JP6207286B2 - シートクッション及び車両用シート - Google Patents
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特に、特許文献1には、表皮端末に形成されたスリットを、シートクッションに架設されたばねに掛け止めするようにして、シートクッションを表皮で被覆する考案が開示されている。
その他の一般的な課題として、車両の燃費向上のため、車両部品個々の軽量化が求められていた。
また、本発明の他の目的は、連結シャフトの円滑な回動を実現すること、クッションフレームの剛性を高めることにある。
このようにすれば、カバーに切欠きが形成されている分、カバーの体積が減ることでクッションフレームを軽量化できる。
このように、連結シャフトよりも被掛止部が下方に突出していることで、表皮が被掛止部に当接することによって、連結シャフトに対し表皮が離間することとなり、表皮と連結シャフトとの接触を回避でき、連結シャフトの円滑な回動を実現できる。
このように、前記カバーにおける被掛止部の切欠きに面する上端が下端よりも連結シャフトに近接しカバーの上端と連結シャフトの間隔が狭められていることで、切欠きを通って掛け止めされた表皮端末(トリムコード)の動作範囲を制限して掛け止めが解除される蓋然性を低くすることができ、掛け止めの安定性を高めることができる。
このように、切欠きが、前記カバーにおいてシート幅方向に延在していることにより、切欠きに表皮端末を通しやすくなり、掛け止めの作業性が良好となる。
このように、切欠きの延在する方向の両端側が中央部よりも幅狭に形成されていることで、切欠きの中央部を通って前記フレーム連結部に掛け止めされた表皮端末がシートクッションの幅方向にズレにくくなり、表皮端末の掛け止めが安定する。
このように、後側切欠きにおけるシート後側にある縁部が、仮想円上、又は仮想円よりも内側に形成されていることで、縁部が他のカバーの部位から突出せず、表皮がカバーの後側の周縁に折り返されてカバーの前側に掛け止めされた状態において、表皮から後側にあるカバーの縁部に加わる力を小さくすることができる。このため、表皮をカバーから前側に折り返して安定的して掛け止めすることができる。
このように、カバーが被掛止部側に対して切欠きを挟んで逆側であるシート後側でサイドフレーム部と一体的に形成されていることで、表皮が折り返されることで、表皮から大きな荷重がかかるカバーの後側の剛性を高めることができ、表皮が折り返されるカバーのシート後側において表皮と連結シャフトとを離間させて、連結シャフトを円滑に動作させることができる。
このように、被掛止部が、クッションスプリングよりも下方に形成されていることで、被掛止部の上面に面する切欠きに表皮端末(トリムコード)を通す際に、クッションスプリングが邪魔にならないため、表皮の掛け止め作業の効率を高めることができる。
このように、クッションフレームが、フレーム連結部とサイドフレーム部との間に一体的に形成された補強部(ハーネス取付板等)を備えることによって、フレーム連結部に切欠きが形成されていることによるクッションフレームの剛性の低下を補完できる。
このように、車両用シートがシートクッションを備えることで、シートクッションによって奏される上記の効果を車両用シートも享受することができる。
請求項2の発明によれば、クッションフレームを軽量化できる。
請求項3の発明によれば、連結シャフトの円滑な回動を実現できる。
請求項4の発明によれば、掛け止めの安定性を高めることができる。
請求項5の発明によれば、掛け止めの作業性を良好にすることができる。
請求項6,7の発明によれば、表皮端末のカバーへの掛け止めを安定させることができる。
請求項8の発明によれば、カバーの後側の剛性を高め、且つ、連結シャフトの円滑な回動を実現できる。
請求項9の発明によれば、掛け止めの作業性を良好にすることができる。
請求項10の発明によれば、クッションフレームの剛性を高めることができる。
請求項11の発明によれば、クッションフレームによって奏される上記の効果を車両用シートも享受することができる。
以下に、本実施形態に係るシートクッション1、及びシートクッション1を備える車両用シートSについて説明する。
本実施形態の車両用シートSは、図1に示すように、シートクッション1と、シートバック2と、シートバック2の上方に設けられたヘッドレスト3と、から主に構成されている。
シートクッション1は、骨格となる図2に示すクッションフレームF1と、クッションフレームF1上に載置されたクッションパッド1aと、クッションパッド1aを被覆する表皮1bとによって構成されている。
表皮1bの中心部分は、クッションパッド1aの表面に接着剤等によって貼り付けられている。また、表皮1bの端末には、図3、及び図1のIV−IV断面の一部を示す図4において後側の表皮端末1baを示すように、樹脂材料から成る帯状のトリムコード10aが、表皮端末1baの周縁に沿って縫合糸10bによって縫合されている。ここで、図3は、シートクッション1におけるシート後側の表皮1b及びシート後側の表皮1bに縫合されたトリムコード10aを示す斜視図である。また、図4は、図1のシートクッション1のIV−IV断面矢視図であり、表皮1bとカバー4gとの掛け止め部分を示す模式的な断面図である。
トリムコード10aの一端側は、表皮端末1baに縫合されており、他端には、釣り針の先端部の如く折り返して形成されたフック10cを有する。トリムコード10aは、後述するフレーム連結部4eの前側切欠き4iの中央部4icを前方から後方に向かって挿通しており、フック10cが前側切欠き4iの下方に面する後述する掛け止め片4kの後方に配設されている。トリムコード10aは、後述する掛け止め片4kをフック10cと基端部とで挟み込むようにして、掛け止め片4kに取り付けられ、弾性によって取付状態が維持されている。たとえ、トリムコード10aを引く方向に表皮1bに力が付加されたとしても、フック10cが後述する掛け止め片4kの上端部4kaに掛止することによって、カバー4gから、つまり、クッションフレームF1からの表皮1bの抜脱が防止されることとなる。
次に、トリムコード10aが掛け止めされるフレーム連結部4eを含むクッションフレームF1の構成について、図2、図5及び図6を参照して説明する。
図2は、図1に示す車両用シートSから表皮1b及びクッションパッド1aを取り除いた状態を示すもので、クッションフレームF1とバックフレームF2とを備えるシートフレームFの斜視図である。また、図5は、図2に示すシートフレームFの上面図である。更に、図6は、バックフレームF2及びフレーム連結部4eの一部を示す背面斜視図である。
つまり、トリムコード10aは、前側切欠き4iを有するカバー4gによって、後述する掛け止め片4kに掛け止めされた状態を維持される。
更に、前側切欠き4i及び後側切欠き4jは、上記のように、カバー4gを含むクッションフレームF1が射出成形等によって成形されることにより、別途の加工を施さずにカバー4gの成形に伴って形成されることとなる。よって、表皮1bを取付安定性の低いばねに掛け止めする必要がなく、また、表皮1bの掛け止めのために、別途、図示せぬワイヤを用意する必要もない。更に、掛け止め部分を形成するためのプレス加工等の新たな作業を必要としない。このため、表皮1bの掛け止めが容易となり作業性が向上する。
具体的には、掛け止め片4kは、連結シャフト4fの断面中心を同心とし後述するカバー上部4hに一部が重なる形を成し、カバー4gの側断面を前側切欠き4i及び後側切欠き4jの無い円形であるとして仮想した仮想円Cに対して、下方に突出して形成されている。
更に、掛け止め片4kの下端部4kbには、トリムコード10aの基端側が当接している。このように、トリムコード10aが掛け止め片4kの下端部4kbに当接していることで、トリムコード10aに縫合された表皮1bを、回動する連結シャフト4fから離間させ、これらの当接を妨げて連結シャフト4fの円滑な回動を実現可能とする。
なお、掛け止め片4kの下端部4kbに当接するものは、トリムコード10aではなく表皮1bであっても、同一の効果を奏することができる。
更に、カバー上部4hは、図4(a)に示すシートクッション1の側断面図において、連結シャフト4fの断面中心を同心とする大径の円である仮想円Cに沿って、仮想円Cの中央から後側に延出しており、後側切欠き4jに面する後側の縁部4haは仮想円Cから突出していない。
また、カバー4gは、図6に示すように、カバー上部4hがあるシート後側でサイドフレーム部4cと一体的に形成されていることにより、表皮1bが折り返されることで表皮1bから大きな荷重がかかるカバー4gの後側の剛性を高めることができる。更に、カバー4gがこのように形成されていることにより、表皮1bが折り返される位置において、表皮1bと連結シャフト4fとが離間することとなり、両者の接触を防いで連結シャフト4fを円滑に動作することとなる。
次に、図示せぬハーネスをクッションフレームF1に取り付けるために機能する他に、カバー4gの補強部として機能するハーネス取付板4mについて図5及び図7を参照して説明する。図7は、図5のVII部に示されたハーネス取付板4mを拡大して示す上面斜視図である。
つまり、カバー4gは、前側切欠き4i及び後側切欠き4jを有することで、切欠きを有しないものよりも剛性が低くなるが、ハーネス取付板4mによってサイドフレーム部4cと一体的に形成されていることで、所定の剛性を確保できることとなる。
よって、ハーネス取付板4mは、カバー4gの前後に形成された前側切欠き4iと後側切欠き4jによって弱められた剛性の補完に特に好適である。
更には、フレーム連結部4eが、別体の連結シャフト4fとカバー4gとで構成されるものであるとして説明したが、連結シャフト4fとカバー4gとが一体的に形成されるものであってもよい。
1a クッションパッド
1b 表皮
1ba 表皮端末
2 シートバック
3 ヘッドレスト
4c サイドフレーム部
4d フロントフレーム部
4da 隅
4e フレーム連結部
4f 連結シャフト
4g カバー
4h,40h カバー上部
4ha,40ha 縁部
4i 前側切欠き
4ic 中央部
4is 両端側
4j 後側切欠き
4k 掛け止め片(被掛止部)
4ka 上端部
4kb 下端部
4m ハーネス取付板(補強部)
5 スライドレール
5a 固定孔
5l ロアレール
5u アッパーレール
6 後側板ばね
6a 側方固定部
6c 枠状支持部
7 前側板ばね
7a 側方固定部
10a トリムコード(取付部)
10b 縫合糸
10c フック
C 仮想円
F シートフレーム
F1 クッションフレーム
F2 バックフレーム
S 車両用シート
Claims (11)
- クッションフレームと、
該クッションフレームの上側に設けられたクッションパッドと、
該クッションパッドの外表面を覆う表皮と、を備えて車両用シートに用いられるシートクッションであって、
前記クッションフレームは、シート両側方に配置される左右のサイドフレーム部と、前記シートクッションのシート後側に配置され、前記左右のサイドフレーム部を連結するフレーム連結部と、を有し、
該フレーム連結部は、前記サイドフレーム部に回動可能に支持された連結シャフトと、前記左右のサイドフレーム部に一体的に形成されて前記連結シャフトの少なくとも一部を覆うカバーと、から構成され、
該カバーは、前記サイドフレーム部と一体的に形成されており、前側に被掛止部を有し、
前記表皮のシート後側にある表皮端末の取付部は、前記カバーの周縁に設けられており、前記被掛止部に掛け止めされていることを特徴とするシートクッション。 - 前記カバーは切欠きを有し、
前記表皮端末の取付部は、前記切欠きを通って前記被掛止部に掛け止めされていることを特徴とする請求項1に記載のシートクッション。 - 前記被掛止部は、前記連結シャフトよりも下方に突出して形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシートクッション。
- 前記カバーは、前記被掛止部における前記切欠きに面する上端が下端よりも前記連結シャフトに近接するように形成されていることを特徴とする請求項2に記載のシートクッション。
- 前記切欠きは、前記カバーにおいてシート幅方向に延在していることを特徴とする請求項2又は4に記載のシートクッション。
- 前記切欠きは、延在する方向の両端側が中央部よりも幅狭に形成されていることを特徴とする請求項5に記載のシートクッション。
- 前記切欠きは、前記カバーのシート前側にある前側切欠きであり、
前記カバーは、シート後側に後側切欠きを有し、
前記カバーのシート後側にあり前記後側切欠きに面する縁部は、前記カバーにおける前記縁部以外の部位を含んで前記連結シャフトの断面の中心を同心とし、前記連結シャフトよりも大径である仮想円上、又は該仮想円よりも内側に形成されていることを特徴とする請求項2、4乃至6のいずれか1項に記載のシートクッション。 - 前記カバーは、前記被掛止部側に対して前記切欠きを挟んで逆側であるシート後側で前記サイドフレーム部と一体的に形成されていることを特徴とする請求項2、4乃至7のいずれか1項に記載のシートクッション。
- 前記クッションフレームは、クッションスプリングを更に備え、
前記被掛止部は、前記クッションスプリングよりも下方に形成されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のシートクッション。 - 前記クッションフレームは、前記カバーのシート幅方向の端部側と前記サイドフレーム部との間に一体的に形成された補強部を備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のシートクッション。
- 請求項1に記載のシートクッションを備える車両用シート。
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