JP6208456B2 - 放射パネルとその製造方法 - Google Patents

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本願発明は、輻射式冷暖房装置の主要要素として使用される放射パネルとその製造方法に関するものである。
建物等の冷暖房は室内の空気を介して熱交換する対流方式のエアコンが一般的であるが、近年、放射パネルを使用した輻射式冷暖房装置が普及しつつある。この輻射式冷暖房装置は、人体と放射パネルとの間で直接に熱を移動させるもので、ファンが存在しないため静粛性に優れている利点や、室のどこにいてもムラ無く冷暖房できる利点、冷風・温風の直撃がなくて快適性に優れている利点、熱交換の媒体は水でよいため環境負荷が小さい利点等を有している。
輻射式冷暖房装置における1つの課題は効率のアップであるが、これは放射パネルの表面積を増大させることで達成できる。そこで、本願出願人は、特許文献1において、放射パネルの下面に多数のフィンを設けることを開示した。また、特許文献2には、床置き式の輻射放熱式暖房器具において、放射パネルの表面に多数の凸条と溝条とからなる凹凸を形成することが開示されている。
特開2008−122036号公報 特開2011−185555号公報
さて、放射パネルは人目に触れるものであるためデザインは大事であり、放射パネルをデザイナーがデザインすることも多い。このようにデザインが施されている場合、デザインのコンセプトを変更することなく効率をアップさせることが重要であるが、特許文献1はフィンを設けるということ自体が1つのデザインであるため、他のデザインに付加できるものではなく汎用性は低いと云える。
他方、特許文献2は表面の構造に関するものであるため特許文献1に比べると汎用性は高いが、図面に表示されているように凹凸が人の肉眼で視認できるため、凹凸の存在がデザインのコンセプトに合致しないことがある。例えば、放射パネルの露出面を平滑面に見えるように表示したい、というデザインコンセプトには合致しないと云える。
また、特許文献1にしても特許文献2にしても、実際にはパネルは金属色を露出させるのでばなくて塗装していることが殆どであるが、作業者への悪影響防止や塗料の飛散防止等のため塗装作業を特別の室で行わねばならないため、パネルの製造に手間がかかるのみならず作業性も良くないという問題があった。
本願発明はこのような現状に鑑み成されたものであり、様々なデザインへの適応性に優れつつ高い熱放射率を確保した放射パネルを、手間を掛けずに簡単に製造できるようにすることを目的とするものである。
本願発明は、放射パネルとその製造方法とを含んでおり、放射パネルは、請求項1に記載したように、
「片面全体を被空調室に向く放射面と成したパネル本体と、前記パネル本体における放射面の全体又は大部分に貼着した樹脂製のシートとを備えており、
前記パネル本体のうち前記放射面と反対側に、熱媒流体との間で熱交換する伝熱部を設けていて、前記パネル本体の全体とシートの全体とを介して、前記伝熱部と被空調室との間での熱交換が行われるようになっており、
かつ、前記樹脂製のシートのうち被空調室に向いた面に、最大高さが200〜800μmでピッチが100〜700μmの無数の凹凸が形成されている、

という構成である。
なお、本願の凹凸には、突起と凹部とが連続していて突起と凹部との境界が見分け難い状態と、平面を基準にしてこれに無数の突起が存在している状態と、平面を基準にしてこれに無数の凹部が存在している状態、及び、これら三者が混在している状態のいずれも含んでいる。
本願発明において、シートの凹凸は、外周面に凹凸を形成したローラで加圧したエンボス加工によって形成できる。
製造方法は請求項で特定している。すなわちこの製法は、請求項1に記載した放射パネルの製造方法であって、
一方の面には無数の凹凸が施されていて他方の面は離型紙で覆われた感圧性接着剤が塗布されているシートを用意して、前記シートを、前記離型紙を剥がしてから前記パネル本体の放射面に貼着するものである。
本願発明では、1つ1つの凹凸視認し難い程に微細化されており、凹凸を全く又は殆どん目立たない大きさである。このため、様々なデザインとの適合性に優れており、汎用性が極めて高い。
また、表面に微細な無数の凹凸が存在することでパネルの表面積が格段に増大することと、熱源からの熱線が天井面に向けて斜め下方から照射されても熱線が凹凸の傾斜面に集中的に当たって高い受熱効率を確保できることにより、暖房時の放熱や冷房時の吸熱の効率を大きく向上できる。従って、本願発明は、各種のデザインのコンセプトを阻害することなく、冷暖房の効率を格段に向上させることができる。なお、放熱はマイナスの吸熱であり、従って、吸熱性能が高いことは放熱効率が高いことと同義である。
吸熱(或いは放熱)の効率に関して本願発明が特筆すべきことは、シートをパネル本体に貼着するという従来の技術常識に反する技術を採用したことである。つまり、壁紙など建物の内装用シートは従来から存在するが、樹脂系の壁紙にしてもセルロース系の壁紙にしても熱の不良導体であるため、これらを放射パネルに貼着すると伝熱性能が劣ると考えられており、実際に、本願出願人の実験でも従来の壁紙を貼着すると伝熱性能が低下することは確認されたのであるが、本願発明は、伝熱性能低下を招くとして忌避されていた樹脂シートを粗面化することで熱放射性向上に利用したものであり、この点、技術常識からは着想できない斬新さを有していると云える。
そして、シートは請求項のように離型紙を剥がしてからパネル本体に重ねて押さえたり、パネル本体に接着剤を塗布してからシートを重ねて押えたりすることで簡単に貼着できるため、シートの貼着作業は簡単であると共に、環境悪化の問題はないためどこでも作業できる。従って、放射パネルを簡単に能率よく製造できる。
シートの片面に凹凸を形成することは、例えばプレス加工なども採用できるが、ローラを通すエンボス加工を採用すると、微細な凹凸を高速で簡単かつ正確に加工できる利点がある。従って、エンボス加工されたシートを使用すると、室内の各部位で万弁なく冷暖房効率を均一化できる。
上記のとおり、シートの貼着は、例えばパネル本体に接着剤を塗布してからシートを重ねて押さえるといった方法も採用できるが、請求項のように離型紙が張られたシートを使用すると、接着材の塗布工程は不要であるため、シートの貼着作業をより一層簡単に行える。また、施工現場でシートを貼り付けて放射パネルを完成させることも可能になるため、運搬途中でシートが傷付くような不具合を抑制できる利点もある。
(A)は本願発明の放射パネルを天井に施工した建物の概略図、(B)はシートを部分的に捲った状態での部分斜視図である。 (A)は輻射式冷暖房装置の断面図、(B)は放射パネルのみの断面図、(C)は放射パネルの分離断面図、(D)はエンボス加工の工程を示す部分斜視図である。 (A)はシートの表面の部分写真、(B)はシートの模式的断面図である。 作用を示す図で、(A)は人と放射パネルとの関係を示す概略図、(B)は熱線の照射態様を示す模式図である。 評価試験を示す図で、(A)は試験状態を示す断面図、(B)は(A)のB−B視部分平断面図、(C)は性能を示すグラフである。
(1).構造の説明
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。まず、図1〜図3を参照して構造を説明する。
本実施形態は天井用に適用しており、コンクリート製建物の天井スラブ1の下方に、多数のパネルユニット2を縦横に整列して配置した輻射式冷暖房システム3が吊支されている。パネルユニット2は、平面視長方形の放射パネル4を複数枚並列配置して一体に連結することで構成されている。放射パネル4は、アルミ等の金属材料の加工品であるパネル本体5を有している。パネル本体5は、押し出し加工品や板材を使用できる。
図2に示すように、放射パネル4のパネル本体5は平らな基板を備えており、基板の下面は平坦面になっている。他方、基板の上面のうち幅方向の概ね中心部には、伝熱部の一例として上向きに開口した半円状のパイプ受け部7を設け、パイプ受け部7を挟んだ一方の側には第1〜第3の上向きリブ8,9,10を一体に設け、パイプ受け部7を挟んだ他方の側には基板の外側にはみ出た階段状の係合段部11を設けている。パイプ受け部7には熱媒体としての水が通るパイプ12の下半分が嵌まっており、パイプ12の上半分には断面半円状の押え部材13が上から重なっている。
並列配置された放射パネル4の上には、それら放射パネル4の群を連結してパネルユニット2と成すための連結バー14が、放射パネル4の長手方向と直交した方向に長く延びる姿勢で配置されている。連結バー14は下向きに開口した断面コ字形になっており、その側板14aに形成した茸形の係合爪15が、パネル本体5に設けた第2及び第3のリブ9,10で挟み係止されている。連結バー14は放射パネル4の長手方向に沿って飛び飛びで複数本配置されており、各連結バー14は、平面視で当該連結バー14と直交した姿勢の横桟部材16に固定されている。敢えて述べるまでもないが、横桟部材16は吊り棒等を介して天井スラブ1に吊支されている。
パネル本体5を構成する基板の一端部と係合段部11との間には横向きの連結空間17が空いており、この連結空間17に、隣に位置したパネル本体5の一側部が嵌まっている。これにより、複数枚の放射パネル4が隙間なく当接して全体として1枚板であるかのような外観を呈している。なお、図1では、隣り合ったパネルユニット2は隙間無く並べられているが、隣り合ったパネルユニット2の間に間隔を空けて、その間に通常の天井パネルを配置してもよい。
パネル本体5は、図2(C)や図3(B)に示すように下面が平滑になった状態に製造されており、このような状態に製造(押し出し加工)してから、例えば図2(B)に示すように、パネル本体5の下面(室内に向いた放射面)に樹脂製のシート(熱放射促進シート)18を貼着している。図3(B)に示すように、シート18の下面の全体に、突起19と凹み20とから成っていて無数の傾斜面で構成された凹凸21が形成されている。
シート18はポリプロピレンやPET等の樹脂からなっており、押し出し法等にて両面が平滑な状態に製造してから、図2(D)に示すように、外周面が平滑な支持ロール22と外周面に無数の凹凸を形成した押圧ロール23との間に通すことで、片面に多数の凹凸21を形成(エンボス加工)している。このように一対のロール22,23に通すだけで凹凸21を簡単に加工することができる。
シート18の平滑面には感圧性接着剤が塗布されており、図2(D)に一点鎖線で示すように、感圧性接着剤の層には離型紙24が張られている。従って、離型紙24を剥がすことで、シート18をパネル本体5に簡単に貼着することができる。なお、図2(D)ではロール22,23から繰り出された状態で既に離型紙24を貼った状態に表示しているが、この表示は便宜的なものであり、実際には、凹凸21をエンボス加工してから塗工工程に移行して感圧性接着剤を塗布し、次いで、ロールから繰り出された離型紙が感圧性接着剤に重ねられる。
図3(A)は、シート18の表面の写真である。実際のシートは淡いクリーム色であるが、突起18の頂面(稜線)にシャープペンの黒鉛を転写することで濃淡を表示している。この実施形態では、突起18の相当割合は細長い形態であり、かつ、向きは不規則で曲がったものや枝分かれしたものも多い。突起19の高さは多少の違いがあるが、概ね一定している。このように、様々な形態の突起18が混在していることは、熱線の吸収性向上に貢献していると推測される。図3(A)では凹部20の形態は明瞭に現れていないが、実際には、凹部20も平面形状はまちまちである。凹部20の深さは、多少は違いがあるものの、概ね一定している。
本実施形態における凹凸21の平均高さ、すなわち、多数の突起19の高さ(或いは凹み20の深さ)Rzは、人目には視認できない程度で、できるだけ大きい値にするのが好ましい。換言すると、人目には存在が視認できない程度の凹凸21が形成されるようにエンボス加工するのが好ましい。本実施形態のシート18は、全体の厚さが250μm程度になっている。伝熱性の点からはできるだけ薄いのが好ましいが、ある程度の腰の強さがあるのが貼り加工を行いやすいので、80〜300μm程度でよいと云える。
凹凸21の最大高さ(Rz)は200〜800μm程度が好ましく、凹凸21のピッチPは100〜700μm程度が好ましい。また、図3(B)では凹凸21は模式化してサインカーブ状に描いるが、実際には、突起19と谷20とは滑らかに連続していない場合も多く、傾斜角度や傾斜面のプロフィールもまちまちであることが多い。
なお、凹凸21の高さRzは200〜800μm程度の範囲内で概ね揃っていてもよいし、例えば200〜800μm程度のものが混在していてもよい。凹凸21のピッチPも同様であり、100〜700μm程度の範囲内の数値で概ね揃っていてもよいし、場所によってピッチPが大きく相違していてもよい。高さRzにしてもピッチPにしても、大部分がこの範囲であればよく、局部的にこれらの数値の範囲外になっていることは差し支えない。
(2).まとめ
図4では、人の身体26と放射パネル4との間の熱の伝達関係を模式的に示している。さて、熱源としての人の身体26からは全方向に向けて熱線が放射されているが、放射パネル4の群で構成された天井の放射面には、身体26に近い箇所ほど熱が多く伝わって、身体26から遠ざかるほど熱を受ける量は少なくなる。換言すると、身体26から放射される熱は拡散して照射される。従って、身体26から放射された熱線をパネル4で効率良く受けるには、身体26に近い場所でも遠い場所でも、熱線の受容面積をできるだけ広くする必要がある。
この点、本実施形態では、放射パネル4の下面が多数の凹凸21で構成されていて形態係数が高くなっているため、身体26の真上に位置した箇所でも、身体26から遠くて熱線の照射角度が天井面に対して傾斜している箇所でも、熱線の受容面積は単なる平坦面である場合に比べて格段に広くなっており、このため、身体26の熱を天井面(伝熱面)の広い範囲で効率よく吸収できる。つまり、単位平面積当たりの熱の受容量を多くできると共に、広い範囲で熱を効率良く補集する状態で受容できるのであり、その結果、コンパクトでありながら高い冷暖房効果を発揮できる。
この点を更に詳述する。まず、傾斜面の効果を説明する。図4の分図(C)で示すように、熱線Rは面積を持った束として観念できるが、熱線の照射面が水平面に対して角度θ0で傾斜していると、熱線の照射面積は水平面に対してcosθだけ小さくなるため、単位面積当たりの受熱量が高くなる。このため、受熱面積が広くなるだけでなく、熱を有効に受けることができる。つまり、熱線Rは凹凸21の表面に直交した方向(凹凸21の表面の垂線方向)から入射するのが最も効率的であるが、凹凸21が傾斜面をから成っているため、斜め下方から照射された熱線も効率良く受熱できるのである。また、熱線の反射も抑制できる。
他方、図4(B)に示すように、凹凸21の片側から熱線が照射された場合、一方の傾斜面では単位面積当たりの受熱量が高くなっても、他方の傾斜面では、熱線の照射角度θ2が水平面に対する照射角度θ1よりも小さくなる。しかし、凹凸21の面が傾斜していることによって他方の傾斜面の面積が大きくなっているため、他方の傾斜面での受熱総量は水平面である場合に比べて高くなっている。従って、結果として、熱線が斜め下方から照射された場合、パネルの下面が水平面である場合に比べて熱の受熱量が多くなるのである。
次に、人の身体26の真上に位置したエリア27を見てみる。このエリア27では、熱線は基本的には真下から照射されていると云えるが、熱源である身体は水平方向の広がりを持っているため、実際には、熱線はパネル4に対して真下から照射されたものと斜め下方とから照射されたものとの束になっていると云える。そして、(C)を参照して説明したように、熱線が斜め下方から照射されても傾斜面によって効率的に受熱するため、パネル4の下面が平滑な水平面である場合に比べて受熱効率を向上できるのである。
人が室内を歩くと、放射パネル4の群よりなる伝熱面のうち人の熱を強く受ける範囲は人の歩行に従って変化して行くが、放射パネル4の凹凸21は独立した多数の突起19と凹み20とで構成されているため、熱線がどの方向から照射されても同じ程度の能力で熱を吸収できる。従って、冷暖房のムラが生じることはない。
(3).評価
図5では、実際の評価試験を示している。この試験では、パネル本体5に何も貼っていない比較例1、パネル本体5に平滑な樹脂製壁紙を貼った比較例2、及び、厚さ250μm程度で凹凸の平均ピッチPが600〜700μm程度のシート18を貼った実施例との3種類を評価した。比較例2の壁紙は、凹凸が存在しないだけで、材質と厚さは実施例と同じであった。
試験では、図5(A)(B)に示すように、周囲を断熱材で囲った箱28の内部にサンプル(約510mm×1570mmの大きさ、約0.80平方m)28を水平姿勢に配置し、サンプル28の下方に熱源として白熱電球30を配置した。箱28の大きさは、幅×長さ×高さが700×1600×710で、サンプル28の周囲と箱28の内面との間には間隔が空いており、この間隔は断熱材31で塞いだ。箱28の内部の平面積に対するサンプル29の敷設率は約70%であった。
パネル本体には既述の実施形態と同様にパイプ12が重ね配置されており、パイプ12に水を流して、箱28の外において水の入口温度と出口温度とを温度センサ32,33で計測した。水の流量は1リットル/分であり、サンプル28の単位面積当たりの流量に換算すると1分当たり1.25リットル/平方mであった。
評価は、1平方m当たりのワット数として表示した。つまり、(温度変化×流量)を受熱総量として、これを単位面積当たりに換算した。また、室温と冷水平均温度との差を平均温度差とした。図5(C)は縦軸に性能として単位面積当たりの熱量、横軸に平均温度差を示す。このグラフにおいて、一般的に空調で使用される平均温度差8℃で比較すると、平滑な壁紙を貼った比較例2は、何も貼っていない比較例1に対して、平均温度差が高くなるに従って性能の低下が顕著に現れている。このことから、『樹脂のシートを貼ったものは伝熱効率が悪い』という従来の認識は、基本的には正しいといえる。
他方、本願実施例は、比較例1よりも性能が高くなっており、このことから、本願発明は、何も貼っていないパネルよりも放射性能に優れていることが立証されている。つまり、単なる平滑なシートを貼っても放射性能は低下するだけであるが、凹凸21を形成した本実施形態のシート18は放射性能に優れているのであり、この点は、従来の技術常識から窺い知ることができなかったものである。
(4).その他
本願発明は、上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば、パネル本体の素材はアルミ等の金属には限らず、樹脂製であってもよい。パネル本体の形状も平面視で長方形には限らず、正方形や正六角形など様々な形態を採用できる。シートは複層構造であってもよい。アルミ箔のような金属箔と樹脂シート(フィルム)との複数構造とすることも可能である(この場合は、金属箔を裏面に配置する。)。
パネル本体に流体通路を直接形成することも可能である。また、パネル本体は単なる金属板を使用したり、金属板の貼り合わせ品(或いは金属板と樹脂板等との貼り合わせ品)使用したりすることも可能である。なお、本願発明の放射パネルは冷房と暖房との両方に適用できるが、冷房のみ又は暖房のみに使用することは当然に可能である。
本願発明の放射パネルは実際に製造できると共に、効果を発揮する。従って、産業上利用できる。
1 天井スラブ
2 パネルユニット
3 輻射式冷暖房装置
4 放射パネル
5 パネル本体
7 伝熱部の一例としてパイプ受け部
12 水が通るパイプ
18 シート
19 突起
20 凹み
21 凹凸
26 身体(熱源)

Claims (2)

  1. 片面全体を被空調室に向く放射面と成したパネル本体と、前記パネル本体における放射面の全体又は大部分に貼着した樹脂製のシートとを備えており、
    前記パネル本体のうち前記放射面と反対側に、熱媒流体との間で熱交換する伝熱部を設けていて、前記パネル本体の全体とシートの全体とを介して、前記伝熱部と被空調室との間での熱交換が行われるようになっており、
    かつ、前記樹脂製のシートのうち被空調室に向いた面に、最大高さが200〜800μmでピッチが100〜700μmの無数の凹凸が形成されている、
    放射パネル。
  2. 請求項1に記載した放射パネルの製造方法であって、
    一方の面には無数の凹凸が施されていて他方の面は離型紙で覆われた感圧性接着剤が塗布されているシートを用意して、前記シートを、前記離型紙を剥がしてから前記パネル本体の放射面に貼着するものである、
    放射パネルの製造方法。
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