JP6219126B2 - 閉鎖系水域の濾過システム及びそれを用いた閉鎖系水域の濾過方法 - Google Patents

閉鎖系水域の濾過システム及びそれを用いた閉鎖系水域の濾過方法 Download PDF

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Description

本発明は、水槽、生け簀、池等の閉鎖系水域内の水を濾過するための閉鎖系水域の濾過システム及びそれを用いた閉鎖系水域の濾過方法に係り、より詳しくは、簡単な構成で、閉鎖系水域内の水の濾過を行うことを可能にした閉鎖系水域の濾過システム及びそれを用いた閉鎖系水域の濾過方法に関する。
一般的に観賞魚類等は、人間に憩いを与えるために水槽、生け簀、池等で飼育されるものであるが、このように、水槽、生け簀、池等の閉鎖系水域で観賞魚類等を飼育する場合には、残餌や魚の排泄物等に由来して発生する毒性の強いアンモニアを毒性の弱い硝酸に変換するための濾過装置が必要である。
即ち、閉鎖系水域で観賞魚類等を飼育する場合には、残餌や魚の排泄物等に由来してアンモニア態窒素が発生するが、このアンモニア態窒素は毒性が強いため、飼育している観賞魚類等の死滅等を防止するためには、このアンモニア態窒素の蓄積は許されない。そのため、従来から一般的に、閉鎖系水域で観賞魚類等を飼育する場合には、生物濾過と呼ばれる好気性細菌による処理により、残餌や魚の排泄物等に由来して発生するアンモニア態窒素を、毒性の弱い硝酸態窒素にまで酸化(「硝化」)している。
そして、このような、閉鎖系水域内で発生するアンモニア態窒素を毒性の弱い硝酸態窒素にまで酸化する方法としては、好気性細菌を付着させた珊瑚砂等を収容した着床部を備えた硝化槽を用いて、ポンプによって、閉鎖系水域内の水を、硝化槽に取り込むとともに着床部を通過させ、これにより、水が着床部を通過する過程で、水に含まれるアンモニア等の有毒物質を、好気性細菌によって硝化させて毒性の弱い硝酸態窒素にまで変化させる方法が一般的に採用されており、これにより、閉鎖系水域内の水質が悪化して観賞魚類等が死滅等してしまうことを防止することが可能である。
しかしながら、前述したような硝化槽のみを用いて閉鎖系水域内の水の濾過を行っている場合には、定期的な水替えを行わなければ、閉鎖系水域槽内の観賞魚類等の死滅等を完全に防止することは不可能である。即ち、硝化槽の存在によって、閉鎖系水域内の水に含まれるアンモニア等の有毒物質を毒性の弱い硝酸態窒素にまで硝化させることはできるが、この硝酸態窒素もまた、過剰に蓄積されて濃度が高くなると弊害が生じるため、硝酸態窒素の濃度が許容範囲を超えた場合には換水しなければならない。
そのため、本発明者は過去において、閉鎖系水域で魚介類を飼育する場合において、換水すること無く閉鎖系水域内の硝酸濃度の上昇を完全に抑えることを可能にした自動脱窒システムを提案した。
即ち、この自動脱窒システムでは、通性嫌気性細菌である脱窒菌を着床させた脱窒部を具備した脱窒循環槽を備えており、硝化槽においてアンモニア等の有毒物質を毒性の弱い硝酸態窒素にまで硝化した水を脱窒循環槽内で循環させることで、水に含まれる硝酸を還元して窒素ガスにまで変換可能とし、これにより、換水によって対応すること無く、硝酸濃度を低い値で一定に保つことを可能としている。
特許第5198532号公報 特許第4602446号公報
しかしながら、前述の従来の自動脱窒システムでは、脱窒が完了した水を閉鎖系水域に戻すこととしているとともに、脱窒が完了した水を閉鎖系水域に戻すための押出手段を備えて構成されていたために、システム全体の構成が複雑にならざるを得ず、それにより、製造コストも上がってしまうという問題点を指摘することが可能である。
そこで、本発明は、特に観賞魚用の閉鎖系水域の濾過システムにおいて、構造を簡素化することで製造コストを抑えることも可能にした閉鎖系水域の濾過システムを提供することを課題としている。
本発明の閉鎖系水域の濾過システムは、
水槽、生け簀、池等の閉鎖系水域内の水を濾過するための閉鎖系水域の濾過システムであって、
閉鎖系水域内の水を取り込んで、取り込んだ水に含まれるアンモニア態窒素を好気性細菌によって硝化するための硝化槽と、
該硝化槽においてアンモニア態窒素が硝酸態窒素にまで硝化された水を取り込んで、取り込んだ水に含まれる硝酸態素を還元して窒素ガスにまで変換するための脱窒循環槽と、
閉鎖系水域内の水を前記硝化槽に供給するためのメイン供給路と、
前記硝化槽内においてアンモニア態窒素が硝酸態窒素にまで硝化された水を前記閉鎖系水域に戻すためのメイン循環路と、
前記メイン供給路を介して前記閉鎖系水域内の水を前記硝化槽に取り込むとともに、前記メイン循環路を介して前記硝化槽内の水を前記閉鎖系水域に戻すために用いられるメインポンプと、
前記硝化槽においてアンモニア態窒素が硝酸態窒素にまで硝化された水の一部を前記脱窒循環槽に供給するための脱窒用供給路と、
該脱窒用供給路を介して前記硝化槽内の水の一部を前記脱窒循環槽に供給するために用いられる脱窒用供給ポンプと、
前記脱窒循環槽内において脱窒が完了した水を前記硝化槽に戻すためのオーバーフロー管と、を具備して、
前記脱窒循環槽は、
通性嫌気性細菌を着床させるための脱窒部を備え、前記硝化槽から供給された水を取り込むとともに取り込んだ水を通過させることにより、水に含まれる硝酸を還元して窒素ガスにまで変換するための脱窒エリアと、
該脱窒エリアを通過した水を再び脱窒エリアに循環するための脱窒循環エリアと、
前記脱窒循環槽の内部を脱窒エリアと脱窒循環エリアに仕切るとともに、前記脱窒部よりも下方で前記脱窒エリアと脱窒循環エリアを連通した中仕切りと、
前記脱窒循環エリア内の水を前記脱窒エリアに循環させるための脱窒用循環路と、
該脱窒用循環路を介して前記脱窒循環エリア内の水を前記脱窒エリアに循環させるために用いられる循環用ポンプと、を具備し、
前記中仕切りの上端よりも低い位置を設定水位として設定するとともに、前記オーバーフロー管の基端部を前記脱窒循環エリアにおいて前記設定水位と同程度の位置に配置し、オーバーフロー管の先端部は前記基端部よりも下位において前記硝化槽内に配置して、
前記メインポンプを駆動することで、前記メイン供給路を介して前記閉鎖系水域内の水の一部を硝化槽に取り込んで、取り込んだ水に含まれるアンモニア態窒素を好気性細菌によって硝化し、前記メイン循環路を介して前記硝化槽内の水を前記閉鎖系水域に戻すとともに、
前記脱窒用供給ポンプを予め設定した時間だけ駆動することで、前記脱窒用供給路を介して、前記硝化槽においてアンモニア態窒素が硝酸態窒素にまで硝化された水の一部を、前記脱窒エリアに供給して脱窒循環槽に取り込み、
前記循環用ポンプを駆動することで、前記脱窒循環槽に取り込んだ水を、脱窒部を通過させながら脱窒循環エリアと脱窒エリア間で循環することで、脱窒部に着床させた通性嫌気性細菌によって、脱窒循環槽内に取り込んだ水に含まれる硝酸を還元して窒素ガスにまで変換し、
前記脱窒循環槽に取り込んだ水に含まれる硝酸の還元が完了した後に、前記脱窒用供給ポンプを予め設定した時間だけ駆動することで、前記脱窒用供給路を介して、前記硝化槽においてアンモニア態窒素が硝酸態窒素にまで硝化された水を、
前記脱窒エリアに供給して脱窒循環槽に取り込むとともに、前記脱窒循環槽内の水を、前記オーバーフロー管によって前記硝化槽まで戻し、更にそれとともに、前記循環用ポンプの駆動を継続することで、脱窒が完了した水を脱窒エリアに循環させる、ことを特徴としている。
本発明の閉鎖系水域の濾過システムでは、閉鎖系水域内の水を取り込み、この取り込んだ水に含まれるアンモニア態窒素を好気性細菌によって硝化するための硝化槽と、この硝化槽においてアンモニア態窒素が硝酸態窒素にまで硝化された水を取り込んで、取り込んだ水に含まれる硝酸態素を還元して窒素ガスにまで変換するための脱窒循環槽を有しており、脱窒循環槽において脱窒が完了した水は、脱窒循環槽に次の脱窒処理のための水を供給することで、オーバーフローによって硝化槽に戻し、その後に硝化槽から閉鎖系水域に戻すこととしている。
従って、脱窒が完了した水を直接閉鎖系水域に戻すこととしている従来の自動脱窒システムと異なり、脱窒が完了した水を閉鎖系水域に戻すための押出手段が不要であるために、システム全体の構成を簡素化することができ、それにより、製造コストを抑えることが可能である。
本発明の閉鎖系水域の濾過システムの実施例のシステム全体を説明するためのイメージ図である。
本発明の閉鎖系水域の濾過システムは硝化槽を有しており、この硝化槽は、閉鎖系水域内の水を取り込み、取り込んだ水に含まれるアンモニア態窒素を好気性細菌によって硝化するために用いられる。
また、本発明の閉鎖系水域の濾過システムでは脱窒循環槽を有しており、この脱窒循環槽は、前記硝化槽においてアンモニア態窒素が硝酸態窒素にまで硝化された水を取り込んで、この取り込んだ水に含まれる硝酸態素を還元して窒素ガスにまで変換するために用いられている。
更に、本発明の閉鎖系水域の濾過システムでは、閉鎖系水域内の水を硝化槽に供給するためのメイン供給路と、硝化槽内においてアンモニア態窒素が硝酸態窒素にまで硝化された水を閉鎖系水域に戻すためのメイン循環路を具備するとともに、メイン供給路を介して閉鎖系水域内の水を硝化槽に取り込むとともに、メイン循環路を介して硝化槽内の水を閉鎖系水域に戻すために用いられるメインポンプを有している。
更にまた、本発明の閉鎖系水域の濾過システムでは、硝化槽においてアンモニア態窒素が硝酸態窒素にまで硝化された水の一部を脱窒循環槽に供給するための脱窒用供給路を具備するとともに、この脱窒用供給路を介して硝化槽内の水の一部を脱窒循環槽に供給するために用いられる脱窒用供給ポンプを具備し、更に、脱窒循環槽内において脱窒が完了した水を硝化槽に戻すためのオーバーフロー管を具備している。
そして、脱窒循環槽は、中仕切りによって脱窒エリアと脱窒循環エリアとに仕切られており、脱窒エリアは、通性嫌気性細菌を着床させるための脱窒部を備え、硝化槽から供給された水を取り込むとともに、この取り込んだ水を通過させることにより、前記通性嫌気性細菌によって、水に含まれる硝酸を還元して窒素ガスにまで変換するためのエリアとしている。
また、中仕切りは、脱窒部よりも下方で、脱窒エリアと脱窒循環エリアを連通しており、脱窒循環エリアは、脱窒エリアを通過した水を再び脱窒エリアに循環するために用いられ、そのために、脱窒循環エリアは、脱窒用循環路と循環用ポンプを具備している。
更に、本発明の閉鎖系水域の濾過システムでは、中仕切りの上端よりも低い位置を設定水位にするとともに、オーバーフロー管の基端部を循環エリアにおいて設定水位と同程度の位置に配置して、オーバーフロー管の先端部は、基端部よりも下位において、硝化槽内に配置している。
ここで、メイン循環路に脱窒供給路を連結するとともに、脱窒供給路に電磁弁を介在することで、脱窒用供給ポンプをメインポンプで兼用し、脱窒用供給ポンプの駆動の代わりに、電磁弁を予め設定した時間だけ開放することで、硝化槽においてアンモニア態窒素が硝酸態窒素にまで硝化された水の一部を脱窒循環槽に供給して脱窒循環槽に取り込むことにするとよく、これにより、構成をより簡素化することが可能である。
また、循環路の途上に閉鎖系水域内の水の温度調節を行うクーラーを介在するとよく、これにより、水槽等の閉鎖系水域内の水の水温を観賞魚類等にとって最適な温度に維持することが可能である。
そして、このような構成において閉鎖系水域内の水の濾過を行う場合には、まず、メインポンプを駆動するとともにこの駆動を継続することで、メイン供給路を介して閉鎖系水域内の水の一部を硝化槽に取り込み、この取り込んだ水に含まれるアンモニア態窒素を硝化槽内において好気性細菌によって硝化し、その後、硝化槽内で硝化が完了した水を、メイン循環路を介して閉鎖系水域に戻すとともに、この循環を繰り返す。
一方、硝化槽を介して閉鎖系水域内の水の循環を行うことで、硝化槽に取り込んだ水に含まれるアンモニア態窒素を好気性細菌によって硝化する過程において、脱窒用供給ポンプを予め設定した時間だけ駆動することで、脱窒用供給路を介して、硝化槽においてアンモニア態窒素が硝酸態窒素にまで硝化された水の一部を、脱窒エリアに供給して脱窒循環槽に取り込む。
そしてその後に、循環用ポンプを駆動することで、脱窒循環槽に取り込んだ水を、脱窒部を通過させながら脱窒循環エリアと脱窒エリア間で繰り返し循環させることで、脱窒部に着床させた通性嫌気性細菌によって、脱窒循環槽内に取り込んだ水に含まれる硝酸を還元して窒素ガスにまで変換する。
そして、脱窒循環槽に取り込んだ水の脱窒循環エリアと脱窒エリア間での循環の繰り返しによって、脱窒循環槽に取り込んだ水に含まれる硝酸の還元が完了した後に、脱窒用供給ポンプを予め設定した時間だけ駆動することで、脱窒用供給路を介して、硝化槽においてアンモニア態窒素が硝酸態窒素にまで硝化された水を、脱窒エリアに供給して脱窒循環槽に取り込むとともに、それにより、脱窒循環槽内の水を、オーバーフロー管によって硝化槽まで戻し、更に、それとともに、循環用ポンプの駆動を継続することで、脱窒が完了した水を脱窒エリアに循環させる。
本発明の閉鎖系水域の濾過システム(以下単に「濾過システム」という。)の実施例について図面を参照して説明すると、図1は本実施例の濾過システムの全体を説明するためのイメージ図であり、図において点線で示す1が本実施例の濾過システムの部分である。また、図1において2は、閉鎖系水域としての水槽であり、本実施例において前記水槽2は、観賞魚類等用の水槽としている。更に、図において3は、前記水槽2内の水(以下「水槽水」という。)を本実施例の濾過システムに供給するためのメイン供給路であり、図において4は、本実施例の濾過システムにおいて濾過された水槽水を水槽2に戻すためのメイン循環路である。
次に、図において5は硝化槽である。即ち、本実施例の濾過システム1では水槽水を生物濾過するための硝化槽5を有しており、この硝化槽5は、前記メイン供給路3によって、前記水槽2と通じている。具体的には、前記メイン供給路3は、基端側は前記水槽2内で開口とされ、先端部分は硝化槽5の上部近傍で硝化槽5に向けて開口しており、これにより、前記水槽2内の水槽水を硝化槽に取り込むことを可能にしている。
ここで、前記硝化槽5について説明すると、本実施例において前記硝化槽5は、箱型としており、中仕切り6によって、内部を、硝化エリア7と循環エリア8に分けられている。そして、前記メイン供給路3の先端部は硝化エリア7の上方部分に位置しており、これにより、前記水槽2内の水は硝化エリア7に取り込むこととしている。
また、前記硝化エリア7には、珊瑚砂等の濾材を収容した着床部9を備えており、この前記珊瑚砂等の濾材に、好気性細菌を付着させている。そしてこれにより、メイン供給路3を介して硝化エリア7に取り込んだ水槽水が着床部9を通過することで、着床部9に備えた好気性細菌によって、水槽水に存在する、残餌や魚の排泄物に由来して発生するアンモニア態窒素を毒性の弱い硝酸態窒素にまで酸化することを可能としている。
また、本実施例においては、前記硝化槽5の設定水位25は前記中仕切り6の上端部よりも低くするとともに、中仕切り6の下端部は硝化槽5の底との間に空間26を形成しており、これにより、前記硝化エリア7と循環エリア8は着床部9の下方部分で連通し、硝化エリア7に取り込んだ水槽水は、着床部9を通過することでアンモニア態窒素が硝酸態窒素にまで酸化された後は、前記空間26を通って循環エリア8に移動することとしている。
そして、前記循環エリア8内の底部分にはメインポンプが配置してあるとともに、このメインポンプには先端側を水槽2内に配置したメイン循環路が連結されており、これにより、循環エリア8内の水槽水を水槽2に戻すことを可能にしている。
即ち、図において10がメインポンプであり、このメインポンプ10にはメイン循環路4の基端部が連結されている。また、前記メイン循環路4の途上にはクーラー12が介在されており、これにより、メインポンプ10を駆動することで、循環エリア8内の水槽水を、クーラー12において水温を調節した後に水槽2に戻すこととしている。
そしてそれとともに、メインポンプ10の駆動によって、前記メイン供給路3を介して、前記水槽2内の水槽水を硝化槽5内に取り込み、この取り込んだ水槽水が着床部9を通過することで、水槽水に含まれるアンモニア態窒素を硝酸態窒素にまで酸化し、このアンモニア態窒素が硝酸態窒素にまで酸化された水は、前記空間26を通って循環エリア8に移動することとしている。即ち、本実施例においては、前記メインポンプ10の駆動によって、前記水槽2内の水槽水は、メイン供給路3、硝化槽5、メイン循環路4及びクーラー12を介して循環し、これにより、水槽水に含まれるアンモニア態窒素を硝酸窒素にまで硝化するとともに、水温を適温に調節している。
次に、図において13は脱窒循環槽である。即ち、本実施例の濾過システム1では脱窒循環槽13を具備しており、前記硝化槽5においてアンモニア態窒素が硝酸態窒素にまで硝化された水槽水の一部を脱窒循環槽13に取り込み、この脱窒循環槽13において、取り込んだ水に含まれる硝酸態素を還元して窒素ガスにまで変換することとしている。
ここで、前記脱窒循環槽13について説明すると、本実施例において前記脱窒循環槽13は、中仕切り14によって、内部を脱窒エリア15と脱窒循環エリア16に仕切っている。そして、前記中仕切り14の下端部と脱窒循環槽13の底との間には空間23を形成しており、これにより前記脱窒エリア15と脱窒循環エリア16は下方部分で連通し、脱窒エリア15において、脱窒装置13内に取り込んだ水の脱窒を行い、循環エリア16は、脱窒エリア15を通過した水を再び脱窒エリア15に循環するために用いられる。
即ち、嫌気的な条件の下で通性嫌気性細菌である脱窒菌が硝酸呼吸をし、それにより硝酸を還元して窒素ガスにする作用を脱窒というが、本実施例において前記脱窒エリア15は、通性嫌気性細菌である脱窒菌を着床させた濾材を収容した脱窒部17を備えており、硝化槽5から供給された水槽水を取り込むとともに、この取り込んだ水槽水が脱窒部17を通過することにより、脱窒菌が水槽水に含まれる硝酸を還元して窒素ガスにまで変換することが可能である。
そして、前記脱窒エリア15と硝化槽5における循環エリア8は脱窒用供給路によって連通しており、これにより、硝化槽5における硝化エリア7でアンモニア態窒素が硝化体窒素にまで硝化されて循環エリア8に移動した水槽水の一部を、脱窒循環槽13における脱窒エリア15に取り込むことを可能にしている。
即ち、図において18が脱窒用供給路であり、本実施例において前記脱窒用供給路18は、先端部は前記脱窒エリア15内に配置しており、基端部は前記メイン循環路4に連結されており、これにより、メイン循環路4を介して、前記脱窒用供給路18は前記硝化槽5の循環エリア8に通じているとともに、脱窒用供給路18の途上には電磁弁19が配置されている。
そして、この構成により、メインポンプ10が駆動することで水槽2内の水槽水がメイン供給路3、硝化槽5、メイン循環路4及びクーラー12を介して循環している状態で、前記電磁弁19を開くことにより、メイン循環路4を介して硝化槽5から水槽2へ循環する水槽水の一部を、脱窒用供給路18を介して脱窒循環槽13の脱窒エリア15に供給することができ、一方、電磁弁19を閉じることで、脱窒循環槽13の脱窒エリア15への水槽水の供給を停止することが可能である。即ち、本実施例においては、メインポンプ10を、脱窒循環槽13に水槽水を供給するための脱窒用の供給ポンプと兼用し、これにより、システム全体の構成をより簡素化している。但し、必ずしもメインポンプ10と脱窒用の供給ポンプを兼用する必要は無く、脱窒用供給路18の基端部を硝化槽5における循環エリア8内に配置するとともに、脱窒用供給路18の基端部に脱窒用の供給ポンプを連結し、更に電磁弁19を脱窒用供給路18に介在しない構成にして、脱窒用の供給ポンプを駆動し、あるいは駆動を停止することで、脱窒用供給路18を介して硝化槽5における循環エリア8内の水槽水の一部を脱窒循環槽13の脱窒エリア15に供給し、あるいは供給を停止することとしてもよい。
次に、図において、前記中仕切り14の下端部と脱窒循環槽13の底間の空間23は、前記脱窒部17の位置よりも下方側とされており、これにより、前記脱窒部17よりも下方で、前記脱窒エリア15と脱窒循環エリア16は連通し、脱窒部17を通過した水槽水が脱窒循環エリア16に移動することとしている。
一方、前記脱窒循環エリア15の下方部分には循環用ポンプ21が配置され、この循環用ポンプ21には、脱窒用循環路22の基端部が連結され、脱窒用循環路22の先端は、前記中仕切り14の上方部分を貫通して前記脱窒エリア15の上方部分に通じている。
そしてこれにより、循環用ポンプ21を駆動することで、脱窒部17を通過して脱窒循環エリア16に移動してきた水槽水を、再び脱窒エリア15に循環させることを可能にしている。そのため、本実施例の脱窒循環槽13では、前記電磁弁19を閉じることで脱窒循環槽13の脱窒エリア15への水槽水の供給を停止した状態で、循環用ポンプ21の駆動を継続して、脱窒循環槽13に取り込んだ水槽水を脱窒エリア15と脱窒循環エリア16間で循環させることで、脱窒循環槽13に取り込んだ水槽水に含まれる硝酸を、ほぼ完全になくすことが可能である。
即ち、脱窒循環槽13に硝化槽5内の水槽水が取り込まれた当初は取り込んだ水槽水内には溶存酸素が含まれているが、硝化槽5内の水槽水の取り込みを停止した状態で、脱窒循環槽13に取り込んだ水槽水を脱窒エリア15と脱窒循環エリア16間で循環させると、脱窒循環槽13内には新たな水槽水が供給されないために、循環させている水槽水に含まれる溶存酸素は、通性嫌気性細菌である脱窒菌による酸素呼吸によって枯渇し、これにより循環している水槽水は嫌気化する。そうすると、脱窒菌は硝酸呼吸を行い始め、それによって、循環している水槽水の脱窒が行われて、時間の経過によって、脱窒循環槽13に取り込んだ水槽水に含まれる硝酸をほぼ完全になくすことが可能となる。
次に、図において24は、前記脱窒循環槽13内において脱窒が完了した水槽水を前記硝化槽5に戻すためのオーバーフロー管である。即ち、本実施例の濾過システム1では、オーバーフロー管24を備えるとともに、その基端部を前記脱窒循環エリア16内に配置し、先端側を前記硝化槽5における循環エリア8内に配置することで、前記脱窒循環エリア16と硝化槽5における循環エリア8をオーバーフロー管24で連通し、このオーバーフロー管24によって、脱窒循環槽13内の水槽水の脱窒が完了した後に、脱窒循環槽13内の水槽水を硝化槽5における循環エリア8に戻すこととしている。
ここで、前記オーバーフロー管24について説明すると、本実施例の濾過システム1においては、前記中仕切り14の上端よりも低い位置を、脱窒循環槽13内の設定水位27としており、硝化槽5内の水槽水を脱窒循環槽13に取り込む際には、この設定水位27を超えないようにしている。そして、前記オーバーフロー管24は、脱窒循環エリア16内の水槽水を受け入れる側の基端部を、前記設定水位27と同程度の位置に配置しており、先端部は前記基端部よりも低い位置において、前記硝化槽5の循環エリア8内に配置し、これにより、特にポンプ等の駆動手段を用いること無く、脱窒が完了した水槽水を硝化槽5に戻すことを可能にしている。
この関係を説明すると、脱窒循環槽13内に取り込んだ水槽水の脱窒が完了した後に、再び、電磁弁19を開放して、硝化槽5における循環エリア8内の水槽水を、脱窒循環槽13内に取り込んでいくと、水槽水の取り込みに伴い、取り込んだ水槽水が脱窒部17を通過して脱窒循環エリア16に移動し、それにより、脱窒循環エリア16の水位が上がっていくが、このとき、本実施例の濾過システム1においては、前記中仕切り14の上端よりも低い位置を脱窒循環槽13内の設定水位27にしているとともに、前記オーバーフロー管24における水槽水を受け入れる側の基端部を設定水位27と同程度の位置に配置し、オーバーフロー管24の先端部は前記基端部よりも低い位置において前記硝化槽5の循環エリア8内に配置しているために、脱窒循環エリア16において、設定水位を越えた水槽水は、順次、オーバーフロー管24によって硝化槽5における循環エリア8に戻されていき、脱窒循環を繰り返していたときの脱窒循環槽13内の水槽水と同量の水槽水を脱窒循環槽13に取り込むことにより、脱窒循環槽13内の水槽水をほぼ入れ替えることができる。そのために、本実施例の濾過システム1では、新たな水槽水を脱窒循環槽13に取り込むことで、脱窒が完了した水槽水を硝化槽5に戻すことが可能である。
なお、前記オーバーフロー管24の先端部の配置に際しては、前記硝化槽5の水位を脱窒循環槽13の水位よりも低く設定するとともに、前記オーバーフロー管24の先端部は、硝化槽5における循環エリア8の水面近傍か水位をわずかに下がった位置に配置するとよく、これにより、硝化エリア7で硝化が完了して循環エリア8の底部分に移動してきた水槽水を、循環エリア8内の底部分に配置したメインポンプによって脱窒循環槽13に供給することができ、一方、オーバーフロー管24によって循環エリア8に供給されてくる脱窒済の水槽水は、循環エリア8の上方から循環エリア8内に順次供給されるために、脱窒が必要な水槽水を効率良く脱窒循環槽13に供給することが可能である。
次に、このように構成される本実施例の濾過システム1を用いた本発明の閉鎖系水域の濾過方法(以下単に「濾過方法」という。)の実施例について説明すると、本実施例の濾過方法では、水槽水の濾過を行う前に、予め、各種の初期設定を行う。
まず、前記脱窒循環槽13側の中仕切り14の上端よりも低い位置を設定水位27として設定するとともに、前記オーバーフロー管24の基端部を前記設定水位27と同程度の位置に調節し、オーバーフロー管24の先端部は、基端部よりも下位に調節する。
また、それとともに、電磁弁19を開放して硝化槽5における循環エリア8内の水槽水の一部を脱窒循環槽13内に供給する際に、電磁弁19を開放してから脱窒循環槽13内の水槽水が完全に置換するまでに要する時間を計って「脱窒用供給時間」として設定しておく。即ち、本実施例の濾過システム1では、脱窒循環槽13内に取り込んだ水槽水の脱窒が完了した後に、再び、電磁弁19を開放して硝化槽5における循環エリア8内の水槽水を脱窒循環槽13内に取り込み、脱窒循環を繰り返していたときの脱窒循環槽13内の水槽水と同量の水槽水を脱窒循環槽13に取り込むことにより脱窒循環槽13内の水槽水を入れ替えることとしている。そこで、予め、脱窒循環槽13が空の状態において、電磁弁19を開放して脱窒循環槽13に水槽水を供給し、電磁弁19の開放から脱窒循環槽13内の水位が設定水位27に至る迄の時間を予め図っておき、この時間を「脱窒用供給時間」としておく。
なお、メインポンプ10と脱窒用の供給ポンプを兼用せず、脱窒用供給路18の基端部を硝化槽5における循環エリア8内に配置するとともに脱窒用供給路18の基端部に脱窒用の供給ポンプを連結し、脱窒用の供給ポンプを駆動することで硝化槽5における循環エリア8内の水槽水の一部を脱窒循環槽13の脱窒エリア15に供給する構成とした場合には、脱窒循環槽13が空の状態において、脱窒用の供給ポンプの駆動から脱窒循環槽13内の水位が設定水位27に至る迄の時間を予め図っておき、この時間を「脱窒用供給時間」としておく。
更に、循環用ポンプ21を駆動して脱窒循環槽13内に取り込んだ水槽水の脱窒循環を繰り返す際に、脱窒循環を開始した時点から脱窒循環を繰り返している水槽水内の硝酸が無くなって脱窒が完了するまでの時間を計って「脱窒循環時間」として設定しておく。
なお、脱窒循環槽13内で脱窒循環を繰り返している水槽水内の硝酸が無くなったかどうかを判定する方法は特に限定されず、例えば硝酸イオンメーターを用いてもよいが、好ましくは、酸化還元電位計用いて、脱窒循環槽13内に酸化還元電位計を配設して脱窒循環槽13内の水槽水の酸化還元電位(「ORP」)を計測し、酸化還元電位計による計測結果に基づいて、脱窒循環槽13内に取り込んだ水槽水に含まれる硝酸が無くなったと判断するよい。
即ち、従来から、脱窒反応の管理制御の手法の一つとして酸化還元電位を用いる方法が提案されているが、本実施例においては特に、脱窒循環槽13内に取り込まれた水槽水のORPが、脱窒循環槽13内の脱窒循環によって、2回の変曲点を経ることに着目し、変曲点の到来によって硝酸の有無を判断することとしている。
この関係を説明すると、脱窒循環槽13に取り込まれた直後の水槽水には溶存酸素(「DO」)と硝酸が含まれているために、通性嫌気性細菌である脱窒菌は酸素呼吸を行い、それによって脱窒循環槽13内の脱窒菌によってDOが消費される。そして、DOが消費されている間のORPはほぼ一定であり、DOがゼロになるとORPが急激に低下する。この時点、即ち、DOがゼロになるに伴いORPが急激に低下する時点が1回目の変曲点である。
次に、脱窒循環槽13内の水槽水の中のDOが枯渇すると、脱窒菌は硝酸呼吸を行い始めるために硝酸が減少を始めるが、硝酸が完全に消費されるまでは、ORPはほぼ一定である。そして、硝酸が完全に消費されると、ORPは再び急激に低下する。この時点、即ち、硝酸が完全に消費されるに伴いORPが急激に低下する時点が2回目の変曲点である。
そこで本実施例の濾過方法では、脱窒循環槽13内に酸化還元電位計を配設して脱窒循環槽13内の水槽水の酸化還元電位を計測し、脱窒循環を開始した時点から2回目の変曲点が訪れるまでの時間を計って「脱窒循環時間」とすることとしている。
即ち、本実施例においては、予め、硝化槽5における循環エリア8内の水槽水の一部を脱窒循環槽13における設定水位27まで取り込んで電磁弁19を閉じた状態において、循環用ポンプ21を駆動するとともにその駆動を継続して脱窒循環槽13内に取り込んだ水槽水の脱窒循環を繰り返し、脱窒循環を開始した時点から2回目の変曲点が訪れるまでの時間を計り、この時間を「脱窒循環時間」としている。
なお、ORPの値によって硝酸の減少を判断する方法も考えられなくはないが、硝酸が無くなった時点のORP値は一定ではなく、脱窒対象となる水によって変わるため、ORP値のみで判断すると硝酸が無くなったかどうかの正確な判断を行うことが困難である。そこで、本実施例では、前述の2回目の変曲点を捉えて硝酸が無くなったと判断することとしている。
次に、前述の初期設定を行った後に、まず、前記メインポンプ10を駆動するとともに駆動を継続し、前記メイン供給路3を介して水槽2内の水槽水の一部を硝化槽5の硝化エリア7に取り込み、この取り込んだ水槽水が着床部9を通過することで、通過した水槽水に含まれるアンモニア態窒素を好気性細菌によって硝化する。
そうすると、着床部9を通過することでアンモニア態窒素が硝化された水槽水は、前記空間26を通って循環エリア8に移動した後に、メイン循環路4を通ってクーラー12に供給され、クーラー12によって適温に調節され、その後再びメイン供給路4を通って水槽2に循環し、メインポンプ10の駆動を継続することで、この循環が繰り返される。
次に、前記の循環が繰り返されている過程において、初期設定において予め設定した「脱窒用供給時間」だけ前記電磁弁19を開き、これにより、前記脱窒用供給路18を介して、前記硝化槽5においてアンモニア態窒素が硝酸態窒素にまで硝化された水槽水を、前記設定水位27まで、前記脱窒循環槽13に供給して脱窒循環槽に取り込む。
そして、硝化槽5内の水槽水の脱窒循環槽13への取り込みが完了した後に電磁弁19を閉じ、前記循環用ポンプ21を駆動するとともにその駆動を継続し、前記脱窒循環槽13に取り込んだ水槽水を、脱窒部17を通過させながら脱窒循環エリア16と脱窒エリア15間で繰り返し循環させ、脱窒部17に着床させた通性嫌気性細菌によって、前記脱窒循環槽13内に取り込んだ水に含まれる硝酸を還元して窒素ガスにまで変換する。
即ち、前述したように、電磁弁19を閉じることで脱窒循環槽13内には新たな水槽水が供給されないために、循環させている水槽水に含まれる溶存酸素は通性嫌気性細菌である脱窒菌による酸素呼吸によって枯渇し、これにより循環している水槽水は嫌気化する。そうすると、脱窒菌は硝酸呼吸を行い始めるため、循環している水槽水の脱窒が行われて、脱窒循環槽13内に取り込んだ水槽水に含まれる硝酸を窒素ガスにまで変換することが可能となる。
なお、メインポンプ10と脱窒用の供給ポンプを兼用せず、脱窒用供給路18の基端部を硝化槽5における循環エリア8内に配置するとともに脱窒用供給路18の基端部に脱窒用の供給ポンプを連結した構成を採用した場合には、「脱窒用供給時間」だけ脱窒用の供給ポンプを駆動して、前記硝化槽5においてアンモニア態窒素が硝酸態窒素にまで硝化された水槽水を、前記設定水位27まで、前記脱窒循環槽13に供給して脱窒循環槽に取り込む。
次に、前記循環を前記「脱窒循環時間」だけ繰り返し、前記脱窒循環槽13内に取り込んだ水に含まれる硝酸の脱窒を完了した後に、再び、「脱窒用供給時間」だけ前記電磁弁19を開放し、あるいは脱窒用の供給ポンプを駆動して、前記脱窒用供給路18を介して、前記硝化槽5においてアンモニア態窒素が硝酸態窒素にまで硝化された水槽水を、脱窒循環槽13内で脱窒循環を繰り返していた水槽水と同量だけ、前記脱窒循環槽13に供給して脱窒循環槽に取り込む。
そうすると、脱窒循環槽13内の水槽水の水位が設定水位27に対してオーバーするため、前述の作用により、脱窒が完了した水槽水を硝化槽5の循環エリア8に戻し、脱窒循環槽13内の水槽水を、脱窒が完了していない水槽水と入れ替えることができる。
なお、前記脱窒循環時間に関しては、必ずしも、脱窒循環を開始した時点から脱窒循環を繰り返している水槽水内の硝酸が無くなって脱窒が完了するまでの時間を予め計って「脱窒循環時間」として設定しておく必要は無く、脱窒循環槽13内に酸化還元電位計を配置して、この酸化還元電位計の数値を監視し、前述したORPの2回目の変曲点が訪れた時点で電磁弁19を開放し、あるいは脱窒用の供給ポンプを駆動する方法を採用してもよい。
また、本実施例の濾過方法においては、前記電磁弁19の開放によって脱窒循環槽13内の水槽水の入れ替えを行っている間も循環ポンプ21は駆動を継続させており、そのため、脱窒が完了した水が脱窒エリア15に戻され、硝化槽5から新たに供給される水槽水と混ざり、それによって、オーバーフローによって硝化槽5に戻る水槽水内に硝酸が含まれることになるが、脱窒が完了した水が硝化槽5から新たに供給される水槽水と混ざることで、硝化槽5から新たに供給される水槽水は脱窒が完了した水槽水によって薄められるために、硝酸の量が少なくなり、脱窒を短時間で効率良く行うことが可能になる。
このように、本実施例の濾過方法では、換水を行うことなく水槽水の濾過を行うことが可能であるとともに、脱窒が完了した水槽水を硝化槽に戻すこととしているために、構造を簡素化することができ、製造コストを抑えることが可能である。
また、本実施例の濾過方法では、予め、酸化還元電位計等を用いて、脱窒循環槽内の水槽内の脱窒が完了する時間を計測して「脱窒循環時間」として設定しておき、また、脱窒循環槽内に設定水位まで水槽水を供給するに要する時間を計って「脱窒用供給時間」として設定しておくために、作業の効率化を図ることが可能である。
そして、このとき、マイコン等の制御手段を用いて、前記電磁弁19等を制御手段に接続することで、脱窒、循環等の処理を自動化することが可能である。
本発明の閉鎖系水域の濾過システムによれば、簡単な構成によって、換水を不要とする閉鎖系水域の濾過を行うことができるために、閉鎖系水域内の水に含まれるアンモニア態窒素を硝化するとともに、硝化によって発生した硝酸を脱窒して換水を不要とする濾過システムの全般に適用可能である。
1 閉鎖系水域の濾過システム
2 水槽
3 メイン供給路
4 メイン循環路
5 硝化槽
6 硝化槽側中仕切り
7 硝化エリア
8 循環エリア
9 着床部
10 メインポンプ
12 クーラー
13 脱窒循環槽
14 脱窒循環槽側中仕切り
15 脱窒エリア
16 脱窒循環エリア
17 脱窒部
18 脱窒用供給路
19 電磁弁
21 循環用ポンプ
22 脱窒用循環路
23 空間
24 オーバーフロー管
25 設定水位
26 空間
27 設定水位

Claims (4)

  1. 水槽、生け簀、池等の閉鎖系水域内の水を濾過するための閉鎖系水域の濾過システムであって、
    閉鎖系水域(2)内の水を取り込んで、取り込んだ水に含まれるアンモニア態窒素を好気性細菌によって硝化するための硝化槽(5)と、
    該硝化槽(5)においてアンモニア態窒素が硝酸態窒素にまで硝化された水を取り込んで、取り込んだ水に含まれる硝酸態素を還元して窒素ガスにまで変換するための脱窒循環槽(13)と、
    閉鎖系水域(2)内の水を前記硝化槽(5)に供給するためのメイン供給路(3)と、
    前記硝化槽(5)内においてアンモニア態窒素が硝酸態窒素にまで硝化された水を前記閉鎖系水域(2)に戻すためのメイン循環路(4)と、
    前記メイン供給路(3)を介して前記閉鎖系水域(2)内の水を前記硝化槽(5)に取り込むとともに、前記メイン循環路(4)を介して前記硝化槽(5)内の水を前記閉鎖系水域(2)に戻すために用いられるメインポンプ(10)と、
    前記硝化槽(3)においてアンモニア態窒素が硝酸態窒素にまで硝化された水の一部を前記脱窒循環槽(13)に供給するための脱窒用供給路(18)と、
    該脱窒用供給路(18)を介して前記硝化槽(5)内の水の一部を前記脱窒循環槽(13)に供給するために用いられる脱窒用供給ポンプ(10)と、
    前記脱窒循環槽(13)内において脱窒が完了した水を前記硝化槽(5)に戻すためのオーバーフロー管(24)と、を具備して、
    前記脱窒循環槽(13)は、
    通性嫌気性細菌を着床させるための脱窒部(17)を備え、前記硝化槽(5)から供給された水を取り込むとともに取り込んだ水を通過させることにより、水に含まれる硝酸を還元して窒素ガスにまで変換するための脱窒エリア(15)と、
    該脱窒エリア(15)を通過した水を再び脱窒エリア(15)に循環するための脱窒循環エリア(16)と、
    前記脱窒循環槽(13)の内部を脱窒エリア(15)と脱窒循環エリア(16)に仕切るとともに、前記脱窒部(17)よりも下方で前記脱窒エリア(15)と脱窒循環エリア(16)を連通した中仕切り(14)と、
    前記脱窒循環エリア(16)内の水を前記脱窒エリア(15)に循環させるための脱窒用循環路(22)と、
    該脱窒用循環路(22)を介して前記脱窒循環エリア(16)内の水を前記脱窒エリア(15)に循環させるために用いられる循環用ポンプ(21)と、を具備し、
    前記中仕切り(14)の上端よりも低い位置を設定水位(27)として設定するとともに、前記オーバーフロー管(24)の基端部を前記脱窒循環エリア(16)において前記設定水位(27)と同程度の位置に配置し、オーバーフロー管(24)の先端部は前記基端部よりも下位において前記硝化槽(5)内に配置して、
    前記メインポンプ(10)を駆動することで、前記メイン供給路(3)を介して前記閉鎖系水域(2)内の水の一部を硝化槽(5)に取り込んで、取り込んだ水に含まれるアンモニア態窒素を好気性細菌によって硝化し、前記メイン循環路(4)を介して前記硝化槽(5)内の水を前記閉鎖系水域(2)に戻すとともに、
    前記脱窒用供給ポンプ(10)を予め設定した時間だけ駆動することで、前記脱窒用供給路(18)を介して、前記硝化槽(5)においてアンモニア態窒素が硝酸態窒素にまで硝化された水の一部を、前記脱窒循環槽(13)に供給して脱窒循環槽(13)に取り込み、
    前記循環用ポンプ(21)を駆動することで、前記脱窒循環槽(13)に取り込んだ水を、脱窒部(17)を通過させながら脱窒循環エリア(16)と脱窒エリア(15)間で循環することで、脱窒部(17)に着床させた通性嫌気性細菌によって、前記脱窒循環槽(13)内に取り込んだ水に含まれる硝酸を還元して窒素ガスにまで変換し、
    前記脱窒循環槽(13)に取り込んだ水に含まれる硝酸の還元が完了した後に、前記脱窒用供給ポンプ(10)を予め設定した時間だけ駆動することで、前記脱窒用供給路(18)を介して、前記硝化槽(5)においてアンモニア態窒素が硝酸態窒素にまで硝化された水を、前記脱窒エリア(15)に供給して脱窒循環槽(13)に取り込むとともに、前記脱窒循環槽(13)内の水を、前記オーバーフロー管(24)によって前記硝化槽(5)まで戻し、更にそれとともに、前記循環用ポンプ(21)の駆動を継続することで、脱窒が完了した水を脱窒エリア(15)に循環させる、ことを特徴とした閉鎖系水域の濾過システム。
  2. 前記メイン循環路(4)に前記脱窒供給路(18)を連結するとともに、前記脱窒供給路(18)に電磁弁(19)を介在することで、前記脱窒用供給ポンプ(10)をメインポンプ(10)で兼用し、前記脱窒用供給ポンプ(10)の駆動の代わりに、前記電磁弁(19)を予め設定した時間だけ開放することで、前記硝化槽(5)においてアンモニア態窒素が硝酸態窒素にまで硝化された水の一部を前記脱窒循環槽(13)に供給して脱窒循環槽(13)に取り込むこととしたことを特徴とする請求項1に記載の閉鎖系水域の濾過システム。
  3. 前記メイン循環路(4)の途上に閉鎖系水域内の水の温度調節を行うクーラー(12)を介在したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の閉鎖系水域の濾過システム。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の閉鎖系水域の濾過システムを用いた閉鎖系水域の濾過方法であって、
    前記中仕切り(14)の上端よりも低い位置を設定水位(27)として設定するとともに、前記オーバーフロー管(24)の基端部を前記脱窒循環エリア(16)において前記設定水位(27)と同程度の位置に配置し、オーバーフロー管(24)の先端部は前記基端部よりも下位において前記硝化槽(5)内に配置して、
    前記メインポンプ(10)を駆動することで、前記メイン供給路(3)を介して前記閉鎖系水域(2)内の水の一部を硝化槽(5)に取り込んで、取り込んだ水に含まれるアンモニア態窒素を好気性細菌によって硝化し、前記メイン循環路(4)を介して前記硝化槽(5)内の水を前記閉鎖系水域(2)に戻すとともに、
    前記脱窒用供給ポンプ(10)を予め設定した時間だけ駆動することで、前記脱窒用供給路(18)を介して、前記硝化槽(5)においてアンモニア態窒素が硝酸態窒素にまで硝化された水の一部を、前記脱窒循環槽(13)に供給して脱窒循環槽(13)に取り込み、
    前記循環用ポンプ(21)を駆動することで、前記脱窒循環槽(13)に取り込んだ水を、脱窒部(17)を通過させながら脱窒循環エリア(16)と脱窒エリア(15)間で循環することで、脱窒部(17)に着床させた通性嫌気性細菌によって、前記脱窒循環槽(13)内に取り込んだ水に含まれる硝酸を還元して窒素ガスにまで変換し、
    前記脱窒循環槽(13)に取り込んだ水に含まれる硝酸の還元が完了した後に、前記脱窒用供給ポンプ(10)を予め設定した時間だけ駆動することで、前記脱窒用供給路(18)を介して、前記硝化槽(5)においてアンモニア態窒素が硝酸態窒素にまで硝化された水を、前記脱窒エリア(15)に供給して脱窒循環槽(13)に取り込むとともに、前記脱窒循環槽(13)内の水を、前記オーバーフロー管(24)によって前記硝化槽(5)まで戻し、更にそれとともに、前記循環用ポンプ(21)の駆動を継続することで、脱窒が完了した水を脱窒エリア(15)に循環させる、ことを特徴とした閉鎖系水域の濾過方法。
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