JP6218025B2 - トーションビーム式サスペンションのトレーリングアーム - Google Patents

トーションビーム式サスペンションのトレーリングアーム Download PDF

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Description

本発明は、トーションビーム式サスペンションのトレーリングアームに関する。
自動車の燃費向上を目的として、軽量化のために足回り部品のアルミニウム化が進められている。
足回り部品であるトーションビーム式サスペンションは、トーションビームと、トーションビームのそれぞれの端部に溶接で接合される一対のトレーリングアームと、を備えている。トレーレリングアームは横力、前後力、上下力に対して高い剛性が要求される。一方、トーションビームは左右の車輪が上下逆位相でストロークするロール荷重を受けるために適度な剛性が要求される。
特許文献1には、重量増加を回避しながらトーションビームのエッジ部に発生する応力を緩和できるように、アルミニウム製のトーションビームがトレーリングアームに差し込まれている構造のトーションビーム式サスペンションが開示されている。
特開2010−69963
しかし、特許文献1のトーションビーム式サスペンションの構成だと、下記(i)〜(v)の課題がある。
(i)ブレーキの際にハブへの入熱があると、熱はトレーリングアームのハブ取付部、ハブ、ハブ締結用ボルトおよびハブ締結用ナットに伝熱される。アルミニウムの線膨張係数は約23[10−6/K]であるのに対して、鉄の線膨張係数は約12[10−6/K]であることから、アルミニウム製であるトレーリングアームのハブ取付部と、鉄製であるハブ、ハブ締結用ボルトおよびハブ締結用ナットで、膨張量に差が生じる。
そのことから、トレーリングアームのハブ取付部においては、アルミニウム製部品であるトレーリングアームが、鉄製部品であるボルト座面とハブ締結用ナットに挟まれているため、入熱によるトレーリングアームの膨張が該鉄製部品に抑制される。
その結果、トレーリングアームの内部応力の増加、高温による耐力の低下、および入熱によるクリープの促進が生じてしまい、トレーリングアームにおけるボルト座面との接触部位が塑性変形する。
すなわち、トレーリングアームにおけるボルト座面との接触部位が高温時に塑性変形した分だけ、高温から常温に戻った際に、ボルトの軸力が低下してしまい、ボルトが緩んでしまう。
結果として、ボルトの緩みが発生してしまうため、ハブを健全に保持することができず、ホイールが健全に保持できないおそれがある。
(ii)トレーリングアームは開断面構造であり、ハブ取付部がトレーリングアームの下向き開放部の天面に配置され、かつ、ハブ取付部がトレーリングアームの側面と背面からのリブにより保持されている。
そのため、トレーリングアームの側面と背面が突き当たりの壁となるため、走行風が滞留しやすく、走行風はハブ取付部に効果的に当たりにくい。すなわち、走行風によるハブ取付部の冷却性能が低い。
結果として、下記の課題が発生する。
(a)ブレーキに熱が発生するとハブへ入熱し、ハブからハブ締結用ボルトおよびトレーリングアームのハブ取付部への入熱がなされるため、ボルトの軸力が低下してしまう。
こうして、ボルトの緩みが発生してしまうため、ハブを健全に保持することができず、ホイールが健全に保持できないおそれがある。((i)と同等)
(b)ハブ取付部に熱がこもるため、ブレーキに発生した熱がハブに伝熱されにくくなってしまう。そのため、ブレーキの熱ダレが発生してしまい、ブレーキの効きが低下する。
(iii)ハブ取付部は板状であるため、ハブ取付部に締結されるハブ締結用ボルトの長さはハブ取付部の板厚と同等となる。
そのため、ハブ締結用ボルトの長さがハブ取付部の板厚により決定されるため、冷却性能に影響を与えるハブ取付部の表面積も、ハブ取付部の板厚により決定されてしまう。
すなわち、ハブ取付部の冷却性能が低くなる。
結果として、下記の課題が発生する。
(a)ブレーキに熱が発生するとハブへ入熱し、ハブからハブ締結用ボルトおよびトレーリングアームのハブ取付部への入熱がなされるため、ボルトの軸力が低下してしまう。((ii)と同等)
こうして、ボルトの緩みが発生してしまうため、ハブを健全に保持することができず、ホイールが健全に保持できないおそれがある。((i)と同等)
(b)ハブ取付部に熱がこもるため、ブレーキに発生した熱がハブに伝熱されにくくなってしまう。そのため、ブレーキの熱ダレが発生してしまい、ブレーキの効きが低下する。((ii)と同等)
(iv)トレーリングアームは開断面構造であるため、剛性が低い。
そのため、剛性を確保するためにリブの配置による補強が必要となる。
すなわち、重量が増加してしまう。
(v)トレーリングアームは外周縁を溶接するため、外周部の母材が入熱により強度が低下し、外周縁から破損しやすくなる。トレーリングアームは外周縁を溶接するために、溶接用のフランジが必要になり重量増に繋がる。
本発明は、ハブ取付部においてハブ取付ボルトの軸力の低下を防止し、かつ、ブレーキの熱溜まりを防止するために、ハブ取付部が高温にならないように冷却効率を向上することができるトーションビーム式サスペンションのトレーリングアームを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、トーションビーム式サスペンションのトーションビームの両端に結合される一対のトレーリングアームを設け、該トレーリングアームは、トーションビームの長手方向に延びる中空構造のビーム継手部と、該継手部から分岐して車体前後方向に延びる前アームおよび後ろアームとを備え、前記前アームに車体への取付け部を設け、前記後ろアームに車輪を支持するハブ取付部を設け、前記前アームおよび/または前記後ろアームに、冷却用空気を中空部に取り入れる取り入れ口を開口し、かつ前記後ろアームに、少なくとも、中空部の冷却用空気を排出する排出口を開口し、前記ハブ取付部は、前記後ろアームの中空部に設けられたボス形状部に設けられていて、前記2個の該ボス形状部がリブによって連結されていることにある。
また、本発明は、前記後ろアームに設けられた排出口は、ハブ取付部よりも車体後方の面に設けられていることにある。
さらに、本発明は、前記前アームに設けられた取り入れ口は、車体外側の面および/または車体内側の面に設けられていることにある。
また、本発明は、前記後ろアームに設けられた取り入れ口は、車体外側の面および/または車体内側の面に設けられていることにある。
またさらに、本発明は、前記後ろアームに設けられた排出口は、車体下面および/または背面に設けられていることにある。
また、本発明は、前記車体前後方向の2個の該ボス形状部がリブによって連結されていることにある。
本発明によれば、下記の効果を奏する。
トーションビーム式サスペンションのトーションビームの両端に結合される一対のトレーリングアームであって、該トレーリングアームは、トーションビームの長手方向に延びる中空構造のビーム継手部と、該継手部から分岐して車体前後方向に延びる前アームおよび後ろアームとを備え、前記前アームに車体への取付け部を設け、前記後ろアームに車輪を支持するハブ取付部を設け、前記前アームおよび/または前記後ろアームに、冷却用空気を中空部に取り入れる取り入れ口を開口し、かつ前記後ろアームに、中空部の冷却用空気を排出する排出口を開口したので、トレーリングアームの前方部からトレーリングアームの内部に走行風を流入させ、さらに、流入した走行風を、トレーリングアームの後方部からトレーリングアームの外部に排出できる。そのため、走行風によりハブ締結用ボルト、ハブ締結用ナットおよびハブ取付部を積極的に冷却することができることから、冷却効率が高い。
これにより、下記の効果が得られる。
ブレーキに熱が発生するとハブへ入熱されるが、ハブ締結用ボルト、ハブ締結用ナットおよびハブ取付部の冷却がなされているため、ハブ締結用ボルト、ハブ締結用ナットおよびハブ取付部ボルトの熱膨張を抑制できる。
すなわち、ハブ取付部ボルトの軸力の低下を防止できる。
結果として、ハブおよびホイールを健全に保持することができる。
ハブ締結用ボルト、ハブ締結用ナットおよびハブ取付部が冷却されるため、ブレーキに発生した熱がハブに伝熱されて冷却される。
すなわち、ブレーキに熱がこもるのを防止できる。
結果として、ブレーキの熱ダレを防止でき、ブレーキの効きの低下を防止できる。
トレーリングアームの後方部の底面もしくは背面に備えた穴部からハブ締結用ボルトとハブ締結用ナットを締結できるため、作業性が向上する。
また、ハブ取付部は、前記後ろアームの中空部に設けられたボス形状部に設けられているので、ハブ締結用ボルトの長さがハブ取付部の板厚とボス形状の長さの合計により決定されるため、冷却性能に影響を与えるハブ取付部の表面積をボスの大きさにより自由に決定できる。すなわち、ハブ取付部の冷却性能を向上することができる。
さらに、2個の該ボス形状部がリブによって連結されているので、リブをフィンとして用いることができるため、冷却性能に影響を与えるボスの表面積を向上することができる。すなわち、ハブ取付部の冷却性能を向上することができる。また、ハブ取付部の剛性が向上する。すなわち、タイヤの保持性が上がり、車両の走安性が向上する。
車体前後方向の2個の該ボス形状部がリブによって連結されているので、トレーリングアームの内部に流入してきた空気をリブにより遮ることなく、効率良くボス形状に接触させる事ができる。
本発明の実施の形態によるトーションビーム式サスペンションのトレーリングアームを示す斜視図である。 本発明の実施の形態によるトーションビーム式サスペンションのトレーリングアームを示す分解斜視図である。 図2の部分拡大斜視図である。 図2のトーションビームとトレーリングアームを示す斜視図である。 図2のトレーリングアームを示す斜視図である。 図5のトレーリングアームを背面から見た斜視図である。 図5のトレーリングアームを平面から見た平面図である。 図5のA−A線断面図である。 図7のB−B線断面図である。 図7のC−C線断面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図1ないし図10を参照しながら詳細に説明する。
図1ないし図4は、車両の後輪に適用されたトーションビーム式サスペンションを示したものである。
トーションビーム式サスペンション1は、図1および図2に示すように、車幅方向に沿って設けられる長尺のトーションビーム2と、トーションビーム2の両端に連結された一対のトレーリングアーム3を備えている。トレーリングアーム3は、車体に取り付けられるコ字形のブラケット4を介して搖動可能に支持されるとともに、トレーリングアーム3に装着されるスプリング5およびショックアブソーバ6を介して車体に懸架されている。
前記トレーリングアーム3は、図3および図4に示すように、アルミニウム合金など非鉄合金を用いた鋳物製のもので、中空構造の閉じ断面形状に形成されている。このトレーリングアーム3は車幅方向に延びるビーム接合部3aを一端に有し、このビーム接合部3aの他端側に車体の前後方向に延びる前アーム3bと後ろアーム3cが設けられている。
前記前アーム3bには、先端部に、弾性部材である管状ブッシュ7が圧入された環状のブッシュ圧入部31が設けられ、このブッシュ圧入部31は、前記ブラケット4に固定ボルト8およびナット8aを介して搖動可能に支持されている。前記後ろアーム3cには、車体の外側に向けてハブ取付面32が設けられ、ビーム接合部3aと後ろアーム3cとの車幅方向内側の角部には平板状のスプリングシート33およびコ字形のショックアブソーバ取付部34が設けられている。前記ハブ取付面32には、取付穴32aおよびボルト孔32bが設けられ、ハブ9およびブレーキドラム10が取り付けられ、車輪11を回転可能に支持している。
前記ハブ9はボルト孔32bに挿通されるハブ取付用ボルト12およびナット12aを介して前記ハブ取付面32に締結され、該ハブ9に車幅方向外側に向けて装着されているボルト13にブレーキドラム10とともに車輪11を組み付け、ナット13aにより固定している。
前記スプリングシート33は、上端を車体に取り付けられたスプリング5の下端を支持するもので、シート板面には取付穴33aが設けられている。また、応力集中対策として、ハブ取付面32およびブッシュ圧入部31からビーム接合部3aまで、Rを大きくとった形状にしている。前記ショックアブソーバ取付部34は、車幅方向に対向する板面34aにボルト孔34bが形成され、このボルト孔34bにボルト14を挿通してナット(図示せず)を螺合してショックアブソーバ6の下端を固定している。
前記トレーリングアーム3は、図5ないし図8に示すように、中空構造の閉じ断面形状に形成された中空部3d内に通じる穴、すなわち、空気取り入れ口となる開口部35、36が前記前アーム3bの車体外側壁面3bと車体内側壁面3bにそれぞれ形成されている。また、前記後ろアーム3cの車体外側壁面3cと、車体底面側壁面3cと、車体背面側壁面3cとに穴、すなわち、空気取り入れ口となる開口部37,および空気排出口となる開口部38,39がそれぞれ形成されている。
また、前記トレーリングアーム3の中空部3d内には、図9および図10に示すように前記ボルト孔32bに対応する位置に車幅方向のハブ取付用ボス3eがそれぞれ形成されており、このハブ取付用ボス3eの軸方向に前記ボルト孔32bが設けられている。これらハブ取付用ボス3eは車体前後方向のハブ取付用ボス3e相互がリブ3fでそれぞれ連結されている。
前記トレーリングアーム3に形成する空気取り入れ口としての前方部の穴となる開口部35,36,後方部の穴となる開口部37の取り付け位置は、図7に示すように下記のように形成することができる。
(i)トレーリングアーム3前方部の穴は、ブッシュ軸とアーム前方部軸との交点A、ビーム軸とアーム前方部軸との交点B、点AB間(距離LF)の中間(1/2LF)を基準位置Cとして穴(開口部35,36)を設ける。
(ii)トレーリングアーム3前方部の穴(開口部35,36)の中心位置は、基準位置Cから±3/10LFの範囲内に設ける。
その理由は、トレーリングアーム3前方部の穴(開口部35,36)の中心位置が、基準位置Cから±3/10LFの範囲外の場合、次のような不都合が生じる。
(a)穴(開口部35,36)の中心位置が、基準位置Cから3/10LF以上交点A側に近づいた場合、ブッシュ圧入部31周りの肉厚が薄くなるため、圧入によるブッシュ7の保持力が十分に得られず、ブッシュ7が保持できない場合がある。
(b)穴(開口部35,36)の中心位置が、基準位置Cから3/10LF以上交点A側に近づいた場合、トレーリングアーム3側面の穴(開口部35,36)がブッシュ圧入部31に近づくため、穴(開口部35,36)の周りに応力集中部が生じ、アーム3bが破損する場合がある。
(c)穴(開口部35,36)の中心位置が、基準位置Cから3/10LF以上ビーム軸に近づいた場合、空気が流入しにくくなり、ハブ取付部32の冷却が効率的にできない場合がある。
(iii)トレーリングアーム3前方部の穴(開口部35,36)の大きさは、穴(開口部35,36)の最大長さを6/10LF以内の大きさとする。
その理由は、トレーリングアーム3前方部の穴の大きさが6/10LFを超えた場合、次のような不都合が生じる。
(a)穴(開口部35,36)の大きさが6/10LFを超えた場合、ブッシュ圧入部31周りの肉厚が薄くなるため、圧入によるブッシュ7の保持力が十分に得られず、ブッシュ7が保持できない場合がある。
(b)穴(開口部35,36)の大きさが6/10LFを超えた場合、トレーリングアーム3側面の穴(開口部35,36)がブッシュ圧入部31に近づくため、穴(開口部35,36)の周りに応力集中部が生じ、アーム3bが破損する場合がある。
(iv)トレーリングアーム3後方部の穴(開口部37)は、ハブ取付面32のビーム側端部とビーム軸との距離LRの中間(1/2LR)を基準位置Dとして穴(開口部37)を設ける。
その理由は、トレーリングアーム3後方部の穴(開口部37)の中心位置が、基準位置Dから±3/10LRの範囲外の場合、次のような不都合が生じる。
(a)穴(開口部37)の中心位置が、基準位置Dから3/10LR以上ハブ取付面32のビーム側端部に近づいた場合、ハブ取付面32の面積が小さくなり面圧が高くなるため、ハブ9を保持できなくなる場合がある。
(b)穴(開口部37)の中心位置が、基準位置Dから3/10LR以上ハブ取付面32のビーム側端部に近づいた場合、トレーリングアーム3後方部の穴(開口部37)がハブ取付面32に近づくため、穴(開口部37)の周りに応力集中部が生じ、アーム3cが破損する場合がある。
(c)穴(開口部37)の中心位置が、基準位置Dから3/10LR以上ビーム軸に近づいた場合、前方部から流入した空気がハブ取付面32へ行かずに外へ放出されるため、ハブ取付部の冷却が効率的にできない場合がある。
(v)トレーリングアーム3後方部の穴(開口部37)の大きさは、穴の最大長さを6/10LR以内の大きさとする。
その理由は、トレーリングアーム3後方部の穴(開口部37)の大きさが6/10LRを超えた場合、次のような不都合が生じる。
(a)穴(開口部37)の大きさが6/10LRを超えた場合、ハブ取付面32の面積が小さくなり面圧が高くなるため、ハブ9を保持できなくなる場合がある。
(b)穴の大きさが6/10LRを超えた場合、トレーリングアーム3後方部の穴(開口部37)がハブ取付面32に近づくため、穴(開口部37)の周りに応力集中部が生じ、アーム3cが破損する場合がある。
(c)穴(開口部37)の大きさが6/10LRを超えた場合、ビーム軸近くまで穴(開口部37)があるため前方部から流入した空気がハブ取付面32へ行かずに外へ放出されるため、ハブ取付部の冷却が効率的にできない場合がある。
前記トレーリングアーム3底面に形成する穴(開口部38)の位置は図9に示すように下記のように形成することができる。
(i)トレーリングアーム3底面の穴(開口部38)は、ハブ取付部の車体前方側のボス3eよりも車体後方側に設ける。
(ii)トレーリングアーム3背面の穴(開口部39)は、ハブ取付部の車体背面(後方側の面)3cに設ける。
次に、前記実施の形態の作用を説明する。
図8ないし図10に示すように、車両の走行時ブレーキの操作に伴って、ブレーキドラム10に熱が発生し、この熱がハブ9を通してハブ取付面32に伝わり、ハブ取付用ボス3eに伝達される。このとき、車両の走行に伴う風が、図8に示すように、前アーム3bの車体外側壁面3bと車体内側壁面3bにそれぞれ形成された開口部35、36から導入される走行風、および後ろアーム3cの車体外側壁面3cに形成された開口部37から導入される走行風が、図示点線矢印のようにトレーリングアーム3の中空部3d内を通過する。そして、図9および図10に示すようにハブ取付面32の内部に設けられたハブ取付用ボス3eおよびリブ3fに沿って流れ、前記後ろアーム3cの車体底面側壁面3cと、車体背面側壁面3cとに形成された開口部38,39から外部に排出される。
上記実施の形態によれば、下記の効果を奏する。
トレーリングアーム3の前アーム3bに、冷却用空気を中空部3dに取り入れる取り入れ口35,36を開口し、かつトレーリングアーム3の後ろアーム3cに、中空部3dの冷却用空気を排出する排出口38,39を開口したので、トレーリングアーム3の前方部からトレーリングアーム3の内部に走行風を流入させ、さらに、流入した走行風を、トレーリングアーム3の後方部からトレーリングアーム3の外部に排出できる。そのため、走行風によりハブ取付用ボルト12、ハブ取付用ナット12aおよびハブ取付部32を積極的に冷却することができることから、冷却効率が高い。
これにより、下記の効果が得られる。
走行時のブレーキ操作によりブレーキドラム10に熱が発生するとハブ9へ入熱される。しかしながら、ハブ取付用ボルト12、ハブ取付用ナット12aおよびハブ取付部32の冷却がなされているため、ハブ取付用ボルト12、ハブ取付用ナット12aおよびハブ取付部32の熱膨張を抑制できる。すなわち、ハブ取付用ボルト12の軸力の低下を防止できる。結果として、ハブ9および車輪11を健全に保持することができる。
ハブ取付用ボルト12、ハブ取付用ナット12aおよびハブ取付部32が冷却されるため、ブレーキに発生した熱がハブ9に伝熱されて冷却されるので、ブレーキに熱がこもるのを防止できる。結果として、ブレーキの熱ダレを防止でき、ブレーキの効きの低下を防止できる。
トレーリングアーム3の後方部の底面3cもしくは背面3cに備えた開口部38,39からハブ取付用ボルト12とハブ取付用ナット12aを締結できるため、作業性が向上する。
また、ハブ取付部32は、前記後ろアーム3cの中空部3dに設けられたボス形状部3eに設けられているので、ハブ取付用ボルト12の長さがハブ取付部32の板厚とボス形状の長さの合計により決定されるため、冷却性能に影響を与えるハブ取付部32の表面積をボスの大きさにより自由に決定できる。すなわち、ハブ取付部32の冷却性能を向上することができる。
さらに、2個のハブ取付用ボス3eがリブ3fによって連結されているので、リブ3fをフィンとして用いることができるため、冷却性能に影響を与えるハブ取付用ボス3eの表面積を向上することができる。すなわち、ハブ取付部32の冷却性能を向上することができる。また、ハブ取付用ボス3eによりハブ取付部32の剛性が向上する。すなわち、タイヤの保持性が上がり、車両の走安性が向上する。
車体前後方向の2個のハブ取付用ボス3eがリブ3fによって連結されているので、トレーリングアーム3の内部に流入してきた空気をリブ3fにより遮ることなく、効率良くハブ取付用ボス3eに接触させる事ができる。
なお、本発明は、上記実施の形態のみに限定されるものではなく、例えば、ハブ取付部は貫通穴が設けられているが、ボルトのめねじが設けられていても良い。その場合には、ハブ締結用ナットを無くすことができる。その結果、ナットの分だけ、重量を低減でき、コストを低減できる。また、ナットの頭部が原因の走行風の流れの乱れを抑制できるとともに、より冷却効率が高くなる。等、本発明の技術的範囲を変更しない範囲内で適宜変更して実施し得ることは言うまでもない。
1 トーションビーム式サスペンション
2 トーションビーム
3 トレーリングアーム
3a ビーム接合部
3b 前アーム
3c 後ろアーム
3d 中空部
3b車体外側壁面
3b車体内側壁面
3c車体外側壁面
3c車体底面側壁面
3c車体背面側壁面
3e ハブ取付用ボス
3f リブ
31 ブッシュ圧入部
32 ハブ取付面
32a 取付穴
32b ボルト孔
33 スプリングシート
34 ショックアブソーバ取付け部
35、36、37、38、39 開口部
9 ハブ
10 ブレーキドラム
11 車輪

Claims (6)

  1. トーションビーム式サスペンションのトーションビームの両端に結合される一対のトレーリングアームを設け、該トレーリングアームは、トーションビームの長手方向に延びる中空構造のビーム継手部と、該継手部から分岐して車体前後方向に延びる前アームおよび後ろアームとを備え、前記前アームに車体への取付け部を設け、前記後ろアームに車輪を支持するハブ取付部を設け、前記前アームおよび/または前記後ろアームに、冷却用空気を中空部に取り入れる取り入れ口を開口し、かつ前記後ろアームに、少なくとも、中空部の冷却用空気を排出する排出口を開口し、
    前記ハブ取付部は、前記後ろアームの中空部に設けられたボス形状部に設けられていて、前記2個の該ボス形状部がリブによって連結されていることを特徴とするトーションビーム式サスペンションのトレーリングアーム。
  2. 前記後ろアームに設けられた排出口は、ハブ取付部よりも車体後方の面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のトーションビーム式サスペンションのトレーリングアーム。
  3. 前記前アームに設けられた取り入れ口は、車体外側の面および/または車体内側の面に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のトーションビーム式サスペンションのトレーリングアーム。
  4. 前記後ろアームに設けられた取り入れ口は、車体外側の面および/または車体内側の面に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のトーションビーム式サスペンションのトレーリングアーム。
  5. 前記後ろアームに設けられた排出口は、車体下面および/または背面に設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のトーションビーム式サスペンションのトレーリングアーム。
  6. 前記車体前後方向の2個の該ボス形状部がリブによって連結されていることを特徴とする請求項に記載のトーションビーム式サスペンションのトレーリングアーム。
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