JP6209094B2 - 無線通信システム - Google Patents

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Description

本発明は、無線通信システムに関し、特に、MIMO(Multi-Input Multi-Output)装置などで用いられる高速演算処理を用いることなく、高速に並列伝送を実現するための無線通信システムに関するものである。
近距離での高速伝送を実現する技術として、非特許文献1には、近距離MIMO伝送技術が開示されている。この近距離MIMO伝送では、図14に示すように、複数のアンテナ500が配設された送信アレーアンテナ501及び受信アレーアンテナ502が近接して対向配置される。また、送信アレーアンテナ501に対して、送信機側無線信号処理部504が設けられ、受信アレーアンテナ502に対して、受信機側無線信号処理部505が設けられる。この近距離MIMO伝送技術によれば、アレーアンテナの素子間隔を最適化することにより、高速な近距離MIMO伝送が可能となる。
西森,関,本間,平賀,溝口,"近距離MIMO通信に適した伝送方法に関する検討",電子情報通信学会技術研究報告,A.P2009-83,Sep.2009. 電子情報通信学会,"アンテナ工学ハンドブック",オーム社,pp. 424-425,p. 436,pp. 530-531,2008. 圓光寺 他,"UWB位相比較モノパルス短距離レーダにおける測角方式の基礎検討",信学技報、ISEC2009-93,2010.
上述の従来技術によれば、MIMO制御により伝送を行う場合、送信機及び受信機の各位置や、それぞれが備えるアンテナのアンテナ素子間隔によって伝送路容量が変動する。特に近接無線通信では、送信機と受信機との間の位置ずれによる伝送路の経路長の変化が通信品質に大きく影響する。このため、例えばキオスク端末とスマートフォン等の携帯端末との間で上述の近距離MIMO伝送のような近接無線通信を行う場合、携帯端末の種類や手ぶれ等の影響により伝送路容量が劣化し、安定した高速通信を維持することが困難になるおそれがある。
また、近接無線通信を高速化するための手法として、例えば1チャネルあたりの伝送容量を高速化することが挙げられるが、伝送品質の確保やディジタルデータ処理速度の観点から1チャネルあたりの伝送容量の高速化には限界がある。このため、例えば数十Gbit/s以上の高速な伝送速度を可能とする無線システムを実現するには、伝送路の並列化が有効であるが、複雑な信号処理を伴うMIMO制御を多ブランチで実施するには高速な演算処理能力を必要とする。
非特許文献2及び非特許文献3には、携帯端末の位置を検出するための技術として、同相信号及び逆相信号を用いた技術が開示されている。この技術を利用すれば、送信機と受信機との間の位置ずれに起因した伝送路容量の劣化を抑制することは可能であるが、並列伝送を可能とするものではない。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、送信機と受信機との間の位置関係が変動しても、伝送路容量の劣化を抑制すると共に、複雑な信号処理を要することなく、並列伝送による伝送速度の高速化を図ることができる無線通信システムを提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明に係る無線通信システムは、相互に対向するように配置された送信アンテナと受信アンテナとを備えた無線通信システムにおいて、前記送信アンテナから送信される送信信号に関する処理を実施する送信信号処理部と、前記送信アンテナと前記送信信号処理部との間に接続され、前記送信信号を前記送信アンテナに伝達する送信信号伝達部と、前記受信アンテナで受信された受信信号に関する処理を実施する受信信号処理部と、前記受信アンテナと前記受信信号処理部との間に接続され、前記受信信号を前記受信信号処理部に伝達する受信信号伝達部と、を備え、前記送信信号伝達部は、前記送信信号処理部に接続される第1及び第2の端子と、前記送信アンテナに接続される第3及び第4の端子とを有し、前記第1の端子と前記第3の端子との間の信号伝達経路と前記第1の端子と前記第4の端子との間の信号伝達経路とが相互に同相の位相特性を有し、前記第2の端子と前記第4の端子との間の信号伝達経路と前記第2の端子と前記第3の端子との間の信号伝達経路とが相互に逆相の位相特性を有し、前記受信信号伝達部は、前記送信信号伝達部の前記第1から第4の端子に対応した端子を有すると共に、前記送信信号伝達部の信号伝達経路に対応した伝達特性を有する信号伝達経路を有し、前記送信信号処理部は、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間の相対位置を検出する動作モードにおいて、前記送信信号伝達部の第1の端子に所定の信号を入力し、前記受信信号処理部は、前記動作モードにおいて、前記送信信号伝達部の前記第3及び第4の端子に対応する前記受信信号伝達部の端子から出力される信号に基づき前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間の相対位置を検出するための処理を実施する、無線通信システムの構成を有する。
上記無線通信システムにおいて、例えば、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間でデータを伝送する動作モードにおいて、前記送信信号処理部は、前記送信信号として第1及び第2の信号を前記送信信号伝達部の第1及び第2の端子にそれぞれ入力し、前記受信信号処理部は、前記送信信号伝達部の第1及び第2の端子に対応する前記受信信号伝達部の端子から出力される信号から前記第1及び第2の信号を抽出する。
上記無線通信システムにおいて、例えば、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間でデータを伝送する動作モードにおいて、前記送信信号処理部は、前記送信信号として第1の信号を前記送信信号伝達部の第1の端子に入力し、前記受信信号処理部は、前記送信信号伝達部の第1の端子に対応する前記受信信号伝達部の端子から出力される信号から前記第1の信号を抽出する。
上記無線通信システムにおいて、例えば、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間でデータを伝送する動作モードにおいて、前記送信信号処理部は、前記送信信号として第1の信号を前記送信信号伝達部の第1及び第2の端子に入力し、前記受信信号処理部は、前記送信信号伝達部の第1及び第2の端子に対応する前記受信信号伝達部の端子から出力される信号から前記第1の信号を抽出する。
上記無線通信システムにおいて、例えば、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間の相対位置のずれ量が所定の許容範囲内である場合、データ伝送が可能である旨の通知を発する。
上記無線通信システムにおいて、例えば、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間でデータを伝送する動作モードにおいて、前記受信信号処理部は、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間の相対位置のずれ量と、前記第1の端子の電力と前記第2の端子の電力とが等しくなるときのずれ量の限界を与える閾値とを比較し、その比較の結果に応じて、前記送信信号伝達部の第1及び第2の端子に対応する端子の中から、データ伝送に用いる端子を選択する。
上記無線通信システムにおいて、例えば、前記送信アンテナ及び前記受信アンテナのそれぞれは、2次元状に配列された複数の単位アンテナを備え、前記送信信号伝達部及び前記受信信号伝達部のそれぞれは、前記2次元状に配列された複数の単位アンテナに対応して、少なくとも2系統のハイブリッド回路又は方向性結合器を備える。
本発明に係るアンテナ装置は、アレー面に配列された第1及び第2の単位アンテナと、信号処理部に接続される第1及び第2の端子と、前記第1及び第2の単位アンテナにそれぞれ接続される第3及び第4の端子とを有し、前記第1の端子と前記第3の端子との間の信号伝達経路と前記第1の端子と前記第4の端子との間の信号伝達経路とが相互に同相の位相特性を有し、前記第2の端子と前記第4の端子との間の信号伝達経路と前記第2の端子と前記第3の端子との間の信号伝達経路とが相互に逆相の位相特性を有する信号伝達部と、を備えたアンテナ装置の構成を有する。
本発明によれば、送信機と受信機との間の位置関係が変動しても、伝送路容量の劣化を抑制すると共に、複雑な信号処理を要することなく、並列伝送による伝送速度の高速化を図ることができる。
本発明の第1の実施形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る無線通信システムが備える信号伝達部の構成例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る無線通信システムの送信機の送信アンテナと受信機の受信アンテナとの位置関係を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態に係る無線通信システムの動作を説明するための図であり、送信機と受信機との間の通信手順を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る無線通信システムの動作を説明するための図であり、振幅比較モノパルス法による位置検出を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態に係る無線通信システムの動作を説明するための図であり、位相比較モノパルス法による位置検出を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態に係る無線通信システムによる伝送路容量の一例を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る無線通信システムの動作を説明するための図であり、送信機と受信機との間の通信手順の一例を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る無線通信システムの動作を説明するための図であり、送信機と受信機との間の通信手順の一例を示す図である。 本発明の第4の実施形態に係る無線通信システムの動作を説明するための図であり、送信機と受信機との間の通信手順の一例を示す図である。 本発明の第4の実施形態に係る無線通信システムの動作を補足するための図であり、端末の位置する方向を示す位置ずれ量(θ)と閾値(θB1,θB2)との関係を説明するための図である。 本発明の第5の実施形態に係る無線通信システムの動作を説明するための図であり、送信機と受信機との間の通信手順の一例を示す図である。 本発明の第6の実施形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。 従来技術に係る無線通信システムの構成例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
なお、全図面を通じて、同一要素には同一符号を付す。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る無線通信システム1の構成例を示す図である。
無線通信システム1は、送信機100と受信機200とを備える。送信機100は携帯端末(以下、端末と称す。)に備えられ、受信機200は基地局に備えられる。なお、基地局は、端末に備えられた送信機100に対応する送信機(図示なし)を備え、端末は、基地局に備えられた受信機200に相当する受信機(図示なし)を備えている。即ち、端末と基地局は、何れも送信機と受信機の両方を備えている。なお、この例に限定されず、送信機100と受信機200は、任意の装置に備えることができる。
送信機100は、送信信号処理部110と、送信信号伝達部120と、送信アンテナ130とを備える。送信信号処理部110は、送信アンテナ130から送信される送信信号に関する処理を実施するためのものであり、位置検出処理部111と、データ伝送処理部112と、スイッチ113とを備えている。位置検出処理部111は、本無線通信システムの動作モードの一つである位置検出モード時に、送信機100の送信アンテナ130と受信機200の受信アンテナ230との間の相対位置を検出するための送信側の処理を実施するものである。
データ伝送処理部112は、データ伝送モード時に、送信に関する処理を実施するものである。スイッチ113は、動作モード(位置検出モード、データ伝送モード)に応じて、位置検出処理部111及びデータ伝送処理部112の何れかを選択的に送信信号伝達部120に接続するものである。具体的には、スイッチ113は、位置検出モード時に位置検出処理部111を送信信号伝達部120に接続し、データ伝送モード時にデータ伝送処理部112を送信信号伝達部120に接続する。各信号処理部に対する接続の切り替えは、スイッチに代えて例えば時系列のデジタル処理によって行ってもよく、その切り替え手法は任意である。
送信信号伝達部120は、送信アンテナ130と送信信号処理部110との間に接続されており、送信信号処理部110から出力される送信信号を送信アンテナ130に伝達するためのものである。その詳細については後述する。送信アンテナ130は、単位アンテナ131,132を備える。これら単位アンテナ131,132は、アレー平面に一定の間隔dをおいて配置され、単位アンテナ131,132の電波の放射方向は同一方向に設定されている。
受信機200は、受信信号処理部210と、受信信号伝達部220と、受信アンテナ230とを備える。受信信号処理部210は、受信アンテナ230で受信された受信信号に関する処理を実施するためのものであり、位置検出処理部211と、データ伝送処理部212と、スイッチ213とを備えている。位置検出処理部211は、位置検出モード時に、送信機100の送信アンテナ130と受信機200の受信アンテナ230との間の相対位置を検出するための受信側の処理を実施するものである。
データ伝送処理部212は、データ伝送モード時に、受信に関する処理を実施するものである。スイッチ213は、動作モード(位置検出モード、データ伝送モード)に応じて、位置検出処理部211及びデータ伝送処理部212の何れかを選択的に受信信号伝達部220に接続するものである。具体的には、スイッチ213は、位置検出モード時に位置検出処理部211を受信信号伝達部220に接続し、データ伝送モード時にデータ伝送処理部212を受信信号伝達部220に接続する。
受信信号伝達部220は、受信アンテナ230と受信信号処理部210との間に接続されており、受信アンテナ230で受信された受信信号を受信信号処理部210に伝達するためのものである。その詳細については後述する。受信アンテナ230は、単位アンテナ231,232を備える。これら単位アンテナ231,232は、送信アンテナ130と同様に、アレー平面に一定の間隔dを隔てて配置され、単位アンテナ231,232の電波の放射方向は同一方向に設定されている。上述した送信機100が備える送信アンテナ130と、受信機200が備える受信アンテナ230は、相互に対向するようにして伝搬距離Dを隔てて配置されている。送信アンテナ130と受信アンテナ230は、それぞれ、一種のMIMO伝送用のアンテナを構成している。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る無線通信システム1が備える送信信号伝達部120の構成例を示す図である。
送信信号伝達部120は、第1の端子T11、第2の端子T12、第3の端子T13、第4の端子T14、ハイブリッド回路21、移相器22から構成される。第1の端子T11及び第2の端子T12は、送信信号処理部110の出力部に接続され、第3の端子T13及び第4の端子T14は、それぞれ、送信アンテナ130の単位アンテナ131及び単位アンテナ132に接続される。なお、「端子」なる用語は、物理的な端子のほか、概念的な信号ノード等を意味しており、例えば、「入力部」、「出力部」、「入出力部」等と言い換えることもできる。
ハイブリッド回路21は、ポートP1,P2,P3,P4を備えている。上述の第1の端子T11にはポートP1が接続され、第2の端子T12にはポートP2が接続され、第4の端子T14にはポートP4が接続されている。第3の端子とポートP3との間には移相器22が接続されている。移相器22は、信号の位相φを90°だけ遅らせる伝達特性を有している。
本実施形態では、ハイブリッド回路21の各ポート間の信号経路の伝達特性は次のように設定されている。ポートP1とポートP3との間の信号経路の伝達特性は、位相の遅れが略ゼロになるように設定されている。同様に、ポートP2とポートP4との間の信号経路の伝達特性も位相の遅れが略ゼロになるように設定されている。このため、ポートP1に位相φの信号を入力した場合、ポートP1の入力信号に応答してポートP3から位相φの信号が出力され、ポートP2に位相φの信号を入力した場合、ポートP2の入力信号に応答してポートP4から位相φの信号が出力される。
これに対し、ポートP1とポートP4との間の信号経路の伝達特性は、この信号経路(P1−P4)を伝達する信号の位相を90°だけ遅らせるように設定されている。同様に、ポートP2とポートP3との間の信号経路の伝達特性も、この信号経路(P2−P3)を伝達する信号の位相を90°だけ遅らせるように設定されている。このため、ポートP1に位相φの信号を入力した場合、ポートP1の入力信号に応答してポートP4から位相φ+90°の信号が出力され、ポートP2に位相φの信号を入力した場合、ポートP2の入力信号に応答してポートP3から位相φ+90°の信号が出力される。
なお、ハイブリッド回路21として、例えば、ブランチライン型ハイブリッド回路、ラットレース型ハイブリッド回路などを用いることができる。また、ハイブリッド回路21に代えて、例えば、3dB方向性結合器、ウィルキンソン型電力2分配器などを用いることも可能である。
本実施形態では、上述のように、移相器22は、伝達信号の位相を90°だけ遅らせる伝達特性を有しているので、ハイブリッド回路21の上述の伝達特性を考慮すると、送信信号伝達部120の第1の端子T11と第3の端子T13との間の信号伝達経路と第1の端子T11と第4の端子T14との間の信号伝達経路とが相互に同相の位相特性を有し、送信信号伝達部120の第2の端子T12と第4の端子T14との間の信号伝達経路と第2の端子T12と第3の端子T13との間の信号伝達経路とが相互に逆相の位相特性を有する。
具体的には、図2において、第1の端子T11を介してポートP1入力された信号S1の位相を「φ」とすれば、信号S1に応答して第3の端子T13及び第4の端子T14からそれぞれ出力される信号S3及び信号S4の各位相は「φ+90°」となる。即ち、第3の端子T13及び第4の端子T14からそれぞれ出力される信号S3及び信号S4の位相は相互に同相になる。これにより、送信アンテナ130において和パターンのビーム(図3のB1)が形成される。
これに対し、第2の端子T12を介してポートP2入力された信号S2の位相を「φ」とすれば、信号S2に応答して第3の端子T13から出力される信号の位相は「φ+180°」となり、信号S2に応答して第4の端子T14から出力される信号の位相は「φ」となる。この場合、第3の端子T13及び第4の端子T14からそれぞれ出力される信号S3及び信号S4の位相は相互に逆相になる。これにより、送信アンテナ130において差パターンのビーム(図3のB21,B22)が形成される。
本実施形態では、後述するように、送信アンテナ130と受信アンテナ230との間の相対位置を検出する位置検出モードにおいて、送信信号処理部110は、送信信号伝達部120の第1の端子T11に、信号S1として位置検出用の所定の信号を入力し、和パターンを発生させる。
受信機200の受信信号伝達部220も送信機100の送信信号伝達部120と同様に構成されている。即ち、受信信号伝達部220は、送信信号伝達部120の第1から第4の端子に対応した端子を有すると共に、送信信号伝達部120の信号伝達経路に対応した伝達特性を有する信号伝達経路を有している。具体的には、受信信号伝達部220は、上述の送信信号伝達部120に備えらえた第1の端子T11、第2の端子T12、第3の端子T13、第4の端子T14にそれぞれ対応する第1の端子T21、第2の端子T22、第3の端子T23、第4の端子T24と、ハイブリッド回路21と、移相器22とを備えている(図2参照)。また、受信信号伝達部220の第1の端子T21及び第2の端子T22と第3の端子T23及び第4の端子T24との間の各信号経路の伝達特性は、上述した送信信号伝達部120の第1の端子T11及び第2の端子T12と第3の端子T13及び第4の端子T14との間の各信号経路の伝達特性と等価である。
このため、受信信号伝達部220の第3の端子T23及び第4の端子T24にそれぞれ入力される信号S3及び信号S4の位相が相互に同相である場合、第1の端子T21から、送信信号伝達部120の第1の端子T11に入力された信号と等価な信号が出力される。また、受信信号伝達部220の第3の端子T23及び第4の端子T24にそれぞれ入力される信号S3及び信号S4の位相が相互に逆相である場合、第2の端子T22から、送信信号伝達部120の第2の端子T12に入力された信号と等価な信号が出力される。
本実施形態では、後述するように、送信アンテナ130と受信アンテナ230との間の相対位置を検出する位置検出モードでは、受信信号処理部210は、受信信号伝達部220の第3の端子T23及び第4の端子T24からそれぞれ出力される信号による和パターンと差パターンを用いて、送信アンテナ130と受信アンテナ230との間の相対位置を検出するための処理を実施する。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る無線通信システムの送信機100の送信アンテナ130と受信機200の受信アンテナ230との位置関係を説明するための図である。図3において、送信アンテナ130が形成するビームB1は、送信アンテナ130の単位アンテナ131,132が同相で励振された場合に形成される和パターンのビームを表し、ビームB21,B22は、送信アンテナ130の単位アンテナ131,132が逆相で励振された場合に形成される差パターンのビームを表している。受信アンテナ230において形成されるビームも同様である。このように、送信アンテナ130及び受信アンテナ230の指向性パターンは、各単位アンテナが同相で励振された場合と逆相で励振された場合とで異なるように設定されている。
理想的には、端末側の送信機100の送信アンテナ130は、基地局側の受信機200の受信アンテナ230と正対するように位置されることが望ましいが、例えば送信機100が備えられた端末が利用者に把持された状態にある場合、送信アンテナ130と受信アンテナ230は必ずしも正対せず、位置ずれが発生する場合がある。図3の例では、送信アンテナ130及び受信アンテナ230の各単位アンテナの配列方向をx軸方向とし、送信アンテナ130と受信アンテナ230の各アレー面の垂直軸方向をy軸方向とした場合、受信機200の受信アンテナ230の放射点を通るアレー面の垂直軸Jを基準として角度θだけ傾いた方向に送信機100の送信アンテナ130が位置しており、送信アンテナ130と受信アンテナ230との間に位置ずれが発生している。伝送路容量の観点からすれば、角度θは0°であることが望ましい。以下では、上述の角度θを「位置ずれ量」と称す。
次に、本発明の第1の実施形態に係る無線通信システムの動作を説明する。
図4は、本発明の第1の実施形態に係る無線通信システム1の動作を説明するための図であり、送信機100と受信機200との間の通信手順を示す図である。
まず、基地局側の受信機200において、スイッチ213により、受信信号アンテナ230が接続された受信信号伝達部220を位置検出処理部211と接続し(手順BS01)、受信機200は通信待機状態となる(手順BS02)。一方、端末側の送信機100において、スイッチ113により、送信アンテナ130が接続された送信信号伝達部120を位置検出処理部111と接続し(手順TM01)、送信機100は通信待機状態となる(手順TM02)。この通信待機状態から、例えば、端末側の送信機100と基地局側の受信機200とが接近し、送信アンテナ130と受信アンテナ230との間に伝送路が形成されると、送信機100が受信機200へ通信開始信号を送信する。
端末側の送信機100は、和パターンで位置検出用の所定の信号を送信する(手順TM03)。具体的には、位置検出処理部111は、スイッチ113を通じて、送信信号伝達部120の第1の端子T11に位置検出用の信号を入力し、第3の端子T13及び第4の端子T14から同相信号を出力させる。基地局側の受信機200は、端末側の送信機100から送信された位置検出用の信号を受信アンテナ230で受信し、この信号により形成される和パターンと差パターンとにより位相ずれ量θを検出する(手順BS03)。この検出手法の詳細は後述するが、公知の技術を用いることができる。
続いて、基地局側の受信機200では、位置ずれ量θが、通信可能な位置ずれ量の限界値である所定の閾値θ以下(許容範囲内)であるか否かを判定する(手順BS04)。位置ずれ量θが所定値θを超えていれば(手順BS04;NO)、基地局側は、通信可能な領域外(通常の高速データ伝送可能な領域外)である旨を端末側の送信機100に通知する。これに対し、送信アンテナ130と受信アンテナ230との間の相対位置のずれ量θが所定値θ以内(許容範囲内)であれば(手順BS04;YES)、基地局側は、通信可能領域内に入った旨を端末側の送信機100通知する。この場合、送信機100が備えられた端末では、例えば、LED光、映像、音声、又は振動等により、通信可能であることを端末の利用者に通知する。
また、通信可能領域内に入った場合、基地局側の受信機200は、スイッチ213により、受信アンテナ230が接続された受信信号伝達部220をデータ伝送処理部212に接続する(手順BS05)。通信可能領域内に入った旨の通知を受けた端末側の送信機100においても、スイッチ113により、送信アンテナ130が接続された送信信号伝達部120をデータ伝送処理部112に接続する(手順TM04)。これにより、送信機100と受信機200は共にデータ伝送モードに移行し、和パターン及び差パターンを用いてデータを並列伝送する。
具体的には、データ伝送モードでは、送信信号処理部110のデータ伝送処理部112は、スイッチ113を通じて、送信信号として第1の信号S1及び第2の信号S2(図2参照)を送信信号伝達部120の第1の端子T11及び第2の端子T12にそれぞれ入力する。これにより、端末側の送信機100は同相信号と逆相信号を使用して並列伝送を行う。また、受信機200の受信信号処理部210は、受信信号伝達部220の第1の端子T21及び第2の端子T22からそれぞれ出力される信号から上記第1の信号S1及び第2の信号S2(図2参照)を抽出する。これにより、基地局側も同相信号と逆相信号を使用して並列伝送を行う。
データ伝送を終えると、送信機100と受信機200との間でデータ伝送が完了した旨を相互に通知し合い、通信を完了する。この後、基地局側の受信機200は、スイッチ213により受信アンテナ230が接続された受信信号伝達部220を位置検出処理部211に接続し(手順BS01)、再び位置検出モードへ移行した状態で次の通信に備えて待機する(手順BS02)。一方の端末側の送信機100も、スイッチ113により送信アンテナ130が接続された送信信号伝達部120を位置検出処理部111に接続し(手順TM01)、再び位置検出モードへと移行した状態で次の通信に備えて待機する(手順TM02)。このように、一連のデータ伝送が完了した後、送信機100と受信機200は共に位置検出モードへ移行し、次の通信のために待機状態となる。
次に、位置検出モードについて説明する。
図5は、本発明の第1の実施形態に係る無線通信システム1の動作を説明するための図であり、振幅比較モノパルス法による位置検出を説明するための図である。図6は、本発明の第1の実施形態に係る無線通信システム1の動作を説明するための図であり、位相比較モノパルス法による位置検出を説明するための図である。ここで、図5(A)において、横軸は、前述の図3に示すアンテナのアレー面の垂直軸Jに対する傾き角θを表し、縦軸は、和パターン(実線)と差パターン(点線)の振幅を表している。また、図5(B)において、横軸は、上述の傾き角θを表し、縦軸は、位置ずれ量を表している。
位置検出モードでは、上述したように、基地局側の受信機200は同相信号(和パターン)と逆相信号(差パターン)を使用し、端末側の送信機100は同相信号(和パターン)を使用して基地局に対する端末の位置ずれ量θを検出する。この位置検出モードでは、例えば振幅比較モノパルス法又は位相比較モノパルス法により位置検出を行う。振幅比較モノパルス法を用いる場合、図5(B)に例示するように、基地局側の受信機200において、和パターンで受信した端末信号の振幅値Σa(θ)と差パターンで受信した端末信号の振幅値Δa(θ)を用いて、位置ずれ量θは次式(1)から算出される。
Figure 0006209094
上式(1)から、基地局側の受信機200から見て端末側の送信機100が位置する方向(角度)を表す位置ずれ量θを検出することが出来る。上式(1)において、係数αは、基地局側の受信機200の送信電力や通信範囲より算出される比例定数である。
位相比較モノパルス法を用いる場合、図6に示すように、単位アンテナ間の間隔に相当するアンテナ素子間隔dと、各単位アンテナの行路差Lから端末側の送信機100が位置する方向(角度)を表す位置ずれ量θを検出することができる。即ち、基地局側の受信機200において和パターンで端末側の送信機100から受信した信号の位相値Σp(θ)と差パターンで受信した端末信号の位相値Δp(θ)とを用いて、次式(2)から、基地局側の受信機200に対して端末側の送信機100が位置する方向(角度)を表す位置ずれ量θを検出することが出来る。式(2)において、dは、アンテナ素子間隔であり、λ0は自由空間波長である。
Figure 0006209094
図7は、本発明の第1の実施形態に係る無線通信システム1による伝送路容量の一例を示す図である。図7において、横軸は、送信アンテナ130に対する受信アンテナ230の位置x(図3のx軸方向における送信アンテナ130と受信アンテナ230との間の距離)を表し、縦軸は伝送路容量を表している。また、特性線1は、第1の実施形態による特性の一例を示している。なお、図7において、他の特性線2〜5は、それぞれ、後述する第2の実施形態、第3の実施形態、第4の実施形態、第5の実施形態の各特性を示しており、後述の各実施形態において図7を援用する。
図7の例では、基地局側の受信アンテナ230の中心の位置を原点(x=0)とし、端末側の送信アンテナ130の中心が-10λ0≦x≦10λ0の範囲にある場合における端末の位置に対する伝送路容量を示している。図7より、送受信機が対向している場合、即ち、基地局に対する端末の位置xの値が概ねゼロである場合、2x2 SVD-MIMOと同等の通信路容量を達成出来ることが理解される。従って、位置ずれ量θを小さくするように、端末の位置xを調整すれば、高速通信が可能になる。
以上、第1の実施形態によれば、位置検出モードで和パターンと差パターンを用いて位置ずれ量θを検出し、位置ずれ量θが所定の閾値θ以内の場合にデータ伝送モードに移行するようにしたので、位置ずれによる伝送路容量の劣化を抑制することができる。
また、第1の実施形態によれば、和パターンと差パターンとを用いて並列伝送を実施するので、2種類のデータを同時に伝送することができる。従って、通信路容量を向上させることができ、高速通信が可能になる。
更に、位置ずれ量に関する角度方向の情報を含む位置検出と並列伝送とによる高速化を、送信側と受信側とで共通のアンテナ構成で行うことができる。
なお、第1の実施形態では、同相信号(和パターン)と逆相信号(差パターン)の2種類の信号を用いたが、この例に限定されず、位相差が異なる任意の信号を用いることも可能である。例えば、上述の第1の実施形態では、同相信号は位相差がゼロの信号であり、逆相信号は位相差が180°の信号であり、これらの位相差は相互に異なるが、このほかに例えば位相差が60°の信号など、信号の分離が可能であることを限度として、任意の位相差を有する複数の信号を用いることができる。後述する他の実施形態においても同様である。
また、第1の実施形態では、送信アンテナ130および受信アンテナ230のそれぞれは、2つの単位アンテナを備えるものとしたが、この例に限定されず、単位アンテナの個数は任意である。後述する他の実施形態においても同様である。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。
第2の実施形態では、データ伝送モード時に、基地局側の受信機200は同相信号を用いてデータ伝送を行い、端末側の送信機100も同相信号を用いてデータ伝送を行う。即ち、送信アンテナ130と受信アンテナ230との間でデータを伝送する動作モード(データ伝送モード)において、送信機100の送信信号処理部110は、送信信号として第1の信号を送信信号伝達部120の第1の端子T11に入力する。受信機200の受信信号処理部210は、受信信号伝達部220の第1の端子T21から出力される信号から上記第1の信号を抽出する。その他は第1の実施形態と同様である。
図8は、本発明の第2の実施形態に係る無線通信システムの動作を説明するための図であり、送信機100と受信機200との間の通信手順の一例を示す図である。
第2の実施形態でも、第1の実施形態と同様に、端末の位置ずれ量θが通信可能領域を示す閾値θ以内となる場合にデータ伝送モードへ移行する(BS01〜BS04;YES,BS05、TM01〜TM04)。このとき、位置ずれ量θが閾値θ以内である場合にLED光、映像、音声、又は振動等により通信可能であることを通知する。
データ伝送モードへ移行後、基地局側は同相信号を使用して伝送を行い(BS05)、端末側も同相信号を使用し伝送を行う(TM04)。即ち、第2の実施形態では、和パターンによりデータ伝送を行う。データ伝送完了後、再び位置検出モードへと移行し、次の通信のため待機する。
第2の実施形態によれば、位置合わせとデータ伝送とで同一のアンテナ構成を併用することが出来る。また指向性利得により通信路容量を向上させることが出来る。さらに、和パターンの指向性利得による通信路容量を向上させることができる。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。
第3の実施形態では、データ伝送モード時に、基地局側の受信機200は、同相信号と逆相信号とを用いてデータ伝送を行い、端末側の送信機100も同相信号と逆相信号とを用いてデータ伝送を行う。即ち、送信アンテナ130と受信アンテナ230との間でデータを伝送する動作モードにおいて、送信機100の送信信号処理部110は、送信信号として第1の信号を送信信号伝達部120の第1の端子T11及び第2の端子T12に共通に入力し、受信機200の受信信号処理部210は、受信信号伝達部220の第1の端子T21及び第2の端子T22からそれぞれ出力される信号から上記第1の信号を抽出する。このように、第3の実施形態では、送信信号伝達部120の第1の端子T11及び第2の端子T12に同一の信号を入力してデータ伝送を行う。その他は第1の実施形態等と同様である。
図9は、本発明の第3の実施形態に係る無線通信システムの動作を説明するための図であり、送信機100と受信機200との間の通信手順の一例を示す図である。
第3の実施形態でも、第1の実施形態と同様に、端末の位置ずれ量θが通信可能領域を示す閾値θ以内となる場合にデータ伝送モードへ移行する(BS01〜BS04;YES,BS05、TM01〜TM04)。このとき、位置ずれ量θが閾値θ以内である場合にLED光、映像、音声、又は振動等により通信可能であることを通知する。
データ伝送モードへ移行後、基地局側は同相信号と逆相信号を使用して伝送を行い(BS05)、端末側も同相信号と逆相信号を使用し伝送を行う(TM04)。ただし、上述のように、第3の実施形態では、同一の信号が第1の端子T11及び第2の端子T12に共通に入力される。即ち、第2の実施形態では、同一の信号を和パターンと差パターンとにより伝送する。データ伝送完了後、再び位置検出モードへと移行し、次の通信のため待機する。
第3の実施形態によれば、位置合わせとデータ伝送とで同一のアンテナ構成を併用することが出来、和パターンと差パターンという異なる放射パターンにより同一の信号を同時に伝送することにより、ダイバーシチ効果を得ることができる。従って、広い範囲で通信路容量がSISO(Single-Input Single Output)に比べて向上し、送受信器の位置が対向していない場合の通信路容量の劣化を抑えることができ、広い範囲で通信を行うことができ、端末の位置ずれへの耐性を高めることができ、位置ずれによる通信路容量の劣化を少なくすることができる。
<第4の実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態を説明する。
第4の実施形態では、送信アンテナ130と受信アンテナ230との間でデータを伝送する動作モードにおいて、受信信号処理部210は、送信アンテナ130と受信アンテナ230との間の相対位置のずれ量θと、受信信号伝達部220の第1の端子T11の電力と第2の端子T12の電力とが等しくなるときのずれ量によって与えられる後述の2つの閾値θB1,θB2(図11)とを比較し、その比較の結果に応じて、第1の端子T11と第2の端子T12の中から、データ伝送モード時に用いる端子を選択し、これによりアンテナの指向性パターンを選択する。その他は第1実施形態等と同様である。
図10は、本発明の第4の実施形態に係る無線通信システムの動作を説明するための図であり、送信機100と受信機200との間の通信手順の一例を示す図である。また、図11は、本発明の第4の実施形態に係る無線通信システムの動作を補足するための図であり、端末の位置する方向を示す位置ずれ量θと閾値θB1,θB2との関係を説明するための図である。
第4の実施形態では、端末の位置ずれ量θと閾値θB1、θB2との比較結果に応じて、基地局側の受信機200において第1の端子T21及び第2の端子T22の一方を選択することにより、基地局側のアンテナの指向性を選択する。ここで、閾値θB1、θB2は、第1の端子T11と第2の端子T12の各電力が概ね等しくなるときの位置ずれ量θの範囲を規定する。具体的には、図11に示すように、閾値θB1は、アンテナの垂直軸を基準にしてx軸の負方向(−)への位置ずれ量θの限界値を示し、θB2は、アンテナの垂直軸を基準にしてx軸の正方向(+)への位置ずれ量θの限界値を示している。
第4の実施形態では、位置ずれ量θが、θ<θB1,θ<θB2なる条件を満たす場合(BS44)、基地局側の受信機200は、受信信号伝達部220の第2の端子T22を選択し、差パターンを選択してデータ伝送に使用する(BS45)。また、位置ずれ量θが、閾値θB1≦θ≦θB2なる条件を満たす場合(BS44)、基地局側の受信機200は、受信信号伝達部220の第1の端子T21を選択し、和パターンを選択してデータ伝送に使用する(BS45)。
上述の閾値の比較結果に応じて端子が選択されると、データ伝送モードへ移行し、基地局側は選択された指向性を使用してデータ伝送を行う。データ伝送の完了後、再び位置検出モードへと移行し、次の通信のため待機する。
なお、第4の実施形態では、基地局側の受信アンテナ230の指向性を選択するものとしたが、基地局側に代えて、端末側の送信アンテナ130の指向性を選択してもよい。
第4の実施形態によれば、基地局側の受信機200と端末側の送信機100との相対位置に応じて受信アンテナ230の指向性を選択することが出来る。そのため、図7において特性線4で示すように、1ストリーム伝送で和パターンのみを使用する場合に比べて通信範囲を広げることができ、また、端末の位置ずれへの耐性を高め、端末の位置ずれによる通信路容量の劣化を抑制することができる。
<第5の実施形態>
次に、本発明の第5の実施形態を説明する。
第5の実施形態では、送信機100と受信機200の双方において、上述した第4の実施形態と同様にアンテナの指向性を選択する。即ち、第5の実施形態では、送信アンテナ130と受信アンテナ230との間でデータを伝送する動作モードにおいて、送信信号処理部110は、送信アンテナ130と受信アンテナ230との間の相対位置のずれ量θと、送信信号伝達部120の第1の端子T11の電力と第2の端子T12の電力とが等しくなるときのずれ量の限界を与える閾値θB1,θB2(図11参照)とを比較し、その比較の結果に応じて、第1の端子T11と第2の端子T12の中から、データ伝送モード時に用いる端子を選択し、選択した端子に送信信号として第1の信号を入力する。その他は第4実施形態等と同様である。
図12は、本発明の第5の実施形態に係る無線通信システムの動作を説明するための図であり、送信機と受信機との間の通信手順の一例を示す図である。
本実施形態では、位置ずれ量θと閾値θB1,θB2との比較がなされると(BS44)、その比較の結果に応じて基地局側の受信機200において選択された端子に関する情報が、選択指向性情報として受信機200が備えられた基地局側から送信機100が備えられた端末側に送信される。そして、送信機100において、選択指向性情報に基づいて受信機200と同様に送信信号伝達部120の端子が選択される。送信機100の送信信号処理部110は、送信信号伝達部120の第1の端子T11及び第2の端子T12のうち、上記選択された一方の端子を用いてデータ伝送を行う。
具体的には、位置ずれ量θが、θ<θB1,θ<θB2なる条件を満たす場合(BS44)、端末側の送信機100は、送信信号伝達部120の第2の端子T12を選択し、差パターンを選択してデータ伝送に使用する(BS54)。また、位置ずれ量θが、閾値θB1≦θ≦θB2なる条件を満たす場合(BS44)、端末側の送信機100は、送信信号伝達部120の第1の端子T11を選択し、和パターンを選択してデータ伝送に使用する(BS54)。
第5の実施形態では、基地局側の受信機200に加えて、端末側の送信機100においても、位置ずれ量θと閾値θB1、θB2との比較結果に応じて、送信信号伝達部120の第1の端子T11及び第2の端子T12の一方を選択することにより、端末側のアンテナの指向性を選択する。その後、データ伝送モードへ移行し、基地局側と端末側とで同じ指向性を用いてデータ伝送を行う。データ伝送の完了後、再び位置検出モードへと移行し、次の通信のため待機する。
第5の実施形態によれば、端末の位置に応じて送信側と受信側の両方の指向性を選択することが出来る。そのため、図7の特性線5に示すように、1ストリーム伝送で和パターンのみを使用する場合、送信側の指向性を切り替える場合に比べてさらに通信範囲を広げることが出来、端末の位置ずれへの耐性を高めることが出来る。また、端末の位置ずれによる通信路容量の劣化を抑制することができる。
<第6の実施形態>
次に、本発明の第6の実施形態を説明する。
上述した第1から第5の実施形態において、基地局側及び端末側のアンテナは2次元化することが可能である。第6の実施形態では、送信アンテナ及び前記受信アンテナのそれぞれは、2次元状に配列された複数の単位アンテナを備え、送信信号伝達部及び受信信号伝達部のそれぞれは、2次元状に配列された複数の単位アンテナに対応して、少なくとも2系統のハイブリッド回路又は方向性結合器を備える。その他は第1から第5の実施形態と同様である。
図13は、本発明の第6の実施形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。
図13の例では、信号伝達部として、位置検出を2軸で行うため、2つの信号伝達部120A,120Bを備えている。これら信号伝達部120A,120Bは、例えば、上述の第1の実施形態等の送信信号伝達部120又は受信信号伝達部220に相当する。信号伝達部120A,120Bは、例えば、ブランチライン形ハイブリッド回路、ラットレース形ハイブリッド回路、3dB方向性結合器、ウィルキンソン形電力2分配器などである。
図13において、信号伝達部120Aの第3の端子TA3及び第4の端子TA4には、それぞれ単位アンテナ111A及び単位アンテナ112Aが接続され、信号伝達部120Bの第3の端子TB3及び第4の端子TB4には、それぞれ単位アンテナ111B及び単位アンテナ112Bが接続される。単位アンテナ111A,112Aの配列方向(x軸方向)と単位アンテナ111B,112Bの配列方向(z軸方向)は略直交しており、これら単位アンテナ111A,112A,111B,112Bはアレー面に2次元状に配列されている。このような構成が送信機と受信機のそれぞれに設けられている。このような構成によれば、x軸方向(アレー面上の単位アンテナ111A,112Aの配列方向)の位置ずれ(θR1)とz軸方向(アレー面上の単位アンテナ111B,112Bの配列方向)の位置ずれ(θR2)を検出することができる。このため、端末側の送信機100の位置する方向を2次元的に捉えることが可能となる。
図13の例では、信号伝達部120Aの第1の端子TA1と信号伝達部120Bの第1の端子TB1とに対し、信号伝達部120Cがさらに接続されている。信号伝達部120Cの入力端子には「左旋」と「右旋」の円偏波信号が入力される。信号伝達部120Cとして、例えば、ブランチライン形ハイブリッド回路、又はラットレース形ハイブリッド回路、又は3dB方向性結合器、又はウィルキンソン形電力2分配器などを用いることができる。このように信号伝達部120Cを追加することにより、円偏波を左旋もしくは右旋に切り替えることが可能になる。
第6の実施形態によれば、上述の第1から第5の実施形態において、送信アンテナと受信アンテナの位置関係を2次元的に把握することができるため、位置ずれ量を精度よく把握することが可能になる。また、円偏波を形成させることにより、送信アンテナと受信アンテナの角度回転に対する耐性を持たせることが出来る。また、例えば垂直方向(例えば図13のx軸方向)と水平方向(例えば図13のz軸方向)の両方の角度に対する端末(送信機100のアンテナ)の位置ずれ量の検出が可能になる。また、円偏波により位置ずれに対する耐性を向上させることが可能になる。
上述したように、本発明の実施形態によれば、MIMOの空間伝送のような信号処理等を行わず、かつ送信アンテナと受信アンテナとの間の位置ずれが発生しても、伝送路容量の劣化を抑制すると共に、簡易な構成で並列伝送を実現することができる。従って、複雑な演算を用いることなく、高速通信が可能になる。
また、位相ずれ量θの値が伝送可能領域を示す位置合わせ閾値θ以内に含まれる場合に、LED光、映像、音声もしくは振動等により通信可能であることを利用者に通知し、位置検出モードからデータ伝送モードへと移行することにより、所定領域内に端末を位置させた状態で近距離通信を行うことが出来る。
上述の各実施形態では、本発明を無線通信システムとして表現したが、送信アンテナ130、受信アンテナ230に着目すれば、本発明は、アンテナ装置として表現することもできる。この場合、本発明によるアンテナ装置は、アレー面に配列された第1及び第2の単位アンテナ(例えば、単位アンテナ131,132、単位アンテナ231,232)と、信号処理部(例えば、送信信号処理部110、受信信号処理部210)に接続される第1及び第2の端子(例えば、端子T12,T12、端子T21,T22)と、前記第1及び第2の単位アンテナにそれぞれ接続される第3及び第4の端子(例えば、端子T13,T14、端子T23,T24)とを有し、前記第1の端子と前記第3の端子との間の信号伝達経路と前記第1の端子と前記第4の端子との間の信号伝達経路とが相互に同相の位相特性を有し、前記第2の端子と前記第4の端子との間の信号伝達経路と前記第2の端子と前記第3の端子との間の信号伝達経路とが相互に逆相の位相特性を有する信号伝達部(例えば、送信信号伝達部120、受信信号伝達部220)とを備えたアンテナ装置として表現することができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
1…無線通信システム
21…ハイブリッド回路
22…移相器
100…送信機
110…送信信号処理部
111…位置検出処理部
112…データ伝送処理部
113…スイッチ
120…送信信号伝達部
120A,120B,120C…信号伝達部
130…送信アンテナ
131,132…単位アンテナ
200…受信機
210…受信信号処理部
211…位置検出処理部
212…データ伝送処理部
213…スイッチ
220…受信信号伝達部
230…受信アンテナ
231,232…単位アンテナ

Claims (7)

  1. 相互に対向するように配置された送信アンテナと受信アンテナとを備えた無線通信システムにおいて、
    前記送信アンテナから送信される送信信号に関する処理を実施する送信信号処理部と、
    前記送信アンテナと前記送信信号処理部との間に接続され、前記送信信号を前記送信アンテナに伝達する送信信号伝達部と、
    前記受信アンテナで受信された受信信号に関する処理を実施する受信信号処理部と、
    前記受信アンテナと前記受信信号処理部との間に接続され、前記受信信号を前記受信信号処理部に伝達する受信信号伝達部と、
    を備え、
    前記送信信号伝達部は、前記送信信号処理部に接続される第1及び第2の端子と、前記送信アンテナに接続される第3及び第4の端子とを有し、前記第1の端子と前記第3の端子との間の信号伝達経路と前記第1の端子と前記第4の端子との間の信号伝達経路とが相互に同相の位相特性を有し、前記第2の端子と前記第4の端子との間の信号伝達経路と前記第2の端子と前記第3の端子との間の信号伝達経路とが相互に逆相の位相特性を有し、
    前記受信信号伝達部は、前記送信信号伝達部の前記第1から第4の端子に対応した端子を有すると共に、前記送信信号伝達部の信号伝達経路に対応した伝達特性を有する信号伝達経路を有し、
    前記送信信号処理部は、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間の相対位置を検出する動作モードにおいて、前記送信信号伝達部の第1の端子に所定の信号を入力し、
    前記受信信号処理部は、前記動作モードにおいて、前記送信信号伝達部の前記第3及び第4の端子に対応する前記受信信号伝達部の端子から出力される信号に基づき前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間の相対位置を検出するための処理を実施する、無線通信システム。
  2. 前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間でデータを伝送する動作モードにおいて、前記送信信号処理部は、前記送信信号として第1及び第2の信号を前記送信信号伝達部の第1及び第2の端子にそれぞれ入力し、前記受信信号処理部は、前記送信信号伝達部の第1及び第2の端子に対応する前記受信信号伝達部の端子から出力される信号から前記第1及び第2の信号を抽出する、請求項1に記載の無線通信システム。
  3. 前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間でデータを伝送する動作モードにおいて、前記送信信号処理部は、前記送信信号として第1の信号を前記送信信号伝達部の第1の端子に入力し、前記受信信号処理部は、前記送信信号伝達部の第1の端子に対応する前記受信信号伝達部の端子から出力される信号から前記第1の信号を抽出する、請求項1に記載の無線通信システム。
  4. 前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間でデータを伝送する動作モードにおいて、前記送信信号処理部は、前記送信信号として第1の信号を前記送信信号伝達部の第1及び第2の端子に入力し、前記受信信号処理部は、前記送信信号伝達部の第1及び第2の端子に対応する前記受信信号伝達部の端子から出力される信号から前記第1の信号を抽出する、請求項1に記載の無線通信システム。
  5. 前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間の相対位置のずれ量が所定の許容範囲内である場合、データ伝送が可能である旨の通知を発する、請求項2から4の何れか1項に記載の無線通信システム。
  6. 前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間でデータを伝送する動作モードにおいて、前記受信信号処理部は、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間の相対位置のずれ量と、前記第1の端子の電力と前記第2の端子の電力とが等しくなるときのずれ量の限界を与える閾値とを比較し、その比較の結果に応じて、前記送信信号伝達部の第1及び第2の端子に対応する端子の中から、データ伝送に用いる端子を選択する、請求項1から5の何れか1項に記載の無線通信システム。
  7. 前記送信アンテナ及び前記受信アンテナのそれぞれは、2次元状に配列された複数の単位アンテナを備え、
    前記送信信号伝達部及び前記受信信号伝達部のそれぞれは、前記2次元状に配列された複数の単位アンテナに対応して、少なくとも2系統のハイブリッド回路又は方向性結合器を備えた、請求項1から6の何れか1項に記載の無線通信システム。
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