JP6211369B2 - 電力線通信方式 - Google Patents

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Description

本発明は、負荷へ電力を供給する電力線を利用して、負荷を制御するための制御信号を送信する通信方式に関する。
電力線を利用して負荷へ制御信号を送信することにより、信号線の省略を可能とした通信方式が、従来から知られている。例えば特許文献1では、交流電源から負荷に印加される電圧波形を制御親機で加工することにより、負荷を制御する制御端末へ制御信号を送信する。制御端末は、加工された電圧波形から制御信号を抽出し、抽出した制御信号に基づいて負荷を制御する。具体的には、制御親機は、交流電圧波形の一部の位相を反転させる加工を行い、制御端末は、電圧波形を1周期毎に読み取り、直前の波形に対して異なる波形である場合を"1"として、制御信号を抽出する。あるいは制御端末は、加工されていない交流電圧波形と異なる波形である場合を"1"として、制御信号を抽出する。
特許文献2の通信方式では、直流電源から負荷に印加される電圧の高さをスイッチング手段で2段階に切り換えることにより、負荷を制御する制御回路へ制御信号を送信する。スイッチング手段は、並列に接続された電圧降下量の異なる2種の半導体素子からなり、電圧降下量が少ない方の半導体素子は、オンオフ制御可能なMOSFETで構成され、電圧降下量が多い方の半導体素子はダイオードで構成されている。MOSFETがオン状態のときは、電源電圧からMOSFETの電圧降下量を引いた直流電圧が負荷に印加され、MOSFETがオフ状態のときは、電源電圧からダイオードの電圧降下量を引いた直流電圧が負荷に印加される。つまり、MOSFETをオンオフ制御することにより、負荷に印加される電圧の高さを2段階に切り換えて、制御信号を制御回路へ送信できる。
制御回路においては、電源電圧からMOSFETの電圧降下量を引いた電圧値よりも低く、電源電圧からダイオードの電圧降下量を引いた電圧値よりも高い基準電圧が設定されている。制御回路は、負荷に印加される直流電圧を基準電圧と比較し、当該直流電圧の方が高い場合を"0"、低い場合を"1"として、制御信号を抽出する。
特許第3644141号公報(段落番号0008〜0012、図2) 実開平05−48488号公報(段落番号0013〜0016、図2)
特許文献1に係る通信方式では、交流電圧波形の位相を反転させるために、比較的大掛かりな変調回路が必要になる。これに対し、特許文献2の通信方式では、スイッチング手段での電圧降下量を切り換えるだけで制御信号を送信できるので、特許文献1に比べて変調回路の構成を簡素化できる。
しかし、特許文献2に係る通信方式は、基準電圧との比較によって制御信号を復調する点に改良の余地がある。基準電圧は電源電圧に応じて設定されるため、電源電圧が変わると、それに合わせて基準電圧も変更する必要がある。つまり、電源電圧ごとに基準電圧を個別に設定する必要がある。
さらに、特許文献2の通信方式は、電源電圧が変動するような場合に、制御信号を正しく復調できない。すなわち、通信を行っている過程で、電源電圧が変動によって大きく上昇すると、負荷に印加される2段階の直流電圧のうち、低い方の直流電圧も基準電圧を上回って、制御信号が常に"0"と誤認識されてしまう。逆に、電源電圧が大きく下降すると、高い方の直流電圧も基準電圧を下回って、信号が常に"1"と誤認識されてしまう。つまり、特許文献2に係る通信方式は、電源電圧が一定に保持されている状況下でしか、通信を適切に行うことができない。
本発明の目的は、変調回路の構成が簡素であり、電源電圧ごとに回路構成を変更する必要がなく、しかも、商用電源のような電圧変動を伴う交流電源にも問題無く適用できる電力線通信方式を提供することにある。
本発明は、交流電源Eから負荷1へ電力を供給する電力線3を利用して、負荷1を制御するための制御信号を送信する電力線通信方式を対象とする。この通信方式は、交流電源Eの電圧波形を加工することにより制御信号を送信する信号送信部2と、信号送信部2で加工された電圧波形から制御信号を抽出する信号受信部4とを備えている。信号送信部2は、電力線3上に配置されて電源電圧を変調する変調回路5と、送信する制御信号に従って変調回路5を制御する送信制御回路6とを備えている。変調回路5が、交流電圧の正電圧と負電圧の間に一定の電圧差が生じるように、正電圧と負電圧のうち少なくとも一方を降下させ、信号受信部4の復調回路10が、交流電圧における正負の電圧差に基づいて制御信号を復調するように構成されている。復調回路10は、交流電圧を整流し、当該電圧の正電圧に対応する第1電圧V1と、負電圧に対応する第2電圧V2とを個別に出力する整流回路部32と、整流回路部32から出力される第1電圧V1と第2電圧V2の電圧差に基づいて制御信号を復調する比較回路部33とを備えている。比較回路部33が、第1電圧V1の電圧値が第2電圧V2の電圧値よりも高いことを検知する第1検知素子43・65と、第2電圧V2の電圧値が第1電圧V1の電圧値よりも高いことを検知する第2検知素子44・66とを備えていることを特徴とする。
比較回路部33において、電源電圧が変調回路5で変調された場合に生じる第1電圧V1と第2電圧V2の電圧差よりも小さい閾値を設定し、両電圧V1・V2の電圧差を閾値と比較することによって制御信号を復調する。
整流回路部32は、交流電源Eからの交流電圧が印加される交流回路部55と、交流電源Eよりも電圧値の低い直流電源で駆動する直流回路部56とを備えている。交流回路部55と直流回路部56はフォトカプラ51〜53で接続されて、電気的に絶縁される。交流電源Eから交流回路部55に交流電圧が印加されると、当該電圧に応じた第1電圧V1と第2電圧V2が直流回路部56で発生するように、各回路部55・56を構成する。交流電圧を整流して得られる脈流を平滑化するための平滑コンデンサ60を、直流回路部56に設ける。
変調回路5は、電圧を降下させるための電圧降下部13と、電圧降下部13をバイパスするバイパス路14とを備えている。バイパス路14には、送信制御回路6によって開閉制御されるリレー15の接点16を設ける。送信制御回路6は、信号受信部4へ制御信号を送信する場合に接点16を開閉制御し、制御信号を送信するとき以外は、接点16を閉状態に保持する。
リレー15はノーマルクローズ型である。
電圧降下部13を、互いに並列接続された第1経路27および第2経路28と、各経路27・28に配置されたダイオード29とで構成する。正方向の電流のみが第1経路27を通過でき、負方向の電流のみが第2経路28を通過できるように、ダイオード29の向きを設定する。第1経路27を流れる電流が通過するダイオード29の順方向電圧の和と、第2経路28を流れる電流が通過するダイオード29の順方向電圧の和とが異なるようにする。
第1経路27と第2経路28のそれぞれにおいて、ダイオード29を並列接続する。
電圧降下部13は、ループ状に接続された複数個のダイオードブリッジ70A〜70Eを備えている。ループにおいて隣り合うダイオードブリッジ70A〜70Eの+端子と−端子を互いに接続する。ループの基点となる第1ダイオードブリッジ70Aの+端子を電圧降下部13の第1端部13aに接続し、第1ダイオードブリッジ70Aの2個の交流入力端子を電圧降下部13の第2端部13bに接続する。第1端部13aから、第1ダイオードブリッジ70Aの+端子と交流入力端子を順に経由して、第2端部13bに至る経路が、第1経路27と第2経路28のうち一方を構成する。第2端部13bから、第1ダイオードブリッジ70Aの交流入力端子と−端子を順に経由し、次いで、第1ダイオードブリッジ70A以外のダイオードブリッジ70B〜70Eを+端子から−端子へ向かって通過し、最後に通過したダイオードブリッジ70Eの−端子から第1端部13aに至る経路が、第1経路27と第2経路28のうち他方を構成する。
本発明では、信号送信部2の変調回路5において、交流電圧の正電圧と負電圧のうち少なくとも一方を降下させることによって、制御信号を信号受信部4へ送信する。このように、電圧降下によって制御信号を送信すると、交流電圧波形の位相を反転させる場合に比べて、変調回路5の構成を簡素化できる。
また本発明では、変調回路5において、交流電圧の正電圧と負電圧の間に一定の電圧差を発生させ、変調回路5で電源電圧が変調された場合に復調回路10で検出される正負の電圧差が、交流電源Eの電圧値にかかわらず常に一定になるようにした。本発明では、この電圧差に基づいて制御信号を復調するので、交流電源Eの電圧値に関係なく、同じ構成の変調回路5および復調回路10によって制御信号を送受信できる。換言すれば、例えば、100Vの商用電源を交流電源Eとする電力線通信方式や200Vの商用電源を交流電源Eとする電力線通信方式など、交流電源Eの電圧値が異なる複数種の電力線通信方式において、変調回路5および復調回路10を共通部品化できる。
さらに本発明によれば、通信を行っている過程で交流電源Eの電圧値が大きく変動しても、電源電圧の変調によって生じる正負の電圧差はほぼ一定であるから、電圧変動の影響を受けることなく制御信号を復調できる。従って、本発明に係る通信方式は、交流電源Eが商用電源のような電圧変動を伴うものである場合でも、問題無く適用することができる。
復調回路10の整流回路部32において交流電圧を整流し、当該電圧の正電圧と負電圧にそれぞれ対応する第1電圧V1と第2電圧V2を個別に出力すると、比較回路部33において両電圧V1・V2を容易に比較して、制御信号を復調することができる。
電源電圧が変調回路5で変調された場合に生じる第1電圧V1と第2電圧V2の電圧差よりも小さい閾値を設定し、両電圧V1・V2の電圧差を閾値と比較することによって制御信号を復調する。これによれば、交流電源Eが商用電源などの電圧変動を伴うものであって、その電圧変動によって両電圧V1・V2の間に小さな電圧差が生じた場合に、その影響を抑えることができる。つまり、閾値を設定しない場合には、電源電圧の変動による両電圧V1・V2の小さな電圧差が、変調回路5における電圧変調によるものと誤認識されて、制御信号が誤って復調されるおそれがある。これに対し、本発明のように閾値を設定しておくと、電源電圧の変動による小さな電圧差を、電圧変調による電圧差と区別できるので、制御信号を正確に復調できる。
比較回路部33において、第1電圧V1が第2電圧V2よりも高いことを第1検知素子43・65で検知し、第2電圧V2が第1電圧V1よりも高いことを第2検知素子44・66で検知する。これによれば、変調回路5が、正電圧よりも負電圧が低くなるように電源電圧を変調するものである場合は、電圧変調を第1検知素子43・65で検知でき、負電圧よりも正電圧が低くなるように電源電圧を変調するものである場合は、電圧変調を第2検知素子44・66で検知できる。従って、電力線3に対して変調回路5を接続する際に、その接続方向や接続側(電力線3の接地側と非接地側)に配慮しなくて済むので、その分だけ変調回路5の接続作業を簡素化できる。
交流電源Eよりも電圧値の低い直流電源で駆動する直流回路部56に平滑コンデンサ60を設けると、平滑コンデンサ60を交流回路部55に設ける場合に比べて、平滑コンデンサ60の耐圧を低く、かつ、容量を小さくできる。従って、比較的低耐圧・小容量であるが経年劣化し難いフィルムコンデンサなどを、平滑コンデンサ60として使用することが可能となり、復調回路10の長期安定性を確保することができる。
電圧降下部13をバイパスするバイパス路14を設け、信号受信部4へ制御信号を送信するとき以外は、バイパス路14に設けた接点16を閉状態に保持する。これによれば、制御信号を送信しないときは、電力線3を流れる電流をバイパス路14へ導いて、電圧降下部13で電圧降下が生じるのを解消できるので、交流電源Eの電圧を降下させることなく負荷1へ供給でき、しかも変調回路5におけるジュール熱の発生を抑制できる。因みに、特許文献2においては、制御信号を送信しないときも、電流がスイッチング手段のMOSFETを流れるので、制御信号の送信の有無にかかわらず常に電圧降下が発生し、さらにMOSFETにおいてジュール熱が発生する。
リレー15をノーマルクローズ型にすると、接点16と対になるコイル19に電流を流さなくても、接点16を閉状態に保持できる。従って、信号受信部4へ制御信号を送信するとき以外は、リレー15で電力を消費することが無い。
電圧降下部13において、正方向の電流のみが第1経路27を通過でき、負方向の電流のみが第2経路28を通過できるように、各経路27・28にダイオード29を配置し、さらに各経路27・28のダイオード29の順方向電圧の和を異ならせる。これによれば、電流がダイオード29を流れることで生じる順方向電圧降下によって、交流電源Eの正電圧と負電圧がそれぞれ異なる量だけ降下されて、各負荷1に印加される。
ダイオード29は、それを流れる電流の大きさによって、順方向電圧が大きく左右されない特性を持つ。電圧降下部13を流れる電流の大きさは、交流電源Eの電圧値および負荷1の抵抗値によって変化するが、電圧降下部13における電圧降下要素をダイオード29とすると、それを流れる電流の大きさにかかわらず、電圧降下部13における電圧降下量を一定化できる。従って、変調後の交流電圧における正負の電圧差を一定化して、この電圧差に基づく制御信号の復調を、負荷1の種類にかかわらず常に正確に行うことができる。さらに、電圧降下部13における電圧降下要素をダイオード29とすると、電圧降下部13をトランスなどで構成する場合に比べて、電圧降下部13を小型で簡素なものとすることができる。
第1経路27と第2経路28のそれぞれにおいてダイオード29を並列接続すると、仮に1個のダイオード29が故障しても、当該ダイオード29に並列接続されたダイオードを電流が流れることで、電圧降下部13が正常に機能する。つまり本発明によれば、変調回路5の故障耐性を向上することができる。
電圧降下部13を複数個のダイオードブリッジ70A〜70Eで構成することができる。ダイオードブリッジ70A〜70Eは、4個のダイオード29がブリッジ接続してモジュール化した市販品であるから、これを利用することにより、単体のダイオードを1個ずつ接続する場合に比べて、素子の接続作業に要する時間を短縮することができる。
第1実施形態に係る復調回路の入出力電圧を示す図である。 第1実施形態に係る電力線通信方式の全体構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係る信号送信部の回路構成図である。 復調回路に対する入力電圧を示す図である。 第1実施形態に係る復調回路の構成図である。 第1実施形態に係る整流回路部からの出力電圧を示す図である。 第2実施形態に係る復調回路の構成図である。 第2実施形態に係る整流回路部における電圧波形を示す図である。 第3実施形態に係る信号送信部の回路構成図である。 第4実施形態に係る信号送信部の回路構成図である。 別の実施形態に係る復調回路の入出力電圧を示す図である。 さらに別の実施形態に係る復調回路の入出力電圧を示す図である。
(第1実施形態) 本発明に係る電力線通信方式を、冷蔵ショーケースの照明装置の調光システムに適用した第1実施形態を、図1ないし図6を用いて説明する。図2に示すように冷蔵ショーケースは、陳列室や前面パネルなどを照明する複数の照明装置(負荷)1と、各照明装置1に対して調光信号(制御信号)を送信する調光指示部(信号送信部)2とを備えている。各照明装置1は、電力線3を介して200V/50Hzの商用電源(交流電源)Eに並列接続されており、各照明装置1と商用電源Eの間に調光指示部2が配置されている。
調光指示部2は、外部からの指示などを受けて調光信号を生成し、生成した調光信号に従って商用電源Eの電圧波形を加工することにより、照明装置1毎に設けた信号受信部4へ調光信号を送信する。調光指示部2は、電圧波形を変調する変調回路5と、送信する調光信号に従って変調回路5を制御する送信制御回路6とで構成される。
各照明装置1は、光源としてのLED(発光ダイオード)8と、LED8に定電流を供給する定電流回路9と、信号受信部4を構成する復調回路10とを備える。定電流回路9と復調回路10は、商用電源Eに対して並列接続されている。復調回路10は、印加される交流電圧の波形から調光信号を復調し、定電流回路9へ送信する。定電流回路9は、復調回路10から受信した調光信号に従って、LED8に供給する電流の大きさ、すなわちLED8の明るさを制御する。
図3に示すように変調回路5は、電流が流れることで電圧降下が生じる電圧降下部13と、電圧降下部13をバイパスするバイパス路14とで構成される。バイパス路14には、ノーマルクローズ型のリレー15の接点(スイッチ)16が設けられており、この接点16が閉状態のとき電流はバイパス路14を流れ、接点16が開状態のとき電流は電圧降下部13を流れる。
リレー15の接点16と対になる電磁石のコイル19は、2本の電力線3の間に架け渡された送信制御回路6のコイル路20上に配置される。コイル路20は、コイル19と直列に接続したサイリスタ(スイッチング素子)21によって開閉制御される。サイリスタ21のゲートには、ゲート電流を制御するゲート制御手段22が接続されている。符号23は、コイル19に並列接続された電解コンデンサである。
サイリスタ21に順バイアスをかけた状態で、ゲート制御手段22でサイリスタ21にゲート電流を流すと、サイリスタ21のアノード−カソード間が導通する(点弧する)。サイリスタ21がオン状態になると、電磁石のコイル19に電流が流れて電磁力が発生し、接点16の可動片がコイル19側に引き寄せられて、接点16が開状態になる。なお、商用電源Eは交流であるため、サイリスタ21には順バイアスと逆バイアスが交互にかかるが、逆バイアスがかかる期間も、電解コンデンサ23に蓄積された電荷によって、コイル19に電流が流れる。そのため、サイリスタ21にゲート電流が流れている間は、コイル19に電流が流れ続けて、接点16の開状態が維持される。
一方、アノード−カソード間の導通を遮断するには、サイリスタ21のゲート電流をゲート制御手段22によって遮断する。ゲート電流の遮断後、交流である商用電源Eの電圧がゼロになった時点で、サイリスタ21は自然に消弧する。サイリスタ21がオフ状態になると、電磁石のコイル19に電流が流れなくなって電磁力が消失し、接点16の可動片が元の待機位置に戻り、接点16が閉状態になる。
以上のように、バイパス路14の接点16の開閉状態は、サイリスタ21のオンオフ状態に連動しており、サイリスタ21がオン状態のとき接点16は開状態となり、サイリスタ21がオフ状態のとき接点16は閉状態となる。つまり、サイリスタ21のゲート電流をゲート制御手段22でオンオフ制御することにより、バイパス路14の接点16を開閉制御できる。
電圧降下部13は、互いに並列接続された第1経路27および第2経路28と、各経路27・28に配置されたダイオード29とで構成されている。正方向の電流のみが第1経路27を通過でき、負方向の電流のみが第2経路28を通過できるように、ダイオード29の向きが設定されている。本実施形態では、第1経路27には直列接続した複数個のダイオード29を配置し、第2経路28にはダイオード29を1個だけ配置した。具体的には、第1経路27に配置するダイオード29を9個とし、また各ダイオード29の順方向電圧を0.6Vとした。従って、電流が第1経路27を流れる場合、5.4Vの電圧降下が生じる。一方、電流が第2経路28を流れる場合の電圧降下は僅かである(0.6V)。
接点16が閉状態のときは、電流がバイパス路14を流れるので、電圧降下部13における電圧降下は発生せず、各照明装置1には、図4(a)に示す電源電圧がそのまま印加される。もちろん、当該電圧における正電圧と負電圧の高さは等しい。一方、接点16が開状態のときは、電流が電圧降下部13を流れる。具体的には、正方向の電流が第1経路27を流れ、負方向の電流が第2経路28を流れる。従って、各照明装置1には、図4(b)に示す交流電圧、すなわち、電源電圧から第1経路27における電圧降下分(5.4V)を引いた正電圧と、電源電圧から第2経路28における電圧降下分(0.6V)を引いた負電圧とが交互に連続する交流電圧が印加される。つまり、接点16が開状態のときは、各照明装置1に印加される正電圧と負電圧の間に4.8Vの差が生じる。
また図4(c)は、変調回路5を電力線3に対して本実施形態と逆向きに接続した場合に、各照明装置1に印加される交流電圧を示したものであり、正電圧と負電圧の高さが図4(b)とは逆になっている。変調回路5を本実施形態と逆向きに接続すると、電圧降下部13における第1経路27と第2経路28が入れ替わる。すなわち、ダイオード29が1つだけ配置された経路が、正方向の電流の通過を許す第1経路27となり、複数個のダイオード29が配置された経路が、負方向の電流の通過を許す第2経路28となる。
各照明装置1の復調回路10は、当該照明装置1に印加される交流電圧の波形から調光信号を復調するものであって、図5に示すように、交流電圧の正電圧と負電圧を個別に整流平滑して出力する整流回路部32と、整流回路部32から出力される2つの電圧を比較する比較回路部33とを備えている。
整流回路部32は、商用電源Eに対して並列接続された第1整流部35と第2整流部36を備えている。各整流部35・36の両端にはダイオード37が配置されており、正方向の電流のみが第1整流部35を通過でき、負方向の電流のみが第2整流部36を通過できるように、各ダイオード37の向きが設定されている。各ダイオード37による電圧降下量は全て同一である。
各整流部35・36においては、2個のダイオード37の間に電圧平滑用の平滑コンデンサ38が配置され、さらに平滑コンデンサ38に抵抗39が並列接続されている。つまり、各整流部35・36は、ダイオード37、平滑コンデンサ38、ダイオード37の順に三者を直列接続し、さらに平滑コンデンサ38に抵抗39を並列接続して構成されている。本実施形態では、平滑コンデンサ38として、比較的高耐圧で大容量の電解コンデンサを使用した。
図6に示す上側の曲線は、整流回路部32に交流電圧を印加した場合に、第1整流部35の平滑コンデンサ38の正極側から比較回路部33へ入力される電圧(以下、第1電圧と記す。)V1を示したものである。一方、下側の曲線は、第2整流部36の平滑コンデンサ38の正極側から比較回路部33へ入力される電圧(以下、第2電圧と記す。)V2を反転表示したものである。つまり、第2電圧V2は、図6の下側の曲線の正負を反転したものとなる。各電圧V1・V2は、当該整流部35・36に印加される交流電圧がピーク値から下がり始めると、交流電圧よりも緩やかなペースで低下する。これは、交流電圧がピーク値に達するまでに平滑コンデンサ38に蓄積された電荷が、並列接続された抵抗39へ放出されるからである。
比較回路部33は、発光素子としてのLED(発光ダイオード)43a・44aおよび受光素子としてのNPN型のPTr(フォトトランジスタ)43b・44bの組からなる2個のフォトカプラ(第1検知素子・第2検知素子)43・44を備える。第1フォトカプラ43のLED43a(以下、第1LED43aと記す。)のアノード側には第1電圧V1が入力され、カソード側には第2電圧V2が入力される。また、第2フォトカプラ44のLED44a(以下、第2LED44aと記す。)のアノード側には第2電圧V2が入力され、カソード側には第1電圧V1が入力される。
第1電圧V1が第2電圧V2よりも高く、その電圧差が第1LED43aの順方向電圧を上回ると、第1LED43aが通電して、対になる第1PTr43bにコレクタ電流が流れる。また、第2電圧V2が第1電圧V1よりも高く、その電圧差が第2LED44aの順方向電圧を上回ると、第2LED44aが通電して、対になる第2PTr44bにコレクタ電流が流れる。本実施形態では、第1LED43aと第2LED44aの順方向電圧を共に1.0Vとした。
第1PTr43bと第2PTr44bは互いに並列接続されて、コレクタ接地回路を構成している。詳しくは、各PTr43b・44bのコレクタが正電源VCCに接続されており、各PTr43b・44bのエミッタは、ノイズ除去用のローパスフィルタ45を介して、接地されたエミッタ抵抗46に接続されている。本実施形態では、正電源VCCの電圧値を5Vとした。
両LED43a・44aが非通電状態、すなわち両フォトカプラ43・44がオフ状態のときは、正電源VCCからの電圧がエミッタ抵抗46にかかることはなく、従って出力端子OUTの電圧値はGND(グラウンド)すなわち0となる。これに対し、少なくとも一方のLED43a(44a)が通電して、フォトカプラ43(44)がオン状態になると、当該フォトカプラ43(44)のPTr43b(44b)にコレクタ電流が流れて、正電源VCCからエミッタ抵抗46に電圧がかかり、出力端子OUTの電圧値が正の値になる。
商用電源Eの電源電圧が変調回路5で変調されず、復調回路10の整流回路部32に対して、図4(a)に示す正電圧と負電圧の高さが等しい交流電圧が印加される場合は、両フォトカプラ43・44が常にオフ状態となり、従って出力端子OUTの電圧値は0となる。一方、電源電圧が変調回路5で変調されて、図4(b)に示す正電圧が負電圧よりも低い交流電圧が印加される場合は、第2フォトカプラ44が常にオン状態となり、出力端子OUTの電圧値が正の値になる。また、図4(c)に示す負電圧が正電圧よりも低い交流電圧が印加される場合は、第1フォトカプラ43が常にオン状態となり、出力端子OUTの電圧値が正の値になる。以上の法則を得るために必要な、整流回路部32の各整流部35・36の平滑コンデンサ38および抵抗39の時定数τ(=CR)について検討する。
図6に示すように、整流回路部32に印加される交流電圧が正のピーク値に達するとき、第1電圧V1が最大値V1_MAXとなり、このとき第2電圧V2との差も最大になる(V1>V2のときの最大電圧差V1_MAX−V2_LOW)。また、交流電圧が負のピーク値に達するとき、第2電圧V2が最大値V2_MAXとなり、このとき第1電圧V1との差も最大になる(V2>V1のときの最大電圧差V2_MAX−V1_LOW)。
図4(a)に示す正電圧と負電圧の高さが等しい交流電圧が復調回路10に印加される場合に、両フォトカプラ43・44を常にオフ状態にするためには、V1>V2のときの最大電圧差V1_MAX−V2_LOWが第1LED43aの順方向電圧よりも小さく、かつ、V2>V1のときの最大電圧差V2_MAX−V1_LOWが第2LED44aの順方向電圧よりも小さくなるようにする必要がある。交流電圧の正負の電圧値が等しいときは、
V1_MAX=V2_MAX、V1_LOW=V2_LOW
となるから、このときのV1_MAX(V2_MAX)の値をV_MAX、また電源電圧の半周期をΔt1とすると、次の数式1のようになる。
Figure 0006211369
この数式1から、最大電圧差とLED43a・44aの順方向電圧(1.0V)に関して、次の数式2に示す条件式(A)を得ることができる。
Figure 0006211369
この式(A)を変形すると、次の数式3に示す条件式(B)のようになる。
Figure 0006211369
ここで本実施形態では、200V/50Hzの商用電源Eを用いたから、
V_MAX≒200×1.41=282V、Δt1=0.01秒
である。これらを式(B)に代入すると、
CR>2.815
となる。本実施形態では、両整流部35・36の平滑コンデンサ38の容量をそれぞれ16.5μF、抵抗39をそれぞれ440kΩとした。このときの時定数τ(=CR)は7.26秒となり、上の条件を満たす。
一方、図4(b)に示す交流電圧が復調回路10に印加される場合、
V2_MIN−V1_MAX>1.0 (C)
なる条件式を満たせば、第2電圧V2と第1電圧V1との差が常に第2LED44aの順方向電圧(1.0V)を上回り、第2フォトカプラ44がオン状態に維持される。
Figure 0006211369
ここで、CR=7.26、Δt2<0.02であるから、
V2_MIN>280.6V
となる。これにより、
V2_MIN−V1_MAX>280.6−276.6=4.0
となり、式(C)を満たす。
また、図4(c)に示す交流電圧が復調回路10に印加される場合、
V1_MIN−V2_MAX>1.0 (D)
なる条件式を満たせば、第1電圧V1と第2電圧V2との差が常に第1LED43aの順方向電圧(1.0V)を上回り、第1フォトカプラ43がオン状態に維持される。この式(D)を満たすことも、式(C)のときと同様の方法で確認することができる。なお、本実施形態に係る時定数τ等の設定によれば、商用電源Eの電圧(100Vまたは200V)および周波数(50Hzまたは60Hz)に関係無く、先の条件式(A)(C)および(D)を満たして、調光信号を確実に復調することができる。
以上のように、復調回路10に対して、図4(a)に示す正電圧と負電圧の高さが等しい交流電圧が印加される場合、すなわち電源電圧が変調回路5で変調されない場合は、出力端子OUTの電圧値が0となる。換言すれば、復調回路10が信号"0"を出力する。また、図4(b)に示す正電圧が負電圧よりも低い交流電圧が印加される場合、すなわち電源電圧が変調回路5で変調される場合は、出力端子OUTの電圧値が正の値になる。換言すれば、復調回路10が信号"1"を出力する。このように、復調回路10は、"0"と"1"の2値からなる調光信号を復調して、LED8の明るさを制御する定電流回路9へ送信する。
なお、本実施形態において、復調回路10が信号"1"を出力するのは、第1電圧V1と第2電圧V2の電圧差が、LED43a・44aの順方向電圧すなわち1.0Vに達した場合である。この電圧差が1.0Vに満たないときは、LED43a・44aが通電せず、従って復調回路10からの出力は"0"となる。つまり、LED43a・44aの順方向電圧(1.0V)が、両電圧V1・V2の電圧差の閾値となっている。このような閾値を設定しておくと、商用電源Eの電圧変動によって、両電圧V1・V2の間に小さな電圧差が生じた場合に、その影響を抑えることができる。つまり、閾値を設定しない場合には、電圧変動による小さな電圧差が、変調回路5における電圧変調によるものと誤認識されて、調光信号が誤って復調されるおそれがある。これに対し、本実施形態のように閾値を設定しておくと、先の小さな電圧差を電圧変調による電圧差と区別できるので、調光信号を正確に復調できる。
また、本実施形態において復調回路10に印加される交流電圧は、図4(a)に示す正電圧と負電圧の高さが等しい交流電圧と、図4(b)に示す正電圧が負電圧よりも低い交流電圧のどちらかである。前者電圧と後者電圧の切り換わりによって、第2フォトカプラ44のオンオフ状態が変化し、これにより復調回路10の出力端子OUTの出力値が変化して、調光信号が復調される。この間、第1フォトカプラ43は常にオフ状態であり、調光信号の復調には寄与しない。そのため、本実施形態において、第1フォトカプラ43を省略しても、調光信号を復調することは可能である。
しかし、第1フォトカプラ43を設けておくと、変調回路5を電力線3に対して本実施形態と逆向きに接続した場合に、調光信号を復調することができる。この場合に復調回路10に印加される交流電圧は、図4(a)に示す正電圧と負電圧の高さが等しい交流電圧と、図4(c)に示す負電圧が正電圧よりも低い交流電圧のどちらかになる。前者電圧と後者電圧の切り換わりによって、第1フォトカプラ43のオンオフ状態が変化し、これにより復調回路10の出力端子OUTの出力値が変化して、調光信号が復調される。
このように、検知素子として2つのフォトカプラ43・44を設けておくと、変調回路5で正電圧と負電圧のどちらを大きく降下させた場合にも、そのことを比較回路部33で検知して、調光信号を復調することができる。従って、電力線3に対して変調回路5を接続する際に、その接続方向に配慮しなくて済むので、その分だけ変調回路5の接続作業を簡素化できる。
調光指示部2と、各照明装置1の定電流回路9とには、表1に示す調光制御テーブルが記憶されている。調光指示部2が各照明装置1に対して調光率を指示する際は、当該調光率に応じた時間Tだけ、電源電圧を変調回路5で変調する。この時間Tの間だけ、図1に示すように、復調回路10へ印加される交流電圧の正電圧が負電圧よりも低くなり、復調回路10の出力値が"1"となる。定電流回路9は、復調回路10の出力値"1"が継続する時間Tを計測するとともに、調光制御テーブルを参照して、当該時間Tに応じた調光率になるように、LED8に供給する電流の大きさを制御する。
Figure 0006211369
(第2実施形態) 本発明に係る電力線通信方式の第2実施形態を、図7および図8を用いて説明する。第2実施形態は、調光信号を復調する復調回路10の整流回路部32および比較回路部33の構成が、先の第1実施形態と相違する。
整流回路部32は、商用電源Eから印加される交流電圧を全波整流するダイオードブリッジ(全波整流回路)50と、第1〜第3のフォトカプラ51〜53とを備えている。各フォトカプラ51〜53は、発光素子としてのLED(発光ダイオード)51a〜53aと、受光素子としてのNPN型のPTr(フォトトランジスタ)51b〜53bとの組で構成されており、各フォトカプラ51〜53の変換効率は同一である。ダイオードブリッジ50と各LED51a〜53aは、商用電源Eからの交流電圧が印加される交流回路部55に配置されており、各PTr51b〜53bは、直流電源で駆動する直流回路部56に配置されている。交流回路部55と直流回路部56は3個のフォトカプラ51〜53のみで接続されており、電気的には互いに絶縁されている。
第1フォトカプラ51のLED51a(以下、第1LED51aと記す。第2LED52aと第3LED53aも同様とする。)は、ダイオードブリッジ50を介して商用電源Eに接続されている。第1LED51aの順方向は、ダイオードブリッジ50で全波整流された直流電流が流れる方向に一致している。そのため、商用電源Eからダイオードブリッジ50に交流電圧が印加される間は、第1LED51aに直流電流が流れ続ける。第1LED51aには、510kΩの比較的大きい抵抗が直列接続されている。
一方、第2LED52aと第3LED53aは、ダイオードブリッジ50を介することなく、商用電源Eに直接接続されている。両LED52a・53aは、順方向を互いに逆向きにした状態で、商用電源Eに対して並列に接続されている。そのため、商用電源Eの正負が変化するのに同期して、一方のLED52a(53a)が通電状態から非通電状態に切り換わり、他方のLED53a(52a)が非通電状態から通電状態に切り換わる。本実施形態では、商用電源Eの電圧が正の期間に第2LED52aが通電状態になり、当該電圧が負の期間に第3LED53aが通電状態になるようにした。第2LED52aおよび第3LED53aには、第1LED51aに直列接続された抵抗よりも小さい220kΩの抵抗が直列接続されている。
直流回路部56において、第1フォトカプラ51のPTr51b(以下、第1PTr51bと記す。第2PTr52bと第3PTr53bも同様とする。)はエミッタ接地回路を構成している。詳しくは、第1PTr51bのエミッタが接地され、コレクタが抵抗を介して正電源VCC(直流電源)に接続されている。正電源VCCの電圧値は、例えば5〜20Vの範囲内で選択することができるが、本実施形態では18Vとした。
PTr51bのコレクタ側からの出力電圧は、PNP型のトランジスタ59で反転増幅される。このトランジスタ59のコレクタに、第2PTr52bと第3PTr53bのコレクタが並列に接続されている。第2PTr52bのエミッタは、接地された電圧平滑用の平滑コンデンサ60および第1リップルフィルタ61に接続されている。第3PTr53bのエミッタも、同様の平滑コンデンサ60および第2リップルフィルタ62に接続されている。
正電源VCCから直流回路部56に直流電圧が印加された状態で、商用電源Eから交流回路部55に正電圧が入力されると、第1LED51aと第2LED52aが通電状態になって、トランジスタ59から第1PTr51bへベース電流が流れるとともに、トランジスタ59から第2PTr52bへコレクタ電流I1が流れる。第3PTr53bには電流は流れない。一方、商用電源Eから交流回路部55に負電圧が入力されると、第1LED51aと第3LED53aが通電状態になって、トランジスタ59から第1PTr51bへベース電流が流れるとともに、トランジスタ59から第3PTr53bへコレクタ電流I2が流れる。第2PTr52bには電流は流れない。第2フォトカプラ52と第3フォトカプラ53は、どちらか一方がオン状態になることによって、トランジスタ59からのコレクタ電流I1・I2の向きを交互に切り換えるスイッチとして機能する。従って、第2フォトカプラ52と第3フォトカプラ53はそれぞれ、コイルにダイオードを直列接続したリレーなどに置き換えることができる。
第1フォトカプラ51の第1LED51aに直列接続された抵抗が比較的大きい(510kΩ)ため、第1LED51aを流れる電流は比較的小さく、従って、第1LED51aが通電したときに第1PTr51bを流れるコレクタ電流も比較的小さくなる。そのため、第1PTr51bのコレクタ側に生じる電圧は、第1LED51aの電流値に応じて連続的に変化する。具体的には、第1LED51aの電流値が大きくなるほど、第1PTr51bのコレクタ側の電圧は低くなる。この電圧はトランジスタ59で反転増幅されるから、トランジスタ59のコレクタ側に生じる電圧は、第1LED51aの電流値が大きくなるほど高くなる。また、第1LED51aの電流値は、商用電源Eから整流回路部32に印加される電圧の高さに比例する。従って、トランジスタ59のコレクタ側の電圧は、整流回路部32に印加される交流電圧を全波整流かつ降圧したものとなり、その波形は図8(a)に示すものとなる。電圧が降圧されるのは、直流回路部56を駆動する正電源VCCの電圧値(18V)が、商用電源Eの電圧値(200V)に比べて低いからである。このような第1フォトカプラ51を介した降圧方法によれば、トランスなどを用いる降圧方法に比べて、回路構成を小型で簡素なものとすることができる。
トランジスタ59から第2PTr52bへコレクタ電流I1が流れると、第2PTr52bのエミッタ側に電圧が生じる。コレクタ電流I1が流れるのは、商用電源Eが正の期間のみであるから、第2PTr52bのエミッタ側に生じる電圧の波形は、図8(b)に示すように、正弦波を半波整流した形状になる。この電圧が平滑コンデンサ60で平滑化され、さらに第1リップルフィルタ61によってリップルが取り除かれて、比較回路部33へ出力される。第1リップルフィルタ61を経た出力電圧を、以下では第1電圧V1と言う。
トランジスタ59から第3PTr53bへコレクタ電流I2が流れると、第3PTr53bのエミッタ側に電圧が生じる。コレクタ電流I2が流れるのは、商用電源Eが負の期間のみであるから、第3PTr53bのエミッタ側に生じる電圧の波形は、図8(c)に示すように、正弦波を半波整流した形状になる。図8(b)と図8(c)の電圧波形は、周期は同一であるが、電圧が現れる(正の値になる)期間が真逆になっている。図8(c)に示す電圧は、平滑コンデンサ60で平滑化され、さらに第2リップルフィルタ62によってリップルが取り除かれて、比較回路部33へ出力される。第2リップルフィルタ62を経た出力電圧を、以下では第2電圧V2と言う。
本実施形態では、平滑コンデンサ60としてフィルムコンデンサを使用した。これは、正電源VCCの電圧値が商用電源Eに比べて低く、従って、高耐圧で大容量の電解コンデンサを使用しなくても、フィルムコンデンサで十分に用が足りるからである。電解コンデンサに比べて経年劣化し難いフィルムコンデンサを使用することにより、復調回路10の長期安定性を確保することができる。
比較回路部33は、整流回路部32から入力される第1電圧V1および第2電圧V2を分圧する分圧回路64と、分圧回路64で分圧された電圧が入力される2個のコンパレータ(第1検知素子・第2検知素子)65・66と、両コンパレータ65・66からの出力値が入力される論理和回路67とを備えている。論理和回路67の出力側が、復調回路10の出力端子OUTに接続されている。
第1コンパレータ65の非反転入力端子(+)は、分圧回路64の第1抵抗R1を介して整流回路部32の第1リップルフィルタ61に接続されるとともに、第2抵抗R2を介してGNDに接続されている。そのため、第1コンパレータ65の非反転入力端子における入力電圧は、V1×R2/(R1+R2)となる。第2コンパレータ66の非反転入力端子(+)は、分圧回路64の第3抵抗R3を介して整流回路部32の第2リップルフィルタ62に接続されるとともに、第4抵抗R4を介してGNDに接続されている。そのため、第2コンパレータ66の非反転入力端子における入力電圧は、V2×R4/(R3+R4)となる。第1〜第4の抵抗R1〜R4の抵抗値は、R2/R1=R4/R3の関係にある。本実施形態では、R1=R3=150Ω、R2=R4=10kΩとした。このとき、R2/(R1+R2)=R4/(R3+R4)≒0.985である。
両コンパレータ65・66の反転入力端子(−)は、分圧回路64の第5抵抗R5を介して第1リップルフィルタ61に接続されるとともに、第6抵抗R6を介して第2リップルフィルタ62に接続されている。第5抵抗R5と第6抵抗R6の抵抗値は等しく設定されている(R5=R6)。そのため、両コンパレータ65・66の反転入力端子における入力電圧は、第1電圧V1と第2電圧V2の平均値、すなわち(V1+V2)/2となる。本実施形態では、R5=R6=120kΩとした。次の表2は、両コンパレータ65・66に対する入力電圧をまとめたものである。
Figure 0006211369
各コンパレータ65・66は、非反転入力端子(+)と反転入力端子(−)の入力電圧を比較し、非反転入力端子(+)の入力電圧の方が高い場合にはHighを、反転入力端子(−)の入力電圧の方が高い場合にはLowを出力する。各コンパレータ65・66の正電源端子は18Vの正電源VCCに、負電源端子はGNDに接続されている。そのため、各コンパレータ65・66が出力するHighの電圧値は、論理和回路67のダイオードの順方向電圧(0.6V)に比べて十分高くなり、Lowの電圧値は当該順方向電圧よりも低くなる。従って、論理和回路67に対して、2つのコンパレータ65・66のうち少なくとも一方からHighが入力されるときは、復調回路10の出力端子OUTの電圧値は正の値となる。換言すれば、復調回路10が信号"1"を出力する。これに対し、両方のコンパレータ65・66からLowが入力されるときは、出力端子OUTの電圧値はGND(グラウンド)すなわち0となる。換言すれば、復調回路10が信号"0"を出力する。
商用電源Eの電源電圧が変調回路5で変調されず、復調回路10の整流回路部32に対して、図4(a)に示す正電圧と負電圧の高さが等しい交流電圧が印加される場合は、第1電圧V1と第2電圧V2の電圧値が等しくなる(V1=V2)。本実施形態では、商用電源Eの電圧値が200V、正電源VCCの電圧値が18Vのとき、V1=V2≒5.1Vとなるように、整流回路部32の各素子のパラメータを設定した。
V1=V2の場合は、表3に示すように、両コンパレータ65・66の非反転入力端子(+)における入力電圧が共に0.985V1、反転入力端子(−)における入力電圧が共にV1となる。つまり、両コンパレータ65・66において、反転入力端子(−)における入力電圧が、非反転入力端子(+)における入力電圧よりも高くなり、両コンパレータ65・66の出力は共にLowとなる。従って、復調回路10の出力端子OUTの電圧値は0となる。
Figure 0006211369
一方、電源電圧が変調回路5で変調されて、図4(b)に示す正電圧が負電圧よりも低い交流電圧が整流回路部32に印加される場合は、第1電圧V1が第2電圧V2よりも低くなる(V1<V2)。本実施形態では、変調による交流電圧の正負の電圧差(4.8V)が、第1電圧V1と第2電圧V2における約0.2Vの電圧差に換算されるように、整流回路部32の各素子のパラメータを設定した。従って、図4(b)に示す交流電圧が整流回路部32に印加されると、第1電圧V1が第2電圧V2よりも0.2Vだけ低くなる(V1=V2−0.2)。
V1<V2(V1=V2−0.2)の場合は、表4に示すように、第1コンパレータ65の非反転入力端子(+)における入力電圧が0.985V2−0.197、反転入力端子(−)における入力電圧がV2−0.1となり、後者の方が高くなるので、第1コンパレータ65の出力はLowとなる。一方、第2コンパレータ66の非反転入力端子(+)における入力電圧は0.985V2、反転入力端子(−)における入力電圧はV2−0.1となる。以下で両電圧の高低を比較する。
第2電圧V2は、整流回路部32に対して印加される交流電圧の負電圧に依拠する。図4(b)に示す交流電圧における負電圧は、電源電圧における負電圧よりも、僅かにダイオード29の1個分の電圧降下量(0.6V)だけ低い値である。電源電圧が変調回路5で変調されない場合、すなわち図4(a)に示す交流電圧が印加される場合の第2電圧V2は約5.1Vであるから、図4(b)に示す交流電圧が印加される場合の第2電圧V2は、5.1Vよりも僅かに低い値となる。V2<5.1の範囲では、代入して検証すると、非反転入力端子(+)における入力電圧(0.985V2)が、反転入力端子(−)における入力電圧(V2−0.1)よりも高くなる。従って、第2コンパレータ66はHighを出力し、復調回路10の出力端子OUTの電圧値は正の値となる。
Figure 0006211369
本実施形態において復調回路10に印加される交流電圧は、先の第1実施形態と同様に、図4(a)に示す正電圧と負電圧の高さが等しい交流電圧と、図4(b)に示す正電圧が負電圧よりも低い交流電圧のどちらかである。前者電圧と後者電圧の切り換わりによって、第2コンパレータ66の出力がHighとLowの間で変化し、これにより復調回路10の出力端子OUTの出力値が変化して、"1"と"0"の組み合わせからなる調光信号が復調される。この間、第1コンパレータ65の出力は常にLowであり、調光信号の復調には寄与しない。そのため、本実施形態において、第1コンパレータ65を省略しても、調光信号を復調することは可能であるが、先の第1実施形態で第1フォトカプラ43を設けたことと同様の理由で、本実施形態でも第1コンパレータ65を設けている。第1コンパレータ65は、図4(c)に示す負電圧が正電圧よりも低い交流電圧が整流回路部32に印加されて、第2電圧V2が第1電圧V1よりも0.2Vだけ低くなる場合に、Highを出力する。V2<V1(V2=V1−0.2)の場合の両コンパレータ65・66の入力電圧及び出力電圧を表5に示す。
Figure 0006211369
なお、本実施形態において、第2コンパレータ66の出力がHighとなり、復調回路10が信号"1"を出力するのは、表2に示す第2コンパレータ66の非反転入力端子(+)の入力電圧が、反転入力端子(−)の入力電圧よりも高くなった場合、すなわち、0.985V2>(V1+V2)/2となった場合である。この不等式を第1電圧V1について解くと、V1<0.97V2となる。つまり、第1電圧V1が第2電圧V2の97%未満になると、第2コンパレータ66の出力がHighとなる。換言すれば、第2電圧V2の3%が、第1電圧V1と第2電圧V2の電圧差の閾値となっており、両電圧V1・V2の差が第2電圧V2の3%に満たないときは、第2コンパレータ66の出力はLowとなる。このような閾値を設定しておくと、商用電源Eの電圧変動によって、両電圧V1・V2の間に、第2電圧V2の3%未満の小さな電圧差が生じた場合に、その影響を排除することができる。それ以外の点は、先の第1実施形態と同様であるので、同一の部材には同一の符号を付してその説明を省略する。以下の実施形態においても同様とする。
(第3実施形態) 本発明に係る電力線通信方式の第3実施形態を図9に示す。第3実施形態は、調光信号を送信する調光指示部2の変調回路5および送信制御回路6の構成が、先の第1実施形態と相違する。
変調回路5の電圧降下部13には、ループ状に接続された5個のダイオードブリッジ70A〜70Eが設けられており、ループにおいて隣り合うダイオードブリッジ70A〜70Eの+端子と−端子が互いに接続されている。ループの基点となる第1ダイオードブリッジ70Aの+端子が、電圧降下部13の第1端部13aに接続され、第1ダイオードブリッジ70Aの2個の交流入力端子が、電圧降下部13の第2端部13bに接続されている。
第1端部13aから、第1ダイオードブリッジ70Aの+端子と交流入力端子を順に経由して、第2端部13bに至る経路が、正負一方向の電流のみを通過させる第1経路27を構成する。第1経路27には、第1ダイオードブリッジ70Aの+端子と2個の交流入力端子との間に、2個のダイオード29が配置されている。2個のダイオード29は互いに並列の関係にあるから、電流が第1経路27を流れる場合の電圧降下量は、ダイオード29の1個分の順方向電圧になる。
第2端部13bから、第1ダイオードブリッジ70Aの交流入力端子と−端子を順に経由し、次いで、第2〜第5のダイオードブリッジ70B〜70Eを+端子から−端子へ向かって通過し、最後に通過したダイオードブリッジ70Eの−端子から第1端部13aに至る経路が、正負他方向の電流のみを通過させる第2経路28を構成する。第2経路28には、第1ダイオードブリッジ70Aの2個の交流入力端子と−端子との間に2個のダイオード29が配置され、さらに第2〜第5のダイオードブリッジ70B〜70Eにダイオード29が4個ずつ配置されている。第1ダイオードブリッジ70Aの2個のダイオード29は互いに並列の関係にある。また、第2〜第5のダイオードブリッジ70B〜70Eのそれぞれにおいて、+端子から−端子へ向かう2つの並列の経路に、ダイオード29が2個ずつ配置されている。従って、電流が第2経路28を流れる場合の電圧降下量は、ダイオード29の9個分の順方向電圧になる。
送信制御回路6のコイル路20には、商用電源Eから印加される交流電圧を全波整流するダイオードブリッジ(全波整流回路)71と、コイル路20を開閉制御するトライアック(スイッチング素子)72とが配置されている。トライアック72は、ゲート電流を制御するゲート制御手段22によってオンオフ制御される点で、第1実施形態のサイリスタ21と同一であるが、双方向の電流を流すことができる点でサイリスタ21と相違する。このように構成したコイル路20によれば、商用電源Eの正負の変化に関係無く、コイル19に対して常に電流を流すことができる。そのため本実施形態では、第1実施形態において必要であった電解コンデンサ23を省略している。電解コンデンサ23は比較的寿命が短いため、電解コンデンサ23を使わない回路構成とすることにより、調光指示部2の長期安定性を確保することができる。
(第4実施形態) 本発明に係る電力線通信方式の第4実施形態を図10に示す。第4実施形態は、電圧降下部13の第1経路27に、ダイオード29と抵抗75を1個ずつ直列に配置した点が、先の第1実施形態と相違する。これによれば、電流が第1経路27を流れる場合の電圧降下量が、第2経路28を流れる場合の電圧降下量よりも、抵抗75における電圧降下量の分だけ大きくなり、従って、各照明装置1に印加される交流電圧の正電圧と負電圧の高さに差が生じる。本実施形態に示すように、本発明において電圧降下を発生させる素子は、ダイオード29に限られない。
上記各実施形態の変形例として、光信号によって点弧するフォトサイリスタあるいはフォトトライアックでスイッチング素子21・72を構成することができる。この場合には、フォトサイリスタあるいはフォトトライアックと対になる発光素子、例えばLED(発光ダイオード)を流れる電流を制御することにより、スイッチング素子21・72をオンオフ制御してコイル路20を開閉制御できる。
図11は、調光信号の別の形態を示したものである。そこでは、調光指示部2および照明装置1の定電流回路9に、先の実施形態と同様の調光制御テーブルが記憶されている。調光指示部2から調光率を指示する際は、まず変調回路5で電源電圧を短時間だけ変調し、指示する調光率に対応する時間T1が経過した後、再び電源電圧を短時間だけ変調する。定電流回路9は、復調回路10の出力値が"1"から"0"に戻ってから、再び"1"になるまでの時間T1を計測し、当該時間T1に応じた調光率になるようにLED8の電流を制御する。
図12は、調光信号のさらに別の形態を示したものである。そこでは調光率を、所定時間T2内における電源電圧の変調回数に対応させている。調光指示部2は、所定時間T2の間に、指示する調光率に対応する回数だけ、電源電圧の変調を繰り返す。定電流回路9は、所定時間T2の間に、復調回路10の出力値が"0"から"1"に変化した回数(図示例では3回)を計測し、当該回数に応じた調光率になるようにLED8の電流を制御する。なお、調光指示部2において所定時間T2は、電源電圧の1回目の変調と同時に開始し、定電流回路9において所定時間T2は、"0"から"1"への変化を1回目に検知するのと同時に開始する。
上記以外に調光信号は、例えば"0"と"1"のビット列など、各種の形態を選択することができる。また調光信号には、調光率に加えて、照明装置1毎に設定した識別コードなどを含めることができる。この場合には、各照明装置1の調光率を個別に指示することが可能となる。
上記各実施形態では、照明装置1に信号受信部4を組み込んだが、本発明はこれに限られず、信号受信部4を照明装置1から分離することもできる。要は、信号受信部4が電力線3に接続されて、交流電源Eから照明装置1に印加される交流電圧が、信号受信部4にも印加されるようになっていればよい。なお、信号受信部4と照明装置1を分離する場合、信号受信部4と照明装置1の間の通信は、専用の信号線や無線により行う。また、照明装置1と信号受信部4を1対1で対応させる必要は無く、複数の照明装置1に1つの信号受信部4に対応させて、当該信号受信部4から複数の照明装置1へ調光信号を送信する構成であってもよい。
本発明に係る電力線通信方式の適用対象はショーケースに限られず、また送受信する制御信号も調光信号に限られない。例えば、送風ファンのモータの回転数の制御信号や、防露ヒータの温度の制御信号などの送受信に、本発明を適用することができる。
1 負荷(照明装置)
2 信号送信部(調光指示部)
3 電力線
4 信号受信部
5 変調回路
6 送信制御回路
10 復調回路
13 電圧降下部
14 バイパス路
15 リレー
16 スイッチ(接点)
19 コイル
27 第1経路
28 第2経路
29 ダイオード
32 整流回路部
33 比較回路部
43 第1検知素子(第1フォトカプラ)
44 第2検知素子(第2フォトカプラ)
65 第1検知素子(第1コンパレータ)
66 第2検知素子(第2コンパレータ)
E 交流電源(商用電源)

Claims (8)

  1. 交流電源(E)から負荷(1)へ電力を供給する電力線(3)を利用して、負荷(1)を制御するための制御信号を送信する通信方式であって、
    交流電源(E)の電圧波形を加工することにより制御信号を送信する信号送信部(2)と、信号送信部(2)で加工された電圧波形から制御信号を抽出する信号受信部(4)とを備えており、
    信号送信部(2)が、電力線(3)上に配置されて電源電圧を変調する変調回路(5)と、送信する制御信号に従って変調回路(5)を制御する送信制御回路(6)とを備えており、
    変調回路(5)が、交流電圧の正電圧と負電圧の間に一定の電圧差が生じるように、正電圧と負電圧のうち少なくとも一方を降下させ、
    信号受信部(4)の復調回路(10)が、交流電圧における正負の電圧差に基づいて制御信号を復調するように構成されており、
    復調回路(10)が、
    交流電圧を整流し、当該電圧の正電圧に対応する第1電圧(V1)と、負電圧に対応する第2電圧(V2)とを個別に出力する整流回路部(32)と、
    整流回路部(32)から出力される第1電圧(V1)と第2電圧(V2)の電圧差に基づいて制御信号を復調する比較回路部(33)と、
    を備えており、
    比較回路部(33)が、
    第1電圧(V1)の電圧値が第2電圧(V2)の電圧値よりも高いことを検知する第1検知素子(43・65)と、
    第2電圧(V2)の電圧値が第1電圧(V1)の電圧値よりも高いことを検知する第2検知素子(44・66)と、
    を備えていることを特徴とする電力線通信方式。
  2. 比較回路部(33)において、電源電圧が変調回路(5)で変調された場合に生じる第1電圧(V1)と第2電圧(V2)の電圧差よりも小さい閾値が設定されており、
    両電圧(V1・V2)の電圧差を閾値と比較することによって制御信号を復調する請求項1に記載の電力線通信方式。
  3. 整流回路部(32)が、交流電源(E)からの交流電圧が印加される交流回路部(55)と、交流電源(E)よりも電圧値の低い直流電源で駆動する直流回路部(56)とを備えており、
    交流回路部(55)と直流回路部(56)はフォトカプラ(51〜53)で接続されて、電気的に絶縁されており、
    交流電源(E)から交流回路部(55)に交流電圧が印加されると、当該電圧に応じた第1電圧(V1)と第2電圧(V2)が直流回路部(56)で発生するように、各回路部(55・56)が構成されており、
    交流電圧を整流して得られる脈流を平滑化するための平滑コンデンサ(60)が、直流回路部(56)に設けられている請求項1または2に記載の電力線通信方式。
  4. 変調回路(5)が、電圧を降下させるための電圧降下部(13)と、電圧降下部(13)をバイパスするバイパス路(14)とを備えており、
    バイパス路(14)には、送信制御回路(6)によって開閉制御されるリレー(15)の接点(16)が設けられており、
    送信制御回路(6)は、信号受信部(4)へ制御信号を送信する場合に接点(16)を開閉制御し、制御信号を送信するとき以外は、接点(16)を閉状態に保持する請求項1から3のいずれかひとつに記載の電力線通信方式。
  5. リレー(15)がノーマルクローズ型である請求項に記載の電力線通信方式。
  6. 電圧降下部(13)が、互いに並列接続された第1経路(27)および第2経路(28)と、各経路(27・28)に配置されたダイオード(29)とで構成されており、
    正方向の電流のみが第1経路(27)を通過でき、負方向の電流のみが第2経路(28)を通過できるように、ダイオード(29)の向きが設定されており、
    第1経路(27)を流れる電流が通過するダイオード(29)の順方向電圧の和と、第2経路(28)を流れる電流が通過するダイオード(29)の順方向電圧の和とが異なる請求項4または5に記載の電力線通信方式。
  7. 第1経路(27)と第2経路(28)のそれぞれにおいて、ダイオード(29)が並列接続されている請求項に記載の電力線通信方式。
  8. 電圧降下部(13)が、ループ状に接続された複数個のダイオードブリッジ(70A〜70E)を備えており、
    ループにおいて隣り合うダイオードブリッジ(70A〜70E)の+端子と−端子が互いに接続されており、
    ループの基点となる第1ダイオードブリッジ(70A)の+端子が電圧降下部(13)の第1端部(13a)に接続され、第1ダイオードブリッジ(70A)の2個の交流入力端子が電圧降下部(13)の第2端部(13b)に接続されており、
    第1端部(13a)から、第1ダイオードブリッジ(70A)の+端子と交流入力端子を順に経由して、第2端部(13b)に至る経路が、第1経路(27)と第2経路(28)のうち一方を構成し、
    第2端部(13b)から、第1ダイオードブリッジ(70A)の2個の交流入力端子と−端子を順に経由し、次いで、第1ダイオードブリッジ(70A)以外のダイオードブリッジ(70B〜70E)を+端子から−端子へ向かって通過し、最後に通過したダイオードブリッジ(70E)の−端子から第1端部(13a)に至る経路が、第1経路(27)と第2経路(28)のうち他方を構成する請求項に記載の電力線通信方式
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