JP6218365B2 - 医用画像診断装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は医用画像診断装置に関する。
医用画像診断装置は、被検体内の情報を画像化(透視画像、断層画像、血流画像等)する装置である。医用画像診断装置としては、X線撮影装置、X線CT装置、MRI装置、超音波診断装置等がある。
例えば、X線撮影装置は、対向配置されたX線源とX線検出部との間に配置された被検体に対してX線を曝射する。さらにX線撮影装置は、被検体を透過したX線を検出し、その検出結果に基づいて医用画像を生成する。
X線撮影装置の一例としてアンギオシステムが知られている。アンギオシステムは、例えば造影剤が注入された被検体の血管形態や血流状態の透視に使用される。術者は、この透視画像を観察しつつ、被検体の脈管にカテーテル等を挿入する。このようなX線アンギオシステムまたはCT アンギオシステム(CT angiography;CTA)などの放射線診断技術は、IVR(Interventional Radiology)として診断、治療行為、排液や供給等に応用することが可能である。
アンギオシステム等のX線撮影装置には、自動輝度調整制御を実行可能なものがある。自動輝度調整制御とは、透視画像の輝度を最適化するための処理である。なお以下において、自動輝度調整制御をABC(Automatic Brightness Control)制御と記載することがある。X線撮影装置は、ABC制御に用いる輝度レベルの設定値を予め記憶している。この設定値に基づいて透視画像の輝度レベルが調整され、画像の明瞭さや鮮明さなどに反映される。
より詳しく説明すると、ABC制御においてX線撮影装置は、X線の曝射によって得られた透過X線に基づき、透視画像における輝度レベルの値(例えば輝度レベルの平均値)を取得する。またX線撮影装置は、予め記憶された設定値を読み出し、この透視画像の輝度レベル値と比較する。この輝度レベル値が設定値と異なる場合、X線撮影装置は、輝度レベル値を設定値に合わせるように、透視における透視照射条件(撮影条件)を変更する。なお、透視照射条件には、X線の照射時間と管電流との積を示すmAsや管電圧kVなどが含まれる。
特開2003−115399号公報
X線撮影装置は、X線の照射範囲を変更して透視を行うことが可能である。例えば、X線の照射範囲を狭くすることも可能である。このようにX線の照射範囲が狭くなると、それまでX線の照射範囲であった被検体の部位の一部は、照射範囲外となる。すなわち、X線管球から照射されたX線は、X線絞りによって一部が吸収されるので、照射範囲が限定されることになる。その結果、X線絞りによって限定された部分をABC制御の対象とすると、照射範囲限定後の画像は輝度レベルが低いと判断される。ABC制御において画像の輝度レベルが低いと判断されると、撮影条件の調整がなされ、予め設定された輝度レベルに到達するようにX線条件が高められる。
また照射範囲全体に対して、その範囲内に含まれる各構造物の割合は、照射範囲の限定前より限定後の方が大きくなる。したがって、照射範囲に輝度を低くする傾向のある構造物が含まれていると、ABC制御において輝度レベルが低いと判断される。
このようにABC制御において輝度レベルが低いと判断されると、透視照射条件の調整がなされ、予め設定された輝度レベルに到達するようにX線条件が高められる。
以上のように、照射範囲の限定により輝度レベルの調整のためにX線条件が高められると、被検体の局所的な被ばく量の増加を招くおそれがある。
本発明が解決しようとする課題は、X線撮影における被検体の被ばく量の増加を防止することが可能な技術を提供することにある。
本実施形態の医用画像診断装置は、撮影部と、X線画像生成部と、第1の記憶部と、算出部と、調整部と、第2の記憶部と、比較部とを有する。撮影部は、X線照射範囲を変更して被検体を反復的に撮影することが可能である。X線画像生成部は、前記撮影に基づいてX線画像を生成する。第1の記憶部は、予め設定された画素値の閾値である第1の閾値を記憶する。算出部は、前記X線画像の画素値の統計値を算出する。また、算出部は、前記撮影において前記X線照射範囲が縮小されると、該縮小に対応して該統計値の算出対象の画素の範囲を縮小する。調整部は、前記統計値を、前記第1の閾値に近づけるように前記撮影部の動作条件を調整する。第2の記憶部は、予め設定された画素値の閾値である第2の閾値を記憶する。比較部は、前記第2の閾値に基づいて画素値の低い画素を除外するように前記一部の画素を特定する。算出部は、前記比較部が特定した前記一部の画素について前記第2の統計値を算出する。
実施形態にかかるX線撮影装置の全体構成を示す概略ブロック図である。 実施形態にかかるX線絞りの構成の一例を示す概略斜視図である。 通常の関心領域と部分透視用関心領域都の関係の一例を示す概略図である。 実施形態にかかるX線検出部の機能構成の一例を示す概略ブロック図である。 第1実施形態にかかる収集データ処理部の機能構成の一部を示す概略ブロック図である。 透視を実行する医用画像診断装置の第1のABC制御の流れを説明する概略フローチャートである。 第1実施形態における部分透視に関する医用画像診断装置の第2のABC制御の流れを説明する概略フローチャートである。 第1実施形態にかかる表示データ処理部の機能構成の一部を示す概略ブロック図である。 第2実施形態にかかる収集データ処理部の機能構成の一部を示す概略ブロック図である。 透視を実行する第2実施形態の医用画像診断装置の第1ゲイン調整の流れを説明する概略フローチャートである。 第3実施形態にかかる表示データ処理部の機能構成の一部を示す概略ブロック図である。 透視を実行する第3実施形態の医用画像診断装置の第2ゲイン調整の流れを説明する概略フローチャートである。 第5実施形態における部分透視に関する医用画像診断装置の第2のABC制御の流れを説明する概略フローチャートである。 第5実施形態における部分透視に関する医用画像診断装置の第2のABC制御の流れを説明する概略フローチャートである。 第6実施形態にかかる収集データ処理部の機能構成の一部を示す概略ブロック図である。 第6実施形態における部分透視に関する医用画像診断装置の第2のABC制御の流れを説明する概略フローチャートである。 第6実施形態における部分透視に関する医用画像診断装置の第2のABC制御の流れを説明する概略フローチャートである。 第7実施形態における部分透視に関する医用画像診断装置の第2のABC制御の流れを説明する概略フローチャートである。 第7実施形態における部分透視に関する医用画像診断装置の第2のABC制御の流れを説明する概略フローチャートである。 第8実施形態にかかる医用画像診断装置の全体構成を示す概略ブロック図である。 第8実施形態における医用画像診断装置のABC制御の流れを説明する概略フローチャートである。 第8実施形態における医用画像診断装置のABC制御の流れを説明する概略フローチャートである。 第9実施形態にかかる収集データ処理部の機能構成の一部を示す概略ブロック図である。 第9実施形態における医用画像診断装置のABC制御の流れを説明する概略フローチャートである。 第9実施形態における医用画像診断装置のABC制御の流れを説明する概略フローチャートである。 第10実施形態における透視に関する医用画像診断装置のABC制御の流れを説明する概略フローチャートである。 第10実施形態における透視に関する医用画像診断装置のABC制御の流れを説明する概略フローチャートである。
第1実施形態〜第10実施形態にかかる医用画像診断装置につき、図1〜図27を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1〜図8を参照し、第1実施形態にかかる医用画像診断装置の構成についてX線撮影装置を主な例として説明する。
(X線撮影装置全体の概要)
図1は、第1実施形態〜第7実施形態にかかるX線撮影装置の全体構成を示す概略ブロック図である。同図に示すX線診断装置100は、寝台2、X線管球3、X線絞り4およびX線検出部5を備えている。また、X線診断装置100には、演算制御部11、X線制御部12、絞り制御部13、駆動制御部14、収集データ処理部15、ユーザインターフェース16、表示データ処理部17および透視照射条件設定部18が設けられている。
<ユーザインターフェース16>
ユーザインターフェース16は、表示部161と操作部162とを含んで構成される。表示部161は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや、LCD(Liquid Crystal Display)等の任意の形態の表示デバイスによって構成される。表示部161は、演算制御部11の制御を受けて各種の画面や画像を表示する。
操作部162は、キーボード、マウス、トラックボール、ジョイスティック、フットペダル、コントロールパネル等の任意の形態の操作デバイスや入力デバイスによって構成される。演算制御部11は、実施された操作に基づいて操作部162が出力する操作信号を受けて、この操作内容に対応する制御や演算を実行する。
なお、図1においては、表示部161と操作部162とが別々に記載されているが、たとえばタッチパネル式のLCDやペンタブレット等のように、それらを一体的に構成することも可能である。
<寝台2>
寝台2の天板には被検体Pが載置される。被検体Pは、その体軸方向を寝台2の天板の長手方向に合わせるようにして載置される。天板は、その駆動部(不図示)により少なくとも寝台2の長手方向(被検体Pの体軸方向)に移動可能である。なお、天板は短手方向に移動されてもよく、被検体と水平に回転移動されてもよい。
<X線制御部12−主制御部121>
図1に示すように、X線制御部12は、高電圧を発生する高電圧発生部122と、この高電圧発生部を制御する主制御部121(マイクロプロセッサ等)とを含んで構成される。なお、X線制御部12はこれら以外の他の機能も有するが、図示を省略する。
主制御部121は、透視照射条件設定部18から、予め設定されたX線照射条件(管電圧kV、管電流・照射時間積mAs)等の透視照射条件の情報を受ける。また主制御部121は、操作部162などからX線照射指示信号を受ける。そして、透視照射条件に基づいて高電圧発生部122などX線の照射(出力)に関わる各部を制御する。
例えば主制御部121は、X線の照射タイミングを図る指示信号を、上記X線照射指示信号と、X線照射条件に含まれる照射時間情報に基づいて生成する。この指示信号により高電圧発生部122に電圧が供給される。また、後述の画素値比較部154の比較結果に応じた透視照射条件(X線照射条件等)を受ける。主制御部121は、当該調整された透視照射条件に基づいて高電圧発生部122などを制御する。
また操作者が操作部162により透視撮影を中断する操作が行われると、主制御部121に演算制御部11からX線照射停止指示の信号が送られる。当該信号を受けて主制御部121は、高電圧発生部122などX線の照射(出力)に関わる各部の駆動を停止し、X線の照射を停止する。
また、主制御部121は、部分透視の開始の指示信号を受けると、絞り制御部13が部分透視用関心領域R2の位置情報を受けるのに対応して、当該位置情報を受ける。この部分透視用関心領域R2の情報は、画素値演算部153に送られる。
<X線制御部12−高電圧発生部122>
主制御部121は、高電圧発生部122を制御して、X線照射に必要な高電圧をX線管球3に印加する。高電圧発生部122による高電圧の印加は、例えば高周波数インバータ方式などを採用することが可能である。すなわち高電圧発生部122は、50/60Hzの交流電源を整流して直流とする。また高電圧発生部122はそれを数kHz以上の高周波数の交流に変換して昇圧する。さらに高電圧発生部122はそれを再度整流して印加する。透視において、X線制御部12はこのような動作を繰り返し行う。これによって反復的に撮影が行われる。
すなわち、主制御部121は透視の制御において、高電圧発生部122を介してパルス状のX線を所定時間間隔で被検体に照射する制御を行う。この透視によって生成されるのが透視像である。なお、当該透視照射条件は「撮影部の動作条件」の一例に該当する。
また、X線制御部12は、収集データ処理部15によるABC制御にしたがい、調整された透視照射条件を受け、X線照射に関する制御を行う。なお、収集データ処理部15の具体的な制御内容に関しては後述する。
また操作者が操作部162により透視撮影を中断する操作が行われると、主制御部121に演算制御部11からX線照射停止指示の信号が送られる。当該信号を受けて主制御部121は、高電圧発生部122などX線の照射(出力)に関わる各部の駆動を停止し、X線の照射を停止する。なお、X線制御部12におけるABC制御の詳細については後述する。
<X線管球3>
X線管球3は、高電圧発生部により発生された高電圧の印可を受けて所定強度のX線を発生する。なお、X線管球3に印可される高電圧の電圧値や電流値は、ユーザインターフェース16を用いてユーザが設定することもできるし、自動的に設定されるように構成することもできる。
<X線絞り4>
図2は、X線絞り4の構成の一例を示す概略斜視図である。例えば図2に示すように、X線絞り4は、板状の絞り羽根41、42、43、44を四方に配置して構成されている。絞り羽根41〜44は、タングステンやモリブデン等のX線を吸収する素材で組成される。また絞り羽根41〜44は、その端面が、隣接する羽根の端面に対して互いに直交するように配置されており、絞り羽根41〜44の内側の端面で形成される開口は矩形状となっている。
<絞り制御部13>
絞り制御部13は、X線絞り4の絞り羽根41〜44をそれぞれ移動させることにより、様々な形態(サイズ、形状)の照射野を形成させるように機能する。絞り制御部13には、各絞り羽根41〜44を駆動するアクチュエータと、このアクチュエータを制御する制御部(マイクロプロセッサ等)が設けられている。絞り制御部13は、絞り羽根41、42を、寝台2の短手方向2b(長手方向2aに直交する方向)にそれぞれ移動させ、絞り羽根43、44を、寝台2の長手方向2aにそれぞれ移動させるようになっている(図2参照)。なお、絞り制御部13によるX線絞り4の制御は、透視照射条件設定部18から受けた、関心領域の位置情報に基づいて行われる。
このように、絞り制御部13によって制御されるX線絞り4により、X線管球3を頂点とし、X線検出部5の検出面を底面とする、略四角錐形状のX線通過領域F(図1参照)が形成され、このX線通過領域Fに対応したX線の照射野が形成される。
ここで、照射野とは、X線通過領域と、それを横切る平面との共通領域、換言すると、当該平面に対してX線が照射される領域を意味する。例えば、被検体Pに対するX線の照射野は、長手方向2aと短手方向2bとを含み、かつ被検体Pを通過する平面が対象の領域となる。また、X線検出部5の検出面に対するX線の照射野は、長手方向2aと短手方向2bとを含み、かつX線検出部5の検出面を通過する平面がX線照射対象領域となる。
透視が行われている際に、部分透視に移行する指示があると、絞り制御部13は照射野を絞る。または、透視が一旦終了した後、再び透視および照射野の限定の指示があると、絞り制御部13は照射野を絞る。なお、以下においては説明の便宜上、透視中に透視範囲を絞り、当該透視範囲より狭い範囲の関心領域で行う透視(第2の撮影)を、単に「部分透視」と記載する。また部分透視における関心領域を、単に「部分透視用関心領域」と記載する。また部分透視により生成される透視像を、単に「部分透視像」と記載する。なお、上記透視範囲は、「第1のX線照射範囲」の一例に該当する。また、部分透視用関心領域は、「第2のX線照射範囲」の一例に該当する。
ここで図3を参照して部分透視と部分透視用関心領域R2について、アブレーション治療とともに透視を行う例を挙げて説明する。図3は、通常の関心領域R1と部分透視用関心領域R2との関係の一例を示す概略図である。アブレーション治療の場合の透視では、カテーテルの挿入前後の時点においては、例えば図3に示すようにカテーテルの挿入位置と、アブレーション治療の対象部位T(不整脈等)とを含む範囲が通常の関心領域R1として設定される場合がある。
その後、カテーテルが対象部位へ進んでいったとき、操作者が操作部162を介して部分透視の指示および部分透視用関心領域R2の指定を行う場合がある。例えば操作者は、対象部位に近づいた(または到達した)カテーテルおよび対象部位を含み、かつカテーテルの挿入位置を含まない狭い範囲の部分透視用関心領域R2を指定する。すなわち、部分透視用関心領域は、LIH(Last Image Hold)における関心領域R1(最初の透視範囲等)に少なくとも重複し、当該関心領域より狭い範囲に指定される。なお、LIH画像は部分透視用関心領域の周囲(背景)の状態を示す静止画像であり、部分透視前の透視における最後の画像(フレーム)である。
具体的には操作者が、操作部162により、表示部161に表示された関心領域設定画面(例えば図3)上で被検体(または天板)を基準に関心領域(撮影範囲)を設定することが可能である。例えばこの関心領域設定画面においては、被検体および天板が示されているものとする。また当該画面上では当該被検体の表示に対して関心領域を示す枠表示(R1,R2等)が示されており、この枠表示は操作者の操作により、拡大または縮小して範囲指定することができるものとする。操作者は操作部162を介してこの枠表示内にカテーテル等の挿入位置および病変部が含まれるように操作して関心領域を確定することができる。ここで確定された関心領域は、透視照射条件設定部18に送られ、透視照射条件設定部18により撮影範囲として設定される。
このように関心領域設定画面において関心領域が設定されると、透視照射条件設定部18は関心領域設定画面上の座標位置を基準に、例えば天板に対しての関心領域の相対的位置を撮影範囲の情報として設定する。ここで設定された撮影範囲の情報は、透視照射条件設定部18から演算制御部11を介して絞り制御部13に送られる。なお、タッチパネル式のユーザインターフェース16が用いられる場合は、表示部161に直接入力があり、関心領域が設定される。
また部分透視用関心領域R2が指定されると、絞り制御部13は、X線絞り4の絞り羽根41〜44をそれぞれ移動させ、照射野を部分透視用関心領域R2に応じた範囲に限定する。
さらに、部分透視用関心領域R2等、撮影範囲の情報は、X線制御部12にも送信される。上述のように、撮影範囲の情報はX線制御部12により透視像の輝度レベルの統計値の算出に利用される。
<X線検出部5>
X線検出部5は、被検体を透過したX線を検出し、検出結果(以下、「検出データ」と記載する。)を電気信号に変換する。X線検出部5によって検出データは、収集データ処理部15に出力される。このX線検出部5として、平面型X線検出部(Flat Panel Detector)や、イメージ・インテンシファイア(I.I.)とTVカメラとの組み合わせから構成されるものを使用することができる。
イメージ・インテンシファイアは、シンチレータ等の蛍光面でX線を光に変換し、蛍光面と接して作られた光電面から光電子を放出させる。さらに、イメージ・インテンシファイアは、放出させた光電子を、フォーカス電極および陽極で作られる電子レンズで集束加速させることにより、出力蛍光面に電子像を形成させる。さらにイメージ・インテンシファイアは、出力蛍光面で電子像を可視像に変換し、それをTVカメラで撮影する。この撮影により画像データ(検出データ)が得られる。
平面型X線検出部は、多行多列のX線検出素子を配して構成された検出面を有している。X線検出素子として、直接変換形などを用いることができる。このX線検出素子によれば、X線により半導体内の電子正孔対を生成する。さらにその電極への移動(すなわち光導電現象)を利用して電荷データを得る。なお、各素子から出力される電荷データには、2次元的な素子配列に基づく2次元座標系による当該素子の座標情報が含まれている。
平面型X線検出部のX線検出素子の例として、蛍光体、光電変換素子等により透過X線を電荷データに変換する間接変換型を用いることができる。このX線検出素子を有する平面型X線検出部について図4を参照して説明する。図4は、実施形態にかかるX線検出部5の機能構成の一例を示す概略ブロック図である。図4に示すように、X線検出部5は、平面検出器51、ゲートドライバ52、投影データ生成部53を含んで構成される。このうち、投影データ生成部53は、電荷/電圧変換器531、A/D変換器532、パラレル/シリアル変換器533を含んで構成される。
平面検出器51において2次元配列された検出素子は、被検体Pを透過したX線を受け、そのX線透過量に比例した信号電荷を蓄積する。ゲートドライバ52は、X線照射が終了すると演算制御部11からクロックパルスを受ける。またゲートドライバ52はクロックパルスを受けると、平面検出器51のTFT(Thin Film Transistor/薄膜トランジスタ)等に対して駆動パルスを供給し、上記蓄積された信号電荷を順次読み出す。
読み出された信号電荷は、投影データ生成部53の電荷/電圧変換器531に送られる。電荷/電圧変換器531は、信号電荷を電圧に変換する。さらに、当該電圧はA/D変換器532においてデジタル信号に変換される。その後パラレル/シリアル変換器533は、当該デジタル信号を1ライン分の検出データとして変換する。パラレル/シリアル変換器533は、1ライン分の検出データをバッファメモリに一旦保存する。そして、パラレル/シリアル変換器533は、自己のバッファメモリに保存された検出データをライン単位でシリアルに読み出し、収集データ処理部15の記憶部156に順次保存して2次元検出データを生成する。なお、図4に示すX線検出部5は、本実施形態におけるX線検出部の一例である。
<移動部6・駆動制御部14>
移動部6は、X線管球3、X線絞り4およびX線検出部5を一体的に移動可能とする。また、移動部6は駆動制御部14により駆動される。駆動制御部14は、移動部6を駆動する駆動機構と、この駆動機構の動作を制御する制御部(マイクロプロセッサ等)を含んで構成される。なお、以下においてX線管球3、X線絞り4およびX線検出部5をまとめて「X線撮影系」と記載することがある。このX線撮影系は「撮影部」の一例に該当する。
<収集データ処理部15>
収集データ処理部15は、検出データに各種の画像処理などを行って画像(画像データ)を形成する。収集データ処理部15はこのように機能するコンピュータを含んで構成される。なお、収集データ処理部15の詳細については後述する。また収集データ処理部15は、「X線画像生成部」の機能の一例である。
また、収集データ処理部15は第1のABC制御および第2のABC制御を行う。第1のABC制御は、通常の関心領域における透視(以下、単に「第1の撮影」と記載することがある。)に対応する。第2のABC制御は、通常の透視範囲より狭い範囲の関心領域における透視(以下、単に「第2の撮影」と記載することがある。)に対応する(図3R1・R2参照)。第1のABC制御において、例えば収集データ処理部15は、透視照射条件設定部18から予め設定された輝度の閾値αの情報を受ける。また収集データ処理部15は、第1のABC制御において、現在の透視像における輝度(画素値)の統計値(平均値、中間値等)βを求める。収集データ処理部15はさらに閾値αと統計値βを比較する。収集データ処理部15は、当該比較の結果を、X線制御部12におけるX線条件(管電圧kV、管電流・照射時間積mAs)などの透視照射条件に反映させる。なお、当該透視照射条件は「撮影部の動作条件」の一例に該当する。
第2のABC制御においても、例えば収集データ処理部15は、透視像の輝度の統計値を求める。ただし、第2のABC制御では、収集データ処理部15が、X線制御部12を介して後述する部分透視用関心領域R2の情報に基づいて、輝度の統計値の算出対象の範囲を当該狭い範囲の関心領域に絞る。以下、狭い範囲の関心領域における各画素の画素値の統計値を、統計値βと区別して「統計値β」と記載する。
<演算制御部11>
演算制御部11は、X線診断装置100の各部(X線制御部12、絞り制御部13、駆動制御部14、収集データ処理部15、ユーザインターフェース16、透視照射条件設定部18等)の制御や、各種の演算処理を実行する。
演算制御部11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のマイクロプロセッサや、所定のコンピュータプログラムを格納するとともに各種データを記憶する記憶装置(メモリやハードディスクドライブ等)などを含んで構成される。マイクロプロセッサは、このコンピュータプログラムを実行することにより、この実施形態に関わる制御や演算処理を行うようになっている。
<透視照射条件設定部18>
透視照射条件設定部18は、演算制御部11を介して操作部162からの入力を受け、その入力に基づいてX線条件および関心領域(ROI)の位置情報などの透視照射条件や、検出データ収集条件を設定する。例えば、透視の透視照射条件の設定において、被検体の体厚や撮影部位などに応じて操作者が管電圧kVを設定すると、それに応じて透視照射条件設定部18が管電流・照射時間積mAsを設定する。設定された透視照射条件や検出データ収集条件は、演算制御部11を介してX線制御部12、絞り制御部13に送られる。
また透視照射条件設定部18は、演算制御部11を介して操作部162から、第1のABC制御および第2のABC制御に用いる閾値αの入力を受ける。透視照射条件設定部18は閾値αを記憶する。収集データ処理部15により第1のABC制御が行われるとき、透視照射条件設定部18は、入力された閾値αを、演算制御部11を介して収集データ処理部15に送る。閾値αの入力は、透視照射条件設定部18に予め設定されていてもよく、また撮影の実行に応じて設定されてもよい。この閾値αは、後述の画素値演算部153によって求められる、第1のX線画像の画素値の統計値βおよび第2のX線画像の統計値βと比較するための閾値である。この画素値の統計値としては、画素値の平均値、中間値、標準偏差、最小値、最大値などが挙げられる。閾値の値は、統計値の算出方法に応じて設定される。
また透視照射条件設定部18は、収集データ処理部15により第2のABC制御が行われるとき、入力された閾値αを収集データ処理部15に送る。収集データ処理部15は、透視照射条件設定部18から受けた閾値αに基づいて、第1のABC制御および第2のABC制御を実行する。ABC制御の具体的な内容については後述する。なお、透視照射条件設定部18は「第1の記憶部」の一例として機能する。
また透視照射条件設定部18は、演算制御部11を介して操作部162から、通常の関心領域R1や部分透視用関心領域R2の情報を受ける。例えば図3に示すような透視照射条件設定画面において、操作者の操作により、通常の関心領域R1および部分透視用関心領域R2が設定されると、演算制御部11を介して操作部162からこれら関心領域の位置情報を受ける。この位置情報は、透視照射条件設定部18により撮影範囲として設定される。
(収集データ処理部15の構成)
次に、X線撮影装置における収集データ処理部15の構成について図5を参照して説明する。図5は、実施形態にかかる収集データ処理部15の機能構成の一部を示す概略ブロック図である。収集データ処理部15は、検出データに各種の画像処理などを行って画像(画像データ)を形成する。また、収集データ処理部15はABC制御を行って、処理結果に基づく透視照射条件をX線制御部12に送る。
図5に示すように収集データ処理部15は、インターフェース151、画像生成部152、画素値演算部153、画素値比較部154を含んで構成される。
<インターフェース151>
図1に示すように収集データ処理部15は、X線検出部5に接続されている。インターフェース151は、X線検出部5から検出データを受ける。インターフェース151を介して受けた検出データは記憶部156に記憶される。
<画像生成部152>
画像生成部152は、検出データに基づいてX線画像を生成する。画像生成部152は、例えば検出データに基づいて2次元画像データを生成する。また、画像生成部152は、複数フレームの2次元の検出データに基づいて再構成を行い、ボリュームデータを生成し、記憶部156に記憶させてもよい。また透視により、X線検出部5から順次検出データが送られてくる場合は、検出データを受けることに応じて順次X線画像を生成する。それによって画像生成部152は、透視像を生成する。
またX線撮影系により透視が行われている状況で、操作者が操作部162により透視を中断(停止)する操作を行うと、X線照射停止指示の信号がX線制御部12に送られる。このタイミングで演算制御部11からLIH画像の記憶指示が収集データ処理部15に送られる。画像生成部152は、この記憶指示を受けると、透視像に基づいてLIH画像を記憶部156に記憶させる。すなわち操作部162を介した透視の中断の指示があると、画像生成部152は、X線検出部5から受け、記憶部156に記憶された透視像における最後のフレーム(検出データ)に基づいて、表示部161に表示させる透視像とは別に、生成した画像すなわちLIH画像を記憶部156に記憶させる。
ただし、画像生成部152は必ずしも透視像の最後のフレームを記憶部156に記憶させなくてもよい。例えば、X線撮影系による透視が行われている間に操作部162から画像記憶の指示があったとき、画像生成部152は生成したX線画像(ここではキャプチャ画像/静止画像)を記憶部156に記憶させる。以下においては、透視像の最後のフレームに基づく画像および操作者による画像記憶の指示に応じたフレームに基づく画像のいずれであっても、説明の便宜上、同じく「LIH画像」と記載することがある。なお、このようなLIH画像は、「第1のX線画像」の一例に該当する。
また、画像生成部152は、統計値の算出対象として縮小画像を生成してもよい。この縮小画像とは、表示用の画像とは異なる用途で生成されるものであり、すなわち画素値演算部153により統計値を求める対象となる画像である。表示用画像が例えば「1024*1024」の画素からなる画像であった場合、画像生成部152が生成する縮小画像としては、一例として「32*32」の画像データとすることが可能である。この縮小画像はサムネイルのようなものでもよく、圧縮された画像データであってもよい。圧縮方法としては画像生成部152が生成した表示用画像データを周波数分解して量子化する等の方法が一例として挙げられる。
<収集データ処理部15のABC制御の概要>
次に、収集データ処理部15の概要を説明し、さらに収集データ処理部15の構成および収集データ処理部15が行うABC制御の流れについて図7および図8を参照して説明する。図7は、透視を実行する医用画像診断装置の第1のABC制御の流れを説明する概略フローチャートである。なお、収集データ処理部15は、「調整部」の一例に該当する。また収集データ処理部15はX線制御部12とともに「制御部」の一例に該当する。
収集データ処理部15は第1のABC制御および第2のABC制御として、透視照射条件を調整して透視像の画素値に基づく輝度値を変更する。すなわち収集データ処理部15は、透視像における画素ごとに画素値(輝度値)の統計値βを求め、また部分透視像における画素ごとに画素値の統計値βを求める(画素値演算部153)。また収集データ処理部15は、透視照射条件設定部18に記憶された透視像の画素値の閾値αの情報を受ける。収集データ処理部15は、閾値αと当該統計値βを比較する。また収集データ処理部15は、閾値αと部分透視像の統計値βとを比較する(画素値比較部154)。比較の結果、統計値βが閾値αに対応していない場合、または統計値βが閾値αに対応していない場合、収集データ処理部15は透視照射条件を変更する。例えば、透視像の輝度値が閾値より低ければ透視照射条件を高める制御を行う。
<画素値演算部153>
画素値演算部153は、通常の関心領域R1において撮影された透視像などのX線画像における画素値の統計値βを求める。また、画素値演算部153は、部分透視用関心領域R2において撮影された部分透視像の画素値の統計値βを求める。統計値βおよび統計値βは、例えば画素値の平均値、中間値、標準偏差、最小値、最大値などである。画素値演算部153は、演算制御部11を介して、画像生成部152が生成したX線画像のデータを受ける。具体例として画素値演算部153は、透視像における画素値の平均値または、部分透視像における画素値の平均値を求める。画素値演算部153は、求めた統計値β、統計値βの情報を画素値比較部154に送る。透視において画素値演算部153はこの工程を繰り返す。なお、画素値演算部153によって統計値βを求める対象は、上記縮小画像であってもよい。
<画素値比較部154>
画素値比較部154は、演算制御部11、インターフェース151等を介して透視照射条件設定部18から画素値の閾値αの情報を受ける。また画素値比較部154は、画素値演算部153が求めた画素値の統計値βまたは統計値βの情報を受け、当該閾値αと比較する。さらに比較の結果に基づき、透視照射条件を調整する。当該調整の一例として、「α=300」に対し、「β=200」であった場合、比「300/200」を、あらかじめ透視照射条件設定部18設定されていた条件に反映させる。
なお、画素値比較部154は、比較の結果を主制御部121に送る構成であってもよい。この場合、まず画素値比較部154は求めた比較の結果を主制御部121に送る。主制御部121は上記画素値比較部154の処理と同様に、比較の結果に基づいて透視照射条件を調整する。なお、ここでいう比較の結果とは、例えば閾値αと画素値の統計値βまたは統計値βとの差を示す情報であってもよいし、または比を示す情報であってもよい。
さらに画素値比較部154は、比較の結果が、所定の範囲内であるかを判断してもよい。すなわち、画素値比較部154は、画素値演算部153により求められた、閾値αと画素値の統計値βとの差または比が予め定められた範囲内であるかについて判断する。また、画素値比較部154は、画素値演算部153により求められた、閾値αと画素値の統計値βとの差または比が予め定められた範囲内であるかについて判断する。画素値比較部154により、透視像または部分透視像の画素値(輝度)が、予め設定した範囲内にあるかを判断させるためである。この例において、当該差などが所定の範囲内であれば、画素値比較部154はX線条件の変更を不要と判断し、主制御部121に比較の結果を送らない。当該差が所定の範囲外であれば、比較の結果すなわち差を主制御部121に送る。主制御部121はこの差等に応じてX線条件を調整する。
なお、主制御部121が画素値比較部154から比較の結果を受けてX線照射条件を調整する構成に限らず、画素値比較部154が比較の結果に基づいてX線照射条件を調整してもよい。この例において、画素値比較部154は主制御部121に調整後のX線照射条件を送る。主制御部121は画素値比較部154から受けた調整後のX線照射条件に基づきX線照射に関する制御を行う。
<記憶部156>
記憶部156は、上述の通りインターフェース151を介して受けた2次元の検出データを記憶する。その他、記憶部156はLIH画像や血管造影画像など合成画像に用いられる各X線画像を記憶する。また記憶部156は、ボリュームデータを記憶する。なお、検出データやX線画像は、生成されるたびに継続的に記憶部156に記憶され、操作者の操作に応じて任意に読み出し可能にされていてもよい。また、検出データやX線画像は、記憶部156に一時的に記憶されてもよい。また、記憶されるデータは動画像であっても静止画像であってもよい。
<動作>
次に図6を参照し、第1のABC制御におけるX線制御部12の動作について、通常の関心領域R1における透視の例を挙げて説明する。
(S01)
X線制御部12における主制御部121は、予め設定された透視照射条件(X線条件等)を、透視照射条件設定部18から受ける。また、操作者が操作部162によって通常の関心領域R1における透視の開始指示がなされると、演算制御部11を介してX線照射指示信号が主制御部121に送られる。
(S02)
主制御部121は、透視照射条件設定部18から受けた透視照射条件に基づいて、高電圧発生部122などを制御し、X線管球3に電圧を印加させる。また絞り制御部13は、透視照射条件設定部18から受けた通常の関心領域R1の位置情報に基づいてX線絞り4を移動させ、照射野を形成する。これらの動作の結果、X線が照射される。
(S03)
X線検出部5が透過X線に基づき検出データを生成すると、検出データは収集データ処理部15に送られる。収集データ処理部15はインターフェース151を介して検出データを受けると、記憶部156に一旦記憶する。画像生成部152は記憶部156から検出データを読み出す。さらに画像生成部152は、透視像を生成し、表示部161に透視像を表示させる。このとき画像生成部152は縮小画像を生成してもよい。
(S04)
収集データ処理部15は、画像生成部152から透視像のデータを受ける。または収集データ処理部15は、記憶部156から透視像のデータを読み出す。画素値演算部153は、画像生成部152または記憶部156から取得した透視像における画素値の統計値β(平均値等)を求める。あるいは画素値比較部154は、縮小画像の画素値の統計値βを求める。
(S05)
画素値比較部154は、画素値演算部153が求めた画素値の統計値βと、透視照射条件設定部18から受けた閾値αとを比較する。画素値比較部154(または主制御部121)は、画素値比較部154による比較結果を参照し、X線条件などの透視照射条件を変更するかについて判断する。なお、画素値比較部154は比較結果が所定の範囲内であるか判断してもよい。
(S06)
画素値比較部154による比較の結果、画素値の統計値βと閾値αとの差が大きければ(S05;Yes)、画素値比較部154(または主制御部121)は管電圧kV、管電流・照射時間積mAsに関するパラメータを調整(変更)する。
(S07)
また画素値比較部154(または主制御部121)は、画素値の統計値βと閾値αとの差が小さければ(S05;No)、主制御部121は透視照射条件を元のまま維持する。
(S08)
画素値比較部154(または主制御部121)は、透視を継続するかについて判断する。例えば操作者が操作部162を介して透視停止の指示を行った場合、X線照射停止指示信号が演算制御部11を介して主制御部121に送られる。主制御部121はX線照射停止指示信号を受けるまで、順次S02〜S07の動作を繰り返す。なお、このS08の処理は説明の便宜上S06またはS07の後工程として説明したが、S02〜S05のいずれかの時点で主制御部121がX線照射停止指示信号を受けた場合は、その時点で主制御部121はX線の照射を停止する。
また、一例において、X線照射停止(透視停止)の操作がなされると、主制御部121は、高電圧発生部122などX線の照射(出力)に関わる各部の駆動を停止し、X線の照射を停止する。また、この停止指示の操作に応じて画像生成部152は、LIH画像を記憶部156に記憶させる。また、主制御部121がLIH画像に対応する透視照射条件を図示しない記憶部に記憶させる。
(表示データ処理部17の構成)
次に、X線撮影装置における表示データ処理部17の構成について図7を参照して説明する。図7は、実施形態にかかる表示データ処理部17の機能構成の一部を示す概略ブロック図である。表示データ処理部17は、収集データ処理部15により生成された画像データに各種の画像処理などを行って画像を形成する。図7に示すように表示データ処理部17は、インターフェース171、サブトラクション処理部172、画像調整部173、および画像合成部174を含んで構成される。
<インターフェース171>
図7に示すように表示データ処理部17は、演算制御部11に接続されている。インターフェース171は、演算制御部11を介して収集データ処理部15からX線画像の画像データを受ける。インターフェース171を介して受けた画像データは一旦、記憶部156に記憶される。
<サブトラクション処理部172>
差分画像を生成する場合、サブトラクション処理部172は、性質の異なる画像データをそれぞれ受けて、これらのサブトラクション処理を行う。例えばサブトラクション処理部172は、非造影のX線画像(以下、「マスク像」と記載することがある。)と造影後のX線画像(以下、「コントラスト像」と記載することがある。)のサブトラクション処理を行う。これによって、血管造影(DSA(Digital Subtraction Angiography))画像が生成される。
他の例として、サブトラクション処理部172は、高エネルギーのX線によって得られたX線画像と低エネルギーによって得られたX線画像とのサブトラクション処理を行う。これによって、エネルギーサブトラクション画像が生成される。サブトラクション処理部172は、このようにしてサブトラクション処理した画像データ(デジタル血管造影画像、エネルギーサブトラクション画像等)を画像調整部173または画像合成部174へ送る。なお、X線撮影装置の構成によってはサブトラクション処理部172が設けられない場合がある。
<画像調整部173>
画像調整部173は、収集データ処理部15または記憶部156から画像データを受け、画像処理を行う。画像調整部173により、画像の鮮鋭化、ノイズの低減、S/N比の向上、エッジ検出、輪郭の強調などの画像処理が行われる。画像調整部173は、いわゆる空間フィルタ、空間周波数フィルタ、時間フィルタ等の機能を有する。空間フィルタ、空間周波数フィルタとして、平滑化処理を行うフィルタ、エッジ検出を行うフィルタなどが挙げられる。例えば平滑化処理を行うフィルタとしては、移動平均化フィルタ(averaging Filter)、加重平均化フィルタ(weighted averagingFilter)、ガウシアンフィルタ(Gaussian Filter)やメディアンフィルタ(median Filter)などが挙げられる。
画像調整部173は、エッジ検出を行うソーベルフィルタ(Sobel Filter)、プレウィットフィルタ(Prewitt Filter)、ロバーツフィルタ(RobertsFilter)、ラプラシアンフィルタ(Laplacian Filter)など任意のフィルタを含んで構成される。また画像調整部173は、いわゆる時間フィルタとして、画像加算処理、リカーシブフィルタなどの機能を有していてもよい。また、画像調整部173は、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタ、バンドエリミネーションフィルタやオールパスフィルタ等の機能を備えていてもよい。
また画像調整部173は、画像データに上記フィルタリング(高周波強調等)や、アフィン変換(画像拡大、移動等)を行う。例えば画像生成部152がデジタル血管造影画像を生成する場合においては、画像調整部173は投影データにこれらの処理を行う。また画像調整部173は、アンシャープマスクによって高周波成分を強調してもよい。
また、画像調整部173は、画像生成部152がボリュームデータを生成した後、記憶部156からボリュームデータを読み出し、ボリュームデータに基づいてボリュームレンダリング処理を行ってもよい。このボリュームレンダリング処理により、例えばインターベンション治療において参照されるロードマップ画像などが生成される。
<画像合成部174>
画像合成部174は、表示しようとする画像に応じて、複数のX線画像データを合成し(貼り合わせ)、合成されたX線画像データを生成する。以下、この合成されたX線画像データについて、単に「合成画像」と記載することがある。画像合成部174は、例えばLIH画像と後述する部分透視像との合成を行う。また、他の例として画像合成部174はボリュームデータに基づくロードマップ画像と透視像の合成を行う。
画像合成部174によってLIH画像と部分透視像との合成画像を生成する場合、部分透視用関心領域R2の指定操作の情報に基づいて位置合わせをして合成する。すなわち部分透視用関心領域R2は、LIH画像における関心領域R1(最初の透視範囲等)と少なくとも重複するように設定されるので、部分透視用関心領域R2の位置は、LIH画像における座標によって示すことが可能である。したがって、画像合成部174は、記憶されている部分透視用関心領域R2の位置情報を受け、その位置情報とLIH画像の座標とに基づいて、部分透視像をLIH画像に貼り合わせるように合成する。
また、画像合成部174によってLIH画像と部分透視像の合成画像を生成する場合、各画像の合成比率は任意に設定することが可能であるが、少なくとも合成画像において部分透視像が認識できる程度に部分透視像の合成比率が設定される。
(部分透視)
次に、図8を参照して第1実施形態における部分透視に関するX線制御部12の制御および収集データ処理部15の処理の流れについて説明する。図8は、第1実施形態における部分透視を実行する医用画像診断装置の第2のABC制御の流れを説明する概略フローチャートである。上述の通り、X線撮影系により通常の関心領域R1における透視が行われている状況で、操作者が操作部162により当該透視を中断する操作を行うと、X線制御部12にX線照射停止指示の信号が送られる。さらに操作者が操作部162により部分透視の開始の操作および部分透視用関心領域R2の指定を行うと、X線制御部12は部分透視における制御を行う。
(S11)
操作者が操作部162により部分透視の開始の操作および部分透視用関心領域R2の指定を行うと、一方の部分透視用関心領域R2の位置情報は絞り制御部13および画素値演算部153に送られる。また、他方の部分透視の開始の指示は主制御部121に送られる。
(S12)
絞り制御部13は、部分透視用関心領域R2の位置情報に基づいてX線絞り4の絞り羽根41〜44をそれぞれ移動させ、X線の照射野を部分透視用関心領域R2に応じた範囲に限定する。透視照射条件設定部18は、主制御部121に、透視照射条件を送る。
(S13)
絞り制御部13が、部分透視用関心領域R2の位置情報に基づいて、X線の照射野を絞ることに応じて、透視照射条件設定部18から部分透視用関心領域R2の位置情報が画素値演算部153に送られる。画素値演算部153は、生成されようとしている部分透視像の画素値の統計値の算出対象となる範囲を部分透視用関心領域R2に応じて変更する。
(S14)
透視照射条件設定部18から受けた透視照射条件に基づいて、X線制御部12が高電圧発生部122などを制御し、部分透視用関心領域R2においてX線が照射される。
(S15)
X線検出部5が透過X線に基づき検出データを生成すると、検出データは収集データ処理部15に送られる。収集データ処理部15はインターフェース151を介して検出データを受けると、記憶部156に一旦記憶する。画像生成部152は記憶部156から検出データを読み出し、部分透視像を生成する。
(S16)
画素値演算部153は、画像生成部152から受けた部分透視像における画素値の統計値β(平均値等)を求める。画素値比較部154は、画素値演算部153が求めた画素値の統計値βと、透視照射条件設定部18から受けた閾値αとを比較する。なお、画素値比較部154は比較結果が所定の範囲内であるか判断してもよい。
(S17)
画素値比較部154(または主制御部121)は、画素値比較部154による比較結果を参照し、画素値の統計値βと閾値αとの差(または比)が大きいか判断することにより、X線条件などの透視照射条件を変更するかについて判断する。
(S18)
画素値の統計値βと閾値αとの差(または比)が大きければ(S17;Yes)、主制御部121は管電圧kV、管電流・照射時間積mAsに関するパラメータを変更する。
(S19)
また主制御部121は、画素値の統計値βと閾値αとの差(または比)が小さければ(S17;No)、主制御部121は透視照射条件を元のまま維持する。
(S20)
主制御部121は、部分透視を継続するかについて判断する。例えば操作者が操作部162を介して部分透視停止の指示を行った場合、X線照射停止指示信号が演算制御部11を介して主制御部121に送られる。主制御部121はX線照射停止指示信号を受けるまで、順次S14〜S19の動作を繰り返す。なお、このS20の処理は説明の便宜上S18またはS19の後工程として説明したが、S14〜S17のいずれかの時点で主制御部121がX線照射停止指示信号を受けた場合は、その時点で主制御部121はX線の照射を停止する。
また、一例において、X線照射停止指示の信号(透視停止)の操作がなされると、主制御部121は、高電圧発生部122などX線の照射(出力)に関わる各部の駆動を停止し、X線の照射を停止する。
なお、S15の工程(部分透視像の生成)の後、画像合成部174は、画像生成部152によって生成された部分透視像を受け、さらにLIH画像を読み出す。また画像合成部174は、部分透視像を読み出したLIH画像と合成する。合成画像は表示部161に表示される。
(作用効果)
以上説明した本実施形態にかかる医用画像診断装置の作用および効果について説明する。
本実施形態における医用画像診断装置は、通常の関心領域R1における透視(第1の撮影)が停止され、部分透視用関心領域R2における透視が開始されると、第1のABC制御から第2のABC制御に切り替わる。すなわち、部分透視が開始されると、部分透視像の画素値の統計値の算出範囲を部分透視用関心領域R2に対応させる。したがって、ABC制御の対象となる統計値の算出範囲が部分透視像の範囲を超えてしまうことによって統計値の値が低くなりすぎる事態を回避することが可能である。その結果、部分透視における第2のABC制御によってX線条件が高められることによる、被検体の被曝量の増加を防止することが可能である。
また本実施形態の医用画像診断装置は、部分透視の場合に限らず、意図せずに関心領域が狭くなってしまった場合においても、画素値の統計値の算出範囲を透視範囲に対応して関心領域を限定させる。したがって、意図せずにX線条件が高められることによる、被検体の被曝量の増加を防止することが可能である。
[第1変形例]
次に、第1実施形態にかかる医用画像診断装置の第1変形例について説明する。第1実施形態にかかる医用画像診断装置では、画像生成部152によって生成されたX線画像の輝度に基づいて第1のABC制御および第2のABC制御を行っている。しかしながらこれに限らず、これらのABC制御を検出データに基づいて行ってもよい。
[第2変形例]
第1実施形態にかかる医用画像診断装置では、収集データ処理部15は、画素値の統計値と閾値を比較する構成である。しかしながらこの構成に限られない。例えば収集データ処理部15は、透視像または部分透視像における各画素と閾値とを比較してから、さらに比較結果の平均値と当該閾値とを比較する構成であってもよい。この例において各画素と比較するための第1の閾値と、平均値と比較するための第2の閾値とをそれぞれに設定してもよい。
以上述べた第1変形例および第2変形例にかかるX線撮影装置の構成によっても、上記実施形態と同様の効果を実現することができる。
[第3変形例]
第1実施形態にかかる医用画像診断装置では、部分透視の制御においても画素値比較部154の比較結果または当該比較結果に基づき調整された透視照射条件が、主制御部121に送られる。ただし、調整された透視照射条件のパラメータをさらに調整してもよい。例えばこの変形例におけるX線制御部12は、図示しない記憶部に所定の係数を記憶している。この場合、部分透視に切り替わった後に比較結果に基づき透視照射条件を調整するにあたって、主制御部121は、所定の係数を当該記憶部から読み出す。また、主制御部121は、調整した透視照射条件に読み出した所定の係数を反映させ、高電圧発生部122の制御パラメータとして利用する。
この所定の係数としては、部分透視において照射されるX線の線量が低減するような係数が設定される。本変形例の一例として、画素値比較部154から受ける比較結果が、閾値αと統計値βの比であって、かつこの比が透視照射条件に乗算される構成が挙げられる。当該構成においては、所定の係数の値は、例えば、「0.65」である。この場合、当該比に「0.65」を乗算した値が透視照射条件に反映される。部分透視において画素値比較部154が求めた比較結果を透視照射条件に反映させるとしても、この例のように、X線の線量が低減するような係数を透視照射条件にさらに乗算させることで、X線照射量が1倍以下になるような制御を行う。
上述のように、部分透視においては照射範囲が狭まることによる散乱線の減少があり、それにより、画像の輝度が低下する場合がある。この場合。透視照射条件の調整をするABC制御を行うと、被検体の被ばく量の抑制が困難となるおそれがある。この点、本変形例のような構成及び制御のもとでは、被ばく量の抑制を図ることができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態にかかる医用画像診断装置について図9および図10を参照して説明する。図9は、第2実施形態にかかる収集データ処理部15の機能構成の一部を示す概略ブロック図である。また、図10は、透視を実行する第2実施形態の医用画像診断装置の第1ゲイン調整の流れを説明する概略フローチャートである。第2実施形態においては、第1実施形態と比較して収集データ処理部15、X線制御部12の内容が異なる。その他の部分は第1実施形態にかかる医用画像診断装置と同様である。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
<第1ゲイン調整部155>
図9に示すように第2実施形態にかかる収集データ処理部15は、インターフェース151、画像生成部152、画素値演算部153、画素値比較部154の他に、第1ゲイン調整部155を含んで構成されている。第1ゲイン調整部155は、画像生成部152が検出データに基づいて画像データ(生画像データ)を生成した後、当該画像データの画素値の調整すなわち、ゲイン調整を行う。例えば第1ゲイン調整部155は、当該画像データを画像生成部152から受け、あるいは当該画像データを記憶部156から読出し、当該画像データにおける画素値のゲイン調整を行う。第1ゲイン調整部155におけるゲイン調整により、X線画像の階調(輝度)が調整される。なお、生画像データとは、画像生成部152が生成した画像データであって、第1実施形態で述べた所定の画像処理や画像合成が施されていないデータである。
第1ゲイン調整部155は、一例として第1ルックアップテーブルを有していてもよい。第1ルックアップテーブルは、画像データの画素値(入力)を、予め設定された所定の画素値に補正(出力)するような対照表の形式を有する。この場合、第1ゲイン調整部155は、第1ルックアップテーブルによりゲイン調整を行う。すなわち、記憶部156から受けた画像データにおける各画素の画素値(階調)を、第1ルックアップテーブルにより任意の画素値に補正する。
また、第1ゲイン調整部155における第1ルックアップテーブルは、その設定値が、画素値比較部154の比較の結果を受けて調整される。すなわち、画素値演算部153は、第1実施形態と同様に、通常の透視および部分透視において、画像生成部152が生成した透視像などX線画像データ(またはその縮小画像)の画素値の統計値β(またはβ)を算出する。また、画素値比較部154は、演算制御部11を介して透視照射条件設定部18から閾値αのデータを受ける。また画素値比較部154は、閾値αと当該統計値β(またはβ)とを比較する。第2実施形態においては、ここで求められた比較結果(差・比など)が、透視照射条件の調整だけでなく、画像データのゲイン調整にも用いられる。
すなわち、第1ゲイン調整部155は、画素値比較部154から比較の結果を受け、その結果に基づき第1ルックアップテーブルの設定値を調整する。例えば、閾値αに対して、統計値β(またはβ)の値が低い場合、画像データの画素値が閾値αに近づくように第1ルックアップテーブルの設定値を変更する。変更後の第1ルックアップテーブルにより画像データ(生画像データ)のゲイン調整を行うと、例えば通常の透視画像や部分透視像の画素値(輝度)が高まり、透視像や部分透視像の視認性を向上させることが可能である。
なお、閾値αはLIH画像の画素値の統計値に基づいて設定されてもよい。すなわち、LIH画像全体の輝度と部分透視像の輝度が大きく異なると合成画像の視認性に支障をきたすおそれがあるが、閾値αをLIH画像の画素値の統計値に応じて設定すれば、LIH画像の輝度と部分透視像の輝度を対応させることが可能となるためである。
なお、比較の結果が所定の範囲内であるかについて画素値比較部154に判断させてもよい。この例において、当該差が所定の範囲内であれば、画素値比較部154は第1ゲイン調整部155による第1ルックアップテーブルの設定値の変更を不要と判断し、第1ゲイン調整部155に比較の結果を送らない。当該差が所定の範囲外であれば、比較の結果(差など)を第1ゲイン調整部155に送る。第1ゲイン調整部155はこの比較の結果に応じて第1ルックアップテーブルの設定値を変更し、透視像等の画像データの画素値を調整する。
なお、第1ゲイン調整部155が画素値比較部154から比較の結果を受けて第1ルックアップテーブルの設定値を変更する構成に限らず、画素値比較部154が比較の結果に基づいて第1ルックアップテーブルの設定値を変更してもよい。この例において、画素値比較部154は第1ゲイン調整部155に変更後の第1ルックアップテーブルの設定値を送る。第1ゲイン調整部155は画素値比較部154から受けた変更後の第1ルックアップテーブルに基づき、画像データ(生画像データ)のゲイン調整を行う。
<動作>
次に図10のフローチャートを参照し、上述の第1ゲイン調整部155によるゲイン調整の流れについて説明する。図10は、通常の関心領域R1における透視の例に関するものである。また、図10においては、透視照射条件の調整についてのABC制御の流れを省略して記載している。
(S21〜S24)
第2実施形態の第1ゲイン調整に関するABC制御においても、透視開始(S21、S22)から透視像の生成(S23)までの処理は、第1実施形態のS01〜S03までと同様である。したがって、これらの処理については説明を割愛する。また、統計値β(またはβ)の算出、閾値αと統計値β(またはβ)との比較(S24)についても、第1実施形態のS04と同様であるため、説明を割愛する。
(S25)
画素値比較部154(または主制御部121)は、画素値比較部154による比較結果を参照し、第1ゲイン調整部155における第1ルックアップテーブル(第1LUT)を変更するかについて判断する。
(S26)
画素値の統計値β(またはβ)と閾値αとの差(絶対値等)が所定の値より大きければ(S25;Yes)、画素値比較部154(または主制御部121)は、第1ゲイン調整部155に、差を示す情報がまたは比を示す情報を送る。第1ゲイン調整部155は、当該情報を受けて第1ルックアップテーブルの設定値を調整(変更)する。第1ゲイン調整部155は、調整後の第1ルックアップテーブルにしたがって、画像生成部152が生成した画像データのゲインを調整する。なお、第1ルックアップテーブルの調整は、画素値比較部154が比較の結果に基づき行ってもよい。
(S27)
また画素値比較部154(または主制御部121)は、画素値の統計値β(またはβ)と閾値αとの差または比が小さければ(S25;No)、第1ルックアップテーブルを元のまま維持する。
(S28)
画素値比較部154(または主制御部121)による、透視の継続についての判断は、第1実施形態におけるS08の処理と同様であるため、説明を割愛する。
また、一例において、X線照射停止(透視停止)の操作がなされると、主制御部121は、高電圧発生部122などX線の照射(出力)に関わる各部の駆動を停止し、X線の照射を停止する。また、この停止指示の操作に応じて画像生成部152はLIH画像を記憶部156に記憶させる。
また第2実施形態においては、X線制御部12によるX線照射制御が部分透視に切り替わった後においても、画素値演算部153は、画像生成部152が生成した部分透視像(またはその縮小画像)の統計値βを求める。同様に画素値比較部154は、部分透視においても統計値βと閾値αの比較を行う。したがって、第2実施形態において画素値比較部154の比較結果は、透視照射条件の調整および第1ゲイン調整部155における第1ルックアップテーブルの設定値の調整に用いられる。
(作用効果)
以上説明した第2実施形態にかかる医用画像診断装置の作用および効果について説明する。
本実施形態における医用画像診断装置は、通常の関心領域R1における透視(第1の撮影)が停止され、部分透視用関心領域R2における透視が開始されると、第1のABC制御から第2のABC制御に切り替わる。すなわち、部分透視が開始されると、部分透視像の画素値の統計値の算出範囲を部分透視用関心領域R2に対応させる。したがって、ABC制御の対象となる統計値の算出範囲が部分透視像の範囲を超えてしまうことによって統計値の値が低くなりすぎる事態を回避することが可能である。その結果、部分透視における第2のABC制御によってX線条件が高められることによる、被検体の被曝量の増加を防止することが可能である。
また、LIH画像の画素値の統計値と部分透視像の画素値の統計値とが異なることにより、画像それぞれの輝度が異なる場合には、視認性に支障を来すおそれがある。しかし、第2実施形態においては、画像生成部152が生成した画像データのゲイン調整を、透視像や部分透視像の輝度に応じて調整する。したがって、LIH画像の輝度と部分透視像の輝度を対応させ、視認性が低下する事態を回避することが可能となる。
また、第1ゲイン調整部155は、画像調整部173による画像処理の前段階でゲイン調整を行うので、画像調整部173は画像データの画素値が調整された状態で画像処理を行うことになる。つまり、第2実施形態における医用画像診断装置は当該画像処理を有効に行うことが可能である。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態にかかる医用画像診断装置について図11および図12を参照して説明する。図11は、第3実施形態にかかる表示データ処理部17の機能構成の一部を示す概略ブロック図である。第3実施形態においては、第1実施形態と比較して収集データ処理部15、X線制御部12の内容が異なる。その他の部分は第1実施形態にかかる医用画像診断装置と同様である。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
<第2ゲイン調整部175>
図11に示すように第3実施形態にかかる表示データ処理部17は、インターフェース171、サブトラクション処理部172、画像調整部173、画像合成部174の他に、第2ゲイン調整部175を含んで構成されている。第2ゲイン調整部175は、画像生成部152に生成され、さらに第1実施形態で述べた所定の画像処理や画像合成が施されたいわば表示用の画像データのゲイン調整を行う。つまり当該画像データの画素値の調整を行う。表示用の画像データには、例えばデジタル血管造影画像、エネルギーサブトラクション画像、3Dロードマップ画像なども含まれる。
例えば収集データ処理部15により生成された画像データは、サブトラクション処理部172によりサブトラクション処理がなされてサブトラクション画像となる。また収集データ処理部15からの画像データは画像調整部173により所定の画像処理が行われる。また、収集データ処理部15から受けた画像データは、画像合成部174によりその他の画像データと合成される。第3実施形態の第2ゲイン調整部175は、これらの画像データに対しゲイン調整を行う。
また、収集データ処理部15により生成された画像データは、記憶部156に記憶される場合がある。第2ゲイン調整部175は、透視が中断または完了した際に、操作者が記憶部156から読出した画像データにおける画素値のゲイン調整を行うことも可能である。このように第2ゲイン調整部175におけるゲイン調整により、X線画像の階調(輝度)が調整される。
第2ゲイン調整部175は、第2ルックアップテーブルを有する。第2ゲイン調整部175は、第2ルックアップテーブルによりゲイン調整を行う。すなわち第2ゲイン調整部175は、画像生成部152が生成したX線画像における各画素の画素値(階調)を、第2ルックアップテーブルにより任意に設定された画素値に補正する。換言すると、第2ルックアップテーブルにより、生成されたX線画像におけるウインドウレベル(WL/Window Level)、ウインドウ幅(WW/Window Width)を調整し、ウインドウ変換を行い、X線画像の画素値(輝度値/濃淡値)が調整される。
第3実施形態においては、画像生成部152が生成した透視像や部分透視像等、X線画像の画素値と閾値の比較結果に応じて、第2ルックアップテーブルの設定値を調整する。すなわち、第1実施形態と同様に画素値演算部153は、X線画像における画素値の統計値β(またはβ)を求め、画素値比較部154に送る。さらに画素値比較部154は、画素値の閾値αの情報を受ける。また画素値比較部154は、画素値の統計値β(またはβ)と当該閾値αとを比較する。第3実施形態の画素値比較部154は、比較の結果を第2ゲイン調整部175に送る。
なお、比較の結果が所定の範囲内であるかについて画素値比較部154に判断させてもよい。この例において、当該差が所定の範囲内であれば、画素値比較部154は第2ゲイン調整部175による第2ルックアップテーブルの変更を不要と判断し、第2ゲイン調整部175に比較の結果を送らない。当該差が所定の範囲外であれば、比較の結果(差など)を第2ゲイン調整部175に送る。第2ゲイン調整部175はこの比較の結果に応じて第2ルックアップテーブルの設定値を調整し、X線画像の画素値を調整する。
なお、第2ゲイン調整部175が画素値比較部154から比較の結果を受けて第2ルックアップテーブルを変更する構成に限らず、画素値比較部154が比較の結果に基づいて第2ルックアップテーブルを変更してもよい。この例において、画素値比較部154は第2ゲイン調整部175に変更後の第2ルックアップテーブルを送る。第2ゲイン調整部175は画素値比較部154から受けた変更後の第2ルックアップテーブルに基づき、透視像等、X線画像のウインドウ変換を行う。
さらに、第2ルックアップテーブルの設定値は、操作部162等により調整が可能である。ユーザは、操作により第2ルックアップテーブルの設定値を調整することができるので、第2ゲイン調整部175によるX線画像の画素値(輝度)のゲイン調整を任意に行うことが可能である。したがって、一旦記憶されたX線画像であっても、読み出してから画像を任意の輝度に調整することも可能である。
<動作>
次に図12のフローチャートを参照し、上述の第2ゲイン調整部175に関するゲイン調整の流れについて説明する。図12は、通常の関心領域R1における透視の例に関するものである。また、図12においては、透視照射条件の調整についてのABC制御の流れを省略して記載している。
(S31〜S34)
第3実施形態の第2ゲイン調整に関するABC制御においても、透視開始(S31、S32)から透視像の生成(S33)までの処理は、第1実施形態のS01〜S03までと同様である。したがって、これらの処理については説明を割愛する。また、統計値βの算出、閾値αと統計値βとの比較(S34)についても、第1実施形態のS04と同様であるため、説明を割愛する。
(S35)
画素値比較部154(または主制御部121)は、画素値比較部154による比較結果を参照し、第2ゲイン調整部175における第2ルックアップテーブル(第2LUT)の設定値を変更するかについて判断する。
(S36)
画素値の統計値βと閾値αとの差(絶対値等)が所定の値より大きければ(S35;Yes)、画素値比較部154(または主制御部121)は、第2ゲイン調整部175に、差を示す情報または比を示す情報を送る。第2ゲイン調整部175は、当該情報を受けて第2ルックアップテーブルの設定値を調整(変更)する。第2ゲイン調整部175は、調整後の第2ルックアップテーブルにしたがって、画像処理等がなされた画像データのゲインを調整する。なお、第2ルックアップテーブルの調整は、画素値比較部154が比較の結果に基づき行ってもよい。
(S37)
また画素値比較部154(または主制御部121)は、画素値の統計値βと閾値αとの差または比が小さい場合(S35;No)、第2ゲイン調整部175に第2ルックアップテーブルの調整の指示を送らない。ただし、第2ゲイン調整部175は、操作部162からのウインドウ変換の操作にかかる指示があったかについて判断する。
(S38)
第2ゲイン調整部175は、画素値比較部154および操作部162のいずれからも第2ルックアップテーブルの調整の指示がない場合(S35;No∧S37;No)、第2ルックアップテーブルを元のまま維持する。
(S39)
画素値比較部154(または主制御部121)による、透視の継続についての判断は、第1実施形態におけるS08の処理と同様であるため、説明を割愛する。
また、一例において、X線照射停止(透視停止)の操作がなされると、主制御部121は、高電圧発生部122などX線の照射(出力)に関わる各部の駆動を停止し、X線の照射を停止する。また、この停止指示の操作に応じて画像生成部152はLIH画像を記憶部156に記憶させる。また、主制御部121がLIH画像に対応する透視照射条件を図示しない記憶部に記憶させる。
また第3実施形態においては、X線制御部12によるX線照射に関する制御が部分透視に切り替わった後においても、画素値演算部153は、画像生成部152が生成した部分透視像(またはその縮小画像)の統計値β(またはβ)を求める。同様に画素値比較部154は、部分透視においても統計値β(またはβ)と閾値αの比較を行う。ただし、第3実施形態において画素値比較部154の比較結果は、透視条件の調整には用いられず、第2ゲイン調整部175における第2ルックアップテーブルの設定値の調整に用いられる。
(他の例)
また、閾値αと部分透視像の画素値の統計値β(またはβ)との比を求める構成であってもよい。例えば、部分透視におけるゲイン調整のルックアップテーブルの調整値として閾値αを設定する。この構成において第2ゲイン調整部175は、閾値αと部分透視像の画素値の統計値β(またはβ)との比を求め、求めた比に基づいて第2ルックアップテーブルを変更してもよい。
(作用効果)
以上説明した第3実施形態にかかる医用画像診断装置の作用および効果について説明する。
本実施形態における医用画像診断装置は、通常の関心領域R1における透視(第1の撮影)が停止され、部分透視用関心領域R2における透視が開始されると、部分透視像の画素値の統計値の算出範囲を部分透視用関心領域R2に対応させる。したがって、統計値の算出範囲が部分透視像の範囲を超えてしまうことによって統計値の値が低くなりすぎる事態を回避することが可能である。
また本実施形態の医用画像診断装置は、部分透視の場合に限らず、意図せずに関心領域が狭くなってしまった場合においても、画素値の統計値の算出範囲を透視範囲に対応して関心領域を限定させる。
また、LIH画像の画素値の統計値と部分透視像の画素値の統計値とが異なることにより、画像それぞれの輝度が異なってしまう場合には、視認性に支障をきたすおそれがある。しかし、第3実施形態においては、画像生成部152が生成した部分透視像のウインドウ変換を、部分透視像の輝度に応じて調整する。したがって、LIH画像の輝度と部分透視像の輝度を対応させ、視認性が低下する事態を回避することが可能となる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態にかかる医用画像診断装置について説明する。第4実施形態においては、第2実施形態と比較してゲイン調整の対象となるデータが異なる。その他の部分は第2実施形態にかかる医用画像診断装置と同様である。以下、第2実施形態との相違点を中心に説明する。
第2実施形態と同様に、第4実施形態においても、画素値比較部154が統計値と閾値の比較を行うが、第4実施形態においては統計値の算出対象が、通常の透視または部分透視における検出データ(デジタル信号)の画素値(信号値)である。またこのゲイン調整は、第3ゲイン調整部(不図示)により行われる。画素値演算部153により求められた統計値と閾値の比較結果に応じて、画素値比較部154または第3ゲイン調整部は、第3ルックアップテーブルを変更する。この構成が第4実施形態と第2実施形態との差異点である。その他の点は同様である。
(作用効果)
以上説明した第4実施形態にかかる医用画像診断装置の作用および効果について説明する。
本実施形態における医用画像診断装置は、通常の関心領域R1における透視(第1の撮影)が停止され、部分透視用関心領域R2における透視が開始されると、第1のABC制御から第2のABC制御に切り替わる。すなわち、部分透視が開始されると、部分透視像の画素値の統計値の算出範囲を部分透視用関心領域R2に対応させる。したがって、ABC制御の対象となる統計値の算出範囲が部分透視像の範囲を超えてしまうことによって統計値の値が低くなりすぎる事態を回避することが可能である。その結果、部分透視における第2のABC制御によってX線条件が高められることによる、被検体の被曝量の増加を防止することが可能である。
また本実施形態の医用画像診断装置は、部分透視の場合に限らず、意図せずに関心領域が狭くなってしまった場合においても、画素値の統計値の算出範囲を透視範囲に対応して関心領域を限定させる。したがって、意図せずにX線条件が高められることによる、被検体の被曝量の増加を防止することが可能である。
また、LIH画像の画素値の統計値と部分透視像の画素値の統計値とが異なることにより、画像それぞれの輝度が異なる場合には、視認性に支障を来すおそれがある。しかし、第5実施形態においては、X線検出部5から受け記憶部156に記憶された検出データ(デジタル信号)のゲイン調整を、透視像や部分透視像の輝度に応じて調整する。したがって、LIH画像の輝度と部分透視像の輝度を対応させ、視認性が低下する事態を回避することが可能となる。また、第3ゲイン調整部は、画像調整部173による画像処理の前段階でゲイン調整を行う場合があるので、画像調整部173は部分透視の検出データの画素値が調整された状態で画像処理を行うことになる。つまり、第4実施形態における医用画像診断装置は当該画像処理を有効に行うことが可能な場合がある。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態にかかる医用画像診断装置について図13および図14を参照して説明する。第5実施形態においては、第1実施形態と比較して透視照射条件設定部18に対する透視照射条件の設定内容ならびに収集データ処理部15およびX線制御部12の処理内容が異なる。その他の部分は第1実施形態にかかる医用画像診断装置と同様である。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
(概要)
第5実施形態における医用画像診断装置は、部分透視像の画素値の統計値βを算出するにあたり、所定の画素値を有する画素、例えば閾値未満の画素値を有する画素を除く。これにより、統計値βの算出値を低くする傾向のある画素、例えば人工弁やペースメーカー等を示す画素を除いて部分透視像の画素値の統計値を算出する。言い換えれば部分透視像において輝度を下げる傾向のある部分を除いて画素値の統計値βを算出し、第2のABC制御を行う。
(収集データ処理部15)
収集データ処理部15は、第1実施形態と同様に第1のABC制御において、画像生成部152により生成された透視像を画素値演算部153に送る。また第5実施形態における収集データ処理部15は、第2のABC制御において、画像生成部152により生成された部分透視像を画素値比較部154に送る。
(透視照射条件設定部18)
第1実施形態と同様に、透視照射条件設定部18は、演算制御部11を介して操作部162から、統計値βまたは統計値βと比較される閾値αの入力を受ける。透視照射条件設定部18は閾値αを記憶する。第5実施形態においては、閾値αと同様に、閾値αの入力を受け、記憶する。第5実施形態においては画素値演算部153が、閾値αに基づいて部分透視像における各画素に対して閾値処理を行う。その閾値処理によって画素値演算部153は、設定された統計値の算出範囲において、所定の画素値を有する画素を特定する。画素値演算部153による部分透視像の画素値の統計値βの求め方は、次の通りである。
(画素値比較部154)
第2のABC制御において、画素値比較部154は部分透視像のデータを画像生成部152から受ける。画素値比較部154は、部分透視像を受けると、透視照射条件設定部18から閾値αの情報を受ける。さらに画素値比較部154は、部分透視像における各画素の画素値と閾値αとを比較する。また、画素値比較部154は、例えば当該各画素のうち、閾値α未満(または閾値α以下)の画素値を有する画素を特定する。さらに画素値比較部154は、特定した画素の位置情報とともに部分透視像のデータを画素値演算部153に送る。
(画素値演算部153)
画素値演算部153は、第1実施形態と同様に統計値βを求める。また、第5実施形態における画素値演算部153は、画像生成部152からではなく、画素値比較部154から部分透視像のデータを受ける。また画素値演算部153は、画素値比較部154から部分透視像のデータとともに、画素値比較部154が特定した画素の位置情報を受ける。
画素値演算部153は、部分透視像の各画素のうち、画素値比較部154から受けた位置情報に基づいて、閾値α未満(または閾値α以下)の画素値を有する画素を除いて統計値βを求める。言い換えれば、画素値演算部153は、閾値α未満(または閾値α以下)の画素値を有する画素以外の画素を特定して統計値βを求める。画素値演算部153は、このように求めた統計値βを画素値比較部154に送る。画素値比較部154は、第1実施形態と同様に統計値βと閾値αとを比較し、比較結果をX線制御部12に送る。
(他の例)
なお、画素値演算部153は、上述のように画素値比較部154によって特定された画素を除いて統計値βを求める構成に限られない。例えば、画素値演算部153は、画素値比較部154から受けた特定の画素の位置情報に基づき、当該閾値α未満の画素値を閾値α以上の画素値に置き換えて統計値βを求めてもよい。閾値α以上の画素値とは、例えば部分透視像の全画素の画素値の平均値、中間値、最小値、最大値などが該当する。また、特定された画素に隣接する、閾値α以上の画素値を有する画素に置き換えてもよい。
また、画素値比較部154は、閾値α未満(または閾値α以下)の画素値を有する画素を特定する構成に限らず、所定の範囲内の画素値を有する画素を特定してもよい。すなわち、画素値演算部153による統計値の算出対象となる画素値の上限および下限が設定されていてもよい。
(部分透視)
次に、図13および図14を参照して第5実施形態における部分透視に関するX線制御部12の制御および収集データ処理部15の処理の流れについて説明する。図13および図14は、第5実施形態における部分透視に関する医用画像診断装置の第2のABC制御の流れを説明する概略フローチャートである。
(S41)
部分透視用関心領域R2の位置情報が絞り制御部13および画素値演算部153に送られ、部分透視の開始の指示が主制御部121に送られる。
(S42)
絞り制御部13は、部分透視用関心領域R2の位置情報に基づいてX線の照射野を部分透視用関心領域R2に応じた範囲に限定する。透視照射条件設定部18は、主制御部121に透視照射条件を送る。
(S43)
絞り制御部13がX線の照射野を絞ることに応じて、透視照射条件設定部18から部分透視用関心領域R2の位置情報が画素値演算部153に送られる。画素値演算部153は、統計値の算出対象となる範囲を部分透視用関心領域R2に変更する。
(S44)
透視照射条件設定部18から受けた透視照射条件に基づいて、X線制御部12が高電圧発生部122などを制御し、部分透視用関心領域R2においてX線が照射される。
(S45)
X線検出部5が透過X線に基づき検出データを生成すると、検出データは収集データ処理部15に送られる。収集データ処理部15は検出データを記憶部156に一旦記憶する。画像生成部152は記憶部156から検出データを読み出す。さらに画像生成部152は、部分透視像を生成する。
(S46)
画素値比較部154は、部分透視像における各画素の画素値と閾値αとを比較する。また一例において、画素値比較部154は、当該各画素のうち、閾値α未満(または閾値α以下)の画素値を有する画素を特定する。さらに画素値比較部154は、特定した画素の位置情報とともに部分透視像のデータを画素値演算部153に送る。すなわち、ここで画素値比較部154により特定された画素以外の画素が、統計値βの算出対象となる。
(S47)
一例において画素値演算部153は、閾値α未満(または閾値α以下)の画素値を有する画素を除いて統計値βを求める。
(S48)
画素値比較部154は、画素値演算部153が求めた画素値の統計値βと、透視照射条件設定部18から受けた閾値αとを比較する。なお、画素値比較部154は比較結果が所定の範囲内であるか判断してもよい。
(S49)
画素値比較部154(または主制御部121)は、画素値比較部154による比較結果を参照し、画素値の統計値βと閾値αとの差(または比)が大きいか判断することにより、X線条件などの透視照射条件を変更するかについて判断する。
(S50)
画素値の統計値βと閾値αとの差(または比)が大きければ(S49;Yes)、主制御部121は管電圧kV、管電流・照射時間積mAsに関するパラメータを変更する。
(S51)
また主制御部121は、画素値の統計値βと閾値αとの差(または比)が小さければ(S49;No)、主制御部121は透視照射条件を元のまま維持する。
(S52)
主制御部121は、部分透視を継続するかについて判断する。例えば操作者が操作部162を介して部分透視停止の指示を行った場合、X線照射停止指示信号が演算制御部11を介して主制御部121に送られる。主制御部121はX線照射停止指示信号を受けるまで、順次S44〜S51の動作を繰り返す。なお、このS52の処理は説明の便宜上S50またはS51の後工程として説明したが、S44〜S49のいずれかの時点で主制御部121がX線照射停止指示信号を受けた場合は、その時点で主制御部121はX線の照射を停止する。
(作用効果)
以上説明した第5実施形態にかかる医用画像診断装置の作用および効果について説明する。
本実施形態における医用画像診断装置は、通常の関心領域R1における透視が停止され、部分透視用関心領域R2における透視が開始されると、第1のABC制御から第2のABC制御に切り替わる。すなわち、部分透視が開始されると、部分透視像の画素値の統計値の算出範囲を部分透視用関心領域R2に対応させる。したがって、ABC制御の対象となる統計値の算出範囲が部分透視像の範囲を超えてしまうことによって統計値の値が低くなりすぎる事態を回避することが可能である。その結果、部分透視における第2のABC制御によってX線条件が高められることによる、被検体の被曝量の増加を防止することが可能である。
また本実施形態の医用画像診断装置は、部分透視の場合に限らず、意図せずに関心領域が狭くなってしまった場合においても、画素値の統計値の算出範囲を透視範囲に対応して関心領域を限定させる。したがって、意図せずにX線条件が高められることによる、被検体の被曝量の増加を防止することが可能である。
部分透視像における画素は、部分透視用関心領域R2の範囲内の画素だけでなく、通常の関心領域R1の範囲内かつ部分透視用関心領域R2範囲外の画素(絞り羽根に当たる部分等)を含んでしまう場合がある。また、部分透視用関心領域R2には、ペースメーカーや骨等の輝度が低くなる傾向のある構造物を示す画素群が含まれる場合がある。この点、第5実施形態における医用画像診断装置は、部分透視像の画素値の統計値βを算出するにあたり、統計値βの算出値を低くする傾向のある画素を除いて統計値βを算出する。その結果、部分透視における第2のABC制御によってX線条件が高められ、被検体の被曝量の増加を防止することが可能である。
[第6実施形態]
次に、第6実施形態にかかる医用画像診断装置について図15〜図17を参照して説明する。図15は、第6実施形態にかかる収集データ処理部15の機能構成の一部を示す概略ブロック図である。第6実施形態においては、第1実施形態および第5実施形態と比較して収集データ処理部15およびX線制御部12が異なる。その他の部分は第1実施形態および第5実施形態にかかる医用画像診断装置と同様である。以下、第5実施形態との相違点を中心に説明する。
(概要)
第6実施形態における医用画像診断装置は、部分透視像の画素値の統計値βを算出するにあたり、部分透視像に示される各部分のパターン認識を行う。例えば医用画像診断装置には、被検体内において統計値βの算出値を低くする傾向のある各構造物のパターンが複数登録されている。収集データ処理部15は、部分透視像における構造物にあたる画素群を、部分透視像から抽出し、抽出結果と、登録されたパターンとを比較する。収集データ処理部15は、登録されたパターンと相関する構造物を部分透視像から除き、画素値演算部153に送る。これにより、統計値βの算出値を低くする傾向のある範囲(画素群)を除いて部分透視像の画素値の統計値を算出する。言い換えれば部分透視像において輝度を下げる傾向のある部分を除いて画素値の統計値βを算出し、第2のABC制御を行う。
(記憶部156)
収集データ処理部15における記憶部156は、人工弁やペースメーカー、コイル等の被検体内に留置された人工物、カテーテルやガイドワイヤー等の挿入物、または撮影部位ごとに存在する骨等、被検体内の組織などの構造物のパターンを複数記憶している。これらのパターンは、上記構造物の3次元的な形状であるか、または、上記構造物における複数の検出角に基づく2次元的な形状であってもよい。またこれらのパターンは形状の特徴にしたがったカテゴリーごとに記憶されていてもよい。これら記憶部156に記憶されたパターンが示す構造物を、いずれもX線吸収率が高く、画像において輝度が低くなる傾向にあるものとしてもよい。なお、記憶部156に記憶されたパターンについて、以下、「特定構造物パターン」と記載することがある。
(比較部159)
図15に示すように、収集データ処理部15は、インターフェース151、画像生成部152、画像演算部153、画素値比較部154、第1ゲイン調整部155、および比較部159を含んで構成される。
比較部159は、画像生成部152によって生成された部分透視像の画像データを受ける。比較部159は、部分透視像に示される各画素群を抽出する。また、比較部159は、画像調整部173によって、調整された画像データから各画素群を抽出してもよい。例えば、収集データ処理部15は、合成画像となる部分透視像とは別の画像データを、画像調整部173に送る。画像調整部173は、ノイズ低減、エッジ検出、輪郭強調などの処理を行う。比較部159は、この処理済みの部分透視像に示される各画素群の輪郭を抽出する。この部分透視像は、表示部161における表示態様とは別であるため、画像の見やすさを考慮せずに輪郭抽出をより強調することができる。
比較部159は、輪郭が強調された各画素群を抽出する。また比較部159は、記憶部156から、上記記憶された特定構造物パターンを読み出す。さらに比較部159は、抽出した画素群ごとに特定構造物パターンと比較し、相関するか否かを判断する。一例として、まず比較部159は部分透視像から抽出した画素群の特徴点を抽出する。構造物の特徴点とは、構造物の輪郭形状における特徴点などである。この特徴点を、読み出した特定構造物パターンと照合する。
他の例として、比較部159は、部分透視像における各画素群全体の輪郭と特定構造物パターンとが相関するかを照合してもよい。
いずれの場合であっても、記憶部156に記憶された特定構造物パターンが3次元的であれば、比較部159は部分透視像の各画素群(2次元画像)を、3次元的な特定構造物パターンに対する検出角ごと、検出方向ごとに当てはめて照合を行う。
比較部159は、照合の結果、部分透視像における各画素群と、特定構造物パターンとの類似度、相関度、一致率などを求める。当該パターン認識の結果、特定構造物パターンと画素群との類似度があらかじめ設定した値以上であれば、比較部159は、当該部分透視像における画素群を、特定構造物パターンにかかる構造物(例えばペースメーカ)と判断する。
比較部159は、部分透視像が示す画素群が、予め記憶した特定構造物パターンに該当すると判断した場合、その部分透視像の画素群が占める範囲の画素を特定する。さらに比較部159は、部分透視像全体から当該特定した範囲の画素を除外した上で、部分透視像のデータを画素値演算部153に送る。
(画素値演算部153)
画素値演算部153は、第1実施形態と同様に統計値βを求める。また、第6実施形態における画素値演算部153は、収集データ処理部15における比較部159から、上記所定範囲の画素が除外された部分透視像のデータを受ける。画素値演算部153は、この部分透視像のデータについて上述のように統計値βを求める。
(他の例)
なお、画素値演算部153は、上述のように比較部159によって所定範囲の画素が除かれた部分透視像の統計値βを求める構成に限られない。例えば、所定範囲の画素を除外する工程を画素値演算部153が行ってもよい。すなわち比較部159は、部分透視像が示す画素群が、予め記憶した特定構造物パターンに該当すると判断した場合、その部分透視像の画素群が占める範囲の位置情報(部分透視像中の座標等)を特定する。さらに比較部159は、部分透視像全体から当該特定した位置情報と、部分透視像のデータとを画素値演算部153に送る。この構成において画素値演算部153は、受けた位置情報に基づいて所定範囲の画素を除外して統計値βを求める。
また、画素値演算部153は、上述のように特定された画素を除いて統計値βを求める構成に限られない。例えば、画素値演算部153は、比較部159から受けた特定の画素の位置情報に基づき、当該特定の画素の画素値を他の隣接する画素の画素値に置き換えて統計値βを求めてもよい。
(部分透視)
次に、図16および図17を参照して第6実施形態における部分透視に関するX線制御部12の制御および収集データ処理部15の処理の流れについて説明する。図16および図17は、第6実施形態における部分透視に関する医用画像診断装置の第2のABC制御の流れを説明する概略フローチャートである。
(S61)
部分透視用関心領域R2の位置情報が絞り制御部13および画素値演算部153に送られ、部分透視の開始の指示が主制御部121に送られる。
(S62)
絞り制御部13は、部分透視用関心領域R2の位置情報に基づいてX線の照射野を部分透視用関心領域R2に応じた範囲に限定する。透視照射条件設定部18は、主制御部121に透視照射条件を送る。
(S63)
絞り制御部13がX線の照射野を絞ることに応じて、透視照射条件設定部18から部分透視用関心領域R2の位置情報が画素値演算部153に送られる。画素値演算部153は、統計値の算出対象となる範囲を部分透視用関心領域R2に変更する。
(S64)
透視照射条件設定部18から受けた透視照射条件に基づいて、X線制御部12が高電圧発生部122などを制御し、部分透視用関心領域R2においてX線が照射される。
(S65)
X線検出部5が透過X線に基づき検出データを生成すると、検出データは収集データ処理部15に送られる。収集データ処理部15は検出データを記憶部156に一旦記憶する。画像生成部152は記憶部156から検出データを読み出す。さらに画像生成部152は、部分透視像を生成する。
(S66)
一例において、比較部159は、部分透視像から画素群を抽出する。
(S67)
一例として、比較部159は部分透視像から抽出した画素群の特徴点を抽出する。構造物の特徴点とは、構造物の輪郭形状における特徴点などである。この特徴点を、読み出した特定構造物パターンと照合する。
(S68)
比較部159は、照合の結果、部分透視像における各画素群と、特定構造物パターンとの類似度等があらかじめ設定した値以上であるか判断する。類似度等が設定した値以上であれば、当該部分透視像における画素群を、特定構造物パターンにかかる構造物(例えばペースメーカ)と判断する。
(S69)
一例として、比較部159は、部分透視像が示す画素群が、予め記憶した特定構造物パターンに該当すると判断した場合(S68;Yes)、その部分透視像の画素群が占める範囲の画素を特定する。さらに比較部159は、部分透視像全体から当該特定した範囲の画素を除外した上で、部分透視像のデータを画素値演算部153に送る。
(S70)
比較部159は、部分透視像全体から当該特定した範囲の画素を除外した上で、部分透視像のデータを画素値演算部153に送る。比較部159は、部分透視像が示す画素群のすべてが、予め記憶した特定構造物パターンに該当しないと判断した場合(S68;No)部分透視像の画像データをそのまま画素値演算部153に送る。画素値演算部153は、上記いずれかの部分透視像における画素の画素値の統計値βを求める。
(S71)
画素値比較部154は、画素値演算部153が求めた画素値の統計値βと、透視照射条件設定部18から受けた閾値αとを比較する。なお、画素値比較部154は比較結果が所定の範囲内であるか判断してもよい。
(S72)
画素値比較部154(または主制御部121)は、画素値比較部154による比較結果を参照し、画素値の統計値βと閾値αとの差(または比)が大きいか判断することにより、X線条件などの透視照射条件を変更するかについて判断する。
(S73)
画素値の統計値βと閾値αとの差(または比)が大きければ(S72;Yes)、主制御部121は管電圧kV、管電流・照射時間積mAsに関するパラメータを変更する。
(S74)
また主制御部121は、画素値の統計値βと閾値αとの差(または比)が小さければ(S72;No)、主制御部121は透視照射条件を元のまま維持する。
(S75)
主制御部121は、部分透視を継続するかについて判断する。例えば操作者が操作部162を介して部分透視停止の指示を行った場合、X線照射停止指示信号が演算制御部11を介して主制御部121に送られる。収集データ処理部15および主制御部121は、X線照射停止指示信号を受けるまで、順次S64〜S74の動作を繰り返す。なお、このS75の処理は説明の便宜上S73またはS74の後工程として説明したが、S64〜S72のいずれかの時点で主制御部121がX線照射停止指示信号を受けた場合は、その時点で主制御部121はX線の照射を停止する。
(作用効果)
以上説明した第6実施形態にかかる医用画像診断装置の作用および効果について説明する。
本実施形態における医用画像診断装置は、通常の関心領域R1における透視が停止され、部分透視用関心領域R2における透視が開始されると、においては第1のABC制御から第2のABC制御に切り替わる。すなわち、部分透視が開始されると、部分透視像の画素値の統計値の算出範囲を部分透視用関心領域R2に対応させる。したがって、ABC制御の対象となる統計値の算出範囲が部分透視像の範囲を超えてしまうことによって統計値の値が低くなりすぎる事態を回避することが可能である。その結果、部分透視における第2のABC制御によってX線条件が高められることによる、被検体の被曝量の増加を防止することが可能である。
また本実施形態の医用画像診断装置は、部分透視の場合に限らず、意図せずに関心領域が狭くなってしまった場合においても、画素値の統計値の算出範囲を透視範囲に対応して関心領域を限定させる。したがって、意図せずにX線条件が高められることによる、被検体の被曝量の増加を防止することが可能である。
部分透視像における画素は、部分透視用関心領域R2の範囲内の画素だけでなく、通常の関心領域R1の範囲内かつ部分透視用関心領域R2範囲外の画素を含んでしまう場合がある。また、部分透視用関心領域R2には、ペースメーカーや骨等の輝度が低くなる傾向のある構造物を示す画素群が含まれる場合がある。この点、第6実施形態における医用画像診断装置は、部分透視像の画素値の統計値βを算出するにあたり、統計値βの算出値を低くする傾向のある画素を除いて統計値βを算出する。その結果、部分透視における第2のABC制御によってX線条件が高められ、被検体の被曝量の増加を防止することが可能である。
[第7実施形態]
次に、第7実施形態にかかる医用画像診断装置について図18および図19を参照して説明する。第7実施形態においては、第1実施形態〜第6実施形態と比較してユーザインターフェース16、収集データ処理部15およびX線制御部12が異なる。その他の部分は第1実施形態〜第6実施形態にかかる医用画像診断装置と同様である。以下、第6実施形態との相違点を中心に説明する。
(概要)
第7実施形態における医用画像診断装置は、部分透視像の画素値の統計値βを算出するにあたり、表示している部分透視像に対して、操作者の指定により選択された範囲のABC制御を行う。第7実施形態においては、第2のABC制御を行っているとき、例えば図3に示すような合成画像の表示画面上において、操作者が部分透視像に対して操作部162を介して輝度調整をしたい範囲の指定を行うことができる。操作部162を介して、輝度調整をしたい範囲の指定が行われると、演算制御部11は、ユーザインターフェース16から当該指定された範囲の位置情報を受ける。また、演算制御部11は、指定された範囲の位置情報を、画素値演算部153に送る。画素値演算部153は、演算制御部11から位置情報に基づきその指定範囲内の画素値の統計値を算出する。このような構成であれば、合成画像上において操作者が望んだ範囲だけ輝度を調整することができる。
(ユーザインターフェース16)
表示部161は、部分透視において図3に示すようなLIH画像と透視像の合成画像を表示する。操作者は、操作部162(例えばマウスのようなポインティングデバイス等)を介して、表示された合成画像のうち、部分透視像上において範囲の指定をする事が可能である。ここで指定される範囲は矩形状に限らず、任意の範囲指定を行うことができる。例えば、操作部162を用いた操作に応じて、表示画面上で移動されたポイントの経路に応じて範囲の指定がなされてもよい。ユーザインターフェース16がタッチパネル等、ディスプレイ上で直接操作を行うことができるように構成されている場合は、直接ディスプレイ上で指定された範囲を、ユーザインターフェース16が位置情報の入力として受ける。
指定範囲の入力を受け、ユーザインターフェース16は、演算制御部11に確定された位置情報を送る。なお、ユーザインターフェース16により入力された位置情報は、部分透視像の画素値の統計値βの算出範囲であっても、除外する範囲であってもよい。ただし、範囲指定の操作としては、指定した範囲を、算出範囲とするか、除外する範囲とするかが選択されるものとする。
(画素値演算部153)
画素値演算部153は、第1実施形態と同様に統計値βを求める。また、第7実施形態における画素値演算部153は、演算制御部11から、部分透視像の画像データとともに、算出範囲の対象となる範囲の位置情報または算出範囲から除外する範囲の位置情報を受ける。画素値演算部153は、位置情報に基づいて、部分透視像の全画素から、画素値の統計値βとして算出する画素を絞って、統計値βを求める。なお、位置情報に基づいて、部分透視像の全画素から、画素値の統計値βとして算出する画素を絞る工程は、演算制御部11によって行われてもよい。
(他の例)
なお、画素値演算部153が、指定範囲の位置情報に基づいて統計値βの算出対象となる画素を絞ってから、部分透視像の統計値βを求める構成に限られない。例えば、部分透視の開始後から現在までの統計値βの平均値を、指定範囲(算出対象からの除外範囲)の画素に適用してもよい。また、画素値演算部153は、演算制御部11から受けた特定の画素の位置情報に基づき、当該特定の画素の画素値を他の隣接する画素の画素値に置き換えて統計値βを求めてもよい。
(部分透視)
次に、図18および図19を参照して第7実施形態における部分透視に関するX線制御部12の制御の流れについて説明する。図18および図19は、第7実施形態における部分透視に関する医用画像診断装置の第2のABC制御の流れを説明する概略フローチャートである。
(S81)
部分透視用関心領域R2の位置情報が絞り制御部13および画素値演算部153に送られ、部分透視の開始の指示が主制御部121に送られる。
(S82)
絞り制御部13は、部分透視用関心領域R2の位置情報に基づいてX線の照射野を部分透視用関心領域R2に応じた範囲に限定する。透視照射条件設定部18は、主制御部121に透視照射条件を送る。
(S83)
絞り制御部13がX線の照射野を絞ることに応じて、透視照射条件設定部18から部分透視用関心領域R2の位置情報が画素値演算部153に送られる。画素値演算部153は、統計値の算出対象となる範囲を部分透視用関心領域R2に変更する。
(S84)
透視照射条件設定部18から受けた透視照射条件に基づいて、X線制御部12が高電圧発生部122などを制御し、部分透視用関心領域R2においてX線が照射される。
(S85)
X線検出部5が透過X線に基づき検出データを生成すると、検出データは収集データ処理部15に送られる。収集データ処理部15は検出データを記憶部156に一旦記憶する。画像生成部152は記憶部156から検出データを読み出す。さらに画像生成部152は、部分透視像を生成する。
(S86)
ユーザインターフェース16は、表示された合成画像における部分透視像に対して、操作部162等による範囲の指定操作および指定範囲の確定をする操作があったかを判断する。
(S87)
また範囲の指定があった場合(S86;Yes)、ユーザインターフェース16は、当該範囲が部分透視像における画素の画素値の統計値βの除外範囲であるかについて操作部162等の操作に基づき判断する。
(S88)
ユーザインターフェース16は、確定された指定範囲が統計値βの算出範囲から除外する範囲であると判断した場合(S87;Yes)、部分透視像のうち、指定範囲を除いた画素の位置情報を演算制御部11へ送る。画素値演算部153は、演算制御部11を介して位置情報を受け、指定範囲が除外された部分透視像の画素値の統計値βを求める。
(S89)
ユーザインターフェース16は、確定された指定範囲が統計値βの算出範囲から除外する範囲であると判断した場合(S87;No)、部分透視像のうち、指定範囲に属する画素の位置情報を演算制御部11へ送る。画素値演算部153は、演算制御部11を介して位置情報を受け、部分透視像のうち、指定範囲に属する画素の画素値の統計値βを求める。
(S90)
またS86において範囲の指定が無かった場合(S86;No)、ユーザインターフェース16は位置情報を演算制御部11へ送らない。また画素値演算部153は、部分透視像における全画素の画素値の統計値βを求める。
(S91)
画素値比較部154は、画素値演算部153が求めた画素値の統計値βと、透視照射条件設定部18から受けた閾値αとを比較する。なお、画素値比較部154は比較結果が所定の範囲内であるか判断してもよい。
(S92)
画素値比較部154(または主制御部121)は、画素値比較部154による比較結果を参照し、画素値の統計値βと閾値αとの差(または比)が大きいか判断することにより、X線条件などの透視照射条件を変更するかについて判断する。
(S93)
画素値の統計値βと閾値αとの差(または比)が大きければ(S92;Yes)、主制御部121は管電圧kV、管電流・照射時間積mAsに関するパラメータを変更する。
(S94)
また主制御部121は、画素値の統計値βと閾値αとの差(または比)が小さければ(S92;No)、主制御部121は透視照射条件を元のまま維持する。
(S95)
主制御部121は、部分透視を継続するかについて判断する。例えば操作者が操作部162を介して部分透視停止の指示を行った場合、X線照射停止指示信号が演算制御部11を介して主制御部121に送られる。収集データ処理部15および主制御部121はX線照射停止指示信号を受けるまで、順次S84〜S93の動作を繰り返す。なお、このS94の処理は説明の便宜上S92またはS93の後工程として説明したが、S84〜S91のいずれかの時点で主制御部121がX線照射停止指示信号を受けた場合は、その時点で主制御部121はX線の照射を停止する。
(作用効果)
以上説明した第7実施形態にかかる医用画像診断装置の作用および効果について説明する。
本実施形態における医用画像診断装置は、通常の関心領域R1における透視が停止され、部分透視用関心領域R2における透視が開始されると、においては第1のABC制御から第2のABC制御に切り替わる。すなわち、部分透視が開始されると、部分透視像の画素値の統計値の算出範囲を部分透視用関心領域R2に対応させる。したがって、ABC制御の対象となる統計値の算出範囲が部分透視像の範囲を超えてしまうことによって統計値の値が低くなりすぎる事態を回避することが可能である。その結果、部分透視における第2のABC制御によってX線条件が高められることによる、被検体の被曝量の増加を防止することが可能である。
また本実施形態の医用画像診断装置は、部分透視の場合に限らず、意図せずに関心領域が狭くなってしまった場合においても、画素値の統計値の算出範囲を透視範囲に対応して関心領域を限定させる。したがって、意図せずにX線条件が高められることによる、被検体の被曝量の増加を防止することが可能である。
部分透視像における画素は、部分透視用関心領域R2の範囲内の画素だけでなく、通常の関心領域R1の範囲内かつ部分透視用関心領域R2範囲外の画素を含んでしまう場合がある。また、部分透視用関心領域R2には、ペースメーカーや骨等の輝度が低くなる傾向のある構造物を示す画素群が含まれる場合がある。この点、第7実施形態における医用画像診断装置は、部分透視像の画素値の統計値βを算出するにあたり、操作者が望む範囲の画素値の統計値βを算出する。その結果、部分透視における第2のABC制御によって不要にX線条件が高められる事態を回避できるので、被検体の被曝量の増加を防止することが可能である。
[第8実施形態]
次に、第8実施形態にかかる医用画像診断装置について図20〜図22を参照して説明する。図20は、第8実施形態にかかるX線撮影装置の全体構成を示す概略ブロック図である。同図に示す第8実施形態のX線診断装置100Aは、寝台2A、X線管球3A、X線絞り4AおよびX線検出部5Aを備えている。ただし、これらの機能・作用は、図1に示す、寝台2、X線管球3、X線絞り4およびX線検出部5と同様である。また、X線診断装置100Aには、演算制御部11A、X線制御部12A、絞り制御部13A、駆動制御部14A、収集データ処理部15A、ユーザインターフェース16A、表示データ処理部17Aおよび透視照射条件設定部18Aが設けられている。このうち、演算制御部11A、絞り制御部13A、ユーザインターフェース16Aおよび表示データ処理部17Aは、第1実施形態における演算制御部11、絞り制御部13、ユーザインターフェース16、表示データ処理部17と同様の構成である。
(概要)
第8実施形態における医用画像診断装置は、透視像の画素値の統計値を算出する。この算出にあたり、医用画像診断装置は、所定の画素値を有する画素、例えば閾値未満の画素値を有する画素を除く。これにより、統計値の算出値を低くする傾向のある画素、例えば人工弁やペースメーカー等を示す画素を除いて透視像の画素値の統計値を算出する。言い換えれば透視像において輝度を下げる傾向のある部分を除いて画素値の統計値を算出し、ABC制御を行う。
<収集データ処理部15A>
収集データ処理部15Aは、検出データに各種の画像処理などを行って画像(画像データ)を形成する。収集データ処理部15Aは、「X線画像生成部」の機能の一例である。
<透視照射条件設定部18A>
透視照射条件設定部18Aは、演算制御部11Aを介して操作部162Aからの入力を受け、その入力に基づいてX線条件および関心領域(ROI)の位置情報などの透視照射条件や、検出データの収集条件を設定する。例えば、透視の透視照射条件の設定において、被検体の体厚や撮影部位などに応じて操作者が管電圧kVを設定すると、それに応じて透視照射条件設定部18が管電流・照射時間積mAsを設定する。設定された透視照射条件や検出データ収集条件は、演算制御部11Aを介してX線制御部12A、絞り制御部13Aに送られる。
また透視照射条件設定部18Aは、演算制御部11Aを介して操作部162Aから、ABC制御に用いる閾値αの入力を受ける。透視照射条件設定部18Aは閾値αを記憶する。収集データ処理部15AによりABC制御が行われるとき、透視照射条件設定部18Aは、入力された閾値αを、演算制御部11Aを介して収集データ処理部15Aに送る。閾値αの入力は、透視照射条件設定部18Aに予め設定されていてもよく、また撮影の実行に応じて設定されてもよい。この閾値αは、画素値演算部153Aによって求められる、X線画像の画素値の統計値βと比較するための閾値である。この画素値の統計値としては、画素値の平均値、中間値、標準偏差、最小値、最大値などが挙げられる。閾値の値は、統計値の算出方法に応じて設定される。
また第5実施形態と同様に、透視照射条件設定部18Aは、演算制御部11Aを介して操作部162Aから、閾値αおよび閾値αの入力を受け、これらを記憶する。
また透視照射条件設定部18Aは、演算制御部11Aを介して操作部162Aから、関心領域の情報を受ける。例えば透視照射条件設定画面において、操作者の操作により、関心領域が設定されると、演算制御部11Aを介して操作部162Aからこれら関心領域の位置情報を受ける。この位置情報は、透視照射条件設定部18Aにより撮影範囲として設定される。
(収集データ処理部15AのABC制御)
次に、X線撮影装置における収集データ処理部15Aの閾値処理およびABC制御について説明する。なお、収集データ処理部15Aの構成自体は、第1実施形態にかかる収集データ処理部15の構成と同様である。
例えば画像生成部152Aは、第1実施形態の画像生成部152と同様に、検出データに基づいてX線画像を生成する。また、画素値演算部153Aは、第1実施形態の画素値演算部153と同様に、透視像などのX線画像における画素値の統計値(平均値、中間値等)βを求める。また、記憶部156は、各X線画像を記憶する。
また、収集データ処理部15Aは、第5実施形態と同様に閾値処理およびABC制御を行う。収集データ処理部15Aは、透視照射条件設定部18Aから予め設定された輝度の閾値αおよび閾値αの情報を受ける。
<閾値αによる閾値処理>
画素値比較部154Aは画像生成部152から透視像のデータを受け、また透視照射条件設定部18から閾値αの情報を受ける。さらに画素値比較部154Aは、透視像における各画素の画素値と閾値αとを比較する。また、画素値比較部154Aは、例えば当該各画素のうち、閾値α未満(または閾値α以下)の画素値を有する画素を特定する。さらに画素値比較部154Aは、特定した画素の位置情報とともに部分透視像のデータを画素値演算部153Aに送る。
画素値演算部153Aは、部分透視像の各画素のうち、画素値比較部154Aから受けた位置情報に基づいて、閾値α未満(または閾値α以下)の画素値を有する画素を除いて統計値βを求める。画素値演算部153Aは、このように求めた統計値βを画素値比較部154Aに送る。画素値比較部154Aは、統計値βと閾値αとを比較し、比較結果をX線制御部12Aに送る。画素値比較部154Aによる具体的な処理は、次のとおりである。
<閾値αによる閾値処理>
画素値比較部154Aは、透視照射条件設定部18Aから画素値の閾値αの情報を受ける。また画素値比較部154Aは、画素値演算部153Aが求めた画素値の統計値βの情報を受け、当該閾値αと比較する。さらに比較の結果に基づき、透視照射条件を調整する。なお、画素値比較部154Aは、比較の結果を主制御部121Aに送る構成であってもよい。この場合、主制御部121Aは比較の結果に基づいて透視照射条件を調整する。なお、ここでいう比較の結果とは、例えば閾値αと画素値の統計値βとの差を示す情報であってもよいし、または比を示す情報であってもよい。
さらに画素値比較部154Aは、閾値αと統計値βとの差または比が予め定められた範囲内であるかについて判断してもよい。この例において、当該差などが所定の範囲内であれば、画素値比較部154AはX線条件の変更を不要と判断し、主制御部121Aに比較の結果を送らない。当該差が所定の範囲外であれば、比較の結果すなわち差を主制御部121に送る。主制御部121Aはこの差等に応じてX線条件を調整する。また、画素値比較部154Aが比較の結果に基づいて調整後のX線照射条件を送ることにより、X線照射条件を調整してもよい。
<X線制御部12A−高電圧発生部122A>
主制御部121Aは、高電圧発生部122Aを制御して、X線照射に必要な高電圧をX線管球3Aに印加する。高電圧発生部122Aおよびこれについての制御は、第1実施形態と同様である。また、X線制御部12Aは、収集データ処理部15AによるABC制御にしたがい、調整された透視照射条件を受け、X線照射に関する制御を行う。なお、収集データ処理部15Aの具体的な制御内容に関しては後述する。
また操作者が操作部162Aにより透視撮影を中断する操作が行われると、主制御部121Aに演算制御部11AからX線照射停止指示の信号が送られる。当該信号を受けて主制御部121Aは、高電圧発生部122AなどX線の照射(出力)に関わる各部の駆動を停止し、X線の照射を停止する。
このように収集データ処理部15は、ABC制御において、現在の透視像における輝度(画素値)の統計値βを求める。収集データ処理部15Aはさらに閾値αと統計値βを比較する。収集データ処理部15は、当該比較の結果を、X線制御部12におけるX線条件(管電圧kV、管電流・照射時間積mAs)などの透視照射条件に反映させる。なお、当該透視照射条件は「撮影部の動作条件」の一例に該当する。
(動作)
次に、図21および図22を参照して第8実施形態の医用画像診断装置における制御および処理の流れについて説明する。図21および図22は、第8実施形態における医用画像診断装置のABC制御の流れを説明する概略フローチャートである。
(S101)
透視照射条件設定部18Aは、主制御部121Aに透視照射条件を送る。
(S102)
透視照射条件設定部18Aから受けた透視照射条件に基づいて、X線制御部12Aが高電圧発生部122Aなどを制御し、X線が照射される。
(S103)
X線検出部5Aが透過X線に基づき検出データを生成すると、検出データは収集データ処理部15Aに送られる。収集データ処理部15Aは検出データを記憶部156Aに一旦記憶する。画像生成部152Aは記憶部156Aから検出データを読み出す。さらに画像生成部152Aは、透視像を生成する。
(S104)
画素値比較部154Aは、透視像における各画素の画素値と閾値αとを比較する。また一例において、画素値比較部154Aは、当該各画素のうち、閾値α未満(または閾値α以下)の画素値を有する画素を特定する。さらに画素値比較部154Aは、特定した画素の位置情報とともに透視像のデータを画素値演算部153Aに送る。すなわち、ここで画素値比較部154Aにより特定された画素以外の画素が、統計値βの算出対象となる。
(S105)
一例において画素値演算部153Aは、閾値α未満(または閾値α以下)の画素値を有する画素を除いて統計値βを求める。
(S106)
画素値比較部154Aは、画素値演算部153Aが求めた画素値の統計値βと、透視照射条件設定部18Aから受けた閾値αとを比較する。なお、画素値比較部154Aは比較結果が所定の範囲内であるか判断してもよい。
(S107)
画素値比較部154A(または主制御部121A)は、画素値比較部154Aによる比較結果を参照し、画素値の統計値βと閾値αとの差(または比)が大きいか判断することにより、X線条件などの透視照射条件を変更するかについて判断する。
(S108)
画素値の統計値βと閾値αとの差(または比)が大きければ(S107;Yes)、主制御部121は管電圧kV、管電流・照射時間積mAsに関するパラメータを変更する。
(S109)
また主制御部121Aは、画素値の統計値βと閾値αとの差(または比)が小さければ(S107;No)、主制御部121Aは透視照射条件を元のまま維持する。
(S110)
主制御部121Aは、透視を継続するかについて判断する。例えば操作者が操作部162Aを介して部分透視停止の指示を行った場合、X線照射停止指示信号が演算制御部11Aを介して主制御部121Aに送られる。主制御部121AはX線照射停止指示信号を受けるまで、順次S101〜S109の動作を繰り返す。なお、このS110の処理は説明の便宜上S108またはS109の後工程として説明したが、S101〜S106のいずれかの時点で主制御部121AがX線照射停止指示信号を受けた場合は、その時点で主制御部121AはX線の照射を停止する。
(作用効果)
以上説明した第8実施形態にかかる医用画像診断装置の作用および効果について説明する。
透視像における画素は、関心領域の範囲外の画素(絞り羽根に当たる部分等)を含んでしまう場合がある。また、関心領域には、ペースメーカーや骨等の輝度が低くなる傾向のある構造物を示す画素群が含まれる場合がある。この点、第8実施形態における医用画像診断装置は、画素値の統計値βを算出するにあたり、統計値βの算出値を低くする傾向のある画素を除いて統計値βを算出する。その結果、ABC制御によってX線条件が高められ、被検体の被曝量の増加を防止することが可能である。
[第9実施形態]
次に、第9実施形態にかかる医用画像診断装置について図23〜図25を参照して説明する。図23は、第9実施形態にかかる収集データ処理部15Aの機能構成の一部を示す概略ブロック図である。第9実施形態においては、第8実施形態と比較して収集データ処理部15AおよびX線制御部12Aが異なる。医用画像診断装置の処理内容としては、第6実施形態と同様である。その他の部分は第8実施形態にかかる医用画像診断装置と同様である。以下、第8実施形態との相違点を中心に説明する。
(概要)
第9実施形態における医用画像診断装置は、統計値βを算出するにあたり、透視像に示される各部分のパターン認識を行う。パターン認識については、第6実施形態と同様である。これにより、統計値βの算出値を低くする傾向のある範囲(画素群)を除いて透視像の画素値の統計値を算出する。言い換えれば透視像において輝度を下げる傾向のある部分を除いて画素値の統計値βを算出し、ABC制御を行う。
(記憶部156A)
収集データ処理部15Aにおける記憶部156Aは、第6実施形態における記憶部156Aと同様のパターンを記憶している。
(比較部159)
第9実施形態における収集データ処理部15Aは、図15に示す第6実施形態の収集データ処理部15と同様である。すなわち、インターフェース151A、画像生成部152A、画素値演算部153A、画素値比較部154A、第1ゲイン調整部155A、および比較部159Aを含んで構成される(図23参照)。
比較部159Aは、画像生成部152Aによって生成された画像データを受け、透視像を構成する各画素群を抽出する。
また、比較部159Aは、画像調整部173Aによって、調整された画像データから各画素群を抽出してもよい。例えば、収集データ処理部15Aは、合成画像となる部分透視像とは別の画像データを、画像調整部173Aに送る。画像調整部173Aは、ノイズ低減、エッジ検出、輪郭強調などの処理を行う。比較部159Aは、この処理済みの部分透視像に示される各画素群の輪郭を抽出する。この部分透視像は、表示部161Aにおける表示態様とは別であるため、画像の見やすさを考慮せずに輪郭抽出をより強調することができる。
比較部159Aは、輪郭が強調された各画素群を抽出する。また比較部159Aは、記憶部156Aから特定構造物パターンを読み出し、抽出した画素群ごとに特定構造物パターンと比較する。比較部159Aは、比較の結果、これらが相関するか否かを判断する。一例として、まず比較部159は透視像から抽出した画素群の特徴点を抽出する。構造物の特徴点とは、構造物の輪郭形状における特徴点などである。この特徴点を、読み出した特定構造物パターンと照合する。
他の例として、比較部159Aは、部分透視像における各画素群全体の輪郭と特定構造物パターンとが相関するかを照合してもよい。
いずれの場合であっても、記憶部156Aに記憶された特定構造物パターンが3次元的であれば、比較部159Aは透視像の各画素群(2次元画像)を、3次元的な特定構造物パターンに対する検出角ごと、検出方向ごとに当てはめて照合を行う。
比較部159Aは、照合の結果、部分透視像における各画素群と、特定構造物パターンとの類似度、相関度、一致率などを求める。当該パターン認識の結果、特定構造物パターンと画素群との類似度があらかじめ設定した値以上であれば、比較部159Aは、当該部分透視像における画素群を、特定構造物パターンにかかる構造物(例えばペースメーカ)と判断する。
比較部159Aは、部分透視像が示す画素群が、予め記憶した特定構造物パターンに該当すると判断した場合、その部分透視像の画素群が占める範囲の画素を特定する。さらに比較部159Aは、部分透視像全体から当該特定した範囲の画素を除外した上で、部分透視像のデータを画素値演算部153Aに送る。
(画素値演算部153A)
画素値演算部153Aは、上述のように比較部159Aによって所定範囲の画素が除かれた透視像の統計値βを求める。
(他の例)
なお、画素値演算部153Aは、所定範囲の画素を除外する工程を画素値演算部153Aが行ってもよい。すなわち比較部159Aは、特定構造物パターンに該当する透視像の画素群を求め、その画素群が占める範囲の位置情報(透視像中の座標等)を特定する。さらに比較部159Aは、当該特定した位置情報と、透視像のデータとを画素値演算部153Aに送る。この構成において画素値演算部153Aは、受けた位置情報に基づいて所定範囲の画素を除外して統計値βを求める。
また、画素値演算部153Aは、比較部159Aから受けた特定の画素の位置情報に基づき、当該特定の画素の画素値を他の隣接する画素の画素値に置き換えて統計値βを求めてもよい。
(動作)
次に、図24および図25を参照して第9実施形態の医用画像診断装置における制御および処理の流れについて説明する。図24および図25は、第9実施形態における医用画像診断装置のABC制御の流れを説明する概略フローチャートである。
(S121)
透視照射条件設定部18Aは、主制御部121Aに透視照射条件を送る。
(S122)
透視照射条件設定部18Aから受けた透視照射条件に基づいて、X線制御部12Aが高電圧発生部122Aなどを制御し、X線が照射される。
(S123)
X線検出部5Aが透過X線に基づき検出データを生成すると、検出データは収集データ処理部15Aに送られる。収集データ処理部15Aは検出データを記憶部156Aに一旦記憶する。画像生成部152Aは記憶部156Aから検出データを読み出す。さらに画像生成部152Aは、透視像を生成する。
(S124)
一例において、比較部159Aは、透視像から画素群を抽出する。
(S125)
一例として、比較部159Aは透視像から抽出した画素群の特徴点を抽出する。構造物の特徴点とは、構造物の輪郭形状における特徴点などである。この特徴点を、読み出した特定構造物パターンと照合する。
(S126)
比較部159Aは、照合の結果、透視像における各画素群と、特定構造物パターンとの類似度等があらかじめ設定した値以上であるか判断する。類似度等が設定した値以上であれば、当該透視像における画素群を、特定構造物パターンにかかる構造物(例えばペースメーカ)と判断する。
(S127)
一例として、比較部159Aは、透視像が示す画素群が、予め記憶した特定構造物パターンに該当すると判断した場合(S126;Yes)、その透視像の画素群が占める範囲の画素を特定する。さらに比較部159Aは、透視像全体から当該特定した範囲の画素を除外した上で、透視像のデータを画素値演算部153Aに送る。
(S128)
比較部159Aは、透視像全体から当該特定した範囲の画素を除外した上で、透視像のデータを画素値演算部153Aに送る。比較部159Aは、透視像が示す画素群のすべてが、予め記憶した特定構造物パターンに該当しないと判断した場合(S126;No)透視像の画像データをそのまま画素値演算部153Aに送る。画素値演算部153Aは、上記いずれかの透視像における画素の画素値の統計値βを求める。
(S129)
画素値比較部154Aは、画素値演算部153Aが求めた画素値の統計値βと、透視照射条件設定部18Aから受けた閾値αとを比較する。なお、画素値比較部154Aは比較結果が所定の範囲内であるか判断してもよい。
(S130)
画素値比較部154A(または主制御部121A)は、画素値比較部154Aによる比較結果を参照し、画素値の統計値βと閾値αとの差(または比)が大きいか判断することにより、X線条件などの透視照射条件を変更するかについて判断する。
(S131)
画素値の統計値βと閾値αとの差(または比)が大きければ(S130;Yes)、主制御部121Aは管電圧kV、管電流・照射時間積mAsに関するパラメータを変更する。
(S132)
また主制御部121Aは、画素値の統計値βと閾値αとの差(または比)が小さければ(S130;No)、主制御部121Aは透視照射条件を元のまま維持する。
(S133)
主制御部121Aは、透視を継続するかについて判断する。例えば操作者が操作部162Aを介して透視停止の指示を行った場合、X線照射停止指示信号が演算制御部11Aを介して主制御部121Aに送られる。収集データ処理部15Aおよび主制御部121Aは、X線照射停止指示信号を受けるまで、順次S122〜S132の動作を繰り返す。なお、このS133の処理は説明の便宜上S131またはS132の後工程として説明したが、S122〜S130のいずれかの時点で主制御部121AがX線照射停止指示信号を受けた場合は、その時点で主制御部121AはX線の照射を停止する。
(作用効果)
以上説明した第9実施形態にかかる医用画像診断装置の作用および効果について説明する。
透視像における画素は、関心領域の範囲外の画素(絞り羽根に当たる部分等)を含んでしまう場合がある。また、関心領域には、ペースメーカーや骨等の輝度が低くなる傾向のある構造物を示す画素群が含まれる場合がある。この点、第9実施形態における医用画像診断装置は、画素値の統計値βを算出するにあたり、統計値βの算出値を低くする傾向のある画素を除いて統計値βを算出する。その結果、ABC制御によってX線条件が高められ、被検体の被曝量の増加を防止することが可能である。
[第10実施形態]
次に、第10実施形態にかかる医用画像診断装置について説明する。第10実施形態においては、第8実施形態と比較してユーザインターフェース16A、収集データ処理部15AおよびX線制御部12Aが異なる。医用画像診断装置の処理内容としては、第7実施形態と同様である。その他の部分は第8実施形態にかかる医用画像診断装置と同様である。以下、第8実施形態との相違点を中心に説明する。
(概要)
第10実施形態における医用画像診断装置は、統計値βを算出するにあたり、操作者が透視像において選択した範囲のABC制御を行う。第10実施形態においては、ABC制御を行っているとき、例えば操作者が透視像に対して輝度調整をしたい範囲の指定を行うことができる。当該範囲の指定が行われると、演算制御部11Aは、ユーザインターフェース16Aから当該指定された範囲の位置情報を受ける。また、演算制御部11Aは、指定された範囲の位置情報を、画素値演算部153Aに送る。画素値演算部153Aは、演算制御部11Aから位置情報に基づきその指定範囲内の画素値の統計値を算出する。このような構成であれば、画像上において操作者が望んだ範囲だけ輝度を調整することができる。
(ユーザインターフェース16A)
操作者は、操作部162Aを介して、表示された透視像上において範囲の指定をする事が可能である。ここで指定される範囲は矩形状に限らず、任意の範囲指定を行うことができる。
指定範囲の入力を受け、ユーザインターフェース16Aは、演算制御部11Aに確定された位置情報を送る。なお、ユーザインターフェース16Aにより入力された位置情報は、統計値βの算出範囲であっても、除外する範囲であってもよい。ただし、範囲指定の操作としては、指定した範囲を、算出範囲とするか、除外する範囲とするかが選択されるものとする。
(画素値演算部153A)
画素値演算部153Aは、演算制御部11から、画像データと、算出範囲の対象となる範囲の位置情報または算出範囲から除外する範囲の位置情報とを受ける。画素値演算部153Aは、位置情報に基づいて、全画素から、統計値βとして算出する画素を絞って、統計値βを求める。なお、全画素から画素値の統計値βとして算出する画素を絞る工程は、演算制御部11によって行われてもよい。
(他の例)
なお、画素値演算部153Aは、透視を開始してから現在までの統計値βの平均値を、指定範囲(算出対象からの除外範囲)の画素に適用してもよい。また、画素値演算部153Aは、演算制御部11Aから受けた特定の画素の位置情報に基づき、当該特定の画素の画素値を他の隣接する画素の画素値に置き換えて統計値βを求めてもよい。
(動作)
次に、図26および図27を参照して第10実施形態における透視に関するX線制御部12Aの制御の流れについて説明する。図26および図27は、第10実施形態における透視に関する医用画像診断装置のABC制御の流れを説明する概略フローチャートである。
(S141)
関心領域の位置情報が絞り制御部13Aおよび画素値演算部153Aに送られ、透視開始の指示が主制御部121Aに送られる。
(S142)
透視照射条件設定部18Aは、主制御部121Aに透視照射条件を送る。
(S143)
透視照射条件設定部18Aから受けた透視照射条件に基づいて、X線制御部12Aが高電圧発生部122Aなどを制御し、X線が照射される。
(S144)
X線検出部5Aが透過X線に基づき検出データを生成すると、検出データは収集データ処理部15Aに送られる。収集データ処理部15Aは検出データを記憶部156Aに一旦記憶する。画像生成部152Aは記憶部156Aから検出データを読み出す。さらに画像生成部152Aは、透視像を生成する。
(S145)
ユーザインターフェース16Aは、表示された透視像に対して、操作部162A等による範囲の指定操作および指定範囲の確定をする操作があったかを判断する。
(S146)
また範囲の指定があった場合(S145;Yes)、ユーザインターフェース16Aは、当該範囲が透視像における画素の画素値の統計値βの除外範囲であるかについて操作部162A等の操作に基づき判断する。
(S147)
ユーザインターフェース16Aは、確定された指定範囲が統計値βの算出範囲から除外する範囲であると判断した場合(S146;Yes)、透視像のうち、指定範囲を除いた画素の位置情報を演算制御部11Aへ送る。画素値演算部153Aは、演算制御部11Aを介して位置情報を受け、指定範囲が除外された透視像の画素値の統計値βを求める。
(S148)
ユーザインターフェース16Aは、確定された指定範囲が統計値βの算出範囲から除外する範囲であると判断した場合(S146;No)、透視像のうち、指定範囲に属する画素の位置情報を演算制御部11Aへ送る。画素値演算部153Aは、演算制御部11Aを介して位置情報を受け、透視像のうち、指定範囲に属する画素の画素値の統計値βを求める。
(S149)
またS145において範囲の指定が無かったと判断された場合(S145;No)、ユーザインターフェース16Aは位置情報を演算制御部11へ送らない。また画素値演算部153Aは、透視像における全画素の画素値の統計値βを求める。
(S150)
画素値比較部154Aは、画素値演算部153Aが求めた画素値の統計値βと、透視照射条件設定部18Aから受けた閾値αとを比較する。なお、画素値比較部154Aは比較結果が所定の範囲内であるか判断してもよい。
(S151)
画素値比較部154A(または主制御部121A)は、画素値比較部154Aによる比較結果を参照し、画素値の統計値βと閾値αとの差(または比)が大きいか判断することにより、X線条件などの透視照射条件を変更するかについて判断する。
(S152)
画素値の統計値βと閾値αとの差(または比)が大きければ(S151;Yes)、主制御部121Aは管電圧kV、管電流・照射時間積mAsに関するパラメータを変更する。
(S153)
また主制御部121Aは、画素値の統計値βと閾値αとの差(または比)が小さければ(S151;No)、主制御部121Aは透視照射条件を元のまま維持する。
(S154)
主制御部121Aは、透視を継続するかについて判断する。例えば操作者が操作部162Aを介して透視停止の指示を行った場合、X線照射停止指示信号が演算制御部11Aを介して主制御部121Aに送られる。収集データ処理部15Aおよび主制御部121AはX線照射停止指示信号を受けるまで、順次S144〜S153の動作を繰り返す。なお、このS154の処理は説明の便宜上S152またはS153の後工程として説明したが、S144〜S151のいずれかの時点で主制御部121AがX線照射停止指示信号を受けた場合は、その時点で主制御部121AはX線の照射を停止する。
(作用効果)
以上説明した第10実施形態にかかる医用画像診断装置の作用および効果について説明する。
透視像における画素は、関心領域の範囲外の画素(絞り羽根に当たる部分等)を含んでしまう場合がある。また、関心領域には、ペースメーカーや骨等の輝度が低くなる傾向のある構造物を示す画素群が含まれる場合がある。この点、第10施形態における医用画像診断装置は、画素値の統計値βを算出するにあたり、操作者が望む範囲の画素値の統計値βを算出する。その結果、ABC制御によってX線条件が高められ、被検体の被曝量の増加を防止することが可能である。
[実施形態の組み合わせ]
上述した第1実施形態〜第10実施形態の医用画像診断装置は、適宜組み合わせて構成することが可能である。適宜、上記実施形態を組み合わせることにより、被検体の被ばく量の低減と、透視像、部分透視像の視認性の低下の防止の双方をより確実にすることができる。
[他の装置への適用]
また、上述した第1実施形態〜第10実施形態は、およびその組み合わせは、X線撮影装置だけでなく、X線CT装置にも適用可能である。
この発明の実施形態を説明したが、上記の実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 X線診断装置
11 演算制御部
12 X線制御部
121 主制御部
122 高電圧発生部
13 絞り制御部
14 駆動制御部
15 収集データ処理部
151 インターフェース
152 画像生成部
153 画素値演算部
154 画素値比較部
155 第1ゲイン調整部
156 記憶部
159 比較部
172 サブトラクション処理部
173 画像調整部
174 画像合成部
175 第2ゲイン調整部
16 ユーザインターフェース
161 表示部
162 操作部
18 透視照射条件設定部
53 投影データ生成部
531 電荷/電圧変換器
532 A/D変換器
533 パラレル/シリアル変換器
R1 関心領域
R2 部分透視用関心領域
T 対象部位

Claims (4)

  1. X線照射範囲を変更して被検体を反復的に撮影することが可能な撮影部と、
    前記撮影に基づいてX線画像を生成するX線画像生成部と、
    予め設定された画素値の閾値である第1の閾値を記憶する第1の記憶部と、
    前記X線画像の画素値の統計値を算出し、かつ前記撮影において前記X線照射範囲が縮小されると、該縮小に対応して該統計値の算出対象の画素の範囲を縮小する算出部と、
    前記統計値を、前記第1の閾値に近づけるように前記撮影部の動作条件を調整する調整部と、
    予め設定された画素値の閾値である第2の閾値を記憶する第2の記憶部と、
    前記第2の閾値に基づいて画素値の低い画素を除外するように前記一部の画素を特定する比較部と、
    を備え、
    前記算出部は、前記比較部が特定した前記一部の画素について前記第2の統計値を算出する
    ことを特徴とする医用画像診断装置。
  2. 前記撮影部は、第1のX線照射範囲において被検体を撮影する第1の撮影と、該第1の撮影の後に、前記第1のX線照射範囲よりも狭い第2のX線照射範囲において前記被検体を反復的に撮影する第2の撮影を実行し、
    前記X線画像生成部は、前記第1の撮影に基づいて前記第1のX線照射範囲における第1のX線画像を生成し、前記第2の撮影に基づいて前記第2のX線照射範囲における第2のX線画像を反復的に生成し、
    前記第1のX線画像と前記第2のX線画像とを合成した合成画像を、前記第2のX線画像の反復的な生成に伴って反復的に生成する合成部をさらに有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の医用画像診断装置。
  3. 前記比較部は、前記第2の閾値以下又は未満の画素値を除外することにより前記一部の画素を特定する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の医用画像診断装置。
  4. 被検体を反復的に撮影することが可能な撮影部と、
    前記撮影に基づいてX線画像を生成するX線画像生成部と、
    予め設定された画素値の閾値である第1の閾値を記憶する第1の記憶部と、
    前記X線画像の一部の画素値の統計値を算出する算出部と、
    前記統計値を、前記第1の閾値に近づけるように前記撮影部の動作条件を調整する調整部と、
    予め設定された構造物の形状のパターンを記憶する第2の記憶部と、
    前記X線画像が示す各構造物のうち、前記パターンと相関する構造物に対応する画素を特定し、前記構造物に対応する画素を除外するように前記一部の画素を特定する比較部と、
    を備え、
    前記算出部は、該一部の画素について前記統計値を算出する
    ことを特徴とする医用画像診断装置。
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