JP6210488B2 - シクロヘキサノンの製造方法 - Google Patents
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Description
また、特許文献2に記載の方法は、シクロヘキサンの転化率は5〜11%と高いが、シクロヘキサノンの選択性が低いため、転化率と選択性とから換算されるシクロヘキサノンの収率は、2.1〜4.2%と非常に低い。また、シクロヘキサノールも併せて生成されるため、シクロヘキサノンを分離する工程が必要となる。
本発明の第一の実施形態に係るシクロヘキサノンの製造方法は、シクロヘキサンを酸素又は酸素含有ガスと接触させて酸化反応させるシクロヘキサノンの製造方法であって、前記酸化反応処理が、ニッケル化合物存在下、及び4〜100MPaの圧力下で行われることを特徴とする。
また、この場合、最初の酸化反応が進行しなかった場合にも、その混合物の一部を次の反応の新たなシクロヘキサンに加えることにより、後の酸化反応は効率よく進行し、副生成物を生ずることなく、シクロヘキサンの転化率が向上する。さらに、後の酸化反応の反応混合物の一部を、順次、次の反応の新たなシクロヘキサンに加える操作を、複数回(複数世代)行った場合にも、シクロヘキサンの転化率はそれほど低下しない。
この場合、前記シクロヘキサンとニッケル化合物との混合物は、ニッケル化合物を触媒として用いてシクロヘキサンを酸素又は酸素含有ガスと接触させて酸化反応させた反応混合物の一部とすることができる。前記シクロヘキサンとニッケル化合物との混合物は、実際に酸化反応が進行するしないにかかわらず、酸化反応条件に供された混合物、即ち、所定の温度及び圧力下で酸素又は酸素含有ガスと接触された混合物とすることができる。例えば、上記混合物の酸化反応が進行しなかった場合、すなわちシクロヘキサノンの生成が認められなかった混合物であっても、上記混合物の一部を次の反応の新たなシクロヘキサンに加えることにより、後の酸化反応は効率よく進行することができる。その際、新たなシクロヘキサンの酸化反応には、新たなニッケル化合物を触媒として加える必要はない。
なお、本実施形態に係るシクロヘキサノンの製造方法においては、酸化反応後の混合物の一部を、順次、次の反応の新たなシクロヘキサンに加える操作を複数回(複数世代)行うことも可能である。
(シクロヘキサノン及び未反応のシクロヘキサンの組成比)
1H−NMRを用い、シクロヘキサノン及びシクロヘキサンのシグナルの積分比から算出した。
ステンレス製オートクレーブ(耐圧硝子工業株式会社製、10ml)にシクロヘキサン(10mmol)、臭化ニッケル(0.0625mol%)を加え、酸素:窒素(21:79)混合ガスを10MPaに充填した後に系を閉じ、135℃で24時間加熱撹拌した。その後、反応混合物をサンプリングし、1H−NMRの測定を行い、その積分比から算出した生成物の組成比を下記表1に示す。
触媒となるニッケル化合物の種類及び量を下記表1に示すように変えたこと以外は実施例1と同様に反応を行い、生成物の組成比を求めた。結果を下記表1に示す。
触媒となるニッケル化合物の種類、量及び反応時間を下記表2に示すように変えたこと以外は実施例1と同様に反応を行い、生成物の組成比を求めた。結果を下記表2に示す。
ステンレス製オートクレーブ(耐圧硝子工業株式会社製、10ml)にシクロヘキサン(10mmol)、臭化ニッケル(0.2500mol%)を加え、酸素:窒素(21:79)混合ガスを10MPaに充填した後に系を閉じ、135℃で24時間加熱撹拌した。その後、反応混合物をサンプリングし、1H−NMRの測定を行い、その積分比から算出した生成物の組成比を下記表3に示す。
反応圧力を下記表3に示すように変えたこと以外は実施例22と同様に反応を行い、生成物の組成比を求めた。結果を下記表3に示す。
反応温度を下記表4に示すように変えたこと以外は実施例22と同様に反応を行い、生成物の組成比を求めた。結果を実施例22とともに下記表4に示す。
反応時間を下記表5に示すように変えたこと以外は実施例22と同様に反応を行い、生成物の組成比を求めた。結果を実施例22とともに下記表5に示す。
触媒の種類及び反応時間を下記表5に示すように変えたこと以外は実施例22と同様に反応を行い、生成物の組成比を求めた。結果を下記表5に示す。
実施例9で得られた酸化反応混合物(第1世代)の一部を新たなシクロヘキサンに加えて、同条件で加熱攪拌し、その後、反応混合物(第2世代)をサンプリングし、1H−NMRの測定を行い、反応混合物の組成比を算出した。なお、酸化反応混合物と新たなシクロヘキサンとの混合物は、新たなシクロヘキサンの量を調整することにより、全体量を一定とした。第1世代の酸化反応混合物の第2世代の反応への移動量及び上記算出結果を下記表6に示す。
第1世代の酸化反応混合物を表6に示すものに変えたこと以外は実施例38と同様に行った。結果を下記表6に示す。
ステンレス製オートクレーブ(耐圧硝子工業株式会社製、10ml)にシクロヘキサン(10mmol)、Ni(ClO4)2・6H2O(1mol%)を加え、酸素:窒素(21:79)混合ガスを0.1MPaに充填した後に系を閉じ、135℃で24時間加熱撹拌したところ、シクロヘキサノンが生成しなかった(比較例3)。比較例3で得られた酸化反応混合物(第1世代)の一部を新たなシクロヘキサンに加えて、酸素:窒素(21:79)混合ガスを10MPaに充填した後に系を閉じ、135℃で24時間加熱撹拌した。その後、反応混合物(第2世代)をサンプリングし、1H−NMRの測定を行い、反応混合物の組成比を算出した。結果を下記表6に示す。
実施例38で得られた酸化反応混合物(第2世代)の一部を新たなシクロヘキサンに加えて、同条件で加熱攪拌し、その後、反応混合物(第3世代)をサンプリングし、1H−NMRの測定を行い、反応混合物の組成比を算出した。この操作を繰り返すことで、第5世代までのシクロヘキサノン及び未反応のシクロヘキサンの組成比を算出した。酸化反応混合物の次世代の反応への移動量及び上記算出結果を下記表7に示す。
Claims (6)
- シクロヘキサンを酸素又は酸素含有ガスと接触させて酸化反応させるシクロヘキサノンの製造方法であって、
前記酸化反応処理を、硝酸ニッケル、アセチルアセトンニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、過塩素酸ニッケル及び硫酸ニッケル並びにそれらの水和物より選択される一以上のニッケル化合物存在下、及び4〜100MPaの圧力下で行うことを特徴とするシクロヘキサノンの製造方法。 - 前記酸化反応処理を、100〜200℃の温度範囲で行うことを特徴とする請求項1記載のシクロヘキサノンの製造方法。
- 前記ニッケル化合物は、シクロヘキサンに対し、0.05〜2.0mol%であることを特徴とする請求項1又は2記載のシクロヘキサノンの製造方法。
- 前記酸化反応による反応混合物の一部を、新たなシクロヘキサンに触媒として加え、新たなシクロヘキサンを酸素又は酸素含有ガスと接触させて酸化反応させることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載のシクロヘキサノンの製造方法。
- 4〜100MPaの圧力下で原料シクロヘキサンを酸素又は酸素含有ガスと接触させて酸化反応させるシクロヘキサノンの製造方法であって、
前記原料シクロヘキサンに、シクロヘキサンの酸化反応条件に供されたシクロヘキサンと硝酸ニッケル、アセチルアセトンニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、過塩素酸ニッケル及び硫酸ニッケル並びにそれらの水和物より選択される一以上のニッケル化合物との混合物を触媒として加えることを特徴とするシクロヘキサノンの製造方法。 - 前記混合物は、ニッケル化合物を触媒として用いて4〜100MPaの圧力下でシクロヘキサンを酸素又は酸素含有ガスと接触させて酸化反応させた反応混合物の一部であることを特徴とする請求項5記載のシクロヘキサノンの製造方法。
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