JP6214854B2 - 樹脂上に構造を形成するための方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、一般に、樹脂基材上にナノインプリント成形を行うための方法及び装置に関する。
紫外線(UV)ロールツーロール(roll-to-roll)ナノインプリント成形技術は、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリマー基材に支持された樹脂上にパターン形成されたナノサイズのパターン化された造作(feature)を生成する技術として知られており、これは、半導体デバイス、例えば、トランジスタ、マイクロチップ及びMEMSデバイスの製造において工業的用途を認められている。
特に、ロールツーロールナノインプリント成形法では、それが、接触パターン形成技術である、すなわち、パターン形成ツール(例えば、モールド)が樹脂と接触し、一方、樹脂はポリマー基材によって支持されているために、樹脂と基材の間の接着は、極めて重大な役割を果たす。
この点において、通常のロールツーロールナノインプリント成形法に付随する1つの共通の技術的課題は、樹脂が、インプリント成形ステップの間にモールドと接触した後、インプリント成形ステップの後までも、モールドに付着し続けるということである。このために、後の分離するステップの間に、モールドからよりもむしろ、ポリマー基材から樹脂が剥がされるということが起こり得る。これは、結果として、樹脂上にパターン形成されたパターン化された造作に損傷を生じ、樹脂を、さらなる用途に使えなくすることがある。より重要なことは、モールドが、それに付着した樹脂を除去するために、インプリント成形装置から取り外され、洗浄される必要があるので、結果として、インプリント成形工程に不必要な休止時間を生じることである。
さらに、パターン化された造作は、通常、低アスペクト比である(例えば、約0.5〜約3.0)。その結果、樹脂が破壊される場合、通常、アセンブリの結合力が最も弱い、樹脂とポリマー基材との間の界面で破壊される。
樹脂とポリマー基材との間の界面での結合破壊を防ぐために、モールドへの樹脂の付着性を低下させ、ポリマー基材への樹脂の接着性を増すために、かなりの数の方策が提案されている。このような手法の1つは、モールドに付着防止コーティングを付けることに関する。しかし、通常、付着防止コーティングは、寿命が限定されているという欠点をもち、インプリントサイクルを経ると劣化する傾向がある。別の手法は、樹脂とポリマー基材との間に接着促進剤フィルムを付けることに関する。しかし、接着促進剤は、ロールツーロールナノインプリント成形法で通常必要とされるような大きな表面積に渡ってそれらを付ける必要がある場合には特に、多大の費用を要し得る。
凝集破壊の課題を解決するためのさらに別の手法は、フルオロポリマー材料からなるモールドのような、低表面エネルギーのモールドの使用にある。この手法に付随する1つの障害は、フルオロポリマー材料は、軟らかい傾向があるために、何千回ものインプリントサイクルに渡る繰返し負荷により生じるクリープを欠点としてもつことである。
したがって、現在提案され採用されている手法のどれも、ロールツーロールナノインプリント成形法を用いインプリントされる樹脂の生産のスケールアップにとって実用的でない。したがって、上記の技術的課題を克服する、又は、少なくとも改善し得る、ロールツーロールナノインプリント成形法を提供することが求められている。
第1の態様において、樹脂基材上に構造を形成するための方法が提供され、この方法は、次のステップ:(a)一定の表面パターンを有するモールドを、光分解性アモルファスポリマー基材上に支持された紫外線(UV)硬化性樹脂基材に接触させるステップであって、前記一定の表面パターンが前記UV硬化性樹脂基材上に構造を形成するステップ;(b)UV放射に前記UV硬化性樹脂を曝すことによって、前記アモルファスポリマー基材上に支持された前記UV硬化性樹脂を硬化させるステップ;及び(c)前記硬化した樹脂を前記モールドから分離するステップを含む。一実施形態において、この方法は、ロールツーロールナノプリント成形を行うためのものであり得る。
これに関して、UV硬化性樹脂を、実質的に光分解性のアモルファスポリマー基材上に支持することによって、樹脂とポリマー基材との間の接着性におけるかなりの改善が達成され得ることが、驚くべきことに、見出された。有利には、改善された接着性により、硬化した樹脂が、接触ステップ(a)及び/又は硬化ステップ(b)の後、モールドに付着することが防がれる。このため、アモルファスポリマー基材上に支持され硬化した樹脂は、樹脂上に形成された構造に損傷を生じることなく、モールドから容易に脱離され得る。開示されている方法は、また、単に、モールド表面に付着しているかもしれない樹脂を除去するために、モールドが取り外され、洗浄され得るように、定期的に中断される必要がない。
実施形態による、ロールツーロールナノインプリント成形を行うための装置の概略図である。 図1の装置の近接概略図である。 図1に示されている装置に使用できる2つのUV源のUV−Vis発光スペクトルを示すグラフである。 100μmの厚さのポリカーボネートシートの代表的な透過スペクトルである。 UV硬化した実用ポリマーモールドを製作するための製造プロセスの概略図である。 ビットパターンが形成されたハードディスク媒体を成形するための方法である。 下の実施例1に従って製造された、線幅50nmのデータトラックを有する、インプリントされたポリカーボネート基材ウェッブの30,000倍の倍率での走査電子顕微鏡(SEM)画像である。 図6のインプリントされたポリカーボネート基材ウェッブの、30,000倍の倍率での、ある角度を成す横断面のSEM画像である。 下の実施例2に従って製造された、ポリカーボネートウェッブ上のUV硬化性樹脂に複製されたDVDトラックの、2,700倍の倍率でのSEM画像である。 図8aの樹脂の横断面画像である。
理論に拘束されようとは思わないが、アモルファスポリマーは、より多くの自由体積、より開かれた構造を有し、UV硬化性樹脂に、より浸透され易く、また、樹脂を物理吸着する、より大きな傾向を示すことが仮定されている。特に、ポリマー基材のアモルファス性は、それが、結晶性ポリマーの密に充填された鎖を有さない(もしそうでなければ、これらは、プレポリマーのオリゴマーのような他の分子、又は他のポリマー鎖の拡散に対するバリアとして働くので、ポリマーの結晶構造を貫いて張りめぐらされる絡み合いの形成を妨げ得る)ので、接着性を向上させる。
さらに、アモルファスポリマー鎖はスタッキングしていないので、アモルファスポリマーは、一般に、他のポリマー鎖及び/又は光開始剤と反応する潜在性がより高い部位を提供し得る。他方、結晶性ポリマーの密に充填された鎖は、ポリマー鎖における反応性基に光開始剤が到達することを妨げ、また光分解を阻害し得る。
結晶性又は半結晶性ポリマーに比べて、アモルファスポリマーの無秩序なポリマー鎖は、隣接する樹脂のポリマー構造内に、より容易に拡散し、その逆も同様である。したがって、ポリマー基材のアモルファス性は、そのランダムで無秩序なポリマー鎖と、硬化性樹脂のポリマー鎖との間の絡み合いの形成を、ポリマー/樹脂の界面で促進するのに役立ち得る。絡み合いの形成及び拡散の増加は、いずれも、硬化性樹脂へのアモルファスポリマー基材の接着にとって極めて重要である。
さらに、一実施形態において、光分解性アモルファスポリマー基材は、不安定な結合構造、例えば、これらに限らないが、C−C結合、C−O結合、C−S結合、C−N結合、C−Cl結合、又はC−Br結合を含む、化学的に不安定なポリマー基材であるように選択される。これらの結合は、本来不安定であり、光子又は樹脂の光開始剤によって攻撃されて、ポリマー自体の内に、重合サイトを生成し得る。有利にも、このために、ポリマーは、樹脂/ポリマー基材の界面で、樹脂と容易に共有結合を生成し、接着性が向上する。
第2の態様において、樹脂基材上に構造を形成するための装置が提供され、この装置は、(a)一定の表面パターンを有する可動性モールドであって、光分解性アモルファスポリマー基材層上に支持されたUV硬化性樹脂層と接触するようになっており、前記樹脂が前記モールドに対して可動性である前記モールド;(b)前記モールドと噛み合う(engage)ことによって、それらの間に前記樹脂及びポリマー基材層を挟み込んで、前記樹脂上に構造を形成するように構成されている圧縮手段;(c)前記UV硬化性樹脂を照射するように配置されたUV源;及び(d)前記硬化した樹脂を前記モールドから脱離させるための脱離手段;
を含む。
一実施形態において、開示されている装置は、ロールツーロールナノインプリント成形のための装置であり得る。
開示されている装置の技術的利点は、第1の態様の方法に対して上で開示された通りである。
第3の態様において、アモルファスポリマー基材層上に支持された、硬化した樹脂を含むコンポジットであって、上で開示された方法によって、又は上で開示された装置によって製造されたコンポジットが提供される。
定義
本明細書において用いられる次の用語及び語句は、以下に示される意味を有する。
用語「実質的に」は、「完全に」を除外せず、例えば、Yを「実質的に含まない」組成物は、Yを完全に含まないということがあり得る。必要な場合、用語「実質的に」を、本発明の定義から省くことができる。
特に断らなければ、用語「含んでいる」及び「含む」、並びにそれらの文法的異形は、挙げられた要素を含むが、また挙げられていないさらなる要素の包含もまた許容するような、「開いた」又は「包含的」言語を表そうとするものである。
本明細書で用いられる場合、用語「約」は、配合成分の濃度に関して、典型的には、提示されている値の±5%、より典型的には、提示されている値の±4%、より典型的には、提示されている値の±3%、より典型的には、提示されている値の±2%、より一層典型的には、提示されている値の±1%、より一層典型的には、提示されている値の±0.5%を意味する。
この開示の全体を通して、特定の実施形態は、範囲指定形式(range format)で開示している。範囲指定形式における記述は、単に、簡便さのためであって、開示されている範囲領域への不変の限定として解釈されるべきでないことが理解されるべきである。したがって、範囲の記述は、明確に開示される可能な全ての従属範囲、さらにはその範囲内の個々の数値を含むと見なされるべきである。例えば、1〜6のような範囲の記述は、1〜3、1〜4、1〜5、2〜4、2〜6、3〜6などのような明確に開示される従属範囲、さらには、その範囲の個々の数値、例えば、1、2、3、4、5、及び6を含むと見なされるべきである。これは、範囲の幅にかかわらず、当てはまる。
選択肢としての実施形態の開示
以下に、第1の態様による、樹脂上に構造を形成するための方法の例示的な非限定的実施形態を開示する。
一実施形態として、樹脂基材上に構造を形成するための方法が開示され、この方法は、次のステップ:(a)一定の表面パターンを有するモールドを、光分解性アモルファスポリマー基材上に支持された紫外線(UV)硬化性樹脂基材に接触させるステップであって、前記一定の表面パターンがUV硬化性樹脂基材上に構造を形成するステップ;(b)UV放射に前記UV硬化性樹脂を曝すことによって、前記アモルファスポリマー基材上に支持された前記UV硬化性樹脂を硬化させるステップ;及び(c)前記硬化した樹脂を前記モールドから分離するステップを含む。
樹脂上に形成される構造は、インプリントであり得る。インプリントは、マイクロインプリント又はナノインプリントであり得る。一実施形態において、インプリントはナノインプリントである。一実施形態において、アモルファスポリマーは、アモルファスポリカーボネート、アモルファスポリアクリレート、アモルファスポリエチレンナフタレート、及びこれらのコポリマーからなる群から選択され得る。
アモルファスポリマーは、そのポリマー構造に、芳香族基を含み得る。芳香族基は、フェニル基、ピリジン基、ピラジン基、イミダゾール基、チオフェン基、ピロール基、フラン基、ベンゼン環含有(benzannulated)アナローグ、及びこれらの混合体から選択され得る。
一実施形態において、ポリマー基材は、ポリカーボネート(PC)を含み得る。さらに別の実施形態において、ポリマー基材は、ポリカーボネートから本質的になり得る。例示的な非限定的ポリカーボネートは、下の一般式(I)によって表すことができる。

式(I)
式中、nは2を超える任意の整数であり得る。
一実施形態において、ポリカーボネートは、それが完全にアモルファスで、可撓性があり、透明であり、半結晶性でないように選択される。アモルファス性は、分子レベルでは、ポリマー主鎖の嵩高いメチル基に起因すると考えることができ、これらのメチル基は、2つのフェニル基の間に配置されているために、隣接ポリマー鎖間の、フェニル基のπスタッキングを妨げる。
別の実施形態において、ポリマー基材は、UV放射によって少なくとも部分的に分解可能なポリマーであるように選択され得る。一実施形態において、UV分解性ポリマーはポリカーボネートである。ポリカーボネートは、約200nm〜約400nmの波長の電磁(「EM」)放射を吸収することができ、300nm未満のEM放射に対する特に高い吸光度を有することが分かっている。有利には、ポリマー基材の光分解により生ずるフリーラジカルは、硬化ステップの間に硬化性樹脂内の重合反応に関与し得るので、ポリマー基材は、重合している樹脂と共有結合を形成する。有利には、共有結合の形成は、ポリカーボネートと硬化する樹脂との間の接着性を大きく向上させる。
さらに有利には、ポリカーボネートは、ランダムに配向した芳香族基を有するポリマー鎖のランダムネットワークからなるので、それは、ラジカルを生成するように、UV放射をより効率的に吸収できる。詳細には、ポリカーボネートにおける芳香族基のランダム配向により、ランダム偏光UV光子の、より効率的な吸収が起こるので、光分解反応を生じることができるフリーラジカルが、ポリカーボネート基材の全体に渡って均一に分散する。対照的に、PETのような結晶性ポリマーは、それらの結晶領域において芳香族基の優先的な配向を示し、これらの芳香族基は、特定の偏りのUV光子だけを吸収できるので、吸収効率は低下する。
別の実施形態において、アモルファスポリマー基材は、特に280nm〜350nmの範囲において、UV光子の高い吸収度を示す芳香族基を有するものであるように選択され得る。有利には、吸収の後、ポリマー鎖の開裂が起こり、開裂した鎖の末端にフルーラジカルが生成する。これらのラジカルは、樹脂分子と重合し、樹脂/ポリマー基材の界面に、架橋し共有結合し、ひどく絡み合ったネットワークを形成し得る。
開示されている方法において、接触ステップ(a)及び硬化ステップ(b)は、加圧下に、同時に並行して実施され得る。一実施形態において、インプリント成形及びUV硬化での圧力は、約600kPa〜約1,000kPaであり得る。一実施形態において、モールド、及びアモルファス基材上に支持された樹脂は、加圧ローラーによって、例えば約800kPaの圧力下に、一緒に加圧され得る。加圧下に接触ステップを行うことは、また、モールドと樹脂の間の空気の泡を、締め出すのにも有用であり得るし、また、樹脂をある程度平坦にする働きをし、ポリマー基材の全体に渡って、より均一に樹脂を広げ得る。
開示されている方法において、モールドは、反射性材料から構成されるように選択され得る。一実施形態において、選択される反射性材料は、波長400nm未満の垂直入射光の少なくとも80%を反射できるものである。
反射性モールドは、樹脂/ポリマーの界面で吸収されないで樹脂/ポリマー基材アセンブリを通過したUV光子が、反射されて、再び、樹脂/ポリマー基材アセンブリを通ることができるので、有用である。これは、ポリマー基材によって光子が吸収される機会を増やし、結果的に、生成されるフリーラジカルの数を増加させる。本発明の方法は、樹脂/ポリマー基材の界面を通る多重反射を可能にするために、反射体と共に据えつけられたUV源を用いることをさらに含み得る。これは、ラジカルの生成をさらに増大させ、樹脂/ポリマー基材の界面での接着性をさらに向上させ得る。
反射性材料は遷移金属を含み得る。一実施形態において、開示されている方法において用いられるモールドは、ニッケル(Ni)を含み得る。一実施形態において、モールドは、実質的にNiからなり得る。有利には、ニッケルモールドは、強靭であり、欠陥蓄積し難い。ニッケルモールドは、また、薄いシート状で供用された場合、可撓性があり得る。さらに、Niは、高反射性材料であり、このことは、樹脂/ポリマー基材アセンブリによるUV吸収を促進し得る。
別の実施形態において、反射性材料は、Ni合金、例えば、Ni−Co合金を含み得る。
UV硬化性樹脂は、UV放射への暴露で、架橋結合を生成できる硬化性ポリマー前駆体を含み得る。ポリマー前駆体は、ビニル前駆体、アクリル前駆体、エポキシ前駆体、エポキシシリコーン、ポリジメチルシリコーン、光硬化性シルセスキオキサン又はこれらの混合物からなる群から選択され得る。ポリマー前駆体は、粘度が15Pa.s未満の液状であり得る。
UV硬化性樹脂は、ポリマー基材のネットワークの中に拡散して、ポリマー基材内に重合サイトを生成できるものであるように選択され得る。それゆえに、ポリマー前駆体は、ポリマー基材との絡み合い、及びポリマー基材との共有結合を形成できるように選択されるべきである。ポリマー前駆体は、ポリマー基材への拡散を容易にするように、低分子量のものであり得る。一実施形態において、ポリマー前駆体は、10,000未満の分子量を有する。
ポリマー前駆体は、ポリマー前駆体間の重合反応を開始し、さらには、ポリマー基材における不安定な結合を攻撃してポリマー基材にラジカル重合サイトを生成できる光開始剤と共に供用され得る。
一実施形態において、モールドは、付着防止コーティングを、実質的に有さない。すなわち、開示されている方法は、モールドに付着防止コーティングを付けるステップを除外し得る。
一実施形態において、ポリマー基材は、接着促進剤を、実質的に有さない。すなわち、開示されている方法は、また、ポリマー基材に接着促進剤を付けるステップも除外し得る。
モールド上の一定の表面パターンは、インプリントされる樹脂上に、マイクロサイズ又はナノサイズの構造を付与するように構成されていてよい。マイクロサイズ又はナノサイズの構造は、UV放射によって硬化した、重合した樹脂から、実質的に構成され得る。
硬化ステップ(b)の間、約200nm〜400nmの波長を有するUV放射が、モールド及び/又はアモルファスポリマー基材上に支持された樹脂に、向けられ得る。一実施形態において、UV放射は、約200nm〜350nm、約200nm〜約300nm、又は200nm〜約250nmの波長を有し得る。一実施形態において、UV放射は、280nm〜350nmの波長範囲を有する。硬化ステップ(b)は、樹脂を、それがモールドと接触している間にUV放射に曝すことを含み得る。硬化ステップ(b)は、また、モールドによる加圧をすでに経た樹脂の部分を照射することも含み得る。硬化ステップ(b)の間に用いられるUV放射は、約3.0eV〜約6.2eVのエネルギー範囲を含み得る。別の実施形態において、UV放射は、約2.5eV〜約5.0eVのエネルギー範囲(又は、約200〜500nm)を含み得る。
本明細書に記載されている方法は、連続的に行うことができ、この場合、ポリマー基材(この上に樹脂が載っている)の動いているベルト(又は「ウェッブ」)が、インプリント成形のためにモールドに連続的に供給されていて、その後、インプリントが形成された後に、モールドから脱離される。連続的方法は、マイクロサイズ又はナノサイズの造作を、1mms−1の速度で製作することが可能であり得る。
ポリマー基材の動くベルトは、0.1ms−1〜10ms−1の速度で、モールドに向けて供給され得る。理解され得るように、これは、単なる例示的な範囲であり、実際の速度は、装置の大きさ、用いられるモールドの外周、インプリントされた構造の意図される産出速度に応じて変わり得る。
一実施形態において、硬化ステップ(b)は、2〜3分から1秒又はそれ未満までの範囲の時間で行われ得る。一実施形態において、硬化継続時間は、200s、190s、180s、170s、160s、150s、140s、130s、120s、110s、100s、90s、80s、70s、60s、50s、40s、30s、20s、10s、5s、1s、0.5s、又はより短時間から選択され得る。硬化継続時間は、ポリマー基材及び樹脂がモールドに向けて供給される速度に依存し得る。
別の実施形態において、樹脂は、モールドの表面上に適量供給(dispense)され、モールドが基材と接触するときに、後で、ポリマー基材に接触させられてもよい。
開示されている方法は、接触ステップ(a)の前に、アモルファスポリマー基材上にUV硬化性樹脂を載せるステップをさらに含み得る。この載せるステップは、UV硬化性ポリマー前駆体をポリマー基材上に載せることを含み得る。載せるステップは、インクジェットを用いること、スプレーを用いること、又は、ポリマー前駆体溶液に浸漬されたローラーに、動いているベルトを接触させることを含み得る。
第2の態様による、構造を形成するための装置の例示的な非限定的実施形態が、これから開示される。
一実施形態において、樹脂基材上に構造を形成するための装置が提供され、この装置は、(a)一定の表面パターンを有する可動性モールドであって、光分解性アモルファスポリマー基材層上に支持されたUV硬化性樹脂層と接触するようになっており、前記樹脂が前記モールドに対して可動性である前記モールド;(b))前記モールドと噛み合うように構成されている圧縮手段であって、それにより前記樹脂及びポリマー基材層を前記モールドと前記圧縮手段の間に挟み込んで、前記樹脂上に構造を形成する圧縮手段;(c)前記UV硬化性樹脂を照射するように配置されたUV源;及び(d)前記硬化した樹脂を前記モールドから脱離させるための脱離手段;を含む。
一実施形態において、前記装置は、ロールツーロールナノインプリント成形を行うのに適切であり得る。
アモルファスポリマー基材は、前記のもののようなものであり得る。
可動性モールドは、回転式モールドであり得る。回転式モールドは、それが回転するにつれて、その外周に沿って樹脂を移動させるように構成されていてよい。一実施形態において、モールドは、アモルファス基材上に支持された樹脂と噛み合うことによって、その外周に沿って、回転運動により、樹脂/ポリマー基材アセンブリを移動させるように構成されている、回転可能なように装着されたローラーである。
脱離手段は、1つ又は2つ以上の脱モールドローラーを含み得る。脱モールドローラーは、ポリマー基材層と噛み合うことによって、モールドから樹脂を脱離させるように構成されていてよい。
モールドは、400nm未満の波長を有する垂直入射光の少なくとも80%を反射できる反射性材料を含み得る。反射性材料は遷移金属であり得る。一実施形態において、モールドはニッケルを含む。
開示されている装置の圧縮手段は、前記樹脂に圧縮力を加えるように、モールドと噛み合うように構成されているローラーを含み得る。モールド及び機械的ローラーは、それらの間に、樹脂とポリマー基材アセンブリとを挟み込むことによって、アセンブリに圧縮力を加えるように配置され得る。モールドは、また、樹脂表面にインプリントを付与するために、樹脂に接触する、パターン形成された表面を含み得る。加えられる力は、樹脂にインプリントすることによって、樹脂表面上にマイクロサイズ又はナノサイズの構造を形成するために、十分なものであり得る。
UV源は、蛍光ランプ、アークランプ、ガス放電ランプ、発光ダイオードアレイ、レーザー、又はこれらの2つ以上の組合せから選択され得る。一実施形態において、UV源は、少なくとも100Wの定格出力を有する水銀ショートアークランプであり得る。
一実施形態において、UV源は、UV放射がポリマー基材を通過する前に、樹脂を通過し得るように、モールドの内側に配置され得る。
別の実施形態において、UV源は、0°〜約90°の入射角で、モールド、樹脂及びポリマー基材を照射するように、モールドの外部に置かれ得る。様々な入射角で、樹脂/ポリマー基材アセンブリにUV放射を供給するように、2つ以上の外部UV源が備えられてもよい。UV源は、圧縮手段によって圧縮されている又は圧縮された樹脂/ポリマー基材アセンブリを照射するように配置され得る。UV源は、約200nm〜約400nmの波長を有するUV放射を発するように構成されていてよい。
添付図は、開示されている実施形態を例示し、開示されている実施形態の原理を説明するのに役立つ。しかし、図は、単に例示の目的のためにであって、本発明の範囲の限定として意図されていないことが理解されるべきである。
図面の詳細な説明
図1を参照すると、樹脂基材上に構造を形成するための装置100の概略図が示されている。装置100は、ロールツーロールナノインプリント成形を行うのに適している。装置は、以下を含む:(a)光分解性アモルファスポリマー基材層8上に支持されたUV硬化性樹脂層6に接触するようになっており、この樹脂6は、モールド2に対して移動できる、一定の表面パターン4を有する可動性モールド2;(b)前記モールド2と噛み合うことによって、それらの間に前記樹脂6及びポリマー基材層8を挟み込んで、前記樹脂6にインプリント12を形成するように構成されている、加圧ローラー10の形の圧縮手段;(c)前記モールド2と接触しているUV硬化性樹脂6を照射することによって、UV硬化性樹脂6を硬化させるように配置されたUV源14;及び(d)硬化した樹脂18をモールド2から脱離させるように構成されている、脱モールドローラー16の形の脱離手段。
UV硬化性樹脂6は、ポリマー基材層8上に、適量供給ユニット20によって、適量供給され、ポリマー基材層8上のUV硬化性樹脂6の厚み又は厚さが、UV硬化性樹脂6の長さ全体を通して実質的に一定であるように、ドクターブレード22によって、平らにされ、余分なものは除去される。
図2は、図1の装置の近接概略図である。ここで、同じ特徴は、同じ参照数字によってであるがプライム記号(’)を付けて定められている。ここで、モールド2’は、ニッケルのような高反射性金属からなり、UV源14’は、反射体を含む。反射性ニッケルモールド2’及びUV源反射体14’を有することによって、UV硬化性樹脂6’とポリマー基材層8’との間の界面24を通して、多重反射が起こり得る。UV光子は、ポリマー基材層8’を通して、複数回、反射され得るが、これは、界面24でのUV光子の吸収を増大させる助けとなり得る。ポリマー基材層8’の光分解により生じるフリーラジカルは、UV硬化性樹脂6’内の重合反応に関与し得るので、界面24でのポリマー基材層8’とUV硬化性樹脂6’との間の接着性を大きく向上させるように、ポリマー基材層8’のポリマーは、重合しているUV硬化性樹脂6’と共有結合を形成する。
代わりとなる実施形態(示されていない)において、ポリマー基材層8’を通る伝播距離を増すように、複数のUV源14’がポリマー基材層8’にほぼ平行に方向づけられ得る。
図1で用いられているUV源14は、図3に示されるUV−Vis発光スペクトルの1つを有する水銀蒸気アークランプであってよい。図3は、S2000水銀アークランプ及びS1000水銀アークランプのUV−Vis発光スペクトルを示す。
示されているように、約280nm〜350nmに強い発光ピークがある。この発光は、ポリマー基材層のポリカーボネートのようなアモルファスポリマーのフェニル基を励起するのに十分なだけ、高エネルギーである。ポリカーボネートのフェニル基の励起は、より良好なポリカーボネートの接着特性に寄与する。これは、100μmの厚さのポリカーボネートシートに対する代表的な透過スペクトルを示す図4に例示されている。図4から分かるように、ポリカーボネートシートは、約400nmの波長の光で吸収し始め、300nm未満の波長の光を強く吸収する。ポリカーボネートにおける芳香族基は、250〜350nmの領域で、光又はUV光子を効率的に吸収できる。ポリカーボネート内の芳香族基のランダムな配向により、ランダム偏光UV光子の、より効率的な吸収が起こり得るので、フリーラジカルを生成する光分解反応が均一に分散される。吸収の後で、多くの場合、ポリマー鎖の開裂が起こり、同時に、開裂した鎖の末端でフリーラジカルが生成する。これらのフリーラジカルは、樹脂モノマーとの重合反応を開始して、ポリマー/樹脂の界面で、架橋し共有結合し、ひどく絡み合ったネットワークを形成する。このため、ポリマーの吸収端に強い発光を有するUV源と併せて用いることができるように、アモルファスポリマーが、強い芳香族性をもつものであることが好ましい。
図5aは、図1の装置を用い、UV硬化した実用(working)ポリマーモールドを製作するための製造プロセス200の概略図である。特に、図5aは、開示された方法又は装置により形成される、硬化した樹脂の1つの可能な用途を示す。特に、硬化した樹脂は、それが、後に行われるインプリント成形プロセスで、それ自体、モールドとして使用され得るように、十分に頑丈である。
硬化した樹脂をモールドとして用い、続いて行われる例示的なインプリント成形プロセスが、図5bに示されており、実用モールド(図5aにより製造された)が、磁性層(CoCrPt)及びアルミニウムのブランクベース層上に支持されたフォトレジスト層にインプリントを形成するために用いられる。この方式のインプリント成形は、通常、ハードディスクプラッタの製造の間に行われる。図5bに示されているバッチプロセスは、サーマルホットエンボス加工法、又はUV硬化性樹脂を用いる別のUVナノインプリント法であり得る。
有利には、開示されている方法及び装置は、ロールツーロール法により、使い捨てポリマーモールドを大量生産するために使用され得る。これらの使い捨てモールドは、後で行われる、バッチ方式リソグラフィー(サーマル又はUVナノインプリント)でのリソグラフィーを行うために使用できる。重要なことは、これらのモールドは十分に低いコストで製造され得るので、それらは、使用後に廃棄され得る、又は、さらなる使用のためにリサイクルされ得ることである。
[実施例]
具体的実施例を参照して、本発明の非限定的な例をより詳細にさらに説明するが、これらの実施例は、決して、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
この実施例では、図1の装置を、200μmの厚さのポリカーボネート基材層上に50nmの線幅のデータトラックのインプリントを形成するために用いた。ポリカーボネートは、Solves Innovative Technology Pte Ltd(シンガポール)から入手した。このポリカーボネート基材は、溶融押出法により成形して、プラスチックウェッブの巻きを形成し、次いで、これを、ポリマー基材8として図1の装置に供給する。
装置100は、サブ50nmデータトラックの形の一定の表面パターン4を有するニッケルモールドの形の可動性モールド2を含む。ニッケルモールドは、サブ50nmデータトラックを含む2.5インチハードディスクマスターモールドを、エレクトロプレーティングによって、ニッケルモールド上に複製することによって製作した。ニッケルモールドは、それが可撓性を保ち、円柱ローラー上に装着できるように、約100μmの厚さであるように製作した。
市販のいくつかのUVアクリル樹脂は全てが類似の挙動を示すので、UV硬化性樹脂6として使用できる。例示的な市販の樹脂は、YNIL-R2-1の商標でYoung Chang Chemical Co.から、mr-UVCur21SFの商標でMicro Resist Technology GmbHから、又はMAR-02の商標でBeulah Companyから入手できる。UV硬化性樹脂6は、200μmの厚さを有するポリカーボネートからなるアモルファスポリマー基材層8上に、適量供給ユニット20によって適量供給し、ポリカーボネート層上のUV硬化性樹脂6の厚みは、ドクターブレード22によって一定にした。ニッケルモールドは、付着防止コーティングを有さず、ニッケルが露出しており、ポリカーボネート層もまた、接着促進剤を有さず、ポリカーボネートが露出していることが特筆されるべきである。ポリカーボネートに、酸素プラズマ処理は行わなかった。適量供給されるUV硬化性樹脂6の厚さは、いくつかの要因、例えば、樹脂粘度、適量供給の速度、モールド2に向かうポリマー基材8の移動速度により変わる。適量供給されるUV硬化性樹脂6の厚さは、通常、約200nm〜2ミクロンである。
UV硬化性樹脂6及びポリカーボネート層が、ニッケルモールドの外周に沿って移動する際に、ニッケルモールド、UV硬化性樹脂6、及びポリカーボネート層は、加圧ローラー10によって約400kPaの圧力で、一緒に挟み込まれた。加圧ローラー10は、ニッケルモールドとUV硬化性樹脂6との間から空気の泡を締め出すように働き、また、ポリカーボネート層の全体に渡って、より均一に、UV硬化性樹脂6を広げるように、UV硬化性樹脂6をある程度平坦にするようにも働く。
加圧ローラー10を通過した後、UV硬化性樹脂6は、100ワットのUVランプの形のUV源14によって硬化し、UV源では、UV光は、UV硬化性樹脂を照射するために、光ファイバーケーブルによって誘導される。光ファイバー光ガイドは、UVランプを、UV硬化性樹脂6及びポリカーボネート層から分離することによって、UV硬化性樹脂6及びポリカーボネート層の過度な劣化(eating)を防ぐ。UV硬化性樹脂の硬化は室温で起こる。UV硬化性樹脂は、ラジカル重合による硬化の間に固化して、硬化した樹脂18を生成した。次いで、硬化した樹脂18は、脱モールドローラー16の形の脱離手段を通過した後で、ニッケルモールドから脱離される(脱モールドされる)。硬化した樹脂18は、その表面に、ニッケルモールドの表面パターン4に相補的なインプリントを有していた。
別法として、UV硬化性樹脂6は、ポリカーボネート層上に適量供給される代わりに、ニッケルモールド上に直接載せられてもよい。
Niモールド2の回転は、アモルファス基材層8がモールドに向かって供給される速度に相当する。この特定の実施形態において、速度は、1分間当たり0.1メートルから、1分間当たり約10メートルまで変わり得る。速度は、装置の大きさ及びモールドの外周のような他の要因に依存し、本開示の限定を意図していないことが理解され得る。
硬化ステップの継続時間は、モールドの回転速度に依存して、約2〜3分から1秒未満までであり得る。
図6は、ポリカーボネート基材層上のインプリントを示す。インプリントは、線幅50nmでピッチ100nmであり、これは、ニッケルモールド上の表面パターンに相補的であった。このことから推して、ニッケルモールド上の表面パターンは、硬化した樹脂18上に、効果的に複製できると思われる。
図7は、図6のインプリントされたポリカーボネート基材層の、30,000倍の倍率でのある角度を成す横断面のSEM画像である。インプリントされた造作の下の硬化した樹脂層を表す、残留層は、1μmより僅かに小さい厚さ(試料面の全体に渡って、約600nm〜800nmの厚さで、±100nmの変動がある)を有する。
図7から、いくつかの粒子欠陥、及び小さな穴のような形状の欠陥が見える。これらの粒子は、クリーンルームの外での取扱いにより付着したようであり、他方、小さな穴状の欠陥は、インプリントプロセスの間に完全に溶解しなかった、捕捉された空気の泡に起因するようであった。これらの欠陥は、UV硬化性樹脂がニッケルモールドと接触する直前に、ヘリウムシュラウド(shroud)を導入することによって、対処できると思われる。ヘリウムの泡は、樹脂に、ずっと容易に溶解して、欠陥のない結果が残されるであろう。これらの画像は、実用モールドの製作の実現可能性を示す。
実施例1に記載された方法に基づく図1の装置を、ポリカーボネート層によって支持されたUV硬化性樹脂上に、約200nm〜1μmの長さの同心ドットのインプリントパターンを形成するために用いた。この実施例では、同じUV硬化性樹脂、ポリカーボネート及びインプリント成形条件が、用いられる。インプリントされた樹脂は、DVD又はDVD−ROMとして用いることができる。図8aは、ポリカーボネート層上のUV硬化性樹脂に複製されたDVDトラックの、2,700倍の倍率でのSEM画像である。図8bは、図8aの樹脂の横断面画像であり、樹脂の残留層の厚さ、さらにはインプリントされたドットのレリーフプロファイルを示している。
開示された方法及び装置において、硬化した樹脂は、ポリマー層に接着されており、また、モールドから容易に脱離され得る。ポリマー層に対する向上したその接着性により、硬化した樹脂は、ポリマー層から容易に剥がすことができない。モールドからの脱離が容易であるため、モールドは、先行技術のインプリント成形と異なり、モールドから樹脂を剥がすことに付随する如何なる運転休止時間を取ることもなく、連続的に用いることができる。
開示された方法及び装置は、モールドの如何なる処理も不要であり得るので、モールド上に付着防止コーティングを付けることが不要であり得る。さらに、UV硬化性樹脂とポリマー基材との間に、接着促進剤フィルムを付けることが不要であり得る。このため、付着防止コーティング若しくは接着促進剤フィルム又は両方のコストを計算に入れる必要がないので、インプリント成形のコストは低減できる。経済性の改善は、特に、パターン形成される媒体、光学フィルム及びコーティング(特に、反射防止)、並びに生物学的用途(防汚表面)のような用途における、本発明の方法及び装置の工業的採用の点で、大きな違いを生じるであろう。
開示された方法及び装置は、軟らかいために、何千回ものインプリントサイクルに渡る反復負荷により生じるクリープに難点があることが知られているフルオロポリマー材料からなるモールドの使用を必要としないことがある。
開示された方法及び装置は、後で行われるリソグラフィーのための実用モールドを製造するために使用され得る。UV架橋された樹脂は、その大きなヤング率のために、十分に頑丈で堅く、そのため、特に、別の基材上のレジスト層にインプリントするための、パターン形成された硬い表面層として、モールド材料として使用できる。この架橋した樹脂層と、可撓性で形状追従性のあるポリマー基材層とを接合すると、2つの異なったもののそれぞれの長所、すなわち、パターン形成されるレジスト層との界面での硬さ、及びポリマー層に起因する全体としての形状追従性を生じる。後者は、所定の用途に必要とされるように、より堅く、又はより柔らかいように、厚さで調節できる。ポリマー基材層とUV樹脂との間の接着性の向上により、後で行われるリソグラフィー工程に耐える適切な凝集強さを有する実用モールドが製作され得る。
開示された方法及び装置は、ハードディスク、さらには、DVDのような、パターン形成された別の媒体形態を製造するために使用され得る。
開示された方法及び装置は、光学コーティング及びフィルム、光学部品(フォトニック結晶、導波管など)、ワイヤグリッド偏光子、ディスプレイ、生物学的用途(防汚表面)、並びに化学(担持触媒)を生成するために使用され得る。
上記開示を読んだ後で、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明の様々な他の変更及び適応が、当業者には明らかであり、このような全ての変更及び適応の全ては、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されていることが明らかであろう。

Claims (23)

  1. (a)一定の表面パターンを有するモールドを、光分解性アモルファスポリマー基材上に支持された紫外線(UV)硬化性樹脂基材に接触させるステップであって、前記一定の表面パターンが前記UV硬化性樹脂基材上に構造を形成するステップ;
    (b)UV放射に前記UV硬化性樹脂を曝すことによって、前記アモルファスポリマー基材上に支持された前記UV硬化性樹脂を硬化させるステップ;及び
    (c)前記硬化した樹脂を前記モールドから分離するステップ
    を含み、前記接触ステップ(a)及び硬化ステップ(b)が、600kPa〜1,000kPaの加圧下に、同時に並行して実施される、樹脂基材上に構造を形成するための方法。
  2. 構造がインプリントである、請求項1に記載の方法。
  3. インプリントがナノインプリントである、請求項2に記載の方法。
  4. 光分解性ポリマー基材が、UV放射を吸収したときにフリーラジカルを生成できる、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. ポリマー基材がポリカーボネートを含む、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. モールドが反射性材料から構成されるように選択される、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 反射性材料が遷移金属を含む、請求項6に記載の方法。
  8. モールドが付着防止コーティングを実質的に有さない、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. ポリマー基材が接着促進剤を実質的に含まない、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. UV放射が、200nm〜400nmの波長を有するように選択される、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. ポリマー基材が、フェニル基、ピリジン基、ピラジン基、イミダゾール基、チオフェン基、ピロール基、フラン基、ベンゼン環含有アナローグ、及びこれらの混合物からなる群から選択される芳香族基を含む、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 芳香族基が、280nm〜350nmの波長を有するUV光子を吸収するように選択される、請求項11に記載の方法。
  13. 硬化ステップ(b)が、樹脂がモールドに接触するときに、前記樹脂をUV放射に曝すことを含む、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
  14. (a)一定の表面パターンを有する可動性モールドであって、該モールドが、光分解性アモルファスポリマー基材層上に支持されたUV硬化性樹脂層と接触するように構成されており、前記樹脂が前記モールドに対して可動性である前記モールド;
    (b)前記モールドと噛み合うように構成されている圧縮手段であって、それにより前記樹脂及びポリマー基材層を前記モールドと前記圧縮手段の間に、600kPa〜1,000kPaの圧力で挟み込んで、前記樹脂上に構造を形成する圧縮手段;
    (c)前記UV硬化性樹脂を、前記UV硬化性樹脂が前記モールドと接触している間に照射するように配置されたUV源;及び
    (d)前記硬化した樹脂を前記モールドから脱離させるための脱離手段
    を含む、樹脂基材上に構造を形成するための装置。
  15. 可動性モールドが回転式モールドである、請求項14に記載の装置。
  16. 回転式モールドが、その外周に沿って樹脂を移動させるように構成されている、請求項15に記載の装置。
  17. 脱離手段が、1つ又は2つ以上の脱モールドローラーを含む、請求項14〜16のいずれかに記載の装置。
  18. 脱モールドローラーが、ポリマー基材層と噛み合うことによって、モールドから樹脂を脱離させるように構成されている、請求項17に記載の装置。
  19. ポリマー基材層がポリカーボネートを含む、請求項14〜18のいずれかに記載の装置。
  20. モールドが反射性材料を含む、請求項14〜19のいずれかに記載の装置。
  21. 反射性材料が遷移金属を含む、請求項20に記載の装置。
  22. 圧縮手段が、モールドと噛み合って、樹脂上に圧縮力を加えるように構成されているローラーを含む、請求項14〜21のいずれかに記載の装置。
  23. UV源が、約200nm〜約400nmの波長を有するUV放射を発するように構成されている、請求項14〜22のいずれかに記載の装置。
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