JP6212803B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機に関し、特にパチンコ遊技機等に適用することができる。
従来の遊技機において、第1始動口と第2始動口とを備え、第1始動口に遊技球が入球すると第1識別情報(例えば第1特別図柄)を変動表示し、第2始動口に遊技球が入球すると第2識別情報(例えば第2特別図柄)を変動表示し、第1識別情報又は第2識別情報が特定の表示態様で停止表示すると、遊技者に所定の利益が付与され得る特別遊技が実行可能となるものが知られている。
この種の遊技機として、第1識別情報を変動表示させるよりも、第2識別情報を変動表示させて遊技を進行させる方が、例えば、特別遊技で得られる利益の量が多くなり易い等、遊技者にとって有利となるように構成された遊技機が提案されている。このような構成の遊技機では、第2始動口を遊技球の入球可能性が変化し得る可変式の始動口とし、特別遊技後に、第2始動口への遊技球の入球頻度が通常の遊技状態よりも高くなる遊技状態(以下、「高頻度状態」ともいう)に移行可能となっているのが一般的である。そして、通常の遊技状態では、第1始動口への遊技球の入球に基づく第1識別情報の変動表示が遊技の主体となり、この状態から高頻度状態へ移行することで、第2始動口への遊技球の入球に基づく第2識別情報の変動表示が遊技の主体となって、これにより、遊技者は遊技を有利に進めることが可能となる(特許文献1)。
特開2006−223417号公報
しかしながら、前述の遊技機では、高頻度状態に移行したにもかかわらず、第2識別情報が変動表示せずに第1識別情報が変動表示することがあり、さらには、高頻度状態に移行後、早々に第1識別情報に係る特別遊技が行われて当該特別遊技後に通常の遊技状態に戻ってしまう虞もある。このように、せっかく高頻度状態に移行したにもかかわらず、高頻度状態での遊技を充分に楽しめないまま高頻度状態が終了してしまうことは、遊技者の遊技意欲を損ないやすく、結果として遊技興趣の低下を招いてしまうという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高頻度状態に移行した場合には当該高頻度状態での遊技を極力続けられるようにして、遊技興趣の向上を図ることにある。
前述の課題を解決するための第1発明の遊技機は、
始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示する識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて、遊技者に所定の利益が付与され得る特別遊技が実行可能となる遊技機であって、
前記始動口として、第1始動口と、遊技球の入球可能性が変化し得る第2始動口とを有し、
前記識別情報として、前記第1始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示する第1識別情報と、前記第2始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示する第2識別情報とを有し、
前記第1識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合より、前記第2識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合の方が、遊技者に付与可能な利益の量が多くなる可能性が高く、
前記識別情報の変動表示が実行可能な遊技状態として、少なくとも、第1遊技状態と、前記第1遊技状態に比べ前記第2始動口への遊技球の入球頻度が高くなる第2遊技状態と、に制御可能な遊技状態制御手段を備え、
前記第1始動口に遊技球が入球した場合に当該入球に基づく変動表示を保留として記憶可能な保留記憶手段を備えると共に、前記第2始動口に遊技球が入球した場合に当該入球に基づく変動表示を保留として記憶可能な保留記憶手段を備えておらず、
前記第1識別情報の変動表示を前記第2識別情報の変動表示に優先して実行するものとされ、
前記遊技状態制御手段は、前記特別遊技後の前記遊技状態を前記第1遊技状態または前記第2遊技状態に制御可能であり、
前記第2遊技状態にて前記第2識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合より、前記第2遊技状態にて前記第1識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合の方が、前記特別遊技後の遊技状態が前記第2遊技状態となる可能性が高い
ことを特徴としている。
第1発明の遊技機によれば、第1識別情報に係る特別遊技が実行されるより、第2識別情報に係る特別遊技が実行される方が、遊技者に付与可能な利益の量が多くなる可能性が高いことから、特別遊技により得られる利益の面で、第2識別情報は第1識別情報に比べ遊技者にとって有利に働くものとなる。このような第2識別情報の変動表示の契機となる第2始動口への遊技球の入球頻度が高まる第2遊技状態において、第2識別情報が特定態様で停止表示してこれに係る特別遊技が実行されるより、第1識別情報が特定態様で停止表示してこれに係る特別遊技が実行される方が、特別遊技後の遊技状態が第2遊技状態となる可能性が高いものとなっている。つまり、第2識別情報の変動表示が遊技の主体となる第2遊技状態では、多くの利益を得難い第1識別情報に係る特別遊技が実行されたとしても、特別遊技後に第2遊技状態となる可能性は、第2識別情報に係る特別遊技が実行される場合に比べ高くなる。これにより、第2識別情報の変動表示が遊技の主体となる第2遊技状態に移行したにもかかわらず、第1識別情報が変動表示して特定態様で停止表示し、これに係る特別遊技が実行されたとしても、当該特別遊技後に、第2遊技状態での遊技を極力続けられるようにすることが可能となる。
本発明によれば、第2始動口への遊技球の入球頻度が高くなる第2遊技状態に移行した場合、当該第2遊技状態での遊技を極力続けられるようにすることが可能となり、これにより遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
本発明の実施例に係る遊技機の正面図である。 本発明の実施例に係る遊技機の裏面図である。 本発明の実施例の遊技盤の構成を示す正面図である。 図3に示す主表示器の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。 同遊技機の電気的な構成を示すブロック図である。 当り種別と大入賞口開放パターンとの対応等を示す表である。 遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。 (A)は大当り判定テーブルであり、(B)は大当り種別判定テーブルであり、(C)は普通図柄当り判定テーブルであり、(D)は普通図柄変動パターン選択テーブルである。 変動パターンテーブルである。 主制御メイン処理のフローチャートである。 割り込み処理のフローチャートである。 始動口センサ検知処理のフローチャートである。 普図動作処理のフローチャートである。 普通図柄待機処理のフローチャートである。 普通図柄当否判定処理のフローチャートである。 普通図柄乱数シフト処理のフローチャートである。 普通図柄変動中処理のフローチャートである。 普通図柄確定処理のフローチャートである。 普通電動役物処理のフローチャートである。 特図動作処理のフローチャートである。 特別図柄待機処理のフローチャートである。 特図1当否判定処理のフローチャートである。 特図1変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図1変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図1乱数シフト処理のフローチャートである。 特図2当否判定処理のフローチャートである。 特図2変動パターン選択処理のフローチャートである。 特別図柄変動中処理のフローチャートである。 特別図柄確定処理のフローチャートである。 特別電動役物処理1(大当り遊技)のフローチャートである。 特別電動役物処理2(小当り遊技)のフローチャートである。 特別電動役物処理2(小当り遊技)のフローチャートである。 遊技状態設定処理のフローチャートである。 保留球数処理のフローチャートである。 電源断監視処理のフローチャートである。 サブ制御メイン処理のフローチャートである。 受信割り込み処理のフローチャートである。 2msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートである。 ゲート通過時処理のフローチャートである。 変動演出開始処理のフローチャートである。 変動演出終了処理のフローチャートである。 実施例2の(A)大当り判定テーブルおよび(B)大当り種別判定テーブルである。 実施例2の大当り種別と大入賞口開放パターンとの対応等を示す表である。
次に、本発明の実施の形態を、実施例を用いて説明する。尚、以下では、図柄の変動表示の終了に伴い大当り図柄が停止表示された場合と、小当り図柄が停止表示されたことに基づき入球可能となる可変入球口に入球した遊技球が所定の特定領域を通過した場合とに、遊技者に所定量の遊技利益(例えば、賞球)を付与可能な大当り遊技を実行可能な「1種2種タイプ」のパチンコ遊技機に、本発明を適用した例を説明する。
図1乃至図3に示すように、実施例1のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えており、遊技盤2は遊技機枠50から着脱自在に構成されている。図3は、遊技盤2を遊技機枠50から取り外した状態のものを示す。遊技機枠50は、装飾面を有する前面枠51と、遊技盤2等を取り付ける本体枠52と、パチンコ遊技機1をホールの島設備に取り付けるための外枠53と、を有して構成されており、前面枠51、本体枠52及び外枠53は、一側端側で軸支され夫々開閉可能に構成されている。
また、前面枠51には、遊技者の操作量(回転角度)に応じた発射強度で遊技球を発射させるための発射ハンドル60、遊技球を貯留し貯留した遊技球を発射装置側に供給可能な打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される遊技演出の実行中などに遊技者が操作可能な第1演出ボタン63a、第2演出ボタン63b(これら2個の演出ボタンを総称して単に「演出ボタン63」ともいう)が設けられており、この他、装飾用の枠ランプ66及びスピーカ67等も設けられている。
演出ボタン63は遊技者による入力が可能な入力手段として機能するもので、遊技演出の種類に応じて使用する演出ボタンを使い分けることができる。遊技演出の実行中に第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63bを操作すると、当該操作に基づいて所定の操作対応演出が行われる。尚、演出ボタン63の構成は本実施例1の態様に限らず、遊技者が入力を行うことができるものであればたり、遊技者が直接ボタン部に接触して入力を行う入力手段(例えば、出没式、タッチセンサ式等)であってもよいし、遊技者の身体の一部が近接したことを検知して入力を行う非接触式の入力手段(光電式等)であってもよい。
遊技盤2には、発射ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤面ランプ5が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技釘16が突設されている。また、レール部材4の先端には球戻り防止片6が設けられており、一旦遊技領域へ誘導された遊技球が発射装置側へ戻るのを防止することができる。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置からなる画像表示装置7が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、演出図柄8L,8C,8R(単に「演出図柄8」ともいう)が表示される演出図柄表示領域7b(「演出図柄表示部」ともいう)が設けられており、当該演出図柄8L,8C,8Rは、後述の第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行う。演出図柄表示領域7bは、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなり、左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。
また、演出図柄8L,8C,8Rはそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄(識別情報)からなる。演出図柄表示領域7bに停止表示される左、中、右の演出図柄によって、後述(図4参照)の第1特別図柄表示器41a(「第1特別図柄表示部」ともいう)に表示される第1特別図柄の変動表示の結果(つまり、特別図柄当否判定の結果)や第2特別図柄表示器41b(「第2特別図柄表示部」ともいう)に表示される第2特別図柄の変動表示の結果(特別図柄当否判定の結果)を、遊技者が認識し易いように表示する。尚、第1特別図柄、第2特別図柄、演出図柄のいずれかを指して単に「図柄」や「識別情報」ということもある。
例えば、特別図柄当否判定(以下、単に「当否判定」ともいう)の結果が大当りとなった場合には、「777」などの3桁同一のゾロ目(「当り演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。また、小当りとなった場合には「135」などの予め設定したチャンス図柄や「3★3」などの専用図柄(「小当り演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。また、外れとなった場合には「637」や「373」などの3つの図柄のうち少なくとも1つの図柄が異なるバラケ目図柄(「外れ演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。
これにより、遊技者は停止表示した演出図柄を見ることで、遊技の進行状況を容易に把握することが可能となる。つまり遊技者は、一般的には特別図柄当否判定の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bに表示される特別図柄を見て直接的に把握するのではなく、演出図柄表示領域7bに表示される演出図柄を見て把握する。尚、左・中・右の図柄表示エリアの位置は夫々区別して設ける必要はなく、左・中・右の演出図柄の表示エリアをそれぞれ図柄表示エリア(演出図柄表示領域7b)の全体としてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下、左右、斜め方向等にスクロール表示する態様がある。
画像表示装置7の表示画面7a上では、前述のような演出図柄を用いた遊技演出(演出図柄遊技演出)を表示するほか、当り遊技に伴って実行される当り遊技演出や、客待ち用のデモ演出などが表示される。尚、演出図柄遊技演出や当り遊技演出やデモ演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて第1演出保留9aを表示する第1演出保留表示領域9c(第1演出保留表示部)が設けられている。第1演出保留の表示態様(表示数)により、後述の第1特図保留表示器43a(図4参照)にて表示される第1特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、演出図柄表示領域7bを取り囲むように、センター装飾体10が設けられている。センター装飾体10の下部には、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11が設けられている。またセンター装飾体10の左部には、中空状のワープ部12が設けられている。ワープ部12にはワープ入口とワープ出口とが設けられており、遊技領域3を流下する遊技球をワープ入口から受け入れ、当該遊技球をワープ出口から排出しステージ部11へと誘導する。ステージ部11の転動面に誘導された遊技球は、ステージ部11に誘導されない遊技球と比して高い可能性で、後述の第1始動口20に入球可能とされている。さらにセンター装飾体10の上部には、LED等の電飾部材(盤面ランプ5)を有し遊技状態に応じて点灯可能であって、文字や図形等を象った装飾部材13が配されている。
また、センター装飾体10の上部であって、装飾部材13の後方には、遊技演出に伴って動作可能な可動装飾部材14が設けられている。図3では、可動装飾部材14の一部分のみが視認可能となっているが、例えば、比較的当りの可能性の高い遊技演出の実行に伴って、可動装飾部材が下方に落下し、当該可動装飾部材が表示画面7aの前面を覆い、その大部分が視認可能となる。これにより、遊技者は当りへの期待感を高めることとなる。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが変化しない非可変式の第1始動口20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第1特別図柄に係る当否判定(第1特別図柄当否判定)が実行されると共に第1特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
第1始動口20の下方には、遊技球の入球し易さ(入球可能性)が変化する可変式の第2始動口21を備える可変入賞装置22(「可変式始動口」ともいう)が設けられている。第2始動口21への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄当否判定)が実行されると共に第2特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
可変入賞装置22は、可動部材23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。この開閉動作によって、第2始動口21は、第1の態様(閉状態)から当該第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様(開状態)へと変化可能である。可動部材23は、第2始動口ソレノイド24(図5参照)により駆動される。本実施例1では、第2始動口21は、可動部材23が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能とされ、可動部材23が閉状態にあるときには遊技球が入球不能となっている。尚、第2始動口21は、可動部材23が閉状態にあるときは開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉状態にあるときに完全に入球不能となるものでなくてもよい。
遊技領域3における第1始動口20の右方には、後述する大当り遊技の実行に際して作動する第1大入賞装置31(「第1可変入球装置」ともいう)が設けられている。第1大入賞装置31は第1大入賞口30(「第1可変入球口」ともいう)と開閉部材32を備えており、開閉部材32の開動作により第1大入賞口30を開放し、開閉部材32の閉動作により第1大入賞口30を閉鎖するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図5参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第1大入賞装置31は、開閉部材32の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
また、遊技領域3における第1大入賞口30の上方であってセンター装飾体10の右下部には、後述する小当り遊技の実行に際して作動する第2大入賞装置36(「第2可変入球装置」ともいう)が設けられている。第2大入賞装置36は第2大入賞口35(「第2可変入球口」ともいう)と開閉部材(羽根部材)37を備えており、開閉部材37の開作動により第2大入賞口35を開放し、開閉部材37の閉動作により第2大入賞口35を閉鎖するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図5参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第2大入賞装置36は、開閉部材37の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。尚、第2大入賞口35は本発明の「特定入球口」の一態様に相当するものである。
第2大入賞装置36には、第2大入賞口35に入球した遊技球が通過可能な特定領域39が形成されている。本パチンコ遊技機1では、第2大入賞口35に入球した遊技球の少なくとも1個が特定領域39を通過したことが検知されることに基づいて、後述の大当り遊技を開始させるものとなっている。つまり特定領域39は、大当り遊技開始口となっている。また、第2大入賞装置36には、遊技球が特定領域39を通過し得る状態(開状態)と通過し得ない状態(閉状態)とを創出するための図示しない可動片(特定領域への遊技球の通過可能性を変化させる部材)が設けられている。
この可動片は、第2大入賞装置36の非作動時、すなわち開閉部材37が第2大入賞口35を閉鎖しているときには特定領域39を閉状態としており、第2大入賞装置36の作動開始、すなわち第2大入賞口35を開閉する開閉部材37の開動作の開始に基づいて、特定領域39を開状態とすべく動作を開始する。つまり、可動片は開閉部材37の開動作に伴って動作を開始する。また、可動片は所定の動作パターンで動作するものとなっており、所定の動作時間が経過することに基づいて、特定領域39を閉状態とする状態に戻る。
これにより、開放した第2大入賞口35に遊技球が入球し、当該入球した遊技球が特定領域39の位置に到達するタイミングと、可動片が特定領域39を開放しているタイミングとが合致すると、その遊技球は特定領域39を通過(V通過)して大当り遊技が開始されることとなり、それらタイミングが合致しなければ、遊技球は特定領域39を通過することなくそのまま機外に排出され、大当り遊技が開始されることはない。また、所定の動作パターンとして、閉状態と開状態とに複数回変化したり、複数回ある開状態又は閉状態の時間が異なったりする動作パターンを設定してもよい。そして、所定の動作パターンを開始後のどのタイミングで開閉部材を開動作させるかによって、特定領域への遊技球の通過可能性を変化させてもよい。本実施例1では、第2大入賞口35に遊技球が入球した際、その入球した遊技球が必ず特定領域39を通過するものとはなっておらず、所定の確率(例えば「1/8」程度)で第2大入賞口35に入球した遊技球が特定領域39を通過するよう、可動片の動作パターンを制御する(入球した遊技球を特定領域39または非特定領域に振り分ける)仕様となっている。尚、特定領域39への遊技球の通過可能性は、大当り確率や小当り確率、大当り遊技で付与可能な利益量(賞球数)、時短状態の遊技期間(時短回数)等の遊技性能(スペック)や遊技性を考慮して任意に定めることが可能であり、100%通過(必ず通過)するように定めることも可能である。
遊技領域3におけるセンター装飾体10の右側領域には、遊技球が通過可能なゲート28(遊技球通過口)が設けられている。ゲート28への遊技球の通過に基づいて、普通図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると、第2始動口21を開状態とするか否かを判定する普通図柄当否判定が実行されると共に普通図柄が変動表示され、普通図柄当否判定の結果に基づいて停止表示される。当り普通図柄が停止表示すると第2始動口21を開状態となる。さらに、遊技領域3の下部には、複数の一般入賞口27が設けられている。
このように各種入球口等が配されている遊技領域3を、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bと、に分けることができる。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちといい、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本パチンコ遊技機1では、遊技開始の際は左打ちにて第1始動口20への入球を狙う。一方、第1始動口20への入球に基づく当否判定において当りとなり遊技状態が変化した際には、右打ちにてゲート28、第2始動口21、第1大入賞口30、及び第2大入賞口35への入球を狙うこととなる。そして、第1始動口20、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、及び一般入賞口27に遊技球が入球した場合には、夫々の入球口(入賞口)において予め定められた数の遊技球(「賞球」ともいう)が払い出される。
また、図3及び図4に示すように、遊技盤2の右下部には主表示器40が配置されている。主表示器40には、第1特別図柄を変動表示及び停止表示する第1特別図柄表示器41a(第1特別図柄表示部)、第2特別図柄を変動表示及び停止表示する第2特別図柄表示器41b(第2特別図柄表示部)、及び、普通図柄を変動表示及び停止表示する普通図柄表示器42(普通図柄表示部)が含まれている。また主表示器40には、第1特別図柄に係る当否判定情報(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43aや、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
また主表示器40には、第1特別図柄当否判定又は第2特別図柄当否判定の結果が当りになったことを示す当り表示器48、第1特別図柄当否判定又は第2特別図柄当否判定の結果が当りになった場合に実行される当り遊技のラウンド数を示すラウンド表示器45、変動時間短縮機能(時短機能)が作動することを示す遊技状態表示器46、及び、遊技球の発射方向、すなわち右打ちすべき状態か左打ちすべき状態かを示す発射方向表示器47が含まれている。これら主表示器40に含まれる各種表示器は後述の主制御部によって表示制御される。
ここで、ラウンド表示器45は、4R用、15R用、5R用、16R用の4個のLEDで構成されている。そして、大当り図柄として、特図1大当り図柄A、特図1大当り図柄B、特図2大当り図柄Aまたは特図2大当り図柄Cが停止表示すると、4R用ランプが点灯表示され、「4R▲5R△5R△16R△」(例えば、▲:点灯、△:消灯とする)の様な表示態様となる。また、大当り図柄として、特図2大当り図柄Bまたは特図2大当り図柄Dが停止表示すると、15R用ランプが点灯表示される。これらのランプは、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、点灯表示される。また、小当り経由で特定領域通過に基づいて大当りとなった場合には、特定領域通過後に実行される大当り遊技のラウンド数に、小当り遊技の開放回数を加算した数を示すランプを点灯する。具体的に、小当り図柄として、特図2小当り図柄Aまたは特図2小当り図柄Cが停止表示され、小当り遊技によって開放した第2大入賞口35内の特定領域39を遊技球が通過した場合には、4ラウンドに小当り分の1回を加算した5R用ランプが点灯表示される。具体的には、「4R△15R△5R▲16R△」の様な表示態様となる。また、小当り図柄として、特図2小当り図柄Bまたは特図2小当り図柄Dが停止表示され、小当り遊技によって開放した第2大入賞口35内の特定領域39を遊技球が通過した場合には、15ラウンドに小当り分の1回を加算した16R用ランプが点灯表示される。
第1特別図柄の変動表示は、第1始動口20への遊技球の入球を契機として行われる。第2特別図柄の変動表示は、第2始動口21への遊技球の入球を契機として行われる。尚以下の説明では、第1特別図柄及び第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41a及び第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示部41ということがある。また、第1特図保留表示器43aを特図保留表示部43ということがある。
特別図柄表示部41では、特別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後に停止表示し、停止表示された特別図柄(停止図柄)によって第1始動口20又は第2始動口21への入球に基づく抽選(特別図柄当否判定、大当り抽選、小当り抽選等)の結果を報知する。停止表示される特別図柄は、特別図柄当否判定によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定識別情報、特定態様)である場合(すなわち、大当り図柄や小当り図柄である場合)には、停止表示された特定特別図柄の種類(当り種別)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当り遊技または小当り遊技)が行われる。
具体的に、図4に示すとおり、第1特別図柄表示器41aは「i〜p」で示す8個のLEDで構成されており、各LEDの点灯と消灯との組み合わせにより複数の表示態様(最大256通り)を表示可能となっている。同様に、第2特別図柄表示器41bも「a〜h」で示す8個のLEDで構成されており、各LEDの点灯と消灯との組み合わせにより複数の表示態様(最大256通り)を表示可能となっている。そして、第1特別図柄表示器41aでは第1特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄(第1特別図柄)を表示し、第2特別図柄表示器41bでは第2特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄(第2特別図柄)を表示する。尚、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば予め定められた順序で、左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様とすることができる。
本実施例1では、第1特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合の大当りの種別として「特図1大当りA,B」の2種類を設けており(図6(A),(B)を参照)、これらの大当りを第1特別図柄表示器41aの表示態様によって識別可能に表示するものとなっている。例えば、第1特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合、その種別が「特図1大当りA」であれば「ijn」の3個のLEDを点灯して残りを消灯し、「特図1大当りB」であれば「jnkl」の4個のLEDを点灯して残りを消灯する。また、第1特別図柄当否判定の結果が外れとなった場合には、「lo」の2個のLEDを点灯して残りを消灯する。
また、第2特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合の大当りの種別として「特図2大当りA〜C」の3種類を設け(図6(A),(B)を参照)、第2特別図柄当否判定の結果が小当りとなった場合の小当りの種別として「特図2小当りA〜C」の3種類を設けており(図6(C),(D)を参照)、これらの大当り又は小当りを、前述の第1特別図柄表示器41aと同様に、第2特別図柄表示器41bの表示態様(各LEDの点灯と消灯との組み合わせ)によって識別可能に表示するものとなっている。尚、各当り(大当り及び小当り)に対応する特別図柄表示部41の表示態様は、複数の当り種別(時短機能や開放延長機能の作動状態のみが異なる態様も含む)に対して一の表示態様としたり、一の当りに対して一の表示態様としたり、一の当りに対して複数の表示態様としたりすることが可能で、外れについても同様に一又は複数の表示態様とすることが可能である。そして、表示態様を複数とした場合には、例えば乱数抽選等により表示態様を選択し、該選択した表示態様に基づいて特別図柄表示部41の表示制御を行うものとすればよい。
本実施例1では、停止表示された特別図柄(停止図柄)の表示態様が大当り(第1特定態様)または小当り(第2特定態様)である場合、その大当りや小当りの種別によって、遊技者に付与する利益の内容が異なるものとなっている。この点についての詳細は後述する。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入球があると、その入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)が取得される。また、第1始動口20への遊技球の入球に基づいて取得される取得情報は、主制御部のRAMに形成される特図保留記憶部(図示せず)に第1特図保留(特図1保留)として記憶することが可能となっている。特図保留記憶部に記憶された特図保留(第1特図保留)は、その特図保留に基づく特別図柄の変動表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特別図柄当否判定用乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、第1始動口20への遊技球の入球に基づく第1特別図柄の変動表示を直ちに実行(開始)できない場合、すなわち第1特別図柄の変動表示の実行中や特別遊技の実行中に遊技球が第1始動口20に入球した場合であっても、所定個数を上限として、その入球に対する特別図柄当否判定の権利、換言すると、第1特別図柄の変動表示を、留保すること(保留として記憶すること)が可能となっている。本実施例1では、第1特図保留として記憶可能な特図保留の数(特図1保留球数)の上限値は「4」となっている。この特図保留記憶部のことを「保留記憶手段」もしくは「取得情報記憶手段」ともいう。尚、特図保留記憶部には、第1始動口20への遊技球の入球に基づく第1特別図柄の変動表示を直ちに実行(開始)できない場合だけでなく、第1特別図柄の変動表示を直ちに実行(開始)できる場合にも、第1始動口20への遊技球の入球に基づいて取得される取得情報が一時的に記憶される。この場合に記憶される取得情報は、第1特別図柄の変動表示の実行(開始)に際して直ぐに読み出されるので、実質的には保留として記憶されるものではないともいえる。
また、第2始動口21への遊技球の入球に基づいて取得される取得情報につき、本実施例1では、第2特別図柄が変動表示していないときに遊技球が第2始動口21に入球した場合、すなわち、第2特別図柄の変動表示を直ちに実行(開始)することが可能となっているときに遊技球が第2始動口21に入球した場合に、当該入球に基づく取得情報が取得されるものとなっている。この取得情報は、第2特別図柄の変動表示が開始されるまで主制御部のRAMに一時的に記憶され、第2特別図柄の変動表示の開始に際して、読み出される。つまり、第2始動口21への遊技球の入球に基づき取得された取得情報は、保留としては記憶せず、直ちに変動表示を開始するための「変動情報」として、主制御部のRAMに一時的に記憶する。このように第2特別図柄に係る変動情報を記憶するRAMの所定領域(所定バッファ)のことを「変動情報記憶部(変動情報記憶手段)」ともいう。尚、「変動情報記憶部」と、前述の「特図保留記憶部」は、いずれも始動口への遊技球の入球に基づいて取得される取得情報を記憶する手段であることから、「変動情報記憶部」と「特図保留記憶部」は実質的に同じものとして捉えることも可能である。但し、本明細書では、特別図柄の変動表示を直ちに実行(開始)できる状況下で取得される取得情報だけの記憶と、特別図柄の変動表示を直ちに実行(開始)できない状況下を含めて取得される取得情報の記憶とを明確に区別すべく、「変動情報記憶部」と「特図保留記憶部」とに分けて表記する。
特図保留記憶部に記憶された特図保留(第1特図保留)の数は、第1特図保留表示器43aに表示される。具体的には第1特図保留表示器43aは、「uv」の2個のLEDで構成されており、第1特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第1特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「u□v□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「u□v●」というように「u」のLEDを消灯し「v」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「2」の場合は「u●v□」というように「u」のLEDを赤色で点灯させ「v」のLEDを消灯する表示態様とし、保留数が「3」の場合は「u●v●」というように両方のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「4」(上限数)の場合は「u▲v▲」というように両方のLEDを緑色で点灯させ表示態様とすることができる。
普通図柄の変動表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を所定時間変動表示した後、停止表示し、停止表示された普通図柄(停止図柄)によって、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄当否判定の結果を報知する。停止表示される普通図柄は、普通図柄当否判定によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(当り普通図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。尚、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には図4に示す通り、普通図柄表示器42は、「st」の2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄当否判定の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば、判定結果が当りである場合には、「s■t■」(例えば、■:点灯、□:消灯とする)というように両LEDが点灯した当り普通図柄を停止表示する。また判定結果が外れである場合には、「s□t■」というように「t」のLEDのみが点灯した態様の外れ普通図柄を表示する。尚、外れ普通図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には予め定められた所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示が実行されるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯・消滅を繰り返す態様である。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に基づいて普通図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は主制御部のRAMに形成される普図保留記憶部(図示せず)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部に記憶可能な普図保留の数には上限が設定されており、本実施例1における上限値は4個となっている。普図保留記憶部に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の変動表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄当否判定用乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の変動表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示がその通過時にすぐ実行できない場合、すなわち普通図柄の変動表示の実行中や補助遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄当否判定の権利を留保することができるようになっている。
普図保留記憶部に記憶された普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、「qr」の2個のLEDで構成されており、普図保留の数に応じてLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「q□r□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「q□r●」というように「q」のLEDを消灯し「r」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数「2〜4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
次に図2及び図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。本実施例1のパチンコ遊技機1は、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定や遊技状態の移行など、遊技進行や遊技利益に関する制御を行う主制御基板80(「主制御部」ともいい、「遊技制御部」ともいう)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板90(「サブ制御部」ともいい、「演出制御部」ともいう)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110(「払出制御部」ともいう)、画像表示装置7に表示される演出図柄8、演出表示器102に表示される図柄、演出第1特図保留表示器103a等の表示制御を行う画像制御基板100(画像制御部)等を備えている。
また、図2に示すように、パチンコ遊技機1の後面側(裏面側)の略中央部には主制御基板80を収納した主制御基板収納ケースが設けられ、この主制御基板ケースの上方には、音声制御基板106、ランプ制御基板107及び画像制御基板100を収納した画像制御基板等収納ケースが設けられ、その画像制御基板等収納ケース上にはサブ制御基板90を収納したサブ制御基板収納ケースが設けられている。また、主制御基板ケースの下方左側には、払出制御基板を収納する払出制御基板ケースが設けられ、その右側には、電源基板109を収納する電源基板ケースが設けられている。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路87(I/Oポート部)を介して他の基板等とデータ(情報)の送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。遊技制御用マイコン81のRAMには、前述した特図保留記憶部(第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部)と普図保留記憶部とが設けられている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、及び一般入賞口センサ27aが接続されている。これら各種センサを「検知手段」ともいう。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入球した遊技球を検知するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入球した遊技球を検知するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検知するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入球した遊技球を検知するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入球した遊技球を検知するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられており、特定領域39を通過した遊技球を検知するものである。一般入賞口センサ27aは、各一般入賞口27内にそれぞれ設けられて一般入賞口27に入球した遊技球を検知するものである。
またソレノイド類としては、第2始動口ソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、及び第2大入賞口ソレノイド38が接続されている。第2始動口ソレノイド24は、可変入賞装置22の可動部材23を駆動するためのものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するためのものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するためのものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、普図保留表示器44、ラウンド表示器45、遊技状態表示器46、発射方向表示器47及び当り表示器48が接続されている。すなわち、これらの主表示器40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球や貸球を払い出す払出装置120、及びカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード(遊技価値記憶媒体)等に記憶されている情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御基板111(「発射制御部」ともいう)を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、発射ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技球の払い出しを制御する払出制御用ワンチップマイコン116(「払出制御用マイコン」ともいう)が実装されている。払出制御用マイコン116には、遊技球の払い出しを制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。払出制御用マイコン116は、入出力回路117を介し、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、払出装置120の払出モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のため払出センサ122、123により検知される。尚、遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114が発射ハンドル60への遊技者の接触を検知し、発射ボリューム115が発射ハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動制御されることとなる。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
また図5に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン91(「演出制御用マイコン」)が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路95は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101(「画像制御用マイコン」)のCPUに、画像表示装置7、演出表示器102、演出第1特図保留表示器103aの表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAMは、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROMには、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄、保留図柄等を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPUは、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROMから画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出表示器102は、2個のLEDからなり、演出図柄8の変動表示及び停止表示にあわせて変動表示および停止表示を行い、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出図柄8の表示結果(特別図柄当否判定の結果)を示す表示態様で停止表示する。また、演出第1特図保留表示器103aも同様に2個のLEDからなる。そして、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出第1特図保留表示器103aは第1演出保留表示領域9cに表示される保留個数および第1特図保留表示器43aに表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。これらの表示器が設けられるのは、キャラクタ図柄を表示画面7a(演出図柄表示部)の略全体に表示したり、可動装飾部材14を動作させて表示画面7aの演出図柄表示領域7b(演出図柄表示部)を被覆したりすることで、演出図柄表示部や第1演出保留表示部の一部または全部が視認できない状態になることがあり得るからである。尚、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101に換えて、または加えてVDP(Video Display Processor)を設けてもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROMに格納されている。尚、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROMに音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を、ROMに格納されているデータから決定し、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプ(LED)の点灯制御を行う。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続されたモータやソレノイド等の電気的駆動源を駆動して可動装飾部材14を動作させる。前述したように、可動装飾部材14は、センター装飾体10(装飾部材13の後方)に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。演出制御用マイコン91は、可動装飾部材14を所定の動作態様で動作させるための動作パターンデータ(「駆動データ」ともいう)を、サブ制御基板90のROMに格納されているデータから決定し、決定した動作パターンデータに基づいて可動装飾部材14の動作を制御する。尚、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や可動装飾部材14の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63b(図1参照)が操作(押す、回転、引く等)されたことを検知する第1演出ボタン検知スイッチ63c及び第2演出ボタン検知スイッチ63dが接続されている。従って、第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63bに対して遊技者が所定の入力操作を行うと、対応する演出ボタン検知スイッチからサブ制御基板90に対して信号が出力される。尚、第1演出ボタン検知スイッチ63c及び第2演出ボタン検知スイッチ63dを総称して単に「演出ボタン検知スイッチ」ともいう。
次に、本実施例1のパチンコ遊技機1における当否判定に係る制御について説明する。本実施例1では、特別図柄当否判定の結果として「大当り」、「小当り」、「外れ」がある。「大当り」のときには、特別図柄表示部41に「大当り図柄」(第1特定識別情報、第1特定態様)が停止表示される。また「小当り」のときには、特別図柄表示部41に「小当り図柄」(第2特定識別情報、第2特定態様)が停止表示される。また「外れ」のときには、特別図柄表示部41に「外れ図柄」が停止表示される。大当り又は小当りと判定されると、停止表示された特別図柄の種類に応じた開放パターンにて、第1大入賞口30または第2大入賞口35を開放する「特別遊技」が実行される。大当りとなって実行される特別遊技を「大当り遊技」といい、小当りとなって実行される特別遊技を「小当り遊技」という。
本実施例1の当りには複数の種別がある。図6(A)〜(D)に示すように、第1特別図柄(特図1)の当り種別として「特図1大当りA,B」があり、第2特別図柄(特図2)の当り種別として「特図2大当りA〜D」及び「特図2小当りA〜D」があり、各当りの種別に応じた停止図柄(大当り図柄、小当り図柄)が設けられている。特図1大当り及び特図2大当りでは第1大入賞口30が開放し、特図2小当りでは第2大入賞口35が開放する。尚、本実施例1のパチンコ遊技機1では、第1特別図柄に小当り(特図1小当り)を設けず、第2特別図柄だけに小当り(特図2小当り)を設けた構成となっているが、特図1小当りを設けてもよい。
「特図1大当りA,B」は、いずれも遊技状態が「通常状態(非時短状態)」の場合と「時短状態」の場合とに発生し得る大当りである(図6(A),(B)を参照)。ここで、大当りの発生により行われる大当り遊技は、第1大入賞口30が開放する複数回のラウンド(R)によって構成される。尚、時短状態とは後述するように特別図柄および普通図柄に対する変動時間短縮機能(時短機能)が作動する状態を意味する。また、本実施例1では、時短機能が作動する場合、第2始動口21が開放する際の開放時間や開放回数を通常よりも延長・増加させる開放延長機能も併せて作動することとしている。本実施例1のパチンコ遊技機1の遊技状態についての詳細は後述する。
「特図1大当りA,B」は、ラウンド数が「4」で、1ラウンド〜4ラウンドの各ラウンドでの第1大入賞口30の開放回数および開放時間が「1回」「25秒」の大当りであり、各ラウンドで第1大入賞口30に遊技球が容易に入球可能となっている。また、「特図1大当りA」は、大当り遊技終了後の遊技状態を時短状態とする大当り、すなわち変動時間短縮機能(時短機能)を作動させる大当りでもあり、「特図1大当りB」は、大当り遊技終了後の遊技状態を通常状態(非時短状態)とする大当り、すなわち変動時間短縮機能(時短機能)を作動させない大当りでもある。尚、以下では、大当り遊技終了後の遊技状態を時短状態とする大当り(変動時間短縮機能の作動開始契機となる大当り)のことを「時短大当り」ともいい、大当り遊技終了後の遊技状態を通常状態(非時短状態)とする大当り(変動時間短縮機能の作動開始契機とならない大当り)のことを「非時短大当り」ともいう。
また「特図2大当りA〜C」は、いずれも遊技状態が「通常状態(非時短状態)」の場合と「時短状態」の場合とに発生し得る大当りである(図6(A),(B)を参照)。「特図2大当りA〜C」のうち、「特図2大当りA,B」は、ラウンド数が「4」で、1ラウンド〜4ラウンドの各ラウンドでの第1大入賞口30の開放回数および開放時間が「1回」「25秒」の大当りであり、各ラウンドで第1大入賞口30に遊技球が容易に入球可能となっている。そして、「特図2大当りA,B」のうち、「特図2大当りA」は「非時短大当り」でもある(4R非時短大当り)。また、「特図2大当りB」は、通常状態(非時短状態)のときに発生した場合には「非時短大当り」でもあり(4R非時短大当り)、時短状態のときに発生した場合には「時短大当り」でもある(4R時短大当り)。また、「特図2大当りC」はラウンド数が「15」、1ラウンド〜15ラウンドの各ラウンドでの第1大入賞口30の開放回数および開放時間が「1回」「25秒」の大当りであり、各ラウンドで第1大入賞口30に遊技球が容易に入球可能となっている。そして、「特図2大当りC」は、通常状態(非時短状態)のときに発生した場合には「非時短大当り」でもあり(15R非時短大当り)、時短状態のときに発生した場合には「時短大当り」でもある(15R時短大当り)。
さらに「特図2小当りA〜C」は、いずれも第2大入賞口35の開放回数および開放時間が「1回」「1.6秒」の小当りである。尚、小当り(小当り遊技)においては、大入賞口の開放回数をラウンド数ではなく単に開放回数という。この「特図2小当りA〜C」は、いずれも遊技状態が「通常状態(非時短状態)」の場合と「時短状態」の場合とに発生し得る大当りである(図6(C),(D)を参照)。また、「特図2小当りA〜C」は、いずれも、小当り遊技で第2大入賞口35に入球した遊技球の少なくとも1個がV通過することで、前述の「4R非時短大当り」、「4R時短大当り」、「15R非時短大当り」および「15R時短大当り」のいずれかを発生させる小当りとなっている。すなわち、「特図2小当りA」は「4R非時短大当り」を発生させる小当である。また、「特図2小当りB」は、通常状態(非時短状態)のときに発生した場合には「4R非時短大当り」を発生させる小当りとなり、時短状態のときに発生した場合には「4R時短大当り」を発生させる小当りとなる。さらに、「特図2小当りC」は、通常状態(非時短状態)のときに発生した場合には「15R非時短大当り」を発生させる小当りとなり、時短状態のときに発生した場合には「15R時短大当り」を発生させる小当りとなる。尚、小当り遊技でのV通過により発生する大当りのことを「V大当り」ともいう。
図6に示すように、本実施例1では、特別図柄当否判定の結果が当りとなった場合における各当りへの振分確率を、当り発生時の遊技状態に応じて次のようにしている。すなわち、通常状態(非時短状態)において、第1特別図柄(特図1)の当否判定の結果が大当りの場合、特図1大当りA(4R時短大当り)が50%、特図1大当りB(4R非時短大当り)が50%となっている。また、通常状態(非時短状態)において、第2特別図柄(特図2)の当否判定の結果が大当りの場合、特図2大当りA(4R非時短大当り)が20%、特図2大当りB(4R非時短大当り)が30%、特図2大当りC(15R非時短大当り)が50%となっており、特図2の当否判定の結果が小当りの場合、特図2小当りA(4R非時短大当りを発生可能な小当り)が20%、特図2小当りB(4R非時短大当りを発生可能な小当り)が30%、特図2小当りC(15R非時短大当りを発生可能な小当り)が50%となっている。
一方、時短状態において、特図1の当否判定の結果が大当りの場合、特図1大当りA(4R時短大当り)が93%、特図1大当りB(4R非時短大当り)が7%となっている。また、時短状態において、特図2の当否判定の結果が大当りの場合、特図2大当りA(4R非時短大当り)が20%、特図2大当りB(4R時短大当り)が30%、特図2大当りC(15R時短大当り)が50%となっており、特図2の当否判定の結果が小当りの場合、特図2小当りA(4R非時短大当りを発生可能な小当り)が20%、特図2小当りB(4R時短大当りを発生可能な小当り)が30%、特図2小当りC(15R時短大当りを発生可能な小当り)が50%となっている。
ここで、本実施例1のパチンコ遊技機1では、遊技状態が通常状態(非時短状態)のときに発生し得る大当りのうち、「特図1大当りA」だけが「時短大当り」となっており、その他の大当り、すなわち「特図1大当りB」および「特図2大当りA〜C」はいずれも「非時短大当り」となっている(図6(A)を参照)。また、遊技状態が通常状態(非時短状態)のときに発生し得る「特図2小当りA〜C」は、いずれも「非時短大当り」を発生可能な小当りとなっている(図6(C)を参照)。このため、通常状態(非時短状態)において「特図1大当りA」が発生しない限り、遊技状態が時短状態に移行することはない。尚、前述したように、通常状態(非時短状態)のときに発生し得る「特図1大当りA(4R時短大当り)」の振分確率は「50%」であることから、通常状態(非時短状態)において特図1の当否判定の結果が大当りとなった場合、その後に時短状態となる確率(時短突入率)は「50%」となる。
また、遊技状態が時短状態のときに発生し得る大当りのうち、「特図1大当りA」、「特図2大当りB」および「特図2大当りC」が「時短大当り」となっており、その他の大当り、すなわち「特図1大当りB」および「特図2大当りA」は「非時短大当り」となっている(図6(B)を参照)。また、遊技状態が時短状態のときに発生し得る小当りのうち、「特図2小当りB」および「特図2小当りC」は「時短大当り」を発生可能な小当りとなっており、「特図2小当りA」は「非時短大当り」を発生可能な小当りとなっている(図6(D)を参照)。このため、時短状態において「特図1大当りA」、「特図2大当りB」、「特図2大当りC」のいずれかが発生するか、「特図2小当りB」または「特図2小当りC」を経て大当りが発生すると、その後の遊技状態も時短状態となり、「特図1大当りB」または「特図2大当りA」が発生するか、「特図2小当りA」を経て大当りが発生すると、その後の遊技状態が通常状態(非時短状態)に移行(転落)する。
尚、前述したように、時短状態にて発生し得る「特図2大当りB(4R時短大当り)」の振分確率と「特図2大当りC(15R時短大当り)」の振分確率との合計は「80%」(=「30%」+「50%」)であり、時短状態にて発生し得る「特図2小当りB(4R時短大当りを発生可能な小当り)」の振分確率と「特図2小当りC(15R時短大当りを発生可能な小当り)」の振分確率との合計も「80%」(=「30%」+「50%」)であることから、「時短状態」において特図2の当否判定の結果が大当り又は小当りとなった場合、その後に時短状態となる確率(時短継続率)は「80%」となる。また、前述したように時短状態にて発生し得る「特図1大当りA(4R時短大当り)」の振分確率は「93%」であることから、時短状態において特図1の当否判定の結果が大当りとなった場合、その後に時短状態となる確率(時短継続率)は「93%」となる。つまり、遊技状態が時短状態にあるときは、特図2の当否判定で大当り又は小当りとなった場合の時短継続率より、特図1の当否判定で大当りとなった場合の時短継続率の方が高いものとなっている。このことから、時短継続率の観点からみると、特図2の当否判定(特図2の変動表示)よりも特図1の当否判定(特図1の変動表示)の方が、遊技者にとって有利といえる。一方、特図2に係る大当り(V大当り含む)として、特図1大当りでは発生し得ない「15R大当り」が発生し得るものとなっている。このことから、大当りで獲得可能な利益量(賞球量)の観点からみると、特図1の当否判定(特図1の変動表示)よりも特図2の当否判定(特図2の変動表示)の方が、遊技者にとって有利といえる。
ここで、本実施例1のパチンコ遊技機1の遊技仕様について簡単に説明しておく。本実施例1のパチンコ遊技機1では、通常状態(非時短状態)にて遊技球が第2始動口21に入球する頻度は時短状態よりも低くなっていることから、通常状態(非時短状態)にて遊技を進める場合、左打ち(遊技領域の左側領域に遊技球を発射)にて第1始動口20への入球を狙うこととなる。つまり、特図1の当否判定(特図1の変動表示)を主体的に行いつつ遊技を進行させることとなる。この通常状態(非時短状態)にて特図1の当否判定の結果が大当りとなり、その大当りが「特図1大当りA(4R時短大当り)」となれば、当該大当りに係る大当り遊技の終了後の遊技状態が時短状態となる。時短状態では、遊技球が第2始動口21に入球する頻度が通常状態よりも高くなる(且つ第2始動口への入球頻度が第1始動口への入球頻度よりも高くなる)ことから、時短状態にて遊技を進める場合、右打ち(遊技領域の右側領域に遊技球を発射)にて第2始動口21への入球を狙うこととなる。つまり、特図2の当否判定(特図2の変動表示)を主体的に行いつつ遊技を進行させることとなる。そして、前述したように、特図2の当りには、特図1の当りでは発生し得ない「15R時短大当り」や「15R時短大当りを発生可能な小当り」が存在することから、特別遊技によって遊技者が得られる利益を考慮すると、本実施例1のパチンコ遊技機1では、第2始動口21に遊技球が入球して行われる特図2の当否判定において当りとなる方が遊技者にとって有利となる可能性が高い(多くの利益を得られる可能性が高い)といえる。よって、第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能の作動中(時短状態)においては、開放延長機能が作動しない通常状態(非時短状態)に比べ遊技を有利に進めることが可能となるので、遊技者は時短状態(右打ち)での遊技を期待することとなる。
また、詳しくは後述するが、本実施例1のパチンコ遊技機1では、「0〜65535」の範囲で値をとる特別図柄当否判定用乱数を設けており(図7(A)を参照)、特図1の当否判定および特図2の当否判定における大当り判定値は「65200〜65535」、特図2の当否判定における特図2小当り判定値は「0〜65199」としている(図7(A)を参照)。つまり、大当り確率が「1/195.05」、特図2小当り確率が「1/1.005」となっている。このため、特図2の当否判定を主体的に行う時短状態では、高い確率で特図2小当りが発生することとなるので、特図2小当りを契機とするV大当りを繰り返し発生させることが遊技の主目的となる。そして、時短状態にて特図2小当りA(4R非時短大当りを発生可能な小当り)を引いてV大当りが発生するか、特図2大当りAが発生するか、あるいは、遊技の主目的とはならないが特図1大当りBが発生すると、これに係る大当り遊技終了後の遊技状態は非時短状態となる。
ここで、本実施例1では、特図保留記憶部で記憶可能な保留を特図1保留のみとしており、また、後述するように第1特別図柄の変動表示を第2特別図柄の変動表示に優先して実行するものとしていることから、例えば、第1特図保留が存在する状態で大当り遊技が終了し、これに続いて時短状態での遊技(特別図柄の変動表示)が開始される場合、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)から開始されることとなる。そして、前述したように、本実施例1では、時短状態における特図1大当りのうち93%が時短大当りである「特図1大当りA」となっていることから、仮に、第1特図保留が存在する状態で大当り遊技が終了し、これに続く時短状態で第1特別図柄の変動表示から開始されて当該変動表示の結果が大当りとなったとしても、その大当りは「93%」という高い確率で時短大当りとなる。このため、本実施例1のパチンコ遊技機1では、例えば、特図2小当りを契機とするV大当りを繰り返し発生させることを狙う時短状態での本来の遊技を行うことなく、遊技状態が通常状態(非時短状態)に戻ってしまうという可能性は、極めて低いものとなる。
尚、第1特図保留が存在する状態で大当り遊技が終了し、これに続く時短状態での遊技が第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)から開始されるといった状況が起こり得るのは、例えば、通常状態(非時短状態)で特図1大当りを引いて時短状態に移行した場合、つまり、いわゆる「初当り」で時短大当りを引いて時短遊技に移行した場合が考えられる。特に、通常状態では、前述したように、第1始動口20に遊技球を入球させて特図1の当否判定(特図1の変動表示)を主体に遊技を進行させることから、通常状態(非時短状態)から時短状態に移行した当初、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)から開始されることは充分にあり得る。この点、本実施例1では、万が一、時短状態に移行した直後に特図1大当りを引いてしまったとしても、これを契機に通常状態(非時短状態)に戻ってしまう可能性は極めて低いので、せっかく時短状態に移行したにもかかわらず、特図2小当りを契機とするV大当りの発生を狙わずして時短状態が終わって通常状態(非時短状態)に戻ってしまう(転落してしまう)といったことは起こり難い。このように、本実施例1では、通常状態(非時短状態)での初当りを経て時短状態に移行した場合、時短状態での遊技を極力続けられるようにしているので、時短状態への移行により高まった遊技者の気持ちや遊技意欲を損ない難いものとなっている。
また、本実施例1では、前述したように特図2当りには、特図1当りでは発生し得ない「15R時短大当り」が含まれていることから、大当り遊技で獲得可能な利益を考慮すると、特図1の当否判定(特図1の変動表示)よりも特図2の当否判定(特図2の変動表示)の方が遊技者にとって有利といえる。しかしながら、通常状態にて特図2大当りや特図2小当りを契機とするV大当りが発生したとしても、これら大当りとしては「非時短大当り」しか存在せず、通常状態では「特図1大当りA」が発生しない限り、遊技者が遊技を有利に進めることができる遊技状態、すなわち時短状態には移行しないものとなっている。このため、通常状態(非時短状態)にて、当該通常状態での遊技の主目的(本来の遊技性)に反して、遊技球を第2始動口21に入球させて特図2の当否判定(特図2の変動表示)を狙ったとしても、遊技者にとっては何ら有利に働くことはない。これにより、本実施例1のパチンコ遊技機1では、特図2を変動表示させるために遊技球を第2始動口21に入球させる行為(本来の遊技性を損なう行為)の抑制を図ることが可能となっている。
本パチンコ遊技機1では、大当りか、小当りか、外れかの判定は「特別図柄当否判定用乱数(「当否判定用情報」ともいう)」に基づいて行われ、大当りとなった場合の大当り種別の判定は「大当り種別決定用乱数(「大当り図柄決定用乱数」、「大当り図柄決定用情報」ともいう)」に基づいて行われ、小当りとなった場合の小当り種別の判定は「小当り種別決定用乱数(「小当り図柄決定用乱数」、「小当り図柄決定用情報」ともいう)」に基づいて行われる。図7(A)に示すように、特別図柄当否判定用乱数は「0〜65535」の範囲で値をとり、大当り種別決定用乱数は「0〜199」の範囲で値をとり、小当り種別決定用乱数は「0〜199」の範囲で値をとる。尚、第1始動口20または第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)には、特別図柄当否判定用乱数や大当り種別決定用乱数、小当り種別決定用乱数の他に「変動パターン乱数(「変動パターン情報」ともいう)」がある。
変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数であり、「0〜198」の範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図7(B)に示す普通図柄当否判定用乱数がある。普通図柄当否判定用乱数は、第2始動口21を開放させる補助遊技を行うか否かの判定(普通図柄抽選)のための乱数であり、「0〜240」の範囲で値をとる。
次に、本実施例1のパチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。パチンコ遊技機1は、特別図柄及び普通図柄に対する確率変動機能、変動時間短縮機能および開放延長機能の各機能が作動状態または非作動状態となる組合せにより、複数の遊技状態を有している。尚、本実施例1のパチンコ遊技機1は1種2種混合タイプであることから、特別図柄に対する確率変動機能は備えていない。
特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態および非時短状態では、図8(A)に示す当り判定テーブルを用いて当否判定を行う。具体的には、特別図柄当否判定で大当りと判定される確率(大当り確率)が、第1特別図柄と第2特別図柄ともに「1/195.05」となっている。また、特別図柄当否判定で小当りと判定される確率(小当り確率)は、第2特別図柄が「1/1.005」となっており、第1特別図柄では小当りと判定されることはない。尚、本実施例1では、特別図柄当否判定で大当りと判定される場合を除き、第1特別図柄では外れと判定され、第2特別図柄では小当りとなる。つまり、第1特別図柄には小当りがなく、第2特別図柄には外れがない。これは、第1特別図柄は原則、通常状態のときに変動表示させるもので、通常状態では、第1特別図柄の当否判定を主体的に行って第1特別図柄の大当り(特図1大当り)を発生させ、当該大当りが時短大当りであることを契機に遊技状態を時短状態に移行させることが、遊技の主目的となるからである。また、第2特別図柄は原則、時短状態のときに変動表示させるもので、時短状態では、第2特別図柄の当否判定を主体的に行って高い確率で第2特別図柄の小当り(特図2小当り)を発生させ、当該小当りを契機とするV大当りを繰り返し発生させることが、遊技の主目的となるからである。そして、特図2小当りに係る小当り遊技の際、第2大入賞口35の開放時間は1.6秒という比較的短時間であることから、遊技球が必ず第2大入賞口35に入球するとは限らず、また、第2大入賞口35に入球したとしても、その遊技球が必ず特定領域39を通過するとは限らない。このことから、第2特別図柄の当否判定に外れが存在しないとしても、特図2小当りに係る小当り遊技で遊技球が第2大入賞口35に入球しない場合や、第2大入賞口35に入球した遊技球が特定領域39を通過しない場合が、実質的に外れに相当することとなる。
また、時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示の開始時から確定表示時までの時間)の平均値が、非時短状態における特別図柄の変動時間の平均値よりも短くなっている。すなわち、時短状態においては、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図9参照)。その結果、時短状態では、特別図柄の変動表示を短時間で行い、スムーズな遊技進行のもとで当りを狙うことができる。
普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能は、特別図柄の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能は、特別図柄の時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄当否判定における当り確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当りと判定される普通図柄乱数(当り乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当り判定テーブルよりも多い普通図柄当り判定テーブルを用いて、普通図柄当否判定(普通図柄の判定)を行う(図8(D)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄の変動表示の結果が当りとなる(停止図柄が普通当り図柄となる)確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本実施例1では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図8(E)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における第2始動口21の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。すなわち、可変入賞装置22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における第2始動口21の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。すなわち、可変入賞装置22の開放回数増加機能が作動している。具体的に、非時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22の開閉部材37が0.2秒の開放動作を1回行い、その期間第2始動口が開状態となる。また時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22の開閉部材37が2.0秒の開放動作を3回行うものとされる。尚、開放時間延長機能と開放回数増加機能を総称して単に「開放延長機能」ということがある。
普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放延長機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、第2始動口21が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球の入球頻度が高くなる(「高頻度状態」ともいう)。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当りを狙うことができる。
高ベース状態(高頻度状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能及び開放回数増加機能のうち少なくとも一つの機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも第2始動口が開放され易く(入球頻度が高く)なっていればよい。また、高ベース状態は、特別図柄の時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。この様な高ベース状態を発生する機能を「高ベース発生機能」ということもできる。
本実施例1のパチンコ遊技機1では、「時短大当り」となった場合の大当り遊技終了後の遊技状態は時短状態且つ高ベース状態となる(図6参照)。この遊技状態を「時短高ベース状態」ともいう。時短高ベース状態は、所定回数(例えば、本実施例1では100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りに当選してその大当り遊技が実行されるか、小当りに当選してその小当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過してV大当りとなりその大当り遊技が実行されることにより終了する。また、「非時短大当り」となった場合の大当り遊技終了後の遊技状態は非時短状態且つ低ベース状態となる(図6参照)。この遊技状態を「非時短低ベース状態」ともいう。尚、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の(初期状態の)遊技状態は非時短低ベース状態(通常状態)である。
さらに、時短高ベース状態にて「特図2小当りB」または「特図2小当りC」となって小当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過してV大当りとなった場合の大当り遊技終了後の遊技状態は時短高ベース状態となり(図6参照)、非時短低ベース状態にて「特図2小当りA〜C」の何れかとなるか、時短高ベース状態にて「特図2小当りA」となって、その小当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過してV大当りとなった場合の大当り遊技終了後の遊技状態は非時短低ベース状態となる(図6参照)。尚、小当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過しなかった場合(V大当りとならなかった場合)、小当り遊技終了後の遊技状態は原則、小当り遊技開始前と同じ状態となる。但し、時短高ベース状態にて当該時短高ベース状態が終了することとなる最終回(本実施例では100回目)の特別図柄の変動表示で小当り図柄が停止表示され、これに係る小当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過しなかった場合(V大当りとならなかった場合)には、小当り遊技終了後の遊技状態は非時短低ベース状態となる。尚、以下では、「時短高ベース状態」のことを単に「時短状態」または「高ベース状態」ということがあり、「非時短低ベース状態」のことを単に「非時短状態」または「低ベース状態」ということがある。また、「低ベース状態」は本発明の「第1遊技状態」の一態様に相当し、「高ベース状態」は本発明の「第2遊技状態」の一態様に相当する。
高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域(右側領域)3Bへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。第2始動口21は、右遊技領域3Bを流下する遊技球が入球可能であって、左遊技領域3Aを流下する遊技球が入球不能となるように配置されている。また、ゲート28も右遊技領域3Bを流下する遊技球が通過可能となるように配置されている。そして、高ベース状態では、低ベース状態と比べて第2始動口21が開放されやすくなっており、左遊技領域3Aに向けて遊技球を発射して第1始動口20への入球を狙うよりも、右遊技領域3Bに向けて遊技球を発射して第2始動口21への入球を狙う方が、始動口への入球可能性が高くされている。そのため、普通図柄当否判定の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入球させるべく右打ちを行う。これにより高ベース状態では、左打ちを行うよりも右打ちを行う方が、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができ、遊技者に有利である。この状態(高ベース状態)のとき、主制御部80によって表示制御される発射方向表示器47(「第1発射報知手段」ともいう)が所定の態様で点灯制御され、右遊技領域へ発射すべきことを報知するものとされる。また、本実施例では、大当り遊技や小当り遊技においても、右打ちにより遊技を行うため、発射方向表示器47は、右遊技領域へ発射すべきことを報知するものとされる。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域(左側領域)3Aへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。第1始動口20は、左遊技領域3Aを流下する遊技球が入球可能となるように配置されている。尚、第1始動口20は、右遊技領域3Bを流下する遊技球が入球不能となるように配置しても良いし、入球可能となるように配置しても良い。右遊技領域3Bを流下する遊技球が入球可能となるように配置する場合には、左遊技領域3Aに向けて遊技球を発射した方が、右遊技領域3Bに向けて遊技球を発射するよりも、第1始動口20への遊技球の入球可能性を高くするものとする。また、低ベース状態では、高ベース状態と比べて第2始動口21が開放されにくくなっているため、右遊技領域3Bに向けて遊技球を発射して第2始動口21への入球を狙うよりも、左遊技領域3Aに向けて遊技球を発射して第1始動口20への入球を狙う方が、始動口への入球可能性が高くされている。これにより、低ベース状態では、第1始動口20へ遊技球を入球させるべく左打ちを行う方が、右打ちを行うよりも、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができ、遊技者に有利である。この状態(低ベース状態)のとき、主制御部80によって表示制御される発射方向表示器47が高ベース状態のときとは異なる所定の態様で点灯制御(表示制御)され、左遊技領域へ発射すべきことを報知するものとされる。
具体的には発射方向表示器47は、「yz」の2個のLEDで構成されており、遊技状態に応じてLEDを点灯させることにより発射方向を示すものである。例えば、低ベース状態では、「y□z□」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様として左遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。また、高ベース状態及び当り遊技の実行中は、「y■z■」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを点灯する表示態様として右遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。
[主制御メイン処理]
次に、図10〜図35に基づいて遊技制御用マイコン81の動作(主制御部による制御処理)について説明する。尚、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、主制御基板80のRAMに設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、主制御基板80のROMから図10に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(S101)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、主制御基板80のCPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。尚初期設定(S101)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。尚、本実施例1及び図面において、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「特図1」「第1特図」、第2特別図柄を「特図2」「第2特図」ということがある。
初期設定(S101)に次いで、割り込みを禁止し(S102)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、図7に示した種々の乱数カウンタの値を1加算する更新を行う。各乱数カウンタの値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。尚各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタ値は主制御基板80のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)が終了すると、割り込みを許可する(S104)。割り込み許可中は、割り込み処理(S105)の実行が可能となる。この割り込み処理(S105)は、例えば4ms周期で主制御基板80のCPUに繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして、割り込み処理(S105)が終了してから、次に割り込み処理(S105)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。尚、割り込み禁止状態のときにCPUに割り込みパルスが入力された場合は、割り込み処理(S105)はすぐには開始されず、割り込み許可(S104)がされてから開始される。
[割り込み処理]
次に、割り込み処理(S105)について説明する。図11に示すように、割り込み処理(S105)では、まず出力処理(S201)を実行する。出力処理(S201)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAMに設けられた出力バッファにセットされたコマンド(制御信号)等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。ここで出力するコマンド等には、遊技状態、特別図柄当否判定の結果、当り種別としての図柄(大当り図柄、小当り図柄)、変動パターン等に関する情報等が挙げられる。尚コマンドは、例えば2バイトの情報からなる。上位1バイトは、コマンドの種類に関する情報であり、下位1バイトはコマンドの内容に関する情報である。
出力処理(S201)に次いで行われる入力処理(S202)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、一般入賞口センサ27a等(図5参照))が検知した検知信号を読み込み、賞球情報としてRAMの出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検知する下皿満杯スイッチからの検知信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)は、図10の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)と同じである。即ち、図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、タイマ割り込み処理(S105)の実行期間と、それ以外の期間(割り込み処理(S105)の終了後、次の割り込み処理(S105)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)に次いで、後述する始動口センサ検知処理(S204)、普図動作処理(S205)、特図動作処理(S206)、保留球数処理(S207)及び電源断監視処理(S208)を実行する。その後、本発明に深く関連しないその他の処理(S209)を実行して、割り込み処理(S105)を終了する。そして、次に主制御基板80のCPUに割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のS102〜S104の処理が繰り返し実行され(図10参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再び割り込み処理(S105)が実行される。再び実行された割り込み処理(S105)の出力処理(S201)においては、前回の割り込み処理(S105)にてRAMの出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[始動口センサ検知処理]
図12に示すように、始動口センサ検知処理(S204)ではまず、ゲート28を遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S301)。ゲート28を遊技球が通過していれば(S301でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAMに設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4個(上限数)に達しているか否かを判定し(S302)、遊技球がゲート28を通過していなければ(S301でNO)、S305に進む。
普通図柄保留球数が4個に達していれば(S302でYES)、S305に進む。一方、普通図柄保留球数が4個に達していなければ(S302でNO)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S303)、普通図柄乱数取得処理(S304)を行う。普通図柄乱数取得処理(S304)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H、図7(B))を取得し、その取得乱数値(取得情報)を、主制御基板80のRAMに設けられた普図保留記憶部のうち現在の普通図柄保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
S305では、第1始動口20に遊技球が入球したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S305)。第1始動口20に遊技球が入球していない場合(S305でNO)にはS309に進み、第1始動口20に遊技球が入球した場合には(S305でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否かを判定する(S306)。そして、特図1保留球数が4個に達している場合(S306でYES)には、S309に進み、特図1保留球数が4個(上限数)に達していない、すなわち特図1保留球数が4個未満の場合には(S306でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S307)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S308)を行う。特図1関係乱数取得処理(S308)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)、小当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−KS)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数の値を取得し)、それら取得乱数値(取得情報)を第1特図保留記憶部のうち現在の特図1保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
続いて始動口センサ検知処理(S204)では、第2始動口21に遊技球が入球したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S309)。第2始動口21に遊技球が入球していない場合(S309でNO)には、そのまま処理を終え、第2始動口21に遊技球が入球した場合には(S309でYES)、第2特別図柄の変動表示を開始可能(実行可能)であるか否かを判定する(S310)。このS310の処理は、現在、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)が変動表示しているか否かの判定と、特別遊技中(大当り遊技中または小当り遊技中)であるか否かの判定によって行われ、特別図柄が変動表示中でなく、かつ、特別遊技中でない場合に、第2特別図柄の変動表示を開始可能であると判定する(S310でYES)。第2特別図柄の変動表示を開始可能でなければ(S310でNO)、そのまま処理を終え、開始可能であれば(S310でYES)、特図2関係乱数取得処理(S311)を行う。特図2関係乱数取得処理(S311)では、特図1関係乱数取得処理(S308)と同様に、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)、小当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−KS)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数値を取得し)、それら取得乱数値を変動情報記憶部に格納する。
[普図動作処理]
遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検知処理(S204)に次いで、図13に示す普図動作処理(S205)を行う。普図動作処理(S205)では、普通図柄表示器42および可変入賞装置22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「普図動作ステータス」が「1」である場合には(S401でYES)、普通図柄待機処理(S402)を行い、「普図動作ステータス」が「2」である場合には(S401でNO、S403でYES)、普通図柄変動中処理(S404)を行い、「普図動作ステータス」が「3」である場合には(S401、S403で共にNO、S405でYES)、普通図柄確定処理(S406)を行い、「普図動作ステータス」が「4」である場合には(S401、S403、S405の全てがNO)、普通電動役物処理(S407)を行う。尚普図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[普通図柄待機処理]
図14に示すように、普通図柄待機処理(S402)ではまず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S501)、「0」であれば(S501でYES)この処理を終える。一方「0」でなければ(S501でNO)、後述の普通図柄当否判定処理を行う(S502)。また、普通図柄当否判定処理(S502)に次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S503)。普通図柄変動パターン選択処理では、図8(E)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。また普通図柄変動パターン選択処理に次いで後述の普通図柄乱数シフト処理(S504)を行う。また、普通図柄乱数シフト処理(S504)に次いで、普通図柄変動開始処理を行い(S505)、処理を終える。普通図柄変動開始処理では、S503で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また普通図柄変動開始処理では、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
[普通図柄当否判定処理]
図15に示すように、普通図柄当否判定処理(S502)ではまず、普図保留記憶部に格納されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)を読み出す(S601)。次いで、時短フラグがONか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S602)。S602で、時短フラグがONである、すなわち時短状態であると判定した場合(S602でYES)、図8(D)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」〜「239」)に基づく高確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S604)、S605の処理に移行する。すなわち、読み出した普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)が当り判定値の何れかと一致するか否かを判定する。一方、S602で、時短フラグがONでない、すなわち、非時短状態であると判定した場合(S602でNO)、図8(D)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」、「1」)に基づく低確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S603)、S605の処理に移行する。
そして、S605で、普図当否判定(S603、S604)の結果が、当り(普図当り)か否かを判定し(S605)、外れと判定した場合(S605でNO)、停止表示する外れ普通図柄(普図外れ図柄)を決定し(S606)、処理を終える。一方、S605で当り(普図当り)と判定した場合(S605でYES)、停止表示する当り普通図柄(普図当り図柄)を決定し(S607)、普図当りフラグをONにして(S608)、処理を終える。
[普通図柄乱数シフト処理]
普通図柄変動パターン選択処理(S503)に次いで普通図柄乱数シフト処理(S504)を実行する。図16に示すように、普通図柄乱数シフト処理(S504)ではまず、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S701)。次いで、普図保留記憶部における各普図保留の格納場所を、現在の位置から読み出される側に一つシフトする(S702)。そして、普図保留記憶部における最上位の保留記憶の格納場所であるアドレス空間を空(「0」)にして、即ち普図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S703)、処理を終える。このようにして、普図保留が保留順に消化されるようにしている。
[普通図柄変動中処理]
図17に示すように、普通図柄変動中処理(S404)ではまず、普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定し(S801)、経過していなければ(S801でNO)処理を終える。一方、経過していれば(S801でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットする(S802)とともに、普図動作ステータスを「3」にセットする(S803)。そして、普通図柄の変動表示を、普通図柄当否判定用乱数の判定結果に応じた表示結果(当り普通図柄又は外れ普通図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S804)、この処理を終える。
[普通図柄確定処理]
図18に示すように、普通図柄確定処理(S406)ではまず、普図当りフラグがONであるか否かを判定する(S901)。普図当りフラグがONでなければ(S901でNO)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S905)、この処理を終える。一方、普図当りフラグがONであれば(S901でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中か否かを判定する(S902)。そして時短状態中であれば(S902でYES)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして時短状態中の開放パターンをセットする(S903)。時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、2.0秒の開放を3回繰り返す開放パターンである。従って、第2始動口21の開放回数をカウントする第2始動口開放カウンタに「3」をセットする。
これに対して、非時短状態中であれば(S902でNO)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして非時短状態中の開放パターンをセットする(S906)。非時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、0.2秒の開放を1回行う開放パターンである。従って、第2始動口開放カウンタに「1」をセットする。そして、開放パターンのセット(S903、S906)に続いて、普図動作ステータスを「4」にセットし(S904)、この処理を終える。
[普通電動役物処理]
図19に示すように、普通電動役物処理(S407)ではまず、普図当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S1001)。普図当り終了フラグは、当りとなって実行された補助遊技において、第2始動口21の開放が終了したことを示すフラグである。
普図当り終了フラグがONでなければ(S1001でNO)、第2始動口21の開放中か否かを判定する(S1002)。開放中でなければ(S1002でNO)、第2始動口21を開放させる時期(タイミング)に至ったか否かを判定し(S1003)、至っていなければ(S1003でNO)処理を終え、至っていれば第2始動口21を開放させ(S1004)、処理を終える。一方、第2始動口21の開放中であれば(S1002でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから予め定められた開放時間が経過したか否か)を判定し(S1005)、至っていなければ(S1005でNO)処理を終え、至っていれば(S1005でYES)第2始動口21を閉状態(閉鎖)とする(S1006)。
そして第2始動口21の閉鎖処理(S1006)に次いで、第2始動口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S1007)、第2始動口開放カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1008)。「0」でなければ(S1008でNO)、再び第2始動口21を開放させるためにそのまま処理を終える。一方「0」であれば(S1008でYES)、補助遊技を終了させる普図当り終了処理を行う(S1009)とともに、普図当り終了フラグをセットして(S1010)処理を終える。尚、第2始動口開放カウンタは、時短状態中であれば第2始動口21の開放(可動部材23の開放動作)が3回なされると「0」になり、非時短状態中であれば第2始動口21の開放が1回なされると「0」になる。
これに対してS1001において普図当り終了フラグがONであれば(S1001でYES)、S903又はS906にてセットされた回数の第2始動口21の開放動作は終了しているので、普図当り終了フラグをOFFするとともに(S1011)、普図当りフラグをOFFし(S1012)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S1013)処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、普図動作処理(図13)として再び普通図柄待機処理(S402)が実行されることになる。
[特図動作処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、普図動作処理(S205)に次いで特図動作処理(S206)を行う。特図動作処理(S206)では、図20に示すように、特別図柄表示器41及び大入賞装置(第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特図動作ステータス1、2、3、4、5」を割り当てている。そして、「特図動作ステータス」が「1」である場合には(S1101でYES)、特別図柄待機処理(S1102)を行い、「特図動作ステータス」が「2」である場合には(S1101でNO、S1103でYES)、特別図柄変動中処理(S1104)を行い、「特図動作ステータス」が「3」である場合には(S1101、S1103で共にNO、S1105でYES)、特別図柄確定処理(S1106)を行い、「特図動作ステータス」が「4」である場合には(S1101、S1103、S1105で共にNO、S1107でYES)、大当り遊技としての特別電動役物処理1(S1108)を行い、「特図動作ステータス」が「5」である場合には(S1101、S1103、S1105、S1107の全てがNO)、小当り遊技としての特別電動役物処理2(S1109)を行う。尚、特図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]
図21に示すように、特別図柄待機処理(S1102)ではまず、特図1保留球数が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特図1保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第1始動口20への入球に基づいて取得される乱数カウンタ値の記憶が特図保留記憶部にない場合には、第2始動口21への遊技球の入球に基づき取得される乱数カウンタ値(特図2取得乱数)の記憶が変動情報記憶部にあるか否か、すなわち、前述のS311の処理で特図2関係乱数を取得したか否かを判定する(S1206)。そして、特図2取得乱数の記憶もない場合には(S1206でNO)、画像表示装置7の表示画面7aを待機画面とする処理中(客待ち用のデモ画面の実行中)であるか否かを判定し(S1211)、そうであれば(S1211でYES)処理を終え、そうでなければ(S1211でNO)待機画面を表示するために待機画面設定処理を実行する(S1212)。
S1201において特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第1始動口20への入球に基づいて取得される乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図1当否判定処理(S1202)、特図1変動パターン選択処理(S1203)、特図1乱数シフト処理(S1204)、特図1変動開始処理(S1205)をこの順に行う。また、特図1保留球数が「0」であり特図2取得乱数が記憶されている場合(S1201でYES、S1206でYES)、即ち、第1始動口20に係る乱数カウンタ値の記憶はないが、第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数カウンタ値の記憶がある場合には、後述の特図2当否判定処理(S1207)、特図2変動パターン選択処理(S1208)、特図2変動開始処理(S1210)をこの順に行う。このように本実施例1では、第2特別図柄の変動表示は、第1特図保留が「0」の場合(S1201でYESの場合)に限って実行可能となる。すなわち、第1特別図柄の変動表示(第1特図保留の消化)が、第2特別図柄の変動表示に優先して実行される。
[特図1当否判定処理]
図22に示すように、特図1当否判定処理(S1202)ではまず、判定対象値として、RAMの特図保留記憶部の最下位の領域(即ち第1特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている(最も古い記憶の)特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)を読み出す(S1302)。次いで、図8(A)の当り判定テーブルに基づいて当否判定を行う(S1303)。この当り判定テーブルでは、特図1の当否判定および特図2の当否判定における大当り判定値は「65200〜65535」とされている。また、特図1の当否判定における特図1小当り判定値は割り当てられておらず、特図2の当否判定における特図2小当り判定値は「0〜65119」とされている。
当否判定(S1303)の結果が「大当り」と判定した場合(S1304でYES)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)を読み出して、図8(B)に示す大当り種別判定テーブルに基づいて大当り種別を判定し(S1305)、当該大当り種別決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S1306)、大当りフラグをONにして(S1307)、処理を終える。尚、第1特別図柄に係る当否判定の場合は、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、第2特別図柄に係る当否判定の場合は、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。また、大当り種別の判定(S1305)は、当該判定を行うときの遊技状態(現在の遊技状態)に基づいて行う。すなわち、時短フラグがONであるか否かを判定し、時短フラグがONでなければ非時短状態用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、時短フラグがONであれば時短状態用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。これにより、現在の遊技状態(非時短状態または時短状態)に応じた振り分け率にしたがって、大当り種別は特図1大当りA,Bの何れか(4R時短大当りまたは4R非時短大当り)となる(図6(A),(B)、図8(B)を参照)。そして、本実施例1では、「特図1大当りAに対応する特図1大当りフラグA、特図1大当りBに対応する特図1大当りフラグB・・・」といったように、大当りフラグを大当り種別毎に対応して設けているので、S1307では、S1305で判定された大当り種別に対応する大当りフラグをONにする。
一方、当否判定(S1303)の結果が「大当り」でないと判定した場合(S1304でNO)、外れ図柄を決定し(S1308)、処理を終える。つまり、当否判定(S1303)の結果が「大当り」でない場合(S1304でNO)、その結果は「外れ」となる。
[特図1変動パターン選択処理]
特別図柄待機処理(図21)では、特図1当否判定処理(S1202)に次いで、特図1変動パターン選択処理を行う(S1203)。図23及び図24に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1203)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1401)。そして、時短状態でなければ(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、大当りフラグがONか否かを判定し(S1402)、ONであれば(S1402でYES)、非時短状態中大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。ここでは変動パターンP1乃至P3の何れかが選択される。
一方、大当りフラグがONでなければ(S1402でNO)、すなわち、外れであれば、第1特別図柄の保留数(特図1保留球数)が「1」又は「2」であるかを判定する(S1405)。ここでいう保留数とは、本処理により変動パターンを決定している情報も含めた記憶数であるので、保留記憶の数は「1〜4」の何れかの値とされる。そして、S1405で、特図1保留球数が「1」又は「2」の何れかであると判定した場合(S1405でYES)、第1保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ外れ且つ保留球数「1,2」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1406)。ここでは変動パターンP5乃至P8の何れかが選択される。一方、S1405で、特図1保留球数が「1」又は「2」でもない、すなわち「3」又は「4」であると判定した場合(S1405でNO)、第2保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ外れ且つ保留球数「3,4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1407)。ここでは変動パターンP9乃至P12の何れかが選択される。尚、第1保留数外れ用テーブルは、第2保留数外れ用テーブルよりも、比較的長時間の変動時間の変動パターンを選択する可能性が高く設定されている。また、第1保留数外れ用テーブルで選択可能な最も短い変動時間(12000ms)も、第2保留数外れ用テーブルのもの(4000ms)よりも長い時間とされている。
またS1401において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1401でYES)には、図24に示すように、参照する変動パターンテーブルを時短状態中用のテーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態に該当する部分)にすること以外は、上記ステップS1402,S1403,S1405〜S1407と同様の流れで処理(S1408〜S1410)を行う。すなわち、大当りであれば(S1408でYES)、図9の時短状態中且つ大当りに該当する部分を参照し、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1409)。ここでは変動パターンP13が選択される。一方、外れであれば(S1408でNO)、図9の時短状態中且つ外れに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する。ここでは変動パターンP15が選択される。ここで、時短状態で且つ外れの場合に選択される変動パターンは、非時短状態で且つ外れの場合に選択される変動パターンと比較して、変動時間が短いもの(2000ms)とされている。これは、時短状態において変動時間の短い変動パターンが選択されようにすることで、特図保留(ここでは第1特図保留)の消化スピードを早めるためである。
以上のようにして変動パターンの選択を行った後は、図23に示すその他の処理を行い(S1404)、処理を終える。尚、その他の処理(S1404)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドをRAMの出力バッファにセットする等の処理を行う。また、この処理でセットされた変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御部90に送信される。
[特図1乱数シフト処理]
図25に示すように、特図1乱数シフト処理(S1204)ではまず、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1501)。次いで、特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側(例えば特図保留記憶部がアドレス「0000」〜「0003」に対応するアドレス空間からなる場合、アドレス「0000」側)にシフトする(S1502)。そして、特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第1特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1503)、この処理を終える。
特図1乱数シフト処理(S1204)を実行した後は、図21の特図1変動開始処理(S1205)を実行する。特図1変動開始処理(S1205)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。
図21の特別図柄待機処理(S1102)において、特図1保留球数が「0」であり、且つ、特図2取得乱数が記憶されている場合(S1201でYES、S1206でYES)には、特図2当否判定処理(S1207)、特図2変動パターン選択処理(S1208)、特図2変動開始処理(S1210)をこの順に行う。
[特図2当否判定処理]
図26に示すように、特図2当否判定処理(S1207)ではまず、判定対象値として、RAMの変動情報記憶部に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)を読み出す(S1602)。次いで、図8(A)の当り判定テーブルに基づいて当否判定を行う(S1603)。この当り判定テーブルでは、前述したように、大当り判定値は「65200〜65535」とされており、特図2小当り判定値は「0〜65119」とされている。ここで、本実施例1では、図7を用いて説明したように、特別図柄当否判定用乱数カウンタは「0〜65535」の範囲で値をとるものとなっており、この「0〜65535」のうち「0〜65119」が特図2小当り判定値に割り当てられており、「65200〜65535」が大当り判定値に割り当てられている(図8(A)を参照)。このため、本実施例1では、特図2の当否判定の結果が「外れ」となることはなく、特図2の当否判定の結果は必ず「小当り」または「大当り」となる。
そして、特図2の当否判定(S1603)の結果が「大当り」の場合(S1604でYES)は、前述した特図1当否判定処理(S1202)と同様の流れで行うが、当否判定の結果が大当りの場合の大当り種別は、特図1当否判定処理と異なるものとなっている。すなわち、特図2の当否判定の結果が大当りの場合にS1610にて判定される大当り種別は「特図2大当りA〜C」の何れかとなり、現在の遊技状態が非時短状態であれば、4R非時短大当りとしての特図2大当りA,Bおよび15R非時短大当りとしての特図2大当りCの何れかとなる(図6(A)、図8(B)を参照)。一方、時短状態であれば、4R非時短大当りとしての特図2大当りA、4R時短大当りとしての特図2大当りBおよび15R時短大当りとしての特図2大当りCの何れかとなる(図6(B)、図8(B)を参照)。この他、大当り図柄の決定(S1611)や大当りフラグの設定(S1612)については、前述した特図1当否判定処理(S1202)と同様の流れで行うことから、詳しい説明は省略する。
一方、特図2の当否判定(S1603)の結果が「大当り」でない場合(S1604でNO)、すなわち「小当り」の場合には、小当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−KS)を読み出して、図8(C)に示す小当り種別判定テーブルに基づいて小当り種別を判定し(S1606)、当該小当り種別決定用乱数の値に基づいて小当り図柄を決定し(S1607)、小当りフラグをONにして(S1608)、処理を終える。小当り種別の判定は、当該判定を行うときの遊技状態(現在の遊技状態)に基づいて行う。すなわち、時短フラグがONであるか否かを判定し、時短フラグがONでなければ非時短状態用の小当り種別判定テーブルを用いて小当り種別を判定し、時短フラグがONであれば時短状態用の小当り種別判定テーブルを用いて小当り種別を判定する。具体的には、現在の遊技状態が非時短状態であれば、4R非時短大当りを発生可能な特図2小当りA,Bおよび15非時短大当りを発生可能な特図2小当りCの何れかとなり(図6(C)、図8(C)を参照)、時短状態であれば、4R非時短大当りを発生可能な特図2小当りA、4R時短大当りを発生可能な特図2小当りBおよび15時短大当りを発生可能な特図2小当りCの何れかとなる(図6(D)、図8(C)を参照)。これらの小当り種別の判定も、現在の遊技状態(非時短状態または時短状態)に応じた振り分け率にしたがって行われる。そして、本実施例1では、「特図2小当りAに対応する特図2小当りフラグA、特図2小当りBに対応する特図2小当りフラグB・・・」といったように、小当りフラグを小当り種別毎に対応して設けているので、S1608では、S1606で判定された小当り種別に対応する小当りフラグをONにする。
[特図2変動パターン選択処理]
図27に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1208)では、大当りの場合の変動パターン選択(S1702でYES→S1703、S1706でYES→S1707)については、図23及び図24に示した特図1変動パターン選択処理(S1203)と同様の流れで処理を行う。よって、これについての詳細な説明は割愛する。
また、前述の特図1変動パターン選択処理(S1203)では、特図1の当否判定の結果が外れの場合、保留数に応じて外れ変動パターンを選択するものとなっていたが、特図2の当否判定では、判定の結果として外れは存在せず、代わりに「小当り」が存在するものとなっている。以下では、特図2の当否判定の結果が小当りとなった場合に行う処理について説明する。
すなわち、遊技状態が非時短状態であって(S1701でNO)、大当りフラグがOFFの場合(S1705でNO)、小当りフラグがONとなっていることから(特図2当否判定処理のS1608を参照)、この場合には、非時短状態中小当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ小当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1705)。ここでは変動パターンP4が選択される。また、遊技状態が時短状態であって(S1701でYES)、大当りフラグがOFFの場合(S1706でNO)、小当りフラグがONとなっていることから(特図2当否判定処理のS1608を参照)、この場合には、時短状態中小当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態且つ小当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1707)。ここでは変動パターンP14が選択される。
ここで、時短状態の遊技では特図2の当否判定が主体的に行われ、特図2の当否判定の結果のほとんどは「小当り」となるので(小当り確率「1/1.005」)、時短状態では、変動パターンP14に基づく特図2の変動表示が主体となって遊技が進行する。この変動パターンP14は、変動時間が「2000ms」という短い時間となっていることから、時短状態における特別図柄の変動表示は円滑に次々と行われていくこととなる。
以上のようにして変動パターンの選択を行った後は、図27に示すその他の処理を行い(S1704)、処理を終える。その他の処理(S1704)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドをRAMの出力バッファにセットする等の処理を行う。この処理でセットされた変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御部90に送信される。
特図2変動パターン選択処理(S1208)を実行した後は、図21の特図2変動開始処理(S1210)を実行する。特図2変動開始処理(S1210)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。
[特別図柄変動中処理]
図28に示すように、特別図柄変動中処理(S1104)ではまず、特別図柄の変動時間(図21のS1203又はS1208で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図9参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。変動時間が経過していないと判定した場合(S1901でNO)、処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過したと判定した場合(S1901でYES)、変動停止コマンドをセットする(S1902)。そして、時短フラグがONか否かを判定し(S1903)、ONであれば(S1903でYES)、時短カウンタを1減算し(S1904)、時短カウンタの値が「0」か否かを判定する(S1905)。S1905で時短カウンタが「0」であると判定した場合、時短フラグをOFFし、S1907の処理に移行する。一方、時短フラグがONでないと判定した場合(S1903でNO)、S1907の処理に移行する。尚、時短カウンタは、時短状態で行われる特別図柄の変動表示回数を計数するカウンタである。
S1907では、特図動作ステータスを「3」にセットする(S1907)。そして、特別図柄の変動表示を、特別図柄当否判定乱数の判定結果(当否判定の結果)と、大当り種別決定用乱数または小当り種別決定用乱数の判定結果に応じた態様で停止させる等のその他の処理を行い(S1908)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]
図29に示すように、特別図柄確定処理(S1106)ではまず、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当りフラグがONであれば(S2001でYES)、当該ONとなっている大当りフラグに基づいて、大当り遊技中に実行するラウンドの回数をカウントするラウンドカウンタの値をセットするとともに、第1大入賞口30の1ラウンドあたりの開放回数および開放時間(図6参照)をセットする(S2003)。上述したように、本実施例1では、特図1大当りに係る大当り遊技のラウンド数が「4R」、特図2大当りに係る大当り遊技のラウンド数が「4R」または「15R」となることから、S2003では、ラウンドカウンタの値として「4」または「15」をセットし、第1大入賞口30の1ラウンドあたりの開放回数および開放時間として「1回」「25秒」をセットする。
S2003の処理を終えたら、大当り遊技を開始するべく、大当りのオープニングコマンドをセットするとともに(S2005)、大当り遊技のオープニング演出を開始し(S2006)、特図動作ステータスを「4」にセットする(S2007)。
また、S2001において大当りフラグがONでないと判定した場合(S2001でNO)、小当りフラグがONであるか否かを判定する(S2008)。小当りフラグがONであれば(S2008でYES)、小当り遊技中における大入賞口(第2大入賞口35)の開放回数をカウントする小当り用開放カウンタの値をセットするとともに、第2大入賞口35の開放時間(図6参照)をセットする(S2009)。上述したように、本実施例1では、小当り遊技における第2大入賞口35の開放回数および開放時間が「1回」「1.6秒」であることから、S2009では、小当り用開放カウンタの値として「1」をセットし、開放時間として「1.6秒」をセットする。
S2009の処理を終えたら、小当り遊技を開始するべく、小当りのオープニングコマンドをセットするとともに(S2010)、小当り遊技のオープニング演出を開始し(S2011)、特図動作ステータスを「5」にセットする(S2012)。尚、S2008において小当りフラグがONでなければ(S2008でNO)、大当り遊技も小当り遊技も開始しないため、特図動作ステータスを「1」にセットし、処理を終える。
[特別電動役物処理1(大当り遊技)]
図30に示すように、特別電動役物処理1(S1108)ではまず、時短フラグがONか否かを判定し(S2103)、ONと判定した場合(S2103でYES)、時短フラグをOFFする(S2104)。つまり、大当り遊技の実行中は非時短状態に制御される。本実施例1では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当り遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
次に、大当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2105)。大当り終了フラグは、大当り遊技において第1大入賞口30の開放が全て終了(大当り遊技が終了)したことを示すフラグである。
大当り終了フラグがONでなければ(S2105でNO)、第1大入賞口30の開放中か否かを判定する(S2106)。開放中でなければ(S2106でNO)、第1大入賞口30を開放させる時期(タイミング)に至ったか否か、すなわち大当りのオープニングの時間が経過して1ラウンド目を開始する時期に至ったか、又は、ラウンド間のインターバルの時間が経過して次ラウンド(次の開放)を開始する時期に至ったか否かを判定する(S2107)。
S2107の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、S2107の判定結果がYESであればS2110に進んで、大当りの種類に応じた開放パターン(図6参照)に従って第1大入賞口30を開放させるべく、第1大入賞装置31を作動させる。
S2106において第1大入賞口30の開放中であれば(S2106でYES)、そのラウンドにおける第1大入賞口30への入球個数が規定の最大入球個数(本実施例1では1ラウンド当り9個)に達しているか否かを判定する(S2111)。規定入球個数に達していなければ(S2111でNO)、第1大入賞口30を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か、すなわち第1大入賞口30を開放してから所定の開放時間(図6参照)が経過したか否かを判定する(S2112)。そして第1大入賞口30の開放時間が経過していなければ(S2112でNO)、処理を終える。
これに対して、規定入球個数に達している場合(S2111でYES)、又は第1大入賞口30の開放時間が経過した場合(S2112でYES)、すなわち2つのラウンド終了条件のうちのいずれかが成立した場合には、第1大入賞口30を閉鎖する(S2113)。そして、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2114)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2115)。「0」でないと判定した場合(S2115でNO)、次のラウンドを開始するため、処理を終える。
一方、「0」と判定した場合(S2115でYES)、大当り遊技を終了させる大当り終了処理として、大当りのエンディングコマンドをセットするとともに(S2116)、大当りのエンディング演出を開始する(S2117)。そして、大当り終了フラグをセットし(S2118)、処理を終える。尚、ラウンドカウンタは、今回の大当りが15R大当りであれば第1大入賞口30の開放が15回実行されると「0」になり、4R大当りであれば第1大入賞口30の開放が4回実行されると「0」になる。
またS2105において大当り終了フラグがONであれば(S2105でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当りのエンディング演出の実行時間(エンディング時間)が経過したか否かを判定し(S2119)、エンディング時間が経過していなければ(S2119でNO)、処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2119でYES)、大当り終了フラグをOFFにした後(S2120)、後述の遊技状態設定処理(S2121)を行う。そして、大当りフラグをOFFにし(S2122)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2123)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(図20)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。
[特別電動役物処理2(小当り遊技)]
図31に示すように、特別電動役物処理2(S1109)ではまず、小当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2201)。小当り終了フラグは、小当り遊技において第2大入賞口35の開放が全て終了したことを示すフラグである。
小当り終了フラグがONでなければ(S2201でNO)、第2大入賞口35の開放中か否かを判定する(S2202)。開放中でなければ(S2202でNO)、第2大入賞口35を開放させる時期(タイミング)に至ったか否か、すなわち小当りのオープニングの時間が経過して1回目の開放を開始する時期に至ったか、又は、複数回にわたる開放の間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時期に至ったか否かを判定する(S2203)。
S2203の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、S2203の判定結果がYESであれば、小当りの開放パターン(図6参照)に従って第2大入賞口35を開放させるべく第2大入賞装置36を作動させるとともに(S2204)、第2大入賞装置36に設けられた特定領域39を開状態とすべく、所定の動作パターンに従って可動片(図示せず)の動作を開始させ(S2205)、さらに、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するV有効期間を設定する(S2206)。尚、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知に基づいて大当りフラグをONする(後述のステップS2211〜S2221参照)ということであり、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったとしても大当りフラグをONしないということである。
ここで、本実施例1では、小当り遊技での第2大入賞口35の開放パターンを開放回数「1回」、開放時間「1.6秒」としている。また、本実施例1では、可動片の動作パターンを、第2大入賞口35の開放開始に伴い特定領域39を「0.5秒」開状態とし、その後、「0.4秒」の閉状態を経て再度「0.7秒」開状態とし、第2大入賞口35の閉鎖に合わせて特定領域39を閉状態とするものとしている。さらに、本実施例1では、小当り遊技における第2大入賞口35の開放中および第2大入賞口35の閉鎖後(小当り遊技での第2大入賞口35の開放終了後)の数秒間をV有効期間に設定するものとしている。第2大入賞口35の開放中だけでなく第2大入賞口35の閉鎖後の数秒間もV有効期間とするのは、例えば、第2大入賞口35の開放が終了する間際に第2大入賞口35に入球した遊技球が第2大入賞口35の閉鎖後に特定領域センサ39aにより検知される(特定領域39を通過する)可能性があることを考慮したものであり、こうすることで、第2大入賞口35に入球した遊技球が正当に特定領域39を通過したにもかかわらず大当りとならないといったトラブルの発生を防ぐことが可能となる。本実施例1ではV有効期間を「2.6秒」としており、小当り遊技での第2大入賞口35の開放時間「1.6秒」に加え、第2大入賞口35の閉鎖後「1秒」は、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定することとしている。
次に、S2202において第2大入賞口35の開放中であれば(S2202でYES)、第2大入賞口35への入球個数が規定の最大入球個数(本実施例1では8個)に達しているか否かを判定する(S2207)。規定入球個数に達していなければ(S2207でNO)、第2大入賞口35を閉鎖させる時期に至ったか否か、すなわち第2大入賞口35を開放してから所定の開放時間(図6参照)が経過したか否かを判定する(S2208)。そして、第2大入賞口35の開放時間が経過していなければ(S2208でNO)、S2211の処理に移行する。
これに対して、第2大入賞口35への入球個数が規定入球個数に達したか(S2207でYES)、あるいは第2大入賞口35の開放時間が経過した場合(S2208でYES)には、第2大入賞口35を閉鎖し(S2209)、小当り用開放カウンタの値を1ディクリメントする(S2210)。尚、本実施例1では、小当り遊技での第2大入賞口35の開放パターンを開放回数「1回」、開放時間「1.6秒」としていることから、第2大入賞口35に遊技球が8個入球することは実質的に不可能である。このことからS2207の処理で肯定判定される可能性は無いに等しい。
次に、S2211で特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否か(遊技球が特定領域39を通過したか否か)を判定する(S2211)。検知があったと判定した場合(S2211でYES)、図32に示すS2220以降の処理に進み、検知がないと判定した場合(S2211でNO)、小当り用開放カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2212)。S2212で「0」でないと判定した場合(S2212でNO)、そのまま処理を終える。一方、S2212で「0」であると判定した場合(S2212でYES)、S2213の小当り終了処理に移行する。S2213では、小当り遊技を終了させる小当り終了処理として、小当りのエンディングコマンドをセットするとともに、小当りのエンディング演出を開始する(S2214)。そして、小当り終了フラグをONにし(S2313)、処理を終える。尚、本実施例1では、小当り用開放カウンタは第2大入賞口35の開放が1回なされると「0」になる。
S2201において、小当り終了フラグがONであれば(S2201でYES)、第2大入賞口35の1回の開放が終了しているので、小当りのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2216)、エンディング時間が経過していなければ(S2216でNO)、処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2216でYES)、小当り終了フラグをOFFにするとともに(S2217)、小当りフラグをOFFにし(S2218)、さらに、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2219)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(図20)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。
尚、小当り遊技の開始に際して時短フラグをONからOFFに切り変えることはしない。また、小当り遊技の終了に際しては、遊技状態設定処理(S2121、図35)を行わない。すなわち、本パチンコ遊技機1では、小当り遊技の実行前と実行後において遊技状態を変化させない。
S2211で特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったと判定した場合(S2211でYES)、V大当りを発生させるための処理、すなわち、小当り遊技を終了して大当り遊技を開始させるための処理を行う。具体的には、図32に示すように、特定領域センサ39aによる遊技球の検知がV有効期間中における検知であるか否かを判定する(S2220)。そして、V有効期間中であると判定した場合(S2220でYES)、小当りフラグをOFFにするとともに(S2221)、大当りフラグをONにし(S2222)、V通過コマンドをセットする(S2223)。ここで、本実施例1では、上述したように小当りフラグを小当り種別毎に対応して設けており、また、図6(C),(D)に示すように小当り種別に応じてV大当りの種別(4R時短大当り、4R非時短大当り、15R非時短大当り、15R時短大当り)が定まっている。また、本実施例1では、上述した特図1大当りフラグAや特図2大当りフラグA等の大当り種別に対応した大当りフラグの他、V大当り種別に対応した大当りフラグである「4R時短大当りフラグ」「4R非時短大当りフラグ」「15R非時短大当りフラグ」「15R時短大当りフラグ」を設けている。このことから、S2222では、S2221でOFFにする小当りフラグ、すわなち、S1308またはS1608でONにした小当りフラグの小当り種別に基づいて、これに対応するV大当り種別の大当りフラグ(4R時短大当りフラグ、4R非時短大当りフラグ、15R非時短大当りフラグ、15R時短大当りフラグの何れか)をONにする(S2222)。
S2224では、S2222でONとした大当りフラグに基づいて、大当り遊技中に実行するラウンドの回数をカウントするラウンドカウンタの値をセットするとともに、第1大入賞口30の1ラウンドあたりの開放回数および開放時間(図6参照)をセットする(S2224)。本実施例1では、図6(C),(D)に示すようにV大当りに係る大当り遊技のラウンド数が「4R」「15R」の何れかとなることから、S2224では、ラウンドカウンタの値として「4」「15」の何れかをセットし、第1大入賞口30の1ラウンドあたりの開放回数および開放時間として「1回」「25秒」をセットする。
S2224の処理を終えたら、大当り遊技を開始するべく、大当りのオープニングコマンドをセットするとともに(S2225)、大当り遊技のオープニング演出を開始し(S2226)、特図動作ステータスを「4」にセットする(S2227)。尚、本オープニングコマンドは、小当り遊技に基づいて遊技球がV通過したこと(「小当りV」ともいう)により実行される大当り遊技に係るオープニングコマンドであることを特定可能なコマンドとすることが可能である。
一方、S2220でV有効期間中でないと判定した場合(S2220でNO)、今回の特定領域センサ39aによる遊技球の検知は正当なものではなく不正の可能性が考えられるので、V大当りを発生させることなくエラー処理を行い(S2227)、そのまま処理を終える。エラー処理としては、V有効期間中でないときに特定領域センサ39aによる遊技球の検知が発生したことを示す異常状態報知を行ったり、第1始動口20又は第2始動口21への入球に基づく各種乱数の取得や特別図柄当否判定等の特別図柄変動に係る処理を一時的に停止(中断)したりする処理を例示できる。また、エラー処理の実行による異常状態報知や遊技進行の一時停止等は、所定の解除条件の成立により解除可能とすればよく、解除条件として、例えば、時間経過や電源再投入、RAMクリア等を例示できる。
[遊技状態設定処理]
図33に示すように、遊技状態設定処理(S2121)ではまず、今回実行した大当り遊技に係る大当り種別、すなわち、終了した大当りの種別が時短大当りであるか否かを判定する(S2301)。S2301では、現在ONとなっている大当りフラグ、すなわち、S1312、S1612およびS2222の何れかでONにした大当りフラグに対応する大当り種別に基づいて、終了した大当りの種別が時短大当りであるか否かを判定する。具体的には、今回の大当りが「特図1大当りA」または時短状態(高ベース状態)にて発生した「特図2大当りB,C」であるか、時短状態(高ベース状態)にて発生した「特図2小当りB」を契機とするV大当りとしての「4R時短大当り」または時短状態(高ベース状態)にて発生した「特図2小当りC」を契機とするV大当りとしての「15R時短大当り」であれば、今回終了した大当りの種別は時短大当りということになる(図6を参照)。
S2301で時短大当りであると判定した場合(S2301でYES)、時短フラグをONにし(S2302)、時短カウンタに「100」をセットし(S2303)、処理を終える。これにより、今回の大当り遊技終了後の遊技状態が特別図柄の時短状態且つ高ベース状態(すなわち時短高ベース状態)になる。この時短高ベース状態は、次の大当り(V大当りを含む)が発生することなく特別図柄が100回変動表示することか、当該100回の変動表示が完了するまでに次の大当り(V大当りを含む)が発生することの、何れかの条件の成立により終了する。尚、時短カウンタは、第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数とを合算した回数を計数するものである。
一方、S2301で時短大当りでないと判定した場合(S2301でNO)、すなわち今回の大当りが「特図1大当りB」、「特図2大当りA」、通常状態(低ベース状態)にて発生した「特図2大当りB,C」の何れかであるか、「特図2小当りA」を契機とするV大当りとしての「4R非時短大当り」であるか、通常状態(低ベース状態)にて発生した「特図2小当りB」を契機とするV大当りとしての「4R非時短大当り」または通常状態(低ベース状態)にて発生した「特図2小当りC」を契機とするV大当りとしての「15R非時短大当り」であれば、時短フラグをONにすることなく、処理を終える。これにより、今回の大当り遊技終了後の遊技状態が特別図柄の非時短状態且つ低ベース状態(すなわち非時短低ベース状態)になる。
[保留球数処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特図動作処理(S206)に次いで保留球数処理(S207)を行う。保留球数処理(S207)では図34に示すように、まず、主制御基板80のRAMに記憶されている特図1保留球数および普通図柄保留球数を読み出す(S2501)。次いで、その保留球数のデータ(その保留球数情報をサブ制御基板90等に送信するための保留球数コマンド)を、RAMの出力バッファにセットする(S2502)。
[電源断監視処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、保留球数処理(S207)に次いで電源断監視処理(S208)を行う。電源断監視処理(S208)では図35に示すように、まず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2601)、入力がなければ(S2601でNO)、処理を終了する。一方、電源断信号の入力があれば(S2601でYES)、現在の遊技機の状態(確変かどうか、当り遊技中かどうか、保留球数はいくつか、確変・時短の残り変動回数はいくつか等)に関するデータをRAMに記憶するとともに(S2602)、電源断フラグをONし(S2603)、その後は割り込み処理(図11)に戻ることなくループ処理をする。
[サブ制御メイン処理]
次に、図36〜図44に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。尚、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、サブ制御基板90(サブ制御部)のRAMに設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、サブ制御基板90のROMから図36に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。
続いて、S4002で、電源断信号がONで且つサブ制御基板90のRAMの内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そして、この判定結果がNOであれば(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMの初期化をし(S4003)、S4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、サブ制御基板90のRAMを初期化することなくS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAMの内容が正常でない場合には(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMを初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAMの内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAMを初期化しない。RAMを初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタの値はリセットされる。尚、このS4001〜S4003は、電源投入後に(電源投入に際して)一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
S4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。更新された乱数カウンタ値はサブ制御基板90のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。尚、演出決定用乱数には、実行する演出図柄遊技演出の態様(変動演出パターン)を決定する変動演出決定用乱数や、予告演出を決定する予告演出決定用乱数、演出図柄を決定する演出図柄決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。演出決定用乱数は、予め定められたタイミングで取得される。このタイミングとしては、例えば主制御基板80から始動入球があった旨を通知する制御信号(始動入球コマンド)が送信されてきたときや、主制御基板80から変動開始を通知する制御信号(変動開始コマンド)が送信されてきたときや、後述の変動演出パターンを決定するときなどとすることができる。取得した演出決定用乱数の格納場所は、サブ制御基板90のRAMの所定の乱数カウンタ値記憶領域(図示せず)である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM内の出力バッファに格納されている各種のコマンド(制御信号)を、画像制御基板100、音声制御基板106、及びランプ制御基板107に送信する。コマンドを受信した各制御基板(各制御部)は、受信したコマンドに従い各種の演出装置(画像表示装置7、スピーカ67、盤面ランプ5、枠ランプ66及び可動装飾部材14等)を用いて各種の演出(演出図柄遊技演出、大当り遊技及び小当り遊技に伴う特別遊技演出等)を実行する。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、S4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、2msタイマ割り込み処理(S4009)および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]
受信割り込み処理(S4008)では、図37に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、S4101で、ストローブ信号がONでないと判定した場合(S4101でNO)、処理を終える。一方、S4101で、ストローブ信号がONであると判定した場合(S4101でYES)、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをサブ制御基板90のRAMに格納し(S4102)、処理を終える。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[2msタイマ割り込み処理]
2msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図38に示すように、2msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、演出ボタン検知スイッチ63c、63dからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4201)。続いて、後述の10msタイマ割り込み処理で作成したランプデータを出力するランプデータ出力処理を行う(S4202)。次いで、可動装飾部材14を駆動するための駆動データの作成及び出力を行う駆動データ出力処理を行う(S4203)。そして、ウォッチドッグタイマのリセット処理を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
[10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図39に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S4301)。次いで、出力するランプデータ(盤面ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)の作成及び演出時間の管理等を行う電飾制御処理(S4302)と、2msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてサブ制御基板90のRAMに格納するスイッチ状態取得処理(S4303)と、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理(S4304)とを、行う。その後、演出決定用乱数を更新等のその他の処理を実行する(S4305)。
[受信コマンド解析処理]
図40及び図41に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン91が主制御基板80(主制御部)からゲート通過コマンドを受信したか否かを判定し(S4419)、ゲート通過コマンドを受信したと判定した場合(S4419でYES)、後述するゲート通過時処理(S4420)を実行し、S4401の処理に移行する。S4419で、ゲート通過コマンドを受信していないと判定した場合(S4419でNO)、ゲート通過時処理を行うことなく、S4401の処理に移行する。ゲート通過コマンドは、前述したゲート28(「普図始動ゲート」ともいう)への通過に基づいて主制御部80からサブ制御部90に送信されるコマンドである。
S4401では、始動入球コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、始動入球コマンドを受信したと判定した場合(S4401でYES)、入球時演出開始処理を行い(S4402)、S4403の処理に移行する。S4401で始動入球コマンドを受信していないと判定した場合(S4401でNO)、入球時演出開始処理を行うことなく、S4403の処理に移行する。この入球時演出開始処理は、第1始動口20への遊技球の入球があったことを示す始動入球コマンドを主制御部から受信した際に実行する処理であり、本処理を行うことで、サブ制御部90が有する演出保留記憶部(図示せず)に未消化の演出保留情報(本実施例1では未消化の第1特図保留に対応する演出保留情報)を記憶したり、画像表示装置7の表示画面7aに表示される第1演出保留9aの表示制御(表示個数や演出保留の表示態様の変化に関する制御)を行ったり、始動口への入球時に主制御部で取得した取得情報に基づいて所謂先読み演出(「事前演出」ともいう)を行ったりする。
尚、第1始動口20に遊技球が入球した場合には、当該第1始動口20への入球に基づいて取得した取得情報を示す情報が、始動入球コマンドに含められて若しくは当該情報を示すコマンドとして、主制御部80からサブ制御部90に送信され、サブ制御部90の演出保留記憶部に未消化の演出保留情報(演出情報)として、加算して記憶される。演出保留記憶部に記憶される演出保留情報(「第1演出保留」ともいう)の数の上限数は、特図保留記憶部に記憶される第1特図保留の数と同じ数(4個)とされ、その時々の記憶数も同じとされる。また、後述の変動開始コマンドを受信した場合には、それが第1特別図柄を示すものである場合には、対応する第1演出保留記憶部104に記憶される最も古い演出保留情報が削除される。
S4403では、主制御部から変動開始コマンドを受信したか否かを判定し(S4403)、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S4403でYES)、後述する変動演出開始処理を行い(S4404)、S4407の処理に移行する。S4403で変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(S4403でNO)、変動演出開始処理を行うことなく、S4407の処理に移行する。
S4407では、主制御部から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4407)、変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S4407でYES)、後述する変動演出終了処理を行い(S4408)、S4409の処理に移行する。S4407で変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S4407でNO)、変動演出終了処理を行うことなく、S4409の処理に移行する。
続いて、S4409では、主制御部からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4409)、オープニングコマンドを受信したと判定した場合(S4409でYES)、特別遊技の際に実行する特別遊技演出のパターン(演出態様)を選択する特別遊技演出選択処理を行う(S4410)。特別遊技演出には、少なくとも、大当り遊技開始に伴う大入賞口開放前のオープニング期間中に実行するオープニング演出と、大当り遊技での大入賞口の開放中に実行するラウンド演出および開放と開放との間(ラウンド間)のインターバル中に実行するインターバル演出と、が含まれる。次いで、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否かを判定し(図41のS4411)、エンディングコマンドを受信したと判定した場合(S4411でYES)、特別遊技終了時演出のパターンや特別遊技終了後の演出モードの種類等を選択するエンディング演出選択処理を行う(S4412)。一方、S4409で、オープニングコマンドを受信していないと判定した場合(S4409でNO)、特別遊技演出選択処理(S4410)を行うことなく、S4411の処理に移行する。また、S4411で、エンディングコマンドを受信していないと判定した場合(S4411でNO)、エンディング演出選択処理(S4412)を行うことなく、S4413の処理に移行する。
ここで、演出モードは、後述のモードステータスに応じて設定されるもので、モードステータスは遊技状態(本実施例1では低ベース状態、高ベース状態)に対応している。このため、エンディング演出選択処理(S4412)では、例えば、大当り遊技終了後の遊技状態が高ベース状態に変化するのであれば、当該高ベース状態に応じたモードステータスを設定する。これにより、大当り遊技終了後の高ベース状態での遊技が、当該高ベース状態(モードステータス)に応じた演出モードのもとで進行していくこととなる。また、特別遊技の前後、例えば小当り遊技の開始前と終了後(V大当り発生せず)とで遊技状態が変化しない場合には、小当り発生時のモードステータスが維持される。これにより、小当り遊技終了後の遊技も、小当り遊技開始前と同じ遊技状態(モードステータス)に応じた演出モードのもとで進行していくこととなる。
S4413では、主制御部からV通過コマンド(小当り遊技の発生に基づいてV通過したことを示すコマンド)を受信したか否かを判定し(S4413)、V通過コマンドを受信したと判定した場合(S4413でYES)、V通過報知コマンドをセットし(S4414)、S4415の処理に移行する。尚、V通過コマンドは、特別図柄当否判定の結果が「特図2小当りA〜D」の何れかとなり、当該小当り遊技中に第2大入賞口35に入球した遊技球が、V有効期間中に特定領域39を通過したことを、主制御基板80からサブ制御基板90に通知するコマンドである。V通過報知コマンドがコマンド送信処理(S4006)にて画像制御基板100(画像制御部)等に送信されると、画像制御基板100のCPUは、所定の画像情報を画像制御基板100のROMから読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて「V通過!大当り!」等の文字を表示する。これにより、遊技球が特定領域39を通過し、大当り遊技が実行されることが遊技者に報知される。一方、S4413で、V通過コマンドを受信していないと判定した場合(S4413でNO)、V通過報知コマンドをセットすることなく、S4415の処理に移行する。S4415では、その他の処理を実行し、処理を終える。
尚、V有効期間外に特定領域39を遊技球が通過した場合にも、V有効期間外の通過であることを特定可能な情報を含むV通過コマンドを受信するものとしてもよい。これにより、当該有効期間外V通過コマンドの受信に基づいて、サブ制御部90で制御するスピーカ67や画像表示装置7や枠ランプ66や盤面ランプ5等を用いてエラー報知を行うことが可
[ゲート通過時処理]
図42に示すように、ゲート通過時処理(S4420)ではまず、S4901で、遊技状態が高ベース状態かどうかを判定し(S4901)、高ベース状態であると判定した場合(S4901でYES)、左打ち指示演出を実行することなく、処理を終える。本実施例1のパチンコ遊技機1は、高ベース状態(「第2遊技状態」に相当)では、遊技球を右遊技領域3Bに発射して遊技を行うので、右打ちを行っていることを検知したとしても左打ち指示演出を行うことはない。ここで、ゲート通過時処理は、ゲート通過コマンドを受信した場合に実行される処理で、所定の遊技状態において、遊技者が右打ち遊技を行っていることを検知した場合に、「現在の遊技状態では右打ち遊技が禁止されており、左打ち遊技を行う(左打ちに戻す)こと」を指示する報知演出を実行するための処理である。よって、ゲート28は、発射方向を報知(指示)する発射方向報知機能と、普通図柄を変動表示させる普通図柄始動機能とを兼ね備えているといえる。また、ゲート28は、右遊技領域3B(「第2遊技領域」に相当)を流下する遊技球が通過可能であって、左遊技領域3A(「第1遊技領域」に相当)を流下する遊技球は通過不能な位置に設けられており、このゲート28で遊技球を検知することで、遊技者が、遊技球を右遊技領域3B(第2遊技領域)に向けて発射したことを検知することが可能となる。
S4901で、遊技状態が高ベース状態でない、すなわち低ベース状態(「第1遊技状態」に相当)であると判定した場合(S4901でNO)、左打ち指示演出実行コマンドをセットし(S4902)、処理を終える。S4902でセットされた左打ち指示演出実行コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPUは、画像表示装置7の表示画面7a上で発射方向指示演出を行う。ここでの発射方向指示演出としては、例えば、「左打ちに戻してください」や「右打ちを止めてください」等の文字を表示したり、発射ハンドル60を左方向(反時計周りの方向)に回転させる様子を示す画像を表示したりすること等が挙げられる。
尚、本実施例1では、大当り遊技の開始や、大当り遊技終了後の高ベース状態での遊技開始の際にも、画像表示装置7の表示画面7a上で発射方向指示演出を行うものとなっている。この場合の発射方向指示演出としては、例えば、「右打ちしてください」等の文字を表示したり、第1大入賞口30に向けて遊技球が右遊技領域3Bを流下する様子を示す画像を表示したり、第2始動口21に向けて遊技球が右遊技領域3Bを流下する様子を示す画像を表示したり、発射ハンドル60を右方向(時計周りの方向)に回転させる様子を示す画像を表示したりすること等が挙げられる。
[変動演出開始処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4301)の中で変動開始コマンドの受信に基づいて行われる変動演出開始処理(S4404)について説明する。図43に示すように、変動演出開始処理(S4402)ではまず、S4501で、演出制御用マイコン91が変動演出決定用乱数や予告演出決定用乱数、演出図柄決定用乱数等の各種演出決定用乱数を取得する演出決定用乱数処理(S4501)を行う。本実施例1では、主制御部80から変動開始コマンドを受信したタイミングで、S4501の処理を行い、夫々の乱数から所定の値(取得情報)を取得する。この取得した値に基づいて、実行する演出図柄遊技演出の態様や予告演出、停止表示する演出図柄等を決定する。
次に、S4502で、演出制御用マイコン91により変動開始コマンドを解析する(S4502)。変動開始コマンドには、第1特別図柄または第2特別図柄の変動パターン選択処理で選択された変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定する情報)が含まれている。そして、変動パターンを指定する情報には、図9に示す変動パターン情報(P1乃至P15)や、現在の遊技状態を指定する遊技状態情報や、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の判定結果や、大当り種別や小当り種別を指定する図柄情報等が含まれている(図8参照)。また、変動パターン指定コマンドには、第1特別図柄に対応するものと第2特別図柄に対応するものとが存在することから、変動パターン指定コマンドを解析することで、今回開始する演出図柄遊技演出(演出図柄の変動表示)が特図1に係るものなのか特図2に係るものなのかが判別可能となる。尚、これらの変動パターン情報や遊技状態情報や図柄情報等は、これ以降に実行する変動演出開始処理以外の他の処理においても利用可能である。
次に、S4503で、演出制御用マイコン91が現在のモードステータスを参照する(S4503)。モードステータスは、実行する演出モードを決めるためのものである。モードステータスは「1」〜「5」までの何れかの値とされ、各値は演出モードA〜Eに対して割り当てられている。
ここで演出モードとは、画像表示装置7における演出の態様であり、演出モードが異なると、予告演出やリーチ演出等の遊技演出の演出態様の一部又は全部が異なるものとされる。具体的に、登場するキャラクタ、アイテム、背景画像が異なる等、画像表示装置7に表示される画像が異なり、演出図柄遊技演出も演出モードに応じた態様で実行されるものとすることができる。また、複数の遊技演出(予告演出やリーチ演出等)を設ける場合に、演出モードによって異なる遊技演出を実行可能としてもよい。本実施例1では、演出モードA,B,Cは低ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードD,Eは高ベース状態に制御されているときに実行される。遊技者は、演出モードを通じて現在の遊技状態を把握することが可能である。
次に、S4504で、画像表示装置7、盤面ランプ5、可動装飾部材14等を用いて行う変動演出のパターン(変動演出パターン)を決めるための図示しない変動演出パターン決定テーブルをセットする(S4504)。具体的には、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)と主制御部80から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、使用する変動演出パターン決定テーブルをセットする。例えば、受信した変動パターン指定コマンドが指定する変動パターン情報が「P1(変動パターンP1)」(図9を参照)であった場合、変動演出パターン決定テーブルとして、現在の演出モードに対応した大当り時変動演出パターン決定テーブルがセットされる。本実施例1では、演出モード(モードステータス)に対応した複数の変動演出パターン決定テーブルがサブ制御基板90のROMに予め格納されているので、S4504では、それらの変動演出パターン決定テーブルの中から、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)に対応するテーブルが選択されてセットされる。変動演出パターン決定テーブルは、主に、演出図柄遊技演出の実行態様(演出図柄の変動態様等)を決定するためのもので、複数の変動演出パターン決定テーブルがサブ制御基板90のROMに予め格納されている。S4504では、それら複数の変動演出パターン決定テーブルのうちの何れかをセットする。
続いてS4505で、S4501において取得した変動演出決定用乱数及びS4504においてセットした変動演出パターン決定テーブルに基づいて、指定された変動パターンに適合した変動演出パターンを選択し、これを設定する(S4505)。変動演出パターンとしては、演出図柄表示領域7bで表示される演出図柄8の変動態様(演出図柄遊技演出の実行態様)が設定される。これにより、演出図柄遊技演出において、リーチ演出を実行する場合(リーチ有演出図柄遊技演出)と、特定のキャラクタを用いて行うキャラクタ演出を実行する場合(キャラクタ演出図柄遊技演出)、リーチ演出やキャラクタ演出を実行しない場合(リーチ無演出図柄遊技演出)とが決定される。尚、リーチ演出とは、例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りであることを示す場合の演出図柄8の表示態様として、3個の演出図柄8L,8C,8Rがすべて同一(ゾロ目)となる態様(大当り態様、特定態様)を設けている場合において、3個の演出図柄8L,8C,8Rのうちの2個が大当り態様を構成する図柄で停止表示(仮停止)され、残り1個が変動表示を続けている状態で、残り1個の演出図柄が大当り態様を完成させる図柄で停止表示されるか否かを示す演出のことをいう。
また、S4505では、S4501において取得した演出図柄決定用乱数及び図示しない停止図柄決定テーブルに基づいて、停止表示する演出図柄8(「停止演出図柄」ともいう)を決定し、これを設定する。演出図柄遊技演出の結果として停止表示される演出図柄8は、特別図柄当否判定の結果が時短大当りのときは「777」等の奇数図柄のゾロ目とされ、非時短大当りのときは「666」等の偶数図柄のゾロ目とされる。また、リーチ有り外れのときは「787」等の3個の演出図柄8L,8C,8Rのうち1個の演出図柄が他の演出図柄と異なるバラケ目、リーチ無し外れのときは「635」等の3個の演出図柄8L,8C,8Rのうち少なくとも1個の演出図柄が他の演出図柄が異なるバラケ目が選択されるようになっている。本実施例1では、小当りのときも、外れのときと同じ態様(バラケ目)で3個の演出図柄8L,8C,8Rを停止表示するものとしている。但し、小当りについては、「135」等の予め定めたチャンス目や「3★3」等の専用図柄を停止表示してもよい。尚、前述の演出図柄8の停止表示態様は一例であり、停止演出図柄として何を停止表示するかは適宜変更可能である。
本実施例1のパチンコ遊技機1には、演出図柄8の変動態様(変動演出パターン)として、リーチA、リーチB、リーチC、スーパーリーチ(「SPリーチ」ともいう)A、スーパーリーチB、スーパーリーチC、キャラクタ演出等が設定されており、S4505で、変動演出パターン決定テーブルに基づいて、これらのうち何れの演出を行うか、又はこれらの演出を行わない(これを「ノーマル変動」ともいう)かが決定される。そして、リーチ有演出図柄遊技演出が実行される場合には、変動パターン指定コマンド及び変動演出パターン決定テーブルに基づいて、何れかのリーチ演出が設定される。ここで、演出図柄遊技演出として、スーパーリーチ演出が実行される場合には、ノーマルリーチ演出が実行される場合と比較して、大当りとなる可能性が高くなるように設定されている。すなわち、スーパーリーチ演出はリーチ(ノーマルリーチ)演出と比較して大当り信頼度(大当りとなる可能性)の高い遊技演出であるといえる。尚、リーチ演出は、主として、変動時間が30000ms以上の変動パターン(図9を参照)を指定する変動パターン指定コマンドを受信した場合に設定(実行)され得る。
S4505では、これら「リーチ演出」等を含む様々な変動演出の何れかに対応する変動演出パターンが、S4501〜S4504の処理の結果を受けて設定される(S4505)。そして、続くS4506で、S4505において設定した変動演出パターンに基づいて演出図柄遊技演出等を開始するための変動演出開始コマンドをサブ制御基板90のRAM内の出力バッファにセットし(S4506)、変動演出開始処理を終了する。S4506でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPUは、変動演出開始コマンドに基づき特定される変動演出パターン、すなわちS4505で設定された変動演出パターンに対応する所定の画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによる変動演出等を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
尚、本実施例1では、遊技状態が低ベース状態の場合に、例えば、図3に示すように画像表示装置7の表示画面7aに演出図柄8(演出図柄8L,8C,8R)を表示して、リーチ演出等を含む演出図柄遊技演出を行うものとしている。一方、遊技状態が高ベース状態の場合には、演出図柄8を表示画面7aの縁の方(例えば画面右下)に小さく表示し、特図2小当りを契機とするV大当りが発生するまで一連の演出を、表示画面7aの略全体を用いて行うものとしている。一連の演出としては、例えば、味方キャラクタが対戦相手となる敵キャラクタを探す様子を表現した演出が挙げられる。この場合、小当りを契機にV大当りが発生すると、敵キャラクタ発見となり、当該V大当りに係る大当り遊技中に味方キャラクタと敵キャラクタとが対戦する所謂バトル演出が繰り広げられる。そして、バトル演出の結果によって、大当り遊技後の遊技状態が高ベース状態となるか否かが示され、例えば、味方キャラクタが勝利すれば、高ベース状態となることが確定する。
[変動演出終了処理]
図44に示すように、変動演出終了処理(S4408)ではまず、S4601で、演出制御用マイコン91が変動停止コマンドを解析し(S4601)、モードステータスを参照する(S4602)。これにより、現在の演出モードがA〜Eのうち何れかを判定する。次に、S4603で、遊技状態が変化するか否かを判定する。例えば、高ベース状態から低ベース状態に移行するか、低ベース状態から高ベース状態に移行するか等を判定する。S4603で、遊技状態が変化すると判定した場合(S4603でYES)、変化後の遊技状態に対応する演出モード(A〜E)設定コマンドをセットし(S4604)、S4605の処理に移行する。一方、S4603で、遊技状態は変化しないと判定した場合(S4603でNO)、S4605の処理に移行する。S4605では、演出制御用マイコン91が演出図柄遊技演出を終了させるための変動演出終了コマンドをセットし(S4605)、処理を終える。
以上、実施例1のパチンコ遊技機1について説明したが、当該パチンコ遊技機1では、特図1大当りに係る大当り遊技として4R大当り遊技を設け、特図2大当りに係る大当り遊技として4R大当り遊技および15R大当り遊技を設けているので、第2特別図柄で大当り(V大当り含む)となった方が、遊技者に付与され得る利益の量が多くなる可能性が高くなっている。このような遊技者にとって有利に働く第2特別図柄の変動表示が主体となる高ベース状態(時短状態)において、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りとなった場合、その後に高ベース状態(時短状態)となる確率(時短継続率)は「93%」となっており、高ベース状態(時短状態)にて第2特別図柄の当否判定の結果が大当りとなった場合または小当りを契機とするV大当りが発生した場合の時短継続率「80%」よりも高いものとなっている。つまり、第2特別図柄の変動表示が遊技の主体となる高ベース状態(時短状態)では、多くの利益を得難い第1特別図柄に係る大当り遊技が実行されたとしても、大当り遊技後に高ベース状態(時短状態)となる可能性は、第2特別図柄に係る大当り遊技が実行される場合よりも高くなる。これにより、第2特別図柄の変動表示が遊技の主体となる高ベース状態(時短状態)に移行したにもかかわらず、第1特別図柄が変動表示してこれに係る大当り遊技が実行されたとしても、当該大当り遊技後に、高ベース状態(時短状態)での遊技を極力続けられるようにすることが可能となる。
特に、実施例1のパチンコ遊技機1はいわゆる「1種2種タイプ」とされており、大当り確率よりも小当り確率の方が高く設定されていることから、高ベース状態(時短状態)では、特図2小当りを契機とするV大当りに係る大当り遊技の実行を効率的に狙うことが可能となる。このような「1種2種タイプ」の仕様において高ベース状態(時短状態)での遊技を極力続けられるようにすることで、「1種2種タイプ」の遊技機に係る遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
また、実施例1のパチンコ遊技機1では、低ベース状態(非時短状態)のときに発生し得る大当りのうち「特図1大当りA」だけが「時短大当り」となっており、その他の大当りはすべて「非時短大当り」となっている。また、低ベース状態(非時短状態)のときに発生し得る「特図2小当りA〜C」は、何れも「非時短大当り」を発生可能な小当りとなっている。このため、低ベース状態(非時短状態)において「特図1大当りA」が発生しない限り、遊技状態が高ベース状態(時短状態)に移行することはない。つまり、低ベース状態(非時短状態)では、特図2大当りに係る大当り遊技が実行されるより、特図1大当りに係る大当り遊技が実行される方が、大当り遊技後に高ベース状態(時短状態)となる可能性が高いものとなる。これにより、低ベース状態(非時短状態)では、第1特別図柄の変動表示を主体に遊技を進めて高ベース状態(時短状態)への移行を狙い、高ベース状態(時短状態)では、第2特別図柄の変動表示を主体に遊技を進めて利益量の多い大当り遊技(例えば15R大当り遊技)の実行を狙えるとともに、利益量の少ない第1特別図柄に係る大当り遊技が実行されたとしても引き続き高ベース状態(時短状態)で遊技を進められる可能性が高い、といった遊技性を得ることが可能となる。
また、実施例1のパチンコ遊技機1では、低ベース状態(非時短状態)で特図1大当りが発生してこれに係る大当り遊技が実行され、その大当り遊技後に高ベース状態(時短状態)となる確率(時短突入率)は「50%」となっており、高ベース状態(時短状態)で特図2大当りまたは特図2小当りを契機とするV大当りが発生してこれに係る大当り遊技が実行され、その大当り遊技後に高ベース状態(時短状態)となる確率(時短継続率)は「80%」となっている。そして、第2特別図柄に係る大当り遊技には、第1特別図柄に係る大当り遊技に存在しない15R大当り遊技が含まれていることから、特図1大当りに比べ特図2大当り(V大当り含む)の方が遊技者にとって有利である。このことから、高ベース状態(時短状態)では、原則、第2特別図柄の変動表示を主体に遊技を進めて利益量の多い大当り遊技の実行を狙うのが、遊技者にとって得策といえる。これにより、高ベース状態(時短状態)では第2特別図柄の変動表示を主体に遊技を進めるという遊技性を損なわないようにすることが可能となる。尚、低ベース状態(非時短状態)での特図1大当りに基づく時短突入率や、高ベース状態(時短状態)での特図2大当り(V大当り含む)に基づく時短継続率は、「前者の時短突入率<後者の時短継続率」の関係を満足するように設定する限り、遊技性能(スペック)等を考慮して任意に設定することが可能である。
また、前述のように、高ベース状態(時短状態)では、特図2大当り(V大当り含む)に係る大当り遊技が実行されるより、特図1大当りに係る大当り遊技が実行される方が、大当り遊技後に高ベース状態(時短状態)となる可能性が高いので、高ベース状態(時短状態)の継続という点では、第2特別図柄の変動表示が遊技の主体となる高ベース状態(時短状態)であるにもかかわらず、第1特別図柄の方が遊技者にとって有利に働くものとなる。これにより、高ベース状態(時短状態)にて、仮に第1特別図柄が変動表示してこれに係る大当り遊技が実行されたとしても、当該大当り遊技は、大当り遊技後の高ベース状態(時短状態)の継続を図るいわば「救済」として機能させることが可能となる。
また、実施例1のパチンコ遊技機1では、第1特図保留を記憶可能となっているとともに、第1特別図柄の変動表示を第2特別図柄の変動表示に優先して実行するものとなっている。これにより、例えば、高ベース状態(時短状態)において第1特図保留が存在したとしても、当該保留に基づく第1特別図柄の変動表示を先に実行して(終わらせて)、第2特別図柄の変動表示が主体となる遊技を効率的に進めることが可能となる。
また、実施例1のパチンコ遊技機1では、前述のように、特図2大当り(V大当り含む)に、特図1大当りでは発生し得ない「15R時短大当り」が含まれており、大当り遊技で獲得可能な利益の面では第1特別図柄よりも第2特別図柄の方が遊技者にとって有利といえるが、低ベース状態(非時短状態)にて特図2大当りや特図2小当りを契機とするV大当りが発生したとしても、これに係る大当り遊技後に高ベース状態(時短状態)に移行することはなく、低ベース状態(非時短状態)では「特図1大当りA」が発生しない限り、高ベース状態(時短状態)に移行することはない。このため、低ベース状態(非時短状態)にて、当該状態での遊技の主目的(本来の遊技性)に反して、遊技球を第2始動口21に入球させて第2特別図柄の当否判定(変動表示)を狙ったとしても、遊技者にとって実益は大きくない。これにより、低ベース状態(非時短状態)にて、第2特別図柄を変動表示させるために遊技球を第2始動口21に入球させる行為(本来の遊技性を損なう行為)の抑制を図ることが可能となっている。
また、実施例1のパチンコ遊技機1では、前述のように、低ベース状態(非時短状態)での特図1大当りに基づく時短突入率を「50%」としており、特図2大当り(V大当り含む)によっては高ベース状態(時短状態)への移行は望めないものとなっている。また、高ベース状態(時短状態)での特図2大当り(V大当り含む)に基づく時短継続率は「80%」となっており、第2特別図柄に係る大当り遊技には、第1特別図柄に係る大当り遊技に存在しない15R大当り遊技が含まれている。このため、低ベース状態(非時短状態)では、第1特別図柄の変動表示を主体に遊技を進めて高ベース状態(時短状態)への移行を狙い、高ベース状態(時短状態)に移行した上で、第2特別図柄を変動表示させて利益量の多い大当り遊技の実行を狙うのが、遊技者にとって得策といえる。これにより、低ベース状態(非時短状態)において、第1特別図柄の変動表示が遊技の主体であるにもかかわらず、第2特別図柄を変動表示させるために遊技球を第2始動口21に入球させるといった行為の抑制を図り易くすることが可能となる。
また、実施例1のパチンコ遊技機1では、第1特図保留だけ記憶するものとし、第2特別図柄については保留記憶を行わない(第2特別図柄に対応する特図保留記憶部を設けない)構成としているので、低ベース状態(非時短状態)において、第1始動口20への遊技球の入球に基づく第1特別図柄の変動表示に比べ、第2始動口21への遊技球の入球に基づく第2特別図柄の変動表示の実行機会は得難いものとなる。これにより、低ベース状態(非時短状態)において、第1特別図柄の変動表示が遊技の主体であるにもかかわらず、第2特別図柄を変動表示させるために遊技球を第2始動口21に入球させるといった行為の抑制を一層図り易くすることが可能となる。
尚、実施例1では、第1始動口20への遊技球の入球に基づく第1特図保留(特図1保留)だけを記憶可能としているが、第2始動口21への遊技球の入球に基づき取得される取得情報(第2取得情報)についても第2特図保留(特図2保留)として記憶可能に構成してもよい。この場合、特図保留記憶部として、第1特図保留を記憶する第1特図保留記憶部(第1保留記憶手段、第1取得情報記憶手段)と、第2特図保留を記憶する第2特図保留記憶部(第2保留記憶手段、第2取得情報記憶手段)とを設けることが可能である。この場合、第1特図保留記憶部と第2特図保留記憶部とで上限値を同じとすることも可能であるが、前述したように低ベース状態(非時短状態)での本来の遊技性を損なうような行為の抑制を考慮すると、第2特図保留記憶部の上限値は第1特図保留記憶部の上限値よりも少なくするのが望ましい。
また、前述の実施例1では、高ベース状態(時短状態)で特図1大当りが発生した場合の時短継続率を「93%」することで、例えば、特図2小当りを契機とするV大当りを狙う高ベース状態(時短状態)での本来の遊技を行うことなく低ベース状態(非時短状態)に戻ってしまう可能性を極力低くしているが、高ベース状態(時短状態)で特図1大当りが発生した場合の時短継続率は「93%」に限られるものではない。例えば、高ベース状態(時短状態)となった後、低ベース状態(非時短状態)に戻る(転落)するまでの間、すなわち、高ベース状態(時短状態)が継続する一の連荘期間において、第1特別図柄だけを変動表示させて遊技を継続した場合の特図1大当りに係る賞球払出個数(以下、「総量出玉(S1)」ともいう)を考慮して、高ベース状態(時短状態)で特図1大当りが発生した場合の時短継続率を定めることができる。
「総量出玉(S1)」を求めるにあたっては、まず、
(1)高ベース状態中(時短状態中)に大当りを引く確率(以下、「引き戻し率(H1)」ともいう)と、
(2)高ベース状態(時短状態)となってから低ベース状態(非時短状態)に戻る(転落)するまでの間に大当りを引く確率、すなわち、高ベース状態(時短状態)が継続する一の連荘期間で大当りを引く確率(以下、「全引き戻し率(H2)」ともいう)と、
を算出する必要がある。これら「引き戻し率(H1)」および「全引き戻し率(H2)」を求める計算式は以下の通りである。
式1:引き戻し率(H1)=1−(1−(大当り確率(X)))^時短回数(Y)
式2:全引き戻し率(H2)=引き戻し率(H1)×時短継続率(Z)
そして、上記計算式によって得られた全引き戻し率(H2)を用いて、高ベース状態(時短状態)が継続する一の連荘期間での「特図1平均大当り回数(K)」と、特図1大当り1回あたりの賞球払出個数(以下、「単位出玉(S2)」ともいう)とを求め、これらを掛け合わせることで、「総量出玉(S1)」が得られる。すなわち、「総量出玉(S1)」を求める計算式は以下の通りである。
式3:総量出玉(S1)=単位出玉(S2)×特図1平均大当り回数(K)
上記式1〜式3に基づき、前述した実施例1のパチンコ遊技機1を例に総量出玉(S1)を求めてみる。尚、実施例1のパチンコ遊技機1は、大当り確率が「1/195.05」、時短回数が「100回」、高ベース状態(時短状態)での特図1大当りによる時短継続率が「93%」、特図1大当りに係る大当り遊技のラウンド数が「4」、第1大入賞口30の規定入球個数が「9個」である。また、第1大入賞口30への入球1個あたりの賞球個数は「15個」とする。この場合において、まず、上記式1に基づき引き戻し率(H1)を求めると、「X=1/195.05」「Y=100」なので、引き戻し率(H1)は、
H1=1−(1−1/195.05)^100=0.401906=40.1906%
となる。
次に、上記式2に基づき全引き戻し率(H2)を求めると、
「H1=40.1906%」「Z=93%」なので、全引き戻し率(H2)は、
H2=0.401906×0.93=0.373773=37.3773%となる。
ここで、前述の「特図1平均大当り回数(K)」は、
特図1平均大当り回数(K)=1/(1−全引き戻し率(H2))
によって求められるので、実施例1のパチンコ遊技機1の特図1平均大当り回数(K)は、K=1/(1−0.373773)=1.596865
となる。
また、実施例1のパチンコ遊技機1の単位出玉(S2)は、
S2=4(ラウンド数)×15(賞球個数)×9(規定入球個数)=540
である。
以上により、上記式3に基づき総量出玉(S1)を求めると、
「S2=540」「K=1.596865」なので、総量出玉(S1)は、
S1=540×1.596865≒862個
となる。
このように、実施例1のパチンコ遊技機1において、高ベース状態(時短状態)が継続する一の連荘期間で第1特別図柄だけを変動表示させて遊技を継続した場合の総量出玉(S1)は「862個」となり、この値は、実施例1のパチンコ遊技機1で最も有利な15R大当り1回あたりの賞球払出個数、すなわち、
15(ラウンド数)×15(賞球個数)×9(規定入球個数)=2025個
よりも明らかに少ない。よって、高ベース状態(時短状態)で特図1大当りが発生した場合の時短継続率を「93%」としても、射幸性が高くなることは無いので、遊技機の性能(スペック)として何ら問題ないといえる。
また、実施例1のパチンコ遊技機1において、高ベース状態(時短状態)で特図1大当りが発生した場合の時短継続率を「100%」としたとしても、前述の計算によって求められる総量出玉(S1)は約「903個」なので、この場合においても射幸性が高くなることは無く、遊技機の性能(スペック)上、何ら問題ないといえる。よって、高ベース状態(時短状態)で特図1大当りが発生した場合の時短継続率を、前述の実施例1よりも更に高くすることも可能である。
また、実施例1のパチンコ遊技機1では、仮に、高ベース状態(時短状態)が継続する一の連荘期間で第1特別図柄だけを変動表示させて遊技を継続したとしても、その場合の総量出玉(S1)は、第2特別図柄の大当り(V大当り含む)に係る大当り遊技として実行され得る15R大当り遊技の1回あたりの賞球払出個数(2025個)よりも明らかに少なくなる。このことから、高ベース状態(時短状態)にて、当該状態での遊技の主目的(本来の遊技性)に反して遊技球を第1始動口20に入球させて特図1大当りを狙ったとしても(時短継続率が高いことによる恩恵を狙ったとしても)、遊技者にとって何ら実益はない。
次に、実施例2のパチンコ遊技機について説明する。前述の実施例1では、本発明を「1種2種タイプ」のパチンコ遊技機に適用した例を説明したが、本発明は「1種2種タイプ」以外のパチンコ遊技機にも適用可能である。その一例として、本実施例2では、本発明を「1種タイプ」のパチンコ遊技機に適用した場合について説明する。尚、以下では、実施例1との主な相違点から説明する。
まず、本実施例2のパチンコ遊技機では、小当りを備えていないことから、遊技盤2に係る構成(盤面構成)のうち、前述の実施例1で小当り遊技に使用していた第2大入賞口35や特定領域39を備えていないものとなっている。つまり、本実施例2の特別遊技(当り遊技)は、第1大入賞口30を用いる大当り遊技となっている。
また、本実施例2では、主制御部80による制御処理のうち特別図柄当否判定で小当り判定を行わず、大当り判定だけを行うものとなっている。大当り判定は、図45(A)に示す大当り判定テーブルを用いて行う。ここで、本実施例2のパチンコ遊技機は、特別図柄に対する確率変動機能を備えており、大当り確率が低確率に設定される低確率状態用の大当り判定テーブルと、大当り確率が高確率に設定される高確率状態用の大当り判定テーブルとを備えている。具体的には、「0〜65535」の範囲で値をとる特別図柄当否判定用乱数のうち、低確率状態では「65286〜65535」の250個の値を大当り判定値(大当りと判定する値)としており、高確率状態では「64601〜65535」の935個の値を大当り判定値としている。つまり、低確率状態での大当り確率は「1/262.14」となっており、高確率状態での大当り確率は「1/70.09」となっている。そして、本実施例2の確率変動機能は、大当り遊技終了後、特別図柄の変動表示が所定回数(本実施例2では50回)行われると、その作動が終了するものとなっており、本実施例2のパチンコ遊技機は所謂「ST機」(回数切り確変機)と呼ばれるタイプのパチンコ遊技機となっている。
本実施例2においても、特別図柄当否判定で大当りとなった場合、前述の実施例1と同じように、図45(B)に示す大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を決定する。本実施例2における大当り種別は前述の実施例1と同様となっており、図46に示すように、特図1大当り種別として「特図1大当りA,B」の2種類、特図2大当り種別として「特図2大当りA〜C」の3種類を有している。そして、これらすべての大当りは、大当り遊技終了後に「確率変動機能」を作動させる「確変大当り」となっている(図46(A),(B)の確変機能の欄を参照)。尚、時短機能および開放延長機能について、本実施例2の高ベース状態(時短状態)の終了条件、すなわち、時短機能および開放延長機能の作動終了条件となる特別図柄の変動表示回数は「70回」となっており(図46(A),(B)の時短機能および開放延長機能の欄を参照)、この点が前述の実施例1と異なっている。一方、大当り発生時の遊技状態毎の「特図1大当りA,B」および「特図2大当りA〜C」の各当りの振分確率は、前述の実施例1と同様である(図46(A),(B)の大当り種別決定用乱数の欄を参照)。また、図45では、判定テーブルとして大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示し、普通図柄当り判定テーブルおよび普通図柄変動パターン選択テーブルを示していないが、これについては、前述の実施例1と同様のテーブル(図8(D),(E)を参照)を用いることとしている
本実施例2では、「特図1大当りB」または「特図2大当りA」が発生した場合と、低ベース状態(時短状態)にて「特図2大当りB」または「特図2大当りC」が発生した場合には、当該大当りに係る大当り遊技終了後の遊技状態は高確率状態且つ非時短状態且つ低ベース状態(以下、「高確低ベース状態」ともいう)となり、「特図1大当りA」が発生した場合と、高ベース状態(時短状態)にて「特図2大当りB」または「特図2大当りC」が発生した場合には、当該大当りに係る大当り遊技後の遊技状態は高確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(以下、「高確高ベース状態」ともいう)となる。そして、大当り遊技後に高確高ベース状態となり、当該高確高ベース状態にて特別図柄の変動表示が50回行われると、遊技状態が低確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(以下、「低確高ベース状態」ともいう)となり、この後、さらに低確高ベース状態にて特別図柄の変動表示が20回行われると、遊技状態が低確率状態且つ非時短状態且つ低ベース状態(以下、「低確低ベース状態」ともいう)となる。また、大当り遊技後に高確低ベース状態となり、当該高確低ベース状態にて特別図柄の変動表示が50回行われると、遊技状態が低確低ベース状態となる。さらに、これらの各遊技状態に応じて、演出モード(モードステータス)が設定されるものとなっている。
また、本実施例2では、第2始動口21への遊技球の入球に基づき取得される取得情報についても保留として記憶するものとなっている。つまり、第1特図保留に加え第2特図保留も記憶可能となっている。本実施例2では、第1特図保留と第2特図保留とで記憶可能な上限値を同じ「4」としている。さらに、前述の実施例1では、第1特別図柄の変動表示を第2特別図柄の変動表示に優先して行うものとしていたが、本実施例2では、第2特別図柄の変動表示を第1特別図柄の変動表示に優先して行うものとしている(特図2優先変動)。また、前述の実施例1では、高ベース状態(時短状態)における特別図柄の大当り変動パターンと外れ変動パターンを夫々1種類としていたが、本実施例2では、夫々複数種類設けている。
以上が、前述した実施例1との主な相違点であり、その他の「1種タイプ」の遊技に係る基本的な構成(大当り判定、大当り遊技等)は、実施例1と同様である。
以上の実施例2のパチンコ遊技機においても、特図1大当りに係る大当り遊技として4R大当り遊技を設け、特図2大当りに係る大当り遊技として4R大当り遊技および15R大当り遊技を設けているので、第2特別図柄で大当りとなった方が、遊技者に付与され得る利益の量が多くなる可能性が高くなっている。そして、第2特別図柄の変動表示が主体となる高ベース状態(高確高ベース状態または低確高ベース状態)において、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りとなった場合、その後に高ベース状態(時短状態)となる確率(時短継続率)は「93%」となっており、高ベース状態(時短状態)にて第2特別図柄の当否判定の結果が大当りとなった場合の時短継続率「80%」よりも高いものとなっている。つまり、第2特別図柄の変動表示が遊技の主体となる高ベース状態(時短状態)では、多くの利益を得難い第1特別図柄に係る大当り遊技が実行されたとしても、大当り遊技後に高ベース状態(時短状態)となる可能性は、第2特別図柄に係る大当り遊技が実行される場合よりも高くなる。これにより、高ベース状態(時短状態)に移行したにもかかわらず、第1特別図柄が変動表示してこれに係る大当り遊技が実行されたとしても、当該大当り遊技後に、高ベース状態(時短状態)での遊技を極力続けられるようにすることが可能となる。
また、実施例2のパチンコ遊技機においても、低ベース状態(低確低ベース状態または高確低ベース状態)のときに発生し得る大当りのうち「特図1大当りA」だけが「時短大当り」となっており、その他の大当りはすべて「非時短大当り」となっている。このため、低ベース状態において「特図1大当りA」が発生しない限り、遊技状態が高ベース状態に移行することはない。つまり、低ベース状態では、特図2大当りに係る大当り遊技が実行されるより、特図1大当りに係る大当り遊技が実行される方が、大当り遊技後に高ベース状態となる可能性が高いものとなる。これにより、低ベース状態では、第1特別図柄の変動表示を主体に遊技を進めて高ベース状態への移行を狙い、高ベース状態では、第2特別図柄の変動表示を主体に遊技を進めて利益量の多い大当り遊技(例えば15R大当り遊技)の実行を狙えるとともに、万が一第1特別図柄に係る大当り遊技が実行されたとしても引き続き高ベース状態で遊技を進められる可能性が高い、といった遊技性を、1種タイプのパチンコ遊技機で得ることが可能となる。
また、実施例2のパチンコ遊技機においても、低ベース状態で特図1大当りが発生してこれに係る大当り遊技が実行され、その大当り遊技後に高ベース状態となる確率(時短突入率)は「50%」となっており、高ベース状態で特図2大当りが発生してこれに係る大当り遊技が実行され、その大当り遊技後に高ベース状態となる確率(時短継続率)は「80%」となっている。そして、第2特別図柄に係る大当り遊技には、第1特別図柄に係る大当り遊技に存在しない15R大当り遊技が含まれていることから、特図1大当りに比べ特図2大当りの方が遊技者にとって有利である。このことから、高ベース状態では、原則、第2特別図柄の変動表示を主体に遊技を進めて利益量の多い大当り遊技の実行を狙うのが、遊技者にとって得策といえる。これにより、1種タイプのパチンコ遊技機において、高ベース状態では第2特別図柄の変動表示を主体に遊技を進めるという遊技性を損なわないようにすることが可能となる。
また、実施例2のパチンコ遊技機においても、遊技状態が高ベース状態にあるときには、特図2大当りに係る大当り遊技が実行されるより、特図1大当りに係る大当り遊技が実行される方が、大当り遊技後に高ベース状態となる可能性が高いので、高ベース状態の継続という点では、第2特別図柄の変動表示が遊技の主体となる高ベース状態であるにもかかわらず、第1特別図柄の方が遊技者にとって有利に働くものとなる。これにより、高ベース状態にて、仮に第1特別図柄が変動表示してこれに係る大当り遊技が実行されたとしても、当該大当り遊技は、大当り遊技後の高ベース状態の継続を図るいわば「救済」として機能させることが可能となる。
また、実施例2のパチンコ遊技機においても、低ベース状態にて特図2大当りが発生したとしても、これに係る大当り遊技後に高ベース状態に移行することはなく、低ベース状態では「特図1大当りA」が発生しない限り、高ベース状態に移行することはない。このため、低ベース状態にて、当該状態での遊技の主目的(本来の遊技性)に反して、遊技球を第2始動口21に入球させて第2特別図柄の当否判定(変動表示)を狙ったとしても、遊技者にとって実益は大きくない。これにより、実施例2の1種タイプのパチンコ遊技機においても、低ベース状態にて第2特別図柄を変動表示させるために遊技球を第2始動口21に入球させる行為(本来の遊技性を損なう行為)の抑制を図ることが可能となる。
また、実施例2のパチンコ遊技機においても、低ベース状態での特図1大当りに基づく時短突入率を「50%」としており、特図2大当りによっては高ベース状態への移行は望めないものとなっている。また、高ベース状態での特図2大当りに基づく時短継続率は「80%」となっており、第2特別図柄に係る大当り遊技には、第1特別図柄に係る大当り遊技に存在しない15R大当り遊技が含まれている。このため、低ベース状態では、第1特別図柄の変動表示を主体に遊技を進めて高ベース状態への移行を狙い、高ベース状態に移行した上で、第2特別図柄を変動表示させて利益量の多い大当り遊技の実行を狙うのが、遊技者にとって得策といえる。これにより、実施例2の1種タイプのパチンコ遊技機においても、第1特別図柄の変動表示が遊技の主体となる低ベース状態で、第2特別図柄を変動表示させるために遊技球を第2始動口21に入球させるといった行為の抑制を図り易くすることが可能となる。
尚、実施例2では、時短突入率および時短継続率を実施例1と同様としていたが、実施例2においても、時短突入率および時短継続率は、前述した実施例1と同様の考え方のもと、総量出玉(S1)やその他の遊技性能(スペック)等を考慮して、任意に設定することが可能である。
また、実施例2では、第1特図保留および第2特図保留を記憶可能とし、それぞれの記憶可能な上限値を「4」としていたが、実施例2においても、本来の遊技性に反した遊技の進行の抑制を図る観点から、第2特図保留を記憶しないものとしたり、第2特図保留の記憶可能な上限値を第1特図保留の上限値よりも少なくしたりすることが可能である。
以上、本発明を1種2種タイプのパチンコ遊技機に適用した実施例1と、本発明を1種タイプのパチンコ遊技機に適用した実施例2について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、前述した実施例では、時短機能および開放延長機能の作動終了条件(高ベース状態の終了条件)として「特別図柄の変動表示回数」を用い、その回数が所定回数(実施例1では100回、実施例2では70回)になることで、高ベース状態が終了するものとしていたが、これ以外の終了条件を設定することも可能である。例えば、高ベース状態にて時短大当りが発生し続ける限り、その後も高ベース状態での遊技を継続することが可能で、高ベース状態にて非時短大当りが発生することで、当該大当りに係る大当り遊技後に低ベース状態となる(高ベース状態が終了となる)仕様、すなわち、次回大当りが発生するまで高ベース状態が継続する所謂「ループタイプ」とすることも可能である。また、高ベース状態の終了条件を「特別図柄の変動表示回数」により定める場合、その回数は前述した実施例で示した回数に限定されるものではなく、大当り確率や小当り確率、大当り遊技での賞球払出個数(利益量)等を考慮して、任意に設定することが可能である。
また、前述した実施例では、低ベース状態にあるときは、特図2大当り(V大当り含む)が発生したとしても、高ベース状態に移行することはあり得ない(100%ない)構成、すなわち、「特図1大当りA」が発生しない限り、高ベース状態に移行することはない構成としていた。しかしながら、特図1大当りによる高ベース状態への移行よりも可能性が低いのであれば、特図2大当り(V大当り含む)によっても高ベース状態への移行があり得る構成としてもよい。例えば、低ベース状態にて特図1大当りが発生した場合の高ベース状態への移行率(時短突入率)を50%とした場合、特図2大当り(V大当り含む)が発生した場合の高ベース状態への移行率(時短突入率)を10%としたり5%としたりする等、可能性は低いものの高ベース状態への移行の可能性を持たせてもよい。つまり、低ベース状態にて特図1大当りが発生してこれに係る大当り遊技が実行される場合より、低ベース状態にて特図2大当り(V大当り含む)が発生してこれに係る大当り遊技が実行される場合の方が、大当り遊技後に高ベース状態となる可能性が低いものとなっていればよい。
また、前述した実施例では、第2始動口21を第1始動口20の下方に設け、右遊技領域3Bを流下する遊技球が第2始動口21に入球可能となる盤面構成としていたが、右遊技領域3Bを流下する遊技球が入球可能となるのであれば、第2始動口21を設ける位置は特に問わない。例えば、図3に示す盤面構成において、右遊技領域3Bであって第1大入賞装置31(第1大入賞口30)と第2大入賞装置36(第2大入賞口35)との間の部位に第2始動口(可変始動口)設けてもよい。
また、前述した実施例では、第1特別図柄の変動表示を第2特別図柄の変動表示に優先して行うか、あるいは、第2特別図柄の変動表示を第1特別図柄の変動表示に優先して行う構成としていたが、特別図柄の変動表示に係る仕様は、必ずしも優先変動としなくてもよい。例えば、第1始動口および第2始動口への遊技球の入球順に第1特別図柄および第2特別図柄を変動表示する入球順変動としてもよい。
また、前述した実施例では、1ラウンドにおける大入賞口の開放回数を1回としているが、1ラウンドにおける大入賞口の開放回数を複数回としてもよいし、ラウンドによっては開放回数を異ならせるようにしてもよく、大当り遊技におけるラウンド数も4Rや15Rに限定されるものではなく、種々のラウンド数を設定可能である。
また、前述した実施例2では、すべての大当りを「確変大当り」としていたが、大当り種別として、確変大当りの他、確率変動機能を作動させる契機とならない「非確変大当り」を設けてもよい。また、前述した実施例2では、確率変動機能の作動終了条件として「特別図柄の変動表示回数」を用い、その回数が所定回数(実施例2では50回)になることで、高確率状態が終了するものとしていたが、これ以外の終了条件を設定することも可能である。例えば、高確率状態にて確変大当りが発生し続ける限り、その後も高確率状態での遊技を継続することが可能で、高確率状態にて非確変大当りが発生することで、当該大当りに係る大当り遊技後に低確率状態となる(高確率状態が終了となる)仕様、すなわち、次回大当りが発生するまで高確率状態が継続する所謂「確変ループタイプ」とすることも可能である。さらに、確率変動機能を作動させる制御として、大当り種別(大当り図柄)基づいて作動させるものとしていたが、例えば、大当り遊技中の特定ラウンド(チャンスラウンド)で開放状態(入球可能状態)となる大入賞装置(大入賞口)内に設けられた特定領域を遊技球が通過した場合に確率変動機能を作動させるものとしてもよい。
[その他]
第1始動口への入球に基づき第1識別情報を変動表示させるよりも、第2始動口への入球に基づき第2識別情報を変動表示させて遊技を進行させる方が、遊技者にとって有利となるように構成された遊技機では、第2始動口を遊技球の入球可能性が変化し得る可変式の始動口とし、特別遊技後に、第2始動口への遊技球の入球頻度が通常の遊技状態よりも高くなる高頻度状態に移行可能となっているのが一般的である。遊技状態が高頻度状態になることで、遊技者は遊技を有利に進めることが可能となるが、高頻度状態に移行したにもかかわらず、第2識別情報が変動表示せずに第1識別情報が変動表示することがあり、さらには、高頻度状態に移行後、早々に第1識別情報に係る特別遊技が行われて当該特別遊技後に通常の遊技状態に戻ってしまう虞もある。このように、せっかく高頻度状態に移行したにもかかわらず、高頻度状態での遊技を充分に楽しめないまま高頻度状態が終了してしまうことは、遊技者の遊技意欲を損ないやすく、結果として遊技興趣の低下を招いてしまうという問題がある。これに対し、高頻度状態に移行した場合には当該高頻度状態での遊技を極力続けられるようにして、遊技興趣の向上を図ることが可能な遊技機に関する発明を、以下に例示する。
(1−1)始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示する識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて、遊技者に所定の利益が付与され得る特別遊技が実行可能となる遊技機であって、
前記始動口として、第1始動口と、遊技球の入球可能性が変化し得る第2始動口とを有し、
前記識別情報として、前記第1始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示する第1識別情報と、前記第2始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示する第2識別情報とを有し、
前記第1識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合より、前記第2識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合の方が、遊技者に付与可能な利益の量が多くなる可能性が高く、
前記識別情報の変動表示が実行可能な遊技状態として、少なくとも、第1遊技状態と、前記第1遊技状態に比べ前記第2始動口への遊技球の入球頻度が高くなる第2遊技状態と、に制御可能な遊技状態制御手段を備え、
前記遊技状態制御手段は、前記特別遊技後の前記遊技状態を前記第1遊技状態または前記第2遊技状態に制御可能であり、
前記第2遊技状態にて前記第2識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合より、前記第2遊技状態にて前記第1識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合の方が、前記特別遊技後の遊技状態が前記第2遊技状態となる可能性が高い
ことを特徴とする遊技機。
(1−2)上記(1−1)の遊技機において、
前記第1遊技状態にて前記第2識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合より、前記第1遊技状態にて前記第1識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合の方が、前記特別遊技後の遊技状態が前記第2遊技状態となる可能性が高い
ことを特徴とする遊技機。
(1−3)上記(1−1)または(1−2)の遊技機において、
前記第1遊技状態にて前記第1識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合より、前記第2遊技状態にて前記第2識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合の方が、前記特別遊技後の遊技状態が前記第2遊技状態となる可能性が高い
ことを特徴とする遊技機。
(1−4)上記(1−1)ないし(1−3)の遊技機において、
前記第1始動口に遊技球が入球した場合に当該入球に基づく変動表示を保留として記憶可能な保留記憶手段を備え、
前記第1識別情報の変動表示を前記第2識別情報の変動表示に優先して実行する
ことを特徴とする遊技機。
また、前述のような、第1識別情報に比べ第2識別情報を有利とした遊技機では、第1識別情報の変動表示が遊技の主体となる通常の遊技状態であるにもかかわらず、第2識別情報を繰り返し変動表示させて利益を得ようとすべく第2始動口に遊技球を入球させる行為がなされる虞がある。このような本来の遊技性を損なう行為は、遊技の公平性の観点から好ましくない。これに対し、第1識別情報の変動表示が遊技の主体となる通常の遊技状態で本来の遊技性を損なう行為がなされるのを抑制することが可能な遊技機に関する発明を、以下に例示する。
(2−1)始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示する識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて、遊技者に所定の利益が付与され得る特別遊技が実行可能となる遊技機であって、
前記始動口として、第1始動口と、遊技球の入球可能性が変化し得る第2始動口とを有し、
前記識別情報として、前記第1始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示する第1識別情報と、前記第2始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示する第2識別情報とを有し、
前記第1識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合より、前記第2識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合の方が、遊技者に付与可能な利益の量が多くなる可能性が高く、
前記識別情報の変動表示が実行可能な遊技状態として、少なくとも、第1遊技状態と、前記第1遊技状態に比べ前記第2始動口への遊技球の入球頻度が高くなる第2遊技状態と、に制御可能な遊技状態制御手段を備え、
前記遊技状態制御手段は、前記特別遊技後の前記遊技状態を前記第1遊技状態または前記第2遊技状態に制御可能であり、
前記第1遊技状態にて前記第1識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合より、前記第1遊技状態にて前記第2識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合の方が、前記特別遊技後の遊技状態が前記第2遊技状態となる可能性が低い
ことを特徴とする遊技機。
(2−2)上記(2−1)の遊技機において、
前記第1遊技状態にて前記第1識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合より、前記第2遊技状態にて前記第2識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合の方が、前記特別遊技後の遊技状態が前記第2遊技状態となる可能性が高い
ことを特徴とする遊技機。
(2−3)上記(2−1)または(2−2)の遊技機において、
未実行の前記識別情報の変動表示を保留として記憶可能な保留記憶手段を備え、
前記第2始動口に遊技球が入球した場合に当該入球に基づく変動表示を保留として記憶可能な数は、前記第1始動口に遊技球が入球した場合に当該入球に基づく変動表示を保留として記憶可能な数より少ない
ことを特徴とする遊技機。
(2−4)上記(2−3)の遊技機において、
前記第2始動口に遊技球が入球した場合に当該入球に基づく変動表示を保留として記憶可能な数はゼロである
ことを特徴とする遊技機。
尚、上記(1−1)ないし(1−4)の遊技機、または、上記(2−1)ないし(2−4)の遊技機は、
前記特定態様として、第1特定態様と第2特定態様とを有し、
前記第1識別情報および前記第2識別情報のうち少なくとも前記第2識別情報が前記第2特定態様で停止表示可能であり、
前記特別遊技実行手段は、少なくとも、前記第1識別情報が前記第1特定態様で停止表示した場合と、前記第2識別情報が前記第1特定態様で停止表示した場合と、前記第2識別情報が前記第2特定態様で停止表示することで入球可能となる特定入球口に入球した遊技球が特定領域を通過した場合とに、前記特別遊技を実行可能であり、
前記第1識別情報または前記第2識別情報が前記第1特定態様で停止表示する可能性より、前記第2識別情報が前記第2特定態様で停止表示する可能性の方が高い
こととしてもよい。
また、参考発明1の遊技機は、
始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示する識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて、遊技者に所定の利益が付与され得る特別遊技が実行可能となる遊技機であって、
前記始動口として、第1始動口と、遊技球の入球可能性が変化し得る第2始動口とを有し、
前記識別情報として、前記第1始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示する第1識別情報と、前記第2始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示する第2識別情報とを有し、
前記第1識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合より、前記第2識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合の方が、遊技者に付与可能な利益の量が多くなる可能性が高く、
前記識別情報の変動表示が実行可能な遊技状態として、少なくとも、第1遊技状態と、前記第1遊技状態に比べ前記第2始動口への遊技球の入球頻度が高くなる第2遊技状態と、に制御可能な遊技状態制御手段を備え、
前記遊技状態制御手段は、前記特別遊技後の前記遊技状態を前記第1遊技状態または前記第2遊技状態に制御可能であり、
前記第2遊技状態にて前記第2識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合より、前記第2遊技状態にて前記第1識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合の方が、前記特別遊技後の遊技状態が前記第2遊技状態となる可能性が高い
ことを特徴としている。
参考発明1の遊技機によれば、第1識別情報に係る特別遊技が実行されるより、第2識別情報に係る特別遊技が実行される方が、遊技者に付与可能な利益の量が多くなる可能性が高いことから、特別遊技により得られる利益の面で、第2識別情報は第1識別情報に比べ遊技者にとって有利に働くものとなる。このような第2識別情報の変動表示の契機となる第2始動口への遊技球の入球頻度が高まる第2遊技状態において、第2識別情報が特定態様で停止表示してこれに係る特別遊技が実行されるより、第1識別情報が特定態様で停止表示してこれに係る特別遊技が実行される方が、特別遊技後の遊技状態が第2遊技状態となる可能性が高いものとなっている。つまり、第2識別情報の変動表示が遊技の主体となる第2遊技状態では、多くの利益を得難い第1識別情報に係る特別遊技が実行されたとしても、特別遊技後に第2遊技状態となる可能性は、第2識別情報に係る特別遊技が実行される場合に比べ高くなる。これにより、第2識別情報の変動表示が遊技の主体となる第2遊技状態に移行したにもかかわらず、第1識別情報が変動表示して特定態様で停止表示し、これに係る特別遊技が実行されたとしても、当該特別遊技後に、第2遊技状態での遊技を極力続けられるようにすることが可能となる。
また、参考発明2の遊技機は、参考発明1の遊技機において、
前記第1遊技状態にて前記第2識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合より、前記第1遊技状態にて前記第1識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合の方が、前記特別遊技後の遊技状態が前記第2遊技状態となる可能性が高い
ことを特徴としている。
参考発明2の遊技機によれば、第1遊技状態では、第2識別情報に係る特別遊技が実行されるより、第1識別情報に係る特別遊技が実行される方が、特別遊技後に第2遊技状態となる可能性が高いものとなる。これにより、第1遊技状態では、第1識別情報の変動表示を主体に遊技を進めて第2遊技状態への移行を狙い、第2遊技状態では、第2識別情報の変動表示を主体に遊技を進めて利益量の多い特別遊技の実行を狙えるとともに、利益量の少ない第1識別情報に係る特別遊技が実行されたとしても引き続き第2遊技状態で遊技を進められる可能性が高い、といった遊技性を得ることが可能となる。
また、参考発明3の遊技機は、参考発明1または参考発明2の遊技機において、
前記第1遊技状態にて前記第1識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合より、前記第2遊技状態にて前記第2識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合の方が、前記特別遊技後の遊技状態が前記第2遊技状態となる可能性が高い
ことを特徴としている。
参考発明3の遊技機によれば、第1遊技状態で第1識別情報に係る特別遊技が実行されるより、第2遊技状態で第2識別情報に係る特別遊技が実行される方が、特別遊技後に第2遊技状態となる可能性が高いので、第2遊技状態では、原則、第2識別情報の変動表示を主体に遊技を進めて利益量の多い特別遊技の実行を狙うのが、遊技者にとって得策である。これにより、第2遊技状態では第2識別情報の変動表示を主体に遊技を進めるという遊技性を損なわないようにすることが可能となる。また、前述のように、第2遊技状態では、第2識別情報に係る特別遊技が実行されるより、第1識別情報に係る特別遊技が実行される方が、特別遊技後に第2遊技状態となる可能性が高いので、第2遊技状態の継続という点では、第2識別情報の変動表示が遊技の主体となる第2遊技状態であるにもかかわらず、第1識別情報の方が遊技者にとって有利に働くものとなる。これにより、第2遊技状態にて、仮に第1識別情報が変動表示してこれに係る特別遊技が実行されたとしても、当該特別遊技は、特別遊技後の第2遊技状態の継続を図るいわば「救済」として機能させることが可能となる。
また、参考発明4の遊技機は、参考発明1ないし参考発明3の遊技機において、
前記第1始動口に遊技球が入球した場合に当該入球に基づく変動表示を保留として記憶可能な保留記憶手段を備え、
前記第1識別情報の変動表示を前記第2識別情報の変動表示に優先して実行する
ことを特徴としている。
参考発明4の遊技機によれば、第1識別情報の変動表示を保留として記憶することが可能となっているとともに、第1識別情報の変動表示を第2識別情報の変動表示に優先して実行するものとなっている。これにより、例えば、第2識別情報の変動表示が遊技の主体となる第2遊技状態において第1識別情報の変動表示に係る保留が存在したとしても、当該保留に基づく第1識別情報の変動表示を先に実行して(終わらせて)、第2識別情報の変動表示が主体となる遊技を効率的に進めることが可能となる。
また、参考発明5の遊技機は、参考発明1ないし参考発明4の遊技機において、
前記特定態様として、第1特定態様と第2特定態様とを有し、
前記第1識別情報および前記第2識別情報のうち少なくとも前記第2識別情報が前記第2特定態様で停止表示可能であり、
前記特別遊技実行手段は、少なくとも、前記第1識別情報が前記第1特定態様で停止表示した場合と、前記第2識別情報が前記第1特定態様で停止表示した場合と、前記第2識別情報が前記第2特定態様で停止表示することで入球可能となる特定入球口に入球した遊技球が特定領域を通過した場合とに、前記特別遊技を実行可能であり、
前記第1識別情報または前記第2識別情報が前記第1特定態様で停止表示する可能性より、前記第2識別情報が前記第2特定態様で停止表示する可能性の方が高い
ことを特徴としている。
参考発明5の遊技機は、いわゆる「1種2種タイプ」の遊技機に相当するものである。この第5発明の遊技機によれば、第1識別情報や第2識別情報を変動表示させた場合、これら識別情報が第1特定態様で停止表示する可能性は、第2識別情報が第2特定態様で停止表示する可能性よりも低いことから、第2遊技状態では、第1特定態様の停止表示に基づく特別遊技の実行可能性より、第2特定態様の停止表示を経て特定入球口に入球した遊技球の特定領域通過に基づく特別遊技の実行可能性の方が高くなる。このため、第2遊技状態では、第2識別情報の変動表示を主体に遊技を進め、特定領域通過に基づく特別遊技の実行を狙うのが遊技者にとって得策となる。この第2遊技状態において、仮に、第1識別情報が変動表示して特定態様(第1特定態様)で停止表示し、これに係る特別遊技が実行されたとしても、当該特別遊技後に再び第2遊技状態となる可能性は高く、遊技者にしてみれば、引き続き、遊技球の特定領域通過に基づく特別遊技の実行を狙うことが可能となる。これにより、いわゆる「1種2種タイプ」の遊技機に係る遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
1 パチンコ遊技機、2 遊技盤、3 遊技領域、7 画像表示装置、8 演出図柄、20 第1始動口、21 第2始動口、28 ゲート、30 第1大入賞口、35 第2大入賞口、39 特定領域、40 主表示器、41 特別図柄表示部、41a 第1特別図柄表示器(第1特別図柄表示部)、41b 第2特別図柄表示器(第2特別図柄表示部)、80 主制御基板(主制御部)、90 サブ制御基板(サブ制御部)、100 画像制御基板(画像制御部)。

Claims (1)

  1. 始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示する識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて、遊技者に所定の利益が付与され得る特別遊技が実行可能となる遊技機であって、
    前記始動口として、第1始動口と、遊技球の入球可能性が変化し得る第2始動口とを有し、
    前記識別情報として、前記第1始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示する第1識別情報と、前記第2始動口への遊技球の入球に基づいて変動表示する第2識別情報とを有し、
    前記第1識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合より、前記第2識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合の方が、遊技者に付与可能な利益の量が多くなる可能性が高く、
    前記識別情報の変動表示が実行可能な遊技状態として、少なくとも、第1遊技状態と、前記第1遊技状態に比べ前記第2始動口への遊技球の入球頻度が高くなる第2遊技状態と、に制御可能な遊技状態制御手段を備え、
    前記第1始動口に遊技球が入球した場合に当該入球に基づく変動表示を保留として記憶可能な保留記憶手段を備えると共に、前記第2始動口に遊技球が入球した場合に当該入球に基づく変動表示を保留として記憶可能な保留記憶手段を備えておらず、
    前記第1識別情報の変動表示を前記第2識別情報の変動表示に優先して実行するものとされ、
    前記遊技状態制御手段は、前記特別遊技後の前記遊技状態を前記第1遊技状態または前記第2遊技状態に制御可能であり、
    前記第2遊技状態にて前記第2識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合より、前記第2遊技状態にて前記第1識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて前記特別遊技が実行される場合の方が、前記特別遊技後の遊技状態が前記第2遊技状態となる可能性が高い
    ことを特徴とする遊技機。
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