以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<実施の形態1>
実施の形態1では、第1端末と第2端末と充電器とを含む電話システムが、コードレス電話システムである場合について説明する。
図1は、実施の形態1のコードレス電話システムを示す図である。図1を参照して、コードレス電話システムは、親機100(第1端末)と、子機200(第2端末)と、充電器300とを含む。
親機100は、図示しない電話回線に接続され、電話の発着信処理を行う。親機100は、主としてユーザが持ち運びをすることなく固定されて使用される。図示するように、親機100は、ユーザの入力操作を受け付けるための入力部109と、電話帳データ、発信者情報などを表示するための表示部111等を備えている。また、親機100は、コードレス電話システムのための通信規格に従って子機200と無線通信を行って音声データなどを子機200と送受信する。
子機200は、充電器300に装着可能な無線機器であり、親機100と無線通信を行って音声データなどを送受信する。子機200は、ユーザの入力操作を受け付けるための入力部209と、電話帳データ、発信者情報などを表示するための表示部211と、表示部111から無線通信によって受信した音声データを出力するための通話用スピーカ207等を備えている。これにより、ユーザは、子機200を操作して音声通話を行うことができる。
充電器300は、図示しない電源に接続されるとともに、子機200を装着するための電源回路部315を有する。充電器300および子機200は、子機200が充電器300に装着されたことを検出し、子機200のバッテリが充電される。また、充電器300は、無線通信機能を有しており、親機100と子機200との通信を中継する。すなわち、子機200と充電器300とが通信し、充電器300と親機100とが通信することで、子機200が充電器300を経由して親機100と通信することができる。そのため、子機200が親機100の通信圏外に位置している状態であっても、充電器300を中継器として使用することで、通話を継続することができる。
<A.構成>
図2〜図4を参照して、親機100と、子機200と、充電器300との構成を説明する。
<A1.親機100の構成>
図2は、親機100の構成を示すブロック図である。図2に示すように、親機100は、アンテナ101と、記憶部103と、無線送受信部104と、音声処理部105と、マイク106と、通話用スピーカ107と、電話回線制御部108と、入力部109と、報知用スピーカ110と、表示部111と、制御部112とを含む。
アンテナ101は、親機100が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ101は、空間から電波を受信して受信信号を無線送受信部104へ与える。
記憶部103は、メモリ等により構成され、例えば通話相手の名称と電話番号とを対応付けた電話帳データなど、親機100が使用するデータおよびプログラムを記憶する。
無線送受信部104は、親機100が他の無線機器(子機200と充電器300)と通信するため、アンテナ101を介して信号を送受信するための変復調処理を行う。無線送受信部104は、高周波回路などを含む通信モジュールであり、親機100が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を音声処理部105と制御部112とへ与える。無線送受信部104は、チューナー102と、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出部121と、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出部122とを含む。
チューナー102は、親機100が無線信号を送受信するための無線チャネルを選択し、受信した無線信号の周波数変換などを行う。通信方式は、例えばデジタル方式のコードレス電話システムの規格により定められており、このような規格としては、例えば一般社団法人 電波産業会により策定された規格(規格番号 ARIB STD−T101)がある。
RSSI算出部121は、親機100が受信した受信信号の強度(受信レベル)を測定するための回路を含み、測定した受信レベルを制御部112へ与える。CRC算出部122は、親機100が受信した無線信号のCRC誤り率を算出し、算出したCRC誤り率を制御部112へ与える。
音声処理部105は、音声信号の変復調を行う。例えばユーザが子機200を使用して通話している場合、音声処理部105は、電話回線制御部108から与えられる音声信号を無線信号として親機100から送出するための変調等の処理をして無線送受信部104へ与える。また、音声処理部105は、電話回線制御部108からの音声信号を復調し、復調した音声信号を通話用スピーカ107へ与える。また、音声処理部105は、マイク106から与えられる音声信号を変調して電話回線制御部108または無線送受信部104へ与える。音声処理部105は、例えば音声処理用のDSP(Digital Signal Processor)によって実現される。
マイク106は、ユーザによる音声入力を受け付けて、音声信号を音声処理部105へ与える。
通話用スピーカ107は、音声処理部105から与えられる音声信号を音声として親機100の外部へ出力する。
電話回線制御部108は、親機100と電話回線とを接続するためのインタフェースとして機能し、外線通話時の信号の送信および受信を行う。電話回線制御部108は、マイク106からの音声信号または親機100が他の無線機器から受信した音声信号を音声処理部105から受け付けて、外部の電話回線へ出力する。また、電話回線制御部108は、外部の電話回線から受け付けた音声信号を音声処理部105へ与える。
入力部109は、ユーザの入力操作を受け付けるための操作部材であり、例えばテンキー、十字型キーなどである。入力部109は、例えば、ユーザから電話番号の入力操作や電話帳データを検索するための入力操作を受け付ける。
報知用スピーカ110は、制御部112の制御に従って音声を出力し、例えば親機100に着信があったことを音によってユーザに報知する。
表示部111は、ユーザに各種の情報を表示するためのものであり、例えばユーザが入力している電話番号や、電話帳データに登録されている情報などを表示する。表示部111は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)などによって実現される。
制御部112は、記憶部103に記憶される制御プログラムを読み込んで実行することにより、親機100の動作の全体を制御する。制御部112は、例えばCPUによって実現される。制御部112は、プログラムに従って動作することにより、チャネル切替指示部131と、通話品質監視部132と、通信切替部133との各機能を発揮する。チャネル切替指示部131は、親機100が無線通信に使用する無線チャネルを管理しており、無線チャネルを切り替える指示を無線送受信部104に与える。通話品質監視部132は、無線送受信部104から受け付けるRSSI値およびCRC値などに基づいて、親機100と子機200との無線通信の品質が閾値を上回っているか否かをモニタリングする。通信切替部133は、通話品質監視部132によるモニタリングの結果を受けて、親機100と子機200との通信状況が悪化した場合に、子機200と充電器300とに対し、子機200が充電器300を経由して親機100と通信するよう通信経路の切替を指示する。
<A2.子機200の構成>
図3を参照して、子機200の構成を説明する。図3は、子機200の構成を示すブロック図である。図3に示すように、子機200は、アンテナ201と、記憶部203と、無線送受信部204と、音声処理部205と、マイク206と、通話用スピーカ207と、入力部209と、表示部211と、制御部212と、電源部213と、バッテリ214とを含む。
アンテナ201は、子機200が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ201は、空間から電波を受信して受信信号を無線送受信部204へ与える。
記憶部203は、メモリ等により構成され、子機200が使用するデータおよびプログラムを記憶する。記憶部203は、例えば親機100に登録されている電話帳データと同期した電話帳データなどを記憶する。
無線送受信部204は、子機200が他の無線機器(親機100と充電器300)と通信するため、アンテナ201を介して信号を送受信するための変復調処理を行う。無線送受信部204は、高周波回路などを含む通信モジュールであり、子機200が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を音声処理部205と制御部212とへ与える。無線送受信部204は、チューナー202と、RSSI算出部221と、CRC算出部222とを含む。チューナー202は、子機200が無線信号を送受信するための無線チャネルを選択し、受信した無線信号の周波数変換などを行う。RSSI算出部221は、子機200が受信した受信信号の強度(受信レベル)を測定するための回路を含み、測定した受信レベルを制御部212へ与える。CRC算出部222は、子機200が受信した無線信号のCRC誤り率を算出し、算出したCRC誤り率を制御部212へ与える。
音声処理部205は、マイク206からの音声信号を変調し、変調した音声信号を無線送受信部204へ与える。また、音声処理部205は、無線送受信部204から与えられる信号を復調し、復調した音声信号を通話用スピーカ207へ与える。音声処理部205は、例えば音声処理用のDSPによって実現される。
マイク206は、ユーザによる音声入力を受け付けて、音声信号を音声処理部205へ与える。
通話用スピーカ207は、音声処理部205から与えられた音声信号を音声として子機200の外部へ出力する。
入力部209は、ユーザの入力操作を受け付けるための操作部材であり、例えばテンキー、十字型キーなどである。入力部209は、例えば、ユーザから電話番号の入力操作や電話帳データを検索するための入力操作を受け付ける。
表示部211は、ユーザに各種の情報を表示するためのものであり、例えばユーザが入力している電話番号や、電話帳データに登録されている情報などを表示する。表示部211は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)などによって実現される。
制御部212は、記憶部203に記憶される制御プログラムを読み込んで実行することにより、子機200の動作の全体を制御する。制御部212は、例えばCPUによって実現される。制御部212は、プログラムに従って動作することにより、通話品質取得部231と、電波状況表示部232と、接続先管理部233との各機能を発揮する。
通話品質取得部231は、親機100と充電器300との少なくともいずれかと通信することにより、親機100が測定した受信レベルと、子機200が測定した受信レベルとを取得する。例えば、子機200が親機100または充電器300と無線通信により送受信するデータや無線通信時の制御信号等に、親機100や充電器300が受信レベルを含めて子機200へ送信することにより、通話品質取得部231は、上記の受信レベルを取得する。
電波状況表示部232は、通話品質取得部231が取得した受信レベル(親機100が測定した受信レベルと充電器300が測定した受信レベル)を、表示部211によって表示する。これにより、子機200が充電器300を経由して親機100と通信している場合に、子機200を使用するユーザに対し、親機100と子機200との通信の電波状況と、子機200と充電器300との通信の電波状況とを示す情報を示すことができ、ユーザが通話品質のよい環境を知ることを容易にすることができる。
接続先管理部233は、子機200が通話時に接続している無線機器を管理する。接続先管理部233は、子機200が親機100からの指示を受けて充電器300を経由して親機100と通信しているか、または子機200が充電器300を中継せず親機100と無線通信しているかを管理する。また、接続先管理部233は、子機200が接続している無線機器を示す情報を、表示部211によって表示する。これにより、子機200を使用するユーザに対し、子機200が通話時に接続している無線機器の情報を示すことができ、子機200が充電器300を中継器として使用しているか否かをユーザに容易に知らせることができる。
電源部213は、子機200の各回路に電力を供給する。電源部213は、充電器300に装着するための接触端子を有しており、子機200が充電器300に装着されることでバッテリ214と充電器300とが電気的に接続され、バッテリ214が充電される。
また、電源部213は、子機200が充電器300に装着されているか否かを検出し、検出結果を制御部212へ与える。例えば、電源部213は、接触端子によって子機200が充電器300と接続したことを検出した場合や、接触端子における電流値と電圧値とを検出した場合に、子機200と充電器300との装着を検出する。制御部212は、電源部213から子機200が充電器300に装着されていることの検出結果を受け取ると、例えば表示部211に、子機200が充電中であることを表示させる。
バッテリ214は、例えば充電式のニッケル水素電池などにより実現される。
<A3.充電器300の構成>
図4を参照して、充電器300の構成を説明する。図4は、充電器300の構成を示すブロック図である。図4に示すように、充電器300は、アンテナ301と、記憶部303と、無線送受信部304と、制御部312と、電源回路部315とを含む。
アンテナ301は、充電器300が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ301は、空間から電波を受信して受信信号を無線送受信部304へ与える。
記憶部303は、メモリ等により構成される。記憶部303は、親機100と充電器300とが子機200から受信する受信信号に基づいて算出されたRSSI値を記憶する。例えば、記憶部303は、充電器300が子機200から受信した受信信号のRSSI値を記憶する。また、記憶部303は、親機100が測定したRSSI値を充電器300が親機100から受信した場合に、その親機100のRSSI値を記憶する。図4では、充電器300が記憶するRSSI値をRSSI341として示している。また、充電器300は、親機100との無線通信時に、親機100からの受信信号に基づいてCRC算出部322によって算出される誤り率(CRC)と、子機200との無線通信時に、子機200からの受信信号に基づいてCRC算出部322によって算出される誤り率(CRC)とを記憶する。図4では、充電器300が記憶するCRC誤り率をCRC342として示している。
無線送受信部304は、充電器300が他の無線機器(親機100と子機200)と通信するため、アンテナ301を介して信号を送受信するための変復調処理を行う。無線送受信部304は、高周波回路などを含む通信モジュールであり、充電器300が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部312へ与える。無線送受信部304は、チューナー302と、RSSI算出部321と、CRC算出部322とを含む。チューナー302は、充電器300が無線信号を送受信するための無線チャネルを選択し、受信した無線信号の周波数変換などを行う。RSSI算出部321は、充電器300が受信した受信信号の強度(受信レベル)を測定するための回路を含み、測定した受信レベルを制御部312へ与える。CRC算出部322は、充電器300が受信した無線信号のCRC誤り率を算出し、算出したCRC誤り率を制御部312へ与える。
制御部312は、記憶部303に記憶される制御プログラムを読み込んで実行することにより、充電器300の動作の全体を制御する。制御部312は、例えばCPUによって実現される。制御部312は、プログラムに従って動作することにより、誤り率比較部331と、RSSI管理部332と、接続機器呼び出し部333と、回線保留指示部334との各機能を発揮する。
誤り率比較部331は、記憶部303に記憶されるCRC342を読み出して、親機100から受信した信号に基づき算出されるCRC誤り率と、子機200から受信した信号に基づき算出されるCRC誤り率とを比較し、比較結果を保持する。
RSSI管理部332は、親機100と充電器300とが子機200から受信する受信信号のRSSI値を管理する。充電器300が親機100と通信することにより、親機100が測定したRSSI値を取得し、取得した親機100のRSSI値を記憶部303に保持させる。また、RSSI管理部332は、子機200から受信した信号に基づきRSSI算出部321が算出したRSSI値を記憶部303に保持させる。RSSI管理部332は、親機100が子機200から受信した受信信号のRSSI値を子機200へ送信する。これにより、子機200は、受信レベルに基づいて、親機100および充電器300との通信品質を表示部211に表示等することができ、子機200のユーザが、親機100および充電器300との通信品質を知ることを容易にすることができる。
接続機器呼び出し部333は、子機200と親機100との通信品質と、子機200と充電器300との通信品質を、記憶部303に記憶されるCRC342等に基づいて比較する。比較の結果、子機200と充電器300との通信品質が、子機200と親機100との通信品質よりも良好である場合に、接続機器呼び出し部333は、充電器300に装着されている機器がある場合に、当該装着されている機器を制御して当該機器のスピーカから音声を出力させる等の報知処理を行う。これにより、子機200を使用するユーザに対し、充電器に装着されている機器から音声出力等によって報知を行うことができ、ユーザの使用する子機200と通信品質が比較的良好な機器をユーザに容易に知らせることができる。
回線保留指示部334は、充電器300が親機100と子機200との通信の中継を開始する場合に、子機200からの受信信号をキャッチしていない間も充電器300と親機100との通信接続を保留する。
電源回路部315は、充電器300に装着される子機200に対し、電源電圧を供給する。電源回路部315は、整流器等を備えており、商用の交流電源である電源400と接続し、電源400から供給される交流電源を、子機200の充電に適した電圧値および電流値に変換する。また、電源回路部315は、充電器300と子機200とを装着するための接触端子を含み、子機200が接触端子と接続したことを検出し、検出結果を制御部312へ与える。
<B.動作>
図5〜図7を参照して、コードレス電話システムの動作について説明する。
<B1.通話開始時の処理>
図5は、コードレス電話システムにおける通話開始時の処理を示すフローチャートである。図5の例では、外部の電話回線からの着信が親機100にあった場合を説明している。
ステップS101において、親機100は、外部の電話回線から電話回線制御部108によって着信を受け付けると、通話処理を開始する。親機100は、子機200を呼び出す処理を行う。
ステップS201において、子機200は、例えば間欠的に制御信号を受信することにより、親機100からの呼び出し信号を監視しており、親機100からの呼び出し信号に応じて親機100との通信接続を確立する。子機200は、親機100と通信するための通話チャネルを確定すると、親機100に対し、呼び出し信号に応じて通話チャネルを通知するなどの応答を行う。
ステップS103において、親機100は、子機200からの応答を受け取ると、子機200と通信するための通話チャネルを確定し、外部の電話回線からの音声を示す音声データを子機200へ転送する。
ステップS203において、子機200は、親機100を介して通話処理を行う。
ステップS105において、親機100は、外部の電話回線からの音声データを子機200へ転送しつつ、子機200から受信する音声データを、外部の電話回線を通じて通話の相手方へ送信する。また、親機100は、音声データの送受信の間、CRC算出部122が算出する子機200からの受信信号のCRC誤り率と、閾値とを比較することで親機100と子機200との通話品質を監視する。
<B2.充電器300を中継器として使用することによる通信経路の切替処理>
図6は、コードレス電話システムにおいて、親機100と子機200との通信経路の切替を制御する処理を示すフローチャートである。
ステップS111において、親機100は、子機200から受信する受信信号のCRC誤り率をCRC算出部122によって算出し、算出したCRC誤り率と、閾値とを逐次比較する。ステップS111において、例えば子機200を使用するユーザが親機100から遠ざかる等により、子機200と親機100との通信品質が劣化し、通話の途切れが頻発し始めたとする。その結果、親機100は、CRC誤り率が閾値を越えたと判定したとする。
ステップS113において、親機100は、充電器300を起動させるための指示(起動指示)を充電器300に送信する。
ステップS311において、充電器300は、間欠的に無線信号を受信しており、親機100からの起動指示を受信し、起動指示に応じて起動を開始したことを親機100へ応答する。
ステップS115において、親機100は、充電器300への起動指示に対する充電器300からの応答を受信すると、充電器300に対し、子機200から送信される電波をキャッチできるか否かの確認を充電器300へ要求する信号を送信する。
ステップS313において、充電器300は、親機100からの要求に応じて、子機200から送信される電波の探索を開始する。
ステップS315において、子機200から送信される電波の探索の開始後、タイムアウトが発生するまでの間に子機200の電波を確認した場合、充電器300が子機200からの電波を受信していることを親機100へ応答する。
ステップS117において、親機100は、充電器300が子機200からの電波をキャッチした旨の応答を充電器300から受け取ると、親機100が子機200との無線通信において測定したCRC誤り率を充電器300へ送信する。親機100は、親機100が子機200から受信する信号のCRC誤り率と、充電器300が子機200から受信する信号のCRC誤り率とを比較することを要求する信号を充電器300へ送信する。
ステップS317において、充電器300は、CRC誤り率を比較することを要求する信号と、親機100が子機200との無線通信において測定したCRC誤り率とを親機100から受信し、受信したCRC誤り率と、充電器300が子機200から受信する信号のCRC誤り率とを比較する。充電器300は、この比較結果を親機100へ応答する。子機200−親機100間の通信のCRC誤り率が、子機200−充電器300間の通信のCRC誤り率よりも小さい間は、逐次、上記のCRC誤り率の比較を行う。
ステップS119において、子機200−親機100間のCRC誤り率が、充電器300−親機100間のCRC誤り率よりも大きいとの応答を親機100が充電器300から受信したとする。この場合、親機100は、充電器300を中継器として親機100と子機200との通信を行うよう、通信経路の切替指示を子機200と充電器300とへ送信する。
ステップS211において、子機200は、親機100からの通信経路の切替指示を受信して、充電器300との通信接続の確立を開始する。
ステップS319において、充電器300は、親機100からの通信経路の切替指示を受信して、子機200との通信接続の確立を開始し、通信接続が確立すると、親機100と子機200との通信経路が、充電器300を中継器とする経路に切り替わったことを親機100へ応答する。
ステップS121において、親機100は、子機200から送信される電波に基づいて、子機200と親機100との通信品質を示す情報(RSSI値およびCRC誤り率)を充電器300へ送信する。また、親機100は、通話処理における通話データを充電器300へ送信する。
ステップS321において、充電器300は、親機100と子機200との通信を中継する中継器としての処理を行う。充電器300は、親機100から送信される、子機200と親機100との通信品質を示す情報(RSSI値およびCRC誤り率)を子機200へ転送する。また、充電器300は、子機200から受信する信号により測定した、子機200と充電器300との通信品質を示す情報(RSSI値およびCRC誤り率)を子機200へ送信する。
ステップS213において、子機200は、充電器300を中継器として使用して親機100との通話データの送受信を行う。子機200は、充電器300から、子機200と親機100との通信品質を示す情報(RSSI値およびCRC誤り率)と、充電器300が測定した充電器300と子機200との通信品質を示す情報(RSSI値およびCRC誤り率)とを受信する。子機200は、表示部211に、親機100との通信品質および充電器300との通信品質を示す情報を表示する。
以上の処理により、コードレス電話システムは、子機200と親機100との通信品質が悪化した場合に、親機が主導して充電器300を中継器として使用する処理を行い、親機100と子機200との通話データの送受信を継続する。また、子機200は、親機100および充電器300が子機200から無線信号を受信する場合における受信レベルを表示部211に表示する。こうすることで、子機200は、子機200のユーザに対し、通信品質が良好な機器がいずれであるかを表示することができる。
<B3.通話が途切れた場合の回線保留処理>
図7は、親機100と子機200との通話が途切れた場合に、子機200の復帰まで回線を保留する処理を示すフローチャートである。なお、図7において、親機100のステップS111からステップS117までの処理と、充電器300のステップS311からステップS315までの処理は図6で説明したものと同様であるため、説明を繰り返さない。
ステップS331において、充電器300は、CRC誤り率を比較することを要求する信号と、親機100が子機200との無線通信において測定したCRC誤り率とを親機100から受信し、受信したCRC誤り率と、充電器300が子機200から受信する信号のCRC誤り率とを比較する。図7の説明において、この比較処理の結果、子機200−親機100間の通信のCRC誤り率が、子機200−充電器300間の通信のCRC誤り率よりも大きいと判定されたとする。すなわち、子機200−充電器300間の通信品質が、子機200−親機100間の通信品質より良好であると判定されたとする。充電器300は、子機200−充電器300間の通信品質が比較的良好であることを親機100へ応答する。
ステップS131において、親機100は、充電器300からの応答を受けて、充電器300を中継器として親機100と子機200との通信を行うよう、通信経路の切替指示を子機200と充電器300とへ送信する。ただし、この送信処理の前に、親機100と子機200との通信品質が悪化して通信が断絶し、通信経路の切替指示が親機100から子機200へ到達しなくなったとする(例えば、親機100は、子機200から数秒程度などの一定期間、信号の受信を確認できずタイムアウトが発生した場合に、親機100と子機200との通信が断絶したと判定する)。この場合、親機100は、充電器300との通信接続を維持し、充電器300に対し、通信のための回線を保持するよう指示する。
ステップS333において、充電器300は、親機100からの回線保持の指示を受けて、子機200からの電波のキャッチを開始するとともに親機100との回線を保持する。充電器300は、電源回路部315によって充電器300に装着される無線機器を検出している場合、この無線機器を制御して、この無線機器のスピーカからの音声出力等により報知を実行させる。これにより、親機100と子機200との通信が断絶した場合においても、親機100と充電器300との通信接続を維持して外部の電話回線との接続を保持しつつ、子機200のユーザに対し、電源回路部315に装着された無線機器からの報知により、子機200のユーザが移動すべき位置を容易に知らせることができる。
ステップS335において、充電器300は、子機200からの電波のキャッチをタイムアウトが発生するまで行う。図7の説明では、ステップS335において充電器300が子機200からの電波をキャッチしたとする。
ステップS337において、充電器300は、充電器300が子機200からの電波をキャッチし、子機200がコードレス電話システムによる通話に復帰したことを親機100へ通知する。
ステップS133において、親機100は、充電器300から、子機200が通話に復帰したことの通知を受信する。
以上の処理により、子機200との通信が断絶した場合においても、親機100は、子機200が通話に復帰するまで電話回線を保留することができる。なお、親機100は、子機200との通話が断絶した場合に、電話回線から出力される通話データをバッファメモリ等の記憶領域に保持しておき、子機200の復帰時に充電器300を中継して子機200へ送信することとしてもよい。これにより、通話が途切れた場合においても、子機200において通話データを復元等することで、通話内容につながりを持たせることができる。また、親機100は、子機200との通話が断絶している場合は、その間、表示部111に子機200との通話が断絶している旨を表示し、ステップS133において子機200が通話に復帰したことの通知を受信することにより、表示部111に子機200が復帰したことを表示してもよい。
<C.親機100、子機200における表示例>
図8〜図11を参照して、親機100と子機200におけるユーザインタフェースの一例を説明する。
<C1.親機100における通信状況の表示例>
図8は、親機100が充電器300を中継せず子機200と通話データを送受信している場合の表示部111の表示例を示す図である。図8に示すように、親機100は、子機200との通信品質が比較的良好であり、充電器300を中継せず子機200と通信している場合、通信状況表示部141に、親機100を示す画像である親機画像142と、子機200を示す画像である子機画像143とを表示する。これにより、ユーザに対し、親機100と子機200とが充電器300を中継せず通信中であることを表示部111に表示する。
図9は、親機100が充電器300を中継して子機200と通話データを送受信している場合の表示部111の表示例を示す図である。図9に示すように、親機100は、子機200との通信品質が悪化し、充電器300を中継して子機200と通信している場合、通信状況表示部141に、充電器300を示す画像である充電器画像144と、親機画像142と、子機画像143とを表示する。これにより、ユーザに対し、親機100が子機200との通信において充電器300を中継器として使用していることを表示する。
<C2.子機200における通信状況の表示例>
図10は、子機200が充電器300を中継せず親機100と通話データを送受信している場合の表示部211の表示例を示す図である。図10の例では、子機200は、親機100との通信品質が比較的良好であり、充電器300を中継せず親機100と通信している。この場合、子機200は、親機との電波の通信状況を示す領域である電波状況表示部241において、親機100から受信する信号のRSSI値を受信レベル表示部243に表示する。また、子機200は、親機100を示す画像である親機画像245と、子機200を示す画像である子機画像246とを表示する。これにより、ユーザに対し、親機100と子機200とが充電器300を中継せず通信中であることを表示部211に表示する。
図11は、子機200が充電器300を中継して親機100と通話データを送受信している場合の表示部211の表示例を示す図である。図11に示すように、子機200は、親機100との通信品質が悪化し、充電器300を中継して親機100と通信している場合、表示部211に、充電器300を示す画像である充電器画像247を表示する。これにより、ユーザに対し、子機200が充電器300と通信中であることを表示部211に表示する。
また、子機200は、充電器との電波の通信状況を示す領域である電波状況表示部242において、充電器300が上記ステップS213の処理において受信した、子機200と充電器300との通信品質を示す情報とを表示する。図11の例では、子機200は、電波状況表示部242において、充電器300のRSSI値に基づく情報を、アンテナの受信感度を模した線の本数により表示する例を示している。また、子機200は、電波状況表示部241において、充電器300が上記ステップS213の処理において受信した、子機200と親機100との通信品質を示す情報を表示する。図11の例では、子機200と親機100との通信が圏外となっていることを受信レベル表示部243において示している。
このように、子機200が、通信品質をアンテナの受信感度を模した線の本数で表示することにより、ユーザに対し、直感的に認識しやすい態様で機器間の通信品質を表示することができる。また、機器間の電波状況を、RSSI値に基づき数字または図11に示すように「圏外」と表示してもよい。また、親機100側で、子機200からの受信信号が一定以上の受信レベルである場合は、子機200において、親機100の受信レベルの表示と、「親機と通話中」などの表示のみを表示部211に表示する等してもよい。これにより、子機200が充電器300を経由せず親機100と通信している場合に、子機200が直接接続している機器が親機100であることをユーザに容易に知らせることができる。
また、上記実施の形態1では、充電器300が、ステップS317において子機200と親機100との間の通信品質と、子機200と充電器300との間の通信品質とを比較することとして説明したが、この比較は、親機100が行ってもよい。
<実施の形態2>
次に、電話システムの別の実施の形態について図12〜図14を参照しつつ説明する。本実施形態においても、電話システムがコードレス電話システムである場合を説明する。
<D.実施の形態2の構成>
図12は、実施の形態2のコードレス電話システムを示す図である。図12を参照して、コードレス電話システムは、親機100と、1以上の子機200と、複数の充電器300(図12の例では、充電器300A、充電器300Bおよび充電器300Cの3つの充電器を示している)とを含む。実施の形態1と異なる点は、充電器が複数ある点である。充電器300Aと充電器300Cは、親機100の無線通信の通信圏内である通信エリア10に含まれるよう配置されている。充電器300Bは、親機100の通信エリア10には含まれず、充電器300Aの無線通信の通信圏内である通信エリア30に含まれる。なお、親機100と、子機200と、充電器300との構成は実施の形態1と同様であるため、説明を繰り返さない。
<E.実施の形態2のコードレス電話システムにおける動作>
図13を参照して、実施の形態2のコードレス電話システムの動作を説明する。図13は、コードレス電話システムにおいて、親機100と子機200との通信経路の切替処理を示すフローチャートである。なお、図13の説明において記載している「充電器」は、親機100の通信圏内に含まれる充電器300Aであるとする。以下の説明では、充電器300が中継器となって親機100と子機200とが通信している場合に、子機200が複数の充電器のいずれと通信しているかを子機200の表示部211に表示する。これにより、子機200を操作するユーザに対し、通信に使用されている充電器を表示することができ、例えば通話の品質が低下した場合に、ユーザが複数の充電器のいずれの近くへ移動すればよいかを表示することができる。
図13において、親機100のステップS111からステップS121までの処理と、子機200のステップS211の処理と、充電器300のステップS311からステップS319までの処理とは、図6で説明したものと同様であるため説明を繰り返さない。
ステップS320において、充電器300は、他の1以上の充電器(例えば、充電器300の通信圏内にある充電器)に対し、他の1以上の充電器を起動させるための指示を送信する。充電器300は、他の1以上の充電器から、指示に応じて起動を開始したことを示す応答があると、他の1以上の充電器のそれぞれに対し、子機200からの電波のキャッチを開始させ、子機200からの受信信号に基づいてRSSI値およびCRC誤り率を算出させて、その算出結果を充電器300へ応答するよう要求する。
ステップS322において、充電器300は、親機100と子機200との通信を中継する中継器としての処理を開始する。充電器300は、親機100から送信される、子機200と親機100との通信品質を示す情報(RSSI値およびCRC誤り率)を子機200へ転送する。また、充電器300は、ステップS320において他の1以上の充電器へ要求した子機200との通信品質を示す情報(RSSI値およびCRC誤り率)を受け付けて子機200へ転送する。
ステップS213において、子機200は、充電器300から、子機200と親機100との通信品質を示す情報(RSSI値およびCRC誤り率)と、充電器300が測定した充電器300と子機200との通信品質を示す情報(RSSI値およびCRC誤り率)と、充電器300が他の1以上の充電器に測定させた、他の1以上の充電器と子機200との通信品質を示す情報(RSSI値および誤り率)とを受信する。子機200は、表示部211に、親機100との通信品質、充電器300との通信品質、および他の1以上の充電器との通信品質を示す情報を表示させる。
<F.実施の形態2の子機200における表示例>
図14を参照して、実施の形態2の子機200におけるユーザインタフェースの一例を説明する。図14は、子機200が充電器300を中継して親機100と通話データを送受信している場合の表示部211の表示例を示す図である。実施の形態1と異なる点は、充電器が複数あり、子機200が、子機200と通信している充電器が複数の充電器のいずれであるかを表示している点である。これにより、ユーザに対し、複数の充電器のいずれと子機200とが通信中であることを表示部211に表示することができる。
図14に示すように、子機200は、表示部211に、充電器300と通信中であることを表示する。子機200は、子機画像246と、第1の充電器を示す画像である第1の充電器画像248と、第2の充電器を示す画像である第2の充電器画像249とを表示部211に表示する。これにより、ユーザに対し、子機200が第1の充電器と通信中であることを表示部211に表示する。
(まとめ)
以上のように説明したコードレス電話システムによると、親機は、子機の状態をモニタリングしつつ、子機との電波状態が悪化した場合に、充電器を起動させ、子機の電波を受信できる充電器(子機に近い充電器)を探す。また、充電器は、親機の指示に従って、子機を探索する。子機は、親機および充電器の指示に従って、接続先の無線機器を切り替える。したがって、子機と親機との通信状況が悪化した場合に、親機が主導的に子機の接続先の無線機器を切り替えるため、親機と電話回線との接続を維持したまま子機の接続先が充電器に切り替わるまで待機して、子機がコードレス電話システムに復帰した際に、通話を継続することができる。子機と親機との通話時の電波状態が劣化した場合に、子機を操作するユーザが電波の届く親機の位置へと戻ることなく、充電器を中継器として通話を継続することで、ユーザの通話を継続することができる。
また、子機と親機との通信品質が悪化して、子機と充電器との通信品質が比較的良好である場合に、充電器に装着された充電中の子機に音声を報知させることで、ユーザは、電波状況のよい場所を容易に特定でき、通話を継続しやすくなる。
なお、以上のように説明した電話システムにおいて、子機200(第2端末)は、移動体通信システムにおける携帯電話機であるとしてもよい。子機200は、親機100と、例えばBluetooth(登録商標)などの規格に従って接続される。
<実施の形態3>
次に、電話システムの別の実施の形態について図15を参照しつつ説明する。図15は、実施の形態3の電話システムの構成の概略を示す図である。本実施形態においては、電話システムは、親機100(第1の端末)と、子機200(第2の端末)と、子機200がワイヤレス給電を行うための充電器300とを含む。親機100は、例えばスマートフォンであり、無線基地局900との通信によって音声データ等を受け付ける。子機200は、例えばPHS(Personal Handy-phone System)である。親機100と子機200とは、例えばBluetooth(登録商標)などの近距離無線通信規格に従って接続され、互いにデータを送受信する。充電器300は、充電器300に置かれた子機200に対し、電源ケーブル等を介さず電力を提供する。子機200は、例えばワイヤレス給電に対応した端末である。
なお、本実施形態において、親機100の構成は、例えば、図2を用いて説明した親機100の構成のうち、公衆外線に接続される電話回線制御部108がないとしてもよい。
このように、実施の形態3では、電話システムが、無線通信端末によって構成される。このような構成においても、上記の各実施形態と同様に、子機と親機との通信状況が悪化した場合に、親機が主導的に子機の接続先の無線機器を切り替えるため、親機と電話回線との接続を維持したまま子機の接続先が充電器に切り替わるまで待機して、子機が電話システムに復帰した際に、通話を継続することができる。
<実施の形態4>
次に、電話システムの別の実施の形態について図16〜図22を参照しつつ説明する。本実施形態においても、電話システムがコードレス電話システムである場合を説明する。
実施の形態4の電話システムは、親機100と子機200との通信の品質をモニタリングし、通信環境が悪化する等により、通話の品質が低下する可能性があることを検知してユーザに報知する。また、電話システムは、通信の品質が良好な位置へとユーザの移動を促すための報知をすることで、通信途切れを回避する方法をユーザに知らせることができる。
また、実施の形態4の電話システムは、親機100と子機200との通信を中継する機能を有する充電器300が、故障等の何らかの要因により通話の中継機能を発揮できない場合に、通話が可能な通信環境までユーザの移動を促すよう、音や振動や画面表示によって報知を行う。
これにより、電話システムは、親機100と子機200とが通信している場合に、良好な通信品質をユーザに提供することが容易になる。
<G.実施の形態4のコードレス電話システムにおける動作>
図16と図17とを参照して、実施の形態4のコードレス電話システムの動作を説明する。図16は、コードレス電話システムにおいて、親機100と子機200との通信経路を切り替える処理と、ユーザの移動を促すための報知を親機100および子機200が行う処理とを示すフローチャートである。
<G1.通信環境が良好な位置へのユーザの移動を促すための報知処理>
ステップS151において、親機100は、子機200と、各通信機器(親機100、充電器300)との通信品質に基づいて、親機100と子機200との通信が途切れる可能性を検出する。具体的には、例えば、(1)親機100において、子機200から受信する信号の電波強度をモニタリングし、受信信号の電波強度が閾値を下回った場合に、親機100と子機200との通信が途切れる可能性を検出する。(2)この他に、親機100は、子機200から受信する受信信号のCRC誤り率と閾値とを逐次比較し、CRC誤り率が閾値を越えた場合に、親機100と子機200との通信が途切れる可能性を検出する。(3)また、親機100は、充電器300が子機200から受信する信号の信号品質(電波強度、CRC誤り率)を計測している場合に、これら充電器300と子機200との通信品質と、親機100と子機200との通信品質とを比較し、いずれの通信環境が良好かを判定することで、親機100と子機200との通信が途切れる可能性を検出してもよい。例えば、親機100が子機200から受信する信号のRSSI値よりも充電器300が子機200から受信する信号のRSSI値の方が高い場合に、親機100は、子機200との通信が途切れる可能性を検出してもよい。
親機100のステップS113からステップS115までの処理と、充電器300のステップS311からステップS315までの処理は図6で説明したものと同様であるため、説明を繰り返さない。
ステップS157において、親機100は、充電器300が子機200からの電波をキャッチした旨の応答を充電器300から受け取ると、子機200に対し、通信環境が良好な充電器300への移動をユーザに促すための報知をするよう子機200へ指示するための信号を送信する。このとき、親機100は、充電器300が子機200から受信する信号の信号品質を示す情報を充電器300から受信して子機200へ転送してもよい。また、親機100が子機200から受信する信号の信号品質を示す情報を子機200へ送信することとしてもよい。
ステップS210において、子機200は、報知の指示を示す信号を親機100から受信すると、子機200の通話用スピーカ207、表示部211等により、充電器300への移動をユーザに促すための報知を行う。例えば、子機200は、通話用スピーカ207を用いて、通信環境が良好な位置をユーザが区別できるような音によって報知する。例えば、子機200は、親機100の位置への移動をユーザに促す場合は、ビープ音を一回、通話用スピーカ207から発声し、充電器300の位置への移動をユーザに促す場合は、ビープ音を二回、通話用スピーカ207から発生するが、これらビープ音による報知に限られない。また、子機200は、表示部211において、充電器300の位置へと移動することをユーザに推奨する表示をしてもよい。また、子機200がバイブレータ等の振動部を有する場合、子機200は、親機100の位置への移動を促す場合と、充電器300への移動を促す場合とで異なる振動方法を設定してもよい。
ステップS357において、充電器300は、ユーザに対し、充電器300の位置への移動を促すための報知を行う。例えば、充電器300は、スピーカ、振動機能等を有する場合は、これらスピーカを用いた音声による報知や、振動機能による報知を行う。また、充電器300は、充電器300に接続中の子機がある場合、当該接続中の子機を制御して、当該接続中の子機の報知機能(スピーカ等)を発揮させることで、ユーザに対し、充電器300の位置への移動を促すこととしてもよい。また、子機200は、子機200−親機100間の信号品質を示す情報を親機100から逐次受信し、受信した情報と、子機200−充電器300間の信号品質を示す情報とに基づいて、これら信号品質の変化に応じて報知方法を変更してもよい。例えば、子機200は、充電器300の位置への移動をユーザに促す報知をする場合に、スピーカから発する音声の音量を、子機200−充電器300間の信号品質が良好になるにつれて変化させることで、ユーザに対し、充電器300への接近を認識しやすくしてもよい。
ステップS158において、親機100は、ユーザに対し、充電器300への移動を促すため、親機100の報知機能(表示部111、報知用スピーカ110など)を発揮する。例えば、親機100は、表示部111に、ユーザが充電器300の位置へと移動することを促す表示をする。
親機100のステップS119からステップS121までの処理と、子機200のステップS211からステップS213までの処理と、充電器300のステップS319からステップS322までの処理とは、図13で説明したものと同様であるため、説明を繰り返さない。
<G2.中継機器(充電器300)と親機との通信不良時の報知処理>
次に、何らかの理由により、充電器300が親機100と子機200との通話を中継できない場合に、子機200に対し、親機100の位置への移動を促す場合の動作を説明する。
図17は、充電器300が機能していない場合に、親機100の位置への移動を促す報知を子機200により実行する場合の処理を示すフローチャートである。
親機100のステップS151、ステップS113の処理は図16で説明したものと同様であるため、説明を繰り返さない。
ステップS310において、充電器300は、無線機の故障、充電器300の故障等により、親機100が充電器300からの応答を受信しなかったとする。
ステップS116において、親機100は、ステップS113における充電器300への起動指示の送信後、通信タイムアウトの発生等により、充電器300と親機100との通信が不良であることを検知する。
ステップS157において、親機100は、子機200に対し、通信環境が良好な親機100への移動をユーザに促すための報知をするよう子機200へ指示するための信号を送信する。このとき、親機100は、親機100が子機200から受信する信号の信号品質を示す情報を子機200へ送信することとしてもよい。
ステップS210において、子機200は、報知の指示を示す信号を親機100から受信すると、子機200の通話用スピーカ207、表示部211等により、親機100への移動をユーザに促すための報知を行う。例えば、子機200は、通話用スピーカ207を用いて、通信環境が良好な位置をユーザが区別できるような音によって報知する。
ステップS158において、親機100は、ユーザに対し、親機100への移動を促すため、親機100の報知機能(表示部111、報知用スピーカ110など)を発揮する。例えば、親機100は、表示部111に、ユーザが親機100の位置へと移動すべきことを表示する。また、例えば、親機100は、報知用スピーカ110によって、親機100の位置へと移動すべきことを音声出力する。
<H.実施の形態4の親機100、子機200における報知例>
図18〜図21を参照して、実施の形態4における親機100、子機200の報知の一例を説明する。
図18は、子機200が充電器300への移動をユーザに促す報知をする場合のユーザインタフェースの一例を示す図である。
図18の例では、電波状況表示部241と電波状況表示部242とに示すように、子機200−親機100間の通信品質よりも、子機200−充電器300間の通信品質の方が良好である場合を示す。図18に示すように、子機200は、親機100と子機200とが充電器300を経由せず通信をしていることを、親機画像245と子機画像246との間にアイコン「通話中」を配置することで示している。また、子機200が充電器300の位置へと接近していること、または子機200が充電器300の位置へと移動することを促す表示を、子機画像246と充電器画像247との間にアイコン「移動中」を配置することで示している。また、充電器画像247を、子機画像246と親機画像245と区別できるよう強調表示することで、子機200が充電器300の位置へと移動することを促す表示をしている。
これにより、子機200は、ユーザに対し、充電器300の位置へと移動することで通信品質が良好になることを表示部211を通じて報知することができる。
図19は、充電器300が通信圏外にあり、親機100と子機200とが通信を行う場合のユーザインタフェースの一例を示す図である。
図19の例では、充電器画像247との通信が不良であることを、子機画像246と充電器画像247との間にアイコン「圏外」を配置することで示している。また、親機画像245を、子機画像246と充電器画像247と区別できるよう強調表示することで、子機200が親機100の位置へと移動することを促す表示をしている。
図20は、コードレス電話システムにおいて、子機200が充電器300の位置へと移動することを促す報知を音声によって行う例を示す図である。図21は、コードレス電話システムにおいて、子機200が親機100の位置へと移動することを促す報知を音声によって行う例を示す図である。
図20に示すように、子機200は、通話用スピーカ207から、充電器300の位置への移動を促す報知を音声によって行う。子機200は、充電器300との通信品質が良好になるに従って、通話用スピーカ207から報知する音声の音量を変化させることにより、ユーザに対し、充電器300との通信品質が良好になっていることを示すこととしてもよい。また、図20において、子機200は、バイブレータ等によって子機200を振動させることで、親機100と充電器300とのうち、いずれの通信機器へと移動することを促すかをユーザに報知することとしてもよい。子機200は、例えば、充電器300との通信品質が良好になるに従って、振動方法を変化させることとしてもよい。これにより、ユーザに対し、充電器300との通信品質が良好になっていることを示すことができる。
また、図21に示すように、子機200は、通話用スピーカ207から、親機100の位置への移動を促す報知を音声によって行う。また、親機100は、親機100の位置への移動を促すため、報知用スピーカ110による音声出力や、表示部111における画面表示を行う。
図20と図21とを参照して、コードレス電話システムにおいて、子機200がいずれの機器に向かって移動すべきかに応じて、各機器が報知方法を制御することで、ユーザに対し、どの機器へと移動することで通話の途切れを回避できるかを知らせることができる。
<変形例>
図22は、充電器が複数ある場合の、子機200の報知の一例を示す図である。図21に示すように、子機200は、各機器と子機200との通信品質を示す情報を受信して、いずれの機器へと移動を促すかを表示することとしてもよい。図22の例では、子機200は、第1の充電器画像248に示すアイコン「充電器1」を強調表示することで、ユーザに対し、アイコン「充電器1」に対応する充電器の位置へと移動することを促す表示をする。
また、電話システムにおいて、各充電器がどの位置にあるかを予め登録可能であるとしてもよい。図22の例では、アイコン255に「ベッドルーム」と表示することで、第1の充電器画像248に示すアイコン「充電器1」の充電器がベッドルームにあることを示している。また、アイコン254に「リビング」と表示することで、第2の充電器画像249に示すアイコン「充電器2」の充電器がリビングにあることを示している。
本発明の親機100、子機200および充電器300を含む電話システムは、プロセッサと、その上で実行されるプログラムにより実現される。本発明を実現するプログラムは、通信インタフェースを介してネットワークを利用した送受信等により提供される。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものでないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。