JP6219288B2 - マルチコアファイバとシングルモードファイバの光接続器 - Google Patents

マルチコアファイバとシングルモードファイバの光接続器 Download PDF

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Description

本発明は,マルチコアファイバとシングルモードファイバの光接続器に関する。
例えば,国際公開WO2010/038861号パンフレット(特許文献1)及び国際公開WO2010/038863号パンフレット(特許文献2)には,マルチコアファイバが開示されている。
マルチコアファイバを伝送路として用い,通信を行うためには,マルチコアファイバとシングルモードファイバとを接続するための光接続器が必要となる。
非特許文献1には,バンドルファイバをテーパ状に引き延ばし,7コアのマルチコアファイバとシングルモードファイバを結合させる技術が開示されている。この技術は,複数本のシングルモードファイバを束ねて引き延ばし,マルチコアファイバと融着接合するものである。
国際公開WO2010/038861号パンフレット 国際公開WO2010/038863号パンフレット
B.Zhu,et.al"Space−,Wavelength−,Polarization−Division Multiplexed Transmission of 56−Tb/s over a 76.8−km Seven−Core Fiber,"in Optical Fiber Communication Conference, OSA Technical Digest (CD)(Optical Society of America, 2011), paper PDPB7.
例えば,非特許文献1に開示された方法は,マルチコアファイバとシングルモードファイバのコアをサブミクロンオーダーであわせる必要が生ずる。このため,この方法は,マルチコアファイバとシングルモードファイバとを光学的に接続するために極めて高い加工精度が必要である。
また,非特許文献1に開示された方法は,マルチコアファイバとシングルモードファイバを接続するため接着剤を用いる。このため,この方法で光学的な光接続器を得ても,ハイパワーな光を用いて通信を行う用途に用いることができない。また,接着剤の経時劣化に対する対処も考慮しなければならない。さらに,この方法は,複数本のシングルモードファイバを束ねて引き延ばすため,ファイバの強度が損なわれるという問題もある。
そこで,本発明は,高い加工精度を必要とせず,ハイパワーな入力光にも対応でき,しかも十分な強度を有するマルチコアファイバとシングルモードファイバの光接続器を提供することを目的とする。
本発明は,基本的には,マルチコアファイバの端面をひとつのレンズ系の焦点付近に配置し,さらに屋根型プリズム,レンズアレイを配置することで,マルチコアファイバの各コアからの出射光をコリメート光として放出でき,これによりそれぞれのコア由来の光を対応するシングルモードファイバのコアへ導くことができるという知見に基づく。一般的に,マルチコアファイバの直径は,複数のシングルモードファイバの集合体の直径よりも小さい。本発明の光接続器は,各マルチコアファイバコアからの光束間隔を広げて分離させ,対応するシングルモードファイバへと導くことができる。
本発明は,マルチコアファイバとシングルモードファイバの光接続器に関する。この光接続器は,第1のレンズ15と,第2のレンズ17と,レンズアレイ19と,を有する。光接続器は,マルチコアファイバの各コアからの光を対応するシングルモードファイバへと導くことができる。
マルチコアファイバ11に含まれる複数のコア13a,13bからの出射光が第1のレンズ15へ入射する。そして,第1のレンズ15からの出射光が第2のレンズ17へ入射する。第2のレンズ17からの出射光がレンズアレイ19へ入射する。レンズアレイ19に含まれる構成レンズ21a,21b,21cからの出射光が対応するシングルモードファイバ23a,23b,23cへ入射する。このようにして,本発明の光接続器は,マルチコアファイバとシングルモードファイバとを光学的に接続できる。
本発明の光接続器は,上記のような光学素子により構成される。このため,任意の方向の入射光と任意の方向の出射光を取り扱うことができる。また,光路中に接着剤や樹脂材料を含まないため,ハイパワーな光も取り扱うことができる。
本発明の光接続器の好ましい態様は,マルチコアファイバ11の端面12が,第1のレンズ15の焦点位置に配置されるものである。
本発明の光接続器の好ましい態様は,第2のレンズ17が,第1のレンズ15から放射状に出射された出射光を入射させることができる位置に設置されるものである。そして,第2のレンズ17は,マルチコアファイバ11に含まれる複数のコア13a,13bからの複数の光をコリメート光として出射する。この態様の光接続器は,例えば,マルチコアファイバの外周コアからの光を第2のレンズ17の軸外部分を経由させることで,マルチコアファイバからの光の間隔を拡大させ,ピッチ間隔の広いシングルモードファイバへ光を伝播することができる。
本発明の光接続器の好ましい態様は,第2のレンズ17が屋根型プリズムである。
本発明の光接続器の好ましい態様は,構成レンズ21a,21b,21cが,複数のコア13a,13bのいずれかからの光が入射するものである。
本発明の第2の側面は,上記したいずれかの光接続器を含む光通信システムに関する。この光通信システムは,上記したいずれかの光接続器と,マルチコアファイバ11及びシングルモードファイバ23a,23b,23cを有する。
本発明の光接続器は,光学素子により構成することができるため,高い加工精度を必要とせず,ハイパワーな入力光にも対応でき,しかも十分な強度を有するマルチコアファイバとシングルモードファイバの光接続器を提供できる。
図1は,本発明の要素を説明するための概念図である。 図2(a)は,7芯のマルチコアファイバの断面例を示す図である。図2(b)は,19芯のマルチコアファイバの断面例を示す図である。 図3は,実施例における光接続器の要素を示す概念図である。
図1は,本発明の要素を説明するための概念図である。図1に示されるように,本発明のマルチコアファイバとシングルモードファイバの光接続器(本発明の光接続器)は,第1のレンズ15と,第2のレンズ17と,レンズアレイ19と,を有する。
マルチコアファイバ11に含まれる複数のコア13a,13bからの出射光が第1のレンズ15へ入射する。そして,第1のレンズ15からの出射光が第2のレンズ17へ入射する。第2のレンズ17からの出射光がレンズアレイ19へ入射する。レンズアレイ19に含まれる構成レンズ21a,21b,21cからの出射光が対応するシングルモードファイバ23a,23b,23cへ入射する。このようにして,本発明の光接続器は,マルチコアファイバとシングルモードファイバとを光学的に接続できる。
マルチコアファイバとシングルモードファイバの光接続器とは,複数のコアを有するマルチコアファイバからの出力光を,それぞれのコアに対応したシングルモードファイバへと伝えることができる光接続器を意味する。本発明の好ましい例は,マルチコアファイバのコア数がn個の場合,マルチコアファイバからの光をn個のシングルモードファイバ群へと伝えるものである。シングルモードファイバ群は1つの被覆内部に存在する複数のコア及びクラッドにより構成されても良いし,シングルモードファイバを複数本束ねたものであっても良い。
マルチコアファイバ11は,先に説明した特許文献や非特許文献に開示されるとおり,ひとつのファイバ内に複数のコアを含む光ファイバである。マルチコアファイバ11の例は,中心コアと中心コアの周囲に存在する1又は複数のコアを有するファイバである。マルチコアファイバ11は,必ずしも中心にコアが存在するものでなくてもよい。たとえば,本発明のマルチコアファイバは,2から4つ(又はそれ以上)のコアが対称的に並べられたコアを有するマルチコアファイバであってもよい。
図2(a)は,7芯のマルチコアファイバの断面例を示す図である。図2(b)は,19芯のマルチコアファイバの断面例を示す図である。図中13aは中心コアを示し,13bは周囲コアを示す。中心コアは,マルチコアファイバの中心位置に存在するコアを意味する。コア間の距離は,例えば20μm以上60μm以下である。コア間の距離とは,コアの中心から隣接するコアの中心までの距離を意味する。
第1のレンズ15の例は,凸レンズである。第1のレンズが凸レンズであればマルチコアファイバから出射した光束の間隔を拡散させる(光束の径を広げる)ことができる。
本発明の光接続器の好ましい態様は,マルチコアファイバ11の端面12が,第1のレンズ15の焦点位置に配置されるものである。特に,マルチコアファイバの中心コア13aが第1のレンズ15の焦点位置に配置されるものが好ましい。
第2のレンズ17は,第1のレンズ15からの出射光が入射するレンズである。このため,第2のレンズ17は,第1のレンズ15から放射状に出射された出射光を入射させることができる位置に設置される。第2のレンズ17は,第1のレンズ15により径が広められた光束の径がシングルモードファイバの束の径以上に広がらないようにするためのレンズである。
この態様の光接続器は,例えば,マルチコアファイバの外周コアからの光を第2のレンズ17の軸外部分を経由させることで,マルチコアファイバからの光の間隔を拡大させ,ピッチ間隔の広いシングルモードファイバへ光を伝播することができる。
第2のレンズ17の例は,屋根型プリズム(台形プリズム)である。屋根型プリズムは例えば特開2010-256929号公報に開示されたとおり公知である。例えば,屋根型プリズムの屋根部分(頂点部分)に対応する位置18aに,マルチコアファイバの中心コア13aからの光が入射する。一方,マルチコアファイバの周囲コア13bからの光は,屋根型プリズムの屋根のうち斜め部分18bへ入射する。このようにして,この場合,第2のレンズ17は,マルチコアファイバ11に含まれる複数のコア13a,13bからの複数のコリメート光を平行に配列した光として出射することができる。
レンズアレイ19は,屋根型プリズムなどの第2のレンズ17からの出射光を対応するシングルモードファイバ23a,23b,23cへ集光する。このレンズアレイ19を構成する構成レンズ21a,21b,21cは,それぞれが凸レンズであってもよい。構成レンズ21a,21b,21cへは,例えば,複数のコア13a,13bのいずれかからの光が入射する。
構成レンズ21a,21b,21cの焦点位置に,それぞれの構成レンズ21a,21b,21cに対応したシングルモードファイバ(のコア)が配置されるものが好ましい。構成レンズ21a,21b,21cにより,各コア13a,13bに由来するそれぞれの光の径を小さくすることができる。
本発明の第2の側面は,上記したいずれかの光接続器を含む光通信システムに関する。この光通信システムは,上記したいずれかの光接続器と,マルチコアファイバ11及びシングルモードファイバ23a,23b,23cを有する。この光通信システムは,通常の光通信システムが有する要素を適宜有すればよい。すると,通常の光通信システムと同様,送信局から送信される情報を,マルチコアファイバとシングルモードファイバを介して,受信局へ送信することができる。
図3は,本発明の実施例を示す図であり,31はマルチコアファイバ,311はセンターコア,312はアウターコア,32は単一レンズ系,33は屋根型プリズム,34はレンズアレイ,35はシングルモードファイバアレイ,351はシングルモードファイバを示す。レンズ系32の光軸に平行かつ,その前側焦点位置に置かれたマルチコアファイバ31のセンターコア311からの出射光は,レンズ系32によりコリメートされ,レンズ系32の光軸と同軸で進む。このコリメート光は,プリズム33の中央を通り,レンズアレイ34の中心のレンズへ入射され,シングルモードファイバアレイ35の中心のシングルモードファイバ351へ入力される。一方,アウターコア312からの出射光は,レンズ系32により後側焦点を通るコリメート光として出射され,プリズム33のウェッジ部へ入射する。このウェッジ角度は,入射するコリメート光透過後に,レンズアレイの光軸と平行になるような角度に研磨されており,コリメート光はレンズアレイ34の外周のレンズへ入射し,シングルモードファイバアレイの外周のシングルモードファイバ352へ入射される。
ここで,本実施例の具体例を示す。マルチコアファイバ31は,コア同士の間隔が45μmで,コア数が7つ,モードフィールド径(MFD)10μm(@1550nm)のものを使用し,レンズ32は,軸外の収差の少ない,焦点距離1.12mmの非球面レンズを用いた。レンズ32から放射状に出力されるコリメート光の出射角度θは,式d=f×tanθ(レンズ32の焦点距離:f,マルチコアファイバのコア間隔:d)に従うため,θ=2.3度である。この出射角度を,プリズム33にてレンズアレイ34の光軸に平行とするための,プリズム33のウェッジ角度は,スネルの法則により計算でき,4.47°である。なお,プリズムの材質は,波長1550nm帯にて吸収がほとんどない,BK7とした。レンズアレイ34,及びファイバアレイ35のアレイ間隔は,500μmとした。また,レンズアレイ34の焦点距離は,シングルモードファイバのMDFが,マルチコアファイバのMDFと同等であるため,1.12mmとした。
本発明は,光学機器及び光情報通信の分野で利用されうる。
11 マルチコアファイバ
13a,13b マルチコアファイバのコア
15 第1のレンズ
17 第2のレンズ
19 レンズアレイ
21a,21b,21c 構成レンズ
23a,23b,23c シングルモードファイバ

Claims (5)

  1. 中心コア(13a)とその周囲に位置する複数の周囲コア(13b)とを有するマルチコアファイバからの出力光を,それぞれのコアに対応したシングルモードファイバへと伝えるための光接続器であって,
    前記マルチコアファイバ(11)に含まれる中心コア(13a)及び複数の周囲コア(13b)からの出射光が入射する第1のレンズ(15)と,
    前記第1のレンズ(15)からの出射光が入射する第2のレンズ(17)と,
    前記第2のレンズ(17)からの出射光が入射するレンズアレイ(19)と,を有し,
    前記第2のレンズ(17)は,前記中心コア(13a)からの光が入射する平坦な頂点部分(18a)と,前記複数の周囲コア(13b)からの光が入射する複数の斜め部分(18b)とを有し,前記複数の周囲コア(13b)からの光を前記中心コア(13a)からの光と平行に配列して射出するものであり,
    前記レンズアレイ(19)は,前記第2のレンズ(17)の頂点部分(18a)からの光を対応するシングルコアファイバ(23a)に集光する構成レンズ(21a)と,前記第2のレンズ(17)の複数の斜め部分(18b)からの光を対応するシングルコアファイバ(23b,21c)に集光する複数の構成レンズ(21b,21c)とを有し,
    前記レンズアレイ(19)に含まれる構成レンズ(21a,21b,21c)からの出射光が対応するシングルモードファイバ(23a,23b,23c)へ入射することで,マルチコアファイバとシングルモードファイバとを光学的に接続できる,
    マルチコアファイバとシングルモードファイバの光接続器。
  2. 請求項1に記載のマルチコアファイバとシングルモードファイバの光接続器であって,
    前記マルチコアファイバ(11)の端面(12)は,前記第1のレンズ(15)の焦点位置に配置される,
    光接続器。
  3. 請求項1に記載のマルチコアファイバとシングルモードファイバの光接続器であって,
    前記第2のレンズ(17)は,前記第1のレンズ(15)から放射状に出射された出射光を入射させることができる位置に設置され,前記マルチコアファイバ(11)に含まれる複数のコア(13a,13b)からの複数の光をコリメート光として出射する,
    光接続器。
  4. 請求項1に記載のマルチコアファイバとシングルモードファイバの光接続器であって,
    前記マルチコアファイバ(11)は,中心位置に存在する1つの中心コア(13a)と,その周囲に位置する6つの周囲コア(13b)とを有する7芯のマルチコアファイバであるか,若しくは中心位置に存在する1つの中心コア(13a)と,その周囲に位置する6つの周囲コア(13b)と,さらにそれらの周囲に位置する12個の周囲コア(13b)とを有する19芯のマルチコアファイバである
    光結合器。
  5. 請求項1に記載のマルチコアファイバとシングルモードファイバの光接続器を有する光通信システムであって,
    前記光接続器に接続されるマルチコアファイバ(11)と,
    前記光接続器に接続されるシングルモードファイバ(23a,23b,23c)と,を更に有する,
    光通信システム。
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