JP6211918B2 - 白色反射フィルム - Google Patents
白色反射フィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP6211918B2 JP6211918B2 JP2013265523A JP2013265523A JP6211918B2 JP 6211918 B2 JP6211918 B2 JP 6211918B2 JP 2013265523 A JP2013265523 A JP 2013265523A JP 2013265523 A JP2013265523 A JP 2013265523A JP 6211918 B2 JP6211918 B2 JP 6211918B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- particles
- layer
- film
- reflective film
- guide plate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
- Liquid Crystal (AREA)
Description
本発明者らの検討によれば、従来のように突起の個数のみに着目するだけでは、近年要求される導光板との貼り付き抑制および導光板の傷付き抑制の両方を満足させることに対して不十分な場合があることが分かった。
そこで本発明は、導光板との貼り付きを高度に抑制し、また同時に導光板の傷付きも抑制することができる白色反射フィルムを提供することを目的とする。
表面層Bの反射層Aとは反対側の表面に上記粒子により形成された突起を有し、該表面における高さ5μm以上の突起個数が104〜1010個/m2であり、
上記粒子が、アクリルポリマーを粉砕することによって得られた粉砕アクリルポリマー粒子である、白色反射フィルム。
2.上記粉砕アクリルポリマー粒子の平均粒子径が3〜100μmである、上記1に記載の白色反射フィルム。
3.上記粉砕アクリルポリマー粒子の10%圧縮強度が15MPaを超える、上記1または2に記載の白色反射フィルム。
4.反射層Aがボイドを含有し、そのボイド体積率が15体積%以上、70体積%以下である、上記1〜3のいずれか1に記載の白色反射フィルム。
5.導光板を備える面光源の反射板として用いられる、上記1〜4のいずれか1に記載の白色反射フィルム。
以下、本発明を構成する各構成成分について詳細に説明する。
本発明における反射層Aは、熱可塑性樹脂とボイド形成剤とからなり、ボイド形成剤を含有させることによって層中にボイドを含有し、白色を呈するようにした層である。かかるボイド形成剤としては、詳細は後述するが、例えば無機粒子、該反射層Aを構成する熱可塑性樹脂とは非相溶の樹脂(以下、非相溶樹脂と呼称する場合がある。)を用いることができる。また、反射層Aの波長550nmにおける反射率は、好ましくは95%以上、さらに好ましくは96%以上、特に好ましくは97%以上である。これにより白色反射フィルムの反射率を好ましい範囲としやすくなる。
ボイド体積率は、反射層Aにおけるボイド形成剤の種類や大きさ、量を調整することにより達成することができる。
反射層Aを構成する熱可塑性樹脂としては、例えばポリエステル、ポリオレフィン、ポリスチレン、アクリルからなる熱可塑性樹脂を挙げることができる。中でも、機械的特性および熱安定性に優れた白色反射フィルムを得る観点から、ポリエステルが好ましい。
反射層Aにおいて、ボイド形成剤として無機粒子を用いる場合、無機粒子としては、白色無機粒子が好ましい。この白色無機粒子としては、硫酸バリウム、二酸化チタン、二酸化珪素、炭酸カルシウムの粒子を例示することができる。これら無機粒子は、白色反射フィルムが適切な反射率を有するように平均粒子径や含有量を選択すればよく、これらは特に限定はされない。好ましくは、反射層Aや白色反射フィルムの反射率が本発明における好ましい範囲となるようにすればよい。また、反射層Aにおけるボイド体積率が本発明における好ましい範囲となるようにすればよい。これらのことを勘案して、無機粒子の平均粒子径は、例えば0.2〜3.0μm、好ましくは0.3〜2.5μm、さら好ましくは0.4〜2.0μmである。またその含有量は、反射層Aの質量を基準として20〜60質量%が好ましく、25〜55質量%がさらに好ましく、最も好ましくは31〜53質量%である。また、上述のような粒子態様を採用することにより、ポリエステル中で適度に分散させることが可能であり、粒子の凝集が起こり難く、粗大突起のないフィルムを得ることができ、また同時に、粗大粒子が起点となる延伸時の破断も抑制される。無機粒子は、どのような粒子形状でもあってもよく、例えば、板状、球状であってもよい。無機粒子は、分散性を向上させるための表面処理を行ってあってもよい。
反射層Aは、本発明の目的を阻害しない限りにおいて、その他の成分、例えば紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、蛍光増白剤、ワックス、ボイド形成剤とは異なる粒子や樹脂等を含有することができる。
本発明における表面層Bは、粒子を含有し、該粒子により表面に突起が形成された、樹脂からなる層である。かかる樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましい。また、架橋剤によって架橋構造を有していてもよい。その場合は、架橋剤の反応性基と反応し得る官能基を有する熱可塑性樹脂を用いて、架橋剤と熱可塑性樹脂とによる架橋構造を形成してもよいし、架橋剤の反応性基と反応し得る官能基を有しない熱可塑性樹脂を用いて、熱可塑性樹脂のマトリックスと、架橋剤が架橋した架橋構造のマトリックスとを有する態様でもよい。架橋構造を有すると、表面層Bの強度が向上する傾向にある。一方、架橋構造を多く有しすぎると、フィルムの回収性に劣る傾向となるため、かかる観点においては架橋構造を多くし過ぎないことが好ましい。
表面層Bを構成する熱可塑性樹脂としては、上述した反射層Aを構成する熱可塑性樹脂と同様の熱可塑性樹脂を用いることができる。中でも、機械的特性および熱安定性に優れた白色反射フィルムを得る観点からアクリル、ポリエステルが好ましく、特にポリエステルが好ましい。
本発明においては、上述したような熱可塑性樹脂からなり粒子を含有する表面層Bが白色反射フィルムの少なくとも一方の最外層を形成する。そして、かかる最外層を形成する表面層Bの反射層Aとは反対側の表面(以下、最外層表面と呼称する場合がある。)には、上記粒子により形成された突起を有する。そしてかかる突起は、導光板とフィルムとのギャップ確保の観点から、最外層表面において、適度な高さの突起を適度な頻度で有することが必要である。
本発明においては、表面層Bの粒子として、粉砕アクリルポリマー粒子を採用する。これによって導光板とのギャップを確保して高度に貼り付きを抑制しながら、導光板の傷付きを抑制することができる。
(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとしては、(メタ)アクリル酸とエステル結合を形成する置換基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸エステル系単量体が好ましい。具体的には、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル等のアクリル酸エステルや、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル等のメタアクリル酸エステル等が挙げられる。中でも、炭素数が1〜8の(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、特に好ましくは(メタ)アクリル酸アルキルエステルであって、該アルキルが炭素数1〜8のアルキル基であるアクリルポリマーであり、取り扱い易い、適度な硬さが得られる、粉砕し易い等の観点から好ましい。
これらの(メタ)アクリル酸エステル系単量体は、2種以上を組み合わせて用いてもよい。(メタ)アクリル酸エステル系単量体を2種以上組合せて用いる場合は、炭素数が1〜8のアクリル酸エステルを50〜99.5重量%の割合で単量体中に含むものが好ましい。
表面層Bは、上記構成成分以外の成分を、本発明の目的を阻害しない範囲において含有していてもよい。かかる成分としては、例えば紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、蛍光増白剤、ワックス、界面活性剤、上記粒子とは異なる粒子や樹脂等を挙げることができる。なお、表面層Bを塗布により形成するに際しては、表面層Bを形成するための塗液は界面活性剤を含有することが好ましい。かかる界面活性剤の含有量としては、塗液の固形分に対して好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下で用いるとよい。
本発明における反射層Aの厚みは、80〜300μmであることが好ましい。これにより反射率の向上効果を高くすることができる。薄すぎると反射率の向上効果が低く、他方厚すぎることは非効率である。このような観点から、さらに好ましくは150〜250μmである。
表面層Bの厚みは、用いる粒子の量および粒子径を勘案して、本発明が規定する突起個数の態様となるように調整すればよい。例えば、表面層Bが厚すぎると粒子が埋もれやすくなる傾向にあり、突起個数は少なくなる傾向にある。
1≦d(μm)/t(μm)≦100 ・・・(1)
このような態様とすることで、本発明が規定する突起個数を満足し易くなる。かかる観点から、上記式においては、左辺は、好ましくは5以上であり、より好ましくは10以上である。また、右辺は、好ましくは80以下であり、より好ましくは70以下、特に好ましくは30以下である。
表面層B(1層)の厚みの具体的範囲としては、好ましくは0.3〜30μm、より好ましくは0.5〜25μm、さらに好ましくは1〜10μm、特に好ましくは2〜6μmである。
以下、本発明の白色反射フィルムを製造する方法の一例を説明する。
本発明の白色反射フィルムを製造するに際しては、溶融押出法等によって得られた反射層Aに、溶融樹脂コーティング法(溶融押出樹脂コーティング法を含む)、共押出法およびラミネート法、また表面層Bを形成するための塗液を用いて、塗液コーティング法によって表面層Bを形成することができる。なかでも、反射層Aと支持層Cとを共押出法により積層して製造されたものに、塗液コーティング法によって表面層Bを積層する方法が特に好ましい。塗液コーティング法で表面層Bを積層することによって、乾燥条件等の変更により粒子の分布状態を制御しやすく、所定の突起個数を安価にまた容易に量産できる。また、10%圧縮強度の比較的小さい粒子であっても取り扱うことが容易となる。さらに、本発明における特定の粒子の形状が保持されやすくなり、突起の態様を好ましい態様とし易くなる。
まず、反射層Aを形成するためのポリエステル組成物として、ポリエステルと、ボイド形成剤と、他の任意成分を混合したものを用意する。また、支持層Cを形成するためのポリエステル組成物として、ポリエステルと、任意にボイド形成剤と、他の任意成分を混合したものを用意する。これらポリエステル組成物は、乾燥して十分に水分を除去して用いる。
またこのとき、フィルムの製造に用いるポリエステル組成物、特に反射層Aに用いるポリエステル組成物は、線径15μm以下のステンレス鋼細線よりなる平均目開き10〜100μmの不織布型フィルターを用いて濾過を行うことが好ましい。この濾過を行うことで、通常は凝集して粗大凝集粒子となりやすい粒子の凝集を抑え、粗大異物の少ないフィルムを得ることができる。なお、不織布の平均目開きは、好ましくは20〜50μm、さらに好ましくは15〜40μmである。濾過したポリエステル組成物は、溶融した状態でフィードブロックを用いた同時多層押出法(共押出法)により、ダイから多層状態で押し出し、未延伸積層シートを製造する。ダイより押し出された未延伸積層シートを、キャスティングドラムで冷却固化し、未延伸積層フィルムとする。
二軸延伸後のフィルムは、クリップで両端を把持したままポリエステル(好ましくは反射層Aを構成するポリエステル)の融点をTmとして(Tm−20℃)〜(Tm−100℃)で、定幅または10%以下の幅減少下で熱処理して、熱固定し、熱収縮率を低下させるのがよい。かかる熱処理温度が高すぎるとフィルムの平面性が悪くなる傾向にあり、厚み斑が大きくなる傾向にある。他方低すぎると熱収縮率が大きくなる傾向にある。
かくして本発明の白色反射フィルムを得ることができる。
(反射率、輝度)
本発明の白色反射フィルムの、表面層B側から測定した反射率(波長550nmにおける反射率)は、好ましくは96%以上、より好ましくは97%以上、さらに好ましくは97.5%以上、特に好ましくは98%以上である。反射率が96%以上であることによって、液晶表示装置や照明等に用いた場合には、高い輝度を得ることができる。かかる反射率は、反射層Aのボイド体積率を高くする等好ましい態様としたり、反射層Aの厚みを厚くしたり、表面層Bの厚みを薄くしたり等各層の態様を好ましい態様としたりすることにより達成できる。
上記反射率および輝度は、白色反射フィルムにおいて、導光板と用いるに際しては、導光板側となる側の面における値である。
(1)光線反射率
分光光度計(島津製作所製UV−3101PC)に積分球を取り付け、BaSO4白板を100%とした時の反射率を波長550nmで測定し、この値を反射率とした。なお、測定は、表面層B側の表面において行った。表裏に異なる表面層Bを有する場合は、導光板側となる表面層B表面において測定した。
レーザー散乱型粒度分布測定機(島津製作所製SALD−7000)にて、粒子の粒度分布(粒子径の標準偏差)を求め、d50での粒子径(体積分布基準で小さい側から50%の分布となる粒子径)を平均粒子径とした。
粒子粉体を測定用ステージに導電性テープで固定し、日立製作所製S−4700形電界放出形走査電子顕微鏡を用いて、倍率1000倍にて観測し、粒子の形状を観察した。無作為に選んだ30個の粒子について、粒子の最大径Dx(x方向とする)、および、x方向に垂直な方向(y方向およびz方向とする。z方向はy方向にも垂直な方向である。)における最大径DyおよびDz(ただしDy≧Dzとする)を求め、それぞれについて平均値を算出し、Dxave、Dyave、Dzaveとし、Dxave−Dyave、Dxave−Dzave、Dyave−Dzaveを求め、これらの少なくとも1つがDxの20%を超えるものを非球状と判定し、そうでないものを球状と判定した。
エリオニクス社製微小硬度計ENT−1100aを用いて、加重3gfでの各粒子の圧縮強度を測定し、10%変形時の圧縮強度(MPa)を採用した。5回の測定の平均値を用いた。
白色反射フィルムをミクロトームにてスライスして断面出しを行い、かかる断面について日立製作所製S−4700形電界放出形走査電子顕微鏡を用いて、倍率500倍にて観測し、フィルム全体、反射層A、表面層B、支持層Cの厚みをそれぞれ求めた。なお、表面層Bについては、粒子による突起を有しない部分の厚みを任意に10点採取し、それらの平均値を厚みとした。
ボイド体積率を求める層のポリマー、添加粒子、その他各成分の密度と配合割合から計算密度を求めた。同時に、当該層を剥離する等して単離し、質量および体積を計測し、これらから実密度を算出し、計算密度と実密度とから下記式により求めた。
ボイド体積率=100×(1−(実密度/計算密度))
なお、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(2軸延伸後)の密度を1.39g/cm3、硫酸バリウムの密度を4.5g/cm3とした。
また、ボイド体積率を測定する層のみを単離し、単位体積あたりの質量を求めて実密度を求めた。体積は、サンプルを面積3cm2に切り出し、そのサイズでの厚みをエレクトリックマイクロメーター(アンリツ製 K−402B)にて10点測定した平均値を厚みとし、面積×厚みとして算出した。質量は、電子天秤にて秤量した。
なお、粒子(凝集粒子含む)の比重としては、以下のメスシリンダー法にて求めた嵩比重の値を用いた。容積1000mlのメスシリンダーに絶乾状態の粒子を充填して、全体の重量を測定し、該全体の重量からメスシリンダーの重量を差引いて該粒子の重量を求め、該メスシリンダーの容積を測定し、該粒子の重量(g)を該容積(cm3)で割ることによって求められる。
示差走査熱量測定装置(TA Instruments 2100 DSC)を用い、昇温速度20℃/分で測定を行った。
LG社製のLED液晶テレビ(LG42LE5310AKR)から反射フィルムを取り出し、各種反射フィルム(表面層B側を画面側(導光板に接する面)に設置し、バックライトユニットの状態にて輝度計(大塚電子製Model MC−940)を用いて、バックライトの中心を真正面より測定距離500mmで輝度を測定し、下記の基準で判定した。
◎:5500cd/m2以上
○:5400cd/m2以上、5500cd/m2未満
△:5300cd/m2以上、5400cd/m2未満
×:5300cd/m2未満
図3のように、取っ手部分(図3の符号7)の端に長さ200mm×幅200mm×厚み3mmの鉄板(図3の符号8、重さ約200g)を固く貼り付け、その上に、評価面を上にした幅250mm×長さ200mmの反射フィルム(図3の符号9)を幅方向の両端からそれぞれ25mmの部分が鉄板からはみ出すようにして、(中央の200mm×200mmの部分が鉄板と重なるようにして)貼り付けた。この際、反射フィルムの評価面(表面層面)が外側になるようにした。また、反射フィルムの幅方向の両端で余った25mmの部分は、鉄板の裏側に折り返して、反射フィルムの端部(サンプリング時にナイフ等により刃を入れた部分)が導光板を削ってしまう影響を排除した。
次に、ドット面を上にした導光板(少なくとも400mm×200mmのサイズのもの)を水平な机上に固定し、上記で作成した鉄板に固定した反射フィルムを、評価面と導光板とが接触するように、反射フィルム側の面を下向きにして導光板の上に置き、さらにその上に200gの重り(図3の符号10)を載せて、距離200mmで(400mm×200mmの領域で鉄板に固定した反射フィルムを動かすことになる)1往復約5〜10秒の速度で15往復動かした。その後、導光板表面において、その削れ具合と、反射フィルムから脱落した粒子の有無について、20倍のルーペを用いて観察し、以下の基準で評価した。
導光板上の擦られた400mm×200mmの全範囲において、20往復動かした後にルーペで観察できるキズがない場合は「削れない」(削れ評価○)とし、10往復動かした後は観察できるキズがなかったが、20往復動かした後に観察できるキズがある場合は「削れにくい」(削れ評価△)とし、10往復した後に観察できるキズがある場合は「削れる」(削れ評価×)とした。
また、20往復動かした後において、導光板上の擦られた400mm×200mmの全範囲において、ルーペで観察できる白色異物がなければ、「粒子が脱落しない」(脱落評価○)とした。また、観察できる白色異物があった際は、かかる白色異物を顕微鏡により観測し、表面層に含有する粒子であることを確認して、脱落した白色異物が5つ以下であれば、「粒子がほとんど脱落しない」(脱落評価△)とし、6つ以上であれば、「粒子が脱落する」(脱落評価×)とした。
なお、上記評価にあたっては、ドットサイズの影響を極力抑えるべく、導光板において、極力ドットサイズの大きな領域を選択し、各評価サンプルで揃えて行った。
また、上記評価にあたっては、白色反射フィルムを少なくとも、温度23℃、相対湿度55RH%の環境で3日間置いて、塗布層(表面層)を十分に安定させてから評価を実施した。
LG社製のLED液晶テレビ(47インチサイズ)からシャーシを取り出し、テレビ内部側が上向きとなるように水平な机上に置き、その上に、シャーシとほぼ同じ大きさの反射フィルムを、表面層面が上向きとなるように置き、さらにその上に、元々テレビに備えられていた導光板および光学シート3枚(拡散フィルム2枚、プリズム1枚)を置いた。次いで、その面内で、シャーシの凹凸の最も激しい部分を含む領域に、図2に示すごとく直径5mmの円柱状足を三本備える正三角形型の台を置き、その上に更に20kgの重りを乗せて、かかる三本の足に囲まれた領域を目視で観測し、異常に明るい部分がなければ「密着斑がなし」(密着斑評価○)とした。また、異常に明るい部分があった場合は、光学シート3枚の上にさらに、元々テレビに備わっていたDBEFシートを置き、同様に目視で観測し、異常に明るい部分が直らなければ、「密着斑があり」(評価×)とし、異常に明るい部分がなくなれば、「密着斑が殆どなし」(評価△)とした。なお、三つ足に囲まれた領域は、各辺の長さが10cmの略正三角形とした。
フィルム表面の突起プロファイルを、三次元粗さ測定装置SE−3CKT(株式会社小坂研究所製)にて、カットオフ0.25mm、測定長1mm、走査ピッチ2μm、走査本数100本で測定し、高さ倍率1000倍、走査方向倍率200倍にて突起プロファイルを記録した。得られた突起プロファイル(横軸:突起高さ、縦軸:突起個数の突起プロファイル)から、高さ5μm以上の突起個数(個/m2)を求め、突起頻度とした。尚、解析には三次元粗さ解析装置SPA−11(株式会社小坂研究所製)を用いた。
テレフタル酸ジメチル136.5質量部、イソフタル酸ジメチル13.5質量部(得られるポリエステルの全酸成分100モル%に対して9モル%となる)、エチレングリコール98質量部、ジエチレングリコール1.0質量部、酢酸マンガン0.05質量部、酢酸リチウム0.012質量部を精留塔、留出コンデンサを備えたフラスコに仕込み、撹拌しながら150〜240℃に加熱しメタノールを留出させエステル交換反応を行った。メタノールが留出した後、リン酸トリメチル0.03質量部、二酸化ゲルマニウム0.04質量部を添加し、反応物を反応器に移した。ついで撹拌しながら反応器内を徐々に0.3mmHgまで減圧するとともに292℃まで昇温し、重縮合反応を行い、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート1を得た。このポリマーの融点は235℃であった。
テレフタル酸ジメチル129.0質量部、イソフタル酸ジメチル21.0質量部(得られるポリエステルの全酸成分100モル%に対して14モル%となる)に変更した他は、上記製造例1と同様にして、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート2を得た。このポリマーの融点は215℃であった。
上記で得られたイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート1の一部、およびボイド形成剤として平均粒子径1.0μmの硫酸バリウム粒子(表中、BaSO4と表記する。)を用いて、神戸製鋼社製NEX−T60タンデム式押出機にて、得られるマスターチップの質量に対して硫酸バリウム粒子の含有量が60質量%となるように混合し、樹脂温度260℃にて押し出し、硫酸バリウム粒子含有の粒子マスターチップ1を作成した。
上記で得られたイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート2の一部、およびボイド形成剤として平均粒子径1.0μmの硫酸バリウム粒子を用いて、神戸製鋼社製NEX−T60タンデム式押出機にて、得られるマスターチップの質量に対して硫酸バリウム粒子の含有量が60質量%となるように混合し、樹脂温度260℃にて押し出し、硫酸バリウム粒子含有の粒子マスターチップ2を作成した。
三菱レイヨン株式会社製のアクリペットVH5(ポリメタクリル酸メチル(PMMA)樹脂)のペレットを株式会社マツボー製のアトマイザーミル TAP−1を用いて液体窒素で冷却しながら粉砕を行うことで平均粒子径60μmの粉砕PMMA粒子を得た。さらにこの粒子を風力分級することで、平均粒子径40μm(粒子1、非球状粒子)、12μm(粒子2、非球状粒子)、5μm(粒子3、非球状粒子)の粉砕アクリルポリマー粒子を得た。
和光純薬株式会社製のポリ(メタクリル酸ブチル)(PBMA)樹脂のペレットを用いた以外は、上記製造例5と同様にして液体窒素で冷却しながら粉砕を行うことで平均粒子径60μmの粉砕PBMA粒子を得た。さらにこの粒子を風力分級することで、平均粒子径40μm(粒子4、非球状粒子)、12μm(粒子5、非球状粒子)、5μm(粒子6、非球状粒子)の粉砕アクリルポリマー粒子を得た。
粒子7:積水化成品工業株式会社製の架橋PMMA粒子MBX−40(架橋PMMA、真球状粒子、平均粒子径40μm)
粒子8:積水化成品工業株式会社製の架橋PMMA粒子MBX−5(架橋PMMA、真球状粒子、平均粒子径5μm)
粒子9:積水化成品工業株式会社製の架橋PBMA粒子BM30X−40(架橋PBMA、真球状粒子、平均粒子径40μm)
粒子10:積水化成品工業株式会社製の架橋PBMA粒子BM30X−5(架橋PBMA、真球状粒子、平均粒子径5μm)
製造例5において、粉砕条件を変更して液体窒素で冷却しながら粉砕を行うことで平均粒子径120μmの粉砕アクリルポリマー粒子(粒子11、非球状粒子)を得た。
また、製造例5と同様にして粉砕した後、風力分級の回数を増やす等風力分級の条件を変更することで、平均粒子径1μmの粉砕アクリルポリマー粒子(粒子12、非球状粒子)を得た。
(白色反射フィルムの製造)
上記製造例で得たイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート1と粒子マスターチップ1を反射層(A層)の原料として、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート2と粒子マスターチップ2を支持層(C層)の原料としてそれぞれ用い、反射層Aは、反射層Aの質量に対するボイド形成剤の含有量が49質量%となるように、また、支持層Cは、支持層Cの質量に対するボイド形成剤の含有量が3質量%となるように混合し、押出機に投入し、A層は溶融押出し温度255℃にて、C層は溶融押出し温度230℃にて、C層/A層/C層の層構成となるように3層フィードブロック装置を使用して合流させ、その積層状態を保持したままダイスよりシート状に成形した。このときC層/A層/C層の厚み比が2軸延伸後に10/80/10となるように各押出機の吐出量で調整した。さらにこのシートを表面温度25℃の冷却ドラムで冷却固化した未延伸フィルムとした。この未延伸フィルムを73℃の予熱ゾーン、つづけて75℃の予熱ゾーンを通して、92℃に保たれた縦延伸ゾーンに導き、縦方向に2.9倍に延伸し、25℃のロール群で冷却し一軸延伸フィルムを得た。続いて、フィルムの両端をクリップで保持しながら115℃の予熱ゾーンを通して130℃に保たれた横延伸ゾーンに導き、横方向に3.6倍に延伸した。その後テンター内で185℃で熱固定を行い、幅入れ率2%、幅入れ温度130℃で横方向の幅入れを行い、次いでフィルム両端を切り落し、縦弛緩率2%で熱弛緩し、室温まで冷やして、厚さ225μmの二軸延伸フィルム(基材1)を得た。
得られた二軸延伸フィルムの片面上に、ダイレクトグラビアコーティング装置にて、下記の表面層(層B)を形成するための塗液1に示す組成からなる塗液を、wet厚み18g/m2の塗布量で塗布した後、オーブン内にて80℃で乾燥して白色反射フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果は表2の通りであった。なお、基材1の反射層のボイド体積率は48体積%、支持層のボイド体積率は3体積%であった。
以下の粒子、熱可塑性樹脂、架橋剤、希釈溶媒を用い、表1に示す固形分比率となるように混合して作成した。
・粒子:上記製造例5で得られた粒子1(非球状粒子)
・アクリル樹脂(熱可塑性樹脂):DIC社製アクリディックA−817BA(固形分濃度50質量%)
・架橋剤:日本ポリウレタン工業社製コロネートHL(イソシアネート系架橋剤、固形分濃度75質量%)
・希釈溶媒:酢酸ブチル
表面層(B層)に用いる粒子の態様および表面層厚み等フィルム構成を各々表1、2に示すとおりとする以外は、実施例1と同様にして白色反射フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。
なお、比較例1〜4は、粒子脱落評価において導光板削れが生じ、その削れ粉が粒子の脱落を生じさせたと考えられる。
(白色反射フィルムの製造)
実施例1と同様にして一軸延伸フィルムを得た。
次いで、得られた一軸延伸フィルムの片面にリバースロールコート法を用いて、下記に示す表面層(B層)を形成するための塗液2を塗布した。
以下の粒子、熱可塑性樹脂、架橋剤、界面活性剤、希釈溶媒を用い、表1に示す固形分比率となるように混合して作成した。
・粒子:上記製造例5で得られた粒子1(非球状粒子)
・熱可塑性樹脂:GX−811:互応化学(水溶性ポリエステル、Tg64℃、固形分濃度30質量%)
・架橋剤:A−645GH:高松油脂(グリシジル基含有アクリル変性ポリエステル樹脂、Tg55℃、固形分濃度30質量%)
・界面活性剤:花王株式会社製、エマルゲン420(エーテル系非イオン性界面活性剤)
・希釈溶媒:イオン交換水
反射層Aのボイド形成剤を、ポリエステルに非相溶な樹脂(シクロオレフィン、ポリプラスチックス社製「TOPAS 6017S−04」)に変更し、反射層Aの質量に対するボイド形成剤の含有量を20質量%とした二軸延伸フィルム(基材2、厚さ225μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして白色反射フィルムを作成し、評価を実施した。評価結果を表2に示す。なお、基材2の反射層のボイド体積率は53体積%、支持層のボイド体積率は2体積%であった。
東レ株式会社製の市販の反射フィルムE6WA−225を基材3(厚み225μm)として用いた以外は実施例1と同様にして白色反射フィルムを得た。評価結果を表2に示す。なお、基材3は反射層と支持層とを有し、反射層のボイド体積率は15体積%以上、支持層のボイド体積率は15体積%未満であった。
5 反射フィルム、導光板、光学シートの積層物
601 正三角形型の台
602 重り
7 取っ手部分
8 鉄板
9 反射フィルム
10 重り
11 導光板
1101 ドット
Claims (5)
- 反射層Aと、樹脂からなり粒子を含有する表面層Bとを有する白色反射フィルムであって、
表面層Bの反射層Aとは反対側の表面に上記粒子により形成された突起を有し、該表面における高さ5μm以上の突起個数が104〜1010個/m2であり、
上記粒子が、アクリルポリマーを粉砕することによって得られた粉砕アクリルポリマー粒子である、白色反射フィルム。 - 上記粉砕アクリルポリマー粒子の平均粒子径が3〜100μmである、請求項1に記載の白色反射フィルム。
- 上記粉砕アクリルポリマー粒子の10%圧縮強度が15MPaを超える、請求項1または2に記載の白色反射フィルム。
- 反射層Aがボイドを含有し、そのボイド体積率が15体積%以上、70体積%以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の白色反射フィルム。
- 導光板を備える面光源の反射板として用いられる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の白色反射フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013265523A JP6211918B2 (ja) | 2013-12-24 | 2013-12-24 | 白色反射フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013265523A JP6211918B2 (ja) | 2013-12-24 | 2013-12-24 | 白色反射フィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015121686A JP2015121686A (ja) | 2015-07-02 |
JP6211918B2 true JP6211918B2 (ja) | 2017-10-11 |
Family
ID=53533341
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013265523A Active JP6211918B2 (ja) | 2013-12-24 | 2013-12-24 | 白色反射フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6211918B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20220216379A1 (en) * | 2019-05-13 | 2022-07-07 | Dai Nippon Printing Co., Ltd. | Barrier film, wavelength conversion sheet using barrier film, and display device using wavelength conversion sheet |
JP2020109515A (ja) * | 2020-02-03 | 2020-07-16 | 東洋紡フイルムソリューション株式会社 | 大型ディスプレイ用白色反射フィルム |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20050266215A1 (en) * | 2004-05-28 | 2005-12-01 | Eastman Kodak Company | Curl and thickness control for white reflector film |
CN101631986A (zh) * | 2007-03-22 | 2010-01-20 | 木本股份有限公司 | 背光装置及部件 |
JP2008239734A (ja) * | 2007-03-27 | 2008-10-09 | Sekisui Plastics Co Ltd | 合成樹脂粒子、並びに、この合成樹脂粒子を用いた光学材料、塗料、化粧料及び合成樹脂シート |
JP5369625B2 (ja) * | 2008-11-06 | 2013-12-18 | 東レ株式会社 | 白色反射フィルム |
JP5532799B2 (ja) * | 2009-09-30 | 2014-06-25 | 東レ株式会社 | 白色反射フィルム |
JP5744484B2 (ja) * | 2010-11-15 | 2015-07-08 | 帝人デュポンフィルム株式会社 | 反射フィルム |
JP5926512B2 (ja) * | 2011-08-12 | 2016-05-25 | 帝人デュポンフィルム株式会社 | 白色反射フィルム |
-
2013
- 2013-12-24 JP JP2013265523A patent/JP6211918B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015121686A (ja) | 2015-07-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6404962B2 (ja) | 白色反射フィルムおよびその製造方法 | |
JP5926512B2 (ja) | 白色反射フィルム | |
JP6211923B2 (ja) | 白色反射フィルム | |
JP6211918B2 (ja) | 白色反射フィルム | |
JP6211917B2 (ja) | 白色反射フィルム | |
JP6336266B2 (ja) | 白色反射フィルム | |
JP6110220B2 (ja) | 白色反射フィルム | |
JP2015069020A (ja) | 白色反射フィルム | |
KR101587393B1 (ko) | 백색 반사 필름 | |
JP6363334B2 (ja) | 白色反射フィルム | |
JP5785202B2 (ja) | 白色反射フィルム | |
JP5495345B2 (ja) | 白色反射フィルム | |
JP5702482B2 (ja) | 白色反射フィルム | |
JP6352613B2 (ja) | 白色反射フィルム | |
JP6235299B2 (ja) | 白色反射フィルム | |
JP2014142650A (ja) | 白色反射フィルム | |
JP2014032310A (ja) | 白色反射フィルム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160912 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170428 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170509 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170822 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170914 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6211918 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |