JP2015190762A - アンテナ装置と電波到来方向推定方法 - Google Patents

アンテナ装置と電波到来方向推定方法 Download PDF

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Atsushi Takeuchi
淳 竹内
枚田 明彦
Akihiko Hirata
明彦 枚田
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Abstract

【課題】少ない部品点数で低コストに電波到来方向を推定することができるアンテナ装置を提供する。【解決手段】本発明のアンテナ装置は、平面アンテナと、一対の方向推定用アンテナと、方向推定用アンテナ選択部と、検波部と、を具備する。一対の方向推定用アンテナは平面アンテナを挟むように対向して配置され、方向推定用アンテナ選択部は、一対の方向推定用アンテナのそれぞれの受信信号を選択信号に従って選択して出力し、検波部は、それぞれの受信信号を検波して検波出力電圧を出力する。選択信号に対応する検波出力電圧から受信電力を求め、当該受信電力強度を比較することにより、電波の到来方向を推定する。【選択図】図1

Description

本発明は、電波の到来方向を推定できるアンテナ装置と電波到来方向推定方法に関する。
近年、無線通信の大容量化に対応すべく、ミリ波を用いた無線通信システムが開発されている。たとえば60GHz帯を用いた通信速度1.25Gbpsを有するギガビットイーサネット(GbE)信号の伝送が可能な無線通信システムも既に開発されている。しかし、屋外で利用するミリ波無線では、指向性の高いアンテナを使用するため、アンテナのわずかな軸ずれが大きな受信電力の低下につながるという課題がある。アンテナの軸ずれを自動的に補整するためには、電波の到来方向を推定する必要がある。しかし、一般的なパラボラアンテナには、アンテナの軸ずれ方向を検出する機能は有していない。
一方、アレーアンテナでは、特許文献1に開示されているように複数のアンテナ素子の各々に個別に接続された可変位相器により、対応するアンテナ素子の出力される高周波信号の高周波位相を位相シフトして複数のアンテナ素子から構成されるアレイアンテナの指向性を変えることで、電波の到来方向を推定することが可能である。
また、特許文献2に、平面スロットアンテナアレーの周りの4つの辺に1次元のスロットアレーアンテナを配置し、そのアレーアンテナの各素子への給電線の線路長を変えるこで1次元アレーアンテナの指向性を、正面方向から各アレーアンテナごとに違う方向にずらし、4つの1次元アレーアンテナの受信電力強度を比較することにより、電波の到来方向を推定する技術が開示されている。
特許第3920483号公報 特開2013−221832号公報
J. Hirokawa, J. D. Kim, K. SAKURAI, M. ANDO, T. TAKADA, and T. NAGATSUMA, "Designs and measurements of plate-laminated waveguide slot array antennas for 120GHz band and 350GHz band" , 2011 Asia Pacific Microwave Conference, pp. 445-448, 2011.
しかし、特許文献1に示された技術では、各アンテナ素子毎に可変位相器を設けるため、部品点数とコストが増加するという課題がある。例えば、非特許文献1に開示された高周波のミリ波アレーアンテナの場合、分岐回路により各アンテナ素子に給電するアレーアンテナであるため、各アンテナ素子毎に可変位相器を設けることは困難である。
また、特許文献2に示された技術では、4つの1次元アレーアンテナに対して4つのミリ波検波器を必要とするため、アンテナ装置が高価になるという課題がある。
この発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、平面アンテナにおいて、より少ない部品点数で低コストに電波到来方向を推定することができるアンテナ装置と、電波到来方向推定方法を提供することを目的とする。
本発明のアンテナ装置は、平面アンテナと、一対の方向推定用アンテナと、方向推定用アンテナ選択部と、検波部と、を具備し、一対の方向推定用アンテナは平面アンテナを挟むように対向して配置され、方向推定用アンテナ選択部は、一対の方向推定用アンテナのそれぞれの受信信号を選択信号に従って選択して出力し、検波部は、それぞれの受信信号を検波して検波出力電圧を出力する。一対の方向推定用アンテナは、複数のアンテナ素子が一次元に配置されたアレイアンテナであり、一方の方向推定用アンテナの各アンテナ素子への給電線の給電点からの各線路長を複数のアンテナ素子の配列方向に順次増加させ、対となる他方の方向推定用アンテナの各アンテナ素子への給電線の各線路長は反対方向に順次増加させたものである。
また、本発明の電波到来方向推定方法は、平面アンテナと、当該平面アンテナを挟むように対向して配置され、互いの指向性を逆方向に偏向させた一対の方向推定用アンテナとを有するアンテナ装置により、電波の到来方向を推定する電波到来方向推定方法であって、一対の方向推定用アンテナのそれぞれの受信信号を選択信号に従って選択して出力する方向推定用アンテナ選択過程と、方向推定用アンテナ選択部が出力する選択された受信信号を検波して検波出力電圧を出力する検波過程と、選択信号を出力すると共に当該選択信号に対応する受信電力強度を比較することにより、電波の到来方向を推定できる方向情報を出力する電波到来方向推定過程とを備える。
この発明のアンテナ装置によれば、複数の方向推定用アンテナの受信信号を1個の検波部で検波するので電波の到来方向を推定できる平面アレーアンテナの部品点数を削減することができ、その製造コストを低コスト化する効果を奏する。また、この発明の電波到来方向推定方法によれば、低コストで且つ容易に電波の到来方向を推定することができる。
本発明の実施形態1に係るアンテナ装置100の機能構成例を示す図。 本発明のアンテナ装置100の平面(第1層のアンテナ平面)を示す図。 本発明のアンテナ装置100の第2層の平面を概念的に示す図。 本発明のアンテナ装置100の第3層の平面を概念的に示す図。 水平方向の電波到来方向を推定する場合のアンテナ装置100を示す図。 アンテナ装置100の姿勢変化方向を定義する図。 仰角方向の電波到来方向を推定する場合のアンテナ装置100を示す図。 方向推定用アンテナ選択部10の具体例を示す図。 本発明の実施形態2に係るアンテナ装置200の機能構成例を示す図。 アンテナ装置200の動作フローを示す図。 アンテナ装置200の回転方向(アンテナ平面14の向き)と、各方向推定用アンテナの受信電力強度の変動を示す図。
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。複数の図面中同一のものには
同じ参照符号を付し、説明は繰り返さない。
〔実施形態1〕
図1に、実施形態1のアンテナ装置100の機能構成例を示す。アンテナ装置100は、平面アンテナ1(アレイアンテナ)と、一対の方向推定用アンテナ2A,2Cと一対の2B,2Dと、方向推定用アンテナ選択部10と、検波部20と、を具備する。アンテナ装置100は、例えば積層型高周波回路で構成される。詳しくは後述する。
一対の方向推定用アンテナ2A,2Cと2B,2Dは、平面アンテナ1を挟むように対向して配置される。方向推定用アンテナ選択部10は、一対の方向推定用アンテナ2A,2Cと、2B,2Dの、それぞれの受信信号を、外部から入力される選択信号に従って選択して出力する。検波部20は、方向推定用アンテナ選択部10が出力する選択された受信信号を検波して検波出力電圧を出力する。
実施形態1のアンテナ装置100によれば、一対の方向推定用アンテナ2A,2Cと、2B,2Dのそれぞれの受信信号を、1個の検波部20で検波して検波出力電圧に変換するので、検波器の個数を削減することができる。つまり、アンテナ装置100を低コスト化する効果を奏する。なお、一対の方向推定用アンテナを2組備える例で説明を行ったが、方向推定用アンテナは2A,2Cの一対、又は、2B,2Dの一対であっても良い。
以降、図面を参照して更に実施形態1の発明のアンテナ装置100について詳しく説明する。図2に、アンテナ装置100の平面図を示す。この例は、導波管型平面アンテナで平面アンテナ1と方向推定用アンテナ2A,2C,2B,2Dを構成した例である。
平面アンテナ1は、XY平面上に複数のアンテナ素子(スロットアンテナ)11が2次元に配置された矩形(正方形を含む)の平面スロットアレイアンテナであり、高い指向性を有する。平面アンテナ1と方向推定用アンテナ2A,2C,2B,2Dは、メタル層の平板によって形成される。
平面アンテナ1のアレイ状に配置されたアンテナ素子11(開孔部)には、図示しない1つの給電端子から等しい長さの給電線(給電用導波管)によって給電される。よって、平面アンテナ1の最大利得方向(指向性)は、アンテナ平面14に対して垂直な方向(正面方向)に形成される。
方向推定用アンテナ2A,2C,2B,2Dは、電波の到来方向を推定するためのアンテナであって、平面アンテナ1を挟むようにY軸方向とX軸方向にそれぞれ対向して配置される。Y軸方向の2Aと2C、X軸方向の2Bと2D、が組みであり、アンテナ素子の形状及び給電線の基本構造は方向推定用アンテナ間で同じである。但し、給電点からの各アンテナ素子21までの給電線の長さの関係が、2Aと2Cとの間、又、2Bと2Dとの間で逆の関係になっている。
その給電線の長さの関係を、Y軸方向に配置された方向推定用アンテナ2Aと2Cを例に説明する。平面アンテナ1を挟んでY軸の+(プラス)側に配置される一方の方向推定用アンテナ2Aは、例えば7個のアンテナ素子21A〜21Aが等間隔で一列(一次元)に配列されて構成される。給電点23Aからアンテナ素子21Aの給電線22Aの長さが最も短い。つまり、給電点23Aは、アンテナ素子21A側に配置される。
給電線の長さは、隣接するアンテナ素子毎に順次増加するように形成され、給電点23Aから見て7個目のアンテナ素子21Aの給電線22Aの長さが最も長くなるように構成される。
一方、平面アンテナ1を挟んでY軸の−(マイナス)側で対向する方向推定用アンテナ2Cの給電線は、方向推定用アンテナ2Aの最も長い給電線22Aで給電されるアンテナ素子21Aと対向する位置に配置されるアンテナ素子21Cの給電線22Cの長さが最も短い。つまり、方向推定用アンテナ2Cの給電点23Cは、Y軸を挟んで給電点23Aと反対側に配置される。
そして、方向推定用アンテナ2Aの最も短い給電線22Aで給電されるアンテナ素子21Aと対向する位置に配置されるアンテナ素子21Cの給電線22Cの長さが最も長くなるように構成される。
このように平面アンテナ1を挟んで対向して配置される一対の方向推定用アンテナの給電線の長さは逆の関係になる。この結果、方向推定用アンテナ2Aの最大利得方向(指向性)は、平面アンテナ1の正面方向(アンテナ平面141から垂直方向)からX軸に対して+(プラス)方向に傾く。また、方向推定用アンテナ2Cの最大利得方向は、X軸に対して−(マイナス)方向に傾く。このように一対の方向推定用アンテナの間では、逆方向の指向特性が付与される。
この関係は、もう1組の方向推定用アンテナ2B,2Dでも同様に付与される。方向推定用アンテナ2Bの最大利得方向は、例えばY軸に対して+(プラス)方向に傾く。また、方向推定用アンテナ2Dの最大利得方向は、例えばY軸に対して−(マイナス)方向に傾く。
この指向性の偏向方向(傾き)をα°とすると、隣接して配置される方向推定用アンテナのアンテナ素子の経路長差を、0.5×sin(α)×λとする。λは波長である。例えば、120GHz帯で30°の傾き(偏向角)を持つ方向推定用アンテナを作成するには、隣に配置されたアンテナ素子との経路長差を0.75mmとする。方向推定用アンテナ2Aの場合、アンテナ素子21Aに給電する給電線22Aより、アンテナ素子21Aの給電線22Aの長さを0.75mm長くする。アンテナ素子21Aに給電する給電線22Aは、アンテナ素子21Aに給電する給電線22Aより4.5mm(0.75×6)長い。
なお、この実施形態の給電線22は給電用導波管で構成されるものであり、アンテナ平面14上で目視することはできない。よって、図2では給電線22を破線で示した。給電線22は、実際にはアンテナ平面14を形成するメタル層内に形成される。給電点23A,23B,23C,23Dについても同様である。
給電点23A,23B,23C,23Dは、例えば貫通孔であり、アンテナ平面14を構成するメタル層に積層される基板材料が例えばセラミックス等の誘電体材料で構成される第2層14(図3)の中に埋め込まれる導波管24A,24B,24C,24Dに、信号を伝達する金属製の筒(管)である。なお、第2層14は、全てをメタル層で形成しても良い。その場合の導波管は、メタル層の一部を中空構造とすることで構成する。
図3において、導波管24A,24B,24C,24Dは単なる線で表記している。各導波管24A,24B,24C,24Dは、同一の長さであり、第2層14の中心部分に配置される方向推定用アンテナ選択部10を介して、第3層14に信号を伝達する給電点25で連結する。
図4に、第3層14の平面図を示す。第3層14は、第2層14と同様に、基板材料が誘電体材料で形成され、その基板上に方向推定用アンテナ選択部10が出力する選択された受信信号を検波して検波出力電圧を出力する検波部20が構成される。給電点25と検波部20とは導波管26で接続される。
以上述べたように、アンテナ装置100は、例えば3つの層を積層した構造である。図から明らかなように、第3層14の検波部20から第1層14の各給電点23A,23B,23C,23Dまでの給電線(給電用導波管)の長さは、等しくなるように構成される。検波部20から第1層14の各給電点までの給電線の長さが等しいことにより、上記した方向推定用アンテナの給電線の長さを変えることで付与した指向性が有効に作用することになる。
なお、アンテナ素子を、例えばパッチアンテナ等で構成した場合、給電線はマイクロストリップライン等の平面線路を使用する。次に、方向推定用アンテナの指向性を利用することで電波の到来方向を推定する方法について説明する。
〔電波到来方向の推定〕
図5に、水平方向の電波到来方向を推定する場合のアンテナ装置100を示す。図5に示すアンテナ装置100は、XY座標の原点にアンテナ装置100の中心が位置し、Y軸を中心として時計回りの方向に回転した状態である。ここで、図6を参照してアンテナ装置100の姿勢の変化方向を定義する。Y軸を中心に回転する方向を水平方向、X軸を中心に回転する方向を仰角方向とする。水平方向の+(プラス)はY軸を中心に反時計方向、仰角方向の−(マイナス)は俯角方向である。
電波は、図5の紙面に対して垂直方向(正面)から到来しているものと仮定する。方向推定用アンテナ2Aと2Cの指向性を、模式的に一点鎖線の曲線で表記する。曲線の凸部が最大利得方向である。後述する図7についても同じである。
この状態では、方向推定用アンテナ2Aの最大利得方向が、到来電波の方向に向くため、方向推定用アンテナ2Aの受信電力強度が高まる。一方、方向推定用アンテナ2Cの最大利得方向は、到来電波の方向から外れるので当該アンテナの受信電力強度は低下する。
もう一組の方向推定用アンテナ2Bと2Cの指向性は、Y軸を中心とした回転方向にブロードである。よって、電波到来方向の利得が下がるためその受信電力強度は低下するが、方向推定用アンテナ2A,2Cの変化量と比較すると小さい。
上記したように、方向推定用アンテナ2Aと2Cは、指向性以外は同一なものであるため、方向推定用アンテナ2Aと2Cの受信電力強度の差(差分情報)が、電波の到来方向とアンテナ平面14の正面方向とのずれを表すことになる。この受信電力強度の差が無くなるように、アンテナ装置100の方向を制御することは、電波の到来方向を推定することになる。方向推定用アンテナ2Aと2Cの受信電力強度を用いることで、アンテナ装置100の水平方向の向きを制御することができる。つまり、水平方向のみを制御したい場合は、Y軸方向に配置される方向推定用アンテナ2A,2Cの一対を備えれば良い。
図7に、仰角方向の電波到来方向を推定する場合のアンテナ装置100を示す。図7に示すアンテナ装置100は、X軸を中心に、アンテナ装置100をプラスの仰角方向に回転した状態である。
この状態では、方向推定用アンテナ2Dの最大利得方向が、到来電波の方向に向くため、方向推定用アンテナ2Dの受信電力強度が高まる。一方、方向推定用アンテナ2Bの最大利得方向は、到来電波の方向から外れるので当該アンテナの受信電力強度は低下する。
もう一組の方向推定用アンテナ2Aと2Cの指向性は、X軸を中心とした回転方向にブロードである。よって、電波到来方向の利得が下がるためその受信電力強度は低下するが、方向推定用アンテナ2B,2Dの変化量と比較すると小さい。
方向推定用アンテナ2Bと2Dの受信電力強度を用いることで、アンテナ装置100の仰角方向の向きを制御することができる。つまり、仰角方向のみを制御したい場合は、X軸方向に配置される方向推定用アンテナ2B,2Dの一対を備えれば良い。
このように、方向推定用アンテナ2Aと2Cの組、2Bと2Dの組のそれぞれの受信電力強度を比較するだけの処理で、電波の到来方向を推定することができる。受信電力強度の比較のみで電波の到来方向の推定が可能となるため、検波素子に包絡線検波等の安価な素子を使用することが可能であり、コストを削減することができる。
また、4個の方向推定用アンテナの受信信号を検波する検波部20を、共用するので部品点数の削減が図れ、アンテナ装置のコストを下げる効果を奏する。また、本実施形態では、平面アンテナ1と方向推定用アンテナ2A,2C,2B,2Dとを、同じ平面上に形成する。別々に作成した平面アンテナと方向アンテナとを組み合わせて同様のアンテナ装置を作成した場合に比べて、部品点数が少なく組み立て工数も削減できるため、コストを低減できると共に、平面アンテナの正面方向を容易に推定することができる。
〔方向推定用アンテナ選択部〕
図8に、方向推定用アンテナ選択部10の具体例を示す。図8は、第2層14(図3)の中心付近に配置された方向推定用アンテナ選択部10の斜視図である。第3層14と連結する給電点25の表記は省略している。
方向推定用アンテナ選択部10は、4個のスイッチ板11A,11B,11C,11Dと、それぞれのスイッチ板を導波管内で可動させる可動手段12A,12B,12C,12Dとで構成される。スイッチ板11Aは、可動手段12Aによって駆動され導波管24Aの伝送路を遮断する。可動手段12A,12B,12C,12Dは、外部から入力される選択信号によって制御される。
図8に示す例は、導波管24Aと24Bと24Dが、スイッチ板11Aと11Bと11Dによって遮断され、導波管24Cのみが開通している。このように、可動手段12A,12B,12C,12Dを排他的に制御することで、方向推定用アンテナの受信信号を選択して得ることができる。
可動手段12A,12B,12C,12Dは、そのシンボルを抵抗器で表しているように、例えば圧電素子を用いることで実現できる。
〔実施形態2〕
図9に、実施形態2に係るアンテナ装置200の機能構成例を示す。アンテナ装置200は、上記したアンテナ装置100に対して、電波到来方向推定部210を、更に具備する点で異なる。アンテナ装置200の動作フローを図10に示す。
電波到来方向推定部210は、選択信号を出力すると共に当該選択信号に対応する受信電力強度を比較することにより、電波の到来方向を推定できる方向情報を出力する。選択信号とは、この例では方向推定用アンテナ選択部10のスイッチ板11A,11B,11C,11Dを、選択的に非可動とする制御信号である。
電波到来方向推定部210は、例えばスイッチ板11Aのみを非可動とすることで、方向推定用アンテナ2Aから検波部20に至る伝送路を確保することができる(ステップS10)。検波部20は方向推定用アンテナ2Aの検波出力電圧のみを出力する(ステップS20)。
電波到来方向推定部210は、検波部20が出力する検波出力電圧を、A/D変換器(図示せず)でディジタル信号に変換した後に受信電力に変換する。なお、必ずしも検波出力電圧をディジタル信号に変換する必要はない。例えば、検波出力電圧の最大値を保持するようなピークホールド手段を用いて、各方向推定用アンテナに対応するその最大値を検出して比較するようにしても良い。その場合、一般的なA/D変換器は不要である。
電波到来方向推定部210は、全ての方向推定用アンテナ2A,2C,2B,2Dで受信した受信電力が得られるまで方向推定用アンテナ選択過程(ステップS10)と検波過程(ステップS20)の動作を繰り返す(ステップS2100)。全ての方向推定用アンテナの受信電力が得られると(ステップS2100のYes)、電波到来方向推定部120は、一対の方向推定用アンテナ2Aと2C、2Bと2D、のそれぞれの受信電力強度の差分情報を求める(ステップS2101)。
この差分情報は、電波の到来方向とアンテナ平面14の正面方向とのずれを表し、電波の到来方向を推定できる方向情報である。図11に、アンテナ装置200の回転方向(アンテナ平面14の向き)と、各方向推定用アンテナの受信電力強度の変動を示す。図11の1列目は、アンテナ平面14の方向情報(回転方向)を表す。
図11の1行目は、アンテナ平面14を、正面方向からの到来電波に対してY軸を中心に反時計方向(プラス)で且つ、仰角方向にプラスに向けた場合の方向情報を表す。この場合、X(+)方向に指向性を持つ方向推定用アンテナ2AとY(+)方向に指向性を持つ2Bの受信電力強度が最も低下(−)する。したがって、それと組を成す方向推定用アンテナ2Cと2Dの受信電力強度が相対的に高(+)まる。
図11の2行目は、アンテナ平面14を、正面方向からの到来電波に対してY軸を中心に反時計方向(プラス)で且つ、仰角方向にマイナス(俯角方向)に向けた場合の方向情報を表す。この場合、Y(+)方向に指向性を持つ方向推定用アンテナ2Bと、X(−)方向に指向性を持つ2Cの受信電力強度が最も低下(−)する。したがって、それと組を成す方向推定用アンテナ2Dと2Aの受信電力強度が相対的に高(+)まる。
図11の3行目は、アンテナ平面14の方向が2行目と反対方向なので、方向情報は2行目の極性が反転したものとなる。4行目は1行目と反対方向なので1行目の極性が反転したものとなる。
このように、方向情報によってアンテナ装置200のアンテナ平面14が、到来電波の方向に対してどの方向に向けられているかを知ることができる。つまり、方向情報を用いることで電波の到来方向を推定することが可能である。
この発明の方向情報を利用して、例えば2軸多回転雲台を用いることでアンテナ調整装置を簡単に実現することができる。アンテナ調整装置については、例えば、参考文献(「120GHz帯ミリ波無線におけるアンテナ方位自動調整機能の検討」牧田明彦 他、電子情報通信学会ソサエティ大会講演論文集 2011年 エレクトロニクス(1),C-2-92,P.116)に記載されている。
以上説明したように、実施形態1のアンテナ装置100では、平面アンテナの周囲の対向する辺に、少なくとも一対の方向推定用アンテナを配置して各方向推定用アンテナの指向性をそれぞれ違う方向に設定し、各方向推定用アンテナの受信信号を選択して1個の検波部で検波した検波出力電圧を出力する。その結果、電波の到来方向を推定するアンテナ装置の部品点数を削減することができ、その製造コストを低下させる効果を奏する。
また、実施形態2のアンテナ装置200は、更に電波到来方向推定部210を具備することで、電波の到来方向を推定することができる方向情報を出力する。アンテナ装置200によれば、平面アンテナのアンテナ利得の正面方向を、低コストで且つ容易に推定できる効果を奏する。
なお、上記した実施形態では、導波型平面アンテナを用いた例で説明を行ったが、他の例えば、スロットアンテナやパッチアンテナ等の他の種類のアンテナに対しても、本願発明の技術思想を適用することが可能である。また、アンテナ装置を、積層型高周波回路で実現する例を説明したが、あくまでも一例を示したものであり、積層させなくても良いことは言うまでもない。
また、電波到来方向推定部210は、例えば、マイクロコンピュータで構成することが可能である。その場合、電波到来方向推定部210が実行する処理は、プログラムで実現することになる。また、プログラム処理内容の一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。
このように本願発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
1 :平面アンテナ
2A,2B,2C,2D:方向推定用アンテナ
10:方向推定用アンテナ選択部
20:検波部
11:アンテナ素子(平面アンテナ)
21:アンテナ素子(方向推定用アンテナ)
22:給電線(方向推定用アンテナ)
近年、無線通信の大容量化に対応すべく、ミリ波を用いた無線通信システムが開発され
ている。たとえば60GHz帯を用いた通信速度1.25Gbpsを有するギガビットイ
ーサネット(GbE)信号の伝送が可能な無線通信システムも既に開発されている。「イーサネット」(登録商標)。しかし、屋外で利用するミリ波無線では、指向性の高いアンテナを使用するため、アンテナのわずかな軸ずれが大きな受信電力の低下につながるという課題がある。アンテナの軸ずれを自動的に補整するためには、電波の到来方向を推定する必要がある。しかし、一般的なパラボラアンテナには、アンテナの軸ずれ方向を検出する機能は有していない。
本発明のアンテナ装置は、平面アンテナと、一対の方向推定用アンテナと、方向推定用
アンテナ選択部と、検波部と、を具備し、一対の方向推定用アンテナは平面アンテナを挟
むように対向して配置され、方向推定用アンテナ選択部は、一対の方向推定用アンテナの
それぞれの受信信号を選択信号に従って個別に選択して出力し、検波部は、それぞれの受信信号を検波して検波出力電圧を出力する。電波到来方向推定部は、個別に選択する選択信号を排他的に出力すると共に当該選択信号に対応する受信電力強度を比較することにより、電波の到来方向を推定できる方向情報を出力する。一対の方向推定用アンテナは、複数のアンテナ素子が一次元に配置されたアレイアンテナであり、一方の方向推定用アンテナの各アンテナ素子への給電線の給電点からの各線路長を複数のアンテナ素子の配列方向に順次増加させ、対となる他方の方向推定用アンテナの各アンテナ素子への給電線の各線路長は反対方向に順次増加させたものである。
また、本発明の電波到来方向推定方法は、平面アンテナと、当該平面アンテナを挟むよ
うに対向して配置され、互いの指向性を逆方向に偏向させた一対の方向推定用アンテナと
を有するアンテナ装置により、電波の到来方向を推定する電波到来方向推定方法であって
、一対の方向推定用アンテナのそれぞれの受信信号を選択信号に従って個別に選択して出力する方向推定用アンテナ選択過程と、方向推定用アンテナ選択部が出力する選択された受信信号を検波して検波出力電圧を出力する検波過程と、個別に選択する選択信号を排他的に出力すると共に当該選択信号に対応する受信電力強度を比較することにより、電波の到来方向を推定できる方向情報を出力する電波到来方向推定過程とを備える。

Claims (8)

  1. 平面アンテナと、
    前記平面アンテナを挟むように対向して配置された一対の方向推定用アンテナと、
    前記一対の方向推定用アンテナのそれぞれの受信信号を選択信号に従って選択して出力する方向推定用アンテナ選択部と、
    前記方向推定用アンテナ選択部が出力する選択された前記受信信号を検波した検波出力電圧を出力する検波部と、
    を具備し、
    前記方向推定用アンテナは、複数のアンテナ素子が一次元に配置されたアレイアンテナであり、一方の方向推定用アンテナの各アンテナ素子への給電線の給電点からの各線路長を複数のアンテナ素子の配列方向に順次増加させ、対となる他方の方向推定用アンテナの各アンテナ素子への給電線の各線路長は前記一方の方向推定用アンテナと反対方向に順次増加させたこと、
    を特徴とするアンテナ装置。
  2. 請求項1に記載したアンテナ装置において、
    更に、
    前記選択信号を出力すると共に当該選択信号に対応する受信電力強度を比較することにより、電波の到来方向を推定できる方向情報を出力する電波到来方向推定部を、具備することを特徴とするアンテナ装置。
  3. 請求項2に記載したアンテナ装置において、
    前記方向情報は、前記一対の方向推定用アンテナで受信した受信電力強度の差分情報であることを特徴とするアンテナ装置。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載したアンテナ装置において、
    前記平面アンテナが形成されるXY平面上のX軸とY軸の双方の軸上に、前記一対の方向推定用アンテナがそれぞれ形成されていることを特徴とするアンテナ装置。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載したアンテナ装置において、
    前記方向推定用アンテナの指向性を、前記平面アンテナの正面方向からα°偏向させる場合、隣接して配置される当該方向推定用アンテナのアンテナ素子の経路長差を0.5×sin(α)×λとすることを特徴とするアンテナ装置。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載したアンテナ装置において、
    前記平面アンテナと、前記方向推定用アンテナとは、同一平面上に形成されることを特徴とするアンテナ装置。
  7. 請求項1乃至6の何れかに記載したアンテナ装置において、
    前記方向推定用アンテナ選択部は、
    複数のスイッチ板と、
    前記複数のスイッチ板をそれぞれ導波管内で可動させる可動手段と、
    で構成されるものであることを特徴とするアンテナ装置。
  8. 平面アンテナと、当該平面アンテナを挟むように対向して配置され、互いの指向性を逆方向に偏向させた一対の方向推定用アンテナとを有するアンテナ装置により、電波の到来方向を推定する電波到来方向推定方法であって、
    前記一対の方向推定用アンテナのそれぞれの受信信号を選択信号に従って選択して出力する方向推定用アンテナ選択過程と、
    前記方向推定用アンテナ選択部が出力する選択された前記受信信号を検波して検波出力電圧を出力する検波過程と、
    前記選択信号を出力すると共に当該選択信号に対応する受信電力強度を比較することにより、電波の到来方向を推定できる方向情報を出力する電波到来方向推定過程と、
    を備える電波到来方向推定方法。
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