JP6209928B2 - 光半導体装置、光半導体素子搭載用基板及び光反射用熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、光半導体装置、光半導体素子搭載用基板及び光反射用熱硬化性樹脂組成物に関する。
LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)等の光半導体素子と蛍光体とを組み合わせた光半導体装置は、エネルギー効率が高く、寿命が長いことから、屋外用ディスプレイ、携帯液晶バックライト、車載用途等の様々な用途に使用され、その需要が拡大しつつある。これに伴い、LEDデバイスの高輝度化が進んでおり、素子の発熱量増大によるジャンクション温度の上昇や、直接的な光エネルギーの増大による光半導体装置の劣化を防ぐことが求められている。
特許文献1には、光反射用熱硬化性樹脂組成物を用いて形成された、可視光から近紫外光領域において高い反射率を有するリフレクターを備えた光半導体素子搭載用基板及び光半導体装置が開示されている。また、特許文献2には、酸化チタンを含有し高い白色度を長く維持できる成形用樹脂組成物が開示されている。
特開2006−140207号公報 特開2008−255338号公報
しかし、光半導体装置において、酸化チタンをはじめとする半導体粒子を含有する熱硬化性樹脂組成物を用いてリフレクターを形成した場合、リフレクターが光劣化するという問題がある。この光劣化の主要因としては、光及び酸素の影響によって引き起こされる光酸化劣化と、酸化チタンの光触媒作用に基づく光触媒劣化の2つがあることが知られている。
このうち、光酸化劣化は、炭素−炭素結合を含むポリマー中の結合が光を吸収して励起状態になり、酸素による攻撃を受けてヒドロパーオキサイド等の活性ラジカルを生成し、連鎖反応的にポリマーが分解することにより生じることが知られている。
一方、光触媒劣化は、酸化チタンが短波長光を吸収して電子と正孔の対を生成し、水と酸素が同時に作用することにより、OHラジカルとOHラジカルが発生してポリマーを分解することにより生じることが知られている。
また、金属がドープされた酸化チタンにおいて、ドープされた金属へ電子が移動してバンドギャップが低エネルギー側に移り、可視光を受けてもポリマーの劣化が生ずるフォトクロミック効果が観測されることがある。一般的に酸化チタンは、天然鉱物から採取した原料を加工して製造される場合が多く、取り除けない金属を含んでいることがあるため、可視光を受けてフォトクロミック効果が生じるケースは稀ではない。
そのため、従来の光反射用熱硬化性樹脂組成物を用いた光半導体素子搭載用基板では、光半導体素子の外周を取り囲むように備えられた光反射用熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる壁面、又は同樹脂組成物の硬化物によって電極間が充填された基板底部に、光半導体素子からの発光が一部入射し、上記硬化物が可視光を吸収して光触媒作用及びフォトクロミック効果により青く変色する問題が発生することがある。
その結果、光半導体素子や蛍光体からの発光成分のうち黄色〜赤色の光成分が壁面や基板底部に吸収されてしまい、光半導体装置の上面へ放射されるべき光が損失して、光半導体装置としての光取出し効率を低下させてしまうという問題がある。
また、特許文献2に記載された、酸化チタンを含有し高い白色度を長く維持できる成形用樹脂組成物では、表面に無機物や有機物を処理した酸化チタンが用いられている。しかし、このような酸化チタンであっても、光触媒作用やフォトクロミック効果は十分に抑制されず、光半導体装置の光出力の低下を十分に抑制することが困難である。
さらに、表面を無機物や有機物で処理した酸化チタンの中には、それを用いて成形用樹脂組成物を調製した場合に、組成物の流動性を確保することが困難となるものもある。また、表面処理の種類によっては、酸化チタンの吸湿性が増大するという問題もある。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、光出力の低下を十分に抑制することができる光半導体装置、光半導体素子搭載用基板、及び、光反射用熱硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、光反射用熱硬化性樹脂組成物の光出力低下を発生させる要因について鋭意検討を重ねた結果、光出力特性を向上するために光反射用熱硬化性樹脂組成物中に含有される酸化チタンとして、無機物又は有機物に内包された酸化チタンを用いることで、可視光での光触媒作用及びフォトクロミック効果を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、底面及び壁面から構成される凹部を有し、上記凹部の上記底面が光半導体素子の搭載部であり、上記凹部の上記壁面の少なくとも一部が光反射用熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる光半導体素子搭載用基板と、上記光半導体素子搭載用基板に搭載された光半導体素子と、を備える光半導体装置であって、上記光反射用熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂成分と白色顔料とを含み、上記白色顔料は、酸化チタン粒子を内包した無機物又は有機物の粒子を含む、光半導体装置を提供する。
本発明はまた、基板、並びに該基板上に設けられた第1の接続端子及び第2の接続端子を有し、上記第1の接続端子と上記第2の接続端子との間に、光反射用熱硬化性樹脂組成物の硬化物を有する光半導体素子搭載用基板と、上記光半導体素子搭載用基板に搭載された光半導体素子と、を備える光半導体装置であって、上記光反射用熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂成分と白色顔料とを含み、上記白色顔料は、酸化チタン粒子を内包した無機物又は有機物の粒子を含む、光半導体装置を提供する。
これらの光半導体装置によれば、光半導体素子搭載用基板の凹部の壁面の少なくとも一部、又は、第1の接続端子と第2の接続端子との間に、上述した酸化チタン粒子を内包した無機物又は有機物の粒子を含む光反射用熱硬化性樹脂組成物の硬化物を備えることにより、上記酸化チタン粒子の光触媒作用及びフォトクロミック効果を十分に抑制することができ、光出力の低下を十分に抑制することができる。ここで、上記酸化チタン粒子を内包した無機物又は有機物の粒子を用いることで、その光触媒作用及びフォトクロミック効果が抑制され、光半導体装置の光出力の低下が抑制される理由は以下の通りである。すなわち、酸化チタン粒子が無機物又は有機物によって内包されることにより、光反射用熱硬化性樹脂組成物の上記酸化チタン粒子を内包した無機物又は有機物の粒子以外の成分の硬化物と酸化チタン粒子との接触面積が低下し、光触媒作用及びフォトクロミック効果による上述した硬化物の劣化(例えば、反射率の低下)が抑制されるためである。
本発明はまた、底面及び壁面から構成される凹部を有し、上記凹部の上記底面が光半導体素子の搭載部であり、上記凹部の上記壁面の少なくとも一部が光反射用熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる光半導体素子搭載用基板であって、上記光反射用熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂成分と白色顔料とを含み、上記白色顔料は、酸化チタン粒子を内包した無機物又は有機物の粒子を含む、光半導体素子搭載用基板を提供する。
本発明はまた、基板、並びに該基板上に設けられた第1の接続端子及び第2の接続端子を有し、上記第1の接続端子と上記第2の接続端子との間に、光反射用熱硬化性樹脂組成物の硬化物を有する光半導体素子搭載用基板であって、上記光反射用熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂成分と白色顔料とを含み、上記白色顔料は、酸化チタン粒子を内包した無機物又は有機物の粒子を含む、光半導体素子搭載用基板を提供する。
これらの光半導体素子搭載用基板によれば、その凹部の壁面の少なくとも一部、又は、第1の接続端子と第2の接続端子との間に、上述した酸化チタン粒子を内包した無機物又は有機物の粒子を含む光反射用熱硬化性樹脂組成物の硬化物を備えることにより、上記酸化チタン粒子の光触媒作用及びフォトクロミック効果を十分に抑制することができ、当該光半導体素子搭載用基板を用いて光半導体装置を作製した場合に、その光出力の低下を十分に抑制することができる。
本発明は更に、熱硬化性樹脂成分と白色顔料とを含み、上記白色顔料は、酸化チタン粒子を内包した無機物又は有機物の粒子を含む、光反射用熱硬化性樹脂組成物を提供する。
上記光反射用熱硬化性樹脂組成物によれば、上述した酸化チタン粒子を内包した無機物又は有機物の粒子を含むことにより、当該酸化チタン粒子の光触媒作用及びフォトクロミック効果を十分に抑制することができ、当該光反射用熱硬化性樹脂組成物を用いて光半導体装置を作製した場合に、その光出力の低下を十分に抑制することができる。
本発明によれば、光出力の低下を十分に抑制することができる光半導体装置、光半導体素子搭載用基板、及び、光反射用熱硬化性樹脂組成物を提供することができる。
本発明の光半導体素子搭載用基板の一実施形態を示す斜視図である。 本発明の光半導体素子搭載用基板を製造する工程の一実施形態を示す概略図である。 本発明の光半導体素子搭載用基板に光半導体素子を搭載した状態の一実施形態を示す斜視図である。 本発明の光半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の光半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の光半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。 本発明に係る銅張積層板の好適な一実施形態を示す模式断面図である。 本発明に係る銅張積層板を用いて作製された光半導体装置の一例を示す模式断面図である。 本発明に係る光半導体装置の他の実施形態を示す模式断面図である。 酸化チタン粒子を内包した無機物又は有機物の粒子の模式断面図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。また、本明細書における「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及びそれに対応する「メタクリレート」を意味する。
[光反射用熱硬化性樹脂組成物]
本発明の光反射用熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂成分と白色顔料とを含み、上記白色顔料が、酸化チタン粒子を内包した無機物又は有機物の粒子を含むものである。
<白色顔料>
白色顔料は、酸化チタン粒子を内包した無機物又は有機物の粒子(以下、「複合粒子」とも言う)を含む。複合粒子は、無機物又は有機物と、当該無機物又は有機物に内包された単数又は複数の酸化チタン粒子とを有するものであれば特に制限されない。ここで、図10(a)〜(c)は、本発明に用いる複合粒子の例を示す模式断面図である。図10(a)に示す複合粒子700は、無機物又は有機物701と、当該無機物又は有機物701内に配置された1つの酸化チタン粒子702とを有する粒子である。図10(b)に示す複合粒子700は、無機物又は有機物701と、当該無機物又は有機物701内に分散配置された複数の酸化チタン粒子702とを有する粒子である。図10(c)に示す複合粒子700は、無機物又は有機物701と、当該無機物又は有機物701内に少なくとも一部が接触又は凝集した状態で配置された複数の酸化チタン粒子702とを有する粒子である。複合粒子700の構造は、図10(a)〜(c)のいずれの構造であってもよい。
複合粒子において、酸化チタン粒子の一部は複合粒子の表面に露出していてもよいが、本発明の効果をより十分に得る観点から、複合粒子の表面には酸化チタン粒子が露出していないことが好ましい。
上記の複合粒子に用いられる無機物としては、例えばシリカビーズ、シリコーン等が挙げられ、有機物としては、例えば有機珪素化合物等が挙げられる。
また、上記の複合粒子の粒径は1〜100μmであることが好ましく、2〜10μmであることがより好ましい。粒径が1μm以上であると酸化チタン粒子を内包することが容易となり、100μm以下では樹脂組成物の流動性を確保しやすい傾向にある。
さらに、上記複合粒子において、酸化チタン粒子の粒径は100〜350nmであることが好ましく、150〜250nmであることがより好ましい。粒径が350nm以下であれば、複合粒子における酸化チタン粒子の充填量を上げやすいため、反射率の低下をより十分に抑制しやすくなる。
上記複合粒子において、酸化チタン粒子の含有割合は、複合粒子の全質量を基準として1〜70質量%であることが好ましい。酸化チタン粒子の含有割合が1質量%以上であると、高い白色度が得られやすくなり、70質量%以下であると内包されている酸化チタン粒子が複合粒子の表面に露出しにくくなり、樹脂の劣化をより十分に抑制しやすくなる。
酸化チタン粒子の結晶型としては、屈折率2.7のルチル型、屈折率2.5のアナターゼ型及び屈折率2.6のブルッカイト型の3つの結晶型があり、特には限定されないが、屈折率と光吸収特性の観点から好ましくはルチル型である。
<熱硬化性樹脂成分>
次に、熱硬化性樹脂成分について説明する。光反射用熱硬化性樹脂組成物には、熱硬化性樹脂成分として、熱硬化性樹脂、硬化剤、硬化促進剤などを含有させることができる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等、公知のものを使用することができる。光反射用熱硬化性樹脂組成物が光学材料用途や光半導体用途である場合には、光や熱により劣化しにくい特性を有する樹脂の種類が豊富である点で、エポキシ樹脂やケイ素樹脂が望ましい。
以下、エポキシ樹脂とその硬化剤について例示する。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂としては、電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料で一般に使用されているものを用いることができる。エポキシ樹脂として具体的には、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂及びオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等の、フェノール類とアルデヒド類とからなるノボラック樹脂をエポキシ化したもの、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS及びアルキル置換ビスフェノール等のジグリシジルエーテル、ジアミノジフェニルメタン及びイソシアヌル酸等のポリアミンとエピクロルヒドリンとの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、オレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂、並びに脂環族エポキシ樹脂が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらのうち、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ジグリシジルイソシアヌレート、トリグリシジルイソシアヌレート、及び、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸又は1,4−シクロヘキサンジカルボン酸から誘導されるジカルボン酸ジグリシジルエステルが、比較的着色が少ないことから好ましい。同様の理由から、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ナジック酸及びメチルナジック酸等のジカルボン酸のジグリシジルエステルも好適である。芳香環が水素化された脂環式構造を有する核水素化トリメリット酸、核水素化ピロメリット酸等のグリシジルエステルも挙げられる。シラン化合物を有機溶媒、有機塩基及び水の存在下に加熱して、加水分解・縮合させることにより製造される、エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンも挙げられる。
なお、エポキシ樹脂は、その入手方法には特に制限はなく、市販のエポキシ樹脂であってもよい。市販のエポキシ樹脂としては、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート{商品名:セロキサイド2021、セロキサイド2021A、セロキサイド2021P(以上、ダイセル化学工業(株)製)、ERL4221、ERL4221D、ERL4221E(以上、ダウケミカル日本(株)製)}、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート{商品名:ERL4299(ダウケミカル日本(株)製)、EXA7015(大日本インキ化学工業(株)製)}、1−エポキシエチル−3,4−エポキシシクロヘキサン、リモネンジエポキシド{商品名:エピコートYX8000、エピコートYX8034、エピコートYL7170(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、セロキサイド2081、セロキサイド3000、エポリードGT301、エポリードGT401、EHPE3150(以上、ダイセル化学工業(株)製)}、トリグリシジルイソシアヌレート{商品名:TEPIC(日産化学社製)}が挙げられる。
(硬化剤)
熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂が配合される場合の硬化剤としては、電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料で一般に使用されている硬化剤を用いることができる。このような硬化剤としては、エポキシ樹脂と反応するものであれば、特に限定されないが、着色の少ないものが好ましく、無色又は淡黄色であることがより好ましい。
このような硬化剤としては、例えば、酸無水物系硬化剤、イソシアヌル酸誘導体系硬化剤、フェノール系硬化剤が挙げられる。酸無水物系硬化剤としては、例えば、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、無水グルタル酸、無水ジメチルグルタル酸、無水ジエチルグルタル酸、無水コハク酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸が挙げられる。イソシアヌル酸誘導体としては、例えば、1,3,5−トリス(1−カルボキシメチル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3−カルボキシプロピル)イソシアヌレート、1,3−ビス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレートが挙げられる。これらの硬化剤の中では、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水グルタル酸、無水ジメチルグルタル酸、無水ジエチルグルタル酸又は1,3,5−トリス(3−カルボキシプロピル)イソシアヌレートを用いることが好ましい。上記硬化剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上述の硬化剤は、成形性及び硬化物の機械特性の観点から、分子量が100〜400であることが好ましい。また、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の芳香環を有する酸無水物よりも、芳香環の不飽和結合のすべてを水素化した酸無水物が好ましい。酸無水物系硬化剤として、ポリイミド樹脂の原料として一般的に使用される酸無水物を用いてもよい。
本実施形態の光反射用熱硬化性樹脂組成物において、硬化剤の配合量は、エポキシ樹脂100質量部に対して、1〜150質量部であることが好ましく、50〜120質量部であることがより好ましい。
また、硬化剤は、エポキシ樹脂中のエポキシ基1当量に対して、当該エポキシ基との反応可能な硬化剤中の活性基(酸無水物基又は水酸基)が0.5〜0.9当量となるように配合することが好ましく、0.7〜0.8当量となるように配合することがより好ましい。上記活性基が0.5当量以上であれば、熱硬化性樹脂組成物の硬化速度の低下を抑制できると共に、得られる硬化体のガラス転移温度の低下を抑制でき、十分な弾性率が得られやすくなる傾向がある。一方、上記活性基が0.9当量以下であると、硬化後の強度の低下が抑制される傾向がある。
(硬化促進剤)
本実施形態の光反射用熱硬化性樹脂組成物には、硬化反応を促進するために、硬化促進剤を含有させることができる。硬化促進剤としては、例えば、アミン化合物、イミダゾール化合物、有機リン化合物、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、第4級アンモニウム塩が挙げられる。これらの硬化促進剤の中でも、アミン化合物、イミダゾール化合物又は有機リン化合物を用いることが好ましい。アミン化合物としては、例えば、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールが挙げられる。また、イミダゾール化合物としては、例えば、2−エチル−4−メチルイミダゾールが挙げられる。更に、有機リン化合物としては、例えば、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラ−n−ブチルホスホニウム−o,o−ジエチルホスホロジチオエート、テトラ−n−ブチルホスホニウム−テトラフルオロボレート、テトラ−n−ブチルホスホニウム−テトラフェニルボレートが挙げられる。これらの硬化促進剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記硬化促進剤の配合量は、エポキシ樹脂100質量部に対して、0.01〜8質量部であることが好ましく、0.1〜3質量部であることがより好ましい。硬化促進剤の配合量が0.01質量部以上であると、十分な硬化促進効果が得られやすく、8質量部以下であると、得られる硬化物の変色を抑制することができる。
<その他の成分>
本実施形態の光反射用熱硬化性樹脂組成物は、成形性を向上させる観点から、無機充填剤を更に含んでいてもよい。また、無機充填剤を添加する際は、熱硬化性樹脂成分との密着性を向上させる観点から、カップリング剤を添加することができる。
(無機充填剤)
無機充填剤としては、例えば、シリカ、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウムが挙げられる。成型性の点から、無機充填剤は、シリカが好ましい。また、無機充填剤の中心粒径は、白色顔料とのパッキング性を向上させる観点から、1〜100μmであることが好ましい。
(カップリング剤)
カップリング剤としては、特に限定されないが、例えば、シランカップリング剤及びチタネート系カップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、一般にエポキシシラン系、アミノシラン系、カチオニックシラン系、ビニルシラン系、アクリルシラン系、メルカプトシラン系及びこれらの複合系が挙げられ、任意の添加量で用いることができる。なお、カップリング剤の配合量は、熱硬化性樹脂組成物全量を基準として5質量%以下であることが好ましい。
また、本実施形態の光反射用熱硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、酸化防止剤、離型剤、イオン捕捉剤等の添加剤を添加してもよい。
[光反射用熱硬化性樹脂組成物の作製方法]
本実施形態の光反射用熱硬化性樹脂組成物は、上述した各種成分を均一に分散混合することで得ることができ、その手段や条件等は特に限定されない。光反射用熱硬化性樹脂組成物を作製する一般的な方法として、各成分をニーダー、ロール、エクストルーダー、らいかい機、自転と公転を組み合わせた遊星式混合機等によって混練する方法を挙げることができる。各成分を混練する際には、分散性を向上する観点から、溶融状態で行うことが好ましい。
混練の条件は、各成分の種類や配合量により適宜決定すればよく、例えば、15〜100℃で5〜40分間混練することが好ましく、20〜100℃で10〜30分間混練することがより好ましい。混練温度が15℃以上であると、各成分を混練させやすくなり、分散性も向上する傾向にある。混練温度が100℃以下であると、熱硬化性樹脂の高分子量化が進行しにくくなり、混練時に熱硬化性樹脂が硬化してしまう可能性が低くなる。また、混練時間が5分以上であると、十分な分散効果が得られ、混練時間が40分以下であると、熱硬化性樹脂の高分子量化が抑制され、混練時に熱硬化性樹脂が硬化してしまう可能性が低くなる。
本実施形態の光反射用熱硬化性樹脂組成物は、高い光反射性及び耐熱性を必要とする光半導体素子実装用基板材料、電気絶縁材料、光半導体封止材料、接着材料、塗料材料並びにトランスファー成型用エポキシ樹脂成形材料など様々な用途において有用である。以下トランスファー成型用エポキシ樹脂成形材料として使用する際の例を述べる。
本実施形態の光反射用熱硬化性樹脂組成物は、トランスファー成形時の成形温度が180℃で、90秒間の条件で成形したときに、成形直後30秒以内のショアD硬度、即ち、熱時硬度が80〜95であることが好ましい。熱時硬度が80以上であると、成形体の硬化が阻害されておらず、金型から成形物を離型する際に成形物がなき別れるなどして破壊されてしまう可能性を低くすることができる。このような成形体の破壊が発生すると、光半導体素子搭載用基板を製造する歩留まりが低下し、光半導体装置を作製しにくくなる。なお、上記「泣き別れる」とは、金型と成形物との界面で剥離することができず、成形物が破損して、成形物の一部が金型に付着したまま残ることを意味する。
本実施形態の光反射用熱硬化性樹脂組成物は、成形温度180℃、成形圧力6.9MPa、成形時間60〜120秒の条件でトランスファー成形した時のバリの長さが5mm以下となることが好ましい。バリの長さが5mmを超えると、光半導体素子搭載用基板を作製する際、光半導体素子搭載領域となる開口部(凹部)に樹脂汚れが発生し、光半導体素子を搭載する際の障害となる可能性があり、また、光半導体素子と金属配線とを電気的に接続する際の障害になる可能性がある。半導体装置製造時の作業性の観点から、上記バリの長さは、3mm以下であることがより好ましく、1mm以下であることがさらに好ましい。
[光半導体素子搭載用基板]
本発明の一実施形態に係る光半導体素子搭載用基板は、底面及び壁面から構成される凹部を有し、凹部の底面が光半導体素子搭載部(光半導体素子搭載領域)であり、凹部の壁面、すなわち凹部の内周側面の少なくとも一部が上述した本発明の光反射用熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなるものである。
また、本発明の他の一実施形態に係る光半導体素子搭載用基板は、基板、並びに該基板上に設けられた第1の接続端子及び第2の接続端子を有し、第1の接続端子と第2の接続端子との間に、上述した本発明の光反射用熱硬化性樹脂組成物の硬化物を有するものである。
図1は、本発明の光半導体素子搭載用基板の一実施形態を示す斜視図である。光半導体素子搭載用基板110は、Ni/Agめっき104が形成された金属配線105(第1の接続端子及び第2の接続端子)と、金属配線105(第1の接続端子及び第2の接続端子)間に設けられた絶縁性樹脂成形体103’と、リフレクター103とを備え、Ni/Agめっき104が形成された金属配線105及び絶縁性樹脂成形体103’とリフレクター103とから形成された凹部200を有している。この凹部200の底面は、Ni/Agめっき104が形成された金属配線105及び絶縁性樹脂成形体103’から構成され、凹部200の壁面はリフレクター103から構成されるものである。そして、リフレクター103及び絶縁性樹脂成形体103’の一方又は両方が、上記本発明の光反射用熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる成形体である。本実施形態では、リフレクター103及び絶縁性樹脂成形体103’の両方が、上記本発明の光反射用熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる成形体である場合について説明する。
本実施形態の光半導体素子搭載用基板の製造方法は特に限定されないが、例えば、本発明の光反射用熱硬化性樹脂組成物を用いたトランスファー成形により製造することができる。図2は、本発明の光半導体素子搭載用基板を製造する工程の一実施形態を示す概略図である。光半導体素子搭載用基板は、例えば、金属箔から打ち抜きやエッチング等の公知の方法により金属配線105を形成し、電気めっきによりNi/Agめっき104を施す工程(図2(a))、次いで、該金属配線105を所定形状の金型151に配置し、金型151の樹脂注入口150から本発明の光反射用熱硬化性樹脂組成物を注入し、所定の条件でトランスファー成形する工程(図2(b))、そして、金型151を外す工程(図2(c))を経て製造することができる。このようにして、光半導体素子搭載用基板には、光反射用熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなるリフレクター103に周囲を囲まれてなる光半導体素子搭載領域(凹部)200が形成される。また、凹部の底面は、第1の接続端子となる金属配線105及び第2の接続端子となる金属配線105と、これらの間に設けられ光反射用熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる絶縁性樹脂成形体103’とから構成される。なお、上記トランスファー成形の条件としては、金型温度170〜200℃、成形圧力0.5〜20MPaで60〜120秒間、アフターキュア温度120〜180℃で1〜3時間が好ましい。
[光半導体装置]
本発明の光半導体装置は、上記光半導体素子搭載用基板と、光半導体素子搭載用基板の凹部内に設けられた光半導体素子と、を備えるものである。また、本発明の光半導体装置は、上記凹部を充填して上記光半導体素子を封止する封止樹脂部を備えていてもよい。
図3は、本発明の光半導体素子搭載用基板110に光半導体素子100を搭載した状態の一実施形態を示す斜視図である。図3に示すように、光半導体素子100は、光半導体素子搭載用基板110の光半導体素子搭載領域(凹部)200の所定位置に搭載され、金属配線105とボンディングワイヤ102により電気的に接続される。図4及び5は、本発明の光半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。図4及び5に示すように、光半導体装置は、光半導体素子搭載用基板110と、光半導体素子搭載用基板110の凹部200内の所定位置に設けられた光半導体素子100と、凹部200を充填して光半導体素子を封止する蛍光体106を含む透明封止樹脂101からなる封止樹脂部とを備えており、光半導体素子100とNi/Agめっき104が形成された金属配線105とがボンディングワイヤ102又ははんだバンプ107により電気的に接続されている。
図6もまた、本発明の光半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。図6に示す光半導体装置では、リフレクター303が形成されたリード304上の所定位置にダイボンド材306を介してLED素子300が配置され、LED素子300とリード304とがボンディングワイヤ301により電気的に接続され、蛍光体305を含む透明封止樹脂302によりLED素子300が封止されている。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はこれに制限されるものではない。例えば、本発明の光反射用熱硬化性樹脂組成物は光反射コート剤として用いることができる。この実施形態として、銅張積層板、光半導体素子搭載用基板及び光半導体素子について説明する。
本発明に係る銅張積層板は、上述した本発明の光反射用熱硬化性樹脂組成物を用いて形成された光反射樹脂層と、該白色樹脂層上に積層された銅箔を備えるものである。
図7は、本発明に係る銅張積層板の好適な一実施形態を示す模式断面図である。図7に示すように、銅張積層板400は、基材401と、該基材401上に積層された白色樹脂層402と、該白色樹脂層402上に積層された銅箔403と、を備えている。ここで、白色樹脂層402は、上述した本発明の光反射用熱硬化性樹脂組成物を用いて形成されている。
基材401としては、銅張積層板に用いられる基材を特に制限なく用いることができるが、例えば、エポキシ樹脂積層板等の樹脂積層板、光半導体搭載用基板などが挙げられる。
銅張積層板400は、例えば、本発明の光反射用熱硬化性樹脂組成物を基材401表面に塗布し、銅箔403を重ね、加熱加圧硬化して上記樹脂組成物からなる白色樹脂層402を形成することにより作製することができる。
本発明の樹脂組成物の基板401への塗布方法としては、例えば、印刷法、ダイコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ロールコート法等の塗布方法を用いることができる。このとき、本発明の光反射用熱硬化性樹脂組成物には、塗布が容易となるように溶媒を含有させることができる。
加熱加圧の条件としては、特に限定されないが、例えば、130〜180℃、0.5〜4MPa、30〜600分間の条件で加熱加圧を行うことが好ましい。
上記本発明に係る銅張積層板を使用し、LED実装用等の光学部材用のプリント配線板を作製することができる。なお、図7に示した銅張積層板400は、基材401の片面に白色樹脂層402及び銅箔403を積層したものであるが、本発明に係る銅張積層板は、基材401の両面に白色樹脂層402及び銅箔403をそれぞれ積層したものであってもよい。また、図7に示した銅張積層板400は、基材401上に白色樹脂層402及び銅箔403を積層したものであるが、本発明に係る銅張積層板は、基材401を用いることなく、白色樹脂層402及び銅箔403のみで構成されていてもよい。この場合、白色樹脂層402が基材としての役割をはたすこととなる。この場合、例えば、ガラスクロス等に本発明の樹脂組成物を含浸させ、硬化させたものを白色樹脂層402とすることができる。
図8は、本発明に係る銅張積層板を用いて作製された光半導体装置の一例を示す模式断面図である。図8に示すように、光半導体装置500は、光半導体素子410と、該光半導体素子410が封止されるように設けられた透明な封止樹脂404とを備える表面実装型の発光ダイオードである。光半導体装置500において、光半導体素子410は、接着層408を介して銅箔403に接着されており、ワイヤー409により銅箔403と電気的に接続されている。
更に、本発明に係る光半導体素子搭載用基板の他の実施形態として、上述した本発明の光反射用熱硬化性樹脂組成物を用いて、基材上の複数の導体部材(接続端子)間に形成された白色樹脂層を備える光半導体素子搭載用基板が挙げられる。また、本発明に係る光半導体装置の他の実施形態は、上記の光半導体素子搭載用基板に光半導体素子を搭載してなるものである。
図9は、本発明に係る光半導体装置の好適な一実施形態を示す模式断面図である。図9に示すように、光半導体装置600は、基材601と、該該基材601の表面に形成された複数の導体部材602と、複数の導体部材(接続端子)602間に形成された、上記本発明の光反射用熱硬化性樹脂組成物からなる白色樹脂層603と、を備える光半導体素子搭載用基板に、光半導体素子610が搭載され、該光半導体素子610が封止されるように透明な封止樹脂604が設けられた、表面実装型の発光ダイオードである。光半導体装置600において、光半導体素子610は、接着層608を介して導体部材602に接着されており、ワイヤー609により導体部材602と電気的に接続されている。
基材601としては、光半導体素子搭載用基板に用いられる基材を特に制限なく用いることができるが、例えば、エポキシ樹脂積層板等の樹脂積層板などが挙げられる。
導体部材602は、接続端子として機能するものであり、例えば、銅箔をフォトエッチングする方法等、公知の方法により形成することができる。
光半導体素子搭載用基板は、本発明の光反射用熱硬化性樹脂組成物を基材601上の複数の導体部材602間に塗布し、加熱硬化して上記光反射用熱硬化性樹脂組成物からなる白色樹脂層603を形成することにより作製することができる。
本発明の光反射用熱硬化性樹脂組成物の基板601への塗布方法としては、例えば、印刷法、ダイコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ロールコート法等の塗布方法を用いることができる。このとき、本発明の光反射用熱硬化性樹脂組成物には、塗布が容易となるように溶媒を含有させることができる。
光反射用熱硬化性樹脂組成物の塗膜を加熱硬化する際の加熱条件としては、特に限定されないが、例えば、130〜180℃、30〜600分間の条件で加熱を行うことが好ましい。
その後、導体部材602表面に余分に付着した樹脂成分は、バフ研磨等により除去し、導体部材602からなる回路を露出させ、光半導体素子搭載用基板とする。
また、白色樹脂層603と導体部材602との密着性を確保するために、導体部材602に対して酸化還元処理やCZ処理(メック株式会社製)等の粗化処理を行なうことも好ましい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<光反射用熱硬化性樹脂組成物の作製>
(実施例1〜7及び比較例1〜4)
下記表1及び2に示した各成分を、表1及び2に示した配合量で配合し、乳鉢によって十分混練を行うことで、実施例1〜7及び比較例1〜4の光反射用熱硬化性樹脂組成物を作製した。なお、表1及び2中の各成分の配合量の単位は質量部である。
Figure 0006209928
Figure 0006209928
表1及び2中の各成分の詳細は以下のとおりである。
*1:トリスグリシジルイソシアヌレート(エポキシ当量:100、日産化学社製、商品名:TEPIC−S)
*2:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:450、三菱化学社製、商品名:1001)
*3:ヘキサヒドロ無水フタル酸(和光純薬工業社製)
*4:テトラ−n−ブチルホスホニウム−o,o−ジエチルホスホロジチオエート(日本化学工業社製、商品名:PX−4ET)
*5:溶融シリカ(電気化学工業社製、商品名:FB−950)
*6:溶融シリカ(アドマテックス社製、商品名:SO−25R)
*7:酸化チタン内包有機物粒子(平均粒径:4μm、酸化チタン粒子4質量%、メチルシロキサン網状重合体96質量%、複数の酸化チタン粒子を内包する有機物粒子、日興リカ社製、商品名:MSP−TS04)
*8:酸化チタン内包無機物粒子(平均粒径:4.5μm、酸化チタンの平均粒径:12nm、酸化チタン粒子41質量%、シリカ57質量%、アルキルシラン2質量%、複数の酸化チタン粒子を内包する無機物粒子、リンデン社製、商品名:SUNSIL−Tin50AS)
*9:ゴム粒子(シリコーン/アクリル複合ゴムの整粒品、三菱レイヨン株式会社製、商品名:メタブレンSRK−200E)
*10:酸化チタン(石原産業社製、商品名:CR−63)
<光反射用熱硬化性樹脂組成物の評価>
(光反射率の測定)
実施例1〜7及び比較例1〜4で得られた光反射用熱硬化性樹脂組成物を、180℃のホットプレート上で、硬化物の厚みが0.1mm±0.05mmとなるよう加圧成形した後、150℃で2時間ポストキュアして、厚み0.1mm±0.05mmのテストピースを作製した。
得られたテストピースの光劣化性を、以下の方法で評価した。発光波長460nmの青色LED−PKG(Light Emitting Diode Package)を、光出射口が上記テストピースに対向するように設置し、テストピースをホットプレート上で100℃に加熱しながら、青色LED−PKGに電流値150mAで60分間通電させ、光照射を行った。テストピースの変色度合いは、分光測色型(商品名:CM−600d、コニカミノルタ社製)を用いて、波長700nmにおける上記光照射前後のテストピースの光学反射率(光反射率)を測定することで評価した。光照射前の光反射率(初期光反射率)に対する光照射後の光反射率の低下率(%)を、下記式:
低下率(%)={(初期光反射率−光照射後の光反射率)/初期光反射率}×100
により求めた。その結果を初期光反射率と共に表3及び4に示す。
(流動性の測定)
実施例1〜7及び比較例1及び4で得られた光反射用熱硬化性樹脂組成物の流動性を測定した。流動性はスパイラルフロー(SF)の値を指標とした。スパイラルフローの測定は、EMMI1−66規格に準拠して行った。その結果を表3及び4に示す。
(吸湿性の測定)
実施例1〜7及び比較例1及び4で得られた光反射用熱硬化性樹脂組成物を、180℃のホットプレート上で、硬化物の厚みが0.1mm±0.05mmとなるよう加圧成形した後、150℃で2時間ポストキュアして、厚み0.1mm±0.05mmのテストピースを作製した。
得られたテストピースの吸湿性を、以下の方法で評価した。温度85℃、湿度85%の条件下に、得られたテストピースを200時間放置し、そのテストピースの質量変化を測定した。初期質量に対する上記条件下放置する間のテストピースの質量変化(%)を吸湿率とし、下記式:
吸湿率(%)={(上記条件下放置後の質量−初期質量)/初期質量}×100
により求めた。その結果を表3及び4に示す。
Figure 0006209928
Figure 0006209928
表3及び4に示した結果から明らかなように、実施例1〜7で得られた光反射用熱硬化性樹脂組成物は、いずれも波長700nmでの光反射率の低下が抑制され、変色が少ないことが確認された。これに対して、比較例1〜4で得られた光反射用熱硬化性樹脂組成物は、波長700nmでの光反射率の低下が発生していることが確認された。上記のとおり、本発明によれば、光出力の低下を十分に抑制することができる光反射用熱硬化性樹脂組成物を提供することができ、該光反射用熱硬化性樹脂組成物を用いることで、光取り出し効率を向上させた光半導体素子搭載用基板及び光半導体装置を提供することができる。
また、表3及び4に示した結果から明らかなように、実施例1〜7で得られた光反射用熱硬化性樹脂組成物は、いずれも高い流動性を保持していることが確認された。これに対して、比較例1及び4で得られた光反射用熱硬化性樹脂組成物は、実施例と比較して流動性が低いことが確認された。上記のとおり、本発明によれば、耐光性を上げるための表面処理で弊害となっている流動性の低下を抑制することができる光反射用熱硬化性樹脂組成物を提供することができ、該光反射用熱硬化性樹脂組成物を用いることで、成形性を向上させた光半導体素子搭載用基板及び光半導体装置を提供することができる。
また、表3及び4に示した結果から明らかなように、実施例1〜7で得られた光反射用熱硬化性樹脂組成物は、いずれも吸湿率が低いことが確認された。これに対して、比較例1で得られた光反射用熱硬化性樹脂組成物は、実施例と比較して吸湿率が高いことが確認された。上記のとおり、本発明により、耐光性を上げるための表面処理で弊害となっている吸湿率の上昇を抑制することができる光反射用熱硬化性樹脂組成物を提供することができ、該光反射用熱硬化性樹脂組成物を用いることで、成形性を向上させた光半導体素子搭載用基板及び光半導体装置を提供することができる。
100…光半導体素子、101…透明封止樹脂、102…ボンディングワイヤ、103…光反射用熱硬化性樹脂組成物の硬化物(リフレクター)、103’…光反射用熱硬化性樹脂組成物の硬化物(絶縁性樹脂成形体)、104…Ni/Agめっき、105…金属配線、106…蛍光体、107…はんだバンプ、110…光半導体素子搭載用基板、150…樹脂注入口、151…金型、200…光半導体素子搭載領域、300…LED素子、301…ワイヤボンド、302…透明封止樹脂、303…リフレクター、304…リード、305…蛍光体、306…ダイボンド材、400…銅張積層板、401…基材、402…白色樹脂層、403…銅箔、404…封止樹脂、408…接着層、409…ワイヤー、410…光半導体素子、500,600…光半導体装置、601…基材、602…導体部材、603…白色樹脂層、604…封止樹脂、608…接着層、609…ワイヤー、610…光半導体素子、700…複合粒子、701…無機物又は有機物、702…酸化チタン粒子。

Claims (5)

  1. 底面及び壁面から構成される凹部を有し、前記凹部の前記底面が光半導体素子の搭載部であり、前記凹部の前記壁面の少なくとも一部が光反射用熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる光半導体素子搭載用基板と、
    前記光半導体素子搭載用基板に搭載された光半導体素子と、
    を備える光半導体装置であって、
    前記光反射用熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂成分と白色顔料とを含み、
    前記白色顔料は、複数の酸化チタン粒子を内包した無機物又は有機物の粒子を含む、光半導体装置。
  2. 基板、並びに該基板上に設けられた第1の接続端子及び第2の接続端子を有し、前記第1の接続端子と前記第2の接続端子との間に、光反射用熱硬化性樹脂組成物の硬化物を有する光半導体素子搭載用基板と、
    前記光半導体素子搭載用基板に搭載された光半導体素子と、
    を備える光半導体装置であって、
    前記光反射用熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂成分と白色顔料とを含み、
    前記白色顔料は、複数の酸化チタン粒子を内包した無機物又は有機物の粒子を含む、光半導体装置。
  3. 底面及び壁面から構成される凹部を有し、前記凹部の前記底面が光半導体素子の搭載部であり、前記凹部の前記壁面の少なくとも一部が光反射用熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる光半導体素子搭載用基板であって、
    前記光反射用熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂成分と白色顔料とを含み、
    前記白色顔料は、複数の酸化チタン粒子を内包した無機物又は有機物の粒子を含む、光半導体素子搭載用基板。
  4. 基板、並びに該基板上に設けられた第1の接続端子及び第2の接続端子を有し、前記第1の接続端子と前記第2の接続端子との間に、光反射用熱硬化性樹脂組成物の硬化物を有する光半導体素子搭載用基板であって、
    前記光反射用熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂成分と白色顔料とを含み、
    前記白色顔料は、複数の酸化チタン粒子を内包した無機物又は有機物の粒子を含む、光半導体素子搭載用基板。
  5. 熱硬化性樹脂成分と白色顔料とを含み、
    前記白色顔料は、複数の酸化チタン粒子を内包した無機物又は有機物の粒子を含む、光反射用熱硬化性樹脂組成物。
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