JP6213722B2 - 観察試料固定器具 - Google Patents

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本発明は、試料をラマン顕微鏡等の試料観察装置で観察する際に該試料を固定するための観察試料固定器具に関する。
例えば、二次電池の研究開発において正極及び負極等の電池要素の表面における成分分布や成分の構造変化を知るためにラマン顕微鏡による観察が行われる。このとき、観察対象試料である前記電池要素は、例えば特許文献1及び非特許文献1に記載のような観察試料固定器具に収容された上で、ラマン顕微鏡のステージ上にセットされる。
特許文献1及び非特許文献1に記載の観察試料固定器具は、試料観察用の透明な窓を備えた容器である。これらの観察試料固定器具は、例えば上面中央に凹部を有する平板状の本体と、前記凹部と対向する位置に透明な窓を有する平板状の蓋から成り、該蓋の下面には窓を囲むようにOリングが取り付けられている。この観察試料固定器具を使用する際には、前記凹部にシート状の試料、例えば正極材料片や負極材料片を収容し、本体にOリングと蓋を載せて固定した上で、該観察試料固定器具をラマン顕微鏡のステージ上に載置して前記窓を介した観察を行う。
特開2012-233707号公報
"不活性雰囲気ラマン測定用密閉容器 LIBcell",[online],ナノフォトン株式会社,[平成25年8月15日検索],インターネット<http://www.nanophoton.jp/products/libcell/index.html>
しかし、上記特許文献1及び非特許文献1に記載のような観察試料固定器具では、シート状の試料が窓と平行に配置されるため、ラマン顕微鏡等による観察及び測定を行えるのは該試料の内、窓と対向している一面のみである。しかしながら、例えばリチウムイオン二次電池の構成部材である正極及び負極はアルミニウムや銅の箔(集電体)の表面に電極材料を塗工又はプレスすることで作成されており、該正極・負極における電気化学的な反応や変化は前記電極材料表面から集電体に至る電極の厚さ方向全体において生じていると考えられる。そのため、上記のような観察試料固定器具を用いた観察では、こうした電極における反応や変化を十分に捉えることができないという問題があった。あるいは、前記構成部材の各々について観察及び測定を行うためには、観察試料固定器具から各構成部材を取り出し、観察及び測定を行おうとする構成部材を収容しなおす必要があった。
本発明は上記の点に鑑みて成されたものであり、その目的とするところはシート状の試料に対しその厚さ方向全体に亘ってラマン顕微鏡等の試料観察装置による観察を行うことを可能とする観察試料固定器具を提供することにある。
上記課題を解決するために成された本発明に係る観察試料固定器具は、シート状の試料を固定して試料観察装置に装着される観察試料固定器具であって、
a)底面、及び該底面と直交し前記シート状の試料の一方の面と対向する試料対向面を備えた第一挟持部材と、
b)底面、及び該底面と直交し前記シート状の試料の他方の面と対向する試料対向面を備えた第二挟持部材と、
を有し、
前記第一挟持部材の前記試料対向面と前記第二挟持部材の前記試料対向面とで前記シート状の試料を挟持することにより該試料を固定し、前記第一挟持部材の前記試料対向面と前記第二挟持部材の前記試料対向面の間から露出する前記シート状の試料の上端面を前記試料観察装置による観察に供することを特徴としている。
このような構成によれば、シート状の試料を前記底面に対して垂直に固定することができるため、該試料の断面をラマン顕微鏡等で観察することが可能となる。また、上記構成から成る観察試料固定器具は、ラマン顕微鏡のほか、電子顕微鏡や電子線マイクロアナライザなど各種の試料観察装置による観察に適用可能である。
また、本発明に係る観察試料固定器具は、更に、
c)下向きの凹溝を有し、前記シート状の試料を挟持した状態の前記第一挟持部材と前記第二挟持部材の前記試料対向面に平行な方向の両端部のそれぞれに該凹溝を上方から嵌合させることにより前記第一挟持部材及び前記第二挟持部材を互いに固定する一対の嵌合部材、
を有し、前記両端部において、前記第一挟持部材及び/又は前記第二挟持部材が、前記試料対向面から離れる方向に下降する傾斜面を有すると共に、前記嵌合部材の前記凹溝が前記傾斜面と当接する傾斜面を有しているものとすることが望ましい。
このような構成によれば、嵌合部材から第一挟持部材及び第二挟持部材に加わる力(例えば嵌合部材の自重による力)が前記傾斜面で鉛直方向及び水平方向の成分に分解される。このうち水平方向の成分は第一挟持部材と第二挟持部材とを接近させるように作用するため、これにより試料を第一挟持部材及び第二挟持部材で押圧して確実に固定することができる。
本発明に係る観察試料固定器具は、更に、
d)前記シート状の試料を挟持し、前記嵌合部材により互いに固定された前記第一挟持部材及び前記第二挟持部材を収容可能な凹部を上面に備えた平板状の台座部と、
e)前記凹部に対応する位置に厚さ方向の貫通孔が設けられ、該貫通孔に試料観察用の透明な窓板が気密に取り付けられる平板状の蓋部と、
f)前記台座部と前記蓋部の間に挟持され、前記凹部の周囲を気密に封止する封止手段と、
g)前記台座部と前記蓋部を互いに固定する固定手段と、
を有するものとすることが望ましい。
このような構成によれば、試料周辺を密閉空間とした状態で各種の測定や観察を行うことが可能となる。
なお、上述の第一挟持部材及び第二挟持部材による試料の押圧力の大きさは、前記第一挟持部材及び/又は第二挟持部材の傾斜面と前記嵌合部材の凹溝の傾斜面の角度に依存する。
そこで、本発明に係る観察試料固定器具は、前記第一挟持部材及び/又は前記第二挟持部材、並びに嵌合部材として前記傾斜面の角度が異なるものを複数セット有するものとすることが望ましい。
これにより、試料の厚みや強度に応じて前記複数セットの中から適当なものを選択して使用することで試料の押圧力を適切に設定することができるため、脆弱な試料であっても破損することなく確実に固定することができる。
また、本発明に係る観察試料固定器具は、更に、
h)前記シート状の試料の一方の面及び他方の面をそれぞれ観察試料固定器具の外部に設けられた端子に電気的に接続するための電気的接続手段、
を有するものとすることが望ましい。
このような構成によれば、前記端子を所定の測定装置等に接続することにより観察試料固定器具内に固定された試料に対して電気化学的な測定を行うことが可能となり、更に該測定を行った試料を別の観察用容器に移し替えることなく試料観察装置による観察を行うことができる。また更に、端子を介して試料に通電しながら試料観察装置による観察を行うこともできるため、該通電による試料の電気化学的な反応や変化を高い時間分解能で且つ試料の厚さ方向全体に亘って観察することができる。
以上の通り、本発明に係る観察試料固定器具によれば、シート状の試料をその厚さ方向全体に亘ってラマン顕微鏡等の試料観察装置により観察することが可能となる。
本発明の一実施例による観察試料固定器具の分解斜視図。 同実施例における第一挟持部材を示す図であって、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は下面図、(d)は斜め前方から見た斜視図、(e)は斜め下方から見た斜視図である。 同実施例における第二挟持部材を示す図であって、(a)は背面図、(b)は左側面図、(c)は下面図、(d)は斜め後方から見た斜視図、(e)は斜め下方から見た斜視図である。 同実施例における嵌合部材を示す図であって、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は側面図、(d)は斜め側方から見た斜視図、(e)は斜め下方から見た斜視図である。 同実施例における台座部を示す図であって、(a)は上面図、(b)はA-A矢視断面図、(c)はB-B矢視断面図である。 同実施例における蓋部を示す図であって、(a)は上面図、(b)は下面図、(c)はA-A矢視断面図、(d)はB-B矢視断面図である。 同実施例における窓枠を示す図であって、(a)は上面図、(b)、正面図、(c)はA-A矢視断面図である。 試料の固定方法を説明する模式図。 嵌合部材により第一挟持部材及び第二挟持部材に付与される力を示す模式図。 第一挟持部材の変形例を示す図であって、(a)は上面図、(b)はA-A矢視断面図、(c)は右側面図、(d)は斜め前方から見た斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明を行う。
図1は本発明の一実施例による観察試料固定器具の分解斜視図である。本実施例に係る観察試料固定器具は、台座部10、第一挟持部材20、第二挟持部材30、嵌合部材40、蓋部60、及び窓枠70を含んでおり、シート状の試料を第一挟持部材20と第二挟持部材30の間に挟んで保持する構成となっている。なお、本実施例において前記各部材はテフロン(登録商標)等のフッ素樹脂から構成されたものとするが、各部の構成材料はこれに限定されるものではない。なお、同図では簡略化のため、窓枠70を蓋部60に固定するためのビス、並びに台座部10と蓋部60を互いに固定するためのボルト及びナットを省略している。以下、説明の便宜上、図1中のX軸の矢頭方向を前、Y軸の矢頭方向を上、Z軸の矢頭方向を右として、前後、上下、及び左右を定義する。
第一挟持部材20は、図2に示すように、直方体形状の本体21と、本体21から前方に突出した試料載置台22と、本体21の右側面及び左側面からそれぞれ側方に突出した二つの延伸部23とを備えている。本体21は、底面21c及び該底面21cに垂直且つ平坦な第一試料対向面21bを有している。試料載置台22は、少なくとも上下方向及び左右方向の寸法が本体21よりも小さく、その上面22aの位置が本体21の上面21aの位置よりも低くなるように形成されている。延伸部23は、いずれも上下方向及び前後方向の寸法が本体21よりも小さく、断面形状が略直角三角形となっている。また、第一挟持部材20には、同図に示すようにSUS等から成る金属板81aが取り付けられている。金属板81aは幅広の両端部と幅狭の中間部を有し、中間部で直角に屈曲した形状となっている。両端部は、その一方が第一試料対向面21bの一部を被覆し、他方が底面21cの一部を被覆するように配置され、それぞれ皿ビス24によって第一試料対向面21b及び底面21cに固定されている。
第二挟持部材30は、図3に示すように、直方体形状の本体31と、本体31の下部に設けられた載置台受容部32と、本体31の右側面及び左側面からそれぞれ側方に突出した二つの延伸部33とを備えている。本体31は、底面31c及び該底面31cに垂直且つ平坦な第二試料対向面31bを有している。載置台受容部32は、前記第一挟持部材20の試料載置台22と嵌合するものであり、少なくとも上下方向及び左右方向の寸法が本体31よりも小さく、第二試料対向面31bの前記試料載置台と対向する位置に開口している。延伸部33は、いずれも上下方向及び前後方向の寸法が本体31よりも小さく、断面形状が略直角三角形となっている。また、第二挟持部材30には、同図に示すようにSUS等から成る金属板81bと金属板81cが取り付けられている。これらの金属板81b、81cは、第二挟持部材30の左右に互いに離間して配置されており、いずれも幅広の両端部と幅狭の中間部を有し、中間部で直角に屈曲した形状となっている。また、いずれも両端部の一方が第二試料対向面31bの一部を被覆し、他方が底面31cの一部を被覆するように配置され、それぞれ皿ビス34によって第二試料対向面31b及び底面31cに固定されている。
嵌合部材40は、図4に示すような略コの字型の形状を有しており、第一挟持部材20及び第二挟持部材30の左右両端に取り付けられて両者を互いに固定するものである。なお、本実施例による観察試料固定器具は嵌合部材40を二つ備えているが、両者はいずれも同一形状となっている。嵌合部材40の下面には、第一挟持部材20の左右の延伸部23、及び第二挟持部材30の左右の延伸部33と嵌合する断面二等辺三角形の凹溝41が形成されている。また、嵌合部材40の上面には、後述するバネの下端を収容するための円形の窪みであるバネ受け部42が設けられている。
台座部10は、図5に示すように、平面視で長方形の平板であって、その上面中央には前記第一挟持部材20、第二挟持部材30、及び嵌合部材40の下部を収容するための略直方体形状の凹部から成る挟持部材下部収容部11が設けられている。また、挟持部材下部収容部11の周囲には、略直方体形状の凹部から成る三つの下部金属板収容部12a、12b、12cが設けられており、各下部金属板収容部12a、12b、12cは挟持部材下部収容部11と連通している。各下部金属板収容部12a、12b、12cの内底面にはそれぞれSUS等の金属から成る金属板82a、82b、82cが収容される(図1参照)。これらの金属板82a、82b、82cは、それぞれ両端部が幅広となっており、その一方が下部金属板収容部12a、12b、12cに配置され、他方が挟持部材下部収容部11内に配置される。なお、台座部10には、図示しないボルトを挿通するための貫通孔であるボルト孔13が挟持部材下部収容部11及び下部金属板収容部12a、12b、12cを囲むように8箇所設けられている。
蓋部60は、図6に示すように台座部10とほぼ同一の外形を有する平面視で長方形の平板であって、その下面中央には前記第一挟持部材20、第二挟持部材30、及び嵌合部材40の上部を収容するための略直方体形状の凹部から成る挟持部材上部収容部61が設けられている。また、挟持部材上部収容部61の中央には試料を観察するための円形の貫通孔から成る窓孔62が設けられており、その左右両側には、後述するバネの上端を収容するための円形の窪みであるバネ受け部63が設けられている。蓋部60の上面には前記窓孔62に向かって段階的に低くなる同心円状の段差が二段設けられている。以下、該同心円状の段差の内、外側の段差(高い方の面)を第一段差面64と呼び、内側の段差(低い方の面)を第二段差面65と呼ぶ。なお、第一段差面64には、後述の窓枠70を取り付けるためのビスが螺入されるビス孔66が8箇所設けられている。更に、挟持部材上部収容部61の周囲には、前記台座部10の下部金属板収容部12a、12b、12cに対応する位置に三つの上部金属板収容部67a、67b、67cが設けられている。上部金属板収容部67a、67b、67cは、いずれも直方体状の凹部であり、その中央には円形の貫通孔68a、68b、68cが設けられている。これらの上部金属板収容部67a、67b、67cにはそれぞれSUS等の金属から成る金属板84a、84b、84cが収容される(図1参照)。金属板84a、84b、84cは、それぞれ上面に金属棒から成る端子85a、85b、85cが取り付けられており、該端子85a、85b、85cを前記貫通孔68a、68b、68cに下方から挿通させることにより、各金属板84a、84b、84cが上部金属板収容部67a、67b、67c内に配置されると共に蓋部60の上面から各端子85a、85b、85cが突出した状態となる。なお、蓋部60にも、上述の台座部10のボルト孔と対応する位置に8個のボルト孔69が設けられている。
台座部10と蓋部60の間には、フッ素樹脂等の軟質材料から成るパッキン50が配置される(図1参照)。パッキン50は、平面視で台座部10及び蓋部60とほぼ同一寸法である矩形のシート材であり、その中央部には、挟持部材下部収容部11、下部金属板収容部12a、12b、12c、挟持部材上部収容部61、及び上部金属板収容部67a、67b、67cを避けるように矩形の孔51が設けられている。なお、該パッキン50にも、上述の台座部10のボルト孔と対応する位置に8個のボルト孔52が設けられている。
窓枠70は、蓋部60に窓板74を取り付けるための円形の部材であり、図7に示すように、該窓枠70の中央には円形の貫通孔71が設けられ、その周囲には前記蓋部60のビス孔66と対応する位置に貫通孔から成るビス孔72が設けられている。また、窓枠70の下面には貫通孔71を囲むようにして下方に突出した円環状の凸部73が設けられている。
蓋部60に窓板74を取り付ける際には、図1に示すように、まずOリング75を蓋部60の第二段差面65に載せ、その上に石英等から成る透明な円形の窓板74を載置する。なお、Oリング75としては、内径が窓孔62の径よりも大きく、外径が第二段差面65の外径よりも小さいものを使用する。また、窓板74は直径がOリング75の内径よりも大きく、第二段差面65の外径よりも小さいものを使用する。その後、窓板74の上に窓枠70を載せ、図示しないビスにより該窓枠70を蓋部60に固定する。これにより、蓋部60の窓孔62に窓板74が取り付けられ、且つ該窓孔62の周縁部と窓板74の間がOリング75により封止された状態となる。
続いて、本発明に係る観察試料固定器具によって試料を固定する際の手順について説明する。ここでは、電池を構成する負極板、セパレータ、及び正極板をこの順に重ねたものを試料Sとした二極式での使用例とするが、参照極を置いた三極式として使用することもできる。
まず、グローブボックス内に上記観察試料固定器具を構成する各部材及び試料Sを収容し、該グローブボックス内を不活性雰囲気とする。なお、蓋部60には、グローブボックスに収容する前に予め上記手順によってOリング75、窓板74、及び窓枠70を取り付けておく。
次に、試料Sを第一挟持部材20、第二挟持部材30及び嵌合部材40にセットする。その際には、まず図8(a)に示すように試料Sを第一挟持部材20の試料載置台22に載置する。このとき、試料Sが第一試料対向面21bと略平行となるようにする。続いて、第二試料対向面31bを試料Sに向けた状態で第二挟持部材30を第一挟持部材20に接近させ、試料載置台22を載置台受容部32に嵌挿することにより、第一挟持部材20と第二挟持部材30を結合させる。これにより、試料Sが第一挟持部材20の第一試料対向面21bと第二挟持部材30の第二試料対向面31bとの間に挟持された状態となる。また、第一挟持部材と第二挟持部材の断面直角三角形の延伸部23、33同士が近接することにより、両者を併せた断面形状が略二等辺三角形となる。更にこのとき、シート状の試料Sの一方の面(例えば正極側の面)は第一試料対向面21bに設けられた金属板81aと接触し、他方の面(例えば負極側の面)は第二試料対向面31bに設けられた金属板81b、81cと接触した状態となる。次に、図8(b)に示すように、第一挟持部材20及び第二挟持部材30の左右両端に嵌合部材40を上方から取り付ける。なお、上述のように、嵌合部材40の下部に設けられた凹溝41の断面形状は、第一挟持部材20と第二挟持部材30の延伸部23、33同士を組み合わせて成る略二等辺三角形の断面形状に対応しているため、第一挟持部材20及び第二挟持部材30に嵌合部材40を取り付けることにより、嵌合部材40の凹溝41の下向きの傾斜面と延伸部23、33の上向きの傾斜面とが接触することとなる。
次に、試料Sをセットした第一挟持部材20、第二挟持部材30、及び嵌合部材40(以下、「挟持部材等」と総称することがある)を台座部10及び蓋部60によって封止する。その際には、まず図1に示すように、台座部10の下部金属板収容部12a、12b、12cに金属板82a、82b、82cを収容した上で、前記挟持部材等を挟持部材下部収容部11に収容する。これにより、第一挟持部材20の金属板81aと前記の金属板82a、第二挟持部材30の金属板81b、81cと前記の金属板82b、82cがそれぞれ接触した状態となる。その後、前記挟持部材等にセットした試料Sに電解液を滴下することにより、該試料Sを構成する正極板、セパレータ、及び負極板の間に前記電解液を介在させる。
続いて、台座部10の上面にパッキン50を載せると共に、台座部10の下部金属板収容部12a、12b、12cにそれぞれ圧縮コイルバネ(以下単にバネと呼ぶ)83a、83b、83cを載せ、更に嵌合部材40のバネ受け部42にバネ86を載せてその上から蓋部60を載置する。このとき、蓋部60の上部金属板収容部67a、67b、67cには予め上述の金属板84a、84b、84cを収容しておく。これにより、上記のように蓋部60を載置した際に、金属板82a、82b、82cとバネ83a、83b、83cの下端、及びバネ83a、83b、83cの上端と金属板84a、84b、84cが接触した状態となる。最後に、台座部10の下部からボルト孔13、52、69にボルト(図示略)を挿通し、蓋部60の上方で該ボルトに蝶ナット(図示略)を取り付けて締結することで蓋部60と台座部10を互いに固定する。
以上により、シート状の試料Sが窓板74に対して垂直に固定されると共に、パッキン50及びOリング75により該試料Sの周囲が気密に封止される。また、試料Sと端子85a、85b、85cが、金属板81a、81b、81c、金属板82a、82b、82c、バネ83a、83b、83c、及び金属板84a、84b、84cを介して電気的に接続された状態となる。
更に、バネ86により嵌合部材40が下方に付勢され、その付勢力により嵌合部材の下向きの傾斜面が第一挟持部材20及び第二挟持部材30の延伸部23、33の上向きの傾斜面を押圧する。このときの押圧力Fは、図9に示すように、前記傾斜面で水平方向の成分F及び鉛直方向の成分Fに分解される。その結果、前記水平方向の成分Fにより試料Sと金属板81a、81b、81cとが圧着され、前記鉛直方向の成分Fにより金属板81a、81b、81cと金属板82a、82b、82cとが圧着される。そのため、これらの接触部に隙間が生じることがなく、上記のような電気的接続を確実に達成することができる。
なお、これらの圧着力の強さは、前記バネ86のバネレート、並びに第一挟持部材及び第二挟持部材の延伸部23、33の前記傾斜面及び凹溝41の前記傾斜面の角度に依存する。そこで、前記バネ86としてバネレートの異なるものを複数種類用意したり、前記第一挟持部材20、第二挟持部材30、及び嵌合部材40として前記傾斜面の角度が異なるものを複数セット用意したりして、試料Sの厚さや強度に応じて適当なものを選択できるようにすることが望ましい。
以上により試料Sの固定が完了したら、観察試料固定器具をグローブボックスから取り出し、例えばラマン顕微鏡等の試料観察装置のステージに載置して、窓板74を介した観察を行う。また、観察試料固定器具内には試料Sである正極板、セパレータ、及び負極板、並びに電解液により二次電池が構築された状態であるため、前記端子85a、85b、85cを充電装置や測定装置に接続することにより、該二次電池の充放電試験等の電気化学的な測定を行うこともできる。
以上のように、本実施例に係る観察試料固定器具によれば、シート状の試料Sを窓板74に対して垂直に配置することができるため、該シート状試料Sの断面をラマン顕微鏡等の試料観察装置で観察することが可能となる。また、観察試料固定器具内で外気と遮断された状態の試料Sに対して電気化学的な測定を行うことができると共に、該測定を行った試料Sを別の観察用容器に移し替えることなく試料観察装置で観察することも可能となる。また更に、端子85a、85b、85cを介して試料Sの充放電を行いながら試料観察装置による観察を行うこともできるため、該充放電の過程における正極・負極での電気化学的な反応や変化を高い時間分解能で且つ前記電極材料表面から集電体に至る電極の厚さ方向全体に亘って観察することができる。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を挙げて説明を行ったが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲で適宜変更が許容される。
例えば、上記実施例では、第一挟持部材20、第二挟持部材30、嵌合部材40、台座部10、蓋部60、及び窓枠70をフッ素樹脂から成るものとしたが、これに限らず各種の材料を採用することができる。なお、前記材料として樹脂を用いる場合には、上述のようなボルト及びナットによる締結により観察試料固定器具に歪みが生じるのを防ぐため、台座部10の底面に金属等から成る補強板を配置することが望ましい。該補強板は平面視で台座部10と略同一の寸法及び形状とし、例えば、ビスやボルト等によって台座部10に固定する。
また、図10に示すように、第一挟持部材20の試料載置台22の上面に、頂点を上に向けた三角柱状の二つの突起25を互いに平行且つ前後方向に延伸するように設けた構成としてもよい。これにより、試料Sの下辺を二点で支持することができるため、試料の上辺を窓板74に対し確実に平行な状態とすることができる。
また、嵌合部材40の上にバネ86を配置せず、嵌合部材40自身の重みによって第一挟持部材20及び第二挟持部材30と台座部10との圧着、及び第一挟持部材20及び第二挟持部材30と試料Sとの圧着を達成する構成としてもよい。この場合、嵌合部材40は比重の大きい金属等の材料で構成することが望ましい。
10…台座部
20…第一挟持部材
21b…第一試料対向面
21c…底面
22…試料載置台
23…延伸部
30…第二挟持部材
31b…第二試料対向面
31c…底面
32…載置台受容部
33…延伸部
40…嵌合部材
41…凹溝
50…パッキン
60…蓋部
62…窓孔
70…窓枠
74…窓板
75…Oリング
81a〜c、82a〜c、84a〜c…金属板
83a〜c、86…バネ
85a〜c…端子

Claims (4)

  1. シート状の試料を固定して試料観察装置に装着される観察試料固定器具であって、
    a)底面、及び該底面と直交し前記シート状の試料の一方の面と対向する試料対向面を備えた第一挟持部材と、
    b)底面、及び該底面と直交し前記シート状の試料の他方の面と対向する試料対向面を備えた第二挟持部材と、
    c)下向きの凹溝を有し、前記シート状の試料を挟持した状態の前記第一挟持部材と前記第二挟持部材の前記試料対向面に平行な方向の両端部のそれぞれに該凹溝を上方から嵌合させることにより前記第一挟持部材及び前記第二挟持部材を互いに固定する一対の嵌合部材、
    を有し、前記両端部において前記第一挟持部材及び/又は前記第二挟持部材が、前記試料対向面から離れる方向に下降する傾斜面を有すると共に、前記嵌合部材の前記凹溝が前記傾斜面と当接する傾斜面を有するものであって、
    前記第一挟持部材の前記試料対向面と前記第二挟持部材の前記試料対向面とで前記シート状の試料を挟持することにより該試料を固定し、前記第一挟持部材の前記試料対向面と前記第二挟持部材の前記試料対向面の間から露出する前記シート状の試料の上端面を前記試料観察装置による観察に供することを特徴とする観察試料固定器具。
  2. 更に、
    d)前記シート状の試料を挟持し、前記嵌合部材により互いに固定された前記第一挟持部材及び前記第二挟持部材を収容可能な凹部を上面に備えた平板状の台座部と、
    e)前記凹部に対応する位置に厚さ方向の貫通孔が設けられ、該貫通孔に試料観察用の透明な窓板が気密に取り付けられる平板状の蓋部と、
    f)前記台座部と前記蓋部の間に挟持され、前記凹部の周囲を気密に封止する封止手段と、
    g)前記台座部と前記蓋部を互いに固定する固定手段と、
    を有することを特徴とする請求項に記載の観察試料固定器具。
  3. 前記第一挟持部材及び/又は前記第二挟持部材、並びに嵌合部材として、前記傾斜面の角度が異なるものを複数セット有することを特徴とする請求項に記載の観察試料固定器具。
  4. 更に、
    h)前記シート状の試料の一方の面及び他方の面をそれぞれ観察試料固定器具の外部に配置された端子に電気的に接続するための電気的接続手段、
    を有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の観察試料固定器具。
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