以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。臨床検査の結果を示す検査データは、通常、横軸に検査日を示し、縦軸に検査値を示すグラフで表示される場合が多い。ひとつのグラフに複数の検査項目を表示させた場合には、検査日を同期してグラフ表示させることができるが、複数の検査項目に応じた複数の目盛により見にくくなる場合がある。検査項目毎に上下にグラフ表示することが考えられるが、横軸は検査のあった期間(又は、検査した日毎)で表示されるため、利用者が、期間(又は、検査日)が異なる検査項目同士を比較する際、複数の検査項目の値の経過を時系列順で同期させて理解することが難しい。
本実施例では、複数の検査項目について、夫々の検査日群が一致しない場合であっても、複数の検査項目の値の経過を時系列順で同期させて分かり易く表示する。
本実施例における医療システム1000は、例えば、図1に示すようなネットワーク構成を有する。図1は、医療システムのネットワーク構成例を示す図である。図1において、医療システム1000は、サーバ100と、複数の利用者端末4とを有する。医療システム1000において、サーバ100と複数の利用者端末4とはネットワーク2を介して接続される。
サーバ100は、少なくともCPU(Central Processing Unit)と記憶部130とを有するコンピュータ装置である。記憶部130は、検査データDB31を含む種々のデータベースと、作業領域9とを有する。検査データDB31は、患者毎に患者の検査結果を記憶したデータベースである。作業領域9は、各利用者端末4からの要求に応じて、検査データDB31を用いた本実施例に係る表示処理で参照又は作成されたデータを展開するための、利用者端末4毎の作業領域である。
利用者端末4は、利用者3によって使用されるコンピュータ端末であり、本実施例に係る表示処理部40を有する。利用者端末4は、サーバ100とネットワーク2を介して接続し、表示処理部40による表示処理を実行する。
表示処理部40は、後述されるように、利用者によって指定された期間に基づいて、複数の検査項目間の検査した日付(検査日)を全て網羅した時間軸を用いて検査項目毎に上下にグラフ表示する。
本実施例において、利用者とは、医師、看護師等の医療に係る行為を実施する者を言う。また、ネットワーク2は、有線に限定されず、無線であっても良い。
図2は、利用者端末のハードウェア構成を示す図である。図2において、利用者端末4は、コンピュータによって制御される端末であって、CPU(Central Processing Unit)11と、主記憶装置12と、補助記憶装置13と、入力装置14と、表示装置15と、通信I/F(インターフェース)17と、ドライブ装置18とを有し、バスBに接続される。
CPU11は、主記憶装置12に格納されたプログラムに従って利用者端末4を制御する。主記憶装置12には、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等が用いられ、CPU11にて実行されるプログラム、CPU11での処理に必要なデータ、CPU11での処理にて得られたデータ等を格納する。また、主記憶装置12の一部の領域が、CPU11での処理に利用されるワークエリアとして割り付けられている。
補助記憶装置13には、ハードディスクドライブが用いられ、各種処理を実行するためのプログラム等のデータを格納する。補助記憶装置13に格納されているプログラムの一部が主記憶装置12にロードされ、CPU11に実行されることによって、各種処理が実現される。
入力装置14は、マウス、キーボード等を有し、利用者が利用者端末4による処理に必要な各種情報を入力するために用いられる。表示装置15は、CPU11の制御のもとに必要な各種情報を表示する。通信I/F17は、ネットワーク2に接続し、サーバ100との間の通信制御をするための装置である。通信I/F17による通信は無線又は有線に限定されるものではない。
利用者端末4によって行われる処理を実現するプログラムは、例えば、CD−ROM(Compact Disc Read-Only Memory)等の記憶媒体19によって利用者端末4に提供される。
ドライブ装置18は、ドライブ装置18にセットされた記憶媒体19(例えば、CD−ROM等)と利用者端末4とのインターフェースを行う。
また、記憶媒体19に、後述される本実施の形態に係る種々の処理を実現するプログラムを格納し、この記憶媒体19に格納されたプログラムは、ドライブ装置18を介して利用者端末4にインストールされる。インストールされたプログラムは、利用者端末4により実行可能となる。
尚、プログラムを格納する媒体としてCD−ROMに限定するものではなく、コンピュータが読み取り可能な媒体であればよい。コンピュータ読取可能な記憶媒体として、CD−ROMの他に、DVDディスク、USBメモリ等の可搬型記録媒体、フラッシュメモリ等の半導体メモリであっても良い。
図3は、利用者端末の機能構成例を示す図である。図3において、利用者端末4は、表示処理部40によって、サーバ100の記憶部130にアクセスし、表示処理を行う。表示処理部40は、パターン選択部41と、項目選択部42と、グラフ表示部43とを有する。
パターン選択部41は、グラフ表示する検査項目パターンを利用者に選択させるパターン選択処理を行う。
項目選択部42は、利用者から対象期間を取得し、パターン選択部41によって利用者が選択した検査項目パターンに応じて、対象期間における患者に係る検査項目を検査データDB31から得て表示し、利用者にグラフ表示する検査項目の選択をさせる項目選択処理を行う。
患者に係る検査項目を表示する際には、選択履歴DB34を参照して、選択される可能性の高い順に表示する。また、利用者が選択した検査項目パターンによっては、更に、カルテDB32及び検査項目パターンDBの1つ又は両方が参照される。
グラフ表示部43は、項目選択部42によって利用者が選択した1以上の検査項目に対して、対象期間における検査日を全て抽出して、横軸に抽出した日付を時系列順に並べたグラフを表示する。
グラフ表示部43は、抽出した日付を複数の検査項目で共通に持たせて、日付毎に検査値を対応付けたグラフを作成する。グラフ表示部43は、各検査項目において、検査値の無い日付では推測値を適応する。各検査項目において、患者に行われた複数の検査項目の全ての検査日を網羅したマージテーブル35が、記憶部130に作成される。
グラフ表示部43は、マージテーブル35を用いて、検査項目毎にグラフを作成して、複数の検査項目のグラフを縦に並べて表示する。よって、利用者は、複数の検査項目の値の経過を時系列順で同期させて理解し易くなる。
上述したような表示処理部40をサーバ100に備えるようにしても良い。この場合、各利用者端末4は、サーバ100の表示処理部40を利用すればよい。
次に、各データベース31〜34について、データ構成例を示す。図4は、検査データDBのデータ構成例を示す図である。図4において、検査データDB31は、患者毎に、検査データを記憶したデータベースであり、患者毎に、検査項目名、正常範囲、単位、検査日等の項目を有する。ここでは、患者「山田 太郎」さんの検査データ例を示し、本実施例に関連する項目のみを示している。
検査項目名は、患者「山田 太郎」さんが過去に検査した全ての検査項目が示される。正常範囲は、予め定められた検査値の正常範囲を示す。単位は、検査値の単位を示す。検査日は、検査項目名で一覧される1以上の検査項目が実施された日付を示す。従って、各日付に対して、全ての検査値が存在するわけではない。
この患者「山田 太郎」さんの検査データ例では、検査項目名「総コレステロール」に対して、少なくとも検査日「2012/9/1」、「2013/1/2」、「2013/1/3」、「2013/4/2」、「2013/5/3」に検査値が存在する。
また、検査項目名「血清アルブミン」に対して、少なくとも検査日「2012/9/1」、「2013/1/2」、「2013/1/3」、「2013/5/3」に検査値が存在する。この例において、検査日「2013/4/2」には血清アルブミンの値は存在しない。
更に、検査項目名「ヘモグロビン」に対して、少なくとも検査日「2013/1/2」、「2013/4/2」、「2013/5/3」に検査値が存在する。この例において、検査日「2012/9/1」、「2013/1/3」にはヘモグロビンの値は存在しない。
また、検査項目名「BMI」に対して、少なくとも検査日「2012/9/1」に検査値が存在する。この例において、検査日「2013/1/2」、「2013/1/3」、「2013/4/2」、「2013/5/3」にはBMIの値は存在しない。
図5は、カルテDBのデータ構成例を示す図である。図5において、カルテDB32は、患者毎の診療に関する記録を管理するデータベースであり、患者ID、患者名、病名、入院期間、食種等の項目を有する。ここでは、患者「山田 太郎」さんのカルテDB32のデータ構成例を示し、本実施例に関連する項目のみを示している。
患者IDは、患者を一意に特定する識別情報を示す。患者名は、患者の名前を示す。
病名は、医師が診断した患者「山田 太郎」さんの病名を示す。入院期間は、診断された疾病のために、患者「山田 太郎」さん入院した期間を示す。食種は、入院時の病態に応じた食事の種類を示す。
この患者「山田 太郎」さんのカルテ例では、「山田 太郎」さんに対して、病名「高血圧」、「糖尿病」、「肝臓病」、「△△病」等が診断されている。そのうち、「肝臓病」で入院歴があり、その入院時の食種は「肝臓病食」であったことが示されている。また、「△△病」でも入院歴があり、その入院時の食種は「一般食」であったことが示されている。
図6は、検査項目パターンDBのデータ構成例を示す図である。図6において、検査項目パターンDB33は、病名毎に、一般的に選択される検査項目のセットをパターンとして記憶し管理するデータベースであり、病名、検査項目パターン等の項目を有する。
病名は、医師が診断する病名を示す。検査項目パターンは、通常選択される検査項目のセットをパターンとして示す。
この検査項目パターンDB33のデータ構成例では、病名「高血圧」の検査項目パターンは、「総コレステロール、ZTT、コロイド反応、尿酸」であることを示し、他病名についても、一般的に医師が選択する1以上の検査項目のセットが示される。
図7は、選択履歴DBのデータ構成例を示す図である。図7において、選択履歴DB34は、患者毎に、過去に選択した検査項目を選択履歴として記憶し管理するデータベースであり、患者ID、選択情報、選択回数等の項目を有する。
患者IDは、患者の保険証番号等の患者を一意に識別可能な番号を示す。選択情報は、利用者が過去に選択した検査項目を示す。選択回数は、利用者が、同一患者に対して同じ検査項目を選択した回数を示す。
患者「山田 太郎」さんの患者ID「123456789012」に対して、過去に利用者が選択した検査項目及び選択回数は、「血清アルブミン」が「7」回、「高血圧」が「6」回、「ヘモグロビン」が「3」回、及び、「糖尿病」が「4」回あったことを示している。
選択履歴DB34において、利用者及び患者の組合せ毎に選択情報を記憶するようにしても良い。この場合、同一患者であっても、利用者毎で選択情報に対する選択回数を管理することができる。
図8は、マージテーブルのデータ構成例を示す図である。図8において、マージテーブル35は、グラフ表示部43によって作成されるテーブルであり、抽出検査日、検査項目等の項目を有する。
抽出検査日は、グラフ表示部43の日付抽出部44によって、検査データDB31から抽出された検査日全てを示す。抽出された検査日は、対象期間であって、利用者によって選択された検査項目のいずれかの値が存在する日付を示す。
検査項目は、各抽出検査日に対して、患者が受けた検査項目の値を示す。検査項目によっては、抽出検査日に対して値が存在しない場合がある。値が存在しない場合、後述されるように推定値が設定される。
このマージテーブル35のデータ構成例は、図4に例示される検査データDB31に基づく、「山田 太郎」さんの場合を示している。この例では、対象期間が「2013/1/2」から「2013/5/3」で指定されたとする。また、利用者によって、検査項目「血清アルブミン」と「ヘモグロビン」とが選択されたとする。
グラフ表示部43の日付抽出部44によって、指定された対象期間で検査項目「血清アルブミン」と「ヘモグロビン」のいずれかの値が設定されている日付が抽出される。図4の例では、
「2013/1/2」
「2013/1/3」
「2013/4/2」
「2013/5/3」
の4日分が抽出される。
抽出された4日分の日付のうち、「血清アルブミン」に関しては、「2013/4/2」に検査値は存在しない。また、「ヘモグロビン」に関しては、「2013/1/3」に検査値は存在しない。夫々の検査値として、推測した値を適用する。
次に、本実施例に係る表示処理の流れを画面遷移で説明する。先ず、利用者によって表示処理が実行されると、利用者端末4の表示装置15に表示されるパターン選択画面について説明する。図9は、パターン選択画面の例を示す図である。図9に例示されるパターン選択画面G90は、パターン選択部41によって利用者端末4に表示され、グラフ表示する検査項目パターンを利用者に選択させる。
ここでは、以下のような、利用者が選択する検査項目の候補として(1)〜(7)のパターンを示している。例えば、
(1) 任意の複数のグラフを選択する
(2) 病歴から選択する
(3) 異常値から選択する
(4) 隠れている異常値から選択する
(5) 変動率の大きい検査項目から選択する
(6) 隠れている変動率の大きい検査項目から選択する
(7) 食種から選択する
利用者は、パターン選択画面G90からパターン(1)〜(7)のいずれかを選択する。パターン選択部41は、利用者が選択したパターンに応じた処理を行う。以下に説明するパターン毎の画面遷移では、患者IDは既に取得済みであるとする。
上述において、変動率は、対象期間又は所定期間に対して、開始時の検査値と終了時の検査値とを結んだ直線の傾きに相当する。従って、正の傾きであれば上昇率を示し、負の傾きであれば下降率を示す。
図10は、利用者がパターン(1)を選択した場合の画面遷移例を説明する。図10において、利用者がパターン選択画面G90から任意の複数のグラフを選択するパターン(1)を選択すると、画面G911が表示装置15に表示される。
画面G911において、利用者によって対象期間91aが入力されると、項目選択部42によってパターン(1)に応じた検査項目が抽出される。「※必要なグラフを選択して下さい。」等のメッセージ91bが表示され、抽出検査項目91cに、項目選択部42によって抽出された「総コレステロール」、「血清アルブミン」、「ヘモグロビン」等の検査項目が、利用者によって選択可能に表示される。
画面G912は、利用者がメッセージ91bに促され、抽出検査項目91cから検査項目を選択した状態を示している。この例では、利用者は、「血清アルブミン」と「ヘモグロビン」とをグラフ表示したい検査項目として選択している。
画面G913は、グラフ表示部43によって、利用者が選択した検査項目毎に作成されたグラフを縦に並べて表示した画面例を示している。画面G913では、全てのグラフの横軸の日付が一致している。縦軸は各検査項目に応じた単位を示す。
図11は、利用者がパターン(2)を選択した場合の画面遷移例を説明する。図11において、利用者がパターン選択画面G90から病歴から選択するパターン(2)を選択すると、画面G921が表示装置15に表示される。
画面G921において、利用者によって対象期間92aが入力されると、項目選択部42によってパターン(2)に応じた検査項目が抽出される。「※確認したい疾病を選択してください。」等のメッセージ92bが表示され、疾病一覧92c、項目選択部42によって抽出された「高血圧」、「糖尿病」、「肝臓病」等の疾病が、利用者によって選択可能に表示される。
画面G922は、利用者がメッセージ92bに促され、疾病一覧92cから疾病を選択した状態を示している。この例では、利用者は、「高血圧」を確認したい疾病として選択している。
利用者による確認したい疾病の選択後、画面G923が表示される。画面G923では、項目選択部42によって抽出された疾病「高血圧」に関連する検査項目が、抽出検査項目92eに示される。また、「※関連して表示したグラフを選択してください。」等のメッセージ92dが表示される。
画面G924は、利用者がメッセージ92dに促され、抽出検査項目92eから検査項目を選択した状態を示している。この例では、利用者は、「総コレステロール」と「ZTT」とをグラフ表示したい検査項目として選択している。
画面G925は、グラフ表示部43によって、利用者が選択した検査項目毎に作成されたグラフを縦に並べて表示した画面例を示している。画面G925では、全てのグラフの横軸の日付が一致している。縦軸は各検査項目に応じた単位を示す。
図12は、利用者がパターン(3)を選択した場合の画面遷移例を説明する。図12において、利用者がパターン選択画面G90から異常値から選択するパターン(3)を選択すると、画面G931が表示装置15に表示される。
画面G931において、利用者によって対象期間93aが入力されると、項目選択部42によってパターン(3)に応じた検査項目が抽出される。「※異常データが存在する検査項目は次の通りです。表示したいグラフを選択してください。」等のメッセージ93bが表示され、抽出検査項目93cに、項目選択部42によって抽出された「総コレステロール」、「血清アルブミン」、「ヘモグロビン」、「ALP」等の検査項目が、利用者によって選択可能に表示される。
画面G932は、利用者がメッセージ93bに促され、抽出検査項目93cから検査項目を選択した状態を示している。この例では、利用者は、「総コレステロール」と「血清アルブミン」とをグラフ表示したい検査項目として選択している。
画面G933は、グラフ表示部43によって、利用者が選択した検査項目毎に作成されたグラフを縦に並べて表示した画面例を示している。画面G933では、全てのグラフの横軸の日付が一致している。縦軸は各検査項目に応じた単位を示す。
このパターン(3)に応じた項目選択部42による処理において、異常データを検出しなかった場合の処理例について、図13で説明する。図13は、利用者がパターン(3)を選択した場合の他の画面遷移例を説明する。図13において、利用者がパターン選択画面G90から任意の複数のグラフを選択するパターン(1)を選択すると、画面G911が表示装置15に表示される。
画面G931において、利用者によって対象期間93aが入力されると、項目選択部42がパターン(3)に応じた処理を行う。その結果、利用者が入力した対象期間93aにおいて検査項目に異常値が無かった場合、「※異常データが存在しませんでした。」等のメッセージ93b−2が表示される。この場合、検査項目は抽出されないため、グラフ表示対象となる検査項目の一覧は表示されない。
項目選択部42において、このような処理に加えて更に、指定された対象期間93aの前後で検査項目の異常値を検出するようにしても良い。
対象期間93aの前後とは、検査データDB31に記憶される患者の検査データから対象期間93aを除いた期間、又は、対象期間93aより古い記録へ所定期間遡った前え期間と、対象期間93aより新しい記録へ所定期間進めた後ろ期間とによる前後期間をいう。
この場合には、画面G931において、「※対象期間で異常データはありませんが、期間外で異常データがあります。表示したい検査項目のグラフを選択してください。」等のメッセージ93b−4が表示される。また、項目選択部42によって抽出された抽出検査項目93c−4が表示される。抽出検査項目93c−4には、期間外で異常データがあった検査項目として「総コレステロール」、「血清アルブミン」、「ヘモグロビン」等が、利用者によって選択可能に一覧表示される。
画面G932は、利用者がメッセージ93b−4に促され、抽出検査項目93c−4から検査項目を選択した状態を示している。この例では、利用者は、「総コレステロール」と「血清アルブミン」とをグラフ表示したい検査項目として選択している。
画面G933は、グラフ表示部43によって、利用者が選択した検査項目毎に作成されたグラフを縦に並べて表示した画面例を示している。画面G933では、全てのグラフの横軸の日付が一致している。縦軸は各検査項目に応じた単位を示す。
また、対象期間93aの前後で検査項目の異常値を検出しなかった場合、「※異常データが存在しませんでした。」等のメッセージ93b−2を表示する。
図14は、利用者がパターン(4)を選択した場合の画面遷移例を説明する。図14において、利用者がパターン選択画面G90から隠れている異常値から選択するパターン(4)を選択すると、画面G941が表示装置15に表示される。
画面G941において、利用者によって対象期間94aが入力されると、項目選択部42によってパターン(4)に応じた検査項目が抽出される。「※対象期間の前後に異常値があります。表示したい検査項目のグラフを選択してください。」等のメッセージ94bが表示され、抽出検査項目94cに、項目選択部42によって抽出された「総コレステロール」、「血清アルブミン」、「ヘモグロビン」、「BMI」等の検査項目が、利用者によって選択可能に表示される。
画面G942は、利用者がメッセージ94bに促され、抽出検査項目94cから検査項目を選択した状態を示している。この例では、利用者は、「総コレステロール」と「血清アルブミン」とをグラフ表示したい検査項目として選択している。
画面G943は、グラフ表示部43によって、利用者が選択した検査項目毎に作成されたグラフを縦に並べて表示した画面例を示している。画面G943では、全てのグラフの横軸の日付が一致している。縦軸は各検査項目に応じた単位を示す。
図15は、利用者がパターン(5)を選択した場合の画面遷移例を説明する。図15において、利用者がパターン選択画面G90から変動率の大きい検査項目から選択するパターン(5)を選択すると、画面G951が表示装置15に表示される。
画面G951において、利用者によって対象期間95aが入力されると、項目選択部42によってパターン(5)に応じた検査項目が抽出される。「※変動率の大きい検査項目は次のとおりです。表示したいグラフを選択してください。」等のメッセージ95bが表示され、抽出検査項目95cに、項目選択部42によって抽出された「総コレステロール」、「血清アルブミン」、「ヘモグロビン」、「ZTT」、「ALP」等の検査項目が、利用者によって選択可能に表示される。
画面G952は、利用者がメッセージ95bに促され、抽出検査項目95cから検査項目を選択した状態を示している。この例では、利用者は、「総コレステロール」と「血清アルブミン」とをグラフ表示したい検査項目として選択している。
画面G953は、グラフ表示部43によって、利用者が選択した検査項目毎に作成されたグラフを縦に並べて表示した画面例を示している。画面G953では、全てのグラフの横軸の日付が一致している。縦軸は各検査項目に応じた単位を示す。
図16は、利用者がパターン(6)を選択した場合の画面遷移例を説明する。図16において、利用者がパターン選択画面G90から隠れている変動率の大きい検査項目から選択するパターン(6)を選択すると、画面G961が表示装置15に表示される。
画面G961において、利用者によって対象期間96aが入力されると、項目選択部42によってパターン(6)に応じた検査項目が抽出される。「※対象期間の前後に変動率の大きい検査項目は次のとおりです。表示したいグラフを選択して下さい。」等のメッセージ96bが表示され、抽出検査項目96cに、項目選択部42によって抽出された「総コレステロール」、「血清アルブミン」、「ヘモグロビン」、「ZTT」、「ALP」等の検査項目が、利用者によって選択可能に表示される。
画面G962は、利用者がメッセージ96bに促され、抽出検査項目96cから検査項目を選択した状態を示している。この例では、利用者は、「総コレステロール」と「血清アルブミン」とをグラフ表示したい検査項目として選択している。
画面G963は、グラフ表示部43によって、利用者が選択した検査項目毎に作成されたグラフを縦に並べて表示した画面例を示している。画面G963では、全てのグラフの横軸の日付が一致している。縦軸は各検査項目に応じた単位を示す。
図17は、利用者がパターン(7)を選択した場合の画面遷移例を説明する。図17において、利用者がパターン選択画面G90から食種から選択するパターン(7)を選択すると、画面G971が表示装置15に表示される。
画面G971において、利用者によって対象期間97aが入力されると、項目選択部42によってパターン(7)に応じた検査項目が抽出される。「※表示したい食種を選択してください。」等のメッセージ97bが表示され、抽出検査項目97cに、項目選択部42によって抽出された「肝臓病食」、「一般食」等の検査項目が、利用者によって選択可能に表示される。
画面G972は、利用者がメッセージ97bに促され、抽出検査項目97cから検査項目を選択した状態を示している。この例では、利用者は、「肝臓病食」とをグラフ表示したい検査項目として選択している。
項目選択部42は、利用者によって選択された「肝臓病食」に基づいて、検査項目パターンDB33から、「肝臓病」に対応する項目で示される複数の検査項目から、利用者に選択させる。
画面G973は、グラフ表示部43によって、利用者が選択した、「肝臓病食」に基づく検査項目毎に作成されたグラフを縦に並べて表示した画面例を示している。画面G973では、全てのグラフの横軸の日付が一致している。縦軸は各検査項目に応じた単位を示す。
次に、項目選択部42によって実行される上述したパターン(1)〜(7)別の各処理について説明する。
図18は、パターン(1)の処理を説明するためのフローチャート図である。図18において、項目選択部42は、カルテDB32から、患者IDを用いて患者名を取得し、患者IDと患者名とを含む画面G911(図10)を表示装置15に表示する(ステップS11)。
表示装置15に表示した画面G911での、利用者の対象期間91aの入力によって、項目選択部42は、対象期間91aを取得し(ステップS12)、検査データDB31から、対象期間91aに値が存在する検査項目を抽出する(ステップS13)。
項目選択部42は、選択履歴DB34を参照して、抽出した検査項目を選択される可能性の高い順に画面G911の抽出検査項目91cに一覧表示する(ステップS14)。利用者による抽出検査項目91cからの選択によって(画面G912)、項目選択部42は、利用者が値の推移を確認したい検査項目を取得する(ステップS15)。そして、グラフ処理部43によるグラフ表示処理が実行される(ステップS16)。グラフ表示(画面G913)により、この処理を終了する。
図19は、パターン(2)の処理を説明するためのフローチャート図である。図19において、項目選択部42は、カルテDB32から、患者IDを用いて患者名を取得し、患者IDと患者名とを含む画面G921(図11)を表示装置15に表示する(ステップS21)。
表示装置15に表示した画面G921での、利用者の対象期間92aの入力によって、項目選択部42は、対象期間92aを取得する(ステップS22)。
項目選択部42は、カルテDB32から、患者IDを用いて患者の病名を取得して画面G921に表示する(ステップS23)。画面G921に表示された患者の病名から利用者が選択することによって(画面G922)、項目選択部42は、利用者が検査項目の値の推移を確認したい疾病の病名を取得する(ステップS24)。
そして、項目選択部42は、検査項目パターンDBを参照して、取得した病名に対応する検査項目を取得する(ステップS25)。
そして、項目選択部42は、検査データDB31の患者の検査データのうち、対象期間92bで値が存在する検査項目を抽出して(ステップS26)、選択履歴DB34を参照して、抽出した検査項目を選択される可能性の高い順に画面G923に一覧表示する(ステップS27)。
画面G923に表示された検査項目の一覧から利用者が選択することで(画面G924)、項目選択部42は、利用者が値の推移を確認したい検査項目を取得する(ステップS28)。そして、グラフ表示部43によるグラフ表示処理が実行される(ステップS29)。グラフ表示(画面G925)により、この処理を終了する。
図20は、パターン(3)の処理を説明するためのフローチャート図である。図20において、項目選択部42は、カルテDB32から、患者IDを用いて患者名を取得し、患者IDと患者名とを含む画面G931(図12)を表示装置15に表示する(ステップS31)。
表示装置15に表示した画面G931での、利用者の対象期間93aの入力によって、項目選択部42は、対象期間93aを取得する(ステップS32)。
その後、項目選択部42は、検査データDB31を参照して、対象期間93aに異常値を示す検査項目があるか否かを判断する(ステップS33)。
異常値を示す検査項目があった場合(ステップS33のYES)、項目選択部42は、検査データDB31から、対象期間93aに値が存在する検査項目のうち、異常値を検出した検査項目を抽出し(ステップS34−2)、選択履歴DB34を参照して、抽出した検査項目を選択される可能性の高い順に画面G931の抽出検査項目93cに一覧表示する(ステップS34−4)。
利用者による抽出検査項目93cからの選択によって(画面G932)、項目選択部42は、利用者が値の推移を確認したい検査項目を取得する(ステップS34−6)。ここで、一旦、検査項目毎にグラフ表示しても良い。
次に、項目選択部42は、検査データDB31から、対象期間93aに値が存在する検査項目を抽出する(ステップS35−2)。項目選択部42は、選択履歴DB34を参照して、抽出した検査項目を選択される可能性の高い順に一覧表示する(ステップS35−4)。
利用者による検査項目の選択によって、項目選択部42は、利用者が値の推移を確認したい検査項目を取得する(ステップS35−6)。
項目選択部42は、ステップS34−6及びS35−6から取得したグラフ表示する検査項目の重複を削除する(ステップS36)。ステップS35−4において、ステップS34−6で利用者が選択した検査項目を除いて一覧表示することで、このステップS36での処理を省略してもよい。
そして、グラフ表示部43によるグラフ表示処理が実行される(ステップS37)。グラフ表示(画面G933)により、この処理を終了する。
一方、対象期間に異常値を示す検査項目がない場合(ステップS33のNO)、検査データDB31を参照して、対象期間93aの前後に異常値を示す検査項目があるか否かを判断する(ステップS38)。
対象期間93aの前後にも異常値を示す検査項目がない場合(ステップS38のNO)、項目選択部42は、画面G931に「※異常データが存在しませんでした。」等のメッセージ93b−2(図13)を表示して(ステップS38−2)、ステップS35−2へと進む。
一方、対象期間93aの前後に異常値を示す検査項目があった場合(ステップS38のYES)、項目選択部42は、画面G931に「※対象期間で異常データはありませんが、期間外で異常データがあります。表示したい検査項目のグラフを選択してください。」等のメッセージ93b−4(図13)を表示して(ステップS38−4)、ステップS34−2へと進む。
この場合、項目選択部42は、検査データDB31を参照して、対象期間93aの前後で異常値を示す検査項目が対象期間93aに値が存在する場合、その検査項目を抽出する。ステップS33以降の処理は上述したとおりであるので、その説明を省略する。画面G933によるグラフ表示の後、この処理は終了する。
対象期間93a又は対象期間93a前後にて異常値を示す検査項目のみをグラフ表示させる場合、上述したステップS35−2からS36を省略してもよい。
図21は、パターン(4)の処理を説明するためのフローチャート図である。図21において、項目選択部42は、カルテDB32から、患者IDを用いて患者名を取得し、患者IDと患者名とを含む画面G941(図14)を表示装置15に表示する(ステップS41)。
表示装置15に表示した画面G941での、利用者の対象期間94aの入力によって、項目選択部42は、対象期間94aを取得する(ステップS42)。
そして、項目選択部42は、検査データDB31から、対象期間94aの前後の所定期間で異常値を示す検査項目を抽出する(ステップS44−2)。項目選択部42は、選択履歴DBを参照して、抽出した検査項目を選択される可能性の高い順に画面G941の抽出検査項目94cに一覧表示する(ステップS44−4)。
利用者による抽出検査項目93cからの選択によって(画面G942)、項目選択部42は、値の推移を確認したい検査項目を取得する(ステップS44−6)。ここで、一旦、検査項目毎にグラフ表示を行っても良い。
次に、項目選択部42は、検査データDB31から、対象期間94a及び対象期間94a前後の所定期間に値が存在する検査項目を抽出する(ステップS45−2)。項目選択部42は、選択履歴DB34を参照して、抽出した検査項目を選択される可能性の高い順に一覧表示する(ステップS45−4)。
利用者による検査項目の選択によって、項目選択部42は、利用者が値の推移を確認したい検査項目を取得する(ステップS45−6)。
項目選択部42は、ステップS44−6及びS45−6から取得したグラフ表示する検査項目の重複を削除する(ステップS46)。ステップS45−4において、ステップS44−6で利用者が選択した検査項目を除いて一覧表示することで、このステップS36での処理を省略してもよい。
そして、グラフ表示部43によるグラフ表示処理が実行される(ステップS47)。グラフ表示(画面G943)により、この処理を終了する。
対象期間94a前後にて異常値を示す検査項目のみをグラフ表示させる場合、上述したステップS45−2からS46を省略してもよい。
図22は、パターン(5)の処理を説明するためのフローチャート図である。図22において、項目選択部42は、カルテDB32から、患者IDを用いて患者名を取得し、患者IDと患者名とを含む画面G941(図15)を表示装置15に表示する(ステップS51)。
表示装置15に表示した画面G951での、利用者の対象期間95aの入力によって、項目選択部42は、対象期間95aを取得する(ステップS52)。
そして、項目選択部42は、検査データDB31から、対象期間95aで変動率が所定範囲外を示す検査項目を抽出する(ステップS54−2)。項目選択部42は、抽出した検査項目を変動率の大きい順に画面G951の抽出検査項目95cに一覧表示する(ステップS54−4)。
利用者による抽出検査項目95cからの選択によって(画面G952)、項目選択部42は、値の推移を確認したい検査項目を取得する(ステップS54−6)。ここで、一旦、検査項目毎にグラフ表示を行っても良い。
次に、項目選択部42は、検査データDB31から、対象期間95a及び対象期間95a前後の所定期間に値が存在する検査項目を抽出する(ステップS55−2)。項目選択部42は、選択履歴DB34を参照して、抽出した検査項目を選択される可能性の高い順に一覧表示する(ステップS55−4)。
利用者による検査項目の選択によって、項目選択部42は、利用者が値の推移を確認したい検査項目を取得する(ステップS55−6)。
項目選択部42は、ステップS54−6及びS55−6から取得したグラフ表示する検査項目の重複を削除する(ステップS56)。ステップS55−4において、ステップS54−6で利用者が選択した検査項目を除いて一覧表示することで、このステップS56での処理を省略してもよい。
そして、グラフ表示部43によるグラフ表示処理が実行される(ステップS57)。グラフ表示(画面G953)により、この処理を終了する。
対象期間94aにおいて、変動率が所定範囲外の検査項目のみをグラフ表示させる場合、上述したステップS55−2からS56を省略してもよい。
図23は、パターン(6)の処理を説明するためのフローチャート図である。図23において、項目選択部42は、カルテDB32から、患者IDを用いて患者名を取得し、患者IDと患者名とを含む画面G961(図16)を表示装置15に表示する(ステップS61)。
表示装置15に表示した画面G961での、利用者の対象期間96aの入力によって、項目選択部42は、対象期間96aを取得する(ステップS62)。
そして、項目選択部42は、検査データDB31から、対象期間96aの前後の所定期間で変動率が所定範囲外を示す検査項目を抽出する(ステップS64−2)。項目選択部42は、抽出した検査項目を変動率の大きい順に画面G961の抽出検査項目96cに一覧表示する(ステップS64−4)。
利用者による抽出検査項目96cからの選択によって(画面G962)、項目選択部42は、値の推移を確認したい検査項目を取得する(ステップS64−6)。ここで、一旦、検査項目毎にグラフ表示を行っても良い。
次に、項目選択部42は、検査データDB31から、対象期間95a及び対象期間95a前後の所定期間に値が存在する検査項目を抽出する(ステップS65−2)。項目選択部42は、選択履歴DB34を参照して、抽出した検査項目を選択される可能性の高い順に一覧表示する(ステップS65−4)。
利用者による検査項目の選択によって、項目選択部42は、利用者が値の推移を確認したい検査項目を取得する(ステップS65−6)。
項目選択部42は、ステップS64−6及びS65−6から取得したグラフ表示する検査項目の重複を削除する(ステップS66)。ステップS65−4において、ステップS64−6で利用者が選択した検査項目を除いて一覧表示することで、このステップS66での処理を省略してもよい。
図24は、パターン(7)の処理を説明するためのフローチャート図である。図24において、項目選択部42は、カルテDB32から、患者IDを用いて患者名を取得し、患者IDと患者名とを含む画面G971(図17)を表示装置15に表示する(ステップS71)。
項目選択部42は、カルテDB32を参照して、患者IDに関連付けられるカルテの食種に値が存在するか否かを確認することによって、患者が入院しているか否かを判断する(ステップS72)。入院していないと判断した場合、項目選択部42は、この処理を終了する。
一方、入院していると判断した場合、項目選択部42は、選択履歴DBを参照して、選択される可能性の高い順に画面G971の抽出検査項目97cに食種を一覧表示する(ステップS73)。
利用者による抽出検査項目97cからの選択によって(画面G972)、項目選択部42は、値の推移を確認したい食種を取得する(ステップS74)。
項目選択部42は、検査項目パターンDB31を参照して、食種に基づく病名から検査項目を取得する(ステップS75)。
項目選択部42は、取得した検査項目のうち、検査データDBにおいて対象期間に該当する検査項目を抽出し(ステップS76)、選択履歴DBを参照して、抽出した検査項目を選択される可能性の高い順に一覧表示する(ステップS77)。抽出した検査項目は、例えば、図11に例示したようなパターン(2)の画面G923の抽出検査項目92のように、画面972の内容に加えて一覧表示される。
利用者が一覧表示された検査項目からの選択によって、項目選択部42は、値の推移を確認したい検査項目を取得する(ステップS78)。
そして、グラフ表示部43によるグラフ表示処理が実行される(ステップS79)。グラフ表示(画面G973)により、この処理を終了する。
次に、グラフ表示部43によるグラフ表示処理について説明する。図25は、グラフ表示処理を説明するためのフローチャート図である。図25において、グラフ表示部43の日付抽出部44は、検査データDB32の患者IDに関連付けられた検査データから、対象期間において、検査項目の値が存在する日付を抽出する(ステップS81)。
例えば、日付抽出部44は、1件目の検査項目の値が存在する日付を抽出して、マージテーブル35に記憶する。その際、日付毎に1レコードを割り当てる。日付抽出部44は、2件目の検索項目の値が存在する日付を抽出して、マージテーブル35に同一日付が存在する場合には、レコードの追加を行わず、マージテーブル35に存在しない場合に、当該日付を記憶したレコードを追加する。このような処理を全ての検査項目に対して行う。
日付抽出部44は、全ての検査項目に対して日付を抽出すると、マージテーブル35を日付で昇順に並べる(ステップS82)。
次に、グラフ表示部43の検査毎グラフ作成部45は、検査データDB32の患者IDに関連付けられた検査データを参照して、対象期間内の検査項目の検査値をマージテーブル35の該当する日付にプロットする(ステップS83)。
検査毎グラフ作成部45は、マージテーブル35内の処理中の検査項目に関して、並べた日付に該当する検査値がない場合、前後の検査値を直線で結んで、検査値のない日付に対して推測値を算出する(ステップS84)。算出した推測値は、マージテーブル35内の該当する日付に対応付けて設定される。
そして、検査毎グラフ作成部45は、検査項目全て終了したか否かを判断する(ステップS85)。検査値のプロットを終了していない検査項目が未だ存在する場合、検査毎グラフ作成部45は、ステップS83へと戻り、次の検査項目に対して上記同様の処理を繰り返す。
一方、検査毎グラフ作成部45は、マージテーブル35を用いて、検査項目毎のグラフを生成して、縦に並べて表示する(ステップS86)。
図26は、推測値が設定されたマージテーブルのデータ例を示す図である。図26に示すマージテーブル35は、図8に示すマージテーブル35のデータ例に対して、検査毎グラフ作成部45によって推測値が設定された例を示している。
検査項目「血清アルブミン」に関して、検査値が存在しない日付「2013/4/2」に対して、検査毎グラフ作成部45は、当該前後の値「2.0」及び「3.5」から推測値「2.7」を得て設定している。
また、検査項目「ヘモグロビン」に関して、検査値が存在しない日付「2013/1/3」に対して、検査毎グラフ作成部45は、当該前後の値「132.0」及び「90.0」から推測値「110.0」を得て設定している。
図27は、本実施例におけるグラフ表示例を示す図である。図27では、対象期間を日付「2013/1/2」から日付「2013/5/3」までとした、検査毎グラフ作成部45によって作成されたマージテーブル35(図26)に基づくグラフ表示例を示している。グラフは、横軸にマージテーブル35に示される日付全てを示し、縦軸に検査項目毎の所定単位を示す。
マージテーブル35の各値(実際の検査値又は推測値)は、直線で結ばれている。実際の検査値は、直線上で黒点(●)で示され、27a及び27bに示すように、推測値には黒点(●)は付されない。
このように、値を直線で結ぶことによって、検査値の変動を把握し易くすることができる。また、実際の検査値には黒点(●)等のマークで示し、推測値にはマークを付さないことにより、グラフの確認時に容易にその違いを理解できる。
また、横軸の日付が検査項目間で同期しているため、各検査項目において最小値となる時期(日付)にずれがあることが分かる。検査項目「血清アルブミン」では、日付「2013/1/3」で最小値を示しているが、検査項目「ヘモグロビン」では、日付「2013/4/2」で最小値を示している。利用者は、このようなずれを直感的に認識することができる。
更に、本実施例では、検査項目の値の存在しない日付に対して推測値を算出するため、不自然に値「0」を示す日付が存在しない。従って、検査値の推移をより適切に表すことができる。
図28は、本実施例を適応しなかった場合のグラフ表示例を示す図である。図28では、対象期間内において、実際の検査値が存在する日付のみを横軸に示した場合のグラフ表示例を示している。
実際の検査値及び検査値が対応する日付は、図27と同様であるが、本実施例を適応しなかった場合では、横軸の日付が検査項目間で同期しないため、検査項目「血清アルブミン」が最小値となる時期(日付「2013/1/3」)と、検査項目「ヘモグロビン」が最小値となる時期(「2013/4/2」)とが同じ時期のように見えてしまう。
従って、利用者は、横軸の日付を読みながら、検査値の変化過程を把握する必要があるため、複数の検査項目間で検査値の変化過程を把握することは容易ではない。
本実施例を適用した場合の他のグラフ表示例を図29で示す。図29は、本実施例における他のグラフ表示例を示す図である。図29では、対象期間内で変動率が所定範囲外の検査項目「血糖」のグラフ表示例を示している。
血糖値の正常範囲70mg/dlから110mg/dlに対して、患者の血糖値は、対象期間(日付「2011/5/2」から日付「2013/5/3」)において正常範囲内であったが、対象期間の開始日「2011/5/2」と終了日「2013/5/3」との値から得られる変動率が所定範囲外の場合は、グラフ表示の候補となる。
利用者は、検査項目「血糖」を選択し、図29に例示されるようなグラフを確認することによって、患者の血糖値の推移を正常範囲内であっても確認することができるため、患者の健康状態の変化を正常範囲内のうちから確認することができる。
上述より、本実施例によれば、複数の検査項目について検査結果をグラフ表示する際には、夫々の検査日群が一致しない場合であっても、時系列順を分かり易く表示することができる。
また、利用者によって指定された対象期間に基づいて検査項目を絞り込むため、利用者はグラフ表示させる検査項目の選択を容易に行うことができる。
本発明は、具体的に開示された実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
以上の実施例を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
第1の検査項目についての検査結果と第2の検査項目についての検査結果の双方をコンピュータに表示させる表示処理プログラムにおいて、
前記第2の検査項目についての検査結果が記録された第1の検査日群に含まれず、前記第2の検査項目についての検査結果が記録された第2の検査日群に含まれる検査日を前記第1の検査日群に加えたものに対応する第3の検査日群に含まれる各検査日に対応させて、前記第1の検査項目及び前記第2の検査項目のそれぞれについて記録された検査結果を配列表示する、
処理を前記コンピュータに実行させる表示処理プログラム。
(付記2)
前記コンピュータは、前記第1の検査項目と前記第2の検査項目のそれぞれに対して、前記第3の検査日群において検査結果の存在しない検査日には、推測値を対応付けることを特徴とする付記1記載の表示処理プログラム。
(付記3)
前記コンピュータは、前記第1の検査項目及び前記第2の検査項目を、利用者によって指定された期間に基づいて抽出することを特徴とする付記1又は2記載の表示処理プログラム。
(付記4)
前記コンピュータは、前記第1の検査項目及び前記第2の検査項目を、利用者によって指定された病名に基づいて抽出することを特徴とする付記1又は2記載の表示処理プログラム。
(付記5)
前記コンピュータは、前記第1の検査項目及び前記第2の検査項目を、利用者によって指定された期間において、異常値を示した場合に抽出することを特徴とする付記1又は2記載の表示処理プログラム。
(付記6)
前記コンピュータは、前記第1の検査項目及び前記第2の検査項目を、利用者によって指定された期間外において、異常値を示した場合に抽出することを特徴とする付記1記載の表示処理プログラム。
(付記7)
前記コンピュータは、前記第1の検査項目及び前記第2の検査項目を、利用者によって指定された期間において、変動率が所定範囲外の場合に抽出することを特徴とする付記1又は2記載の表示処理プログラム。
(付記8)
前記コンピュータは、前記第1の検査項目及び前記第2の検査項目を、利用者によって指定された期間前後の所定期間のいずれかにおいて、変動率が所定範囲外の場合に抽出することを特徴とする付記1又は2記載の表示処理プログラム。
(付記9)
前記コンピュータは、前記第1の検査項目及び前記第2の検査項目を、患者の入院時の食種に基づく病名に基づいて抽出することを特徴とする付記1又は2記載の表示処理プログラム。
(付記10)
第1の検査項目についての検査結果と第2の検査項目についての検査結果の双方を表示する表示処理方法において、
前記第2の検査項目についての検査結果が記録された第1の検査日群に含まれず、前記第2の検査項目についての検査結果が記録された第2の検査日群に含まれる検査日を前記第1の検査日群に加えたものに対応する第3の検査日群に含まれる各検査日に対応させて、前記第1の検査項目及び前記第2の検査項目のそれぞれについて記録された検査結果を配列表示する、
ことを特徴とする表示処理方法。
(付記11)
第1の検査項目についての検査結果と第2の検査項目についての検査結果の双方を表示するグラフ表示部を有し、
前記グラフ表示部は、
前記第2の検査項目についての検査結果が記録された第1の検査日群に含まれず、前記第2の検査項目についての検査結果が記録された第2の検査日群に含まれる検査日を前記第1の検査日群に加えたものに対応する第3の検査日群を抽出する日付抽出部と、
前記日付抽出部によって抽出された前記第3の検査日群に含まれる各検査日に対応させて、前記第1の検査項目及び前記第2の検査項目のそれぞれについて記録された検査結果を配列表示する検査毎グラフ作成部と
を有することを特徴とする表示処理装置。