JP6214577B2 - バランス機能を持つフロート充電用の電源システム - Google Patents

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Description

本発明は、負荷と二次電池が並列に接続されたシステムに電源を供給するフロート充電用の電源システムに関する。
通信機器や基地局装置などの負荷には通常、バックアップ用の二次電池が接続される。負荷と二次電池が並列に接続された状態で充電することをフロート充電(浮動充電)という。フロート充電用の電源装置は定電圧・定電流を出力し、その出力電流は、負荷に流れる負荷電流と二次電池に流れる充電電流に分岐される。負荷電流と充電電流の和は出力電流に一致する(キルヒホッフの電流則)。近年の負荷容量の増加に対して、複数の電源装置を並列接続することにより電源容量の増加が図られている。
二次電池に過電流が流れると劣化が促進されるため、適正な範囲の電流で二次電池を充電する必要がある。フロート充電では負荷の状態変化により負荷電流が変化すると、充電電流も変化する。従って負荷が軽くなると充電電流が増加し、二次電池の推奨電流の範囲を超えてしまう可能性がある。
特開2014−193077号公報 特開平08−329990号公報
これに対して、トリクル充電用の電源装置を追加することが考えられるが、コストが高くなり、電源装置を収納する筐体も大きくなる。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、フロート充電において低コストで、二次電池の充電電流を適正な範囲に保つ技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様のフロート充電用の電源システムは、負荷と二次電池が並列に接続された並列システムに、電源を供給するフロート充電用の電源システムであって、並列接続された複数のスイッチング電源装置と、前記二次電池の充電電流を検出する充電電流検出部と、を備える。前記複数のスイッチング電源装置は、各スイッチング電源装置の出力電流を均等化するための電流バランス機能を有する。前記充電電流検出部により検出された充電電流が前記二次電池の推奨上限電流を超えているとき、前記複数のスイッチング電源装置の出力電圧は、前記二次電池の充電電流の増加に応じて低下するよう制御される。
本発明によれば、フロート充電において低コストで、二次電池の充電電流を適正な範囲に保つことができる。
フロート充電の基本回路を示す図である。 並列運転されるフロート充電用の電源システムの構成を示す図である。 図2の電源システムの電流電圧特性を示す図である。 トリクル充電方式を採用した電源システムを説明するための図である。 本発明の実施の形態に係る電源システムの構成例を示す図である。 図5の電源システムの負荷電圧、充電電流、負荷電流の関係を示す図である。 図5の電源ユニットの内部構成例を示す図である。
図1は、フロート充電の基本回路を示す図である。蓄電池20は負荷30に並列に接続される。電源ユニットPO1は、負荷30と蓄電池20が並列接続された並列システムに電源を供給する。本実施の形態では、蓄電池20として鉛蓄電池を使用することを想定する。電源ユニットPO1はスイッチング電源装置であり、商用電源から入力される交流電圧を直流電圧に変換する。電源ユニットPO1は定電圧(CV)・定電流(CC)制御され、設定された出力電圧Voで設定された出力電流Ioを並列システムに供給する。
電源ユニットPO1の出力電流Ioは、負荷30に流れる負荷電流Iと蓄電池20に流れる充電電流Icに分岐される。負荷電流Iと充電電流Icの和は、電源ユニットPO1の出力電流Ioに常に一致する(キルヒホッフの電流則)。フロート充電では蓄電池20の電流経路に、充放電を制御するためのスイッチが設けられず基本的に蓄電池20と負荷30が直接接続される。このようにフロート充電は簡素で低コストな充電方式である。
図2は、並列運転されるフロート充電用の電源システム100の構成を示す図である。負荷の容量増加に伴い、電源ユニットの並列運転にて電源容量の増加が図られている。図2に示す例では、電源ユニットPO1、電源ユニットPO2及び電源ユニットPO3の3つの電源ユニットの並列システムにより電源システム100が構成されている。なお並列数は3に限るものでなく、負荷30の容量に応じて任意の数の電源ユニットを並列接続できる。
図2に示す例では、負荷電流Iと充電電流Icの和は、電源ユニットPO1の出力電流Io1と電源ユニットPO2の出力電流Io2と電源ユニットPO3の出力電流Io3の和に常に一致する(キルヒホッフの電流則)。電源システム100の電流供給能力が高くなると蓄電池20に、推奨上限電流を超える過電流が流れて蓄電池20を劣化させてしまう可能性がある。フロート充電では、負荷電流Iが増えると充電電流Icが減り、負荷電流Iが減ると充電電流Icが増える関係にあるため、負荷30が軽くなると推奨上限電流を超える過電流が蓄電池20に流れる可能性がある。
図3は、図2の電源システム100の電流電圧特性を示す図である。電源システム100の出力電圧Voは、蓄電池20の設定充電電圧より高い電圧に設定される。各電源ユニットPO1〜PO3の左上がり斜め点線は、蓄電池20の電圧上昇に伴い、蓄電池20への充電電流Icが減少していくことを示している。蓄電池20の設定充電電圧に到達した後も蓄電池20への充電電流Icが減少していき、充電が完了すると蓄電池20への充電電流Icがゼロになる。電源システム100の出力電流Ioは定電流に制御されるため、負荷変動(負荷電流Iの変化)に応じて充電電流Icが変化する。なお図3の例では、各電源ユニットPO1〜PO3の出力電圧Vo1〜Vo3の設定値は、電源ユニットPO1>電源ユニットPO2>電源ユニットPO3に設定されている。
鉛蓄電池の推奨充電レートは一般に、0.1〜0.3Cである。以下、蓄電池20の容量が38.0Ah、各電源ユニットPO1〜PO3の出力電流が10.0Aの例を考える。蓄電池20の推奨電流の範囲は3.8(=38.0×0.1)〜11.4(=38.0×0.3)Aとなる。電源ユニットの並列数は3であるため、電源システム100の出力電流は30.0Aとなる。負荷電流Iの範囲を1.0〜24.0Aとすると、充電電流Icの範囲は29.0〜6.0Aとなる。この状態で電源システム100から蓄電池20に充電すると、負荷電流Iが18.6Aを超えていれば、充電電流Icが11.4A以下となり蓄電池20の推奨電流の範囲を満たすが、負荷電流Iが18.6A以下になると充電電流Icが蓄電池20の推奨上限電流を超えてしまう。この対策として、充電専用の電源ユニットを追加して当該充電専用の電源ユニットからトリクル充電することが考えられる。
図4は、トリクル充電方式を採用した電源システム100を説明するための図である。図4の電源システム100は、図2の電源システム100に充電専用の電源ユニットPOc及びダイオードD1を追加した構成である。充電専用の電源ユニットPOcの入力端子および出力端子は、並列接続された3つの電源ユニットPO1〜PO3の結合点と負荷30を結ぶ経路に接続される。充電専用の電源ユニットPOcの出力端子と当該経路との間には、充電専用の電源ユニットPOc側をアノード、当該経路側をカソードとするダイオードD1が挿入される。充電専用の電源ユニットPOcの出力端子は蓄電池20に直接接続される。
充電専用の電源ユニットPOcは、電源ユニットPO1〜PO3の出力電圧を充電電圧に変換するDC−DCコンバータで構成される。この充電電圧は、負荷30に印加される電源ユニットPO1〜PO3の出力電圧より低い値に設定される。従って通常動作時はダイオードD1のアノード側の電位がカソード側の電位より低くなり、充電専用の電源ユニットPOc及び蓄電池20から負荷30に電流が流れない。停電時は電源ユニットPO1〜PO3の出力電圧が低下するため、ダイオードD1のアノード側の電位がカソード側の電位より高くなり、蓄電池20から負荷30に電流が流れる。なお充電専用の電源ユニットPOcをAC−DCコンバータで構成し、当該AC−DCコンバータの入力端子を交流電源に接続してもよい。
図4に示す回路では蓄電池20に推奨上限電流を超える電流が流れることを回避できるが、充電専用の電源ユニットPOcを追加する必要があるためコスト高となり、電源システム100の筐体も大きくなる。以下に説明する本実施の形態では、低コストで回路規模の増大を抑制しつつ、フロート充電時に蓄電池20に過大な電流が流れることを防止できる技術を提案する。
図5は、本発明の実施の形態に係る電源システム100の構成例を示す図である。蓄電池20の充放電用の経路に抵抗R1が挿入される。抵抗R1はシャント抵抗で構成される。抵抗R1の一端とオペアンプAP1の非反転入力端子が抵抗R2を介して接続される。オペアンプAP1の非反転入力端子とグラウンドとの間に抵抗R3が接続され、抵抗R2と抵抗R3の分圧点電圧がオペアンプAP1の非反転入力端子に印加される。
抵抗R1の他端とオペアンプAP1の反転入力端子が抵抗R4を介して接続される。オペアンプAP1の反転入力端子とオペアンプAP1の出力端子は抵抗R5を介して接続される。オペアンプAP1と抵抗R2〜抵抗R5は反転増幅器を構成し、蓄電池20の充電電流Icを検出する充電電流検出部として機能する。
オペアンプAP1の出力端子とオペアンプAP2の反転入力端子が抵抗R7を介して接続される。オペアンプAP2の非反転入力端子には抵抗R6を介して基準電圧Vr1が印加される。オペアンプAP2の反転入力端子とオペアンプAP2の出力端子が、抵抗R8を介して接続される。オペアンプAP2、抵抗R6〜抵抗R8は、オペアンプAP2の非反転入力端子と反転入力端子間の誤差を増幅する誤差増幅器(エラーアンプ)として機能する。当該誤差増幅器は、上記の充電電流検出部で検出された蓄電池20の充電電流Icに応じた電圧を出力する。
当該誤差増幅器の出力端子はダイオードD2を介して電源ユニットPO1のリファレンス電圧Vref端子に接続される。ダイオードD2は当該リファレンス電圧Vref端子側がアノード、当該誤差増幅器側がカソードの向きに接続される。同様に、当該誤差増幅器の出力端子はダイオードD3を介して電源ユニットPO2のリファレンス電圧Vref端子に接続される。ダイオードD3は当該リファレンス電圧Vref端子側がアノード、当該誤差増幅器側がカソードの向きに接続される。同様に、当該誤差増幅器の出力端子はダイオードD4を介して電源ユニットPO3のリファレンス電圧Vref端子に接続される。ダイオードD4は当該リファレンス電圧Vref端子側がアノード、当該誤差増幅器側がカソードの向きに接続される。
電源ユニットPO1の電流バランスCB端子と、電源ユニットPO2の電流バランスCB端子と、電源ユニットPO3の電流バランスCB端子が接続される。電流バランス機能は、並列接続された複数の電源ユニットPO1〜PO3の出力電流が均等になるよう制御する機能である。本実施の形態ではDC−DCコンバータ等、電圧変動の影響を殆ど受けない負荷30を想定している。
図6は、図5の電源システム100の負荷電圧V、充電電流Ic、負荷電流Iの関係を示す図である。充電電流Icが蓄電池20に流れるにつれ蓄電池20の電圧が上昇し、それと共に負荷電圧Vも上昇する。負荷電圧Vが上昇しても負荷電流Iは同じ値を維持する。図5に示すように電源ユニットが3つ並列接続されている場合、各電源ユニットの出力電流は、充電電流Icと負荷電流Iの和を3で割った値を維持する。
図7は、図5の電源ユニットPO1の内部構成例を示す図である。なお3つの電源ユニットPO1〜PO3の内部構成は同じであり、ここでは代表として電源ユニットPO1の内部構成を説明する。
電源ユニットPO1の入力端子INに交流電圧が入力される。整流回路11は交流入力電圧を整流する。整流回路11は例えばダイオードブリッジ回路で構成される。PFC回路12は整流された電圧の力率を改善する。PFC回路12は例えば昇圧チョッパで構成される。
電力変換部13はDC−DCコンバータである。PFC回路12の出力両端はトランスT1の一次巻線の両端に接続される。PFC回路12と一次巻線との間にスイッチング素子M1が挿入される。スイッチング素子M1は例えばMOSFET、IGBT等で構成できる。図6ではスイッチング素子M1としてNチャンネル型のMOSFETを使用している。なお一次側のインバータ部の構成は一例であり、4つのスイッチング素子で構成されるフルブリッジ回路などを使用してもよい。インバータ部に含まれるスイッチング素子は、電源ユニットPO1の出力電圧および出力電流を調整するために使用される。
トランスT1の二次巻数には、ダイオードD10及びダイオードD11で構成される整流回路が接続され、当該二次巻数の両端電圧が整流される。整流された電圧は、インダクタL1及びコンデンサC1で構成される平滑化回路で平滑化される。
電圧検出回路15は、電源ユニットPO1のプラス出力OUT(+)端子とマイナス出力OUT(−)端子との間の電位差を検出して電源ユニットPO1の出力電圧Vo1を検出する。
二次巻数の一端と、電源ユニットPO1のマイナス出力OUT(−)端子との間の経路に抵抗R10が挿入される。なお抵抗R10は二次巻数の一端と、電源ユニットPO1のプラス出力OUT(+)端子との間の経路に挿入されてもよい。電流検出回路14は、抵抗R10の両端電圧を検出して、電源ユニットPO1の出力電流に応じた電圧を出力する。抵抗R11は電流検出回路14の出力経路に挿入され、電流検出回路14の出力端子は抵抗R11を介して電流バランスCB端子に接続される。即ち複数の電源ユニットPO1〜PO3の各電流検出回路14の出力経路の先端が結合される。
オペアンプAP3の非反転入力端子と抵抗R11の一端が抵抗R12を介して接続される。オペアンプAP3の反転入力端子と抵抗R11の他端が抵抗R13を介して接続される。オペアンプAP3の反転入力端子とオペアンプAP3の出力端子が抵抗R14を介して接続される。オペアンプAP3、抵抗R12〜抵抗R14は、抵抗R11の両端電圧を増幅する誤差増幅器(エラーアンプ)として機能する。
並列接続されている複数の電源ユニットPO1〜PO3の出力電流が全て等しい場合は、抵抗R11に電流が流れないが、電流バランスが崩れると出力電流が大きい電源ユニットの電流検出回路14から、出力電流が小さい電源ユニットの電流検出回路14に電流が流れる。従って複数の電源ユニットPO1〜PO3の出力電流をバランスさせるために必要な電流の量および向きに相当する電圧が、オペアンプAP3から出力されることになる。
オペアンプAP3の出力端子と第1ノードN1との間にダイオードD12が接続される。ダイオードD12は、オペアンプAP3の出力端子側をアノード、第1ノードN1側をカソードとする向きに接続される。第1ノードN1には抵抗R16を介して基準電圧Vr2が印加される。また第1ノードN1は抵抗R15を介してリファレンス電圧Vref端子に接続される。
スイッチングコントローラ16は電圧検出回路15の出力電圧をもとに、電源ユニットPO1の出力電圧Vo1を一定に保つようスイッチング素子M1を制御する。またスイッチングコントローラ16は、オペアンプAP3の出力端子と抵抗R16との間のノード電圧をもとに、電源ユニットPO1の出力電流Io1を他の電源ユニットの出力電流とバランスをとりつつ一定に保つようスイッチング素子M1を制御する。
図6に示す例では、スイッチングコントローラ16を誤差増幅器と比較器で構成している。誤差増幅器はオペアンプAP4、抵抗R17及び抵抗R18で構成される。オペアンプAP4の非反転入力端子は、オペアンプAP3の出力端子と抵抗R16との間のノードに接続される。オペアンプAP4の反転入力端子は抵抗R17を介して電圧検出回路15の出力端子に接続される。当該誤差増幅器は、出力電圧Vo1に応じた電圧と出力電流Io1に応じた電圧との誤差を増幅して比較器に出力する。
比較器はオペアンプAP5で構成される。当該比較器は当該誤差増幅器の出力電圧と、図示しない発振器により生成されるクロック信号電圧とを比較して、その比較結果により生成されるPWM信号をスイッチング素子M1の制御端子(ゲート端子)に供給する。
このようにスイッチングコントローラ16は、電源ユニットPO1の出力電圧Vo1及び/又は出力電流Io1に応じてスイッチング素子M1のデューティ比を適応的に変化させ、電源ユニットPO1の出力電圧Vo1及び出力電流Io1を一定に保つよう制御している。
以上の回路構成においてオペアンプAP4は、電源ユニットPO1の出力電流Io1を反映した電圧を参照電圧として、電源ユニットPO1の出力電圧Vo1と比較している。当該参照電圧は、蓄電池20の充電電流Icが蓄電池20の推奨上限電流を超えているとき、充電電流Icの増加に応じて低下するよう制御される。蓄電池20の充電電流Icが蓄電池20の推奨上限電流以下のときは、充電電流Icに応じた電圧低下は発生しない。即ちオペアンプAP3の出力電圧のみを反映した電圧が、オペアンプAP4の非反転入力端子(参照電圧入力端子)に入力される。
具体的には図5の基準電圧Vr1を、蓄電池20の推奨上限電流に対応する電圧に設定する。蓄電池20の充電電流Icが蓄電池20の推奨上限電流を超える電圧まで低下すると、抵抗R15およびダイオードD2が導通するように設計する。即ち蓄電池20の充電電流Icが蓄電池20の推奨上限電流を超えるとき、オペアンプAP2の出力電圧が、ダイオードD2が導通するカソード電圧以下に低下するように設定する。
この設計では蓄電池20の充電電流Icが蓄電池20の推奨上限電流を超えているときは、オペアンプAP3の出力電圧から、蓄電池20の充電電流Icに応じた電圧分低下された電圧が、オペアンプAP4の非反転入力端子に印加されることになる。これによりオペアンプAP4の参照電圧が下がり、電源ユニットPO1の出力電圧Vo1が低下する。まとめるとオペアンプAP4の参照電圧は、蓄電池20の充電電流Icが蓄電池20の推奨上限電流を超えているときは、オペアンプAP3の出力電圧から充電電流Icに応じた成分が除かれた電圧により決定され、蓄電池20の充電電流Icが蓄電池20の推奨上限電流のときは、オペアンプAP3の出力電圧により決定される。
複数の電源ユニットPO1〜PO3間には電流バランス機能が働いているため、複数の電源ユニットPO1〜PO3の出力電圧Vo1〜Vo3は基本的に一致する。蓄電池20の充電電流Icが蓄電池20の推奨上限電流を超えているとき、複数の電源ユニットPO1〜PO3の出力電圧Vo1〜Vo3(=電源システム100の出力電圧Vo)は蓄電池20の充電電流Icの増加に応じて低下する。これにより電源システム100から蓄電池20に供給される電流が減り、充電電流Icが蓄電池20の推奨上限電流以下に収まるように制御される。電源システム100の出力電圧Voの低下に伴い、負荷30に印加される電圧も低下するが、負荷30が例えばDC−DCコンバータである場合、負荷は負荷電圧の変動の影響を殆ど受けない。
以上説明したように本実施の形態によれば、蓄電池20の充電電流Icが蓄電池20の推奨上限電流を超えると、電源システム100の出力電圧Voを低下させて充電電流Icに制限をかける。これによりフロート充電において、蓄電池20の充電電流Icを適正な範囲に保つことができる。しかも図4に示したような充電専用の電源ユニットPOcが不要であり、アナログ素子の追加だけで実現できる。従って低コストかつ回路規模の増大を抑制しつつ、充電電流Icを適正な範囲に保つことができる。
また充電電流Icが蓄電池20の推奨上限電流を超えたとき、複数の電源ユニットPO1〜PO3の一部の電流供給を停止させるのではなく、均等に電流を絞ることにより複数の電源ユニットPO1〜PO3の負担を均一化できる。従って複数の電源ユニットPO1〜PO3の寿命を平準化でき、電源ユニットの交換のタイミングを平準化できる。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
上述の説明では、電源システム100に商用電源から交流電圧が入力される例を説明したが、発電装置などから直流電圧が入力される構成であってもよい。その場合、電源ユニット内の整流回路11及びPFC回路12が不要になる。また上述の説明では蓄電池20として鉛蓄電池を例として挙げたが、定電圧充電に対応した蓄電池であればよく、リチウムイオン蓄電池に本実施の形態に係る技術を適用することも可能である。
100 電源システム、 PO1,PO2,PO3 電源ユニット、 20 蓄電池、 30 負荷、 POc 電源ユニット、 D1,D2,D3,D4,D10,D11 ダイオード、 C1 コンデンサ、 L1 インダクタ、 AP1,AP2,AP3,AP4,AP5 オペアンプ、 Vr1,Vr2 基準電圧、 M1 スイッチング素子、 R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8,R10,R11,R12,R13,R14,R15,R16,R17,R18 抵抗、 11 整流回路、 12 PFC回路、 13 電力変換部、 14 電流検出回路、 15 電圧検出回路、 16 スイッチングコントローラ、 T1 トランス。

Claims (1)

  1. 負荷と二次電池が並列に接続された並列システムに、電源を供給するフロート充電用の電源システムであって、
    並列接続された複数のスイッチング電源装置と、
    前記二次電池の充電電流を検出する充電電流検出部と、を備え、
    前記複数のスイッチング電源装置は、各スイッチング電源装置の出力電流を均等化するための電流バランス機能を有し、
    前記スイッチング電源装置は、
    当該スイッチング電源装置の出力電圧および出力電流を調整するためのスイッチング素子を含む電力変換部と、
    当該スイッチング電源装置の出力電圧と参照電圧を比較する第1のアンプと、
    前記第1のアンプの出力電圧をもとに、当該スイッチング電源装置の出力電圧を一定に保つよう前記スイッチング素子を制御するスイッチング制御回路と、
    当該スイッチング電源装置の出力電流を検出する出力電流検出部と、
    前記出力電流検出部の出力経路に挿入された抵抗と、
    前記抵抗の両端電圧を増幅する第2のアンプと、を有し、
    前記複数のスイッチング電源装置の各出力電流検出部の出力経路の先端が結合されており、
    前記第1のアンプの参照電圧は、前記充電電流検出部により検出された充電電流が前記二次電池の推奨上限電流を超えているとき、前記第2のアンプの出力電圧から前記充電電流に応じた成分が除かれた電圧により決定され、前記充電電流が前記二次電池の推奨上限電流以下のとき、前記第2のアンプの出力電圧により決定されることを特徴とするフロート充電用の電源システム。
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