しかしながら、Eye-Fi(登録商標)カードのようなデータ転送装置は、記憶したファイルのうち所定のファイル形式のファイルを無線通信により送信し、所定のファイル形式以外のファイルは無線通信による送信を行わない構成となっている。例えば、画像ファイル形式の一つであるjpg形式のデータや、動画ファイル形式の1つであるmpg形式のファイルのみを転送するように構成されている。
そのため、これ以外のファイル形式で記録している従来の電子機器に、このようなデータ転送機能を有する装置(媒体)をセットしても、そのデータを無線通信によって転送させることができないという問題があった。
そこで、本発明は、係る問題を解決するためになされたもので、無線通信機能を有しない電子機器であっても、当該電子機器が生成した情報を無線通信によって転送させることができる電子機器を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明に係る電子機器は、(1)記憶手段を備え前記記憶手段に記憶したファイルのうち所定のファイル形式のファイルを無線通信により送信する機能を備えたデータ転送装置を接続可能な電子機器であって、前記データ転送装置を接続する接続手段と、前記データ転送装置の前記記憶手段に対して前記所定のファイル形式のファイルを記憶させる制御手段とを備え、前記制御手段は、当該電子機器の生成する情報を前記所定のファイル形式のファイルに埋め込む機能を有することを特徴とする。
このようにすれば、当該電子機器の生成する情報は、前記所定のファイル形式のファイルに埋め込まれているので、データ転送装置は所定のファイル形式であると判断して、そのファイルを無線通信により送信することとなる。したがって、無線通信機能を有しない電子機器であっても、当該電子機器が生成した情報を無線通信によって情報システムへ転送させることができる。なお、データ転送装置は、所定のファイル形式以外のファイル形式のファイルを転送する機能を備えるようにしてもよく、すべてのファイル形式のファイルを転送するものでも、本発明は適用できる。
(2)前記データ転送装置はメモリカード規格と互換性のある構成としており、前記接続手段は、当該メモリカード規格のメモリカードを接続するためのものであり、前記制御手段は、前記所定のファイル形式のファイルとして画像ファイルまたは動画ファイルを生成し、前記電子機器の生成する情報として前記画像ファイルまたは動画ファイルのファイル形式の規格で定められていない情報を生成し、前記所定のファイル形式のファイルに埋め込んで、前記記憶手段に記憶させる構成とするとよい。
このようにすれば、メモリカードの代わりにデータ転送装置を接続できる。
(3)前記所定のファイル形式は、所定の拡張子のファイル形式である構成とするとよい。
(4)例えば(3)の構成として、前記所定の拡張子は、jpg,jpeg,bmp,tiff,mov,wmv,aviのいずれか1つである構成とするとよい。
このようにすれば、静止画や動画として、情報システムで再生・表示でき、そのファイルに含まれる前記電子機器の生成する情報を容易に確認できる。
(5)前記データ転送装置は、特定のフォルダ内のファイルのみを前記無線通信による送信の対象とするものであり、前記無線通信によって送信済みのファイルを前記記憶手段から削除する機能を備え、前記制御手段は、前記特定のフォルダ内に前記所定のファイル形式のファイルを記憶させるとともに、当該記憶させたファイルのバックアップとなるファイルを前記特定のフォルダ以外のフォルダに格納する構成とするとよい。
このようにすれば、例えば、データ転送装置によってデータ転送装置内の記憶手段から削除されたファイルに埋め込んだ当該電子機器の生成した情報を、当該電子機器が再度処理に利用しようとした場合に、バックアップとなるファイルを参照して、処理に利用することができる。また、例えばデータ転送装置から無線通信によって取得したファイルを格納した記録媒体を紛失したり、当該ファイルを記録媒体から削除等したりしてしまったとしても、接続手段を備えた情報システムに前記データ転送装置を接続して、前記データ転送装置の前記特定のフォルダ以外のフォルダから、当該電子機器の生成した情報を取得しなおすことができる。
なお、バックアップとなるファイルは、前記電子機器の生成した情報を含むファイルであればよく、このファイルは、1のファイルであっても、複数のファイルであってもよい。またこのファイルは、既存のファイルに追記する構成としてもよいし、新規にファイルを作成する構成としてもよい。また、例えば、前記特定のフォルダ内に記憶させた前記電子機器の生成した情報を含む前記所定のファイル形式のファイルそのものとしてもよい。また、電子機器の生成した情報のすべてを含むファイルとしてもよいし、そのうちの重要な一部の情報のみを含むファイルとしてもよい。
(6)前記特定のフォルダ内に所定のファイル形式のファイルを記憶させる際に前記埋め込みを行うとともに、前記バックアップとなるファイルを前記特定のフォルダ以外のフォルダに格納するか否かの決定を行う構成とするとよい。すなわち、必ずしもすべての前記所定のファイル形式のファイルに対応するバックアップファイルを作成する必要はなく、例えば、電子機器の生成した情報のうち必要なもののみバックアップとなるファイルを作成するとよい。例えば、電子機器が車載用のドライブレコーダである場合、衝突時の衝撃に相当する加速度情報を含む所定のファイル形式のファイルを記憶させたときのみ、バックアップとなるファイルを作成するようにしてもよい。
(7)前記所定のファイル形式のファイルは、当該所定のファイル形式のファイルであるか否かを識別するためのファイル形式識別領域を備え、前記電子機器の生成する情報を前記所定のファイル形式のファイルに埋め込む機能は、前記ファイル形式識別領域以外の領域に前記電子機器の生成する情報を格納する構成とするとよい。
データ転送装置はファイル形式識別領域を参照して所定のファイル形式のファイルであるか否かを識別するため、電子機器の生成する情報の影響を受けずに、所定のファイル形式であると判断して、そのファイルを無線通信により送信することとなる。したがって、無線通信機能を有しない電子機器であっても、当該電子機器が生成した情報を無線通信によって転送させることができる。
(8)前記所定のファイル形式は、可視化可能な情報を格納するファイル形式であって、前記制御手段は、前記電子機器の生成する情報を前記所定のファイル形式のファイルに埋め込むとともに、前記電子機器の生成する情報を前記可視化可能な情報としても生成する構成とするとよい。
このようにすれば、例えば、情報システムで可視化可能な情報として電子機器の生成する情報を表示させることができる。例えば、可視化可能な情報を格納するファイル形式として画像ファイル形式のファイルに前記電子機器の生成する情報を埋め込むとともに、前記画像データとしても前記電子機器の生成する情報を生成することで、転送先のパソコン等の画像ビューアソフトで画像を表示させれば、その画像の中に可視化可能な情報として前記電子機器の生成する情報が含まれるので、その画像を見るだけで、そのファイルに含まれる前記電子機器の生成する情報を確認することができる。例えば、転送先のパソコン、携帯電話、デジタルカメラ等で、画像をサムネイル表示させたり、スライドショー表示させたりして、必要な情報が含まれるファイルがどのファイルであるかを確認することも容易にできるようになる。
(9)(8)の構成を前提として、前記可視化可能な情報として、前記電子機器の生成する情報を文字列情報及び二次元コードとして生成する構成とするとよい。
このようにすれば、例えば、情報システムで、可視化可能な情報として文字列情報を表示させることができ、そのファイルに含まれる電子機器の生成する情報を文字列によって確認することができるとともに、例えば、二次元コードを携帯機器等で読み取って、携帯機器等に電子機器の生成する情報の少なくとも一部を転送することなども容易にできる。
(10)(8)または(9)の構成を前提として、表示手段を備え、前記制御手段は、前記表示手段に表示した情報の少なくとも一部を、前記可視化可能な情報として生成する構成とするとよい。
このようにすれば、情報システムのビューアー等で当該ファイルを開くだけで、電子機器の表示手段に表示された情報の少なくとも一部の情報が可視化可能な情報として表示される。したがって、電子機器の表示手段に表示された情報を、サムネイル表示等を見て容易に想起することができ、どのときに記録された情報が含まれるものかが容易に特定できる。
(11)特に(10)の構成を前提として前記可視化可能な情報は、当該可視化可能な情報を可視化した際、前記表示手段に表示されていたのと同様の表示態様で表示される情報として生成する構成とするとよい。例えば、表示手段に表示されていた画面のスクリーンショットの画像を可視化可能な情報として生成するとよい。特に、表示手段はセグメント表示を行うものであり、制御手段は、前記可視化可能な情報として当該セグメント表示と視認される画像データを生成する構成とするとよい。
(12)(8)から(11)の構成を前提として、前記電子機器の生成する情報は、時間の経過にしたがって変化する情報であり、前記所定のファイル形式は、動画ファイル形式であって、前記可視化可能な情報として、時間の経過にしたがって変化する情報を前記動画ファイルの時間の経過と同期させて、前記可視化可能な情報として生成する構成とするとよい。
このようにすれば、動画ファイルを情報システムで再生させるだけで、そのファイルに含まれるその時点での前記電子機器の生成する情報を把握することが可能となる。
(13)前記所定のファイル形式は、可聴化可能な情報を格納するファイル形式であって、前記制御手段は、前記電子機器の生成する情報を前記所定のファイル形式のファイルに埋め込むとともに、前記電子機器の生成する情報を前記可聴化可能な情報としても生成する構成とするとよい。
このようにすれば、例えば、情報システムで可聴化可能な情報として電子機器の生成する情報を再生させることができる。例えば、可聴化可能な情報を格納するファイル形式として音声ファイル形式のファイルに前記電子機器の生成する情報を埋め込むとともに、前記音声データとしても前記電子機器の生成する情報を生成することで、転送先のパソコン等の音声再生ソフトで音声を再生させれば、その音声の中に可聴化可能な情報として電子機器の生成する情報が含まれ、その音声を聞くだけで、そのファイルに含まれる前記電子機器の生成する情報を確認することができる。
(14)前記所定のファイル形式は位置情報を格納可能な形式であり、前記データ転送装置から、前記無線通信により送信された前記所定のファイル形式のファイルを処理する情報システムを備え、前記データ転送装置は、前記ファイルを記憶した時点の位置を特定するための情報である位置特定用情報を前記無線の受信状態に基づいて取得し、その取得した位置特定用情報を当該ファイルと対応づけて記憶し無線通信により送信する機能を備えており、当該電子機器は、現在位置を検出する位置検出手段を備え、前記制御手段は、前記電子機器の生成する情報として、前記位置検出手段によって検出された位置の位置情報を生成するものであり、前記情報システムは、前記所定のファイル形式のファイルに対応付けられた位置特定用情報に基づき特定した位置情報と、前記位置検出手段によって検出され前記電子機器の生成する情報として前記所定のファイル形式のファイルに埋め込まれた位置情報とに基づき、前記所定のファイル形式に格納する位置情報を決定することを特徴とする位置情報付与システムとするとよい。
このようにすれば、データ転送装置によって取得された位置特定用情報に基づき特定した位置情報と、電子機器の位置検出手段によって検出され当該電子機器の生成する情報として前記所定のファイル形式のファイルに埋め込まれた位置情報の双方の位置情報に基づいて前記所定のファイル形式に格納する位置情報を決定することとなるため、最終的に所定のファイル形式のファイルに埋め込まれた位置情報は、従来よりも位置精度の高い位置情報とすることが可能となる。なお、複数の位置情報から精度の高い位置情報を算出する方法は例えば従来から知られる手法を用いることができる。
(15)(1)〜(13)のいずれかに記載の電子機器における制御手段の機能は、コンピュータに実現させるためのプログラムとして構成することができる。
(16)また、情報システムは、前記データ転送装置から無線通信により送信された前記所定のファイル形式のファイルを処理する情報システムであって、前記所定形式のファイルから、埋め込まれた前記電子機器の生成した情報を取り出して、別ファイルとして格納する機能を備えることを特徴とする構成とするとよい。
このようにすれば、前記電子機器の生成する情報を別ファイルとして記録することができる。別ファイルは、当該電子機器固有のファイル形式とすることも可能となる。例えば、従来から当該電子機器によって利用されてきたファイル形式のファイルとするとよい。このようにすれば、情報システムでのプログラムを従来のものと変えることなく、無線通信によって当該ファイルを取得することが可能となる。
(17)前記所定のファイル形式のファイルに埋め込む情報として、当該ファイルの転送先の情報を含み、当該転送先の情報を読み出して、当該ファイルまたは前記別ファイルの少なくともいずれか一方を当該転送先へ転送する機能を備える構成とするとよい。
このようにすれば、前記電子機器の生成する情報を所定の転送先へ転送させることができる。例えば、転送装置における転送先が所定の転送先に固定されている場合であっても、その所定の転送先以外の転送先に、当該ファイルを転送させることができる。この構成とする場合には、例えば、電子機器の制御手段は、前記所定のファイル形式のファイルに埋め込む情報として、当該ファイルの転送先の情報を含んで埋め込む処理を行うようにすればよい。
(18)(13)(15)(16)の情報システムとしての機能は、コンピュータに実現させるためのプログラムとして構成することができる。
本発明によれば、無線通信機能を有しない電子機器であっても、当該電子機器が生成した情報を無線通信によって転送させることができる。
図1,図2は、本発明の電子機器として好適な一実施形態であるドライブレコーダ機能を有するレーダー探知機の構成を示している。本レーダー探知機はその底面に球面を有するボールジョイント部31を備え、台座33の上部に有するボールジョイント受け部33aに有する前記球面を受ける球面受け部との間の摩擦抵抗によって、手で力を加えればボールジョイント部31の可動範囲内で動き、手で力を加えていない状態では固定される。すなわち、ボールジョイント受け部33aの球面受け部の内径をボールジョイント部31の球面の外径よりも前記摩擦抵抗が得られる程度に小さくしておく。台座33は、板状の固定部33bの上部にボールジョイント受け部33aを備え、固定部33bの底面をダッシュボード上に貼り付けることで、ダッシュボード上に固定される。
本レーダー探知機は、図1に示すように、ケース本体1の上面にソーラーパネル2並びにスイッチ部3を配置している。ケース本体1の前面側(車両前方へ配置される側(フロントガラス側))には、車両の前方へ赤外線を照射するための赤外線プロジェクタ21と車両の前方を撮影するための車外撮影カメラ23を備える。前面側の内部には速度測定装置の発する周波数帯のマイクロ波を検知するマイクロ波受信器4を配置している。ケース本体1の後面側(車両後方へ配置される側(ユーザ側(ドライバー側))には、表示部5と警報ランプ6と赤外線通信機7とリモコン受信器16を備える。また、ケース本体1の内部の上面側には、GPS受信器8を備え、ケース本体1の内部の下面側には、バッテリを備える。さらに、ケース本体1の一方の側面内部にはメモリカードリーダ13を備え、そのメモリカードリーダ13へメモリカード14を挿入するためのメモリカードスロット30をケース本体1の一方の側面に備える。また、他方の側面には電源スイッチ10並びに図示省略するDCジャックを備える。ケース本体1内には、スピーカ20と加速度センサ25も内蔵している。加速度センサ25は、前後方向の加速度を検出するように設置している。
表示部5は3インチの横320ドット、縦240ドットのカラードットマトリクス液晶ディスプレイであり、ケース本体1の後面側(車両後方へ配置される側(ユーザ側(ドライバー側))を表示面としている。表示部5を実装するケース本体1の後方側の高さHは、その他の部位の高さH0よりも大きくしている。
図2に示すように、赤外線通信機7は携帯電話機12等の赤外線通信機を内蔵した通信装置との間でデータの送受を行なう。
メモリカードリーダ13は、メモリカードリーダ13に装着されたメモリカード14に格納されたデータを内部に取り込んだり、データベース19や制御部18のメモリの内容をメモリカード14に書き込んだりする。より具体的には、メモリカード14に格納されたデータに、新規な目標物の情報(経度・緯度を含む位置情報,種別情報等)や注意を要する車両の道路標識に関する情報、新規の地図データなどの更新情報がある場合、その更新情報を制御部18が装置に内蔵されるデータベース19に格納(ダウンロード)し、データベース19のデータを更新する。
データベース19は、制御部18のマイコン内あるいはマイコンに外付けした不揮発性メモリ(たとえばEEPROM)である。データベース19には、出荷時に一定の目標物に関するデータと地図データを登録しており、その後に追加された目標物についてのデータや地図データ等を上記のようにしてデータ更新することができる。また、データ更新は、赤外線通信機7を介して行なうこともできる。
DCジャックは、図示省略のシガープラグコードを接続するためのもので、そのシガープラグコードを介して車両のシガーソケットに接続して電源供給を受ける。DCジャックから供給される電源及びソーラーパネル2から供給される電源は、バッテリに供給されて充電されるとともに、DCジャックから供給される電源、ソーラーパネル2から供給される電源、バッテリから供給される電源は、図1、図2に示す電子回路の各部に供給される。
無線受信器15は、飛来する所定周波数の無線を受信する。リモコン受信器16は、赤外線によりリモコン(携帯機:子機)17とデータ通信をし、装置に対する各種の設定を行なう。また、スイッチ部3も制御部18に接続され(図示省略)、リモコン17と同様の設定を行えるようになっている。リモコン17には、再生ボタン、待受切替ボタン、設定ボタン、選択ボタン、キャンセルボタン、決定ボタンと、上下左右の十字ボタンを備えている。
車外撮影カメラ23は、可視光線及び赤外線の帯域での撮影が可能なCCDカメラであり、制御部18のマイコンに備えるUSBポートに内部接続されている。車外撮影カメラ23は、CCDカメラで撮影した映像をA/D変換して映像データとして制御部18へ送る機能を備える。この機能は、いわゆるUSBカメラと同様の構成である。制御部18は、道路標識上の読み取りに必要な照度が不足するか否かをCCDカメラで撮影した映像の映像データの明さから判定し、照度が不足する場合には、赤外線プロジェクタ21をオンにし、車両の前方へ赤外線を照射する。
制御部18は、メインCPU、サブCPU,ROM,RAM,不揮発性メモリ、I/O等を備えるマイコンであり、図2に示すように上述した各部と接続され、上記の各部から入力される情報に基づき所定の処理を実行し、上記の各部を制御して所定の警報・メッセージや情報を出力する。なお、これらの基本構成は、基本的に従来のものと同様のものを用いることができる。本実施形態においては、特段の記載がない処理はメインCPUで行う。
本実施形態のレーダー探知機における機能は、制御部18に有するコンピュータが実行するプログラムとして制御部18のEEPROM上に格納され、これを制御部18に有するコンピュータが実行することで実現される。また、不揮発性メモリには、フォントデータを格納しており、制御部18は、文字コードに対応するフォントを展開して、表示部5の任意の位置の表示させる機能を有する。
制御部18の有するプログラムによってコンピュータが実現する機能としては、待ち受け画面表示機能、レーダースコープ表示機能、GPS警報機能、レーダー波警報機能、無線警報機能、映像表示機能、映像記録機能、映像再生機能、運行ログ機能などがある。
待ち受け画面表示機能は、図3(a)に示すように、GPS受信器8によって検出した自車両の速度、緯度、経度、高度を表示部5に表示する機能である。
レーダースコープ表示機能は、図3(b)に示すように、GPS受信器8によって検出した現在位置から所定の範囲内(例えば約1kmの範囲内)にある目標物をデータベース19に記憶された位置情報から検索し、自車位置と目標物の位置との相対的な位置関係を表示部5に表示させる機能である。図3(b)中の左側の「W」が西、右側の「E」が東、上側の「N」が北の方角を示し、「W」と「E」を結ぶ左右方向の線と「N」から下へ伸びる上下方向の線との交点にあるアイコンが自車位置を示している。また「L」「RD」「P」「N」等の文字を有するアイコンが目標物の種類と位置を示す。
図3(a)に示すような待ち受け画面表示機能実行中にリモコン17に設けた待受切替ボタンの押下が検出された場合、図3(b)に示すようなレーダースコープ表示機能に切り替える。また、レーダースコープ表示機能実行中にリモコン17に設けた待受切替ボタンの押下が検出された場合、映像表示機能に切り替える。また、映像表示機能の実行中にリモコン17に設けた待受切替ボタンの押下が検出された場合、待ち受け画面表示機能に切り替える処理を行う。
制御部18は、映像表示機能、待ち受け画面表示機能またはレーダースコープ表示機能(以下これらの機能を総称して待受機能と称する)の実行中に、発生したイベントに応じて、GPS警報機能、レーダー波警報機能、無線警報機能等の各機能を実現する処理を実行する。各機能の優先度は、高いほうから、レーダー波警報機能、無線警報機能、GPS警報機能の順に設定している。
GPS警報機能は、制御部18に有するタイマーからのイベントにより所定時間間隔(1秒間隔)で実行される処理であり、データベース19に記憶された目標物の緯度経度とGPS受信器8によって検出した現在位置の緯度経度から両者の距離を求め、求めた距離が所定の接近距離(例えば500m以内)になった場合に、表示部5にその旨を表示し、スピーカ20からその旨を示す接近警告の音声を出力する処理である。
こうした目標物としては、居眠り運転事故地点、レーダー、制限速度切替りポイント、取締エリア、検問エリア、駐禁監視エリア、Nシステム、交通監視システム、交差点監視ポイント、信号無視抑止システム、警察署、事故多発エリア、車上狙い多発エリア、急/連続カーブ(高速道)、分岐/合流ポイント(高速道)、ETCレーン事前案内(高速道)、サービスエリア(高速道)、パーキングエリア(高速道)、ハイウェイオアシス(高速道)、スマートインターチェンジ(高速道)、PA/SA内 ガソリンスタンド(高速道)、トンネル(高速道)、ハイウェイラジオ受信エリア(高速道)、県境告知、道の駅、ビューポイントパーキング等があり、これらの目標物の種別情報とその位置を示す緯度経度情報と表示部5に表示する模式図または写真のデータと音声データとを対応付けてデータベース19に記憶している。
地図データとしては、カーナビゲーションに用いる地図データと同じデータを格納している。すなわち、緯度経度に対応付けた道路ネットワークデータ、地名データ等である。
レーダー波警報機能は、マイクロ波受信器4によって速度測定装置(移動式レーダー等(以下、単に「レーダー」と称する))から発せられる周波数帯のマイクロ波に対応する信号が検出された場合に、表示部5に対して警報画面を表示するとともに、スピーカ20から警報音を出力する警報機能である。例えば、レーダーの発するマイクロ波の周波数帯のマイクロ波がマイクロ波受信器4によって検出された場合に、図4に示すように、データベース19に記憶されたレーダーの模式図または写真を表示部5に警報画面として表示するとともに、データベース19に記憶された音声データを読み出して「レーダーです。スピード注意」という音声をスピーカ20から出力する。音声出力中は、警報ランプ6を点燈させる。
無線警報機能は、無線受信器15によって、緊急車両等の発する無線電波を受信した場合に、その走行等の妨げとならないよう、警報を発する機能である。無線警報機能においては、取締無線、カーロケ無線、デジタル無線、特小無線、署活系無線、警察電話、警察活動無線、レッカー無線、ヘリテレ無線、消防ヘリテレ無線、消防無線、救急無線、高速道路無線、警備無線等の周波数をスキャンし、スキャンした周波数で、無線を受信した場合には、データベース19に無線種別ごとに記憶されたその周波数に対応する無線を受信した旨の模式図を警報画面として表示部5に表示するとともに、データベース19に無線種別ごとに記憶された音声データを読み出して、スピーカ20からその無線の種別を示す警報音声を出力する。たとえば、取締無線を受信した場合には「取締無線です。スピード注意」のように音声を出力する。音声出力中は、警報ランプ6を点燈させる。
映像表示機能は、制御部18が車外撮影カメラ23から受け取った映像データを表示部5に表示させる機能である。
映像記録機能は、制御部18が車外撮影カメラ23から受け取った映像データをメモリカード14に記録する機能である。制御部18は、DCジャックからの電源供給の有無を検出し、DCジャックからの電源供給が開始されたときに映像記録を開始し、DCジャックからの電源供給が終了されたときに映像記録を終了する。この処理は、制御部18に備えるサブCPUによって実行される。この映像データは、MPEG形式に圧縮してメモリカード14の「DCIM」フォルダ内に、映像の記録開始の日時をファイル名として拡張子を「.MPG」としたファイルに記録していく。DCジャックに電源の供給が開始されるのは、一般的な車両では、車両のキーがOFFからACCとなったときであり、DCジャックへの電源の供給が終了するのは車両のキーがACCからOFFになったときである。この区間を、車両の走行区間と定義すると、車両の1つの走行区間につき1つの映像ファイルが作成されることとなる。
運行ログ機能は、加速度センサ25から得た加速度及びGPS受信器8から得た現在位置、現在時刻、速度(車速)からなる車両状態データをメモリカード14に設けた「運行記録」フォルダ内に運行ログファイルの各行として記録する機能である。この処理は、制御部18に備えるサブCPUによって実行される。この運行ログファイルは、CSVファイル形式でメモリカード14の「運行記録」フォルダ内に、運行ログの記録開始の日時をファイル名として車両の1つの走行区間につき1つの運行ログファイルを生成する。
映像再生機能は、制御部18がメモリカード14に記録された映像データを、表示部5に展開して表示する機能である。
メモリカード14は、図5(a)に示すSDHCメモリカードとその電気的特性・構造について互換性を有するメモリカードであるが、さらに無線LAN機能を備えるものである。具体的には、例えばEye-Fi(登録商標)カードとして商品化されているものなどを用いることができる。
メモリカード14は、その内部に、マイコンからなる制御部48を備え、制御部48には、メモリカードインターフェース42、記憶手段としてのフラッシュメモリ44、無線LANモジュール46が接続されている。メモリカード14が、メモリカードスロット30に挿入されると、メモリカードインターフェース42はメモリカードリーダ13と接続される。制御部18によってメモリカードリーダ13が制御され、ファイルの書き込み制御がなされると、制御部48はメモリカードインターフェース42を介してそのファイルのデータを受け取り、フラッシュメモリ44にファイルを格納する。また、制御部48は、無線LANモジュール46を制御し、接続可能な無線LANアクセスポイントを検索し、接続可能な無線LANアクセスポイントがある場合にはそのアクセスポイントへ接続する。そして、無線LANアクセスポイントを介してインターネット上の画像サーバへアクセスし、その画像サーバに、フラッシュメモリ44の「DCIM」フォルダ内及び「DCIM」フォルダ内に設けたフォルダ内のjpg,jpeg,bmp,tiff,mov,wmv,avi,mpg,mpeg.mp4,flv,mpoの拡張子を有するファイルのうち未だ転送されていないファイルを転送する機能を有する。「DCIM」フォルダ外に記憶されたファイルや、jpg,jpeg,bmp,tiff,mov,wmv,avi,mpg,mpeg.mp4,flv,mpoといった画像(映像を含む)の拡張子(特定の拡張子)を持たないファイルは転送を行わない。そして、インターネットに接続されたサーバのアドレス、ID、パスワードを予め所定の設定ファイルにパソコンから設定し記憶させておき、ファイルの転送先はその設定ファイルに記憶されたサーバのアドレス、ID、パスワードによってログインされたファイル蓄積サービスのサーバのディスクとする。
このようにして、映像記録機能によってメモリカード14の「DCIM」フォルダ内に記録された映像ファイルが、パソコンで予め設定されたファイル蓄積サービスのサーバのディスクに無線転送されることとなる。
そして、本実施形態のドライブレコーダ機能を有するレーダー探知機では、DCジャックからの電源供給が終了されたときに、バッテリによる動作を開始する。このバッテリによる動作は1時間行う。すなわちこのバッテリによる動作の開始の1時間後に電源を遮断する。この1時間という時間は、エンジン停止後、メモリカード14の「DCIM」フォルダ内に記録された映像ファイル等が無線転送されるのに必要な時間を考慮して決定している。
DCジャックからの電源供給が終了された場合、図6に示す運行ログデータ画像化処理を行う。この処理のなかで、運行ログ機能によってメモリカード14に設けた「運行記録」フォルダ内に記録された加速度センサ25から得た加速度及びGPS受信器8から得た現在位置、現在時刻、速度(車速)からなる車両状態データを画像データに組み込んで「DCIM」フォルダ内に記録する運行ログデータ画像化機能を実現する。
制御部18が運行ログデータ画像化機能を実現する処理の流れを、図6を参照して説明する。
まずステップ(以下Sと称する)110では、運行記録フォルダ内にファイルがあるか否かを判定する。ファイルがない場合には(S110:N)、この処理を終了する。エンジンを始動してすぐにオフした場合などには運行ログデータ画像化機能を実行せずに終了するためである。運行記録フォルダ内にファイルがある場合には(S110:Y)、S120へ移行する。
S120では、今回の走行区間の運行ログファイルを選択して、そのファイル中の運行ログの特徴的内容を含む画像を生成する。運行ログの特徴的内容として、出発日時、出発場所、到着日時、到着場所を含む画像を生成する。例えば図7に示すように、タイトル「運行ログ」、出発日時「2010/01/10 10:30:25」、出発場所「愛知県名古屋市名東区」、到着日時「2010/01/10 11:25:13」、到着場所「愛知県豊田市トヨタ町」といった具合に不揮発性メモリに記憶されたフォントを展開して表示する。タイトルの下には、左右方向の区切り線を描画している。
なお、出発日時は運行ログファイルの先頭行に記録された日時とし、出発場所は運行ログファイルの先頭行から順に探索し現在位置のデータが最初に記録されている行から取得した緯度経度データの対応する地名をデータベース19の地図データに基づいて特定して表示する。GPS受信器8からは、出発後すぐに位置情報を取得できない場合があるためである。到着日時は運行ログファイルの最終行に記録された日時とし、到着場所は運行ログファイルの最終行から取得した緯度経度データの対応する地名をデータベース19の地図データに基づいて特定して表示する。
続くS130では、表示部5にS120で表示した画像データをJPEG形式の画像ファイルにエンコードし、そのエンコードしたJPEG形式の画像ファイルに対して、さらに、今回の走行区間の運行ログファイルを埋め込んだ、埋め込み画像ファイルを生成する。このファイルの埋込みは、インプラントJPEG形式で行っている。すなわち、JPEGファイルのビューアソフトで本JPEGファイルを読み込んで表示する際に、JPEG画像フォーマットの画像の展開及び表示に影響のでないデータ領域に、運行ログファイルを埋め込んでいる。
続くS140では、S130で生成した埋め込み画像ファイルを「DCIM」フォルダ内へ移動して格納する。
続くS150では、「画像生成済み」フォルダへ、今回の運行データファイルを移動して、本処理を終了する。
このようにして、「DCIM」フォルダ内へ格納された画像ファイルは、パソコンで予め設定されたファイル蓄積サービスのサーバのディスクに無線転送されることとなる。
このようにして、転送されたデータは、インターネットに接続されたパソコンのブラウザにサーバのアドレスを入力し、ID、パスワードを入力して、このサーバへアクセスすることで、一覧がサムネイル表示され、参照することができる。表示された一覧のサムネイル表示の中から、自己のパソコンへダウンロードするファイルをチェックボックスにチェックを入れて選択して、ダウンロードする。
このように、サムネイルとして表示される際に、例えば、図7のようにサムネイル画像中に、出発日時・出発場所・到着日時・到着場所が表示されることとなるため、自己が必要なデータがどのデータかを画像のサムネイルを見て確認し、選択することができる。
チェックされたファイルをダウンロードして自己のパソコンの「マイピクチャ」フォルダに格納する。例えば、図7のファイルを格納する。
すると、自己のパソコンのファイラー(例えばWindows(登録商標)ではエクスプローラ、Macであればファインダと呼ばれる標準のファイラー)によって「マイピクチャ」フォルダの中のファイルをサムネイル表示させるだけで、どのファイルがどの運行ログを内部に埋め込んでいるものかが分かる。
自己のパソコンには、インプラントJPEGファイルから、埋め込まれたファイルを抽出するプログラムを記憶している。このプログラムを実行すると、JPEGファイルの選択画面が表示され、選択されたJPEGファイルの中に埋め込まれたファイルを抽出して、新たなファイルとして選択されたフォルダ(ディレクトリ)内に記憶する処理が行われる。
例えば、図7のサムネイル画像が表示されるファイルを選択した場合、このファイルに埋め込まれた運行ファイルが抽出され、ユーザが指定した「抽出された運行データ」フォルダに記憶される。
以上のように、フラッシュメモリ44を備え、フラッシュメモリ44に記憶したファイルのうちJPEGファイル形式のファイルを無線通信により送信する機能を備えたメモリカード14を接続可能なレーダー探知機であって、メモリカード14を接続するメモリカードリーダ13と、メモリカード14のフラッシュメモリ44に対してJPEGファイル形式のファイルを記憶させる制御を行う制御部18とを備え、制御部18は、当該レーダー探知機の生成する情報をJPEGファイル形式のファイルに埋め込む機能を有する。そのため、レーダー探知機の生成する情報は、JPEGファイル形式のファイルに埋め込まれているので、メモリカード14の制御部48はJPEGファイル形式であると判断して、そのファイルを無線通信により無線LANモジュール46から送信することとなる。したがって、無線通信機能を有しないレーダー探知機であっても、当該レーダー探知機が生成した情報を無線通信によってサーバやパソコンなどの情報システムへ転送させることができる。
メモリカード14は、SDHCメモリカードとその電気的特性・構造について互換性を有するメモリカードとしており、メモリカードリーダ13は、SDHCメモリカード規格のメモリカードを接続するためのものであり、制御部18は、JPEGファイル形式のファイルとして画像ファイルを生成し、レーダー探知機の生成する情報としてJPEG画像ファイルのファイル形式の規格で定められていない運行ログ情報を生成し、JPEGファイル形式のファイルに埋め込んで、フラッシュメモリ44に記憶させる構成としている。
このようにすれば、通常の単なる記憶機能を有するSDHCメモリカードの代わりに無線LAN接続機能を有するメモリカード14を接続することができる。JPEGファイル形式は、「.JPG」の拡張子を有するファイルとして記録する。また映像データはMPEG形式で「.MPG」の拡張子を有するファイルとして記録する。そのため、静止画や動画として、情報システムで再生・表示でき、そのファイルに含まれるレーダー探知機の生成する情報を容易に確認できる。
なお、メモリカード14は、「DCIM」フォルダ内のファイルのみを無線通信による送信の対象とするものであり、無線通信によって送信済みのファイルを記憶手段から削除する機能を備えるものとしてもよい。制御部18は、「DCIM」フォルダ内にJPEGファイル形式のファイルを記憶させるとともに、当該記憶させたファイルのバックアップとなるファイルを「DCIM」フォルダ以外のフォルダに格納する構成としてもよい。例えば、図6のS140では、S130で生成した埋め込み画像ファイルを「backup」フォルダ内にコピーしてから「DCIM」フォルダ内へ移動して格納するようにするとよい。このようにすれば、例えば、メモリカード14の制御部48によってメモリカード14内のフラッシュメモリ44から削除されたファイルに埋め込んだ当該レーダー探知機の生成した情報を、当該レーダー探知機が再度処理に利用しようとした場合に、「backup」フォルダ内のバックアップとなるファイルを参照して、処理に利用することができる。例えば、次にエンジンがオンになったときに、前回の運行ログの内容を表示させることもできる。例えば、今回のエンジンオンが、図7の表示がなされた運行の後のエンジンオンである場合、「backup」フォルダに格納された最新の画像である図7の画像を20秒間表示部5に表示させる。このようにすることで、前回の運行ログの取得状況を次ぎの運行の開始時に、再度確認することができる。もちろん、これに限定されることなく、各種の処理に利用できる。また、例えば、メモリカード14から無線通信によって取得したファイルを格納した記録媒体を紛失したり、当該ファイルを記録媒体から削除等したりしてしまったとしても、メモリカードリーダを備えた情報システム(例えばパソコンなど)にメモリカード14を接続して、メモリカード14の「backup」フォルダから、レーダー探知機の生成した情報を取得しなおすことができる。
なお、バックアップとなるファイルは、本レーダー探知機によって生成した情報を含むファイルであればよく、このファイルは、1のファイルであっても、複数のファイルであってもよい。またこのファイルは、既存のファイルに追記する構成としてもよいし、新規にファイルを作成する構成としてもよい。
また「DCIM」フォルダ内にJPEGファイル形式のファイルを記憶させる際に前述した埋め込みを行うとともに、バックアップとなるファイルを「backup」フォルダに格納するか否かの決定を行う構成とするとよい。すなわち、必ずしもすべてのJPEGファイル形式のファイルに対応するバックアップファイルを作成する必要はなく、例えば、レーダー探知機の生成した情報のうち必要なもののみバックアップとなるファイルを作成するとよい。例えば、本レーダー探知機が、衝突時の衝撃に相当する加速度である0.3G以上の前後方向の加速度を加速度センサ25から検出した際に、図7の画面と同様に、表示部5の画面のタイトル部に「急減速注意」を表示し、その下に急減速を検出した日時と場所を表示した画面を表示して、さらにこれらの情報をテキストファイルとして埋め込んだJPEGファイル形式のファイルを生成して、「DCIM」フォルダ内に記憶し、「backup」フォルダ内に、バックアップとなるファイルを作成するようにする一方、図6のS140での「backup」フォルダへのコピーは行わないようにしてもよい。
本実施形態のJPEGファイル形式のファイルはJPEGファイル形式のファイルであるか否かを識別するためのファイル形式識別領域を備え、本レーダー探知機の生成する情報をJPEGファイル形式のファイルに埋め込む機能はファイル形式識別領域以外の領域に本レーダー探知機の生成する情報(運行ログ情報)を格納するインプラントJPEG形式で埋め込む構成としている。また拡張子を「.JPG」としている
メモリカード14はファイル形式識別領域を参照してJPEGファイル形式のファイルであるか否かを識別するため、レーダー探知機の生成する運行ログ情報の影響を受けずに、JPEGファイル形式であると判断して、そのJPEGファイルを無線通信により送信することとなる。したがって、無線通信機能を有しないレーダー探知機であっても、当該レーダー探知機が生成した情報を無線通信によって転送させることができる。
JPEGファイル形式は、可視化可能な情報を格納するファイル形式であって、制御部18は、レーダー探知機の生成するログ情報をJPEGファイル形式のファイルに埋め込むとともに、レーダー探知機の生成する情報を可視化可能な情報としても生成する構成としている。そのため、パソコン等の情報システムで可視化可能な情報としてレーダー探知機の生成する運行ログ情報を表示させることができる。例えば、転送先のパソコン等の画像ビューアソフトでこのJPEGファイルの画像を表示させれば、その画像の中に可視化可能な情報としてレーダー探知機の生成する情報が含まれるので、その画像を見るだけで、そのファイルに含まれるレーダー探知機の生成する情報を確認することができる。例えば、転送先のパソコン等で、画像をサムネイル表示させたり、スライドショー表示させたりして、必要な情報が含まれるファイルがどのファイルであるかを確認することも容易にできるようになる。
また、本実施形態では、可視化可能な情報として、レーダー探知機の生成する情報を文字列情報として生成する構成としたが、二次元コードとして生成する構成としてもよい。例えば、図8のように表示した文字列とともに、その文字列の内容を二次元コード内に入れて表示して、JPEGファイルにも埋め込むようにするとよい。このようにすれば、例えば、パソコン等の情報システムで、可視化可能な情報として文字列情報を表示させることができ、そのファイルに含まれるレーダー探知機の生成する情報を文字列によって確認することができるとともに、例えば、二次元コードを携帯機器等で読み取って、携帯機器等にレーダー探知機の生成する情報の少なくとも一部を転送することなども容易にできる。
また、本実施形態では、表示部5を備え、制御部18は、表示部5に表示した情報の少なくとも一部を、可視化可能な情報として生成する構成としている。そのため、パソコン等の情報システムのビューアー等で当該ファイルを開くだけで、レーダー探知機の表示部5に表示された情報の少なくとも一部の情報が可視化可能な情報として表示される。また例えば携帯電話やデジタルカメラ等のパソコン以外の端末でもレーダー探知機の表示部5に表示された情報の少なくとも一部の情報を可視化可能な情報として表示させることができる。したがって、レーダー探知機の表示部5に表示された情報を、サムネイル表示等を見て容易に想起することができ、どのときに記録された情報が含まれるものかが容易に、さまざまな機器で特定することが可能となる。
本実施形態では、可視化可能な情報は、当該可視化可能な情報を可視化した際、表示部5に表示されていたのと同様の表示態様で表示される情報として生成する構成としている。すなわち、表示部5に表示されていた画面のスクリーンショットの画像を可視化可能な情報として生成している。
また、電子機器の生成する情報は、時間の経過にしたがって変化する情報であり、前記所定のファイル形式は、動画ファイル形式であって、前記可視化可能な情報として、時間の経過にしたがって変化する情報を前記動画ファイルの時間の経過と同期させて、前記可視化可能な情報として生成する構成としてもよい。例えば、図1〜7に示して説明した実施形態における映像データに、運行ログファイルに記録する項目を表示させる構成としてもよい。例えば、前後方向の加速度を映像中に表示してもよい。このようにすれば、動画ファイルを情報システムで再生させるだけで、そのファイルに含まれるその時点での電子機器の生成する情報を把握することが可能となる。
さらに、映像データには、可聴化可能な情報を格納するようにしてもよい。例えば、本レーダー探知機にさらにマイクを備え、マイクからその音声を制御部18が取り込んで、映像データ内に格納するようにしてもよい。制御部18は、レーダー探知機の生成する運行ログ情報を映像データのファイル形式のファイルに埋め込むとともに、レーダー探知機の生成する運行ログ情報を音声合成にて読み上げてその映像データ内に可聴化可能な情報としても生成する構成とするとよい。例えば加速度が所定値を超えた場合に、その加速度を音声合成で読み上げてその映像データ内に可聴化可能な情報としても生成する。このようにすれば、例えば、パソコン等の情報システムで可聴化可能な情報としてレーダー探知機の生成する映像データの中の加速度についての音声を再生させることができる。
また、可聴化可能な情報を格納するファイル形式として音声ファイル形式のファイルに運行ログ情報を埋め込むとともに、音声データとしてもレーダー探知機の生成するログ情報を生成するようにしてもよい。このようにすれば、転送先のパソコン等の音声再生ソフトで音声を再生させれば、その音声の中に可聴化可能な情報としてレーダー探知機の生成する情報が含まれ、その音声を聞くだけで、そのファイルに含まれるレーダー探知機の生成する運行ログ情報を確認することができる。
さらに、所定のファイル形式は位置情報を格納可能なJPEG形式であり、メモリカード14から、無線通信により送信されたJPEGファイル形式のファイルを処理する情報システム(サーバ)を備え、メモリカード14は、このファイルを記憶した時点の位置を特定するための情報である位置特定用情報を無線LANモジュール46の無線の受信状態(SSIDの取得状況とSSIDの分布地図)に基づいて取得し、その取得した位置特定用情報を当該ファイルと対応づけて記憶し無線通信により送信する機能を備えるとよい。そしてレーダー探知機は、現在位置を検出するGPS受信器8を備え、制御部18は、レーダー探知機の生成する情報として、GPS受信器8によって検出された位置の位置情報を生成するものであり、前記情報システム(サーバ)は、JPEGファイル形式のファイルに対応付けられた位置特定用情報に基づき特定した位置情報と、GPS受信器8によって検出されレーダー探知機の生成する情報としてJPEGファイル形式のファイルに埋め込まれた位置情報とに基づき、JPEGファイル形式に格納する位置情報を決定する構成とするとよい。このようにすれば、メモリカード14によって取得された位置特定用情報(SSID)に基づき特定した位置情報と、レーダー探知機のGPS受信器8によって検出され当該レーダー探知機の生成する情報としてJPEGファイル形式のファイルに埋め込まれた位置情報の双方の位置情報に基づいてJPEGファイル形式に格納する位置情報を決定することとなるため、最終的にJPEGファイル形式のファイルに埋め込まれた位置情報は、従来よりも位置精度の高い位置情報とすることが可能となる。なお、複数の位置情報から精度の高い位置情報を算出する方法は例えば従来から知られる手法を用いることができる。
本実施形態のパソコンは、メモリカード14から無線通信によりサーバに送信されたJPEGファイル形式のファイルを、サーバから取得して処理する情報システムであって、JPEG形式のファイルから、埋め込まれたレーダー探知機の生成した運行ログ情報を取り出して、別ファイルとして格納する機能を備える。そのため、レーダー探知機の生成する運行ログ情報をJPEG形式のファイルとは別のファイルとしてパソコン内に記録することができる。この別ファイルは、そのレーダー探知機に固有のファイル形式とすることも可能となる。例えば、従来からこのレーダー探知機によって利用されてきたファイル形式のファイルとしてもよい。このようにすれば、情報システムでのプログラムを従来のものと変えることなく、無線通信によって当該ファイルを取得することが可能となる。
JPEGファイル形式のファイルに埋め込む情報として、当該ファイルの転送先の情報を含み、当該転送先の情報を読み出して、当該ファイルまたは前記別ファイルの少なくともいずれか一方を当該転送先へ転送する機能を備える構成としてもよい。このようにすれば、レーダー探知機の生成する情報を所定の転送先へ転送させることができる。例えば、転送装置における転送先が所定の転送先に固定されている場合であっても、その所定の転送先以外の転送先に、当該ファイルを転送させることができる。この構成とする場合には、例えば、レーダー探知機の制御部18は、JPEGファイル形式のファイルに埋め込む情報として、当該ファイルの転送先の情報を含んで埋め込む処理を行うようにすればよい。
なお、本実施形態では、電子機器の例としてドライブレコーダ機能付のレーダー探知機を用いて説明したが、これに限らず、SDHCメモリカードスロットを有する各種の電子機器に適用できる。またSDHC以外のメモリカード規格に対応し、画像データ以外のデータを記録する機能を有する各種の電子機器にも適用可能である。
例えば、図8、図9は、本発明をスピード測定器に適用した例である。このスピード測定器は、発射したマイクロ波のドップラー効果によって、ゴルフのクラブのヘッドスピードとボールスピードを測定し、これらと設定されたクラブの情報(図中「1W」は1番ウッドを示す)からボールの推定飛距離、ミート率を表示するものである。測定結果は、測定日、測定時刻、ヘッドスピード、推定飛距離、ボールスピード、ミート率、クラブ種別の順のテキストのCSV形式の測定日ごとのファイルとして、SDHCメモリカードスロットに装着されたメモリカードに記録される。例えば、図8、図9の例であれば「2011/08/10,10:00,48.9,252,68.9,1.41,1W」というデータがSDHCメモリカードの「DATA」フォルダ内のファイル名「20110810」のファイルに新たな行として記録される。図8のスピード測定器は、図9の部分が表示部であり、カラードットマトリックス液晶ディスプレイで構成されている。上記のように、測定されたデータをCSVファイルに追記する際に、図9のようなJPEG形式の画像データを生成して、この画像データに「2011/08/10,10:00,48.9,252,68.9,1.41,1W」といった測定データを埋め込んで、「DCIM」フォルダにファイル名「201108101000.jpg」として保存する。このようにすることで、ファイル名「201108101000.jpg」のファイルがサーバに無線転送される。サーバに転送されたこのファイルをパソコンで取得して開くと、図9のような画像が表示される。またこのファイルの埋め込み領域から測定データを抽出すると「2011/08/10,10:00,48.9,252,68.9,1.41,1W」という測定データが抽出できる。
なお、JPEG形式の画像データとする画像としては、図9のように表示部に表示した内容としてもよいし、図8のように、表示部の周辺の表示部以外の本体を含む画像としてもよい。本体を含む画像とすれば、どのような機器で保存されたデータが埋め込まれているのかその画像をみて容易に判断できる。
また、表示部の表示は、ドットマトリックスへの表示ではなく、図10に示すようなセグメントタイプの表示画面として、生成する画像データは、このセグメントを模した画像として生成するようにしてもよい。
本実施形態では、埋込み画像ファイルは、インプラントJPEG方式によって生成することとしたが、電子透かし、ステガノグラフィといった手法で画像自体に埋め込む方法をとってもよい。その他、例えば、「特許庁 標準技術集 電気 平成14年度 電子透かしhttp://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/hyoujun_gijutsu/denshi_sukashi/index.htm」などに記載の公知の方法を用いることができる。