JP6216597B2 - 電線用絶縁カバー - Google Patents

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Description

本発明は、電線用絶縁カバーに関する。さらに詳しくは、裸電線の地絡や地絡短絡などを防ぐために使用される電線用絶縁カバーに関する。
架空送電線では、送電線が鉄塔等の間に張られており、鉄塔等の部分では、送電線と鉄塔等との間の地絡を防ぐために、碍子を介して、鉄塔等と送電線との間が所定の距離を維持するように保持されている。そして、送電線において、一対の碍子連間をまたぐ部分はジャンパ線と呼ばれる。
しかるに、鉄塔等には、鳥(主にカラス)が巣を設ける場合が多々あり、巣の形成に使用する材料が原因となって送電線と鉄塔部材との間で地絡故障が発生する場合がある。具体的には、鉄塔等において送電線よりも上方の部分に巣が形成されると、その巣の材料が巣から下方に垂れ下がる場合があり、かかる材料が送電線に接触すると、この材料を介して鉄塔と送電線との間で地絡が生じるのである。とくに、送電線のジャンパ線は鉄塔を構成する部材との距離が最も近くなるので、地絡が生じやすい。
また、発変電所、多回線鉄塔、併架鉄塔などでは、鉄塔等の間に複数の電線が張られており、複数の電線は間隔を開けた状態で上下に重なるように張られている。
これらの電線の張替えなどの工事を行う場合には、張替えなどを実施する電線は当然に送電が停止されるが、通常、張替えを実施する電線の下方に位置する電線も送電を停止する。これは、万が一上方の電線が垂れ下がって下方の電線に接触すると短絡が生じて危険だからである。
上述したようなジャンパ線や電線の地絡を防ぐ方法として、ジャンパ線や電線にカバー等を取り付ける方法があり、かかる方法に使用されるカバーとして、特許文献1、2に開示された技術がある。
特許文献1〜3に開示されているカバーは、絶縁性の材料によって形成されたシート状のカバーであり、このカバーを電線の周囲に巻きつけて電線を密封し、電線を外部から絶縁する構造としている。かかる構造のカバーの場合、電線をカバー内に密封しているので、この電線が巣の材料や垂れ下がった電線と直接接触することを防ぐことができる。そして、電線の周囲に巻きつけるカバーの厚さを厚くすれば、高電圧の送電線でも、外部と絶縁した状態を保つことができる。
しかるに、特許文献1〜3に開示されているカバーの場合、カバーによって電線が密閉されているので、電線に通される電流が大きいときには電線の温度が大きく上昇することが避けられない。そして、電線の温度上昇が大きくなると、送電容量が低下するなどの問題が生じる。
一方、特許文献4、5には、内部に電線を収容する空間を有する筒状のカバーが開示されている。この特許文献4、5のカバーは、筒状のカバーの空間内に電線を配置すれば、電線が巣の材料や垂れ下がった電線と直接接触することを防ぐことができる。つまり、特許文献1〜3に開示されているカバーと異なり、電線の周囲に空間が形成されるので、通電に起因する電線の温度上昇をある程度抑えることができる。
特開2001−298838号公報 特開2007−14123号公報 特開2013−5681号公報 特開2009−17689号公報 特開2009−219326号公報
しかるに、特許文献4、5の技術の場合には、カバーが筒状に形成されているので、絶縁性はカバーの厚さおよび周方向の沿面距離によって決定される。このため、特許文献4、5の技術の場合には、3万ボルトを超えるような高圧の電線と外部との絶縁性を保つには、カバーの厚さを相当に厚くしなければならない。
ところで、電線は鉄塔間等にある程度の張力をかけた状態で設けられているものの、電線の自重によってある程度下方に撓んだ状態になる。とくに、電線の長さが長くなるほど、その撓み量が大きくなる。すると、電線と外部との絶縁性を適切に維持するには、電線に取り付けるカバーも、その電線の形状に沿った形状となるように変形する必要がある。
しかし、特許文献4、5のカバーの場合、合成樹脂材料(例えばポリエチレン)で形成されるため、高圧の電線を絶縁するためにカバーを厚くすると、その可撓性が低下する。また、上述したような高圧の電線において外部との絶縁性を維持できる程度までカバーの周方向の沿面距離と厚さを大きくすると、カバーの可撓性が大幅に低下し、カバーを電線に沿った形状に変形させることが困難になり、電線と外部との絶縁性を維持することも困難になる。つまり、特許文献4、5の技術の場合、高圧以下程度の電圧の電線や絶縁被覆を有した絶縁電線に対して使用することには適しているが、更に高い電圧で用いる裸電線に取り付ける絶縁カバーとして使用することには適していない。
一方、特許文献1〜3のカバーでは、弾力性が大きい絶縁材料(例えばシリコーンゴム)で筒状に形成されており、カバーを電線に沿った形状に撓ませながら絶縁性を保つことができる可能性がある。つまり、特許文献1〜3のカバーに使用されている絶縁材料を、特許文献4、5のカバーに適用すれば、特許文献4、5のカバーを電線に沿った形状に撓ませることができる可能性がある。
しかし、特許文献1〜3のカバーに使用されている絶縁材料を特許文献4、5のカバーに使用した場合には、電線に大きい電流が流れることによる温度上昇を抑制するための空間を形成することは困難である。その理由は、特許文献1〜3のカバーに使用されている絶縁材料は弾力性が大きいため、この材料で特許文献4、5のカバーを形成した場合、カバーの自重による変形が生じたり、設置する電線の撓みに沿ってカバーが変形してカバーに歪みが生じたりすると、カバーの形状を筒状に保つことが困難となるためである。
以上のように、現状では、ある程度の長さ以上(例えば2m以上)の高圧電線に取り付けた状態で、所定の絶縁性と通電に起因する電線の温度上昇を抑制できる絶縁カバーは存在しておらず、かかる電線カバーが求められている。
本発明は上記事情に鑑み、電線の長さがある程度長くても、高圧の電線と外部との絶縁性を高く維持することができ、しかも、電線の温度上昇を抑えることができる電線用絶縁カバーを提供することを目的とする。
第1発明の電線用絶縁カバーは、電線に取り付けられるカバーであって、筒状であって、その軸方向に沿って連続する開口を有する本体部を備えており、該本体部は、略蛇腹状の構造を有しており、かつ、断面略四角形状に形成されており、該断面の一の角を除去して前記開口が形成されており、該開口と対向する角の内面に内部離間部材が設けられていることを特徴とする。
第2発明の電線用絶縁カバーは、第1発明において、前記本体部は、円形断面に換算すると、直径100mm以上の円形断面に相当する断面積の内部空間を有していることを特徴とする。
第3発明の電線用絶縁カバーは、第1または第2発明において、前記本体部の内面に、絶縁性素材によって形成された内部離間部材が設けられており、該内部離間部材は、前記本体部の内面における凸部を連結しかつ該本体部の内面における凹みから離間した状態となるように設けられていることを特徴とする。
第4発明の電線用絶縁カバーは、第1、第2または第3発明において、前記本体部の外面を覆うように設けられた外面カバーを備えており、該外面カバーは、絶縁性素材によって形成されており、前記本体部の外面における凸部を連結しかつ該本体部の外面における凹みから離間した状態となるように設けられていることを特徴とする。
第5発明の電線用絶縁カバーは、第4発明において、前記外面カバーは、電線に取り付けられた状態において、前記本体部の外面上部を覆い、かつ、その下端部が前記本体部の開口よりも上方に位置するように設けられていることを特徴とする。
第1発明によれば、つぎの効果を奏する。
a)開口に電線を通して本体部を電線に被せれば、本体部によって電線が覆われた状態となるように、本体部を電線に取り付けることができるので、本体部によって電線を外部から絶縁できる。しかも、本体部が略蛇腹状に形成されているので、電線の撓みに沿うように本体部を撓ませることができる。したがって、本体部の長さを長くしても、電線の撓みなどに合わせて本体部を変形させることができるから、電線が長くなっても、電線と外部との間を適切に絶縁することができる。
b)開口と反対側に位置する角の位置に電線を配置すれば、安定した状態で電線用絶縁カバーを電線に取り付けることができる。
第2発明によれば、電線が本体部に断熱される空間が大きいので、本体部を電線に被せても、電線の温度上昇を抑制することができる
第3発明によれば、内部離間部材が設けられているので、電線の発熱が本体部に直接伝わることを防ぐことができる。すると、電線からの熱による本体部の劣化を防ぐことができる。
発明によれば、本体部の外面における凸部を連結しかつ本体部の外面における凹みから離間した状態となるように外面カバーを設けているので、本体部が略蛇腹状になっていても、絶縁性を高く維持することができる。
第5発明によれば、凹部への水の集中を防ぐことができるので、本体部の絶縁性を高く維持することができる。しかも、雨が降ったりした場合において、外面カバーの表面を流れる水が開口近傍まで流れることを防ぐことができるので、雨などの場合でも電線と外部との絶縁性を高く維持することができる。
本実施形態の電線用絶縁カバー1を電線Wに取り付けた状態の概略説明図である。 (A)は本実施形態の電線用絶縁カバー1を電線Wに取り付けた状態の概略側面図であり、(B)は電線Wに取り付けた状態における本実施形態の電線用絶縁カバー1の部分断面図である。 本実施形態の電線用絶縁カバー1を中心線CLの方向から見た図である。 他の実施形態の電線用絶縁カバー1Bを電線Wに取り付けた状態の概略説明図である。 (A)は他の実施形態の電線用絶縁カバー1Bを電線Wに取り付けた状態の概略側面図であり、(B)は電線Wに取り付けた状態における他の実施形態の電線用絶縁カバー1Bの部分断面図である。 他の実施形態の電線用絶縁カバー1Bを中心線CLの軸方向から見た図である。
本発明の電線用絶縁カバーは、鉄塔間に架設される電線や変電所母線などに取り付けられるカバーであって鉄塔等と電線との地絡や電線同士による地絡等を防ぐことができるものである。
本発明の電線用絶縁カバーを取り付ける電線などはとくに限定されないが、3.3万ボルト以上7.7万ボルト以下、とくに、6.6万ボルトおよび7.7万ボルトの電圧の電力を送電する電線のカバーとして適している。そして、本発明の電線用絶縁カバーは、上記電圧を送電する電線のうち、裸電線からなる電線であって、長さが2m以上の電線でも、この電線を絶縁するために取り付けるカバーとして使用できる。
(本実施形態の電線用絶縁カバー1)
つぎに、本実施形態の電線用絶縁カバー1を図面に基づき説明する。
図1および図2に示すように、本実施形態の電線用絶縁カバー1は、軸方向(図2では左右方向)に沿って延びた長尺な部材であり、電線Wを覆うように取り付けて使用するものである。
本実施形態の電線用絶縁カバー1を使用する用途はとくに限定されないが、例えば、図1に示すように使用することができる。つまり、平面視で交差するように電線W1,W2が張られている場合において、上方の電線W1の張替え等の作業を実施する際に、本実施形態の電線用絶縁カバー1を下方の電線W2を覆うように取り付けて使用することができる。
このように使用すれば、上方の電線W1の張替え作業などの際に、電線W1が下方に垂れ下がっても、電線用絶縁カバー1によって、電線W1が下方の電線W2と接触することを防ぐことができる。すると、電線W1の作業をする際に、下方の電線W2の送電を停止しなくても、電線W1と電線W2とにより地絡することを防ぐことができる。
以下、本実施形態の電線用絶縁カバー1の各部を説明する。
図1〜図3に示すように、本実施形態の電線用絶縁カバー1は、筒状の本体部2と、本体部2の内部に設けられた内部離間部材5と、本体部2の外面に設けられた外面カバー10と、を備えている。
まず、図2に示すように、本体部2は筒状に形成された部材であり、その中心軸CLの軸方向(図2(B)参照)を貫通する貫通孔が形成されたものである。本体部2におけるこの貫通孔は、本実施形態の電線用絶縁カバー1を電線Wに取り付けたときに、電線Wを収容する空間2hを形成している。そして、この本体部2における空間2hは、その断面積が電線Wの断面積に比べて大きくなるように形成されている。
図3に示すように、本体部2は、その断面形状が略正方形に形成されており、一の角の部分に空間2hと外部を連通する開口2cが形成されている。この開口2cは、本体部2の軸方向CLに沿って、本体部2の一端から他端まで連続している。この開口2cを設けているので、電線用絶縁カバー1を電線Wに被せることができるし、本体部2の空間2h内に入った水などを排水でき電線Wの腐食なども防ぐことができる。
この本体部2は、絶縁性を有する素材によって形成されている。本体部2の素材は、絶縁性を有する素材であればとくに限定されない。例えば、ポリエチレンや塩化ビニル樹脂等の絶縁性を有するプラスチック類などを使用することができる。
また、図2に示すように、本体部2は、略蛇腹状構造を有している。具体的には、本体部2は、軸方向に沿って凹凸が交互に連続する構造を有している(図2(B)参照)。このため、本体部2は、その軸方向において撓ませたり曲げたりできるようになっている。
図1〜図3に示すように、本体部2の外面には、外面カバー10が設けられている。この外面カバー10はシート状の部材であり、本体部2の外面における凸部2aを連結しかつ本体部2の外面における凹部2bから離間した状態となるように本体部2に取り付けられている。言い換えれば、外面カバー10は、本体部2の外面の凹部2bを覆ってカバーするように設けられている。
この外面カバー10は、絶縁性を有する素材で形成されている。外面カバー1の素材には、例えば、シリコンやEPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)などの絶縁性を有する素材を使用することができる。とくに、絶縁性に加えて、断熱性を有する素材で形成されていれば、電線用絶縁カバー1が太陽光にさらされても、電線Wや本体部2内の温度が上昇することを防止する効果も得られる。例えば、外面カバー10としてシリコンスポンジシートを使用すれば、外面カバー10に絶縁性と断熱性を発揮させることができる。
本実施形態の電線用絶縁カバー1が以上のごとき構造を有しているので、本体部2の開口2cに電線Wを通せば、電線Wに電線用絶縁カバー1を被せることができる。
そして、開口2cと対向する角の内面に電線Wを配置すれば、電線用絶縁カバー1の断面を、電線Wと本体部2の中心軸CLを含む面VS(対称面VS)に対して面対称とすることができる(図3参照)。すると、電線Wに電線用絶縁カバー1を被せた状態において、対称面VSを重力の方向とほぼ一致させることができるので、電線用絶縁カバー1を電線Wに安定した状態で取り付けることができる。
しかも、本体部2内は空間2hが形成されており、その空間2hの断面積が電線Wの断面積に比べて大きいので、電線Wを本体部2の空間2h内に収容した状態でも、電線Wと本体部2の内面との間に空間が形成される。このため、電線Wが本体部2内に密封されている場合に比べて、電線Wの温度上昇を抑制することができる。
なお、本体部2の空間2hの断面積の大きさはとくに限定されない。
しかし、空間2hの断面積を大きくすると、絶縁性や温度上昇抑制効果を高くできるものの、取り扱い性が低下する。一方、空間2hの断面積を小さくすると、十分な絶縁性が得られず、十分な温度上昇抑制効果も得ることができない。したがって、本体部2は、その空間2hの断面積が、使用する電線の太さや送電する電圧に応じて適切な大きさとなるように形成すればよい。
例えば、本体部2の空間2hの断面積と同じ面積を有する円形断面の円の直径(以下、換算直径という)を基準とすると、この換算直径が100mm(言い換えれば空間2hの断面積が約7850mm)よりも小さくなると、66kV対地電圧の場合に十分な絶縁性および温度上昇抑制効果を得られない。一方、換算直径が200mmよりも大きくなると、本体部2の取り扱い性が低下する。
したがって、66kV対地電圧でも十分な絶縁性および温度上昇抑制効果を維持しつつ取り扱い性の低下を防ぐには、本体部2の空間2hの断面積は、換算直径が100mm以上200mm以下とする必要があり、降雨時等にも十分な絶縁性を得るためには換算直径が125mm以上200mm以下となるようにすることが好ましい。
さらに、本体部2の取り扱い性や製造の容易性、製造コストなどを考えれば、本体部2の空間2hの断面積は、換算直径が125mm以上175mm以下となるようにすることがより好ましい。
なお、換算直径が125mmである本体部2を有する本実施形態の電線用絶縁カバー1の場合には、無風状態において、電線Wの温度を180℃で送電した場合、晴天時の日中でも、電線Wの温度上昇を190℃程度に抑えることができる。
また、本体部2が略蛇腹状構造となっており、本体部2をその軸方向において撓ませたり曲げたりできるようになっているので、本体部2の長さを長くしても、電線Wの撓みなどに合わせて電線用絶縁カバー1を変形させることができる。このため、電線Wが長くなっても、一本の電線用絶縁カバー1または少ない本数の電線用絶縁カバー1で電線Wを覆うことができる。すると、隣接する電線用絶縁カバー1同士の継ぎ目などのように、絶縁性が低い部分が少なくなるように電線Wを覆うことができるので、電線Wと外部との間の絶縁性を高くすることができる。
さらに、本体部2は略蛇腹状構造に形成されており、軸方向に沿って凹凸が交互に連続する構造を有している。そして、本体部2内に収容された電線Wは、本体部2の凹部2b内面に接触する状態で配設される。このため、本体部2の凹部2bの位置では、電線Wから外面までの距離が本体部2の厚さだけしかないので、その部分は絶縁性が低くなる。
しかし、本実施形態の電線用絶縁カバー1では、その本体部2の凹部2bを覆うように外面カバー10が設けられている。すると、本体部2自体の厚さt(図2参照)を薄くしても、本体部2の厚さはほぼ凹凸の高さH(図2参照)と同等とみなすことができるので、凹部2bの位置でも、電線Wから外面までの距離を長くできる。つまり、本体部2自体の厚さt(図2参照)を薄くしても、本体部2(つまり電線用絶縁カバー1)の絶縁性を高くすることができる。
例えば、3mm/分の降水を模擬した注水状態では、略蛇腹形状の管(外面カバーなし)の場合、66kV系対地電圧には、管の直径(外径)を200mmとしても絶縁性を維持することができない。一方、直径125mmの蛇腹状のポリエチレン管(未来工業株式会社製:商品名ミラレックス)の外面の凹凸部に絶縁・撥水性の厚さ3mmのシリコンスポンジシート(クレハエラストマー株式会社製)を外面カバーとして貼り付けた場合には、3mm/分の降水を模擬した注水状態において、66kV系対地電圧でも絶縁性を維持することができた。より可撓性があるメッシュ状のポリエチレン素材の蛇腹状管(東拓工業株式会社製:商品名 TACアミーゴ(TAG150))でも、その外面および内面に厚さ3mmのシリコンスポンジシート(クレハエラストマー株式会社製)を張り付けた場合には、3mm/分の降水を模擬した注水状態において、直径150mm(内径130mm)の規格品でも66kV系対地電圧で絶縁性を維持することができた。
なお、外面カバー10を設けた状態において、外面カバー10と凹部2bの間に形成される空間は空洞のままにしてもよいし、内部をシリコン等の絶縁性素材からなる部材によって埋めてもよい。
また、凹凸の高さHはとくに限定されないが、絶縁性や取り扱い性等をなどを考慮すれば、20〜30mm程度が好ましい。
さらに、本体部2自体の厚さtもとくに限定されないが、絶縁性や取り扱い性等などを考慮すれば、1〜2mm程度が好ましい。
さらに、外面カバー10の厚さもとくに限定されないが、断熱性や柔軟性などを考慮すれば、3〜5mm程度がより好ましい。
(外面カバー10の取り付けについて)
なお、外面カバー10は、本体部2の外面全面を覆うように設けてもよいし(図4〜図6参照)、本体部2の外面上部だけを覆うように外面カバー10を設けてもよい(図1〜図3参照)。いずれの場合でも、凹部2bへの水の集中を防ぐことができるので、本実施形態の電線用絶縁カバー1の絶縁性を向上することができる。
例えば、本体部2において上述した対称面VSの側方に位置する角(図3では対称面VSと直交し中心軸CLを通る面HSと交差する角)の位置まで外面カバー10を設ければ十分に66kV対地電圧に耐えることができる。この場合、電線用絶縁カバー1の幅方向(図3では左右方向)において、開口2cから最も遠い位置で水滴を落下させることができるので、雨などの場合のように、外面カバー10の表面に水が流れるような状況となっても、電線Wと外部との絶縁性を高く維持することができる。
なお、外面カバー10を設けておけば、上記のごとく絶縁性(とくに降雨などに対する絶縁性)を高くすることができるという利点がある。一方、屋内などで使用する場合、つまり、本実施形態の電線用絶縁カバー1に水がかからないような条件で使用するのであれば、外面カバー10は必ずしも設けなくてもよい。
(内部離間部材5)
また、本体部2の空間2h内に電線Wが収容された状態において、電線Wが直接本体部2と接触するようになっていてもよい。しかし、電線Wの発熱に起因して本体部2が加熱されることを防いだり、電線Wと外部との絶縁性を高めたりする上では、内部離間部材5を介して電線Wと本体部2とが接するようにしてもよい。
例えば、図2(B)に示すように、本体部2の内面における凹部2b(本体部2の外面の凹部と対応する部分)を連結するように内部離間部材5を設けることが好ましい。この場合、本体部2の内周全面に内部離間部材5を設けてもよい(図5、図6参照)。しかし、開口2cと対向する角の内面近傍だけを覆うように内部離間部材5を設ければ(図3参照)、使用する内部離間部材5を少なくすることができるし、内部離間部材5の取付が容易になるという利点が得られる。
また、内部離間部材5は、本体部2の内面の軸方向の全体に設けてもよいが(図5(B)参照)、本体部2の軸方向に沿って間欠的に内部離間部材5を設けてもよい(図2(B)参照)。つまり、内部離間部材5を、本体部2の軸方向に沿って、所定の間隔ごとに(例えば5〜10cm間隔で)設けてもよい。すると、使用する内部離間部材5を少なくすることができるし、内部離間部材5の取付が容易になるという利点が得られる。
なお、内部離間部材5の素材はとくに限定されないが、断熱性と絶縁性と耐熱性とを有する素材によって形成されたものが好ましい。例えば、内部離間部材5の素材として、外面カバー10と同様に、シリコンスポンジシートを使用すれば、内部離間部材5に、絶縁性、断熱性および耐熱性を適切に発揮させることができる。
なお、内部離間部材5の厚さもとくに限定されないが、断熱性や柔軟性などを考慮すれば、10mm程度がより好ましい。
(本実施形態の電線用絶縁カバー1の固定)
本実施形態の電線用絶縁カバー1を電線Wに固定する方法はとくに限定されない。例えば、電線用絶縁カバー1を電線Wに被せて、結束バンドなどのような締結部材20によって本実施形態の電線用絶縁カバー1の両端を電線Wに固定することができる(図3および図6参照)。かかる方法で固定すれば、本実施形態の電線用絶縁カバー1を安定した状態で電線Wに取り付けておくことができるし、取り付けが簡単であるので、好ましい。
(他の実施形態の電線用絶縁カバー1B)
上記例では、本体部2の断面形状が略正方形の場合を説明したが、本体部2の断面形状はとくに限定されない。しかし、本体部2の断面形状は、その中心軸CLを含み、開口2cの中間を通過する対称面VSに対して左右対称な断面形状を有するものが好ましい。かかる断面形状とすれば、対称面VSと本体部2の内面の交わる部分に電線Wが位置するように、電線Wに本体部2を固定すれば、安定した状態で電線Wに本実施形態の電線用絶縁カバー1を取り付けておくことができる。
例えば、三角形や楕円形などの断面を有する筒状部材を本体部に使用してもよいし、図4〜図6に示すような本体部2B、つまり、円形断面を有する筒状の部材を採用することもできる。
本発明の電線用絶縁カバーは、特別高圧送電線における鳥害による地絡や、電線の張替え作業等における地絡を防ぐカバーに適している。
1 電線用絶縁カバー
2 本体部
2a 凸部
2b 凹部
2c 開口
2h 空間
5 内部離間部材
10 外面カバー
CL 中心線
VS 対称面
W 電線

Claims (5)

  1. 電線に取り付けられるカバーであって、
    筒状であって、その軸方向に沿って連続する開口を有する本体部を備えており、
    該本体部は、
    略蛇腹状の構造を有しており、
    かつ、断面略四角形状に形成されており、
    該断面の一の角を除去して前記開口が形成されており、
    該開口と対向する角の内面に内部離間部材が設けられている
    ことを特徴とする電線用絶縁カバー。
  2. 前記本体部は、
    円形断面に換算すると、直径100mm以上の円形断面に相当する断面積の内部空間を有している
    ことを特徴とする請求項1記載の電線用絶縁カバー。
  3. 前記本体部の内面に、絶縁性素材によって形成された内部離間部材が設けられており、
    該内部離間部材は、
    前記本体部の内面における凸部を連結しかつ該本体部の内面における凹みから離間した状態となるように設けられている
    ことを特徴とする請求項1または2記載の電線用絶縁カバー。
  4. 前記本体部の外面を覆うように設けられた外面カバーを備えており、
    該外面カバーは、
    絶縁性素材によって形成されており、
    前記本体部の外面における凸部を連結しかつ該本体部の外面における凹みから離間した状態となるように設けられている
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載の電線用絶縁カバー。
  5. 前記外面カバーは、
    電線に取り付けられた状態において、前記本体部の外面上部を覆い、かつ、その下端部が前記本体部の開口よりも上方に位置するように設けられている
    ことを特徴とする請求項4記載の電線用絶縁カバー。
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