次に、本発明の実施の形態を、実施例を用いて説明する。尚、以下では、図柄の変動表示の終了に伴い当り図柄が停止表示されると、遊技者に所定量の遊技利益(例えば、賞球)を付与可能な当り遊技を実行可能なパチンコ遊技機に、本発明を適用した例を説明する。
図1乃至図3に示すように、実施例1のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えており、遊技盤2は遊技機枠50から着脱自在に構成されている。図3は、遊技盤2を遊技機枠50から取り外した状態のものを示す。遊技機枠50は、装飾面を有する前面枠51と、遊技盤2等を取り付ける本体枠52と、パチンコ遊技機1をホールの島設備に取り付けるための外枠53と、を有して構成されており、前面枠51、本体枠52及び外枠53は、一側端側で軸支され夫々開閉可能に構成されている。
また、前面枠51には、遊技者の操作量(回転角度)に応じた発射強度で遊技球を発射させるための発射ハンドル60、遊技球を貯留し貯留した遊技球を発射装置側に供給可能な打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される遊技演出の実行中などに、遊技者が操作可能な第1演出ボタン63a、第2演出ボタン63b(これら2個の演出ボタンを総称して単に「演出ボタン63」ともいう)が設けられている。複数の演出ボタンは、遊技演出の種類に応じて使用する演出ボタンを使い分けることができる。
また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66及びスピーカ67が設けられている。尚、演出ボタン63の構成は本実施例の態様に限らず、遊技者からの入力を検知できるものであればたり、遊技者が直接ボタン部に接触して入力を行う手段(例えば、出没式、タッチセンサ式等)であってもよいし、遊技者の身体の一部が近接したことを検知して入力を行う非接触式の入力手段(光電式等)であってもよい。遊技盤2には、発射ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また、遊技盤2には、装飾用の盤面ランプ5が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技釘16が突設されている。また、レール部材4の先端には球戻り防止片6が設けられており、一旦遊技領域へ誘導された遊技球が発射装置側へ戻るのを防止することができる。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置からなる画像表示装置7が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、演出図柄8L、8C、8R(単に「演出図柄8」ともいう)が表示される演出図柄表示領域7b(「演出図柄表示部」ともいう)が設けられており、当該演出図柄8L、8C、8Rは、後述の第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行う。演出図柄表示領域7bは、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなり、左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。また、演出図柄8L、8C、8Rはそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄(識別情報)からなる。演出図柄表示領域7bに停止表示される左、中、右の演出図柄によって、後述(図4参照)の第1特別図柄表示器41a(「第1特別図柄表示部」ともいう)に表示される第1特別図柄の変動表示の結果、及び第2特別図柄表示器41b(「第2特別図柄表示部」ともいう)に表示される第2特別図柄の変動表示の結果(つまり、特別図柄当否判定(単に「当否判定」ともいう)の結果)を、遊技者が認識し易いように表示する。尚、第1特別図柄、第2特別図柄、演出図柄のいずれかを指して単に「図柄」や「識別情報」ということもある。
例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合には、「777」などの3桁同一のゾロ目(「大当り演出図柄」ともいう)や「135」などの予め設定したチャンス図柄や「3★3」などの専用図柄(「特殊図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。また、外れとなった場合には「637」や「373」などの3つの図柄のうち少なくとも1つの図柄が異なるバラケ目図柄(「外れ演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。これにより、遊技者は停止表示した演出図柄を見ることで、遊技の進行状況を容易に把握することが可能となる。つまり遊技者は、一般的には特別図柄当否判定の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bに表示される特別図柄を見て直接的に把握するのではなく、演出図柄表示領域7bに表示される演出図柄を見て把握する。尚、左・中・右の図柄表示エリアの位置は夫々区別して設ける必要はなく、左・中・右の演出図柄の表示エリアをそれぞれ図柄表示エリア(演出図柄表示領域7b)の全体としてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下、左右、斜め方向等にスクロール表示する態様がある。
画像表示装置7の表示画面7a上では、前述のような演出図柄を用いた遊技演出(演出図柄遊技演出)を表示するほか、大当り遊技に伴って実行される大当り遊技演出(特別遊技演出)や、客待ち用のデモ演出などが表示される。尚、演出図柄遊技演出や大当り遊技演出やデモ演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて第1演出保留9aを表示する第1演出保留表示領域9c(第1演出保留表示部)と、後述の第2特図保留の記憶数に応じて第2演出保留9bを表示する第2演出保留表示領域9d(第2演出保留表示部)とがある。第1演出保留又は第2演出保留の表示態様(表示数)により、後述の第1特図保留表示器43a(図4参照)にて表示される第1特図保留の記憶数及び第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、演出図柄表示領域7bを取り囲むように、センター装飾体10が設けられている。センター装飾体10の下部には、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11が設けられている。またセンター装飾体10の左部には、中空状のワープ部12が設けられている。ワープ部12にはワープ入口とワープ出口とが設けられており、遊技領域3を流下する遊技球をワープ入口から受け入れ、当該遊技球をワープ出口から排出しステージ部11へと誘導する。ステージ部11の転動面に誘導された遊技球は、ステージ部11に誘導されない遊技球と比して高い可能性で、後述の第1始動口20に入球可能とされている。さらにセンター装飾体10の上部には、LED等の電飾部材(盤面ランプ5)を有し遊技状態に応じて点灯可能であって、文字や図形等を象った装飾部材13が配されている。
また、センター装飾体10の上部であって、装飾部材13の後方には、遊技演出に伴って動作可能な可動装飾部材14が設けられている。図3では、可動装飾部材14の一部分のみが視認可能となっているが、例えば、比較的当りの可能性の高い遊技演出の実行に伴って、可動装飾部材が下方に落下し、当該可動装飾部材が表示画面7aの前面を覆い、その大部分が視認可能となる。これにより、遊技者は当りへの期待感を高めることとなる。遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが変化しない非可変式の第1始動口20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第1特別図柄に係る当否判定(第1特別図柄当否判定)が実行されると共に第1特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
遊技領域3における画像表示装置7の右方には、遊技球の入球し易さが変化する可変式の第2始動口21を備える可変入賞装置22(「可変式始動口」ともいう)が設けられている。第2始動口21への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄当否判定)が実行されると共に第2特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。可変入賞装置22は、開閉部材(羽根部材)23を備え、開閉部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。この開閉動作によって、第2始動口21は、第1の態様(閉状態)から当該第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様(開状態)へと変化可能である。開閉部材23は、第2始動口ソレノイド24(図5参照)により駆動される。本実施例では、第2始動口21は、開閉部材23が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能とされ、開閉部材23が閉状態にあるときには遊技球が入球不能となっている。尚、第2始動口21は、開閉部材23が閉状態にあるときは開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、開閉部材23が閉状態にあるときに完全に入球不能となるものでなくてもよい。
遊技領域3における第1始動口20の右方には、第1大入賞口30を備えた第1大入賞装置31(「第1可変入球口」ともいう)と、第2大入賞口35を備えた第2大入賞装置36(「第2可変入球口」ともいう)とが設けられており、本実施例では、第1大入賞装置31(第1大入賞口30)の真上に第2大入賞装置36(第2大入賞口35)が配置されている。第1大入賞装置31は、開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図5参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第1可変入球口31が作動すると、開閉部材32の開閉動作により、第1大入賞口30は、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化し得る。
また、第2大入賞装置36は、開閉部材37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図5参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第2可変入球口36が作動すると、開閉部材37の開閉動作により、第2大入賞口35は、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。また、第2大入賞装置36は、第2大入賞口35に入球した遊技球が通過可能な特定領域39及び非特定領域49と、第2大入賞口35に入球した遊技球を特定領域39または非特定領域49に誘導する(振り分ける)ための可動片150を含んで構成されている。可動片150は、後述の第2大入賞口センサ35aにより検知された遊技球の数に基づいて動作するもので、可動片ソレノイド151(図5参照)により駆動される。可動片ソレノイド151がOFFのとき、すなわち可動片150が動作していないときは(非動作状態)、第2大入賞口35に入球した遊技球は非特定領域49(特定領域以外の領域)に誘導されて、特定領域39を通過することが不可能となる。一方、可動片ソレノイド151がONのとき、すなわち可動片150が動作しているときは(動作状態)、第2大入賞口35に入球した遊技球は特定領域39に誘導されて、特定領域39を通過すること(以下、「V通過」ともいう。)が可能となる。本パチンコ遊技機1では、第2大入賞口35に入球した遊技球の少なくとも1個が特定領域39を通過したことが検知されることに基づいて、後述の高確率状態を発生させている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。このような特定領域39は、第1大入賞装置31には設けられていない。第2大入賞口35の開放(開閉部材37の開放動作)と可動片150の動作についての詳細は後述する。尚、可動片150は、本発明の「可動部材」の一態様に相当する。また、高確率状態は、特別遊技とは別に遊技者に付与される遊技上の特典の一つである。
ここで、第2大入賞装置36の構成について詳しく説明する。図46は、第2大入賞装置36を示す模式図である。第2大入賞口35に入球した遊技球は、第2大入賞装置内の所定の遊技球誘導通路を通って、全て第2大入賞口センサ35a(「入球検知手段」や「入球検知センサ」ともいう)を通過する。第2大入賞口センサ35aは第2大入賞口35への遊技球の入球を検知するためのセンサであり、第2大入賞口センサ35aでの検知に基づいて第2大入賞口35への入球数を計数することが可能となる。遊技球が第2大入賞口センサ35aで検知されると、その検知数(つまり、入球数)が後述する主制御部80のRAMに設けられた入球数計数手段(図示しない)によりラウンド単位で計数される。この計数結果(計数値)は、ラウンド間のインターバル時間の経過によりクリアされる。
また、第2大入賞口センサ35aで検知された(を通過した)遊技球は、その後、所定の遊技球誘導通路を通って、必ず特定領域39または非特定領域49を通過する。尚、特定領域39は、可動片150が動作中(動作状態)のときにだけ、換言すると、特定領域39が開放中のときにだけ、遊技球が通過可能となる(図46(b)を参照)。特定領域39には特定領域センサ39aが設けられており、特定領域39を通過する遊技球は特定領域センサ39aにより検知される。また、非特定領域49には非特定領域センサ49aが設けられており、非特定領域49を通過する遊技球は非特定領域センサ49aにより検知される。特定領域センサ39aおよび非特定領域検知センサ49aは、第2大入賞口35からの遊技球の排出を検知するためのセンサでもあり、特定領域センサ39aおよび非特定領域検知センサ49aの検知に基づいて第2大入賞口35からの排出数を計数することが可能となる。遊技球が特定領域センサ39aまたは非特定領域検知センサ49aで検知されると、その検知数(つまり、排出数)が後述する主制御部80のRAMに設けられた排出数計数手段(図示しない)によりラウンド単位で計数される。この計数結果(計数値)は、ラウンド間のインターバル時間の経過によりクリアされる。
また、特定領域センサ39aにより検知された遊技球の数は、後述する主制御部80のRAMに設けられた特定領域通過計数手段(図示しない)により特定領域通過数として計数され、非特定領域センサ49aにより検知された遊技球の数は、後述する主制御部80のRAMに設けられた非特定領域通過計数手段(図示しない)により非特定領域通過数として計数される。これらの計数もラウンド単位で行われ、計数結果(計数値)はインターバル時間の経過によりクリアされる。尚、第2大入賞口35に入球した遊技球が排出されるのを検知する特定領域センサ39a(「第1排出検知手段」や「第1排出検知センサ」ともいう)および非特定領域検知センサ49a(「第2排出検知手段」や「第2排出検知センサ」ともいう)を、総じて「排出検知手段」や「排出検知センサ」ともいう。
本実施例では、主制御部80の制御プログラムによって、第2大入賞口35に係る遊技球の入球数および排出数を計数し、その計数結果を基に入球数と排出数の一致・不一致を判定することにより、特定領域39を有する第2大入賞装置36(第2大入賞口35)への入球に係る異常や不正等の発生の有無を監視することが可能となっている。第2大入賞装置36(第2大入賞口35)の内部では、特定領域39を開閉するための可動片150を動作させるため、可動片150に遊技球が噛む等して、第2大入賞装置36(第2大入賞口35)に遊技球が詰まってしまう虞がある。このような球詰まりが発生した場合には、第2大入賞口35に入球した遊技球がその後排出されないことから、入球数と排出数とが一致しないこととなる。このように入球数と排出数とを監視することで、球詰まりの有無を確認することが可能となる。また、いわゆる糸吊りゴト等の不正行為により遊技球を特定領域センサ39aに検知させた場合にも入球数と排出数とが一致しないため、このことに基づいて不正行為の有無を監視して、不測の損害が発生するのを未然に防止することも可能となる。
遊技領域3におけるセンター装飾体10の右側領域には、遊技球が通過可能なゲート28(遊技球通過口)が設けられている。ゲート28への遊技球の通過に基づいて、普通図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると、第2始動口21を開状態とするか否かを判定する普通図柄当否判定が実行されると共に普通図柄が変動表示され、普通図柄当否判定の結果に基づいて停止表示される。当り普通図柄が停止表示すると第2始動口21を開状態となる。さらに、遊技領域3の下部には、複数の一般入賞口27が設けられている。このように各種入球口(入賞口)等が配されている遊技領域3を、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bと、に分けることができる。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちといい、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本パチンコ遊技機1では、遊技開始の際は左打ちにて第1始動口20への入球を狙う。一方、第1始動口20への入球に基づく当否判定において当りとなり遊技状態が変化した際には、右打ちにてゲート28、第2始動口21、第1大入賞口30および第2大入賞口35への入球を狙うこととなる。そして、第1始動口20、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35および一般入賞口27に遊技球が入球した場合には、夫々の入球口において予め定められた数の遊技球(「賞球」ともいう)が払い出される。
また、図3及び図4に示すように、遊技盤2の右下部には主表示器40が配置されている。主表示器40には、第1特別図柄を変動表示および停止表示する第1特別図柄表示器41a(第1特別図柄表示部)、第2特別図柄を変動表示および停止表示する第2特別図柄表示器41b(第2特別図柄表示部)、及び、普通図柄を変動表示および停止表示する普通図柄表示器42(普通図柄表示部)が含まれている。また主表示器40には、第1特別図柄に係る当否判定情報(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄に係る当否判定情報(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、及び、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
また主表示器40には、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が当りになったことを示す当り表示器48、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が当りになった場合に、実行される当り遊技のラウンド数を示すラウンド表示器45、確率変動機能が作動することを示す遊技状態表示器46、及び、遊技球の発射方向、すなわち右打ちすべき状態か左打ちすべき状態かを示す発射方向表示器47が含まれている。これら主表示器40に含まれる各種表示器は後述の主制御部によって表示制御される。第1特別図柄の変動表示は、第1始動口20への遊技球の入球を契機として行われる。第2特別図柄の変動表示は、第2始動口21への遊技球の入球を契機として行われる。尚、以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示部41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示部43ということがある。
特別図柄表示部41では、特別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後に停止表示し、停止表示された特別図柄(停止図柄)によって第1始動口20または第2始動口21への入球に基づく抽選(特別図柄当否判定、大当り抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄は、特別図柄当否判定によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定識別情報、特定態様)である場合(すなわち、大当り図柄や小当り図柄等の当り図柄である場合)には、停止表示された特定特別図柄の種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30または第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当り遊技)が行われる。尚、特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
図4に示すとおり、第1特別図柄表示器41aは、「i〜p」で示す8個のLEDで構成されており、第1特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第1特別図柄当否判定の結果として「7R第1〜第10大当り」の10種類の大当りが設けられており(図8を参照)、第1特別図柄表示器41aのLEDは、それら10種類の大当りの各々に応じた表示態様(特定態様)を採ることが可能となっている。具体的には、例えば、第1特別図柄当否判定の結果が「7R第1大当り」となった場合には「ijn」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させるものとし(7R第1大当り図柄)、「7R第2大当り」となった場合には「imn」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させるものとし(7R第2大当り図柄)、「7R第3大当り」となった場合には「jln」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させるものとし(7R第3大当り図柄)、「7R第4大当り」となった場合には「jkn」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させるものとし(7R第4大当り図柄)、「7R第5大当り」となった場合には「kln」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させるものとする(7R第5大当り図柄)。また、第1特別図柄当否判定の結果が「7R第6大当り」となった場合には「klp」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させるものとし(7R第6大当り図柄)、「7R第7大当り」となった場合には「kln」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させるものとし(7R第7大当り図柄)、「7R第8大当り」となった場合には「kop」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させるものとし(7R第8大当り図柄)、「7R第9大当り」となった場合には「nop」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させるものとし(7R第9大当り図柄)、「7R第10大当り」となった場合には「lno」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させるものとする(7R第10大当り図柄)。さらに、第1特別図柄当否判定の結果が「外れ」となった場合には「n」の1個のLEDを点灯させて残りを消灯させるものとする(外れ図柄)。
一方、第2特別図柄表示器41bは、「a〜h」で示す8個のLEDで構成されており、第2特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第2特別図柄当否判定の結果として「15R第11大当り」及び「15R第12大当り」の2種類の大当りが設けられており(図8を参照)、第2特別図柄表示器41bのLEDは、それら2種類の大当りの各々に応じた表示態様(特定態様)を採ることが可能となっている。具体的には、例えば、第2特別図柄当否判定の結果が「15R第11大当り」となった場合には「acde」の4個のLEDを点灯させて残りを消灯させるものとし(15R第11大当り図柄)、「15R第12大当り」となった場合には、「bfgh」の4個のLEDを点灯させて残りを消灯させるものとする(15R第12大当り図柄)。また、第2特別図柄当否判定の結果が「外れ」となった場合には「g」の1個のLEDを点灯させて残りを消灯させるものとする(外れ図柄)。
特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば、時計回り方向や反時計回り方向など、予め定められた順序で光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様とすることができる。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入球があると、その入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は、主制御部のRAMに形成される特図保留記憶部85に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入球であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85aに記憶され、第2始動口21への入球であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85bに記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限が設定されており、本実施例における上限値はそれぞれ4個となっている。これら第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85bを、夫々「第1取得情報記憶手段」および「第2取得情報記憶手段」ともいい、総じて「取得情報記憶手段」ともいう。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の変動表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特別図柄当否判定用乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示がその入球時にすぐに実行できない場合、すなわち特別図柄の変動表示の実行中や特別遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その入球に対する特別図柄当否判定の権利を留保することができるようになっている。
このような特図保留の数は、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bに表示される。具体的には第1特図保留表示器43aは、「uv」の2個のLEDで構成されており、第1特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第1特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「u□v□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「u□v●」というように「u」のLEDを消灯し「v」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数が「2」の場合は「u●v□」というように「u」のLEDを赤色で点灯させ「v」のLEDを消灯する表示態様とすることができる。また、保留数が「3」の場合は「u●v●」というように両方のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数が「4(上限数)」の場合は「u▲v▲」というように両方のLEDを緑色で点灯させる表示態様とすることができる。
一方、第2特図保留表示器43bは、「wx」の2個のLEDで構成されており、第2特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第2特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「w□x□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数「1」〜「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
普通図柄の変動表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を所定時間変動表示した後、停止表示し、停止表示された普通図柄(停止図柄)によって、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄当否判定の結果を報知する。停止表示される普通図柄は、普通図柄当否判定によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(当り普通図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。尚、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には図4に示す通り、普通図柄表示器42は、「st」の2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄当否判定の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば、判定結果が当りである場合には、「s■t■」(例えば、■:点灯、□:消灯とする)というように両LEDが点灯した当り普通図柄を停止表示する。また判定結果が外れである場合には、「s□t■」というように「t」のLEDのみが点灯した態様の外れ普通図柄を表示する。尚、外れ普通図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には予め定められた所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示が実行されるが、その変動表示の態様は、例えば、両LEDが交互に点灯・消滅を繰り返す態様である。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に基づいて普通図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は主制御部のRAMに形成される普図保留記憶部86に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限が設定されており、本実施例における上限値は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の変動表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄当否判定用乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の変動表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示がその通過時にすぐ実行できない場合、すなわち普通図柄の変動表示の実行中や補助遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄当否判定の権利を留保することができるようになっている。そして、普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には、普図保留表示器44は「qr」の2個のLEDで構成されており、普図保留の数に応じてLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「q□r□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「q□r●」というように「q」のLEDを消灯し「r」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数「2」〜「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
次に図2及び図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。本実施例のパチンコ遊技機1は、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板80(「主制御部」ともいい、「遊技制御部」ともいう)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板90(「サブ制御部」ともいい、「演出制御部」ともいう)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110(「払出制御部」ともいう)、画像表示装置7に表示される演出図柄8、演出表示器102に表示される図柄、演出第1特図保留表示器103a、及び演出第2特図保留表示器103b等の表示制御を行う画像制御基板100(画像制御部)等を備えている。また、図2に示すように、パチンコ遊技機1の後面側(裏面側)の略中央部には主制御基板80を収納した主制御基板収納ケースが設けられ、この主制御基板ケースの上方には、音声制御基板106、ランプ制御基板107及び画像制御基板100を収納した画像制御基板等収納ケースが設けられ、その画像制御基板等収納ケース上にはサブ制御基板90を収納したサブ制御基板収納ケースが設けられている。また、主制御基板ケースの下方左側には、払出制御基板を収納する払出制御基板ケースが設けられ、その右側には、電源基板109を収納する電源基板ケースが設けられている。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路87(I/Oポート部)を介して他の基板等とデータ(情報)の送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。遊技制御用マイコン81のRAMには、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85a及び第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的には、センサ類として、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ49aおよび一般入賞口センサ27aが接続されている。これら各種センサを「遊技球検知手段」ともいう。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入球した遊技球を検知するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入球した遊技球を検知するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検知するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入球した遊技球を検知するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入球した遊技球を検知するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられており、第2大入賞口35に入球した遊技球のうち特定領域39を通過した遊技球を検知するものである。非特定領域センサ49aは、第2大入賞口35内の非特定領域49に設けられており、第2大入賞口35に入球した遊技球のうち非特定領域49を通過した遊技球を検知するものである。一般入賞口センサ27aは、各一般入賞口27内にそれぞれ設けられて一般入賞口27に入球した遊技球を検知するものである。そして、遊技制御用マイコン81(主制御部80)のRAMには、これらの各センサ(遊技球検知手段)による遊技球の検知数を計数、記憶するための領域が設けられており、遊技制御用マイコン81の制御(プログラム)により、各センサによる検知数を計数することが可能となっている(計数手段)。
またソレノイド類としては、第2始動口ソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38および可動片ソレノイド151が接続されている。これら各種ソレノイドを「駆動手段」ともいう。第2始動口ソレノイド24は、可変入賞装置22の開閉部材23を駆動するためのもので、第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するためのものである。また、第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するためのもので、可動片ソレノイド151は、第2大入賞装置36の可動片150を駆動するものである。さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44、ラウンド表示器45、遊技状態表示器46、発射方向表示器47および当り表示器48が接続されている。すなわち、これらの主表示器40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球や貸球を払い出す払出装置120、及びカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード(遊技価値記憶媒体)等に記憶されている情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御基板111(「発射制御部」ともいう)を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、発射ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技球の払い出しを制御する払出制御用ワンチップマイコン116(「払出制御用マイコン」ともいう)が実装されている。払出制御用マイコン116には、遊技球の払い出しを制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。払出制御用マイコン116は、入出力回路117を介し、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、払出装置120の払出モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のため払出センサ122、123により検知される。尚遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチセンサ114が発射ハンドル60への遊技者の接触を検知し、発射ボリューム115が発射ハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動制御されることとなる。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
また図5に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン91(「演出制御用マイコン」)が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って遊技演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路95は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101(「画像制御用マイコン」)のCPUに、画像表示装置7、演出表示器102、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2保留表示器103bの表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAMは、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROMには、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字及び記号等(演出図柄、保留図柄等を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御用マイコン101は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROMから画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出表示器102は、2個のLEDからなり、演出図柄8の変動表示及び停止表示にあわせて変動表示および停止表示を行い、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出図柄8の表示結果(特別図柄当否判定の結果)を示す表示態様で停止表示する。また、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2保留表示器103bも同様に2個のLEDからなる。そして、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出第1特図保留表示器103aは第1演出保留表示領域9cに表示される保留個数および第1特図保留表示器43aで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。また、演出第2特図保留表示器103bは第2演出保留表示領域9dに表示される保留個数および第2特図保留表示器43bで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。これは、キャラクタ図柄を表示画面7a(演出図柄表示部)の略全体に表示したり、可動装飾部材14を動作させて表示画面7aの演出図柄表示領域7b(演出図柄表示部)の略全体を被覆したりすることで、演出図柄8や第1演出保留9a、第2演出保留9b等、表示画面7aに表示される各種画像の一部または全部が視認できない状態になることがあるため、この様な表示器が設けられている。尚、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101に換えて、または加えて、VDP(Video Display Processor)を設けてもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROMに格納されている。尚、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROMに音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を、ROMに格納されているデータから決定し、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプ(LED)の点灯制御を行う。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された可動装飾部材14を動作させる。尚、可動装飾部材14は、図1では一部分のみ視認可能となっているが、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。演出制御用マイコン91は、可動装飾部材14を所定の動作態様で動作させるための動作パターンデータ(「駆動データ」ともいう)を、サブ制御基板90のROMに格納されているデータから決定し、決定した動作パターンデータに基づいて可動装飾部材14の動作を制御する。尚、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や可動装飾部材14の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63b(図1参照)が操作(押す、回転、引く等)されたことを検知する第1演出ボタン検知スイッチ63c及び第2演出ボタン検知スイッチ63dが接続されている。従って、第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63bに対して遊技者が所定の入力操作を行うと、対応する演出ボタン検知スイッチらサブ制御基板90に対して信号が出力される。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1における当否判定に係る制御について説明する。本実施例では、特別図柄当否判定の結果として「大当り」と「外れ」がある。「大当り」のときには、特別図柄表示部41に「大当り図柄」が停止表示され、「外れ」のときには、特別図柄表示部41に「外れ図柄」が停止表示される。大当りと判定されると、停止表示された特別図柄の種類に応じた開放パターンにて、第1大入賞口30または第2大入賞口35を開放する「特別遊技」が実行される。大当りとなって実行される特別遊技を「大当り遊技」という。
大当りには複数の種別がある。図6に示すように大当りの種別としては、「7R(ラウンド)第1大当り」、「7R第2大当り」、「7R第3大当り」、「7R第4大当り」、「7R第5大当り」、「7R第6大当り」、「7R第7大当り」、「7R第8大当り」、「7R第9大当り」、「7R第10大当り」、「15R第11大当り」および「15R第12大当り」の計12種類がある。「7R第1大当り〜7R第10大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30または第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が7回の大当りであり、「15R第11大当り」および「15R第12大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30または第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が15回の大当りである。
これらの大当りに係る大当り遊技の各ラウンドでは、第1大入賞口30および第2大入賞口35のうち一方が開放した状態(入球可能状態、遊技球受入可能状態)となり、他方は閉鎖した状態(入球不能状態、遊技球受入不能状態)となる。すなわち、2つの大入賞口30,35が同時に開放することはなく、何れか一方が開放する。具体的には、1ラウンド目では第1大入賞口30(下大入賞口)が閉鎖して第2大入賞口35(上大入賞口)が開放し、2ラウンド目では第1大入賞口30(下大入賞口)が開放して第2大入賞口35(上大入賞口)が閉鎖し、3ラウンド目では1ラウンド目と同様に第1大入賞口30(下大入賞口)が閉鎖して第2大入賞口35(上大入賞口)が開放し、4ラウンド目では2ラウンド目と同様に第1大入賞口30(下大入賞口)が開放して第2大入賞口35(上大入賞口)が閉鎖する。以後、5ラウンド目、6ラウンド目とラウンドが進む毎に、第1大入賞口30(下大入賞口)の閉鎖および第2大入賞口35(上大入賞口)の開放と、第1大入賞口30(下大入賞口)の開放および第2大入賞口35(上大入賞口)の閉鎖とが、交互に発生する。つまり、本実施例の大当り遊技は、奇数ラウンドで第2大入賞口35(上大入賞口)が開放し、偶数ラウンドで第1大入賞口30(下大入賞口)が開放するものとなっており、第1大入賞口30(下大入賞口)と第2大入賞口35(上大入賞口)とが、第2大入賞口35(上大入賞口)の開放を先として交互に開放する。
ここで、大当り遊技中の大入賞口開放パターンについて説明する。本実施例では、第1大入賞口30と第2大入賞口35の開放パターンを同様としている。すなわち、大当り遊技中の奇数ラウンドでは、第2大入賞口35をラウンド開始から25000ms(25秒)が経過するまで開放させ、25000ms(25秒)の経過により閉鎖させて、ラウンドを終了させる。つまり、開放時間25000ms、開放回数1回の開放パターンで第2大入賞口35の開放を行う。この開放パターンで開放する第2大入賞口30には、右打ちを行うことで遊技球を容易に入球させることが可能となる。一方、大当り遊技中の偶数ラウンドでは、第1大入賞口30をラウンド開始から25000ms(25秒)が経過するまで開放させた後、25000ms(25秒)の経過により閉鎖させて、ラウンドを終了させる。つまり、開放時間25000ms、開放回数1回の開放パターンで、第1大入賞口30の開放を行う。この開放パターンで開放する第1大入賞口30には、右打ちを行うことで遊技球を容易に入球させることが可能となる。
また、大当り遊技中の5ラウンド目では、第2大入賞口35を開放させるが、これに加えて、当該第2大入賞口35に入球した遊技球の数が所定数になることに基づいて可動片150を動作させるものとしている。すなわち、第2大入賞口35に遊技球が入球すると、その入球した遊技球は第2大入賞口センサ35aにより検知され、その検知された遊技球の数(つまり、第2大入賞口35への入球数)が、主制御部80のRAMに設けられた入球数計数手段(図示しない)によって計数される。この入球数計数手段による計数値が所定値になると、これを契機に可動片150が動作する。つまり、所定値によって、可動片150の動作タイミングが規定されるものとなっている。
可動片150の動作契機となる所定値(計数値)は、1ラウンド中に第2大入賞口35への入球が許容される遊技球の数(規定数)の範囲内で設定されるもので、本実施例では、大別して「第1所定値(第1計数値)」と該第1所定値よりも大きな値である「第2所定値(第2計数値)」の2つの所定値を設けている。具体的には、第1所定値(第1計数値)を「1」とし、第2所定値(第2計数値)を「2」〜「9」の何れかとしている。
また、可動片150の動作契機となる所定値(計数値)は、大当り種別に応じて設定されるものとなっており、図47に示す「大当り種別」と「第1所定値および第2所定値」との対応関係が、主制御部80のROMに予め記憶されている(値記憶手段)。本実施例では、第1所定値は全ての大当り種別に対して設定され、第2所定値は全大当り種別のうち特定の大当り種別に対して設定されるものとなっている。具体的には、第1所定値は、7R第1大当り〜7R第10大当り、15R第11大当り及び15R第12大当りのすべて(12種類)について設定される。一方、第2所定値は、7R第1大当り〜7R第8大当り及び15R第11大当り(9種類)について設定されるものとなっており、7R第9大当り、7R第10大当り及び15R第12大当り(3種類)については設定されない。このため、本実施例では、大当り遊技の5ラウンド目で可動片150が少なくとも1回動作し、最大で2回動作し得るものとなっている。
そして、7R第1大当り〜7R第8大当り及び15R第11大当り(9種類)のうち、7R第1大当り〜7R第8大当りの8種類の大当りに対しては、「2」〜「9」の8種類のうちの何れかの値が各大当りで異なるように設定される。具体的には、7R第1大当りに対しては「2」、7R第2大当りに対しては「3」、7R第3大当りに対しては「4」、7R第4大当りに対しては「5」、7R第5大当りに対しては「6」、7R第6大当りに対しては「7」、7R第7大当りに対しては「8」、7R第8大当りに対しては「9」が、それぞれ設定される。また、15R第11大当りに対しては「2」が設定される(図47を参照)。これらの可動片150の動作契機となる所定値(計数値)の設定は、大当りの発生(大当り遊技の開始)に際し、当該大当りの種別に基づいて行われる。すなわち、図47に示すように、大当りの種別に応じて予め定められた「1回目の動作タイミングを規定する入球数に該当する第1所定値(c1)」と「2回目の動作タイミングを規定する入球数に該当する第2所定値(c2)」とが、対応する大当りの発生(大当り遊技の開始)に際して設定される。尚、図47に示す第1所定値および第2所定値の設定態様はあくまでも一例であり、この他にも種々の態様を採ることが可能である。
また、可動片150が動作する際の動作態様(動作パターン)として、本実施例では、特定領域39への遊技球の通過可能性が相対的に異なる2種類の態様を予め設けてある。すなわち、特定領域39への遊技球の通過可能性が低い態様(第1動作態様)と、特定領域39への遊技球の通過可能性が高い態様(第2動作態様)の2つの態様を有しており、可動片150が動作する際には何れかの態様で動作するものとなっている。可動片150を何れの態様で動作させるかは、可動片150が動作する際の当該動作契機となった前述の所定値、すなわち、入球数計数手段による計数値(第2大入賞口センサ35aによる遊技球の検知数、つまり、第2大入賞口35への入球数)によって決まる。具体的には、計数値(第2大入賞口35への入球数)が第1所定値(本例では「1」)となって可動片150が作動する場合、可動片150は特定領域39への遊技球の通過可能性が低い態様(第1動作態様)で動作し、計数値(第2大入賞口35への入球数)が第2所定値(本例では「2」〜「9」の何れか)となって可動片150が作動する場合、可動片150は特定領域39への遊技球の通過可能性が高い態様(第2動作態様)で動作する。可動片150が第1動作態様で動作する場合、遊技球が特定領域39を通過する可能性は極めて低いものとなり、特定領域39への遊技球の通過は困難(実質的に不可能)となる。一方、可動片150が第2動作態様で動作する場合、遊技球が特定領域39を通過する可能性は高いものとなり、特定領域39への遊技球の通過は容易となる。
前述したように、第2所定値は特定の大当り種別について設定され、他の大当り種別については設定されない。このため、第2所定値が設定される特定の大当り種別に該当する9種類の大当り、すなわち、7R第1大当り〜7R第8大当り及び15R第11大当りは、特定領域39への遊技球の通過可能性が高い態様で可動片150を動作させる大当り(以下「V通過予定大当り」ともいう)となっている。一方、第2所定値が設定されない大当り、すなわち7R第9大当り、7R第10大当り及び15R第12大当りは、特定領域39への遊技球の通過可能性が低い態様で可動片150を動作させる大当り(以下「V未通過予定大当り」ともいう)となっている。つまり、「V通過予定大当り」は、後述の高確率状態を発生させる(特典を付与する)ことが前提の大当りとなっており、「V未通過予定大当り」は、後述の高確率状態を発生させない(特典を付与しない)ことが前提の大当りとなっている。
ここで、可動片150の動作と、第2大入賞口35に入球した遊技球との関係は次のようになる。図48に示すように、前述の入球数計数手段による計数値が第1所定値(本例では「1」)になると、可動片150を80ms動作状態(可動片ソレノイド151をON)とする。すなわち、第2大入賞口35への1個目の入球が検知されると、特定領域39が80ms(0.08秒)だけ開放状態(V開放)となる。つまり、動作時間(開放時間)80ms、動作回数(開放回数)1回の動作パターンで可動片150の動作を行う。この場合、可動片150の動作は80msという極短時間(一瞬)だけ行われるので、当該動作の契機となった遊技球(第2大入賞口35への1個目(最初)の入球に該当する遊技球)が第2大入賞口センサ35aを通過して可動片150の配設部位に到達する頃には、可動片150の動作が終了している(非動作状態となっている)可能性は極めて高い(図46(a)を参照)。よって、当該遊技球が特定領域39を通過する可能性は極めて低いもの(実質的にゼロ)となる。
一方、前述の入球数計数手段による計数値が第2所定値(本例では「2」〜「9」の何れか)になると、可動片150を3000ms動作状態(可動片ソレノイド151をON)とする(図48)。すなわち、第2大入賞口35への2個目〜9個目の何れかの入球が検知されると、特定領域39が3000ms(3秒)の間、開放状態(V開放)となる。つまり、動作時間(開放時間)3000ms、動作回数(開放回数)1回の動作パターンで可動片150の動作を行う。この場合、可動片150の動作は3000msという比較的長めの時間で行われるので、当該動作の契機となった遊技球(第2大入賞口35への2個目〜9個目の何れかの入球に該当する遊技球)が第2大入賞口センサ35aを通過して可動片150の配設部位に到達する頃には、可動片150の動作は未だ終了していない(動作状態となっている)可能性が極めて高い(図46(b)を参照)。よって、当該遊技球が特定領域39を通過する可能性は極めて高いものとなる。
このように、可動片150は、入球数計数手段による計数値が第1所定値となった場合、特定領域39を極短時間(80ms)開放させる短開放動作パターン(第1動作態様)で動作し、入球数計数手段による計数値が第2所定値となった場合、特定領域39を短開放動作パターンより長い時間(3000ms)で開放させる長開放動作パターン(第2動作態様)で動作するものとなっている。そして、「V未通過予定大当り」では、5ラウンド目に可動片150が短開放動作パターン(第1動作態様)で動作するものの、その後に長開放動作パターン(第2動作態様)で動作することはなく、「V通過予定大当り」では、5ラウンド目に可動片150が短開放動作パターン(第1動作態様)で動作した後、長開放動作パターン(第2動作態様)で動作することが可能となっている。このため、「V未通過予定大当り」は、5ラウンド目に遊技球が第2大入賞口35に入球しても当該ラウンド中に遊技球が特定領域39を通過する可能性は極めて低いことから(実質的にゼロ)、大当り遊技終了後の遊技状態が後述の高確率状態となる可能性が低い(無い)大当り、換言すると、後述の通常状態(低確率状態)となる可能性が高い大当りとなる。一方、「V通過予定大当り」は、5ラウンド目に遊技球が第2大入賞口35に2個以上入球すれば、当該ラウンド中に遊技球が特定領域39を通過する可能性は極めて高いことから、大当り遊技終了後の遊技状態が後述の高確率状態となる可能性が高い大当りとなる。このように、本実施例では、大当り遊技の5ラウンド目を、特定領域39への遊技球の通過有無に基づいて大当り遊技終了後の遊技状態を高確率状態とするか否かを決定するVラウンドとしている。この5ラウンド目のラウンド遊技(Vラウンド)は、本発明の「特典決定遊技」の一態様に相当する。
尚、大入賞口開放パターンは本実施例に限定されるものではなく、第1大入賞口30と第2大入賞口35とで開放パターンを異ならせてもよい。また、本実施例では、大当りの種別によってラウンド数が異なる(7Rまたは15R)だけで、大入賞口開放パターンは同様となっているが、大当りの種別によって大入賞口開放パターンを異ならせてもよい。さらに、可動片150の動作パターン(第1動作態様、第2動作態様)についても本実施例に限定されるものではない。
第1特別図柄(特図1)の当否判定における各大当りの振分確率は、7R第1〜第8大当りがそれぞれ7%、7R第9大当りが22%、7R第10大当りが22%、となっており、V通過予定大当りとV未通過予定大当りに分けると、V通過予定大当りが56%(7%×8=56%)、V未通過予定大当りが44%(22%×2=44%)となっている(図6、図8を参照)。これに対して、第2特別図柄(特図2)の当否判定における各大当りの振分確率は、15R第11大当りが80%、15R第12大当りが20%となっており、V通過予定大当りとV未通過予定大当りに分けると、V通過予定大当りが80%、V未通過予定大当りが20%となっている(図6、図8を参照)。すなわち、後述の開放延長機能の作動(高ベース状態の発生)により入球容易となった第2始動口21への入球に基づく第2特別図柄の当否判定により大当りとなった場合には、第1始動口20への入球に基づく第1特別図柄の当否判定によって大当りになった場合に比べ、V通過予定大当りとなる可能性が高くなる。また、第2始動口21への入球に基づく第2特別図柄の当否判定により大当りとなった場合には、第1始動口20への入球に基づく第1特別図柄の当否判定では出現しない15R大当りが出現することとなる。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入球して行われる当否判定(第1特別図柄当否判定)において大当りとなるよりも、第2始動口21に遊技球が入球して行われる当否判定(第2特別図柄当否判定)において大当りとなる方が、遊技者にとって有利となる可能性が高くなるように設定されている。このため、遊技者は、第2始動口21への入球を期待して遊技を行う。特に第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能の作動中においては顕著である。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当りか外れかの判定は「特別図柄当否判定用乱数(「当否判定用情報」ともいう)」に基づいて行われ、大当りとなった場合の大当りの種別の判定は「大当り種別決定用乱数(「図柄決定用乱数」、「図柄決定用情報」ともいう)」に基づいて行われる。図7(A)に示すように、特別図柄当否判定用乱数は「0〜629」までの範囲で値をとり、大当り種別決定用乱数は「0〜99」までの範囲で値をとる。また、第1始動口20や第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)には、特別図柄当否判定用乱数および大当り種別決定用乱数の他に「変動パターン乱数(「変動パターン情報」ともいう)」がある。
変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は「0〜198」までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図7(B)に示す普通図柄当否判定用乱数がある。普通図柄当否判定用乱数は、第2始動口21を開放させる補助遊技を行うか否かの判定(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は「0〜240」までの範囲で値をとる。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。本実施例のパチンコ遊技機1は、特別図柄及び普通図柄に対する確率変動機能、変動時間短縮機能、及び、開放延長機能の各機能が作動状態又は非作動状態となる組合せにより、複数の遊技状態を有している。特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常状態(「低確率状態」ともいう)」という。高確率状態では、特別図柄当否判定において大当りと判定される確率が通常状態よりも高くなっている。すなわち、通常状態では通常状態用の大当り判定テーブルを用いて当否判定を行うものの、高確率状態では、大当りと判定される特別図柄当否判定用乱数の値が多い高確率状態用の大当り判定テーブルを用いて、当否判定を行う(図8(A)参照)。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の変動表示の結果が大当りとなる(停止図柄が大当り図柄となる)確率が高くなる。
また、特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)について変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示の開始時から確定表示時までの時間)の平均値が、非時短状態における特別図柄の変動時間の平均値よりも短くなっている。すなわち、時短状態においては、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図9参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入球(特図保留として記憶され得る入球)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当りを狙うことができる。
特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)についての確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の時短状態において作動し、非時短状態において作動しないものとなっている。このため、時短状態では、普通図柄当否判定における当り確率が非時短状態よりも高くなる。具体的に、時短状態では、当りと判定される普通図柄乱数(当り乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当り判定テーブルよりも多い普通図柄当り判定テーブルを用いて、普通図柄当否判定(普通図柄の判定)を行う(図8(C)参照)。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本実施例では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図8(D)参照)。さらに時短状態では、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放時間延長機能が作動し、補助遊技における第2始動口21の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。加えて時短状態では、可変入賞装置22の開放回数増加機能が作動し、補助遊技における第2始動口21の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。具体的には、非時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の開閉部材37が0.2秒の開放動作を1回行い、時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の開閉部材37が2.0秒の開放動作を3回行うものとなっている。
普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、第2始動口21が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球の入球頻度が高くなる(「高頻度状態」ともいう)。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当りを狙うことができる。
尚、高ベース状態(高頻度状態)は、上記した全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能のうち少なくとも一つの機能の作動によって、その機能が作動していないときに比べ第2始動口21が開放され易く(入球頻度が高く)なっていればよい。また、高ベース状態は、特別図柄の時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。この様な高ベース状態を発生させる機能を「高ベース発生機能」ということもできる。
本実施例のパチンコ遊技機1では、7R第1大当り〜7R第8大当りの何れかになった場合と15R第11大当りになった場合の特別遊技後の遊技状態は、その特別遊技中に遊技球が特定領域39を通過する可能性が極めて高いことから、特定領域39への遊技球の通過に基づいて特別図柄の高確率状態になるとともに、特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(図6参照)。この遊技状態のことを「高確高ベース状態」ともいう。高確高ベース状態は、予め定められた回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。この高確高ベース状態は、高確率状態であることが遊技者にとって明らかな状態となり、遊技者にとってはいわゆる「確変遊技状態」となる。尚、特定領域39への遊技球の通過がなされていなければ、特別図柄の通常状態かつ特別図柄の時短状態かつ高ベース状態(低確高ベース状態)となる。
また、7R第9大当りになった場合と15R第12大当りになった場合の特別遊技後の遊技状態は、その特別遊技中に遊技球が特定領域39を通過する可能性は極めて低いことから、特別図柄の通常状態になるとともに、特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(図6参照)。この遊技状態のことを「低確高ベース状態」ともいう。低確高ベース状態は、所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。尚、可能性は限りなく低い(ゼロに近い)が、仮に遊技球が特定領域39を通過した場合には「高確高ベース状態」となる。
また、7R第10大当りになった場合の特別遊技後の遊技状態は、その特別遊技中に遊技球が特定領域39を通過する可能性は極めて低いことから、特別図柄の通常状態になるとともに、特別図柄の非時短状態かつ低ベース状態となる(図6参照)。この遊技状態のことを「低確低ベース状態」ともいう。尚、可能性は限りなく低い(ゼロに近い)が、仮に遊技球が特定領域39を通過した場合には、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の非時短状態かつ低ベース状態となる。この遊技状態のことを「高確低ベース状態」ともいう。
尚、遊技状態が「高確高ベース状態」になった場合と「低確高ベース状態」になった場合とにおいて、特別遊技(大当り遊技)の終了後、確率変動機能が作動しているか否か、すなわち高確率状態なのか通常状態(低確率状態)なのかを、遊技者にとって認識し難いものとなるようにすることも可能である。このように、高確率状態なのか通常状態(低確率状態)なのかを認識し難い状態を「確率非報知状態」という。「確率非報知状態」では、遊技進行に応じて行われる演出等のパチンコ遊技機1の外観(見かけ)を通じて高確率状態か否かを認識することが、遊技者にとって難しいもの(実質的に不可能)とされる。この「確率非報知状態」は、例えば、「低確高ベース状態」の終了条件である所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が行われるまで発生させることが可能である。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3Bへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。高ベース状態では、低ベース状態と比べて第2始動口21が開放されやすくなっており、第1始動口20への入球よりも第2始動口21への入球の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄当否判定の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入球させるべく右打ちを行う。これにより、左打ちを行う場合に比べ、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御され、右遊技領域3Bを狙って遊技球を発射すべきことを報知する(右打ち指示報知)。
これに対して、低ベース状態(例えば低確低ベース状態)では、左打ちにより左遊技領域3Aへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。低ベース状態では、高ベース状態と比べて第2始動口21が開放されにくくなっており、第2始動口21への入球よりも第1始動口20への入球の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入球させるべく左打ちを行う。これにより、右打ちを行う場合に比べ、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御(表示制御)され、左遊技領域3Aを狙って遊技球を発射すべきことを報知する(左打ち指示報知)。
具体的には発射方向表示器47は、「yz」の2個のLEDで構成されており、遊技状態に応じてLEDを点灯させることにより発射方向を示すものである。例えば、低ベース状態では、「y□z□」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様として左遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。また、高ベース状態では、「y■z■」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを点灯する表示態様として右遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。
[主制御メイン処理]
次に、図10〜図38に基づいて遊技制御用マイコン81の動作(主制御部80による制御処理)について説明する。尚、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、主制御基板80のRAMに設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、主制御基板80のROMから図10に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(S101)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、主制御基板80のCPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。尚、初期設定(S101)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。尚、実施例および図面において、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「特図1」「第1特図」、第2特別図柄を「特図2」「第2特図」ということがある。
初期設定(S101)に次いで、割り込みを禁止し(S102)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、図7に示した種々の乱数カウンタの値を1加算する更新を行う。各乱数カウンタの値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。尚各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタ値は主制御基板80のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)が終了すると、割り込みを許可する(S104)。割り込み許可中は、割り込み処理(S105)の実行が可能となる。この割り込み処理(S105)は、例えば4ms周期で主制御基板80のCPUに繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして、割り込み処理(S105)が終了してから、次に割り込み処理(S105)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。尚、割り込み禁止状態のときにCPUに割り込みパルスが入力された場合は、割り込み処理(S105)はすぐには開始されず、割り込み許可(S104)がされてから開始される。
[割り込み処理]
次に、割り込み処理(S105)について説明する。図11に示すように、割り込み処理(S105)では、まず出力処理(S201)を実行する。出力処理(S201)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAMに設けられた出力バッファにセットされたコマンド(制御信号)等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。出力するコマンド等には、遊技状態、特別図柄当否判定の結果、大当り種別としての図柄(大当り図柄)、変動パターン等に関する情報等が含まれる。尚、コマンドは、例えば2バイトの情報からなる。この場合、上位1バイトは、コマンドの種類に関する情報であり、下位1バイトはコマンドの内容に関する情報である。
出力処理(S201)に次いで行われる入力処理(S202)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、一般入賞口センサ27a等(図5参照))が検知した検知信号を読み込み、賞球情報としてRAMの出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検知する下皿満杯検知センサからの検知信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAMの出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)は、図10の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)と同じである。即ち、図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、タイマ割り込み処理(S105)の実行期間と、それ以外の期間(割り込み処理(S105)の終了後、次の割り込み処理(S105)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)に次いで、後述する始動口センサ検知処理(S204)、普図動作処理(S205)、特図動作処理(S206)、特定領域センサ検知処理(S207)、非特定領域センサ検知処理(S208)、始動入球時処理(S209)および電源断監視処理(S210)を実行する。その後、本発明に深く関連しないその他の処理(S211)を実行して、割り込み処理(S105)を終了する。そして、次に主制御基板80のCPUに割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のS102〜S104の処理が繰り返し実行され(図10参照)、割り込みパルスが入力されると(約4ms後)、再び割り込み処理(S105)が実行される。再び実行された割り込み処理(S105)の出力処理(S201)においては、前回の割り込み処理(S105)にてRAMの出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[始動口センサ検知処理]
図12に示すように、始動口センサ検知処理(S204)ではまず、遊技球がゲート28を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S301)。遊技球がゲート28を通過していなければ(S301でNO)、S305に進み、ゲート28を遊技球が通過していれば(S301でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAMに設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4未満であるか否か判定する(S302)。
普通図柄保留球数が4未満でなければ(S302でNO)、S305に進む。一方、普通図柄保留球数が4未満であれば(S302でYES)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S303)、普通図柄乱数取得処理(S304)を行う。普通図柄乱数取得処理(S304)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H、図7(B))を取得し、その取得乱数値(取得情報)を、主制御基板80のRAMに設けられた普図保留記憶部のうち現在の普通図柄保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
S305では、第2始動口21に遊技球が入球したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S305)。第2始動口21に遊技球が入球していない場合(S305でNO)にはS309に進むが、第2始動口21に遊技球が入球した場合には(S305でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S306)。そして、特図2保留球数が4未満でない場合(S306でNO)には、S309に進むが、特図2保留球数が4未満である場合には(S306でYES)、特図2保留球数に1を加算する(S307)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S308)を行う。特図2関係乱数取得処理(S308)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数の値を取得し)、それら取得乱数値(取得情報)を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
続いて始動口センサ検知処理(S204)では、第1始動口20に遊技球が入球したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S309)。第1始動口20に遊技球が入球していない場合(S309でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入球した場合には(S309でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S310)。そして、特図1保留球数が4未満でない場合(S310でNO)には、処理を終えるが、特図1保留球数が4未満である場合には(S310でYES)、特図1保留球数に「1」を加算する(S311)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S312)を行う。特図1関係乱数取得処理(S312)では、特図2関係乱数取得処理(S308)と同様に、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数値を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
[普図動作処理]
遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検知処理(S204)に次いで、図13に示す普図動作処理(S205)を行う。普図動作処理(S205)では、普通図柄表示器42及び可変入賞装置22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「普図動作ステータス」が「1」である場合には(S401でYES)、普通図柄待機処理(S402)を行い、「普図動作ステータス」が「2」である場合には(S401でNO、S403でYES)、普通図柄変動中処理(S404)を行い、「普図動作ステータス」が「3」である場合には(S401、S403で共にNO、S405でYES)、普通図柄確定処理(S406)を行い、「普図動作ステータス」が「4」である場合には(S401、S403、S405の全てがNO)、普通電動役物処理(S407)を行う。尚普図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[普通図柄待機処理]
図14に示すように、普通図柄待機処理(S402)ではまず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S501)、「0」であれば(S501でYES)この処理を終える。一方「0」でなければ(S501でNO)、後述の普通図柄当否判定処理を行う(S502)。また、普通図柄当否判定処理(S502)に次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S503)。普通図柄変動パターン選択処理では、図8(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。また普通図柄変動パターン選択処理に次いで後述の普通図柄乱数シフト処理(S504)を行う。また、普通図柄乱数シフト処理(S504)に次いで、普通図柄変動開始処理を行い(S505)、処理を終える。普通図柄変動開始処理では、S503で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また普通図柄変動開始処理では、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
[普通図柄当否判定処理]
図15に示すように、普通図柄当否判定処理(S502)ではまず、普図保留記憶部に格納されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)を読み出す(S601)。次いで、時短フラグがONか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S602)。S602で、時短フラグがONである、すなわち時短状態であると判定された場合(S602でYES)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」〜「239」)に基づく高確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S604)、S605の処理に移行する。すなわち、読み出した普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)が当り判定値の何れかと一致するか否かを判定する。一方、S602で、時短フラグがONでない、すなわち、非時短状態であると判定された場合(S602でNO)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」、「1」)に基づく低確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S603)、S605の処理に移行する。そして、S605で、普図当否判定(S603、S604)の結果が、当り(普図当り)か否かを判定し(S605)、外れと判定された場合(S605でNO)、停止表示する外れ普通図柄(普図外れ図柄)を決定し(S606)、処理を終える。一方、S605で当り(普図当り)と判定された場合(S605でYES)、停止表示する当り普通図柄(普図当り図柄)を決定し(S607)、普図当りフラグをONにして(S608)、処理を終える。
[普通図柄乱数シフト処理]
普通図柄変動パターン選択処理(S503)に次いで普通図柄乱数シフト処理(S504)を実行する。図16に示すように、普通図柄乱数シフト処理(S504)ではまず、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S701)。次いで、普図保留記憶部における各普図保留の格納場所を、現在の位置から読み出される側に一つシフトする(S702)。そして、普図保留記憶部における最上位の保留記憶の格納場所であるアドレス空間を空(「0」)にして、即ち普図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S703)、処理を終える。このようにして、普図保留が保留順に消化されるようにしている。
[普通図柄変動中処理]
図17に示すように、普通図柄変動中処理(S404)ではまず、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S801)、経過していなければ(S801でNO)処理を終える。一方、経過していれば(S801でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットする(S802)とともに、普図動作ステータスを「3」にセットする(S803)。そして、普通図柄の変動表示を、普通図柄当否判定用乱数の判定結果に応じた表示結果(当り普通図柄又は外れ普通図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S804)、この処理を終える。
[普通図柄確定処理]
図18に示すように、普通図柄確定処理(S406)ではまず、普図当りフラグがONであるか否かを判定する(S901)。普図当りフラグがONでなければ(S901でNO)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S905)、この処理を終える。一方、普図当りフラグがONであれば(S901でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中か否かを判定する(S902)。そして時短状態中であれば(S902でYES)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして時短状態中の開放パターンをセットする(S903)。時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、2.0秒の開放を3回繰り返す開放パターンである。従って、第2始動口21の開放回数をカウントする第2始動口開放カウンタに「3」をセットする。
これに対して、非時短状態中であれば(S902でNO)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして非時短状態中の開放パターンをセットする(S906)。非時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、0.2秒の開放を1回行う開放パターンである。従って、第2始動口開放カウンタに「1」をセットする。そして、開放パターンのセット(S903、S906)に続いて、普図動作ステータスを「4」にセットし(S904)、この処理を終える。
[普通電動役物処理]
図19に示すように、普通電動役物処理(S407)ではまず、普図当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S1001)。普図当り終了フラグは、当りとなって実行された補助遊技において、第2始動口21の開放が終了したことを示すフラグである。
普図当り終了フラグがONでなければ(S1001でNO)、第2始動口21の開放中か否かを判定する(S1002)。開放中でなければ(S1002でNO)、第2始動口21を開放させる時期(タイミング)に至ったか否かを判定し(S1003)、至っていなければ(S1003でNO)処理を終え、至っていれば第2始動口21を開放させ(S1004)、処理を終える。一方、第2始動口21の開放中であれば(S1002でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから予め定められた開放時間が経過したか否か)を判定し(S1005)、至っていなければ(S1005でNO)処理を終え、至っていれば(S1005でYES)第2始動口21を閉状態(閉鎖)とする(S1006)。
そして第2始動口21の閉鎖処理(S1006)に次いで、第2始動口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S1007)、第2始動口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1008)。「0」でなければ(S1008でNO)、再び第2始動口21を開放させるためにそのまま処理を終える。一方「0」であれば(S1008でYES)、補助遊技を終了させる普図当り終了処理を行う(S1009)とともに、普図当り終了フラグをセットして(S1010)処理を終える。尚、第2始動口開放カウンタは、時短状態中であれば第2始動口21の開放(開閉部材23の開放動作)が3回なされると「0」になり、非時短状態中であれば第2始動口21の開放が1回なされると「0」になる。
これに対してS1001において普図当り終了フラグがONであれば(S1001でYES)、S903又はS906にてセットされた回数の第2始動口21の開放動作は終了しているので、普図当り終了フラグをOFFするとともに(S1011)、普図当りフラグをOFFし(S1012)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S1013)処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、普図動作処理(図13)として再び普通図柄待機処理(S402)が実行されることになる。
[特図動作処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、普図動作処理(S205)に次いで特図動作処理(S206)を行う。特図動作処理(S206)では、図20に示すように、特別図柄表示器41および大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「特図動作ステータス」が「1」である場合には(S1101でYES)、特別図柄待機処理(S1102)を行い、「特図動作ステータス」が「2」である場合には(S1101でNO、S1103でYES)、特別図柄変動中処理(S1104)を行い、「特図動作ステータス」が「3」である場合には(S1101、S1103で共にNO、S1105でYES)、特別図柄確定処理(S1106)を行い、「特図動作ステータス」が「4」である場合には(S1101、S1103、S1105で共にNO)、大当り遊技としての特別電動役物処理(S1107)を行う。尚、特図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]
図21に示すように、特別図柄待機処理(S1102)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特図2保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1206)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1206でYES)、即ち、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶もない場合には、画像表示装置7の表示画面7aを待機画面とする処理中(客待ち用のデモ画面の実行中)であるか否かを判定し(S1211)、そうであれば(S1211でYES)処理を終え、そうでなければ(S1211でNO)待機画面を表示するために待機画面設定処理を実行する(S1212)。
S1201において特図2保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図2当否判定処理(S1202)、特図2変動パターン選択処理(S1203)、特図2乱数シフト処理(S1204)、特図2変動開始処理(S1205)をこの順に行う。また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)、即ち、第2始動口21に係る乱数カウンタ値の記憶はないが、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。このように本実施例では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1201でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)は、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行される。そして本実施例では、第2特図保留に基づく当否判定の方が、第1特図保留に基づく当否判定よりも、遊技者にとって利益の大きい大当りになりやすくなっている(図8(B))。
[特図2当否判定処理]
図22に示すように、特図2当否判定処理(S1202)ではまず、判定値として、RAMの第2特図保留記憶部85bの最下位の領域(即ち第2特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている(最も古い記憶の)特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)を読み出す(S1301)。次いで、確変フラグがONか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1302)。そして、高確率状態でなければ(S1302でNO)、すなわち通常状態であれば、大当り判定テーブル(図8(A))のうち通常状態用の大当り判定テーブル(大当り判定値が「3」及び「397」)に基づいて当否判定を行う(S1303)。一方、高確率状態であれば(S1302でYES)、大当り判定テーブル(図8(A))のうち高確率状態用の大当り判定テーブルに基づいて当否判定を行う(S1304)。高確率状態用の大当り判定テーブルでは、大当り判定値は、「3」、「53」、「113」、「173」、「227」、「281」、「337」、「397」、「449」、「503」とされている。
大当り判定(S1303、S1304)の結果が「大当り」と判定された場合(S1305でYES)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)を読み出して、図8(B)に示す大当り種別判定テーブルに基づいて大当り種別を判定し(S1307)、当該大当り種別決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S1308)、大当りフラグをONにして(S1309)、処理を終える。一方、大当り判定(S1303、S1304)の結果が「大当り」でないと判定された場合(S1305でNO)、外れ図柄を決定し(S1306)、処理を終える。尚、第1特別図柄に係る当否判定の場合は、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、第2特別図柄に係る当否判定の場合は、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。ここで、大当り判定(特別図柄当否判定)や大当り種別決定判定を、夫々「判定」といってもよいし、大当り判定を行い何れの大当り図柄となるかを含めて「判定」といってもよい。また、これらの結果を「判定結果」ということもある。
ここで、ラウンド表示器45は、7R用ランプと15R用ランプの2個のLEDで構成されている。そして、例えば、7R第1大当り〜7R第10大当りの何れかとなると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、7R用ランプが点灯表示される。具体的には、「7R▲15R△」の様な表示態様(例えば、△:消灯、▲:点灯)となる。また、15R第11大当り又は15R第12大当りとなると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、15R用ランプが点灯表示される。具体的には、「7R△15R▲」の様な表示態様(例えば、△:消灯、▲:点灯)となる。
[特図2変動パターン選択処理]
特別図柄待機処理(図21)では、特図2当否判定処理(S1202)に次いで、特図2変動パターン選択処理を行う(S1203)。図23及び図24に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1203)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1401)。S1401で、時短状態でないと判定した場合(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、次いで、大当りフラグがONか否かを判定する(S1402)。S1402で、大当りフラグがONであると判定した場合(S1402でYES)、非時短状態大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。本実施例では、変動パターンP1乃至P3の何れかが選択される。尚、本実施例では、変動パターンが決まれば変動時間も決まるものとされている。次いで、S1404の処理に移行する。
一方、S1402で、大当りフラグがONでないと判定した場合(S1402でNO)、次いで第2特別図柄の保留数が「1」又は「2」の何れかであるかを判定する(S1405)。ここでいう保留数とは、本処理により変動パターンを決定している情報も含めた記憶数であるので、保留記憶の数は、「1〜4」の何れかの値とされる。そして、S1405で、保留数が「1」又は「2」の何れかであると判定した場合(S1405でYES)、第1保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「1、2」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1406)。本実施例では、変動パターンP4乃至P7の何れかが選択される。一方、S1405で、保留数が「1」又は「2」の何れでもない、すなわち「3」又は「4」の何れかであると判定した場合(S1405でNO)、第2保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「3、4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1407)。本実施例では、変動パターンP8乃至P11の何れかが選択される。また、第1保留数外れ用テーブルは、第2保留数外れ用テーブルよりも、比較的長時間の変動時間の変動パターンを選択する可能性が高く設定されている。また、選択可能な最も短時間の変動時間(12000ms)も、第2保留数外れ用テーブルのもの(4000ms)よりも長い時間とされている。
また、S1401で、時短状態であると判定した場合(S1401でYES)、大当りフラグがONかどうかを判定する(S1408)。S1408で、大当りフラグがONであると判定した場合(S1408でYES)、時短状態大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1409)。本実施例では、変動パターンP12乃至P14の何れかが選択される。
一方、S1408で、大当りフラグがONでないと判定した場合(S1408でNO)、次いで保留数が「1」かどうかを判定する(S1410)。ここでいう保留数も前述と同様であり、保留数は「1」〜「4」の何れかの値とされている。S1410で、保留数が「1」であると判定した場合(S1410でYES)、第3保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「1」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。本実施例では、変動パターンP15乃至P18の何れかが選択される。また、S1410で、保留数が「1」でない、すなわち、保留数が「2乃至4」の何れかであると判定した場合(S1410でNO)、第4保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「2〜4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。本実施例では、変動パターンP19乃至P22の何れかが選択される。ここで、時短状態でかつ外れの場合に選択される変動パターンは、非時短状態でかつ外れの場合に選択される変動パターンと比較して、短い変動パターンが選択される可能性が高くされている。これは、時短状態において変動時間の短い変動パターンがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早める(時短中の遊技を迅速に進行させる)ためである。
前述のようにして変動パターンの選択を行った後は、図23に示すその他の処理を行い(S1404)、処理を終える。尚、その他の処理(S1404)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドをRAMの出力バッファにセットする等の処理を行う。また、この処理でセットされた変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御部90に送信される。
[特図2乱数シフト処理]
図25に示すように、特図2乱数シフト処理(S1204)ではまず、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1501)。次いで、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側(例えば第2特図保留記憶部85bがアドレス「0000」〜「0003」に対応するアドレス空間からなる場合、アドレス「0000」側)にシフトする(S1502)。そして、第2特図保留記憶部85bの最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第2特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1503)、この処理を終える。
特図2乱数シフト処理(S1204)を実行した後は、図21の特図2変動開始処理(S1205)を実行する。特図2変動開始処理(S1205)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。
図21の特別図柄待機処理(S1102)において、特図2保留球数が「0」であり、かつ、特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)には、特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。
[特図1当否判定処理]
図26に示すように、特図1当否判定処理(S1207)では、図22に示した特図2当否判定処理(S1202)と同様の流れで処理(S1601〜S1609)を行う。従って、本処理の詳細な説明は省略する。但し、本処理は特図1に関する処理であるので、S1601では、RAMの第1特図保留記憶部85aの最下位の領域(即ち第1特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)を読み出して処理を行う。
[特図1変動パターン選択処理]
図27及び図28に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1208)では、図23及び図24に示した特図2変動パターン選択処理(S1403)と同様の流れで処理(S1701〜S1712)を行う。従って本処理の詳細な説明は割愛する。
[特図1乱数シフト処理]
図29に示すように、特図1乱数シフト処理(S1209)ではまず、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1801)。次いで、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側にシフトする(S2002)。そして、第1特図保留記憶部85aの最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第1特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1803)、この処理を終える。
特図1乱数シフト処理(S1209)を実行した後は、図21の特図1変動開始処理(S1210)を実行する。特図1変動開始処理(S1210)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。
[特別図柄変動中処理]
図30に示すように、特別図柄変動中処理(S1104)ではまず、特別図柄の変動時間(図21のS1203又はS1208で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図9を参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。変動時間が経過していないと判定した場合(S1901でNO)、処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過したと判定した場合(S1901でYES)、変動停止コマンドをセットする(S1902)。そして、確変フラグがONか否か判定し(S1903)、ONであれば(S1903でYES)、確変カウンタを1減算し(S1904)、確変カウンタの値が「0」か否かを判定する(S1905)。S1905で確変カウンタが「0」であると判定した場合、確変フラグをOFFし、S1907の処理に移行する。一方、確変フラグがONでないと判定した場合と(S1903でNO)、確変カウンタが「0」でないと判定した場合には(S1905でNO)、S1907の処理に移行する。
そしてS1907では、時短フラグがONか否かを判定し(S1907)、時短フラグがONであると判定した場合(S1907でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動表示回数をカウントする時短カウンタの値を1減算し(S1908)、時短カウンタの値が「0」か否かを判定し(S1909)、「0」であれば(S1909でYES)、時短フラグをOFFにし(S1910)、S1911の処理に進む。また、時短フラグがONでないと判定した場合と(S1907でNO)時短カウンタの値が「0」でないと判定した場合には(S1909でNO)、S1911の処理に進む。
S1911では、特図動作ステータスを「3」にセットする(S1911)。そして、特別図柄の変動表示を、特別図柄当否判定乱数及び大当り種別決定用乱数の判定結果に応じた結果で停止させる等のその他の処理を行い(S1912)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]
図31に示すように、特別図柄確定処理(S1106)ではまず、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当りフラグがONであれば(S2001でYES)、今回の大当りの種別が15R大当り(15R第11大当り又は15R第12大当り)か否かを判定する(S2002)。大当りの種別が15R大当りであると判定した場合(S2002でYES)、大当り遊技中に実行するラウンドの回数をカウントするラウンドカウンタの値に「15」をセットし(S2003)、S2009の処理に移行する。
S2002で、大当りの種別が15R大当りでないと判定した場合(S2002でNO)、大当り種別は7R大当り(7R第1大当り〜7R第10大当りの何れか)であるため、ラウンドカウンタの値に「7」をセットし(S2005)、S2008の処理に移行する。
S2008では、大当りの種別(大当りの種類)に応じた大入賞口開放パターンをセットし(S2008)、S2009の処理に移行する。ここで、前述したように、大入賞口の開放パターンは、大当りの種別に応じて定められている(図6を参照)。具体的には、7R第1大当り〜7R第10大当りの何れかであれば、それぞれの大当りに対応した7R大当り用の開放パターンをセットし、15R第11大当り又は15R第12大当りであれば、それぞれの大当りに対応した15R大当り用の開放パターンをセットする。そして、夫々の大当り遊技において対応する大当り用開放パターンを実行するものとされる。
S2009では、大当りの種別に応じた可動片動作タイミングをセットし、S2010の処理に移行する。ここで、前述したように、Vラウンド(本実施例では5ラウンド目)での可動片150の動作は、第2大入賞口35(以下、「Vアタッカー」ともいう。)への遊技球の入球数に基づいて行われるものとなっており、その動作契機となる入球数が、大当りの種別に応じて定められている(図47を参照)。具体的には、大当りの種別に応じて予め定められた「1回目の動作タイミングを規定する入球数に該当する第1所定値(c1)」と「2回目の動作タイミングを規定する入球数に該当する第2所定値(c2)」とをセットする(所定値設定手段)。このS2009でセットした値と、Vラウンド(5ラウンド目)での入球数計数手段による計数値(Vアタッカーへの入球数)とに基づいて、可動片150の動作制御が行われこととなる。尚、第2所定値(c2)は、大当りの種別が「V未通過予定大当り」である場合にはセットせず、「V通過予定大当り」である場合にのみセットするものである。また、第2所定値(c2)について、7R第1大当り〜7R第10大当りでは、大当り種別によって互いに異なるものとなっている。このため、7R第1大当り〜7R第10大当りについては、2回目の可動片150の動作契機となるVアタッカーへの入球数(第2所定値)が、大当りの種別によって変動(変化)し得るものとなる。
S2010では、大当り遊技を開始するべく、大当りのオープニングコマンドをセットする(S2010)。オープニングコマンドは、大当りの種別によって定められており、7R第1大当り用オープニングコマンド、7R第2大当り用オープニングコマンド等、各大当りに対応して夫々設けられている。そして、セットされたオープニングコマンドによって、その後、対応するオープニング期間が実行される。主制御部80は、セットしたオープニングコマンドを、出力処理(S201)により、所定のタイミングでサブ制御部90に対して送信し、当該オープニングコマンドを受信したサブ制御部90では、オープニング期間に対応した所定の遊技演出を行うものとされる。また、S2011では、大当り遊技のオープニング期間を開始し(S2011)、特図動作ステータスを「4」にセットする(S2012)。また、S2001において大当りフラグがONでないと判定された場合(S2001でNO)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2013)、処理を終える。
[特別電動役物処理(大当り遊技)]
図32に示すように、特別電動役物処理(S1108)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2101)、確変フラグがONであると判定した場合(S2101でYES)、確変フラグをOFFし(S2102)、次いで、時短フラグがONか否かを判定する(S2103)。S2103で、時短フラグがONであると判定した場合(S2103でYES)、時短フラグをOFFし(S2104)、S2105の処理に移行する。尚、S2101でNOと判定された場合、確変フラグをOFFにすることなくS2103の処理に移行し、S2103でNOと判定された場合、時短フラグをOFFにすることなくS2105の処理に移行する。つまり、大当り遊技の実行中は、低確率状態かつ非時短状態に制御される。本実施例では非時短状態中は常に低ベース状態であるので、大当り遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
次に、大当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2105)。大当り終了フラグは、大当り遊技において大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)の開放処理が全て終了(大当り遊技が終了)したことを示すフラグである。大当り終了フラグがONでないと判定した場合(S2105でNO)、次いでラウンドの開始時期かどうかを判定する(S2106)。これは、前述した大当り種別毎に設定した大入賞口開放パターンに基づいて判定する。例えば、1ラウンド目の開始前であれば、オープニング期間が終了して1ラウンド目の最初の開放処理を実行するタイミングであるかどうかによって判定する。また、既に1ラウンド目を開始した後であれば、前のラウンドが終了し、かつ、所定のインターバル期間が終了したかどうかによって判定する。尚、ラウンドを、単に「R」ともいい、「ラウンド遊技」ともいう。
S2106で、ラウンド開始時期であると判定した場合(S2106でYES)、対応するラウンドのラウンド開始コマンドをセットし(S2107)、大入賞口開放処理を行って(S2108)、処理を終える。これにより、大入賞口が開放状態となり所定のラウンドが開始することとなる。尚、S2107では、1ラウンド目の開始であれば「1R開始コマンド」、2ラウンド目の開始であれば「2R開始コマンド」のように、開始するラウンドを特定可能なラウンド開始コマンドがセットされる。セットされたラウンド開始コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。また、S2108の大入賞口開放処理では、実行される大当りの種別に応じて定められた大入賞口開放パターンであって、開始されるラウンドに定められた開放パターンが開始される。
S2106で、ラウンド開始時期でないと判定した場合(S2106でNO)、S2111の処理に移行する。ここで、ラウンド開始時期でないと判定する場合として、例えば、1ラウンド開始前のオープニング期間実行中や、ラウンド実行中や、ラウンド終了後のインターバル期間中などを挙げることができる。S2111では、ラウンドの実行中であるか否か、すなわち、S2108で開始した所定の開放パターンに基づく大入賞口開放動作の実行中であるか否かを判定する(S2111)。S2111で、ラウンド実行中(大入賞口開放動作の実行中)であると判定した場合(S2111でYES)、次いで、実行中のラウンドがVラウンドであるか否かを判定する(S2112)。前述したように、本実施例では大当り遊技の5ラウンド目をVラウンド(特典決定遊技)としていることから、ここでは5ラウンド目であるか否かを判定することとなる。そして、実行中のラウンドがVラウンド(5ラウンド目)であれば(S2112でYES)、後述するVラウンド処理を行い(S2113)、Vラウンドでなければ(5ラウンド目以外のラウンドであれば)、Vラウンド処理(S2113)を行うことなくS2114の処理に移行する。
S2114では、実行中のラウンドのラウンド終了条件が成立したか否かを判定する(S2114)。ここで、本実施例のラウンド終了条件として、(1)実行中のラウンドに定められたラウンド実行時間(本実施例では「25秒」)が経過したこと(又は、実行中のラウンドに定められた開放パターンを終了したこと)、(2)実行中のラウンドにおいて当該実行中のラウンドに定められた規定数(本実施例では「9球」)の遊技球が入球したこと、の2つの条件が定められている。そして、何れか一方の条件が成立すると、当該先に成立した条件に基づいてラウンド終了条件が成立となる。S2114で、ラウンド終了条件が成立していないと判定した場合(S2114でNO)、処理を終える。
一方、S2114で、ラウンド終了条件が成立したと判定した場合(S2114でYES)、対応するラウンドのラウンド終了コマンドをセットし(S2115)、S2116の処理に移行する。尚、S2115では、1ラウンド目の終了であれば「1R終了コマンド」、2ラウンド目の終了であれば「2R終了コマンド」のように、終了するラウンドを特定可能なラウンド終了コマンドがセットされる。セットされたラウンド終了コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。
S2116では、ラウンド終了に伴い大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖するとともに、所定のインターバル時間をセットする処理(大入賞口閉鎖処理)を行う(S2116)。ここで、本実施例では、ラウンド間のインターバル時間として「2000ms(2秒)」と「200ms(0.2秒)」の2種類の時間を備えており、Vラウンド終了に際してセットするインターバル時間(5ラウンド目と6ラウンド目のインターバル時間)を「2000ms」とし、それ以外のラウンド終了に際してセットするインターバル時間を「200ms」としている。Vラウンドの終了に際しては、前述した球詰まり有無の監視や不正防止等の観点から当該Vラウンドでの入球数と排出数の一致・不一致を判定するための時間を確保すべく、Vラウンド終了後のインターバル時間を「2000ms」とし、それ以外のラウンドのラウンド間のインターバル時間は「200ms」としている。これにより、Vラウンドでの球詰まり監視や不正防止を図りつつ、その他のラウンドについては第1大入賞口30と第2大入賞口35の交互開放を素早く円滑に進行させることが可能となる。
次に、S2117では、先の大入賞口閉鎖処理(S2116)でセットしたインターバル時間が経過したか否かを判定する(S2117)。このS2117の処理は、S2111にてラウンド実行中でないと判定した場合(S2111でNO)に続いて行われる処理でもある。S2117で、インターバル時間が経過していないと判定した場合(S2117でNO)、そのまま処理を終え、経過したと判定した場合(S2117でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2118)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2119)。そして、ラウンドカウンタの値が「0」でないと判定した場合(S2119でNO)、次のラウンドを開始するため、処理を終える。一方、ラウンドカウンタの値が「0」であると判定した場合(S2119でYES)、大当り遊技を終了させる大当り終了処理として、大当りのエンディングコマンドをセットするとともに大当りのエンディング期間を開始し(S2120)、大当り終了フラグをONにし(S2121)、処理を終える。尚、ラウンドカウンタの値は、実行する大当りにおける全てのラウンドが終了すると「0」になる。
ここで、S2120における大当り終了処理では、エンディングコマンドをセットする処理が行われるところ、セットされるエンディングコマンドは、複数のエンディングコマンドから、大当りとなった際の遊技状態、大当りの種別情報および特定領域通過未通過(特定領域非通過)情報(VフラグがONかOFFか)に基づいて、何れかのエンディングコマンドを選択し、セットするものとされる。セットされるエンディングコマンドの種類によって、実行される(設定される)エンディング期間が異なるものとなっている。ここで、エンディング期間は、大当り遊技における大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の全ての開放動作を終了した後であって、特別図柄(演出図柄)の変動表示を実行可能とする前に設定される期間であり、「終了期間」ともいう。エンディング期間(終了期間)は、大入賞口は閉鎖状態とされている。この「終了期間」に実行する演出を「終了演出(エンディング演出)」ともいう。また、オープニング期間は、大当り遊技における大入賞口の最初の開放動作を開始する前であって、特別図柄(演出図柄)の変動表示を実行不能とした後に設定される期間であり、「開始期間」ともいう。また、この「開始期間」に実行する演出を「開始演出(オープニング演出)」ともいう。
また、Vラウンドにおいて(大当り遊技において)、遊技球が特定領域を通過したか否かの特定領域通過結果を示す情報を「特定領域情報」ともいう。この特定領域情報は、Vラウンドにおいて遊技球が特定領域を通過したことを示す情報と、Vラウンドにおいて遊技球が特定領域を通過しなかったことを示す情報と、を有し、エンディング期間を決定するエンディング期間決定手段(終了期間決定手段)は、この特定領域情報に基づいてエンディング期間を決定することが可能である。
S2105において、大当り終了フラグがONであると判定した場合(S2105でYES)、大当り遊技における最終ラウンドが終了しているので、大当りのエンディング演出の実行時間が経過したかどうかを判定し(S2122)、エンディング時間が経過していないと判定した場合(S2122でNO)、処理を終える。一方、エンディング時間が経過したと判定した場合(S2122でYES)、大当り終了フラグをOFFにし(S2123)、後述する遊技状態設定処理(S2124)を行う。次いで、大当りフラグをOFFにし(S2125)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2126)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(図20)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることにな
る。
[Vラウンド処理]
図33に示すように、Vラウンド処理(S2113)では、まず、Vラウンド中のVアタッカー(第2大入賞口35)への遊技球の入球数、すなわち、前述の入球数計数手段による計数値が第1所定値(c1)であるか否かを判定する(S2701)。前述したように、Vラウンドでは、Vラウンド中のVアタッカーへの遊技球の入球数に基づいて可動片150を動作させるものとなっており、その動作契機となる入球数を定める「第1所定値(第1計数値)」および「第2所定値(第2計数値)」が、前述のS2009でセットされている。S2701では、今回のVラウンドでの入球数計数手段による計数値が、S2009でセットした「1回目の動作タイミングを規定する入球数に該当する第1所定値(c1)」となっているか否かを判定するのである。本実施例では、第1所定値(c1)を大当り種別にかかわらず「1」としているので、入球数計数手段による計数値が「1」であればS2702の処理を行い、「1」でなければS2702の処理を行うことなくS2703の処理に移行する。
S2702では、可動片150を動作させることで特定領域39を開閉させる特定領域開閉処理を行う(S2702)。ここでの特定領域開閉処理は、Vアタッカーへの入球数が「1」であることに基づく1回目の可動片150の動作に該当することから、この場合における可動片150の動作は、特定領域39を80msだけ開放させる短開放動作パターン(第1動作態様)で行う(図48を参照)。
また、S2702では、可動片150を動作させることに伴い、特定領域有効期間が設定される。特定領域有効期間は、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効(特典付与)と判定する期間のことである。そして、当該有効期間以外の期間は、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効(特典非付与)と判定する期間としている。本実施例では、Vラウンドでの可動片150の動作開始から、当該動作終了後、所定時間(例えば、2秒)が経過するまでの間を、特定領域有効期間として設定するものとしている。可動片150の動作終了後も有効期間を継続させるのは、可動片150の動作終了間際に遊技球が特定領域39を通過して当該遊技球が特定領域39aにより検知された場合、その検知を有効なものとして扱うためである。尚、S2702での可動片150の動作は短開放動作パターンによるものであることから、当該動作によって遊技球が特定領域センサ39aにより検知される可能性は極めて低いもの(実質的にゼロ)となる。
次に、S2703では、実行中のVラウンド(大当り遊技)が「V通過予定大当り」に係るものであるか否かを判定する(S2703)。「V通過予定大当り」の場合、Vラウンド中に可動片150の1回目の動作(短開放動作パターン)が行われた後、その後のVアタッカーへの遊技球の入球により2回目の動作が実行可能となっている。そこで、S2703では、実行中のVラウンドが「V通過予定大当り」に係るものであるか否かを判定し、「V通過予定大当り」でないと判定した場合(S2703でNO)、すなわち、実行中のVラウンドが「V未通過予定大当り」に係るものである場合、そのまま処理を終える。これに対し、実行中のVラウンドが「V通過予定大当り」に係るものであると判定した場合(S2703でYES)、入球数計数手段による計数値が第2所定値(c2)であるか否かを判定する(S2704)。ここでは、当該Vラウンドでの入球数計数手段による計数値(Vアタッカーへの入球数)が、S2009でセットした「2回目の動作タイミングを規定する入球数に該当する第2所定値(c2)」となっているか否かを判定する。本実施例では、第2所定値(c2)を「V通過予定大当り」の大当り種別に応じて「2」〜「9」の何れかとしているので(図47を参照)、例えば、実行中のVラウンドが「7R第1大当り」に係るものであれば「2」、「7R第5大当り」に係るものであれば「6」というように、大当り種別に応じた第2所定値(c2)となっている否かを判定する(S2704)。
S2704で、入球数計数手段による計数値(Vアタッカーへの入球数)が、実行中のVラウンドに係る「V通過予定大当り」の大当り種別に応じた第2所定値(c2)となっていると判定した場合(S2704でYES)、S2705の処理を行い、第2所定値(c2)となっていないと判定した場合(S2704でNO)、S2705の処理を行うことなく、処理を終える。S2705では、前述のS2702と同様、可動片150を動作させることで特定領域39を開閉させる特定領域開閉処理を行う(S2705)。但し、S2705の特定領域開閉処理は、Vアタッカーへの入球数が「2」〜「9」の何れかであることに基づく2回目の可動片150の動作に該当することから、この場合における可動片150の動作は、特定領域39を3000ms(3秒)開放させる長開放動作パターン(第2動作態様)で行う(図48を参照)。また、S2705においても、可動片150を動作させることに伴い、特定領域有効期間が設定される。これにより、S2705での可動片150の動作によって特定領域39が開放し、遊技球が特定領域センサ39aにより検知されると、その検知は有効と判定されることとなる。
ここで、特定領域センサ39aによって遊技球が検知され、VフラグがONになったタイミング(すなわち有効期間に特定領域センサ39aで遊技球を検知したタイミング)で、遊技状態表示器46を所定の表示態様とし、大当り遊技終了後の遊技状態が高確率状態となることを報知する。具体的には、遊技状態表示器46は「a1a2a3」の3個のLEDで構成されている。そして、本実施例では、通常状態(低確率状態)においては、「a1□a2□a3□」(例えば、□:消灯、■:点灯)の表示態様とされる。また、大当り遊技中の特定領域センサ39aによって遊技球が検知され、VフラグがONになったタイミングで、「a1■a2■a3■」の表示態様とされる。そして、大当り遊技が終了し、遊技状態が高確率状態に設定されると「a1□a2□a3□」の表示態様とされる。また、遊技状態表示器46の点灯制御タイミングはこのようなタイミングに限定されず、大当り遊技中は、遊技球が特定領域を通過しても「a1□a2□a3□」の表示態様のままとし、大当り遊技終了後の高確率状態へ移行するタイミングで「a1■a2■a3■」とし、高確率状態から低確率状態に移行するタイミングで「a1□a2□a3□」の表示態様としてもよい。
すなわち、後述の特定領域センサ検知処理(図35)では、特定領域有効期間中のV通過(特定領域39への遊技球の通過)の検知時のみVフラグをONし、特定領域有効期間外(V無効期間中)のV通過検知時にはVフラグをONしないこととしている。尚、VフラグがONである場合には、確変フラグがONされる。すなわち、大当り遊技後の遊技状態が高確率状態に設定される(後述の遊技状態設定処理(図34)を参照)。このようにすることで、不正行為によるV通過に基づいてVフラグがONされることのないように、すなわち不正に高確率状態に設定されることのないようにしている。
[遊技状態設定処理]
図34に示すように、遊技状態設定処理(S2124)ではまず、VフラグがONであるかどうかを判定する(S2201)。Vフラグは、後述の特定領域センサ検知処理(図35)においてONにするフラグである。S2201で、VフラグがONであると判定した場合(S2201でYES)、確変フラグをONにすると共に(S2202)、確変カウンタに「200」をセットし(S2203)、VフラグをOFFにする(S2204)。そして、終了した大当り(今回の大当り)が7R第5大当りであるか否かを判定し(S2205)、7R第10大当りであれば(S2205でYES)、そのまま処理を終え、7R第10大当りでなければ(S2205でNO)、時短フラグをONにし(S2206)、時短カウンタに「200」をセットし(S2207)、処理を終える。すなわち、本実施例のパチンコ遊技機1では、この遊技状態設定処理においてVフラグがONになっているか否かに基づいて、大当り遊技後の遊技状態を高確率状態に設定するか否かを決めている。尚、S2205にて終了した大当り(今回の大当り)が7R第10大当りであると判定された場合(S2205でYES)、確変フラグはONになるものの時短フラグはONにならないことから、この場合の大当り遊技後の遊技状態は高確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態(すなわち高確低ベース状態)になる。但し、前述のように、7R第10大当りに係る大当り遊技で遊技球が特定領域39を通過する可能性は限りなく低いことから、S2205にて7R第10大当りであると判定される可能性は限りなく低い。つまり、高確低ベース状態になる可能性は限りなく低い。
ここで、VフラグがONの場合に、確変カウンタにセットする値は、高確率における特別図柄当否判定を実行可能な回数である。本実施例では、確変カウンタに「200」をセットすることから、200回の特別図柄の変動表示(特別図柄当否判定)が実行されるまで高確率状態は継続されることとなる。但し、200回の間に大当りとなった場合には、その大当り遊技の実行に際して高確率状態は終了する。また、確変フラグがONの場合には、時短カウンタにも同様に「200」がセットされるため、高確率状態が設定されている間、時短状態(開放延長状態)も設定され、高確率状態の終了とともに時短状態も終了することとなる。
一方、S2201で、VフラグがOFFであると判定した場合(S2201でNO)、確変フラグをONにすることなく、終了した大当り(今回の大当り)が7R第10大当りであるか否かを判定する(S2208)。S2208で、終了した大当りが7R第10大当りでない、すなわち、図6に示す7R第10大当りを除く他の大当りであると判定した場合(S2208でNO)、時短フラグをONにし(S2209)、時短カウンタに「100」をセットし(S2210)、処理を終える。これにより、今回の大当り遊技後の遊技状態が低確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態(すなわち低確高ベース状態)になる。また、7R第1大当り等の「V通過予定大当り」であっても、遊技球の発射がない等の何らかの事情でVラウンド中の特定領域通過がなかった場合にも(VフラグがOFF)、高確率状態に設定されることなく、時短状態(低確高ベース状態)となる(S2201でNO、S2208でNO、S2209、S2210)。この低確高ベース状態は、特別図柄の変動表示が100回行われること(特別図柄当否判定が100回行われること)、及び次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。尚、時短カウンタ及び確変カウンタは、第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数とを合算した回数を計数するものである。
また、S2208で、終了したのが7R第10大当りであると判定した場合(S2208でYES)、確変フラグをONにすることなく、また、時短フラグをONにすることなく、処理を終える。すなわち、7R第10大当りの場合であって、VフラグがOFF(特定領域未通過(「特定領域非通過」ともいう))の場合には、当該大当り遊技後の遊技状態が、低確率状態かつ低ベース状態(低確低ベース状態)に設定される。
[特定領域センサ検知処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特図動作処理(S206)に次いで特定領域センサ検知処理(S207)を行う。特定領域センサ検知処理(S207)では、図35に示すように、まず、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2401)。S2401で、特定領域センサ39aによる検知がないと判定された場合(S2401でNO)、処理を終了する。S2401で、特定領域センサ39aによる検知があると判定された場合(S2401でYES)、特定領域有効期間であるかどうかを判定する(S2402)。
S2402で、特定領域(特定領域センサ)が有効期間中であると判定した場合(S2402でYES)、VフラグをONにすると共に(S2403)、特定領域通過コマンドをセットし(S2404)、処理を終える。つまり、Vラウンド(5ラウンド目)にて第2大入賞口35に入球した遊技球が特定領域有効期間中に特定領域39を通過すると(特定領域センサ39aにより検知されると)、これを契機にVフラグがONになり、特定領域通過コマンドがセットされる。そして、主制御基板80のCPU(遊技制御用マイコン81)は、出力処理(S201)により、所定のタイミングでこの特定領域通過コマンドをサブ制御基板90に送信し、サブ制御基板90は受信した特定領域通過コマンドに基づいて、表示画面7a(演出図柄表示領域)等で所定の遊技演出を実行する。
また、S2402で、特定領域(特定領域センサ)が有効期間中でない(無効期間である)と判定した場合(S2402でNO)、VフラグをONにすることなく、無効期間通過コマンドをセットし(S2405)、処理を終える。無効期間に特定領域39への遊技球の通過(特定領域センサ39aによる遊技球検知)があった場合には、主制御部が制御可能な表示器等で所定のエラー表示を行ってもよい。また、主制御基板80のCPUは、出力処理(S201)により、所定のタイミングでこの無効期間通過コマンドをサブ制御基板90に送信し、サブ制御基板90は受信した無効期間通過コマンドに基づいて、画像表示装置7や枠ランプ66や盤面ランプ5やスピーカ67等を用いて所定のエラー報知を行ってもよい。
[非特定領域センサ検知処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特定領域センサ検知処理(S207)に次いで、非特定領域センサ検知処理(S208)を行う。非特定領域センサ検知処理(S208)では、図36に示すように、まず、非特定領域センサ49aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2411)。そして、特定領域センサ49aによる検知がないと判定された場合(S2401でNO)、処理を終了する。一方、S2411で、非特定領域センサ49aによる検知があったと判定された場合(S2411でYES)、V未通過予定大当りである「7R第9大当り」または「7R第10大当り」に係る大当り遊技のVラウンド(5ラウンド目)を実行中であるか否かを判定し(S2412)、実行中であれば(S2412でYES)、S2413に進み、実行中でなければ(S2412でNO)、処理を終了する。
S2413では、非特定領域49を通過した遊技球の数が「9」であるか否かを判定する(S2413)。前述したように、非特定領域センサ49aにより遊技球が検知されると、その検知数が図示しない非特定領域通過計数手段によって非特定領域通過数として計数されるので、S2413ではその計数値(カウント値)を参照して、非特定領域通過数が「9」であるか否かを判定する。そして、非特定領域49を通過した遊技球の数が「9」でない場合には(S2413でNO)、そのまま処理を終え、非特定領域49を通過した遊技球の数が「9」である場合には(S2413でYES)、非特定領域通過コマンドをセットし(S2414)、処理を終える。つまり、「7R第9大当り」または「7R第10大当り」のVラウンド(5ラウンド目)にて遊技球がVアタッカー(第2大入賞口35)に入球するなか、9個の遊技球が非特定領域49を通過すると(非特定領域センサ49aにより9個の遊技球が検知されると)、これを契機に非特定領域通過コマンドがセットされる。そして、主制御基板80のCPUは、出力処理(S201)により、所定のタイミングでこの非特定領域通過コマンドをサブ制御基板90に送信し、サブ制御基板90は受信した非特定領域通過コマンドに基づいて、表示画面7a(演出図柄表示領域)等で所定の遊技演出を実行する。
ここで、前述したように、V未通過予定大当りのVラウンドでは、可動片150が短開放動作パターンで1回しか動作しないため、当該VラウンドにてVアタッカーに入球した遊技球は特定領域39を通過することはなく、非特定領域49に誘導される(振り分けられる)。一方、V通過予定大当りのVラウンドでは、Vアタッカーへの1個目の入球を契機に可動片150が短開放動作パターンで動作した後、2個目〜9個目の何れかの入球を契機に可動片150が長開放動作パターンで動作し得るものとなっている。よって、Vラウンドでは、Vアタッカーへの2個目〜9個目の入球に関しては、特定領域39への通過を期待できるものとなる。そこで、本実施例では、特定領域39への通過を期待できる2個目〜9個目の入球のうち、最後の入球である「9個目」の入球で、この遊技球が特定領域39を通過せず非特定領域49を通過したこと、すなわち、今回のVラウンドでは遊技球が特定領域39を通過しないことが確定したことに基づいて、非特定領域通過コマンドをサブ制御基板90に送信するものとしている。尚、S2413で判定する遊技球の数は「9」である必要はなく、「2」〜「9」の何れかであればよい。また、S2413で判定する遊技球の数(値)を、大当り種別や乱数抽選等によって「2」〜「9」の間で変動し得る数(変動値)としてもよい。こうすれば、非特定領域通過コマンドがサブ制御基板90に送信されるタイミングにバラツキを持たせることが可能となり、当該非特定領域通過コマンドに基づく遊技演出の実行タイミングの多様化を図ることが可能となる。
[始動入球時処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、非特定領域センサ検知処理(S208)に次いで始動入球時処理(S209)を行う。図37に示すように、始動入球時処理(S209)ではまず、主制御基板80のRAMに記憶されている特図1保留球数、特図2保留球数及び普通図柄保留球数を読み出す(S2501)。次いで、特図2保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S2502)。S2502で、特図2保留球数が「1」増加したと判定した場合(S2502でYES)、S2503の処理に移行する。これは、第2始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS307で特図2保留球数に「1」を加算した場合が該当する。
一方、特図2保留球数が増加していないと判定した場合(S2502でNO)、S2506の処理に移行する。S2503では、直前の始動口センサ検知処理(S204)における特図2関係乱数取得処理(S308)で取得して第2特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出す(S2503)。次いで、S2504で、読み出した第2特別図柄に係る取得乱数値を判定する(S2504)。具体的に、始動口への入球時に取得した特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(特別図柄当否判定用乱数値)が、現在の遊技状態(低確率状態か、高確率状態か)に応じて、大当りか、外れかを判定する。また、判定結果(事前判定結果)が大当りである場合には、大当りの種別を判定する。これは、特図2保留についての当否判定(大当りか否かの判定)を、特図2当否判定処理(S1202)における当否判定(S1303、S1309)に先立って行う事前判定(所謂「保留先読み」)に相当するものである。
尚、事前判定は、大当り判定テーブル(図8(A)を参照)、すなわち、高確率状態であれば高確率状態用の大当り判定テーブル、通常状態(低確率状態)であれば通常状態用の大当り判定テーブル、に基づいて、大当り判定値と一致するか否かを判定することが可能である。また、他の事前判定態様として、変動パターン情報を判定可能な変動パターン情報判定テーブルとして、通常状態用(低確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、高確率状態用(高確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、を有するものとする。そして、事前判定においては、取得乱数値(特別図柄当否判定用乱数カウンタの値等)と、遊技状態に応じた変動パターン情報判定テーブルと、に基づいて、所定の変動パターン情報を選択するものとすることが可能である。そして、この選択した変動パターン情報から、大当りかどうかや、大当り種別や、大当り信頼度の高い遊技演出が実行されるかどうか等を識別可能とすることができる。
次いでS2505では、S2501で読み出した第2特別図柄に係る保留球数データと、S2504で事前判定した情報(事前判定情報)と、を少なくとも含む遊技情報を、特図2始動入球コマンドとして生成し、主制御基板80のRAMに設けられた、サブ制御基板90へのコマンド送信用の出力バッファにセットする(S2505)。尚、特図2始動入球コマンドとして、S2503で読み出した特図2取得乱数の値の一部又は全部を、そのままサブ制御基板に送信するようにしてもよいし、特図2取得乱数の値はそのまま送信せず、特図2取得乱数の値に基づいて取得した遊技情報(例えば、前述の変動パターン情報等)を送信するようにしてもよい。
また、主制御部80から送信した特図2始動入球コマンドをサブ制御部90で解析することで、大当りに係る情報であるかどうか、第2特別図柄の保留球数はいくつか、大当り種別は何れか等を、サブ制御部90が識別できるものとされている。また、本実施例では、これに加えて、特図2始動入球コマンドを解析することで、取得した特図2取得乱数が高確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、及び低確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、を特定可能とされている。これにより、サブ制御部90は、受信した特図2始動入球コマンドを保留(演出保留情報)として記憶し、特定のタイミングで当該演出保留情報を事前判定し、低確率状態で当否判定した場合に大当りと判定される演出保留情報が記憶されているかどうかを判定することが可能となる。
尚、不正防止の観点から、S2503で読み出した取得乱数値のうち特別図柄当否判定用乱数値を、そのままサブ制御部に送信することはせず、その他の大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)と変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報と、事前判定の結果を示す情報とを含むコマンドデータを特図2始動入球コマンドとして生成し、セットすることが可能である。
次いでS2506では、前述の特図2に係る処理と同様に、特図1保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S2506)。S2506で、特図1保留球数が「1」増加したと判定した場合(S2506でYES)、S2507の処理に移行する。これは、第1始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS311で特図1保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、S2506で、特図1保留球数が増加していないと判定した場合(S2506でNO)、そのまま処理を終える。
S2507では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S2507)、時短フラグがONである、すなわち高ベース状態であると判定した場合(S2507でYES)、そのまま処理を終える。一方、S2507で、時短フラグがOFFである、すなわち低ベース状態であると判定した場合(S2507でNO)、S2508以降の事前判定に係る処理に進む。ここで、時短フラグがONである場合、すなわち現在の遊技状態が高ベース状態である場合、第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能が作動しており、特図2の当否判定(図8(B)を参照)が行われやすい状態となっている。また、本実施例では、後述するように特図2保留の消化(第2特別図柄の変動表示)を特図1保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行するもの(所謂特図2優先変動機)としている。このような構成において、例えば特図1の事前判定を行い、その結果を予告等の演出により遊技者に報知し、その事前判定の結果が大当りであることが明示された場合、遊技者は、特図2保留消化の優先を利用して、任意のタイミングで特図2保留を意図的に無くして(「0」にして)、事前判定の結果が示された特図1に係る大当りを意図的に発生させるといった技術介入が可能となる。このような大当りの発生タイミングを遊技者が調整できることは、遊技の公平性の観点から好ましくない。このため、現在の遊技状態が低ベース状態でなく高ベース状態である場合(S2507でYES)、S2508以降の特図1の事前判定に係る処理を行わず、本処理を終えることとしている。
S2508〜S2510の処理は、前述したS316〜S318と同様の処理を特図1について行うものである。すなわち、始動口センサ検知処理(S204)における特図1関係乱数取得処理(S312)で取得して第1特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出し(S2508)、読み出した取得乱数値について事前判定を行い(S2509)、S2501で読み出した第1特別図柄に係る保留球数データと、S2509で事前判定した情報(事前判定情報)と、を少なくとも含む遊技情報を、特図1始動入球コマンドとして生成し、主制御基板80のRAMに設けられた、サブ制御基板90へのコマンド送信用の出力バッファにセットする(S2510)。尚、S2509の事前判定(保留先読み)は、後述の特図1当否判定処理(S1207)における当否判定(S1603、S1609)に先立って行うものである。
[電源断監視処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、始動入球時処理(S209)に次いで電源断監視処理(S210)を行う。電源断監視処理(S210)では図38に示すように、まず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2601)、入力がなければ(S2601でNO)、処理を終了する。一方、電源断信号の入力があれば(S2601でYES)、現在の遊技機の状態(確変かどうか、当り遊技中かどうか、保留球数はいくつか、確変・時短の残り変動回数はいくつか等)に関するデータをRAMに記憶するとともに(S2602)、電源断フラグをONし(S2603)、その後は割り込み処理(図11)に戻ることなくループ処理をする。
[サブ制御メイン処理]
次に、図39〜図45に基づいて演出制御用マイコン91の動作(サブ制御部90による制御処理)について説明する。尚、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、サブ制御基板90(サブ制御部)のRAMに設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、サブ制御基板90のROMから図39に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。
続いて、S4002で、電源断信号がONでかつサブ制御基板90のRAMの内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そして、この判定結果がNOであれば(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMの初期化をし(S4003)、S4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、サブ制御基板90のRAMを初期化することなくS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAMの内容が正常でない場合には(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMを初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAMの内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAMを初期化しない。RAMを初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタの値はリセットされる。尚、このS4001〜S4003は、電源投入後に(電源投入に際して)一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
S4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。更新された乱数カウンタ値はサブ制御基板90のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。尚、演出決定用乱数には、予告演出を決定する予告演出決定用乱数や、演出図柄を決定する演出図柄決定用乱数がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。演出決定用乱数は、予め定められたタイミングで取得される。このタイミングとしては、例えば主制御基板80から始動入球があった旨を通知する制御信号(始動入球コマンド)が送信されてきたときや、主制御基板80から変動開始を通知する制御信号(変動開始コマンド)が送信されてきたときや、後述の変動演出パターンを決定するときなどとすることができる。取得した演出決定用乱数の格納場所は、サブ制御基板90のRAMの所定の乱数カウンタ値記憶領域(図示せず)である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM内の出力バッファに格納されている各種のコマンド(制御信号)を、画像制御基板100、音声制御基板106、及びランプ制御基板107に送信する。コマンドを受信した各制御基板(各制御部)は、受信したコマンドに従い各種の演出装置(画像表示装置7、スピーカ67、盤面ランプ5、枠ランプ66及び可動装飾部材14等)を用いて各種の演出(演出図柄遊技演出や、大当り遊技に係る特別遊技演出等)を実行する。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、S4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、2msタイマ割り込み処理(S4009)、及び10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。これらの制御処理を実行することで、画像表示装置7の表示画面7a(演出図柄表示領域7b)上で実行される演出図柄等の表示制御や、各種ランプの点灯制御や、可動装飾部材の動作制御や、スピーカからの音声出力制御等を行うことが可能となる。
[受信割り込み処理]
受信割り込み処理(S4008)では、図40に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、S4101で、ストローブ信号がONでないと判定した場合(S4101でNO)、処理を終える。一方、S4101で、ストローブ信号がONであると判定した場合(S4101でYES)、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをサブ制御基板90のRAMに格納し(S4102)、処理を終える。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[2msタイマ割り込み処理]
2msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図41に示すように、2msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、演出ボタン検知スイッチ63c、63dからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4201)。続いて、後述の10msタイマ割り込み処理で作成したランプデータを出力するランプデータ出力処理を行う(S4202)。次いで、可動装飾部材14(電気的駆動源)を駆動するための駆動データを出力する駆動データ出力処理を行う(S4203)。この駆動データも、後述の10msタイマ割り込み処理で作成される。そして、ウォッチドッグタイマのリセット処理を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
[10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図42に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)では、まず、後述する受信コマンド解析処理(S4302)を行う。次いで、2msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてサブ制御基板90のRAMに格納するスイッチ状態取得処理を行い(S4303)、当該スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4304)。その後、ランプデータ(盤面ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4305)。
[受信コマンド解析処理]
図43に示すように、受信コマンド解析処理(S4302)ではまず、主制御基板80から始動入球コマンドを受信したか否かを判定し(S4395)、始動入球コマンドを受信していないと判定した場合(S4395でNO)、S4401の処理に移行し、始動入球コマンドを受信したと判定した場合(S4395でYES)、演出保留情報記憶処理(S4400)を行って、S4401の処理に移行する。演出保留情報記憶処理(S4400)は、S4395で受信した始動入球コマンド(特図1始動入球コマンド又は特図2始動入球コマンド)に含まれる各種情報(事前判定結果、大当り種別決定用乱数値、変動パターン乱数値等の遊技情報)を、特別図柄の種類(第1特別図柄、第2特別図柄)及び始動入球コマンドの送受信時(コマンド生成時)の特図保留球数に応じて、シフトメモリ形式でサブ制御基板90のRAMの所定の演出保留情報記憶領域に記憶する。例えば、受信した始動入球コマンドが特図1の保留球数「4」に対応する特図1始動入球コマンドである場合、その特図1始動入球コマンドに含まれる事前判定結果や当り種別等の情報を、特図1演出保留情報記憶領域のうち保留数4に対応する領域に、特図1演出保留情報として記憶する。こうして記憶される演出保留情報は、後述する変動演出や予告演出、演出モード等の各種演出の実行に用いられる。サブ制御基板90における演出保留情報記憶領域の記憶内容(演出保留情報)は、前述の主制御基板(主制御部)80における特図保留記憶部(第1特図保留記憶部、第2特図保留記憶部)の記憶内容(取得情報)と一致するものである。このことから、サブ制御基板90の演出保留情報記憶領域も「取得情報記憶手段」といえる。
S4401では、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S4401でYES)、後述する変動演出開始処理(S4402)を行って、S4406の処理に移行し、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(S4401でNO)、変動演出開始処理を行うことなく、S4406の処理に移行する。S4406では、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否かを判定し(S4406)、変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S4406でYES)、演出図柄を停止表示して変動演出を終了させる変動演出終了処理を行う(S4407)。変動演出終了処理(S4407)では、演出図柄8を停止表示して変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをサブ制御基板90のRAM内の出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、画像表示装置7の表示画面7a上で変動表示していた演出図柄8を停止表示して、変動演出(演出図柄遊技演出)を終了させる。一方、S4406で、変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S4406でNO)、変動演出終了処理を行うことなく、S4408の処理に移行する。尚、変動演出とは、特別図柄の変動表示に合わせて行われる種々の演出を指す。
続いて、S4408では、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否かを判定し(S4408)、オープニングコマンドを受信したと判定した場合(S4408でYES)、特別遊技(大当り遊技)の際に実行する特別遊技演出のパターン(演出態様)を選択する特別遊技演出選択処理を行う(S4409)。特別遊技演出には、少なくとも、特別遊技開始に伴う大入賞口開放前(1ラウンド目開始前)のオープニング期間中に実行するオープニング演出と、特別遊技中(大当り遊技中)のラウンド遊技(大入賞口入球遊技)の進行に合わせて実行するラウンド演出(大当り遊技演出)と、が含まれる。本実施例では、大当りの種別に応じたオープニングコマンドが主制御基板80から送信されるものとなっており、そのオープニングコマンドによって、今回開始される大当りの種別に応じたオープニング期間の長さ(オープニング時間)やオープニング演出、ラウンド演出等が特定される。そして、特別遊技演出選択処理(S4409)では、選択した特別遊技演出(オープニング演出、ラウンド演出等)の演出パターンや、受信したオープニングコマンドに基づく情報(オープニングコマンドの種類、オープニング時間、開始タイミングにある大当り遊技に係る大当り種別等)を特定可能な特別遊技開始時コマンドをサブ制御基板90のRAM内の出力バッファにセットする。このセットした特別遊技開始時コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、大当り遊技の進行状況に合わせて特別遊技演出を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
具体的には、例えば、今回開始される大当りの種別が15R第11大当りの場合には、「V通過予定大当り」に係る大当り遊技、すなわち、高確率状態を発生させることが前提の大当り遊技の開始を示すオープニング演出を画像表示装置7の表示画面7a上で行う。この場合のオープニング演出は、多量の賞球獲得とともに高確高ベース状態への移行を前提とする大当り遊技の開始を印象付ける演出とされ、例えば、画像表示装置7の表示画面7a上に「超大当り」や「V大当り」等の文字画像を表示したりする。そして、オープニング演出に続いて、15R大当りに対応するラウンド演出が、ラウンドの進行に合わせて(後述するS4418でのラウンド開始コマンド受信に基づいて)画像表示装置7の表示画面7a上で展開される。
また、今回開始される大当りの種別が15R第12大当りの場合には、「V未通過予定大当り」に係る大当り遊技、すなわち、高確率状態を発生させないことが前提の大当り遊技の開始を示すオープニング演出を画像表示装置7の表示画面7a上で行う。この場合のオープニング演出は、賞球獲得とともに時短状態(高ベース状態)への移行を前提とする大当り遊技の開始を印象付ける演出とされ、例えば、画像表示装置7の表示画面7a上に「大当り」や「チャンス大当り」等の文字画像を表示したりする。そして、オープニング演出に続いて、15R大当りに対応するラウンド演出が、ラウンドの進行に合わせて(後述するS4418でのラウンド開始コマンド受信に基づいて)画像表示装置7の表示画面7a上で展開される。
また、今回開始される大当りの種別が7R大当り(7R第1大当り〜7R第10大当り)の場合には、「V通過予定大当り」か「V未通過予定大当り」であるかを問わず、確変獲得(高確率状態発生)を狙う遊技の開始を示すオープニング演出を画像表示装置7の表示画面7a上で行う。この場合のオープニング演出は、確変獲得を賭けた遊技の開始を印象付ける演出とされ、例えば、画像表示装置7の表示画面7a上に「確変チャレンジスタート」等の文字画像を表示したり、7R大当り専用の背景画像を表示したりする。そして、7R大当りに係る大当り遊技では、特別遊技演出(ラウンド演出)として、確変獲得にチャレンジする様子を描いた演出(確変チャレンジ演出)を行う。
ここで、遊技状態が低確率時短なしの状態(通常状態)において7R第10大当りになると、15R大当りと比較して、獲得可能な利益量(賞球数)が少ないうえに、大当り遊技終了後の遊技状態が、低確率時短なしの状態(通常状態)となる。また、「V未通過予定大当り」とされているため、高確率状態となることもない。一方、15R大当りとなった場合には、大当り遊技終了後の遊技状態が、高確高ベース状態(高確率状態)または低確高ベース状態(時短状態)に設定される。すなわち、低確率時短なし状態で通常発生する(第1特別図柄に係る)大当りとして、7R第10大当りは、他の大当りと比較して最も利益の低い大当りといえる。特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合の大当り種別が7R第10大当りであることが早々に分かってしまうと、遊技者は少なからず落胆し、遊技意欲を減退させる可能性もある。ましてや長期間遊技したうえでようやく得た大当りが7R第10大当りであるとその可能性はより顕著となる。
そこで、本実施例では、7R大当りとなった場合、遊技者にとっては当選した大当りが「V通過予定大当り(7R第1大当り〜7R第8大当り)」なのか「V未通過予定大当り(7R第9大当り又は7R第10大当り)」なのか区別がつき難いようにすべく、当該大当り遊技中に確変チャレンジ演出を行うこととしている。ここで、本実施例では、「V通過予定大当り」か「V未通過予定大当り」であるかを問わず、大入賞口開放パターンは同様となっている。このため、VラウンドでのVアタッカーの開放パターンを通じて実行中の大当り種別を判別する(Vラウンドの結果を予測する)のは難しいものとなっている。このことを活かして、7R大当りの場合に確変チャレンジ演出を行うようにすることで、7R大当り遊技は、多量の賞球獲得を主たる目的とする15R大当り遊技とは異なり、確変獲得を主たる目的とする遊技である印象を遊技者に与え、遊技意欲の低下の防止や遊技興趣の維持・向上を図っている。確変チャレンジ演出については後述する。
次いで、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否かを判定し(S4410)、エンディングコマンドを受信したと判定した場合(S4410でYES)、特別遊技終了時演出(エンディング演出)のパターンや特別遊技終了後の演出モードの種類等を選択するエンディング演出選択処理を行い(S4411)、S4412の処理(図44)を行う。本実施例では、大当りの種別と、大当り遊技中(5ラウンド目)における特定領域39への遊技球の通過有無とに応じたエンディングコマンドが主制御基板80から送信されるものとなっており、そのエンディングコマンドによってエンディング期間の長さ(エンディング時間)が特定される。そして、エンディング演出選択処理(S4411)では、選択したエンディング演出の演出パターンや、受信したエンディングコマンドに基づく情報(エンディングコマンドの種類、エンディング時間、終了した大当り遊技に係る大当りの種別、大当り遊技後の演出モード等)を特定可能な特別遊技終了時コマンドをサブ制御基板90のRAM内の出力バッファにセットする。このセットした特別遊技終了時コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101が、大当り遊技の終了に係る演出を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
一方、S4408で、オープニングコマンドを受信していないと判定した場合(S4408でNO)、特別遊技演出選択処理を行うことなくS4410の処理に移行し、S4410でエンディングコマンドを受信していないと判定した場合(S4410でNO)、エンディング演出選択処理を行うことなく、S4412の処理(図44)に移行する。
S4412では、主制御基板80から特定領域通過コマンドを受信したか否かを判定し(S4412)、受信していなければ(S4412でNO)、S4416の処理に移行し、受信していれば(S4412でYES)、そのコマンド受信が7R大当りでの特定領域通過によるものか否かを判定する(S4413)。そして、受信した特定領域通過コマンドが7R大当りでの特定領域通過に基づく場合(S4413でYES)、前述した確変チャレンジ演出に係る成功演出(第1特定演出)の実行を指示する成功演出指定コマンドをサブ制御基板90のRAM内の出力バッファにセットするとともに(S4414)、V通過があったこと通知するV通過指定コマンドをサブ制御基板90のRAM内の出力バッファにセットする(S4415)。一方、受信した特定領域通過コマンドが7R大当り以外の大当り、すなわち15R大当りの場合には(S4413でNO)、S4414の処理を行うことなくS4145の処理を行う。つまり、成功演出指定コマンドをセットすることなく、V通過指定コマンドだけをセットする。
S4414でセットした成功演出指定コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、確変チャレンジ演出での確変獲得に成功した旨(今回の大当りがV通過予定大当りである旨)を示す成功演出用の画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによる成功演出(第1特定演出)を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。成功演出については後述する。
また、S4415でセットしたV通過指定コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、実行中の大当り遊技が15R大当り遊技であれば、V通過があったことを報知するための画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによるV通過報知演出を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。V通過報知演出としては、例えば「V」の文字画像を表示画面7aに表示したり、V通過を表す効果音を出力したりすることが挙げられる。また、実行中の大当り遊技が7R大当りに係るものである場合にもV通過報知演出を行うが、この場合のV通過報知演出は、前述の確変チャレンジ演出のもとで行う演出であることから、確変チャレンジ演出専用のV通過報知演出としている。この場合のV通過報知演出としては、例えば「確変GET!!」の文字画像を表示画面7aに表示することが挙げられる。
尚、可能性は限りなく低いが、V未通過予定大当りである「7R第9大当り」または「7R第10大当り」に係る大当り遊技において、VラウンドでVアタッカーに入球した遊技球が特定領域39を通過した場合、成功演出指定コマンドおよびV通過指定コマンドがセットされ(S4414、S4415)、それらコマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信される。また、V未通過予定大当りである「15R第12大当り」に係る大当り遊技において、VラウンドでVアタッカーに入球した遊技球が特定領域39を通過した場合、V通過指定コマンドがセットされ(S4415)、当該コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信される。
続いてS4416では、主制御基板80から非特定領域通過コマンドを受信したか否かを判定する(S4416)。前述したように、非特定領域通過コマンドは、「7R第9大当り」または「7R第10大当り」に係る大当り遊技のVラウンドで遊技球がVアタッカーに入球するなか、9個の遊技球が非特定領域49を通過することに基づいて、主制御基板80から送信される。このため、非特定領域通過コマンドを受信するのは、7R第9大当り又は7R第10大当りに係る大当り遊技(Vラウンド)が行われている場合である。そして、非特定領域通過コマンドを受信した場合は(S4416でYES)、前述した確変チャレンジ演出に係る失敗演出(第2特定演出)の実行を指示する失敗演出指定コマンドをサブ制御基板90のRAM内の出力バッファにセットし(S4417)、S4418の処理に移行し、非特定領域通過コマンドを受信していない場合は(S4416でNO)、S4417の処理を行うことなくS4418の処理に移行する。
S4417でセットした失敗演出指定コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、確変チャレンジ演出での確変獲得に失敗した旨(今回の大当りがV未通過予定大当りである旨)を示す失敗演出用の画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによる失敗演出(第2特定演出)を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。失敗演出については後述する。
続いてS4418では、主制御基板80からラウンド開始コマンドを受信したか否かを判定し(S4418)、ラウンド開始コマンドを受信していないと判定した場合(S4418でNO)、S4420の処理に移行し、ラウンド開始コマンドを受信したと判定した場合(S4418でYES)、受信したラウンド開始コマンドに対応するラウンド指定コマンドをサブ制御基板90のRAM内の出力バッファにセットし(S4419)、S4420の処理に移行する。主制御基板80から送信されるラウンド開始コマンドには、開始するラウンド(開始ラウンド)が何ラウンド目なのかを特定することが可能な情報が含まれており、サブ制御基板90のCPU(演出制御用マイコン91)は、受信したラウンド開始コマンドに基づいて開始ラウンドのラウンド数を特定し、当該ラウンド数を示すラウンド指定コマンドを出力バッファにセットする。ラウンド指定コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、ラウンド指定コマンドに基づき特定されるラウンド数に応じて、実行中の大当り遊技に即したラウンド演出を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
S4420では、その他の演出制御に係る処理を行い、本処理を終える。S4420で行うその他の処理としては、前述のコマンド以外の受信コマンド(例えば、普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド等)に基づく処理を行う。
[変動演出開始処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4302)の中で変動開始コマンドの受信に基づいて行われる変動演出開始処理(S4402)について説明する。図45に示すように、変動演出開始処理(S4402)ではまず、S4501で、演出制御用マイコン91が変動演出決定用乱数や予告演出決定用乱数、演出図柄決定用乱数、特定演出決定用乱数等の各種演出決定用乱数を取得する演出決定用乱数処理(S4501)を行う。本実施例では、主制御部80から変動開始コマンドを受信したタイミングで、S4501の処理を行い、夫々の乱数から所定の値(取得情報)を取得する。この取得した値に基づいて、実行する演出図柄遊技演出の態様や予告演出、停止表示する演出図柄等を決定する。
次に、S4502で、演出制御用マイコン91により変動開始コマンドを解析する(S4502)。変動開始コマンドには、第1特別図柄または第2特別図柄の変動パターン選択処理で選択された変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定する情報)が含まれている。そして、変動パターンを指定する情報には、図9に示す変動パターン情報(P1乃至P22)や、現在の遊技状態を指定する遊技状態情報や、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の判定結果や、大当り種別を指定する図柄情報等が含まれている(図8を参照)。また、変動パターン指定コマンドには、第1特別図柄に対応するものと第2特別図柄に対応するものとが存在することから、変動パターン指定コマンドを解析することで、今回開始する演出図柄遊技演出(演出図柄の変動表示)が特図1に係るものなのか特図2に係るものなのかを判別することが可能となる。尚、これらの変動パターン情報や遊技状態情報や図柄情報等は、これ以降に実行する変動演出開始処理以外の他の処理においても利用可能である。
次に、S4503で、演出制御用マイコン91が現在のモードステータスを参照する(S4503)。モードステータスは、実行する演出モードを決めるためのものである。モードステータスは「1」〜「5」までの何れかの値とされ、各値は演出モードA〜Eに対して割り当てられている。具体的には、モードステータス「1」が演出モードAに対応し、モードステータス「2」が演出モードBに対応し、モードステータス「3」が演出モードCに対応し、モードステータス「4」が演出モードDに対応する。現在のモードステータスを参照することで、現在の演出モードを特定することが可能である。
ここで演出モードとは、画像表示装置7における演出の態様であり、演出モードが異なると、予告演出やリーチ演出等の遊技演出の演出態様の一部又は全部が異なるものとされる。具体的に、登場するキャラクタ、アイテム、背景画像が異なる等、画像表示装置7に表示される画像が異なり、演出図柄遊技演出も演出モードに応じた態様で実行されるものとすることができる。また、複数の遊技演出(予告演出やリーチ演出等)を設ける場合に、演出モードによって異なる遊技演出を実行可能としてもよい。本実施例では、演出モードA(モードステータス「1」)は低確低ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードB(モードステータス「2」)は低確高ベース状態(時短遊技状態)に制御されているときに実行され、演出モードC(モードステータス「3」)は高確高ベース状態(確変遊技状態)に制御されているときに実行される。従って、演出モードがA〜Cのいずれであるかを確認することで、遊技者は現在の遊技状態を把握することができる。
また、演出モードD(モードステータス「4」)は、可能性としては限りなく低いが、7R第10大当りに係る大当り遊技のVラウンド(5ラウンド目)で遊技球が特定領域39を通過したことにより、当該大当り遊技後の遊技状態が高確低ベース状態に制御されている場合に実行される。演出モードがEであることを確認することで、遊技者は現在の遊技状態を把握することができる。
次に、S4504で、画像表示装置7、盤面ランプ5、可動装飾部材14等を用いて行う変動演出のパターン(変動演出パターン)を決めるための図示しない変動演出パターン決定テーブルをセットする(S4504)。具体的には、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)と主制御部80から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、使用する変動演出パターン決定テーブルをセットする。例えば、受信した変動パターン指定コマンドが指定する変動パターン情報が「P1(変動パターンP1)」(図9を参照)であった場合、変動演出パターン決定テーブルとして、現在の演出モードに対応した大当り時変動演出パターン決定テーブルがセットされる。本実施例では、演出モード(モードステータス)に対応した複数の変動演出パターン決定テーブルがサブ制御基板90のROMに予め格納されているので、S4504では、それらの変動演出パターン決定テーブルの中から、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)に対応するテーブルが選択されてセットされる。変動演出パターン決定テーブルは、主に、演出図柄遊技演出の実行態様(演出図柄の変動態様等)を決定するためのもので、複数の変動演出パターン決定テーブルがサブ制御基板90のROMに予め格納されている。S4504では、それら複数の変動演出パターン決定テーブルのうちの何れかをセットする。
続いてS4505で、S4501において取得した変動演出決定用乱数及びS4504においてセットした変動演出パターン決定テーブルに基づいて、指定された変動パターンに適合した変動演出パターンを選択し、これを設定する(S4505)。変動演出パターンとしては、演出図柄表示領域7bで表示される演出図柄8の変動態様(演出図柄遊技演出の実行態様)が設定される。これにより、演出図柄遊技演出において、リーチ演出を実行する場合(リーチ有演出図柄遊技演出)と、特定のキャラクタを用いて行うキャラクタ演出を実行する場合(キャラクタ演出図柄遊技演出)、リーチ演出やキャラクタ演出を実行しない場合(リーチ無演出図柄遊技演出)とが決定される。尚、リーチ演出とは、例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りであることを示す場合の演出図柄8の表示態様として、3個の演出図柄8L、8C、8Rがすべて同一(ゾロ目)となる態様(大当り態様、特定態様)を設けている場合において、3個の演出図柄8L、8C、8Rのうちの2個が大当り態様を構成する図柄で停止表示(仮停止)され、残り1個が変動表示を続けている状態で、残り1個の演出図柄が大当り態様を完成させる図柄で停止表示されるか否かを示す演出のことをいう。またS4505では、S4501において取得した演出図柄決定用乱数及び図示しない停止図柄決定テーブルに基づいて、停止表示する演出図柄8(「停止演出図柄」ともいう)を決定し、これを設定する。演出図柄遊技演出の結果として停止表示される演出図柄8は、特別図柄当否判定の結果が15R第11大当りのときは「777」等の奇数図柄のゾロ目(大当り態様、特定態様)とされ、15R第12大当りのときは「666」等の偶数図柄のゾロ目(大当り態様、特定態様)とされる。また、リーチ有り外れのときは「787」等の3個の演出図柄8L、8C、8Rのうち1個の演出図柄が他の演出図柄と異なるバラケ目、リーチ無し外れのときは「635」等の3個の演出図柄8L、8C、8Rのうち少なくとも1個の演出図柄が他の演出図柄が異なるバラケ目が選択されるようになっている。また、特別図柄当否判定の結果が7R大当りのときは、「777」以外のゾロ目か、「135」等の予め定めたチャンス目か、「3★3」等の専用図柄とされる。これは、7R大当り遊技が、確変獲得を狙う遊技という位置づけとなっているからである。尚、7R大当りの場合のチャンス目や専用図柄等による演出図柄8の停止表示態様も、大当り態様あるいは特定態様といえる。これらの演出図柄8の停止表示態様は一例であり、大当りとなったときに停止演出図柄として何を停止表示するかは適宜変更可能である。
本実施例のパチンコ遊技機1には、演出図柄8の変動態様(変動演出パターン)として、リーチA、リーチB、リーチC、スーパーリーチ(「SPリーチ」ともいう)A、スーパーリーチB、スーパーリーチC、キャラクタ演出等が設定されており、S4505で、変動演出パターン決定テーブルに基づいて、これらのうち何れの演出を行うか、又はこれらの演出を行わない(これを「ノーマル変動」ともいう)かが決定される。そして、リーチ有演出図柄遊技演出が実行される場合には、変動パターン指定コマンド及び変動演出パターン決定テーブルに基づいて、何れかのリーチ演出が設定される。ここで、演出図柄遊技演出として、スーパーリーチ演出が実行される場合には、ノーマルリーチ演出が実行される場合と比較して、大当りとなる可能性が高くなるように設定されている。すなわち、スーパーリーチ演出はリーチ(ノーマルリーチ)演出と比較して大当り信頼度(大当りとなる可能性)の高い遊技演出であるといえる。尚、リーチ演出は、主として、変動時間が30000ms以上の変動パターン(図9を参照)を指定する変動パターン指定コマンドを受信した場合に設定(実行)され得る。
S4505では、リーチ演出等を含む様々な変動演出の何れかに対応する変動演出パターンが、S4501〜S4504の処理の結果を受けて設定される(S4505)。そして、続くS4506で、S4505において設定した変動演出パターンに基づいて演出図柄遊技演出等を開始するための変動演出開始コマンドをサブ制御基板90のRAM内の出力バッファにセットし(S4506)、変動演出開始処理を終了する。S4506でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドに基づき特定される変動演出パターン、すなわちS4505で設定された変動演出パターンに対応する所定の画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによる変動演出等を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
以上までが、本実施例における演出制御の主要な処理であるが、本実施例のパチンコ遊技機1では、7R大当り(V通過予定大当り又はV未通過予定大当り)において、前述のように「確変チャレンジ演出」を行うこととしている。この「確変チャレンジ演出」をVラウンド(5ラウンド目)の終了(6ラウンド目の開始前)までに行うことで、7R大当り遊技が確変獲得を主たる目的とする遊技である印象を遊技者に与え、遊技興趣の向上を図っている。以下、「確変チャレンジ演出」について説明する。
[確変チャレンジ演出]
図49は、7R大当りに係る大当り遊技の際に画像表示装置7の表示画面7a上で実行される演出の一態様である「確変チャレンジ演出」を示している。確変チャレンジ演出は、7R大当りのオープニングから5R終了(Vラウンド終了)に亘って行われることから、図49では、その間の演出態様(演出表示内容)を示している。尚、図49(a)〜(d)に示す演出態様は、V通過予定大当りである「7R第1大当り〜7R第8大当り」とV未通過予定大当りである「7R第9大当り及び7R第10大当り」とで共通である。
7R大当りに係る大当り遊技の開始に際し、主制御基板80からのオープニングコマンドをサブ制御基板90が受信したこと(S4408)に基づいて、表示画面7a上では、図49(a)に示す「オープニング演出」が行われる。このオープニング演出は、確変獲得を目指す遊技(以下、「確変チャレンジゲーム」ともいう。)の開始を示すものである。
これに続いて、7R大当り遊技の1ラウンド目の実行に際し、主制御基板80からの1R開始コマンドをサブ制御基板90が受信したこと(S4418)に基づいて、表示画面7a上では、図49(b)に示す「チャレンジ選択演出」が行われる。チャレンジ選択演出は、遊技者側に属する演出上のキャラクタ(以下、「味方キャラクタ」ともいう)が、確変獲得を賭けて挑むゲームを選択する様子を示す演出である。本実施例では、チャレンジ対象のゲームとして「野球」「サッカー」「相撲」「クイズ」の4種類を予め用意しており、これらの中からランダムに選択される。この選択結果はルーレット演出によって示すものとなっており、1ラウンド目の終了までに選択結果が示される。つまり、チャレンジするゲームが決定される。尚、この決定は、遊技者による演出ボタン63の操作に基づいて行うようにしてもよい。
1ラウンド目が終了し、7R大当り遊技が2ラウンド目以降に進むと、表示画面7a上では、図49(c)に示すように、1ラウンド目で選択されたゲームに味方キャラクタが挑戦するシーンを表示する演出(以下、「挑戦演出」ともいう。)が行われる。挑戦演出では、例えば、チャレンジするゲームが野球であれば「ホームランを打つ」や「強打者を打ち取る」等の挑戦テーマに味方キャラクタが挑むシーンが表示画面7aに表示され、クイズであれば「クイズに全問正解する」や「クイズ王に勝利する」等の挑戦テーマに味方キャラクタが挑むシーンが表示画面7aに表示される。この他、サッカーや相撲についても同様に、それぞれに応じた挑戦テーマに挑むシーンが表示画面7aに表示される。
挑戦演出は、主制御基板80からの2R開始コマンドをサブ制御基板90が受信したこと(S4418)に基づいて開始され、その後、4R終了コマンドをサブ制御基板90が受信して、4ラウンド目が終了するタイミングで終了する。4ラウンド目が終了(挑戦演出が終了)し、これに続く5ラウンド目(Vラウンド)でのVアタッカーの開放に際し、表示画面7a上では、図49(d)に示すように、先の挑戦演出で示された挑戦の結果が発表されることを示す演出(以下、「発表演出」ともいう。)が行われる。
そして、発表演出の実行中(つまり、Vラウンド中)に遊技球がVアタッカーに入球すると、その後、表示画面7a上では、図49(e1)に示す「成功演出」または図49(e2)に示す「失敗演出」が行われる。成功演出は、先の挑戦演出で味方キャラクタが挑んだテーマに関し、その挑戦が成功した旨を示す演出である。一方、失敗演出は、先の挑戦演出で味方キャラクタが挑んだテーマに関し、その挑戦が失敗した旨を示す演出である。
ここで、実行中の7R大当り遊技が、V通過予定大当りである「7R第1大当り〜7R第8大当り」の何れかであれば、発表演出の実行中(Vラウンド中)におけるVアタッカーへの入球のうち、2個目〜9個目の何れかの入球に基づいて可動片150の動作が長開放動作パターン(第2動作態様)で行われ、当該動作契機となった入球に係る遊技球が特定領域39に誘導されて特定領域センサ39aにより検知され、主制御基板80からは特定領域通過コマンドが送信される(S2405)。この特定領域通過コマンドをサブ制御基板90が受信したこと(S4412)に基づいて、成功演出が行われる(S4414)。この成功演出は、確変獲得に成功した旨を示す演出であり、今回の大当りがV通過予定大当りである旨を示す(認識させる)演出であるともいえる。
ここで、可動片150の動作タイミングは、実行される7R大当り(V通過予定大当り)の種別に応じて設定される可動片150の動作契機となる入球数(第2所定値c2、図47を参照)によって変化し得るので、これに伴って、成功演出の実行タイミングも、実行される7R大当り(V通過予定大当り)の種別によって変化し得ることとなる。このため、遊技者にしてみれば、Vラウンド中に成功演出がいつ行われるのかが判別し難いものとなる。つまり、VラウンドにてVアタッカーに入球する遊技球がいつ特定領域39を通過するのかが判別し難いものとなる。
一方、実行中の7R大当り遊技が、V通過未予定大当りである「7R第9大当り」または「7R第10大当り」であれば、発表演出の実行中(Vラウンド中)におけるVアタッカーへの入球のうち、1個目の入球に基づいて可動片150の動作が短開放動作パターン(第1動作態様)で行われるだけなので、Vラウンド中に遊技球が特定領域39に誘導されることは、まずあり得ない。よって、発表演出の実行中に遊技球がVアタッカーに入球し、9個の遊技球が非特定領域センサ49aにより検知されると、主制御基板80からは非特定領域通過コマンドが送信される(S2414)。この非特定領域通過コマンドをサブ制御基板90が受信したこと(S4416)に基づいて、失敗演出が行われる(S4417)。この失敗演出は、確変獲得に失敗した旨を示す演出であり、今回の大当りがV未通過予定大当りである旨を示す(認識させる)演出であるともいえる。
ここで、主制御基板80からの非特定領域通過コマンドの送信は、Vラウンドにて9個の遊技球が非特定領域センサ49aにより検知されることに基づいて行われるものとなっている。また、V通過予定大当りのうち「7R第8大当り」については、可動片150の動作契機となる入球数(第2所定値c2)が「9」となっている(図47を参照)。このため、発表演出の実行中(Vラウンド中)において、Vアタッカーへの遊技球の入球数が8個になっても成功演出が行われない場合には、9個目の入球に基づいて、成功演出または失敗演出が行われることとなる。そして、本実施例では、一のラウンド遊技で大入賞口に入球可能な規定数が「9」となっているので、9個目の入球は最後の入球に該当するものとなっている。このことから、本実施例の確変チャレンジ演出では、Vラウンドでの最後の入球まで確変獲得成功(つまり、V通過)に対する期待感を遊技者に持たせることが可能となっている。
また、図49(e1)に示すように、成功演出が行われる場合には、その成功演出と併せてV通過報知演出も行われる。V通過報知演出は、主制御基板80からの特定領域通過コマンドをサブ制御基板90が受信したこと(S4412)に基づいて行われるもので(S4415)、V通過が発生したことを遊技者に明示的に報知するものである。本実施例では「確変GET!!」の文字を表示画面7aに表示するものとしている。
以上の「成功演出+V通過報知演出」および「失敗演出」は、いずれも5ラウンド目(Vラウンド)が終了するまで行われる。そして、7R大当り遊技の6ラウンド目および7ラウンド目では、先の確変チャレンジ演出の結果(「成功演出+V通過報知演出」または「失敗演出」)に応じた態様のラウンド演出が行われる。具体的には、実行中の7R大当り遊技がV通過予定大当りであれば、主制御基板80からの特定領域通過コマンドの受信後にサブ制御基板90が6R開始コマンドを受信したこと(S4418)に基づいて、例えば、確変獲得成功を祝う専用の演出画像によるラウンド演出(専用演出)を開始し、当該演出を7ラウンド目の終了まで行う。一方、実行中の7R大当り遊技がV未通過予定大当りであれば、主制御基板80からの非特定領域通過コマンドの受信後にサブ制御基板90が6R開始コマンドを受信したこと(S4418)に基づいて、例えば、確変獲得の再チャレンジ(遊技継続)を促す専用の演出画像によるラウンド演出(専用演出)を開始し、当該演出を7ラウンド目の終了まで行う。
このように、7R大当り遊技の実行に際し、当該大当り遊技の5ラウンド目(Vラウンド)が終了するまで、画像表示装置7の表示画面7aでは、「V通過予定大当り」と「V未通過予定大当り」の何れの場合においても、図49(a)〜(e1)または(e2)に示す一連の演出(確変チャレンジ演出)が行われる。また、前述したように、V通過予定大当りとV未通過予定大当りとで、第2大入賞口35(Vアタッカー)の開閉動作の態様(開放パターン)が同様となっている。このため、遊技者にとっては、特別図柄当否判定の結果を、第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bに表示される特別図柄(大当り図柄)を見て直接的に把握することをしない限り、少なくとも、7R大当り遊技の開始から、図49(e1)または(e2)に示す成功演出または失敗演出が行われるまでは、「V通過予定大当り(7R第1大当り〜7R第8大当りの何れか)」と「V未通過予定大当り(7R第9大当り又は7R第10大当り)」の何れが発生したのかを認識(判別)することは極めて難しいもの(実質的に不可能)となる。
ここで、図49に基づいて説明した確変チャレンジ演出を構成する各演出のうち、図49(e1),(e2)に示した「成功演出」および「失敗演出」は、前述したように、確変獲得に成功したのか失敗したのかを示す演出であるといえ、換言すると、今回のVラウンド(特典決定遊技)の結果を判別可能に示す演出であるといえる。このことから、本実施例の「成功演出」および「失敗演出」は、本発明の「特定演出」の一態様に相当する。また、「成功演出」および「失敗演出」のうち、「成功演出」は、確変獲得に成功した旨を示す「第1特定演出」として捉えることもでき、「失敗演出」は、確変獲得に失敗した旨を示す「第2特定演出」として捉えることもできる。
また、確変チャレンジ演出を構成する各演出のうち、図49(a)〜(d)の各演出、すなわち、「オープニング演出」「選択演出」「挑戦演出」および「発表演出」は、前述の「成功演出」および「失敗演出」(特定演出)の前に行われる演出であって、成功演出や失敗演出に繋がる演出であるといえる。このことから、本実施例の「オープニング演出」「選択演出」「挑戦演出」および「発表演出」は、本発明の「特定前演出」の一態様に相当する。
[実施例1の作用効果]
以上の実施例1のパチンコ遊技機1では、大当り遊技中のVラウンド(特典決定遊技)での入球数計数手段による計数値が所定値になること、すなわち、Vアタッカー(第2大入賞口35)への入球数が所定数になることに基づいて、可動片150が動作するものとなっている。そして、可動片150を長開放動作パターン(第2動作態様)で動作させる契機となる所定値(計数値)として設定可能な複数の値(本例では「2」〜「9」)が、大当りの種別に応じて予め定められており(図47を参照)、大当りとなった場合に、当該大当りに対応する値を選択して設定するものとなっている(S2009)。つまり、可動片150を長開放動作パターン(第2動作態様)で動作させる契機となる所定値(計数値)は変動し得る値となっている。このため、可動片150の動作契機となる所定値として設定(選択)される値(つまり、大当り種別)によって、Vアタッカーへの入球数が少ないタイミングで可動片150が動作したり、Vアタッカーへの入球数が規定数(本例では「9」)に近いタイミングで可動片150が動作したりする等、可動片150の動作タイミングが変化し得るものとなり、Vラウンドでの可動片150の動作タイミングにバラツキを持たせることが可能となる。
また、可動片150は、Vアタッカー(第2大入賞口35)に入球した遊技球を特定領域39または非特定領域49に誘導する(振り分ける)部材であり、Vアタッカー内の遊技球に関与するものである。このため、可動片150は、例えば、Vアタッカーの内部や奥側など等、遊技盤2(遊技領域3)やVアタッカー周りを一見しただけでは分かり難い部位に設けられるのが通常である(図46を参照)。加えて、本実施例の大当り遊技中における大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の開放パターンは、7R大当りおよび15R大当りの各々について、V通過予定大当りとV未通過予定大当りとで、開放時間や開放回数、開放順序は同じとなっており、Vラウンド(本例では5ラウンド目)での開放パターンも同じとなっている。これらのことと、Vラウンドでの入球数計数手段による計数値(Vアタッカーへの入球数)に基づく可動片150の動作タイミングの変化(バラツキ)とが相俟って、例えば、「Vアタッカーに入球した遊技球がどのタイミングで特定領域39を通過し得るのか」や「遊技球が特定領域39を通過したか否か」等、Vラウンドでの遊技球の特定領域通過状況(V通過状況)を判別し難くすることが可能となる。
この結果、実施例1のパチンコ遊技機1によれば、例えば、従来のようにVアタッカーの動き(開放パターン)を注視したとしても、Vラウンドの結果をその確定前に判別(把握、予測)することは難しいものとなるので、Vラウンドの結果(特定領域への遊技球の通過有無)が事前に判別(予測)できてしまうことによる遊技興趣の低下を排除することが可能となる。
また、実施例1のパチンコ遊技機1では、Vラウンド(特典決定遊技)での入球数計数手段による計数値が第1所定値(本例では「1」)となった場合に可動片150を短開放動作パターン(第1動作態様)で動作させ、第2所定値(本例では「2」〜「9」の何れか)となった場合に可動片150を長開放動作パターン(第2動作態様)で動作させるものとなっている。つまり、Vラウンド(特典決定遊技)での入球数計数手段による計数値によって、特定領域39への遊技球の通過可能性が変化し得るものとなっている。このため、Vラウンドにおいて、特定領域39への遊技球の通過可能性の低い状況や高い状況がどのタイミングで発生するのかが判別し難いものとなり、この結果、Vラウンドでの遊技球の特定領域通過状況を判別し難くすることが可能となる。
また、この場合、特定領域39への遊技球の通過可能性が高くなる状況は、少なくとも、入球数計数手段による計数値が第1所定値を超えることとなる数の遊技球をVアタッカーに入球させなければ、生じないこととなる。つまり、Vアタッカーに複数の遊技球が入球しなければ、特定領域39への遊技球の通過可能性が高くなる状況は生じないこととなる。これにより、Vアタッカーでの遊技球の特定領域通過状況を判別し難くするとともに、Vアタッカーに複数の遊技球を入球させる必要があるといった遊技性を創出することが可能となる。
また、実施例1のパチンコ遊技機1では、可動片150を長開放動作パターン(第2動作態様)で動作させる契機となる所定値(計数値)として設定可能な複数の値(本例では「2」〜「9」)を、大当り種別、すなわち、特別図柄の大当り図柄の種類に応じて定めており(図47を参照)、停止表示された大当り図柄の種類に基づいて、複数の値のうちの何れかを設定するものとなっている。これにより、大当り遊技の実行契機となる大当り図柄(特定態様)の種類に応じて可動片150の動作タイミングを異ならせることが可能となり、大当り図柄の種類を多くすることで、可動片150の動作タイミングの多様化を図ることも可能となる。
また、実施例1のパチンコ遊技機1では、大当りとして「15R大当り」と、これよりもラウンド数の少ない「7R大当り」とを有しており、7R大当りとなった場合には、当該大当りが「V通過予定大当り」と「V未通過予定大当り」の何れであったとしても、大当り遊技の開始当初から、確変獲得に挑む確変チャレンジ演出(確変チャレンジゲーム)を行うものとなっている。そして、Vラウンドでの遊技球の特定領域通過に基づく成功演出または非特定領域通過に基づく失敗演出を通じて、確変チャレンジゲームの結果、すなわち、Vラウンドの結果を遊技者に示すものとなっている。このため、例えば、従来のような、Vアタッカー開放パターン等を基にVラウンドの結果が先に露見してしまった状態(先にバレてしまった状態)でVラウンドの結果を示す(報知する)演出を行うといった事態は生じ得ないので、その種の演出の存在価値(存在意義)を高めることが可能となる。これにより、Vラウンドを含む大当り遊技の演出効果(本例では7R大当り遊技での確変チャレンジ演出による効果)を高め、当該大当り遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
また、前述のように、長開放動作パターン(第2動作態様)で動作する場合の可動片150の動作タイミングは、実行される7R大当り(V通過予定大当り)の種別によって変化し得るものとなっていることから(図47を参照)、確変チャレンジ演出における成功演出の実行タイミングも、実行される7R大当り(V通過予定大当り)の種別によって変化し得ることとなる。このため、遊技者にしてみれば、Vラウンド中に成功演出がいつ行われるのかが判別し難いものとなる。つまり、VラウンドにてVアタッカーに入球する遊技球がいつ特定領域39を通過するのかが判別し難いものとなる。これにより、確変チャレンジ演出での成功演出実行(つまり、V通過)に対する遊技者の期待感や注目度を効果的に高めることが可能となり、延いては、他の大当りに比してラウンド数の少ない大当り遊技の興趣を高めることが可能となる。
特に、本実施例では、V通過予定大当りのうち「7R第8大当り」については、長開放動作パターン(第2動作態様)で可動片150が動作する場合の当該動作契機となる入球数(第2所定値)が「9」となっている(図47を参照)。また、7R大当りがV未通過予定大当りである場合、Vラウンド中、非特定領域49への遊技球の通過数が「9」となったことに基づいて失敗演出を行うものとなっている。このため、Vラウンド中、Vアタッカーへの遊技球の入球数が8個になっても成功演出が行われない場合には、9個目の入球に基づいて、成功演出または失敗演出が行われることとなる。そして、本実施例では、一のラウンド遊技で大入賞口に入球可能な規定数が「9」となっているので、9個目の入球は最後の入球に該当するものとなっている。このことから、本実施例の確変チャレンジ演出では、Vラウンドでの最後の入球まで確変獲得成功(つまり、V通過)に対する期待感を遊技者に与えることが可能となり、この結果、Vラウンドを含む大当り遊技の興趣を高めることが可能となる。
また、実施例1のパチンコ遊技機1では、7R大当り遊技での確変チャレンジ演出の結果(つまり、Vラウンドの結果)を示す演出(特定演出)として「成功演出」を行う場合、当該成功演出の実行契機は、Vアタッカーに入球した遊技球が特定領域39を通過することとなっているが(S4412)、当該特定領域通過(V通過)は、Vアタッカーへの2個目〜9個目の入球のうち何れか1つの入球に係る遊技球によってなされるものである。つまり、成功演出が行われる場合の当該成功演出の実行契機は、Vアタッカーに入球する複数の遊技球のうちの1個に限られる。これにより、遊技球の特定領域通過(V通過)と成功演出の実行との連動感を高め、演出に減り張りを与えることが可能となる。
また、実施例1のパチンコ遊技機1では、7R大当り遊技の開始から、確変チャレンジ演出の結果を示す演出(特定演出)が行われるまでに、選択演出や挑戦演出等の遊技者の期待感を高揚させるための演出(特定前演出)が行われる(図49を参照)。これにより、確変チャレンジ演出の結果を示す演出(成功演出または失敗演出)が行われるまで(Vラウンドの結果が明らかになるまで)の遊技者の期待感をより効果的に高めることが可能となる。
また、実施例1のパチンコ遊技機1では、遊技球が特定領域39を通過した場合にV通過報知演出を行い、このV通過報知演出により、遊技球が特定領域39を通過した旨を遊技者に確定的に示すものとしている。このV通過報知演出を成功演出とともに行うことで(図49(e1)を参照)、成功演出の実行にリンクしてV通過報知演出が行われることとなるので、演出上の矛盾をなくし、演出効果を高めることが可能となる。
次に、本発明の実施例2のパチンコ遊技機1について説明する。以下では、主に実施例1と異なる部分について説明し、実施例1と共通する部分(構成、作用効果等)については説明を割愛する。
前述した実施例1では、大当り遊技中の5ラウンド目をVラウンドとし、1回の大当り遊技中にVラウンドを1回行うものとなっていた。これに対し、実施例2では、大当り遊技中にVラウンドを複数回行うものとしている。具体的には、大当り遊技中、第2大入賞口35(上大入賞口)が開放することとなる奇数ラウンド(図6を参照)のうち、3ラウンド目、5ラウンド目、7ラウンド目をVラウンドとし、1回の大当り遊技中にVラウンドを計3回行うものとしている。そして、複数回(本例では3回)のVラウンドのうち少なくとも1回のVラウンドで遊技球が特定領域39を通過すれば、当該V通過に基づいて大当り遊技後の遊技状態が高確率状態となるように構成されている。尚、以下では3ラウンド目のVラウンド(1回目のVラウンド)のことを「第1Vラウンド」、5ラウンド目のVラウンド(2回目のVラウンド)のことを「第2Vラウンド」、7ラウンド目のVラウンド(3回目のVラウンド)のことを「第3Vラウンド」ともいう。
また、実施例2におけるVラウンドでの可動片150の動作タイミングについては、図50に示すように、3回のVラウンドの各々について、その動作契機となるVアタッカーへの入球数、すなわち、入球数計数手段により計数され得る計数値(所定値)が予め定められていることから、これに基づいて、実行する大当りの種別に応じた動作タイミングを設定することとしている(S2009)。尚、実施例2の可動片150の動作パターンは、前述した実施例1と同様に「短開放動作パターン(第1動作態様)」と「長開放動作パターン(第2動作態様)」の2つとしており、各Vラウンドにおいて、1回目の動作を「短開放動作パターン」、2回目の動作を「長開放動作パターン」で、それぞれ行うものとしている。
具体的には、実施例2においても、特別図柄確定処理(図31)のS2009で、大当りの種別に応じた可動片動作タイミングをセットする。ここで、実施例2では、図50に示す「大当り種別」と「第1所定値および第2所定値」との対応関係が、主制御部80のROMに予め記憶されているので(値記憶手段)、これに基づいて、「第1Vラウンド」、「第2Vラウンド」および「第3Vラウンド」の各々につき、大当り種別に応じた「第1所定値(c1)」と「第2所定値(c2)」とが設定される。このうち、第1所定値(c1)については、前述した実施例1と同様に、大当りの種別に関係なく、すべての大当りについて「1」が設定される。
一方、V通過予定大当りについて設定する第2所定値(c2)については、実行する大当りの種別に応じて、第1Vラウンド〜第3Vラウンドの何れかに「2」〜「9」の何れかの値が設定される。例えば、図50に示すように、今回の大当りが7R第1大当りである場合、第1Vラウンドおよび第3Vラウンドには第2所定値(c2)が設定されず、第2Vラウンドに第2所定値(c2)として「5」が設定される。また、今回の大当りが7R第6大当りである場合、第1Vラウンドおよび第2Vラウンドには第2所定値(c2)が設定されず、第3Vラウンドに第2所定値(c2)として「7」が設定される。また、今回の大当りが7R第5大当りである場合、第1Vラウンドには第2所定値(c2)が設定されず、第2Vラウンドに第2所定値(c2)として「9」が設定されるとともに第3Vラウンドに第2所定値(c2)として「5」が設定される。また、今回の大当りが7R第7大当りである場合、第3Vラウンドには第2所定値(c2)が設定されず、第1Vラウンドに第2所定値(c2)として「8」が設定されるとともに第2Vラウンドに第2所定値(c2)として「4」が設定される。これらの以外のV通過予定大当りについても同様に、図50に示す対応関係に基づいて第2所定値(c2)が設定される。
ここで、7R第5大当りや7R第8大当りのように、第1Vラウンド〜第3Vラウンドのうち複数回のVラウンドに第2所定値(c2)を設定しているのは、先に行われるVラウンドでの入球数計数手段による計数値(Vアタッカーへの入球数)が、第2所定値(c2)として設定した値に到達しない場合を想定したものである。すなわち、第2所定値(c2)として、Vアタッカーの規定数(本例では「9」)と同じかそれに近い数の値が設定された場合、それよりも小さい値が設定された場合に比べ、Vアタッカーの規定開放時間(本例では25秒)内に、入球数計数手段による計数値(Vアタッカーへの入球数)が第2所定値(c2)に到達しない危険性(リスク)が高まる。Vアタッカーの規定開放時間内に規定数の遊技球がVアタッカーに入球しないことは稀であるが、V通過予定大当りに当選したにも関わらず、Vアタッカーへの入球数が不足して、可動片150が長開放動作パターンで動作する機会(V通過させる機会)を逸してしまうのは、遊技の公平性の観点から好ましくなく、遊技者にとっても酷である。そこで、本実施例では、先に行われるVラウンドの第2所定値(c2)が規定数(本例では「9」)と同じかそれに近い場合、念のために、後のVラウンドについても第2所定値(c2)を設定している。
また、図50に示すように、V通過予定大当りのうち、15R第11大当りについては、第1Vラウンド〜第3Vラウンドのすべてに対して、第2所定値(c2)を設定するものとしている。これは、前述の実施例1で説明したように、15R第11大当りの場合、当該大当りに係る15R大当り遊技の開始を示すオープニング演出が、多量の賞球獲得とともに高確高ベース状態への移行を前提とする大当り遊技の開始を印象付ける演出(例えば、「超大当り」や「V大当り」の文字画像の表示)となっており、これを見た遊技者は、Vラウンド中に遊技球がV通過することを確信するのが普通である。にもかかわらず、可能性は極めて低いものの、前述のようにVラウンド中にVアタッカーへの入球数が不足して、可動片150が長開放動作パターンで動作する機会(V通過させる機会)を逸してしまうのは、遊技の公平性の観点から好ましくなく、遊技者にとっても酷である。そこで、本実施例では、15R第11大当りの第1Vラウンド〜第3Vラウンドのすべてについて、第2所定値(c2)を設定するものとしている。尚、図50に示す第1所定値および第2所定値の設定態様はあくまでも一例であり、この他にも種々の態様を採ることが可能である。
次に、実施例2の7R大当り遊技中に行う演出(特別遊技演出)について説明する。前述した実施例1では、7R大当り遊技の開始からVラウンド(5ラウンド目)の終了にかけて確変チャレンジ演出を行い、実行中の大当りがV通過予定大当りの場合には、VラウンドでのV通過に基づいて成功演出を行い、V未通過予定大当りの場合には、Vラウンドで9個の遊技球が非特定領域49を通過したことに基づいて失敗演出を行うものとなっていた(図49を参照)。これに対し、本実施例では、Vラウンドを3ラウンド目と5ラウンド目と7ラウンド目に行うことから、3回のVラウンド(第1Vラウンド〜第3Vラウンド)の各々で、確変獲得を賭けた演出(以下、「確変チャンス演出」ともいう。)を行うこととしている。そして、第1Vラウンドまたは第2Vラウンドで確変獲得成功を示す演出(成功演出)を行った場合、残りのVラウンドでは確変チャンス演出を行わず、先の確変チャンス演出の結果(確変獲得成功)に応じた態様のラウンド演出を行うものとしている。
ここで、実施例2の確変チャンス演出としては、例えば、前述した実施例1の7R大当り遊技の2ラウンド〜4ラウンドにかけて行っていた挑戦演出を1回のVラウンドで完結させて成功または失敗で終わらせる態様の演出や、「成功」と「失敗」をルーレット形式で表示する演出など、1回のVラウンド単位で確変獲得(V通過)の成否を示す演出が挙げられる。
そして、実施例2の7R大当り遊技では、V未通過予定大当り(7R第9大当り、7R第10大当り)のVラウンドだけでなく、V通過予定大当り(7R第1大当り〜7R第8大当り)のVラウンドにおいても、可動片150の2回目の動作(長開放動作パターン)が行われず、Vアタッカーに入球したすべての遊技球が非特定領域49を通過する場合がある。例えば、7R第1大当りの場合、第1Vラウンドでは可動片150の2回目の動作が設定されておらず、第2Vラウンドで可動片150の2回目の動作が設定されている。このような場合、先の第1Vラウンドでは、確変獲得失敗を示す演出、すなわち、前述した実施例1と同様、Vラウンドで9個の遊技球が非特定領域49を通過したことに基づく失敗演出を行う必要がある。同様に、7R第6大当りの場合、第1Vラウンドおよび第2Vラウンドでは可動片150の2回目の動作が設定されておらず、第3Vラウンドで可動片150の2回目の動作が設定されている。このような場合にも、先の第1Vラウンドおよび第2Vラウンドで失敗演出を行う必要がある。そこで、本実施例では、図36に示す実施例1の非特定領域検知センサ処理(S208)に代えて、図51に示す非特定領域検知センサ処理(S208a)を行うものとしている。尚、図51では、実施例1の非特定領域検知センサ処理(S208)と同じ処理については、実施例1と同じステップ数を付している。
図51に示すように、実施例2の非特定領域検知センサ処理(S208a)は、実施例1の非特定領域検知センサ処理(S208)に対して、S2415およびS2416の処理が付加されており、これ以外の処理については実施例1と同様となっている。S2415では、V通過予定大当りである「7R第1大当り〜7R第8大当り」の何れかに係る大当り遊技のVラウンド(第1Vラウンド〜第3Vラウンドの何れか)を実行中であるか否かを判定し(S2415)、実行中であれば(S2415でYES)、S2416の処理に移行し、実行中でなければ(S2415でNO)、処理を終了する。
S2416では、VフラグがONか否かを判定し(S2416)、VフラグがONである場合(S2416でYES)、処理を終え、VフラグがONでない場合(S2416でNO)、すなわち、VフラグがOFFである場合、S2413の処理に移行する。Vフラグは、特定領域センサ検知処理(図35)においてセットされ得るフラグであり、Vラウンド中に遊技球が特定領域センサ39aにより検知されること(特定領域39を通過すること)に基づいてONになる。S2416でVフラグがONであると判定した場合、今回の大当り遊技でのVラウンドにて、入球数計数手段による計数値(Vアタッカーへの入球数)が第2所定値(c2)になったことに基づいて、可動片150が2回目の動作(長開放動作パターン)を行って、遊技球が特定領域39を通過したということになる。この場合、当該V通過に基づいて成功演出およびV通過報知演出が行われるので(S4414、S4415)、非特定領域49の通過を契機とする失敗演出を行う必要はない。このため、S2416でVフラグがONであると判定した場合、そのまま処理を終える。
一方、S2416でVフラグがONでない(OFFである)と判定した場合(S2416でNO)、今回のV通過予定大当り(7R第1大当り〜7R第8大当り)でのVラウンド(第1Vラウンド〜第3Vラウンド)において、可動片150の2回目動作(長開放動作パターン)の実行前に、9個の遊技球が非特定領域49を通過する可能性があるので、この場合には、S2413の処理に移行する。これにより、V通過予定大当り(7R第1大当り〜7R第8大当り)での第1Vラウンドまたは第2Vラウンドにおいて、可動片150の2回目動作(長開放動作パターン)の実行前(V通過前)に、9個の遊技球が非特定領域49を通過したことに基づく失敗演出を行うことが可能となる。
[実施例2の作用効果]
以上の実施例2のパチンコ遊技機1では、大当り遊技中にVラウンド(特典決定遊技)が複数回(本例では3回)行われるものとなっている。そして、複数回のVラウンドのうちの少なくとも1回について、可動片150を長開放動作パターン(第2動作態様)で動作させる契機となる所定値(第2所定値)を、大当りの種別に応じて設定するものとなっており、当該所定値を設定するVラウンドや当該所定値として設定する値の一方または両方を、大当り種別に応じて異ならせている。これにより、複数回のVラウンドでの可動片150の動作タイミングにバラツキを持たせることが可能となる。つまり、どのVラウンドで可動片150が長開放動作パターン(第2動作態様)で動作するのかや、どのタイミングで可動片150が長開放動作パターン(第2動作態様)で動作するのかを分かり難くすることが可能となる。この結果、複数回のVラウンドを通じて、遊技球の特定領域通過状況を判別し難くすることが可能となる。
特に、実施例2では、複数回のVラウンドの各々について、可動片150を長開放動作パターン(第2動作態様)で動作させる契機となる所定値(第2所定値)を様々に設定することで、各Vラウンドで、入球数計数手段による計数値(Vアタッカーへの入球数)によって、特定領域39への遊技球の通過可能性が変化し得るものとすることが可能となる。これにより、複数回のVラウンドにおいて、遊技球の特定領域通過状況を判別し難くすることが可能となる。
また、実施例2のパチンコ遊技機1では、大当り遊技中の複数回のVラウンドの各々で、確変獲得を賭けた確変チャンス演出を行うものとなっている。そして、成功演出が行われるまでは、どのVラウンドで可動片150が長開放動作パターン(第2動作態様)で動作するのかや、どのタイミングで可動片150が長開放動作パターン(第2動作態様)で動作して遊技球が特定領域39を通過するのか等が、判別し難いものとなる。これにより、成功演出に対する遊技者の期待感や注目度を効果的に高めることが可能となり、延いては、Vラウンドを含む大当り遊技の演出効果(本例では7R大当り遊技での確変チャンス演出による効果)を高め、当該大当り遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特に、実施例2では、複数回のVラウンドを通じて、可動片150を長開放動作パターン(第2動作態様)で動作させる契機となる所定値(第2所定値)を多様に設定することで、可動片150の動作タイミング(遊技球が特定領域39を通過し得るタイミング)や、可動片150の動作により遊技球の通過が容易となった特定領域39への遊技球の通過に基づく成功演出の実行タイミングを多様に変化させることが可能となる。これにより、実施例2のパチンコ遊技機1では、遊技球の特定領域通過状況をより判別し難くすることが可能となる。
また、実施例2のパチンコ遊技機1では、大当り遊技中の複数回のVラウンドのうち少なくとも2回以上のVラウンドについて、可動片150を長開放動作パターン(第2動作態様)で動作させる契機となる所定値(第2所定値)を設定することで、先のVラウンドにおいて長開放動作パターンで動作するはずの可動片150が動作せず当該Vラウンドが終了してしまったとしても、後のVラウンドで改めて可動片150を長開放動作パターンで動作させてV通過を発生させることが可能となっている。これにより、V通過予定大当りであるにも関わらず、VラウンドでVアタッカーへの入球数が不足する等してV通過せずに大当り遊技が終了してしまうといった状況を生じ難くすることが可能となる。
以上、本発明の実施の形態として実施例1,2を説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することが可能である。
例えば、前述の実施例1,2では、可動片150の動作契機となるVアタッカーへの入球数(入球数計数手段による計数値)として「第1所定値(c1)」と「第2所定値(c2)」を設け、「第1所定値(c1)」を、短開放動作パターン(第1動作態様)での動作タイミングを規定する固定値(実施例では「1」)とし、「第2所定値(c2)」を、長開放動作パターン(第2動作態様)での動作タイミングを規定する変動値(実施例では「2」〜「9」)としていた(図47、図50を参照)。しかしながら、「第1所定値(c1)」を固定値とする必要はなく、「第2所定値(c2)」と同様に変動値としてもよい。
また、前述の実施例1,2では、可動片150の長開放動作パターン(第2動作態様)での動作タイミングを規定する第2所定値(変動値、実施例では「2」〜「9」)だけでなく、短開放動作パターン(第1動作態様)での動作タイミングを規定する第1所定値(固定値、実施例では「1」)についても、大当りの確定の都度(大当り遊技の開始の都度)、大当りの種別(大当り図柄の種類)に応じて設定するものとしていた(S2009)。しかしながら、VラウンドでのVアタッカーへの入球数(入球数計数手段による計数値)が第1所定値(実施例では「1」)となった場合に必ず可動片150を短開放動作パターン(第1動作態様)で動作させることが決まっているのであれば、この固定値に該当する第1所定値については、プログラム上、既定値(デフォルト値)として当初から設定済としておき、S2009では、変動値に該当する第2所定値についてのみ、大当り種別(大当り図柄)に応じて設定するものとしてもよい。
また、前述の実施例1,2では、可動片150が1回のVラウンド(一のVラウンド)で最大2回動作し得るものとなっていたが、3回以上動作し得るものとしてもよい。この場合、例えば、前述した実施例における可動片150の1回目の動作(短開放動作パターン)の回数を2回、3回、4回と増やしたり、V通過予定大当りでの可動片150の2回目の動作(長開放動作パターン)の回数を2回、3回、4回と増やしたり、これら両方の回数を増やしたりすることが考えられる。こうすると、例えば、大当り種別によって、Vラウンドでの可動片150の各動作パターンでの動作回数と、当該動作する回(例えば2回目や3回目など)の動作契機となる所定値(入球数計数手段による計数値)との関係を様々に設定することで、可動片150の動作回数や動作タイミングをより多様にすることが可能となる。これにより、遊技球の特定領域通過状況を一層判別し難くすることが可能となり、Vラウンドを搭載した遊技機の興趣向上を図ることが可能となる。
また、前述の実施例1,2では、Vラウンドでの可動片150の動作パターンとして、可動片150を80ms動作させる短開放動作パターン(特定領域39への遊技球の通過可能性が相対的に低い動作パターン)と、可動片150を3000ms動作させる長開放動作パターン(特定領域39への遊技球の通過可能性が相対的に高くなる動作パターン)との2種類を備えていたが、これより多くの動作パターンを備えるものとしてもよい。例えば、可動片150を500ms動作させるパターン、可動片150を1000ms動作させるパターン、可動片150を2000ms動作させるパターン、可動片150を5000ms動作させるパターンなど、特定領域39への遊技球の通過可能性が更に細かく変化し得る種々の動作パターンを設けることも可能である。この場合、例えば、前述したように、1回のVラウンドでの可動片150の動作回数を増やし、大当り種別と可動片150の動作パターンと当該動作の契機となるVアタッカーへの入球数(入球数計数手段による計数値)との関係を様々に設定することで、可動片150の動作態様や動作タイミングをより多様に設定することが可能となる。
例えば、可動片150の動作パターンとして「動作時間80msのパターンA」、「動作時間500msのパターンB」、「動作時間1000msのパターンC」、「動作時間3000msのパターンD」の4種類があり、大当りの種別として第1大当り、第2大当り、第3大当りの3種類があるとする。このうち、第1大当りでは、入球数計数手段による計数値(Vアタッカーへの入球数)が「1」の場合にパターンA、計数値が「3」の場合にパターンC、計数値が「6」の場合にパターンBで、それぞれ可動片150を動作させるものとする。また、第2大当りでは、同じく計数値が「2」の場合にパターンB、計数値が「4」の場合にパターンC、同じく計数値が「7」の場合にパターンBで、それぞれ可動片150を動作させるものとする。また、第3大当りでは、同じく計数値が「1」の場合にパターンA、計数値が「5」の場合にパターンC、同じく計数値が「9」の場合にパターンDで、それぞれ可動片150を動作させるものとする。
このように、大当りの種別に応じて可動片150の動作パターンや動作タイミング(動作契機となる計数値)を様々な態様で定めることにより、Vラウンド中にVアタッカーに入球した遊技球がV通過する可能性やV通過し得るタイミングを、より多様にすることが可能となる。これにより、Vラウンドでの遊技球の特定領域通過状況を、より一層判別し難くすることが可能となり、Vラウンドを搭載した遊技機の興趣向上を図ることが可能となる。尚、前述の可動片150の動作パターンや可動片150の動作契機となるVアタッカーへの入球数(入球数計数手段による計数値)の設定態様はあくまでも一例であり、種々の態様を採ることが可能である。また、遊技球のV通過可能性を左右する可動片150の動作パターンについて、動作時間だけでなく、例えば、動作回数を考慮することも可能である。
また、前述の実施例1,2では、V通過予定大当りとV未通過予定大当りの双方のVラウンドにおいて、Vアタッカーへの入球数(入球数計数手段による計数値)が「1」となった場合に、可動片150の1回目の動作を短開放動作パターンで行うものとしていたが、V通過予定大当りについては、短開放動作パターンでの可動片150の動作を設けなくてもよい。V通過予定大当りは、VラウンドでのV通過を前提とする大当りだからである。
また、前述の実施例1,2では、1回のVラウンドにつき可動片150が複数回(実施例では最大2回)動作し得るものとなっていたが、1回のVラウンドにつき可動片150の動作回数を1回としてもよい。この場合、例えば、大当り種別に応じて、Vラウンドでの可動片150の動作パターンを、特定領域への遊技球の通過可能性が低い動作パターン(例えば、短開放動作パターン)または特定領域への遊技球の通過可能性が高い動作パターン(例えば、長開放動作パターン)に設定するとともに、各動作について、動作契機となるVアタッカーへの入球数(入球数計数手段による計数値)を設定すればよい。こうすることによっても、前述した実施例1,2と同様に、Vラウンドでの可動片150の動作タイミングにバラツキを持たせることが可能となり、遊技球の特定領域通過状況を判別し難くすることが可能となる。
また、前述の実施例1,2では、大当り遊技のラウンド数として「7R」と「15R」の2種類を有するものとしていたが、ラウンド数はこれに限定されるものではなく、ラウンド数の種類(つまり、大当りの種類)も、3種類以上としてもよく、あるいは、1種類だけとしてもよい。さらに、第1大入賞口30および第2大入賞口35(Vアタッカー)の開放パターンも前述の実施例1,2に限定されるものではなく、例えば、1ラウンドあたりの開放時間や開放回数、各ラウンドで開放させる大入賞口の種類、開放順序等は、種々の態様を採ることが可能である。
また、前述の実施例1,2では、特定領域39への遊技球の通過可能性が相対的に高くなる可動片150の動作パターン(第2動作態様)として、特定領域39を3000ms(3秒)開放させるものとしていたが、これに限定されるものではない。例えば、特定領域39を1秒開放させる動作を3回行う態様や、特定領域39を1秒開放させる動作を1回行った後に2秒開放させる動作を1回行う態様、特定領域39を10秒開放させる動作を1回行う態様、特定領域39をVラウンド終了まで開放させる態様等、種々の態様を採ることが可能である。
また、前述の実施例1,2では、7R大当りに係る大当り遊技演出(特別遊技演出)として「確変チャレンジ演出」や「確変チャンス演出」を行うものとしていたが、当該大当り遊技演出の態様は、前述の実施例1,2に限定されるものではなない。例えば、7R大当りに係る大当り遊技演出として、味方キャラクタと敵キャラクタとが戦う所謂「バトル演出」を行い、当該バトル演出で味方キャラクタが勝利(敵キャラクタが敗北)するシーンを表示することで確変獲得成功を示すものとしてもよい。また、前述の実施例2では、複数回のVラウンドの各々で確変チャンス演出を行うものとしていたが、前述の実施例1のように、複数回のラウンドに跨って一連の演出を行うようにしてもよい。この場合、最終回のVラウンドの終了タイミングに合わせて、確変獲得成功か否か(Vラウンドの結果)を示すようにするのが望ましい。V通過の発生タイミング(可動片150の動作タイミング)が多様に変化し得るからである。
また、前述の実施例1,2では、Vラウンドでの入球数計数手段による計数値が所定値(第1所定値、第2所定値)となったことに基づいて可動片150を動作させるものとしていたが、排出数計数手段による計数値が所定値(第1所定値、第2所定値)となったことに基づいて可動片150を動作させるものとしてもよい。つまり、入球数計数手段による計数値に代えて排出数計数手段による計数値を、可動片150の動作契機となる基準として用いることとしてもよい。VラウンドでのV通過前の排出数計数手段による計数値(つまり、非特定領域検知センサ49aによる遊技球の検知数)は、原則、VラウンドでのV通過前の入球数計数手段による計数値(つまり、第2大入賞口センサ35aによる遊技球の検知数)に等しく、排出数計数手段による計数値(排出数)も、結局は、Vアタッカーへの遊技球の入球数となるからである。尚、排出数計数手段による計数値に基づいて可動片150を動作させる構成とする場合、不正行為によるV通過をより効果的に防止することが可能となる。排出数計数手段による計数の対象となる排出検知センサ(例えば、非特定領域検知センサ49a)は、通常、Vアタッカー(第2大入賞口35)内の遊技球が流下する経路のうち、入球数計数手段による計数の対象となる入球検知センサ(例えば、第2大入賞口センサ35a)よりも下流側(奥側)に設けられるからで、そのような位置関係にある排出検知センサに対しては不正を行い難いからである。
尚、排出数計数手段による計数値が所定値(第1所定値、第2所定値)となったことに基づいて可動片150を動作させる場合、この所定値として設定する値は、Vアタッカーの規定数(例えば「9」)よりも少ない値(「規定数−1」以下)とする。Vラウンドでの排出数計数手段による計数値が規定数となったときには、当該VラウンドでのVアタッカーへの規定数の入球(最後の入球)が既に検知されて、開閉部材37がVアタッカーを閉鎖しており、Vアタッカーへの入球が不能となっているからである。つまり、Vラウンドは終了していることとなり、このような状況下で可動片150を動作させても特定領域39を通過し得る遊技球は存在しないからである。
また、排出数計数手段による計数値が所定値(第1所定値、第2所定値)となったことに基づいて可動片150を動作させる場合、可動片150の動作パターン(動作時間、動作回数等)は、可動片150の動作契機となった遊技球(つまり、排出球)より後にVアタッカーに入球する遊技球が特定領域39に到達するまでの時間や距離等を考慮して設定するのが望ましい。前述した実施例1,2のように、入球数計数手段による計数値が所定値(第1所定値、第2所定値)となったことに基づいて可動片150を動作させる場合、当該動作の契機となった遊技球(つまり、Vアタッカーに入球した遊技球)そのものが特定領域39を通過し得るが、排出数計数手段による計数値が所定値(第1所定値、第2所定値)となったことに基づいて可動片150を動作させる場合、当該動作の契機となった遊技球(排出球)そのものが特定領域39を通過することはないからである。
つまり、排出数計数手段による計数値が所定値(第1所定値、第2所定値)となったことに基づいて可動片150を動作させる場合、当該動作により通過可能となった(開放した)特定領域39を通過し得る遊技球は、当該動作の契機となった遊技球(排出球)よりも後に同じVラウンドでVアタッカーに入球する遊技球(後続遊技球)だからである。よって、排出数計数手段による計数値が所定値(第1所定値、第2所定値)となったことに基づいて可動片150を動作させる場合の可動片150の長開放動作パターン(第2動作態様)は、例えば、前述の実施例1,2よりも長い動作時間(4秒以上)としたり、Vラウンド終了まで動作状態を維持したりするなど、後続遊技球が特定領域39を通過し得る動作パターンとするのが妥当である。一方、短開放動作パターン(第1動作態様)については、前述の実施例1,2と同様、特定領域39への遊技球の通過可能性が低い(実質的に不可能な)態様とすればよい。
また、前述した実施例1,2では、「V通過予定大当り」と「V未通過予定大当り」とを区別して、可動片150が長開放動作パターン(第2動作態様)で動作する契機となる所定値(第2所定値)を「V通過予定大当り」だけに設定するものとしていたが、「V通過予定大当り」と「V未通過予定大当り」とを区別せず、すべての大当りについて、特定領域39への遊技球の通過が可能となる態様で可動片150を動作させる契機となる所定値を設定するものとしてもよい。この場合の可動片150の動作パターンとしては、例えば、前述した実施例1,2と同様の短開放動作パターン(第1動作態様)と、特定領域39への遊技球の通過は可能であるものの前述した実施例1,2の長開放動作パターンに比べて通過し難い動作パターン(第3動作態様)とを設けたり、短開放動作パターン(第1動作態様)を設けずに第3動作態様だけ設けたりすることが可能である。
この場合の第3動作態様としては、例えば、遊技球が特定領域39に到達するタイミングと特定領域39の開放タイミングとが合致するのを、前述した実施例1,2に比べてより限定的とする態様が挙げられる。具体的には、可動片150の動作時間を1秒としたり、0.5秒〜1秒の動作時間による動作(特定領域開放)を複数回(例えば3回)行ったりするなど、特定領域39への遊技球の通過が可能であるものの、その通過が保証(約束)されない態様(通過可能性が100%でない態様)を例示できる。こうすれば、VラウンドでのV通過に対する遊技者の緊張感(ドキドキ感)を増すことが可能となる。尚、この場合、1回のVラウンドでの可動片150の動作契機となる所定値(入球数計数手段や排出数計数手段による計数値)を複数設け、1回のVラウンドで可動片150を複数回動作し得るものとしたり、1回の大当り遊技中にVラウンドを複数回行うものとしたりする等、1回の大当り遊技中に可動片150が第3動作態様で複数回動作し得る構成とするのが望ましい。V通過に対する遊技者の緊張感や期待感を高め、大当り遊技(Vラウンド)のより一層の興趣向上を図れるからである。
また、前述の実施例1,2では、大当り遊技中(特別遊技中)のVラウンドで遊技球が特定領域39を通過したことに基づいて高確率状態を発生させるという遊技上の特典を遊技者に付与するものを例示したが、本発明でいう特典は高確率状態の発生に限られるものではない。例えば、始動口への遊技球の入球頻度を高くする高ベース状態や、識別情報の変動時間を通常より短くする変動時間短縮状態(時短状態)等、遊技者に何らかの利益を付与するものであれば、その特典の内容(種類)は問わない。また、遊技球が特定領域を通過したことに基づいて、一の特典を付与するものであっても複数の特典を付与するものであってもよい。
また、前述の実施例1,2では、遊技球が特定領域を通過したことに基づいて確変カウンタにセットする値を「200」とし、高確率状態での特別図柄当否判定の実行回数が「200」になると、次回以降の特別図柄当否判定が低確率状態で行われることとなる仕様、すなわち、次回大当り発生まで高確率状態が保証されるとは限らない仕様の遊技機(所謂「V確ST機」)としていたが、確変カウンタにセットする値は、遊技機の仕様(スペック)に応じて適宜設定することが可能である。例えば、遊技球が特定領域を通過したことに基づいて高確率状態を発生させるにあたり、確変カウンタに「10000」をセットして、特別図柄当否判定の実行回数が10,000回になるまで、換言すると、実質的に次回の大当りが発生するまで、高確率状態が保証される仕様(所謂「V確ループ機」)に本発明を適用することも可能である。あるいは、確変カウンタの他に、例えば、高確率状態での大当りの発生回数を計数するカウンタ(大当りカウンタ)を設け、大当り発生回数(大当りカウンタのカウント値)が所定回数(例えば「5」)になると、その所定回数目(例えば「5回目」)の大当りに係る大当り遊技の終了後は必ず(強制的に)低確率状態になる仕様の遊技機(所謂「V確セット機」)に本発明を適用することも可能である。
また、前述の実施例1,2では、第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)を第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して行う構成(いわゆる「優先消化」、「優先変動」)としていたが、これに限定されるものではない。例えば、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)と第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)を始動入球順に行う構成や、第1特図保留の消化と第2特図保留の消化とを並行して行う構成(いわゆる「同時消化」、「同時変動」)としてもよい。また、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)を第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)に優先して行う構成としてもよい。
[その他]
以下、本発明および本発明に関連する他の発明(関連発明)について参考的に開示しておく。
(1−1)始動口への遊技球の入球に基づいて識別情報を変動表示する識別情報表示手段と、
前記識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
開放することで遊技球が入球可能となる可変入球口と、
前記可変入球口に入球した遊技球の少なくとも1個が所定の特定領域を通過したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、
前記特別遊技中の所定時期に前記可変入球口を開放させ、前記特定領域への遊技球の通過有無に基づいて前記特典を付与するか否かが決定される特典決定遊技を実行する特典決定遊技実行手段と、
前記可変入球口に入球した遊技球を検知可能な遊技球検知手段と、
前記遊技球検知手段により検知された遊技球の数を計数する計数手段と、
を備え、
前記遊技球検知手段により検知された遊技球は、前記特定領域または前記特定領域以外の領域を通過するもので、
前記特典決定遊技での前記計数手段による計数値によって、前記特定領域への遊技球の通過可能性が変化し得る
ことを特徴とする遊技機。
(1−2)上記(1−1)の遊技機において、
前記特典決定遊技での前記計数値が所定の第1計数値である場合の前記通過可能性は、前記特典決定遊技での前記計数値が前記第1計数値よりも大きい所定の第2計数値である場合に比べて低い
ことを特徴とする遊技機。
(1−3)上記(1−2)の遊技機において、
前記特定態様は複数種設けられており、
前記識別情報は、前記特定態様で停止表示する場合、前記複数種の特定態様のうちの何れかで停止表示し、
前記第1計数値および前記第2計数値のうち、少なくとも前記第2計数値は前記識別情報が前記特定態様で停止表示する場合の当該特定態様の種類によって変動し得る値である
ことを特徴とする遊技機。
(1−4)上記(1−1)ないし(1−3)の何れか一つの遊技機において、
前記特典決定遊技は、前記特別遊技中に複数回実行される
ことを特徴とする遊技機。
(1−5)上記(1−1)ないし(1−4)の何れか一つの遊技機において、
前記可変入球口に入球した遊技球を前記特定領域に誘導可能な可動部材を備え、
前記可動部材は、前記特典決定遊技での前記計数値に基づいて動作可能であり、
前記特典決定遊技にて前記可動部材が動作する場合の当該動作態様によって、前記特定領域への遊技球の通過可能性が変化し得る
ことを特徴とする遊技機。
(1−6)上記(1−5)の遊技機において、
1回の前記特典決定遊技において前記可動部材の動作契機となる前記計数値が複数存在する
ことを特徴とする遊技機。
(1−7)上記(1−5)または(1−6)の遊技機において、
前記可変入球口には、予め定められた規定数の遊技球が入球可能となっており、
前記可動部材は、前記特典決定遊技での前記計数値が前記規定数になることに基づいて動作可能であり、
前記可動部材の動作後、前記特定領域への遊技球の通過に基づいて特定演出を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
(2−1)始動口への遊技球の入球に基づいて識別情報を変動表示する識別情報表示手段と、
前記識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
開放することで遊技球が入球可能となる可変入球口と、
前記可変入球口に入球した遊技球を特定領域に誘導可能な可動部材と、
前記可変入球口に入球した遊技球の少なくとも1個が前記特定領域を通過したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、
前記特別遊技中の所定時期に前記可変入球口を開放させ、前記特定領域への遊技球の通過有無に基づいて前記特典を付与するか否かが決定される特典決定遊技を実行する特典決定遊技実行手段と、
前記可変入球口に入球した遊技球を検知可能な遊技球検知手段と、
前記遊技球検知手段により検知された遊技球の数を計数する計数手段と、
を備えた遊技機であって、
前記可動部材は、前記特典決定遊技にて前記計数手段による計数値が所定値になることに基づいて動作可能であり、
前記所定値として設定可能な値を複数記憶する値記憶手段と、
前記特別遊技の実行に際し、前記値記憶手段に記憶されている複数の値の中から選択される値を前記所定値として設定する所定値設定手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
(2−2)上記(2−1)の遊技機において、
前記特定態様は複数種設けられており、
前記識別情報は、前記特定態様で停止表示する場合、前記複数種の特定態様のうちの何れかで停止表示し、
前記複数の値は、前記複数種の特定態様に応じて予め定められており、
前記所定値設定手段は、前記識別情報が前記特定態様で停止表示する場合の当該特定態様の種類に基づいて前記複数の値の中から選択される値を、前記所定値として設定する
ことを特徴とする遊技機。
(2−3)上記(2−1)または(2−2)の遊技機において、
前記特典決定遊技は、前記特別遊技中に複数回実行されるもので、
前記所定値設定手段は、前記特別遊技中に行われる複数回の前記特典決定遊技のうち少なくとも1回の特典決定遊技について前記所定値を設定可能である
ことを特徴とする遊技機。
(2−4)上記(2−1)ないし(2−3)の何れか一つの遊技機において、
1回の前記特典決定遊技につき前記所定値が複数存在する場合、前記可動部材は、前記特典決定遊技にて前記計数手段による計数値が前記複数の所定値の各々になる毎に動作するもので、
前記所定値設定手段は、前記複数の所定値のうちの少なくとも一つを設定する
ことを特徴とする遊技機。
(3−1)始動口への遊技球の入球に基づいて識別情報を変動表示する識別情報表示手段と、
前記識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
開放することで遊技球が入球可能となる可変入球口と、
前記可変入球口に入球した遊技球を特定領域に誘導可能な可動部材と、
前記可変入球口に入球した遊技球の少なくとも1個が前記特定領域を通過したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、
前記特別遊技中の所定時期に前記可変入球口を開放させ、前記特定領域への遊技球の通過有無に基づいて前記特典を付与するか否かが決定される特典決定遊技を実行する特典決定遊技実行手段と、
前記可変入球口に入球した遊技球を検知可能な遊技球検知手段と、
前記遊技球検知手段により検知された遊技球の数を計数する計数手段と、
を備え、
前記可動部材は、前記特典決定遊技にて前記計数手段による計数値が所定値になることに基づいて動作するもので、
前記所定値が変化し得るように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
(3−2)上記(3−1)の遊技機において、
前記特定態様は複数種設けられており、
前記識別情報は、前記特定態様で停止表示する場合、前記複数種の特定態様のうちの何れかで停止表示し、
前記識別情報が前記特定態様で停止表示する場合の当該特定態様の種類によって前記所定値が変化し得る
ことを特徴とする遊技機。
(3−3)上記(3−1)または(3−2)の遊技機において、
前記特典決定遊技は、前記特別遊技中に複数回実行されるもので、
前記特別遊技中に行われる複数回の前記特典決定遊技の各々で前記所定値が変化し得る
ことを特徴とする遊技機。
(3−4)上記(3−1)ないし(3−3)の何れか一つの遊技機において、
1回の前記特典決定遊技につき前記所定値が複数存在する場合、前記特典決定遊技での前記計数手段による計数値が前記複数の所定値の各々になる毎に前記可動部材が動作し、前記複数の所定値のうちの少なくとも一つが変化し得る
ことを特徴とする遊技機。
(4−1)始動口への遊技球の入球に基づいて識別情報を変動表示する識別情報表示手段と、
前記識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
開放することで遊技球が入球可能となる可変入球口と、
前記可変入球口に入球した遊技球を特定領域に誘導可能な可動部材と、
前記可変入球口に入球した遊技球の少なくとも1個が前記特定領域を通過したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、
前記特別遊技中の所定時期に前記可変入球口を開放させ、前記特定領域への遊技球の通過有無に基づいて前記特典を付与するか否かが決定される特典決定遊技を実行する特典決定遊技実行手段と、
前記可変入球口に入球した遊技球を検知可能な遊技球検知手段と、
前記遊技球検知手段により検知された遊技球の数を計数する計数手段と、
を備え、
前記可動部材は、前記特典決定遊技での前記計数手段による計数値に基づいて動作可能であり、
前記可動部材が動作する際の動作態様が前記計数値によって変化し得る
ことを特徴とする遊技機。
(4−2)上記(4−1)の遊技機において、
前記可動部材の動作態様として、少なくとも、第1動作態様と、該第1動作態様よりも前記特定領域への遊技球の通過可能性が高くなる第2動作態様とを有する
ことを特徴とする遊技機。
(4−3)上記(4−2)の遊技機において、
前記特典決定遊技での前記計数値が所定の第1計数値となったことに基づいて前記可動部材が動作する場合の当該動作態様は前記第1動作態様となり、
前記特典決定遊技での前記計数値が前記第1計数値よりも大きい所定の第2計数値となったことに基づいて前記可動部材が動作する場合の当該動作態様は前記第2動作態様となる
ことを特徴とする遊技機。
(4−4)上記(4−1)ないし(4−3)の何れか一つの遊技機において、
前記特定態様は複数種設けられており、
前記識別情報は、前記特定態様で停止表示する場合、前記複数種の特定態様のうちの何れかで停止表示し、
前記識別情報が前記特定態様で停止表示する場合の当該特定態様の種類によって、前記可動部材の動作契機となる前記計数値が変動し得る
ことを特徴とする遊技機。
(5−1)始動口への遊技球の入球に基づいて識別情報を変動表示する識別情報表示手段と、
前記識別情報が特定態様で停止表示したことに基づいて特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
開放することで遊技球が入球可能となる可変入球口と、
前記可変入球口に入球した遊技球を特定領域に誘導可能な可動部材と、
前記可変入球口に入球した遊技球の少なくとも1個が前記特定領域を通過したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、
前記特別遊技中の所定時期に前記可変入球口を開放させ、前記特定領域への遊技球の通過有無に基づいて前記特典を付与するか否かが決定される特典決定遊技を実行する特典決定遊技実行手段と、
前記可変入球口に入球した遊技球を検知可能な遊技球検知手段と、
前記遊技球検知手段により検知された遊技球の数を計数する計数手段と、
を備え、
前記可動部材は、前記特典決定遊技にて前記計数手段による計数値が所定値になることに基づいて動作可能であり、
前記可動部材の動作後に、前記特定領域への遊技球の通過有無に基づく特定演出を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
(5−2)上記(5−1)の遊技機において、
前記所定値は変化し得る値である
ことを特徴とする遊技機。
(5−3)上記(5−2)の遊技機において、
前記特定態様は複数種設けられており、
前記識別情報は、前記特定態様で停止表示する場合、前記複数種の特定態様のうちの何れかで停止表示し、
前記識別情報が前記特定態様で停止表示する場合の当該特定態様の種類によって前記所定値は変化し得る
ことを特徴とする遊技機。
(5−4)上記(5−1)ないし(5−3)の何れか一つの遊技機において、
前記可変入球口には、予め定められた規定数の遊技球が入球可能となっており、
前記所定値として前記規定数を設定可能であり、
前記特典決定遊技にて前記計数手段による計数値が前記規定数となったことに基づいて前記可動部材が動作した場合、前記規定数目の遊技球が前記特定領域を通過し得る
ことを特徴とする遊技機。
(5−5)上記(5−1)ないし(5−4)の何れか一つの遊技機において、
前記特定演出の実行前に行われる演出であって、前記特定演出に繋がる所定の特定前演出を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。