JP6215280B2 - セメント用防水剤 - Google Patents

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本発明は、セメント用防水剤に関する。さらに詳しくは、セメント組成物の硬化物に優れた防水性を付与するセメント用防水剤に関する。
セメントに、骨材などを添加混練したコンクリート、モルタル(以下、これらを総称してセメント組成物とする。)は、種々の建造物に使用されている。しかし、セメント組成物を硬化させたセメント硬化物は防水性を有していないため、容易に水分を吸収してしまう。セメント硬化物内に浸透した水分は、セメント硬化物の寸法変化を引き起こし、さらに亀裂を発生させる。この発生した亀裂から、さらに水分を吸収してしまうため、セメント硬化物はさらに寸法が変化し、亀裂が発生し、劣化していく。
この水による劣化を防止するため、防水性を付与する検討が行われきた。防水性を付与する方法としては、セメント硬化物の表面に防水剤を塗布する方法や、セメント組成物に防水剤を添加混練する方法が行われている。防水剤を塗布する方法は簡便であるが、塗布した防水剤が剥がれやすく、効果が持続しないという問題があった。またセメント組成物に防水剤を添加混練する方法としては、配合する水と一緒にワックスエマルションを添加混合する方法や、予めセメント組成物に高級脂肪酸のアルカリ土類金属塩や高級脂肪酸のアルキルエステルを添加混練する方法(例えば、特許文献1、2)が提案されている。
特開2013−227174号公報 特表2000−515909号公報
しかしながら、上記ワックスエマルションを使用する方法では、エマルション化するために使用している界面活性剤が親水性であることから防水性を阻害するため、防水性能が十分でなかった。
一方で、上記特許文献1や特許文献2の技術では、予めセメント組成物と配合しておくことができるため、施工時には水を配合するだけで使用できる利点があるが、高級脂肪酸のアルカリ土類金属塩またはアルキルエステルを添加する方法では、セメント硬化物に対して防水性が不十分であり、劣化を防止することができなかった。
本発明の目的は、優れた防水性をセメント硬化物を付与することができるセメント用防水剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、炭素数8〜24の脂肪酸(a)とナトリウムとの塩(A)を含有してなるセメント用防水剤(X);該(X)とセメントとを含有してなるセメント組成物であって、該組成物中の該塩(A)の含有量が0.1〜5重量%であるセメント組成物;該セメント組成物が硬化したセメント硬化物である。
本発明のセメント用防水剤は以下の効果を奏する。
(1)セメント組成物のセメント硬化物は、吸水量が小であり、該セメント硬化物に優れた防水性を付与する。
(2)少量の添加で防水性を発現できるため、該セメント硬化物は機械的強度に優れる。
(3)該セメント硬化物は、耐傷付き性に優れる。
[脂肪酸(a)とナトリウムとの塩(A)]
本発明における脂肪酸(a)とナトリウムとの塩(A)は、脂肪酸(a)とナトリウムとから構成される。
脂肪酸(a)の炭素数(以下、Cと略記することがある)は8〜24であり、好ましくは10〜23であり、さらに好ましくは12〜22である。Cが8未満では、後述のセメント硬化物の防水性に劣り、Cが24超では後述のセメント硬化物の機械的強度が劣る。
脂肪酸(a)としては、飽和脂肪酸(a1)、不飽和脂肪酸(a2)、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
飽和脂肪酸(a1)としては、C8〜24のもの、例えば、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸が挙げられる。
不飽和脂肪酸(a2)としては、C8〜24のもの、例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸が挙げられる。
上記(a)のうち、セメント硬化物の防水性および耐傷付き性の観点から、好ましいのは(a2)、(a1)と(a2)とであり、さらに好ましいのは(a1)と(a2)とであり、とくに好ましいのは脂肪酸が3種以上のものである。
(a)が(a1)と(a2)とである場合、(a1)と(a2)との重量比[(a1)/(a2)]は、耐傷付き性および防水性の観点から、 好ましくは3/95〜90/10、さらに好ましくは5/95〜50/50、とくに好ましくは7/93〜30/60である。
前記(a)が(a1)と(a2)とのものとしては、(a1)と(a2)とを混合したもの、後述の天然油脂由来脂肪酸(a3)等が挙げられ、工業的な観点から、天然油脂由来脂肪酸(a3)が好ましい。
天然油脂由来脂肪酸(a3)は、天然油脂(b)を構成する脂肪酸であり、前記(a1)と(a2)とである。該(a3)は、公知の製造法により、天然油脂(b)から得られる。
天然油脂(b)としては例えば、ヤシ油、落花生油、パーム油、ヒマシ油、ナタネ油、トール油、米ぬか油、ゴマ油、大豆油、ヒマワリ油、綿実油が挙げられる。
天然油脂由来脂肪酸(a3)のうち、防水性、耐傷付き性および工業的な観点から、好ましいのは落花生油由来酸、パーム油由来酸、米ぬか油由来酸、ナタネ油由来酸、ゴマ油由来酸、大豆油由来酸、さらに好ましいのは落花生油由来酸、パーム油由来酸、米ぬか油由来酸である。
塩(A)の製造方法は特に限定なく、例えば脂肪酸(a)の水溶液または水分散液に、脂肪酸中のカルボン酸と当量となる量の水酸化ナトリウムを添加して中和した後、乾燥させる方法が挙げられる。また、市販の塩(A)であってもよい。
また、塩(A)は予めセメント組成物に配合できる観点から、好ましくは25℃で粉体である。
塩(A)が、粉体である場合、塩(A)のメジアン粒子径(単位:μm。以下において数値のみを示す。)は、後述のセメント用防水剤(X)とセメントを混合する際の作業性および(X)の溶解性の観点から、好ましくは10〜1,000、さらに好ましくは20〜500μmである。
なお、実施例における該メジアン粒子径は光散乱理論を応用したレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置[商品名「LA−700」、(株)堀場製作所製]を用いて測定した値である(単位:μm)。
[セメント用防水剤(X)]
本発明のセメント用防水剤(X)は、前記脂肪酸(a)とナトリウムとの塩(A)を含有してなる。
該(X)は、前記のとおり粉体であることが好ましいが、必要により、塩(A)の溶液の形態であってもよい。その場合、溶液の濃度は好ましくは2〜90重量%、さらに好ましくは3〜80重量%、とくに好ましくは10〜70重量%である。溶液にするための溶剤としては、水、炭素数1〜3のアルコール等が挙げられるが、好ましいのは水である。
セメント用防水剤(X)は、後述のセメント組成物に使用される。
[セメント組成物]
本発明のセメント組成物は、前記セメント用防水剤(X)およびセメント、必要により骨材を含有してなる。
該組成物は、例えば日本土木学会制定のコンクリート標準示方書や建築学会制定の日本建築学会が作成した建築工事標準仕様書に準じた公知の設備、公知の手法で作製することができる。
本発明のセメント組成物に使用されるセメントとしては、通常の水硬性セメント[普通ポルトランドセメント、特殊ポルトランドセメント(早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント及びビーライトセメント)並びに混合セメント(高炉セメント、フライアッシュセメント及びシリカセメント)等]等が挙げられる。
骨材としては、細骨材と粗骨材とがあり、JIS A5308:1998の付属書1(
規定)レディーミクストコンクリート用骨材に準拠される骨材が使用できる。
さらに、本発明のセメント組成物には、新セメント・コンクリート混和材料、技術書院、2007年発行に記載されている公知のセメント用混和材及び混和剤を添加することができる。
具体的には混和材としてフライアッシュ(JIS A6201:2008コンクリート用フライアッシュに準拠するもの)、高炉スラグ(JIS A6206:2008コンクリート用高炉スラグ微粉末に準拠するもの)、シリカフューム(JIS A6207:2011コンクリート用シリカフュームに準拠するもの)、膨張材(JIS A6202:2008コンクリート用膨張材に準拠するもの))等、混和剤としてAE剤,高性能減水剤、 減水剤、AE減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤、硬化促進剤、起泡剤、発泡剤、消泡剤(抑泡剤及び破泡剤)、急結剤、硬化遅延剤、防錆剤、増粘剤、ポリマーセメントコンクリート又はポリマーモルタル用のポリマーディスパージヨン等が挙げられる。
セメント組成物中のセメント用防水剤(X)のうちの塩(A)の含有量(重量%)は、硬化物の防水性、耐傷付き性および硬化物の機械的強度の観点から、好ましくは0.1〜5%、さらに好ましくは0.2〜3%、とくに好ましくは0.5〜2%である。
セメント組成物を構成するセメント及び骨材の使用量は、特に制限はなく、通常使用される量(例えば、上記セメント日本土木学会制定のコンクリート標準示方書に記載されている量等)であればよい。
公知のセメント用混和材及び混和剤の使用量は、特に制限はなく、通常使用される範囲であればよい。
本発明のセメント組成物は、セメント硬化物に優れた防水性、機械的強度、耐傷付き性を付与する。なお、後述の実施例において、防水性、機械的強度、耐傷付き性については、それぞれ、吸水量、圧縮強度、耐傷付き性で評価できる。
該セメント組成物は、種々のセメント硬化物の用途に使用でき、とりわけ通常のセメント硬化物の表面に施工する、いわゆる表面防水施工用に適している。
[セメント硬化物]
本発明のセメント硬化物は、前記セメント組成物が硬化したものである。例えば、前記セメント組成物と混練水とを仕込み、混練し、硬化させてなる。セメント組成物(モルタル及びコンクリート等)の施工方法は従来の場合と同様でよい。
前記混練水としては、海水、河川水、湖沼水、水道水、工業用水及び脱イオン水等が挙げられる。
また、硬化ないし養生方法としては、気乾養生、湿空養生、水中養生又は加熱促進養生(蒸気養生及びオートクレーブ養生)のいずれでもよく、また、各々の併用でもよい。
以下実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例中の部は重量部、モル%以外の%は重量%を表す。以下において、実施例1、2、4、5、7、8を、それぞれ参考例1〜6とする。
<実施例1>
市販のラウリン酸ナトリウム[和光純薬工業(株)製]100部をそのまま用いて、ラウリン酸とナトリウムとの塩(A−1)を含有してなるセメント用防水剤(X−1)を得た。
なお、(A−1)は、25℃で粉体であり、メジアン粒子径は420μmであった。
<実施例2>
市販のオレイン酸ナトリウム[和光純薬工業(株)製]100部をそのまま用いて、オレイン酸とナトリウムとの塩(A−2)を含有してなるセメント用防水剤(X−2)を得た。
なお、(A−2)は、25℃で粉体であり、メジアン粒子径は150μmであった。
<実施例3>
反応容器に、落花生油[カネダ(株)製](b−1)100部と水酸化ナトリウム14部、イオン交換水50部を仕込み、撹拌下、40℃まで昇温し、同温度で10時間反応させ、(b−1)を加水分解した。
次に、80℃に加熱したイオン交換水200部を加えて、内容物を溶解させた後、全量を分液ロートに移した。
その分液ロートに、塩化ナトリウム40部を溶解させたイオン交換水200部を加えて、5分間振とうし、30分間静置した後、下層を取り除いた。
さらに、塩化ナトリウム40部を溶解させたイオン交換水200部を加えて、5分間振とうし、30分間静置した後、下層を取り除いた。
上層を回収、100℃で5時間乾燥させた後、ミキサーにて粉砕し、(b−1)由来脂肪酸(a−3)とナトリウムとの塩(A−3)を含有してなるセメント用防水剤(X−3)を得た。
なお、(A−3)は、25℃で粉体であり、メジアン粒子径は500μmであった。
また、(b−1)由来脂肪酸(a−3)は、炭素数12〜22であり、飽和脂肪酸(a1)と不飽和脂肪酸(a2)との重量比[(a1)/(a2)]=16/84であった。
次に、別の容器に、得られた塩(A−3)30部と水70部とを混合・撹拌して、塩(A−3)を含有してなるセメント防水剤(X−3α)100部[30%(A−3)水溶液]を得た。
<実施例4>
実施例3において、(b−1)100部、水酸化ナトリウム14部を、パーム油[カネダ(株)製](b−2)100部、水酸化ナトリウム14部に変更した以外は実施例3と同様にして、(b−2)由来の脂肪酸(a−4)とナトリウムとの塩(A−4)を含有してなるセメント用防水剤(X−4)を得た。
なお、(A−4)は、25℃で粉体であり、メジアン粒子径は850μmであった。
また、(b−2)由来酸(a−4)は、炭素数12〜22であり、飽和脂肪酸(a1)と不飽和脂肪酸(a2)との重量比[(a1)/(a2)]=50/50であった。
<実施例5>
市販のステアリン酸[東京化成工業(株)製]5部とパルミトレイン酸[和光純薬工業(株)製]95部と水酸化ナトリウム17部とイオン交換水100部を仕込み、撹拌下、60℃まで昇温し、同温度で中和した。
得られたステアリン酸ナトリウムとパルミトレイン酸ナトリウムの水溶液を100℃の乾燥機中で5時間乾燥させた後、ミキサーにて粉砕し、脂肪酸(a−5)とナトリウムとの塩(A−5)を含有してなるセメント用防水剤(X−5)を得た。
なお、(A−5)は、25℃で粉体であり、メジアン粒子径は320μmであった。
また、(A−5)を構成する脂肪酸(a−5)は、飽和脂肪酸(a1)と不飽和脂肪酸(a2)との重量比[(a1)/(a2)]=5/95であった。
<実施例6>
市販のラウリン酸ナトリウム[和光純薬工業(株)製]15部と市販のオレイン酸ナトリウム[和光純薬工業(株)製]85部とイオン交換水100部をビーカーに量り取り、マグネチックスターラー(300rpm)で30分間撹拌した。
得られたラウリン酸ナトリウムとオレイン酸ナトリウムの水溶液を100℃の乾燥機中で5時間乾燥させた後、ミキサーにて粉砕し、脂肪酸(a−6)とナトリウムとの塩(A−6)を含有してなるセメント用防水剤(X−6)を得た。
なお、(A−6)は、25℃で粉体であり、メジアン粒子径は170μmであった。
また、(A−6)を構成する脂肪酸(a−6)は、飽和脂肪酸(a1)と不飽和脂肪酸(a2)との重量比[(a1)/(a2)]=15/85であった。
<実施例7>
実施例6において、ラウリン酸ナトリウム15部を46部、オレイン酸ナトリウム85部を54部に変更した以外は実施例6と同様にして、脂肪酸(a−7)とナトリウムとの塩(A−7)を含有してなるセメント用防水剤(X−7)を得た。
なお、(A−7)は、25℃で粉体であり、メジアン粒子径は240μmであった。
また、(A−7)を構成する脂肪酸(a−7)は、飽和脂肪酸(a1)と不飽和脂肪酸(a2)との重量比[(a1)/(a2)]=45/55であった。
<実施例8>、
市販のベヘン酸[東京化成工業(株)製]45部とパルミトレイン酸[和光純薬工業(株)製]と水酸化ナトリウム15部とイオン交換水100部を仕込み、撹拌下、60℃まで昇温し、同温度で中和した。
得られたベヘン酸ナトリウムとパルミトレイン酸ナトリウムの水溶液を100℃の乾燥機中で5時間乾燥させた後、ミキサーにて粉砕し、脂肪酸(a−8)とナトリウムとの塩(A−8)を含有してなるセメント用防水剤(X−8)を得た。
なお、(A−8)は、25℃で粉体であり、メジアン粒子径は350μmであった。
また、(A−8)を構成する脂肪酸(a−8)は、飽和脂肪酸(a1)と不飽和脂肪酸(a2)との重量比[(a1)/(a2)]=45/55であった。
<実施例9>
実施例6において、ラウリン酸ナトリウム15部、オレイン酸ナトリウム85部をステアリン酸ナトリウム[和光純薬工業(株)製]30部、リノール酸ナトリウム[東京化成工業(株)製]70部に変更した以外は実施例6と同様にして、脂肪酸(a−9)とナトリウムとの塩(A−9)を含有してなるセメント用防水剤(X−9)を得た。
なお、(A−9)は、25℃で粉体であり、メジアン粒子径は300μmであった。
また、(A−9)を構成する脂肪酸(a−9)は、飽和脂肪酸(a1)と不飽和脂肪酸(a2)との重量比[(a1)/(a2)]=30/70であった。
<比較例1>
市販の酪酸ナトリウム[和光純薬工業(株)製]100部をそのまま用いて、酪酸とナトリウムとの塩(比A−1)を含有してなるセメント用防水剤(比X−1)を得た。
なお、(比A−1)は、25℃で粉体であり、メジアン粒子径は500μmであった。
<比較例2>
反応容器にオクタコサン酸[東京化成工業(株)製](比a−2)100部と水酸化ナトリウム9部とイオン交換水100部を仕込み、撹拌下、60℃まで昇温し、同温度で(比a−2)を中和した。
得られた(比a−2)のナトリウム塩の水溶液を100℃の乾燥機中で5時間乾燥させた後、ミキサーにて粉砕し、オクタコサン酸(比a−2)とナトリウムとの塩(比A−2)を含有してなるセメント用防水剤(比X−2)を得た。
なお、(比A−2)は、25℃で粉体であり、メジアン粒子径は200μmであった。
<実施例10>
セメント[JIS R5210に規定された普通ポルトランドセメント]450部、セメント用防水剤(X−1)9.1部[セメント組成物の重量に対して1.0%]、標準砂[JIS R5201:1997の付属書2セメントの試験方法−強さの測定に準拠した砂]1147部、ガラス製造用けい砂[標準網ふるい149μmを通過し、44μmに止まるガラス製造用けい砂]203部を、JIS R5201:1997のセメントの試験方法−強さの測定に記載されている機械練り用練混ぜ機を用いて、予め低速撹拌にて120秒間撹拌し、セメント組成物を得た。
別の容器に消泡剤[マイクロエアー404、BASFポゾリス(株)社製]0.5部と減水剤[ポゾリスNo.70、BASFポゾリス(株)社製]1.7部、水576部を混合し練り水を作製した。
この練り水を、予め混合していたセメント組成物に添加し、JIS R5201:1997のセメント試験方法−強さの測定に準拠した方法で、セメント組成物の練混ぜを行った。
<実施例11〜27、比較例3〜5>
表1の配合組成に従った以外は、実施例10と同様にして、各セメント組成物を得た。
次に、各セメント組成物に、表1の配合組成に従った以外は、実施例10と同様にして、練り水を添加し、セメント組成物の練混ぜを行い、以下の(1)〜(3)の手順で、セメント硬化物の吸水量、圧縮強度、耐傷付き性についてそれぞれ評価を行った。結果を表1に示す。
(1)セメント硬化物の吸水量(防水性)
セメント硬化物の吸水量の測定は、JIS A1404 1994建築用セメント防水剤の試験方法に準じて行った。以下に試験方法の詳細を示す。
練混ぜ後のセメント組成物を直径5×10cmの金属型枠3個に注ぎ、48時間後に脱型した後、20℃、80RH%の雰囲気下に19日間静置した後、80℃の一定の質量になるまで乾燥し、これを試験体とした。この時の質量を「乾燥時の質量」とした。
次に、作製した試験体の充てん面(型枠非接触面)を下面とし、かつ下部2cmを常に浸水させながら、温度20℃、80RH%の恒温恒湿機内に置いた。5、24時間経過するごとに取り出し、手早く浸水部分の水分をふき取り、直ちに秤量した時の質量を「吸水時の質量」とした。これらの質量から計算式(1)に基づきセメント硬化物の吸水量を求めた。3個の測定結果を平均した値を表1に示す。

[吸水量(g)]=[吸水時の質量(g)]−[乾燥時の質量(g)] 計算式(1)
(2)セメント硬化物の圧縮強度(機械的強度)
練混ぜ後のセメント組成物を直径5×10cmの金属型枠3個に注ぎ、24時間後に脱型した後、20℃で7日間水中養生してセメント硬化物を得た。さらに、20℃、65%RHの雰囲気下に28日静置した後、圧縮強度を測定し、3個の測定結果を平均した値を表1に示す。
(3)セメント硬化物表面の耐傷付き性
練混ぜ後のセメント組成物を直径5×10cmの金属型枠3個に注ぎ、24時間後に脱型した後、20℃で7日間水中養生してセメント硬化物を得た。さらに、20℃、65%RHの雰囲気下に28日静置した。
セメント硬化物の充てん面(型枠非接触面)について、耐傷付き性試験として、コインスクラッチ試験を実施した。セメント硬化物の表面に対して45度に傾けた銅製のコイン状物[直径2.5cm、厚さ2mm]に、2kgの荷重をかけて、1cm/秒のスピードで引っ掻き、3個のセメント硬化物の傷の有無について目視で観察し以下の基準で評価した。
<評価基準>
◎:全く傷なし
○:傷がわずかにあり
△:傷あり
×:傷が、はっきりとわかる
表1の結果から、本発明のセメント用防水剤は、比較のものと比べ、セメント硬化物の吸水量が少ないことから、防水性に優れることがわかる。
さらに、セメント硬化物の機械的強度、表面の耐傷付き性に優れていることが、明らかである。
本発明のセメント用防水剤(X)は、セメント硬化物に優れた防水性を付与し、さらにセメント硬化物の機械的強度、耐傷付き性に優れることから、セメント組成物の種々の用途、建築用途、一般土木用途、河川・上下水道用途、等に適用できる。とりわけ、セメント硬化物の表面防水施工用として有用である。

Claims (5)

  1. 炭素数8〜24の脂肪酸(a)とナトリウムとの塩(A)を含有してなるセメント用防水剤であって、前記脂肪酸(a)が、飽和脂肪酸(a1)と不飽和脂肪酸(a2)とであって、該飽和脂肪酸(a1)と不飽和脂肪酸(a2)との重量比[(a1)/(a2)]が7/93〜30/60であるセメント用防水剤(X)<但し、重量比[脂肪酸アルカリ土類金属塩/脂肪酸アルカリ金属塩又はアミン塩]が1/99以上のものを除く>。
  2. 前記脂肪酸(a)が、落花生油由来酸である請求項1記載のセメント用防水剤。
  3. 請求項1または2記載のセメント用防水剤(X)とセメントとを含有してなるセメント組成物であって、該組成物中の該塩(A)の含有量が0.1〜5重量%であるセメント組成物。
  4. 表面防水施工用である請求項3記載のセメント組成物。
  5. 請求項3または4記載のセメント組成物が硬化したセメント硬化物。
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