JP6208536B2 - シールド掘進機用の反力受け装置、及び、シールドトンネルの施工方法 - Google Patents

シールド掘進機用の反力受け装置、及び、シールドトンネルの施工方法 Download PDF

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Description

本発明は、シールド掘進機用の反力受け装置、及び、シールドトンネルの施工方法に関する。
特許文献1には、親シールド掘進機内に子シールド掘進機が配置された状態で大口径シールドトンネルを掘進し、大口径シールドトンネルの掘進が完了した後に、親シールド掘進機内から子シールド掘進機が発進して小口径シールドトンネルを掘進可能な親子シールド掘進機が開示されている。特許文献1では、既設の大口径シールドトンネルセグメントの内面に反力受け部材を設け、子シールド掘進機は、この反力受け部材から反力を取りつつ、小口径シールドトンネルを掘進する。
特開2007−198080号公報
特許文献1に開示のように反力受け部材を大口径シールドトンネルセグメントの内面に設ける場合には、大口径シールドトンネルセグメントに反力受け部材を接合する必要がある。この接合については、一般に、当該接合箇所の大口径シールドトンネルセグメントを鋼製セグメントとし、この鋼製セグメントに鋼製の反力受け部材を溶接により接合する手法が採用され得る。
しかしながら、シールドトンネルの用途が例えば下水道トンネルであって、大口径シールドトンネルセグメントがRCセグメント等のコンクリートセグメントである場合には、コンクリート等による二次覆工が行われないことが多い。それゆえ、コンクリートセグメントの代わりに鋼製セグメントを用いることが難しく、従って、鋼製の反力受け部材を前述のように溶接により大口径シールドトンネルセグメントに接合することが難しかった。
また、仮に、当該接合箇所の大口径シールドトンネルセグメントとして、反力受け部材が一体化されたコンクリート製の反力受け一体化セグメントを用いると、当該セグメントの個数が限定的であるので、その分当該セグメントの製造単価が高価になり、ひいては、シールドトンネルの施工コストが増大しかねない。また、セグメントの組み立てに用いられるエレクター装置を反力受け一体化セグメント用に改造する必要があり、この点でも、シールドトンネルの施工コストが増大しかねない。
本発明は、このような実状に鑑み、シールドトンネルの施工コストの増大を抑制しつつ、コンクリートセグメントにも簡易に適用可能なシールド掘進機用の反力受け装置、及び、シールドトンネルの施工方法を提供することを目的とする。
そのため本発明の第1態様におけるシールド掘進機用の反力受け装置は、既設のシールドトンネルセグメントのうち最も掘進方向前側に位置するシールドトンネルセグメントの前端面に配置されて当該シールドトンネルセグメントよりトンネル内側に突出する第1の部材と、第1の部材より後方における既設のシールドトンネルセグメントよりトンネル内側に配置されてシールド掘進機の反力受けとなる第2の部材と、既設のシールドトンネルセグメントよりトンネル内側に配置され、かつ、トンネル周方向に互いに間隔を空けて配置されて、第1の部材と第2の部材とを連結する複数の棒状又は線状の第3の部材と、を含んで構成される。第3の部材は、第1の部材に形成された貫通孔に挿入されて、該貫通孔の内周面に対して回転可能に第1の部材に取り付けられる。
本発明の第2態様におけるシールド掘進機用の反力受け装置は、既設のシールドトンネルセグメントのうち最も掘進方向前側に位置するシールドトンネルセグメントの前端面に配置されて当該シールドトンネルセグメントよりトンネル内側に突出する第1の部材と、第1の部材より後方における既設のシールドトンネルセグメントよりトンネル内側に配置されてシールド掘進機の反力受けとなる第2の部材と、既設のシールドトンネルセグメントよりトンネル内側に配置され、かつ、トンネル周方向に互いに間隔を空けて配置されて、第1の部材と第2の部材とを連結する複数の棒状又は線状の第3の部材と、を含んで構成される。第3の部材は、第2の部材に形成された貫通孔に挿入されて、該貫通孔の内周面に対して回転可能に第2の部材に取り付けられる。
本発明の第3態様におけるシールド掘進機用の反力受け装置は、既設のシールドトンネルセグメントのうち最も掘進方向前側に位置するシールドトンネルセグメントの前端面に配置されて当該シールドトンネルセグメントよりトンネル内側に突出する第1の部材と、第1の部材より後方における既設のシールドトンネルセグメントよりトンネル内側に配置されてシールド掘進機の反力受けとなる第2の部材と、既設のシールドトンネルセグメントよりトンネル内側に配置され、かつ、トンネル周方向に互いに間隔を空けて配置されて、第1の部材と第2の部材とを連結する複数の棒状又は線状の第3の部材と、を含んで構成される。シールド掘進機は、親シールド掘進機内に配置可能な子シールド掘進機である。親シールド掘進機及び子シールド掘進機からなる親子シールド掘進機は、親シールド掘進機内に子シールド掘進機が配置された状態で大口径シールドトンネルを掘進し、大口径シールドトンネルの掘進が完了した後に、親シールド掘進機内から子シールド掘進機が発進して小口径シールドトンネルを掘進可能である。シールドトンネルセグメントは、大口径シールドトンネルに設置される大口径シールドトンネルセグメントである。第1の部材は親シールド掘進機のテールフレーム内に配置される。第1の部材は、トンネル軸方向に互いに間隔を空けて対向する一対の環状の第1の板状部材と、トンネル周方向に互いに間隔を空けて配置されて第1の板状部材同士を連結する複数の第1のリブ部材と、を含んで構成される。第1の板状部材は、その外径が親シールド掘進機のテールフレームの内径に対応し、内径が既設の大口径シールドトンネルセグメントの内径よりも小さい。
本発明の第4態様におけるシールド掘進機用の反力受け装置は、既設のシールドトンネルセグメントのうち最も掘進方向前側に位置するシールドトンネルセグメントの前端面に配置されて当該シールドトンネルセグメントよりトンネル内側に突出する第1の部材と、第1の部材より後方における既設のシールドトンネルセグメントよりトンネル内側に配置されてシールド掘進機の反力受けとなる第2の部材と、既設のシールドトンネルセグメントよりトンネル内側に配置され、かつ、トンネル周方向に互いに間隔を空けて配置されて、第1の部材と第2の部材とを連結する複数の棒状又は線状の第3の部材と、を含んで構成される。シールド掘進機は、親シールド掘進機内に配置可能な子シールド掘進機である。親シールド掘進機及び子シールド掘進機からなる親子シールド掘進機は、親シールド掘進機内に子シールド掘進機が配置された状態で大口径シールドトンネルを掘進し、大口径シールドトンネルの掘進が完了した後に、親シールド掘進機内から子シールド掘進機が発進して小口径シールドトンネルを掘進可能である。シールドトンネルセグメントは、大口径シールドトンネルに設置される大口径シールドトンネルセグメントである。第1の部材は親シールド掘進機のテールフレーム内に配置される。第2の部材は、トンネル軸方向に互いに間隔を空けて対向する一対の環状の第2の板状部材と、トンネル周方向に互いに間隔を空けて配置されて第2の板状部材同士を連結する複数の第2のリブ部材と、を含んで構成される。第2の板状部材は、その外径が既設の大口径シールドトンネルセグメントの内径以下である。
また、本発明に係るシールドトンネルの施工方法は、大口径シールドトンネルの掘進完了後に、前述の第1〜第4態様のいずれかの反力受け装置を親子シールド掘進機に設置し、子シールド掘進機により、当該反力受け装置から反力を取りつつ、小口径シールドトンネルを掘進する。
本発明によれば、反力受け装置は、既設のシールドトンネルセグメントの前端面に配置される第1の部材と、第1の部材の後方に位置してシールド掘進機の反力受けとなる第2の部材と、第1の部材と第2の部材とを連結する複数の棒状又は線状の第3の部材と、を含んで構成される。これにより、シールド掘進機の推進ジャッキ等からの押圧力を第2の部材で受け止めて、この押圧力が第3の部材を介して第1の部材に伝達されて、第1の部材が既設のシールドトンネルセグメントの前端面を押圧するので、その反力を、第1の部材、第3の部材、及び、第2の部材を介して、シールド掘進機の推進ジャッキ等が得ることができる。従って、シールドトンネルセグメントがコンクリートセグメントであっても、簡素な構成で、シールド掘進機用の反力受けをシールドトンネルセグメントに設けることができる。また、前述のような反力受け一体化セグメントを用いる必要がないので、シールドトンネルの施工コストの増大を抑制することができる。
本発明の一実施形態における親子シールド掘進機の縦断面図 同上実施形態における反力受け装置の正面図 同上実施形態における反力受け装置の背面図 図1の部分A及びBの部分拡大図 親シールド掘進機による大口径トンネルの掘進が完了した状態を示す図 親子シールド掘進機に反力受け装置を設置した状態を示す図 子シールド掘進機の発進前における仮セグメント及び小口径シールドトンネルセグメントの組立後の状態を示す図 親シールド掘進機と子シールド掘進機との間にグラウト材を充填した状態を示す図 子シールド掘進機の発進準備状態を示す図 大口径シールドトンネルと小口径シールドトンネルとの接続状態を示す図
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態における親子シールド掘進機の縦断面図である。図2は、本実施形態における反力受け装置の正面図であり、図1のI−I断面に対応している。図3は、本実施形態における反力受け装置の背面図であり、図1のII−II断面に対応している。図4(A)は、図1の部分Aの部分拡大図である。図4(B)は、図1の部分Bの部分拡大図である。
尚、本実施形態では、便宜上、トンネル掘進方向を前進方向として前後左右を規定している。
また、本実施形態では、いわゆる泥土圧式の親子シールド掘進機を例にとって親子シールド掘進機の構成を説明するが、親子シールド掘進機の種類はこれに限らない。
また、図1〜図4は、親シールド掘進機による大口径シールドトンネルの掘進が完了した後であって、子シールド掘進機による小口径シールドトンネルの掘進が開始される前の状態を示している。
親子シールド掘進機1は、大径の親シールド掘進機2と、親シールド掘進機2内に同心状に配置されて親シールド掘進機2より小径の子シールド掘進機3とにより構成されている。子シールド掘進機3は親シールド掘進機2から分離可能である。ここで、子シールド掘進機3が、本発明の「シールド掘進機」に対応する。
親シールド掘進機2は、円筒形状の前胴21及び後胴22を含んで構成される。ここで、前胴21の側部に配置される親シールドフレーム23と、後胴22の側部に配置されるテールフレーム24とは、それぞれ、親シールド掘進機2の外殻をなすものである。
テールフレーム24の後端部24aには、その外縁に沿って、前後3列のテールブラシ24bが設けられており、テールブラシ間の隙間にはグリース等の充填剤が充填されている。これらテールブラシ24bと充填剤とによって、テールシール部24cが形成されている。ここで、テールブラシ24bとしては、金属製のブラシ(ワイヤブラシ)や、ウレタン等の樹脂製のブラシを挙げることができる。テールシール部24cは、テールフレーム24の後端部24aの内面と、後述する大径セグメントリング54の外面との間の間隙を塞いで内外の止水を行う。
子シールド掘進機3は、円筒形状の前胴31及び後胴32を含んで構成される。ここで、前胴31の側部に配置される子シールドフレーム33と、後胴32の側部に配置されるテールフレーム34とは、それぞれ、子シールド掘進機3の外殻をなすものである。
テールフレーム34の後端部34aには、その外縁に沿って、前後3列のテールブラシ34bが設けられており、テールブラシ間の隙間にはグリース等の充填剤が充填されている。これらテールブラシ34bと充填剤とによって、テールシール部34cが形成されている。ここで、テールブラシ34bとしては、金属製のブラシ(ワイヤブラシ)や、ウレタン等の樹脂製のブラシを挙げることができる。テールシール部34cは、テールフレーム34の後端部34aの内面と、後述する小径セグメントリング52の外面との間の間隙を塞いで内外の止水を行う。
テールフレーム34には、図示しない複数のグラウト材注入管が設けられている。これらグラウト材注入管を介して、グラウト材が、子シールド掘進機3内から、後述する空間80内に注入され得る。
親シールド掘進機2は、子シールド掘進機3と一体的に、大口径シールドトンネルを掘進して構築する。一方、子シールド掘進機3は、親シールド掘進機2から分離した状態で、小口径シールドトンネルを掘進して構築する。
ここで、親シールド掘進機2のトンネル掘進時には、子シールド掘進機3の前胴31が親シールド掘進機2内に配置されており、後胴32のテールフレーム34は、前胴31から分離されている(図5参照)。
親シールド掘進機2には、その前胴21の後部と後胴22の前部とを連結するように、複数の中折れジャッキ25が、胴の周方向に互いに間隔を空けて配置されている。中折れジャッキ25は例えば油圧ジャッキである。親シールド掘進機2の掘進方向の変更・調整時には、各中折れジャッキ25の伸長量が変更・調整される。
親シールド掘進機2には、その前胴21の後部と後胴22の前部との間を胴の内側から塞ぐように中折れ継手25aが設けられており、これにより、内外での止水性を確保している。
子シールド掘進機3には、その前胴31の後部と後胴32の前部とを連結するように、複数の中折れジャッキ35が、胴の周方向に互いに間隔を空けて配置されている。中折れジャッキ35は例えば油圧ジャッキである。子シールド掘進機3の掘進方向の変更・調整時には、各中折れジャッキ35の伸長量が変更・調整される。
子シールド掘進機3には、その前胴31の後部と後胴32の前部との間を胴の内側から塞ぐように中折れ継手35aが設けられており、これにより、内外での止水性を確保している。
子シールド掘進機3は、前胴31に回転自在に設けられて前胴31の前端部に位置する子カッタヘッド36と、子カッタヘッド36の後側に形成されるカッタ室37と、スクリューコンベヤ38とを有する。子カッタヘッド36は、カッタ室37の後方に設置された駆動用モータ39を駆動源として、回転しながら地山を掘削する。カッタ室37内では、子カッタヘッド36による掘削で生じた掘削土砂が滞留する。スクリューコンベヤ38は、カッタ室37内の掘削土砂をカッタ室37の後方に搬出する。
子カッタヘッド36には、複数のカッタ脱着ジャッキ61が設けられている。カッタ脱着ジャッキ61はトンネル径方向に沿って伸縮可能であり、伸長時には、その先端部が子カッタヘッド36の外周面より径方向外方に突出する一方、短縮時には、その先端部が子カッタヘッド36の外周面より径方向内方に退入する。
親シールド掘進機2は、前胴21に回転自在に設けられて前胴21の前端部に位置し、かつ、子カッタヘッド36のトンネル径方向外側に隣接する親カッタヘッド26を有する。
親カッタヘッド26の内周面のうち複数のカッタ脱着ジャッキ61の先端部に対向する部分には、それぞれ、図示しない凹部が形成されている。カッタ脱着ジャッキ61の伸長時には、カッタ脱着ジャッキ61の先端部が前記凹部に挿入されることにより、親カッタヘッド26と子カッタヘッド36とが一体化される。すなわち、親カッタヘッド26が子カッタヘッド36に装着される。一方、カッタ脱着ジャッキ61の短縮時には、カッタ脱着ジャッキ61の先端部が前記凹部内から引き抜かれることにより、親カッタヘッド26と子カッタヘッド36との一体化が解除される。すなわち、親カッタヘッド26が子カッタヘッド36から離脱する。
子シールド掘進機3による小口径シールドトンネル掘進時には、カッタ脱着ジャッキ61を短縮して、親カッタヘッド26と子カッタヘッド36との一体化を解除する。
一方、子シールド掘進機3によって小口径シールドトンネルが掘進されるに先立って、親シールド掘進機2によって大口径シールドトンネルが掘進されるときには、カッタ脱着ジャッキ61を伸長して、親カッタヘッド26と子カッタヘッド36とを一体化する。このときに、親カッタヘッド26及び子カッタヘッド36は駆動用モータ39を駆動源として、回転しながら地山を掘削する。カッタ室37内では、親カッタヘッド26及び子カッタヘッド36による掘削で生じた掘削土砂が滞留する。
子カッタヘッド36には、複数のコピーカッタ用伸縮ジャッキ63が設けられている。コピーカッタ用伸縮ジャッキ63はトンネル径方向に沿って伸縮可能である。コピーカッタ用伸縮ジャッキ63の先端部にはコピーカッタ64が設けられている。
子シールド掘進機3による小口径シールドトンネル掘進時には、コピーカッタ64を子カッタヘッド36の外周面より径方向外方に突出させるように、コピーカッタ用伸縮ジャッキ63の伸長量が調整され得る。
一方、子シールド掘進機3によって小口径シールドトンネルが掘進されるに先立って、親シールド掘進機2によって大口径シールドトンネルが掘進されるときには、コピーカッタ64を親カッタヘッド26の外周面より径方向外方に突出させるように、コピーカッタ用伸縮ジャッキ63の伸長量が調整され得る。
親シールド掘進機2の前胴21と子シールド掘進機3の前胴31との間には、双方を連結するための親子シールド連結部ノックピン65が設けられている。
子シールド掘進機3による小口径シールドトンネル掘進時には、親子シールド連結部ノックピン65が撤去されて、前胴21と前胴31との連結が解除される。
一方、子シールド掘進機3によって小口径シールドトンネルが掘進されるに先立って、親シールド掘進機2によって大口径シールドトンネルが掘進されるときには、親子シールド連結部ノックピン65が設けられ、これにより、親カッタヘッド26及び子カッタヘッド36の前面から受ける力を前胴21と前胴31とで一体的に受け止めることができる。
親シールド掘進機2の前胴21の前部には、親カッタヘッド抜け止め装置66が設けられている。親カッタヘッド抜け止め装置66は、その先端部に係止部67(図9参照)を備えており、この係止部67は、親カッタヘッド26の背面に予め形成された係止部68に係止可能なように構成されている。
親シールド掘進機2による大口径シールドトンネル掘進時には、係止部67は係止部68に係止されていない。それゆえ、親カッタヘッド26は前胴21に対して回転自在である。
一方、子シールド掘進機3によって小口径シールドトンネルの掘進を開始するときには、係止部67が係止部68に係止される。これにより、親カッタヘッド26は前胴21に対して移動不能となる。従って、子シールド掘進機3の掘進開始時に親カッタヘッド26の位置変動が発生することを抑制することができる。
子シールド掘進機3による小口径シールドトンネル掘進時には、子シールド掘進機3の後胴32のテールフレーム34内にエレクター装置40が配置される。このときに、エレクター装置40は、テールフレーム34の内方にて、円弧状断面を有する小径セグメント51を把持部40aで把持しつつ、小径セグメント51をトンネル軸方向、径方向、周方向に適宜移動させることができる。エレクター装置40は、テールフレーム34の内方にて、その周方向に小径セグメント51を組み立てて、円筒状の小径セグメントリング52を構築する。ここで、小径セグメント51は、本発明の「小口径シールドトンネルセグメント」に対応するものである。また、小径セグメント51は、小口径シールドトンネルに設置されるものである。
尚、本実施形態では、小径セグメント51がRCセグメント等のコンクリートセグメントであるとして以下説明するが、小径セグメント51の種類はこれに限らない。
一方、子シールド掘進機3によって小口径シールドトンネルが掘進されるに先立って、親シールド掘進機2によって大口径シールドトンネルが掘進されるときには、親シールド掘進機2の後胴22のテールフレーム24内にエレクター装置40が配置される(図5参照)。このときに、エレクター装置40は、テールフレーム24の内方にて、円弧状断面を有する大径セグメント53を把持部40aで把持しつつ、大径セグメント53をトンネル軸方向、径方向、周方向に適宜移動させることができる。エレクター装置40は、テールフレーム24の内方にて、その周方向に大径セグメント53を組み立てて、円筒状の大径セグメントリング54を構築する。ここで、大径セグメント53は、本発明の「大口径シールドトンネルセグメント」及び「シールドトンネルセグメント」に対応するものである。また、大径セグメント53は、大口径シールドトンネルに設置されるものである。
尚、本実施形態では、大径セグメント53がRCセグメント等のコンクリートセグメントであるとして以下説明するが、大径セグメント53の種類はこれに限らない。
子シールド掘進機3による小口径シールドトンネル掘進時に、子シールド掘進機3の後胴32の前部の周縁部には、複数の推進ジャッキ42が、複数の中折れジャッキ35と干渉しないように、胴の周方向に互いに間隔を空けて配置されている。推進ジャッキ42は例えば油圧ジャッキである。既設の複数の小径セグメント51のうち最も掘進方向前側に位置する小径セグメント51aに推進ジャッキ42の先端部を当接させた状態で推進ジャッキ42を伸長作動させることにより、子シールド掘進機3は推進力を得ることができる。それゆえ、推進ジャッキ42は既設の小径セグメント51aの前端面をトンネル後方に押圧し、その反力により、子シールド掘進機3を前方に推進させることができる。
一方、子シールド掘進機3によって小口径シールドトンネルが掘進されるに先立って、親シールド掘進機2によって大口径シールドトンネルが掘進されるときには、複数の推進ジャッキ42が、親シールド掘進機2の後胴22の前部の周縁部に、複数の中折れジャッキ25と干渉しないように、胴の周方向に互いに間隔を空けて配置される。推進ジャッキ42は、既設の複数の大径セグメント53のうち最も掘進方向前側に位置する大径セグメント53aに推進ジャッキ42の先端部を当接させた状態で推進ジャッキ42を伸長作動させることにより、親シールド掘進機2は推進力を得ることができる。それゆえ、推進ジャッキ42は既設の大径セグメント53aの前端面をトンネル後方に押圧し、その反力により、親シールド掘進機2を前方に推進させることができる。
反力受け装置100は、既設の大径セグメント53aの前端面に配置される円環状の第1の部材110と、第1の部材110より後方における既設の大径セグメント53よりトンネル内側に配置される円環状の第2の部材120と、第1の部材110と第2の部材120とを連結する複数の第3の部材130とを備える。第2の部材120は、親シールド掘進機2のテールフレーム24よりトンネル後方に位置する。
第1の部材110は、その下端部を構成する円弧状ユニット111aと、上端部を構成する円弧状ユニット111bと、複数(図では8個)の円弧状ユニット111cとからなる。これら円弧状ユニット111a〜111cをトンネル周方向に組み立てることにより、第1の部材110が形成される。
円弧状ユニット111aは、トンネル軸方向に互いに間隔を空けて対応する一対の円弧状の板状部材112a、113aと、トンネル周方向に互いに間隔を空けて配置されて円弧状の板状部材112a、113a同士を連結する複数(図では9枚)の板状のリブ部材114aとを含んで構成される。
円弧状ユニット111bは、トンネル軸方向に互いに間隔を空けて対応する一対の円弧状の板状部材112b、113bと、トンネル周方向に互いに間隔を空けて配置されて円弧状の板状部材112b、113b同士を連結する複数(図では3枚)の板状のリブ部材114bとを含んで構成される。
円弧状ユニット111cは、トンネル軸方向に互いに間隔を空けて対応する一対の円弧状の板状部材112c、113cと、トンネル周方向に互いに間隔を空けて配置されて円弧状の板状部材112c、113c同士を連結する複数(図では5枚)の板状のリブ部材114cとを含んで構成される。
円弧状の板状部材112a〜112c、113a〜113c、及び、リブ部材114a〜114cは、それぞれ金属製(例えば鋼製)であり、互いに溶接で固定されている。
円弧状ユニット111a〜111cをトンネル周方向に組み立てるときには、隣接する円弧状ユニットのリブ部材同士を面接触させた状態でボルト締結する手法が採用され得る。
ここで、円弧状ユニット111a〜111cを組み立てて形成された第1の部材110のうち、一体化された円弧状の板状部材112a〜112c、113a〜113cが、本発明の「トンネル軸方向に互いに間隔を空けて対向する一対の環状の第1の板状部材」に対応する。
また、円弧状ユニット111a〜111cを組み立てて形成された第1の部材110のうち、リブ部材114a〜114cが、本発明の「トンネル周方向に互いに間隔を空けて配置されて第1の板状部材同士を連結する複数の第1のリブ部材」に対応する。
円弧状の板状部材112a〜112c、113a〜113cについては、各々の外径が親シールド掘進機2のテールフレーム24の内径に対応して略同等であり、内径が既設の大径セグメント53(換言すれば大径セグメントリング54)の内径よりも小さい。それゆえ、円弧状の板状部材112a〜112c、113a〜113cは、それぞれ、大径セグメント53よりトンネル内側に突出している。
円弧状の板状部材112a〜112c、113a〜113cには、各々の内周側部分に、第3の部材130を挿入するための複数の貫通孔115が形成されている。貫通孔115の内径は、第3の部材130の外径よりも大きい。
円弧状の板状部材112a〜112c、113a〜113cは、その外周面にて、親シールド掘進機2のテールフレーム24の内周面に溶接固定される。また、これに加えて、リブ部材114a〜114cが、親シールド掘進機2のテールフレーム24の内周面に溶接固定されてもよい。
このようにして円弧状ユニット111a〜111cが親シールド掘進機2のテールフレーム24に固定されることにより、第1の部材110が親シールド掘進機2のテールフレーム24に固定される。
尚、本実施形態では、第1の部材110が親シールド掘進機2のテールフレーム24に固定されるが、これに加えて、又は、これに代えて、第1の部材110がボルト等により大径セグメント53aの前端面に固定されてもよい。この場合には、円弧状の板状部材113a〜113cがボルト等により大径セグメント53aの前端面に固定され得る。
第1の部材110の前側の円弧状の板状部材112a〜112cには、各々の前面のうち内周側部分の表面に接触するように、円弧状のプレート部材116a〜116cが配置されている。これら円弧状のプレート部材116a〜116cのうち貫通孔115に対応する部分には貫通孔117が形成されている。
第2の部材120は、その下端部を構成する円弧状ユニット121aと、複数(図では4個)の円弧状ユニット121bと、複数(図では3個)の円弧状ユニット121cとからなる。これら円弧状ユニット121a〜121cをトンネル周方向に組み立てることにより、第2の部材120が形成される。
円弧状ユニット121aは、トンネル軸方向に互いに間隔を空けて対応する一対の円弧状の板状部材122a、123aと、トンネル周方向に互いに間隔を空けて配置されて円弧状の板状部材122a、123a同士を連結する複数(図では9枚)の板状のリブ部材124aと、円弧状の板状部材122a、123a間の開口を外側から塞ぐように配置されるカバー部材125aとを含んで構成される。
円弧状ユニット121bは、トンネル軸方向に互いに間隔を空けて対応する一対の円弧状の板状部材122b、123bと、トンネル周方向に互いに間隔を空けて配置されて円弧状の板状部材122b、123b同士を連結する複数(図では5枚)の板状のリブ部材124bと、円弧状の板状部材122b、123b間の開口を外側から塞ぐように配置されるカバー部材125bとを含んで構成される。
円弧状ユニット121cは、トンネル軸方向に互いに間隔を空けて対応する一対の円弧状の板状部材122c、123cと、トンネル周方向に互いに間隔を空けて配置されて円弧状の板状部材122c、123c同士を連結する複数(図では7枚)の板状のリブ部材124cと、円弧状の板状部材122c、123c間の開口を外側から塞ぐように配置されるカバー部材125cとを含んで構成される。
円弧状の板状部材122a〜122c、123a〜123c、リブ部材124a〜124c、及び、カバー部材125a〜125cは、それぞれ金属製(例えば鋼製)であり、互いに溶接で固定されている。
円弧状ユニット121a〜121cをトンネル周方向に組み立てるときには、隣接する円弧状ユニットのリブ部材同士を面接触させた状態でボルト締結する手法が採用され得る。
ここで、円弧状ユニット121a〜121cを組み立てて形成された第2の部材120のうち、一体化された円弧状の板状部材122a〜122c、123a〜123cが、本発明の「トンネル軸方向に互いに間隔を空けて対向する一対の環状の第2の板状部材」に対応する。
また、円弧状ユニット121a〜121cを組み立てて形成された第2の部材120のうち、リブ部材124a〜124cが、本発明の「トンネル周方向に互いに間隔を空けて配置されて第2の板状部材同士を連結する複数の第2のリブ部材」に対応する。
円弧状の板状部材122a〜122c、123a〜123cについては、各々の外径が既設の大径セグメント53の内径以下である(換言すれば、大径セグメントリング54の内径以下である)。また、円弧状の板状部材122a〜122c、123a〜123cについては、各々が、子シールド掘進機3の反力受けとなるのに十分な円弧状平面を有する。
円弧状の板状部材122a〜122c、123a〜123cには、各々の外周側部分に、第3の部材130を挿入するための複数の貫通孔126が形成されている。貫通孔126の内径は、第3の部材130の外径よりも大きい。ここで、各貫通孔126は、円弧状の板状部材112a〜112c、113a〜113cの各貫通孔115にトンネル軸方向で対応するように(すなわち、各貫通孔126の前方に、対応する貫通孔115が位置するように)形成される。
第2の部材120の後側の円弧状の板状部材123a〜123cには、各々の後面のうち外周側部分の表面に接触するように、円弧状のプレート部材127a〜127cが配置されている。これら円弧状のプレート部材127a〜127cのうち貫通孔126に対応する部分には貫通孔128が形成されている。
本実施形態において、第3の部材130はPC鋼棒により構成されている。
尚、第3の部材130については、子シールド掘進機3の掘進時に第1の部材110と第2の部材120とを連結可能な棒状又は線状の部材であれば、第3の部材130の構成はこれに限らない。
本実施形態では、複数(本実施形態では42本)の第3の部材130が、既設の大径セグメント53よりトンネル内側に配置され、かつ、トンネル周方向に互いに間隔を空けて配置される。また、第3の部材130はトンネル軸方向に延在している。
第3の部材130の両端部には雄ねじ部が形成されている。
第3の部材130の前端部は、第1の部材110の円弧状の板状部材の貫通孔115、及び、円弧状のプレート部材の貫通孔117に挿入されて各々を貫通しており、第1の部材110の前側の円弧状の板状部材112a〜112cのいずれかの前面に接触する座金118aを介して、ナット118bが螺合している。このようにして、第3の部材130は、貫通孔115、117の内周面に対して回転可能に、第1の部材110の円弧状の板状部材に取り付けられている。
同様に、第3の部材130の後端部は、第2の部材120の円弧状の板状部材の貫通孔126、及び、円弧状のプレート部材の貫通孔128に挿入されて各々を貫通しており、第2の部材120の後側の円弧状の板状部材123a〜123cのいずれかの後面に接触する座金129aを介して、ナット129bが螺合している。このようにして、第3の部材130は、貫通孔126、128の内周面に対して回転可能に、第2の部材120の円弧状の板状部材に取り付けられている。
第1の部材110の後側の円弧状の板状部材113a〜113cと、既設の大径セグメント53aの前端面との間には、水膨張性ゴム製の止水部材151が介装される。
また、第2の部材120のカバー部材125a〜125cの外面と既設の大径セグメント53の内面との間には、水膨張性ゴム製の止水部材152が介装される。
次に、親シールド掘進機2による大口径シールドトンネルの掘進完了後から、子シールド掘進機3による小口径シールドトンネルの掘進までの流れを、図1〜図4に加えて、図5〜図10を用いて説明する。
図5は、親シールド掘進機2による大口径トンネルの掘進が完了した状態を示す。図6は、親子シールド掘進機1に反力受け装置100を設置した状態を示す。図7は、子シールド掘進機3の発進前における仮セグメント57及び小径セグメント51の組立後の状態を示す。図8は、親シールド掘進機2と子シールド掘進機3との間にグラウト材を充填した状態を示す。図9は、子シールド掘進機3の発進準備状態を示す。図10は、大口径シールドトンネルと小口径シールドトンネルとの接続状態を示す。
まず、図5に示すように、親シールド掘進機2による大口径トンネルの掘進が完了すると、図6に示すように、反力受け装置100が、親子シールド掘進機1に設置される。この反力受け装置100の設置時には、既設の大径セグメント53aの前端面が、テールシール部24cより前方におけるテールフレーム24内に位置している。それゆえ、反力受け装置100の第1の部材110が、テールシール部24cより前方におけるテールフレーム24内に配置されて、テールフレーム24に固定される。
反力受け装置100の設置が完了すると、子シールド掘進機3の後胴32のテールフレーム34が前胴31に取り付けられる。また、小径セグメント51を組み立てるため、エレクター装置40の調整が行われる。更に、エレクター装置40によって組み立てられた小径セグメント51から反力を取ることができるように、推進ジャッキ42が、親シールド掘進機2の後胴22の前部の周縁部から、子シールド掘進機3の後胴32の前部の周縁部に移設される。
次に、図7に示すように、エレクター装置40により、円弧状断面を有する鋼製の仮セグメント57を組み立てて2リング分の仮セグメントリング58を構築する。この後、エレクター装置40により、小径セグメント51を組み立てて2リング分の小径セグメントリング52を構築する。これらセグメントリング58、52については、1リング分のセグメントリングが構築されるごとに推進ジャッキ42によりトンネル後方に押圧されて移動する(すなわち空押しされる)。また、隣接するセグメントリング同士はボルト締結等で固定される。
最初に構築された仮セグメントリング58については、その後端面が第2の部材120の前側の円弧状の板状部材122a〜122cの前面に接触した状態で、第2の部材120に溶接固定される。
尚、第2の部材120と小径セグメント51との間に仮セグメント57を介装することにより、仮セグメント57が緩衝材的に機能して、小径セグメント51に作用する偏圧を緩和することができる。
次に、図8に示すように、第1の部材110の前側の円弧状の板状部材112a〜112cの前面と、親シールド掘進機2の親シールドフレーム23(前胴21)、中折れ継手25a、及びテールフレーム24(後胴22)の内面と、子シールド掘進機3の子シールドフレーム33(前胴31)、中折れ継手35a、及びテールフレーム34(後胴32)の外面と、によって区画される空間80内に、前述のグラウト材注入管(図示せず)を介して、グラウト材が充填される。尚、空間80は、図8の斜線部に対応している。ここで充填されるグラウト材は、粘性のあるスライム状であり、好ましくは、非セメント系のグラウト材である。グラウト材を空間80に充填することにより、当該領域での止水性を確保しつつ、子シールド掘進機3をスムーズに発進させることができる。
次に、図9に示すように、子シールド掘進機3の発進準備として、親シールド掘進機2から子シールド掘進機3を分離する。具体的には、コピーカッタ64を子カッタヘッド36内に収納する。また、親カッタヘッド抜け止め装置66の係止部67を、親カッタヘッド26の係止部68に係止することで、親カッタヘッド26を保持する。また、カッタ脱着ジャッキ61を短縮して、親カッタヘッド26と子カッタヘッド36との一体化を解除する。また、親子シールド連結部ノックピン65を撤去して、前胴21と前胴31との連結を解除する。
この後、親シールド掘進機2を存置した状態で、子シールド掘進機3を発進させる。この発進時には、小径セグメント51aに推進ジャッキ42の先端部を当接させた状態で推進ジャッキ42を伸長作動させることで、子シールド掘進機3は推進力を得る。
この後、エレクター装置40による小径セグメント51の組立と、推進ジャッキ42の伸長作動による子シールド掘進機3の掘進とを交互に行って、小口径シールドトンネルの構築を進める。
この小口径シールドトンネルの構築時には、小径セグメント51に予め設けられた裏込め材注入口(図示せず)より、小径セグメント51の外側に裏込め材を注入する。ここで注入される裏込め材は、好ましくはセメント系の裏込め材であり、例えば、コンクリート又はモルタルを含む。
ここで、子シールド掘進機3による小口径シールドトンネルの掘進によって、子シールド掘進機3の子シールドフレーム33(前胴31)、中折れ継手35a、及びテールフレーム34(後胴32)の外面に代わって、小径セグメント51の外面が空間80に面するようになった後には、空間80内のグラウト材が、裏込め材に置き換えられる。このグラウト材から裏込め材への置き換え時には、例えば、空間80に面する任意の小径セグメント51の裏込め材注入口をグラウト材排出口とし、当該小径セグメント51より2リング分後方に位置する小径セグメント51の裏込め材注入口から裏込め材を注入することで、空間80内のグラウト材を前述のグラウト材排出口から排出する。このようにして裏込め材を空間80に充填することにより、当該領域にて確実な止水を行うことができる。
子シールド掘進機3による小口径シールドトンネルの掘進が進み、推進ジャッキ42のジャッキ推力に対して、小径セグメント51と地山の摩擦抵抗力が十分となった後に、第3の部材130からナット129bを取り外すと共に、仮セグメント57と小径セグメント51との連結を解除する。そして、図10に示すように、仮セグメント57、反力受け装置100の第2の部材120、円弧状のプレート部材127a〜127c、及び座金129aを撤去して、左官仕上げにより、モルタル製又はコンクリート製の傾斜部59を形成する。
傾斜部59は、既設の小径セグメント51のうち最も後側に位置する小径セグメント51bと、既設の大径セグメント53との間の隙間を埋めるように、滑らかに傾斜していることが好ましい。また、傾斜部59は、第3の部材130の露出を防ぐように形成されることが好ましい。
以上のようにして、小口径シールドトンネルの構築が行われる。
本実施形態によれば、反力受け装置100は、既設の大径セグメント53(シールドトンネルセグメント)のうち最も掘進方向前側に位置する大径セグメント53a(シールドトンネルセグメント)の前端面に配置されて大径セグメント53aよりトンネル内側に突出する第1の部材110と、第1の部材110より後方における既設の大径セグメント53よりトンネル内側に配置されて子シールド掘進機3(シールド掘進機)の反力受けとなる第2の部材120と、既設の大径セグメント53よりトンネル内側に配置され、かつ、トンネル周方向に互いに間隔を空けて配置されて、第1の部材110と第2の部材120とを連結する複数の棒状又は線状の第3の部材130と、を含んで構成される。これにより、子シールド掘進機3の推進ジャッキ42からの押圧力を第2の部材120で受け止めて、この押圧力が第3の部材130を介して第1の部材110に伝達されて、第1の部材110が既設の大径セグメント53aの前端面を押圧するので、その反力を、第1の部材110、第3の部材130、及び、第2の部材120を介して、子シールド掘進機3の推進ジャッキ42が得ることができる。従って、大径セグメント53がコンクリートセグメントであっても、簡素な構成で、子シールド掘進機3用の反力受けを大径セグメント53に設けることができる。
また本実施形態によれば、子シールド掘進機3(シールド掘進機)の反力受けとなる第2の部材120は、第1の部材110より後方における既設の大径セグメント53(シールドトンネルセグメント)よりトンネル内側に配置される。これにより、子シールド掘進機3の発進時に、子シールド掘進機3のテールフレーム34の後端部34aが、大径セグメント53aの前端面より後方に位置し得るので、親シールド掘進機2の機長を必要以上に長くすることなく、子シールド掘進機3の必要な機長を確保することができ、ひいては、小口径シールドトンネルの施工を効率良く行うことができる。
また本実施形態によれば、第3の部材130は棒状又は線状である。これにより、反力受け装置100の背面視で第1の部材110と第2の部材120とがオーバーラップする領域を小さくすることができるので、大径セグメント53の内径と小径セグメント51の外径との差が小さくても対応することができる。
また本実施形態によれば、反力受け装置100から反力を取るシールド掘進機は、親シールド掘進機2内に配置可能な子シールド掘進機3である。親シールド掘進機2及び子シールド掘進機3からなる親子シールド掘進機1は、親シールド掘進機2内に子シールド掘進機3が配置された状態で大口径シールドトンネルを掘進し、大口径シールドトンネルの掘進が完了した後に、親シールド掘進機2内から子シールド掘進機3が発進して小口径シールドトンネルを掘進可能である。前端面に第1の部材110が配置されるシールドトンネルセグメントは、大口径シールドトンネルに設置される大径セグメント53aである。第1の部材110は親シールド掘進機2のテールフレーム24内に配置される。これにより、第1の部材110と既設の大径セグメント53aとの間の隙間をその外側からテールフレーム24で覆うことができるので、当該隙間での止水性を確保することができる。
また本実施形態によれば、第1の部材110は親シールド掘進機2のテールフレーム24に固定される。これにより、反力受け装置100を大径セグメント53に直接的に固定する必要がないので、大径セグメント53の種類によらず、簡素な構成の反力受け装置100を設置することで、反力受け装置100を子シールド掘進機3用の反力受けとして用いることができる。
また本実施形態によれば、第1の部材110と大径セグメント53aとの間には止水部材151が介装される。これにより、第1の部材110と既設の大径セグメント53aとの間の止水を行うことができる。
また本実施形態によれば、第1の部材110は、トンネル軸方向に互いに間隔を空けて対向する一対の環状の第1の板状部材(円弧状の板状部材112a〜112c、113a〜113c)と、トンネル周方向に互いに間隔を空けて配置されて第1の板状部材同士を連結する複数の第1のリブ部材(リブ部材114a〜114c)と、を含んで構成される。第1の板状部材は、その外径が親シールド掘進機2のテールフレーム24の内径に対応し、内径が既設の大径セグメント53の内径よりも小さい。これにより、第1の部材110を比較的簡素な構成とすることができる。
また本実施形態によれば、第3の部材130は、第1の板状部材(円弧状の板状部材112a〜112c、113a〜113c)に形成された貫通孔115に挿入されて、貫通孔115の内周面に対して回転可能に第1の板状部材に取り付けられる。これにより、第1の板状部材と第3の部材130との固定点では、第1の板状部材に対する第3の部材130の回転が許容されるので、第3の部材130については、トンネル軸方向に作用する引張応力を主として考慮すればよく、ひいては、第3の部材130を簡素な構成とすることができる。
また本実施形態によれば、第2の部材120と既設の大径セグメント53との間には止水部材152が介装される。これにより、第2の部材120と既設の大径セグメント53との間の止水を行うことができる。また、小口径シールドトンネルの構築時に裏込め材が第2の部材120と既設の大径セグメント53との間の隙間を通ってトンネル内に流入することを抑制することができる。尚、第2の部材120のカバー部材125a〜125cの外面と大径セグメント53の内面とを接触させることで止水性が確保される場合には、止水部材152を省略してもよい。
また本実施形態によれば、第2の部材120は、トンネル軸方向に互いに間隔を空けて対向する一対の環状の第2の板状部材(円弧状の板状部材122a〜122c、123a〜123c)と、トンネル周方向に互いに間隔を空けて配置されて第2の板状部材同士を連結する複数の第2のリブ部材(リブ部材124a〜124c)と、を含んで構成される。第2の板状部材は、その外径が既設の大径セグメント53の内径以下である。これにより、第2の部材120を比較的簡素な構成とすることができる。
また本実施形態によれば、第3の部材130は、第2の板状部材(円弧状の板状部材122a〜122c、123a〜123c)に形成された貫通孔126に挿入されて、貫通孔126の内周面に対して回転可能に第2の板状部材に取り付けられる。これにより、第2の板状部材と第3の部材130との固定点では、第2の板状部材に対する第3の部材130の回転が許容されるので、第3の部材130については、トンネル軸方向に作用する引張応力を主として考慮すればよく、ひいては、第3の部材130を簡素な構成とすることができる。
また本実施形態によれば、第3の部材130は、トンネル軸方向に延在するPC鋼棒により構成される。これにより、推進ジャッキ42からの大きな押圧力が第2の部材120に作用しても、第3の部材130の伸びの発生を抑制することができる。
また本実施形態によれば、第1の部材110の前面と親シールド掘進機2の内面と子シールド掘進機3の外面とによって区画される空間80内(図8における斜線部内)にグラウト材が充填される。これにより、空間80内に充填されたグラウト材によって止水性を確保しつつ、小口径シールドトンネルの構築を進めることができる。
また本実施形態によれば、大口径シールドトンネルの掘進完了後に、反力受け装置100を親子シールド掘進機1に設置し、子シールド掘進機3により、反力受け装置100から反力を取りつつ、小口径シールドトンネルを掘進する。これにより、大径セグメント53の種類によらず、簡素な構成の反力受け装置100を設置することで、反力受け装置100を子シールド掘進機3用の反力受けとして用いることができる。
また本実施形態によれば、反力受け装置100の設置後に、第1の部材110の前面と親シールド掘進機2の内面と子シールド掘進機3の外面とによって区画される空間80内(図8における斜線部内)に非セメント系のグラウト材を充填し、子シールド掘進機3による小口径シールドトンネルの掘進によって、子シールド掘進機3の外面に代わって小径セグメント51の外面が空間80に面するようになった後に、空間80内の非セメント系のグラウト材をセメント系の裏込め材に置き換える。これにより、小口径シールドトンネルの内外での止水性を向上させることができる。
尚、本実施形態では、第3の部材130としてPC鋼棒を用いて説明したが、第3の部材130については、子シールド掘進機3の掘進時に第1の部材110と第2の部材120とを連結可能な棒状又は線状の部材であれば、第3の部材130はこれに限らない。例えば、第3の部材130として金属製のワイヤーを用いてもよい。
また、本実施形態では、小径セグメント51及び大径セグメント53が、それぞれ、RCセグメント等のコンクリートセグメントであるとして説明したが、小径セグメント51及び大径セグメント53の種類はこれに限らない。小径セグメント51及び大径セグメント53は、例えば、鋼製セグメント、又は、合成セグメントであってもよい。
また、本実施形態では、泥土圧式の親子シールド掘進機1を用いて説明したが、親子シールド掘進機1の種類はこれに限らず、例えば、泥水式の親子シールド掘進機であってもよい。
出願当初の請求項は以下の通りであった。
[請求項1]
既設のシールドトンネルセグメントのうち最も掘進方向前側に位置するシールドトンネルセグメントの前端面に配置されて当該シールドトンネルセグメントよりトンネル内側に突出する第1の部材と、
前記第1の部材より後方における既設のシールドトンネルセグメントよりトンネル内側に配置されてシールド掘進機の反力受けとなる第2の部材と、
既設のシールドトンネルセグメントよりトンネル内側に配置され、かつ、トンネル周方向に互いに間隔を空けて配置されて、前記第1の部材と前記第2の部材とを連結する複数の棒状又は線状の第3の部材と、
を含んで構成される、シールド掘進機用の反力受け装置。
[請求項2]
前記シールド掘進機は、親シールド掘進機内に配置可能な子シールド掘進機であり、
親シールド掘進機及び子シールド掘進機からなる親子シールド掘進機は、親シールド掘進機内に子シールド掘進機が配置された状態で大口径シールドトンネルを掘進し、大口径シールドトンネルの掘進が完了した後に、親シールド掘進機内から子シールド掘進機が発進して小口径シールドトンネルを掘進可能であり、
前記シールドトンネルセグメントは、大口径シールドトンネルに設置される大口径シールドトンネルセグメントであり、
前記第1の部材は親シールド掘進機のテールフレーム内に配置される、請求項1に記載のシールド掘進機用の反力受け装置。
[請求項3]
前記第1の部材は親シールド掘進機のテールフレームに固定される、請求項2に記載のシールド掘進機用の反力受け装置。
[請求項4]
前記第1の部材は、トンネル軸方向に互いに間隔を空けて対向する一対の環状の第1の板状部材と、トンネル周方向に互いに間隔を空けて配置されて前記第1の板状部材同士を連結する複数の第1のリブ部材と、を含んで構成され、
前記第1の板状部材は、その外径が親シールド掘進機のテールフレームの内径に対応し、内径が既設の大口径シールドトンネルセグメントの内径よりも小さい、請求項2又は請求項3に記載のシールド掘進機用の反力受け装置。
[請求項5]
前記第3の部材は、前記第1の板状部材に形成された貫通孔に挿入されて、該貫通孔の内周面に対して回転可能に前記第1の板状部材に取り付けられる、請求項4に記載のシールド掘進機用の反力受け装置。
[請求項6]
前記第2の部材は、トンネル軸方向に互いに間隔を空けて対向する一対の環状の第2の板状部材と、トンネル周方向に互いに間隔を空けて配置されて前記第2の板状部材同士を連結する複数の第2のリブ部材と、を含んで構成され、
前記第2の板状部材は、その外径が既設の大口径シールドトンネルセグメントの内径以下である、請求項2〜請求項5のいずれか1つに記載のシールド掘進機用の反力受け装置。
[請求項7]
前記第3の部材は、前記第2の板状部材に形成された貫通孔に挿入されて、該貫通孔の内周面に対して回転可能に前記第2の板状部材に取り付けられる、請求項6に記載のシールド掘進機用の反力受け装置。
[請求項8]
前記第1の部材の前面と親シールド掘進機の内面と子シールド掘進機の外面とによって区画される空間内にグラウト材が充填される、請求項2〜請求項7のいずれか1つに記載のシールド掘進機用の反力受け装置。
[請求項9]
大口径シールドトンネルの掘進完了後に、請求項2〜請求項7のいずれか1つに記載のシールド掘進機用の反力受け装置を親子シールド掘進機に設置し、
子シールド掘進機により、前記反力受け装置から反力を取りつつ、小口径シールドトンネルを掘進する、
シールドトンネルの施工方法。
[請求項10]
前記反力受け装置の設置後に、前記第1の部材の前面と親シールド掘進機の内面と子シールド掘進機の外面とによって区画される空間内に非セメント系のグラウト材を充填し、
子シールド掘進機による小口径シールドトンネルの掘進によって、子シールド掘進機の外面に代わって小口径シールドトンネルセグメントの外面が前記空間に面するようになった後に、前記空間内の非セメント系のグラウト材をセメント系の裏込め材に置き換える、請求項9に記載のシールドトンネルの施工方法。
1 親子シールド掘進機
2 親シールド掘進機
3 子シールド掘進機
21 前胴
22 後胴
23 親シールドフレーム
24 テールフレーム
24a 後端部
24b テールブラシ
24c テールシール部
25 中折れジャッキ
25a 中折れ継手
26 親カッタヘッド
31 前胴
32 後胴
33 子シールドフレーム
34 テールフレーム
34a 後端部
34b テールブラシ
34c テールシール部
35 中折れジャッキ
35a 中折れ継手
36 子カッタヘッド
37 カッタ室
38 スクリューコンベヤ
39 駆動用モータ
40 エレクター装置
42 推進ジャッキ
51、51a、51b 小径セグメント(小口径シールドトンネルセグメント)
52 小径セグメントリング
53、53a 大径セグメント(大口径シールドトンネルセグメント)
54 大径セグメントリング
57 仮セグメント
58 仮セグメントリング
59 傾斜部
61 カッタ脱着ジャッキ
63 コピーカッタ用伸縮ジャッキ
64 コピーカッタ
65 親子シールド連結部ノックピン
66 親カッタヘッド抜け止め装置
67、68 係止部
80 空間
100 反力受け装置
110 第1の部材
111a〜111c 円弧状ユニット
112a〜112c、113a〜113c 板状部材
114a〜114c リブ部材
115 貫通孔
116a〜116c プレート部材
117 貫通孔
118a 座金
118b ナット
120 第2の部材
121a〜121c 円弧状ユニット
122a〜122c、123a〜123c 板状部材
124a〜124c リブ部材
125a〜125c カバー部材
126 貫通孔
127a〜127c プレート部材
128 貫通孔
129a 座金
129b ナット
130 第3の部材
151、152 止水部材

Claims (10)

  1. 既設のシールドトンネルセグメントのうち最も掘進方向前側に位置するシールドトンネルセグメントの前端面に配置されて当該シールドトンネルセグメントよりトンネル内側に突出する第1の部材と、
    前記第1の部材より後方における既設のシールドトンネルセグメントよりトンネル内側に配置されてシールド掘進機の反力受けとなる第2の部材と、
    既設のシールドトンネルセグメントよりトンネル内側に配置され、かつ、トンネル周方向に互いに間隔を空けて配置されて、前記第1の部材と前記第2の部材とを連結する複数の棒状又は線状の第3の部材と、
    を含んで構成され
    前記第3の部材は、前記第1の部材に形成された貫通孔に挿入されて、該貫通孔の内周面に対して回転可能に前記第1の部材に取り付けられる、シールド掘進機用の反力受け装置。
  2. 既設のシールドトンネルセグメントのうち最も掘進方向前側に位置するシールドトンネルセグメントの前端面に配置されて当該シールドトンネルセグメントよりトンネル内側に突出する第1の部材と、
    前記第1の部材より後方における既設のシールドトンネルセグメントよりトンネル内側に配置されてシールド掘進機の反力受けとなる第2の部材と、
    既設のシールドトンネルセグメントよりトンネル内側に配置され、かつ、トンネル周方向に互いに間隔を空けて配置されて、前記第1の部材と前記第2の部材とを連結する複数の棒状又は線状の第3の部材と、
    を含んで構成され
    前記第3の部材は、前記第2の部材に形成された貫通孔に挿入されて、該貫通孔の内周面に対して回転可能に前記第2の部材に取り付けられる、シールド掘進機用の反力受け装置。
  3. 前記シールド掘進機は、親シールド掘進機内に配置可能な子シールド掘進機であり、
    親シールド掘進機及び子シールド掘進機からなる親子シールド掘進機は、親シールド掘進機内に子シールド掘進機が配置された状態で大口径シールドトンネルを掘進し、大口径シールドトンネルの掘進が完了した後に、親シールド掘進機内から子シールド掘進機が発進して小口径シールドトンネルを掘進可能であり、
    前記シールドトンネルセグメントは、大口径シールドトンネルに設置される大口径シールドトンネルセグメントであり、
    前記第1の部材は親シールド掘進機のテールフレーム内に配置される、請求項1又は請求項2に記載のシールド掘進機用の反力受け装置。
  4. 前記第1の部材は親シールド掘進機のテールフレームに固定される、請求項3に記載のシールド掘進機用の反力受け装置。
  5. 既設のシールドトンネルセグメントのうち最も掘進方向前側に位置するシールドトンネルセグメントの前端面に配置されて当該シールドトンネルセグメントよりトンネル内側に突出する第1の部材と、
    前記第1の部材より後方における既設のシールドトンネルセグメントよりトンネル内側に配置されてシールド掘進機の反力受けとなる第2の部材と、
    既設のシールドトンネルセグメントよりトンネル内側に配置され、かつ、トンネル周方向に互いに間隔を空けて配置されて、前記第1の部材と前記第2の部材とを連結する複数の棒状又は線状の第3の部材と、
    を含んで構成される、シールド掘進機用の反力受け装置であって、
    前記シールド掘進機は、親シールド掘進機内に配置可能な子シールド掘進機であり、
    親シールド掘進機及び子シールド掘進機からなる親子シールド掘進機は、親シールド掘進機内に子シールド掘進機が配置された状態で大口径シールドトンネルを掘進し、大口径シールドトンネルの掘進が完了した後に、親シールド掘進機内から子シールド掘進機が発進して小口径シールドトンネルを掘進可能であり、
    前記シールドトンネルセグメントは、大口径シールドトンネルに設置される大口径シールドトンネルセグメントであり、
    前記第1の部材は親シールド掘進機のテールフレーム内に配置され、
    前記第1の部材は、トンネル軸方向に互いに間隔を空けて対向する一対の環状の第1の板状部材と、トンネル周方向に互いに間隔を空けて配置されて前記第1の板状部材同士を連結する複数の第1のリブ部材と、を含んで構成され、
    前記第1の板状部材は、その外径が親シールド掘進機のテールフレームの内径に対応し、内径が既設の大口径シールドトンネルセグメントの内径よりも小さい、シールド掘進機用の反力受け装置。
  6. 既設のシールドトンネルセグメントのうち最も掘進方向前側に位置するシールドトンネルセグメントの前端面に配置されて当該シールドトンネルセグメントよりトンネル内側に突出する第1の部材と、
    前記第1の部材より後方における既設のシールドトンネルセグメントよりトンネル内側に配置されてシールド掘進機の反力受けとなる第2の部材と、
    既設のシールドトンネルセグメントよりトンネル内側に配置され、かつ、トンネル周方向に互いに間隔を空けて配置されて、前記第1の部材と前記第2の部材とを連結する複数の棒状又は線状の第3の部材と、
    を含んで構成される、シールド掘進機用の反力受け装置であって、
    前記シールド掘進機は、親シールド掘進機内に配置可能な子シールド掘進機であり、
    親シールド掘進機及び子シールド掘進機からなる親子シールド掘進機は、親シールド掘進機内に子シールド掘進機が配置された状態で大口径シールドトンネルを掘進し、大口径シールドトンネルの掘進が完了した後に、親シールド掘進機内から子シールド掘進機が発進して小口径シールドトンネルを掘進可能であり、
    前記シールドトンネルセグメントは、大口径シールドトンネルに設置される大口径シールドトンネルセグメントであり、
    前記第1の部材は親シールド掘進機のテールフレーム内に配置され、
    前記第2の部材は、トンネル軸方向に互いに間隔を空けて対向する一対の環状の第2の板状部材と、トンネル周方向に互いに間隔を空けて配置されて前記第2の板状部材同士を連結する複数の第2のリブ部材と、を含んで構成され、
    前記第2の板状部材は、その外径が既設の大口径シールドトンネルセグメントの内径以下である、シールド掘進機用の反力受け装置。
  7. 前記第1の部材は親シールド掘進機のテールフレームに固定される、請求項5又は請求項6に記載のシールド掘進機用の反力受け装置。
  8. 前記第1の部材の前面と親シールド掘進機の内面と子シールド掘進機の外面とによって区画される空間内にグラウト材が充填される、請求項3〜請求項7のいずれか1つに記載のシールド掘進機用の反力受け装置。
  9. 大口径シールドトンネルの掘進完了後に、請求項3〜請求項7のいずれか1つに記載のシールド掘進機用の反力受け装置を親子シールド掘進機に設置し、
    子シールド掘進機により、前記反力受け装置から反力を取りつつ、小口径シールドトンネルを掘進する、
    シールドトンネルの施工方法。
  10. 前記反力受け装置の設置後に、前記第1の部材の前面と親シールド掘進機の内面と子シールド掘進機の外面とによって区画される空間内に非セメント系のグラウト材を充填し、
    子シールド掘進機による小口径シールドトンネルの掘進によって、子シールド掘進機の外面に代わって小口径シールドトンネルセグメントの外面が前記空間に面するようになった後に、前記空間内の非セメント系のグラウト材をセメント系の裏込め材に置き換える、請求項9に記載のシールドトンネルの施工方法。
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