JP6212898B2 - 高速飛翔体 - Google Patents

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Description

本発明は、高速で飛翔する高速飛翔体に関し、飛翔距離の抑制対策に係るものである。
従来より、弾体を備え、高速で飛翔する高速飛翔体が知られている。この種の高速飛翔体の中には、飛翔中に弾体が変形することによって空気抵抗を増大させて飛翔距離を抑制することとしたものがある(例えば、下記特許文献1を参照)。
特許文献1の高速飛翔体では、弾体は、周方向に並ぶ複数の分割片によって構成されている。また、複数の分割片は、先端部が空力加熱で融解する低融点合金からなる固定部材によって一体に固定される一方、後端部がヒンジ部材を介して翼部材に連結されている。このような構成により、高速飛翔体の発射後、弾体は、飛翔中に空力加熱によって低融点合金からなる固定部材が融けて複数の分割片の先端部の固定が解除される一方、後端部はヒンジ部材によって翼部材に連結されたままとなる。そして、複数の分割片は、空気の圧力と自転による遠心力とにより、先端部が放射状に拡がるように回動して開状態となる。このように弾体が開状態となると、空気抵抗が著しく増大し、飛翔距離が抑制される。
特開平7−253298号公報
しかしながら、上記高速飛翔体では、弾体が開状態となった後、その開状態を保持する機構が設けられていなかった。そのため、例えば、高速飛翔体が飛翔中に進行方向に対して傾いてしまった場合や、高速飛翔体の体勢が前後方向に反転してしまった場合に、開状態となった弾体が閉じてしまい、飛翔距離を十分に抑制することができなくなるおそれがあった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、弾体が複数の分割片によって構成された高速飛翔体において、確実に飛翔距離を抑制することにある。
第1の発明は、周方向に並ぶ複数の分割片(21)によって構成された弾体(2)と、該弾体(2)の複数の分割片(21)の先端部を一体に固定する先端固定部材(1)と、上記弾体(2)の複数の分割片(21)の後端部が連結される連結部材(3)とを備え、飛翔中に上記先端固定部材(1)による上記複数の分割片(21)の先端部の固定が解除されて、該複数の分割片(21)の少なくとも1つが上記連結部材(3)に連結されたまま先端部が外周側に展開した開状態となるように構成された高速飛翔体であって、上記分割片(21)が開状態になると、空力中心が展開前に比べて前方に位置するように、該分割片(21)の開状態を保持する保持機構(40,50)を備えている。
第1の発明では、高速飛翔体は、発射後の飛翔中に、弾体(2)を構成する複数の分割片(21)の先端部の固定が解除され、少なくとも1つの分割片(21)が外周側に展開した開状態となり、空気抵抗が飛躍的に増大する。また、上記高速飛翔体には保持機構が設けられているため、開状態となった分割片は、閉状態となることなく保持機構によって開状態に保持される。これにより、高速飛翔体は、空気抵抗が増大した状態のまま飛翔するため、飛翔速度が確実に低下していき、速やかに落下することとなる。
第2の発明は、第1の発明において、上記保持機構は、上記連結部材(3)及び上記分割片(21)の一方に設けられた突出部(23)と、上記連結部材(3)及び上記分割片(21)の他方に設けられて上記突出部(23)を収容する収容溝(36)を有する収容部(30)とを備え、上記突出部(23)と上記収容部(30)とは、上記分割片(21)の開状態となる方向への回動に伴って上記突出部(23)の上記収容溝(36)内における位置が奥側へ変位するように相対的に移動する一方、上記分割片(21)が開状態になると、上記突出部(23)が上記収容部(30)に保持されて相対的な移動が規制されることによって上記分割片(21)の開状態が保持されるように構成されている。
第2の発明では、分割片(21)が開状態となる方向へ回動すると、突出部(23)と収容部(30)とが、突出部(23)の収容溝(36)内における位置が奥側へ変位するように相対的に移動する。一方、分割片(21)が開状態になると、突出部(23)が収容部(30)に保持されてこれらの相対的な移動が規制される。その結果、分割片(21)の開状態が保持され、分割片(21)が閉じなくなる。
第3の発明は、第2の発明において、上記突出部(23)と上記収容部(30)とは、上記分割片(21)の開状態となる方向への回動に伴って上記収容部(30)に対して相対的に移動する上記突出部(23)が上記収容溝(36)を形成する壁部に噛み込むことによって上記突出部(23)が上記収容部(30)に保持されて該収容部(30)に対する相対的な移動が規制されるように構成されている。
第3の発明では、分割片(21)が開状態となる方向へ回動する際に、収容部(30)に対して相対的に移動する突出部(23)が、収容部(30)の収容溝(36)を形成する壁部に噛み込むことによって、収容部(30)に保持される。これにより、突出部(23)の収容部(30)の収容溝(36)内における相対的な移動が規制され、分割片(21)の開状態が保持されて分割片(21)が閉じなくなる。
第4の発明は、第2の発明において、上記収容部(30)は、上記収容溝(36)内に突出し、上記分割片(21)が開状態となる方向へ回動する際には上記突出部(23)が乗り越える一方、乗り越えた該突出部(23)の逆方向への移動を規制するように構成された規制部(37)を有している。
第4の発明では、収容部(30)に対して相対的に移動する突出部(23)は、該分割片(21)が開状態となる方向へ回動する際に、収容溝(36)内に突出する規制部(37)を乗り越え、乗り越えた後には、該規制部(37)によって逆方向への移動が規制される。これにより、分割片(21)の開状態が保持されて分割片(21)が閉じなくなる。
第5の発明は、第1の発明において、上記保持機構は、上記分割片(21)が開状態となる方向への回動を許容する一方、逆方向への回動を阻止するラチェット機構(40)によって構成されている。
第5の発明では、分割片(21)は、ラチェット機構(40)により、開状態となる方向への回動は許容されて展開する一方、逆方向への回動が阻止される。つまり、閉状態となる方向への回動は阻止される。これにより、分割片(21)の開状態が保持される。
第6の発明は、第1の発明において、上記連結部材(3)には、上記複数の分割片(21)の後端部を収容する凹孔部(33)が形成され、開状態となる上記分割片(21)は、展開に伴って後端部が上記凹孔部(33)の外周側から内周側へ移動するように構成され、上記保持機構は、上記凹孔部(33)に設けられ、開状態となった上記分割片(21)の後端部と上記凹孔部(33)の周壁面との間の隙間に入り込んで上記分割片(21)の後端部の移動を規制することで上記分割片(21)の開状態を保持する楔部材(51)を有している。
第6の発明では、複数の分割片(21)の後端部が連結部材(3)の凹孔部(33)に収容され、そのうち開状態となる分割片(21)の後端部は、分割片(21)の展開に伴って凹孔部(33)内において外周側から内周側へ移動する。このとき、保持機構の楔部材(51)が開状態となった分割片(21)の後端部と凹孔部(33)の周壁面との間に入り込み、開状態となった分割片(21)の後端部の移動を規制する。その結果、分割片(21)の開状態が保持されて分割片(21)が閉じなくなる。
第7の発明は、第1乃至第6のいずれか1つの発明において、上記弾体(2)内には、開状態となる上記分割片(21)の展開を補助するバネ機構(60)が設けられている。
第7の発明では、バネ機構(60)によって分割片(21)の展開が補助されるため、分割片(21)は速やかに開状態となる。
第1の発明によれば、保持機構を設けたため、分割片(21)の開状態を保持することができる。そのため、高速飛翔体が飛翔中に進行方向に対して傾いたり、体勢が前後方向に反転したりしても、分割片(21)を空気抵抗が増大する開状態に保持したまま飛翔させて速やかに落下させることができる。従って、飛翔距離を十分に抑制することができる。
また、第2乃至第4の発明によれば、連結部材(3)及び分割片(21)の一方に収容溝(36)を形成する一方、他方に突出部(23)を形成するだけで、容易に保持機構を実現することができる。
また、第5の発明によれば、ラチェット機構(40)のような容易な構成により、保持機構を実現することができる。
また、第6の発明によれば、容易な構成により、保持機構を実現することができる。
また、第7の発明によれば、バネ機構(60)を設けることにより、分割片(21)を速やかに開状態にすることができるため、空気抵抗を速やかに増大させて飛翔距離をより短縮することができる。
図1は、本発明の実施形態1に係る高速飛翔体の概略構成図である。 図2は、本発明の実施形態1に係る高速飛翔体の先端固定部材及び弾体の連結部付近の構成及び動作を示す断面図であり、(A)は弾体の先端部が固定された状態を示し、(B)は弾体の先端部の固定が解除された状態を示している。 図3は、図1のIII−III断面図である。 図4は、本発明の実施形態1に係る高速飛翔体の弾体及び翼部材の連結部付近の構成及び動作を示す断面図であり、(A)は弾体分離前を示し、(B)は弾体分離後の開状態を示している。 図5は、本発明の実施形態2に係る高速飛翔体の弾体及び翼部材の連結部付近の構成及び動作を示す断面図であり、(A)は弾体分離前を示し、(B)は弾体分離後の開状態を示している。 図6は、本発明の実施形態3に係る高速飛翔体の弾体及び翼部材の連結部付近の構成及び動作を示す断面図であり、(A)は弾体分離前を示し、(B)は弾体分離後の開状態を示している。 図7は、本発明の実施形態4に係る高速飛翔体の弾体及び翼部材の連結部付近の構成及び動作を示す斜視図であり、(A)は弾体分離前を示し、(B)は弾体分離後の開状態を示している。 図8は、本発明の実施形態4に係る高速飛翔体の分割片と軸部との連結部付近の構成及び動作を模式的に示す図であり、(A)は弾体分離前を示し、(B)は弾体分離後の開状態を示している。 図9(A)は、図7のIX(A)−IX(A)断面図であり、図9(B)は、図7のIX(B)−IX(B)断面図である。 図10は、本発明の実施形態4に係る高速飛翔体の分割片の後端部の動作を示す断面図であり、(A)は弾体分離前を示し、(B)は弾体分離後の開状態を示している。 図11は、本発明の実施形態5に係る高速飛翔体の分割片の後端部の動作を示す断面図であり、(A)は弾体分離前を示し、(B)は弾体分離後の開状態を示している。 図12は、本発明の実施形態6に係る高速飛翔体の分割片と軸部との連結部付近の構成及び動作を模式的に示す図であり、(A)は弾体分離前を示し、(B)は弾体分離後の開状態を示している。 図13(A)は、図12のXIII(A)−XIII(A)断面図であり、図13(B)は、図12のXIII(B)−XIII(B)断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下では、本発明に係る高速飛翔体の一例として、戦車砲用演習弾として用いられるものについて説明する。
《発明の実施形態1》
図1に示すように、高速飛翔体(10)は、先端固定部材(1)と、弾体(2)と、翼部材(連結部材)(3)とを備えている。なお、以下では、弾体(2)の軸方向において先端固定部材(1)側を前側とし、翼部材(3)側を後側として説明する。
図2(A)に示すように、先端固定部材(1)は、アルミニウム合金によって構成されたコーン部材(11)と、融点が低い(例えば、融点が180℃)低融点合金によって構成された融解部材(12)と、作動シャフト(13)とを有している。
コーン部材(11)は、前端が半球状の円錐形状に形成されている。また、コーン部材(11)の中心部には、後述する作動シャフト(13)が貫通する貫通孔(11a)が形成されている。また、コーン部材(11)の貫通孔(11a)の外周側であって半球状の前端を除く部分に融解部材(12)を螺合するためのネジ穴(11b)が形成されている。ネジ穴(11b)は、貫通孔(11a)よりも融解部材(12)の肉厚に相当するだけ大径に形成されている。コーン部材(11)の後側端面には、融解部材(12)よりも大径の断面円形の凹部(11c)が形成されている。また、コーン部材(11)の後側端面の凹部(11c)の外周側には、環状の凸部(11d)が形成されている。
融解部材(12)は、略円筒形状の部材からなり、内周部にはネジ穴(12a)が形成される一方、外周部にはネジ部(12b)が形成されている。融解部材(12)は、コーン部材(11)のネジ穴(11b)に嵌り込む形状に形成され、外周部のネジ部(12b)がネジ穴(11b)と螺合している。また、融解部材(12)のネジ穴(12a)は、後述する作動シャフト(13)が嵌り込む形状に形成され、作動シャフト(13)の後述するネジ部(13a)と螺合している。
作動シャフト(13)は、略円柱状の部材によって構成され、融解部材(12)に対応する位置に該融解部材(12)のネジ穴(12a)に螺合するネジ部(13a)が形成されている。作動シャフト(13)の後端部には、半径方向に延びる円板形状のフランジ部(13b)が形成されている。フランジ部(13b)は、前側端面がテーパ面に形成されている。作動シャフト(13)は、前端部が貫通孔(11a)に挿通されている。また、作動シャフト(13)は、フランジ部(13b)の前側端面が弾体(2)の内壁の一部である後述する段部(2c)に当接した状態で、ネジ部(13a)が融解部材(12)のネジ穴(12a)に螺合されている。
弾体(2)は、それぞれ軸方向に延びて周方向に配列された3つの分割片(21)によって構成されている。図3に示すように、各分割片(21)は、略円柱形状の弾体(2)を中心軸を通って径方向に延びる3つの分割面で3等分した形状に形成されている。図1に示すように、3つの分割片(21)の前端部(先端部)は、先端固定部材(1)によって一体に固定され、後端部は、翼部材(3)によって連結されている。
図2(A)に示すように、弾体(2)の前端部には、コーン部材(11)の貫通孔(11a)に対応する位置に、円柱形状の小径孔部(2a)及び大径孔部(2b)が形成されている。また、小径孔部(2a)及び大径孔部(2b)は連続して形成され、小径孔部(2a)の後方に大径孔部(2b)が形成されている。これらの小径孔部(2a)と大径孔部(2b)とは、3つの分割片(21)の前端部のそれぞれに切り欠きを形成することによって構成されている。また、大径孔部(2b)の前端を形成する弾体(2)の内壁の一部は、径方向内側に向かうほど後方に位置するテーパ形状の段部(2c)に構成されている。また、3つの分割片(21)の前側端面によって構成される弾体(2)の前側端面には、コーン部材(11)の環状の凸部(11d)が係合する断面円形の凹部(2d)が形成されている。
また、弾体(2)を構成する3つの分割片(21)の前端部は、先端固定部材(1)によって一体に固定されている。具体的には、作動シャフト(13)のフランジ部(13b)の前側端面が段部(2c)に当接した状態で、作動シャフト(13)のネジ部(13a)と融解部材(12)のネジ穴(12a)とを螺合させることにより、3つの分割片(21)が一体に固定される。
図4(A)、(B)に示すように、翼部材(3)は、軸部(31)と複数の翼部(32)とを有している。軸部(31)は、前側に弾体(2)を構成する3つの分割片(21)の後端部(22)がそれぞれ連結され、前端から後端へ向かって徐々に小径になる略円錐台形状に形成されている。複数の翼部(32)は、それぞれ軸部(31)の外周面から径方向外側向きに延びるように形成されている。弾体(2)を構成する各分割片(21)は、それぞれラチェット機構(40)を介して、翼部材(3)の軸部(31)に連結されている。
ラチェット機構(40)は、歯車(41)と、ストッパ(42)とによって構成され、各分割片(21)の一方向への回動を許容する一方、逆方向への回動を阻止するように構成されている。具体的には、各分割片(21)の後端に歯車(41)が固定され、各分割片(21)は、それぞれ翼部材(3)に対し、各歯車(41)の回転中心を基点として回動可能に支持されている。また、ストッパ(42)は、3つの分割片(21)が放射状に展開する方向へそれぞれ回動することは許容する一方、逆方向、即ち、3つの分割片(21)が閉じる方向へそれぞれ回動することを阻止するように構成されている。つまり、例えば、図4(A)及び(B)の上側のストッパ(42)は、対応する上側の歯車(41)が反時計回りに回動すると、該歯車(41)の歯を乗り越えていく一方、対応する上側の歯車(41)が時計回りに回動しようとすると、該歯車(41)の歯にひっかかり、上側の歯車(41)の時計回りの回動を阻止する。一方、図4(A)及び(B)の下側のストッパ(42)は、対応する下側の歯車(41)が時計回りに回動すると、該歯車(41)の歯を乗り越えていく一方、対応する下側の歯車(41)が反時計回りに回動しようとすると、該歯車(41)の歯にひっかかり、下側の歯車(41)の反時計回りの回動を阻止する。このようにして、3つの分割片(21)が放射状に展開する方向へそれぞれ回動可能である一方、閉じる方向への回動が阻止されることにより、3つの分割片(21)は、一旦展開して開状態となると、その開状態が保持されて閉じなくなる。つまり、ラチェット機構(40)は、3つの分割片(21)の開状態を保持する保持機構を構成している。
−動作−
高速飛翔体(10)は、訓練用戦車の砲身から発射されると、中心軸周りに自転しながら高速度で飛翔する。このとき、弾体(2)の3つの分割片(21)は閉状態であり、高速飛翔体(10)は、前端が細く、後端が翼部材(3)の翼部(32)によって径方向に拡がった形状となっている。つまり、高速飛翔体(10)は、空力中心が質量中心よりも後方で且つ質量中心から離れた位置にある飛翔安定性が確保された形状となっている。そのため、高速飛翔体(10)は、安定して飛翔する。
その後、飛翔中に、高速飛翔体(10)では、先端固定部材(1)のコーン部材(11)の前端部や側面部が空力加熱によって熱せられ、この熱が融解部材(12)に伝わる。融解部材(12)は、低融点合金によって構成されているため、所定の融解温度(例えば、180℃)まで上昇すると、融解が開始する。その結果、作動シャフト(13)と融解部材(12)との螺合が解除される。つまり、作動シャフト(13)は、先端固定部材(1)と係合しなくなり、澱み点の高圧の空気によって押圧されて後退し、作動シャフト(13)のフランジ部(13b)の前側端面が段部(2c)に当接しなくなる(図2(B)を参照)。これにより、弾体(2)を構成する3つの分割片(21)の前端部の固定が解除され、弾体(2)を構成する3つの分割片(21)が分離される。
上述のように、作動シャフト(13)が後退すると、高圧の空気が貫通孔(11a)からコーン部材(11)の内部に流入する。そして、この内部に入り込んだ空気の圧力と、自転による遠心力とにより、前端部が外周側に展開して開状態となる。
ここで、3つの分割片(21)は、各後端部がラチェット機構(40)を介して翼部材(3)に連結されている。そのため、3つの分割片(21)は、翼部材(3)から離脱することなく外周側に展開して開状態となる。また、3つの分割片(21)は、ラチェット機構(40)により、開状態となる回動は許容される一方、逆方向、即ち、3つの分割片(21)が閉状態となる回動は阻止される。つまり、3つの分割片(21)は外周側へ展開して開状態となった後、ラチェット機構(40)によって開状態が保持される。そのため、例えば、高速飛翔体(10)が飛翔中に進行方向に対して傾いてしまった場合や、高速飛翔体(10)の体勢が前後方向に反転してしまった場合であっても、3つの分割片(21)は閉じてしまわず、開状態が保持される。
高速飛翔体(10)は、開状態となった3つの分割片(21)により、空気抵抗が飛躍的に増大し、飛翔速度が急激に低下する。つまり、分割片(21)が開状態となると、高速飛翔体(10)の空力中心の位置が大幅に前方にずれ、分割片(21)が開状態となる前と比べると質量中心と空力中心の位置が近づく、又は高速飛翔体(10)の形状によっては質量中心と空力中心の位置が前後に逆転してしまう。そのため、高速飛翔体(10)は、安定して飛翔できるだけの飛翔安定性が確保できなくなり、飛翔姿勢が不安定になったり転倒したりする。その結果、高速飛翔体(10)が受ける空気抵抗が飛躍的に増大し、高速飛翔体(10)の飛翔速度が急激に低下することとなる。そして、高速飛翔体(10)は、その後速やかに落下する。このとき、3つの分割片(21)は翼部材(3)から離脱せずに連結状態にあるため、翼部材(3)は3つの分割片(21)と共に速やかに落下することとなる。
−実施形態1の効果−
本高速飛翔体(10)によれば、発射後の飛翔中に、前端部の固定が解除されて外周側に展開した開状態となった弾体(2)の3つの分割片(21)の開状態を保持する保持機構が設けられている。そのため、高速飛翔体(10)が飛翔中に進行方向に対して傾いてしまった場合や、高速飛翔体(10)の体勢が前後方向に反転してしまった場合であっても、開状態となった弾体(2)が閉じてしまうことがない。よって、弾体(2)が受ける空気抵抗が増大された状態を保つことができ、飛翔距離を十分に抑制することができる。
また、本高速飛翔体(10)によれば、弾体(2)の3つの分割片(21)の開状態を保持する保持機構を、分割片(21)の一方向への回動を許容する一方、逆方向への回動を阻止するラチェット機構(40)によって構成している。従って、容易な構成により、保持機構を実現することができる。
《発明の実施形態2》
実施形態2は、実施形態1の高速飛翔体(10)の構成を一部変更したものである。図5(A)、(B)に示すように、弾体(2)を構成する各分割片(21)の後端部(22)と翼部材(3)との連結構造及び保持機構の構造が実施形態1と異なる。
具体的には、弾体(2)の3つの分割片(21)の後端部(22)が、該後端部(22)より前方の本体部分よりも小径に形成されている。また、3つの分割片(21)の後端部(22)は、後方に向かって先細り形状に形成されている。具体的には、3つの分割片(21)が放射状に展開した際に、3つの分割片(21)の後端部(22)は中心軸に向かって寄り集まって略円錐台形状となるように構成されている。また、各分割片(21)の後端部(22)の外周面には、軸方向に延びる凹部(22a)と、ネジ部(22b)とが形成されている。ネジ部(22b)は、各分割片(21)の後端部(22)の凹部(22a)の後方であって後端付近に形成されている。
翼部材(3)の軸部(31)は、前側端面から後方に延びる略円柱形状の凹孔部(33)が形成されて略有底円筒形状に形成されている。また、軸部(31)の凹孔部(33)は、各分割片(21)の後端部(22)のネジ部(22b)に対応する位置がネジ穴(33a)に形成されている。このネジ穴(33a)に各分割片(21)の後端部(22)のネジ部(22b)が螺合することにより、各分割片(21)が翼部材(3)に連結されている。また、軸部(31)の前端部には、凹孔部(33)内に突出して、各分割片(21)の後端部(22)に形成された凹部(22a)内に収容される凸部(34)が形成されている。該凸部(34)は、3つの分割片(21)が展開する際に、各分割片(21)の後端部(22)が凹孔部(33)から抜けてしまわないように各分割片(21)の軸部(31)に対する前方への移動を規制する。これにより、3つの分割片(21)は、展開の際に、翼部材(3)から離脱しない。
また、軸部(31)の凹孔部(33)の後方部分には、楔機構(50)が設けられている。楔機構(50)は、楔部材(51)と、コイルバネ(52)とを有している。楔部材(51)は、凹孔部(33)の外形よりも僅かに小径な円柱体によって構成され、前側端面から後方に向かって凹む凹部(51a)が形成されている。凹部(51a)は、後方に向かって縮径する略円錐台形状に形成され、3つの分割片(21)が放射状に展開した際に、寄り集まって略円錐台形状となった3つの分割片(21)の後端部(22)が嵌り込む形状に形成されている。コイルバネ(52)は、凹孔部(33)の楔部材(51)のさらに後方に設けられている。コイルバネ(52)は、軸部(31)の底部と楔部材(51)との間において、該楔部材(51)を前方に付勢するように構成されている。各分割片(21)が展開を開始するまでは、コイルバネ(52)によって前方に付勢された楔部材(51)は、軸部(31)と螺合して凹孔部(33)内において連結された各分割片(21)の後端部(22)に当接している。
このような構成により、実施形態2では、飛翔中の高速飛翔体(10)は、実施形態1と同様にして、弾体(2)を構成する3つの分割片(21)が分離されて、前端部が外周側に展開して開状態となる。その際、3つの分割片(21)の後端部(22)は、図5(B)に示すように、中心軸方向に寄り集まって後方に向かって先細る略円錐台形状となる。その結果、各分割片(21)の後端部(22)と当接することで前進が規制されていた楔部材(51)が、コイルバネ(52)の付勢力によって前進する。このとき、楔部材(51)は、寄り集まって略円錐台形状となった3つの分割片(21)の後端部(22)を凹部(51a)に収容すると共に、各後端部(22)と凹孔部(33)を形成する壁面との間の隙間に入り込む。これにより、3つの分割片(21)は、開状態のまま後端部(22)が楔部材(51)の凹部(51a)に保持され、動作が規制される。つまり、3つの分割片(21)は、楔部材(51)によって開状態が保持される。
本実施形態2においても、上述のように、楔機構(50)によって弾体(2)を構成する3つの分割片(21)の開状態が保持されることにより、弾体(2)が受ける空気抵抗が増大した状態を維持することができ、高速飛翔体(10)を速やかに落下させて飛翔距離を十分に抑制することができる。
《発明の実施形態3》
実施形態3は、実施形態2の高速飛翔体(10)に、弾体(2)を構成する3つの分割片(21)の展開を補助するバネ機構(60)を設けたものである。
図6(A)、(B)に示すように、実施形態3では、3つの分割片(21)の一部がそれぞれ切り欠かれて弾体(2)の内部に柱状の内部空間(S1)が形成されている。該内部空間(S1)にバネ機構(60)が設けられている。バネ機構(60)は、3つの脚部(61)と該3つの脚部(61)を連結する連結部(62)とを有している。バネ機構(60)は、3つの脚部(61)が連結部(62)を基点として放射状に拡がった状態を基準状態として、3つの脚部(61)を閉じると、逆向きの開く方向へ復元力が作用するように構成されている。バネ機構(60)は、3つの脚部(61)が閉じられた状態で、弾体(2)の内部空間(S1)に収容されている。このような構成により、バネ機構(60)の3つの脚部(61)は、弾体(2)の内部空間(S1)において、3つの分割片(21)に対して、それぞれが展開する方向へ付勢する。これにより、飛翔中の高速飛翔体(10)は、空力加熱によって融解部材(12)が融解して、弾体(2)を構成する3つの分割片(21)の前端部の固定が解除されると、3つの分割片(21)は、バネ機構(60)の3つの脚部(61)の付勢力によって展開する動作が補助される。
以上のように、実施形態3によれば、バネ機構(60)を設けたことにより、3つの分割片(21)を速やかに開状態にすることができるため、空気抵抗を速やかに増大させて飛翔距離をより短縮することができる。
また、実施形態3によれば、バネ機構(60)を、開状態となった分割片(21)をさらに展開方向に付勢するように構成することにより、開状態となった分割片(21)が閉状態となることをより確実に防止することができる。つまり、分割片(21)の開状態をより確実に保持することができるため、飛翔距離をより確実に短縮することができる。
《発明の実施形態4》
実施形態4は、実施形態1の高速飛翔体(10)の構成を一部変更したものである。図7乃至図10に示すように、弾体(2)を構成する各分割片(21)の後端部(22)と翼部材(3)との連結構造及び保持機構の構造が実施形態1と異なる。
本実施形態においても、各分割片(21)は、それぞれ翼部材(3)の軸部(31)に回動可能に連結されている。具体的には、図8(A)及び(B)に模式的に示すように、各分割片(21)は、実施形態1のラチェット機構ではなく、ピン部材(24)を用いることによって、翼部材(3)の軸部(31)にそれぞれ回動可能に連結されている。
図7及び図8に示すように、本実施形態では、各分割片(21)の後端部(22)に、後方に向かって突出すると共に先細り形状に形成された突出部(23)がそれぞれ設けられている。また、各突出部(23)は、図9(B)に示すように、外側から内側に向かうほど幅狭となるように形成されている。
また、本実施形態では、翼部材(3)の軸部(31)に、3つの分割片(21)の上記各突出部(23)がそれぞれ収容される3つの収容溝(36)が形成されている。各収容溝(36)は、軸部(31)の前端部に形成され、軸部(31)の前端面と外周面とに開口するように形成されている。図9(B)に示すように、各収容溝(36)は、溝深さ(軸部(31)の径方向の長さ)が各突出部(23)の高さ(軸部(31)の径方向の長さ)よりも長く形成されている。また、各収容溝(36)は、各突出部(23)と同様に、外側から内側へ(奥側へ)向かうほど溝幅が狭くなるように形成されている。また、各収容溝(36)は、外側端部の溝幅が、各突出部(23)の外側端部の幅W1と同程度の長さになる一方、内側端部(溝底部)の溝幅が、各突出部(23)の外側端部の幅W1よりも短くなるように形成されている。
このような構成により、本実施形態では、翼部材(3)の軸部(31)の一部であって、上述のような収容溝(36)を有する収容部(30)と、各分割片(21)の後端部(22)の一部であって、上記収容溝(36)に収容される突出部(23)とが、分割片(21)が開状態になると、該分割片(21)の開状態を保持する保持機構を構成する。
具体的には、図7及び図8に示すように、分割片(21)が開状態となる方向へ回動すると、該突出部(23)が収容溝(36)内において奥側へ移動する(図10(A)及び(B)を参照)。ここで、各収容溝(36)は、奥側へ向かうほど溝幅が狭くなるように形成されている。つまり、各収容溝(36)は、分割片(21)が開状態となる方向へ回動する際に、収容溝(36)の奥側へ移動する突出部(23)の移動方向に向かって先窄まり形状となるように形成されている。そのため、突出部(23)は、該分割片(21)が開状態となる方向へ回動する際に、収容部(30)の収容溝(36)を形成する壁部に噛み込むことによって該収容部(30)に固定(保持)される(図10(B)を参照)。これにより、突出部(23)の収容溝(36)内における移動が規制され、分割片(21)の開状態が保持されて分割片(21)が閉じなくなる。つまり、開状態となった3つの分割片(21)は、突出部(23)が収容部(30)に保持されて突出部(23)の収容部(30)に対する相対的な移動が規制されることによって開状態が保持される。
本実施形態4においても、上述のように、収容部(30)によって弾体(2)を構成する3つの分割片(21)の開状態が保持されることにより、弾体(2)が受ける空気抵抗が増大した状態を維持することができ、高速飛翔体(10)を速やかに落下させて飛翔距離を十分に抑制することができる。
また、本実施形態4によれば、分割片(21)に突出部(23)を形成する一方、連結部材(3)に収容溝(36)を形成するだけで、容易に保持機構を実現することができる。
《発明の実施形態5》
実施形態5は、実施形態4の保持機構を構成する収容部(30)の構成を一部変更したものである。
具体的には、図11(A)及び(B)に示すように、収容部(30)の収容溝(36)の形状が異なる。収容溝(36)は、外側部(36a)と内側部(36b)とを有している。外側部(36a)及び内側部(36b)は、共に外側から内側に向かうほど溝幅が狭くなるように形成されている。また、外側部(36a)の内側端部は、内側部(36b)の外側端部よりも幅が狭くなるように形成され、外側部(36a)と内側部(36b)との間には、段差部(37)が形成されている。段差部(37)は、各突出部(23)の外側端部の幅W1よりも幅の狭い外側部(36a)の内側端部と、各突出部(23)の外側端部の幅W1よりも幅の広い内側部(36b)の外側端部とによって形成されている。このような構成により、段差部(37)は、収容溝(36)内に突出し、分割片(21)が開状態となる方向へ回動する際には突出部(23)が乗り越えるように形成される一方、乗り越えた該突出部(23)の逆方向への移動を規制する規制部を構成する。
以上のような構成により、本実施形態5においても、実施形態4と同様に、翼部材(3)の軸部(31)の一部であって、上述のような収容溝(36)を有する収容部(30)と、各分割片(21)の後端部(22)の一部であって、上記収容溝(36)に収容される突出部(23)とが、分割片(21)が開状態になると、該分割片(21)の開状態を保持する保持機構を構成する。
具体的には、分割片(21)が開状態となる方向へ回動すると、該分割片(21)の後端部(22)の一部である突出部(23)が収容溝(36)内において外側から内側へ(奥側へ)移動する。このとき、突出部(23)は、外側部(36a)と内側部(36b)との間に形成された段差部(37)を乗り越える(図11(A)及び(B)を参照)。段差部(37)は、各突出部(23)の外側端部の幅W1よりも幅の狭い外側部(36a)の内側端部と、各突出部(23)の外側端部の幅W1よりも幅の広い内側部(36b)の外側端部とによって形成されている。そのため、分割片(21)が開状態となる方向へ回動する際に、各突出部(23)は、段差部(37)を乗り越える一方、乗り越えた後には、各突出部(23)の外側端部が収容溝(36)内に突出する段差部(37)に当接することにより、逆方向への移動が規制される(図11(B)を参照)。これにより、分割片(21)の開状態が保持されて分割片(21)が閉じなくなる。つまり、開状態となった3つの分割片(21)は、突出部(23)が段差部(37)を乗り越えて、該段差部(37)によって逆方向への移動が規制されることによって収容部(30)に保持され、その結果、分割片(21)の開状態が保持される。
このような本実施形態5においても、実施形態4と同様の効果を奏することができる。
《発明の実施形態6》
実施形態6は、図12及び図13に示すように、実施形態4において各分割片(21)に設けられていた突出部(23)を翼部材(3)の軸部(31)に設け、実施形態4において翼部材(3)の軸部(31)に設けられていた収容部(30)を各分割片(21)に設けることとしたものである。
具体的には、実施形態6では、突出部(23)は、翼部材(3)の軸部(31)の前端の外周部から前方に突出するように形成されている。突出部(23)は、3つ設けられ、各分割片(21)の周方向の中央部に向かってそれぞれ延びるように形成されている。また、各突出部(23)は、図13(B)に示すように、外側から内側に向かうほど幅狭となるように形成されている。
また、実施形態6では、収容部(30)は、各分割片(21)の後端部(22)に3つ設けられ、それぞれ突出部(23)を収容する収容溝(36)を1つずつ有している。各収容溝(36)は、各分割片(21)の後端部(22)の周方向の中央部に形成され、各分割片(21)の後端面と外周面とに開口するように形成されている。図13(B)に示すように、各収容溝(36)は、溝深さ(弾体(2)の径方向の長さ)が各突出部(23)の高さ(弾体(2)の径方向の長さ)よりも長く形成されている。また、各収容溝(36)は、各突出部(23)と同様に、外側から内側へ(奥側へ)向かうほど溝幅が狭くなるように形成されている。また、各収容溝(36)は、外側端部の溝幅が、各突出部(23)の外側端部の幅W2と同程度の長さになる一方、内側端部(溝底部)の溝幅が、各突出部(23)の外側端部の幅W2よりも短くなるように形成されている。
このような構成により、本実施形態では、各分割片(21)の後端部(22)の一部であって、上述のような収容溝(36)を有する収容部(30)と、翼部材(3)の軸部(31)の一部であって、上記収容溝(36)に収容される突出部(23)とが、分割片(21)が開状態になると、該分割片(21)の開状態を保持する保持機構を構成する。
具体的には、図12及び図13に示すように、分割片(21)が開状態となる方向へ回動すると、分割片(21)の一部を構成する収容部(30)が移動することにより、突出部(23)が収容溝(36)内において奥側へ移動する(図13(A)及び(B)を参照)。ここで、各収容溝(36)は、奥側へ向かうほど溝幅が狭くなるように形成されている。つまり、各収容溝(36)は、分割片(21)が開状態となる方向へ回動する際に、収容部(30)が移動することで収容溝(36)の奥側へ移動する突出部(23)の移動方向に向かって先窄まり形状となるように形成されている。そのため、突出部(23)は、該分割片(21)が開状態となる方向へ回動する際に、収容部(30)の収容溝(36)を形成する壁部に噛み込むことによって該収容部(30)に固定(保持)される(図13(B)を参照)。これにより、収容部(30)の移動が規制され、分割片(21)の開状態が保持されて分割片(21)が閉じなくなる。つまり、開状態となった3つの分割片(21)は、突出部(23)が収容部(30)に保持されて突出部(23)の収容部(30)に対する相対的な移動が規制されることによって開状態が保持される。
このような本実施形態6においても、実施形態4と同様の効果を奏することができる。また、実施形態4において収容部(30)の構成を一部変更して実施形態5としたように、本実施形態6の収容部(30)の構成を一部変更することとしてもよい。
《その他の実施形態》
上記各実施形態では、弾体(2)が3つの分割片(21)によって構成されていたが、弾体(2)の分割片(21)の個数は3つに限られない。2つでもよく、4つ以上であってもよい。
また、上記各実施形態では、弾体(2)の複数の分割片(21)の後端部(22)を翼部材(3)に連結していたが、後端部(22)が連結される連結部材は、翼部材に限られない。例えば、翼のない連結部材であってもよい。
また、上記各実施形態では、弾体(2)の3つの分割片(21)の全てが連結部材を構成する翼部材(3)から離脱することなく外周側に展開した開状態となるように構成されていたが、少なくとも1つの分割片(21)が開状態となるように構成されればよい。少なくとも1つの分割片(21)が開状態となってその開状態が保持されることにより、空気抵抗が飛躍的に増大した状態が維持されるため、上記各実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、上記各実施形態では、弾体(2)の3つの分割片(21)の全てが、先端部の固定が解除された後、連結部材を構成する翼部材(3)に連結されたまま離脱しないように構成されていたが、開状態となる分割片(21)以外の分割片(21)は、連結部材との連結が解除されて離脱するように構成されていてもよい。
また、弾体(2)の複数の分割片(21)の先端部を一体に固定する本発明に係る先端固定部材は、上記各実施形態のものに限られない。飛翔中に弾体(2)の複数の分割片(21)の先端部の固定が解除可能な形態であればいかなる形態であってもよい。例えば、先端固定部材は、タイマーを有し、発射後の所定時間後に複数の分割片(21)の先端部の固定が解除されるように作動する機構であってもよい。また、先端固定部材は、センサーを有し、所定の条件になると複数の分割片(21)の先端部の固定が解除されるように作動する機構であってもよい。さらに、先端固定部材は、外部からの信号を受信することで、複数の分割片(21)の先端部の固定が解除されるように作動する機構であってもよい。
また、上記実施形態3では、実施形態2の高速飛翔体(10)にバネ機構(60)を設けていたが、実施形態1に同様のバネ機構(60)を設けることとしても勿論よい。
また、本発明に係るバネ機構は、実施形態3のバネ機構(60)に限られず、分割片(21)の展開を補助するものであればいかなる構成であってもよい。例えば、バネ機構は、分割片(21)の展開を補助した後は、弾体(2)から外れて落ちてしまうように構成されていてもよい。
また、上記各実施形態において、弾薬は上述の徹甲弾に限定されず、例えば、戦車から射撃される他の対戦車用榴弾や、艦船から射撃される榴弾のような高速飛翔体であってもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、高速で飛翔する高速飛翔体について有用である。
2 弾体
3 翼部材(連結部材)
10 高速飛翔体
21 分割片
23 突出部
33 凹孔部
30 収容部
36 収容溝
37 段差部(規制部)
40 ラチェット機構
50 楔機構
51 楔部材
60 バネ機構

Claims (7)

  1. 周方向に並ぶ複数の分割片(21)によって構成された弾体(2)と、該弾体(2)の複数の分割片(21)の先端部を一体に固定する先端固定部材(1)と、上記弾体(2)の複数の分割片(21)の後端部が連結される連結部材(3)とを備え、飛翔中に上記先端固定部材(1)による上記複数の分割片(21)の先端部の固定が解除されて、該複数の分割片(21)の少なくとも1つが上記連結部材(3)に連結されたまま先端部が外周側に展開した開状態となるように構成された高速飛翔体であって、
    上記分割片(21)が開状態になると、空力中心が展開前に比べて前方に位置するように、該分割片(21)の開状態を保持する保持機構(40,50)を備えている
    ことを特徴とする高速飛翔体。
  2. 請求項1において、
    上記保持機構は、上記連結部材(3)及び上記分割片(21)の一方に設けられた突出部(23)と、上記連結部材(3)及び上記分割片(21)の他方に設けられて上記突出部(23)を収容する収容溝(36)を有する収容部(30)とを備え、
    上記突出部(23)と上記収容部(30)とは、上記分割片(21)の開状態となる方向への回動に伴って上記突出部(23)の上記収容溝(36)内における位置が奥側へ変位するように相対的に移動する一方、上記分割片(21)が開状態になると、上記突出部(23)が上記収容部(30)に保持されて相対的な移動が規制されることによって上記分割片(21)の開状態が保持されるように構成されている
    ことを特徴とする高速飛翔体。
  3. 請求項2において、
    上記突出部(23)と上記収容部(30)とは、上記分割片(21)の開状態となる方向への回動に伴って上記収容部(30)に対して相対的に移動する上記突出部(23)が上記収容溝(36)を形成する壁部に噛み込むことによって上記突出部(23)が上記収容部(30)に保持されて該収容部(30)に対する相対的な移動が規制されるように構成されている
    ことを特徴とする高速飛翔体。
  4. 請求項2において、
    上記収容部(30)は、上記収容溝(36)内に突出し、上記分割片(21)が開状態となる方向へ回動する際には上記突出部(23)が乗り越える一方、乗り越えた該突出部(23)の逆方向への移動を規制するように構成された規制部(37)を有している
    ことを特徴とする高速飛翔体。
  5. 請求項1において、
    上記保持機構は、上記分割片(21)が開状態となる方向への回動を許容する一方、逆方向への回動を阻止するラチェット機構(40)によって構成されている
    ことを特徴とする高速飛翔体。
  6. 請求項1において、
    上記連結部材(3)には、上記複数の分割片(21)の後端部を収容する凹孔部(33)が形成され、
    開状態となる上記分割片(21)は、展開に伴って後端部が上記凹孔部(33)の外周側から内周側へ移動するように構成され、
    上記保持機構は、上記凹孔部(33)に設けられ、開状態となった上記分割片(21)の後端部と上記凹孔部(33)の周壁面との間の隙間に入り込んで上記分割片(21)の後端部の移動を規制することで上記分割片(21)の開状態を保持する楔部材(51)を有している
    ことを特徴とする高速飛翔体。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1つにおいて、
    上記弾体(2)内には、開状態となる上記分割片(21)の展開を補助するバネ機構(60)が設けられている
    ことを特徴とする高速飛翔体。
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