JP6206780B2 - 保護基を有する分散剤を含む配合 - Google Patents

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Description

本発明は、分散剤(A)、着色剤(B)及び溶媒(C)を含み、分散剤(A)はジブロックコポリマーである組成物に関する。本発明は、前に説明された組成物及びアルカリ可溶性樹脂(D)を含む着色層生成のための放射線感受性組成物ならびに多機能エチレン性不飽和モノマー(E)にさらに関連する。
UV硬化被覆材料は、例えば、液晶スクリーニング及び液晶ディスプレイ(LCD)にカラーフィルタとして用いられる。特にこの応用分野においては、コーティング材料の色の性能上、及び、その処理の性能上、厳しい要求が課されている。これらの厳しい要求を達成するため、湿潤剤及び分散剤が用いられ、これらは、ニュートン流動の性質及び適度な粘度を有する、保存安定性の高い顔料の分散物を作り出す。更に、カラーフィルタパターンは、フォトリソグラフィーの手順で製造される。このプロセスでは、スピンコーティング又はスライドコーティングを用い、液体カラーレジストにより、ガラスパネル全体がコーティングされる。コーティングを乾燥させた後に、フォトマスクを用いてパネルの特定の部分のUV硬化により、その色のピクセルパターンが形成され、未硬化コーティングを、デベロッパー、すなわち表面活性物質を含む塩基性水溶液で除去する。このステップでは、カラーレジストは、水溶性である必要がある。湿潤剤及び分散剤は、例えばプロセス時間を延ばすことにより、又は、パネル上に残留する粒子にコーティングを施すことにより、この現像のステップに対して悪影響を及ぼさないだろう。
本願の組成物は、異なる種類の器具、例えば、スマートフォン、タブレットPC、液晶テレビ、PCモニター、ノートパソコン等に対する量子ドット技術と組み合わせて、液晶スクリーン及び液晶ディスプレイ用の製造カラーフィルタに使用可能なカラーレジストの調製に用いられてもよい。この数年の技術水準では、液晶ディスプレイ用のバックライトとして、LEDを用いてきた。量子ドットLEDは、現在優れた発色性能を含むLEDから白色光を形成するために用いられている蛍光体ベースの技術に勝る鍵となる利点を提案する。
普及したバックライト付LCDタブレットのディスプレイは、人間の目が見ることができる色の約20 %のみ発現することができるが、液晶HDTVでは約35 %を発現することができる。量子ドットでそのバックライトユニット(BLU)を強化することにより、LCD製造者は、人間の目が検出することができるスペクトラムの55 %を超え得る鮮明なディスプレイを形成することができる。イットリウムアルミニウムガーネット(YAG)と同様に、量子ドットバックライト技術は、既存の液晶製造プロセスと容易に統合が可能である。量子ドットアップグレードは、ラインの取り替えやプロセスの変更を必要としない。こうして、LCDプラント及び装置に数10億もの投資を行った製造者は、量子ドット改良LCDパネルを、すぐに展開することができ、これにより、わずかなコストで最高の有機発光ダイオード(OLED)の色彩及び効率を提供する。
特許文献1では、カラーレジストの作製のために、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルからなるアミンブロックコポリマーを、80mgKOH/g〜150mgKOH/gの範囲で使用することが記載される。これらの分散剤を使用すれば、現像ステップ中において未硬化コーティングの除去が遅くなる。
特許文献2では、GTP(グループ移動重合)によって調製され、1つのブロックにアミンモノマー及び他のブロックに酸性モノマーを含むメタクリル酸エステルブロックコポリマーを、水性インクジェット式のインク用の湿潤剤及び分散剤として使用することが記載される。
特許文献3では、1つのブロックに、顔料親和性基として少なくとも1つの第三級アミノ基や第四級アンモニウム塩基と、他のブロックに、カルボン酸基を含む最大10モル%のモノマーとを含む、ABジブロックコポリマー分散剤を有する着色UV感応性配合が、記載される。酸性基を有する繰り返し単位は、保護基により保護された酸性基を有するモノマーを重合させた後、重合後改質反応で保護基を脱保護することにより、得られる。
特許文献4では、基体結合が改良されたインク用親水ブロックの中のカルボン酸基と組み合わせて、親水及び疎水ブロック並びに一次アミン基を使ったブロックコポリマー分散剤を記載する。この特許では、トリメチルシリルで保護されたメタアクリル酸は、他のモノマーで共重合され、ブロックコポリマーを受ける。重合反応の後、トリメチルシリル保護基が除去されて、親水ブロック中に酸性基を有する最終的なブロックコポリマー分散剤が得られる。
ジブロックコポリマー内に取り込まれる(メタ)アクリル酸エステルの通常のエステル結合とは対照的に、加水分解又は熱により、通常の保護基は、比較的穏やかな条件で脱離が可能である。典型的保護基の例としては、トリメチルシリル、1−ブトキシエチル、1−エトキシエチル、2−テトラヒドロピラニル及び第三級ブチルのラジカルが挙げられる。前記特許文献2、特許文献3、特許文献4において、これらの基を有する(メタ)アクリル酸エステルが記載され、本願で望ましい場合とは対照的に、例えばそれらは、前記中間化合物からのカルボン酸基を含むジブロックコポリマーを調製するために、中間体に特異的に用いられる。
特開第2009−25813号公報 米国特許第5,272,201号 欧州特許第2589614号 米国特許第6,306,994号 特開平07−207211号公報 特開平08−259876号公報 特開平10−300922号公報 特開平11−140144号公報 特開平11−174224号公報 特開2000−56118号公報 特開2003−233179号公報 特開平08−297366号公報 特開2001−89533号公報 特開2003−89716号公報 特開2003−165830号公報 特開2005−325331号公報 特開2001−354735号公報 特開2005−126674号公報 特開2005−55814号公報 特開2004−295084号公報 特開2005−154708号公報 特開2009−025813号公報 米国特許第8 216 770号 特開昭59−152396号公報 特開昭61−151197号公報 特開平10−300922号公報 特開平11−174224号公報 特開2000−56118号公報 特開平10−39503号公報 特開2000−80068号公報 特開平4−221958号公報 特開平4−219756号公報 特開平3−239703号公報 特開平5−289335号公報 特開平3−239703号公報 特開平5−289335号公報 特開平6−19240号公報 特開昭47−2528号公報 特開昭54−155292号公報 特公昭45−37377号公報 特開昭48−84183号公報 特開昭52−112681号公報 特開昭58−15503号公報 特開昭60−88005号公報 特開昭59−56403号公報 特開平2−69号公報 特開昭57−168088号公報 特開平5−107761号公報 特開平5−210240 特開平4−288818号公報 米国特許第4,588,795号 国際公開公報WO2008/006723A1 特開2013−053213号公報
ブロックコポリマー分散剤の樹脂互換のブロックに酸性基が取り込まれれば、顔料分散液を生成する際の粉砕ステップにおいて、粘度に強く影響を与える。すでに、分散剤に少量の酸性基があるため、これにより、顔料分散液は著しく高い粘度に至る。本発明の組成物に対して、分散剤のジブロックコポリマーの樹脂互換のブロック内に、繰り返し単位としてアクリル酸及び/又はメタアクリル酸を有することは、好ましくない。
特に、非常に低粘度で保存安定性の高い顔料濃縮物を製造する、改善された湿潤剤及び分散剤の必要が継続的に存在する。顔料濃縮物及びカラーレジストの粘度が非常に低いことが、基体へのコーティング材料の用途のために必要とされる。顔料分散液の保存安定性が低く凝集しているならば、コントラストは損なわれる。特に、湿潤剤又は分散剤として用いられる際にとりわけ、その固有の色が薄い化合物の必要性が存在する。更に、湿潤及び分散添加剤は、現像ステップに対してマイナスの影響を与えず、最新のカラーフィルタに関しては、顔料の充填率が増加するとともに、この配合に用いられる湿潤及び分散添加剤の量も増加する。
したがって、本発明の目的は、配合の粘度が非常に低くかつ安定し、並びに、カラーフィルタ生産の間における現像ステップに対して、マイナスの影響を与えない、湿潤及び分散添加剤を含む組成物を提供することにある。
これらの目的は、少なくとも1つの湿潤及び/又は分散剤(A)、少なくとも1つの着色剤(B)、及び少なくとも1つの有機溶剤(C)、を含む組成物を提供することにより、達成され、少なくとも1つの湿潤及び/又は分散剤(A)は、ジブロックコポリマーであり、第1のブロックは、1つ以上の同一の又は異なる繰り返し単位1、及び、1つ以上の同一の又は異なる繰り返し単位2から成り、
繰り返し単位1
繰り返し単位2
第2のブロックは、1つ以上の同一の又は異なる繰り返し単位3、及び/又は、1つ以上
の同一の又は異なる繰り返し単位4を含み、
繰り返し単位3
繰り返し単位4
及び、第2のブロック中の繰り返し単位の総量に基づき、多くとも40重量%、好ましく
は30重量%まで、さらに好ましくは20重量%まで、最も好ましくは10重量%まで、又は多くとも5重量%の、繰り返し単位1を含み、
ここで、Z = O又はNHであり、R =H又はCHであり、R =モノエーテル又はポリエーテル、直鎖又は分枝のアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキルであり、
=2〜4個の炭素原子を有する直鎖炭化水素鎖、ここで直鎖炭化水素鎖には任意に、1つ以上の酸素原子が介在し、
及びRは独立して、直鎖、分枝又は環式の、飽和又は不飽和の脂肪族基を表し、任意に、第三級アミノ基、芳香族基若しくは芳香脂肪族基を含み、又は
、R及びこれら両方の基が結合する窒素原子が、飽和又は不飽和複素環を形成し、酸素及び窒素から選択される1つ以上のヘテロ原子を、環原子として、任意に更に含み、
=直鎖、分枝又は環式の、飽和又は不飽和脂肪族基又は芳香脂肪族基であり、前記R基は、1つ以上のエーテル酸素及び/又は1つ以上のエステル基を任意に含み、
Θ
は、酸性のアニオンであり、
Yは、Si(R基であり、
残基は独立して、同じ又は異なっており、直鎖又は分枝の脂肪族炭化水素ラジカル、芳香族炭化水素基、芳香脂肪族炭化水素及びSi(Rラジカルから成る群より選択され、
残基は独立して、同じ又は異なっており、直鎖又は分枝の脂肪族炭化水素ラジカル、芳香族炭化水素基、及び芳香脂肪族炭化水素から成る群より選択され、
そして、残基R、R、R、R、R、R、Z、Y及びXΘはそれぞれ独立して、繰り返し単位1、2、3及び4とは同一であり又はこれらとは異なっており、
(i)繰り返し単位1及び2からなる第1のブロック中の繰り返し単位2の量は、0.1 重量%から40重量%まで、好ましくは0.5重量 % から30重量%まで、さらに好ましくは0.5 %から20重量%までであり、
(ii)繰り返し単位3及び/又は繰り返し単位4を含む第2のブロックに対する、繰り返し単位1及び2からなる第1のブロックの重量比は、90:10から50:50まで、好ましくは85:15から60:40まで、さらに好ましくは81:19から65:35までである。
ここ及び以下に用いられるように、用語「第1のブロック」及び「第2のブロック」は、2つのブロックから成るジブロックコポリマーのことをいう。ここに、「第1のブロック」は、常に、繰り返し単位1及び繰り返し単位2から成るブロックであり、「第2のブロック」は、常に、繰り返し単位3及び/又は4を含む。2つのブロックが生成される順序は、「ブロック」という用語に関連した「第1の」及び「第2の」という用語によって決定されるわけではない。したがって、「第2のブロック」が最初に生成され、その後「第1のブロック」の生成が続いてもよく、その逆でもよい。用語「ポリ」は、ここで用いられる例では、は、「オリゴ」もカバーする。例えば、ポリエーテルは、オリゴエーテルをもカバーする。着色層生成のための感光性の組成物は、上述のような湿潤及び/又は分散剤(A)と、着色剤(B)と、有機溶剤(C)と、アルカリ可溶性樹脂(D)と、多機能エチレン性不飽和モノマー(E)と、を含む。下記では、組成物の成分が更に詳細に説明される。
湿潤及び分散添加剤(A)
湿潤及び分散添加剤は、ジブロックコポリマーである。互換性を持つ第1のブロックが成る樹脂は1つ以上、同一の又は異なる繰り返し単位1、そして、1つ以上の、同一の又は異なる繰り返し単位2で
=H又はCHであり、Z = O又はNHであり、
=モノエーテル又はポリエーテル、直鎖又は分枝のアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキルであり、及び
Y = Si(Rであり、
ここで、R残基は、独立して、同じ又は異なっており、好ましくは1〜20個、より好ましくは1〜12個、最も好ましくは1〜8個の炭素原子を有する、直鎖又は分枝の脂肪族炭化水素ラジカルと、好ましくは6〜12個、より好ましくは6〜10個の炭素原子を有する芳香族炭化水素基と、好ましくは7〜12個、より好ましくは7〜10個の炭素原子を有する芳香脂肪族炭化水素と、Si(Rラジカルと、から成る群より選択され、
ここで、R残基は、独立して、同じ又は異なっており、好ましくは1〜20個、より好ましくは1〜12個、最も好ましくは1〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分枝の脂肪族炭化水素ラジカルと、好ましくは6〜12個、より好ましくは6〜10個の炭素原子を有する芳香族炭化水素基と、好ましくは7〜12個、より好ましくは7〜10個の炭素原子を有する芳香脂肪族炭化水素と、から成る群より選択される。したがって、R残基自体がSi(R基のケイ素原子から脱離可能ではない一方、例えば下記の脱保護条件のアルコール分解により、Si(R基自体は脱離可能であり、何故なら、それはカルボキシル基のためのいわゆる保護基だからである。脱保護が発生する際に、カルボキシル基が生成される。
最も好ましくは、直鎖又は分枝の脂肪族炭化水素ラジカルRは、1〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分枝のアルキル基である。最も好ましくは、芳香族炭化水素基Rは、フェニルラジカルである。最も好ましくは、芳香脂肪族炭化水素R7は、ベンジルラジカルである。ラジカルRがSi(R残基の定義に該当するならば、Rは最も好ましくは、炭素原子を1〜8個、より好ましくは1〜4個含むアルキル基から成る群より選択される。
Si(Rの例はとして、トリアルキルシリルラジカルであり、これは例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、ジメチルイソプロピルシリル、メチルジイソプロピルシリル、トリイソプロピルシリル、第三級ブチルジメチルシリル、n−ブチルジメチルシリル、ジ(n−ブチル)メチルシリル、ジ(第三級ブチル)メチルシリル、トリ(n−ブチル)シリル、トリ(n−オクチル)シリル、トリ(2−エチルヘキシル)シリル、ジメチル−(1,1,2−トリメチルプロピル)シリル;又はジメチルベンジルシリル、メチルジベンジルシリル、トリベンジルシリル等のアラルキル(アルキル)シリルラジカル;又はジメチルフェニルシリル、メチルジフェニルシリル、トリフェニルシリル等のアリール(アルキル)シリルラジカル;又は2−トリエチル−ビス(1.1−トリエチルシリル)ジシリル等のトリス(トリアルキルシリル)シリルラジカル等が挙げられる。
ジブロックコポリマーの第2のブロックは、1つ以上の、同一の又は異なる繰り返し単位3を含み、ここで、R =2〜4個の炭素原子を有する直鎖炭化水素鎖であり、この直鎖炭化水素鎖は、任意に、1つ以上の酸素原子が介在する。
及びRは、独立して、直鎖、分枝又は環式の、飽和又は不飽和脂肪族基を表し、これは第三級アミノ基、芳香族基又は芳香脂肪族基を任意に含み、又は
、R及びこれら両方の基が結合する窒素原子が、飽和又は不飽和複素環を形成し、酸素及び窒素から選択される1つ以上のヘテロ原子を、環原子として、任意に更に含み、及び/又は1つ以上の、同一の又は異なる繰り返し単位4を含み、
及びRは、独立して、直鎖、分枝又は環式の、飽和又は不飽和脂肪族基を表し、これは第三級アミノ基、芳香族基又は芳香脂肪族基を任意に含み、又は
、R及びこれら両方の基が結合する窒素原子が、飽和又は不飽和複素環を形成し、酸素及び窒素から選択される1つ以上のヘテロ原子を、環原子として、任意に更に含み、
=直鎖、分枝又は環式の、飽和又は不飽和脂肪族基又は芳香脂肪族基であり、前記R基は、1つ以上のエーテル酸素及び/又は1つ以上のエステル基を任意に含み、
Θは、カルボキシル酸アニオン、又は、燐若しくは含硫黄酸若しくは燐の酸性エステル若しくは含硫黄酸のアニオン等のハライド等の酸性のアニオンである。
好ましい実施形態では、第2のブロックは、第2のブロック中の繰り返し単位の総量に基づき、痕跡量から40重量%まで、好ましくは30重量%まで、より好ましくは20重量%まで、最も好ましくは、10重量%まで、又は多くとも5重量%の、繰り返し単位1を有していてもよい。用語「トレース量」は、第2のブロック中の繰り返し単位の総量に基づき、>0重量部の量として理解されるべきである。最も小さなトレース量は典型的には、第2のブロック中の全ての繰り返し単位の総量に基づき、1つの繰り返し単位1に対応する重量百分率から始まる。
他の好ましい実施形態では、第2のブロックは、1つ以上の同一の又は異なる繰り返し単位3、及び/又は、1つ以上の同一の又は異なる繰り返し単位4から成る。
好ましくは、第2のブロックは、繰り返し単位3及び/又は4から成る。
繰り返し単位1
繰り返し単位2
繰り返し単位3
繰り返し単位4
好ましくは、R = CH、R = CHCH、R = R = CH、R = CHPh、Y = Si(CH及びZ = Oである。
繰り返し単位1
ジブロックコポリマー中の繰り返し単位1を生成するエチレン性不飽和モノマーは、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリルアミド及び/又はメタクリルアミドであり、これらは一級、二級、三級又は四級化アミノ基を有せず、CH=CH−COOY及びCH=C(CH)−COOYの両方ともが含まれず、上述のようにこれら両方の各々は、Yを有している。ここで、用語「(メタ)アクリル」は、メタクリル及びアクリルのことをいう。同じことは、用語「(メタ)アクリレート」にも適用され、これは同様に、メタクリル酸エステル及びアクリレートのことをいう。
このモノマーの例は、以下の通りである:
(i)1〜22個、好ましくは1〜12個、より好ましくは1〜8個、最も好ましくは1〜6個の炭素原子を有する直鎖アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、3〜22個、好ましくは3〜12個、より好ましくは3〜8個、最も好ましくは3〜6個の炭素原子を有する分枝又は環状脂肪族アルコール;これらの例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、nブチル(メタ)アクリレート、第三級ブチル(メタ)アクリレート、nヘキシル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、2−プロピルヘプチル(メタ)アクリレート、3,5,5−トリメチル−1−ヘキシル(メタ)アクリレート、ノナニル(メタ)アクリレート、2−プロピルヘプチル(メタ)アクリレート、2−イソプロピル−5−メチルヘキシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、ヘネイコサニル(メタ)アクリレート及びイソボルニル(メタ)アクリレートが挙げられる;及び、
(ii)アリール(メタ)アクリル酸エステルであって、そのアリール環は、見込まれる付加の置換基無しに、5〜12個好ましくは6〜10個の炭素原子を含むものであり、たとえばフェニルアクリレートが挙げられ;
アラルキル(メタ)アクリル酸エステルであって、そのアラルキルラジカルは、芳香属炭化水素基上に見込まれる付加の置換基が無しに、6〜12個好ましくは7〜12個の炭素原子を含むものであり、たとえばメタクリル酸ベンジルが挙げられ、これは各々の場合に、アリール(メタ)アクリル酸エステル及びアラルキル(メタ)アクリル酸エステルの芳香属炭化水素基に対して、非置換であるか、又は例えば4−メチルフェニルメタクリレートのように多くとも4回置換されることができ、
(iii)エーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール又は混合ポリアルキレングリコール等の、(メタ)モノエーテルモノアルコール又はポリエーテルモノアルコールのアクリル酸エステルであって、4〜80個の炭素原子を有し、かつ、鎖に沿った異なるモノマーの、統計、ブロック又は勾配分布を有するもの、
例えば、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジ(エチレングリコール)ジメチルエーテル(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート、2ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2エトキシエチル(メタ)アクリレート、アリルオキシエチル(メタ)アクリレート、1エトキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロ−4H−ピラニル−2(メタ)アクリレート、エチルトリグリコール(メタ)アクリレート、ブチルジグリコール(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール)ジメチルエーテル(メタ)アクリレート及びポリ(エチレングリコール)アルキルエーテル(メタ)アクリレートであり、ここで、アルキルは、1〜22個、好ましくは1〜15個、より好ましくは1〜13個、さらに好ましくは1〜10個の炭素原子、最も好ましくは1〜7個の炭素原子を有する直鎖又は分枝アルキル残基を表す。
アクリル酸のエステルよりも、メタアクリル酸のエステルの方が好ましい。好ましい実施形態では、Rは、1〜12個、好ましくは1〜10個の炭素原子を有する非分枝アルキル残基、3〜12個、好ましくは1〜10個の炭素原子を有する分枝アルキル残基、4〜8個、好ましくは6個の炭素原子を有するシクロアルキル残基、ベンジル等7〜12個の炭素原子を有する芳香脂肪族残基、を表す。最も好ましくは、メチル及びメタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニル及び以下の式(I)のメタクリル酸ポリアルキレンオキシドであり
(I)
=H又はCHであり、
=2〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝のアルキレン基であり、
=アラルキル、好ましくは7〜12個の炭素原子を有するアラルキル基、より好ましくはベンジル、アリール、好ましくは6〜12個の炭素原子を有するアリール基、より好ましくはフェニル、又は1〜8個の炭素原子を有するアルキル、好ましくはメチル、エチル、プロピル又はブチルであり、n = 2〜50であり、
n[RO]ユニット中に少なくとも2種類の異なる残基Raが存在する場合は、[RO]n鎖は、鎖に沿ってランダム、ブロック又は傾斜アーキテクチャを有してもよい。
繰り返し単位2
ジブロックコポリマー中に繰り返し単位2を生成するエチレン性不飽和モノマーは、(メタ)アクリル酸であり、ここでカルボキシル基は、残基Si(Rで保護され、Rは、上記のように画定される。分散剤(A)のジブロックコポリマー中に取り込まれる(メタ)アクリル酸エステルの通例のエステル結合と対照的に、通例の保護基は、加水分解、アルコール分解又は熱による比較的穏やかな条件でさえ、脱離可能である。最も好ましいSi(Rラジカルは、トリメチルシリルラジカルである。
繰り返し単位3
少なくとも1つの三級アミノ基を有する繰り返し単位3を生成可能なアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリルアミド及びメタクリルアミドは、2〜12個、好ましくは2〜8個の炭素原子を第三級アミノアルキルラジカル中に有する第三級アミノアルキル(メタ)アクリル酸エステルの基から選択されることが好ましく、残基R4及びR6にさらに第三級アミノ基を付加する等、見込まれる付加的置換基を含む。繰り返し単位3の例としては、N,Nジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,Nジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,Nジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−[2−ジメチルアミノエチル(メチル)アミノ]エチル(メタ)アクリレート、2−(2−ジメチルアミノエチルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−モルホリノエチル(メタ)アクリレート、2−(1−ピペリジル)エチル(メタ)アクリレート、2−(N−エチルアニリノ)エチル(メタ)アクリレート、2−イミダゾール−1−イルエチル(メタ)アクリレート、N−エチル−N−フェニル−アミノエチル(メタ)アクリレート、Nメチル−N−フェニル−アミノエチル(メタ)アクリレート及びN,Nジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートが挙げられる。本発明で最も好ましくは、N,N−ジメチルアミノエチル
繰り返し単位4
繰り返し単位1及び繰り返し単位2からジブロックコポリマーを生成した後、第1のブロック及び繰り返し単位3、並びに任意に繰り返し単位1を生成し、第2のブロックを生成し、ポリマー近似反応を任意に用いて、繰り返し単位3の一部もしくは全部を変換して、繰り返し単位4を生成する。好ましい実施形態では、繰り返し単位3のいずれも、繰り返し単位4に変換されない。この場合、ジブロックコポリマーの第2のブロックは、繰り返し単位3のみを含み、任意に、繰り返し単位1を、第2のブロック中の繰り返し単位の総量ベースで最大40重量%まで含む。ポリマー近似反応が遂行される場合は、それは、四級化反応として前述のジブロックコポリマー上で遂行される。
繰り返し単位3及び/又は繰り返し単位4を含む第2のブロックに対する、繰り返し単位1及び2を含む第1のブロックの重量比は、90:10〜50:50であり、好ましくは85:15〜60:40、より好ましくは81:19〜65:35である。任意の繰り返し単位4は、繰り返し単位3から、ジブロックコポリマー生成後の四級化反応により得られる。しかしながら、採用された四級化剤を用いて、繰り返し単位3の繰り返し単位4への、完全な又は不完全な変換を、それぞれ達成することができるだろう。典型的な反応温度は、50℃〜200℃、好ましくは80℃〜150℃、より好ましくは100℃〜140℃の範囲にある。沸点が好ましい反応温度の範囲内にある、又はこの反応のステップにおいて、より高い沸点を有するエステル等の非プロトン性溶媒を追加的に用いることは、有利である。繰り返し単位4を生成するための、この四級化剤は例えば、ハロゲン化アルキル及びアラルキルハライド、又は、例えばトリフレート、メチルサルフェート若しくはトシレート等のいわゆる脱離基を支持するアラルキル又はアルキル部分から選択されてもよい。
典型的には、塩化ベンジル、2−又は4−ビニルベンジルクロライド、塩化メチル又はヨウ化メチル等のアルキルハライド及びアラルキルハライドを用いることができる。更に、メチルトシレート等のトシレート又は硫酸ジメチル等のサルフェートを、用いることができる。好ましくは、塩化ベンジル及び4−ビニルベンジルクロライドである。本発明の好ましいジブロックコポリマーは、数平均分子量Mnが、好ましくは2000〜18000g/mol、より好ましくは3000〜17000g/mol、さらに好ましくは4000〜12000g/mol、最も好ましくは6000〜10000g/molのジブロックコポリマーである。数平均分子量Mn及び重量平均分子量Mwは、DIN 55672−1:2007−08に従って、1容量%のジブチルアミンを含むテトラヒドロフランを溶出剤として、及びポリスチレンをスタンダードとして用いるゲル浸透クロマトグラフィーにより、決定される。数平均分子量が高過ぎる場合は、ポリマー分散剤及びそれらの顔料粉砕物の粘度も、特定の用途の選択に関して、同様に、高くなりすぎることがある。
本発明のジブロックコポリマーは、グループ移動重合(GTP)の使用により、又は、原子移動ラジカル重合(ATRP)、ニトロキシル媒介重合(NMP)、可逆的付加開裂連鎖移動重合(RAFT)若しくは有機テルル媒介リビングラジカル重合等の制御ラジカル重合プロセスの使用により、得ることができる。しかしながら、本発明のジブロックコポリマーを調製する方法の特定の実施形態では、繰り返し単位1及び繰り返し単位2からなる第1のブロック並びに繰り返し単位3を含む又は繰り返し単位3からなる第2のブロックからなるジブロックコポリマーを生成するGTP反応の後、繰り返し単位4を生成するためのポリマー近似反応が、任意に行われる。
着色剤(B)
着色剤は、顔料又は染料であってもよい。本発明の組成物中の着色剤としては、顔料が好ましい。現在、カラーフィルタの色は、赤、緑及び青であり、黒いマトリックスがピクセルを囲んでいる。頻繁に、顔料を混合して、特定のピクセルの色を達成する。例えば、緑のピクセル組成物は、緑のシェード及び黄色のシェードを含む顔料の混合物を含むことができる。
好ましい有機顔料としては、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ベンゾイミダゾロン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料、インダンスレン顔料及びペリレン顔料が挙げられる。顔料は、無機顔料でもあってもよい。使用可能な顔料の例は、顔料番号によって以下に示される。下記の「C.I.」は、色指数(C.I.)を意味する。
赤色顔料の例としては、C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,12,14,15,16,17,21,22,23,31,32,37,38,41,47,48,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,50:1,52:1,52:2,53,53:1,53:2,53:3,57,57:1,57:2,58:4,60,63,63:1,63:2,64,64:1,68,69,81,81:1,81:2,81:3,81:4,83,88,90:1,101,101:1,104,108,108:1,109,112,113,114,122,123,144,146,147,149,151,166,168,169,170,172,173,174,175,176,177,178,179,181,184,185,187,188,190,193,194,200,202,206,207,208,209,210,214,216,220,221,224,230,231,232,233,235,236,237,238,239,242,243,245,247,249,250,251,253,254,255,256,257,258,259,260,262,263,264,265,266,267,268,269,270,271,272,273,274,275及び276が挙げられる。上記の間では、C.I.ピグメントレッド48:1,122,168,177,202,206,207,209,224,242又は254が好ましく、C.I.ピグメントレッド177,209又は254が、さらに好ましい。
赤色染料の例としては、C.I.ソルベントレッド25,27,30,35,49,83,89,100,122,138,149,150,160,179,218,230;C.I.ダイレクトレッド20,37,39,44;C.I.アシッドレッド6,8,9,13,14,18,26,27,51,52,87,88,89,92,94,97,111,114,115,134,145,151,154,180,183,184,186,198;C.I.ベーシックレッド12及び13;C.I.ディスパースレッド5,7,13,17及び58が挙げられる。赤色染料は、黄色及び/又はオレンジの染料と組み合わせて用いることができる。
青色顔料の例としては、C.I.ピグメントブルー1,1:2,9,14,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,17,19,25,27,28,29,33,35,36,56,56:1,60,61,61:1,62,63,66,67,68,71,72,73,74,75,76,78,及び79が挙げられる。これらの間では、C.I.ピグメントブルー15,15:1,15:2,15:3,15:4又は15:6が好ましく、C.I.ピグメントブルー15:3,15:4又は15:6がさらに好ましい。
青色染料の例としては、C.I.ソルベントブルー25,49,68,78,94;C.I.ダイレクトブルー25,86,90,108;C.I.アシッドブルー1,7,9,15,103,104,158,161;C.I.ベイシックブルー1,3,9,25及びC.I.ディスパースブルー198が挙げられる。
緑色顔料の例としては、C.I.ピグメントグリーン1,2,4,7,8,10,13,14,15,17,18,19,26,36,45,48,50,51,54,55,58又は59が挙げられる。これらの間では、C.I.ピグメントグリーン7,36,58又は59が好ましい。
緑色染料の例としては、C.I.アシッドグリーン3、9、16及びC.I.ベイシックグリーン1及び4が挙げられる。
黄色顔料の例としては、C.I.ピグメントイエロー1,1:1,2,3,4,5,6,9,10,12,13,14,16,17,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,41,42,43,48,53,55,61,62,62:1,63,65,73,74,75,81,83,87,93,94,95,97,100,101,104,105,108,109,110,111,116,117,119,120,126,127,127:1,128,129,133,134,136,138,139,142,147,148,150,151,153,154,155,157,158,159,160,161,162,163,164,165,166,167,168,169,170,172,173,174,175,176,180,181,182,183,184,185,188,189,190,191,191:1,192,193,194,195,196,197,198,199,200,202,203,204,205,206,207及び208が挙げられる。これらの間では、C.I.ピグメントイエロー83,117,129,138,139,150,154,155,180又は185が好ましく、C.I.ピグメントイエロー83,138,139,150又は180がさらに好ましい。
黄色染料の例としては、C.I.ソルベントイエロー2,5,14,15,16,19,21,33,56,62,77,83,93,104,105,114,129,130,162;C.I.ディスパースイエロー3,4,7,31,54,61,201;C.I.ダイレクトイエロー1,11,12,28;C.I.アシッドイエロー1,3,11,17,23,38,40,42,76,98;C.I.ベイシックイエロー1が挙げられる。
バイオレット顔料の例としては、C.I.ピグメントバイオレット1,1:1,2,2:2,3,3:1,3:3,5,5:1,14,15,16,19,23,25,27,29,31,32,37,39,42,44,47,49及び50が挙げられる。これらの間では、C.I.ピグメントバイオレット19又は23が好ましく、C.I.ピグメントバイオレット23がさらに好ましい。
バイオレット染料の例は、C.I.ソルベントバイオレット13,33,45,46;C.I.ディスパースバイオレット22,24,26,28;C.I.アシッドバイオレット49及びC.I.ベイシックバイオレット2,7,10が挙げられる。
オレンジ顔料の例としては、C.I.ピグメントオレンジ1,2,5,13,16,17,19,20,21,22,23,24,34,36,38,39,43,46,48,49,61,62,64,65,67,68,69,70,71,72,73,74,75,77,78及び79が挙げられる。これらの間では、C.I.ピグメントオレンジ38又は71が好ましい。
オレンジ染料の例としては、C.I.ソルベントオレンジ1,2,5,6,37,45,62,99;C.I.アシッドオレンジ1,7,8,10,20,24,28,33,56,74;C.I.ダイレクトオレンジ1及びC.I.ディスパースオレンジ5が挙げられる。
一種類の顔料の分散物のいわゆる「単一粉砕物」の次に、発明のポリマー分散剤の非常に有益な使用の他の例としては、有機顔料の混合物、いわゆる「同時粉砕物」の分散及び安定化である。有機顔料の混合物が生成され、人間の目が認識可能な色空間に最も整合する独自の色の性質を有する着色コーティング、特にフォトレジストを得る。本発明における有機顔料とそれらの同時粉砕物との混合物は、例えば:C.I.ピグメントブルー15:6及びC.I.ピグメントバイオレット23;C.I.ピグメントブルー15:4及びC.I.ピグメントバイオレット23;C.I.ピグメントブルー15:3及びC.I.ピグメントバイオレット23;C.I.ピグメントグリーン58及びC.I.ピグメントイエロー138;C.I.ピグメントグリーン59及びC.I.ピグメントイエロー138;C.I.ピグメントグリーン36及びC.I.ピグメントイエロー138;C.I.ピグメントグリーン7及びC.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
これらの顔料は、ISO 13320:2009年に従ってレーザー回折によって決定される平均メジアン粒径が、1μm以下、好ましくは0.3のμm以下、さらに好ましくは50nm以下であることが好ましい。
赤色、緑色及び青色のフォトレジストに対しての顔料含有率は、好ましくは固体物合計に対して、5〜60重量%であり、さらに好ましくは10〜50重量%である。固体物の量は、DIN EN ISO 3251:2008−06により、150℃20分間で決定される。
黒色色素は、単独で用いられてもよく、又は赤色、緑色又は青色顔料を混合することにより用いられてもよい。単独で使用可能な黒色色素の例は、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、骨炭、黒鉛、酸化鉄黒及びチタンブラックを含む。これらの間では、少ないシールド率及び画像特性の観点から、カーボンブラック及びチタンブラックが好ましい。
ISO 13320:2009に従ってレーザー回折により決定されるメジアン一次粒径は、好ましくは0.01〜0.08μmであり、ISO 9277:2010により決定される黒色色素の「窒素吸収比表面積」は、好ましくは50〜120m/gである。
黒のマトリックスに対して、カーボンブラックの代わりに、赤色、緑色及び青色の3つの色の顔料混合物を用いることができる。ブラックピグメントを調製するために混合可能な色材の例としては、C.I.イエローピグメント20,24,86,93,109,110,117,125,137,138,147,148,153,154,166;C.I.オレンジピグメント36,43,51,55,59,61;C.I.レッドピグメント9,97,122,123,149,168,177,180,192,215,216,217,220,223,224,226,227,228,240;C.I.バイオレットピグメント19,23,29,30,37,40,50;C.I.ブルーピグメント15,15:1,15:4,15:6,22,60,64;C.I.グリーンピグメント6,36,58;C.I.ブラウンピグメント23,25及び26の、それぞれが挙げられる。
ブラックマトリックス用の黒着色樹脂組成物は、ピグメントを、固形物総量に対して好ましくは20〜80重量%、より好ましくは30〜70重量%で、含む。固形物の量は、20分間150℃でのDIN EN ISO 3251:2008−06により決定される。
本発明の組成物中の分散剤及び/又は湿潤剤(A)の、着色剤(B)に対する重量比は、通常95:5〜5:95、好ましくは65:35〜7:93、さらに好ましくは50:50〜10:90である。
有機溶剤(C)
このような有機溶剤の例としては、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールモノアルキルエーテル;エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のグリコールジアルキルエーテル;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート等のグリコールアルキルエーテルアセテート;ジエチルエーテル等のジアルキルエーテル;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン;ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール及びグリセリン等の、炭素原子を3以上、好ましくは4以上有する一価又は多価アルコール;n−ヘキサン等の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン等の脂環式炭化水素;トルエン、キシレン及びクメン等の芳香族炭化水素;酢酸エチル、ブチルアセテート等の直鎖又は環式エステル;アセトニトリル及びベンゾニトリル等のニトリル、が挙げられる。
1つ以上の溶媒(C)を、本発明に用いることができる。好ましくは、2以上の溶媒が、本発明の組成物に用いられる。有機溶剤又は溶媒は、標準圧力(101,325kPa)で、好ましくは100〜300℃の範囲の沸点、より好ましくは120〜250℃の範囲の沸点を有する。グリコールアルキルエーテルアセテートが、好ましい。より好ましくは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである。グリコールアルキルエーテルアセテートは、単独で用いられてもよいし、又は他の溶媒と組み合わせてもよい。有機溶剤を通常用いて、本発明に従った組成物の固形分及び粘度を調節し、これは他の成分の量によって制限されるのみである。
アルカリ可溶性樹脂(D)
アルカリ可溶性樹脂の例としては特許文献5〜17に記載される及び説明される既知のポリマー、特許文献18〜23に記載される樹脂が挙げられる。
好ましいアルカリ可溶性樹脂は、以下の通りである。
(a)(メタ)アクリル酸及び/又は無水マレイン酸を有するエチレン性不飽和モノマーのコポリマー。
好ましいエチレン性不飽和コモノマーには、スチレン、メタクリル酸ベンジル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸シクロヘキシル、イソボルニルメタクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート及びメタクリル酸グリシジルが挙げられる。グリシジル基がポリマー中に取り入れられる場合では、カルボキシル酸又は(メタ)アクリレート部分等の官能基を取り入れるための酸又は酸無水物とのポスト反応を行うことができる。
(b)エチレン性不飽和モノカルボン酸又はそのエステルと、エポキシ樹脂及びカルボン酸無水物との反応生成物。
エポキシ樹脂の例としては、ビスフェノールA、F、S型エポキシ樹脂、ノボラックタイプエポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、フルオレンエポキシ樹脂、いわゆるカルド樹脂の、モノマー及びオリゴマーが挙げられる。酸無水物の例としては、無水マレイン酸、無水コハク酸、イタコン酸無水物、無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、無水ピロメリト酸及び無水トリメリト酸が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂は、単独で又は組合せで用いることができる。本発明の組成物では、含まれるアルカリ可溶性樹脂(D)の量は通常、組成物の総量固形物ベースで0.1〜80重量%、好ましくは1〜60 %重量である。
多官能基性エチレン性不飽和モノマー(E)
多官能基性エチレン性不飽和モノマーは、それが少なくとも1つのエチレン性不飽和官能基及び少なくとも1つの更なる官能基を含む重合可能な低分子量化合物である限り、特に制限されず、この少なくとも1つの更なる官能基は、エチレン性不飽和官能基又はヒドロキシル基とカルボキシル基とから選択される基であってもよい。
用語「モノマー(E)」は、ここでは、より幅広い意味で理解されるべきである。それは、狭い意味のモノマーに加えて、ダイマー、トリマー及び低分子量オリゴマーを含んでいる。好ましくは、モノマー(E)は1000g/mol未満の数平均分子量を有する。
本発明の好ましい実施形態では、多官能基性エチレン性不飽和モノマーは、2個以上のエチレン性不飽和基、さらに好ましくは2〜6個のエチレン性不飽和基を含む。エチレン性不飽和化合物の例としては、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル、芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル、不飽和カルボン酸又は多価のカルボキシル酸と、上記の脂肪族ポリヒドロキシ化合物及び芳香族ポリヒドロキシ化合物等の多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応によって得られるエステル、並びに、好ましくはポリイソシアネート化合物と(メタ)アクリロイル基含有ヒドロキシ化合物とを反応させることによって得られる、ウレタン骨格を有するエチレン性不飽和化合物、いわゆるウレタン(メタ)アクリレート、が挙げられる。エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート及びグリセリン(メタ)アクリレート等の、(メタ)アクリル酸エステルを含む、脂肪族ポリヒドロキシ化合物及び不飽和カルボン酸のエステルが、好ましい。
多官能基性エチレン性不飽和モノマー(E)は、カルボン酸基を含んでいてもよい。この場合、多官能基性エチレン性不飽和モノマーの酸価は、好ましくは5〜30mgKOH/gである。また、異なる多官能基性エチレン性不飽和モノマー(E)を組合せて用いてもよい。酸価を有する多官能基性エチレン性不飽和モノマーの好ましい組合せとしては、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、及び、東亞合成株式会社製の「TO1382」として商業的に入手可能であるジペンタエリスリトールペンタアクリレートのコハク酸性エステルを主成分として含む混合物が挙げられる。多官能基性エチレン性不飽和モノマーのこの混合物は、他の多官能基性モノマーと組み合わせて用いられてもよい。
本発明の組成物は、化学線に対して硬化性を有するコーティング材料、特にUV硬化性コーティング材料のために、用いられる。このコーティング材料も、本発明の目的である。それは、化学線に対して硬化性の、特にUV硬化性の、コーティング材料を、液晶ディスプレイ及び液晶スクリーン用カラーフィルタの製造のために用いることが、好ましい。
本発明の組成物では、含まれるべき多機能エチレン性不飽和モノマー(E)の量は、固形物総量ベースで、通常0.1〜80重量%、より好ましくは5〜70重量%、さらに好ましくは10〜50重量%、特に好ましくは10〜40重量%である。そして、多機能エチレン性不飽和モノマー(E)の着色剤に対する重量比は、通常0.1重量%以上、好ましくは5重量%以上、さらに好ましくは10重量%以上、特に好ましくは20重量%以上であり、かつ、通常200 %重量以下、好ましくは100重量%以下、さらに好ましくは80重量%以下である。
更なる成分(F)
組成物は、上記の成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)とは異なる更なる成分(F)を含んでいてもよい。この更なる成分(F)は、例えば、光重合開始剤、重合促進剤、増感色素、界面活性剤、及び、更なる湿潤及び/又は分散添加剤又は(E)と異なる単官能エチレン性不飽和モノマー、例えばモノヒドロキシ化合物のエステルや不飽和カルボン酸等である。
光重合イニシエータ(F)は、通常光重合開始剤と追加される重合促進剤との混合物として必要に応じて用いられ、これは直接光を吸収する成分であり、又は感光性を有して分解反応又は水素抽出反応を引き起こし、重合活性ラジカルを生成する機能を有する。異なる種類の光重合開始剤が、文献で周知であり、本発明の組成物は、異なる種類の光重合開始剤を発明の組成物と組み合わせて使用する観点からは制限されない。光重合イニシエータ(F)の例としては、特許文献24及び特許文献25に記載されるチタノセン誘導体;特許文献26、特許文献27及び特許文献28に記載されるヘキサアリールバイイミダゾール誘導体;ハロメチル化オキサジアゾール誘導体、ハロメチル−s−トリアジン誘導体、例えばN−フェニルグリシン、N−アリール−α−アミノ酸性塩、及びN−アリール−α−アミノ酸エステル等のN−アリール−α−アミノ酸、及び特許文献29に記載されたα−アミノアルキルフェノン誘導体等のラジカル活性化剤;特許文献30に記載されたオキシムエステルベースの誘導体等、が挙げられる。
必要に応じて用いられる重合促進剤(F)の例としては、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等のN,N−ジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル;2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール及び2−メルカプトベンゾイミダゾール等のヘテロ環を有するメルカプト化合物等のメルカプト化合物;又は脂肪族多官能基性メルカプト化合物が挙げられる。光重合開始剤(F)及び重合促進剤(F)は、単独で又は組合せで用いられてもよい。
感度を改良する目的で、着色剤(C)と異なる1つ以上の増感色素(F)を、本発明の感光性組成物に用いてもよい。増感染料として、曝露光源の波長に応じた適切な増感染料が用いられ、この例としては、特許文献31及び特許文献32に記載されるキサンテンベースの染料;特許文献33及び特許文献34に記載されるヘテロ環を有するクマリンベースの染料;特許文献35及び特許文献36に記載される3−ケトクマリンベースの染料;特許文献37に記載されるピロメテンベースの染料;特許文献38〜50に記載されるジアルキルアミノベンゼン骨格を有する染料が挙げられる。
本発明の感光性組成物は、1つ以上の界面活性剤(F)をさらに含んでいてもよい。界面活性剤として、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性界面活性剤等の様々な界面活性剤を用いることができる。電圧保持能及び有機溶剤に対する相容性等の様々な特性が損なわれる可能性を低くする観点から、非イオン性界面活性剤を使用することが好ましい。
アニオン界面活性剤の例としては、花王株式会社製の「エマール10」等、アルキル硫酸エステル酸塩ベースの界面活性剤、花王株式会社製造の「ペレックスNB−L」等アルキルナフタレンスルホン酸塩ベースの界面活性剤、花王株式会社製造の「ホモゲノールL−18」及び「ホモゲノールL−100」等、特殊ポリマーベースの界面活性剤が挙げられる。これらの間では、特殊ポリマーベースの界面活性剤が好ましく、特殊ポリカルボン酸タイプのポリマーベースの界面活性剤が、より好ましい。
カチオン界面活性剤の例としては、花王株式会社製の「アセタミン24」等の脂肪族アミン塩ベースの界面活性剤と、花王株式会社製の「コータミン24P」及び「コータミン86W」等の第四級アンモニウム塩ベースの界面活性剤とが挙げられる。これらの間では、第四級アンモニウム塩ベースの界面活性剤が好ましく、ステアリルトリメチルアンモニウム塩ベースの界面活性剤が、より好ましい。
非イオン性界面活性剤の例としては、東レ・ダウコーニング株式会社製の「SH8400」;シリコーン社製の「KP341」等のシリコーンベースの界面活性剤;住友スリーエム株式会社製の「FC430」;DIC株式会社製の「F470」;Neos社製の「DFX−18」等のフッ素ベースの界面活性剤;花王株式会社製造の「エマルゲン104P」及び「エマルゲンA60」等、ポリオキシエチレンベースの界面活性剤が挙げられる。これらの間では、シリコーンベースの界面活性剤が好ましく、ポリエーテル基又はアラルキル基の側鎖が、ポリジメチルシロキサンに付加される構造を有する、いわゆるポリエーテル変性又はアラルキル変性シリコーンベースの界面活性剤が、より好ましい。
2種類以上の界面活性剤を一緒に用いてもよく、その例としては、シリコーンベースの界面活性剤/フッ素ベースの界面活性剤、シリコーンベースの界面活性剤/特殊ポリマーベースの界面活性剤、又はフッ素ベースの界面活性剤/特殊ポリマーベースの界面活性剤の組合せが挙げられる。とりわけ、シリコーンベースの界面活性剤/フッ素ベースの界面活性剤の組合せが好ましい。
このシリコーンベースの界面活性剤/フッ素ベースの界面活性剤の組合せの例としては、ポリエーテル変性シリコーンベースの界面活性剤/オリゴマータイプフッ素ベースの界面活性剤の組合せが挙げられる。具体的に、例としては、GE東芝シリコーン社製の「TSF4460」/Neos社製の「DFX−18」、BYK社製の「BYK−300」/セイミケミカル株式会社製の「S−393」、信越化学工業株式会社製の「KP340」/DIC株式会社製の「F−478」、東レダウコーニング株式会社製の「SH7PA」/ダイキン工業株式会社製の「DS−401」、又は日本ユニカー株式会社製の「L−77」/住友スリーエム株式会社製の「FC4430」、の各組合せが挙げられる。
本発明の感光性の組成物は、分散剤(A)と異なりかつ本発明の効果が損なわれないような範囲で分散剤(A)に加えて用いる、別の湿潤及び/又は分散添加剤を含んでいてもよい。本発明の効果が損なわれない限り、この別の分散剤は特に制限されない。
本発明の感光性組成物は、モノヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル、例えば(メタ)アクリル酸の飽和モノアルコールとのエステル等、を含んでいてもよい。このモノマー(E)と異なるモノマーは、モノマー(E)との混合物で用いられることが好ましい。
(A)、(B)及び(C)を含み、より好ましくはさらに(D)及び(E)を含み、最も好ましくは(F)をさらに含む本発明に従った組成物は、好ましくは、非含水である。非含水との用語は、本発明に従った組成物が、最も好ましくは水を含まない組成物であることを意味する。
本発明のさらに別の対象は、本発明に従った組成物にて用いられる湿潤及び/又は分散剤(A)である。
分散剤の合成:
原料:
MMA:メタクリル酸メチル(製造者:Evonik社)
BMA:メタクリル酸nブチル(製造者:Evonik社)
CHMA:メタクリル酸シクロヘキシル(製造者:Evonik社)
BzMA:メタクリル酸ベンジル(製造者:Evonik社)
EHMA:メタクリル酸2−エチルヘキシル(製造者:Evonik社)
TMSMA:メタクリル酸トリメチルシリル= メタクリロキシトリメチルシラン(製造者:Gelest社)
3EOMA:エチルトリグリコールメタクリレート(製造者:Evonik社)
MPEGMA:メトキシポリエチレングリコール400メタクリレート(製造者:新中村化学工業株式会社)
DMAEMA:N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(製造者:Evonik社)
開始剤:1−メトキシ−1−(トリメチルシロキシ)−2−メチルプロペン(シグマアルドリッチ社より購入)
触媒:テトラブチルアンモニウム3−クロロ安息香酸塩(アセトニトリル中50 %の強度)、特許文献51を参照のこと
AMBN:2,2’−アゾジ(2−メチルブチロニトリル)(製造者:アクゾノーベル社)
AIBN:2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(メルク社より購入)
DPEA:ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート(シグマアルドリッチ社より購入)
Irgacure 369:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)メチルエチルケトン−1(製造者:BASF社)
Fluorad FC4432:非イオン性ポリマー弗素系界面活性剤(製造者:3M社)
PMA:1メトキシ2プロピルアセテート(製造者:ダウケミカル)
GTP反応のための原料の精製
1メトキシ2プロピルアセテート及び全てのモノマーは、3Åのモレキュラーシーブ上に48時間保存される。
GTP(表1を参照)により分散剤を調製するための一般的な指図1
70gの1−メトキシ−2プロピルアセテートを、水のない反応器で計量する。モノマー1又はモノマー混合物1を、1.3g/分の速度で定量する。定量の開始直後に、それぞれの量の開始剤及び開始剤の量に対して10重量%の触媒を、反応器に導入する。反応を通して反応温度は、20℃に保たれる。第1のモノマー混合物の定量が終了した後、モノマー2又はモノマー混合物2は、1.3g/分の速度で定量される。第2のモノマー混合物の定量が終了した後に引き続いての反応時間は、60分である。その後、2.7gの2メトキシプロパノールが、反応を停止するために追加される。1−メトキシ−2プロピルアセテートを必要な量だけ添加することにより、固形分はそれぞれ、40の重量%又は60の重量%に調整される(DIN EN ISO 3251:2008−06,20分間、150℃)。
四級化分散剤の作製のための一般的な指図2(29、30、32〜34及び比較例31*)
表1に従ってポリマー溶液100gを、表2に従って塩化ベンジル(シグマアルドリッチ)のそれぞれの量と混合する。混合物は、最高120℃に4時間加熱された。反応混合物を冷却した後、1メトキシ−2プロピルアセテートを追加することによって、固体含有率を40重量%に調整した。
比較例の酸官能性分散剤25*の作製(本発明でない)
ポリマー溶液(一般的指図1に従って調製する)を96gと、メタノールを20gが、反応器に秤量される。0.15gの触媒液(Ti(AcAc)(iOPr)チタン−ビスアセチルアセトナート−ビス−イソプロピレート、イソプロパノール中に75重量%;シグマアルドリッチ社)を、特許文献52の指図に従って加えた。バッチを65℃に加熱し、メタノールを完全に蒸留する。蒸留の間、温度はゆっくり100℃まで上昇される。
周囲温度まで冷却した後、1メトキシ2プロピルアセテートの添加によって固体を60重量%まで調整する。シリル脱保護ポリマーの酸価は、DIN EN ISO 2114(KOHによる滴定)で測定して、AN25 = 5.4mgのKOH/gであった。
比較例の酸官能性分散剤26*、27*及び28*の作製(本発明ではない)
ポリマー溶液(一般的指図1に従って調製)を120g、水を20g、K20(酸性アルミノケイ酸塩、クラリアント)を0.5g、反応器に秤量される。バッチは、80℃で1時間加熱される。その後、過剰な水が、減圧蒸留(100℃、50mbar)によって除去される。周囲温度への冷却の後、脱保護されたポリマーの溶を液、折畳み濾紙(孔径5μm)でろ過し、残留の触媒K20を除去する。ポリマー溶液は次いで、1−メトキシ−2−プロピルアセテートの添加によって、固体60重量%に調整される。シリル脱保護されたポリマーの酸価は、DIN EN ISO 2114(KOHによる滴定)で測定して、AN26 = 5.6mgKOH/g、AN27 = 10.6mgKOH/g及びAN28 = 5.1mgKOH/gであった。
比較例の酸官能性分散剤35*の作製(本発明ではない)
特許文献53の指図に従い、本発明ではない実施例35*は、以下のようにして調製された。ポリマー溶液34(一般的な指図1及び2に従って調製される)を96gと、メタノールを20gとを、反応器に秤量する。バッチを65℃に加熱し、メタノールを完全に蒸留する。蒸留の間、温度はゆっくり100℃まで上昇される。
周囲温度まで冷却した後、1メトキシ2プロピルアセテートの添加によって固体を60重量%まで調整する。シリル脱保護ポリマーの酸価は、DIN EN ISO 2114により決定された。AN35 = 6.1mgKOH/gであった。
数平均及び重量平均分子量及び分子量分布は、DIN55672−1:2007−08に従って、高圧液体クロマトグラフィポンプ(WATERS600HPLCポンプ)及び屈折率検出器(Waters410)を用いて、40℃で決定された。分離コラムとして、WATERSからの3Styragelコラム、ID/コラムが300mmx7.8mmのサイズ、粒子サイズが5μm、孔径HR4、HR2及びHR1を組合せて用いた。用いられる溶出剤は、テトラヒドロフランであり、ジブチルアミンを1容量%含み、1ml/分の溶出速度であった。従来型の補正が、ポリスチレン標準を用いて遂行された。
GTPによって分散剤1〜28を調製するための原料量のグラム表示及びそれらの分析データ
比較例はアスタリスク()でマークされる;比較例のポリマー25、26、27及び28のトリメチルシリルエステル基は脱保護されたため、ポリマーは酸価を示す。
四級化によって分散剤29〜35を調製するための原料量及び得られた分散剤ポリマーのアミン値
比較例はアスタリスク(*)でマークされる;比較例のポリマー35*のトリメチルシリルエステル基は脱保護されたため、ポリマーは6.1mgのKOH/gの酸価を示す。
アルカリ可溶性樹脂の作製
アルカリ可溶性樹脂R1の作製:
300.0gの1−メトキシ−2プロピルアセテートを、反応器に計量する。137.0gのBzMA、34gのメタアクリル酸(Evonik社)及び1.65gのAMBNが、180分にわたり、120℃の温度で定量される。定量が終了した後に引き続いての反応時間は、120分である。次いで、1メトキシ−2プロピルアセテートにより、固形分が35重量%に調整される(DIN EN ISO3251:2008−06,20分間150℃)。
アルカリ可溶性樹脂R2の作製:
300.0gの1−メトキシ−2プロピルアセテートを、反応器に計量する。132.0gのBzMA、13.75gのメタクリル酸2‐ヒドロキシエチル(Evonik社)、34.2gのメタアクリル酸及び1.65gのAMBNが、180分にわたり、120℃の温度で定量される。定量が終了した後に引き続いての反応時間は、120分である。次いで、1メトキシ−2プロピルアセテートにより、固形分が35重量%に調整される(DIN EN ISO3251:2008−06,20分間150℃)。
アルカリ可溶性樹脂R3の作製:
239.0gの1−メトキシ−2プロピルアセテートを、反応器に計量する。132.0gのBzMA及び27.5gのメタアクリル酸及び8.0gのAIBNが、300分にわたり、90℃の温度で定量される。定量が終了した後に引き続いての反応時間は、120分である。次いで、1メトキシ−2プロピルアセテートにより、固形分が37重量%に調整される(DIN EN ISO3251:2008−06,20分間150℃)。
顔料分散液PDの作製
顔料:PG 58 FastogenグリーンA110(製造者:DIC株式会社)
PY150 E4GN−GT(製造者:Lanxess社)
PB 15:6 Fastogen Blue EP−169(製造者:DIC株式会社)
PV 23 Fastogen Super Violet RN−F(製造者:DIC株式会社)
PG 58/PY 150顔料分散液PD1
アルカリ可溶性樹脂溶液R1 4.41g
1−メトキシ−2−プロピルアセテート 30.0g
n−ブタノール 2.50g
表1(固形分)に従って分散剤 1.50g(その溶液の形態、すなわち表1に従って異なる量の溶媒をプラスして)
PG58 4.30g
PY150 3.20g
表1に従って又は表2に従って、アルカリ可溶性樹脂R1、1−メチル−2−プロピルアセテート、n−ブタノール、湿潤及び分散剤と、4.3gのピグメントグリーン58及び3.20gのピグメントイエロー150が、ガラス瓶の中に共に投入された。次いで固形分が、1メトキシ−2プロピルアセテートにより、20重量%に調整される。100gのZirconoxビーズ(径0.4〜0.6mm)が加えられた。分散プロセスが、LAU撹拌機DAS200内で、5時間にわたり40℃で実行された。
PB15:6/PV23顔料分散液PD2
アルカリ可溶性樹脂溶液R2 4.41g
1−メトキシ−2−プロピルアセテート 30.0g
n−ブタノール 2.50g
表1(固形分)に従った分散剤 1.50g(その溶液の形態、すなわち表1に従って異なる量の溶媒をプラスして)
PB15:6 4.30g
PV 23 3.20g
表1に従って又は表2に従って、アルカリ可溶性樹脂R2、1−メチル−2−プロピルアセテート、n−ブタノール、湿潤及び分散剤と、4.3gのピグメントブルー15:6及び3.20gのピグメントバイオレット23が、ガラス瓶の中に共に投入された。次いで1メトキシ−2プロピルアセテートにより、固形分が20重量%に調整される。100gのZirconoxビーズ(径0.4〜0.6mm)が加えられた。分散プロセスが、LAU−撹拌機DAS200内で、5時間にわたり40℃で実行された。
分散物PD1及びPD2の粘度の測定
Anton−Paarレオメータにより粉砕を行った後、DIN53019−1:2008−09に従い25℃でCP50−1測定システムを用いて、顔料分散液粘度が計測される。40℃で1週間の保存の後、粘度は、再び計測される。
粘度1:粉砕後の粘度
粘度2:40℃で7日間の保存の後の粘度。
硬化顔料分散液の現像特性の試験
現像特性は、顔料分散液それ自体又は完全なカラーレジストの組成(顔料分散液及び多機能モノマー及び界面活性剤や光重合開始剤のような他の成分)のいずれかにより、決定され得る。以下、両方向が示される。
現像特性の決定のため、顔料分散液が、100mmx100mmのガラス板上に、スピンコーターにより塗布された。塗布への前、ガラス板は、酢酸エチルで集中的にクリーニングされた。塗布された膜厚は、1μmであり、乾燥膜であった。膜厚は、スピンコーターの回転速度によって調整された。塗布された膜は、オーブン中に80℃で90秒間乾燥された。4分後に室温で、ガラス板は、0.5重量%の水性カリウム水酸化物溶液の入ったビーカーに、ガラス板の半分がKOH溶液に浸漬されるような方法で、入れられた。30秒間の浸漬時間の後、膜は、5秒間、ゴム手袋で保護された指で拭われた。膜が溶解し始めるまで、これは30秒おきに繰り返された。膜が溶解されるまでの時間及び溶解された膜の量が、グレード1(膜を溶解しない)から6(膜を非常に良好に溶解する)まで評価された。
PG58/PY150顔料分散液:PD1並びにPB15:6/PV23顔料分散液:PD2の粘度及び現像の結果
*比較例は、アスタリスク(*)でマークされる
カラーフィルタフォトレジスト感光性レジスト配合PR1の作製
40.0gのPG58/PY150顔料分散液PD1、13.5gのアルカリ可溶性樹脂R3、5.0gのDPEA、1.0gのIrgacure369(BASF社)及び0.1gのFlurorad FC4432(3M社)が、40.4gの1−メチル−2−プロピルアセテートと混合された。この混合物は、歯板を備えた溶解器DispermatLC55を用いて、1.0〜1.5m/s、暗所で1時間ホモジナイズされた。
カラーフィルタフォトレジスト感光性レジスト配合の現像特性の試験
下記の通り分散剤を含有した着色フォトレジスト感光性レジスト配合PR1が、スピンコーターによって、100mmx100mmのガラス板上に塗布された。塗布への前、ガラス板は、酢酸エチルで集中的にクリーニングされた。塗布された膜厚は、1μmであり、乾燥膜であった。膜厚は、スピンコーターの回転速度によって調整された。塗布された膜は、オーブン中に80℃で90秒間乾燥した。4分後に室温で、ガラス板は、0.5重量%の水性カリウム水酸化物溶液の入ったビーカーに、ガラス板の半分がKOH溶液に浸漬されるような方法で、入れられた。30秒間の浸漬時間の後、膜は、5秒間、ゴム手袋で保護された指で拭われた。膜が溶解し始めるまで、これは30秒おきに繰り返された。膜が溶解されるまでの時間及び溶解された膜の量が、グレード1(膜を溶解しない)から6(膜を非常に良好に溶解する)まで評価された。
フォトレジスト感光性レジスト配合PR1の現像試験の結果:
*比較例は、アスタリスク(*)でマークされる。「塗布不可能」は、それぞれの分散剤による。粘性の高い又は固化したフォトレジスト感光性レジスト配合物の形成を示しこれは非常に悪い性能である。

Claims (17)

  1. 少なくとも1つの湿潤及び/又は分散剤(A)、
    少なくとも1つの着色剤(B)、及び
    少なくとも1つの有機溶剤(C)、を含む組成物であって、
    少なくとも1つの湿潤及び/又は分散剤(A)は、ジブロックコポリマーであり、
    第1のブロックは、1つ以上の同一の又は異なる繰り返し単位1、及び、1つ以上の同一の又は異なる繰り返し単位2から成り、

    繰り返し単位1

    繰り返し単位2
    第2のブロックは、1つ以上の同一の又は異なる繰り返し単位3、及び/又は、1つ以上の同一の又は異なる繰り返し単位4を含み、

    繰り返し単位3



    繰り返し単位4
    及び、第2のブロック中の繰り返し単位の総量に基づき、多くとも40重量%、繰り返し単位1を含み、
    ここで、Z=O又はNHであり、
    =H又はCHであり、
    =モノエーテル又はポリエーテル、直鎖又は分枝のアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキルであり、
    =2〜4個の炭素原子を有する直鎖炭化水素鎖、ここで直鎖炭化水素鎖には任意に、炭化水素鎖に結合される1つ以上の酸素原子が介在し、
    及びRは、独立して、直鎖、分枝又は環式の、飽和又は不飽和脂肪族基を表し、これは第三級アミノ基、芳香族基又は芳香脂肪族基を任意に含み、又は
    、R及びこれら両方の基が結合する窒素原子が、飽和又は不飽和複素環を形成し、酸素及び窒素から選択される1つ以上のヘテロ原子を、環原子として、任意に更に含み、
    =直鎖、分枝又は環式の、飽和又は不飽和脂肪族基又は芳香脂肪族基であり、前記R基は、1つ以上のエーテル酸素及び/又は1つ以上のエステル基を任意に含み、
    Θは、酸性のアニオンであり
    Yは、Si(R基であり、
    残基は独立して、同じ又は異なっており、直鎖又は分枝の脂肪族炭化水素ラジカル、芳香族炭化水素基、芳香脂肪族炭化水素及びSi(Rラジカルから成る群より選択され、
    残基は独立して、同じ又は異なっており、直鎖又は分枝の脂肪族炭化水素ラジカル、芳香族炭化水素基、及び芳香脂肪族炭化水素から成る群より選択され、
    そして、残基R、R、R、R、R、R、Z、Y及びXΘはそれぞれ独立して、繰り返し単位1、2、3及び4とは同一であり又はこれらとは異なっており、
    (i)繰り返し単位1及び2からなる第1のブロック中の繰り返し単位2の量は、0.1重量%から40重量%までであり、
    (ii)繰り返し単位1及び2からなる第1のブロック:繰り返し単位3及び/又は繰り返し単位4を含む第2のブロックが重量比で、90:10〜50:50である、組成物。
  2. =CH、R=CHCH、R=R=CH、R=CHPh、Y=Si(CH及びZ=Oである、請求項1に記載の組成物。
  3. =1〜22個の炭素原子を有する直鎖、分枝の又は環状脂肪族炭化水素残基、6〜12個の炭素原子を有するアリール、7〜12個の炭素原子を有するアラルキル、又は(RO)nRであり、R=2〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝のアルキレン基であり、R=1〜8個の炭素原子を有するアリール、アラルキル又はアルキルであり、n=2〜50である、請求項1又は請求項2に記載の組成物。
  4. =任意にエーテル酸素又はエステル基を含む、直鎖又は分枝の、飽和又は不飽和脂肪族基、又はR=エーテル酸素又はエステル基を任意に含む芳香脂肪族基である、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
  5. ジブロックコポリマーが、DIN 55672パート1に従って、1容量%のジブチルアミンを含むテトラヒドロフランを溶出剤として、及びポリスチレンをスタンダードとして用いるゲル浸透クロマトグラフィーにより、決定される2000〜18000g/mol数平均分子量Mnを有する、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
  6. 着色剤(B)が、顔料又は染料である、請求項1〜のいずれかに記載の組成物。
  7. 有機溶剤(C)が、101.325kPaで100〜300℃の範囲の沸点を有する、請求項1〜のいずれかに記載の組成物。
  8. 有機溶剤(C)が、グリコールモノアルキルエーテル、グリコールジアルキルエーテル、グリコールアルキルエーテルアセテート及びそれらの混合物から成る群より選択される、請求項1〜のいずれかに記載の組成物。
  9. 組成物が、少なくとも1つのアルカリ可溶性樹脂(D)を更に含む、請求項1〜のいずれかに記載の組成物。
  10. 少なくともアルカリ可溶性樹脂が、
    (a)(メタ)アクリル酸及び/又は無水マレイン酸と異なる1つ以上のエチレン性不飽和モノマーを有する、(メタ)アクリル酸及び/又は無水マレイン酸のコポリマー、及び/又は
    (b)エチレン性不飽和モノカルボン酸又はそのエステルの、エポキシ樹脂及びカルボン酸無水物との反応生成物である、請求項1〜のいずれかに記載の組成物。
  11. 組成物が、少なくとも1つのエチレン性不飽和基及びエチレン性不飽和基、ヒドロキシル基及びカルボキシル基から選択される少なくとも1つの更なる官能基を含む、少なくとも1つの多官能性のエチレン性不飽和モノマー(E)を更に含む、請求項1〜10のいずれかに記載の組成物。
  12. 組成物が、上記の成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)と異なる1つ以上の更なる成分(F)をさらに含み、前記成分(F)は、光重合開始剤、重合促進剤、増感色素、界面活性剤、更なる湿潤及び/又は分散添加剤、及び、(E)と異なる単官能エチレン性不飽和モノマーなる群から選ばれる、請求項11に記載の組成物。
  13. 更なる成分(F)の少なくとも一つは、光重合開始剤、重合促進剤、増感染料、界面活性剤及び更なる湿潤及び/又は分散添加剤、及び(メタ)アクリル酸の飽和モノアルコールとのエステルから選択される、請求項12に記載の組成物。
  14. 組成物はカラーフィルタの作製用である、請求項1〜13のいずれかに記載の組成物。
  15. カラーフィルタは、液晶ディスプレイ、液晶スクリーン、色分解デバイス又はセンサー用である、請求項14に記載の組成物。
  16. ジブロックコポリマー、グループ移動重合、原子移動ラジカル重合、ニトロキシル媒介重合、可逆的付加開裂連鎖移動重合又は有機テルル媒介リビングラジカル重合法で重合することを特徴とする、請求項1〜15のいずれかに記載の組成物を製造する方法
  17. 請求項1〜4のいずれかに記載される、湿潤及び/又は分散剤。
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