであるか否かを判定する(ステップS506)。なお、遊技状態が補助遊技状態である場合、普通図柄判定の結果が当たりとなる確率は通常よりも高い。
CPU101は、普通図柄判定の結果が当たりではないと判定した場合(ステップS506:NO)、RAM103にハズレ図柄をセットする(ステップS507)。
一方、CPU101は、普通図柄判定の結果が当たりであると判定した場合(ステップS506:YES)、CPU101は、普通図柄判定の当たりの種類が長開放当たりか否かを判定する(ステップS508)。ROM102には、普通図柄乱数の当選値として、当選後に第2始動口12を長開放することとなる長開放当たりの当選値と、第2始動口12を短開放することとなる短開放当たりの当選値とが設定されている。CPU101は、取得された普通図柄乱数に基づいて、長開放当たりか否かを判定する。なお、普通図柄判定の当落を決定するための普通図柄乱数(第1普通図柄乱数)とは別に、普通図柄の当たりの種類を決定するための乱数(第2普通図柄乱数)が設けられてもよい。この場合、第1普通図柄乱数に基づいて当たりか否かが判定され、当たりである場合に、第2普通図柄乱数に基づいて当たりの種類(長開放当たり、又は短開放当たり)が決定されてもよい。
長開放当たりであると判定した場合(ステップS508:YES)、CPU101は、長開放当たり図柄をRAM103にセットする(ステップS509)。一方、長開放当たりでないと判定した場合(ステップS508:NO)、CPU101は、短開放当たり図柄をRAM103にセットする(ステップS510)。
ステップS507の処理、ステップS509の処理、又はステップS510の処理に続いて、CPU101は、RAM103に記憶されている補助遊技フラグがONか否かに基づいて、パチンコ遊技機1の遊技状態が、補助遊技状態であるか否かを判定する(ステップS511)。
CPU101は、補助遊技状態ではないと判定した場合(ステップS511:NO)、普通図柄表示器45において普通図柄を変動表示させる時間である普通図柄変動時間を例えば25秒にセットする(ステップS512)。逆に、補助遊技状態であると判定した場合(ステップS511:YES)、普通図柄変動時間を比較的短い値、例えば2秒にセットする(ステップS513)。このステップS512又はステップS513の処理によってセットされた普通図柄変動時間は、RAM103に一時的に記憶される。
ステップS512又はステップS513の処理に続いて、CPU101は、普通図柄表示器45において普通図柄の変動表示を開始させ(ステップS514)、その変動表示開始からの経過時間の計測を開始する(ステップS515)。
一方、CPU101は、普通図柄表示器45において普通図柄の変動表示中であると判定した場合(ステップS502:YES)、普通図柄の変動表示を終了させるか否かを判定する(ステップS516)。具体的には、ステップS513の処理によって計測を開始した経過時間が、上記ステップS512又はステップS513の処理で設定された普通図柄変動時間に達したか否かに基づいて、普通図柄の変動表示の終了タイミングになったか否かを判定する。ここで、終了タイミングになっていないと判定した場合(ステップS516:NO)、CPU101は、図12の普通図柄処理を終了する。
CPU101は、普通図柄の変動表示の終了タイミングになったと判定した場合(ステップS516:YES)、普通図柄表示器45による普通図柄の変動表示を終了させる(ステップS517)。具体的には、CPU101は、上記ステップS507、ステップS509、又はステップS510の処理でセットした図柄を普通図柄表示器45に停止表示させる。これにより、普通図柄判定の結果が遊技者に対して報知される。
ステップS517の処理に続いて、CPU101は、上記ステップS515の処理によって計測が開始された経過時間をリセットする(ステップS518)。そして、上記ステップS506と同様に、普通図柄判定の結果が当たりであるか否かを判定し(ステップS519)、当たりであると判定した場合(ステップS519:YES)、補助フラグを「ON」に設定する(ステップS520)。この補助フラグが「ON」に設定されることにより、電動チューリップ17が作動する。
ステップS520の処理の後、ステップS516の処理でNOと判定した場合、またはステップS519の処理でNOと判定した場合、CPU101は、図12の普通図柄処理を終了する。
[遊技制御部100による大入賞口処理]
次に、図13を参照しつつ、遊技制御部100によって実行される大入賞口処理の詳細について説明する。図13は、図5のステップS6の大入賞口処理を示す詳細フローチャートである。
図13に示されるように、遊技制御部100のCPU101は、大当たり遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS601)。ここで、大当たり遊技フラグは、上記ステップS481でONに設定されるフラグである。大当たり遊技フラグがONの場合(ステップS601:YES)、CPU101は、オープニング中か否かを判定する(ステップS602)。
オープニング中であれば(ステップS602:YES)、CPU101は、オープニング時間が経過したか否かを判定する(ステップS603)。オープニング時間が経過していれば(ステップS603:YES)、CPU101は、大当たり判定処理の結果に応じて、大入賞口13の開放パターンを設定し(ステップS604)、設定した開放パターンで大入賞口13の開放制御を開始する(ステップS605)。ステップS605の処理の後、CPU101は、次にステップS607の処理を実行する。
一方、オープニング中でなければ(ステップS602:NO)、CPU101は、エンディング中か否かを判定する(ステップS606)。エンディング中でなければ(ステップS606:NO)、CPU101は、次にステップS607の処理を実行し、エンディング中であれば(ステップS606:YES)、次にステップS611の処理を実行する。
ステップS607において、CPU101は、ステップS604で設定した開放パターンでの大入賞口13の開放制御が終了したか否かを判定する。判定結果が肯定の場合(ステップS607:YES)、CPU101は、大入賞口13の開放制御を終了する(ステップS608)。続いて、CPU101は、エンディングコマンドをRAM103にセットする(ステップS609)。ここでセットされたエンディングコマンドは、図5のステップ9の出力処理において演出制御部130に送信される。演出制御部130は、当該エンディングコマンドを受信したことに応じて、大当たり遊技が終了することを示すエンディング演出を実行する。次に、CPU101は、エンディング時間の計測を開始する(S610)。
CPU101は、ステップS610の処理を行った場合、またはステップS606の処理でYESと判定した場合、予め設定されたエンディング時間が経過したか否かを判定する(ステップS611)。エンディング時間が経過していれば(ステップS611:YES)、CPU101は、遊技状態設定処理を実行する(ステップS612)。遊技状態設定処理の詳細については、後述する。ステップS612の遊技状態設定処理の後、CPU101は、大当たり遊技フラグをOFFに設定する(ステップS613)。
ステップS601の処理でNOと判定した場合、ステップS603の処理でNOと判定した場合、ステップS607の処理でNOと判定した場合、ステップS611の処理でNOと判定した場合、または、ステップS613の処理を実行した場合、CPU101は、図13に示す大入賞口処理を終了する。
[遊技制御部100による遊技状態設定処理]
次に、図13のステップS612の遊技状態設定処理について説明する。図14は、図13のステップS612の遊技状態設定処理を示す詳細フローチャートである。
図14に示されるように、CPU101は、大当たりの種類が高確率遊技状態への移行を伴う確変大当たりか否かを判定する(ステップS630)。確変大当たりであった場合(ステップS630:YES)、CPU101は、確変遊技フラグをONに設定する(ステップS631)。続いて、CPU101は、高確率遊技残余回数XにXmaxを設定する(ステップS632)。ここで、Xmaxは予め定められた値であり、Xmaxとして非常に大きな値、例えば、10000が設定される。Xに非常に大きな値Xmaxが設定されるため、事実上、高確率遊技残余回数Xが0になるまでに、遊技機1は、次の大当たりとなる。
ステップS632の処理の後、CPU101は、補助遊技フラグをONに設定する(ステップS633)。その後、CPU101は、補助遊技残余回数JにJmaxを設定する(ステップS634)。Jmaxは予め定められた値であり、Jmaxとして非常に大きな値、例えば、10000が設定される。
一方、確変大当たりでない場合(ステップS630:NO)、CPU101は、補助遊技フラグをONに設定し(ステップS635)、補助遊技残余回数Jに100を設定する(ステップS636)。
ステップS634の処理またはステップS636の処理を実行した場合、CPU101は、図14に示す遊技状態設定処理を終了する。
[遊技制御部100による電動チューリップ処理]
次に、図5のステップS7の電動チューリップ処理の詳細について説明する。図15は、図5の電動チューリップ処理の詳細フローチャートである。
まず、遊技制御部100のCPU101は、補助フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS701)。ここで、補助フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS701:NO)、CPU101は、電動チューリップ処理を終了する。
CPU101は、補助フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS701:YES)、電動チューリップ17が動作中であるか否かを判定する(ステップS702)。ここで、電動チューリップ17が動作中ではないと判定した場合(ステップS702:NO)、CPU101は、補助遊技フラグがONか否かを判定することにより、パチンコ遊技機1の遊技状態が補助遊技状態であるか否かを判定する(ステップS703)。
CPU101は、補助遊技状態ではないと判定した場合(ステップS703:NO)、上記ステップS509又はステップS510でセットした図柄に基づいて、長開放当たりか否かを判定する(ステップS704)。長開放当たりでないと判定した場合(ステップS704:NO)、CPU101は、電動チューリップ17の動作パターンとして、例えば第2始動口12を0.1秒間開放する動作を1回行う動作パターンをRAM103にセットする(ステップS705)。
長開放当たりであると判定した場合(ステップS704:YES)、CPU101は、電動チューリップ17の動作パターンとして、例えば第2始動口12を5.6秒間開放する動作を1回行う動作パターンをRAM103にセットする(ステップS706)。
一方、CPU101は、補助遊技状態であると判定した場合(ステップS703:YES)、電動チューリップ17の動作パターンとして、例えば第2始動口12を1.8秒間開放する動作を3回行う動作パターンをRAM103にセットする(ステップS707)。
CPU101は、ステップS705、ステップS706、又はステップS707の処理によって電動チューリップ17の動作パターンを設定した後、設定した動作パターンでの電動チューリップ17の動作を電動チューリップ開閉部113に開始させる(ステップS708)。
CPU101は、ステップS708の処理を実行した場合、または電動チューリップ17の動作中であると判定した場合(ステップS702:YES)、ステップS708の処理で開始された電動チューリップ17の動作が完了したか否かを判定する(ステップS709)。ここで、電動チューリップ17の動作が完了したと判定した場合(ステップS709:YES)、CPU101は、RAM103に記憶されている補助フラグを「OFF」に設定する(ステップS710)。
ステップS701の処理でNOと判定した場合、ステップS709の処理でNOと判定した場合、またはステップS710の処理を実行した場合、CPU101は、電動チューリップ処理を終了する。
[第1実施形態の遊技機の演出概要]
次に、第1実施形態のパチンコ遊技機1における演出について説明する。図16は、第1実施形態に係るパチンコ遊技機1において行われる演出の流れを示す図である。本実施形態のパチンコ遊技機1では、特別図柄判定の保留を示す保留画像の表示態様を変化させる保留先読み予告演出が行われる。保留先読み予告演出は、保留された特別図柄判定の権利に対して事前に大当たりか否か等の判定を行い、当該権利に係る特別図柄の変動が行われる前にその特別図柄判定の結果を予告する演出である。
図16に示すように、特別図柄が変動している間に保留入賞する場合がある(ステップS10)。具体的には、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42において特別図柄の変動中に、遊技球が第1始動口11に入賞すると第1特別図柄判定の権利が保留される。なお、遊技球が第2始動口12に入賞した場合においても、当該入賞に係る特別図柄判定(第2特別図柄判定)の権利は保留されて、後述する演出が行われてもよい。ここでは、第1始動口11への入賞に基づく保留についての演出について説明する。
保留入賞すると、この保留に対する事前判定が行われる(ステップS11)。具体的には、遊技球が第1始動口11に入賞したときに取得された各種乱数(後述する大当たり乱数、図柄乱数、変動パターン乱数等)に基づいて、保留された特別図柄判定の権利が大当たりか否か、大当たりである場合の大当たりの種類(大当たり図柄)、保留された特別図柄判定の権利が消化されて当該権利に係る特別図柄の変動が行われるときの演出の内容、等が判定される。
ステップS11に続いて、現在の特別図柄判定の保留数が、例えば2以上であるか否かが判定される(ステップS12)。保留数が2以上である場合(ステップS12:YES)、上記事前判定の結果に基づいて、保留先読み予告演出を行うか否かが判定される(ステップS13)。具体的には、事前判定の結果に基づいて、乱数を用いた抽選を行うことにより、保留先読み予告演出を行うか否かが判定される。例えば、事前判定の結果、保留された特別図柄判定の権利が大当たりである場合、保留先読み予告演出を行うと判定される確率が高い。
保留先読み予告演出を行うと判定された場合(ステップS13:YES)、保留先読み予告演出が実行される(ステップS14)。ここでは、複数の特別図柄の変動にわたる一連の演出が行われる。具体的には、保留先読み予告演出として、ステップS10で保留された特別図柄判定の権利に対応する保留画像の表示態様を段階的に変化させる演出が行われる。より具体的には、保留先読み予告演出では、当該演出の開始からの特別図柄の変動回数に応じて、保留画像の表示態様が段階的に変化する。
一方、ステップS12でNOと判定された場合、又はステップS13でNOと判定された場合、保留先読み予告演出は実行されない。
なお、ステップS12の処理とステップS13の処理は順序が逆であってもよい。
このように、本実施形態では、保留先読み予告演出は保留数が所定以上である場合に実行され、所定未満である場合は実行されない。本実施形態の保留先読み予告演出では、複数の特別図柄の変動にわたる一連の演出が行われる(詳細は後述する)。一連の演出では、保留画像の表示態様が段階的に変化される。保留数が所定以上無い場合は、一連の演出を行うための時間を確保することができないため、本実施形態では、保留数が所定以上である場合に一連の演出を行う。
次に、図17から図21を参照して、本実施形態の保留先読み予告演出の一例について説明する。図17は、特別図柄の変動中に遊技球が第1始動口11に入賞して特別図柄判定の権利が保留される様子を示す図である。
図17に示すように、特別図柄が変動している間、液晶表示器5には装飾図柄51が変動表示される。装飾図柄51は、特別図柄の変動に応じて変動し、特別図柄の停止に応じて停止する。装飾図柄51は、3つの領域51a、51b、51cに表示される装飾図柄によって構成され、例えば、同じ種類の装飾図柄が3つ揃った場合には、大当たりとなる。
液晶表示器5には、第1特別図柄判定の権利の保留を示す保留画像(521〜523)が表示される。図17(A)では、特別図柄が変動中であって、第1特別図柄判定の権利が3つ保留されている。なお、第2特別図柄判定の権利の保留を示す保留画像も液晶表示器5に表示される。また、液晶表示器5には、特別図柄の変動開始時に保留が消化される保留消化領域55が設けられる。
図17(B)に示すように、特別図柄の変動中に遊技球が第1始動口11に入賞してさらに1つの特別図柄判定の権利が保留されると、保留画像524が追加される。この保留入賞の際に事前判定が行われる。そして、変動中の特別図柄が停止してハズレが報知される(図17(C))。
次に、図17に示す演出の後に行われる演出について、図18〜図21を参照して説明する。なお、図18〜図21の演出が行われている間、新たな保留入賞は無いものとする。図18は、図17に示す演出に続いて行われる演出の一例を示す図であり、保留先読み予告演出が行われる場合の1変動目の演出を示す図である。図19は、図18に示す演出に続いて行われる演出の一例を示す図であり、保留先読み予告演出が行われる場合の2変動目の演出を示す図である。図20は、図19に示す演出に続いて行われる演出の一例を示す図であり、保留先読み予告演出が行われる場合の3変動目の演出を示す図である。
図18(A)に示すように、1回目の特別図柄の変動が開始すると、装飾図柄51が変動開始し、保留画像521が保留消化領域55に移動するとともに、他の保留画像522〜524も画面の右方向に移動する。すると、保留画像524の表示態様が変化する(図17(B))。例えば、保留画像524は、バス停を示す画像に変化する。なお、保留消化領域55に移動した保留画像521は、変動開始後の所定期間が経過すると消滅する。さらに所定時間が経過すると、1回目の特別図柄の変動が終了して、ハズレが報知される(図18(C))。
次に、図19(A)に示すように、2回目の特別図柄の変動が開始すると、装飾図柄51が変動開始し、保留画像522が保留消化領域55に移動するとともに、他の保留画像523〜524も画面の右方向に移動する。その後、液晶表示器5の画面には、バス53の画像が表示される(図19(B))。バス53は、画面上を移動しながら、バス停の画像である保留画像524まで到達し、保留画像524として、バス停の画像がバス53に変化する場合がある(図19(C))。すなわち、保留画像524の表示態様が、バス停の画像からバス53の画像に変化する。その後、2回目の特別図柄の変動が終了する。
なお、図19(C)において、バス53が停止せずにバス停を通過する場合もある。この場合は、保留画像524はバス53の画像に変化せずに、バス停の画像のままとなる。すなわち、バス53が登場してバス停に向かって移動する演出は、保留画像524がバス53に変化するか否かを遊技者に期待させる演出である。
次に、図20(A)に示すように、3回目の特別図柄の変動が開始すると、装飾図柄51が変動開始し、保留画像523が保留消化領域55に移動するとともに、保留画像524(バス53)が右方向に移動する。その後、3変動目の特別図柄の変動中に、バス53からキャラクタ54が降りる様子が表示される場合がある(図20(B))。
バス53からキャラクタ54が降りると、バス53は消滅してキャラクタ54に変化する(図20(C))。すなわち、保留画像524としてのバス53が、キャラクタ54に変化する。そして、3変動目が終了して4変動目が開始すると、保留画像524としてのキャラクタ54が、保留消化領域55に移動する。
なお、図20において、キャラクタ54が登場しない場合もある。例えば、図20(B)のように、バス53からキャラクタ54が降りる様子が表示されなかったり、バス53からキャラクタ54が降りようとする様子が表示されるが、途中でキャラクタ54がバス53に戻り、結果的にバス53がキャラクタ54に変化しない場合がある。このように、バス53からキャラクタ54に変化しない場合は、大当たりとなる信頼度は比較的低い。
なお、保留画像524がバス53の画像からキャラクタ54の画像に変化するタイミングは、図20に示すように、当該保留画像524に対応する変動が開始する前に限らない。
図21は、図19に示す演出に続いて行われる演出の他の例を示す図であり、保留先読み予告演出が行われる場合の3変動目及び4変動目における演出を示す図である。
図21(A)に示すように、3回目の特別図柄の変動が開始すると、装飾図柄51が変動開始し、保留画像523が保留消化領域55に移動するとともに、保留画像524(バス53)が右方向に移動する。その後、3変動目の特別図柄の変動中には、保留画像524には変化が無く、3変動目が終了する場合がある(図21(B))。
次に、図21(C)に示すように、4変動目の開始時に、保留画像524としてのバス53が保留消化領域55に移動し、その後、当該バス53からキャラクタ54が降りる様子が表示される場合がある。すると、保留画像524はキャラクタ54に変化する。所定時間経過すると、保留消化領域55のキャラクタ54は消滅する。
以上、図17〜図20(又は図21)に示したように、本実施形態では、事前判定の結果に基づいて、保留画像の表示態様が特別図柄の変動に応じて段階的に変化する一連の演出が行われる。具体的には、一連の演出は複数の特別図柄の変動にわたって行われ、保留数が所定以上の場合に行われる。
なお、保留画像は、事前判定の結果に基づいて、上述のように表示態様が段階的に変化する場合と、変化しない場合とがある。図22は、一連の演出における各段階の演出パターンを示す図である。
図22に示すように、第1段階(図18に示す1変動目)の演出では、保留画像がバス停の画像に変化する。例えば、特別図柄の変動中に保留入賞した場合に、次の変動が開始されたことに応じて保留画像がバス停の画像に変化する。また、保留入賞した時点で当該入賞に係る保留画像がバス停の画像に変化してもよい。
次の第2段階(2変動目)の演出では、バス53が出現した後にバス53がバス停に停止せずに通過する(又はバス53が出現しない)場合と、バス53が出現した後にバス53がバス停の画像である保留画像まで移動して停止する場合とがある。第2段階においてバス53が停止せずに通過すると、保留画像はバス停のままとなる。この場合、バス53からキャラクタ54が降りるか否かの演出である第3段階の演出へは進まない。一方、バス53がバス停に停止すると、保留画像はバス停からバス53に変化する。そして、第3段階の演出が行われる。
第3段階(3変動目)では、保留画像がキャラクタ54の画像に変化しない場合と、保留画像がキャラクタ54に変化する場合とがある。保留画像がキャラクタ54の画像に変化した場合、その保留に係る特別図柄の変動において大当たりとなる信頼度(確率)が高いことを示す。本実施形態の遊技機1には、キャラクタ54が複数用意されており、登場するキャラクタの種類によって、信頼度が異なる。一方、保留画像がキャラクタの画像に変化しない場合は、保留画像はバス53のままであり、キャラクタ54に変化する場合よりも信頼度は低い。また、保留画像がバス停にしか変化しない場合は、信頼度は低い。なお、各段階における画像の色や模様によっても信頼度は異なる。
このような一連の演出の各段階において保留画像が変化するか否かは、事前判定の結果に基づいて予め定められる。すなわち、事前判定の結果に基づいて最終的な保留画像の表示態様、及び、それに至るまでの過程を決定し、特別図柄の変動に応じて、保留画像を段階的に変化させる。なお、各段階において保留画像を変化させるか否かを抽選によって決定してもよい。例えば、1変動目において保留画像を通常の画像からバス停の画像に変化させるか否かを抽選により決定し、バス停の画像に変化させた場合、2変動目においてバス停の画像をバス53の画像に変化させるか否かの抽選を行ってもよい。
また、上記一連の演出では特別図柄が1回変動することに応じて、1段階の演出が行われる例について説明したが、1回の変動において複数段階の演出が行われてもよいし、複数の特別図柄の変動のうちのどの変動で保留画像を変化させるかは任意に定められてもよい。例えば、1変動目では、保留画像がバス停に変化し、2変動目ではバス停からバスに変化せずに、3変動目においてバス停からバスに変化して、さらにバスからキャラクタに変化してもよい。また、1変動目では、保留画像がバス停に変化し、2変動目では変化せずに、3変動目においてバス停からバスに変化してもよい。
以上のような演出が行われることにより、保留画像の表示態様が段階的に変化することで、その保留画像に係る特別図柄の変動が行われる際の大当たりに対する遊技者の期待感を高めることができる。本実施形態では、保留数が所定以上の場合に上記一連の演出が行われるため、一連の演出を行うための時間を確保することができる。
なお、保留入賞して事前判定を行う場合において、現時点の保留数が所定未満である場合、上記一連の演出によって保留画像が段階的に変化して最終段階の表示態様に変化(キャラクタ画像に変化)する代わりに、先読み対象の保留消化時に、保留画像が最終段階の表示態様に変化してもよい。
図23は、一連の演出が行われない場合において先読み対象の保留画像が変動開始時に最終段階の表示態様に変化する様子を示す図である。図23に示すように、保留が無い場合の特別図柄の変動中に遊技球が第1始動口11に入賞して1つの特別図柄判定の権利が保留された場合、当該保留に対して事前判定(先読み)が行われる。
この場合、保留数は2以上ではないため上述したような保留画像が段階的に変化する一連の演出は行われない。しかしながら、この事前判定の結果が特定の結果である場合、次の特別図柄の変動開始に応じて保留画像が保留消化領域55に移動した後に、保留画像が通常の表示態様から最終的な表示態様(キャラクタの画像)に変化することがある。例えば、特定の結果とは、仮に保留数が2以上であったなら上記一連の演出が行われる(例えば、当該保留が大当たりであることや大当たりとなる信頼度の高い演出が行われる)と判定された場合である。
このように、保留数が所定以上でない場合であっても、保留消化時に保留画像が最終段階の表示態様に突然変化する場合がある。これにより、保留数が所定以上でない場合であっても遊技者に大当たりとなることを期待させることができる。
[演出制御部130による演出制御処理]
次に、図16〜図23を参照して説明した第1実施形態における演出を行うための演出制御の詳細について図24〜図28を参照して説明する。
図24は、演出制御部130において行われる処理の詳細を示すフローチャートである。以下では、図24〜図28に示す処理を演出制御部130が行うものとして説明するが、これらの処理の一部または全部は、演出制御部130、画像音響制御部140、およびランプ制御部150の何れにおいて実行されてもよい。また、パチンコ遊技機1の電源が投入されると、演出制御部130のCPU131は、図24に示す一連の処理を割り込みにより一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。
演出制御部130は、コマンド制御処理を実行する(ステップS1001)。コマンド制御処理は、遊技制御部100からの各種コマンドを受信したことに応じて、演出を制御する処理である。具体的には、演出制御部130は、遊技制御部100から遊技情報としてのコマンドを受信し、受信したコマンドに応じて、演出の内容を決定し、当該決定した演出を画像音響制御部140及びランプ制御部150に実行させるためのコマンドを生成する。そして生成したコマンドを画像音響制御部140及びランプ制御部150に送信する。また、演出制御部130は、演出ボタン26や演出キー27に対する操作に応じたコマンド(次のステップS1002)を送信する。このコマンドに応じて画像音響制御部140及びランプ制御部150は、所定の演出を実行する。このコマンド制御処理の詳細については、図25に基づいて後に詳述する。
ステップS1001の処理に続いて、演出制御部130は、操作受付処理を実行する(ステップS1002)。具体的には、CPU131は、演出ボタン26や演出キー27が操作された場合にその操作に応じた操作コマンドを生成してRAM133に設定する。以上で、図24に示す処理は終了する。
[演出制御部130によるコマンド制御処理]
以下、図25を参照しつつ、演出制御部130において実行されるコマンド制御処理について説明する。ここで、図25は、図24のステップS1001におけるコマンド制御処理の詳細フローチャートである。
まず、演出制御部130は、遊技制御部100から送信された保留コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1301)。保留コマンドを受信したと判定した場合(ステップS1301:YES)、演出制御部130は、事前判定処理を実行する(ステップS1302)。
ステップS1302の処理では、演出制御部130は、保留コマンドに含まれる情報に基づいて、事前判定を行い、当該事前判定の結果に基づいて演出の内容を決定して実行する。事前判定処理については後に詳述する。
ステップS1302の処理を実行した場合、又は、保留コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1301:NO)、演出制御部130は、変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1303)。
変動開始コマンドを受信した場合(ステップS1303:YES)、演出制御部130は、変動開始処理を実行する(ステップS1304)。ここでは、演出制御部130は、受信した変動開始コマンドに基づいて、特別図柄の変動に伴って行われる演出を決定し、決定した演出を開始する。変動開始処理については後に詳述する。
ステップS1304の処理を実行した場合、又は、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1303:NO)、演出制御部130は、変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1305)。
変動停止コマンドを受信した場合(ステップS1305:YES)、演出制御部130は、変動終了処理を実行する(ステップS1306)。変動終了処理では、演出制御部130は、例えば液晶表示器5に変動表示されている装飾図柄51を停止表示させて、変動演出を終了させる。
ステップS1306の処理を実行した場合、又は、変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1305:NO)、演出制御部130は、オープニングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1307)。
オープニングコマンドを受信した場合(ステップS1307:YES)、演出制御部130は、オープニング処理を実行する(ステップS1308)。オープニング処理は、大当たり遊技が開始される際に行われるオープニング演出、および大当たり遊技中に行われる大当たり演出を決定する処理である。演出制御部130は、大当たりの種類等に応じて、オープニング演出や大当たり演出の内容を決定し、これらの演出を画像音響制御部140やランプ制御部150に実行させる。
ステップS1308の処理を実行した場合、又は、オープニングコマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1307:NO)、演出制御部130は、エンディングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1309)。
エンディングコマンドを受信した場合(ステップS1309:YES)、演出制御部130は、エンディング処理を実行する(ステップS1310)。エンディング処理は、大当たり遊技が終了する際に行われるエンディング演出を決定する処理である。演出制御部130は、エンディング処理の結果を示すコマンドを画像音響制御部140やランプ制御部150に送信してエンディング演出を実行させる。
ステップS1310の処理を実行した場合、又は、エンディングコマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1309:NO)、演出制御部130は、図25に示す処理を終了する。
以上のように、遊技制御部100からのコマンドに基づいて、演出制御部130による演出制御が行われる。
[演出制御部130による事前判定処理]
以下、図25のステップS1302の事前判定処理の詳細について説明する。図26は、図25のステップS1302の事前判定処理の詳細を示すフローチャートである。
演出制御部130は、まず、現在の保留数に1を加算する(ステップSA1321)。演出制御部130は、第1特別図柄判定および第2特別図柄判定のそれぞれの保留数をRAM133に記憶しており、保留コマンドの受信に応じて保留数を1だけ増加させ、変動開始コマンドの受信に応じて当該保留数を1だけ減算させる。次に、演出制御部130は、受信した保留コマンドを解析し(ステップSA1322)、解析結果に基づいて、事前判定を行う(ステップSA1323)。具体的には、演出制御部130は、保留コマンドに含まれる情報に基づいて、この保留コマンドに係る特別図柄の変動において大当たりとなるか否か、大当たりの種類、変動パターン、特別図柄が変動する際の変動演出の内容等を判定する。
ステップSA1323に続いて、演出制御部130は、保留数が2以上か否かを判定する(ステップSA1324)。保留数が2以上の場合(ステップSA1324:YES)、演出制御部130は、一連の演出を実行するか否かを判定する(ステップSA1325)。具体的には、演出制御部130は、ステップSA1323の事前判定の結果に基づいて、図18〜図20に示した一連の演出を行うか否かを、乱数を用いた抽選によって判定する。
例えば、演出制御部130は、受信した保留コマンドに係る保留が大当たりである場合、ハズレである場合よりも高い確率で一連の演出を実行すると判定する。なお、演出制御部130は、受信した保留コマンドに係る保留よりも前に消化される保留に大当たりがある場合、一連の演出を行わないと判定してもよい。すなわち、今回の保留コマンドの受信よりも前に、既に大当たりとなる特別図柄判定の権利が保留されている場合は、今回の保留コマンドに係る保留画像を段階的に変化させる一連の演出を行わないようにしてもよい。
一連の演出を実行すると判定した場合(ステップSA1325:YES)、演出制御部130は、一連の演出における演出の内容を決定する(ステップSA1326)。具体的には、演出制御部130は、事前判定の結果に基づいて、一連の演出のうちのどの段階までの演出を行うか、各段階における演出の詳細な態様等を決定する。本実施形態では、一連の演出の段階が進むほど大当たりに対する信頼度が高くなる。また、各段階における演出の態様によっても信頼度は異なる。ステップSA1326において、演出制御部130は、事前判定の結果に基づいて、これら一連の演出の詳細な内容を決定してRAM133に記憶する。
例えば、ステップSA1323の事前判定の結果、大当たりである場合には、ハズレである場合よりも最終段階まで演出を行うと判定される確率が高い。また、例えば、第1段階におけるバス停の画像の色や、第2段階において出現するバス53の色、最終段階のキャラクタ54の種類等が複数用意されている。演出制御部130は、事前判定の結果に基づいて、これらの中から何れの画像を用いて各段階の演出を行うかを決定する。例えば、バス53の色が赤である場合は青である場合よりも信頼度は高い。
ステップSA1326に続いて、演出制御部130は、一連の演出の段階を示す変数N(Nは正の整数)に0を設定するとともに、変数Mに保留数を設定する(ステップSA1327)。変数Mは、一連の演出が行われる期間(特別図柄の変動回数)を定める変数である。そして、演出制御部130は、一連の演出が実行中で有ることを示す演出フラグFをONに設定する(ステップSA1328)。
一方、ステップSA1324において、保留数が2以上であると判定しなかった場合(ステップSA1324:NO)、演出制御部130は、今回受信した保留コマンドに係る特別図柄の変動が開始される際の保留画像の表示態様を決定する(ステップSA1330)。具体的には、演出制御部130は、ステップSA1323の事前判定の結果に基づいて、保留画像をキャラクタ54の画像に変化させるか否かを判定し、判定結果に応じて変動開始時の保留画像の表示態様を決定し、決定した表示態様を示す情報をRAM133に記憶する。
ステップSA1328の処理を行った場合、ステップSA1325でNOと判定した場合、又は、ステップSA1330の処理を行った場合、演出制御部130は、今回受信した保留コマンドに係る保留画像を液晶表示器5に表示させる(ステップSA1329)。以上で、図26の処理は終了する。
[演出制御部130による変動開始処理]
以下、図25のステップS1304の変動開始処理の詳細について説明する。図27は、図25のステップS1304の変動開始処理の詳細を示すフローチャートである。
図27に示すように、演出制御部130は、変動開始コマンドを解析し(ステップSA1341)、変動開始コマンドに含まれる大当たりか否かの情報、大当たりの種類、変動パターン等に基づいて、特別図柄の変動に伴って行われる装飾図柄51等を用いた変動演出の内容を決定する(ステップSA1342)。
そして、演出制御部130は、決定した変動演出の実行を開始する(ステップSA1343)。具体的には、演出制御部130は、決定した変動演出を実行させるためのコマンドを画像音響制御部140やランプ制御部150に対して送信することにより、変動演出を開始させる。
次に、演出制御部130は、保留表示制御処理を実行する(ステップSA1344)。保留表示制御処理は、上述した一連の演出を行うための処理であり、保留画像の表示態様を変化させる処理である。この表示制御処理の後、演出制御部130は、図27に示す処理を終了する。
[演出制御部130による保留表示制御処理]
以下、図27のステップSA1344の保留表示制御処理の詳細について説明する。図28は、図27のステップSA1344の保留表示制御処理の詳細を示すフローチャートである。
図28に示すように、演出制御部130は、RAM133に記憶している保留数を1減算するとともに、表示中の保留画像を移動させる(ステップSA1351)。具体的には、今回の変動に係る保留画像を保留消化領域55に移動に移動させるとともに、その他の保留画像を右方向にシフトさせる。
次に、演出制御部130は、演出フラグFがONか否かを判定する(ステップSA1352)。演出フラグFがONである場合(ステップSA1352:YES)、演出制御部130は、変数Nに1を加算するとともに、変数Mを1だけ減算する(ステップSA1353)。
ステップSA1353に続いて、演出制御部130は、第N段階の演出を行うか否かを判定する(ステップSA1354)。具体的には、演出制御部130は、図26のステップSA1326において決定した演出の内容に基づいて、第N段階の演出を行うか否かを判定する。上述のように、どの段階までの演出を行うかについてはステップSA1326において既に決定されて記憶されている。
第N段階の演出を行うと判定した場合(ステップSA1354:YES)、演出制御部130は、第N段階に応じた演出を実行する(ステップSA1355)。具体的には、演出制御部130は、ステップSA1326において決定した演出の内容に基づいて、第N段階の演出を実行する。例えば、第1段階の演出では、演出制御部130は、保留画像をバス停の画像に変更させるためのコマンドを画像音響制御部140に対して送信することにより、保留画像を通常の画像からバス停の画像に変化させる。この場合において、ステップSA1326において決定した演出の内容に応じた画像を表示させる。また、例えば、第2段階の演出では、演出制御部130は、バス53を液晶表示器5に表示させて、バス停の画像に停止させる演出を行う。
ステップSA1355の処理を行った場合、又は、ステップSA1354でNOと判定した場合、演出制御部130は、変数Mが0か否かを判定する(ステップSA1356)。変数Mが0と判定した場合(ステップSA1356:YES)、演出制御部130は、演出フラグFをOFFに設定する(ステップSA1357)。これにより、保留画像を段階的に変化させる一連の演出は終了される。一方、変数Mが0でないと判定した場合(ステップSA1356:NO)、演出制御部130は、図28に示す処理を終了する。
一方、ステップSA1352でNOと判定した場合、演出制御部130は、保留消化領域55に表示された保留画像の表示態様を変化させるか否かを判定する(ステップSA1358)。例えば、図26のステップSA1330において変動開始時の保留画像の表示態様としてキャラクタの画像が決定されている場合、演出制御部130は、保留消化領域55の保留画像を変化させると判定する。
保留消化領域55の保留画像を変化させると判定した場合(ステップSA1358:YES)、演出制御部130は、保留消化領域55の保留画像の表示態様を変化させる(ステップSA1359)。具体的には、演出制御部130は、ステップSA1330において決定された表示態様に保留画像を変化させる。
ステップSA1357の処理を行った場合、ステップSA1356でNOと判定した場合、ステップSA1358でNOと判定した場合、又は、ステップSA1359の処理を行った場合、演出制御部130は、図28に示す処理を終了する。
以上のように、本実施形態では、保留入賞に応じて事前判定を行い、保留数が所定以上の場合には、保留画像を段階的に変化させる一連の演出が行われる。保留数が所定未満の場合には、一連の演出を行う代わりに、保留消化の際に保留画像を最終段階の表示態様に変化させる。このような演出を行うことにより、一連の演出を行うための時間を確保しつつ、段階的に遊技者の期待感を高める演出を行うことができる。
また、保留数が所定未満である場合においても変動開始時に保留画像が最終段階の表示態様に変化するため、保留画像が途中で変化しない場合でも変動開始時に変化するかも知れないという期待感を遊技者に抱かせることができる。
[変形例]
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下の形態であってもよい。
例えば、上記実施形態では、上記一連の演出は、第1特別図柄判定の権利を示す保留画像を用いて行われたが、第2特別図柄判定の権利を示す保留画像を用いて行われてもよい。
また、上記実施形態では、上記一連の演出は、複数の第1特別図柄の変動(第1始動口11への入賞に係る変動)にわたって行われたが、複数の第2特別図柄の変動にわたって行われてもよいし、第1特別図柄及び第2特別図柄を合わせた複数の特別図柄の変動において行われてもよい。
例えば、第1始動口11および第2始動口12の手前に遊技球を振り分ける部材を配置してもよい。1個目の遊技球が当該部材を通過した場合は第1始動口11に入賞し、次に2個目の遊技球が当該部材を通過した場合は第2始動口12に入賞するように、当該部材は構成されている。このような部材によって、遊技球が交互に第1始動口11および第2始動口12に入賞する。このような構成の遊技機において、例えば、保留数が5以上の場合に一連の演出を行ってもよく、5回の特別図柄の変動にわたって段階的に保留画像の表示態様を変化させてもよい。
また、上記実施形態では、特別図柄が変動開始することに応じて段階的に保留画像の表示態様を変化させた。他の実施形態では、特別図柄が変動する間の時間経過に応じて保留画像の表示態様を変化させてもよい。
また、上記実施形態では、保留数が所定以上の場合に一連の演出を行うこととした。他の実施形態では、特別図柄の変動時間が所定以上の場合に一連の演出を行うようにしてもよい。具体的には、複数の特別図柄の変動にわたって一連の演出を行う場合に、当該複数の特別図柄の総変動時間が所定以上であるか否かを判定し、所定以上である場合は一連の演出を行う。一方、総変動時間が所定未満である場合は一連の演出を行わないようにしてもよい。
また、上記実施形態では、特別図柄判定の権利を示す保留画像を液晶表示器5に表示させた。他の実施形態では、保留画像の代わりに、他の表示(例えば、LED等)によって特別図柄判定の権利の保留を示してもよい。この場合において、上述のように、保留を示す保留表示を段階的に変化させてもよい。例えば、保留を示すLEDを点灯させ、LEDの色を変化させることで、保留表示の表示態様を変化させてもよい。
また、上記実施形態では、特別図柄判定の結果が大当たりである場合に、大当たり図柄に応じて確変遊技状態に変化する遊技機を想定した。他の実施形態の遊技機では、大当たりとなった場合において、大当たり図柄に応じて所定の入賞口(V入賞口)が大当たり遊技中に開放し、遊技球が当該V入賞口に入賞した場合に、確変遊技状態に移行するように構成されてもよい。このような遊技機では、大当たり図柄の種類に応じて、大当たり遊技中にV入賞口が長開放か短開放し、長開放した場合には遊技球はV入賞口に入賞し、短開放した場合にはほぼ入賞しないように構成されている。そして、このような遊技機において、V入賞口が長開放する大当たりを予告する演出として、上記演出が行われてもよい。
また、上記実施形態において説明したパチンコ遊技機1の構成は単なる一例に過ぎず、他の構成であっても本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
また、上記実施形態では、本発明がパチンコ遊技機に適用された場合を例に説明したが、本発明は、例えばスロットマシン等の他の遊技機にも適用可能である。
[第1実施形態に係る遊技機の構成とその作用効果]
以上説明したように、第1実施形態に係る遊技機は以下のような構成であってもよい。なお、括弧書きは単なる例示にすぎない。
第1実施形態に係る遊技機は、所定の始動領域への遊技媒体の通過を条件として、取得情報を取得する取得手段(CPU101、S204、S210)と、前記取得情報に基づいて、特別遊技を行うか否かの特別遊技判定を行う判定手段(S407)と、図柄表示手段(41、42)に図柄を変動させてから停止させることにより、前記特別遊技判定の結果を報知する図柄制御手段(S410、S414)と、前記図柄が変動されているときに前記取得手段によって前記取得情報が取得された場合、当該取得情報を前記特別遊技判定の権利として保留する保留記憶手段(103、S204、S210)と、前記保留記憶手段に保留された前記特別遊技判定の権利を示す保留表示を行う保留表示制御手段(SA1329)と、前記保留記憶手段に保留された前記特別遊技判定の権利に対する事前判定を行う事前判定手段(S205、S211、SA1323)と、前記事前判定の対象となった特別遊技判定の権利が所定の演出実行条件を満たすか否かを判定する条件判定手段(SA1324)と、前記条件判定手段によって前記演出実行条件が満たされていると判定されると、前記事前判定の結果に基づいて、当該演出実行条件を満たす特別遊技判定の権利に係る図柄変動(以下、対象変動)より前の変動から当該対象変動までの複数の図柄変動にわたる一連の演出を実行する演出実行手段(SA1326、SA1355)と、を備え、前記条件判定手段は、前記演出実行条件を満たすか否かの判定として、前記一連の演出が行われる間の複数の図柄変動の回数が所定以上であるか否か、または、前記複数の図柄変動の総変動時間が所定以上であるか否かを判定し、前記演出実行手段は、前記一連の演出として、前記対象変動に対応する保留表示の表示態様を前記図柄の変動に応じて、または、前記一連の演出が開始されてからの経過時間に応じて、段階的に変化させる。
上記構成によれば、複数の図柄変動の回数が所定以上か否か、又は図柄の総変動時間が所定以上か否かに基づいて、当該複数の図柄変動において行われる一連の演出を実行することができる。これにより、一連の演出を行うために必要な時間を確保することができ、一連の演出において保留画像を段階的に変化させることができる。
また、他の構成では、前記演出実行手段は、少なくとも前記対象変動にかかる前記図柄の変動中において、前記対象変動に対応する保留表示を最終段階の表示態様で表示してもよい。
上記構成によれば、少なくとも前記対象変動が行われる際に、当該対象変動に対応する保留表示を最終段階の表示態様で表示させることができる。
また、他の構成では、前記演出実行手段は、前記条件判定手段によって前記演出実行条件が満たされていないと判定されると、前記対象変動において前記最終段階の表示態様に変化させてもよい。
上記構成によれば、演出実行条件が満たされていない場合においても、前記対象変動に対応する保留表示を最終段階の表示態様に変化させることができる。これにより、一連の演出において段階的に保留表示が変化しない場合であっても、保留消化時に最終段階の表示態様に変化させることができ、遊技者の期待感を高めることができる。
[第2実施形態の遊技機の動作概要]
次に、第2実施形態のパチンコ遊技機1の動作概要について説明する。図29は、第2実施形態に係るパチンコ遊技機1の演出制御の概要を示す機能ブロック図である。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、現在の特別図柄の変動に伴って行われる変動演出として可動役物7を用いた演出が行われるとともに、特別図柄判定の権利が保留されたことに応じて行われる事前判定演出においても可動役物7を用いた演出が行われる。以下、これら2つの可動役物7を用いた演出の制御について説明する。
図29に示すように、特別図柄が変動している間に、第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞すると第1始動口スイッチ111又は第2始動口スイッチ112が当該遊技球の入賞を検知し、特別図柄判定の権利(後述する各種乱数)が保留記憶部に記憶される。
保留記憶部に保留された特別図柄判定の権利は、保留された順に保留消化・大当たり判定部によって大当たりか否かや大当たり時の大当たり図柄、特別図柄の変動パターン等が判定される。なお、保留消化・大当たり判定部は、第2始動口12への入賞に係る権利を第1始動口11への入賞に係る権利よりも優先的に消化させる。
特別図柄変動制御部は、保留消化・大当たり判定部による判定結果に基づいて、特別図柄の変動表示を開始させるとともに、変動開始コマンドを演出制御部に送信する。変動開始コマンドには、大当たりか否かの情報、大当たり時の大当たり図柄の情報、特別図柄の変動パターン(変動時間)、遊技状態等が含まれる。
演出制御部の変動演出制御部がこの変動開始コマンドを受信すると、大当たりか否かの情報や変動パターンに基づいて、特別図柄の変動から停止までの間に行う変動演出を決定し、決定した変動演出の実行を制御する。変動演出には、可動役物7を用いた予告演出等が含まれる。この変動演出としての可動役物7を用いた予告演出(可動役物7による当該変動予告演出)の詳細については、後述する。
なお、変動演出には、液晶表示器5に表示される装飾図柄を用いた演出、所定の画像を用いた予告演出(当該特別図柄の変動において大当たりとなることを期待させる演出)等が含まれ、変動演出制御部は、これらの演出の制御を行う。
一方、特別図柄判定の権利が保留記憶部に保留される場合、事前判定処理部による事前判定が行われる。具体的には、遊技制御部の事前判定部は、保留された各種乱数に基づいて、大当たりか否かや、大当たり時の大当たり図柄(大当たりの種類)等を判定し、これらの判定結果を示す事前判定情報を生成してもよい。そして、遊技制御部の事前判定処理部は、当該事前判定情報を含む保留コマンドを演出制御部に送信する。あるいは、遊技制御部の事前判定部は、保留された各種乱数を事前判定情報として保留コマンドに含ませて、当該保留コマンドを演出制御部に送信してもよい。
保留コマンドを受信すると、演出制御部の事前判定処理部は、当該保留コマンドに含まれる事前判定情報に基づいて、事前判定を行う。具体的には、演出制御部の事前判定処理部は、受信した保留コマンドに対応する特別図柄判定が大当たりか否かや特別図柄の変動パターン、特別図柄が変動する際に行われる演出等を判定する。
事前判定演出制御部は、演出制御部の事前判定処理部による事前判定の結果に基づく事前判定演出を制御する。具体的には、事前判定演出制御部は、事前判定演出として可動役物7を用いた予告演出を実行する。この事前判定演出としての可動役物7を用いた予告演出(可動役物7による保留先読み予告演出)の詳細については、後述する。
なお、事前判定演出制御部は、事前判定の対象となった保留に対応する保留画像を通常の表示態様とは異なる態様で表示させたり、所定の画像を表示させたりすることにより、事前判定演出を行ってもよい。
ここで、変動演出制御部が変動演出として可動役物7を用いた予告演出を実行している間に、事前判定演出制御部が事前判定演出として可動役物7を用いた予告演出を実行する場合、事前判定演出制御部は、変動演出としての可動役物7を用いた予告演出を停止して、事前判定演出としての可動役物7を用いた予告演出を実行する。
すなわち、事前判定演出制御部は、変動演出制御手段が変動演出として可動役物を動作させている間に、事前判定演出として可動役物7を動作させる場合、変動演出制御手段による可動役物7の動作よりも優先させて、可動役物を動作させる。
より具体的には、事前判定演出制御部は、変動演出制御手段が変動演出として可動役物7を動作させている間に、事前判定演出として可動役物7を動作させる場合、変動演出制御手段による可動役物7の動作を途中で停止し、当該途中で停止した状態から可動役物7を動作させることにより、事前判定演出としての可動役物7を用いた予告演出を実行する。
次に、変動演出としての可動役物7を用いた予告演出について説明する。図30は、変動演出としての可動役物7を用いた予告演出(可動役物7による当該変動予告演出)の一例を示す図である。
図30に示すように、特別図柄の変動が開始すると、液晶表示器5において装飾図柄51が変動開始する(図30(A))。装飾図柄51は、例えば、所定の画像で装飾された「1」〜「9」の数字等が記載された演出用の図柄であり、特別図柄の変動に応じて変動し、特別図柄の停止に応じて停止する。装飾図柄51は、左領域に表示される左図柄、中領域に表示される中図柄、右領域に表示される右図柄によって構成される。3つの領域に表示される図柄が予め定められた態様で停止すると(例えば、「777」)、大当たりとなる。また、液晶表示器5には、特別図柄判定の保留を示す保留画像521、522等が表示される。また、保留画像520は、現在変動中の特別図柄に対応する保留画像である。図30においては、現在特別図柄が変動中であり(保留画像520に対応する特別図柄判定の結果が表示される前であり)、2つの特別図柄判定が保留されている。
ここで、図30(A)に示すように、特別図柄の変動が開始して変動演出として可動役物7を用いた予告演出が行われると、可動役物7が右方向に移動を開始する。可動役物7は、初期的には液晶表示器5の左端に収納されており、例えばステッピングモータからの駆動力によって右方向にスライドされる。可動役物7は、野球のボールを模した装飾が施された演出用の役物である。
可動役物7が右方向に移動を開始すると、液晶表示器5の前面の所定位置まで移動し(図30(B))、再び、初期位置に戻る(図30(C))。この間、特別図柄は変動しており、装飾図柄51も変動している。可動役物7は、特別図柄の変動中に、図30に示す動作を繰り返し行ってもよい。
なお、特別図柄判定の結果が大当たりである場合、例えば、装飾図柄51の左右の図柄が「7」で停止した状態で中領域に「7」図柄が停止することを遊技者に期待させるリーチ演出が行われた後、可動役物7が液晶表示器5の左端から右端に移動する演出が行われてもよい。そして、その後に、中領域に「7」図柄が停止して、大当たりが報知されてもよい。可動役物7が所定の動作(例えば、左端から右端に移動したり、左端から画面の中央に移動したりする動作)をすると、大当たりが確定となる。
このように、可動役物7が、所定の動作をする場合には大当たりとなる。図30に示す可動役物7による当該変動予告演出は、可動役物7が所定の動作をすることを遊技者に期待させる予告演出である。可動役物7による当該変動予告演出が行われると、その後に可動役物7が所定の動作をする可能性が高くなり、遊技者に大当たりを期待させる。
次に、事前判定演出としての可動役物7を用いた予告演出について説明する。図31は、事前判定演出としての可動役物7を用いた予告演出(可動役物7による保留先読み予告演出)の一例を示す図である。
特別図柄が変動している間に新たに遊技球が第1始動口11又は第2始動口12に入賞したことによって保留が増加すると、新たに保留画像523が液晶表示器5に表示される。この増加した保留(特別図柄判定の権利)に対して事前判定が行われ、当該事前判定の結果に応じて、可動役物7による保留先読み予告演出が行われる。保留先読み予告演出では、当該変動予告演出とは異なる動作態様で可動役物7が動作する。
具体的には、図31(A)に示すように、可動役物7による保留先読み予告演出が開始されると、可動役物7が右方向に移動を開始する。可動役物7は、図31(B)に示す位置まで移動する。可動役物7による保留先読み予告演出では、例えば、図30(B)に示す位置(左図柄にかからない位置)よりもさらに右方の位置(左図柄にかかる位置)に可動役物7は移動する。
次に、可動役物7は、移動後の位置において回転して表裏反転することによって、可動役物7の裏面が視認可能な状態になる(図31(C))。可動役物7の裏面には、表面とは異なる装飾がされており、例えば、赤いボールを模した装飾(火の玉のような装飾)が施されている。その後、可動役物7は再び回転して、表面が視認可能な状態になって、初期位置へ戻る(図31(D))。
このように、特別図柄の変動中に遊技球が第1始動口11又は第2始動口12に入賞したことに応じて、可動役物7が動作することがある。可動役物7による保留先読み予告演出が行われると、当該保留先読み予告演出に対応する特別図柄の変動の際に大当たりとなる可能性が高くなる。これによって、遊技者に大当たりを期待させる。
なお、保留画像523は、通常の表示態様(例えば、白色)とは異なる表示態様(例えば、赤色)で表示されてもよい。これにより、保留画像523に対応する特別図柄の変動の際に、大当たりとなる可能性が高いことを遊技者に知らせることができる。
次に、変動演出としての可動役物の動作が行われている間の可動役物7の制御の概要について説明する。図32は、変動演出としての可動役物の動作が行われている間の可動役物7の制御の流れを示す図である。
図32に示すように、特別図柄の変動が開始すると(ステップS10)、変動演出が開始され(ステップS11)、変動演出による役物制御が行われる(ステップS12)。ここでは、時間経過に応じて、可動役物7を動作させるためのステッピングモータの制御が行われる。可動役物7による当該変動予告演出を実現するためのステッピングモータの動作パターンは予め定められており、ステップS12では、当該予め定められた動作パターンにしたがった制御が行われる。
ステップS12に続いて、保留入賞があったか否か(始動口に遊技球が入賞して保留が増加したか否か)が判定される(ステップS13)。保留入賞がない場合(ステップS13:NO)、変動演出の開始からの経過時間に基づいて、可動役物7による当該変動予告演出を終了するか否かが判定される(ステップS14)。
当該変動予告演出を終了しないと判定された場合は(ステップS14:NO)、再びステップS12の処理が行われて、変動演出による可動役物7の制御が行われる。当該変動予告演出を終了すると判定された場合は(ステップS14:YES)、図32に示す処理は終了する。
一方、保留入賞があった場合(ステップS13:YES)、事前判定演出を行うか否かが判定され(ステップS15)、事前判定演出を行うと判定された場合には(ステップS15:YES)、当該変動予告演出が途中で終了される(ステップS16)。事前判定演出を行うと判定されなかった場合には(ステップS15:NO)、ステップS14の処理が行われる。
当該変動予告演出が途中で終了された後、可動役物7による保留先読み予告演出が行われる(ステップS17)。具体的には、ステップS16で停止された状態から可動役物7の動作が開始され、可動役物7による保留先読み予告演出が行われる。以上で、図32の説明を終了する。
図32の処理に基づく演出の一例について、図33を参照して説明する。図33は、当該変動予告演出が行われて可動役物7が動作している間に、可動役物7による保留先読み予告演出が行われる場合の演出の一例を示す図である。
特別図柄の変動中に可動役物7を用いた当該変動予告演出が行われると、可動役物7は右方向に所定の位置まで移動する(図33(A)、図33(B))。このとき、遊技球が第1始動口11又は第2始動口12に入賞して特別図柄判定の権利が保留されると、当該保留に応じて、当該変動予告演出が途中で終了し、保留先読み予告演出が途中の状態から開始される(図33(C))。具体的には、可動役物7がさらに右方向に移動し、移動後の位置において可動役物7が回転することで表裏が反転する(ステップS9(D))。そして、可動役物7は、表面が視認可能な状態に戻った後、初期位置に収納される。
以上のように、第2実施形態のパチンコ遊技機1では、変動演出において可動役物7が動作し(可動役物7による当該変動予告演出が行われ)、事前判定演出においても可動役物7が動作する(可動役物7による保留先読み予告演出が行われ)。変動演出において可動役物7が動作している間に、事前判定演出が行われると、動作中の可動役物7は停止し、優先的に事前判定演出が行われて、事前判定演出として可動役物7が動作する。
これにより、同じ可動役物を用いて変動演出と事前判定演出とが行われる場合であっても、可動役物を制御することができる。変動演出として可動役物が動作している間は事前判定演出としての可動役物の動作を行わないことも考えられるが、本実施形態では、変動演出として可動役物が動作している場合であっても、事前判定演出としての可動役物の動作を行う。このため、変動演出として可動役物が動作している場合であっても、事前判定演出を確実に実行することができる。
また、第2実施形態では、変動演出として可動役物7が動作している間に、可動役物7の動作態様が異なる事前判定演出が行われる。このため、変動演出として異なる動作態様の演出が行われたのか、事前判定演出として可動役物7が動作したのかが遊技者は推測し難く、次にどのように遊技が展開するのかを予測し難くすることができ、遊技者を飽きさせないようにすることができる。
[第2実施形態の演出制御部130による演出制御処理]
次に、図29〜図33を参照して説明した第2実施形態における演出を行うための演出制御の詳細について図34〜図36を参照して説明する。第2実施形態では、第1実施形態で説明した図25におけるステップS1302の事前判定処理、および、ステップS1304の変動開始処理が、以下に示す処理に置き換わる。
[第2実施形態の事前判定処理]
以下、第2実施形態におけるステップS1302の事前判定処理の詳細について説明する。図34は、第2実施形態におけるステップS1302の事前判定処理の詳細を示すフローチャートである。
演出制御部130は、まず、受信した保留コマンドに含まれる事前判定情報に基づいて、大当たり判定・図柄判定処理を実行する(ステップSB1321)。ここでは、受信した保留コマンドに対応する特別図柄の変動において大当たりとなるか否か、図柄の種類(大当たりの種類)等が判定される。
ステップSB1321に続いて、演出制御部130は、変動パターン判定処理を実行する(ステップSB1322)。ここでは、受信した保留コマンドに対応する特別図柄の変動がどのような変動パターンかが判定される。
ステップSB1322に続いて、演出制御部130は、事前判定演出決定処理を実行する(ステップSB1323)。このステップSB1323では、ステップSB1321およびステップSB1322の判定結果に基づいて、事前判定演出を実行するか否か、および、実行する場合の演出内容を決定する。例えば、演出制御部130は、所定の画像を用いた事前判定演出、保留画像の表示態様を変化させることによる事前判定演出、可動役物7を用いた事前判定演出の内容を乱数を用いた抽選により決定する。
ステップSB1323に続いて、演出制御部130は、可動役物7による事前判定演出を行うか否かを判定する(ステップSB1324)。可動役物7による事前判定演出を行うと判定した場合(ステップSB1324:YES)、演出制御部130は、事前判定演出制御処理を行う(ステップSB1325)。この事前判定演出制御処理については、後述する。一方、可動役物7による事前判定演出を行わないと判定した場合(ステップSB1324:NO)、演出制御部130は、図34に示す処理を終了する。
なお、図34の事前判定処理においては、事前判定演出を行うと判定されたか否かに関わらず、演出制御部130は、受信した保留コマンドに対応する保留画像を液晶表示器5に表示させる。また、演出制御部130は、事前判定処理において、事前判定の結果に基づいて、複数の特別図柄の変動にわたって行われる連続演出を行うか否かを判定してもよい。例えば、連続演出として、上記可動役物7を用いた保留先読み予告演出が、複数の特別図柄の変動にわたって行われてもよい。
[事前判定演出制御処理]
以下、ステップSB1325の事前判定演出制御処理の詳細について説明する。図35は、図34のステップSB1325の事前判定演出制御処理の詳細を示すフローチャートである。
演出制御部130は、可動役物7による当該変動予告演出中か否かを判定する(ステップSB1331)。すなわち、演出制御部130は、後述する図36のステップSB1345が実行されて、変動演出として可動役物7が現在動作しているか否かを判定する。
可動役物7による当該変動予告演出中であると判定した場合(ステップSB1331:YES)、演出制御部130は、可動役物7を停止させる(ステップSB1332)。次に、演出制御部130は、停止位置から動作を開始して事前判定演出を実行する(ステップSB1333)。これにより、可動役物7は、ステップSB1332で途中で停止した位置から動作を開始して、事前判定演出としての動作を行う。
一方、可動役物7による当該変動予告演出中でないと判定した場合(ステップSB1331:NO)、演出制御部130は、初期位置から動作を開始して事前判定演出を実行する。これにより、可動役物7は、初期位置から動作を開始して事前判定演出としての動作を行う。
ステップSB1333またはステップSB1334の処理を行った場合、演出制御部130は、図35に示す処理を終了する。
[第2実施形態の変動開始処理]
以下、第2実施形態のステップS1304の変動開始処理の詳細について説明する。図36は、第2実施形態のステップS1304の変動開始処理の詳細を示すフローチャートである。
演出制御部130は、まず、受信した変動開始コマンドに基づいて、大当たり判定・図柄判定処理を実行する(ステップSB1341)。ここでは、今回の特別図柄の変動において大当たりとなるか否か、図柄の種類(大当たりの種類)等が判定される。
ステップSB1341に続いて、演出制御部130は、変動パターン判定処理を実行する(ステップSB1342)。ここでは、今回の特別図柄の変動における変動パターンが判定される。
ステップSB1342に続いて、演出制御部130は、変動演出決定処理を実行する(ステップSB1343)。このステップSB1343では、ステップSB1341およびステップSB1342の判定結果に基づいて、今回の特別図柄の変動に伴って行われる変動演出の演出内容を決定する。例えば、演出制御部130は、所定の画像を用いた予告演出、リーチ演出、可動役物7を用いた変動演出(上記当該変動予告演出や可動役物7を用いたその他の演出)の有無を判定し、これらの演出の内容を乱数を用いた抽選により決定する。
ステップSB1343に続いて、演出制御部130は、可動役物7による当該変動予告演出を行うか否かを判定する(ステップSB1344)。可動役物7による当該変動予告演出を行うと判定した場合(ステップSB1344:YES)、演出制御部130は、可動役物7による当該変動予告演出を実行する(ステップSB1345)。
ステップSB1345の処理が実行されることによって、特別図柄の変動開始から所定のタイミングで可動役物7が動作し、図30に示す可動役物7による当該変動予告演出が実行される。
ステップSB1345の処理を行った後、または、ステップSB1344でNOと判定した後、演出制御部130は、図36に示す処理を終了する。
なお、演出制御部130は、図36に示す処理の他に、ステップSB1343で決定した変動演出を実行する。例えば、装飾図柄51を変動させる演出を行ったり、所定の画像を用いた演出を行ったりする。
以上のように、図36のステップSB1345の処理が行われて変動演出として可動役物7が動作している間に、図34のステップSB1325の処理が行われて事前判定演出として可動役物7を動作させる場合、変動演出としての可動役物7の動作を停止して(ステップSB1332)、当該停止位置から事前判定演出としての可動役物7の動作が開始する(ステップSB1333)。
図37は、各種演出における可動役物7の制御を示す図である。図37の縦軸は、可動役物7を動作させるためのモータの作動状態を示しており、図37の横軸は、モータの動作量あるいは動作時間を示している。図37(A)に示すように、可動役物7による当該変動予告演出が実行されると、可動役物7を動作させるためのモータが動作し、可動役物7が動作する。これにより、図30に示すような可動役物7を用いた演出が行われる。
また、図37(B)に示すように、可動役物7による保留先読み予告演出が行われると、当該変動予告演出よりも長い時間(多い動作量)モータが動作し、これにより、図31に示すような可動役物7を用いた演出が行われる。
図37(C)に示すように、可動役物7による当該変動予告演出の実行中に、保留入賞があると、保留入賞の時点から可動役物7による保留先読み予告演出が行われる。この場合において、保留入賞時点までのモータの駆動量(ステップ数)が現時点での駆動量として記憶され、保留先読み予告演出のみが行われる場合の駆動量から現時点での駆動量を引いた分だけが残りの駆動量として計算され、残りの駆動量に基づいてモータが制御される。これにより、途中で停止した時点から保留先読み予告演出がスムーズに行われる。
本実施形態では、可動役物7を用いた当該変動予告演出と、保留先読み予告演出とでは、途中までの動作が一致している。図38は、可動役物7を用いた当該変動予告演出と、保留先読み予告演出とを比較するための図である。
すなわち、当該変動予告演出では、可動役物7が表面を向いた状態で初期位置から右方向に左図柄にかからない位置まで移動して、再び初期位置に戻る。一方、保留先読み予告演出では、可動役物7が表面を向いた状態で初期位置から当該変動予告演出における到達位置よりもさらに右方向に移動(左図柄にかかる位置まで移動)し、表裏反転する。そして、再び、可動役物7は表面を向いた状態になって初期位置に戻る。
このように、可動役物7を用いた当該変動予告演出は、保留先読み予告演出における可動役物7の動作の一部を含むため、途中で当該変動予告演出を終了させて、途中の状態から保留先読み予告演出が行われても、可動役物7を正常に動作させることができる。
遊技球が第1始動口11又は第2始動口12に入賞することによって保留先読み予告演出が行われるため、どのタイミングで保留先読み予告演出が行われるか予測できず、同じ可動役物を用いて当該変動予告演出と保留先読み予告演出とを実行する場合には可動役物の制御を工夫する必要がある。本実施形態では、同じ可動役物を用いて当該変動予告演出と保留先読み予告演出とを実行する場合であっても、保留先読み予告演出を優先して行うため、可動役物を正常に動作させることができる。
[変形例]
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下の形態であってもよい。
例えば、上記実施形態では、可動役物7を用いた当該変動予告演出中に保留先読み予告演出を行う場合、当該変動予告演出における可動役物7の動作を途中で停止させた。他の実施形態では、当該変動予告演出が終了してから、可動役物7を用いた保留先読み予告演出を実行してもよい。
また、他の実施形態では、例えば、可動役物7を用いた当該変動予告演出に第1段階の演出と第2段階の演出とがある場合において、第1段階の演出の実行中に保留入賞があった場合、第1段階の演出を途中で停止して、可動役物7を用いた保留先読み予告演出を実行してもよい。また、第1段階の演出のみを最後まで行った後、第2段階の演出を行わずに、可動役物7を用いた保留先読み予告演出を実行してもよい。
また、上記実施形態では、当該変動予告演出と保留先読み予告演出とでは、可動役物7が一部同様の動作を行った。他の実施形態では、当該変動予告演出と保留先読み予告演出とで、可動役物7は全く異なる動作を行ってもよい。
また、他の実施形態では、上述した表裏反転可能(姿勢変化可能)な可動役物7に限らず、他の任意の演出用の可動役物が用いられてもよいし、可動役物の動作態様はどのようなものでもよい。
また、特別図柄の変動中に可動役物7を用いた保留先読み予告演出を行う場合、変動中の特別図柄が停止して、次の変動が行われても、保留先読み予告演出が継続して行われてもよい。この場合において、次の変動において当該変動予告演出が行われる場合であっても、保留先読み予告演出が優先的に行われてもよい。
また、上記実施形態では、特別図柄についての変動および保留によって、上記当該変動予告演出、上記保留先読み予告演出を行った。他の実施形態では、普通図柄についての変動および保留によって、上記当該変動予告演出、上記保留先読み予告演出を行ってもよい。
また、上記実施形態では、保留入賞のタイミングで(保留入賞時点で)保留先読み予告演出を行ったが、他の実施形態では、保留入賞から所定時間経過後に保留先読み予告演出を行ってもよい。
また、上記実施形態では、特別図柄判定の結果が大当たりである場合に、大当たり図柄に応じて確変遊技状態に変化する遊技機を想定した。他の実施形態の遊技機では、大当たりとなった場合において、大当たり図柄に応じて所定の入賞口(V入賞口)が大当たり遊技中に開放し、遊技球が当該V入賞口に入賞した場合に、確変遊技状態に移行するように構成されてもよい。このような遊技機では、大当たり図柄の種類に応じて、大当たり遊技中にV入賞口が長開放か短開放し、長開放した場合には遊技球はV入賞口に入賞し、短開放した場合にはほぼ入賞しないように構成されている。そして、このような遊技機において、V入賞口が長開放する大当たりを予告する演出として、上記可動役物7による当該変動予告演出又は保留先読み予告演出が行われてもよい。
また、上記実施形態において説明したパチンコ遊技機1の構成は単なる一例に過ぎず、他の構成であっても本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
また、上記実施形態では、本発明がパチンコ遊技機に適用された場合を例に説明したが、本発明は、例えばスロットマシン等の他の遊技機にも適用可能である。
[第2実施形態に係る遊技機の構成とその作用効果]
以上説明したように、第2実施形態に係る遊技機は以下のような構成であってもよい。なお、括弧書きは単なる例示にすぎない。
第2実施形態に係る遊技機は、所定の始動領域への遊技媒体の通過を条件として、取得情報を取得する取得手段(100、S204、S210)と、前記取得情報に基づいて、特別遊技を行うか否かの特別遊技判定を行う特別遊技判定手段(S407)と、図柄表示手段に図柄を変動表示させてから停止表示させることにより、前記特別遊技判定の結果を報知する図柄制御手段(S410、S414)と、前記図柄が変動表示されているときに前記取得情報が取得された場合、当該取得情報を前記特別遊技判定の権利として保留する保留記憶手段(S204、S210)と、演出に用いられる可動役物(7)と、前記図柄が変動してから停止するまでの間、当該図柄変動に対応する前記取得情報に基づいて、前記可動役物を動作させる変動演出を行う変動演出制御手段(130、SB1345)と、前記保留記憶手段によって保留された前記特別遊技判定の権利に対して事前判定を行い、当該事前判定の結果に基づいて、当該特別遊技判定の権利に対応する図柄変動の前に前記可動役物を動作させる事前判定演出を行う事前判定演出制御手段(130、S1302)と、を備え、前記事前判定演出制御手段は、前記変動演出として前記変動演出制御手段が前記可動役物を動作させている間に、前記事前判定演出として前記可動役物を動作させる場合、前記変動演出制御手段による前記可動役物の動作よりも優先させて、前記可動役物を動作させる。
上記構成によれば、変動演出として可動役物を動作させている間、事前判定演出として可動役物を動作させる場合、事前判定演出としての可動役物の動作を優先することができる。これにより、変動演出および事前判定演出において同じ可動役物を動作させる場合であっても、可動役物を正常に動作させることができる。また、事前判定演出が優先されるため、変動演出として可動役物が動作している場合であっても、事前判定演出を確実に行うことができる。
また、他の構成では、前記事前判定演出制御手段は、前記変動演出として前記変動演出制御手段が前記可動役物を動作させている間に、前記事前判定演出として前記可動役物を動作させる場合、前記変動演出制御手段による前記可動役物の動作を途中で停止して、当該途中で停止した状態から前記事前判定演出として前記可動役物を動作させてもよい。
上記構成によれば、変動演出を途中で停止して事前判定演出を途中から実行することができる。これにより、スムーズに事前判定演出を行うことができるとともに、より効果的な演出を行うことができる。
[第3実施形態のパチンコ遊技機1の動作概要]
次に、第3実施形態に係るパチンコ遊技機1の動作概要について説明する。図39は、第3実施形態に係るパチンコ遊技機1の動作概要を示す図である。図39に示すように、遊技球が第1始動口11に入賞した場合、第1始動口スイッチ111が当該遊技球の入賞を検知し、当該検知情報に基づいて第1特別図柄判定の権利が、保留球として遊技制御部100において保留される。保留された第1特別図柄判定の権利(保留球)が消化されて当たり判定が行われるとともに、当該第1特別図柄判定の権利に基づく第1特別図柄の変動制御が開始される。なお、第1特別図柄判定の権利が保留される際に、当該権利に対して事前判定処理が行われ、事前判定情報が演出制御部に送信される。事前判定処理は、保留された権利に対する当たり判定の結果や、当該権利に基づく特別図柄の変動が開始されたときの特別図柄の変動パターン等を事前に判定するための処理である。
演出制御部に送信された事前判定情報を用いて、上記第1特別図柄判定の権利に対応する保留アイコンの表示制御(後述するサブアイコンの制御や保留アイコン自体の表示態様の制御)が行われる。保留アイコンの表示制御については後述する。
また、第1特別図柄が変動開始した場合に、第1特別図柄が変動開始することを示す変動開始コマンドが演出制御部に送信され、このコマンドに応じて第1特別図柄に対応する装飾図柄が変動開始される。当該変動開始コマンドには、第1特別図柄判定の結果が当たりか否かを示す当たり判定情報が含まれる。演出制御部においては、当該当たり判定情報に基づいて、現在変動中の第1特別図柄に対応する保留アイコン(当該保留アイコン)の表示制御が行われる。また、第1特別図柄が変動停止した場合に、第1特別図柄が停止することを示す変動停止コマンドが演出制御部に送信され、このコマンドに応じて装飾図柄が変動停止される。
図40は、第1特別図柄が第1特別図柄表示器41に変動表示されているときにメイン液晶表示装置5に表示される画像の一例を示す図である。
図40に示すように、メイン液晶表示装置5には、装飾図柄51と、保留アイコン52とが表示される。装飾図柄51は、左領域51a、中領域51b、右領域51cの3つの領域に表示される図柄によって構成される。以下では、左領域51aに表示される図柄を左装飾図柄、中領域51bに表示される図柄を中装飾図柄、右領域51cに表示される図柄を右装飾図柄と呼ぶことがある。
また、保留アイコン52は、第1特別図柄判定の権利を示す画像である。現在変動中の第1特別図柄に係る第1特別図柄判定の権利を除くと、第1特別図柄判定の権利は、最大で4つ保留される。図40では4つの保留アイコン521〜524が表示されており、1つの当該保留(当該変動)アイコン520が表示されている。
保留アイコン52は、右から順に消化される。すなわち、当該保留アイコン520は、現在変動中の特別図柄に対応する画像である。保留アイコン521は、現在変動中の特別図柄の変動が終了した後、次に消化される第1特別図柄判定の権利を示す画像である。保留アイコン522は、保留アイコン521に係る第1特別図柄の変動が終了した後、次に消化される第1特別図柄判定の権利を示す画像である。保留アイコン523は、保留アイコン522に係る第1特別図柄の変動が終了した後、次に消化される第1特別図柄判定の権利を示す画像である。保留アイコン524は、保留アイコン523に係る第1特別図柄の変動が終了した後、次に消化される第1特別図柄判定の権利を示す画像である。
なお、各保留アイコン52の中に示されている数字は消化される順番を示し、これらの数字は画面には表示されないものとする。また、以下では、「当該保留アイコン」と表記する場合は、現在変動中の特別図柄判定の権利を示す当該保留アイコン520を示し、単に「保留アイコン」と表記する場合は、現在保留されている保留アイコン521〜524を示すものとする。
図41および図42は、第1特別図柄の変動中に保留アイコン52が変化する様子を示す図である。図41および図42では、2つの保留アイコン521および保留アイコン522と、当該変動(現在の変動)を示す当該保留アイコン520が表示されており、これらの保留アイコンの時間変化が示されている。
図41に示すように、本実施形態の遊技機1では、第1特別図柄の変動中に、例えば保留アイコン522の周辺にスロットマシンを示す画像が出現することがある(図41(A))。当該スロットの画像内には複数のアイコン画像が回転する様子が表示され、所定時間経過後に1つのアイコン画像が停止する(図41(B))。そして、停止したアイコン画像が、サブアイコン53として保留アイコン522に付加されることがある(図41(C))。サブアイコン53は、保留アイコン522の表示領域に、その一部を覆うようにして(保留アイコン522に重なるようにして)付加されてもよいし、保留アイコン522の外縁と接するようにして付加されてもよい。図41の例では、「NEXT」と書かれたサブアイコン53が付加されている。
さらに所定時間が経過すると、図42に示すように、スロット内に1つのアイコン画像が停止して(図42(D))、停止したアイコン画像がサブアイコン53(53b)として、保留アイコン522にさらに付加されることがある(図42(E))。さらに、所定時間が経過した場合、図42(F)に示すように、サブアイコン53cが保留アイコン522に付加されることがある。このように、サブアイコン53は、保留アイコン52に最大で3つ付加されることがある。
サブアイコン53には複数の種類があり、それぞれのサブアイコン53は特定の演出内容を示唆(予告)するものである。図43は、サブアイコン53の種類と演出内容との関係の一例を示す図である。
図43に示すように、サブアイコン53には、「CHANCE」の文字が書かれたサブアイコン画像、「NEXT」の文字が書かれたサブアイコン画像、「SP」の文字が書かれたサブアイコン画像、「SPSP」の文字が書かれたサブアイコン画像、「役物」の文字が書かれたサブアイコン画像がある。
「CHANCE」サブアイコンは、当該サブアイコンが付加された保留アイコン52が消化される際、すなわち、この保留アイコン52に係る特別図柄の変動が開始された際に、リーチ演出(ノーマルリーチ演出(例えば変動時間15秒))以上の演出が行われることを示す。ここで、遊技機1には、特別図柄の変動中に行われる変動演出が、大当たりとなる信頼度の高さに応じて複数用意されており、「リーチ演出以上」とは、信頼度がノーマルリーチ演出以上である演出を意味する。
「NEXT」サブアイコンは、当該サブアイコンが付加された保留アイコン52に係る特別図柄の変動が開始された場合に、擬似連続予告演出が行われることを示す。擬似連続予告演出(擬似連)は、1回の特別図柄の変動において、装飾図柄51を擬似的に変動および停止することを所定回数(例えば2回〜4回)行う演出である。例えば、擬似連回数が2回の場合には、装飾図柄51が擬似的に変動して停止した後(1回目)、2回目の変動(擬似変動)が開始され、その後にリーチとなるか、そのままハズレの図柄配列で装飾図柄51が停止して当該特別図柄の変動が停止したことが報知される。擬似連の回数が多いほど、当該変動において大当たりとなる確率が高くなる。
「SP」サブアイコンは、当該サブアイコンが付加された保留アイコン52に係る特別図柄の変動が開始された場合に、大当たりとなる信頼度が比較的高いSPリーチ演出が行われることを示す。SPリーチ演出が行われた場合は、例えば大当たりとなる確率が40%に予め設定されてもよい。
「SPSP」サブアイコンは、当該サブアイコンが付加された保留アイコン52に係る特別図柄の変動が開始された場合に、大当たりとなる信頼度が比較的高い(SPリーチの信頼度より高い)SPSPリーチ演出が行われることを示す。SPSPリーチ演出が行われた場合は、例えば大当たりとなる確率が50%に予め設定されてもよい。
また、「役物」サブアイコンは、当該サブアイコンが付加された保留アイコン52に係る特別図柄の変動が開始された場合に、特定の可動役物による演出が行われることを示す。可動役物は、例えば、作動した場合にメイン液晶表示装置5の前面に出現する演出用の役物(図示しない)であってもよいし、サブ液晶表示装置6やロゴ役物7であってもよい。可動役物が作動した場合は、大当たりとなる信頼度が高く、例えば大当たりとなる確率が50%に予め設定されてもよい。
ここで、保留アイコン52に付加されるサブアイコン53の種類、および数に応じて、当該保留アイコン52に係る特別図柄の変動の際に行われる演出内容が異なる。図44は、サブアイコン53の付加パターンの一覧を示す図である。
図44に示すように、例えば1個目のサブアイコン53として「NEXT」サブアイコンが付加された場合、その後に、2個目が付加されないこともあるし、2個目の「NEXT」サブアイコンが付加されることもある。「NEXT」サブアイコンが1個付加された場合は、擬似連2回以上の演出が行われることを示唆する。2個目の「NEXT」サブアイコンが付加された場合は、擬似連3回以上の演出が行われることを示唆する。さらに、その後に3個目の「NEXT」サブアイコンが付加されることがあり、この場合は、擬似連4回の演出が行われることを示唆する。
このように、1つの「NEXT」サブアイコンは、それ単体で1回の擬似連演出を示し、「NEXT」サブアイコンが付加される数によって、擬似連の回数が示唆される。
なお、1個目の「NEXT」サブアイコンが付加された後に、2個目のサブアイコンとして「SP」サブアイコンが付加される場合もある。この場合は、擬似連またはSPリーチが行われることを示唆する。
また、1個目のサブアイコン53として「SP」サブアイコンが付加されて2個目以降のサブアイコンが付加されない場合、SPリーチ以上の演出が行われることを示唆する。また、1個目のサブアイコン53として「SPSP」サブアイコンが付加されて2個目以降のサブアイコンが付加されない場合、SPSPリーチ演出が行われることを示唆する。
このように、1つのサブアイコン53は、それ単体で1つの演出内容を示している。すなわち、「SP」サブアイコンは、SPリーチ演出を示し、「SPSP」サブアイコンはSPSPリーチ演出を示している。
ここで、1個目のサブアイコン53として「SP」サブアイコンが付加され、さらに2個目のサブアイコン53として「SP」サブアイコンが付加された場合、SPSPリーチ演出が行われることを示唆する。すなわち、1つの「SP」サブアイコンは、それ単体で1つのSPリーチ演出を示すことがある一方で、「SP」サブアイコンが2つ組み合わされると、SPリーチ演出とは別のSPSPリーチ演出を示す。
なお、各サブアイコン53の種類によって大当たりとなる信頼度が異なっていてもよく、複数のサブアイコン53が付加される場合は、最も信頼度が高いサブアイコン53に対応する変動演出が行われてもよい。例えば、1つ目に「CHANCE」サブアイコンが付加されて、2つ目に「SP」サブアイコンが付加された場合、「SP」リーチ演出が行われてもよい。
サブアイコン53が付加される順番に応じて信頼度が異なっていてもよく、順番に応じて、実行される確率が最も高い演出が異なるように構成されてもよい。
以上のように、各サブアイコン53は、それぞれ特定の演出内容を示唆し、サブアイコン53の組み合わせは、別の演出内容を示唆することがある。このように、所定のタイミングでサブアイコン53が保留アイコン52に付加されることによって、当該保留アイコン52が消化される際に行われる演出が予告されることによって、興趣性が向上する。すなわち、特別図柄の変動中に行われる上記各演出は、それぞれ異なる信頼度を有している。これらの演出が行われる前にこれらの演出が行われることを示唆するサブアイコン53が付加されることで、遊技者はどの演出が行われる可能性が高いかを事前に知ることができ、サブアイコン53が付加された保留アイコン52が消化される際に大当たりとなることを期待させることができる。また、サブアイコン53は、複数付加される可能性があり、各サブアイコン53の組み合わせによって行われる演出が異なる。このため、1つのサブアイコン53がある保留アイコン52に付加された場合に、次にその保留アイコン52にサブアイコン53がさらに付加されるか否か、あるいは、次に付加されるサブアイコン53の種類がどれであるかについて遊技者は興味を持ちながら遊技を行うことになる。
なお、上記サブアイコン53は、現在変動中の当該保留アイコン520にも付加されることがある。図45は、当該保留アイコン520にサブアイコン53が付加された様子を示す図である。図46は、当該保留アイコン520に複数のサブアイコン53が順次付加されていく様子を示す図である。
図45および図46に示すように、当該変動の開始時(当該保留アイコン520に係る特別図柄の変動開始時)にサブアイコン53が付加されていない場合であっても、当該変動中の所定のタイミングでサブアイコン53が順次付加されることがある。例えば、図46に示す例では、「SP」サブアイコン53aが付加され、さらに2つ目の「SP」サブアイコン53bが付加されている。これにより、当該変動において、SPSPリーチ演出が行われることが示唆される。なお、「SP」サブアイコン53aおよび「SP」サブアイコン53bは、SPSPリーチ演出が開始される前に付加される。例えば、装飾図柄51が3つの領域で変動しているとき(リーチが成立する前)の予告演出が行われるときに、「SP」サブアイコン53aおよび「SP」サブアイコン53bが当該保留アイコン520に付加される。そして、SPSPリーチ演出が開始されるタイミングで、「SP」サブアイコン53aおよび「SP」サブアイコン53b(保留アイコン520〜522も)は消滅し、SPSPリーチ演出がメイン液晶表示装置5において開始される。
なお、比較的信頼度の低いノーマルリーチ演出が行われた後、さらに発展してSPリーチ演出やSPSPリーチ演出が行われてもよい。この場合、保留アイコン520〜524やサブアイコン53は、発展時に消滅するように構成されてもよい。
次に、保留アイコン521〜524および当該保留アイコン520自体の表示態様の変化について説明する。上述のように保留アイコン521〜524および当該保留アイコン520には、サブアイコン53が付加されることがあるが、保留アイコン521〜524および当該保留アイコン520自体の表示態様も変化することがある。
図47は、保留アイコンの表示態様が変化する様子を示す図である。図48は、当該保留アイコンの表示態様が変化する様子を示す図である。図47に示すように、保留アイコン(521〜524)の色は、例えば通常は白であり、事前判定の結果に応じて白から青に変化することがある。さらにその後に、事前判定の結果に応じて青から赤に変化することがある。保留アイコンの色は例えば青、黄、および赤の何れかに変化し、大当たりとなることに対する信頼度に応じて、保留アイコンの色が変化する。大当たりとなることに対する信頼度は、青、黄、赤の順に高くなる。
また、図48に示すように、当該保留アイコン520の表示態様も、保留アイコン(521〜524)と同様に変化する。具体的には、当該変動中に、変動開始時の当たり判定の結果に応じて(当該変動において大当たりとなることに対する信頼度に応じて)、色が変化する。例えば、当該変動中において装飾図柄51の2つの図柄(例えば、左装飾図柄51aおよび右装飾図柄51c)が同じ種類の図柄で停止してリーチ演出が行われる前に、当該保留アイコン520の表示態様を変化させる。これにより、当該変動において大当たりとなることに対する期待感を高めることができる。
なお、図47および図48では、保留アイコンや当該保留アイコンの色を変化させることによって表示態様を変化させたが、保留アイコンや当該保留アイコンの形状を変化させることによって表示態様を変化させてもよい。例えば、信頼度に応じて保留アイコンを円形から星形に変化させてもよい。
図49は、保留アイコンおよび当該保留アイコン自体の表示態様が変化するとともに、サブアイコン53が付加される様子を示す図である。このように、事前判定あるいは当たり判定の結果に応じて、保留アイコンおよび当該保留アイコン自体の表示態様を変化させることにより大当たりとなることを期待させることができるとともに、サブアイコン53を付加することによって演出内容を予告することができる。
図50は、擬似連演出が行われる場合における当該保留アイコン520の変化のタイミングの一例を示す図である。図51は、1回目の装飾図柄の擬似変動を示す図であり、図52は、2回目の装飾図柄の擬似変動を示す図であり、図53は、3回目の装飾図柄の擬似変動を示す図であり、図54は、4回目の装飾図柄の擬似変動を示す図である。
図50に示すように、例えば、当該変動において擬似連続予告演出が行われる場合、擬似連の回数が進行することに応じて当該保留アイコン520が変化してもよい。図50および図51に示すように、特別図柄が変動開始したことに応じて装飾図柄51が1回目の擬似変動を開始する。1回目の擬似変動中の所定のタイミング(例えば、1回目の擬似停止の直前)、当該保留アイコン520自体の表示態様が白から青に変化し、1回目の擬似停止が行われる。擬似停止状態では、3つの装飾図柄は完全に停止せずに、遊技者が停止したと認識可能な態様で仮停止(微変動)する。なお、図51に示すように、擬似停止状態では、中装飾図柄51bとして「7」図柄が停止されるが、擬似停止状態であることを示す図柄としての「連続」の文字が書かれた装飾図柄が用意されて擬似停止されてもよい。
その後、図52に示すように、2回目の擬似変動が開始され、2回目の擬似変動中に当該保留アイコン520の色が青から黄に変化する。そして、2回目の擬似停止が行われる。次に、図53に示すように、3回目の擬似変動が開始され、3回目の擬似変動中に当該保留アイコン520の色が黄から赤に変化する。そして、3回目の擬似停止が行われる。さらにその後、図54に示すように、4回目の擬似変動が開始され、リーチが成立して所定のリーチ演出が行われる。そして、装飾図柄51が停止する。図54では、特別図柄判定の結果が大当たりであることを示す「777」の装飾図柄51が停止表示され、大当たりが報知されている。例えば、「777」の装飾図柄51が停止されると、大当たり遊技(長当たり遊技)が行われた後、上記時短遊技状態に移行する。
なお、擬似変動中に当該保留アイコン520自体の色が変化するとともに、あるいは、その代わりに、「NEXT」サブアイコン53が当該保留アイコン520に付加されることで、当該保留アイコン520を変化させてもよい。
以上のようにして、当該保留アイコン520を擬似連の回数に応じて変化させることで、当該変動において擬似連がさらに継続することを事前に予告することができる。すなわち、擬似連1回目の変動中に、当該保留アイコン520の色を青に変化させたり、当該保留アイコン520に「NEXT」サブアイコン53を付加することにより、擬似連2回目が行われることを事前に報知することができる。また、擬似連2回目の変動中に、当該保留アイコン520の色を黄に変化させたり、当該保留アイコン520に2個目の「NEXT」サブアイコン53をさらに付加することにより、擬似連3回目が行われることを事前に報知することができる。
なお、当該保留アイコン520の変化のタイミングは、図50に限らない。例えば、擬似変動の開始のタイミングに応じて、当該保留アイコン520が変化(当該保留アイコン520自体の表示態様の変化や、サブアイコン53を付加することによる変化)してもよい。
[第3実施形態の演出制御部によるコマンド制御処理]
以下、図55〜図59を参照しつつ、第3実施形態における演出制御部によって実行されるコマンド制御処理について説明する。第3実施形態では、第1実施形態の図25に示す処理が、図55に示す処理に置き換えられる。以下で示す処理は、演出制御基板130、画像音響制御基板140及びランプ制御基板150による協働によって、行われる。以下では、演出制御基板130、画像音響制御基板140及びランプ制御基板150を総称した「演出制御部」によって行われる演出制御について説明する。ここで、図55は、第3実施形態におけるコマンド制御処理の詳細フローチャートである。
まず、演出制御部は、遊技制御部100から送信された保留コマンドを受信したか否かを判定する(ステップSC1301)。ここで、保留コマンドを受信していないと判定された場合(ステップSC1301:NO)、後述するステップSC1305に処理が進められる。
演出制御部は、保留コマンドを受信したと判定した場合(ステップSC1301:YES)、当該受信した保留コマンドを解析する(ステップSC1302)。保留コマンドには、特別図柄判定の結果に関する情報や特別図柄の変動パターン(変動時間)等の事前判定情報が含まれる。ここでは、保留コマンドに含まれる事前判定情報を取得して解析する。一方、保留コマンドを受信しなかった場合(ステップSC1301:NO)、演出制御部は、ステップSC1305の処理を実行する。
ステップSC1302に続いて、演出制御部は、受信した保留コマンドに対応する保留アイコン52の表示パターンの決定処理を行う(ステップSC1303)。詳細は後述するが、この表示パターン決定処理は、受信した保留コマンドによって増加される保留アイコン52の表示態様を決定する処理であり、変化させるタイミングを決定するための処理である。次に、演出制御部は、受信した保留コマンドに対応する保留アイコン52をメイン液晶表示装置5に表示させる(ステップSC1304)。ここでは、演出制御部は、既に保留アイコン52がメイン液晶表示装置5に表示されている場合は、その表示されている保留アイコン52の左側に新たに保留アイコン52を表示させる。
ステップSC1304に続いて、演出制御部は、保留アイコン52の更新処理を実行する(ステップSC1305)。詳細は後述するが、この保留アイコン更新処理は、現在表示されている保留アイコン(521〜524)の表示を変化させる処理である。
ステップSC1305に続いて、演出制御部は、遊技制御部100から変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップSC1306)。ここで、変動開始コマンドを受信していないと判定された場合(ステップSC1306:NO)、後述するステップSC1313の処理が実行される。
演出制御部は、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップSC1306:YES)、その変動開始コマンドを解析する(ステップSC1307)。
この変動開始コマンドには、上述したように、大当たり判定処理の判定結果を示す判定図柄の設定情報、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらの演出を行うかを示す設定情報、変動パターンの設定情報、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す情報等が含まれている。したがって、変動開始コマンドを解析することによって、特別図柄判定の結果を特定し、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらを行う必要があるのかを判断し、特別図柄の変動パターン(変動時間)を特定し、パチンコ遊技機1の遊技状態を特定することが可能である。
変動開始コマンドを解析すると、演出制御部は、その解析結果に基づいて、変動演出決定処理を行う(ステップSC1308)。
図示は省略するが、演出制御部には、特別図柄の変動表示に伴う演出に関して、大当たり用演出テーブル、ハズレリーチ有り用演出テーブル、ハズレリーチ無し用演出テーブル、及び小当たり用演出テーブルの少なくとも4つの演出テーブルが記憶されている。これらの演出テーブルの各々には、遊技制御部100において決定される変動パターン(変動時間)に対応する演出パターンが複数記憶されている。例えば、ハズレリーチ無し演出テーブルには、変動時間が4秒用、8秒用、12秒用の演出パターンが記憶されており、大当たり演出テーブルには、変動時間が1分、1分30秒、2分の演出パターンが記憶されている。演出制御部は、ステップSC1307の解析結果に基づいて、これら複数のテーブルの中から1のテーブルを選択し、変動時間に対応する1の演出パターンを選択する。
具体的には、演出制御部には、ある変動パターンに対応する演出パターンを複数記憶しており、演出乱数を用いた抽選によって、変動パターンに対応する複数の演出パターンの中から1の演出パターンを選択する。より具体的には、演出制御部は、図55の処理が行われる毎に更新される演出乱数について、保留コマンドを受信した時点の値を取得して記憶しておく。そして、演出制御部は、当該記憶した演出乱数に対応する1つの演出パターンを選択する。例えば、大当たり用演出テーブルには、対応する変動パターン(変動時間)がそれぞれ異なるノーマルリーチ演出、「SP」リーチ演出、「SPSP」リーチ演出、各擬似連続予告演出(2回、3回、4回)等の演出を伴う演出パターンが記憶されている。
例えば、遊技制御部100によって決定される変動パターンには、変動パターンA、変動パターンB、変動パターンC、変動パターンD等がある。大当たり用演出テーブルには、変動パターンAに対応する演出として、「SP」リーチ演出を伴う複数の演出パターンが記憶され、変動パターンBに対応する演出として、「SPSP」リーチ演出を伴う複数の演出パターンが記憶される。また、大当たり用演出テーブルには、変動パターンCに対応する演出として、擬似連3回の演出を伴う複数の演出パターンが記憶され、変動パターンDに対応する演出として、擬似連4回の演出を伴う複数の演出パターンが記憶される。演出制御部は、演出テーブルを参照して、受信した変動開始コマンドによって特定された変動パターンに対応する複数の演出パターンの中から、演出乱数に対応する1つの演出パターンを選択する。また、ハズレリーチ有り用演出テーブルにも、変動パターンと対応付けられて演出パターンが記憶されている。
このようにして決定される変動演出(演出パターン)が実行された場合の大当たりとなる確率(信頼度)は、予め定められる。例えば、SPSPリーチ演出を伴う変動演出が実行された場合は、50%の確率で大当たりとなる。
このように本実施形態では、遊技制御部100によって決定される変動パターンと、演出の種別(ノーマルリーチ演出、SPリーチ演出、SPSPリーチ演出、擬似連2回の演出、擬似連3回の演出、擬似連4回の演出等)とが予め対応付けられる。そして、変動開始コマンドに基づく変動パターン(保留コマンドに基づく変動パターンと同一)に基づいて演出の種別が決定され、保留コマンドを受信した時点の演出乱数を用いて、1つの演出パターンが決定される。
なお、変動パターンに基づいて演出の種別が決定され、決定された演出種別に含まれる複数の演出パターンの中から、変動開始コマンドを受信した時点で取得された演出乱数を用いて1つの演出パターンが決定されてもよい。また、遊技制御部100からの変動パターンと、演出制御部に記憶される演出パターンとが1対1で予め対応付けられてもよい。
ステップSC1308で装飾図柄の変動演出が決定されると、演出制御部は、決定した変動演出を開始する(ステップSC1309)。これにより、装飾図柄51がメイン液晶表示装置5において変動表示される。
次に、演出制御部は、各保留アイコン521〜524を右にシフトさせる(ステップSC1310)。これにより、最も早く消化される保留アイコン521(保留1)は、当該保留アイコン520として最も右側に移動し、その他の保留アイコン522〜524は、保留アイコン521〜523として右にそれぞれシフトする。
続いて、演出制御部は、当該保留アイコン520の表示パターン決定処理を実行し(ステップSC1311)、その後、当該保留アイコン更新処理を実行する(ステップSC1312)。これらの処理は、後に詳述する。
一方、変動開始コマンドを受信しなかった場合(ステップSC1306:NO)、演出制御部は、変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(ステップSC1313)。変動停止コマンドを受信した場合(ステップSC1313:YES)、演出制御部は、装飾図柄51を停止表示する(ステップSC1314)。これにより、メイン液晶表示装置5において、装飾図柄51が停止表示される。その後、演出制御部は、当該保留アイコン520を消滅させる(ステップSC1315)。変動停止コマンドを受信しなかった場合(ステップSC1313:NO)は、演出制御部は、次にステップSC1312の処理を実行する。
以上のように、演出制御部は、遊技制御部100からの保留コマンドを受信したことに応じて、メイン液晶表示装置5に保留アイコン52を増加させたり、変動開始コマンドを受信したことに応じて装飾図柄51の変動表示演出を決定して実行したりする。
なお、演出制御部は、上述した処理に加えて、遊技制御部100からオープニングコマンド、ラウンド開始コマンド、エンディングコマンド、客待ちコマンド等を受信し、受信したコマンドに応じた処理を実行する。これらの処理の詳細については説明を省略する。
[保留アイコンの表示パターン決定処理]
図56は、図55のステップSC1303における保留アイコンの表示パターン決定処理の詳細フローチャートである。まず、演出制御部は、受信した保留コマンドに含まれる事前判定情報を取得する(ステップSC1320)。取得した事前判定情報に基づいて、演出制御部は、変動演出の内容を事前判定する(ステップSC1321)。具体的には、演出制御部は、受信した保留コマンドに係る特別図柄判定の権利が消化されるとき(当該権利に対応する特別図柄の変動が開始するとき)に実行される演出を、事前に判定する。
具体的には、演出制御部は、事前判定情報に基づいて、特別図柄の変動パターンを特定し、変動パターンに応じた演出の種別(上記「SP」リーチや擬似連等)を判定する。また、演出制御部は、上記演出乱数を取得し、取得した演出乱数を用いて、保留が消化される際に行われる1つの演出パターンを判定する。演出制御部は、演出の事前判定の結果と、取得した演出乱数とを記憶する。
次に、演出制御部は、受信した保留コマンドに対応する保留アイコンの最終表示態様を決定する(ステップSC1322)。ここでは、保留アイコンに係る特別図柄の変動が開始される直前の(保留アイコンが消化される直前の)、最終的な保留アイコンの表示態様が決定される。具体的には、保留アイコンに最終的に付加されるサブアイコンの種類や数が、ステップSC1321の事前判定の結果および乱数に基づく抽選によって決定される。また、保留アイコン自体の最終的な色が、事前判定の結果および乱数に基づく抽選によって決定される。例えば、事前判定によって、擬似連3回の演出が行われると判定された場合、2つの「NEXT」サブアイコン53を保留アイコン52に最終的に付加すると決定するとともに、付加するタイミングを決定する。例えば、演出制御部は、あるタイミングで1つの「NEXT」サブアイコンを付加し、それから所定時間経過後にもう1つの「NEXT」サブアイコンを付加すると決定する。なお、複数のサブアイコン53が同時に付加されるように決定されてもよいし、サブアイコン53の付加のタイミングと保留アイコン自体の色の変化のタイミングとが同時あるいは異なっていてもよい。
また、ステップSC1321の事前判定によって、SPSPリーチ演出が行われると判定された場合、演出制御部は、2つの「SP」サブアイコン53を保留アイコン52に最終的に付加すると決定するか、もしくは、1つの「SPSP」サブアイコン53を付加すると決定する。また、演出制御部は、これらのサブアイコン53を付加するタイミングを決定する。
なお、ステップSC1322において、保留中に表示態様を変化させるか、あるいは、変動中に表示態様を変化させるかを決定してもよい。すなわち、特別図柄判定の権利が保留された場合、その保留に対応する保留アイコンが表示され、事前判定の結果に基づいてその保留アイコンの表示態様が保留中に変化可能である。さらに、本実施形態では、その保留アイコンに係る特別図柄の変動開始後も、その保留アイコンは、変動中を示す当該保留アイコンとして継続して表示され、継続して表示されている間にも変化し得る。このような場合において、保留中に画像(保留アイコン)の表示態様を変化させるか、変動中に画像(当該保留アイコン)を変化させるかが、ステップSC1322において選択されてもよい。この選択の結果に応じて、ステップSC1305の保留アイコン更新処理、又は、ステップS1312の当該保留アイコン更新処理において、保留アイコン又は当該保留アイコンの表示態様が変化される。
なお、乱数を用いた抽選によって最終表示態様が決定されるため、事前判定の結果で判定された変動演出の内容に応じた最終表示態様が必ずしも決定されるわけではない。しかしながら、事前判定された変動演出の内容に応じた最終表示態様になる確率が高くなるように抽選が行われる。
以上で、図56に示す保留アイコンの表示パターン決定処理は終了する。
[保留アイコン更新処理]
図57は、図55のステップSC1305における保留アイコン更新処理の詳細フローチャートである。まず、演出制御部は、各保留アイコン(521〜524)について、上記ステップSC1322で決定された更新タイミングか否かを判定する(ステップSC1330)。
更新タイミングであれば(ステップSC1330:YES)、演出制御部は、抽選処理を行う(ステップSC1331)。抽選処理では、上記ステップSC1322で決定されたタイミングにおいて、決定されたサブアイコン53を付加するか否かおよび/または保留アイコン自体の色を決定された色に変化させるか否かを、乱数を用いた抽選によって決定する。具体的には、ステップSC1331では、演出制御部は、現在付加されているサブアイコン53の数および現在の保留アイコン自体の色と、上記ステップSC1322で決定された最終的な表示態様とに基づいて、サブアイコン53を付加するか否か、および/または、保留アイコン自体の色を変化させるか否かを決定する。ステップSC1331の処理が実行されることによって、ステップSC1322で最終的に決定された表示態様の制限の下で、サブアイコン53が段階的に付加されたり、保留アイコン自体の色が段階的に変化されたりする。
なお、上記ステップSC1322では、最終的にどの表示態様まで変化可能かを決定し、ステップSC1331では、実際にその決定された表示態様に変化させるか否かを抽選によって決定する。従って、ステップSC1322で最終的な表示態様が決定されても、必ずしも当該最終的な表示態様に保留アイコンが変化するとは限らない。すなわち、最終表示態様として保留アイコン自体の色が赤と決定されても、最終的に保留アイコン自体の色が赤に変化するとは限らず、白から青に変化してそれ以降は変化しないこともある。
ステップSC1331の抽選処理の結果、サブアイコン53を付加すると判定された場合(ステップSC1332:YES)は、演出制御部は、保留アイコン52にサブアイコン53を付加する(ステップSC1333)。また、保留アイコン自体の色を変化させると判定された場合(ステップSC1334:YES)は、演出制御部は、保留アイコン自体の色を変更する(ステップSC1335)。このようにステップSC1331〜ステップSC1335の処理が行われることにより、ステップSC1322で決定された最終表示態様に応じた信頼度を上限として、段階的に保留アイコン521〜524の表示態様が変化される。以上で、図57に示す保留アイコン更新処理は終了する。
[当該保留アイコンの表示パターン決定処理]
図58は、図55のステップSC1311における当該保留アイコンの表示パターン決定処理の詳細フローチャートである。まず、演出制御部は、受信した変動開始コマンドに含まれる各設定情報を取得する(ステップSC1340)。変動開始コマンドに含まれる設定情報は、当該特別図柄の変動において大当たりとなるか否かの情報、特別図柄の変動パターンの情報、リーチ有無の情報等が含まれる。演出制御部は、これらの情報に基づいて、当該変動における変動演出の内容を判定する(ステップSC1341)。ステップSC1341の処理は、上記ステップSC1308の変動演出決定処理と同じ処理である。
ステップSC1341に続いて、演出制御部は、当該変動に対応する当該保留アイコン520の最終表示態様を決定する(ステップSC1342)。ここでは、当該保留アイコン520の最終的な表示態様が決定される。具体的には、ステップSC1341の判定の結果、現在の当該保留アイコン520の表示態様および乱数に基づく抽選によって、当該保留アイコン520に最終的に付加されるサブアイコンの種類や数が決定される。また、ステップSC1341の判定の結果、現在の当該保留アイコン520の表示態様および乱数に基づく抽選によって、当該保留アイコン520自体の最終的な色が決定される。例えば、擬似連3回の演出が行われると判定された場合、2つの「NEXT」サブアイコン53を当該保留アイコン520に最終的に付加すると決定するとともに、付加するタイミングを決定する。また、SPSPリーチ演出が行われると判定された場合、演出制御部は、2つの「SP」サブアイコン53を当該保留アイコン520に最終的に付加すると決定するか、もしくは、1つの「SPSP」サブアイコン53を付加すると決定する。また、演出制御部は、これらのサブアイコン53を付加するタイミングを決定する。予め定められた複数のタイミングのうちの少なくとも何れか1のタイミングが選択されることによって、サブアイコン53を付加するタイミング(当該保留アイコン520の表示態様を変化させるタイミング)が決定されてもよい。また、表示態様を変化させるタイミングは、特別図柄の変動パターンや乱数を用いた抽選によって決定される。
なお、当該保留アイコン520に対応する特別図柄の変動開始前において、既に当該保留アイコン520の表示態様が変化している場合がある。すなわち、上記ステップSC1305の保留アイコン更新処理において保留アイコンが変化されている場合は、変化したままの表示態様で保留アイコン521が右にシフトして(ステップSC1310)当該保留アイコン520となる。このため、ステップSC1342においては、現在の当該保留アイコン520の表示態様も考慮して最終表示態様が決定される。
なお、ステップSC1342においても乱数を用いた抽選によって最終表示態様が決定されるため、ステップSC1341の判定結果で判定された変動演出の内容に応じた表示態様が必ずしも決定されるわけではない。
以上で、図58に示す当該保留アイコン520の表示パターン決定処理は終了する。
[当該保留アイコン更新処理]
図59は、図55のステップSC1312における当該保留アイコン更新処理の詳細フローチャートである。まず、演出制御部は、当該保留アイコン520について、上記ステップSC1342で決定された更新タイミングか否かを判定する(ステップSC1350)。
更新タイミングであれば(ステップSC1350:YES)、演出制御部は、抽選処理を行う(ステップSC1351)。抽選処理では、上記ステップSC1342で決定されたタイミングにおいて、決定されたサブアイコン53を付加するか否か、および、当該保留アイコン520自体の色を決定された色に変化させるか否かを、乱数を用いた抽選によって決定する。すなわち、上記ステップSC1342では、最終的にどの表示態様まで変化可能かを決定し、ステップSC1351では、実際にその決定された表示態様に変化させるか否かを抽選によって決定する。従って、ステップSC1342で最終的な表示態様が決定されても、必ずしも当該最終的な表示態様に当該保留アイコン520が変化するとは限らない。
抽選処理の結果、サブアイコン53を付加すると判定された場合(ステップSC1352:YES)、演出制御部は、当該保留アイコン520にサブアイコン53を付加する(ステップSC1353)。また、当該保留アイコン520自体の色を変化させると判定された場合(ステップSC1354:YES)、演出制御部は、当該保留アイコン520の色を変更する(ステップSC1355)。このようにステップSC1351〜ステップSC1355の処理が行われることにより、ステップSC1342で決定された最終表示態様に応じた信頼度を上限として、段階的に当該保留アイコン520の表示態様が変化される。以上で、図59に示す当該保留アイコン更新処理は終了する。
[第3実施形態の作用効果]
以上説明したように、第3実施形態のパチンコ遊技機1では、保留アイコン521〜524および当該保留アイコン520に、サブアイコン53が付加されたり、保留アイコン521〜524および当該保留アイコン520自体の表示態様(色や形状)が変化したりする。具体的には、事前判定の結果に基づいて、変動演出の内容を予告するサブアイコン53が付加される。変動演出は、大当たりとなる信頼度がそれぞれ異なる。このため、遊技者は、どの演出が行われる可能性が高いかを事前に知ることができ、期待感を向上させることができる。
また、第3実施形態では、複数のサブアイコン53が順次付加されることがある。複数のサブアイコン53のそれぞれは1つの変動演出の内容を示し、また、複数のサブアイコン53の組み合わせは、別の変動演出の内容を示すことがある。このため、順次付加されるサブアイコン53によって遊技者の期待感を高めることができる。
また、第3実施形態では、保留アイコン521〜524のみならず、当該保留アイコン520の表示態様も同様に変化する(それ自体の表示態様が変化したり、サブアイコン53が付加されることで表示態様が変化したりする)。このため、当該変動における演出を予告したり、当該変動の大当たりに対する信頼度を報知したりすることができる。
[変形例]
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下の形態であってもよい。
例えば、上記第3実施形態では、保留コマンドに含まれる事前判定情報に基づいて保留アイコンの表示態様を変化させ、変動開始コマンドに含まれる設定情報に基づいて当該保留アイコン520の表示態様を変化させた。他の実施形態では、事前判定情報を用いて当該保留アイコンの表示態様を変化させてもよい。すなわち、保留コマンドに含まれる事前判定情報と変動開始コマンドに含まれる設定情報とは、実質的に同様の情報を含むため、事前判定情報に基づいて、当該変動の際に当該保留アイコンの表示態様を変化させてもよい。
また、上記第3実施形態では、複数のサブアイコン53を付加し、付加したサブアイコン53の数によって擬似連の回数を予告した。他の実施形態では、擬似連の回数に応じて異なる画像を付加してもよい。また、他の実施形態では、擬似連の回数に応じて、保留アイコン自体の表示態様を変化させてもよい。
また、上記第3実施形態では、保留アイコンおよび当該保留アイコンの色を変化させたが、保留アイコンおよび当該保留アイコン自体の色および形状を変化させることで予告を行ってもよい。
また、保留アイコンの変化のタイミングはどのようなものでもよく、例えば、始動口への入賞時に変化させてもよいし、特定の装飾図柄が特定の領域(例えば右領域51c)に停止したタイミングで変化させてもよい。また、演出の種別によって保留アイコンの変化のタイミングが異なってもよい。
また、演出ボタン26を用いた入力があった場合に、サブアイコン53を付加させたり保留アイコン自体の表示態様を変化させてもよい。例えば、スロットが出現して複数のサブアイコンが変動している間に演出ボタン26が押された場合、サブアイコンを付加してもよい。
また、上記実施形態ではいわゆる1種タイプのパチンコ遊技機を想定したが、このタイプに限らず、他の任意のタイプ(2種、1種2種混合タイプ等)のパチンコ遊技機にも本発明は適用可能である。
また、上記実施形態において説明したパチンコ遊技機1の構成は単なる一例に過ぎず、他の構成であっても本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
また、上記実施形態では、本発明がパチンコ遊技機に適用された場合を例に説明したが、本発明は、例えばスロットマシン等の他の遊技機にも適用可能である。
以上のように、本発明では、以下に示す構成の遊技機であってもよい。
第3実施形態に係る遊技機は、所定の始動領域への遊技球の入賞に応じて、当たりか否かの当たり判定を行う当たり判定手段と、前記始動領域への遊技球の入賞に応じて、当該入賞した遊技球に対する前記当たり判定の権利を保留する保留記憶手段と、前記保留記憶手段に保留された前記当たり判定の権利を消化させるとともに、所定の図柄を変動表示させてから停止表示させることにより、前記当たり判定の権利に対する当たり判定の結果を表示する図柄表示制御手段と、前記保留記憶手段に保留された前記当たり判定の権利を示す保留画像を画像表示手段に表示させる保留画像表示制御手段と、を備え、前記保留画像表示制御手段は、前記図柄表示制御手段によって前記所定の図柄が変動表示されているとき、当該変動に対応する保留画像を前記画像表示手段の所定の表示領域に表示し、前記当たり判定の結果に基づいて、当該変動中の所定のタイミングで当該変動に対応する保留画像の表示態様を変化させる。
上記によれば、保留されている当たり判定の権利に対応する保留画像を表示するとともに、現在変動中の当たり判定の権利に対応する保留画像(当該保留画像)を表示する。そして、当該保留画像の表示態様を当たり判定の結果に応じて変化させることができる。これにより、当該変動中の当たり判定の結果を予告することができる。
また、他の構成では、前記保留記憶手段に保留された前記当たり判定の権利に対する事前判定を行う事前判定手段をさらに備え、前記保留画像表示制御手段は、前記当たり判定の結果または前記事前判定の結果に基づいて、当該変動に対応する保留画像の表示態様を変化させる第1表示制御手段と、前記事前判定の結果に基づいて、前記保留記憶手段に保留された前記当たり判定の権利を示す保留画像の表示態様を、前記第1表示制御手段と同様の態様で変化させる第2表示制御手段と、を含む。
上記によれば、保留された当たり判定の権利に対応する保留画像の表示態様を変化させることができるとともに、現在変動中の当たり判定の権利に対応する保留画像の表示態様を同様に変化させることができる。これにより、保留に対しても、当該保留(当該変動)に対しても同様の態様で保留画像を変化させることができる。
また、他の構成では、前記所定の図柄が変動表示されてから停止表示されるまでの間に、前記演出図柄を擬似的に変動および停止させることを所定回数行う擬似変動演出制御手段をさらに備え、前記保留画像表示制御手段は、前記擬似変動演出制御手段によって前記演出図柄が擬似的に変動または停止されることを契機にして、当該変動に対応する保留画像の表示態様を変化させる。
上記によれば、擬似変動演出が行われる際に、擬似変動の進行に応じて当該保留画像を変化させることができ、例えば、擬似変動が継続することを予告することができる。
以上、第1〜第3実施形態で例示したように、本願では、次に示す発明であってもよい。
(第1の発明)
第1の発明に係る遊技機は、始動条件が成立すると、判定情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された判定情報に基づいて、特別遊技を行うか否かの特別遊技判定を行う特別遊技判定手段と、所定の図柄表示手段において、所定の図柄を変動表示させてから停止表示させることにより、前記特別遊技判定の結果を表示する図柄表示制御手段と、前記図柄の変動中に前記判定情報が取得されると、当該判定情報を前記特別遊技判定の権利として保留する保留記憶手段と、前記保留記憶手段に保留された前記特別遊技判定の権利を示す権利画像を画像表示手段の所定の表示領域に表示させる画像表示制御手段と、を備え、前記画像表示制御手段は、前記権利画像を、当該権利画像によって示される前記権利に対応する前記図柄の変動が開始された後も、当該図柄が変動中であることを示す変動中画像として継続して表示する継続表示制御手段と、前記継続表示制御手段によって継続して表示された前記変動中画像によって示される前記特別遊技判定に対応する前記判定情報に基づいて、当該継続して表示された前記変動中画像の表示態様を変化させることが可能な変化表示制御手段と、前記変化表示制御手段によって前記変動中画像の表示態様が変化されるタイミングを決定するタイミング決定手段とを含み、前記変化表示制御手段は、前記タイミング決定手段によって決定されたタイミングで、前記変動中画像の表示態様を変化させる。
例えば、第3実施形態で説明したように、特別図柄判定の権利が保留された場合に保留アイコン52(図40等)を表示し、その保留アイコン52に係る特別図柄の変動が開始された後も、保留アイコン52を当該保留アイコン(変動中画像)520として継続して表示する。このような場合において、継続して表示されている当該保留アイコン520を変化させるタイミングが決定される。変化のタイミングは、例えば、当該保留アイコン520に係る特別図柄の変動開始時であってもよいし、変動開始後の所定のタイミングであってもよい。例えば、図50で例示したように、当該保留アイコン520は、擬似変動の開始タイミングの前後の所定のタイミングで変化してもよく、擬似変動の進行に応じて段階的に変化してもよい。また、リーチ成立前後の所定タイミング(リーチ成立の前、リーチ成立の瞬間、リーチ成立の後等)で当該保留アイコン520が変化してもよい。
また、当該保留アイコン520は、リーチ成立前の所定のタイミング(例えば、特定の予告演出が行われる前後のタイミング)で変化してもよい。また、リーチが成立した後のリーチ演出(第1リーチ演出)においてハズレの態様(又は次の演出に発展することを示す態様)で装飾図柄51が仮停止し、さらに期待度の高いリーチ演出(第2リーチ演出)に発展する前後のタイミングで、当該保留アイコン520が変化してもよい。なお、例えば第1又は第2リーチ演出中は、当該保留アイコン520が画面から消えてもよく、第1リーチ演出中に当該保留アイコン520が消えた場合でも、第2リーチ演出に発展する際に、再び当該保留アイコン520が表示されて、変化してもよい。
また、遊技者が演出ボタン26を押下したタイミングで、当該保留アイコン520の表示態様が変化してもよい。この場合、遊技者に演出ボタン26の押下を促す表示を行うタイミングが決定され、決定されたタイミングで当該表示が行われる。遊技者に演出ボタン26の押下を促す表示が行われている間は、演出ボタン26の押下が有効となり、その間に演出ボタン26が押下された場合には、当該保留アイコン520の表示態様が変化するが、演出ボタン26が押下されなかった場合は、当該保留アイコン520の表示態様は変化しない。
上記当該保留アイコン520の変化のタイミングは、大当たり判定の結果や変動パターン、乱数を用いた抽選等に基づいて、演出制御部130によって決定される。また、当該保留アイコン520の表示態様は、大当たり判定の結果や変動パターン、乱数を用いた抽選等に基づいて、演出制御部130によって決定される。
例えば、上記当該保留アイコン520の変化のタイミングによって大当たりに対する期待度が異なるように、大当たり判定の結果や変動パターンに基づいて、当該保留アイコン520の変化のタイミングが決定される。具体的には、特別図柄判定の結果が大当たりである場合には、特別図柄の変動開始時よりも変動開始後の所定のタイミング(例えば、擬似変動の開始又は終了のタイミングやリーチ成立のタイミング)の方が当該保留アイコン520の変化のタイミングとして選択されやすくてもよい。また、特別図柄判定の結果がハズレである場合には、変動開始後の所定のタイミングよりも特別図柄の変動開始時の方が当該保留アイコン520の変化のタイミングとして選択されやすくてもよい。このように、特別図柄判定の結果が大当たりである場合には、より遅いタイミングが変化のタイミングとして選択されやすくなっていてもよい(大当たりの場合には図50においてより右側のタイミングが選択されやすくてもよい)。
逆に、特別図柄判定の結果が大当たりである場合には、より早いタイミングが変化のタイミングとして選択されやすく、特別図柄判定の結果がハズレである場合には、より遅いタイミングが変化のタイミングとして選択されやすくなっていてもよい。
このように、当該保留アイコン520が変化するタイミングが複数ある場合において、変化のタイミングが遅いほど(早いほど)、大当たりになる確率が高く(低く)なるように、当該保留アイコン520の変化のタイミングが決定されてもよい。
また、上記第1の発明において、特別図柄判定の権利が保留されている間にも、保留アイコン52の表示態様が変化されてもよい。この場合において、特別図柄の変動開始後に当該保留アイコン520の表示態様を変化させる場合には、当該保留アイコン520に係る特別図柄判定の結果に加えて、現在の表示態様にも基づいて、表示態様が変化される。例えば、保留中に大当たりに対する期待度が最も低いことを示す表示態様に変化された場合には、変動開始後に当該保留アイコン520をさらに期待度の高い表示態様に変化させてもよい。なお、特別図柄判定の権利が保留された場合、その保留に対する大当たりか否かの事前判定の結果に基づいて、最終の表示態様が決定され、保留中はその最終の表示態様以下まで変化され、その権利に係る特別図柄の変動開始後に最終の表示態様に変化されてもよい。
また、第3実施形態で示したように、当該保留アイコン520自体の色や模様が変化したり、当該保留アイコン520に対してサブアイコン(図45等のサブアイコン53)が付加されることによって、当該保留アイコン520の表示態様が変化されてもよい。ここで、サブアイコンは、当該保留アイコン520に付随する画像であり、当該保留アイコン520に重畳表示されてもよいし、当該保留アイコン520の近傍に表示されてもよい。また、当該保留アイコン520の形状が変化したり、当該保留アイコン520が別のキャラクタやアイテム画像(第1実施形態等の画像)に変化することによって、当該保留アイコン520の表示態様が変化されてもよい。
また、当該保留アイコン520は、特別図柄の変動開始後の所定期間だけ継続して表示され、その後は画面から消えてもよいし、特別図柄の変動開始後に移動した領域(図7等の保留消化領域55)とは異なる領域へ移動してもよい。ここでいう異なる領域とは、保留を示す保留アイコン52の表示領域、及び、特別図柄の変動中を示す当該保留アイコン520の表示領域とは異なる、液晶表示器5の画面上の領域である。異なる領域に移動した当該保留アイコン520は、その後、画面から消えてもよいし、移動後に別の画像に変化してもよい。
また、第3実施形態では、当該保留アイコン520にサブアイコンを付加することで、行われる演出の内容を示唆したが、当該保留アイコン520自体の画像を変化させることで演出の内容を示唆してもよいし、大当たり遊技の種類を示唆してもよい。
なお、保留アイコン521〜524および当該保留アイコン520は、画像ではなく他の表示(例えば、LED等)によって示されてもよい。
(第2の発明)
第2の発明に係る遊技機は、始動条件が成立すると、判定情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された判定情報に基づいて、特別遊技を行うか否かの特別遊技判定を行う特別遊技判定手段と、所定の図柄表示手段において、所定の図柄を変動表示させてから停止表示させることにより、前記特別遊技判定の結果を表示する図柄表示制御手段と、前記図柄の変動中に前記判定情報が取得されると、当該判定情報を前記特別遊技判定の権利として保留する保留記憶手段と、前記保留記憶手段に保留された前記特別遊技判定の権利を示す、複数の表示態様を有する権利画像を画像表示手段の所定の表示領域に表示させる画像表示制御手段と、前記保留記憶手段に保留された前記権利に対して特別遊技を行うか否かの事前判定を行う事前判定手段と、を備え、前記画像表示制御手段は、前記権利画像によって示される前記特別遊技判定の権利に対して行われた前記事前判定の結果に基づいて、画像の最終表示態様を決定し、決定した最終表示態様まで当該権利画像を変化させることが可能な第1変化表示制御手段と、前記権利画像を、当該権利画像によって示される前記権利に対応する前記図柄の変動が開始された後も、当該図柄が変動中であることを示す変動中画像として継続して表示する継続表示制御手段と、前記継続表示制御手段によって継続して表示された前記変動中画像によって示される前記特別遊技判定に対応する前記判定情報に基づいて、当該継続して表示された前記変動中画像を前記最終表示態様まで変化させることが可能な第2変化表示制御手段と、前記第1変化表示制御手段によって前記権利画像を前記最終表示態様に変化させるか、前記第2変化表示制御手段によって前記変動中画像を前記最終表示態様に変化させるかを選択する選択手段とを含む。
例えば、第3実施形態で説明したように、特別図柄判定の権利が保留された場合に保留アイコン52(図40等。権利画像)を表示し、その保留アイコン52に係る特別図柄の変動が開始された後も、保留アイコン52を当該保留アイコン(変動中画像)520として継続して表示する。このような場合において、第1〜第3実施形態で示したように、上記権利が保留されている間(その権利に対応する特別図柄の変動が開始される前)に、権利画像が変化可能であってもよい。また、第1実施形態(図21、図23等)や第3実施形態(図48等)で示したように、特別図柄の変動が開始された後においても、特別図柄が変動中であることを示す変動中画像が変化可能であってもよい。
具体的には、第3実施形態で説明したように、図56のステップSC1322では、保留アイコンの最終表示態様が決定される。ここでは、保留アイコンが変化する過程(タイミング)が決定される。このステップSC1322の処理において、保留中に保留アイコン(権利画像)を最終表示態様に変化させるか、特別図柄の変動開始後に当該保留アイコン(変動中画像)を最終表示態様に変化させるかが選択されてもよい。すなわち、保留された権利に対応する特別図柄の変動が開始される前にその権利に対応する権利画像を最終表示態様に変化させるか(保留期間での最終変化)、又は、その権利に対応する特別図柄の変動が開始された後に変動中画像を最終表示態様に変化させるか(変動期間での最終変化)が、選択されてもよい。そして、選択された期間で、画像の表示態様が最終表示態様に変化される。
例えば、「保留期間での最終変化」が選択された場合には、その権利が保留された時点で権利画像が変化してもよいし、保留された時点において特別図柄が変動していた場合、次の変動(変化する権利画像に係る変動よりも前の変動)が開始されたタイミングで権利画像が変化してもよい。その権利に係る特別図柄の変動が開始されるまでに、例えば複数回の特別図柄の変動が行われる場合には、その権利に係る保留アイコンの表示態様が複数回にわたって段階的に変化されて最終の表示態様に変化されてもよいし、1回の変化で最終の表示態様に変化されてもよい。
また、例えば、「変動期間での最終変化」が選択された場合には、特別図柄の変動開始後の所定のタイミングで変動中画像が最終表示態様に変化される。例えば、変動開始時に変動中画像が最終表示態様に変化されてもよいし、変動中の所定のタイミングで最終表示態様に変化されてもよい。この場合においても、特別図柄の変動中に変動中画像が複数回にわたって段階的に変化されて最終の表示態様に変化されてもよいし、1回の変化で最終の表示態様に変化されてもよい。また、保留中に権利画像が決定された最終表示態様の前の表示態様に変化し、変動開始後に変動中画像が最終表示態様に変化してもよい。例えば、アイコンの色として「青」、「黄」、「緑」、「赤」がある場合において、大当たりに対する期待度がこの順番である場合、保留中にアイコンが「緑」まで段階的に変化し、その「緑」のアイコンに対応する特別図柄の変動開始後に、アイコンが「緑」から「赤」に変化してもよい。なお、事前判定の結果に基づいて最終表示態様として「緑」が選択された場合において、保留中にアイコンが「赤」に変化し、変動開始後に「緑」に変化してもよい。すなわち、保留中又は変動中において、段階的に期待度が上昇するように変化させてもよいし、期待度が下がるように変化させてもよい。
また、保留中に最終表示態様に変化する場合と、変動中に最終表示態様に変化する場合とで、大当たりに対する期待度が違ってもよい。例えば、保留中にアイコンが最終表示態様に変化する場合よりも、変動中にアイコンが最終表示態様に変化する方が大当たりになりやすくてもよい。
より具体的には、図56のステップSC1322において、事前判定の結果に基づいてアイコン(520、521〜524)の最終表示態様が決定される。事前判定の結果、大当たりと判定された場合には、「変動期間での最終変化」が選択されやすく、ハズレと判定された場合には、「保留期間での最終変化」が選択されやすい。「変動期間での最終変化」が選択された場合には、図57に示す保留アイコン更新処理では、最終表示態様よりも前の表示態様を上限として保留アイコンの表示態様が変化される。そして、その保留アイコンに係る特別図柄の変動が開始されると、そのアイコンの表示態様がステップSC1322で決定された最終表示態様に変化する。このように、変動中にアイコンが変化した方が大当たりになりやすくすることで、例えば、保留中に保留アイコンが「緑」に変化した場合よりも、変動開始後に当該保留アイコンが「緑」に変化した方が、遊技者の期待感を高めることができる。
なお、上記とは逆に、変動中にアイコンが最終表示態様に変化する場合よりも、保留中にアイコンが最終表示態様に変化する方が大当たりになりやすくてもよい。
以上のように第2の発明に係る遊技機では、事前判定の結果に基づいてアイコンの最終表示態様が決定され、保留中に最終表示態様に変化させるか、変動中に最終表示態様に変化させるかが選択される。
(第3の発明)
第3の発明に係る遊技機は、始動条件が成立すると、判定情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された判定情報に基づいて、特別遊技を行うか否かの特別遊技判定を行う特別遊技判定手段と、所定の図柄表示手段において、所定の図柄を変動表示させてから停止表示させることにより、前記特別遊技判定の結果を表示する図柄表示制御手段と、前記図柄の変動中に前記判定情報が取得されると、当該判定情報を前記特別遊技判定の権利として保留する保留記憶手段と、前記保留記憶手段に保留された前記特別遊技判定の権利を示す権利画像を画像表示手段の所定の表示領域に表示させる画像表示制御手段と、を備え、前記画像表示制御手段は、前記権利画像を、当該権利画像によって示される前記権利に対応する前記図柄の変動が開始された後も、当該図柄が変動中であることを示す変動中画像として継続して表示する継続表示制御手段と、前記継続表示制御手段によって継続して表示された前記変動中画像によって示される前記特別遊技判定に対応する前記判定情報に基づいて、当該継続して表示された前記変動中画像の表示態様を変化させることが可能な変化表示制御手段と、前記変化表示制御手段によって前記変動中画像の表示態様が変化されることを示唆する示唆演出を行う示唆演出実行手段とを含む。
例えば、第3実施形態において、当該保留アイコン520が変化することを示唆する示唆演出が行われてもよい。図60〜図62は、当該保留アイコン520が変化することを示唆する示唆演出の一例を示す図である。
例えば、図60に示すように、液晶表示器5の画面上に示唆画像56が出現して、当該示唆画像56が画面上を移動して当該保留アイコン520に当たることを示唆する示唆演出が行われる。示唆画像56が当該保留アイコン520に当たると、図61に示すように、当該保留アイコン520の表示態様は変化する。示唆画像56が当該保留アイコン520に当たらなければ、図62に示すように、当該保留アイコン520の表示態様は変化しない。
なお、示唆画像56が当該保留アイコン520に当たらずに、示唆画像56が保留アイコン523等に当たった場合、保留アイコン523の表示態様が変化してもよい。すなわち、示唆画像56を用いた示唆演出は、変動中画像である当該保留アイコン520の表示態様が変化するか否かを示唆する演出であってもよいし、権利画像である保留アイコン523等の表示態様が変化するか否かを示唆する演出であってもよい。
すなわち、保留中であっても変動中であってもアイコン(520、521〜524)が変化することを示唆する示唆演出が行われる場合がある。示唆演出は、図61のように「成功」する(表示態様が変化する)場合もあれば、図62のように「失敗」する(表示態様が変化しない)場合もある。この場合において、保留中よりも変動中の方が示唆演出において失敗し難いように構成されてもよい。例えば、事前判定の結果、大当たりと判定された場合は、保留中に示唆演出が行われる確率は比較的高い値である第1の確率に設定され、示唆演出が行われた場合は成功する確率が高い。また、大当たりの場合は、変動中に示唆演出が行われる確率は第1の確率よりも高い第2の確率に設定され、示唆演出が行われた場合は成功する確率が高い。
より具体的には、事前判定の結果が大当たりである場合、上述のように、ステップSC1322において、アイコンの最終表示態様が決定され、保留中に最終表示態様に変化させるか(保留期間での最終変化)、変動中に最終表示態様に変化させるか(変動期間での最終変化)が選択される。この場合において、「変動期間での最終変化」が選択される確率が「保留期間での最終変化」が選択される確率よりも高い。「変動期間での最終変化」が選択された場合には、変動中に示唆演出が行われる確率が高く、示唆演出が行われるとアイコンは最終表示態様に変化する。一方、事前判定の結果がハズレである場合において、ステップSC1322で「変動期間での最終変化」が選択されたとする。この場合、変動中に示唆演出が行われる確率は、事前判定の結果が大当たりである場合よりも低い。示唆演出が行われなかった場合は、変動中にアイコンが最終表示態様に変化する。このように、大当たりである場合には変動中に示唆演出が行われやすく、示唆演出において成功しやすい。
以上のように、保留中よりも変動中の方が示唆演出において成功する確率が高くなるように構成される。言い換えると、変動中の方が保留中よりも示唆演出において失敗し難い。このため、特別図柄の変動開始後に示唆画像56が出現した場合は、当該保留アイコン520が変化する可能性が高くなり、遊技者を期待させることができる。
なお、上記とは逆に、変動中よりも保留中の方が示唆演出が行われやすくてもよく、変動中よりも保留中の方が示唆演出において成功する確率が高くてもよい。この場合、特別図柄判定の権利が保留されている間に示唆演出が行われやすく、当該示唆演出が成功することによって、その権利に対応する保留アイコンの表示態様が変化する。
図60〜図62に示す示唆画像56を用いた示唆演出は、単なる一例であり、他の演出によって変動中であることを示す当該保留アイコン520が変化することを示唆してもよい。例えば、可動役物7を用いて、示唆演出をおこなってもよい。例えば、当該保留アイコン520が変化することを、図30に示す可動役物7の動作によって示唆してもよい。具体的には、図30に示すように、例えば特別図柄判定の権利の保留を示す保留アイコン521が変化する際に、可動役物7が所定の動作態様で動作するものとする。この場合において、特別図柄の変動中であることを示す当該保留アイコン520が変化する際にも、可動役物7が同様の動作態様で動作してもよい。これにより、当該保留アイコン520が変化することを示唆してもよい。なお、変動中であることを示す当該保留アイコン520が変化する場合と、保留を示す保留アイコン521が変化する場合とで、可動役物7の動作態様が異なってもよい。