JP6201231B2 - 脱硝方法及び脱硝装置 - Google Patents

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Description

本発明は、脱硝方法及び脱硝装置に関する。
窒素酸化物を含むガスから窒素酸化物を除去する方法として、吸着剤に窒素酸化物を吸着させた後、加熱により脱着処理を行い、脱着ガス中の窒素酸化物を気液接触フィルタで除去する方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2005−13807号公報
しかしながら、上記方法では加熱により脱着を行うので、350℃程度の高温の熱源が必要になる。そのため、脱着に多大なエネルギーを要する。
そこで、本発明は、省エネルギー性の高い脱硝方法及び脱硝装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る脱硝方法は、窒素酸化物を含む被処理ガスから吸着剤を用いて前記窒素酸化物を吸着する吸着工程と、前記吸着剤に吸着した前記窒素酸化物を加圧又は減圧により脱着する脱着工程と、前記脱着工程により脱着した脱着ガスを、気液接触装置を用いて溶媒に接触させることによって、前記脱着ガス中の前記窒素酸化物を前記溶媒に溶解させる溶解工程とを含む。
この脱硝方法では、加圧又は減圧により脱着を行うので、加熱のみによる脱着に比べて脱着に要するエネルギーが少ない。そのため、省エネルギー性の高い脱硝方法を実現できる。
前記脱着工程では、加圧用ガスを用いて前記窒素酸化物を脱着してもよい。
上記脱硝方法は、前記脱着工程の後に、前記脱着ガスを冷却することにより、前記脱着ガス中の前記加圧用ガスを回収する加圧用ガス回収工程を更に含み、回収した前記加圧用ガスを前記脱着工程において再利用してもよい。
この場合、加圧用ガスが系外に排出されない。
前記加圧用ガスが二酸化炭素を含み、前記加圧用ガス回収工程では、−80℃以下で前記脱着ガスを冷却して二酸化炭素を固化してもよい。
上記脱硝方法は、前記脱着工程の後に、前記脱着ガスを冷却することにより、前記脱着ガス中の前記窒素酸化物を回収する窒素酸化物回収工程を更に含んでもよい。
この場合、窒素酸化物の回収率を更に向上させることができる。
上記脱硝方法は、前記吸着工程の前に、前記被処理ガスを酸化剤により酸化処理する被処理ガス酸化処理工程を更に含んでもよい。
この場合、被処理ガス中の窒素酸化物の酸化度が高くなるので、吸着工程において窒素酸化物の除去率を向上させることができる。
上記脱硝方法は、前記溶解工程の前に、前記脱着ガスを酸化剤により酸化処理する脱着ガス酸化処理工程を更に含んでもよい。
この場合、脱着ガス中の窒素酸化物の酸化度が高くなるので、溶解工程において窒素酸化物の除去率を向上させることができる。
本発明の一側面に係る脱硝装置は、窒素酸化物を含む被処理ガスから前記窒素酸化物を吸着する吸着剤を含む吸着装置と、前記吸着剤に吸着した前記窒素酸化物を加圧又は減圧により脱着する脱着装置と、前記脱着装置により脱着した脱着ガスを溶媒に接触させることによって、前記脱着ガス中の前記窒素酸化物を前記溶媒に溶解させる気液接触装置と、を備える。
この脱硝装置では、加圧又は減圧により脱着を行うので、加熱のみによる脱着に比べて脱着に要するエネルギーが少ない。そのため、省エネルギー性の高い脱硝装置を実現できる。
前記被処理ガス及び前記脱着ガスの少なくとも1つを酸化剤により酸化処理してもよい。
本発明によれば、省エネルギー性の高い脱硝方法及び脱硝装置が提供され得る。
第1実施形態に係る脱硝装置の吸着系を模式的に示す図である。 第1実施形態に係る脱硝装置の脱着吸収系を模式的に示す図である。 第1実施形態に係る脱硝方法を示すフローチャートである。 吸着塔出口でのNO濃度と時間との関係の一例を示すグラフである。 吸着剤の吸着容量の一例を示すグラフである。 加圧用ガスの圧力と脱着率との関係の一例を示すグラフである。 回収される硝酸濃度の一例を示すグラフである。 第2実施形態に係る脱硝装置の脱着吸収系を模式的に示す図である。 第3実施形態に係る脱硝装置の脱着吸収系を模式的に示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態が詳細に説明される。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号が用いられ、重複する説明は省略される。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る脱硝装置の吸着系を模式的に示す図である。図2は、第1実施形態に係る脱硝装置の脱着吸収系を模式的に示す図である。本実施形態に係る脱硝装置は、図1に示される吸着系10と、図2に示される脱着吸収系20とを備える。
図1に示される吸着系10は、吸着剤12Aを含む吸着装置12を備える。吸着剤12Aは吸着塔11内に設置され得る。複数層(例えば2層)の吸着剤12Aが吸着塔11内に設置されてもよい。吸着装置12には、被処理ガスG1を供給するためのダクトD1が接続される。
被処理ガスG1は、窒素酸化物(NO等)及び水蒸気を含む。被処理ガスG1は、ダクトD1を通って吸着装置12に到達する。吸着装置12では、吸着剤12Aが、被処理ガスG1から窒素酸化物及び水蒸気を吸着する。吸着剤12Aは、疎水性を有してもよい。吸着剤12Aは、例えば疎水性処理が施されたゼオライトを含む。吸着装置12を通過した被処理ガスG1は、清浄ガスG2として系外に排出される。
被処理ガスG1は、例えば焼却設備、内燃機関、発電設備、ボイラー等からの排ガスである。被処理ガスG1は、硝酸製造又は金属溶解等の化学プロセスからのオフガスであってもよい。被処理ガスG1は、酸性ガス成分として、窒素酸化物だけでなく、例えば硫黄酸化物(SO)、塩化水素(HCl)等を更に含んでもよい。窒素酸化物としては、一酸化窒素、二酸化窒素、亜酸化窒素、四酸化二窒素又はそれらのホモ若しくはヘテロ会合体等が挙げられる。硫黄酸化物としては、例えば二酸化硫黄、三酸化硫黄等が挙げられる。酸性ガス成分は、吸着剤12Aに吸着される。これらの酸性ガス成分は、非常に高い生体毒性を有する。
吸着系10は、被処理ガスG1をオゾン等の酸化剤により酸化処理する被処理ガス酸化処理装置14を備えてもよい。被処理ガス酸化処理装置14は、吸着装置12の上流においてダクトD1に設置される。被処理ガス酸化処理装置14は、オゾナイザ14Aと、オゾン混合器14Bとを備える。オゾン混合器14BはダクトD1に取り付けられる。オゾン混合器14Bには、配管P1を通して、オゾナイザ14Aからのオゾン含有ガスが供給される。
被処理ガスG1は、ダクトD1を通ってオゾン混合器14Bに到達する。オゾン混合器14Bでは、オゾン含有ガスが被処理ガスG1に混合されることにより、被処理ガスG1中の窒素酸化物が酸化される。例えば、NOがNOに酸化される。被処理ガスG1が他の酸性ガス成分を含む場合、他の酸性ガス成分も酸化される。オゾン混合器14Bを通過した被処理ガスG1は、吸着装置12に到達する。
吸着系10は、被処理ガス酸化処理装置14の上流に位置する熱交換器16を備えてもよい。熱交換器16は、被処理ガス酸化処理装置14の上流においてダクトD1に設置される。
被処理ガスG1は、ダクトD1を通って熱交換器16に到達する。熱交換器16では、被処理ガスG1が、吸着に適した温度まで冷却される。熱交換器16を通過した被処理ガスG1は、ダクトD1を通って被処理ガス酸化処理装置14に到達する。
図2に示される脱着吸収系20は、脱着装置30と、気液接触装置40とを備える。脱着装置30及び気液接触装置40は、ダクトD2によって接続される。脱着装置30により脱着した脱着ガスG4は、ダクトD2を通って気液接触装置40に到達する。気液接触装置40を通過した脱着ガスG4は、清浄ガスG5として系外に排出される。
脱着装置30は、吸着剤12Aに吸着した窒素酸化物及び水蒸気を加圧により脱着する。吸着剤12Aが他の酸性ガス成分を吸着した場合、他の酸性ガス成分も脱着される。脱着装置30には、吸着装置12において飽和状態又はその近傍まで窒素酸化物を吸着した吸着剤12Aが導入される。吸着剤12Aは脱着塔31内に設置され得る。吸着塔11を脱着塔31として用いてもよい。脱着装置30は、加圧用ガスG3を加圧するコンプレッサ32を備える。加圧用ガスG3は例えば二酸化炭素を含む。加圧用ガスG3としては、例えば窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、二酸化炭素ガス、酸素ガス、水素ガス等の純ガス又は、これらのガスを空気又は窒素等の希釈ガスで希釈した混合ガス、水蒸気等を含むガス、圧縮空気等が挙げられる。加圧用ガスG3は、配管P2を通って脱着塔31に到達する。脱着装置30では、加圧用ガスG3により吸着剤12A中の窒素酸化物及び水蒸気が置換されることによって、脱着が行われる。
気液接触装置40は、脱着装置30により脱着した脱着ガスG4を溶媒に接触させることによって、脱着ガスG4中の窒素酸化物を溶媒に溶解させる。その結果、脱着ガスG4から窒素酸化物が除去される。脱着ガスG4が他の酸性ガス成分を含む場合、他の酸性ガス成分も溶媒に溶解することによって除去される。溶媒としては例えば水、オゾンガス又は酸素ガスを溶解した水、過酸化水素水、重クロム酸水溶液、クロム酸水溶液、過マンガン酸カリウム水溶液等の酸化剤を溶解させた水、ピリジン、エタノールアミン、メチルアミン等の塩基を溶解させた水、エタノールアミン、ピリジン等の塩基性有機溶媒、ジメチルホルミアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ヘキサメチルホスホルアミド等の有機溶媒が挙げられる。気液接触装置40は、吸収塔41を備える。吸収塔41内には吸収フィルタ42が配置される。吸収フィルタ42は、湿式フィルタであってもよく、例えばガラス繊維を含むフィルタである。吸収塔41の塔頂には、溶媒を吸収フィルタ42に噴霧するスプレーノズル44が配置される。スプレーノズル44は、配管によって吸収塔41の塔底に接続される。配管に取り付けられたポンプ46によって、溶媒がスプレーノズル44に供給される。
吸収塔41の塔底には、配管P5により、溶媒に溶解した窒素酸化物を収容する容器48が接続される。これにより、窒素酸化物は硝酸として容器48に回収される。配管P5にはバルブV4が取り付けられている。容器48に回収された硝酸が所定量以上となった場合には、バルブV4を閉じて、容器48は再利用のために保管される。
脱着吸収系20は、脱着ガスG4を冷却することにより、脱着ガスG4中の加圧用ガスG3を回収する加圧用ガス回収器50を備えてもよい。加圧用ガス回収器50は、脱着装置30と気液接触装置40との間に配置され得る。加圧用ガス回収器50は、脱着ガスG4を冷却する冷却器52と、回収した加圧用ガスG3を収容する容器54とを備える。冷却器52はダクトD2に取り付けられる。容器54は、配管P3によりダクトD2に接続されている。配管P3にはバルブV2が取り付けられている。容器54は、配管P2によりコンプレッサ32に接続されている。コンプレッサ32と容器54との間において、配管P2にはバルブV1が取り付けられている。容器54に回収された加圧用ガスG3が所定量以上となった場合には、バルブV1,V2を閉じて、容器54は再利用のために保管される。加圧用ガスG3は、冷却器52において冷却されることによって凝縮又は凝固し、配管P3を通って容器54に回収される。
脱着吸収系20は、脱着ガスG4を冷却することにより、脱着ガスG4中の窒素酸化物を回収する窒素酸化物回収器60を備えてもよい。窒素酸化物回収器60は、脱着装置30と加圧用ガス回収器50との間に配置され得る。窒素酸化物回収器60は、脱着ガスG4を冷却する冷却器62と、回収した窒素酸化物を硝酸として収容する容器64とを備える。冷却器62はダクトD2に取り付けられる。容器64は、配管P4によりダクトD2に接続されている。配管P4にはバルブV3が取り付けられている。容器64に回収された硝酸が所定量以上となった場合には、バルブV3を閉じて、容器64は再利用のために保管される。脱着ガスG4は、冷却器62において冷却されることによって窒素酸化物が凝縮水に吸収されて硝酸となって、配管P4を通って容器64に回収される。
脱着吸収系20は、脱着ガスG4をオゾン等の酸化剤により酸化処理する脱着ガス酸化処理装置70を備えてもよい。脱着ガス酸化処理装置70は、気液接触装置40の上流においてダクトD2に設置される。脱着ガス酸化処理装置70は、気液接触装置40と加圧用ガス回収器50との間に配置され得る。脱着ガス酸化処理装置70は、オゾナイザ70Aと、オゾン混合器70Bとを備える。オゾン混合器70BはダクトD2に取り付けられる。オゾン混合器70Bには、配管P6を通して、オゾナイザ70Aからのオゾン含有ガスが供給される。
脱着ガスG4は、ダクトD2を通ってオゾン混合器70Bに到達する。オゾン混合器70Bでは、オゾン含有ガスが脱着ガスG4に混合されることにより、脱着ガスG4中の窒素酸化物が酸化される。例えば、NOがNOに酸化される。脱着ガスG4が他の酸性ガス成分を含む場合、他の酸性ガス成分も酸化される。オゾン混合器70Bを通過した脱着ガスG4は、気液接触装置40に到達する。
以上説明したように、本実施形態の脱硝装置は、吸着装置12、脱着装置30及び気液接触装置40を備える。本実施形態の脱硝装置では、加圧により脱着を行うので、加熱のみによる脱着に比べて脱着に要するエネルギーが少ない。そのため、省エネルギー性の高い脱硝装置を実現できる。また、加熱のみによる脱着を行う場合、高温の脱着ガスにより脱硝装置が腐食しないように材料を選択する必要がある。一方、本実施形態の脱硝装置では、脱着ガスG4が高温にならないので、脱硝装置の設計自由度が高まる。さらに、被処理ガス酸化処理装置14及び/又は脱着ガス酸化処理装置70を用いると、冷却では回収され難い一酸化窒素(NO)等を回収することができる。その結果、窒素酸化物の回収率を向上させることができる。例えばゼロエミッションを実現することができる。
図3は、第1実施形態に係る脱硝方法を示すフローチャートである。本実施形態に係る脱硝方法は、例えば以下のように、図1及び図2の脱硝装置によって実施される。
(被処理ガス酸化処理工程)
まず、必要に応じて、オゾン、高濃度酸素、塩素化物、硫化物等の酸化剤を含む溶液を用いて、図1の被処理ガス酸化処理装置14において、被処理ガスG1を酸化処理する(工程S1)。最も簡便な方法として被処理ガスG1をオゾンにより酸化処理する。
(吸着工程)
次に、図1の吸着装置12において、被処理ガスG1から吸着剤12Aを用いて窒素酸化物及び水蒸気を吸着する(工程S2)。
(脱着工程)
次に、図2の脱着装置30において、吸着剤12Aに吸着した窒素酸化物及び水蒸気を加圧により脱着する(工程S3)。脱着工程S3では、例えば加圧用ガスG3が用いられる。加圧用ガスG3の圧力は、例えば0.2MPa以上であり、例えば10MPa以下である。
(窒素酸化物回収工程)
次に、必要に応じて、図2の窒素酸化物回収器60において、第1温度T1で脱着ガスG4を冷却することにより、脱着ガスG4中の窒素酸化物を回収する(工程S4)。第1温度T1は例えば数℃〜10℃前後である。これにより、脱着ガスG4中の窒素酸化物が硝酸として容器64に回収される。脱着ガスG4中の硫黄酸化物は、硫酸として容器64に回収される。脱着ガスG4中の塩化水素は、塩酸として容器64に回収される。
(加圧用ガス回収工程)
次に、必要に応じて、図2の加圧用ガス回収器50において、第1温度T1よりも低い第2温度T2(T2<T1)で脱着ガスG4を冷却することにより、脱着ガスG4中の加圧用ガスG3を回収する(工程S5)。第2温度T2は例えば−80℃以下である。回収した加圧用ガスG3は、脱着工程S3において再利用される。脱着ガスG4中の加圧用ガスG3が二酸化炭素(凝固点が−79℃)を含む場合、脱着ガスG4を−80℃以下で冷却して二酸化炭素を固化すると、加圧用ガスG3はドライアイスとして容器54に回収される。
(脱着ガス酸化処理工程)
次に、必要に応じて、オゾン、高濃度酸素、塩素化物、硫化物等の酸化剤を含む溶液を用いて、図2の脱着ガス酸化処理装置70において、脱着ガスG4を酸化処理する(工程S6)。最も簡便な方法として脱着ガスG4をオゾンにより酸化処理する。
(溶解工程)
次に、脱着ガスG4を、図2の気液接触装置40を用いて溶媒に接触させることによって、脱着ガスG4中の窒素酸化物を溶媒に溶解させる(工程S7)。これにより、脱着ガスG4中の窒素酸化物が硝酸として容器48に回収される。
以上説明したように、本実施形態の脱硝方法は、吸着工程S2、脱着工程S3及び溶解工程S7を含む。本実施形態の脱硝方法では、加圧により脱着を行うので、加熱のみによる脱着に比べて脱着に要するエネルギーが少ない。そのため、省エネルギー性の高い脱硝方法を実現できる。また、加熱のみによる脱着を行う場合、高温の脱着ガスにより脱硝装置が腐食しないように材料を選択する必要がある。一方、本実施形態の脱硝方法では、脱着ガスG4が高温にならないので、脱硝装置の設計自由度が高まる。さらに、披処理ガス酸化処理装置14及び/又は脱着ガス酸化処理装置70を用いると、冷却では回収され難い一酸化窒素(NO)等を回収することができる。その結果、窒素酸化物の回収率を向上させることができる。例えばゼロエミッションを実現することができる。
加圧用ガス回収工程S5を実施し、回収した加圧用ガスG3を脱着工程S3において再利用する場合、加圧用ガスG3が系外に排出されない。窒素酸化物回収工程S4を実施する場合、窒素酸化物の回収率を更に向上させることができる。被処理ガス酸化処理工程S1を実施する場合、被処理ガスG1中の窒素酸化物の酸化度が高くなるので、吸着工程S2において窒素酸化物の回収率を向上させることができる。脱着ガス酸化処理工程S6を実施する場合、脱着ガスG4中の窒素酸化物の酸化度が高くなるので、溶解工程S7において窒素酸化物の回収率を向上させることができる。
図4は、吸着塔出口でのNO濃度と時間との関係の一例を示すグラフである。縦軸は、図1の吸着塔11の出口でのNO濃度の一例を示す。この実験例では、88gのゼオライトが充填された吸着塔に、200ppmのNOを含む被処理ガス(NOx中のNO比率が98vol%)を5L/minの流量で供給した。吸着塔内の被処理ガスの平均滞留時間が1秒となるように設定して、吸着塔出口でのNO濃度を経時的に測定した。オゾンを添加する場合は、オゾン混合器において、NO濃度と等モルのオゾンを被処理ガスに混合した後、被処理ガスを吸着塔に供給した。
オゾンを添加しなかった場合、3〜5時間後に停滞部があるものの、おおむね8〜10時間で破過を迎えることが分かった。一方、オゾンを添加した場合、NO吸着量が増し、吸着塔出口でのNO濃度は、40〜50ppm付近で変動して、96時間以上変化しなかった。最終的なNOの吸着量は、吸着剤1g当たり0.13gであった。
また、吸着剤を3連直列につないで、吸着塔出口でのNO濃度を測定した。その結果、オゾンを添加した場合、NO濃度は、15〜20ppm付近で変動し、96時間以上変化しなかった。さらに、吸着剤を6連直列につないで、吸着塔出口でのNO濃度を測定した。その結果、オゾンを添加した場合、NO濃度はほぼ0ppm付近で変動し、96時間以上NOが検出されなかった。
また、30vol%の水蒸気、12vol%の二酸化炭素ガス、8〜10vol%の酸素ガス、20〜200ppmの二酸化硫黄、20〜200ppmの塩化水素を含むS市焼却場から排出される排ガスを、88gのゼオライトが充填された吸着塔に、5L/minの流量で供給した。吸着塔内の被処理ガスの平均滞留時間が1秒となるように設定して、吸着塔出口のNO濃度を経時的に測定した。その結果、水蒸気及び二酸化炭素がNOの吸着量に及ぼす影響はほとんどなく、二酸化硫黄と塩化水素もほぼ完全にゼオライトに吸着されていることが明らかとなった。
図5は、吸着剤の吸着容量の一例を示すグラフである。縦軸は、単位質量当たりの吸着剤に吸着されるNOの質量の比率を示す。横軸の「1層」は、図1に示される1層目(上流)の吸着剤12Aを示す。横軸の「2層」は、図1に示される2層目(下流)の吸着剤12Aを示す。1層目の吸着剤12Aの質量比は、15%以上であり、飽和吸着量を示す。2層目の吸着剤12Aの質量比は3%程度である。1層目の吸着剤12Aの吸着量が飽和に達すると、1層目の吸着剤12Aは脱着装置30に導入される。
図6は、加圧用ガスの圧力と脱着率との関係の一例を示すグラフである。この実験例から、加圧用ガスの圧力を0.2MPa以上に加圧すると、脱着率が高くなることが分かる。また、圧力を高くするに連れて脱着率も高くなることが分かる。
図7は、回収される硝酸濃度の一例を示すグラフである。縦軸は、図2の容器48に回収される硝酸の濃度を示す。横軸は、吸着剤12Aを変えて脱硝実験を行った回数を示す。脱硝実験では、気液接触装置40を用いて60000ppmのNOを含む脱着ガスを5時間処理した。その結果、約40wt%の硝酸が得られた。図7に示されるように、3回の脱硝実験において、硝酸濃度に殆ど変化は見られなかった。
(第2実施形態)
図8は、第2実施形態に係る脱硝装置の脱着吸収系を模式的に示す図である。本実施形態の脱硝装置は、図1に示される吸着系10と、図8に示される脱着吸収系120とを備える。
脱着吸収系120は、窒素酸化物回収器60及び脱着ガス酸化処理装置70を備えず、加圧用ガス回収器50が気液接触装置40の下流に配置されていること以外は脱着吸収系20と同じ構成を備える。
脱着吸収系120では、脱着装置30により脱着した脱着ガスG4が、ダクトD2を通って気液接触装置40に到達する。気液接触装置40を通過した脱着ガスG4は、ダクトD2を通って加圧用ガス回収器50に到達する。加圧用ガス回収器50を通過した脱着ガスG4は、清浄ガスG5として系外に排出される。脱着吸収系120を備える脱硝装置により、第1実施形態と同様に、脱硝を行うことができる。本実施形態では、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
脱着吸収系120は加圧用ガス回収器50を備えなくてもよい。この場合、加圧用ガスG3は、加圧用ガス供給源からコンプレッサ32に供給される。気液接触装置40を通過した脱着ガスG4は、清浄ガスG5として系外に排出される。
脱着吸収系120は、窒素酸化物回収器60及び脱着ガス酸化処理装置70のうち少なくとも一方を備えてもよい。
(第3実施形態)
図9は、第3実施形態に係る脱硝装置の脱着吸収系を模式的に示す図である。本実施形態の脱硝装置は、図1に示される吸着系10と、図9に示される脱着吸収系220とを備える。
脱着吸収系220は、加圧用ガス回収器50を備えず、脱着装置30に代えて脱着装置130を備えること以外は脱着吸収系120と同じ構成を備える。脱着装置130は、吸着剤12Aに吸着した窒素酸化物を減圧により脱着する減圧ポンプ132を備える。減圧ポンプ132は、脱着塔31と気液接触装置40とを接続するダクトD2に設置される。
脱着吸収系220では、脱着装置130により脱着した脱着ガスG4が、ダクトD2を通って気液接触装置40に到達する。気液接触装置40を通過した脱着ガスG4は、清浄ガスG5として系外に排出される。脱着吸収系220を備える脱硝装置により、第1実施形態と同様に、脱硝を行うことができる。本実施形態では、減圧により脱着を行うので、加熱のみによる脱着に比べて脱着に要するエネルギーが少ない。そのため、省エネルギー性の高い脱硝装置及び脱硝方法を実現できる。
脱着吸収系220は、窒素酸化物回収器60及び脱着ガス酸化処理装置70のうち少なくとも一方を備えてもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明されたが、本発明は上記実施形態に限定されない。
例えば、被処理ガスG1は、水蒸気を含まなくてもよいし、他の成分を更に含んでもよい。
脱着吸収系20,120,220は、複数段の気液接触装置40を備えてもよい。この場合、窒素酸化物の回収率を更に向上させることができる。
脱着装置30,130において、加圧又は減圧のみによる脱着を行ってもよいが、加圧又は減圧による脱着に加えて、加熱による脱着を行ってもよい。加熱は例えばヒータ等により実施され得る。加熱のみによる脱着を行う場合、350℃程度の高温の熱源が必要になる。一方、加圧又は減圧による脱着に加えて、加熱による脱着を行う場合、例えば200〜240℃程度の低温の熱源により脱着を行うことができる。
12…吸着装置、12A…吸着剤、30…脱着装置、40…気液接触装置、G1…被処理ガス、G3…加圧用ガス、G4…脱着ガス。

Claims (10)

  1. 窒素酸化物を含む被処理ガスから吸着剤を用いて前記窒素酸化物を吸着する吸着工程と、
    コンプレッサにより加圧された加圧用ガスを用いて、前記吸着剤に吸着した前記窒素酸化物を加圧により脱着する脱着工程と、
    前記脱着工程により脱着した脱着ガスを、気液接触装置を用いて溶媒に接触させることによって、前記脱着ガス中の前記窒素酸化物を前記溶媒に溶解させる溶解工程と、
    を含む、脱硝方法。
  2. 前記コンプレッサにより加圧された前記加圧用ガスの圧力は、0.2MPa以上10MPa以下である、請求項1に記載の脱硝方法。
  3. 前記脱着工程の後に、前記脱着ガスを冷却することにより、前記脱着ガス中の前記加圧用ガスを回収する加圧用ガス回収工程を更に含み、
    回収した前記加圧用ガスを前記脱着工程において再利用する、請求項1又は2に記載の脱硝方法。
  4. 前記加圧用ガスが二酸化炭素を含み、
    前記加圧用ガス回収工程では、−80℃以下で前記脱着ガスを冷却して二酸化炭素を固化する、請求項3に記載の脱硝方法。
  5. 前記脱着工程の後に、前記脱着ガスを冷却することにより、前記脱着ガス中の前記窒素酸化物を回収する窒素酸化物回収工程を更に含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の脱硝方法。
  6. 前記吸着工程の前に、前記被処理ガスを酸化剤により酸化処理する被処理ガス酸化処理工程を更に含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の脱硝方法。
  7. 前記溶解工程の前に、前記脱着ガスを酸化剤により酸化処理する脱着ガス酸化処理工程を更に含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の脱硝方法。
  8. 窒素酸化物を含む被処理ガスから前記窒素酸化物を吸着する吸着剤を含む吸着装置と、
    コンプレッサにより加圧された加圧用ガスを用いて、前記吸着剤に吸着した前記窒素酸化物を加圧により脱着する脱着装置と、
    前記脱着装置により脱着した脱着ガスを溶媒に接触させることによって、前記脱着ガス中の前記窒素酸化物を前記溶媒に溶解させる気液接触装置とを備える、脱硝装置。
  9. 前記コンプレッサにより加圧された前記加圧用ガスの圧力は、0.2MPa以上10MPa以下である、請求項8に記載の脱硝装置。
  10. 前記被処理ガス及び前記脱着ガスの少なくとも1つを酸化剤により酸化処理する、請求項8又は9に記載の脱硝装置。
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