以下、本発明の一実施の形態に係るゲーム装置(ゲーム制御装置の一例)、ゲームシステム(ゲーム制御装置の一例)及びプログラムについて、図面を参照しながら説明する。
〔ゲーム装置の構成〕
本発明の一実施の形態に係るゲーム制御装置としてのゲーム装置は、スマートフォン、携帯電話端末、PHS(Personal Handy-phone System)端末、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、タブレット型コンピュータ、ゲーム専用機(据置型または携帯型)、パーソナルコンピュータ、多機能型テレビジョン受像機(いわゆるスマートテレビ)等により構成することができる。本実施の形態では、ゲーム装置をスマートフォンとする例について以下に説明する。
スマートフォンは、携帯電話端末と携帯情報端末とを融合させた携帯端末であり、その記憶装置に、ゲームサーバからダウンロード等したゲームプログラムをインストールすれば、スマートフォンのCPU(Central Processing Unit)がゲームプログラムを実行することによって、ユーザが各種ゲームを遊戯することができる。
図1は、本発明の一実施の形態に係るゲーム装置10の外観の一例を示す平面図である。また、図2は、ゲーム装置10のハード構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、ゲーム装置10は、本体部12と、タッチパネル部13(表示部の一例)と、ボタン操作部14(ホームボタン14a、ボリュームボタン14b、スリープボタン14c)と、音声入力部15と、音声出力部16a・16bとを具備している。
タッチパネル部13は、本体部12の筐体の一面に設けられた接触入力式の画像表示部である。このタッチパネル部13は、液晶ディスプレイ等からなる表示部とタッチインターフェースを備えた位置入力部とを組み合せて構成され、操作者(ユーザ)の指やペンを指示体として画面に接触させることによって接触位置が検出されるので、直感的な入力操作が可能となっている。本実施の形態のタッチパネル部13は、投影型の静電容量方式のマルチタッチスクリーンとして構成されており、多点同時検出が可能となっている。なお、タッチパネル部13としては、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式または表面型の静電容量方式などのその他の方式を採用することもできる。
ボタン操作部14は、ホームボタン14a、ボリュームボタン14b及びスリープボタン14cなどからなり、タッチパネル部13での操作以外の基本操作をボタン操作により可能とする。ホームボタン14aは、例えば本体部12におけるタッチパネル部13の下方に設けられ、当該ボタンが押されるとタッチパネル部13にホーム画面が表示されるようになっている。ボリュームボタン14bは、例えば本体部12の側面に設けられており、当該ボタンの上部が押されると音量が増加し、その下部が押されると音量が減少するようになっている。スリープボタン14cは、例えば本体部12の上部に設けられ、当該ボタンが押されるとゲーム装置10がスリープ状態に遷移する一方、スリープ状態のときに当該ボタンが押されるとスリープ状態から復帰させることができるようになっている。
音声入力部15は、本体部12に内蔵されたマイクロフォンからなり、例えば本体部12の下面に設けられたマイク用開口から集音できるようになっている。この音声入力部15は、電話通信する場合や録音を行う場合などに用いられる。
音声出力部16aは、例えば本体部12におけるタッチパネル部13の上方に設けられ、電話通信時の受話スピーカとなる。また、音声出力部16bは、本体部12に内蔵されており、例えば本体部12の下面に設けられた出力口からゲーム実行時の効果音などを出力するようになっている。
なお、ゲーム装置10の本体部12には、ヘッドセットジャック、給電用またはパーソナルコンピュータとの接続用のコネクタ、内臓カメラ用のレンズ等も設けられているが、これらについては説明を省略する。
また、図2に示すように、ゲーム装置10は、主に、制御部17と、補助記憶装置18と、通信制御部19とを備えている。
制御部17は、CPU21と、主記憶装置としてのROM(Read Only Memory)22及びRAM(Random Access Memory)23と、画像処理部24と、タッチ入力検出部25と、サウンド処理部26とを備えており、これらはアドレスバス、データバス及びコントロールバス等を含むバスライン27を介して相互に接続されている。なお、バスライン27と各構成要素との間には必要に応じてインタフェース回路が介在しているが、ここではインタフェース回路の図示を省略している。
CPU21は、ゲームプログラムの命令を解釈して実行し、ゲーム装置10全体の制御を行う。ROM22は、ゲーム装置10の基本的な動作制御に必要なプログラムやデータ等を記憶している。RAM23は、各種プログラム及びデータを記憶し、CPU21に対する作業領域を確保する。
画像処理部24は、CPU21からの画像表示命令に基づいてタッチパネル部13を駆動し、当該タッチパネル部13の画面に画像を表示させる。また、画像処理部24はタッチ入力検出部25を備えている。このタッチ入力検出部25は、指やペン等の指示体がタッチパネル部13の画面に接触したとき、当該画面上の接触位置座標を検出して座標信号をCPU21へと供給する。これによって、タッチパネル部13の画面上の接触位置がCPU21に認識されるようになっている。また、画像処理部24は、タッチパネル部13の画面に表示されている所定の検出対象領域に指等が接触したとき、当該検出対象領域が選択されたことを示す選択信号をCPU21へと供給する。これによって、タッチパネル部13の画面上の検出対象領域が選択されたことが、CPU21に認識されるようになっている。
サウンド処理部26は、音声入力部15から音声が入力されたときにアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換するとともに、CPU21からの発音指示に基づいてアナログ音声信号を生成して音声出力部16a又は16bに出力する。
補助記憶装置18は、ゲームプログラムや各種データ等を格納する記憶装置である。補助記憶装置18としては、例えばハードディスクドライブやフラッシュメモリドライブ等を用いることができる。
通信制御部19は、通信インタフェース19aを備え、ゲーム実行時にデータ通信するための通信制御機能および携帯電話として音声データを送受信するための通信制御機能等を有している。ここで、データ通信用の通信制御機能には、例えば、無線LAN(Local Area Network)接続機能、無線LANや携帯電話回線網を介したインターネット接続機能、所定の周波数帯(例えば2.4GHzの周波数帯)を用いた近距離無線通信機能などが含まれる。通信制御部19は、CPU21からの命令に基づいてゲーム装置10を無線LANやインターネット等に接続するための接続信号を発信するとともに、通信相手側から送信されてきた情報を受信してCPU21へ供給する。
なお、ゲーム装置10には、その他にもCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等の撮像装置(カメラ)、GPS(Global Positioning System)信号受信回路、3軸加速度センサなどが備えられていてもよい。
上記構成のゲーム装置10において、補助記憶装置18に記憶されているゲームプログラムがRAM23へロードされ、ロードされたゲームプログラムがCPU21で実行されることにより、様々なゲームが実行可能である。また、ゲーム装置10を、無線LAN通信、インターネット通信、距離無線通信または有線通信などにより他のゲーム装置10と接続し、両者間で同期をとりながらデータのやり取りを行うことによって、対戦型のゲームを実行することも可能である。
〔ゲームの一例〕
本実施の形態のゲーム装置10が管理(制御)するゲームは、野球、サッカー、テニス、バレーボール等のスポーツシミュレーションゲーム、戦闘を題材とした戦闘ゲーム等、様々なゲームを挙げることができる。その一例として、ここでは、投手キャラクタが投球したボールを打者キャラクタが打撃する野球ゲームについて説明する。
本実施の形態の野球ゲームにおいて、打撃に関する操作を行うユーザは、移動体の移動コースの一例としての投球コースを、投手キャラクタが投球する前に予想することができる。図3は、ユーザが打撃に関する操作を行うためのゲーム画面G10の一例を示している。ゲーム画面G10は、主ゲーム画面領域G10aと、打撃操作領域G10bとを含んでいる。
主ゲーム画面領域G10aには、ユーザの操作対象である打者キャラクタC10、対戦相手の投手キャラクタC20等が表示される。対戦相手の投手キャラクタC20は、コンピュータ対戦モードではCPU21が自動制御し、通信対戦モードでは相手ユーザによって操作される。
また、主ゲーム画面領域G10aには、ホームベースHB、ストライクゾーンSZ、パワーゲージG12等が表示される。さらに、主ゲーム画面領域G10aには、ゲーム進行情報(現在のイニング、スコア、ボールカウント、ランナーの情報等)、現在打席に立っている打者キャラクタC10の情報(選手名、打順、能力パラメータ、打率、本塁打数等)、現在マウンドに上がっている投手キャラクタC20の情報(選手名、能力パラメータ、防御率、勝利数等)が表示されるようにしてもよい。
パワーゲージG12は、ボールを打撃したときの打撃力(打撃強度)の大きさを画面上で視覚化するものであり、移動体に対する作用力(例えば打撃力)の大きさを画面上で視認可に表示する作用力表示オブジェクトの一例である。パワーゲージG12の上端の位置が高いほど、ボールを打撃したときの打撃力が大きくなり、強い打球または飛距離が伸びることを示している。パワーゲージG12の上端は、打者キャラクタC10のパラメータ(例えば、長打力)等に応じて変動する。
また、パワーゲージG12は、打者キャラクタC10のパラメータに応じて変動するだけではなく、後述するように、予想領域の設定の有無に基づき変動する。さらに、パワーゲージG12は、移動体の移動コースに対する打者キャラクタC10の得意または不得意に関するパラメータ、打者キャラクタC10および投手キャラクタC20の両パラメータ、打者キャラクタC10および投手キャラクタC20の相性に関する情報などに基づき、変動するようにしてもよい。これらの詳細については後述する。
本実施の形態の野球ゲームでは、移動体の一例としてのボールを打撃できる作用領域を、ストライクゾーンSZとする。従って、基本的に、ストライクゾーンSZ内にきたボールであれば打撃可能(バットにボールを当てることが可能)であるが、ストライクゾーンSZの外側のボールゾーンでは打撃不可能(バットを振っても空振り)とする。
なお、バリエーションとして、後述するように、ストライクゾーンSZだけではなく、ストライクゾーンSZの周辺のボールゾーンの一部も、ボールを打撃できる作用領域としてもよい。
投手キャラクタC20が投球したボールが視認可能なように、ストライクゾーンSZは、例えば、半透明(または外枠以外は透明)である。
ユーザが投球コースを予想する場合、投手キャラクタC20がボールをリリース前(または、投手キャラクタC20が投球モーションを開始する前)に、次に例示する操作を行う。ユーザが投球コースを予想するか否かは任意事項であり、予想したい場合にのみ、次の操作を行えばよい。
図4に例示するように、ユーザは、ゲーム画面G10におけるストライクゾーンSZの任意の位置に、指示体の一例としての指F(またはペン等)を接触させる。すると、図5に例示するように、指Fによる指示位置P(接触位置)を中心として、ストライクゾーンSZ内には、ストライクゾーンSZよりも小さい予想領域G11が設定される。このような予想領域G11を設定する操作(ストライクゾーンSZ内の任意の位置を指Fでタッチする操作)が行われた場合に、ストライクゾーンSZの枠が収縮する演出表示が行われ、例えばストライクゾーンSZの相似形で、予想領域G11が設定される。ここで、ストライクゾーンSZの外枠については、ゲーム画面G10上に残しておく。これは、投手キャラクタC20によるボールのリリース後に、ユーザが自身の投球コースの予想の適否を判断したり、実際の投球コースがストライクとなったのか、ボールとなったのかを確認できるようにしたりするためである。なお、図5中の3つの矢印は、ストライクゾーンSZの外枠が収縮する演出表示を説明するためのものであり、実際のゲーム画面G10には表示されない。
上記のようにして指Fの指示位置Pを中心に予想領域G11が設定された後、ユーザの指Fが予想領域G11に接触している限りにおいて、ユーザは、次に例示する操作を行うことにより、ストライクゾーンSZの任意の場所に、予想領域G11を移動させることができる。すなわち、図6に例示するように、ユーザが指Fをタッチパネル部13に接触させた状態で移動(スライド)させる、いわゆるドラッグ操作を行う。これにより、指Fの指示位置P(接触位置)の移動に連動して、ストライクゾーンSZ内で予想領域G11が移動する。図6では、ストライクゾーンSZの外角低めに位置していた予想領域G11が、内角高めに移動する例を示している。従って、ユーザは、予想領域G11の設定後の位置変更を、容易に行うことができる。上記の通り、予想領域G11の移動範囲はストライクゾーンSZ内に限定され、移動の結果、予想領域G11の外辺がストライクゾーンSZの外辺に接すると、それ以上、ストライクゾーンSZの外辺を超える方向には移動できない。なお、図6中の3つの矢印は、指Fをスライドさせたことにより指示位置Pが移動し、それに連動して予想領域G11も移動したことを説明するためのものであり、実際のゲーム画面G10には表示されない。
図5に例示する予想領域G11の設定後、または図6に例示する予想領域G11の移動後に、指Fがタッチパネル部13から離接(タッチオフ)することによって、ストライクゾーンSZ内の予想領域G11の位置が確定する。図7は、図6のゲーム画面G10において、ユーザが指Fをタッチパネル部13から離接したことによって、予想領域G11の位置がストライクゾーンSZの内角高めに確定した画面例を示している。なお、後述するように、ユーザが指Fをタッチパネル部13に接触させることで、予想領域G11が設定された場合、当該予想領域G11の位置が、即、確定するようにしてもよい。すなわち、バリエーションとしては、1回のタッチ操作で、即、予想領域G11の位置が確定するようにしてもよい。
また、予想領域G11の位置の確定後、図8に例示するように、予想領域G11内の任意の位置に指F等を再度接触させると、予想領域G11の設定を解除することができる。これにより、投球コースを予想していない図3のゲーム画面G10の状態に戻る。なお、図8のゲーム画面G10において、予想領域G11を指Fでタッチすると、予想領域G11の外枠がストライクゾーンSZの外枠と重なるまで、予想領域G11が拡大する演出表示が行われる。そして、予想領域G11の外枠がストライクゾーンSZの外枠と重なったときに予想領域G11は消滅する。なお、図8中の3つの矢印は、予想領域G11が拡大する演出表示を説明するためのものであり、実際のゲーム画面G10には表示されない。
上記のような、予想領域G11の設定、移動、解除の各操作は、投手キャラクタC20がボールをリリースまで(または、投手キャラクタC20が投球モーションを開始するまで)に限定される。それまでであれば、予想領域G11の設定、移動、解除の各操作は任意のタイミングで行うことができ、例えば、予想領域G11の設定を解除した後に、再度、予想領域G11を設定してもよい。
ユーザが投球コースの予想をしなかった場合と、予想をした場合(すなわち、予想領域G11が設定された場合)との違いは、次のとおりである。
ユーザが投球コースの予想をして予想領域G11が設定された場合には、当該予想領域G11の内側のみが投球されたボールを打撃可能な領域となる。よって、予想領域G11の外側の領域では、例えストライクゾーンSZ内であっても打撃不可能(バットを振っても空振り)となる。従って、ユーザが投球コースの予想をしなかった場合には、ストライクゾーンSZ全体が打撃可能な領域であるが、ユーザが投球コースの予想をした場合には、打撃可能な領域がストライクゾーンSZよりも小さい予想領域G11に限定される。
なお、後述するように、ストライクゾーンSZにおける予想領域G11外の領域は、打撃はできるが予想が行われなかった場合よりも打撃力が低下する領域としてもよい。
その一方で、ユーザが投球コースの予想をして予想領域G11が設定された場合には、予想が行われなかった場合よりも打者キャラクタC10がバットを強振する。よって、予想領域G11におけるボールに対する打撃力は、予想が行われなかった場合よりも大きくなる。従って、ユーザが投球コースの予想をすることで、打撃可能な領域は予想領域G11に限定され、予想をしない場合の打撃可能な領域(ストライクゾーンSZ全体)よりも小さくなるというデメリットが生じるが、投球コースの予想をしない場合よりも打撃力が向上し、長打を狙うことが可能となるというメリットも生じる。ユーザは、投球コースの予想をした場合の前記メリットおよび前記デメリットを比較考量し、予想を行うか否かを判断することが要求される。
予想領域G11におけるボールに対する打撃力が、予想が行われなかった場合よりも大きくなることを、画面上でユーザが認識できるように、予想の有無によって、パワーゲージG12が変動する。例えば、図3に示す投球コースの予想が行われていないゲーム画面G10よりも、図5に示す予想領域G11が設定されたゲーム画面G10の方が、パワーゲージG12が上昇する。
また、ユーザによる投球コースの予想が行われていない場合(すなわち、ストライクゾーンSZ全体を打撃可能な領域とする場合)、図3のゲーム画面G10におけるストライクゾーンSZの全体は、例えば薄いオレンジ色(半透明)である。これに対し、ユーザによる予想が行われて予想領域G11が設定された場合、図5のゲーム画面G10における予想領域G11は、図3のストライクゾーンSZの色よりも濃くなる(濃度が高くなる)。この場合、ストライクゾーンSZにおける予想領域G11外の領域は、透明または図3のストライクゾーンSZの色よりも薄くなる。これは、予想領域G11におけるボールに対する打撃力が、予想が行われなかった場合よりも大きくなることを、作用領域の一例としてのストライクゾーンSZと、予想領域G11との濃度の違い(変化)で示すものである。この予想の有無による領域の濃度変化により、予想したことによる打撃力の向上を、ユーザは直観的に感じ取ることができるようになる。なお、バリエーションとして、上記の濃度変化に代えて、または濃度変化と併せて、色(色彩)を変化させてもよい。
投手キャラクタC20は自動で投球を開始する。すなわち、ゲーム装置10のCPU21が、AIプログラム(Artificial Intelligence Program)等に基づく自動制御で、投手キャラクタC20の投球動作を制御する。なお、ユーザ同士の対戦の場合は、相手ユーザの投球に関する操作に基づいて、投手キャラクタC20が投球を開始する。
ユーザは、投手キャラクタC20がボールをリリースした(移動体が移動を開始した)後に設けられた所定の基準タイミング(打撃可能タイミング)において、所定の打撃操作を行うことにより、ボールを打撃することができる。この打撃操作の一例について、以下に説明する。
図9は、投手キャラクタC20がボールオブジェクトBL(以下、単にボールBLと称する)を投球した直後のゲーム画面G10の一例を示す。投手キャラクタC20がボールBLをリリースした直後から、またはリリースから所定時間(例えば0.1秒)が経過した後から、図9に例示するように、ホームベースHBの上方領域(ストライクゾーンSZが存在する平面上)に、ボールBLが到達する予定位置を示す到達点オブジェクトG13が表示される。到達点オブジェクトG13は、着弾点等とも称される。到達点オブジェクトG13は、移動するボールBLの表示を遮ることがないように、半透明表示となっている。
上述のように、投手キャラクタC20がボールBLをリリースした直後から、またはリリースから所定時間が経過した後から、到達点オブジェクトG13が表示されるが、このタイミングでは、到達点オブジェクトG13は、必ずしもホームベースHB上方における最終的なボールBLの到達位置を示すものではない。すなわち、変化球が投球された場合、到達点オブジェクトG13は、ボールBLの軌道変化に伴って徐々に移動し、ボールBLがホームベースHB上方を通過するタイミングで、最終的な到達位置に達する。このとき、ボールBLと到達点オブジェクトG13とが重なる。なお、前述のように、到達点オブジェクトG13は半透明であるため、投球されたボールBLが到達点オブジェクトG13に重なったときに、ボールBL自体が見えなくなるということはない。
図10には、一例として、右投げの投手キャラクタC20がスライダー(または、左投げの投手キャラクタC20がシュート)を投球した場合のボールBLの移動に伴って、到達点オブジェクトG13が移動する状態を示している。なお、図10では、ボールBLおよび到達点オブジェクトG13の表示及び挙動を説明するため、ボールBL、到達点オブジェクトG13、ストライクゾーンSZおよび予想領域G11以外の画像は省略している。
ゲーム空間を移動するボールBLの位置は、ホームベースHB上方のストライクゾーンSZが存在する平面上に投影され、到達点オブジェクトG13として表示される。特に、変化球の場合、ボールBLの進行方向(z軸方向)に対して垂直な平面(xy平面)上において、水平方向(x軸方向)および/または垂直方向(y軸方向)にボールBLの座標位置が変化するので、このボールBLの位置変化が、到達点オブジェクトG13の位置変化として反映(投影)される。なお、直球の場合、ボールBLの移動に伴う到達点オブジェクトG13の位置変化はない、または重力により垂直方向に若干落ちる分の位置変化にとどまる。
従って、投手キャラクタC20からボールBLがリリースされた後において、ユーザは、ゲーム画面G10に表示される到達点オブジェクトG13の移動方向や移動速度に注意することで、ホームベースHB上方にボールBLが到達(通過)する位置を予測することができる。
ユーザは、最終的にボールBLが、到達点オブジェクトG13を含むホームベースHBの上方領域に到着したタイミング(すなわち、ボールBLと到達点オブジェクトG13とが重なるタイミング)を見計らって、打撃操作を行う。例えば、図9のゲーム画面G10の下部に設けられた打撃操作領域G10bを指F等でタップ(画面を叩くようにして、一瞬だけ画面に触れる操作)することにより、図11に例示するように、打者キャラクタC10がバットオブジェクトBT(以下、単にバットBTと称する)を振る。
前記の打撃操作(作用付与操作の一例)とは、打者キャラクタC10が打撃を行うタイミング(作用を付与するタイミングの一例)をユーザ自身が指定する操作である。打撃操作は、前述した画面の所定領域をタップする操作に限定されるものではなく、打者キャラクタC10が打撃を行うタイミングを指定できる操作であれば様々な操作が適用でき、例えば、物理的なボタンを押す操作等であってもよい。
このゲームにおいて、ボールBLにバットBTが当たる(打撃する)ためには、以下の(a)、(b)の条件が必要となる。
(a)ボールBLがホームベースHBの上方領域に到達した(すなわち、ボールBLと到達点オブジェクトG13とが重なった)タイミングにおいて、ボールBLまたは到達点オブジェクトG13が打撃可能な領域内に存在する。
すなわち、ユーザによる投球コースの予想が行われていない場合(予想領域G11が設定されていない場合)、ストライクゾーンSZ全体が打撃可能な領域となるので、前記のタイミングにおいて、ボールBLまたは到達点オブジェクトG13がストライクゾーンSZ内に存在することが、打撃条件の1つとなる。
また、ユーザによる投球コースの予想が行われている場合(予想領域G11が設定されている場合)、予想領域G11が打撃可能な領域となるので、前記のタイミングにおいて、ボールBLまたは到達点オブジェクトG13が予想領域G11内に存在することが、打撃条件の1つとなる。
なお、ストライクゾーンSZにおける予想領域G11外の領域は、打撃はできるが予想が行われなかった場合よりも打撃力が低下する領域としてもよい。この場合には、予想領域G11が設定されている場合でも、ストライクゾーンSZ全体が打撃可能な領域となるので、前記のタイミングにおいて、ボールBLまたは到達点オブジェクトG13がストライクゾーンSZ内に存在することが、打撃条件の1つとなる。
(b)打撃可能タイミング(基準タイミングの一例)において、ユーザが打撃操作を行う。ここで、打撃可能タイミングの一例としては、ボールBLと到達点オブジェクトG13とが重なるフレームおよびそれよりも前3フレームおよび後ろ3フレームの合計7フレームの期間を打撃可能タイミングとすることができる。ここで、1フレームの期間は、例えば1/60秒である。よって、打撃可能タイミングは、ボールBLと到達点オブジェクトG13とがちょうど重なる時点を期間の中間とする、7/60秒の期間とすることができる。これは一例であり、打撃可能タイミングを、例えば、ボールBLと到達点オブジェクトG13とが重なるフレームおよびその前後1フレームの合計3フレームの期間(3/60秒)としたり、その前後2フレームの合計5フレームの期間(5/60秒)としたりしてもよい。あるいは、ボールBLと到達点オブジェクトG13とが重なるフレームのみ(1/60秒)を、打撃可能タイミングとしてもよい。
上記(a)の条件に関し、ボールBLがホームベースHBの上方領域に到達したタイミングにおいて、打撃可能な領域(ストライクゾーンSZまたは予想領域G11)以外の領域にボールBLが存在する場合、ユーザが打撃操作を行っても、空振りとなる。また、上記(b)の条件に関し、現実の野球の打撃と同様、打撃操作のタイミングが、上記打撃可能タイミングから外れて、早過ぎたり遅すぎたりすると、空振りとなる。上記(a)および(b)の条件を満たした場合に、ボールBLにバットBTが当たり、ボールBLが打撃できる。
上記(a)および(b)の条件を満たした場合において、投球コースの予想の有無に応じて変化する打撃力、打撃操作のタイミング、打者キャラクタC10の能力パラメータ(長打力等)等に基づいて、打ち返されたボールBLの軌道が決定される。前述のように、投球コースの予想が行われている場合には、予想が行われていない場合よりも打撃力が向上し、長打(本塁打等)になり易い。また、打撃操作のタイミングが、打撃可能タイミングの中間付近ならばセンター方向の打撃、それよりも早ければ、所謂、引っ張る打撃、それよりも遅ければ、所謂、流し打ちの打撃となる。このように、打球の方向は、打撃操作のタイミングによって決定することができる。
本実施の形態のゲームでは、投手キャラクタC20の投球前に、ストライクゾーンSZの任意の位置を指Fでタッチするだけで、タッチした位置に予想領域G11を簡単に設定できる。また、タッチした指Fを画面から離さずにドラッグすれば、予想領域G11の位置を簡単に変更することもできる。また、指Fを画面から離せば、予想領域G11の位置を確定できる。また、位置を確定した予想領域G11に、再度、指Fをタッチすれば、簡単に予想領域G11の設定を解除できる。
また、ユーザは、投球コースの予想をしない場合、投手キャラクタC20の投球前に何もしなくてもよい。
投手キャラクタC20がボールBLを投球した後は、ボールBLが打撃可能な領域(ストライクゾーンSZまたは予想領域G11)に来るかどうかを見極めて、打撃可能タイミングに合わせて画面をタップするだけで、打撃ができる。
このように、本実施の形態のゲームでは、ユーザが指一本で、簡単に打撃に関する操作を行うことができるので、特に、簡易な操作性が要求されるスマートフォン等の携帯型のゲーム装置に最適である。
なお、上記では、接触操作可能な表示部の一例であるタッチパネル部13を具備するゲーム装置10におけるゲーム例を示したが、接触操作式ではない表示部にゲーム画面を表示するゲーム装置(据置型のゲーム専用機、パーソナルコンピュータ等)では、次のようなゲーム仕様とすればよい。すなわち、表示部の画面に、指示体の一例としてのカーソル等(ユーザがコントローラやマウス等で操作できる画面上の位置を示す指標)を表示する。そして、ユーザが画面に指を直接接触させて位置を指示する代わりに、ユーザがコントローラやマウス等を操作してカーソルを任意の位置に配した状態で、クリックする操作(クリックに相当するボタン操作等)を行うことにより、位置を指示する。また、予想領域G11をドラッグして移動させる操作は、マウス等によるドラッグ操作とする。また、打撃のタイミングを指定する打撃操作は、マウス等をクリックする操作や物理的なボタンを押す操作等とする。このように、接触操作ではなくコントローラ、マウス、ボタン等を用いた操作であっても、上記と同様のゲームを実現できる。
また、上記ゲームのバリエーションとして、照準カーソル(ミートカーソル、バットカーソル等とも称される)を画面に表示し、照準カーソルとボールBL(または到達点オブジェクトG13)とを重ね合わせる操作をユーザが行うようにしてもよい。この場合、上記した条件(a)および(b)に加えて、「ユーザが打撃操作を行ったタイミングで、照準カーソルとボールBL(または到達点オブジェクトG13)とが重なっている」という条件を満たさなければ、ボールBLを打撃できないものとすることができる。
〔ゲーム装置の基本的な機能的構成〕
図12は、ゲーム装置10の基本的な構成の一例を示す機能ブロック図である。本実施の形態に係るゲーム装置10は、入力管理手段110、実行手段120、出力管理手段130、キャラクタ管理手段140、ユーザ情報管理手段150、通信管理手段160等を備えている。これらの各手段は、ゲーム装置10のCPU21が本実施の形態に係るプログラムを実行することにより実現されるものである。
入力管理手段110は、タッチ入力検出部25等を介した操作に関する情報を、実行手段120に出力する。実行手段120は、操作に関する情報等に基づいて、各種演算やデータ処理を実行する。本野球ゲームでは、例えば、ユーザによる予想領域設定操作に基づいて、実行手段120が、予想領域G11の設定処理等を実行する。実行手段120によって実行された処理結果の情報は、記憶装置(RAM23、補助記憶装置18等)の所定の領域に記憶される。出力管理手段130は、画像処理部24およびサウンド処理部26を介した各種出力を制御する。例えば、出力管理手段130は、画像処理部24を制御して、図3ないし図9等に示すようにゲーム画面G10を表示させる。
キャラクタ管理手段140は、キャラクタデータベース(以下、キャラクタDBと称する)に基づいて、ゲーム内の全ての選手キャラクタを管理する機能を有する。キャラクタDBは、RAM23または補助記憶装置18に記憶されている。あるいは、キャラクタDBは、ゲームサーバに存在し、ゲーム装置10がゲームサーバにアクセスして必要な選手キャラクタの情報を、ゲームサーバを介してダウンロードするようにしてもよい。
野球ゲームおけるキャラクタDBには、各選手キャラクタを一意に識別する識別情報(選手ID)と対応付けて、選手名、ポジション(守備位置)、能力パラメータ等の情報が記憶される。図13に、キャラクタDBに登録されている野手キャラクタ(選手ID=001)1人分の情報を例示している。野手キャラクタの場合、選手IDと対応付けて、選手名、ポジション、能力パラメータ(巧打力、長打力、走力、守備力等)、投球コースに対する得意/不得意の情報、キャラクタの画像等が記憶される。能力パラメータは、各野手キャラクタに応じて異なった値が設定されている。投球コースに対する得意/不得意の情報については後述する。
本実施の形態では、能力パラメータは、8段階のランク「S」、「A」、「B」、「C」、「D」、「E」、「F」、「G」のうちの何れかのランクに設定される。Sランクが最も高く、Gランクが最も低い。ランクの横の数字(例えば、0〜100)はパラメータ値(能力値)であり、パラメータ値が大きいほど投手キャラクタの能力が高い。ランクとパラメータ値との関係は、例えば、「S(90〜100)」、「A(80〜89)」、「B(70〜79)」、「C(60〜69)」、「D(50〜59)」、「E(40〜49)」、「F(30〜39)」、「G(0〜29)」である。
また、図14に、キャラクタDBに登録されている投手キャラクタ(選手ID=501)1人分の情報を例示している。投手キャラクタの場合、選手IDと対応付けて、選手名、ポジション、球速、制球力、投球可能な球種、打者との相性、キャラクタの画像等の情報が記憶される。
球速は、投手キャラクタがストレートを投げた場合の最高球速である。制球力は、投手キャラクタのコントロールの良さの指標となるパラメータである。投球可能な球種は、いわゆる投手キャラクタの持ち球である。図14の例では、選手ID=501の投手キャラクタは、「ストレート」、「スライダー」、「カーブ」、「フォーク」の4種類の球種を持ち球としている。これらのパラメータは、各投手キャラクタに応じて異なった値が設定されている。なお、打者との相性の情報については後述する。
また、キャラクタDBには、投手キャラクタが投球可能な各球種と対応付けて、球種のパラメータが記憶されている。本実施の形態では、球種のパラメータとして、球威パラメータを例示する。球威パラメータは、投球されたボールの威力を示すパラメータである。なお、球種のパラメータも、各投手キャラクタに応じて異なった値が設定されている。これは投手毎に得意、不得意な球種が異なるためである。なお、球種のパラメータとしては、さらに、コントロールの良さを示す制球パラメータ、変化球の軌道変化の大きさを示す変化パラメータ等を適用してもよい。
ユーザ情報管理手段150は、ユーザのゲームに関する情報を記憶装置(RAM23、補助記憶装置18等)に記憶して管理する。ユーザ情報管理手段150が管理する項目は、ゲームの種類や内容によって異なる。例えば、ゲームサーバにアクセスしてオンラインモードで遊戯できるゲームの場合、ユーザ情報管理手段150は、各ユーザを一意に識別するユーザIDと対応付けて、ログインID、パスワード、ユーザ名等の情報を、記憶装置に記憶する。また、ユーザ情報管理手段150は、ユーザのゲームレベル、獲得したポイント、ユーザの仲間(フレンド)に関する情報、ゲーム中の情報、ゲーム後のセーブデータ等の各種情報も、記憶装置に記憶して管理する。
通信管理手段160は、通信制御部19を介して、ゲームサーバ、他のユーザのゲーム装置10等との間の情報通信を管理する機能を有する。
〔ゲーム装置の主要な機能的構成(第1の実施の形態)〕
本実施の形態のゲーム制御装置は、移動体の移動コースを予想できるゲームを制御する。ここで、「移動体」とは、例えば、ゲーム画面内またはゲーム空間内を移動するキャラクタ、アイテムまたはオブジェクトである。「移動体」の一例としては、スポーツシミュレーションゲームにおけるボールオブジェクトが挙げられる。移動体の他の例としては、アクションゲームにおける戦闘機やミサイル等のキャラクタまたはアイテムが挙げられる。その他にも、昆虫等を捕獲するゲームにおける移動する昆虫、鳥、魚、動物等のキャラクタ(モンスター等の架空のキャラクタであってもよい)を移動体として挙げることができる。
また、「移動コース」とは、例えば、移動体が移動する(進んで行く)進路、経路または場所である。「移動コース」の一例とは、野球ゲームの場合は投手が投げるボールの投球コース、サッカーゲームの場合はキッカーのシュートコース、テニスゲームではサーバのサーブコース等を挙げることができる。また、戦闘機やミサイルの飛行ルート、昆虫や鳥の進行経路等も移動コースに含めることができる。以下、主に、野球ゲームを例に挙げて説明し、必要に応じて野球ゲーム以外への適用例についても補足する。前述したように、野球ゲームでは、ゲーム内で打撃を行うユーザが、投球コースを予想することができる。
本実施の形態のゲーム制御装置の一例としてのゲーム装置10の主要な機能的構成を、図15の機能ブロック図等を参照して以下に説明する。
ゲーム装置10は、主に、作用領域設定手段121、予想領域設定手段122、作用制御手段123等を備えている。これらの各手段は、ゲーム装置10のCPU21が本実施の形態に係るプログラムを実行することにより実現されるものである。なお、作用領域設定手段121、予想領域設定手段122および作用制御手段123は、図12に示した実行手段120の有する機能の一部である。
作用領域設定手段121は、移動体に作用を与えることができる作用領域を表示部に設定する機能を有する。ここで、「作用」とは、例えば、移動体に力を及ぼす、または移動体との関係をもつことにより当該移動体に対して影響を与えることである。「作用」の一例としては、移動体を打撃する(打ち返す)、回転を加える、捕捉する、破壊する、変形させる等がある。また、「作用領域」とは、例えば、移動体に作用を与えることができる画面内の領域のことである。野球ゲームでは、移動体の一例としてのボールを打撃することができる領域が作用領域である。また、サッカーゲームのPK戦では、キーパーがボールを捕獲または弾くことができるゴール前の領域(例えば、サッカーゴールの開口と同じ大きさの領域)を作用領域とすることができる。また、テニスゲームでは、サーブをレシーブするキャラクタのラケットの届く範囲内の領域を作用領域とすることができる。その他のゲームでも、表示部が表示する画面内の任意の領域を作用領域とすることができる。
具体例を挙げると、野球ゲームでは、前述のゲーム例のように、図3等に示すストライクゾーンSZを作用領域とすることができる。すなわち、作用領域設定手段121は、ストライクゾーンSZを、ボールを打撃することができる作用領域として、表示部の一例としてのタッチパネル部13の画面に設定する。
なお、作用領域はストライクゾーンSZに限定されるものではない。例えば、図16に例示するように、ストライクゾーンSZおよびその周辺領域(ボールゾーン)を作用領域G14としてもよい。この場合、ストライクゾーンSZだけではなく、ボールゾーンの一部でも打撃可能となる。なお、この場合、作用領域G14内において、ストライクゾーンSZと、ボールゾーンとで、ボールが打撃された場合の打撃力を異ならせてもよい。すなわち、ストライクゾーンSZにおいてボールが打撃された場合の打撃力よりも、作用領域G14内のボールゾーンにおいてボールが打撃された場合の打撃力を小さくする。これにより、ボールゾーンの一部でも打撃可能となるが、ストライクゾーンSZに来たボールを打つよりも凡打になり易いという、現実世界の野球の打撃と類似の状態をゲーム内で実現できる。
ユーザにとって、画面上のどの部分が作用領域であるのかを明確化するために、作用領域は可視化されることが好ましい。
作用領域の画像情報およびゲーム空間内における作用領域の位置情報(グローバル座標の情報)は、記憶装置(RAM23、補助記憶装置18等)に記憶されている。記憶装置に記憶されている前記情報に基づいて、作用領域設定手段121は画面内(ゲーム空間内に)作用領域としてのストライクゾーンSZ(またはストライクゾーンSZを含む打撃可能な領域)を設定する。
予想領域設定手段122は、前記表示部における前記作用領域内の任意の位置が指示体により指示された場合に、当該指示体の指示位置を含む領域であって、前記作用領域よりも小さい予想領域を、前記作用領域内に設定する機能を有する。また、予想領域設定手段122による予想領域の設定は、移動体に対する作用の付与前に行われる。ここで「移動体に対する作用の付与前」とは、例えば、移動体に対して作用が付与可能になる前の期間のことをいう。ここで、作用が付与される直前までのすべての期間をその対象としてもよいし、作用が付与される前までの特定の期間や時間をその対象としてもよい。換言すれば、「移動体に対する作用の付与前」とは、予想領域を設定することができる予想可能期間である。例えば、移動体が移動を開始するまでの期間が、「移動体に対する作用の付与前」の一例に相当する。例えば、野球ゲームでは、投手キャラクタC20がボールをリリースするまでの期間が、「移動体に対する作用の付与前」の一例に相当する。また、例えばサッカーゲームのPK戦では、キッカーキャラクタがボールオブジェクトをキックするまでの期間が、「移動体に対する作用の付与前」の一例に相当する。また、テニスゲームでは、サーバーキャラクタがボールオブジェクトをサーブするまでの期間が、「移動体に対する作用の付与前」の一例に相当する。また、例えばミサイルや戦闘機を撃墜するゲームでは、ミサイル等が所定距離内まで近づくまでの期間が、「移動体に対する作用の付与前」の一例に相当する。
また、前記「指示体」とは、例えば、表示部の画面内の位置を指示する操作に用いられるものである。表示部をタッチパネル等の接触操作可能な構成とした場合、ユーザの指やペン等の物理的な物体が指示体の一例に相当する。この場合、表示部に指等の指示体を接触させることにより、作用領域内の位置を指示することができ、指示体の接触位置が指示位置に該当する。なお、前記の接触操作には、タッチパネル部13に対するタッチ操作の他、表示部の裏面に設けられた背面入力用の操作部(タッチパッド等)に対するタッチ操作(いわゆる背面タッチ操作)等も含まれる。すなわち、表示部の画面に対して直接的に指示体を接触させるのでなく、表示部と対応する操作部に対して指示体を接触させることにより、作用領域内の位置を指示することも可能である。また、接触操作式ではない表示部の場合には、画面に表示されるカーソル等であって、ユーザがコントローラやマウス等の操作部で操作できる、画面上の位置を示す指標が指示体の一例に相当する。この場合、表示部における作用領域内の任意の位置を、指示体が指示する一例としては、カーソルを作用領域内の任意の位置に配した状態でクリックする操作(クリックに相当するボタン操作等)が該当する。
例えば、野球ゲームでは、図4に例示するように、予想領域が設定されていない状態において、作用領域の一例としてのストライクゾーンSZ内の任意の位置が、指F等の指示体により指示された場合、指示体の指示位置の情報が、タッチ入力検出部25を介してゲーム装置10に入力される。この指示位置の情報(座標情報)は、RAM23に記憶される。これにより、図5に例示するように、予想領域設定手段122は、ストライクゾーンSZより小さい所定の大きさの予想領域G11を、ストライクゾーンSZ内に設定する。この場合、予想領域設定手段122は、指示体の指示位置Pを予想領域G11内に含むように、予想領域G11を設定する。例えば、予想領域設定手段122は、指示体の指示位置Pを中心として、予想領域G11をストライクゾーンSZ内に設定する。
予想領域の大きさは、作用領域よりも小さければよく、例えば、作用領域の面積の50%とすることができる。予想領域の大きさは、固定としてもよいが、後述するように、打者キャラクタ、投手キャラクタ等のパラメータに基づいて、変動するようにしてもよい。
作用制御手段123は、前記作用領域における前記予想領域の内側と外側とで、前記移動体に対する作用が異なるように制御する機能を有する。例えば、作用制御手段123は、前記予想領域における前記移動体に対する作用を、前記予想領域外よりも大きくなるように制御する機能を有する。本実施の形態の野球ゲームの例では、作用制御手段123は、予想領域G11内では通常時(予想していない場合)よりも打撃力が大きくなって強打になるが、作用領域内(例えば、ストライクゾーンSZ内)であっても予想領域G11外では打撃力をゼロとして打撃できない(または通常時よりも打撃力が低下して弱い打球しか打てない)ように制御し、予想の効果を生じさせる。
また、例えば、サッカーゲームでは、作用制御手段123は、予想領域内では通常時(予想していない場合)よりも強い力でボールをキャッチまたは弾くことができる(よって、ゴールを阻止できる確率が高くなる)が、予想領域外ではその力は通常時より低下する(よって、ゴールを許す確率が高くなる)ように制御し、予想の効果を生じさせる。
これらは一例であり、ゲームの種類や内容によって移動体に対する作用は様々であるが、作用制御手段123は、作用領域における予想領域の内側と外側とで作用が異なるように制御できればよい。作用制御手段123の詳細については後述する。
また、予想領域設定手段122は、前記予想領域の設定後に、前記指示体の前記指示位置の移動に伴って、前記作用領域内で前記予想領域を移動させる機能を有する。
例えば、接触操作可能な表示部の一例であるタッチパネル部13の場合、図5に例示するように、指Fがタッチパネル部13に接触してストライクゾーンSZ内に予想領域G11が設定された後に、図6に例示するように、ユーザが指Fをタッチパネル部13に接触した状態で移動させる。すなわち、指Fとタッチパネル部13との接触状態を保持したままで、指Fを移動(スライド)させる。これにより、指Fの指示位置(接触位置)が移動する情報がタッチ入力検出部25を介してゲーム装置10に入力される。例えば、所定のサンプリング時間(例えば、1/60秒)毎に、指Fがタッチパネル部13に接触している指示位置の座標がタッチ入力検出部25を介してゲーム装置10に入力される。この指示位置の情報は、最新の情報のみを順次RAM23に上書きしながら記憶してもよいし、サンプリング時間毎に取得した指示位置の情報を、時系列的に全てRAM23に記憶してもよい。予想領域設定手段122は、指Fの指示位置(接触位置)の移動に連動して、ストライクゾーンSZ内で予想領域G11を移動させる。すなわち、予想領域設定手段122は、基本的に、指示位置と予想領域G11との相対的な位置関係を保持するように、指示位置の移動に伴って、予想領域G11を移動させる。
従って、ユーザは、予想領域G11の設定後の位置変更を、容易に行うことができる。すなわち、従来では、予想領域を設定する操作中に予想領域の位置を変更したい場合、現在の予想領域の設定を一旦完了させ、その後、現在設定されている予想領域の設定を解除する操作を行った上で、再度、新たな位置に予想領域を設定し直す必要があり、手間を要する。これに対して、本実施の形態の構成では、指F等の指示体を表示部(タッチパネル部13等)に接触するだけ(指示体で作用領域内の位置を指示するだけ)で予想領域G11を設定でき、さらに、表示部に接触させた指示体を移動させるだけ(指示体による指示位置を移動させるだけ)で、予想領域G11の位置の変更を容易に行うことができる。これにより、移動体の移動コースを予想する予想領域G11の設定、変更を簡易な操作で行えるゲームを実現することができる。
また、本実施の形態の構成では、ユーザは、コース予想をしたい場合、取り敢えず作用領域のどこかを指示体で指示(作用領域内であればどの位置でもよい)すれば、作用領域内に予想領域が生成され、その予想領域を作用領域内で自在に動かすことができるので、ユーザは予想領域の配置を考えながら予想領域を設定できるという従来にはない新規な予想領域の設定方法を実現できる。
そして、本実施の形態の野球ゲームの場合、投手キャラクタC20の投球コースを予想する予想領域G11の設定、変更を簡易な操作で行える野球ゲームを実現することができる。
なお、接触操作をせずに、画面に表示されるカーソル等の指示体を用いてユーザが操作する場合には、次のとおりである。ここでは、図17に例示するように、手の形をしたカーソルKを用いた操作例を示す。なお、画面に表示されるカーソルKの形状は任意に定めることができ、例えば矢印等であってもよい。ユーザがカーソルKでストライクゾーンSZ内の任意の位置を指定(図示しないコントローラやマウス等の操作入力部をクリック等して位置を指定)すれば、接触操作の場合と同様に、ストライクゾーンSZ内に予想領域G11が設定される。続いて、ユーザが、いわゆるドラッグ操作により指示位置を移動させる。すなわち、マウス等をクリックした状態を保持したままで、画面上のカーソルKを移動させる。これにより、図18に例示するように、指示位置の移動(カーソルKの移動)に連動してストライクゾーンSZ内で予想領域G11が移動する。この場合も、接触操作の場合と同様に、移動体の移動コースを予想する予想領域の設定、変更を簡易な操作で行える。
また、前記予想領域設定手段122は、前記予想領域の設定後、または前記予想領域の移動後に、前記指示体による指示が解除されることによって、前記作用領域内の前記予想領域の位置を確定する機能を有する。
ここで、「指示体による指示の解除」とは、例えば、接触操作可能なタッチパネル部13等の表示部に対する操作の場合、指F等の指示体が表示部から離接(タッチオフ)することである。また、接触操作ではなく、画面に表示されるカーソル等の指示体を用いて操作する場合、「指示体による指示の解除」とは、例えば、コントローラやマウス等の操作入力部のクリックやドラッグ等の操作状態を解除することである。
本実施の形態の野球ゲームの例では、予想領域設定手段122は、前記予想領域G11の設定後(図5参照)、または前記予想領域G11の移動後に(図6参照)、前記指示体による指示が解除されることによって、前記作用領域の一例としてのストライクゾーンSZ内の前記予想領域G11の位置を確定する(図7参照)。
すなわち、図5に例示するように、ユーザが画面におけるストライクゾーンSZ内の任意の位置に指Fをタッチする接触操作を行ったことにより、ストライクゾーンSZ内に予想領域G11が最初に設定された後、ユーザが指Fを移動させずに画面から離せば、予想領域G11の位置は、最初に設定された位置に確定される。
あるいは、図6に例示するように、ストライクゾーンSZ内に予想領域G11が最初に設定された後、ユーザが指Fを画面に接触させたまま移動させるドラッグ操作を行うことによって、予想領域G11が移動された後、ユーザが指Fを画面から離せば、予想領域G11の位置は、移動後の位置(指Fが画面から離れたときの位置)に確定される。
なお、指示体が表示部から離接(タッチオフ)したことの判定は、次の例のようにして行うことができる。前述のとおり、ゲーム装置10は、所定のサンプリング時間(例えば、1/60秒)毎に、指示体がタッチパネル部13に接触している位置の情報を、タッチ入力検出部25を介して取得している。よって、ゲーム装置10は、指示体がタッチパネル部13に接触している状態を検出後、所定期間以上、タッチパネル部13に接触していない状態を検出した場合に、指F等の指示体が表示部から離接したと判定できる。
この構成によれば、ユーザは、指示体による指示を解除するまで、予想領域G11を作用領域内で移動させることができ、指示体による指示の解除により、作用領域内の予想領域G11の位置を、簡単且つ正確に、確定することができる。すなわち、ユーザは、作用領域内の任意の位置を指示体で指示して予想領域G11を設定した後、必要に応じて指示体の指示位置を移動させながら予想領域G11の位置を変更および微調整し、指示体による指示を解除することで予想領域の最終的な位置決めを簡単且つ正確にできる。
特に、接触操作可能なタッチパネル部13を備えた構成では、指Fをタッチパネル部13に接触するだけで予想領域G11を設定でき、さらに、タッチパネル部13に接触させた指Fを移動させるだけで、予想領域G11の位置の変更を容易に行うことができる。従って、ユーザは予想領域G11の設定のために、最初から慎重に位置を見極めて指Fをタッチパネル部13に接触する必要はなく、まずはストライクゾーンSZのどこかに指Fを接触するだけで、予想領域G11を生成でき(即ち、予想しようとする意図をゲーム上に反映することができ)、しかる後に、指Fを徐々に動かしながら、予想領域G11の位置を変更することができる。そして、所望の位置が決定すれば、単に指Fをタッチパネル部13から離すことで、当該位置を最終的な予想領域G11の位置として確定することができる。このような操作方法は、特にスマートフォンやタブレット型コンピュータ等の携帯型の接触操作式のゲーム装置に用いて有用である。この理由は以下の通りである。即ち、上記のような携帯型の接触操作式のゲーム装置において、ユーザがゲームを行う場合は、手でゲーム装置を把持したり、膝上にゲーム装置を置いた状態でプレイすることが多く、また、電車等の揺れる乗り物の中で使用されることもある。このような手ぶれ等が生じ易い使用状態や環境下では、予想領域G11を1回の操作で正確な位置に設定することは困難である。しかしながら、本構成によれば、予想領域G11の設定、変更を行う際に、ユーザは自分の指Fで、言わば、ゲーム装置の画面を軽く押さえるような状態で予想領域G11を移動させていくので、仮にゲーム装置にある程度の振動が生じていたり手ぶれが生じ易い環境下であったとしても、予想領域G11の移動方向や移動先の位置に関する大きなずれを起こしてしまう可能性を大幅に低減できる。しかも、最終的な予想領域G11の決定は、指Fをタッチパネル部13から離すことで行われるので、この決定の瞬間に位置ずれが生じることもない。これにより、移動体の移動コースを予想する予想領域G11の設定、変更を簡易な操作で、且つ正確に行えるゲームを実現することができる。
また、前記予想領域設定手段122は、予想領域の位置の確定後、前記指示体により前記予想領域内の位置が再度指示された場合に、前記予想領域の設定を解除する機能を有する。
ここで、「予想領域内の位置を再度指示する」とは、例えば、接触操作可能なタッチパネル部13等の表示部に対する操作の場合、指F等の指示体を、表示部における予想領域の任意の位置に接触させることである。また、接触操作ではなく、画面に表示されるカーソル等の指示体を用いて操作する場合「予想領域内の位置を再度指示する」とは、例えば、指示体が予想領域の任意の位置に存在する(予想領域と指示体とが重なっている)状態において、コントローラやマウス等の操作入力部でクリック等の所定の操作を行うことである。
本実施の形態の野球ゲームの例では、予想領域設定手段122は、予想領域G11の位置の確定後、図8に例示するように、指F等の指示体により予想領域G11への接触操作が再度行われた場合に、前記予想領域G11の設定を解除する。この予想領域G11の設定の解除によって、予想領域G11はゲーム画面G10から消去され、図3に例示する画面状態に戻る。
この構成によれば、予想領域の設定または移動後に、指示体による指示を解除することによって、作用領域内の予想領域の位置は確定するが、その後、指示体により予想領域内の位置を再度指示する(例えば予想領域のどこかを指でタッチまたはマウス等でクリックする)ことにより、簡単に予想領域の設定を解除することができる。
本実施の形態の接触操作可能なゲームの場合、予想領域G11の設定または移動後に、指F等の指示体を表示部から離接することによって、作用領域内の予想領域G11の位置は確定するが、その後、確定した予想領域G11に指示体を再度接触させることにより、簡単に予想領域G11の設定を解除することができる。
ところで、予想領域設定手段122が設定する予想領域の形状は、例えば、長方形、正方形、円形、三角形等、任意の形状に設定することが可能である。例えば、予想領域の形状や大きさは、予めプログラムに規定されており、予想領域の形状や大きさの情報が記憶装置(補助記憶装置18、RAM23等)に記憶されている。
好ましくは、予想領域設定手段122は、前記予想領域を、前記作用領域と相似形に設定する。本実施の形態の野球ゲームの例では、図5に示すように、予想領域設定手段122は、作用領域の一例としてのストライクゾーンSZ内の任意の位置に指F等の指示体が接触した場合に、ストライクゾーンSZの相似形で、予想領域G11を設定する。ここで、ストライクゾーンSZに指示体が接触した場合に、ストライクゾーンSZの枠が収縮する演出表示を介して、ストライクゾーンSZと相似形の予想領域G11がストライクゾーンSZ内に設定されるようにしてもよい。
この構成によれば、予想領域は、作用領域の形状を相似形で保ったまま作用領域よりも小さい面積に設定される。つまり、予想しない場合の作用領域と、予想した場合の予想領域とで、領域の面積は異なるが、同じ形状(相似形)を保持しているので、ユーザにとって、分かり易いゲーム仕様となる。
例えば、野球ゲームにおいて、予想が行われない場合は作用領域の一例としてのストライクゾーンSZのみが打撃可能な領域であり、ユーザによる予想が行われた場合は、予想領域G11のみが打撃可能な領域とする場合、予想の有無によって打撃可能な領域の面積は異なるが、打撃可能な領域は同じ形状(相似形)を保持しているので、打撃操作(例えば、ボールがストライクゾーンSZに到達するタイミングに合わせて行う操作等)が行い易い。
次に、予想領域設定手段122による予想領域の設定方法の一例について説明する。基本的に、予想領域設定手段122は、前記指示体の前記指示位置を前記予想領域の基準位置として前記予想領域を設定する。ここで、「予想領域の基準位置」とは、例えば、予想領域を設定する場合に基準となる予想領域の位置である。予想領域の中心(重心)が予想領域の基準位置の一例に相当する。
例えば、接触操作可能なタッチパネル部13等の表示部に対する操作の場合、図5に例示するように、作用領域の一例としてのストライクゾーンSZ内において指F等の指示体が最初に接触した指示位置Pを予想領域G11の基準位置として予想領域G11が設定される。図5の例では、ストライクゾーンSZ内に指Fが最初に接触した指示位置Pを予想領域G11の中心として、予想領域G11が設定される例を示している。
このように、予想領域G11の基準位置としては、予想領域G11の中心(重心)とすることが好ましい。これは、ユーザにとっては、指F等の指示体を画面に接触させた位置を中心として予想領域G11が設定されることにより、自分の意図した位置に予想領域G11を配置し易いからである。例えば、外角低めに予想領域G11を配置したい場合には、図5に例示するように、ストライクゾーンSZの外角低め付近を指Fでタッチすればよい。
但し、予想領域G11の基準位置は、予想領域G11の中心(重心)に限定されるものではない。例えば、予想領域G11が多角形の場合、多角形の何れかの頂点が予想領域の基準位置の一例に相当する。
また、接触操作式ではない表示部の場合には、図17に例示するように、作用領域の一例としてのストライクゾーンSZ内において、カーソルK等の指示体により最初に指示した指示位置P(例えば、最初にクリックした位置)を予想領域G11の基準位置(例えば中心)として予想領域G11が設定される。
但し、図19に例示するように、ユーザがストライクゾーンSZの端部付近を指F等の指示体で指示した場合には、仮にその指示位置Pを中心として予想領域G11´を設定しようとすれば、予想領域G11´がストライクゾーンSZから外れてしまうこともある。このように、指示位置を基準位置として予想領域を設定した場合に、予想領域が作用領域(ストライクゾーンSZ等)から外れることがある。
そこで、図21に示すように、予想領域設定手段122は、前記指示位置を前記基準位置として前記予想領域を設定した場合に、前記予想領域が前記作用領域から外れる場合に、前記作用領域内に収まるように前記予想領域の位置を補正する補正手段122aを備える。
例えば、図20に例示するように、指示位置Pを中心として設定した予想領域G11´がストライクゾーンSZから部分的に外れている場合、予想領域設定手段122は、予想領域G11´をストライクゾーンSZに向かって、水平方向(x軸方向)に距離Lx、垂直方向(y軸方向)に距離Lyだけ移動させる位置補正を行う。ここで距離Lxは、予想領域G11´がストライクゾーンSZから外れている水平方向(第1方向)の距離である。また、距離Lyは、予想領域G11´がストライクゾーンSZから外れている垂直方向(第1方向と直交する第2方向)の距離である。この位置補正により、ストライクゾーンSZから外れていた予想領域G11´の右端はストライクゾーンSZの右端と一致する位置まで移動し、予想領域G11´の下端は、ストライクゾーンSZの下端と一致する位置まで移動する。
これにより、上記の位置補正が行われた後の予想領域G11は、ストライクゾーンSZ内に丁度収まる。
以上のように、基本的に、作用領域内において、ユーザが指示体で指示した指示位置を予想領域の基準位置(例えば、中心)として予想領域が設定されるので、ユーザの意図した位置に予想領域を設定することができる。但し、指示位置を基準位置として予想領域を設定した場合に、予想領域が作用領域から外れる場合には、作用領域内に収まるように予想領域の位置が自動的に補正されるので、ユーザは予想領域が作用領域から外れてしまうことを気にすることなく、作用領域内の任意の位置を指示体で指示することができる。
本実施の形態の野球ゲームの場合、指F等による指示位置Pを基準位置として予想領域を設定した場合に、予想領域がストライクゾーンSZから外れる場合には、ストライクゾーンSZ内に収まるように予想領域の位置が自動的に補正される。よって、ユーザは予想領域G11がストライクゾーンSZから外れてしまうことを気にすることなく、ストライクゾーンSZ内の任意の位置を指F等の指示体で指示することができる。
次に、予想領域設定手段122による予想領域の設定方法の他の例について説明する。予想領域設定手段122は、前記作用領域内の各位置と前記予想領域の設定位置との関係を予め定めた関係情報INF101に基づいて、前記作用領域内の位置が前記指示体により指示された場合に前記予想領域を設定してもよい。
関係情報INF101は、例えば、作用領域内の各位置と予想領域の設定位置との1対1の関係を記憶装置(RAM23、補助記憶装置18等)に記憶したテーブル情報である。関係情報INF101の具体例としては、作用領域の一例としてのストライクゾーンSZ内の各座標の位置と、予想領域G11の中心(重心)の位置とを関係付けたテーブル情報である。予想領域G11の形は予め決められている(例えば、ストライクゾーンSZの類似形)ので、予想領域G11の中心の位置が決まれば、その位置を中心として予想領域G11を設定することができる。
なお、予想領域G11の設定位置の情報としては、予想領域G11の中心(重心)の位置の情報に限定されるものではない。例えば、予想領域G11が多角形の場合、多角形の何れかの頂点の位置の情報を、予想領域G11の設定位置の情報としてもよい。
このように、関係情報INF101に基づいて予想領域を設定する構成においても、前述と同様に、基本的に、指示体の指示位置を予想領域の基準位置(例えば、中心)として予想領域が設定されるようにすることが好ましい。そして、指示位置を基準位置として予想領域を設定すれば予想領域が作用領域から外れてしまう場合には、作用領域内に収まるような関係情報INF101(すなわち、前述の予想領域の位置補正後の情報を含むテーブル情報)に基づいて、作用領域が設定されるようにすることが好ましい。
この構成によれば、作用領域内の各位置と前記予想領域の設定位置との1対1の関係が、例えばテーブル情報として、予め定められているので、指示体により作用領域内のどの位置が指示されても、前述のような予想領域の位置を補正する処理を要することなく、迅速に作用領域内に予想領域を設定することができる。
本実施の形態の野球ゲームの場合、ストライクゾーンSZ内の各位置と予想領域の設定位置との関係が予め関係情報INF101として記憶されているので、ストライクゾーンSZ内の任意の位置が指F等の指示体で指示された場合、迅速にストライクゾーンSZ内に予想領域G11を設定することができる。
次に、作用制御手段123の制御例について説明する。作用制御手段123は、作用領域における予想領域の外側の領域を、移動体に作用を付与できない領域として制御する機能を有する。すなわち、作用制御手段123は、前記予想領域を前記移動体に対して作用可能な領域とする一方、前記作用領域における前記予想領域の外側の領域を、前記移動体に作用を付与できない領域として制御する。すなわち予想領域が設定された場合、予想領域のみを作用可能な領域とする。または、作用制御手段123は、前記作用領域における前記予想領域の外側の領域を、前記予想領域が設定されなかった場合の前記作用領域よりも前記移動体に対する作用力が低下する領域として制御してもよい。これらは、予想領域が設定された(ユーザが移動コースの予想をした)場合において、予想が外れた場合のデメリットを生じさせる制御である。このように、予想が外れた場合のペナルティを設定することで、ユーザに緊張感を持たせることができ、ゲーム性が高まる。その一方で、作用制御手段123は、前記予想領域における前記移動体に対する作用力を、前記予想領域が設定されなかった場合の前記作用領域における前記移動体に対する作用力よりも、大きくする。これは、予想領域が設定された(ユーザが移動コースの予想をした)場合において、予想が的中した場合のメリットを生じさせる制御である。
まず、作用制御手段123が、前記予想領域を前記移動体に対して作用可能な領域とする一方、前記作用領域における前記予想領域の外側の領域を、前記移動体に作用を付与できない領域として制御する一例について説明する。例えば、野球ゲームでは、作用制御手段123は、予想領域G11に来たボールBLは打撃可能とする一方(図11参照)、予想領域G11の外側の領域に来たボールBLは打撃できない(例えば、ユーザが打撃操作をしても空振りとなる)ようにする。ここで、「予想領域G11に来たボールBLを打撃可能」とは、例えば、打撃可能なタイミングで打撃操作を行うことが打撃条件の1つとなっている場合には、当該打撃条件を満たせばボールBLを打撃できるということである。また、「予想領域G11の外側の領域に来たボールBLは打撃できない」とは、例えば、打撃可能なタイミングで打撃操作を行っても、ボールBLを打撃できないということである。
なお、打撃可能なタイミングで打撃操作を行うことを打撃条件の1つとしないゲームも可能である。この場合、投手キャラクタC20からボールがリリースされた後に、ユーザが所定の打撃操作を行いさえすれば、打撃操作のタイミングに依らず、予想領域G11に来たボールBLは打撃されるものとすることができる。また、打撃操作をしても、予想領域G11の外側の領域に来たボールBLは打撃できないものとする。
また、サッカーゲームのPK戦を例に挙げると、作用制御手段123は、予想領域に来たボールは、キーパーキャラクタが捕獲または弾くことができる一方、予想領域の外側の領域に来たボールはキーパーキャラクタが捕獲または弾くことができないようにする。
次に、作用制御手段123が、前記作用領域における前記予想領域の外側の領域を、前記予想領域が設定されなかった場合の前記作用領域よりも前記移動体に対する作用力が低下する領域として制御する一例について説明する。例えば、野球ゲームでは、作用制御手段123は、ストライクゾーンSZにおける予想領域G11の外側の領域を、予想領域G11が設定されなかった場合のストライクゾーンSZよりも、打撃力が低下する(例えば、1/2に低下する)領域として制御する。従って、ユーザが投球コースの予想をして予想領域G11を設定したが、その予想が外れて予想領域G11の外側にボールBLが来た場合には、打撃できてもその打球は予想しない場合よりも弱くなり、凡打になり易くなる。
また、サッカーゲームのPK戦を例に挙げると、作用制御手段123は、作用領域内であれば予想領域の外側の領域に来たボールでも、キーパーキャラクタが捕獲または弾くことができるようにするが、予想領域が設定されなかった場合の作用領域よりもボールを捕獲または弾く力が低下する(例えば、1/2に低下する)ように制御する。
次に、作用制御手段123が、前記予想領域における前記移動体に対する作用力を、前記予想領域が設定されなかった場合の前記作用領域における前記移動体に対する作用力よりも、大きくする一例について説明する。ここで、「予想領域における移動体に対する作用力を、予想しなかった場合よりも大きくする」とは、例えば、例えば、移動体を打ち返す場合には、予想しなかった場合と較べて、より強い力で打ち返したり、より遠くへ打ち返すようにしたりすることである。また、移動体を捕獲する(サッカーゲームではゴールキーパーがボールをキャッチする等)の場合には、予想しなかった場合と較べて、より強い力で確実に捕獲できるようにすることである。また、移動体を打ち砕く(戦闘ゲームでミサイルを破壊する等)場合には、より強い力で確実に打ち砕くようにすることである。
例えば、野球ゲームでは、作用制御手段123は、予想領域G11における打撃力を、予想領域G11が設定されなかった場合のストライクゾーンSZにおける打撃力よりも向上させる(例えば1.5倍に向上させる)。従って、ユーザが投球コースの予想をして予想領域G11を設定し、その予想が的中して予想領域G11にボールBLが来た場合には、打撃できたときの打球は予想しない場合よりも強くなり(すなわち、打球の速度または飛距離が大きくなり)、ヒットや本塁打になり易くなる。
また、サッカーゲームのPK戦を例に挙げると、作用制御手段123は、予想領域においてはキーパーキャラクタがボールを捕獲または弾く力を、予想領域が設定されなかった場合の作用領域おける捕獲等の力よりも向上させる(例えば1.5倍に向上させる)。従って、ユーザがシュートコースの予想をして予想領域を設定し、その予想が的中して予想領域にシュートされたボールが来た場合には、予想しない場合よりもボールを捕獲等する力が強くなり、セーブし易くなる。
本構成により、ユーザが移動コースの予想をして予想領域を設定した場合には、その予想が外れた場合のデメリットと、その予想が的中した場合のメリットとが明確になる。ユーザは、移動コースの予想をした場合の前記メリットおよび前記デメリットを考慮して、予想を行うか否かを判断することが要求されることとなり、ゲーム性が高まる。
ここで、接触操作が可能なゲーム制御装置の好ましい構成を示す。ゲーム制御装置の一例としてのゲーム装置10は、表示部(例えば、タッチパネル部13)に対する接触操作により、移動体(例えばボールBL)の移動コース(例えば投球コース)を予想できるゲームを制御する。このゲーム装置10は、作用領域設定手段121と、予想領域設定手段122と、作用制御手段123とを備える。作用領域設定手段121は、前記移動体に作用を与えることができる作用領域(例えばストライクゾーンSZ)を表示部に設定する。予想領域設定手段122は、前記表示部における前記作用領域内の任意の位置に指示体(例えば指F)が接触した場合に、当該指示体の接触位置(指示位置)Pを含む領域であって、前記作用領域よりも小さい予想領域G11を、前記作用領域内に設定する。そして、予想領域設定手段122は、前記予想領域の設定後に、前記指示体が前記表示部に接触した状態で移動することによる前記接触位置Pの移動に伴って、前記作用領域内で前記予想領域G11を移動させる。また、予想領域設定手段122は、前記予想領域G11の設定後、または前記予想領域G11の移動後に、前記指示体が前記表示部から離接することによって、前記作用領域内の前記予想領域G11の位置を確定する。また、作用制御手段123は、前記作用領域における前記予想領域G11の内側と外側とで、前記移動体に対する作用が異なるように制御する。
この構成のゲーム制御装置は、移動体の移動コースを予想できるゲームを制御するものであり、野球ゲームに限らず、前述したサッカーゲーム、テニスゲーム、昆虫を捕獲するゲーム等の様々なゲームに適用できる。
この構成では、ユーザは、移動体の移動コースを予想して、作用領域内に予想領域G11を設定することができる。予想領域G11を設定すれば、作用領域における予想領域G11の内側と外側とで、移動体に対する作用が異なるように制御され、予想の効果が生じる。ユーザは、表示部における作用領域内に指F等の指示体を接触するだけで、予想領域G11を設定でき、その後、指示体を表示部に接触させたまま移動させることにより、作用領域内の予想領域G11の位置を容易に変更することができる。
従って、ユーザは予想領域G11の設定のために、最初から慎重に位置を見極めて指示体を表示部に接触する必要はなく、まずは表示部における作用領域のどこかに指示体を接触するだけで、予想領域G11を生成でき(即ち、予想しようとする意図をゲーム上に反映することができ)、しかる後に、指示体を徐々に動かしながら、予想領域G11の位置を変更することができる。そして、所望の位置が決定すれば、単に指示体を表示部から離すことで、当該位置を最終的な予想領域G11の位置として確定することができる。
このような操作方法は、前述のとおり、特にスマートフォンやタブレット型コンピュータ等の携帯型の接触操作式のゲーム装置に好適である。すなわち、携帯型の接触操作式のゲーム装置においては、ユーザがゲームを行う場合は、手でゲーム装置を把持したり、膝上にゲーム装置を置いた状態でプレイすることが多く、また、電車等の揺れる乗り物の中で使用されることもある。このような手ぶれ等が生じ易い使用状態や環境下では、予想領域G11を1回の操作で正確な位置に設定することは困難である。しかしながら、本構成によれば、予想領域G11の設定、変更を行う際に、ユーザは自分の指F等の指示体で画面を軽く押さえるような状態で予想領域G11を移動させていくので、仮にゲーム装置にある程度の振動が生じていたり手ぶれが生じ易い環境下であったとしても、予想領域G11の移動方向や移動先の位置に関する大きなずれを起こしてしまう可能性を大幅に低減できる。しかも、最終的な予想領域G11の決定は、指Fを表示部から離すことで行われるので、この決定の瞬間に位置ずれが生じることもない。これにより、移動体の移動コースを予想する予想領域G11の設定、変更を簡易な操作で、且つ正確に行えるゲームを実現することができる。
ここで、本実施の形態のゲーム制御装置を野球ゲームに適用した好ましい構成を示す。ゲーム制御装置の一例としてのゲーム装置10は、表示部(例えば、タッチパネル部13)に対する接触操作により、ボールの投球コースを予想できる野球ゲームを制御する。このゲーム装置10は、予想領域設定手段122と、作用制御手段123とを備える。図5に例示するように、予想領域設定手段122は、前記表示部におけるストライクゾーンSZ内の任意の位置に指示体(例えば、指F)が接触した場合に、当該指示体の接触位置(指示位置)Pを含む領域であって、前記ストライクゾーンSZよりも小さい予想領域G11を、前記ストライクゾーンSZ内に設定する。そして、図6に例示するように、予想領域設定手段122は、前記予想領域G11の設定後に、前記指示体が前記表示部に接触した状態で移動することによる前記接触位置Pの移動に伴って、前記ストライクゾーンSZ内で前記予想領域G11を移動させる。また、図7に例示するように、予想領域設定手段122は、前記予想領域G11の設定後、または前記予想領域G11の移動後に、前記指示体が前記表示部から離接することによって、前記ストライクゾーンSZ内の前記予想領域G11の位置を確定する。また、図8に例示するように、予想領域設定手段122は、前記予想領域G11の位置の確定後、前記表示部における前記予想領域G11への接触操作が行われた場合に、前記予想領域G11の設定を解除する。また、作用制御手段123は、前記ストライクゾーンSZにおける前記予想領域G11の内側と外側とで、前記ボールに対する作用が異なるように制御する。
この構成によれば、ユーザは、ボールの投球コースを予想して、ストライクゾーンSZ内に予想領域G11を設定することができる。予想領域G11を設定すれば、ストライクゾーンSZにおける予想領域G11の内側と外側とで、ボールに対する作用が異なるように制御され、予想の効果が生じる。ユーザは、表示部におけるストライクゾーンSZ内に指F等の指示体を接触するだけで、予想領域G11を設定でき、その後、指示体を表示部に接触させたまま移動させることにより、ストライクゾーンSZ内の予想領域G11の位置を変更することができる。また、指示体を表示部から離接すれば、ストライクゾーンSZ内の予想領域G11の位置が確定するが、再度、表示部における予想領域G11への接触操作が行われたならば、予想領域G11の設定が解除される。従って、本構成により、投球コースを予想する予想領域G11の設定、変更、解除を、簡易な接触操作で行える野球ゲームを実現することができる。
また、本実施の形態の構成では、ユーザは予想領域G11の設定のために、最初から慎重に位置を見極めて指示体を表示部に接触する必要はなく、まずは表示部におけるストライクゾーンSZのどこかに指示体を接触するだけで、予想領域G11を生成でき(即ち、予想しようとする意図をゲーム上に反映することができ)、その後、指示体を徐々に動かしながら、ストライクゾーンSZ内の予想領域G11の位置を変更することができる。そして、所望の位置が決定すれば、単に指示体を表示部から離すことで、前述のとおり、当該位置を最終的な予想領域G11の位置として、正確に確定することができる。このような操作方法は、特にスマートフォンやタブレット型コンピュータ等の携帯型の接触操作式のゲーム装置に好適である。本構成により、投球コースを予想する予想領域G11の設定、変更を簡易な操作で、且つ正確に行える野球ゲームを実現することができる。
〔ゲーム装置の動作例〕
次に、本実施の形態のゲーム装置10の動作の一例を以下に説明する。図23および図24は、投球コースを予想できる野球ゲームを制御するゲーム装置10の動作の一例を示すフローチャートである。ここでは、接触操作可能な表示部を具備するゲーム装置10の動作例を説明する。また、接触操作で使用する指示体を、ユーザの指Fとして説明する。
図23に示すように、ゲーム装置10のCPU21は、表示部に表示される画面に作用領域の一例としてのストライクゾーンSZを設定する(S100)。例えば、ゲーム装置10のCPU21は、図3に示すように、ストライクゾーンSZを作用領域とするゲーム画面G10を、表示部としてのタッチパネル部13に表示させる。ここで、ゲーム画面G10内のストライクゾーンSZは、ユーザに視認可能な状態で表示される。
投球コースを予想するか否かはユーザが任意に決めることができる。ユーザが投球コースを予想しない場合、投手キャラクタC20がボールをリリースするまで、ユーザは何も操作する必要がない。投手キャラクタC20の動作はAIプログラム等によりゲーム装置10のCPU21が自動制御しており、投手キャラクタC20は自動で投球を開始する。例えば、前記ステップS100の実行後、所定時間(例えば、10秒)が経過すれば、自動的に、投手キャラクタC20が投球動作を開始し、ボールをリリースする。
一方、ユーザが投球コースを予想する場合、投手キャラクタC20がボールをリリースするまでに、予想領域を設定する操作を行う。すなわち、図4に例示するように、ユーザは、ストライクゾーンSZ内の任意の位置を指Fで指示する(画面に指Fを接触させる)。ゲーム装置10のCPU21は、タッチ入力検出部25を介して、ストライクゾーンSZ内の位置が指示されたと判定した場合(S102でYES)、ストライクゾーンSZ内に、ストライクゾーンSZよりも小さい面積を有する予想領域G11を設定する(S104)。例えば、図5に例示するように、ゲーム装置10のCPU21は、指Fの指示位置Pを中心として、ストライクゾーンSZと相似形の予想領域G11を設定する。
この場合、ストライクゾーンSZが収縮する演出表示が行われるようにしてもよい。すなわち、ストライクゾーンSZが縮小する形で予想領域G11が生成されるようにしてよい。この場合、ストライクの判定基準となる領域としてのストライクゾーンSZが小さくなって、本来のストライクコースがボールと判定されるようになるわけではない。上記のストライクゾーンSZの収縮は、ストライクゾーンSZよりも小さく、且つ、ストライクゾーンSZと相似形の予想領域G11が設定されることを、画面上でユーザに認識させるための演出表示上のものである。つまり、ストライクゾーンSZの外枠(ストライクとボールの境界)は、予想領域G11の設定の前後で変化はなく、ストライクまたはボールの判定基準は元のままである。
予想領域G11の大きさは固定とし、ストライクゾーンSZの面積の例えば50%とすることができる。なお、後述のように、予想領域G11の大きさを変動させることも可能である。
また、ゲーム装置10のCPU21は、ストライクゾーンSZに最初に接触した指示位置Pの情報(座標情報)を、RAM23に記憶する。
その後、ゲーム装置10のCPU21は、タッチパネル部13に接触した指Fの指示位置Pが移動したか否かを判定する(S106)。指Fがタッチパネル部13に接触している指示位置Pの座標は、所定のサンプリング時間(例えば、1/60秒)毎に、タッチ入力検出部25を介してゲーム装置10に入力される。そして、ゲーム装置10のCPU21は、現在の指示位置Pの情報(指示位置Pの最新の座標情報)を、RAM23に記憶している。すなわち、ゲーム装置10のCPU21は、サンプリング時間毎に、タッチパネル部13への接触状態が継続されているか否か、および指示位置Pが移動しているか否か、をモニタしている。ゲーム装置10のCPU21は、指示位置Pが移動したと判定すると(S106でYES)、指示位置Pの移動に伴って、ストライクゾーンSZ内で予想領域G11を移動させる(S108)。これにより、図6に例示するように、指Fがタッチパネル部13に接触した状態(すなわち、予想領域G11に接触した状態)で移動することによる指示位置Pの移動に伴って、予想領域G11も移動する。
なお、タッチパネル部13に接触した指Fの接触位置(指示位置P)が移動しなければ(S106でNO)、前記ステップS106による予想領域G11の移動処理は実行されない。
前記ステップS104による予想領域G11の設定後、または前記ステップS108による予想領域G11の移動後に、指示体による指示が解除された場合、すなわち、図7に例示するように、指Fがタッチパネル部13から離接した場合(S110でYES)、ゲーム装置10のCPU21は、ストライクゾーンSZ内の予想領域G11の位置を確定する(S112)。そして、CPU21は、確定した予想領域G11の位置の情報を、記憶装置(RAM23等)に記憶する。
ところで、予想領域G11の移動可能範囲は、ストライクゾーンSZ内である。このため、指示位置Pの移動に伴って予想領域G11がストライクゾーンSZの端部まで移動した後、さらに指示位置PがストライクゾーンSZの外側方向へ移動した場合であっても、予想領域G11がストライクゾーンSZからはみ出すことはなく、予想領域G11はストライクゾーンSZの端部にとどまる。例えば、図25に示すように、タッチパネル部13に接触した状態の指Fを、ストライクゾーンSZの外側まで移動させた場合、指示位置Pは、ストライクゾーンSZ内にとどまっている予想領域G11から離れてしまう。このように、指示位置Pが予想領域G11から離れた状態になれば、その時点で指示体による指示が解除されたものとみなしてもよい。あるいは、一旦、指示位置Pが予想領域G11から離れた後、ユーザが指Fをタッチパネル部13から離すことなく、指Fを予想領域G11まで戻した場合(指示位置Pが予想領域G11内に戻った場合)には、指示体による指示が解除されていないものとしてもよい。
ゲーム装置10のCPU21は、前記ステップS112による予想領域G11の位置確定後に、予想領域G11内の位置が指示されたと判定した場合(S114でYES)、予想領域G11の設定を解除する(S116)。例えば、図8に示すように、予想領域G11を指Fでタッチすると、予想領域G11の外枠がストライクゾーンSZの外枠と重なるまで、予想領域G11が拡大する演出表示が行われる。そして、予想領域G11の外枠がストライクゾーンSZの外枠と重なったときに予想領域G11は消滅し、図3に例示するようにストライクゾーンSZ内に予想領域G11が存在しない状態に戻る。
前記ステップS116による予想領域G11の設定解除後は、前記ステップS102に戻り、投手キャラクタC20がボールをリリースするまで、再度、予想領域G11の設定をし直すことができる。
前述のように、例えば、前記ステップS100の実行後、所定時間(例えば、10秒)が経過すれば、自動的に、投手キャラクタC20が投球動作を開始し、ボールをリリースする。ユーザによる予想領域G11の設定、位置変更(移動)、解除の各操作は、投手キャラクタC20がボールをリリースするまでの間に制限される。その間であれば、予想領域G11の設定、位置変更(移動)、解除の各操作は、任意に行うことができる。
例えば、予想領域G11の位置変更(移動)の操作の途中で(すなわち、指Fによるドラッグ操作の途中で)、前記所定時間(例えば、10秒)が経過して、投手キャラクタC20が投球動作を自動的に開始し、ボールをリリースしてしまった場合、次のようにすることができる。すなわち、ゲーム装置10のCPU21は、ボールリリースのタイミングで、そのときの予想領域G11の位置を確定することができる。
バリエーションとしては、予想領域G11の位置変更(移動)の操作の途中で(すなわち、指Fによるドラッグ操作の途中で)、前記所定時間(例えば、10秒)が経過しても、ゲーム装置10のCPU21は、投手キャラクタC20が投球動作を開始しないように制御する。すなわち、予想領域G11の設定後、または予想領域G11の移動後に、指示体による指示が解除されることにより、予想領域G11の位置が確定されるが、当該確定前のユーザによる操作途中においては、移動体の移動開始を禁止し、ユーザによる操作完了までの時間を確保してもよい。この構成の場合、予想領域G11の位置が確定したときに、前記所定時間が経過していれば、直ちに、投手キャラクタC20が投球動作を開始し、ボールをリリースする。
予想領域G11が設定されることなく、投手キャラクタC20がボールをリリースした場合(S118でYES)、または予想領域G11が設定された後に投手キャラクタC20がボールをリリースした場合(S120でYES)、ゲーム装置10のCPU21は、ボールをストライクゾーンSZの方向に向かって移動させる(S122)。
また、ゲーム装置10のCPU21は、図9に例示するように、投手キャラクタC20がボールBLをリリースした直後から、またはリリースから所定時間(例えば0.1秒)が経過した後から、ホームベースHBの上方領域に、到達点オブジェクトG13を表示する(S124)。前述のように、到達点オブジェクトG13は、ボールBLが到達する予定位置を示すものであり、変化球が投球された場合、到達点オブジェクトG13は、ボールBLの軌道変化に伴って徐々に移動する(図10参照)。
ユーザは、ボールBLと到達点オブジェクトG13とが重なるタイミングを見計らって、打撃操作を行う。例えば、図11に示すように、ゲーム画面G10の下部に設けられた打撃操作領域G10bを指Fでタップする操作が打撃操作であり、この打撃操作により、打者キャラクタC10がBTを振る。もちろん、ユーザは、打撃操作をせずにボールBLを見送ることもできる。
打撃操作が行われた場合(S126でYES)、ゲーム装置10のCPU21は、打撃可能タイミングで打撃操作が行われたか否かを判定する(S128)。ここで、打撃可能タイミングの一例としては、ボールBLと到達点オブジェクトG13とが重なるフレームおよびその前後3フレームの合計7フレームの期間(7/60秒)である。打撃可能タイミングで打撃操作が行われたと判定された場合(S128でYES)、打撃条件の1つを満たしたことになり、ステップS130以降の処理に移行する。
ステップS130では、予想の有無(すなわち、予想領域G11が設定されているか否か)によって、その後の処理を分岐する。ここでは、ユーザが投球コースの予想をしなければ、ストライクゾーンSZ全体が打撃可能な領域となる一方、ユーザが投球コースの予想をして予想領域G11が設定された場合には、当該予想領域G11のみが打撃可能な領域となり、予想領域G11外では打撃できない例を示す。
予想領域G11が設定されている場合(S130でYES)、ゲーム装置10のCPU21は、ボールBLと到達点オブジェクトG13とが重なったタイミングにおいて、ボールBLが予想領域G11内に存在するか否かを判定する(S132)。ここで、ボールBLが予想領域G11内に存在する場合(S132でYES)、ゲーム装置10のCPU21は、強振により打撃できたと判定する(S134)。予想領域G11が設定されている場合においては、打者キャラクタC10が強振をし、予想領域G11が設定されていない場合よりも打撃力が向上する。よって、ゲーム装置10のCPU21は、打球の速度、飛距離等に影響を与える打撃力のパラメータを、予想領域G11が設定されていない場合よりも、例えば1.5倍に向上させる。従って、この場合の打球は、予想領域G11が設定されていない場合よりも強くなる(すなわち、打球の速度または飛距離が大きくなり)。その結果、予想領域G11が設定されていない場合よりも、ヒットや本塁打になり易くなる。
なお、打撃力を向上させるバリエーションとしては、打撃力のパラメータ自体は変えず、ゲーム装置10のCPU21が、打撃後の打球の飛距離を大きくする、ヒットになる確率を大きくする、長打になる確率を大きくする、あるいは守備側の捕球ミスの確率を大きくするように、作用の結果(打撃の結果)を制御してもよい。
一方、前記ステップS132において、ボールBLが予想領域G11外に存在する場合(S132でNO)、ゲーム装置10のCPU21は、空振りの判定をする(S136)。この場合、ゲーム装置10のCPU21は、空振りするように打者キャラクタC10の動作を制御する。
また、前記ステップS130において予想なし、すなわち、予想領域G11が設定されていない場合(S130でNO)、ゲーム装置10のCPU21は、ボールBLと到達点オブジェクトG13とが重なったタイミングにおいて、ボールBLがストライクゾーンSZ内に存在するか否かを判定する(S138)。ここで、ボールBLがストライクゾーンSZ内に存在する場合(S138でYES)、ゲーム装置10のCPU21は、通常のスイングで打撃できたと判定する(S140)。この場合、ゲーム装置10のCPU21は、打球の速度、飛距離等に影響を与える打撃力のパラメータを、打者キャラクタC10のパラメータ(例えば、長打力のパラメータ値)に基づいて設定する。一方、ボールBLがストライクゾーンSZ外に存在する場合(S138でNO)、ゲーム装置10のCPU21は、空振りの判定をする(S136)。
なお、前記S128において、打撃可能タイミングで打撃操作が行われなかったと判定された場合も(S128でNO)、ゲーム装置10のCPU21は、空振りの判定をする(S136)。
その後、ゲーム装置10のCPU21は、ステップS134またはS136で決定された打撃の結果を画面に表示する(S144)。
一方、ユーザが打撃操作をせずにボールを見送った場合(S142でYES)、ゲーム装置10のCPU21は、打者キャラクタC10がボールBLを見送ったことによる結果を画面に表示する(S144)。図11等の画面では、ボールカウントやアウトカウント等の表示を省略しているが、例えば、ボールBLがストライクゾーンSZを通過した場合には「ストライク」、ストライクゾーンSZを外れた場合には「ボール」とし、ボールカウントの表示を更新する。
なお、上記では、接触操作可能な表示部を具備するゲーム装置10の動作例を説明したが、接触操作に代えて、マウス等によるクリックやドラッグ操作を行うことにより、接触操作の場合と同様の動作が可能である。
〔第2の実施の形態〕
次に、予想領域の大きさを変動させるバリエーションについて説明する。本実施の形態のゲームは、ユーザが操作する第1キャラクタが前記移動体に対して作用を与えるゲームである。
ここで、「ユーザ」とは、例えば、ゲーム制御装置(例えば、ゲーム装置、端末装置)を操作する人であり、ゲームの遊戯者ともいえる。
また、「第1キャラクタ」とは、例えば、ユーザの操作対象のキャラクタであって、ゲーム内で移動体に対して作用を与えるキャラクタである。第1キャラクタの例としては、野球ゲームでは打者キャラクタ、サッカーゲームではゴールキーパーキャラクタ、テニスゲームでは相手が打ったボールを打ち返すレシーバーキャラクタ等が挙げられる。これらは一例であり、ゲームの種類や内容に応じた第1キャラクタを適用できる。
図26に例示するように、本実施の形態のゲーム制御装置の一例としてのゲーム装置10は、前述の作用領域設定手段121、予想領域設定手段122および作用制御手段123の他に、前記第1キャラクタに関する情報を記憶装置(例えば、RAM23、補助記憶装置18)に記憶する記憶制御手段124をさらに備えている。そして、本実施の形態の予想領域設定手段122は、前記第1キャラクタのパラメータに基づいて、前記予想領域の大きさを設定する。以下には、第1キャラクタを、野球ゲームにおける打者キャラクタとした例を示す。
野球ゲームにおいて、第1キャラクタに関する情報には、図13に例示する打者キャラクタ(野手キャラクタ)の各種パラメータの情報が含まれる。この打者キャラクタの各種パラメータの情報は、前述のキャラクタDB101に含まれており、記憶制御手段124は、記憶装置に記憶されているキャラクタDB101に対する情報の読み書きを制御する。
野球ゲームの場合、予想領域設定手段122は、打者キャラクタの能力パラメータに基づいて、予想領域の大きさを設定することができる。例えば、打者キャラクタの巧打力の能力パラメータのレベルまたは値が大きいほど予想領域の面積、外周等を大きくする。
具体例を次に示す。作用領域をストライクゾーンとし、ストライクゾーンの面積をS0とする。また、予想領域の面積をS1、打者キャラクタの巧打力のパラメータ値をV1とする。そして、予想領域の面積S1を、巧打力のパラメータ値V1に基づいて、ストライクゾーンの面積S0の50%〜75%の範囲で変動させる。また、巧打力のパラメータ値V1は、「0〜100」の範囲の何れかの値をとるものとする。この場合、例えば、下式(1)により、予想領域の面積S2を算出することができる。
S1={0.5+(0.75−0.5)×V1/100}×S0 ・・・(1)
例えば、巧打力のパラメータ値V1=80の場合、S1=0.700×S0となり、予想領域の面積S1は、ストライクゾーンの面積S0の70%の大きさとなる。また、巧打力のパラメータ値V1=50の場合、S1=0.625×S0となり、予想領域の面積S1は、ストライクゾーンの面積S0の62.5%の大きさとなる。また、巧打力のパラメータ値V1=10の場合、S1=0.525×S0となり、予想領域の面積S1は、ストライクゾーンの面積S0の52.5%の大きさとなる。
上式(1)は一例であり、その他の数式に基づいて予想領域の大きさを算出してもよい。上式(1)等の数式(関数)は、予め記憶装置に記憶されている。あるいは、打者キャラクタの能力パラメータの値と、予想領域の大きさとの対応関係を定めたテーブルを予め記憶装置に記憶しておき、当該テーブルに基づいて、予想領域の大きさを取得してもよい。
このように、打者キャラクタのパラメータのレベルまたは値が大きいほど予想領域を大きくする場合、打者キャラクタのパラメータに応じて予想領域の大きさが変動するが、予想領域に来たボールを打撃するときの打撃力(作用力の一例)は、予想領域の大きさによって変動しない。よって、打者キャラクタのパラメータのレベルまたは値が大きい方が、より広い範囲を打撃力が向上した予想領域でカバーできるので、有利である。
本構成のように、第1キャラクタのパラメータを予想領域の大きさとして反映させることにより、例えば、打席に立つ打者キャラクタのパラメータによって、予想領域の大きさが変動し、より興趣性の高いゲームを実現できる。
また、前記第1キャラクタのパラメータは、前記移動体の移動コースに対する得意または不得意に関するパラメータとすることもできる。この場合、予想領域設定手段122は、前記指示位置の移動に伴って前記予想領域を移動させた場合に、前記得意または不得意に関するパラメータに基づいて、前記作用領域内における前記予想領域の位置に応じて前記予想領域の大きさを変更する。
野球ゲームにおいて、第1キャラクタが打者キャラクタの場合、移動体の移動コースに対する得意または不得意に関するパラメータとは、打者キャラクタの得意コースまたは不得意コースのパラメータが該当する。例えば、図13に示すように、選手ID=001のキャラクタの場合、得意コースは「外角高め」であり、不得意コースは「内角低め」である。一例を挙げると、打者キャラクタにとって、得意でも不得意でもないコースにおける予想領域の大きさを「1」とした場合、得意コースにおける予想領域の大きさを「1.2」、不得意コースにおける予想領域の大きさを「0.8」とする。
図27は、予想領域G11の位置に応じて予想領域G11の大きさが変動する一例を示す説明図である。図27中の(A)は、ストライクゾーンSZに予想領域G11が設定される前の状態を示す。例えば、ストライクゾーンSZを、縦3×横3の9個のマス目に分割して、各マス目を分割領域SZ1〜SZ9とする。分割領域SZ1は「内角高め」、分割領域SZ3は「外角高め」、分割領域SZ7は「内角低め」、分割領域SZ9は「外角低め」に該当する。図13に例示する選手ID=001のキャラクタの場合、分割領域SZ3の「外角高め」が得意コースであり、分割領域SZ7の「内角低め」が不得意コースである。
図27中の(B)は、ストライクゾーンSZの「外角低め」の指示位置Pが指Fで指示されたことにより、「外角低め」に予想領域G11が設定された状態を示す。「外角低め」は、打者キャラクタにとって、得意でも不得意でもないので、デフォルトの大きさの予想領域G11が設定される。ここで、デフォルトの大きさとは、固定の大きさであってもよいし、前述のように打者キャラクタの巧打力のパラメータ値に基づいて決定される大きさであってもよい。
図27中の(C)は、指示位置Pが「外角低め」から「外角高め」に移動したことに伴って、予想領域G11も「外角高め」に移動した状態を示す。この「外角高め」は、打者キャラクタにとって得意コースであるため、予想領域設定手段122は、予想領域G11の大きさを、前記デフォルトの大きさよりも大きくする。
図27中の(D)は、指示位置Pが「外角高め」から「内角低め」に移動したことに伴って、予想領域G11も「内角低め」に移動した状態を示す。この「内角低め」は、打者キャラクタにとって不得意コースであるため、予想領域設定手段122は、予想領域G11の大きさを、前記デフォルトの大きさよりも小さくする。
このように、打者キャラクタの得意コースまたは不得意コースのパラメータに応じて、図27中の(B)、(C)、(D)に例示するように、予想領域G11の大きさは変動するが、予想領域G11に来たボールを打撃するときの打撃力(作用力の一例)は、予想領域G11の大きさによって変動しない。よって、打者キャラクタの得意コースに予想領域G11を配置する方が、より広い範囲を打撃力が向上した予想領域G11でカバーできるので、有利である。逆に、打者キャラクタの不得意コースに予想領域G11を配置すれば、予想領域G11が他のコースよりも狭くなってしまうので不利である。
但し、投手キャラクタは打者キャラクタの得意なコースを避け、不得意なコースを狙って投球することも多い。例えば、ユーザがゲーム装置10のCPU21と対戦するコンピュータ対戦(CPU対戦)の場合、投手キャラクタの動作は、ゲーム装置10のCPU21によって自動制御されており、打者キャラクタの得意コース、不得意コースのパラメータも参照して配球(投球コース等)を自動で組み立てる。また、打者側のユーザが投手側の他のユーザと対戦する場合には、他のユーザが打者キャラクタの不得意なコースを積極的に狙って投球することが考えられる。そこで、ユーザは、投手キャラクタの配球を予想しながら、敢えて、打者キャラクタの不得意なコースに予想領域G11を配置する等の戦略を考える必要がある。
本実施の形態の構成により、指示体の指示位置Pを移動させる(例えば、指示体が表示部の予想領域G11に接触した状態で、指示体を移動させる)と、作用領域(例えば、ストライクゾーンSZ)内における予想領域G11の位置の変化に応じて予想領域G11の大きさが変動し、より興趣性の高いゲームを実現できる。
なお、バリエーションとしては、打者キャラクタの得意コースまたは不得意コースのパラメータに応じて、予想領域G11の大きさを変動させるだけではなく、さらに予想領域G11における打撃力を変動させてもよい。例えば、得意コースでは、不得意コースよりも予想領域G11の面積が大きくなるだけではなく、さらに不得意コース(または得意でも不得意でもないコース)よりも打撃力を大きくしてもよい。一例を挙げると、得意でも不得意でもないコースの場合の打撃力を基準として、得意コースでは、前記基準よりも打撃力を大きくし(例えば基準の1.2倍とし)、不得意コースでは、前記基準よりも打撃力を小さくする(例えば基準の0.8倍とする)。このように、打者キャラクタの得意コースまたは不得意コースのパラメータに応じて打撃力が変動した場合には、パワーゲージG12のレベル(上端の位置)が変わる。すなわち、打撃力が大きいほど、パワーゲージG12のレベルも大きくなる(上端の位置が高くなる)。この場合、ユーザ操作による予想領域G11の移動に応じて、打者キャラクタの得意コースまたは不得意コースに対応して、パワーゲージG12の上端の位置も逐次、変動することから、ユーザは、予想領域G11をどの位置にすれば、どの程度の打撃力になるかについての情報も、直観的に明確に把握できる。これにより、ゲーム性がさらに向上する。
他のバリエーションとしては、得意コースでは、不得意コースよりも予想領域G11の面積が大きくなった分、不得意コースよりも打撃力を小さくして、バランスをとってもよい。
さらに、バリエーションとして、前記記憶制御手段124は、前記移動体を送出する第2キャラクタに関する情報を記憶装置(例えば、RAM23、補助記憶装置18)に記憶し、前記予想領域設定手段122は、前記第2キャラクタのパラメータに基づいて、前記予想領域の大きさを設定する構成とすることができる。
ここで、「第2キャラクタ」とは、例えば、第1キャラクタが作用を与える移動体を送出するキャラクタである。第2キャラクタの例としては、野球ゲームでは投手キャラクタ、サッカーゲームではPK戦でキックするキッカーキャラクタ、テニスゲームではサーバーキャラクタ等を挙げることができる。これらは一例であり、ゲームの種類や内容に応じた第2キャラクタを適用できる。
野球ゲームにおいて、第2キャラクタに関する情報には、図14に例示する投手キャラクタの各種パラメータの情報が含まれる。この投手キャラクタの各種パラメータの情報は、前述のキャラクタDB101に含まれており、記憶制御手段124は、記憶装置に記憶されているキャラクタDB101に対する情報の読み書きを制御する。
野球ゲームの場合、予想領域設定手段122は、投手キャラクタの能力パラメータに基づいて、予想領域の大きさを設定することができる。例えば、投手キャラクタの制球力の能力パラメータのレベルまたは値が大きいほど予想領域の面積、外周等を小さくする。
具体例を次に示す。作用領域をストライクゾーンとし、ストライクゾーンの面積をS0とする。また、予想領域の面積をS1、投手キャラクタの制球力のパラメータ値をV2とする。そして、予想領域の面積S1を制球力のパラメータ値V2に基づいて、ストライクゾーンの面積S0の50%〜75%の範囲で変動させる。また、制球力のパラメータ値V2は、「0〜100」の範囲の何れかの値をとるものとする。この場合、例えば、下式(2)により、予想領域の面積S2を算出することができる。
S1={0.5+(0.75−0.5)×(100−V2)/100}×S0 ・・・(2)
上式(2)は一例であり、その他の数式に基づいて予想領域の大きさを算出してもよい。上式(2)等の数式(関数)は、予め記憶装置に記憶されている。あるいは、投手キャラクタの能力パラメータの値と、予想領域の大きさとの対応関係を定めたテーブルを予め記憶装置に記憶しておき、当該テーブルに基づいて、予想領域の大きさを取得してもよい。
このように、投手キャラクタのパラメータのレベルまたは値が小さいほど予想領域を大きくする場合、投手キャラクタのパラメータに応じて予想領域の大きさが変動するが、予想領域に来たボールを打者キャラクタが打撃するときの打撃力(作用力の一例)は、予想領域の大きさによって変動しない。よって、打者キャラクタにとっては、対戦相手の投手キャラクタのパラメータのレベルまたは値が小さい方が、より広い範囲を打撃力が向上した予想領域でカバーできるので、有利である。
バリエーションとしては、投手キャラクタのパラメータに応じて、予想領域の大きさを変動させるだけではなく、さらに予想領域における打撃力を変動させてもよい。例えば、投手キャラクタのパラメータのレベルまたは値が小さいほど(すなわち、投手キャラクタの能力が低いほど)、予想領域を大きくするだけではなく、予想領域における打撃力も大きくする。また、予想領域が設定されていない場合も、投手キャラクタのパラメータのレベルまたは値が小さいほど、打者キャラクタの打撃力(ストライクゾーンSZ全体に対する打撃力)が向上するようにしてもよい。このように、投手キャラクタのパラメータに応じて打撃力が変動した場合には、打撃力が大きいほど、パワーゲージG12のレベルも大きくなる(上端の位置が高くなる)。
あるいは、予想領域設定手段122は、第1キャラクタおよび第2キャラクタの両パラメータに基づいて、前記予想領域の大きさを設定してもよい。前述のように第1キャラクタの一例としての打者キャラクタおよび第2キャラクタの一例としての投手キャラクタの各能力のパラメータ値は、「0〜100」の何れかの値をとり、同一の単位系で比較可能である。よって、打者キャラクタと投手キャラクタとの能力差に基づいて、前記予想領域の大きさを設定することが可能である。また、パラメータ値ではなく、パラメータのレベルを用いて、打者キャラクタおよび投手キャラクタのパラメータを比較することもできる。前述のように、打者(野手)キャラクタおよび投手キャラクタの各能力のパラメータは、8段階のランク(S、A〜G)で示されるので、同一の単位系で比較可能である。例えば、8段階のランク「S」、「A」、「B」、「C」、「D」、「E」、「F」、「G」を、それぞれ「8」、「7」、「6」、「5」、「4」、「3」、「2」、「1」の数値に換算し、打者キャラクタと投手キャラクタとのパラメータのレベル差を数値化して扱うこともできる。
例えば、予想領域設定手段122は、打者キャラクタの巧打力のパラメータ値V1および投手キャラクタの制球力のパラメータ値V2に基づいて、予想領域の面積S1を、ストライクゾーンの面積S0を40%〜80%の範囲で変動させる。例えば、下式(3)により、予想領域の面積S1を算出することができる。
S1={0.6+0.2×(V1−V2)/100}×S0 ・・・(3)
上式(3)は一例であり、その他の数式に基づいて予想領域の大きさを算出してもよい。上式(3)等の数式(関数)は、予め記憶装置に記憶されている。あるいは、打者キャラクタと投手キャラクタとの能力パラメータの差と、予想領域の大きさとの対応関係を定めたテーブルを予め記憶装置に記憶しておき、当該テーブルに基づいて、予想領域の大きさを取得してもよい。
本実施の形態の構成により、第1キャラクタだけではなく、第2キャラクタのパラメータも、予想領域の大きさとして反映させることにより、例えば、打席に立つ打者キャラクタとマウンドに立つ投手キャラクタとの能力の関係によって、予想領域の大きさが変動し、より興趣性の高いゲームを実現できる。
バリエーションとしては、第1キャラクタおよび第2キャラクタの両パラメータに応じて、予想領域の大きさを変動させるだけではなく、さらに予想領域における打撃力を変動させてもよい。例えば、打者キャラクタの能力パラメータが投手キャラクタの能力パラメータよりも大きい場合、両者の能力パラメータの差が大きいほど、予想領域を大きくするだけではなく、予想領域における打撃力も大きくする。また、この場合、予想領域が設定されていない場合でも、前記両者の能力パラメータの差が大きいほど、打者キャラクタの打撃力(ストライクゾーンSZ全体に対する打撃力)が向上するようにしてもよい。逆に、打者キャラクタの能力パラメータが投手キャラクタの能力パラメータよりも小さい場合、両者の能力パラメータの差が大きいほど、予想領域を小さくするだけではなく、予想領域における打撃力も小さくする。また、この場合、予想領域が設定されていない場合でも、前記両者の能力パラメータの差が大きいほど、打者キャラクタの打撃力(ストライクゾーンSZ全体に対する打撃力)が低下するようにしてもよい。このように、第1キャラクタおよび第2キャラクタの両パラメータに応じて打撃力が変動した場合には、打撃力が大きいほど、パワーゲージG12のレベルも大きくなる(上端の位置が高くなる)。
あるいは、予想領域設定手段122は、打者キャラクタ(第1キャラクタの一例)および投手キャラクタ(第2キャラクタの一例)の相性に関する情報に応じて、前記予想領域の大きさを設定してもよい。ここで、相性に関する情報とは、例えば、右打者は左投手に対して相性がよく、右投手に対しては相性が悪いというような情報であってもよいし、個々の投手キャラクタと打者キャラクタとの相性であってもよい。例えば、投手Aは、打者Bを得意にしているが、打者Cを苦手にしているという情報であってもよい。前記相性に関する情報は、RAM23等に記憶されている。
例えば、図13に示すように、打者キャラクタの選手IDと対応付けて、投手キャラクタとの相性の情報が記憶されている。図13の例では、選手ID=001の打者キャラクタにとって得意な投手の情報として、投手キャラクタの選手ID=515、568、…が記憶されている。また、苦手な投手の情報として、投手キャラクタの選手ID=527、542、…が記憶されている。なお、投手キャラクタの選手IDと対応付けて、打者キャラクタとの相性の情報を記憶するようにしてもよい。
例えば、予想領域設定手段122は、打者キャラクタにとって得意でも苦手でもない投手キャラクタとの対戦時には、予想領域の大きさをデフォルトに設定する(あるいは、打者キャラクタおよび投手キャラクタの少なくとも一方のパラメータに基づいて決定された予想領域の大きさをそのまま適用する)。また、予想領域設定手段122は、打者キャラクタにとって相性の良い得意投手との対戦時には、予想領域の大きさを前記デフォルトの場合よりも大きくする(あるいは、打者キャラクタおよび投手キャラクタの少なくとも一方のパラメータに基づいて決定された予想領域の面積よりも大きくする)。例えば、予想領域の大きさを前記デフォルトの場合の1.2倍とする。これは、投打の相性に関して打者キャラクタ有利の状況を、予想領域の面積を大きくすることでゲームに反映させたものである。また、予想領域設定手段122は、打者キャラクタにとって相性の悪い苦手投手との対戦時には、予想領域の大きさを前記デフォルトよりも小さくする(あるいは、打者キャラクタおよび投手キャラクタの少なくとも一方のパラメータに基づいて決定された予想領域の面積よりも小さくする)を小さくする。例えば、予想領域の大きさを前記デフォルトの場合の0.8倍に縮小する。これは、投打の相性に関して打者キャラクタ不利の状況を、予想領域の大きさを小さくすることでゲームに反映させたものである。
このように、打者キャラクタおよび投手キャラクタの相性に関する情報に応じて予想領域の大きさが変動するが、予想領域に来たボールを打撃するときの打撃力(作用力の一例)は、前記相性に応じた予想領域の大きさによっては変動しないようにすることができる。この場合、打者キャラクタにとって相性の良い投手と対戦する場合には、相性の悪い投手と対戦する場合と比較して、打撃力は変わらないのに予想領域が大きくなるので、有利である。
なお、バリエーションとしては、打者キャラクタおよび投手キャラクタの相性に関する情報に応じて予想領域の大きさを変動させるだけではなく、さらに予想領域における打撃力を変動させてもよい。例えば、打者キャラクタにとって相性の良い投手と対戦する場合には、相性の悪い投手(または相性が良くも悪くもない投手)と対戦する場合と比較して、予想領域の面積が大きくなるだけではなく、さらに相性の悪い投手と対戦する場合よりも打撃力を大きくしてもよい。一例を挙げると、打者キャラクタにとって相性が良くも悪くもない投手に対する打撃力を基準として、相性が良い投手に対しては、前記基準よりも打撃力を大きくし(例えば基準の1.2倍とし)、相性が良い投手に対しては、前記基準よりも打撃力を小さくする(例えば基準の0.8倍とする)。このように、打者キャラクタおよび投手キャラクタの相性に応じて打撃力が変動した場合には、打撃力が大きいほど、パワーゲージG12のレベルも大きくなる(上端の位置が高くなる)。
上記のように、打者キャラクタおよび投手キャラクタのパラメータの差や両者の相性に関する情報に応じて、予想領域の大きさの変動に加えて、パワーゲージG12のレベル(上端の位置)も変動させることにより、ユーザは、画面上のパワーゲージG12を見て、打撃に関する情報を直観的に明確に把握できるようになる。打席に立つ打者キャラクタが変われば、打者キャラクタおよび投手キャラクタのパラメータの差や両者の相性も変わり、それが打撃力の大きさの指標となるパワーゲージG12に反映される。ユーザは、このパワーゲージG12のレベルを参考にして、打席毎に、投球コースの予想をするか否か等の戦略を練ることができる。例えば、投手キャラクタの方が打者キャラクタよりパラメータ(能力)が大きく、または打者キャラクタにとって投手キャラクタとの相性が悪く、パワーゲージG12の上端が低い(すなわち、打撃力が小さい)とユーザが判断した場合には、投球コースの予想を行わず、通常のバッティングを行なう。逆に、打者キャラクタの方が投手キャラクタよりパラメータが大きく、または打者キャラクタにとって投手キャラクタとの相性が良く、パワーゲージG12の上端が高い(すなわち、打撃力が大きい)とユーザが判断した場合には、投球コースの予想を行うといった戦略をとることができる。
また、また、前述のように打者キャラクタの得意コースまたは不得意コースによって、予想領域の大きさや打撃力が変動するが、特に、打者キャラクタの方が投手キャラクタよりパラメータがかなり大きい場合、パワーゲージG12のレベルが大きく上昇するので、ユーザは、打者キャラクタの得意コースまたは不得意コースを問わず、予想領域を設定する戦略をとることができる。一方、パワーゲージG12のレベルの上昇がそれほどでもない場合、ユーザは、打者キャラクタの得意コースまたはその付近に予想領域を設定するといった戦略をとることができる。また、前述の実施の形態で説明した様々な構成の一部または全部を、本実施の形態のゲーム装置10にも適用することができる。
〔第3の実施の形態〕
次に、予想領域の大きさを複数段階設け、ユーザの操作に基づいて、予想領域の大きさを変動させるバリエーションについて説明する。
本実施の形態の予想領域設定手段122は、前記予想領域の設定後に、前記指示体による指示が解除された後、所定時間以内に、再度、前記指示体による指示操作が行われる毎に、前記予想領域の大きさを変更する。
例えば、接触操作可能なタッチパネル部13に対する操作の場合、指等の指示体がタッチパネル部13の作用領域(ストライクゾーンSZ等)に接触したことにより、予想領域が設定される。その後、指示体がタッチパネル部13から離接後、所定時間以内(例えば、0.3秒以内)に、再度、タッチパネル部13に接触する操作が行われる毎に、予想領域の大きさが変更される。これにより、ユーザによる連続的なタッチパネル部13へのタップ操作で、予想領域の大きさを、ユーザ自身が複数段階に変更できるようになる。
例えば、予想領域の大きさは、最大の第1レベル、第2レベル(例えば、第1レベルの面積の70%)、最小の第3レベル(例えば、第1レベルの面積の50%)と3段階に変動可能とする。
図28は、ユーザの操作に基づいて、予想領域G11の大きさが変動する一例を示す説明図である。図28中の(A)は、ストライクゾーンSZに予想領域G11が設定される前の状態を示す。図28中の(B)は、ストライクゾーンSZの「外角低め」が指示体により指定されたことにより、「外角低め」に第1レベルの大きさの予想領域G11−1が設定された状態を示す。
図28中の(C)は、前記(B)の状態において、指示体をタッチパネル部13から離接後、所定時間以内に再接触するタップ操作が1回行われたことにより、第2レベルの大きさの予想領域G11−2が設定された状態を示す。この場合、例えば、第1レベルの大きさの予想領域G11−1が収縮する演出表示が行われ、予想領域G11−1の相似形(ストライクゾーンSZの相似形でもある)の予想領域G11−2が設定されるようにしてもよい。その後、指示体をタッチパネル部13から離して、所定時間(例えば0.3秒)が経過すると、その位置で予想領域G11−2の設定が確定する。
また、前記タップ操作により、図28中の(B)から(C)に予想領域G11−2を収縮させた後、指示体をタッチパネル部13の予想領域G11−2に接触させたまま移動させると、前述のように、収縮後の予想領域G11−2をストライクゾーンSZ内の任意の位置に移動させることができる。この移動後、指示体をタッチパネル部13から離して、所定時間(例えば0.3秒)が経過すると、当該移動後の位置が予想領域G11−2の設定位置として確定する。また。上記のようにして予想領域G11−2をストライクゾーンSZ内の任意の位置に移動させた後、再度、前記タップ操作が行われた場合、第2レベルの大きさの予想領域G11−2は、第3レベルの大きさの予想領域G11−3へと収縮する。
図28中の(D)は、前記(C)の状態において、前記タップ操作がさらにもう1回行われたことにより、第3レベルの大きさの予想領域G11−3が設定された状態を示す。この場合、例えば、第2レベルの大きさの予想領域G11−2が収縮する演出表示が行われ、予想領域G11−2の相似形(ストライクゾーンSZの相似形でもある)の予想領域G11−3が設定されるようにしてもよい。その後、指示体をタッチパネル部13から離して、所定時間(例えば0.3秒)が経過すると、その位置で予想領域G11−3の設定が確定する。
また、前記タップ操作により、図28中の(C)から(D)に予想領域G11−3を収縮させた後、指示体をタッチパネル部13の予想領域G11−3に接触させたまま移動させると、前述のように、収縮後の予想領域G11−3をストライクゾーンSZ内の任意の位置に移動させることができる。そして、この移動後、指示体をタッチパネル部13から離して、所定時間(例えば0.3秒)が経過すると、当該移動後の位置が予想領域G11−3の設定位置として確定する。
また、図28中の(D)の状態において、前記タップ操作がさらにもう1回行われると、第3レベルの大きさの予想領域G11−3は、図28中の(B)に示す第1レベルの大きさの予想領域G11−1に戻るようにしてもよい。この場合、例えば、第3レベルの大きさの予想領域G11−3が拡大する演出表示が行われて、第1レベルの大きさの予想領域G11−1に遷移するようにしてもよい。
すなわち、指示体をタッチパネル部13から離接後、所定時間以内に再接触するタップ操作を繰り返すことにより、予想領域の大きさは、第1レベル→第2レベル→第3レベル→第1レベル→第2レベル…と循環して変動するようにすることができる。
また、前述のように、予想領域が第1レベル、第2レベル、第3レベルの何れかの大きさになった状態で、指示体をタッチパネル部13から離して、所定時間(例えば0.3秒)が経過すると、そのときの予想領域の大きさ及び位置で予想領域の設定が確定する。この確定後において、タッチパネル部13の予想領域内の位置に指示体が再度接触した場合、予想領域の設定が解除され、図28中の(A)の状態に戻る。
あるいは、第3レベルの大きさの予想領域G11−3が設定された図28中の(D)の状態において、前記タップ操作がさらにもう1回行われると、予想領域G11−3の設定が解除されて、図28中の(A)の状態に戻るようにしてもよい。すなわち、指示体をタッチパネル部13から離接後、所定時間以内に再接触するタップ操作を繰り返すことにより、予想領域の大きさは、第1レベル→第2レベル→第3レベル→(設定解除)→第1レベル→第2レベル…と循環して変動するようにすることもできる。
なお、接触操作ではなく、画面に表示されるカーソル等の指示体を用いて操作する場合、表示部へ指示体を接触することにより位置を指示する指示操作が、表示部におけるカーソル等の指示体が存在する位置でマウスをクリック等することにより位置を指示する指示操作に代わるだけである。この場合、例えば、クリックの解除後、所定時間以内(例えば、0.3秒以内)に、再度、クリックが行われる毎に、予想領域の大きさが変更されるようにすることができる。
そして、本実施の形態の作用制御手段123は、前記予想領域の大きさに応じて、前記移動体に対する作用が異なるように制御する。例えば、野球ゲームの場合、予想領域の大きさが小さくなるほど、打撃力がより大きくなるようにする。例えば、前述のように、予想領域の大きさが第1レベル(最大)、第2レベル(中)、第3レベル(最小)の3段階で変動する場合、この順に打撃力は大きくなる。
これにより、ユーザは、予想領域を大きめに設定すれば、比較的予想が的中し易い状態にできるし、予想領域を小さめに設定すれば、予想は的中し難くなるが、的中した場合により強力な打撃が可能となる状態にできる。このように、ユーザ自らの操作により、予想領域の大きさを変動可能とすることにより、より興趣性の高いゲームを実現できる。
ところで、図28に例示するように、予想領域の大きさが小さくなるほど、予想領域の色の濃度を変化させてもよい。例えば、予想領域の大きさが小さくなるほど、予想領域の色の濃度が高くなるようにする。これにより、予想領域の大きさが小さくなるほど、打撃力がより大きくなることを、予想領域の濃度変化により、ユーザは直観的に感じ取ることができるようになる。なお、バリエーションとして、上記の濃度変化に代えて、または濃度変化と併せて、色(色彩)を変化させてもよい。例えば、予想領域の大きさが小さくなるほど、寒色系から暖色系へと、予想領域の色を変化させる。
なお、予想領域設定手段122は、前述のように、予想領域の設定後(設定位置の確定後)、指示体により予想領域内の位置が再度指示されたと判断した場合に、予想領域の設定を解除する解除機能を有するものとしてもよい。ここで、予想領域設定手段122は、予想領域の設定後に、指示体による指示が解除された後、所定時間(例えば0.3秒)以内に、再度、指示体による指示操作が行われた場合、すなわち、指示の解除から再度指示が行われるまでの期間が所定時間以内という短期間である場合、予想領域を解除するための操作ではなく予想領域の大きさを変更するための操作が行われたと判断する。一方、予想領域設定手段122は、指示の解除から再度指示が行われるまでの期間が所定時間を超えている場合には、予想領域を解除するための操作が行われたと判断する。このように、予想領域設定手段122は、指示の解除から再度指示が行われるまでの期間に基づいて、予想領域の大きさを変更するための操作か、予想領域を解除するための操作かを識別し、ユーザが行った操作に応じた処理を適切に実行できる。
また、前述の各実施の形態で説明した様々な構成の一部または全部を、本実施の形態のゲーム装置10にも適用することができる。
〔第4の実施の形態〕
前述の各実施の形態では、指F等の指示体が表示部に接触して予想領域G11が設定された後に、ユーザが指示体を表示部に接触した状態で移動させることにより、指示体の指示位置P(接触位置)の移動に連動して、作用領域(例えばストライクゾーンSZ)内で予想領域G11が移動する構成について説明した。すなわち、前述の各実施の形態では、予想領域設定手段122は、予想領域G11の設定後に、指示体の指示位置Pの移動に伴って、作用領域内で予想領域G11を移動させる機能を有している。但し、これに限定されるものではなく、予想領域設定手段122は、指示体が表示部に接触することにより予想領域G11を設定した場合に、即、予想領域G11の位置を確定し、指示位置Pの移動に伴う予想領域G11の移動はできないようにしてもよい。すなわち、1回のタッチ操作で、即、予想領域G11の位置が確定するようにし、予想領域G11を移動させる機能を省略してもよい。本実施の形態では、これについて、以下に説明する。
本実施の形態のゲーム装置10の動作の一例を、図29のフローチャートに示す。この図29は、図23のフローチャートの変形例であり、図23と同様のステップには同一のステップ番号を付している。
図29に示すように、ゲーム装置10のCPU21は、打者キャラクタC10が打席に立った場合、投手キャラクタC20が投球を行う前に、画面に作用領域の一例としてのストライクゾーンSZを設定する(S100)。ユーザが投球コースを予想する場合、投手キャラクタC20がボールをリリースするまでに、予想領域を設定する操作を行う。すなわち、図4に例示するように、ユーザは、ストライクゾーンSZ内の任意の位置を指Fで指示する。ゲーム装置10のCPU21は、ストライクゾーンSZ内の位置が指示されたと判定した場合(S102でYES)、ストライクゾーンSZ内に、ストライクゾーンSZよりも小さい面積(例えば、ストライクゾーンSZの面積の50%〜70%)を有する予想領域G11を設定する(S104)。例えば、図5に例示するように、ゲーム装置10のCPU21は、指Fの指示位置Pを中心として、ストライクゾーンSZと相似形の予想領域G11を設定する。
本実施の形態では、CPU21は、上記のようにして予想領域G11が設定された時点で、予想領域G11の位置を確定し、確定した予想領域G11の位置の情報を、記憶装置(RAM23等)に記憶する。
このように、1回のタッチ操作で、即、予想領域G11の位置が確定し、その後、前述のようなドラッグ操作による予想領域G11の移動はできない。予想領域G11の設定後(確定後)、ユーザが予想領域G11の位置を変更したい場合、ユーザは、再度、画面における予想領域G11内の位置に指Fを接触させて、予想領域G11の設定を一旦解除する操作をし、その後、改めて予想領域G11を設定し直すことになる。
ゲーム装置10のCPU21は、前記ステップS104による予想領域G11の設置後、投手キャラクタC20がボールをリリースするまでに(S120でNO)、予想領域G11内の位置が、再度、指示されたと判定した場合(S114でYES)、予想領域G11の設定を解除する(S116)。なお、例えば、画面に指Fを接触させて予想領域G11が設定された後、指Fを画面から離さずに接触を維持し続けている状態では、CPU21は、予想領域G11内の位置が、再度、指示されたと判定しないようにすることが好ましい。この場合、予想領域G11内の位置が、再度、指示されたと判定されるには、画面に指Fを接触させて予想領域G11が設定された後、一旦、画面から指Fを離し、再度、予想領域G11内の位置に指Fを接触させることを要する。前記ステップS116による予想領域G11の設定解除後は、前記ステップS102に戻り、投手キャラクタC20がボールをリリースするまで、再度、予想領域G11の設定をし直すことができる。
例えば、CPU21は、前記ステップS100の実行後、所定時間(例えば、10秒)が経過すれば、自動的に、投手キャラクタC20の投球動作を開始させる。なお、ユーザ同士の通信対戦の場合、投手側のユーザが投球操作に基づいて、投手キャラクタC20の投球動作を開始させる。
ストライクゾーンSZの設定後、ストライクゾーンSZ内の位置が一度も指示されることなく(S102でNO)、投手キャラクタC20がボールをリリースした場合(S118でYES)、予想領域G11は設定されることなく、図24のステップS122に移行する。あるいは、一旦設定された予想領域G11の設定が解除され(S116)、その後、ストライクゾーンSZ内の位置が指示されることなく(S102でNO)、投手キャラクタC20がボールをリリースした場合も(S118でYES)、予想領域G11が設定されることなく、図24のステップS122に移行する。一方、予想領域G11の設定が行われ(S104)、その後、投手キャラクタC20がボールをリリースした場合(S120でYES)、予想領域G11が設定された状態で、図24のステップS122に移行する。ステップS122以降の処理は、上述のとおりである。
なお、ここでは接触操作の例を示したが、前述のとおり、接触操作ではなく、画面に表示されるカーソル等の指示体を用いて操作(例えばマウスによるクリック操作等)する構成であってもよい。
以上のとおり、予想領域設定手段122は、予想領域G11の設定後に、指示体の指示位置の移動に伴って、作用領域内で予想領域G11を移動させる機能を有していてもよいし、前記移動させる機能を省略してもよい。すなわち、前記移動させる機能の有無にかかわらず、移動体の移動コースを予想できるゲームを制御するゲーム制御装置の一例としてのゲーム装置10は、前記移動体に作用を与えることができる作用領域を表示部に設定する作用領域設定手段121と、前記表示部における前記作用領域内の任意の位置が指示体により指示された場合に、当該指示体の指示位置を含む領域であって、前記作用領域よりも小さい予想領域G11を、前記作用領域内に設定する予想領域設定手段122と、前記予想領域における前記移動体に対する作用を、前記予想領域外よりも大きくなるように制御する作用制御手段123と、を備える構成とすることができる。この構成により、指示体を表示部に接触する(またはマウスでクリック操作等を行う)だけで、予想領域を設定できる。すなわち、移動体の移動コースを予想する予想領域の設定を、簡易な操作で行えるゲームを実現できる。
また、予想領域設定手段122は、前記予想領域の設定後、前記指示体により前記予想領域内の位置が再度指示された場合に、前記予想領域の設定を解除する。これにより、簡単な操作により予想領域の設定を解除することができる。
また、前述の各実施の形態で説明した様々な構成の一部または全部を、本実施の形態のゲーム装置10にも適用することができる。
〔第5の実施の形態〕
前述の実施の形態では、主に、指F等の指示体による指示位置を中心として、ストライクゾーンSZ(作用領域の一例)内に、ストライクゾーンSZよりも小さい予想領域G11が設定される例について説明した。これに対して、本実施の形態では、ストライクゾーンSZが予め複数の区分領域に分割されており、ユーザが指FをストライクゾーンSZ内に接触させた場合、前記複数の区分領域のうち指Fの接触位置(指示体による指示位置)が存在する区分領域が、予想領域G11として設定される例について説明する。
例えば図30に示すように、画面上に設定されたストライクゾーンSZは、縦3列の3つの区分領域(インコースの第1区分領域DR1、アウトコースの第2区分領域DR2、中央の第3区分領域DR3)に分割されている。そして、例えば、図31に示すように、投手キャラクタC20がボールをリリースするまでの予想可能期間において、ユーザがストライクゾーンSZの右端(アウトコース)の一列の領域内のどこかに指Fでタッチした場合、指Fによる指示位置P(接触位置)が存在するアウトコースの第2区分領域DR2(右端の縦一列)が、予想領域G11として設定される。図中では、設定された予想領域G11をハッチングにより示している。ここで、指Fによる指示位置Pは、上述のように、その高低等に関係なく、第2区分領域DR2内のいずれかの位置に存在していれば、第2区分領域DR2の全体が予想領域G11として設定される。
同様に、例えば指Fによる指示位置Pが、インコースの第1区分領域DR1(左端の縦一列)に存在すれば、その高低等の位置に関係なく、当該第1区分領域DR1の全体が予想領域G11として設定されることになる。また、例えば指Fによる指示位置Pが、中央の第3区分領域DR3(中央の縦一列)に存在すれば、その高低等の位置に関係なく、当該第3区分領域DR3の全体が予想領域G11として設定されることになる。このように、本形態によれば、各区分領域内のいずれかの位置を指定するだけで、指定した区分領域全体を予想領域として設定できるので、設定操作が容易である。
図30および図31の例では、ストライクゾーンSZを縦3列に区分して、インコース、アウトコース、真ん中の何れかの投球コースを予想できる仕様であるがこれに限定されない。例えば、図32に示すように、ストライクゾーンSZが横3列の3つの区分領域(低めの第1区分領域DR1、高めの第2区分領域DR2、中央の第3区分領域DR3)に分割されており、指Fによる指示位置Pが存在する区分領域が、予想領域G11として設定される仕様、すなわち、高さ予想を行うことができる仕様としてもよい。あるいは、ストライクゾーンSZを12分割、16分割など、さらに細かい区分領域に分割し、より小さい範囲でコース予想を行うことができるようにしてもよい。
これを実現する本実施の形態の作用領域設定手段121は、複数の区分領域に区分された(換言すれば、複数の区分領域から構成される)作用領域を表示部(画面)に設定する。作用領域を複数の区分領域に区分した各区分領域の情報、例えばストライクゾーンSZを縦3列や横3列等に区分した各区分領域の位置情報は、予め記憶装置に記憶されている。また、本実施の形態の予想領域設定手段122は、表示部における作用領域内の任意の位置が指示体により指示された場合に、当該指示体の指示位置が、当該作用領域を構成する複数の区分領域の中の何れに存在するのかを判断し、前記指示位置が存在する前記区分領域を前記予想領域として設定する機能を有する。
あるいは、上記した区分領域を単位とした予想領域G11の設定は、前述の「予想領域設定手段122が、作用領域内の各位置と予想領域の設定位置との関係を予め定めた関係情報に基づいて、作用領域内の位置が指示体により指示された場合に予想領域を設定する構成」によっても実現できる。すなわち、作用領域を複数の区分領域に区分し、各区分領域内の位置と、当該位置が存在する区分領域とを予め関係付けた関係情報(例えば、テーブル情報)を記憶装置に記憶しておく。そして、予想領域設定手段122は、作用領域内の位置が指示体により指示された場合、前記関係情報に基づいて、指示体の指示位置に関係付けられている区分領域を取得し、取得した区分領域を予想領域G11として設定する。
本実施の形態の構成では、予め定められた区分領域を単位として予想領域が設定されるので、ユーザにとってはどの領域が予想領域になるのかが分かり易い上、予想領域を設定する場合には、各区分領域内のいずれかの位置を指定するだけで、指定した区分領域全体を予想領域として設定できるので、設定操作が容易であるという効果を奏する。
また、前述の各実施の形態で説明した様々な構成の一部または全部を、本実施の形態のゲーム装置10にも適用することができる。
〔ゲーム制御装置の他の構成例(第6の実施の形態)〕
前述の各実施の形態では、ゲーム制御装置を、ユーザが操作するゲーム装置10(スタンドアローンまたはサーバ等と通信するゲーム装置10)にて実現する例を示したが、これに限定されるものではなく、ゲーム制御装置を各ユーザの端末装置と通信を行うことができるサーバなどのコンピュータにより構成することができる。あるいは、ゲーム制御装置は、相互に通信する複数のコンピュータ(サーバ、端末装置等)により構成することもできる。
ゲーム制御装置をサーバとして構成する例について説明する。ゲーム制御装置としてのサーバが組み込まれたゲームシステムの構成例を、図33に示している。同図に示すように、ゲームシステム1は、インターネットなどのネットワークN上に設置されたサーバ30と、ネットワークNを介してサーバ30と通信可能に接続できる各ユーザの端末装置50(50−1、50−2、…50−n)とによって構成される。
このゲームシステム1の例において、サーバ30は、ゲームサービスを受ける各ユーザの端末装置50からのネットワークNを介したアクセスを受け付けて、各ユーザのゲーム情報を記憶装置に蓄積して管理し、各ユーザにネットワークNを介したゲームサービスを提供する。
サーバ30によるゲームサービスの提供の形態としては、ゲーム用のプログラム(アプリケーションソフトウェア)がサーバ30に実装されており、端末装置50でゲームを実行するのではなく、端末装置50でのゲーム操作入力に応じてサーバ30でゲームを実行し、その実行結果を各ユーザの端末装置50に送信する形態がある。例えば、各ユーザの端末装置50に搭載されたウェブブラウザによってゲームがプレイできる、いわゆるブラウザゲームをサーバ30が提供する。あるいは、サーバ30でゲームを実行した結果のゲーム映像を、例えばストリーミング形式で端末装置50に送信する、いわゆるクラウドゲーミングのサービスをサーバ30が提供する。
なお、端末装置50にゲームプログラムの一部をインストールし、端末装置50においても部分的にゲーム実行処理が行われるようにしてもよい。
サーバ30および端末装置50のハード構成は、CPU、ROM、RAM、補助記憶装置、通信インタフェース等を備えた、一般的なコンピュータの構成とすることができる。端末装置50としては、スマートフォン、携帯電話端末、PHS端末、PDA、PC、タブレット型コンピュータ、通信機能を有するゲーム装置(据置型または携帯型のゲーム装置)または双方向の通信機能を備えた多機能型テレビジョン受像機(いわゆるスマートテレビ)など、ネットワークN経由でサーバ30に接続してゲームサービスの提供を受けることができる様々な端末が適用できる。
前記のクラウドゲーミング等では、ユーザの端末装置50は、基本的に、操作入力機能と、ゲーム画面やサウンドの出力機能を有する入出力装置として動作し、実体的機能はサーバ30側にある。よって、例えば、図33に示すように、サーバ30が、前述の実施の形態で説明した、作用領域設定手段121、予想領域設定手段122、作用制御手段123等を備える構成とすることができる。なお、図33では、作用領域設定手段121、予想領域設定手段122、作用制御手段123のみを備えている例を示しているが、記憶制御手段124等をサーバ30の構成要素として含めてもよい。この構成でも、前述の各実施の形態と同様の作用効果を奏する。
また、サーバ30と端末装置50とは互いに通信して各種データの送受が可能であり、共にCPU、ROM、RAM、補助記憶装置、通信制御部等を備えた情報処理装置(コンピュータ)であって、同様のハード構成を有する。よって、サーバ30と端末装置50とを含むゲームシステム1において、上述の各実施の形態で説明したゲーム装置10が具備する各手段の全部または一部は、サーバまたは端末装置の何れか一方が備えていればよい。このシステム構成でも、前述の各実施の形態と同様の作用効果を奏する。すなわち、本実施の形態のゲームシステム1は、例えば、以下に示す構成とすることができる。
すなわち、ゲームシステム1は、サーバ30と、当該サーバ30との間で通信を行う端末装置50と、を含み、移動体の移動コースを予想できるゲームを制御する。このゲームシステム1は、前記移動体に作用を与えることができる作用領域を表示部に設定する作用領域設定手段121と、前記表示部における前記作用領域内の任意の位置が指示体により指示された場合に、当該指示体の指示位置を含む領域であって、前記作用領域よりも小さい予想領域を、前記作用領域内に設定する予想領域設定手段122と、前記作用領域における前記予想領域の内側と外側とで、前記移動体に対する作用が異なるように制御する(例えば、前記予想領域における前記移動体に対する作用を、前記予想領域外よりも大きくなるよう制御する)作用制御手段123と、の各手段を前記サーバ30又は前記端末装置50のいずれか一方が備える。また、前記予想領域設定手段122は、前記予想領域の設定後に、前記指示体により前記予想領域内の位置が再度指示された場合に、前記予想領域の設定を解除する構成としたり、前記予想領域の設定後に、前記指示体の前記指示位置の移動に伴って、前記作用領域内で前記予想領域を移動させたりしてもよい。
このゲームシステム1の構成により、前述のゲーム装置10と同様の作用効果を奏する。すなわち、移動体の移動コースを予想する予想領域の設定を簡易な操作で行えるゲームを実現することができる。あるいは、移動体の移動コースを予想する予想領域の設定および変更を簡易な操作で行えるゲームを実現することができる。
ところで、各種情報を記憶装置に記憶する記憶制御機能を有する構成に関し、記憶装置そのものについては当該構成に含まれないので、ゲーム装置10またはゲームシステム1の内外を問わず、どこに設置されていてもよい。例えば、記憶装置は、ゲーム装置10、サーバ30、端末装置50のRAMや補助記憶装置、あるいはゲーム装置10、サーバ30、端末装置50とは別構成のファイルサーバ(オンラインストレージ)等であってもよい。
また、前述の各実施の形態で説明した各構成は、適宜組み合わせて適用することができる。
また、本実施の形態に係るコンピュータ読み取り可能なプログラムは、ハードディスク、光ディスク(CD−ROM、DVD−ROM等)、フレキシブルディスク、半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録され、当該記録媒体から読み出されてゲーム制御装置またはゲームシステムを構成するコンピュータのCPUにより実行される。また、プログラムをコンピュータに提供する手段は、前述した記録媒体に限定されるものではなく、インターネット等の通信ネットワークを介して行うこともできる。
すなわち、本実施の形態のプログラムは、コンピュータを前述のゲーム制御装置(またはゲームシステム)として動作させるためのプログラムであって、前記コンピュータを前記ゲーム制御装置(またはゲームシステム)が備えている各手段として機能させるためのプログラムである。
本実施の形態のプログラムをコンピュータが実行することにより、前述のとおり、移動体の移動コースを予想する予想領域の設定、変更を簡易な操作で行えるゲームを実現することができる。また、前述の各実施の形態と同様の作用効果を奏する。
〔付記〕
以上の記載から、本発明は例えば以下のように把握される。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を便宜的に括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の態様に限定されるものではない。
1)本発明の一態様によるゲーム制御装置(1、10、30、50)は、移動体(例えばボールBL)の移動コース(例えば投球コース)を予想できるゲーム(例えば野球ゲーム)を制御するゲーム制御装置(1、10、30、50)であって、前記移動体に作用を与えることができる作用領域(例えばストライクゾーンSZ)を表示部(例えばタッチパネル部13)に設定(例えばS100の処理)する作用領域設定手段(121)と、前記表示部(13)における前記作用領域内の任意の位置が指示体(例えば指F)により指示(例えばS102のYESの処理)された場合に、当該指示体(F)の指示位置(P)を含む領域であって、前記作用領域よりも小さい予想領域(G11)を、前記作用領域(SZ)内に設定(例えばS104の処理)する予想領域設定手段(122)と、前記予想領域(G11)における前記移動体(BL)に対する作用を、前記予想領域(G11)外よりも大きくなるように制御(例えばS132、S134、S136の処理)する作用制御手段(123)と、を備える。
この構成のゲーム制御装置は、例えば、ゲーム装置としてのコンピュータ(スマートフォン、携帯電話端末、PHS、タブレット型コンピュータ、ゲーム専用機、パーソナルコンピュータ、多機能型テレビジョン受像機等)により構成することができる。あるいは、本ゲーム制御装置は、各ユーザの端末装置と通信を行うことができるサーバなどのコンピュータにより構成することができる。あるいは、本ゲーム制御装置は、相互に通信する複数のコンピュータ(サーバ、端末装置等)により構成することもできる。
本構成のゲーム制御装置は、移動体の移動コースを予想できるゲームを制御する。ここで、「移動体」とは、例えば、ゲーム画面内またはゲーム空間内を移動するキャラクタ、アイテムまたはオブジェクトである。「移動体」の一例としては、スポーツシミュレーションゲームにおけるボールが挙げられる。移動体の他の例としては、アクションゲームにおける戦闘機やミサイル等のキャラクタまたはアイテムが挙げられる。その他にも、昆虫等を捕獲するゲームにおける移動する昆虫、鳥、魚、動物等のキャラクタ(モンスター等の架空のキャラクタであってもよい)を移動体として挙げることができる。また、「移動コース」とは、例えば、移動体が移動する(進んで行く)進路、経路または場所である。「移動コース」の一例とは、野球ゲームの場合は投手が投げるボールの投球コース、サッカーゲームの場合はキッカーのシュートコース、テニスゲームではサーバのサーブコース等を挙げることができる。また、戦闘機やミサイルの飛行ルート、昆虫や鳥の進行経路等も移動コースに含めることができる。以下、主に野球ゲーム、サッカーゲーム、テニスゲームを例として説明する。野球ゲームでは、例えば、ゲーム内で打撃を行うユーザが、投球コースを予想することができる。また、サッカーゲームでは、例えば、PK戦のキーパーキャラクタを操作するユーザが、シュートコースを予想することができる。また、テニスゲームでは、例えば、サーブをレシーブするキャラクタを操作するユーザが、サーブコースを予想することができる。
作用領域設定手段は、移動体に作用を与えることができる作用領域を表示部に設定する。ここで、「作用」とは、例えば、移動体に力を及ぼす、または移動体との関係をもつことにより当該移動体に対して影響を与えることである。「作用」の一例としては、移動体を打撃する(打ち返す)、回転を加える、捕捉する、破壊する、変形させる等がある。また、「作用領域」とは、例えば、移動体に作用を与えることができる画面内の領域のことである。例えば野球ゲームでは、ストライクゾーンを含む打撃可能な領域あるいはストライクゾーンを、作用領域とすることができる。また、サッカーゲームのPK戦では、キーパーがボールを捕獲または弾くことができるゴール前の領域(例えば、サッカーゴールの開口と同じ大きさの領域)を作用領域とすることができる。また、テニスゲームでは、サーブをレシーブするキャラクタのラケットの届く範囲内の領域を作用領域とすることができる。その他のゲームでも、表示部が表示する画面内の任意の領域を作用領域とすることができる。
本ゲーム制御装置の予想領域設定手段は、表示部における作用領域内の任意の位置が指示体(指、カーソル等)により指示された場合に、当該指示体の指示位置を含む領域であって、作用領域よりも小さい予想領域を、作用領域内に設定する。ここで、「指示体」とは、例えば、表示部の画面内の位置を指示する操作に用いられるものである。表示部をタッチパネル等の接触操作可能な構成とした場合、ユーザの指やペン等の物理的な物体が指示体の一例に相当する。また、接触操作式ではない表示部の場合には、画面に表示されるカーソル等であって、ユーザがコントローラやマウス等の操作部で操作できる、画面上の位置を示す指標が指示体の一例に相当する。この場合、表示部における作用領域内の任意の位置を、指示体が指示する一例としては、カーソルを作用領域内の任意の位置に配した状態でクリックする操作(クリックに相当するボタン操作等)が該当する。
例えば、野球ゲームでは、作用領域の一例としてのストライクゾーン内の任意の位置を、ユーザが指等の指示体で指示(接触等)すると、指示体の指示位置を中心として、ストライクゾーンより小さい所定の大きさの予想領域がストライクゾーン内に設定される。また、サッカーゲームのPK戦では、作用領域の一例としてのゴール前領域内の任意の位置を、ユーザが指等の指示体で指示(接触等)すると、指示体の指示位置を中心として、ゴール前領域より小さい所定の大きさの予想領域がゴール前領域内に設定される。
なお、予想領域の形状は、例えば、長方形、正方形、円形、三角形等、任意の形状に設定することが可能である。また、後述する6)の構成のように、予想領域の形状を作用領域と相似形にしてもよい。
また、本ゲーム制御装置の作用制御手段は、作用領域における予想領域の内側と外側とで、移動体に対する作用が異なるように制御する。すなわち、作用制御手段は、予想領域における前記移動体に対する作用を、前記予想領域外よりも大きくなるように制御する。例えば、野球ゲームでは、予想領域内では通常時(予想していない場合)よりも強打になるが、予想領域外では打撃できない(または通常時よりも弱い打球しか打てない)ようにし、予想の効果を生じさせる。また、例えば、サッカーゲームでは、予想領域内では通常時(予想していない場合)よりも強い力でボールをキャッチまたは弾くことができる(よって、ゴールを阻止できる確率が高くなる)が、予想領域外ではその力通常時より低下する(よって、ゴールを許す確率が高くなる)ようにし、予想の効果を生じさせる。
本構成により、例えば、接触操作可能な表示部の場合、ユーザは、表示部における作用領域内の任意の位置を指等の指示体で接触(指示)するだけで、すなわち、1回のタッチ操作だけで、簡単に予想領域を設定することができる。また、接触操作をせずに、画面に表示されるカーソル等の指示体を用いて操作する場合でも、前述のようにカーソル等で作用領域内の任意の位置を指定(コントローラやマウスをクリック等して位置を指定)するだけで、簡単に予想領域を設定することができる。従来のゲーム装置には、画面を指でなぞる操作により予想領域を設定できるものがあるが、本構成は、従来よりもさらに簡単な操作で予想領域を設定できる。以上のように、本構成により、移動体の移動コースを予想する予想領域の設定を簡易な操作で行えるゲームを実現することができる。
2)上記の1)の構成において、前記予想領域設定手段(122)は、前記予想領域(G11)の設定後、前記指示体により前記予想領域(G11)内の位置が再度指示(例えばS114でYESの処理)された場合に、前記予想領域(G11)の設定を解除(例えばS116の処理)することが好ましい。
この構成によれば、予想領域の設定後、指示体により予想領域内の位置(任意の位置)を再度指示する、例えば予想領域のどこかを指でタッチまたはマウス等でクリックすることにより、簡単に予想領域の設定を解除することができる。
また、後述の8)の構成に本構成を適用する場合、予想領域の設定または移動後に、指示体による指示を解除することによって、作用領域内の予想領域の位置は確定するが、その後、指示体により予想領域内の位置を再度指示すれば、簡単に予想領域の設定を解除することができる。
3)上記の1)または2)の構成において、前記予想領域設定手段(122)は、前記指示位置(P)を前記予想領域(G11)の基準位置として前記予想領域(G11)を設定すると共に、前記指示位置(P)を前記基準位置として前記予想領域(G11)を設定した場合に、前記予想領域(G11)が前記作用領域(SZ)から外れる場合に、前記作用領域(SZ)内に収まるように前記予想領域(G11)の位置を補正することが好ましい。
例えば、接触操作可能な表示部に対する操作の場合、作用領域内において指示体が最初に接触した位置が指示位置であり、この指示位置を予想領域の基準位置として予想領域が設定される。予想領域の基準位置としては、予想領域の中心(重心)とすることが好ましいが、これに限定されるものではない。例えば、予想領域が多角形の場合、多角形の何れかの頂点を基準位置としてもよい。
この構成では、基本的に、作用領域内において、ユーザが指示体で指示した指示位置を予想領域の基準位置(例えば、中心)として予想領域が設定されるので、ユーザの意図した位置に予想領域を設定することができる。但し、例えばユーザが作用領域の端部付近を指示体で指示した場合には、その指示位置を中心として予想領域を設定しようとすれば、予想領域が作用領域から外れてしまうことになる。そのような場合には、作用領域内に収まるように予想領域の位置が自動的に補正されるので、ユーザは予想領域が作用領域から外れてしまうことを気にすることなく、作用領域内の任意の位置を指示体で指示することができる。
4)上記の1または2)の構成において、前記予想領域設定手段(122)は、前記作用領域(SZ)内の各位置と前記予想領域(G11)の設定位置との関係を予め定めた関係情報(INF101)に基づいて、前記作用領域(SZ)内の位置が前記指示体(F)により指示された場合に前記予想領域(G11)を設定することが好ましい。
この構成によれば、作用領域内の各位置と前記予想領域の設定位置との1対1の関係が、例えばテーブル情報として、予め定められているので、指示体により作用領域内のどの位置が指示されても、前記4)の構成のような予想領域の位置を補正する処理を要することなく、迅速に作用領域内に予想領域を設定することができる。
5)上記の1)ないし4)の何れかの構成において、前記作用制御手段(123)は、前記作用領域(SZ)における前記予想領域(G11)の外側の領域を、前記移動体(BL)に作用を付与できない領域、または前記予想領域(G11)が設定されなかった場合の前記作用領域(SZ)よりも前記移動体(BL)に対する作用力が低下する領域として制御することが好ましい。
この構成では、ユーザが移動コースの予想をして予想領域が設定された場合には、当該予想領域のみが移動体に対して作用可能な領域となり、予想領域外では作用不可(例えば、野球ゲームでは空振り等)となる。従って、ユーザが移動コースの予想をすることで、移動体に対して作用可能な領域(予想領域)が、予想をしない場合の作用可能な領域(作用領域)よりも小さくなるというデメリットが生じる。あるいは、作用領域における予想領域外の領域は、予想領域が設定されなかった場合の作用領域よりも移動体に対する作用力が低下する領域(例えば、野球ゲームでは予想しない場合よりも打撃力が低下する領域)としてもよい。このように、予想が外れた場合のペナルティを設定することで、ユーザに緊張感を持たせることができ、ゲーム性が高まる。
その一方で、作用制御手段は、前記予想領域における前記移動体に対する作用力を、前記予想領域が設定されなかった場合の前記作用領域における前記移動体に対する作用力よりも、大きくすることが好ましい。例えば、野球ゲームでは、投球コースの予想をすることで、打撃可能な領域(予想領域)は、予想をしない場合の打撃可能な領域(ストライクゾーン等の作用領域)よりも小さくなるが、強力な打撃が可能となり、長打を狙うことが可能となる。ユーザは、移動コースの予想をした場合の前記メリットおよび前記デメリットを比較考量し、予想を行うか否かを判断することが要求されることとなり、ゲーム性が高まる。
なお、予想領域における移動体に対する作用力を、予想しなかった場合よりも大きくするとは、例えば、移動体を打ち返す場合には、予想しなかった場合と較べて、より強い力で打ち返したり、より遠くへ打ち返すようにしたりすることである。また、移動体を捕獲する(サッカーゲームではゴールキーパーがボールをキャッチする等)の場合には、予想しなかった場合と較べて、より強い力で確実に捕獲できるようにすることである。また、移動体を打ち砕く(戦闘ゲームでミサイルを破壊する等)場合には、より強い力で確実に打ち砕くようにすることである。
6)上記の1)ないし5)の何れかの構成において、前記予想領域設定手段(122)は、前記予想領域(G11)を、前記作用領域(SZ)と相似形に設定することが好ましい。
この構成によれば、予想領域は、作用領域の形状を相似形で保ったまま作用領域よりも小さい面積に設定される。つまり、予想しない場合の作用領域と、予想した場合の予想領域とで、領域の面積は異なるが、同じ形状(相似形)を保持しているので、ユーザにとって、分かり易いゲーム仕様となる。
例えば、野球ゲームにおいて、予想が行われない場合は作用領域(例えばストライクゾーン)のみが打撃可能な領域であり、ユーザによる予想が行われた場合は、予想領域のみが打撃可能な領域とする場合、予想の有無によって打撃可能な領域の面積は異なるが、打撃可能な領域は同じ形状(相似形)を保持しているので、打撃操作(例えば、ボールがストライクゾーンに到達するタイミングに合わせて行う操作等)が行い易い。このような野球ゲームの場合、予想領域を設定する操作(例えば、ストライクゾーン内の任意の位置を指でタッチする操作等)が行われた場合に、ストライクゾーンの枠が収縮する演出表示により、ストライクゾーンの相似形で予想領域が設定されるようにしてもよい。
7)上記の1)ないし6)の何れかの構成において、前記予想領域設定手段(122)は、前記予想領域(G11)の設定後に、前記指示体(F)の前記指示位置(P)の移動(例えばS106のYESの処理)に伴って、前記作用領域(SZ)内で前記予想領域(G11)を移動(例えばS108の処理)させることが好ましい。
例えば、接触操作可能な表示部の場合、前述のように指等の指示体が表示部に接触して予想領域が設定された後に、ユーザが指示体を表示部に接触した状態で移動させることにより、指示体の指示位置(接触位置)の移動に連動して、作用領域内で予想領域が移動する。従って、ユーザは、予想領域の設定後の位置変更を、容易に行うことができる。
すなわち、従来では、予想領域を設定する操作中に予想領域の位置を変更したい場合、現在の予想領域の設定を一旦完了させ、その後、現在設定されている予想領域の設定を解除する操作を行った上で、再度、新たな位置に予想領域を設定し直す必要があり、手間を要する。これに対して、本構成では、指示体を表示部に接触するだけで予想領域を設定でき、さらに、表示部に接触させた指示体を移動させるだけで、予想領域の位置の変更を容易に行うことができる。これにより、移動体の移動コースを予想する予想領域の設定、変更を簡易な操作で行えるゲームを実現することができる。
また、接触操作をせずに、画面に表示されるカーソル等の指示体を用いて操作する場合には、次のとおりである。すなわち、前述のようにカーソル等で作用領域内の任意の位置を指定(コントローラやマウスをクリック等して位置を指定)して予想領域が設定された後に、いわゆるドラッグ操作等により指示位置を移動させることにより、指示位置の移動に連動して作用領域内で予想領域が移動する。この場合も、接触操作の場合と同様に、移動体の移動コースを予想する予想領域の設定、変更を簡易な操作で行える。
8)上記の7)の構成において、前記予想領域設定手段(122)は、前記予想領域(G11)の設定後、または前記予想領域(G11)の移動後に、前記指示体(F)による指示が解除(例えばS110でYESの処理)されることによって、前記作用領域(SZ)内の前記予想領域(G11)の位置を確定(例えばS112の処理)することが好ましい。
ここで、「指示体による指示の解除」とは、例えば、接触操作可能な表示部に対する操作の場合、指示体が表示部から離接(タッチオフ)することである。また、接触操作ではなく、画面に表示されるカーソル等の指示体を用いて操作する場合、指示体による指示の解除とは、コントローラやマウスのクリックやドラッグ等の操作状態を解除することである。
この構成によれば、ユーザは、指示体による指示を解除するまで、予想領域を作用領域内で移動させることができ、指示体による指示の解除により、作用領域内の予想領域の位置を、簡単且つ正確に、確定することができる。すなわち、ユーザは、作用領域内の任意の位置を指示体で指示して予想領域を設定した後、必要に応じて指示体の指示位置を移動させながら予想領域の位置を変更および微調整し、指示体による指示を解除することで予想領域の最終的な位置決めを簡単且つ正確にできる。
9)上記の1)ないし8)の何れかの構成において、前記ゲームは、ユーザが操作する第1キャラクタ(例えば、打者キャラクタC10)が前記移動体(BL)に対して作用を与えるゲームであって、前記第1キャラクタ(C10)に関する情報を記憶装置(例えば補助記憶装置18、RAM23)に記憶する記憶制御手段(124)をさらに備え、前記予想領域設定手段(122)は、前記第1キャラクタ(C10)のパラメータに基づいて、前記予想領域(G11)の大きさを設定することが好ましい。
ここで、「ユーザ」とは、例えば、ゲーム制御装置(例えば、ゲーム装置、端末装置)を操作する人であり、ゲームの遊戯者ともいえる。また、「第1キャラクタ」とは、例えば、ユーザの操作対象のキャラクタであって、ゲーム内で移動体に対して作用を与えるキャラクタである。第1キャラクタの例としては、野球ゲームでは打者キャラクタ、サッカーゲームではゴールキーパーキャラクタ、テニスゲームでは相手が打ったボールを打ち返すレシーバーキャラクタ等が挙げられる。これらは一例であり、ゲームの種類や内容に応じた第1キャラクタを適用できる。
この構成では、予想領域設定手段は、第1キャラクタのパラメータに基づいて、予想領域の大きさを設定する。例えば野球ゲームの場合、予想領域設定手段は、打者キャラクタの打力の能力パラメータに基づいて、予想領域の大きさを設定する(打力の能力パラメータのレベルまたは値が高いほど予想領域の面積、外周等を大きくする)。このように、第1キャラクタのパラメータを予想領域の大きさとして反映させることにより、例えば、打席に立つ打者キャラクタのパラメータによって、予想領域の大きさが変動し、より興趣性の高いゲームを実現できる。
10)上記の9)の構成において、前記第1キャラクタ(C10)のパラメータは、前記移動体(BL)の移動コースに対する得意または不得意に関するパラメータであり、前記予想領域設定手段(122)は、前記指示位置(P)の移動に伴って前記予想領域(G11)を移動させた場合に、前記得意または不得意に関するパラメータに基づいて、前記作用領域(SZ)内における前記予想領域(G11)の位置に応じて前記予想領域(G11)の大きさを変更することが好ましい。
例えば、野球ゲームにおいて、第1キャラクタが打者キャラクタの場合、移動体の移動コースに対する得意または不得意に関するパラメータとは、打者キャラクタの得意コースまたは不得意コースのパラメータが該当する。例えば、打者キャラクタの得意コースが内角低め、不得意コースが外角高めとすると、内角低めにおける予想領域の大きさを、外角高めのそれより大きく設定する。従って、指示体の指示位置を移動させる(例えば、指示体が表示部の予想領域に接触した状態で、指示体を移動させる)と、作用領域(ストライクゾーン等)内における予想領域の位置の変化に応じて予想領域の大きさが変動し、より興趣性の高いゲームを実現できる。
11)上記の9)または10)の構成において、前記記憶制御手段(124)は、前記移動体を送出する第2キャラクタ(例えば投手キャラクタC20)に関する情報を記憶装置(18、23)に記憶し、前記予想領域設定手段(122)は、前記第2キャラクタ(C20)のパラメータに基づいて、前記予想領域(G11)の大きさを設定することが好ましい。
ここで、「第2キャラクタ」とは、例えば、第1キャラクタが作用を与える移動体を送出するキャラクタである。第2キャラクタの例としては、野球ゲームでは投手キャラクタ、サッカーゲームではPK戦でキックするキッカーキャラクタ、テニスゲームではサーバーキャラクタ等を挙げることができる。これらは一例であり、ゲームの種類や内容に応じた第2キャラクタを適用できる。例えば野球ゲームの場合、投手キャラクタの制球力のパラメータに基づいて、予想領域の大きさを設定する(例えば、制球力が高いほど予想領域の面積、外周等を小さくする)。
このように、第1キャラクタだけではなく、第2キャラクタのパラメータも、予想領域の大きさとして反映させることにより、例えば、打席に立つ打者キャラクタとマウンドに立つ投手キャラクタとの能力の関係によって、予想領域の大きさが変動し、より興趣性の高いゲームを実現できる。
12)上記の1)ないし11)の何れかの構成において、前記予想領域設定手段(122)は、前記予想領域(G11)の設定後に、前記指示体(F)による指示が解除された後、所定時間以内に、再度、前記指示体(F)による指示操作が行われる毎に、前記予想領域(G11)の大きさを変更し、前記作用制御手段(123)は、前記予想領域(G11)の大きさに応じて、前記移動体(BL)に対する作用が異なるように制御することが好ましい。
例えば、接触操作可能な表示部に対する操作の場合、指示体が表示部の作用領域に接触したことにより、予想領域が設定される。その後、指示体が表示部から離接後、所定時間以内(例えば、0.3秒以内)に、再度、表示部に接触する操作が行われる毎に、予想領域の大きさが変更される。これにより、ユーザによる連続的な表示部へのタップ操作で、予想領域の大きさを、ユーザ自身が複数段階に変更できるようになる。例えば、予想領域の大きさは、第1レベル、第2レベル(例えば、第1レベルの面積の70%)、第3レベル(例えば、第1レベルの面積の50%)と3段階に変動可能とする。そして、指示体を表示部から離接後、所定時間以内に再接触するタップ操作を繰り返すことにより、予想領域の大きさは、第1レベル→第2レベル→第3レベル→第1レベル→第2レベル…と循環して変動するようにすることができる。
なお、接触操作ではなく、画面に表示されるカーソル等の指示体を用いて操作する場合、表示部へ指示体を接触することにより位置を指示する指示操作が、表示部におけるカーソル等の指示体が存在する位置でマウスをクリック等することにより位置を指示する指示操作に代わるだけである。この場合、例えば、クリックの解除後、所定時間以内(例えば、0.3秒以内)に、再度、クリックが行われる毎に、予想領域の大きさが変更されるようにすることができる。
ここで、予想領域の大きさ(レベル)に応じて、移動体に対する作用が異なるように制御される。例えば、野球ゲームの場合、予想領域の大きさが小さくなるほど、打撃力(打撃強度)がより大きくなるようにする。これにより、ユーザは、予想領域を大きめに設定すれば、比較的予想が的中し易い状態にできるし、予想領域を小さめに設定すれば、予想は的中し難くなるが、的中した場合により強力な打撃が可能となる状態にできる。このように、ユーザ自らの操作により、予想領域の大きさを変動可能とすることにより、より興趣性の高いゲームを実現できる。
13)本発明の他の一態様によるゲーム制御装置(1、10、30、50)は、表示部(例えばタッチパネル部13)に対する接触操作により、移動体(例えばボールBL)の移動コース(例えば投球コース)を予想できるゲーム(例えば野球ゲーム)を制御するものであって、前記移動体(BL)に作用を与えることができる作用領域(例えばストライクゾーンSZ)を表示部(13)に設定する作用領域設定手段(121)と、前記表示部(13)における前記作用領域(SZ)内の任意の位置に指示体(例えば指F)が接触した場合に、当該指示体(F)の接触位置(P)を含む領域であって、前記作用領域(SZ)よりも小さい予想領域(G11)を、前記作用領域(SZ)内に設定する予想領域設定手段(122)と、前記予想領域(G11)における前記移動体(BL)に対する作用を、前記予想領域(G11)外よりも大きくなるように制御する作用制御手段(123)と、を備え、前記予想領域設定手段(122)は、前記予想領域(G11)の設定後、前記指示体(F)により前記予想領域(G11)内の位置が再度接触された場合に、前記予想領域(G11)の設定を解除する。
この構成のゲーム制御装置は、移動体の移動コースを予想できるゲームを制御するものであり、前述した、野球ゲーム、サッカーゲーム、テニスゲーム、昆虫を捕獲するゲーム等の様々なゲームに適用できる。この構成では、ユーザは、移動体の移動コースを予想して、作用領域内に予想領域を設定することができる。予想領域を設定すれば、作用領域における予想領域の内側と外側とで、移動体に対する作用が異なるように制御され、すなわち、予想領域における前記移動体に対する作用が、前記予想領域外よりも大きくなるように制御され、予想の効果が生じる。ユーザは、表示部における作用領域内に指F等の指示体を接触するだけで、すなわち、1回のタッチ操作だけで、簡単に予想領域を設定することができる。また、予想領域の設定後は、予想領域内の位置を、指示体で再度接触するだけで、簡単に予想領域の設定を解除することができる。また、予想領域の設定を解除した後、新たに作用領域内の位置を指示体で接触すれば、予想領域の再設定も可能である。本構成により、移動体の移動コースを予想する予想領域の設定および解除を簡易な操作で行えるゲームを実現することができる。
また、上記の構成において、前記予想領域設定手段(122)は、前記予想領域(G11)の設定後に、前記指示体(F)が前記表示部(13)に接触した状態で移動することによる前記接触位置(P)の移動に伴って、前記作用領域(SZ)内で前記予想領域(G11)を移動させ、前記予想領域(G11)の設定後、または前記予想領域(G11)の移動後に、前記指示体(F)が前記表示部(13)から離接することによって、前記作用領域(SZ)内の前記予想領域(G11)の位置を確定する構成としてもよい。これにより、作用領域内に設定された予想領域の位置を容易に変更することができる。従って、ユーザは予想領域の設定のために、最初から慎重に位置を見極めて指示体を表示部に接触する必要はなく、まずは表示部における作用領域のどこかに指示体を接触するだけで、予想領域を生成でき(即ち、予想しようとする意図をゲーム上に反映することができ)、しかる後に、指示体を徐々に動かしながら、予想領域の位置を変更することができる。そして、所望の位置が決定すれば、単に指示体を表示部から離すことで、当該位置を最終的な予想領域の位置として確定することができる。このような操作方法は、特にスマートフォンやタブレット型コンピュータ等の携帯型の接触操作式のゲーム装置に好適である。すなわち、携帯型の接触操作式のゲーム装置においては、ユーザがゲームを行う場合は、手でゲーム装置を把持したり、膝上にゲーム装置を置いた状態でプレイすることが多く、また、電車等の揺れる乗り物の中で使用されることもある。このような手ぶれ等が生じ易い使用状態や環境下では、予想領域を1回の操作で正確な位置に設定することは困難である。しかしながら、本構成によれば、予想領域の設定、変更を行う際に、ユーザは自分の指等の指示体で画面を軽く押さえるような状態で予想領域を移動させていくので、仮にゲーム装置にある程度の振動が生じていたり手ぶれが生じ易い環境下であったとしても、予想領域の移動方向や移動先の位置に関する大きなずれを起こしてしまう可能性を大幅に低減できる。しかも、最終的な予想領域の決定は、指示体を表示部から離すことで行われるので、この決定の瞬間に位置ずれが生じることもない。これにより、移動体の移動コースを予想する予想領域の設定、変更を簡易な操作で、且つ正確に行えるゲームを実現することができる。
14)本発明の他の一態様によるゲーム制御装置(1、10、30、50)は、表示部(例えばタッチパネル部13)に対する接触操作により、ボール(BL)の投球コースを予想できる野球ゲームを制御するものであって、前記表示部(13)におけるストライクゾーン(SZ)内の任意の位置に指示体(例えば指F)が接触した場合に、当該指示体の接触位置(P)を含む領域であって、前記ストライクゾーン(SZ)よりも小さい予想領域(G11)を、前記ストライクゾーン(SZ)内に設定する予想領域設定手段(122)と、前記予想領域(G11)における前記ボール(BL)に対する作用を、前記予想領域(G11)外よりも大きくなるように制御する作用制御手段(123)と、を備え、前記予想領域設定手段(122)は、前記予想領域(G11)の設定後、前記指示体(F)により前記予想領域(G11)内の位置が再度接触された場合に、前記予想領域(G11)の設定を解除する。
この構成によれば、ユーザは、ボールの投球コースを予想して、ストライクゾーン内に予想領域を設定することができる。予想領域を設定すれば、ストライクゾーンにおける予想領域の内側と外側とで、ボールに対する作用が異なるように制御され、すなわち、予想領域におけるボールに対する作用が、予想領域外よりも大きくなるように制御され、予想の効果が生じる。ユーザは、表示部におけるストライクゾーン内に指等の指示体を接触するだけで、予想領域を設定でき、すなわち、1回のタッチ操作だけで、簡単に予想領域を設定することができる。また、予想領域の設定後は、予想領域内の位置を、指示体で再度接触するだけで、簡単に予想領域の設定を解除することができる。また、予想領域の設定を解除した後、新たにストライクゾーン内の位置を指示体で接触すれば、予想領域の再設定も可能である。本構成により、投球コースを予想する予想領域の設定および解除を簡易な操作で行えるゲームを実現することができる。
また、上記の構成において、前記予想領域設定手段(122)は、前記予想領域(G11)の設定後に、前記指示体(F)が前記表示部(13)に接触した状態で移動することによる前記接触位置(P)の移動に伴って、前記ストライクゾーン(SZ)内で前記予想領域(G11)を移動させ、前記予想領域(G11)の設定後、または前記予想領域(G11)の移動後に、前記指示体(F)が前記表示部から離接することによって、前記ストライクゾーン(SZ)内の前記予想領域(G11)の位置を確定する構成としてもよい。これにより、ストライクゾーン内に設定された予想領域の位置を容易に変更することができる。従って、ユーザは予想領域の設定のために、最初から慎重に位置を見極めて、指等を表示部に接触する必要はなく、まずは表示部におけるストライクゾーンのどこかに指示体を接触するだけで、予想領域を生成でき(即ち、予想しようとする意図をゲーム上に反映することができ)、その後、指示体を徐々に動かしながら、ストライクゾーン内の予想領域の位置を変更することができる。そして、所望の位置が決定すれば、単に指示体を表示部から離すことで、前述のとおり、当該位置を最終的な予想領域の位置として、正確に確定することができる。このような操作方法は、特にスマートフォンやタブレット型コンピュータ等の携帯型の接触操作式のゲーム装置に好適である。本構成により、投球コースを予想する予想領域の設定、変更を簡易な操作で、且つ正確に行える野球ゲームを実現することができる。
15)本発明の他の一態様によるゲームシステム(1)は、サーバ(30)と端末装置(50)と、を含み、移動体(BL)の移動コースを予想できるゲームを制御するゲームシステム(1)であって、前記移動体(BL)に作用を与えることができる作用領域(SZ)を表示部(13)に設定する作用領域設定手段(121)と、前記表示部(13)における前記作用領域内(SZ)の任意の位置が指示体(F)により指示された場合に、当該指示体(F)の指示位置(P)を含む領域であって、前記作用領域(SZ)よりも小さい予想領域(G11)を、前記作用領域(SZ)内に設定する予想領域設定手段(122)と、前記予想領域(G11)における前記移動体(BL)に対する作用を、前記予想領域(G11)外よりも大きくなるように制御する作用制御手段(123)と、の各手段を前記サーバ(30)又は前記端末装置(50)のいずれか一方が備える。
16)本発明の他の一態様によるプログラムは、コンピュータを上記の1)ないし13)の何れかに記載のゲーム制御装置(1、10、30、50)として動作させるためのプログラムであって、前記コンピュータを前記ゲーム制御装置(1、10、30、50)が備えている各手段として機能させるためのプログラムである。