以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。以下では、PLCシステムとして、地下1階、地上4階のビルにおける複数の設備等を、1台のマスタPLCと5台の各階PLCで管理するビル管理システムを述べるが、これは説明のための例示である。各階PLCがこれ以外の複数台であってもよく、ビルの階数がこれ以外であっても構わない。また、ビル管理システム以外の機械装置等に関する管理システム等であってもよい。
以下では、PLCシステム仕様書作成支援のための作表プログラムとして、マイクロソフトウェア社のエクセル(商品名)を用いたアプリケーションプログラムを述べるが、これは説明のための一例である。文字列を扱えて、複数のワークシートを1つのファイルで使用できる作表プログラムであって、1つのワークシートにおいて、セルの行と列、または文字列を検索キーとして指定し、検索された内容をコピーして別のワークシートに貼付できるものであればよい。
以下で述べるPLCの数、入出力デバイスの種別、入出力信号の数等は、説明のための例示であって、PLCシステム仕様書作成支援装置の仕様等に合わせ、適宜変更が可能である。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、PLCシステム仕様書作成支援装置が用いられるPLCシステム10の構成図と、PLCシステム仕様書30との関係を示す図である。PLCシステム10は、ビル8における複数の設備等を、1台のマスタPLCと5台の各階PLCで管理するビル管理システムである。ビル8は、BFと示す地下1階に、配電盤、冷却塔等の設備が配置され、1F〜3Fと示す1階〜3階にオフィス設備が配置され、4Fと示す4階に厨房を備える社員食堂が設けられる地下1階、地上4階建てのオフィスビルである。
PLCシステム10は、地下1階に中央監視装置12が配置され、ビル8の中間階に置かれるマスタPLC盤14にマスタPLC16が配置される。中央監視装置12とマスタPLCとの間は、ネットワーク配線で接続される。これを第1系統の基幹ネットワーク18と呼ぶ。また、地下1階から4階までの各階にそれぞれ各階PLC盤20a〜20eが置かれ、各階PLC盤20a〜20eにはそれぞれ各階PLC22a〜22eが収納される。マスタPLC16と、各階PLC22a〜22eとの間は、第1系統の基幹ネットワーク18とはべつのネットワーク配線で接続される。これを第2系統の基幹ネットワーク26と呼ぶ。第2系統の基幹ネットワーク26は、マスタPLCと、これとは別のPLCの間の通信ネットワークであるので、CCLと呼ぶが、CCL1系統当りの通信容量として、1つのマスタPLCは、最大26のPLCまで接続が可能である。図1のPLCシステム10は、1つのマスタPLC16に5つのPLCが接続される場合であるので、第2系統の基幹ネットワーク26のみでよい。
マスタPLC盤14と、各階PLC盤20a〜20eとは、いずれも内部にPLCを収納する筐体で、中央監視装置12から見ると遠隔位置に配置されるRS盤であるので、これらを区別して、RS−0〜RS−5と呼ぶ。RSは、Remote Station の略語である。RS−0はマスタPLC盤14であり、RS−1はBFに配置される各階PLC盤20aであり、RS−2は1Fに配置される各階PLC盤20bである。以下同様に、RS−3は2Fに配置される各階PLC盤20cであり、RS−4は3Fに配置される各階PLC盤20dであり、RS−5は4Fに配置される各階PLC盤20eである。
マスタPLC16と、各階PLC22a〜22eは、いずれもPLCであるが、これらを区別するためにPLC局番を用いる。PLC局番は、マスタPLC16を00として、各階PLC22a〜22eにそれぞれ01から05を割り当てたPLC番号である。PLC局番01は、BFに配置される各階PLC22aに割り当てられ、PLC局番02は、1Fに配置される各階PLC22bに割り当てられる。以下同様に、PLC局番03は、2Fに配置される各階PLC22cに割り当てられ、PLC局番04は、3Fに配置される各階PLC22dに割り当てられ、PLC局番05は、4Fに配置される各階PLC22eに割り当てられる。以下では、PLC局番01〜PLC局番05の各PLCを、それぞれ、PLC01〜PLC05と呼ぶ。
各階には、ビル8に関する監視要素と制御要素が配置されるが、ビル8の例では、BFに配電盤、冷却塔等の設備に関する監視要素と制御要素とが配置される。そこで、BFにおける監視要素と制御要素をまとめて電力空調盤24aと示す。電力空調盤24aは、PLC01に接続される相手盤に相当する。ビル8の1Fにはオフィス設備が配置されるので、1Fのオフィス設備に関する監視要素と制御要素をまとめてオフィス1盤24bと示す。オフィス1盤24bは、PLC02に接続される相手盤に相当する。同様に、ビル8の2Fと3Fにもオフィス設備が配置されるので、これらのオフィス設備に関する監視要素と制御要素をまとめたものを、それぞれオフィス2盤24c、オフィス3盤24dと示す。オフィス2盤24cとオフィス3盤24dは、それぞれ、PLC03、PLC04に接続される相手盤に相当する。ビル8の4Fは厨房を備える社員食堂が設けられるので、食堂に関する監視要素と制御要素をまとめて食堂盤24eと示す。食堂盤24eは、PLC05に接続される相手盤に相当する。PLC01〜PLC05と、それぞれの相手盤との間は、RS232等の一般的な信号線28で接続される。
PLCシステム10の全体の仕様は、中央監視装置12とPLC00との間の仕様、及び、PLC00とPLC01〜PLC05との間の仕様で規定される。このうちでPLCシステム仕様書30は、PLC00とPLC01〜PLC05との間の仕様を規定するものである。PLCシステム仕様書30は、ビル8の管理システムのオーダー先である施主との打合せで取り決めた基本企画書に基づいて作成される。作成されるPLCシステム仕様書30は、管理項目表32と、PLC01〜PLC05のそれぞれのPLC構成表34と、PLC01〜PLC05のそれぞれについてのPLC入出力表36を含む。
図2は、PLCシステム仕様書の作成を支援するPLCシステム仕様書作成支援装置40の構成図である。以下では、特に断らない限り、PLCシステム仕様書作成支援装置40を単に、支援装置40と呼ぶ。支援装置40は、ビル8に設けられる複数のPLCであるPLC01〜PLC05の全体を制御するPLCシステム10に関するPLCシステム仕様書30の作成を支援する装置である。支援装置40は、演算処理装置42と、管理項目表データベース50とを含む。かかる支援装置40は、コンピュータで構成でき、コンピュータとしては、作表演算処理に適したパーソナルコンピュータが用いられる。
演算処理装置42はパーソナルコンピュータにおけるCPUであり、キーボード等の入力部44と、ディスプレイ等の表示部46と、プリンタ等の出力部48に接続される。演算処理装置42は、管理項目表登録部52と、PLC構成表編集部54と、入出力表編集部とを含む。
管理項目表登録部52は、複数のPLCに関する管理項目表32を、複数のPLCのそれぞれを識別するPLC番号、及び各管理項目の入出力信号の種別を検索キーとして管理項目表データベース50に登録する。複数のPLCに関する管理項目表32は、基本企画書に基づいて手入力で作成されるが、管理項目表データベース50に登録されると、以後はデータとして、演算処理装置42の演算対象となる。
PLC構成表編集部54は、管理項目表データベース50について、PLC番号を第1検索キーとし、入出力信号の各種別を第2検索キーとして、当該PLCについて検索する。そして、検索された入出力信号の各種別の数に基づいて、入出力信号に対応する入出力デバイスの数を設定し、当該PLCにおける入出力デバイスを含むPLC構成表34を自動編集する。
入出力表編集部56は、管理項目表データベース50について、各入出力デバイスに対応する第2検索キーを用いて、当該入出力デバイスの各チャネルに各入出力信号を割付してPLC入出力表を自動編集する。
かかる機能は、演算処理装置42によってソフトウェアを実行することで実現できる。具体的には、PLCシステム仕様書作成支援プログラムの各処理手順を演算処理装置42に実行させることで、かかる機能を実現できる。かかる機能の一部をハードウェアで実現することもできる。
管理項目表データベース50は、演算処理装置42と交信する記憶装置の一部である。記憶装置は、管理項目表データベース50の他に、演算処理装置42において実行される各種ソフトウェアを格納し、演算処理のデータ等を記憶する。特に、PLCシステム仕様書作成支援プログラムを格納する。以下では、PLCシステム仕様書作成支援プログラムを、単に支援プログラムと呼ぶ。管理項目表データベース50は、管理項目が記入されていない管理項目表ブランク31と、管理項目表登録部52によって登録された管理項目表32を格納する。また、編集前のPLC構成表ブランク33と、PLC01〜PLC05のそれぞれについて編集されたPLC構成表34を格納する。さらに、編集前のPLC入出力表ブランク35と、PLC01〜PLC05のそれぞれにおける各入出力デバイスについて編集されたPLC入出力表36を格納する。
支援プログラムは、作表プログラムで、マイクロソフトウェア社のエクセル(商品名)を用いたアプリケーションプログラムである。支援プログラムは、文字列を扱えることができ、複数のワークシートを1つのファイルで使用できる。ここでは、管理項目表、複数のPLC構成表編集のための複数のワークシート、複数のPLC入出力表編集のための複数のワークシートの全体が、1つのPLCシステム仕様書作成ファイルとして使用できる。また、各ワークシートにおいて、セルの行と列、または文字列を検索キーとして指定し、検索された内容をコピーして別のワークシートに貼付できる。
上記構成の支援装置40の作用効果について、特に演算処理装置42の各機能について、図3以下を用いて詳細に説明する。図3は、PLCシステム仕様書作成支援方法の全体の手順を示すフローチャートである。支援装置40において支援プログラムが立ち上がると、管理項目表登録の処理(S10)、PLC構成表編集の処理(S12)、PLC入出力表編集の処理(S14)が順次実行されて、PLCシステム10についてのPLCシステム仕様書30が自動生成される。管理項目表登録の処理(S10)の内容は、図4から図7を用いて述べる。PLC構成表編集の処理(S12)の内容は、PLC01について図8から図12を用いて述べ、PLC入出力表編集の処理(S14)の内容は、PLC01を構成する入出力デバイスの1つであるBIについて図13から図16を用いて述べる。PLC01以外のPLCについては、PLC03,PLC05に関して、図17以下で補足的に説明する。
図4は、管理項目表登録の処理(S10)の詳細な手順を示すフローチャートである。設計者が支援装置40を立ち上げて、支援プログラムのファイルを開くと、支援装置40は、まず、管理項目表ブランク31を表示部46に表示する(S20)。図5は、管理項目表ブランク31の画像データを示す図である。以下では、管理項目表ブランク31の画像データを、単に、管理項目表ブランク31と呼ぶ。管理項目表ブランク31は、複数の行と複数の列で規定される複数のセルが配列されたワークシートである。
管理項目表ブランク31において、2行目の「案件名」は、PLCシステム10の名称である。図1の例では、ビル8の名称等を「案件名」とする。「基幹」は、PLCシステム10において、PLC00と、PLC01〜PLC05との間の基幹ネットワーク26の系統名で、図1の場合、第2系統の基幹ネットワーク26は、CCLに定められているので、予め「CCL」と記入されている。
管理項目表ブランク31において、4行から6行に渡って、B列からK列に向けて、「再採番」、「管理項目名称」、「PLC局番」、「RS盤名称」の次に、6つの入出力信号の種別が配置される。6つの入出力信号の種別は、制御に関する「BO:個別発停」、「AO:アナログ出力」の2つ、監視に関する「BI:状態」、「BI:計量」、「AI:電流電圧」、「AI−R:抵抗」の4つである。これらは、管理項目表が管理項目表データベース50に登録されるときに、ワークシートの各セルに対応付けて記憶される。そして、次に、PLC構成表編集とPLC入出力表編集の際に、管理項目表データベース50から管理項目表32が検索されるときに、検索キーとして用いられる。
「再採番」は、管理項目表ブランク31に手入力で各項目を埋めて行き、管理項目表32を編集する過程の中で、行の削除や追加を行うことがあるが、その後に、配列順序を整理して連続番号とするときに用いる欄である。
「管理項目名称」は、PLCシステム10において、ビル8に配置される制御要素と監視要素を「管理項目」として、管理項目の名称、すなわち管理項目名である。「PLC局番」は、その「管理項目」を扱うPLCの局番で、PLC00であれば「00」と記入される。「RS盤名称」は、そのPLCが収納されるRS盤の名称で、RS−1であれば「RS−1」と記入される。RS盤には、少なくとも1つのPLCが収納される。図1の例では、RS−1〜RS−5の全てに、それぞれ1つずつPLCが配置されているが、場合によっては、2つ以上のPLCを収納してもよい。
6つの入出力信号の種別に関する欄は、「管理項目」がPLCによって扱われるときの信号の種別を示す欄である。1つの「管理項目」に対し、1つの信号種別が定められる。
「制御」に関する「BO:個別発停」、「AO:アナログ出力」の2つは、管理項目が制御要素に関するときに制御要素に対してPLCから出力される信号である。その信号がバイナリのデジタル信号のときが「BO:個別発停」である。BO=1は、対象の制御要素の動作を発動させる信号で、BO=0は、対象の制御要素の動作を停止させる信号である。「BO」の信号の例としては、ヒータのオンオフ、照明のオンオフ、空調のオンオフ、電源のオンオフ等である。制御要素に対して出力される信号がアナログ信号のとき、「AO:アナログ信号」である。「AO」の信号の例としては、弁の連続可変開閉信号、照明の調光信号、空調の温度指令信号等である。
「監視」に関する「BI」、「AI」は、管理項目が監視要素に関するときに監視要素からPLCに対し入力される信号である。その信号がバイナリのデジタル信号のときが「BI」で、アナログ信号のときが「AI」である。
「BI」は、監視要素の状態を示し、BI=1は、監視要素が動作中の状態のときを示し、BI=0は、監視要素の動作が停止しているときを示す。「BI」はパルス信号であるが、そのパルス信号を計数することで「計量」する監視要素がある。例えば、電力計、水量計、ガスメータ等である。これらは、円板やリングが回転することで、その量を計測する。1回転に付き1パルスを出力することで、パルス数を計数することで、これらの消費量が「計量」できる。換言すれば、電力計、水量計、ガスメータ等は、アナログ信号で監視するのでなく、バイナリの「BI」において、そのパルス信号のパルス数で計量監視する。「BI」の「状態」と「計量」の欄は、同じバイナリ信号の入力であるが、PLCにおいて、パルス数を計数する必要があるが否かを区別するために用いられる。換言すれば、監視要素が「メータ」類であれば、「計量」欄に○マークを記入し、「メータ」類でないときは「状態」欄に○マークを記入する。
「AI」は、電圧信号または電流信号であるが、温度計測については、抵抗の計測によって行う。後述するように、「AI」は、PLCにおいてアナログ信号からデジタル信号に変換されてPLC00に伝送されるが、「電流電圧」のアナログ信号と、「抵抗」のアナログ信号とでは、デジタル信号への変換回路が異なる。そこで、「AI」に関する入出力デバイスの種別については、「電流電圧」に関する入出力デバイスを「AI」と示し、「抵抗」に関する入出力デバイスを「AI−R」として、両者を区別する。
図4に戻り、表示部46に管理項目表ブランク31が表示されると、PLCシステム10の設計者は、ビル8の管理システムに関する基本企画書に基づき、ビル8における制御要素と監視要素の全てについての情報を管理項目表ブランク31に入力する(S22)。管理項目表ブランク31への入力は、表示部46の画面上で、設計者が手入力で行う。図4のフローチャートでは、各手順の内、支援装置40が実行する手順を実線枠で示し、設計者が表示部46の画面と対話形式の手入力で行う手順を破線枠で示す。後述するフローチャートについても同様である。
管理項目表ブランク31への入力は、1つの制御要素または監視要素について、ワークシート上の1行を充てる。例えば、7行目に、1つの監視要素を充てるとすると、「管理項目名称」にその監視要素の名称を記入し、その監視要素を扱うPLCの局番を「PLC局番」に記入し、そのPLCが収納されるRS盤の名称を「RS盤名称」に記入する。そして、監視要素からPLCに入力される信号の種別がバイナリのデジタル信号かアナログ信号かを判定する。デジタル信号のときは、「BI」の「状態」か、メータ系の「計量」か、を判定していずれかの欄に○印を記入する。アナログ信号のときは、「電流電圧」か、温度検出の「抵抗」か、を判定していずれかに丸印をする。
複数の制御要素、複数の監視要素についての管理項目表ブランク31への入力順序は任意でよいが、作成された管理項目表32は、施主、盤メーカ、プログラム作成メーカ等に提出されるので、見やすい配列で入力することが好ましい。1つの方法は、まず、基本企画書に基づいて、全ての制御要素と監視要素に関する情報を記入し、その後に、行単位で配列順序を入れ替えて見やすい配列にする。「再採番」は、その入れ替えの都度、行の先頭側が若い番号となるように、自動的に変更される。
RS盤の数、PLCの数は、「管理項目」の総数と、ビル8における「管理項目」の配置状況によって、設計者が設定する。一例を挙げると、図1の場合「管理項目」の総数は、350である(図11参照)。8スロットのPLCの場合、通信用のスロットと予備スロットを1つずつ確保すると、6スロットが入出力デバイス用にあてることができる。入出力デバイスとして、チャネル数が16の標準的なものを用いるとすれば、1つのPLCで約100の「管理項目」を扱える。「管理項目」の総数が350の場合には、PLCの数は4つ必要になる。
RS盤は複数のPLCを収納できるので、1つのRS盤に4つのPLCを収納することは可能であり、そのRS盤を中央監視装置12が配置されるBFにRS−0と共に配置すれば、ネットワーク配線が最短とできる。その代り、例えば5Fに配置される制御要素や監視要素からの信号線は、5FからBFまでの長さとなる。信号線の数は少なくとも「管理項目」の数であるので、図1の場合、合計で少なくとも350本の信号線がビル8の内部に敷設される。350本の信号線の敷設と、5本のネットワーク配線の敷設を比較すると、後者の方がコスト的にも信号伝送の点からも格段に好ましい。したがって、RS盤を1つにせず、ビル8内に分散することが好ましい。このように、RS盤の数、PLCの数は、「管理項目」の総数と、ビル8の構造等を考慮して設定される。図1のPLCシステム10では、RS盤を各階に配置し、各RS盤に1つのPLCを収納する設定となっている。
表示部46に表示された管理項目表ブランク31に、全ての「管理項目」に関する情報の入力が完了すると、S22の処理は終了する。図6に、手入力済みの管理項目表32の例を示す。上記のように「管理項目」の総数は350であるので、図6にはその一部を例示的に示す。ここでは、入出力信号の種別が異なる例を示す。例えば、7行〜156行に、「PLC局番」が01の150の「管理項目」の一部を示すが、これらは全て「BI」であり、その中に「状態」と「計量」が含まれる。157行から162行は、「PLC局番」が03の「管理項目」の一部であるが、「AO」の例である。246行〜252行は、「PLC局番」が05の「管理項目」の一部であるが、「AI−R」の例である。
表示部46に表示される管理項目表ブランク31に対する手入力が終了すると、設計者は、表示部46の画面の上方側に表示されている「ファイル」タブにおいて、複数のグループに関する呼び出しボタンの中で「DBへ登録」ボタンを押す(S24)。図7に、「ファイル」タブにおける複数の呼び出しボタン64,66,68,70を示す。この内で「DBへ登録」の呼び出しボタン64を押す。これにより、支援装置40は、表示部46上の手入力済みの管理項目表32を、管理項目表データベース50に、名称を付して登録し格納する(S26)。以上で、管理項目表登録の処理(S10)が終了する。
図8は、PLC構成表編集の処理(S12)の詳細な手順を示すフローチャートである。S12は、管理項目表登録の処理(S10)が終了した状態の後に実行される。PLC構成表編集の処理を開始するには、設計者は、ファイルの複数の呼び出しボタンの内、「PLC選択」をクリックする(S30)。具体的には、図7で述べたファイルの複数の呼び出しボタン64,66,68,70の内、「PLC選択」66をクリックする(クリック1)。これにより、支援装置40は、PLC構成表ブランク33を表示部46に表示する(S32)。図9は、PLC構成表ブランク33の画像データを示す図である。以下では、PLC構成表ブランク33の画像データを、単に、PLC構成表ブランク33と呼ぶ。PLC構成表ブランク33も、管理項目表32と同様に、複数の行と複数の列で規定される複数のセルが配列されたワークシートである。図9では、行番号と列番号の表示を省略した。
PLC構成表ブランク33は、当該PLCを特定する事項が記入される表題欄と、PLC構成を示す3つの欄として、PLC基本仕様欄と、PLC構成欄と、先頭XY割付規則とを有する。
表題欄における「サブシステム」は、当該PLCが扱うサブシステムの名称である。「系統」は、PLC00と当該PLCを接続する基幹ネットワークの系統名である。
PLC基本仕様欄は、図9において右手上方に配置される表欄である。「基本」は、PLCを構成するための「ベース」の型名と、「電源」の型名と、「スロット数」を示す。PLC構成表ブランク33では、「ベース」は標準の「BS8」、「電源」は標準の「PS−S」に初期設定される。「BS8」はスロット数が8のベースであり、「PS−S」は電力供給能力が標準の電源である。「スロット数」は「ベース」が「BS8」であることに連動して「8」となる。設計者は、PLCに接続される相手盤との関係に基づいて、初期設定以外の設定に変更できる。例えば、電力供給能力が大の「電源」が必要であるときは、電力供給能力の大きな「PS−L」に変更できる。「スロット数」を増やしたいときは、「増設1」欄を用いて「ベース」を増設し、それに応じて「スロット数」を増やすことができる。設定変更は手入力で行うことができるが、これに代えて、「ベース」、「電源」をクリックすると次候補が表示されるようにしてもよい。
図9において左手に配置されるPLC構成欄には、PLC基本仕様欄で設定された「スロット数」に対応して、「スロット」として、8行分が表示される。「種別」欄には、各スロットに配置されるデバイスの種別が記入され、「型名」欄には、デバイスの名称が記入される。「点数」欄には、デバイスのチャネル数が記入され、「先頭XY」欄には、デバイスのチャネルに対応する「CPU」の先頭アドレスが記入される。ここでいう「CPU」は、このPLC構成表に表示される「CPU」のことである。
PLC構成表ブランク33では、初期設定として、CPUスロットに「CPU」デバイスとして型名「QCPU15k」が配置され、スロット=0に「通信」デバイスとして型名「QCCL」が配置される。これらにおける「Q」は集積回路を意味する語で、「QCPU15k」は、メモリ容量が15kステップであるCPU集積回路であることを示す。「QCCL」は、管理項目表32において「基幹」が「CCL」とされていることを反映し、CCLの通信ネットワークに適応した通信集積回路であることを示す。「QCCL」はチャネル数が「32」であるので、「点数」が「32」に初期設定される。また、次に述べる「先頭XY割付規則」を参照すると、「CCL」の先頭アドレスは「3E0」とされているので、「QCCL」についての「先頭アドレス」は「3E0」に初期設定される。
設計者は、「CPU」の「型名」の初期設定を変更することができる。例えば、メモリ容量を40kステップにする必要があると考えるときは、「CPU」の「型名」を「QCPU40k」に設定変更する。設定変更は手入力で行うことができるが、これに代えて、「CPU」の「型名」をクリックすると次候補が表示されるようにしてもよい。
図9において右手下方に配置される「先頭XY割付規則」欄は、各デバイスのチャネルに対応する「CPU」の先頭アドレスである。「CPU」は型名「QCPU15k」であるので、この型名の「CPU」のアドレスがこの規則によって、各デバイスのチャネルに割付される。アドレスは16ビット単位で、PLCプログラムを作成するときに必要となる。
例えば、入出力デバイスが「BO」デバイスのときは、出力を示す「Y」に続く3桁のアドレスが割り当てられる。先頭アドレスは0〜F0とされるので、スロット=1に配置された「BO」デバイスには、「Y000」の先頭アドレスが割り当てられる。入出力デバイスが「AI」デバイスのときは、入力を示す「X」に続く3桁のアドレスが割り当てられる。1枚目の先頭アドレスは300とされるので、スロット=1に配置された「AI」デバイスには、「X300」の先頭アドレスが割り当てられる。
PLC構成表ブランク33の内容の確認、必要な場合の初期設定の変更等が終わると、設計者は、図9には図示しないが、表示部46の画面の隅部に表示される「次へ」の押しボタンを押す。これにより、支援プログラムは次の処理手順に進み、図8において、PLC局番の選択スイッチ表示(S34)に進む。
S34では、支援装置40は、表示部46の画面に、PLC局番の選択スイッチの画像データを表示する。図10に、PLC局番の選択スイッチを表示する画像データの例として、選択スイッチ画像80を示す。ここでは、PLC局番の「00」から「05」が表示されるが、管理項目表32の内容を反映して管理項目表32に現われない「00」は選択できないようにハーフトーンで表示される。PLC局番選択(S36)として、PLC01を選択するときは、設計者は「01」の選択スイッチを押す。これでPLC局番の選択が行われるので、設計者は、図10には図示しないが、表示部46の画面の隅部に表示される「次へ」の押しボタンを押す。
これにより、支援プログラムは次の処理手順に進み、図8において、支援装置40は管理項目表データベース50の検索を行い(S38)、支援装置40は、入出力信号種別毎に管理項目数を算出する(S40)。この処理手順は、管理項目表データベース50より管理項目表32を読出し、PLC局番=01を第1検索キーとし、入出力信号の各種別を第2検索キーとして、PLC01について入出力信号の各種別の数を算出する。算出した結果は、表示部46の画面に表示される。
参考として、全部のPLC局番において、各入出力信号種別毎に、それぞれの入出力信号の数の算出結果を図11に示す。図11の縦軸は、PLC局番及びその関連情報で、図11の横軸は、入出力信号の種別である「BO」、「AO」、「BI」、「AI」、「AI−R」である。「BO」、「AO」、「BI」は、図6の管理項目表32のF列からI列の「BO」、「AO」、「BI」であり、「AI」はJ列の「AI:電流電圧」であり、「AI−R」はK列の「AI:抵抗」である。
入出力信号の数の算出の例を述べる。1つ目の例としてPLC01において、「BI」の信号数を算出するには、PLC局番=01を第1検索キーとし、入出力信号=「BI」を第2検索キーとして、図6の管理項目表32を検索する。その結果、ヒットしたセル数=150であるので、PLC01において、「BI」の信号数は、150と算出される。2つ目の例として、PLC03において、「AO」の信号数を算出するには、PLC局番=03を第1検索キーとし、入出力信号=「AO」を第2検索キーとして、図6の管理項目表32を検索する。その結果、ヒットしたセル数=12であるので、PLC03において、「AO」の信号数は、12と算出される。3つ目の例として、PLC05において、「AI−R」の信号数を算出するには、PLC局番=05を第1検索キーとし、入出力信号=「AI−R」を第2検索キーとして、図6の管理項目表32を検索する。その結果、ヒットしたセル数=10であるので、PLC05において、「AI−R」の信号数は、10と算出される。
図10において、PLC局番=01と選択したので、表示部46の画面には、図11のPLC01の算出結果の部分が表示される。それを見ると、「BI」=150で、他の「BO」、「AO」、「AI」、「AI−R」は、すべて、入出力信号の数=0である。設計者はこの結果の確認を行って、画面上の「次へ」の押しボタンを押す。これにより、支援プログラムは次の処理手順に進み、図8において、入出力デバイスリストを参照して入出力デバイスの設定(S42)に進む。
入出力デバイスリストは、入出力信号の種別である「BO」、「AO」、「BI」、「AI」、「AI−R」のそれぞれに対応する入出力デバイスの型名をリストアップした表である。標準的型式は、チャネル数=16のデバイスで、「BO」と「BI」には、チャネル数=32,64がある。アナログ信号の入出力デバイスは、アナログデジタルコンバータまたはデジタルアナログコンバータを含むので、チャネル数=16のみがある。以下では、入出力デバイスの型名として、「BO」と「BI」については入出力信号の種別名とチャネル数とを組み合わせ、「BO16」、「BO32」、「BO64」、「BI16」、「BI32」、「BI64」と示す。また、「AO」、「AI」、「AI−R」については、入出力信号と同じ、「AO」、「AI」、「AI−R」と示す。
S42において、支援装置40は、次の手順に従って入出力デバイスの設定を行う。まず、図11を参照して、「BO」、「AO」、「BI」、「AI」、「AI−R」の入出力信号数を16で除して、「BO」、「AO」、「BI」、「AI」、「AI−R」毎の入出力デバイスの数を求める。PLC01では、「BI」についての入出力デバイスの数は(150/16)=9.375であり、他の入出力信号についての入出力デバイスの数=0であるので、PLC01について必要な入出力デバイスの種別とその数は、「BI」が10である。
必要な入出力デバイスの総数が求まると、これをPLCにおいて入出力デバイスに割り当て可能なスロット数と比較する。PLC01の場合、入出力デバイスに割り当て可能であるのは、スロット=1からスロット=6の5つである。比較の結果、(割り当て可能なスロット数≧(必要な入出力デバイスの総数)のときは、スロット=1からスロット=6の順に、各入出力デバイスを割り当てる。比較の結果、(割り当て可能なスロット数<(必要な入出力デバイスの総数)のときは、「BO」、「BI」について、32チャネル数または64チャネル数の入出力デバイスの適用の可否を判定する。PLC01の場合、(割り当て可能なスロット数)<(必要な入出力デバイスの総数)であるので、「BI」について、まず、32チャネルの「BI32」の適用の可否を判定する。「BI32」を適用するときは、(必要な入出力デバイスの総数)=(150/32)=4.6875であるので、「BI32」が5必要である。これを(割り当て可能なスロット数)=6として比較を行うと、(割り当て可能なスロット数=6)>(必要な入出力デバイスの総数=5)となる。しかし、予備に回せるスロット数は、(6−5)=1スロットとなる。予備スロット数を予め「2」と定めておくとすると、(割り当て可能なスロット数)=4であるので、「BI32」を適用しても、(割り当て可能なスロット数=4)<(必要な入出力デバイスの総数=5)となる。そこで、次に、「BI64」の適用の可否を判定する。この場合、(必要な入出力デバイスの総数)=(150/64)=2.34375であるので、「BI32」は3で足りる。このとき、(割り当て可能なスロット数=4)>(必要な入出力デバイスの総数=3)となる。この結果、PLC01に対する入出力デバイスは、「BO64」が3に設定される。
上記の入出力デバイスの設定手順は、説明のための例示であり、これ以外の手順であっても、予備を見込んだ割り当て可能なスロット数と、図11の算出結果に基づく各入出力デバイスの必要数と、入出力デバイスのリストとを用いるものであればよい。
S42において入出力デバイスの設定が行われると、支援装置40は、これに基づいて、PLC構成表ブランク33に、入出力デバイスの割付を行う(S44)。PLC01の場合、スロット=01からスロット=03に、「BI64」がそれぞれ割付される。そして、「先頭XY割付規則」を参照すると、BIデバイスの先頭XYアドレスは「X100」であるので、スロット=01の「BI64」に「X100」の先頭XYアドレスを割付する。スロット=02の「BI64」には、64チャネル分に対応する16ビット表記の「20」だけずらして、「X140」を割付し、スロット=03の「BI64」には、さらに64チャネル分の「20」だけずらして、「X180」を割付する。
支援装置40は、割付を行った結果を、編集後のPLC構成表34として表示部46の画面に表示し(S46)、管理項目表データベース50に格納する。これにより、PLC構成表編集の処理手順が終了する。
上記の例では、PLC01についてのPLC構成表34の編集が終了したが、これに引き続き、他のPLC02〜PLC05についてのPLC構成表34の編集を行うことができる。その場合には、S12へ戻り、S30以下の処理手順を繰り返す。これに代えて、PLC01についてのPLC構成表34の編集が終了したら、引き続いて、PLC01のPLC構成表34に編集された入出力デバイスについて、PLC入出力表編集(S14)を行うことができる。以下では、後者の方法に従って、PLC01のPLC構成表34における入出力デバイスについてのPLC入出力表編集(S14)を行うときの手順について述べる。
図13は。PLC入出力表編集の処理(S14)の詳細な手順を示すフローチャートである。S14は、PLC構成表編集の処理(S12)が終了した状態の後に実行される。PLC入出力表編集の処理を開始するには、設計者は、ファイルの複数の呼び出しボタンの内、「入出力表作成」をクリックする(S50)。具体的には、図7で述べたファイルの複数の呼び出しボタン64,66,68,70の内、「入出力表作成」68をクリックする(クリック2)。これにより、支援プログラムは次の処理手順に進み、図13において、入出力デバイスの選択スイッチ表示(S52)に進む。
S52では、支援装置40は、表示部46の画面に、入出力デバイスの選択スイッチの画像データを表示する。図14に、入出力デバイスの選択スイッチを表示する画像データの例として、選択スイッチ画像84を示す。選択スイッチ画像84の左側には、図10で述べたPLC局番の選択スイッチ画像80の内、選択されたPLC局番の部分が表示される。ここでは、PLC構成表編集(S12)の結果を反映し、選択されたPLC局番として「01」が表示される。選択スイッチ画像84の右側が入出力デバイスを選択するために用いる画像である。ここでは、入出力デバイスの種別である「BO」、「AO」、「BI」、「AI」、「AI−R」が表示される。図12で述べたように、PLC01においては、入出力デバイスが「BI64」の1種類のみであるので、設計者は「BI」を選択することになり、「BI」の選択スイッチを押す。これで入出力デバイスの選択(S54)が行われる。
入出力デバイスの選択が終わると、設計者は、図14には図示しないが、表示部46の画面の隅部に表示される「次へ」の押しボタンを押す。これにより、支援プログラムは次の処理手順に進み、図13において、支援装置40は、PLC入出力表ブランク表示(S56)を行う。
PLC01のPLC構成表34に示すように、「BI64」は3つあり、スロット1〜スロット3にそれぞれ配置される。したがって、表示部46には、3枚のPLC入出力表ブランク35の画像データが重ねられて表示される。図15は、1枚目のPLC入出力表ブランク35の画像データで、スロット1に配置される「BI64」に関するものである。以下では、PLC入出力表ブランク35の画像データを、単に、PLC入出力表ブランク35と呼ぶ。PLC入出力表ブランク35も、管理項目表32、PLC構成表34と同様に、複数の行と複数の列で規定される複数のセルが配列されたワークシートである。図15では、行番号と列番号の表示を省略した。
PLC入出力表ブランク35は、当該PLCを特定する事項が記入される表題欄と、当該入出力デバイスの入出力情報を示す入出力情報欄とを有する。表題欄は、PLC01に関するPLC構成表34の記載を反映し、案件名、サブシステム、系統、局番、盤名は、PLC構成表34の記載がそのまま自動的に転記されている。
入出力情報欄は、当該入出力デバイスである「BI64」の端子と、当該PLCであるPLC01に関する制御要素または監視要素との関係を示す関係表である。制御要素及び監視要素は、管理項目表32において管理項目名称で示されるので、入出力情報欄は、当該入出力デバイスである「BI64」の端子と、管理項目名称との関係を示す。このような各PLCにおける各入出力デバイスに関する入出力情報欄の情報に従って、盤メーカやプログラム作成メーカは、各種盤の製作及びPLCプログラムの作成を行う。
入出力情報欄の欄外にある「型名」と「スロットNO.」と「先頭XY」は、当該入出力デバイスである「BI64」に関する基本事項が記入される。この内容は、当該入出力デバイスが選択されると、PLC構成表34のPLC構成欄において当該入出力デバイスに対応する記載がそのまま転記される。上記の例では、「型名」は「BI64」、「スロットNO.」は「1」、「先頭XY」は「0100」と自動的に転記される。
入出力情報欄の「ピン番号」は、当該入出力デバイスの端子番号である。「CH」は、当該入出力デバイスである「BI64」のチャネル番号である。「アドレス」は、当該PLCにおける「CPU」である「QCPU15k」のアドレスである。「名称」は、管理項目表32における「管理項目名称」である。入出力デバイスの標準的型式は16チャネルであり、端子は20端子であるので、標準的なPLC入出力表ブランク35には、「ピン番号」は20まで、「CH」は16までが予め記載されている。「BI64」は64チャネルであるので、PLC入出力表ブランク35には、予め、「CH」にチャネル「1」からチャネル「64」が記載され、「ピン番号」には、「1」から「80」の端子番号が予め記載される。また、「先頭XY」が「0100」であることを反映し、「アドレス」には、「X100」から「X13F」までが予め記載される。図16には、その一部の「ピン番号」が「1919」、「CH」が「34」、アドレスが「X121」までを示す。
設計者は、「ピン番号」が「1B04」から「1B01」等が空いているので、それを用いて、電源の共通端子を宛がうことができる。例えば、PCL01の電源の共通端子をCOM1として、空いているピン番号にCOM1を設定することができる。PLC入出力表ブランク35の内容の確認、必要な追加設定等が終わると、設計者は、図16には図示しないが、表示部46の画面の隅部に表示される「次へ」の押しボタンを押す。これにより、支援装置40は、表示部46の画面に、図7で述べたタブ画面の画像データを表示する。
設計者は、ファイルの呼び出しボタンの「入出力信号割付」をクリックする(S58)。具体的には、図7で述べたファイルの複数の呼び出しボタン64,66,68,70の内、「入出力信号割付」70をクリックする(クリック3)。
これにより、支援プログラムは次の処理手順に進み、図13において、支援装置40は、管理項目表データベース50の検索を行い(S60)、支援装置40は、当該PLCの当該入出力デバイスについて、PLC入出力表ブランク35に入出力信号を順次割付する(S62)。この処理手順は、次の手順に従って実行される。
まず、管理項目表データベース50より管理項目表32を読み出す。そして、PLC局番=01を第1検索キーとし、選択された入出力デバイスの型名である「BI64」に対応する入出力信号の種別である「BI」を第2検索キーとして、「管理項目名称」を若い行番号から順次抽出する。
次に、抽出された複数の「管理項目名称」について、最も若い行番号の「管理項目名称」を「コピー」し、PLC入出力表ブランク35の「CH」=1の「名称」に「貼付」する。図6の管理項目表32において、PLC局番=01で、「BI」に該当する管理項目名称の内で、最も若い行番号=7の管理項目名称は「低温用PACACP状態」である。そこで、作表プログラムの「コピー&ペースト」機能を利用し、ワークシートである管理項目表32からこの部分を自動的に「コピー」し、別のワークシートであるPLC入出力表ブランク35の「CH」=1の「名称」に自動的に「貼付」する。以後、管理項目表32から抽出された複数の「管理項目名称」について、若い行番号順に「管理項目名称」を自動的に「コピー」し、PLC入出力表ブランク35の「名称」欄に「CH」の若い番号順に自動的に「貼付」する。なお、「BI」において、管理項目表32において、「BI」の「計量」に丸印が付されている「管理項目名」については、PLC入出力表ブランク35の該当する「名称」欄の隣の「信号種類」欄に「計量」と自動的に転記される。このようにして、支援装置40は、PLC入出力表ブランク35に入出力信号をが順次自動的に割付してPLC入出力表編集を行い、その結果を表示する(S64)。
図16に、PLC局番=01、入出力デバイス=「BI64」の1つ目について編集後のPLC入出力表36aを示す。図6の管理項目表32では、PLC局番=01で、「BI」についての「管理項目名称」は、7行から25行までが示され、そのうち、16行から22行については「BI」の「計量」に丸印が付されている。これに対応して、図16のPLC入出力表36aにおける「CH」=1から19までの「名称」に、図6の管理項目表32の7行から25行までの「管理項目名称」がそのまま転記されている。また、図16のPLC入出力表36aにおける「CH」=10から16までの「信号種類」欄に、図6の管理項目表32の16行から22行までの「計量」における丸印を反映して、「計量」と記載されている。このように、図7の「入出力信号割付」70をクリックするのみで、管理項目表32の内容が自動的にPLC入出力表36aに転記され、PLC入出力表36aの編集が行われる。
ここまでで、PLC01についてのPLC構成表34の編集と、PLC01のスロット=1に配置される「BI64」のPLC入出力表36aの編集が終了する。図17は、支援装置40が行う以後の手順を示すフローチャートである。S66では、「全ての入出力デバイスについて完了か否か」を判定する。上記の例では、PLC01についてスロット=2,3にそれぞれ配置される「BI64」に関するPLC入出力表36が未完了である。したがって、S66の判定は否定となるので「BへRETURN」(S68)となる。
「BへRETURN」とは、PLC入出力編集(S14)の最初の手順に戻ることで、図13におけるS50に戻る。ここで、支援装置40は、入出力デバイスの選択(S52)においてスロット=2に配置される「BI64」を選択し、以後の手順を進めることで、スロット=2に配置される「BI64」のPLC入出力表36を編集する。そこで、再びS66に進むと、まだスロット=3に配置される「BI64」に関するPLC入出力表36が未完了であるので、S66の判定は否定となり、S68に進み、再び、S50に戻る。ここで入出力デバイスの選択(S52)においてスロット=3に配置される「BI64」を選択し、以後の手順を進めることで、スロット=3に配置される「BI64」のPLC入出力表36を編集する。そこで、再びS66に進むと、PLC01に関する全ての入出力デバイスについてPLC入出力表36の編集が終了しているので、S66の判定は肯定となり、S70に進むことができる。
S70では、支援装置40は、「全てのPLC局番について完了か否か」を判定する。上記の例では、PLC01についてのみ、PLC構成表34の編集もPLC入出力表36の編集も完了しているが、他のPLC02〜PLC05については、PLC構成表34の編集もPLC入出力表36の編集も未完了である。したがって、S70の判定は否定となるので「AへRETURN」(S72)となる。
「AへRETURN」とは、PLC構成表編集(S12)の最初の手順に戻ることで図8におけるS30に戻る。そこで、PLC02〜PLC05のそれぞれについて、上記の手順を繰り返す。その詳細についての説明は重複するので省略するが、入出力デバイスの「AO」と「AI−R」に関し、図18から図21を用いて説明する。
図18は、PLC03についてのPLC構成表34cである。PLC03の入出力デバイスの種別は、図11に示すように、「AO」、「BI」、「AI」、「AI−R」の4つで、入出力信号数は、「AO」、「AI」、「AI−R」が16以下、「BI」は16以上32以下である。これに基づき、支援装置40は、PLC構成表編集(S12)において、PLC03では、入出力デバイスとして、スロット=1に「AO」、スロット=2に「BI32」、スロット=3に「AI」、スロット=4に「AI−R」を配置して、PLC構成表34cを編集する。
図19は、スロット=1における「AO」についてのPLC入出力表36cである。ここでは、図6の管理項目表32において、PLC局番=03、入出力デバイス=「AO」を検索キーとして検索する。図19において、「CH」=1から「CH」=6までの「名称」は、図6の157行から162行までの「管理項目名称」を「コピー」して、そのまま「貼付」したものであることが示される。
図20は、PLC05についてのPLC構成表34eである。PLC05の入出力デバイスの種別は、図11に示すように、「BO」、「AO」、「BI」、「AI−R」の4つで、入出力信号数は、「BO」、「AO」、「AI−R」が16以下、「BI」は16以上32以下である。これに基づき、PLC05のPLC構成表編集(S12)において、入出力デバイスとして、スロット=1に「BO16」、スロット=2に「AO」、スロット=3,4に「BI16」、スロット=5に「AI−R」を配置して、PLC構成表34cを編集する。
図21は、スロット=5における「AI−R」についてのPLC入出力表36eである。ここでは、図6の管理項目表32において、PLC局番=05、入出力デバイス=「AI」「抵抗」を検索キーとして検索する。図21において、「CH」=1から「CH」=7までの「名称」は、図6の246行から252行までの「管理項目名称」を「コピー」して、そのまま「貼付」したものであることが示される。
このようにして、PLC01からPLC05の全てについて、PLC構成表34の編集とPLC入出力表36の編集とが終了すると、支援装置40は、出力部48を用いて、プリントアウトを行い、PLCシステム仕様書30が出来上がる。
PLCシステム仕様書作成支援装置40によれば、設計者の手入力によって作成された管理項目表32が登録されると、クリック1〜3の3回のクリックのみで、全てのPLCについてPLC構成表34の編集とPLC入出力表36の編集とを自動的に行う。これにより、全てのPLCについてのPLC構成表の編集とPLC入出力表の編集を短時間に行えて、かつ転記ミス等を抑制できる。