JP6217657B2 - 内面塩化ビニルライニング鋼管の接着力の検査方法及び検査システム - Google Patents

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本発明は、鋼管と該鋼管の内面に接着された塩化ビニル管とを含む内面塩化ビニルライニング鋼管の、前記鋼管と前記塩化ビニル管との接着力を評価する検査方法及び検査システムに関する。
内面塩化ビニルライニング鋼管は、例えば特許文献1に記載されるように、鋼管の内面に塩化ビニル管を接着させたものであり、給水、排水等の配管設備に用いられている。外面に接着剤が塗布された塩化ビニル管を鋼管の内部に挿入した状態で、塩化ビニル管を加熱し、膨張させて、鋼管に接着剤が接触することにより、鋼管と塩化ビニル管との間に接着力が発現し、内面塩化ビニルライニング鋼管が得られる。
内面塩化ビニルライニング鋼管の、鋼管と塩化ビニル管との接着力を検査する方法としては、内面塩化ビニルライニング鋼管を長さ20mmに切断した検査用サンプルを用意し、このサンプルの鋼管から塩化ビニル管を押抜き試験機で押し抜き、その際の荷重を測定する方法が知られている。この方法は、JWWA規格 水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管(JWWA K116)に規定されている。この規格では、荷重が20N/cm以上あれば合格とされている。製造される内面塩化ビニルライニング鋼管においては、この基準以上の接着力があることを確認、保証する必要がある。そのため、製造した1バッチの内面塩化ビニルライニング鋼管から、少なくとも1本を抜き取り、上記の検査を行った後、出荷される。
特開2002−257265号公報
上記検査方法は破壊検査ゆえ、1バッチ中の一部の内面塩化ビニルライニング鋼管のみを試験体として用いるしかなく、製品の全数検査を行うことはできない。しかも、その内面塩化ビニルライニング鋼管のごく一部(切り取った20mm)の接着力を測定しているに過ぎない。
しかしながら、検査部位の接着力が、1バッチ内の全ての内面塩化ビニルライニング鋼管の接着力を保証できる代表的な結果である確証はない。誘導加熱コイルによる加熱は輻射熱による加熱であることから、加熱の精度があまり高くないと言わざるを得ない。そのため、複数本の内面塩化ビニルライニング鋼管ごとに、あるいは、1本の内面塩化ビニルライニング鋼管内でも部位によって、接着力にばらつきが生じることが判明した。そのため、1バッチ中の全ての内面塩化ビニルライニング鋼管の全ての部位で、適正な接着力を得られているかを把握できることが、製品の信頼性をより高めることにつながるとの認識に至った。
本発明は、上記課題に鑑み、1バッチ中の全ての内面塩化ビニルライニング鋼管の接着力を非破壊で検査できる検査方法及び検査システムを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討したところ、誘導加熱の過程で、熱画像計測装置によって非接触で鋼管の表面温度を測定したところ、その測定結果と、上記規格の方法により測定した接着力との間に相関関係があることを見出した。そこで、この測定結果に基づいて、内面塩化ビニルライニング鋼管の接着力を評価できるとの認識に至り、本発明を完成した。
本発明は、上記の知見及び着想によって完成されたものであり、その要旨構成は以下のとおりである。
(1)塩化ビニル管が内部に挿入された複数本の鋼管を互いに略平行に並べてなる1バッチの鋼管群を誘導加熱コイルで加熱して、前記塩化ビニル管を膨張させることにより、前記鋼管の内面に前記塩化ビニル管を接着させて、複数本の内面塩化ビニルライニング鋼管を得る過程で、前記鋼管群の上方及び下方の少なくとも一方に設置した熱画像計測装置により前記鋼管群の表面温度を測定する工程と、
前記熱画像計測装置による測定結果に基づいて、得られた個々の前記内面塩化ビニルライニング鋼管の、前記鋼管と前記塩化ビニル管との接着力を評価する工程と、
を有することを特徴とする内面塩化ビニルライニング鋼管の接着力の検査方法。
(2)前記評価工程では、前記加熱過程における個々の前記鋼管の表面の最高温度を、前記鋼管の延在方向に所定間隔で抽出し、抽出された前記最高温度に基づいて、個々の前記内面塩化ビニルライニング鋼管の接着力を評価する上記(1)に記載の内面塩化ビニルライニング鋼管の接着力の検査方法。
(3)前記評価工程では、前記複数本の内面塩化ビニルライニング鋼管のうち、前記延在方向に抽出された全ての前記最高温度が所定温度以上であるものを合格と判定し、それ以外のものを不合格と判定する上記(2)に記載の内面塩化ビニルライニング鋼管の接着力の検査方法。
(4)前記評価工程の後、不合格と判定された内面塩化ビニルライニング鋼管に対して、マーキング装置によりマーキングを施す工程をさらに有する上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の内面塩化ビニルライニング鋼管の接着力の検査方法。
(5)塩化ビニル管が内部に挿入された複数本の鋼管を互いに略平行に並べてなる1バッチの鋼管群を加熱する誘導加熱コイルと、
前記加熱により前記塩化ビニル管を膨張させることにより、前記鋼管の内面に前記塩化ビニル管を接着させて、複数本の内面塩化ビニルライニング鋼管を得る過程で前記鋼管群の表面温度を測定する、前記鋼管群の上方及び下方の少なくとも一方に設置した熱画像計測装置と、
前記熱画像計測装置による測定結果に基づいて、得られた個々の前記内面塩化ビニルライニング鋼管の、前記鋼管と前記塩化ビニル管との接着力を評価する評価部と、
を有することを特徴とする内面塩化ビニルライニング鋼管の接着力の検査システム。
(6)前記熱画像計測装置による測定結果を記録するメモリをさらに有し、
前記評価部は、前記メモリから、前記加熱過程における個々の前記鋼管の表面の最高温度を、前記鋼管の延在方向に所定間隔で抽出し、抽出された前記最高温度に基づいて、個々の前記内面塩化ビニルライニング鋼管の接着力を評価する上記(5)に記載の内面塩化ビニルライニング鋼管の接着力の検査システム。
(7)前記評価部は、前記複数本の内面塩化ビニルライニング鋼管のうち、前記延在方向に抽出された全ての前記最高温度が所定温度以上であるものを合格と判定し、それ以外のものを不合格と判定する上記(6)に記載の内面塩化ビニルライニング鋼管の接着力の検査システム。
(8)前記評価部により不合格と判定された内面塩化ビニルライニング鋼管に対して、マーキングを施すマーキング装置をさらに有する上記(5)〜(7)のいずれか一つに記載の内面塩化ビニルライニング鋼管の接着力の検査システム。
(9)前記鋼管群から発生する熱、蒸気、及び磁束の少なくとも一つから前記熱画像計測装置を保護する保護機構をさらに有する上記(5)〜(8)のいずれか一つに記載の内面塩化ビニルライニング鋼管の接着力の検査システム。
本発明の内面塩化ビニルライニング鋼管の接着力の検査方法及び検査システムによれば、1バッチ中の全ての内面塩化ビニルライニング鋼管の接着力を非破壊で検査できる。
本発明の一実施形態による検査システム100の構成を示す模式図である。 本発明の一実施形態による検査システム100を含む、内面塩化ビニルライニング鋼管の製造ラインの一部を説明する模式図である。 内面塩化ビニルライニング鋼管の製造ラインにおける、誘導加熱工程を示す模式図である。 本発明の一実施形態による検査システム100における、熱画像計測装置20の保護機構の模式図である。 本発明の一実施形態による検査方法のフローチャートである。 鋼管表面の最高温度を説明する図である。 1バッチの内面塩化ビニルライニング鋼管において、種々の部位の最高温度と、当該部位を含む長さ20mmにカットした試料の接着力との関係を示すグラフである。
以下、図面を参照しつつ本発明の一実施形態を説明する。まず、図2及び図3を参照して、内面塩化ビニルライニング鋼管の製造ラインの一例を説明する。
1バッチ(通常、10〜50本程度)の鋼管82は、互いに略平行に並べられた状態でライン上を搬送され、内面ブラストショットにより、鋼管内面のちりや汚れを吹き飛ばされる。続いて、図2に示すように、鋼管82の内部に、外面に接着剤が塗布された塩化ビニル管80が順次挿入される。このようにして、塩化ビニル管80が内部に挿入された複数本の鋼管82を互いに略平行に並べてなる1バッチの鋼管群が形成される。
1バッチの鋼管群は、2つの誘導加熱コイル20が退避した状態で、誘導加熱エリアに搬送される。誘導加熱コイル20は、帯状のリング形状であり、鋼管82の延在方向に移動可能である。1バッチの鋼管群が誘導加熱エリアに搬送された後、誘導加熱コイル20が移動して、鋼管群が誘導加熱コイル20の内部空間を通され、誘導加熱コイル20は、図2に示す鋼管82の中央位置で停止する。
その後、1バッチの鋼管群を誘導加熱コイル20で以下のように加熱する。2つの誘導加熱コイル20は、所定の周波数及び電圧の交流電圧を印加されつつ、図3に示すように、鋼管82の中央位置から両端部まで一定速度で移動する。この過程で、鋼管82が130〜230℃の温度に加熱された後、その熱を塩化ビニル管82が受けて80〜180℃に加熱される。このように加熱された塩化ビニル管82は、延在方向の中央部分から両端部に向けて順次膨張を開始する。そして、塩化ビニル管82の外面に塗布された接着剤と鋼管80の内面とが接触することにより、鋼管80と塩化ビニル管82との間に接着力が発現する。このようにして、複数本の内面塩化ビニルライニング鋼管84を得る。
次に、鋼管80の端部は加熱しにくいため、図2に示すように、誘導加熱の後、内面塩化ビニルライニング鋼管84を管端加熱エリアに搬送し、電気炉86にて鋼管80の端部をさらに加熱する。以降の工程は図示しないが、内面塩化ビニルライニング鋼管84に均熱処理を施し、さらに外面塗装を施してもよい。その後、両端部にはみ出た塩化ビニル管を切断し、端面仕上げを行う。その後、オペレータの目視によって製品検査を行い、不合格品は取り除かれる。一部の完成品に対してのみ、既述の規格に定められた接着力検査を行い、残りは結束して出荷される。
本発明の一実施形態は、上記誘導加熱過程で1バッチ中の複数本の鋼管82の表面の温度を非接触で測定するものである。ここで、本発明の適用対象となる「内面塩化ビニルライニング鋼管」は、鋼管の内面に塩化ビニル管を接着させたものであれば限定されないが、以下のものが例示される。まず、JIS G3442水配管用亜鉛めっき鋼管の内面に硬質塩化ビニル(JIS K6742)を接着したもの(VB管)が挙げられる。また、JIS G3452配管用炭素鋼管(黒管)の内面に硬質塩化ビニル(JIS K6742)を接着したものでもよい。この内面塩化ビニルライニング鋼管の外面には、一次防錆塗装を施してもよいし(VA管)、硬質塩化ビニル(JIS K6742)を接着してもよい(VD管)。
(接着力の検査システム)
図1及び図2を参照して、本実施形態の検査システム100を説明する。誘導加熱コイル10は、図3を用いて上記したとおりである。
本発明では、誘導加熱エリアにおいて、鋼管群の上方及び下方の少なくとも一方に熱画像計測装置を設置する。図1に示す例では、鋼管群の上方に6つの熱画像計測装置20を配置する。熱画像計測装置20は、上記誘導加熱の間、鋼管群の表面温度を測定する。本実施形態では、6つの熱画像計測装置20により鋼管群の上側表面の全体の温度分布を経時的に測定できる。詳細は後述するが、この測定結果によれば、鋼管群の上側の接着力を評価できる。鋼管群の下側の接着力も評価して、より正確性の高い検査を行う観点からは、鋼管群の下方にも熱画像計測装置をして、鋼管群の下側表面の全体の温度分布も測定することが好ましい。熱画像計測装置20の数は特に限定されない。1つの熱画像計測装置で鋼管群の表面全体を観察しようとすると、鋼管群の上方高くに熱画像計測装置を設置する必要があり、パイプの形状を捉えるのに十分な解像度が得られないおそれもある。そのため図1のように、複数の熱画像計測装置で、鋼管群の表面の観察領域を分割して温度測定を行うことが好ましい。
図4に示すように、検査システム100は、鋼管群から発生する熱、蒸気、及び磁束の少なくとも一つから熱画像計測装置20を保護する保護機構を有することが好ましい。図4において保護機構は、磁気シールド板70及びエアー噴射部72で構成される。磁気シールド板70は、鉄、コバルト、ニッケル等の合金類からなり、熱画像計測装置20を覆う筐体である。ただし、熱画像計測装置20のレンズ22に対向する部分は開口している。磁気シールド板70により、熱画像計測装置20を熱及び磁束から保護できる。また、レンズ22に蒸気が付着すると正確な温度測定を阻害するため、エアー噴射部72により、磁気シールド板70の開口部分近傍にエアーを噴射する。
保護機構は図4のものには限定されない。例えば、磁気シールド板の開口部分には、ガラス板を設置することも好ましい。また、エアー噴射部72に替えて、又は、エアー噴射部72に加えて、磁気シールド板の筐体内部にエアーを循環させる別途のエアー供給部を設けてもよい。
次に、図1を参照して、制御部30は、誘導加熱コイル20への交流電圧の印加、誘導加熱コイル20の移動、及び熱画像計測装置20による温度測定(測定の開始及び停止)を制御する。また、後述するスプレー60の制御も行う。
メモリ40は、熱画像計測装置20による測定結果、すなわち、鋼管群の表面の温度分布の経時的測定データを記録する。また、メモリ40には、後述する接着力の合否判定時に使用する好適温度のデータが予め記録されている。
評価部50は、メモリ40から読みだした熱画像計測装置20による測定結果に基づいて、得られた個々の内面塩化ビニルライニング鋼管84の、鋼管82と塩化ビニル管80との接着力を評価する。評価手法の具体例は後述する。そして、評価結果をメモリ40に出力、記録する。
制御部30及び評価部50は、コンピュータ内部の中央演算処理装置(CPU)によって実現できる。また、メモリ40は、ハードディスク、ROM又はRAMを用いて実現できる。
本発明の検査システムは、評価部により不合格と判定された内面塩化ビニルライニング鋼管に対してマーキングを施すマーキング装置を有することが好ましい。本実施形態の検査システム100は、図1及び図2を参照して、マーキング装置としてのスプレー60を有する。制御部30は、メモリ40から測定結果を読み出し、スプレー60を制御して、不合格となった内面塩化ビニルライニング鋼管(不合格材)のみにスプレーを噴射させる。これにより、既述の検査工程でオペレータは、不合格材を識別できるため、これを取り除く。図1及び図2においてスプレー60は、製造ラインにおいて管端加熱工程の直後に配置したが、検査工程より前であれば位置は限定されない。また、スプレーに替えて、インクジェットなどとしてもよい。
(接着力の検査方法)
次に、図5を参照して、上記検査システム100により行うことが可能な検査方法の例を説明する。まず、制御部30が、誘導加熱コイル20に交流電圧を印加するとともに、誘導加熱コイル20の移動を開始して、1バッチの鋼管群の誘導加熱が開始される(ステップS1)。それと同時に、あるいは所定時間経過後、熱画像計測装置20が鋼管群の表面温度の測定を開始する(ステップS2)。測定結果は随時メモリ40に記録される。
続いて、熱画像計測装置20による測定結果に基づいて、得られた個々の内面塩化ビニルライニング鋼管84の接着力を評価する。その具体例を、図5のステップS3〜S5及び図6を参照して説明する。
鋼管ごとに、あるいは1本の鋼管内でも部位ごとに、接着力がばらつくのは、誘導加熱の精度が高くないことによるものと考えられる。塩化ビニル管の加熱が不十分な箇所では、鋼管と塩化ビニル管との間に隙間が生じ、接着力が不足する。そのため、一実施形態では、加熱過程での鋼管の最高温度を、接着力の評価の指標として好適に用いることができる。図6に示すように、誘導加熱コイル20が鋼管の中央位置から両端部に移動する間、鋼管の表面温度は中央部分から両端部に向けて順次上昇し、順次最高温度をとることになる。
そこでステップS3で、評価部50は、メモリ40に記録された測定データから、加熱過程における個々の鋼管82の表面の最高温度を、鋼管82の延在方向に所定間隔、例えば5〜20mm程度の間隔で抽出する(図6の各測定点を参照)。
ステップS4では、評価部50は、メモリ40に予め記録された好適温度のデータから、管径・品種に応じて最適なデータを読み出す。すなわち、品種(VA管・VB管・VD管)によって鋼管表面の材質が異なるため、放射率が変わる。また、管径によっても鋼管表面の曲率が変わるため、放射率が変わる。放射率が変わると熱画像計測装置に表示される温度も変わるため、品種・管径ごとに好適温度(閾値)を変える必要がある。例えば、管径φ21.7mm、VA品種の場合には、好適温度が200℃以上であることから、「判定温度:200℃」のデータを読み出す。
ステップS5において、評価部50は、抽出された全ての最高温度と、メモリ40から読み出した判定温度とを比較する。そして、評価部50は、複数本の内面塩化ビニルライニング鋼管のうち、延在方向に抽出された全ての最高温度が判定温度以上であるものを合格と判定し、それ以外のもの、すなわち、1か所でも判定温度に満たない部位があるものを不合格と判定する。このようにして、抽出された最高温度に基づいて、個々の内面塩化ビニルライニング鋼管の接着力を評価する。
全ての内面塩化ビニルライニング鋼管が合格と判定された場合、加熱を終了する(ステップS8)。評価結果をメモリ40に記録してもよい。なお、図5では、加熱過程の終了前に合否判定を行う例を示したが、合否判定は、加熱過程の後に行ってもよい。
不合格材が1本でもあった場合には、ステップS6に進み、評価結果をメモリ40に記録する。評価結果とは、不合格材の位置(ラインの先頭から何番目の内面塩化ビニルライニング鋼管が不合格であるか)の情報である。その後、ステップS7では、制御部30は、メモリ40から測定結果を読み出し、スプレー60を制御して、不合格となった内面塩化ビニルライニング鋼管(不合格材)のみにスプレーを噴射させ、加熱を終了する(ステップS8)。その後の管端加熱以降は、図2に示したとおりであるため、省略する。検査工程でオペレータは、不合格材を識別できるため、これを取り除く。
1バッチ中で1本でも不合格材が出た場合には、次回以降のバッチにおいて、鋼管を少し高温に加熱できるように、加熱条件(具体的には、加熱温度、コイル移動速度)を変更することができる。
このように、本実施形態の検査方法によれば、1バッチ中の全ての内面塩化ビニルライニング鋼管の全ての部位について、鋼管の表面温度に基づいて接着力を非破壊で検査できる。
なお、塩化ビニル管が加熱されすぎる箇所(鋼管の表面温度が高すぎる箇所)では、塩化ビニル管の過膨張により、内面塩化ビニルライニング鋼管の形状不良が発生しやすい。しかし、このような完成品は、検査工程でオペレータが容易に判別可能であるため、本実施形態の合否判定を適用する必要はない。よって、上記合否判定では、最高温度の上限を設定する必要はない。
図1及び図2に示す検査システム100を用いて、1バッチ(42本)の鋼管群を誘導加熱する過程で、鋼管群の上方に設置した6つの熱画像計測装置により鋼管群の表面温度を経時的に測定した。測定結果から、42本の内面塩化ビニルライニング鋼管(管径φ21.7mm、VA品種)に種々の部位における最高温度を抽出した。そして、内面塩化ビニルライニング鋼管をカットして、当該抽出部位を含む長さ20mmの試料を用意し、JWWA規格 水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管(JWWA K116)に規定の検査方法で、当該試料の接着力を検査した。このようにして得た、各部位の最高温度と接着力との関係を、図7に示す。
規格の合格基準は20N/cm以上であるが、本実施例では80N/cm以上を基準とした。図7より、最高温度が200℃以上の部位では、いずれも80N/cm以上の接着力が得られたが、最高温度が200℃未満の部位では、一部で接着力が不足していた。1本の製品中に1か所でも接着力不足の箇所があると、製品として不適格である。そこで、抽出した全ての部位の最高温度が200℃以上である製品は合格材であると判定し、それ以外は不合格材であると判定することが、確実な製品検査の一例となる。このようにして、鋼管の最高温度に基づいて、接着力不足の不良材を判別することができることがわかった。
本発明の内面塩化ビニルライニング鋼管の接着力の検査方法及び検査システムによれば、1バッチ中の全ての内面塩化ビニルライニング鋼管の接着力を非破壊で検査できる。
100 検査システム
10 誘導加熱コイル
20 熱画像計測装置
22 熱画像計測装置のレンズ
30 制御部
40 メモリ
50 評価部
60 スプレー
70 磁気シールド板
72 エアー噴射部
80 塩化ビニル管
82 鋼管
84 内面塩化ビニルライニング鋼管
86 電気炉

Claims (9)

  1. 塩化ビニル管が内部に挿入された複数本の鋼管を互いに略平行に並べてなる1バッチの鋼管群を誘導加熱コイルで加熱して、前記塩化ビニル管を膨張させることにより、前記鋼管の内面に前記塩化ビニル管を接着させて、複数本の内面塩化ビニルライニング鋼管を得る過程で、前記鋼管群の上方及び下方の少なくとも一方に設置した熱画像計測装置により前記鋼管群の表面温度を測定する工程と、
    前記熱画像計測装置による測定結果に基づいて、得られた個々の前記内面塩化ビニルライニング鋼管の、前記鋼管と前記塩化ビニル管との接着力を評価する工程と、
    を有することを特徴とする内面塩化ビニルライニング鋼管の接着力の検査方法。
  2. 前記評価工程では、前記加熱過程における個々の前記鋼管の表面の最高温度を、前記鋼管の延在方向に所定間隔で抽出し、抽出された前記最高温度に基づいて、個々の前記内面塩化ビニルライニング鋼管の接着力を評価する請求項1に記載の内面塩化ビニルライニング鋼管の接着力の検査方法。
  3. 前記評価工程では、前記複数本の内面塩化ビニルライニング鋼管のうち、前記延在方向に抽出された全ての前記最高温度が所定温度以上であるものを合格と判定し、それ以外のものを不合格と判定する請求項2に記載の内面塩化ビニルライニング鋼管の接着力の検査方法。
  4. 前記評価工程の後、不合格と判定された内面塩化ビニルライニング鋼管に対して、マーキング装置によりマーキングを施す工程をさらに有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の内面塩化ビニルライニング鋼管の接着力の検査方法。
  5. 塩化ビニル管が内部に挿入された複数本の鋼管を互いに略平行に並べてなる1バッチの鋼管群を加熱する誘導加熱コイルと、
    前記加熱により前記塩化ビニル管を膨張させることにより、前記鋼管の内面に前記塩化ビニル管を接着させて、複数本の内面塩化ビニルライニング鋼管を得る過程で前記鋼管群の表面温度を測定する、前記鋼管群の上方及び下方の少なくとも一方に設置した熱画像計測装置と、
    前記熱画像計測装置による測定結果に基づいて、得られた個々の前記内面塩化ビニルライニング鋼管の、前記鋼管と前記塩化ビニル管との接着力を評価する評価部と、
    を有することを特徴とする内面塩化ビニルライニング鋼管の接着力の検査システム。
  6. 前記熱画像計測装置による測定結果を記録するメモリをさらに有し、
    前記評価部は、前記メモリから、前記加熱過程における個々の前記鋼管の表面の最高温度を、前記鋼管の延在方向に所定間隔で抽出し、抽出された前記最高温度に基づいて、個々の前記内面塩化ビニルライニング鋼管の接着力を評価する請求項5に記載の内面塩化ビニルライニング鋼管の接着力の検査システム。
  7. 前記評価部は、前記複数本の内面塩化ビニルライニング鋼管のうち、前記延在方向に抽出された全ての前記最高温度が所定温度以上であるものを合格と判定し、それ以外のものを不合格と判定する請求項6に記載の内面塩化ビニルライニング鋼管の接着力の検査システム。
  8. 前記評価部により不合格と判定された内面塩化ビニルライニング鋼管に対して、マーキングを施すマーキング装置をさらに有する請求項5〜7のいずれか一項に記載の内面塩化ビニルライニング鋼管の接着力の検査システム。
  9. 前記鋼管群から発生する熱、蒸気、及び磁束の少なくとも一つから前記熱画像計測装置を保護する保護機構をさらに有する請求項5〜8のいずれか一項に記載の内面塩化ビニルライニング鋼管の接着力の検査システム。
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