昨今、圧接コネクタに対しては、2mm×2mm以下の搭載面積の圧接コネクタが求められている。しかしながら、特許文献1に記載の圧接コネクタ900は、スパイラル状接触子902が二重螺旋状に形成されているため、搭載面積を小さくしにくい形状である。また、仮にスパイラル状接触子902の幅を細くして搭載面積を小さくしたとしても、電気的な安定した接続を得るに十分な弾性力を確保できない恐れがあった。
本発明は、上述した課題を解決して、搭載面積の小型化を図ることができるととともに、大きな弾性力を得ることができる圧接コネクタを提供するものである。
本発明の圧接コネクタは、水平方向に沿って平板状に延設された上側平板部と、水平方向に沿って平板状に延設され、前記上側平板部の下方に配置された下側平板部と、前記上側平板部の一端部と前記下側平板部の一端部とを連結し、上下方向に弾性を備えた第1バネ部と、前記上側平板部の他端部と前記下側平板部の他端部の少なくとも一方に連設され他方に向かって延設されるとともに、上下方向に弾性を備え、前記上側平板部に弾発力を付与する第2バネ部と、を有し、上方から平面視したときに、前記第1バネ部と前記第2バネ部とは、前記上側平板部を中心として同一方向へ巻回されるとともに、上下方向へ動作した場合に互いに干渉しないように延設された圧接コネクタであって、前記第1バネ部は、前記上側平板部および前記下側平板部に対して折り曲げ形成され、上下方向の幅寸法が水平方向の厚み寸法よりも大きく、前記第2バネ部は、前記上側平板部と前記下側平板部の少なくとも一方に対して折り曲げ形成され、上下方向の幅寸法が水平方向の厚み寸法よりも大きい、ことを特徴とする。
これにより、第1バネ部の板厚方向および第2バネ部の板厚方向が水平方向となるように形成することで、水平方向における小型化を図れる。また、側方から見た場合に、第1バネ部および第2バネ部が巻回される方向に対する第1バネ部および第2バネ部の幅寸法を大きくとることができるため、大きな弾性力を得ることができる。したがって、搭載面積の小型化を図ることができるととともに、大きな弾性力を得ることができる圧接コネクタを提供することができる。
本発明の圧接コネクタは、前記上側平板部は、上下方向に沿って延設される上側板部および前記上側板部の下側に連結され水平方向における一の方向に沿って延設される中間板部からなるL字形状部を有する金属板の前記上側板部を前記水平方向における方向であって前記一の方向と直交する他の方向に沿って延設されるように折り曲げて形成され、前記第1バネ部または第2バネ部は、前記L字形状部を有する前記金属板の前記中間板部を前記上下方向に沿って設定される仮想中心線の周囲を巻回するように折り曲げて形成された、ことを特徴とする。
これにより、水平方向における一の方向に沿って延設されるL字形状部を有する金属板の上側板部を水平方向における他の方向に沿って延設されるように折り曲げて形成することで、上側平板部を1回の折り曲げで容易に構成することができる。
本発明の圧接コネクタは、前記下側平板部は、上下方向に沿って延設される下側板部および前記下側板部の上側に連結され水平方向における一の方向に沿って延設される中間板部からなるL字形状部を有する金属板の前記下側板部を前記水平方向における方向であって前記一の方向と直交する他の方向に沿って延設されるように折り曲げて形成され、前記第1バネ部または第2バネ部は、前記L字形状部を有する前記金属板の前記中間板部を前記上下方向に沿って設定される仮想中心線の周囲を巻回するように折り曲げて形成されたことを特徴とする。
これにより、水平方向における一の方向に沿って延設されるL字形状部を有する金属板の下側板部を水平方向における他の方向に沿って延設されるように折り曲げて形成することで、下側平板部を1回の折り曲げで容易に構成することができる。
また、本発明の圧接コネクタは、前記第1バネ部は前記下側平板部の一端部から上方へ突出し、前記下側平板部の上側で巻回されるように折り曲げられ、前記第2バネ部は前記上側平板部の他端部と前記下側平板部の他端部の一方から他方に向かって突出し、前記下側平板部の上側で巻回されるように折り曲げられている、ことを特徴とする。
これにより、上方から平面視した場合に、少なくとも下側平板部の一端部および下側平板部の他端部においては、下側平板部は第1バネ部および第2バネ部からはみ出さないため、搭載面積を小さくすることができる。
また、本発明の圧接コネクタは、前記下側平板部には、前記第1バネ部および前記第2バネ部を避けた個所に、上方へ延出するように形成されたストッパ部が連設され、前記ストッパ部の高さ寸法は、前記下側平板部から連設される前記第1バネ部および前記第2バネ部のそれぞれの根本部の高さ寸法以上、かつ前記第1バネ部および前記第2バネ部のそれぞれの上下方向の幅寸法以上である、ことを特徴とする。
これにより、上下方向の変位量を制限することができ、第1バネ部および第2バネ部の破損を防止することができる。
また、本発明の圧接コネクタは、前記ストッパ部は、前記第1バネ部および前記第2バネ部の外側に設けられている、ことを特徴とする。
これにより、ストッパ部を第1バネ部および第2バネ部の外側に設けることで、指などが側方から接触し第1バネ部および第2バネ部が破損するのを防止することができる。また、第1バネ部および第2バネ部が上下方向に伸縮する際のガイドとして機能させることができる。
また、本発明の圧接コネクタは、前記第1バネ部および前記第2バネ部の上下方向の幅寸法は、下側から上側へ向うに従って全体的に小さくなるようにした、ことを特徴とする。
これにより、第1バネ部および第2バネ部の上下方向の幅寸法を、下側から上側に向かうに従って小さくなるようにすることで、安定した電気的な接続をするために必要な弾性力を確保できるとともに、第1バネ部および第2バネ部のストロークを長くすることができる。なお、下側から上側に向かって全体的に小さくなっていればよく、部分的に幅が大きくなっているものも含まれる。
また、本発明の圧接コネクタは、前記上側平板部の下側に前記第2バネ部から延設された補助上側平板部を備えた、ことを特徴とする。
これにより、上側平板部を補助上側平板部の上方に重ねて配置する構成とすることで、上側平板部に付加された押圧力は第1バネ部および第2バネ部に均等に加わるため、押圧された際に第1バネ部および第2バネ部は傾きにくく、所定の弾性力を確保できるとともに、傾くことによる変形などの不具合も発生しにくくすることができる。
また、本発明の圧接コネクタは、前記上側平板部と前記補助上側平板部とは、接触可能に上下方向に離間して配置されている、ことを特徴とする。
これにより、上側平板部と補助上側平板部とを離間して配置することで、圧接コネクタの形状を形成後に、メッキ処理などの表面処理を行った場合に、上側平板部の下面および補助上側平板部の上面にも表面処理が施されるので、腐食の発生を防止することができる。
また、本発明の圧接コネクタの製造方法は、1枚の金属板から、下側平板部と、前記下側平板部の一端部から延設される第1バネ部と、前記第1バネ部から延設される上側平板部と、前記下側平板部の他端部から延設される第2バネ部と、からなる打抜体を一体の平板状に形成する打抜工程と、前記打抜工程の後に、前記第1バネ部を巻回するように折り曲げて形成する第1巻回工程と、前記打抜工程の後に、前記第2バネ部を巻回するように折り曲げて形成する第2巻回工程と、前記第2巻回工程の後に、前記第2バネ部を前記下側平板部に対して立設するように折り曲げる第2折曲工程と、前記第1巻回工程および前記第2折曲工程の後に、前記第2バネ部に干渉しないように、前記第1バネ部を前記下側平板部に対して立設するように折り曲げる第1折曲工程と、からなる、ことを特徴とする。
これにより、圧接コネクタを、1枚の金属板から形成することができ、部品点数を削減することができる。
また、本発明の圧接コネクタは、水平方向に沿って平板状に延設された上側平板部と、水平方向に沿って平板状に延設され、前記上側平板部の下方に配置された下側平板部と、前記上側平板部の一端部と前記下側平板部の一端部とを連結し、上下方向に弾性を備えたバネ部を有する圧接コネクタであって、前記バネ部は、前記上側平板部および前記下側平板部に対して折り曲げ形成され、上下方向の幅寸法が水平方向の厚み寸法よりも大きい、ことを特徴とする。
これにより、バネ部の板厚方向が水平方向となるように形成することで、水平方向における小型化を図れる。また、側方から見た場合に、第1バネ部および第2バネ部が巻回される方向に対するバネ部の幅寸法を大きくとることができるため、大きな弾性力を得ることができる。したがって、搭載面積の小型化を図ることができるととともに、大きな弾性力を得ることができる圧接コネクタを提供することができる。
また、本発明の圧接コネクタは、前記上側平板部は、上下方向に沿って延設される上側板部および前記上側板部の下側に連結され水平方向における一の方向に沿って延設される中間板部からなるL字形状部を有する金属板の前記上側板部を前記水平方向における方向であって前記一の方向と直交する他の方向に沿って延設されるように折り曲げて形成され、前記バネ部は、前記L字形状部を有する前記金属板の前記中間板部を前記上下方向に沿って設定される仮想中心線の周囲を巻回するように折り曲げて形成された、ことを特徴とする。
これにより、水平方向における一の方向に沿って延設されるL字形状部を有する金属板の上側板部を水平方向における他の方向に沿って延設されるように折り曲げて形成することで、上側平板部を1回の折り曲げで容易に構成することができる。
また、本発明の圧接コネクタは、前記下側平板部は、上下方向に沿って延設される下側板部および前記下側板部の上側に連結され水平方向における一の方向に沿って延設される中間板部からなるL字形状部を有する金属板の前記下側板部を前記水平方向における方向であって前記一の方向と直交する他の方向に沿って延設されるように折り曲げて形成され、前記バネ部は、前記L字形状部を有する前記金属板の前記中間板部を前記上下方向に沿って設定される仮想中心線の周囲を巻回するように折り曲げて形成された、ことを特徴とする。
これにより、水平方向における一の方向に沿って延設されるL字形状部を有する金属板の下側板部を水平方向における他の方向に沿って延設されるように折り曲げて形成することで、下側平板部を1回の折り曲げで容易に構成することができる。
また、本発明の圧接コネクタは、前記下側平板部には、前記バネ部を避けた個所に、上方へ延出するように形成されたストッパ部が連設された、ことを特徴とする。
これにより、ストッパ部が連接されることで、上下方向の変位量を制限することができ、バネ部の破損を防止することができる。
また、本発明の圧接コネクタは、前記ストッパ部の高さ寸法は、前記下側平板部から連設される前記バネ部のそれぞれの根本部の高さ寸法以上、かつ前記バネ部の上下方向の幅寸法以上である、ことを特徴とする。
これにより、ストッパ部の高さ寸法を根本部の高さ寸法以上、かつバネ部の上下方向の幅寸法以上とすることで、バネ部が弾性変形する範囲内で上下方向の変位量を制限することができ、バネ部の破損をより確実に防止することができる。
また、本発明の圧接コネクタは、前記ストッパ部は、前記バネ部の外側に設けられている、ことを特徴とする。
これにより、ストッパ部をバネ部の外側に設けることで、指などが側方から接触しバネ部が破損するのを防止することができる。また、バネ部が上下方向に伸縮する際のガイドとして機能させることができる。
また、本発明の圧接コネクタは、前記バネ部の上下方向の幅寸法は、下側から上側へ向うに従って全体的に小さくなるようにした、ことを特徴とする。
これにより、バネ部の上下方向の幅寸法を、下側から上側に向かうに従って小さくなるようにすることで、安定した電気的な接続をするために必要な弾性力を確保できるとともに、バネ部のストロークを長くすることができる。なお、下側から上側に向かって全体的に小さくなっていればよく、部分的に幅が大きくなっているものも含まれる。
また、本発明の圧接コネクタの製造方法は、1枚の金属板から、水平方向に延設される中間板部と、前記中間板部の一端部に上側に向かって連設される上側板部と、前記中間板部の他端部に下側に向かって連設される下側板部とからなるクランク状打抜部を一体の平板状に形成する打抜工程と、前記打抜工程の後に、前記上側板部を折り曲げて上側平板部を形成する上側平板部形成工程と、前記打抜工程の後に、前記下側板部を折り曲げて下側平板部を形成する下側平板部形成工程と、前記打抜工程の後に、前記中間板部を巻回するように折り曲げてバネ部を形成するバネ部形成工程と、を有する、ことを特徴とする。
これにより、圧接コネクタを、1枚の金属板から形成することができ、部品点数を削減することができる。
本発明によれば、搭載面積の小型化を図ることができるととともに、大きな弾性力を得ることができる圧接コネクタを提供することができる。
[第1実施形態]
以下に第1実施形態における圧接コネクタについて説明する。
まず始めに第1実施形態における圧接コネクタ1の構成について図1ないし図3を用いて説明する。図1は第1実施形態における圧接コネクタ1の外観を示す斜視図である。図2は第1実施形態における圧接コネクタ1を示す図であり、図2(a)は図1に記載のZ1方向側から見た状態の圧接コネクタ1を示す平面図であり、図2(b)は図1に記載のY2方向側から見た状態の圧接コネクタ1を示す側面図である。図3は第1実施形態における圧接コネクタ1を示す図であり、図3(a)は図2(a)に記載の断面線A−Aで切断した断面を示す断面図であり、図3(b)は図2(a)に記載の断面線B−Bで切断した断面を示す断面図である。
圧接コネクタ1は、図1に示すように、上下方向(Z1−Z2方向)に沿って延設される上側板部1kおよび上側板部1kの下側に連結され水平方向における第1方向(X1−X2方向、上側板部1kに対する一の方向)に沿って延設される中間板部1mからなるL字形状部1nと、上下方向に沿って延設される下側板部1pおよび下側板部1pの上側に連結され水平方向における第2方向(Y1−Y2方向、下側板部1pに対する一の方向)に沿って延設される中間板部1mからなるL字形状部1nと、を有する金属板からなる。また、圧接コネクタ1は、上側板部1kを水平方向における方向であって第1方向(上側板部1kに対する一の方向)と直交する他の方向(第2方向)に沿って延設されるように折り曲げて形成された上側平板部1aと、下側板部1pを水平方向における方向であって第2方向(下側板部1pに対する一の方向)と直交する他の方向(第1方向)に沿って延設されるように折り曲げて形成された下側平板部1bと、を有している。すなわち、圧接コネクタ1は、X1−X2方向およびY1−Y2方向が含まれる水平方向に沿って平板状に延設された上側平板部1aと、水平方向に沿って平板状に延設され、上側平板部1aの下方に配置された下側平板部1bと、を有している。なお、上側平板部1aと下側平板部1bとは、図2に示すように、圧接コネクタ1を上方(Z1方向側)から平面視したときに、上側平板部1aが下側平板部1bの中央部付近に重なる位置となるように配置されている。
また、第1バネ部1cまたは第2バネ部1dは、L字形状部1nを有する金属板の中間板部1mを上下方向に沿って設定される仮想中心線の周囲を巻回するように折り曲げて形成され、上側板部1kから延設された中間板部1mと、下側板部1pから延設された中間板部1mと、は連結され一体に形成されている。なお、第1実施形態においては、第1バネ部1cおよび第2バネ部1dは、上側板部1kから延設された中間板部1mと、下側板部1pから延設された中間板部1mと、が上下方向に沿って設定される仮想中心線の周囲を巻回するように折り曲げて形成されるとともに、連結され一体に形成されている。すなわち、圧接コネクタ1は、上側平板部1aの一端部(Y1方向側端部)と下側平板部1bの一端部(X1方向側端部)とを連結し、上下方向に弾性を備えた第1バネ部1cと、上側平板部1aの他端部(Y2方向側端部)または下側平板部1bの他端部(X2方向側端部)の少なくとも一方から他方に向かって延設されるとともに、上下方向に弾性を備え、上側平板部1aに弾発力を付与する第2バネ部1dと、を有している。なお、第1実施形態においては、第2バネ部1dは下側平板部1bの他端部から上方へ延設されている。また、第1実施形態においては、圧接コネクタ1を上方から平面視したときに、第1バネ部1cと第2バネ部1dとは、上側平板部1aを中心として同一方向へ巻回されるとともに、上下方向へ動作した場合に互いに干渉しないように延設されている。なお、第1バネ部1cと第2バネ部1dは、上下方向へ動作したときに、互いに摺接するようになっていてもよく、上下方向の動作が妨げられないようになっていればよい。
また、上側平板部1aの下側には補助上側平板部1hが配置され、上側平板部1aは第1バネ部1cから延設され、補助上側平板部1hは第2バネ部1dから延設され、上側平板部1aは補助上側平板部1hの上方に配置されている。なお、上側平板部1aと補助上側平板部1hとは、接触可能に上下方向に離間して配置されている。また、第1実施形態においては、第2バネ部1dの上方側(Z1方向側)の端部は補助上側平板部1hの他端部(Y2方向側端部)に連結されている。第1バネ部1cは、上側平板部1aおよび下側平板部1bに対して折り曲げ形成され、第1バネ部1cは下側平板部1bの一端部(X1方向側のY1方向寄りの位置)から上方へ突出し、下側平板部1bの上側で巻回されるように折り曲げられている。また、第2バネ部1dは、上側平板部1aと下側平板部1bの少なくとも一方に対して折り曲げ形成されていればよく、第1実施形態においては、上側平板部1aおよび下側平板部1bに対して折り曲げ形成され、補助上側平板部1hの他端部と下側平板部1bの他端部の一方(X2方向側のY2方向寄りの位置)から他方に向かって突出し、下側平板部1bの上側で巻回されるように折り曲げられている。
また、第1バネ部1cおよび第2バネ部1dは、上下方向の幅寸法Wが水平方向の厚み寸法Tよりも大きく形成されており、第1バネ部1cおよび第2バネ部1dの上下方向の幅寸法Wは、下側から上側へ向うに従って全体的に小さくなるようにした。例えば、第1バネ部1cの上下方向の幅寸法Wは、図3に示すW11、W12、W13、W14のように、場所によって異なっている。W11、W12、W13、W14を下側(下側平板部1b)に近い箇所順に並べると、W11、W12、W13、W14の順番であり、大小関係を示すと、W11>W12>W13>W14である。また、第2バネ部1dにおいても上下方向の幅寸法Wは、W21、W22、W23、W24のように、場所によって異なっている。W21、W22、W23、W24を下側(下側平板部1b)に近い箇所順に並べると、W21、W22、W23、W24の順番であり、大小関係を示すと、W21>W22>W23>W24である。また、下側平板部1bには、図2に示すように、第1バネ部1cおよび第2バネ部1dを避けた個所に、上方へ延出するように形成されたストッパ部1eが連設されている。ストッパ部1eは、第1バネ部1cおよび第2バネ部1dの外側に設けられており、図2においては、ストッパ部1eは、下側平板部1bのY1方向側端部のX2方向寄りの位置と、Y2方向側端部のX1方向寄りの位置と、に設けられている。ストッパ部1eの高さ寸法Hは、下側平板部1bにおける第1バネ部1cおよび第2バネ部1dの根本部1fの高さ寸法h以上または上下方向の幅寸法以上である。なお、第1実施形態の圧接コネクタ1においては、高さ寸法Hと高さ寸法hとは同じ寸法としている。
次に圧接コネクタ1の動作について図4を用いて説明する。図4は第1実施形態における圧接コネクタ1の動作説明用の模式図であり、図4(a)は初期状態における圧接コネクタ1の状態を示す模式断面図であり、図4(b)は動作状態における圧接コネクタ1の状態を示す模式断面図である。
圧接コネクタ1が実際に使用される場合には、図4に示すように、搭載される電子機器の回路基板の配線パターンPT1と異なる回路基板の配線パターンPT2との接続などに用いられる。以下の説明においては、圧接コネクタ1は配線パターンPT1上に配置され、配線パターンPT2が圧接コネクタ1の上方に重ねて配置される場合について説明するが、このような使用方法に限定するものではない。
配線パターンPT1の上に配置された圧接コネクタ1は、下側平板部1bが配線パターンPT1に接触するように配置され、圧接コネクタ1と配線パターンPT1とは電気的に接続されている。圧接コネクタ1は、配線パターンPT2が上方に配置されていない初期状態においては、図4(a)に示すように、第1バネ部1cおよび第2バネ部1dの弾性力により、上側平板部1aが上方へ突出している。また、上側平板部1aと補助上側平板部1hとは離間している。
配線パターンPT2が上方に配置されると、圧接コネクタ1は、図4(b)に示すように、上側平板部1aと補助上側平板部1hとが接触し、第1バネ部1cを第2バネ部1dを補助した状態で下方(Z2方向)へ撓む。このとき、圧接コネクタ1と配線パターンPT2とは圧接し、圧接コネクタ1と配線パターンPT2とは電気的に安定して接続される。すなわち、圧接コネクタ1を介して、配線パターンPT1が設けられた配線基板と配線パターンPT2が設けられた配線基板とが電気的に接続される。
以下、第1実施形態としたことによる効果について説明する。
第1実施形態の圧接コネクタ1においては、水平方向に沿って平板状に延設された上側平板部1aと、水平方向に沿って平板状に延設され、上側平板部1aの下方に配置された下側平板部1bと、上側平板部1aの一端部と下側平板部1bの一端部とを連結し、上下方向に弾性を備えた第1バネ部1cと、上側平板部1aの他端部と下側平板部1bの他端部の少なくとも一方から他方へ向って延設されるとともに、上下方向に弾性を備え、上側平板部1aに弾発力を付与する第2バネ部1dと、を有し、上方から平面視したときに、第1バネ部1cと第2バネ部1dとは、上側平板部1aを中心として同一方向へ巻回されるとともに、上下方向へ動作した場合に互いに干渉しないように延設された圧接コネクタであって、第1バネ部1cは、上側平板部1aおよび下側平板部1bに対して折り曲げ形成され、上下方向の幅寸法Wが水平方向の厚み寸法Tよりも大きく、第2バネ部1dは、上側平板部1aと下側平板部1bの少なくとも一方に対して折り曲げ形成され、上下方向の幅寸法Wが水平方向の厚み寸法Tよりも大きい、ことを特徴とする。
これにより、第1バネ部1cの板厚方向および第2バネ部1dの板厚方向が水平方向となるように形成することで、水平方向における小型化を図れる。また、側方から見た場合に、第1バネ部1cおよび第2バネ部1dが巻回される方向に対する第1バネ部1cおよび第2バネ部1dの幅寸法を大きくとることができるため、大きな弾性力を得ることができる。したがって、搭載面積の小型化を図ることができるととともに、大きな弾性力を得ることができる圧接コネクタを提供することができる。
また、第1実施形態の圧接コネクタ1においては、上側平板部1aは、上下方向に沿って延設される上側板部1kおよび上側板部1kの下側に連結され水平方向における一の方向に沿って延設される中間板部1mからなるL字形状部1nを有する金属板の上側板部1kを水平方向における方向であって一の方向と直交する他の方向に沿って延設されるように折り曲げて形成され、第1バネ部1cまたは第2バネ部1dは、L字形状部1nを有する金属板の中間板部1mを上下方向に沿って設定される仮想中心線の周囲を巻回するように折り曲げて形成されたことを特徴とする。
これにより、水平方向における一の方向に沿って延設されるL字形状部1nを有する金属板の上側板部1kを水平方向における他の方向に沿って延設されるように折り曲げて形成することで、上側平板部1aを1回の折り曲げで容易に構成することができる。
また、第1実施形態の圧接コネクタ1においては、下側平板部1bは、上下方向に沿って延設される下側板部1pおよび下側板部1pの上側に連結され水平方向における一の方向に沿って延設される中間板部1mからなるL字形状部1nを有する金属板の下側板部1pを水平方向における方向であって一の方向と直交する他の方向に沿って延設されるように折り曲げて形成され、第1バネ部1cまたは第2バネ部1dは、L字形状部1nを有する金属板の中間板部1mを上下方向に沿って設定される仮想中心線の周囲を巻回するように折り曲げて形成されたことを特徴とする。
これにより、水平方向における一の方向に沿って延設されるL字形状部1nを有する金属板の下側板部1pを水平方向における他の方向に沿って延設されるように折り曲げて形成することで、下側平板部1bを1回の折り曲げで容易に構成することができる。
また、第1実施形態の圧接コネクタ1においては、第1バネ部1cは下側平板部1bの一端部から上方へ突出し、下側平板部1bの上側で巻回されるように折り曲げられ、第2バネ部1dは上側平板部1aの他端部と下側平板部1bの他端部の一方から他方に向かって突出し、下側平板部1bの上側で巻回されるように折り曲げられている、ことを特徴とする。
これにより、上方から平面視した場合に、少なくとも下側平板部1bの一端部(X1方向側端部)および下側平板部1bの他端部(X2方向側端部)においては、下側平板部1bは第1バネ部1cおよび第2バネ部1dからはみ出さないため、搭載面積を小さくすることができる。また、第1実施形態においては、下側平板部1bのY1方向側端部およびY2方向側端部においても、下側平板部1bは第1バネ部1cおよび第2バネ部1dよりも外側にはみ出さない構成としているため、より搭載面積を小さくすることができる。
また、第1実施形態の圧接コネクタ1においては、下側平板部1bには、第1バネ部1cおよび第2バネ部1dを避けた個所に、上方へ延出するように形成されたストッパ部1eが連設され、ストッパ部1eの高さ寸法Hは、下側平板部1bにおける第1バネ部1cおよび第2バネ部1dの根本部1fの高さ寸法h以上または上下方向の幅寸法以上である、ことを特徴とする。なお、ストッパ部1eの高さ寸法Hは、下側平板部1bにおける第1バネ部1cおよび第2バネ部1dの根本部1fの高さ寸法hと同じ高さ寸法としている。
これにより、仮にある部品Aにより上側平板部1aを介して第1バネ部1cおよび第2バネ部1dが必要以上に下方へ押圧された場合に、部品Aにストッパ部1eを接触させることで、第1バネ部1cおよび第2バネ部1dの上下方向の変位量を制限することができ、第1バネ部1cおよび第2バネ部1dの破損を防止することができる。また、ストッパ部1eの高さ寸法Hを、下側平板部1bにおける第1バネ部1cおよび第2バネ部1dの根本部1fの高さ寸法h以上とすることで、より確実に第1バネ部1cおよび第2バネ部1dが塑性変形をおこすことを防止することができる。
また、第1実施形態の圧接コネクタ1においては、ストッパ部1eは、第1バネ部1cおよび第2バネ部1dの外側に設けられている、ことを特徴とする。
これにより、圧接コネクタ1を上方から平面視したときに、ストッパ部1eを第1バネ部1cおよび第2バネ部1dの外側に設けることで、指などが側方から第1バネ部1cおよび第2バネ部1dに直接接触することを軽減することができる。したがって、第1バネ部1cおよび第2バネ部1dが破損するのを防止することができる。また、第1バネ部1cおよび第2バネ部1dが上下方向に伸縮する際のガイドとして機能させることもできる。
また、第1実施形態の圧接コネクタ1においては、第1バネ部1cおよび第2バネ部1dの上下方向の幅寸法Wは、下側から上側へ向うに従って全体的に小さくなるようにした、ことを特徴とする。
これにより、第1バネ部1cおよび第2バネ部1dの上下方向の幅寸法Wを、下側から上側に向かうに従って小さくなるようにすることで、安定した電気的な接続をするために必要な弾性力を確保できるとともに、第1バネ部1cおよび第2バネ部1dのストロークを長くする(撓みやすくする)ことができる。なお、下側から上側に向かって全体的に小さくなっていればよく、部分的に幅が大きくなっているものも含まれる。
また、第1実施形態の圧接コネクタ1においては、上側平板部1aは上側平板部1aと補助上側平板部1hとからなり、上側平板部1aは第1バネ部1cから延設され、補助上側平板部1hは第2バネ部1dから延設され、上側平板部1aは補助上側平板部1hの上方に配置されている、ことを特徴とする。
これにより、上側平板部1aを上側平板部1aと補助上側平板部1hとから形成することで、圧接コネクタ1を同一の連続した金属板から容易に形成しやすくなる。また、上側平板部1aを補助上側平板部1hの上方に重ねて配置する構成とすることで、上側平板部1aに付加された押圧は第1バネ部1cおよび第2バネ部1dに均等に加わるため、押圧された際に第1バネ部1cおよび第2バネ部1dは傾きにくく、所定の弾性力を確保できるとともに、傾くことによる変形などの不具合も発生しにくくすることができる。
また、第1実施形態の圧接コネクタ1においては、上側平板部1aと補助上側平板部1hとは、接触可能に上下方向に離間して配置されている、ことを特徴とする。
これにより、上側平板部1aと補助上側平板部1hとを離間して配置することで、圧接コネクタ1の形状を形成後に、メッキ処理などの表面処理を行った場合に、上側平板部1aの下面および補助上側平板部1hの上面にも表面処理が施されるので、腐食の発生を防止することができる。
また、第1実施形態の圧接コネクタ1においては、上方から平面視したときに、第1バネ部1cと第2バネ部1dとは上側平板部1aを挟んで対向するように配置されるため、上側平板部1aは押圧されたときに傾きにくく、上下方向に沿って移動しやすくすることができる。
以下、第1実施形態における圧接コネクタ1の製造方法MPについて図5を用いて説明する。図5は第2実施形態における圧接コネクタ1の製造方法MPの工程を示す工程図である。製造方法MPは、打抜工程MP1と、第1巻回工程MP2と、第2巻回工程MP3と、第3折曲工程MP4と、第2折曲工程MP5と、第1折曲工程MP6と、を有している。図5に示すように、まずはじめに、打抜工程MP1が行われる。打抜工程MP1は、1枚の金属板から、下側平板部1bと、上側平板部1aと一体に下側平板部1bの一端部から延設される第1バネ部1cと、下側平板部1bの他端部から延設される第2バネ部1dと、からなる打抜体5(図示せず)を一体の平板状に形成する工程である。打抜工程MP1の後に、第1巻回工程MP2が行われる。第1巻回工程MP2は、打抜体5から第1バネ部1cを巻回するように折り曲げて形成する工程である。第1巻回工程MP2の後に、第2巻回工程MP3が行われる。第2巻回工程MP3は、打抜体5から第2バネ部1dを巻回するように折り曲げて形成する工程である。なお、打抜工程MP1の後に第2巻回工程MP3を行い、その後に第1巻回工程MP2を行う順番であってもよい。第2巻回工程MP3の後に、第3折曲工程MP4が行われる。第3折曲工程MP4は、打抜体5からストッパ部1eを上方へ延出するように折り曲げて形成する工程である。第3折曲工程MP4の後に、第2折曲工程MP5が行われる。第2折曲工程MP5は第2バネ部1dを下側平板部1bに対して立設するように折り曲げる工程である。第2折曲工程MP5のあとに、第1折曲工程MP6が行われる。第1折曲工程MP6は、第2バネ部1dに干渉しないように、第1バネ部1cを下側平板部1bに対して立設するように折り曲げる工程である。このような製造工程を通ることで圧接コネクタ1が完成する。なお、第1巻回工程MP2および第2巻回工程MP3の後に、第3折曲工程MP4を行う順番で説明したが、例えば、第1巻回工程MP2および第2巻回工程MP3の後に、第2折曲工程MP5、第1折曲工程MP6の順番で行ってから第3折曲工程MP4を行う順番であってもよい。また、上側平板部1aは第1巻回工程MP2で形成され、補助上側平板部1hは第2巻回工程MP3で形成される。
以下、このような製造方法MPとしたことによる効果について説明する。
第1実施形態の圧接コネクタ1の製造方法MPは、1枚の金属板から、下側平板部1bと、上側平板部1aと一体に下側平板部1bの一端部から延設される第1バネ部1cと、下側平板部1bの他端部から延設される第2バネ部1dと、からなる打抜体5を一体の平板状に形成する打抜工程MP1と、打抜工程MP1の後に、第1バネ部1cを巻回するように折り曲げて形成する第1巻回工程MP2と、打抜工程MP1の後に、第2バネ部1dを巻回するように折り曲げて形成する第2巻回工程MP3と、第2巻回工程MP3の後に、第2バネ部1dを下側平板部1bに対して立設するように折り曲げる第2折曲工程MP5と、第1巻回工程MP2および第2折曲工程MP5の後に、第2バネ部1dに干渉しないように、第1バネ部1cを下側平板部1bに対して立設するように折り曲げる第1折曲工程MP6と、からなる、ことを特徴とする。
これにより、圧接コネクタを、1枚の金属板から形成することができ、部品点数を削減することができる。
[第2実施形態]
以下に第2実施形態における圧接コネクタについて説明する。
まず始めに第2実施形態における圧接コネクタ2の構成について図6ないし図8を用いて説明する。図6は第2実施形態における圧接コネクタ2を示す図であり、図6(a)は圧接コネクタ2の外観を示す斜視図であり、図6(b)は図6(a)に記載のX1方向側から見た状態の圧接コネクタ2を示す斜視図である。図7は第2実施形態における圧接コネクタ2を示す図であり、図7(a)は図6に記載のZ1方向側から見た状態の圧接コネクタ2を示す平面図であり、図7(b)は図6に記載のY2方向側から見た状態の圧接コネクタ2を示す側面図である。図8は第2実施形態における圧接コネクタ2を図7に記載の断面線C−Cで切断した断面を示す断面図である。
圧接コネクタ2は、図6に示すように、X1−X2方向およびY1−Y2方向を含む水平方向に沿って平板状に延設された上側平板部2aと、水平方向に沿って平板状に延設され、上側平板部2aの下方に配置された下側平板部2bと、上側平板部2aの一端部(X2方向側の端部)と下側平板部2bの一端部(X1方向側の端部)とを連結し、上下方向(Z1−Z2方向)に弾性を備えたバネ部2cと、を有している。圧接コネクタ2は、上下方向に沿って延設される上側板部2dおよび上側板部2dの下側(Z2方向側)に連結され水平方向における一の方向(Y1−Y2方向)に沿って延設される中間板部2eからなるL字形状部2fと、上下方向に沿って延設される下側板部2gおよび下側板部2gの上側(Z1方向側)に連結され水平方向における一の方向に沿って延設される中間板部2eからなるL字形状部2fと、を有する金属板からなる。上側平板部2aは、上側板部2dを水平方向における方向であって一の方向と直交する他の方向(X1−X2方向)に沿って延設されるように折り曲げて形成され、下側平板部2bは、下側板部2gを水平方向における方向であって一の方向と直交する他の方向に沿って延設されるように折り曲げて形成されている。
バネ部2cは、図7に示すように、上側平板部2aおよび下側平板部2bに対して折り曲げ形成され、L字形状部2fを有する金属板の中間板部2eを上下方向に沿って設定される仮想中心線の周囲を巻回するように折り曲げるとともに、上側板部2dから下方へ延設される中間板部2eと、下側板部2gから上方へ延設される中間板部2eと、が連結することで形成されている。なお、バネ部2cの上下方向の幅寸法Wは、水平方向の厚み寸法Tよりも大きい。また、バネ部2cの上下方向の幅寸法Wは、図8に示すように、下側から上側へ向うに従って全体的に小さくなるように形成されている。例えば、バネ部2cの上下方向の幅寸法Wは、図8に示すW1、W2、W3のように、場所によって異なっている。W1、W2、W3を下側(下側平板部2b)に近い箇所順に並べると、W1、W2、W3の順番であり、大小関係を示すと、W1>W2>W3である。
また、下側平板部2bには、図7に示すように、バネ部2cを避けた個所に、上方へ延出するように形成されたストッパ部2hが連設して設けられている。ストッパ部2hは、上方側から平面視したときに、バネ部2cの外側に設けられている。なお、第2実施形態においては、ストッパ部2hは、下側平板部2bのX2方向側、Y1方向側、Y2方向側の端部からそれぞれ上方へ延出するように形成されている。ストッパ部2hの高さ寸法hは、下側平板部2bから連設されるバネ部2cのそれぞれの根本部2kの高さ寸法H以上、かつバネ部2cの上下方向の幅寸法W以上である。なお、第2実施形態においては、ストッパ部2hの高さ寸法hと根本部2kの高さ寸法Hは同じ寸法に形成されている。
次に圧接コネクタ2の動作について図9を用いて説明する。図9は第2実施形態における圧接コネクタ2の動作説明用の模式図であり、図9(a)は初期状態における圧接コネクタ2の状態を示す模式断面図であり、図9(b)は動作状態における圧接コネクタ1の状態を示す模式断面図である。
圧接コネクタ2が実際に使用される場合には、図9に示すように、搭載される電子機器の回路基板の配線パターンPT1と異なる回路基板の配線パターンPT2との接続などに用いられる。以下の説明においては、圧接コネクタ2は配線パターンPT1上に配置され、配線パターンPT2が圧接コネクタ1の上方に重ねて配置される場合について説明するが、このような使用方法に限定するものではない。
配線パターンPT1の上に配置された圧接コネクタ2は、下側平板部2bが配線パターンPT1に接触するように配置され、圧接コネクタ2と配線パターンPT2とは電気的に接続されている。圧接コネクタ2は、配線パターンPT2が上方に配置されていない初期状態においては、図9(a)に示すように、バネ部2cの弾性力により、上側平板部2aが上方へ突出している。
配線パターンPT2が上方に配置されると、圧接コネクタ2は、図9(b)に示すように、下方(Z2方向)へ撓む。このとき、圧接コネクタ2と配線パターンPT2とは圧接し、圧接コネクタ2と配線パターンPT2とは電気的に安定して接続される。すなわち、圧接コネクタ2を介して、配線パターンPT1が設けられた配線基板と配線パターンPT2が設けられた配線基板とが電気的に接続される。
以下、第2実施形態としたことによる効果について説明する。
第2実施形態の圧接コネクタ2においては、水平方向に沿って平板状に延設された上側平板部2aと、水平方向に沿って平板状に延設され、上側平板部2aの下方に配置された下側平板部2bと、上側平板部2aの一端部と下側平板部2bの一端部とを連結し、上下方向に弾性を備えたバネ部2cを有する圧接コネクタであって、バネ部2cは、上側平板部2aおよび下側平板部2bに対して折り曲げ形成され、上下方向の幅寸法が水平方向の厚み寸法よりも大きいことを特徴とする。
これにより、バネ部2cの板厚方向が水平方向となるように形成することで、水平方向における小型化を図れる。また、側方から見た場合に、バネ部2cが巻回される方向に対するバネ部2cの幅寸法を大きくとることができるため、大きな弾性力を得ることができる。したがって、搭載面積の小型化を図ることができるととともに、大きな弾性力を得ることができる圧接コネクタを提供することができる。
また、第2実施形態の圧接コネクタ2においては、上側平板部2aは、上下方向に沿って延設される上側板部2dおよび上側板部2dの下側に連結され水平方向における一の方向に沿って延設される中間板部2eからなるL字形状部2fを有する金属板の上側板部2dを水平方向における方向であって一の方向と直交する他の方向に沿って延設されるように折り曲げて形成され、バネ部2cは、L字形状部2fを有する金属板の中間板部2eを上下方向に沿って設定される仮想中心線の周囲を巻回するように折り曲げて形成されたことを特徴とする。
これにより、水平方向における一の方向に沿って延設されるL字形状部2fを有する金属板の上側板部2dを水平方向における他の方向に沿って延設されるように折り曲げて形成することで、上側平板部2aを1回の折り曲げで容易に構成することができる。
また、第2実施形態の圧接コネクタ2においては、下側平板部2bは、上下方向に沿って延設される下側板部2gおよび下側板部2gの上側に連結され水平方向における一の方向に沿って延設される中間板部2eからなるL字形状部2fを有する金属板の下側板部2gを水平方向における方向であって一の方向と直交する他の方向に沿って延設されるように折り曲げて形成され、バネ部2cは、L字形状部2fを有する金属板の中間板部2eを上下方向に沿って設定される仮想中心線の周囲を巻回するように折り曲げて形成されたことを特徴とする。
これにより、水平方向における一の方向に沿って延設されるL字形状部2fを有する金属板の下側板部2gを水平方向における他の方向に沿って延設されるように折り曲げて形成することで、下側平板部2bを1回の折り曲げで容易に構成することができる。
また、第2実施形態の圧接コネクタ2においては、下側平板部2bには、バネ部2cを避けた個所に、上方へ延出するように形成されたストッパ部2hが連設されたことを特徴とする。
これにより、ストッパ部2hが連接されることで、上下方向の変位量を制限することができ、バネ部2cの破損を防止することができる。
また、第2実施形態の圧接コネクタ2においては、ストッパ部2hの高さ寸法は、下側平板部2bから連設されるバネ部2cのそれぞれの根本部2kの高さ寸法以上、かつバネ部2cの上下方向の幅寸法以上であることを特徴とする。
これにより、ストッパ部2hの高さ寸法を根本部2kの高さ寸法以上、かつバネ部2cの上下方向の幅寸法以上とすることで、バネ部2cが弾性変形する範囲内で上下方向の変位量を制限することができ、バネ部2cの破損をより確実に防止することができる。
また、第2実施形態の圧接コネクタ2においては、ストッパ部2hは、バネ部2cの外側に設けられていることを特徴とする。
これにより、ストッパ部2hをバネ部2cの外側に設けることで、指などが側方から接触しバネ部2cが破損するのを防止することができる。また、バネ部2cが上下方向に伸縮する際のガイドとして機能させることができる。
また、第2実施形態の圧接コネクタ2においては、バネ部2cの上下方向の幅寸法は、下側から上側へ向うに従って全体的に小さくなるようにしたことを特徴とする。
これにより、バネ部2cの上下方向の幅寸法を、下側から上側に向かうに従って小さくなるようにすることで、安定した電気的な接続をするために必要な弾性力を確保できるとともに、バネ部2cのストロークを長くすることができる。なお、下側から上側に向かって全体的に小さくなっていればよく、部分的に幅が大きくなっているものも含まれる。
以下、第2実施形態における圧接コネクタ2の製造方法mpについて図10を用いて説明する。図10は第2実施形態における圧接コネクタ2の製造方法mpの工程を示す工程図である。製造方法mpは、打抜工程mp1と、上側平板部形成工程mp2と、下側平板部形成工程mp3と、バネ部形成工程mp4と、を有している。図10に示すように、まずはじめに、打抜工程mp1が行われる。打抜工程mp1は、1枚の金属板から、水平方向に延設される中間板部2eと、中間板部2eの一端部に上側に向かって連設される上側板部2dと、中間板部2eの他端部に下側に向かって連設される下側板部2gとからなるクランク状打抜部6(図示せず)を一体の平板状に形成する工程である。打抜工程mp1の後に、上側平板部形成工程mp2が行われる。上側平板部形成工程mp2は、クランク状打抜部6の上側板部2dを折り曲げて上側平板部2aを形成する工程である。上側平板部形成工程mp2の後に、下側平板部形成工程mp3が行われる。下側平板部形成工程mp3は、クランク状打抜部6の下側板部2gを折り曲げて下側平板部2bを形成する工程である。なお、打抜工程mp1の後に下側平板部形成工程mp3を行い、その後に上側平板部形成工程mp2を行う順番であってもよい。下側平板部形成工程mp3の後に、バネ部形成工程mp4が行われる。バネ部形成工程mp4は、クランク状打抜部6の中間板部2eを巻回するように折り曲げてバネ部2cを形成する工程である。このような製造工程を通ることで圧接コネクタ2が完成する。
以下、このような製造方法mpとしたことによる効果について説明する。
第2実施形態の圧接コネクタ2の製造方法mpは、1枚の金属板から、水平方向に延設される中間板部2eと、中間板部2eの一端部に上側に向かって連設される上側板部2dと、中間板部2eの他端部に下側に向かって連設される下側板部2gとからなるクランク状打抜部6を一体の平板状に形成する打抜工程mp1と、打抜工程mp1の後に、上側板部2dを折り曲げて上側平板部2aを形成する上側平板部形成工程mp2と、打抜工程mp1の後に、下側板部2gを折り曲げて下側平板部2bを形成する下側平板部形成工程mp3と、打抜工程mp1の後に、中間板部2eを巻回するように折り曲げてバネ部2cを形成するバネ部形成工程mp4と、を有する、ことを特徴とする。
これにより、圧接コネクタを、1枚の金属板から形成することができ、部品点数を削減することができる。
以上のように、本発明の実施形態に係る圧接コネクタおよびその製造方法を具体的に説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することが可能である。例えば次のように変形して実施することができ、これらの実施形態も本発明の技術的範囲に属する。なお、以下の実施形態の説明においては、第1実施形態における圧接コネクタ1および第2実施形態における圧接コネクタ2とは形状が異なる圧接コネクタについて説明するが、説明を容易にするために、部位名や符号などについては第1実施形態における圧接コネクタ1の説明で用いた部位名や符号などを用いて説明する。また、説明に用いる図11は第4実施形態における圧接コネクタ1を示す図であり、図11(a)は圧接コネクタ1の外観を示す平面図であり、図11(b)は図11(a)に記載の断面線D−Dで切断した断面を示す断面図である。図12は第5実施形態における圧接コネクタ1を示す図であり、図12(a)は圧接コネクタ1の外観を示す斜視図であり、図12(b)は圧接コネクタ1の構成を示す分解斜視図である。
[第3実施形態]
第1実施形態において、上側平板部1aは上側平板部1aと補助上側平板部1hとからなる構成としたが、上側平板部1aは第1実施形態における上側平板部1aのみで構成し、上側平板部1aの下面を第2バネ部1dの上側の先端部で保持する構成であってもよい。
[第4実施形態]
第1実施形態および第2実施形態において、ストッパ部1eは第1バネ部1cおよび第2バネ部1dの外側に設ける構造としたが、図11に示すように、第1バネ部1cおよび第2バネ部1dの内側で、かつ上側平板部1aの下方に設ける構造であってもよい。これにより、仮にある部品Aにより上側平板部1aを介して第1バネ部1cおよび第2バネ部1dが必要以上に下方へ押圧された場合に、上側平板部1aを介して部品Aにストッパ部1eを接触させることで、第1バネ部1cおよび第2バネ部1dの上下方向の変位量を制限することができ、第1バネ部1cおよび第2バネ部1dの破損を防止することができる。
[第5実施形態]
第1実施形態および第2実施形態において、圧接コネクタ1を単体で用いる構成としているが、例えば、図12に示すように、圧接コネクタ1の周囲を覆うように保護カバー7を被せる構成であってもよい。保護カバー7を設けることで、意図せずに指などが接触した場合に、第1バネ部1cおよび第2バネ部1dに水平方向の力が伝わりにくくなり、圧接コネクタ1が破損するのを防止することができる。また、保護カバー7が圧接コネクタ1の外形に沿ってガイドされるため、傾きにくくなり、上下方向へ移動しやすくなる。