JP6203089B2 - 半導体発光装置 - Google Patents

半導体発光装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6203089B2
JP6203089B2 JP2014052049A JP2014052049A JP6203089B2 JP 6203089 B2 JP6203089 B2 JP 6203089B2 JP 2014052049 A JP2014052049 A JP 2014052049A JP 2014052049 A JP2014052049 A JP 2014052049A JP 6203089 B2 JP6203089 B2 JP 6203089B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light emitting
light
phosphor
layer
emitting element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014052049A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015176999A (ja
Inventor
秀典 河西
秀典 河西
哲也 花本
哲也 花本
宇峰 翁
宇峰 翁
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2014052049A priority Critical patent/JP6203089B2/ja
Publication of JP2015176999A publication Critical patent/JP2015176999A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6203089B2 publication Critical patent/JP6203089B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2224/00Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
    • H01L2224/01Means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected, e.g. chip-to-package, die-attach, "first-level" interconnects; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/42Wire connectors; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/47Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process
    • H01L2224/49Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process of a plurality of wire connectors
    • H01L2224/491Disposition
    • H01L2224/49105Connecting at different heights
    • H01L2224/49107Connecting at different heights on the semiconductor or solid-state body
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2224/00Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
    • H01L2224/73Means for bonding being of different types provided for in two or more of groups H01L2224/10, H01L2224/18, H01L2224/26, H01L2224/34, H01L2224/42, H01L2224/50, H01L2224/63, H01L2224/71
    • H01L2224/732Location after the connecting process
    • H01L2224/73251Location after the connecting process on different surfaces
    • H01L2224/73265Layer and wire connectors

Landscapes

  • Luminescent Compositions (AREA)
  • Led Device Packages (AREA)

Description

本発明は、紫外光又は青紫色光を放射する発光素子を備えた半導体発光装置に関する。
紫外光発光ダイオード(UV−LED)又は青紫色発光ダイオードを備えた発光装置には、幅広い用途への利用が期待されている。利用が期待されている用途としては、例えば、紫外光若しくは青紫色光によって硬化する各種樹脂材料、接着剤、インク又はコーティング材料等の硬化、樹脂硬化物の組成分析、光触媒の励起光源、製品におけるキズ又は欠陥等の有無を調べる検査用光学機器の照明、光ファイバの接続時に使用する照明、蛍光材料の励起光源、医療用マーカの照射光源、又は、白色LEDの構成部品等が挙げられる。また、従来、紫外光発光ダイオードチップを利用した紫外光発光装置の研究及び開発が各所で行われており、紫外光発光装置を殺菌用光源等に用いることが提案されている。
例えば、特許文献1には、光ディスク用のピックアップレンズの接着又は基板への電子部品の接着等の光照射処理を行うための紫外線照射装置の光源として用いることが可能な紫外線発光ダイオードが記載されている。特許文献2には、自ら発する紫外線による劣化を抑制して耐久性を向上させることが可能な発光ダイオードが記載されている。特許文献3には、発光ダイオードを光源としてヘッド部に内蔵させることにより、小型且つ安価で操作性に優れた部品接着用の紫外線照射装置が記載されている。
特許文献4には、紫外光を放射する紫外光発光ダイオードチップと、紫外光発光ダイオードチップを収納するパッケージと、パッケージに設けられ、紫外光発光ダイオードチップから放射された紫外光を検出する受光素子とを備えた紫外光発光装置が記載されている。この文献には、紫外光発光ダイオードチップとは別に点灯モニター用の可視光発光ダイオードチップを設け、受光素子の出力に基づいて可視光発光ダイオードチップを適宜点灯させることにより、紫外光発光ダイオードチップが点灯しているか消灯しているかを確認できることが記載されている。
特開2007−311707号公報 特開平10−233532号公報 特開2005−015764号公報 特開2009−177098号公報
青紫色光(ピーク波長が390nm〜420nm)と青紫色光よりも短波長側の紫外光とは、人間の視感度が非常に低い短波長領域の波長を有する。そのため、これらの光は、人間の目では、全く視認されない、又は、暗い青紫色に発光している様にしか視認されてない。しかし、このような波長を有する光が直接、目に入ると、視力障害又は失明を起こすことがある。また、このような波長を有する光が直接、皮膚に照射されると、皮膚が炎症等を起こすことがある。したがって、半導体発光装置からの紫外光又は青紫色光が人体へ照射されることを防止する方法の提案が必要である。
しかしながら、特許文献1〜3に記載の紫外光発光装置では、紫外光発光ダイオードチップ等が点灯しているのか消灯しているのかを視認できない。
また、特許文献4に記載の紫外光発光装置では、可視光発光ダイオードチップ及び受光素子等を用いて紫外光発光ダイオードチップが点灯しているか否かを確認する。そのため、可視光発光ダイオードチップ及び受光素子等が別途、必要となる。よって、これらを設けるためのスペース又は回路配線等が必要となるので、発光装置の小型化及び低コスト化が難しくなる。
本発明は、上記の課題を解決するためになされ、安全性に優れた小型の半導体発光装置を低コストで提供することを目的とする。
本発明の半導体発光装置は、基体と、紫外光又は青紫色光を放射する発光層を有し、基体の上面に設けられた発光素子とを備える。発光素子の外部であって発光素子の上面よりも下方には、発光層からの放射光を放射光よりも長波長の可視光に変換する少なくとも1種の蛍光体が設けられている。
蛍光体は、発光素子の外部であって発光層の下面よりも下方に設けられていることが好ましい。一例としては、発光素子は基体の上面と発光素子の下面との間に設けられた結合層によって基体の上面に固定され、蛍光体は結合層に設けられている。
発光素子の上面には、電極パッドが設けられていることが好ましい。蛍光体は、基体の上面に形成された凹部に設けられていることが好ましく、凹部は、発光層の厚さ方向において電極パッドと同じ位置に形成されていることが好ましい。
蛍光体は、緑色蛍光体及び赤色蛍光体の少なくとも1つを含むことが好ましい。
本発明では、安全性に優れた小型の半導体発光装置を低コストで提供できる。
本発明の一実施形態の半導体発光装置の断面図である。 図1に示す半導体発光装置から放出された光のスペクトルである。 本発明の一実施形態の半導体発光装置の断面図である。 図3に示す半導体発光装置から放出された光のスペクトルである。 本発明の一実施形態の半導体発光装置の断面図である。 図5に示す半導体発光装置から放出された光のスペクトルである。 本発明の一実施形態の半導体発光装置の断面図である。 図7に示す半導体発光装置から放出された光のスペクトルである。 本発明の一実施形態の半導体発光装置の断面図である。 図9に示す半導体発光装置から放出された光のスペクトルである。 本発明の一実施形態の半導体発光装置の断面図である。 本発明の一実施形態の半導体発光装置の平面図である。 本発明の一実施形態の半導体発光装置の断面図である。 本発明の一実施形態の半導体発光装置の断面図である。
以下、本発明について図面を用いて説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分又は相当部分を表すものである。また、長さ、幅、厚さ、深さ等の寸法関係は図面の明瞭化と簡略化のために適宜変更されており、実際の寸法関係を表すものではない。
「上方」、「下方」、「上面」及び「下面」は、発光素子が基体よりも上側に位置するように発光素子を配置した場合における上下関係を表しているに過ぎず、重力方向に対して定められる上下関係とは異なる。例えば、「基体の上面」は、発光素子が設けられた基体の面を意味する。「発光素子の下面」は、基体の上面に対向する発光素子の面を意味し、「発光素子の上面」は、「発光素子の下面」とは反対側に位置する面を意味する。「発光層の下面」は、基体の上面側に位置する発光層の面を意味する。
また、「発光素子の外部であって発光素子の上面よりも下方」及び「発光素子の外部であって発光層の下面よりも下方」には、基体の内部も含まれる。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る半導体発光装置の断面図である。図2は、本実施形態の半導体発光装置から放出された光のスペクトルを示すグラフである。ここで、「半導体発光装置から放出された光」には、後述の「発光素子20の出力光」と後述の「蛍光体からの光」とが含まれる。図2では、青紫色光発光素子(ピーク波長が390nm以上420nm以下)及び緑色蛍光体(青紫色光によって緑色光を発する蛍光体)の発光スペクトルを示している。
本実施形態の半導体発光装置は、基体1と、紫外光又は青紫色光を放射する発光層32を有し、基体1の上面1aに設けられた発光素子20とを備える。発光素子20は、基体1の上面1aと発光素子20の下面20bとの間に設けられた結合層60によって、基体1の上面1aに固定され、透明樹脂層40によって封止されている。結合層60には、発光層32からの放射光をその放射光よりも長波長の可視光に変換する蛍光体が設けられている。「発光層32からの放射光よりも長波長の可視光」は、ピーク波長が420nmよりも長波長側に位置する可視光を意味し、例えばピーク波長が420nm〜800nmである光を意味する。
本実施形態では、蛍光体は、発光素子20の外部であって発光層32の下面32bよりも下方に設けられている。そのため、発光層32からの放射光のうち、発光素子20の上面20a(SiO2層25の上面)と発光素子20の積層部30を構成する各半導体層の側面(図1における左右方向の両端面及び紙面奥行き方向の両端面)とから放出された光は、蛍光体で波長変換されず、発光素子20の出力光(図1中のλLED、青紫色光)となる。ここで、発光層32からの放射光の殆どが、発光素子20の上面20aと発光素子20の側面とから放出される。したがって、発光層32からの放射光の殆どは、蛍光体によって波長変換されずに発光素子20の出力光となる。
一方、発光層32からの放射光のうち、発光層32から基体1へ進む光の一部は発光素子20の下面20bで反射して発光素子20の上面20a側へ進むが、その多くは結合層60へ入射される。結合層60へ入射された光の少なくとも一部は、結合層60内の蛍光体によって、発光層32からの放射光よりも長波長の可視光(以下「蛍光体からの光」と記す。図1中の可視光)に変換され、半導体発光装置の外部へ放出される。つまり、発光素子20の点灯中には、発光素子20の出力光(図1中のλLED、青紫色光)だけでなく、蛍光体からの光(図1中の可視光、図2では緑色光)も、半導体発光装置の外部へ放出される。これにより、発光素子20の点灯の有無を検知できる。よって、半導体発光装置からの青紫色光(人体へ悪影響を及ぼすおそれのある光)が人体に照射されることを防止できる。
また、蛍光体を結合層60に設けることにより上記効果が得られる。よって、半導体発光装置の大型化及びコスト高を招くことなく、半導体発光装置からの青紫色光が人体に照射されることを防止できる。したがって、安全性に優れた小型の半導体発光装置を低コストで提供できる。
その上、発光層32からの放射光のうちの殆どが発光素子20の出力光となるので、蛍光体を設けたことに起因する半導体発光装置の光の取り出し効率の低下を防止できる。
(基体)
基体1は、発光素子20が搭載される搭載部材として機能し、平面状に延在する上面1aを有する実装基板である。基体1の上面1a、側面及び下面には、電極端子5A,5Bが一体に設けられている。電極端子5A,5Bのうち、基体1の下面に設けられた部分は半導体発光装置の外部接続用端子として機能し、基体1の上面1aに設けられた部分はその外部接続用端子と発光素子20とを電気的に接続する電極端子として機能する。基体1の構成は特に限定されない。例えば、基体1は、基板と、基板上に設けられた枠体とで構成されていても良い。
(発光素子)
発光素子20は、半導体発光装置の光源として機能し、平面視における形状が四角形である略六面体に形成されていても良いし、平面視における形状が三角形である略五面体に形成されていても良い。「平面視における」は、基体1の上面1aを上から見た場合を意味する。
発光素子20は、例えばサファイア、GaN、Si又はSiCからなる基板21と、基板21の成長主面(上面)に設けられた積層部30とを有する。積層部30では、例えば、基板21側から順に、n型GaN等からなるn型窒化物半導体層31、発光層32及びp型GaN等からなるp型窒化物半導体層33が設けられている。発光層32は、紫外光又は青紫色光(本実施形態では青紫色光)を放射するように構成されており、単層であっても良いし、複数の層が積層された積層構造を有していても良い。「紫外光」は、ピーク波長が200nm以上390nmである光を意味する。「青紫色光」は、ピーク波長が390nm〜420nmである光を意味する。積層部30を構成する各層は、例えば、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法等のエピタキシャル成長法によって結晶成長されたものである。積層部30は、n型窒化物半導体層31の一部分が発光層32及びp型窒化物半導体層33から露出するように、加工されている。なお、基板21と積層部30との間には、GaN、AlGaN、AlN、InN又はInGaN等からなるバッファ層が設けられていても良い。この場合、積層部30は、バッファ層上に設けられていることが好ましい。
p型窒化物半導体層33の上面には、例えばITO(Indium Tin Oxide)からなる透明導電膜22が設けられている。透明導電膜22の上面には、p側電極23が設けられており、n型窒化物半導体層31の露出面には、n側電極24が設けられている。透明導電膜22の上面、n型窒化物半導体層31の露出面及びこれらの両面の間に位置する積層部30の側面には、SiO2層25が設けられており、p側電極23及びn側電極24の各上面は、SiO2層25から露出している。p側電極23は、例えば金線からなるワイヤー3Bによって電極端子5Bに接続され、n側電極24は、例えば金線からなるワイヤー3Aによって電極端子5Aに接続されている。
なお、p型窒化物半導体層33のシート抵抗が十分に低い場合には、透明導電膜22は設けられていなくても良い。また、透明導電膜22は、ITO膜に限定されず、ITO以外の材料(例えばIZO(Indium Zinc Oxide)又は酸化チタン等の導電性酸化物)からなっても良いし、光を透過する程度に十分に薄い金属薄膜等であっても良い。また、SiO2層25は、発光素子20の露出面を保護する目的で設けられるが、発光素子の信頼性に問題がない場合には設けられていなくても良い。
また、発光素子20では、積層部30の厚さに比べて基板21の厚さが遥かに大きい。そのため、発光素子20の側面の殆どが、見かけ上、屈折率の比較的高い材料(例えばサファイア、GaN又はSiC等)からなる基板21で構成されることになる。
(透明樹脂層)
透明樹脂層40は、基体1の上面1aに設けられ、発光素子20及びワイヤー3A,3Bを封止する。透明樹脂層40は、原点Oを中心とする半径Rの半球状(ドーム状)に形成されている。原点Oは、基体1の上面1aに位置し、発光素子20は、原点O上に位置する。
透明樹脂層40は、発光素子20の出力光(図1中のλLED)及び蛍光体からの光(図1中の可視光)を透過可能であり、且つ、発光素子20からの光に対する耐久性(耐紫外線性)に優れた樹脂から形成されていることが好ましい。例えば、透明樹脂層40は、透明なシリコーン系樹脂又は耐光性が改善されたエポキシ樹脂等から形成されていることが好ましい。これにより、半導体発光装置の取り出し効率を高く維持できる。
透明樹脂層40の形成方法は、特に限定されない。例えば、基体1の上面1aに発光素子20を固定してから、モールド法等によって透明樹脂層40を形成できる。
なお、短波長の紫外光又は強度の強い青紫色光を発する発光素子を発光素子20として使用する場合には、ガラス系材料を用いて発光素子20及びワイヤー3A,3Bを封止しても良い。又は、ガラス系材料又は耐光性(耐紫外線性)に優れた樹脂材料で形成されたドーム状のレンズで発光素子20を覆い、発光素子20とドーム状のレンズとの間にガラス系材料等の充填剤を設けなくても良い。
(結合層)
結合層60は、基体1の上面1aと発光素子20の下面20bとの間に設けられている。結合層60は、発光素子20を基体1に固定するダイボンドペーストとして機能する。結合層60は、発光層32からの放射光を透過可能であり、発光素子20からの光に対する耐久性(耐紫外線性)に優れたダイボンドペースト用樹脂(例えばシリコーン系樹脂又は耐光性が改善されたエポキシ樹脂等の透明樹脂)と蛍光体とを少なくとも含むことが好ましい。
結合層60の一部が発光素子20を囲むように設けられていても良い。これにより、基体1に対して発光素子20をより一層、強固に固定できる。好ましくは、発光素子20を囲む結合層60の部分は、基体1の上面1aと発光層32の下面32bとの間に設けられている。これにより、蛍光体を発光素子20の外部であって発光層32の下面32bよりも下方に設けることができる。より好ましくは、発光素子20を囲む結合層60の部分は、基板21の側面に設けられている。これにより、発光素子20の側面から放出された光が蛍光体で波長変換される割合を低減できるので、半導体発光装置の光の取り出し効率の低下を防止できる。
結合層60の形成方法は、特に限定されない。例えば、ダイボンドペースト用樹脂と後述の蛍光体とを混練してペーストを調製し、そのペーストを基体1の上面1aの所定の箇所に塗布してから硬化させる。これにより、結合層60を形成できる。
(蛍光体)
蛍光体は、結合層60において均一に分散していることが好ましく、1種類であっても良いし、2種以上であっても良い。蛍光粒子の種類は、発光層32からの放射光の波長又は半導体発光装置に求められる発光色等に応じて適宜調整され、蛍光体としては、緑色蛍光体、赤色蛍光体、又は、緑色蛍光体及び赤色蛍光体の両方等を用いることができる。
結合層60における蛍光体の含有量は、特に限定されない。半導体発光装置の外部において、蛍光体からの光の強度が発光素子20の出力光の強度の10分の1以下となるように、結合層60における蛍光体の含有量を調整することが好ましい。これにより、半導体発光装置の外部では、蛍光体からの光が人間の目によって検出され易くなるので、発光素子20の点灯の有無を検知し易くなる。よって、半導体発光装置からの紫外光又は青紫色光が人体へ照射されることを効果的に防止できるので、半導体発光装置の安全性をより一層、高めることができる。「発光素子20の出力光の強度の10分の1以下」とは、本来、半導体発光装置に要求される発光強度よりも低いという意味であり、最低限の発光強度であることを意味し、人間の目によって検出される強度以上であれば良い。高輝度で発光する半導体発光装置では、発光素子20の出力光の強度の10分の1未満であっても、人間の目が蛍光体からの光を検出できることがある。例えば、蛍光体からの光の強度が発光素子20の出力光の強度の100分の1であっても、人間の目が蛍光体からの光を検出できることがある。なお、結合層60における蛍光体の含有量が多くなりすぎると、蛍光体からの光の強度が高くなり、その結果、発光素子20の出力光の強度が相対的に低くなる。そのため、実用的でない。
例えば、発光層32からの放射光の波長が390〜420nmの範囲にあり、発光波長が495〜570nmである緑色蛍光体を蛍光体として用いる場合、半導体発光装置の外部において、蛍光体からの光の強度が発光素子20の出力光の強度の10分の1以下であれば良い。人間の目では、明るさを感じる強さが光の波長ごとに異なる。これを数値で表したものを比視感度(Luminosity function、又は、Photopic luminous efficiency function)という。比視感度とは、人間の目が明るい場所に順応したときに、人間の目において最大感度となる波長での感じる強さを「1」とし、他の波長の光の明るさを感じる度合いを「1」に対する比率(「1」以下の数字)で表したものである。一般に、人間の目は、明るい所では555nm付近の光を最も強く感じ、暗いところでは507nm付近の光を最も強く感じると言われている。そのため、緑色蛍光体を使用した場合には、発光層32からの放射光を必要最小限だけ利用することによって、半導体発光装置からの紫外光又は青紫色光(人体へ悪影響を及ぼすおそれのある光)が人体に照射されることを防止できる。
一方、視認性の観点(特に、暗い場所での視認性の観点)からは、495〜570nmである緑色光よりも、610〜750nmである赤色光の方が視認され易く、赤色光よりも白色光の方が視認され易い。例えば、白色光は、光が殆どないような暗い環境下においても認識され易い。よって、結合層60から放出される光の色が白色に近い色となるように、且つ、発光素子20の出力光の強度が半導体発光装置として必要な強度となるように、蛍光体の種類、結合層60における蛍光体の含有量又は蛍光体の混合比率等を調整することがより好ましい。
また、発光層32からの放射光の波長が390〜420nmの範囲にあり、発光波長が495〜570nmである緑色蛍光体と発光波長が610〜750nmである赤色蛍光体とを組み合わせて蛍光体として用いる場合、XY色度図のXY値をどのように設定するかによっても緑色蛍光体からの光の強度及び赤色蛍光体からの光の強度は変化する。
発光層32からの放射光の波長が405nmである場合を例に挙げる。緑色蛍光体(発光のピーク波長;527nm、発光の半値幅;45.68nm、例えばβ−SiAlON蛍光体等)と赤色蛍光体(発光のピーク波長;659nm、発光の半値幅;85.8nm、例えばCASN蛍光体等)とを用いて、CIE(Commission internationale de l'eclairage;国際照明委員会)で規定された色度図(CIE1931)において色温度が約2000K〜15000Kである黒体をプロットして得られた軌跡(黒体軌跡)上の白色領域で発光させる場合には、色温度が2000Kである場合の発光強度は表1に示すようになる。上記組合せの蛍光体を用いて蛍光体からの光の強度を発光素子20の出力光の強度の10分の1以下とするためには、4000Kより高い色温度で各蛍光体の含有量又は蛍光体の混合比率を調整すれば良い(表1)。
Figure 0006203089
(緑色蛍光体)
緑色蛍光体は、例えば、下記一般式G1で表される2価のEu付活酸窒化物蛍光体(β型SiAlON)であっても良いし、下記一般式G2又はG3で表される2価のEu付活珪酸塩蛍光体であっても良い。
EuaSibAlcde・・・一般式G1
一般式G1では、0.005≦a≦0.4、b+c=12及びd+e=16を満たす。
2(Ba1-f-g(M1)fEug)O・SiO2・・・一般式G2
一般式G2では、M1はMg、Ca及びSrのうちの少なくとも1種のアルカリ土類金属元素を表し、0<f≦0.55及び0.03≦g≦0.10を満たす。
2((M2)1-h,Euh)O・SiO2・・・一般式G3
一般式G3では、M2はMg、Ca、Sr及びBaのうちの少なくとも1種の元素を表し、0.005≦h≦0.10を満たす。
一般式G1で表される緑色蛍光体は、例えば、Eu0.05Si11.50Al0.500.0515.95、Eu0.10Si11.00Al1.000.1015.90、Eu0.30Si9.80Al2.200.3015.70、Eu0.15Si10.00Al2.000.2015.80、Eu0.01Si11.60Al0.400.0115.99又はEu0.005Si11.70Al0.300.0315.97等であることが好ましいが、これらに限定されない。
一般式G2で表される緑色蛍光体は、例えば、2(Ba0.70Sr0.26Eu0.04)・SiO2、2(Ba0.57Sr0.38Eu0.05)O・SiO2、2(Ba0.53Sr0.43Eu0.04)O・SiO2、2(Ba0.82Sr0.15Eu0.03)O・SiO2、2(Ba0.46Sr0.49Eu0.05)O・SiO2、2(Ba0.59Sr0.35Eu0.06)O・SiO2、2(Ba0.52Sr0.40Eu0.08)O・SiO2、2(Ba0.85Sr0.10Eu0.05)O・SiO2、2(Ba0.47Sr0.50Eu0.03)O・SiO2、2(Ba0.54Sr0.36Eu0.10)O・SiO2、2(Ba0.69Sr0.25Ca0.02Eu0.04)O・SiO2、2(Ba0.56Sr0.38Mg0.01Eu0.05)O・SiO2又は2(Ba0.81Sr0.13Mg0.01Ca0.01Eu0.04)O・SiO2等であることが好ましいが、これらに限定されない。
(赤色蛍光体)
発光素子20として紫外光発光素子を使用する場合、赤色蛍光体としては、例えば、K2SiF6:Mn4+構造を有する蛍光体(KSF蛍光体)又はBa2ZnS3:Mn蛍光体等を好適に利用可能である。発光素子20として青紫色光を含む光を発する発光素子を使用する場合、赤色蛍光体としては、例えば、Eu2+付活CaAlSiN3構造を有する蛍光体(CASN蛍光体)、亜鉛セレニウム系赤色蛍光体、La22S:Eu蛍光体、0.5MgF2・3.5MgO・GeO2:Mn蛍光体、CaS:Eu,Tm蛍光体、Gd22S:Eu蛍光体、CaS:Eu蛍光体又はYAG:Ce蛍光体などを好適に利用可能である。また、下記一般式R1〜R7で表わされるMn4+付活複合フッ化物蛍光体、下記一般式R8及びR9で表わされるMn4+付活フッ化4価金属塩蛍光体、又は、下記一般式R10で表されるEu2+付活窒化物蛍光体等であっても良い。
(A1)2[(M3)F5]:Mn4+・・・一般式R1
一般式R1では、A1はLi、Na、K、Rb、Cs及びNH4のうちの少なくとも1種の元素を表し、M3はAl、Ga及びInのうちの少なくとも1種の元素を表す。
(A2)3[(M4)F6]:Mn4+・・・一般式R2
一般式R2では、A2はLi、Na、K、Rb、Cs及びNH4のうちの少なくとも1種の元素を表し、M4はAl、Ga及びInのうちの少なくとも1種の元素を表す。
Zn2[(M5)F7]:Mn4+・・・一般式R3
一般式R3では、M5はAl、Ga及びInのうちの少なくとも1種の元素を表す。
(A3)[In27]:Mn4+・・・一般式R4
一般式R4では、A3はLi、Na、K、Rb、Cs及びNH4のうちの少なくとも1種の元素を表す。
(A4)2[(M6)F6]:Mn4+・・・一般式R5
一般式R5では、A4はLi、Na、K、Rb、Cs及びNH4のうちの少なくとも1種の元素を表し、M6はGe、Si、Sn、Ti及びZrのうちの少なくとも1種の元素を表す。
(A5)[(M7)F6]:Mn4+・・・一般式R6
一般式R6では、A5はMg、Ca、Sr、Ba及びZnのうちの少なくとも1種の元素を表し、M7はGe、Si、Sn、Ti及びZrのうちの少なくとも1種の元素を表す。
Ba0.65Zr0.352.70:Mn4+
(A6)3[ZrF7]:Mn4+・・・一般式R7
一般式R7では、A6はLi、Na、K、Rb、Cs及びNH4のうちの少なくとも1種の元素を表す。
(A7)2((M8)1-iMni)F6・・・一般式R8
一般式R8では、A7はLi、Na、K、Rb及びCsのうちの少なくとも1種のアルカリ金属元素を表し、M8はGe、Si、Sn、Ti及びZrのうちの少なくとも1種の4価の金属元素を表し、0.001≦i≦0.1を満たす。
(A8)((M9)1-jMnj)F6・・・一般式R9
一般式R9では、A8はMg、Ca、Sr、Ba及びZnのうちの少なくとも1種のアルカリ土類金属元素を表し、M9は、Ge、Si、Sn、Ti及びZrのうちの少なくとも1種の4価の金属元素を表し、0.001≦j≦0.1を満たす。
((M10)1-k、Euk)(X1)SiN3・・・一般式R10
一般式R10では、M10はMg、Ca、Sr及びBaのうちの少なくとも1種の元素を表し、X1はAl、Ga、In、Sc、Y、La、Gd及びLuのうちの少なくとも1種の元素を表し、0.001≦k≦0.05を満たす。
一般式R8で表される赤色蛍光体は、例えば、K2(Ti0.99Mn0.01)F6、K2(Ti0.9Mn0.1)F6、K2(Ti0.999Mn0.001)F6、Na2(Zr0.98Mn0.02)F6、Cs2(Si0.95Mn0.05)F6、Cs2(Sn0.98Mn0.02)F6、K2(Ti0.88Zr0.10Mn0.02)F6、Na2(Ti0.75Sn0.20Mn0.05)F6、Cs2(Ge0.999Mn0.001)F6又は(K0.80Na0.202(Ti0.69Ge0.30Mn0.01)F6等であることが好ましいが、これらに限定されない。
一般式R9で表される赤色蛍光体は、例えば、Zn(Ti0.98Mn0.02)F6、Ba(Zr0.995Mn0.005)F6、Ca(Ti0.995Mn0.005)F6又はSr(Zr0.98Mn0.02)F6等であることが好ましいが、これらに限定されない。
一般式R10で表される赤色蛍光体は、例えば、(Ca0.98Eu0.02)AlSiN3、(Ca0.985Eu0.015)AlSiN3、(Ca0.94Sr0.05Eu0.01)AlSiN3、(Ca0.99Eu0.01)Al0.90Ga0.10SiN3、(Ca0.98Eu0.02)AlSiN3、(Ca0.97Ba0.01Eu0.02)Al0.99In0.01SiN3、(Ca0.98Eu0.02)AlSiN3又は(Ca0.99Eu0.01)AlSiN等であることが好ましいが、これらに限定されない。
[第2の実施形態]
図3は、本発明の第2の実施形態に係る半導体発光装置の断面図である。図4は、本実施形態の半導体発光装置から放出された光のスペクトルを示すグラフである。図4では、紫外光発光素子(ピーク波長が350nm以上370nm以下)及び赤色蛍光体(紫外光によって赤色光を発する蛍光体)の発光スペクトルを示している。以下では上記第1の実施形態とは異なる点を主に示す。
本実施形態では、発光素子20は、結合層61によって基体1の上面1aに固定されている。しかし、蛍光体は、結合層61に含まれておらず、蛍光体層65に設けられている。蛍光体層65は、発光素子20を囲む結合層61の部分を挟んで基体1の上面1aに設けられ、発光素子20を囲むように設けられている。また、蛍光体層65は発光素子20の外部であって発光層32の下面32bよりも下方に設けられており、よって、蛍光体は発光素子20の外部であって発光層32の下面32bよりも下方に設けられていることになる。したがって、上記第1の実施形態に記載の効果が得られる。そのため、本実施形態の半導体発光装置から放出された光には、紫外光だけでなく、青紫色光よりも波長の長い可視光(蛍光体からの光、図4では赤色光)が含まれる。
好ましくは、蛍光体層65は、基板21の側面に設けられている。これにより、発光素子20の側面から放出された光が蛍光体で波長変換される割合を低減できるので、半導体発光装置の光の取り出し効率の低下を防止できる。
蛍光体層65は、蛍光体だけでなく、発光層32からの放射光を透過可能な材料を更に含むことが好ましく、例えばシリコーン系樹脂又はエポキシ系樹脂等の透明樹脂を更に含むことが好ましい。
蛍光体層65の形成方法は、特に限定されない。例えば、結合層61によって、発光素子20を基体1の上面1aに固定する。次に、透明樹脂と蛍光体とを混練してペーストを調製し、発光素子20を囲むように発光素子20の側面に設けられた結合層61の部分の上にそのペーストを塗布する。これにより、蛍光体層65を形成できる。
[第3の実施形態]
図5は、本発明の第3の実施形態に係る半導体発光装置の断面図である。図6は、本実施形態の半導体発光装置から放出された光のスペクトルを示すグラフである。図6では、青紫色光発光素子(ピーク波長が390nm以上420nm以下)及び赤色蛍光体(青紫色光によって赤色光を発する蛍光体)の発光スペクトルを示している。以下では上記第2の実施形態とは異なる点を主に示す。
本実施形態では、基体1の上面1aにおける発光素子20の外側には、反射部材70が設けられている。反射部材70は反射面70aを有し、反射面70aは基体1の上面1aから遠ざかるにつれて拡口するように傾斜している。
蛍光体層65は発光素子20の側面と反射部材70の反射面70aとの間を埋めるように設けられ、蛍光体層65の上面はp型窒化物半導体層33の上面L0と面一である。これにより、蛍光体は、発光素子20の外部であって発光素子20の上面20aよりも下方に設けられていることになる。そのため、発光層32からの放射光のうち、発光素子20の上面20aから放出された光は、蛍光体で波長変換されず、発光素子20の出力光(図5中のλLED、青紫色光)となる。
一方、発光層32からの放射光のうち、発光素子20の側面から放出された光は、蛍光体層65へ入射される。その光の一部が、蛍光体によって、発光層32からの放射光よりも長波長の光(図5中の可視光)に変換される。波長変換された光は、反射面70aで反射されて、半導体発光装置の外部へ放出される。これにより、発光素子20の点灯中には、発光素子20の出力光(図5中のλLED、青紫色光)だけでなく、蛍光体からの光(図6では赤色光)も、半導体発光装置の外部へ放出される。よって、発光素子20の点灯の有無を検知できる。したがって、半導体発光装置からの青紫色光が人体に照射されることを防止できる。
また、発光素子20の側面と反射部材70の反射面70aとの間を埋めるように蛍光体層65を設けることにより、上記効果が得られる。よって、安全性に優れた小型の半導体発光装置を低コストで提供できる。
さらに、蛍光体層65の厚さ(又は蛍光体の量)を調整することにより、発光層32からの放射光のうち蛍光体によって波長変換されることなく半導体発光装置の外部へ放出される光(発光素子20の出力光、図5中のλLED、青紫色光)の強度を任意に調節できる。そのため、発光素子20の出力光の強度を半導体発光装置として必要な強度以上に維持できる。よって、蛍光体を設けたことに起因して半導体発光装置の光の取り出し効率が低下することを効果的に防止できる。
その上、反射部材70を設けることにより、発光素子20の出力光と蛍光体からの光とを半導体発光装置の上面から取り出すことができる(図5)。これにより、発光素子20の出力光の配光と蛍光体からの光の配光とを制御できる。また、指向性に優れた半導体発光装置を提供できる。
蛍光体層65の上面は、発光素子20の上面20aよりも下方に位置していれば良く、p型窒化物半導体層33の上面L0と面一でなくても良い。蛍光体層65の上面は、好ましくはp型窒化物半導体層33の上面L0よりも下方に位置し、より好ましくは発光層32の下面32bよりも下方に位置し、更に好ましくは基板21の上面LMよりも下方に位置し、最も好ましくは結合層61中のダイボンドペースト這い上がり部LLよりも下方に位置する。蛍光体層65の上面が基体1側に位置する方が、発光素子20の出力光の強度が高くなるので、半導体発光装置の光取り出し効率が高くなる。
なお、透明樹脂層40は、反射部材70の反射面70aよりも内側であって蛍光体層65の上に設けられていることが好ましい。
また、短波長の紫外光又は強度の強い青紫色光を発する発光素子を発光素子20として使用する場合には、ガラス系材料を用いて発光素子20及びワイヤー3A,3Bを封止しても良い。又は、ガラス系材料又は耐光性(耐紫外線性)に優れた樹脂材料で形成された平板状の蓋若しくはドーム状のレンズで発光素子20を覆い、発光素子20と平板状の蓋若しくはドーム状のレンズとの間にガラス系材料等の充填剤を設けなくても良い。
[第4の実施形態]
図7は、本発明の第4の実施形態に係る半導体発光装置の断面図である。図8は、本実施形態の半導体発光装置から放出された光のスペクトルを示すグラフである。図8では、紫外光発光素子(ピーク波長が350nm以上370nm以下)、緑色蛍光体(紫外光によって緑色光を発する蛍光体)及び赤色蛍光体(紫外光によって赤色光を発する蛍光体)の発光スペクトルを示している。以下では上記第3の実施形態とは異なる点を主に示す。
本実施形態では、上記第1の実施形態において上記第3の実施形態の反射部材70を適用している。つまり、蛍光体は、結合層60に設けられている。これにより、上記第1の実施形態に記載の効果が得られる。そのため、本実施形態の半導体発光装置から放出された光には、紫外光だけでなく、青紫色光よりも波長の長い可視光(蛍光体からの光、図8では緑色光と赤色光)が含まれる。それだけでなく、反射部材70が設けられているので、蛍光体からの光を半導体発光装置の上面から取り出すことができる。これにより、蛍光体からの光の配光を制御できる。
[第5の実施形態]
図9は、本発明の第5の実施形態に係る半導体発光装置の断面図である。図10は、本実施形態の半導体発光装置から放出された光のスペクトルを示すグラフである。なお、図10では、青紫色光発光素子(ピーク波長が390nm以上420nm以下)、緑色蛍光体(青紫色光によって緑色光を発する蛍光体)及び赤色蛍光体(青紫色光によって赤色光を発する蛍光体)の発光スペクトルを示している。以下では上記第3の実施形態とは異なる点を主に示す。
本実施形態では、基体1の上面1aには凹部7が形成されており、蛍光体層65は凹部7に設けられている。これにより、蛍光体は発光素子20の外部であって発光層32の下面32bよりも下方に設けられていることになるので、上記第1の実施形態に記載の効果が得られる。そのため、本実施形態の半導体発光装置から放出された光には、青紫色光だけでなく、青紫色光よりも波長の長い可視光(図10では緑色光と赤色光)が含まれる。
それだけでなく、本実施形態では、発光層32から凹部7へ進む光のみが蛍光体によって波長変換される。よって、蛍光体を設けたことに起因する半導体発光装置の光の取り出し効率の低下をより一層、防止できる。
凹部7は、発光層32の厚さ方向において、p側電極23(電極パッド)と同じ位置に形成されていることが好ましい。別の言い方をすると、凹部7は、基体1の上面1aのうちp側電極23の直下に形成されていることが好ましい。電極(例えばp側電極23)の直下に位置する発光層32の部分から発光層32の下面32bに対して垂直な方向(発光層32の厚さ方向)に放出される光は、その電極を透過しなければ半導体発光装置の外部へ取り出されないため、無効となり易い。しかし、本実施形態では、凹部7が、基体1の上面1aのうちp側電極23の直下に形成されている。そのため、無効となり易い光が、青紫色光よりも波長の長い可視光(図9中の可視光)に変換される。このようにして変換された光は散乱発光するので、発光素子20の点灯の有無を検知するための光として利用される。よって、発光層32からの放射光を有効利用できる。また、サイズ及び形状等を変更することなく青紫色光の点灯の有無を検知可能な半導体発光装置が得られる。
[第6の実施形態]
図11は、本発明の第6の実施形態に係る半導体発光装置の断面図である。以下では上記第3の実施形態とは異なる点を主に示す。
本実施形態では、発光素子20は、導電性の基板27を有し、発光素子20の上面20a側及び下面20b側に電極を有する構造(上下電極構造)を有する。このような発光素子20は次に示す方法にしたがって形成されることが好ましい。まず、例えばサファイア等の絶縁性基板上に積層部30等を形成してから、その絶縁性基板を除去する。次に、絶縁性基板が除去された面又は絶縁性基板が除去された面とは反対側の面に、基板27を固定する。このようにして発光素子20が得られる。
基板27と積層部30との間には、発光層32からの放射光を反射する反射層28が設けられていることが好ましい。反射層28は、発光層32の近傍であって発光層32の直下に設けられている。そのため、発光層32からの放射光は、発光素子20の側面からは殆ど放出されず、その大部分は、反射層28で反射されて発光素子20の上面20a側へ放出される(図11に示すλLED)。
反射層28の構成は特に限定されず、例えば、金属の単層、反射率の高い金属層と接着用金属層とオーミック金属層等との複数層の組合せ、又は、光学多層膜(導電性のない材料を反射層28の材料として使用する場合には、例えばパターンニング等による導通部分の形成が必要)等であれば良い。
蛍光体層65は、発光素子20を囲むように設けられており、基板27の側面全てを被覆している。本実施形態では、発光層32よりも下に反射層28が設けられているので、発光層32からの放射光の殆どは反射層28で反射されて発光素子20の上面20a側へ放出され、発光層32からの放射光の極一部が基体1へ向かって進むに過ぎない。そして、その極一部の光(本来ならば発光素子20の外部へ放出されない光)を蛍光体の励起光源として利用できる。よって、発光層32からの放射光を有効に利用でき、蛍光体を設けたことに起因する半導体発光装置の光の取り出し効率の低下を効果的に防止できる。その上、基板27の材料として発光層32からの放射光を吸収するような材料(例えばSi)を用いた場合に基板27の側面全てを蛍光体層65で被覆すれば、半導体発光装置からの紫外光又は青紫色光(人体へ悪影響を及ぼすおそれのある光)が人体に照射されることを効果的に防止できる。
なお、蛍光体層65は、発光素子20の側面と反射部材70の反射面70aとの間を埋めるように設けられていても良い(第3の実施形態)。この場合、蛍光体層65の上面は、p型窒化物半導体層33の上面と面一であることが好ましく、透明樹脂層40は、反射部材70の反射面70aよりも内側であって蛍光体層65の上に設けられていることが好ましい。
また、短波長の紫外光又は強度の強い青紫色光を発する発光素子を発光素子20として使用する場合には、ガラス系材料を用いて発光素子20及びワイヤー3A,3Bを封止しても良い。又は、ガラス系材料又は耐光性(耐紫外線性)に優れた樹脂材料で形成された平板状の蓋若しくはドーム状のレンズで発光素子20を覆い、発光素子20と平板状の蓋若しくはドーム状のレンズとの間にガラス系材料等の充填剤を設けなくても良い。
[第7の実施形態]
図12は、本発明の第7の実施形態に係る半導体発光装置の一例を示す平面図である。図13は、本実施形態に係る半導体発光装置の別の一例を示す断面図である。本実施形態の半導体発光装置では、2つ以上の発光素子20が1つの基体1に搭載されている。このように発光素子20が密集して配置されると、発光領域の面積が大きくなるので、発光領域が確保された半導体発光装置を提供できる。このような半導体発光装置に結合層60又は蛍光体層65を設ければ、発光領域を確保できるとともに上記第1の実施形態に記載の効果が得られる。
例えば図12に示す半導体発光装置では、基体1の上にリング状の樹脂ダム9が設けられており、複数の発光素子20と結合層60又は蛍光体層65とが樹脂ダム9内に設けられている。複数の発光素子20は、ワイヤー8を介して互いに電気的に接続されている。外部からの電力は、電極端子5A,5Bから、ワイヤー3A、3Bと、樹脂ダム9の下に位置する基体1の部分に設けられワイヤー3A、3Bに接続された配線(不図示)とを経由して、複数の発光素子20に供給される。なお、複数の発光素子20は、アレイ状に配置されていても良い。つまり、LEDアレイに対して結合層60又は蛍光体層65を適用しても良い。
図13に示す半導体発光装置では、n側電極24がワイヤー3Aを介することなく電極端子5Aに接続されており、p側電極23がワイヤー3Bを介することなく電極端子5Bに接続されている(フリップチップ接続)。発光素子20が密集して配置されている場合、発光素子20が基体1にフリップチップ接続されていれば、半導体発光装置の放熱性を高めることができ、また、基体1への発光素子20の実装が容易となる。図13に示す半導体発光装置では、結合層60又は蛍光体層65は、p側電極23及びn側電極24を囲むように基体1と発光素子20との間に設けられていることが好ましい。
[第8の実施形態]
図14は、本発明の第8の実施形態に係る半導体発光装置の断面図である。以下では、上記第4の実施形態とは異なる点を主に示す。
本実施形態では、蛍光体によって波長変換された光(図14中の可視光)をモニタリングする可視光用受光素子80が基体1に設けられている。受光素子80としては、例えばSi等の材料からなる素子を用いることが好適である。このような受光素子80を設けることにより、蛍光体によって波長変換された光の強度が微弱であっても、その光をモニタリングすることができる。よって、発光素子20の点灯の有無を検知する精度が高くなるので、半導体発光装置からの紫外光又は青紫色光(人体へ悪影響を及ぼすおそれのある光)が人体に照射されることを効果的に防止できる。
受光素子80と蛍光体との距離が短ければ短いほど、発光素子20の点灯の有無を検知する精度が高くなり、また、モニタリングを安価に実現できる。
以上説明したように、図1等に示す半導体発光装置は、基体1と、紫外光又は青紫色光を放射する発光層32を有し、基体1の上面1aに設けられた発光素子20とを備える。発光素子20の外部であって発光素子20の上面20aよりも下方には、発光層32からの放射光を放射光よりも長波長の可視光に変換する少なくとも1種の蛍光体が設けられている。これにより、安全性に優れた小型の半導体発光装置を低コストで提供できる。
蛍光体は、発光素子20の外部であって発光層32の下面32bよりも下方に設けられていることが好ましい。これにより、蛍光体を設けたことに起因する半導体発光装置の光の取り出し効率の低下を有効に防止できる。
半導体発光装置の一例では、発光素子20は、基体1の上面1aと発光素子20の下面20bとの間に設けられた結合層60によって基体1の上面1aに固定され、蛍光体は、結合層に設けられている。
発光素子20の上面20aには、電極パッド23が設けられていることが好ましい。蛍光体は、基体1の上面1aに形成された凹部7に設けられていることが好ましく、凹部7は、発光層32の厚さ方向において電極パッド23と同じ位置に形成されていることが好ましい。これにより、蛍光体を設けたことに起因する半導体発光装置の光の取り出し効率の低下をより一層、防止できる。また、サイズ及び形状等を変更することなく紫外光及び青紫色光の点灯の有無を検知可能な半導体発光装置が得られる。
蛍光体は、緑色蛍光体及び赤色蛍光体の少なくとも1つを含むことが好ましい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 基体、1a,20a 上面、3A,3B,8 ワイヤー、5A,5B 電極端子、7 凹部、9 樹脂ダム、20 発光素子、20b,32a,32b 下面、21,27 基板、22 透明導電膜、23 p側電極(電極パッド)、24 n側電極、25 SiO2層、28 反射層、30 積層部、31 n型窒化物半導体層、32 発光層、33 p型窒化物半導体層、40 透明樹脂層、60,61 結合層、65 蛍光体層、70 反射部材、70a 反射面、80 受光素子。

Claims (4)

  1. 基体と、
    紫外光又は青紫色光を放射する発光層を有し、前記基体の上面に設けられた発光素子とを備えた半導体発光装置であって、
    前記発光素子の外部であって前記発光素子の上面よりも下方には、前記発光層からの放射光を前記放射光よりも長波長の可視光に変換する少なくとも1種の蛍光体が設けられており、
    前記発光素子の前記上面には、電極パッドが設けられ、
    前記蛍光体は、前記基体の前記上面に形成された凹部に設けられ、
    前記凹部は、前記発光層の厚さ方向において前記電極パッドと同じ位置に形成されている、半導体発光装置。
  2. 前記蛍光体は、前記発光素子の外部であって前記発光層の下面よりも下方に設けられている請求項1に記載の半導体発光装置。
  3. 前記発光素子は、前記基体の前記上面と前記発光素子の下面との間に設けられた結合層によって、前記基体の前記上面に固定され、
    前記蛍光体は、前記結合層に設けられている請求項2に記載の半導体発光装置。
  4. 前記蛍光体は、緑色蛍光体及び赤色蛍光体の少なくとも1つを含む請求項1〜のいずれかに記載の半導体発光装置。
JP2014052049A 2014-03-14 2014-03-14 半導体発光装置 Expired - Fee Related JP6203089B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014052049A JP6203089B2 (ja) 2014-03-14 2014-03-14 半導体発光装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014052049A JP6203089B2 (ja) 2014-03-14 2014-03-14 半導体発光装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015176999A JP2015176999A (ja) 2015-10-05
JP6203089B2 true JP6203089B2 (ja) 2017-09-27

Family

ID=54255927

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014052049A Expired - Fee Related JP6203089B2 (ja) 2014-03-14 2014-03-14 半導体発光装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6203089B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018085463A (ja) * 2016-11-24 2018-05-31 スタンレー電気株式会社 半導体発光装置及び半導体発光ユニット
JP2023124381A (ja) * 2022-02-25 2023-09-06 ウシオ電機株式会社 紫外光照射装置

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3806301B2 (ja) * 2000-11-15 2006-08-09 日本ライツ株式会社 光源装置
JP2002232010A (ja) * 2001-02-07 2002-08-16 Sony Corp 表示装置およびその製造方法
JP2003243724A (ja) * 2002-02-14 2003-08-29 Matsushita Electric Works Ltd 発光装置
JP2003332620A (ja) * 2002-05-08 2003-11-21 Mitsubishi Cable Ind Ltd 発光装置、GaN系半導体発光素子、およびそれらを用いた照明装置
US20060012298A1 (en) * 2004-07-14 2006-01-19 Taiwan Oasis Technology Co., Ltd. LED chip capping construction
JP4920497B2 (ja) * 2007-05-29 2012-04-18 株式会社東芝 光半導体装置
JP2009267289A (ja) * 2008-04-30 2009-11-12 Citizen Electronics Co Ltd 発光装置
JP5047264B2 (ja) * 2009-12-22 2012-10-10 株式会社東芝 発光装置
JP2013042079A (ja) * 2011-08-19 2013-02-28 Sharp Corp 半導体発光装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015176999A (ja) 2015-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102380825B1 (ko) 반도체 발광다이오드 칩 및 이를 구비한 발광장치
US8922118B2 (en) Light-emitting device
JP5326837B2 (ja) 発光装置
JP5422721B2 (ja) 白色ledランプ、バックライトおよび照明装置
KR102393760B1 (ko) 발광 장치 및 그 제조 방법
TWI794311B (zh) 發光模組及整合式發光模組
US20100065861A1 (en) Light-emitting device
JP6866580B2 (ja) 発光装置及び光源
TW200807758A (en) Side-view surface mount white LED
WO2007088909A1 (ja) 発光装置および発光モジュール
JP5610036B2 (ja) 発光装置
EP2959211B1 (en) A solid state light emitter package, a light emission device, a flexible led strip and a luminaire
US10324242B2 (en) Optical component and light emitting device
JP6959502B2 (ja) 発光装置
KR20150095430A (ko) 발광다이오드 패키지 및 이를 이용한 발광소자
JP6665143B2 (ja) 発光装置の製造方法
US9812620B2 (en) Light emitting device and method of manufacturing the light emitting device
JP6225910B2 (ja) 発光装置
JP6835000B2 (ja) 発光装置及び光源
JP6203089B2 (ja) 半導体発光装置
JP2004186309A (ja) 金属パッケージを備えた半導体発光装置
JP6985615B2 (ja) 発光装置
JP5678462B2 (ja) 発光装置
JP2011159770A (ja) 白色半導体発光装置
JP5515693B2 (ja) 発光装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161003

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170530

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170531

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170725

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170808

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170829

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6203089

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees