JP6216182B2 - 携帯端末 - Google Patents

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Description

本発明は、携帯端末に関するものである。
従来より、スマートフォンをはじめとした携帯端末において表示サイズの大型化や多機能化が進み、更にWEB閲覧や幅広いコミュニケーションツールとして使用されることが日常化されている近年では、端末の駆動時間が長くなり、携帯性の観点から必然的に電池パックの持ちが非常に重要な項目となってきている。各製造メーカーは電池容量の拡大や消費電力の削減に重きを置いている。そのような状況の中で現在広く採用されている二次電池のリチウムイオン電池から更に効率のよいリチウムポリマー電池を搭載する動きが進んできている。
なお、例えば特許文献1のような大きなサイズの電池モジュールでは、電池モジュールを覆うホルダを自動車の車体にボルトで固定することが知られている。
特開2012−123917号公報
一方、イオン電池に比べ、リチウムポリマー電池は不安定であり衝撃などで変形し内部ショートを起こし易い。そのような電池パックを搭載する端末では電池パックをユーザーが取り扱う場合、更に危険性が増す観点から電池パックを内蔵にしユーザーでは取り外すことができない構造を取る場合が増えている。ただしユーザーが電池パックを取り扱わない状況であっても筐体内で電池パックを保護する構造が重要であることに変わりはない。
限られたスペースの中で電池パックを保護する構造は容易ではなく、また先に述べたように電池容量拡大のため、従来は電池セルを樹脂や板金で作成したケースで周囲を覆っていたが、電池パック自体のサイズを小さくするためにシートやフィルムよりなる外装材で包んだだけの電池パックを使い、電池パックに対しての保護は筐体側で考慮することが必要とされる。また、電池パックの固定は、先に述べた電池パックを覆うケースの外周を筐体で囲い更にケースに凹凸を設けて筐体に引っ掛ける方式で固定されているのが一般的であったが、シートで包んだだけの電池パックでは引っ掛けなどを設けることができない。合わせてシートで巻いただけの電池パックでは、外形寸法が大きくばらつき、従来のように外周を筐体で囲うだけでは位置の固定は十分ではない。現状これを解決するために電池パック自体を筐体に貼り付けることをしている。ただしこれをしてしまうと、製造過程や端末修理時に電池パックを取り外す際に電池パックにストレスがかかり変形等が発生してしまう。電池メーカーではストレスのかかった電池パックの再利用は保証されておらず、そのまま廃棄されている。
特許文献1のような電池モジュールは、自動車に使用されるものであり、電池モジュールを保護しながら固定する部材をボルト等で締結する十分なスペースがある。しかし、スマートフォンに代表される携帯端末では、電池パックをボルトで固定するスペースはない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、限られたスペース内でも、剛性の低い電池パックを取り外すときに電池パックが損傷しないように固定して再利用可能にすることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、電池パックそのものではなく、剛性の低い電池パックを覆う固定用プレートを筐体に固定するようにした。
具体的には、本発明では、筐体の電池収容部に外装材で覆われた電池パックが収容される携帯端末を前提とし、上記携帯端末は、上記電池パックの外装材よりも剛性が高く、該電池パックを覆った状態で、上記筐体又は該筐体に収容された他の部品に係合することで、電池パックと共に固定される固定用プレートを備えている。
上記の構成によると、電池パックを覆うシートやフィルムなどの外装材よりも剛性が高い固定用プレートで電池パックを覆った状態で筐体又は筐体に収容された他の部品に係合させるようにしているので、電池パック自体を両面テープ等で筐体等に接着させる必要がなく、製造時及び修理時に従来の金属製や樹脂製のケースで覆われたものに比べて剛性が低い電池パックを損傷させずに筐体から取り外すことができる。また、係合により固定用プレートを固定することにより、ネジ締結用のスペースを必要とせず、電池パックを大きくしながらも携帯端末の大きさを抑制することができる。
以上説明したように、本発明によれば、固定用プレートで電池パックを覆った状態で、筐体又は筐体に収容された他の部品に係合させ、電池パックと共に固定するようにしたことにより、限られたスペース内で剛性の低い電池パックを取り外すときに電池パックが損傷しないようにして再利用可能にすることができる。
本発明の実施形態に係る携帯電話機を示す分解斜視図である。 携帯電話機における、図1のII−II線に対応する断面図である。 電池パック及び固定用プレートを示す分解斜視図である。 電池パック及び固定用プレートを示す一部拡大断面図である。 固定用プレートの係合孔が現れる断面で切断した図2相当図である。 固定用プレートがメイン基板に嵌め込まれる様子を示す斜視図である。 固定用プレートに荷重が加わる様子を示す図2相当図である。 本発明の実施形態の変形例1に係る分解斜視図である。 本発明の実施形態の変形例2に係る図3相当図である。 本発明の実施形態の変形例3に係る固定用プレートを示す斜視図で、(a)が4つの側壁を有する変形例で、(b)が3つの側壁を有する変形例で、(c)がプレート本体に開口が設けられた変形例である。 本発明の実施形態の変形例4に係る図1相当図である。 本発明の実施形態の変形例5に係る図1相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2は本発明の実施形態の携帯端末としての携帯電話機1(スマートフォン)を示し、この携帯電話機1は、例えば正面側にタッチパネルを有する液晶表示部2が収容された正面側キャビネット3を備えている。正面側キャビネット3には、剛性部材として板金フレーム3aがインサート成形されている。正面側キャビネット3の背面側は、背面側キャビネット4で覆われ、その背面側がリアカバー5で覆われている。背面側キャビネット4と正面側キャビネット3との間には、メイン基板6が挟み込まれている。背面側キャビネット4の下側に形成した矩形開口状の電池収容部4aには、矩形板状の電池パック7が収容されている。詳しくは図示しないが、この電池パック7は、厚さを抑えるために二次電池よりなる電池セルをアルミラミネートフィルムなどの薄いシートやフィルムよりなる外装材で包んだだけのものとなっている。電池パック7は、メイン基板6に接続するための接続端子7aを有する。
そして、図3に示すように、電池パック7は、フィルム状の外装材よりも剛性が高い、例えばステンレス薄板よりなる固定用プレート10で覆われている。例えば、電池パック7は、両面テープ9で固定用プレート10の正面側に貼り付けられている。電池パック7は、固定用プレート10で覆われた状態で固定されている。なお、両面テープ9ではなく接着剤で電池パック7をプレート本体10aに接着するようにしてもよい。
固定用プレート10は、電池パック7の背面を覆う矩形板状のプレート本体10aと、その左右両側からそれぞれ延びる側壁10bとを備えている。電池パック7の側面を覆う各側壁10bから例えば一対の係合爪11がそれぞれ正面側へ伸びている。一方、図1に示すように、この係合爪11に対応させ、メイン基板6の側面に切欠8が形成されている。図4に示すように、側壁10bは、力の加わらない状態で、左右に広がった形状となっており、電池パック7を貼り付けた状態で、その側面と係合爪11の先端との間に幅w1の隙間が保たれている。
また、図5にも示すように、側壁10bの係合爪11の背面側には、背面側キャビネット4の左右側壁内面に設けた突起状の係合部4bが係合する例えば矩形状の係合孔12が形成されている。係合部4bは、背面側キャビネット4そのものではなく、この背面側キャビネット4や正面側キャビネット3に収容された他の部品に設けられていてもよい。又は、正面側キャビネット3に設けられていてもよい。
次いで、電池パック7の取付手順について説明する。
まず、図3に示すように、電池パック7の背面側と固定用プレート10のプレート本体10aとを両面テープ9で貼り付ける。
次いで、図1に示すように、正面側キャビネット3の背面側にメイン基板6を固定し、正面側キャビネット3の背面側から背面側キャビネット4を嵌め込む。
次いで、電池収容部4aに電池パック7ごと固定用プレート10を嵌め込む。このとき、図4に示したように、電池パック7の側面と係合爪11の先端との間の幅w1を小さくするように側壁10bを左右内側へ撓ませながら、図6に示すように、係合爪11の先端をメイン基板6の切欠8に嵌め込む(図6では、電池パック7を省略している)。
そして、撓んでいた側壁10bが元に戻ろうとする力を発揮しながら、図5に示すように係合部4bが係合孔12に嵌まり込む。このように、側壁10bの元の形状に戻ろうとする外方へ向かう力を利用しているので、固定用プレート10の係合が外れにくい。
最後にリアカバー5で固定用プレート10の背面側を覆う。
このようにして組み立てられた携帯電話機1では、図7に示すように、使用中にいろいろな方向から荷重が加えられる。例えば、厚さ方向Aから荷重が加わった場合には、係合爪11の先端が正面側キャビネット3に当たって荷重を支えるので、それらよりも剛性の弱い電池パック7に荷重が加わるのが防止される。幅方向Bから荷重が加わった場合には、図7に二点鎖線で示すように、係合爪11の先端がメイン基板6の切欠8側面に当たって荷重を支えるので、電池パック7に荷重が加わるのが防止される。
携帯電話機1の修理時などに電池パック7を取り外す必要があるときには、図5に示す係合部4bが係合孔12から外れるように、薄板状のものを背面側から側壁10bと電池収容部4aとの間に挿入すればよい。このときも、係合爪11の先端がメイン基板6の切欠8側面に当たって電池パック7を押さえ付けることはないので、電池パック7が損傷しない。このため、修理後に同じ電池パック7を再利用できるので、修理費用が抑えられると共に、資源保護の点でもメリットが大きい。
このように、本実施形態では、電池パック7よりも剛性が高い固定用プレート10で電池パック7を覆った状態で固定するようにしているので、電池パック7自体を両面テープ9等で筐体等に接着させる必要がなく、製造及び修理時に電池パック7を損傷させずに取り外すことができる。
また、ネジを使わずに係合によって固定用プレート10を固定することにより、ネジ締結用のスペースを必要とせず、電池パック7を大きくしながらも携帯電話機1の大きさを抑制することができる。
したがって、本実施形態に係る携帯電話機1によると、固定用プレート10で電池パック7を覆った状態で、背面側キャビネット4に係合させて電池パック7と共に固定するようにしたことにより、限られたスペース内でも、剛性の低い電池パック7を取り外すときに電池パック7が損傷しないように固定して再利用可能にすることができる。
−実施形態の変形例1−
図8は本発明の実施形態の変形例1を示し、係合爪11の固定構造が異なる点で上記実施形態と異なる。なお、以下の各変形例では、図1〜図7と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。図8では、電池パック7を省略している。
図8に示すように、係合爪11は、正面側キャビネット3にインサート成形された板金フレーム3a’に形成したスリット8’に係合されるようになっている。
本変形例では、電池パック7の固定時に係合爪11を板金フレーム3a’に押し当てながらスリット8’に挿入すればよいので、電池パック7の固定が容易である。
厚さ方向Aから荷重が加わったときには、係合爪11のない領域の側壁10bの正面側端面が剛性の高い板金フレーム3aに当接するので、電池パック7には荷重が加わらない。
幅方向Bから荷重が加わった場合でも、係合爪11がスリット8’の縁部に当接するので、電池パック7には荷重は加わらない。
−実施形態の変形例2−
図9は本発明の実施形態の変形例2を示し、固定用プレート10’の構造が異なる点で上記実施形態と異なる。
本変形例では、固定用プレート10’の側壁10b’が携帯電話機1の上下方向に配置され、その側壁10b’から係合爪11が伸びている。図示しないが、例えば、係合爪11の位置に合わせて板金フレーム3a’のスリット8’の位置を設定すればよい。また固定用プレート10’と電池パック7を貼りつけた状態で係合爪11が電池パック7の接続端子7と重なった位置関係にならないように係合爪11が設けられ、接続端子7aを傷つけないようにしている。
−実施形態の変形例3−
図10は本発明の実施形態の変形例3を示し、固定用プレートの形状の3通りのバリエーションを示している。
図10(a)に示す固定用プレート110では、左右の側壁10bに加え、上下にも側壁110bが設けられ、各側壁10b,110bから係合爪11が延びている。図示しないが、例えば、係合爪11の位置に合わせて板金フレーム3a’のスリット8’の位置を設定すればよい。
図10(b)に示す固定用プレート210では、左右の側壁10bに加え、下側に側壁210bが追加されている。そして、各側壁10b,210bから係合爪11が延びている。10(a)に比べると、上側に側壁110bを設けるスペースがない場合に有利である。
図10(c)に示す固定用プレート310では、プレート本体310aの中央に開口310bが形成されている。この開口310bを設けることで、電池パック7が膨らんだ場合にプレート本体310aによって必要以上に押さえ付けられることが防止される。
−実施形態の変形例4−
図11は本発明の実施形態の変形例4を示し、メイン基板6’の形状が異なる点で、上記実施形態と異なる。
本変形例では、メイン基板6’は、携帯電話機1の上半分側にのみ配置されている。この場合、係合爪11は、板金フレーム3a’のスリット8’に係合すればよい。
−実施形態の変形例5−
図12は本発明の実施形態の変形例5を示し、電池パック7’’が携帯電話機1のほぼ上下全体に広がる点で、上記実施形態と異なる。
本変形例では、上記実施形態の電池パック7よりも大きな電池パック7’’を有し、固定用プレート10’’もそれに合わせて大きなものとなり、係合爪11の個数も増えている。この場合、各係合爪11は、それに合わせて形成した板金フレーム3a’’のスリット8’’にそれぞれ係合すればよい。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
すなわち、上記実施形態では、固定用プレートは、ステンレス薄板で構成したが、樹脂成形品などで構成してもよい。固定用プレートは、少なくとも電池パック7を覆うフィルム状の外装材よりも剛性が高く、適度な弾性を有するものであればよい。
上記実施形態では、固定用プレートに係合爪11を設けているが、係合爪がなく、係合部4bと係合孔12との係合のみによって固定用プレートを固定するようにしてもよい。逆に係合部4bと係合孔12との係合なしで、係合爪11と切欠8又はスリット8’,8’’との係合のみで固定用プレートを固定するようにしてもよい。
上記実施形態では、携帯端末は、携帯電話機1としたが、PHS(Personal Handy-phone System )、PDA(Personal DigitalAssistant)、スマートフォン、パソコン、モバイルツール、電子辞書、電卓、ゲーム機等であってもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。また、各実施形態に記載された技術的特徴は、互いに組合せ可能であり、組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
1 携帯電話機(携帯端末)
2 液晶表示部
3 正面側キャビネット(筐体)
3a,3a’ 板金フレーム
4 背面側キャビネット(筐体)
4a 電池収容部
4b 係合部
5 リアカバー
6,6’ メイン基板
7,7’ 電池パック
7a 接続端子
8,8’,8’’ スリット
9 両面テープ
10 固定用プレート
10’ 固定用プレート
10a プレート本体
10b,110b,10b’ 側壁
11 係合爪
12 係合孔
110 固定用プレート
110b 側壁
210 固定用プレート
210b 側壁
310 固定用プレート
310a プレート本体
310b 開口

Claims (4)

  1. 筐体の電池収容部に外装材で覆われた電池パックが収容される携帯端末において、
    上記電池パックの外装材よりも剛性が高く、該電池パックを覆った状態で、上記筐体に係合することで、電池パックと共に固定される固定用プレートを備え、
    上記固定用プレートは、上記電池パックの側面を覆う側壁からそれぞれ延びる複数の係合爪を有し、該複数の係合爪は、上記筐体にインサート成形された板金フレームに形成した複数のスリットにそれぞれ係合される
    ことを特徴とする携帯端末。
  2. 筐体の電池収容部に外装材で覆われた電池パックが収容される携帯端末において、
    上記電池パックの外装材よりも剛性が高く、該電池パックを覆った状態で、上記筐体に収容された基板の側面に係合することで、電池パックと共に固定される固定用プレートを備え、
    上記固定用プレートは、上記電池パックの側面を覆う側壁から延び、上記基板の側面に形成した切欠に係合する係合爪を有する
    ことを特徴とする携帯端末。
  3. 筐体の電池収容部に外装材で覆われた電池パックが収容される携帯端末において、
    上記電池パックの外装材よりも剛性が高く、該電池パックを覆った状態で、上記筐体又は該筐体に収容された他の部品に係合することで、電池パックと共に固定される固定用プレートを備えており、
    上記固定用プレートは、上記電池パックの側面を覆う側壁に形成されて上記筐体又は該筐体に収容された他の部品に設けた係合部が係合する係合孔を有している
    ことを特徴とする携帯端末。
  4. 請求項1からまでのいずれか1つに記載の携帯端末において、
    上記固定用プレートは、板金で構成され、上記電池パックの側面を覆う側壁は、固定状態よりも外方へ広がった状態で成形され、内側へ変形された状態で固定される
    ことを特徴とする携帯端末。
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