(第1実施形態)
以下、パチンコ機に具体化した一実施形態を説明する。
図1に示すように、パチンコ機には、遊技盤10が備えられている。パチンコ機に設けられている発射ハンドルHが回動動作されることにより、遊技盤10へ遊技球が発射される。
遊技盤10の中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する演出実行手段としての演出表示装置11が配設されている。また、遊技盤10の右下方には、特別図柄表示装置12が配設されている。また、特別図柄表示装置12では、複数種類の図柄を変動させて表示する変動ゲームが行われる。演出表示装置11では、特別図柄表示装置12における変動ゲームに連動して、様々な表示演出が行われる。
そして、変動ゲームにおいて特別図柄表示装置12では、複数種類の特別図柄を変動させて特別図柄を表示する。この特別図柄は、当りか否かなどの内部抽選の結果を示す報知用の図柄である。一方、変動ゲームにおいて演出表示装置11では、複数種類の飾り図柄を複数列(本実施形態では3列)で変動させて各列毎に飾り図柄を表示する。この飾り図柄は、表示演出を多様化するために用いられる演出用の図柄である。
そして、特別図柄表示装置12では、変動ゲームの開始により同時に特別図柄の変動表示が開始され、該ゲームの終了と同時に特別図柄が確定停止表示される。また、演出表示装置11では、変動ゲームの開始により同時に飾り図柄の変動表示が開始され、該ゲーム終了前に飾り図柄が一旦停止表示され、該ゲームの終了と同時に各列の飾り図柄が確定停止表示される。
なお、「変動表示」とは、図柄を表示する表示装置に定める表示領域内において表示される図柄の種類が変化している状態である。一方で、「一旦停止表示」とは、前記表示領域内において図柄が再び変動表示される可能性があることを示す状態、例えば、ゆれ変動状態で表示されている状態である。また、「確定停止表示」とは、前記表示領域内において図柄が確定停止している状態(変動ゲーム終了時に表示されている図柄で停止した状態)である。
また、特別図柄表示装置12と演出表示装置11では、同時に変動ゲームが開始され、同時に終了する(すなわち、同時に特別図柄と飾り図柄が確定停止表示される)。
本実施形態において特別図柄表示装置12には、複数種類の特別図柄の中から、当り抽選の抽選結果に対応する1つの特別図柄が選択され、その選択された特別図柄が変動ゲームの終了によって確定停止表示される。特別図柄には、大当りを認識し得る大当り図柄と、はずれを認識し得るはずれ図柄とに分類される。大当り図柄が表示された場合、遊技者には、大当り遊技が付与される。
また、本実施形態において演出表示装置11には、各列毎に[1]〜[7]の7種類の数字が飾り図柄として表示される。そして、演出表示装置11は、特別図柄表示装置12に比較して大きい表示領域で構成されるとともに、飾り図柄は特別図柄に比較して遥かに大きく表示される。このため、遊技者は、演出表示装置11に停止表示された図柄組み合わせから当り又ははずれを認識できる。演出表示装置11に停止表示された全列の図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([222][777]など)から大当り遊技が付与される大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが飾り図柄による大当りの図柄組み合わせ(大当り表示結果)となる。大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されると、遊技者には、変動ゲームの終了後に大当り遊技が付与される。一方、演出表示装置11に確定停止表示された全列の図柄が異なる種類の場合、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ([671][122][767]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせが飾り図柄によるはずれの図柄組み合わせ(はずれ表示結果)となる。
また、本実施形態において、演出表示装置11における各列は、変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って飾り図柄が変動表示されるようになっている。そして、変動ゲームが開始すると(各列の飾り図柄が変動を開始すると)、演出表示装置11において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に飾り図柄が停止表示されるようになっている。そして、停止表示された左図柄と右図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチ状態を認識できる。リーチ状態は、複数列のうち、特定列(本実施形態では左列と右列)の飾り図柄が同一種類となって停止表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では中列)の飾り図柄が変動表示されている状態である。このリーチ状態を認識できる図柄組み合わせが飾り図柄によるリーチの図柄組み合わせとなる。また、本実施形態のパチンコ機では、変動ゲームの開始後、最初に飾り図柄を停止表示させる左列が第1停止表示列になるとともに、次に飾り図柄を停止表示させる右列が第2停止表示列になり、さらに最後に飾り図柄を停止表示させる中列が第3停止表示列となる。
また、演出表示装置11には、特別図柄表示装置12の表示結果に応じた図柄組み合わせが表示される。より詳しくは、特別図柄表示装置12に表示される特別図柄と、演出表示装置11に表示される飾り図柄による図柄組み合わせが対応されており、変動ゲームが終了すると、特別図柄と飾り図柄による図柄組み合わせが対応して確定停止表示される。例えば、特別図柄表示装置12に大当り図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にも大当りの図柄組み合わせが確定停止表示される。また、特別図柄表示装置12にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出表示装置11にもはずれの図柄組み合わせが確定停止表示される。なお、特別図柄に対する飾り図柄の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特別図柄に対して複数の飾り図柄による図柄組み合わせの中から1つの飾り図柄による図柄組み合わせが選択される。
図1に示すように、演出表示装置11の下方には、始動入賞口14が配設されている。また、始動入賞口14へ入球した遊技球を検知する始動口センサSE1が設けられている。始動口センサSE1は、始動入賞口14に入球した遊技球を検知することを契機に、変動ゲームの始動条件を付与し得る。また、始動口センサSE1は、始動入賞口14に入球した遊技球を検知することを契機に、予め定めた個数(3個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与する。
また、演出表示装置11の下方(第1始動入賞口14の下方)には、大入賞ソレノイドSOL1の作動により開閉動作を行う大入賞口扉17を備えた特別入賞口としての大入賞口18が配設されている。また、大入賞口18へ入球した遊技球を検知するカウントセンサSE2が配設されている。大入賞口18のカウントセンサSE2は、大入賞口18に入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数(15個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与する。
そして、大当り遊技が付与されると、付与された大当り遊技の種類に応じて大入賞口扉17が開状態となり、大入賞口18(の開口部)が開放され、その開放により遊技球の入球が許容される。このため、遊技者は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。本実施形態において大当り遊技は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得られることから、遊技者に有利な状態となる。そして、この大当り遊技は、内部抽選で大当りが決定し、変動ゲームにて大当り図柄が確定停止表示されることを契機に付与される。
以下、本実施形態のパチンコ機に規定する大当りの種類について、説明する。
大当り遊技は、変動ゲームにて大当り図柄が停止表示されて該ゲームが終了した後、開始される。大当り遊技が開始すると、オープニング時間が設定される。そして、このオープニング時間において、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。また、オープニング時間が終了すると、大入賞口18が開放されるラウンド遊技が、予め定めた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技中に大入賞口18は、入球上限個数(本実施形態では8個)の遊技球が入賞するまでの間、又は規定時間が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、すべてのラウンド遊技が終了すると、エンディング時間が設定される。また、このエンディング時間において、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われる。また、エンディング時間が終了すると、大当り遊技は終了される。
次に、図2に基づき、パチンコ機の制御構成について説明する。
パチンコ機の機裏側には、パチンコ機全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ機全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、演出制御基板31が装着されている。演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置11の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。
以下、主制御基板30及び演出制御基板31について、その具体的な構成を説明する。
前記主制御基板30には、主制御用CPU30aが備えられている。該主制御用CPU30aには、主制御用ROM30b及び主制御用RAM30cが接続されている。主制御用CPU30aには、始動口センサSE1と、カウントセンサSE2が接続されている。また、主制御用CPU30aには、特別図柄表示装置12が接続されている。また、主制御用CPU30aには、大入賞ソレノイドSOL1が接続されている。また、主制御基板30には、ハードウェア乱数を生成する乱数生成器30dが設けられており、主制御用CPU30aに接続されている。
この乱数生成器30dでは、内部クロックの1周期毎に1更新されるハードウェア乱数が生成される。なお、本実施形態のパチンコ機では内部クロックが10MHzに設定されているため、0.1マイクロ秒毎にハードウェア乱数の値が1更新される。また、ハードウェア乱数の取り得る数値は、0〜65535までの全部で65536通りの整数となっている。そして、本実施形態のパチンコ機において、ハードウェア乱数は当り判定用乱数として使用される。当り判定用乱数は、当り抽選(大当り判定)に用いる乱数である。
また、主制御用RAM30cには、所定の周期(ハードウェア乱数の値が更新される時間よりも長い時間(例えば、4m秒))毎に主制御用CPU30aが行う乱数更新処理によって、値が更新されるソフトウェア乱数が記憶されている。なお、本実施形態のパチンコ機において主制御用RAM30cには、第1のソフトウェア乱数、第2のソフトウェア乱数、第3のソフトウェア乱数が記憶されており、各ソフトウェア乱数は取り得る数値の範囲が異なる。そして、本実施形態のパチンコ機において、第1のソフトウェア乱数は特別図柄振分用乱数、第2のソフトウェア乱数はリーチ判定用乱数、第3のソフトウェア乱数は変動パターン振分用乱数としてそれぞれ使用される。
特別図柄振分用乱数(大当り種別用乱数)は、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄の種類を決定する際に用いる乱数である。また、リーチ判定用乱数は、リーチ演出を行うか否かを決定するためのリーチ判定(リーチ抽選)に用いる乱数である。また、変動パターン振分用乱数は、変動パターンを決定する際に用いる乱数である。
また、主制御用ROM30bには、パチンコ機全体を制御するためのメイン制御プログラムが記憶されている。また、主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄(特別図柄及び飾り図柄)が変動を開始(変動ゲームが開始)してから図柄が停止表示(変動ゲームが終了)される迄の間の遊技演出(表示演出等)のベースとなるパターンを示すものである。すなわち、変動パターンは、特別図柄が変動開始してから特別図柄が確定停止表示されるまでの間の変動ゲームの演出内容(大当りの有無、リーチ演出の有無、当り遊技の種類など)及び演出時間(変動時間)を特定することができる。
変動パターンには、大当り演出を特定する大当り変動パターンがある。また、変動パターンには、リーチを形成し、リーチ演出が行われた後に最終的にはずれとするはずれリーチ演出を特定するはずれリーチ変動パターンと、リーチを形成せずにはずれとするはずれ演出を特定するはずれ変動パターンがある。なお、大当り変動パターンと、はずれリーチ変動パターンと、はずれ変動パターンには、それぞれ複数種類の変動パターンが用意されている。
大当り演出は、変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的に大当りの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。はずれリーチ演出は、変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。はずれ演出は、変動ゲームが、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。リーチ演出は、演出表示装置11の飾り図柄による変動ゲームにおいて、リーチの図柄組み合わせが形成されてから、大当りの図柄組み合わせ、又ははずれの図柄組み合わせが導出される迄の間に行われる演出である。
本実施形態において、変動パターンにより特定される演出内容(例えばリーチ演出の内容)毎に、大当り期待度が異なるように設定されている。大当り期待度は、ある演出内容で大当りとなる割合と、当該演出内容ではずれとなる割合に基づき、決定される。
具体的説明する。本実施形態では、3種類のリーチ演出(第1リーチ演出〜第3リーチ演出)が実行可能に構成されている。大当りとなるときに、第1リーチ演出が実行される割合は、第2リーチ演出及び第3リーチ演出が実行される割合よりも高く、はずれとなるときに、第1リーチ演出が実行される割合は、第2リーチ演出及び第3リーチ演出が実行される割合よりも低く設定されている。このため、第1リーチ演出は、第2リーチ演出及び第3リーチ演出よりも大当り期待度が高くなっている。
また、大当りとなるときに、第3リーチ演出が実行される割合は、第1リーチ演出及び第2リーチ演出が実行される割合よりも低く、はずれとなるときに、第3リーチ演出が実行される割合は、第1リーチ演出及び第2リーチ演出が実行される割合よりも高く設定されている。このため、第3リーチ演出は、第1リーチ演出及び第2リーチ演出よりも大当り期待度が低くなっている。
本実施形態では、第1リーチ演出を実行させる大当り変動パターンを、第1大当り変動パターンとし、第2リーチ演出を実行させる大当り変動パターンを、第2大当り変動パターンとし、第3リーチ演出を実行させる大当り変動パターンを、第3大当り変動パターンと示す。同様に、第1リーチ演出を実行させるはずれリーチ変動パターンを、第1はずれリーチ変動パターンとし、第2リーチ演出を実行させるはずれリーチ変動パターンを、第2はずれリーチ変動パターンとし、第3リーチ演出を実行させるはずれリーチ変動パターンを、第3はずれリーチ変動パターンと示す。
また、主制御用RAM30cには、パチンコ機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。また、主制御用ROM30bには、各種の判定値が記憶されている。例えば、主制御用ROM30bには、大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、当り判定用乱数(ハードウェア乱数)の取り得る数値の中から定められている。また、主制御用ROM30bには、リーチ判定値が記憶されている。リーチ判定値は、リーチ抽選で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数(第2のソフトウェア乱数)の取り得る数値の中から定められている。
次に、図2に基づき演出制御基板31について説明する。
演出制御基板31には、演出制御用CPU31aが備えられている。該演出制御用CPU31aには、演出制御用ROM31b及び演出制御用RAM31cが接続されている。また、演出制御用CPU31aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を演出制御用RAM31cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。また、演出制御用ROM31bには、遊技演出を実行させるための演出制御プログラムが記憶されている。演出制御用CPU31aは、各種制御コマンドを入力すると、当該演出制御プログラムに基づき各種制御を実行する。また、演出制御用ROM31bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。また、演出制御用CPU31aには、演出表示装置11が接続されている。
次に、主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理について説明する。最初に、特別図柄入力処理を説明する。特別図柄入力処理は、主制御用CPU30aにより所定周期毎に実行されるようになっている。
まず、主制御用CPU30aは、始動入賞口14に遊技球が入球したか否かを判定する。すなわち、主制御用CPU30aは、始動口センサSE1が遊技球を検知した時に出力する第1検知信号を入力したか否かを判定する。この判定結果が否定の場合(第1検知信号を入力しなかったと判定した場合)、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、第1検知信号を入力したと判定した場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30c及び乱数生成器30dから各種乱数の値を取得し、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶する。このとき主制御用CPU30aは、乱数生成器30dから当り判定用乱数の値を取得し、主制御用RAM30cから特別図柄振分用乱数、リーチ判定用乱数及び変動パターン振分用乱数の値を取得する。そして、特別図柄入力処理を終了する。
次に、特別図柄開始処理について説明する。主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を所定周期毎に実行するようになっている。
主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に各種乱数が記憶されている場合、主制御用RAM30cから当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン振分用乱数、及び特別図柄振分用乱数の値を取得する。
主制御用CPU30aは、取得した当り判定用乱数の値が主制御用ROM30bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定(大当り抽選)を行う。大当り判定の判定結果が肯定の場合(大当りの場合)、主制御用CPU30aは、大当りの変動であることを示す大当りフラグに[1]を設定する。そして、主制御用CPU30aは、取得した特別図柄振分用乱数の値に基づき、大当り遊技の種類を決定すると共に、特別図柄による大当り図柄の中から特別図柄表示装置12にて確定停止表示される最終停止図柄を決定する。その後、主制御用CPU30aは、取得した変動パターン振分用乱数に基づき、大当り変動パターンの中から変動パターンを決定する。
変動パターン及び最終停止図柄を決定した主制御用CPU30aは、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、変動ゲームに関する各種処理を実行する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを出力する。また、主制御用CPU30aは、特別図柄を変動開始させるように特別図柄表示装置12の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、変動ゲームの演出時間の計測を開始する。また、主制御用CPU30aは、最終停止図柄を指定するための特別図柄指定コマンドを出力する。そして、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。その後、特別図柄開始処理とは別の処理で、主制御用CPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように特別図柄表示装置12の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、飾り図柄の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
一方、大当り判定の判定結果が否定の場合(大当りでない場合)、主制御用CPU30aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定するリーチ判定を行う。本実施形態では、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cから取得したリーチ判定用乱数が、リーチ判定値に一致するか否かにより当選判定を行う。
そして、リーチ判定の判定結果が肯定である場合、主制御用CPU30aは、はずれ図柄を特別図柄表示装置12にて確定停止表示される最終停止図柄として決定する。次に、主制御用CPU30aは、取得した変動パターン振分用乱数に基づき、はずれリーチ変動パターンの中から変動パターンを決定する。
そして、変動パターン及び最終停止図柄を決定した主制御用CPU30aは、前述同様、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、変動ゲームに関する各種処理を実行する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
一方、リーチ判定の判定結果が否定の場合(リーチ演出を行わない場合)、主制御用CPU30aは、はずれ図柄を特別図柄表示装置12にて確定停止表示される最終停止図柄として決定する。次に、主制御用CPU30aは、取得した変動パターン振分用乱数に基づき、はずれ変動パターンの中から変動パターンを決定する。
そして、変動パターン及び最終停止図柄を決定した主制御用CPU30aは、前述同様、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、変動ゲームに関する各種処理を実行する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
そして、主制御用CPU30aは、大当りを決定した場合(大当りフラグに[1]が設定された場合)、決定した変動パターンに基づく変動ゲームの終了後、最終停止図柄に基づき特定された種類の大当り遊技の制御を開始し、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。
具体的には、主制御用CPU30aは、オープニング時間の設定を開始する。また、主制御用CPU30aは、オープニング時間が開始したことを指示するオープニングコマンドを演出制御基板31に出力する。次に、主制御用CPU30aは、オープニング時間の終了後、各ラウンド遊技を制御する。すなわち、主制御用CPU30aは、各ラウンド遊技の開始時にラウンド遊技の開始を指示するラウンドコマンドを演出制御基板31に出力する。また、主制御用CPU30aは、ラウンド遊技毎に、大入賞口18の開放及び閉鎖を制御する。すなわち、主制御用CPU30aは、入球上限個数(本実施形態では8個)の遊技球が入賞するまでの間、又はラウンド遊技毎に予め決められた規定時間が経過するまでの間、大入賞口18を開放する。
そして、主制御用CPU30aは、大入賞口18を閉鎖した場合には、ラウンド遊技毎に予め決められたインターバル時間を経過するまで、閉鎖を維持し、その後、ラウンド遊技を終了する。これらの一連の制御を、規定ラウンド数に達するまで実行する。なお、大入賞口18を開放させる際には、主制御用CPU30aは、演出制御基板31に対して大入賞口18の開放を示す開放コマンドを出力する。また、大入賞口18を閉鎖させる際には、主制御用CPU30aは、演出制御基板31に対して大入賞口18の閉鎖を示す閉鎖コマンドを出力する。
規定ラウンド数のラウンド遊技が終了すると、主制御用CPU30aは、エンディング時間の設定を開始する。また、主制御用CPU30aは、エンディング時間が開始したことを指示するエンディングコマンドを演出制御基板31に出力する。そして、エンディング時間を経過すると、主制御用CPU30aは、大当りフラグに[0]を設定(クリア)し、大当り遊技を終了させる。
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aが演出制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。主制御用CPU30aから所定の制御コマンドを所定のタイミングで入力すると、演出制御用CPU31aは、それに応じて各種処理を実行する。
例えば、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンド及び特別図柄指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターン及び特別図柄指定コマンドにより指定された最終停止図柄に基づき、演出表示装置11に確定停止表示させる飾り図柄による図柄組み合わせを決定する。
すなわち、演出制御用CPU31aは、特別図柄指定コマンドにより指定された最終停止図柄が大当り図柄である場合には、大当りを示す図柄組み合わせ[111]〜[777]の中から大当りの図柄組み合わせを決定する。また、演出制御用CPU31aは、指定された最終停止図柄が、はずれ図柄の場合であって、はずれリーチ変動パターンが指定された場合、はずれリーチの図柄組み合わせを決定する。また、演出制御用CPU31aは、指定された最終停止図柄が、はずれ図柄の場合であって、はずれ変動パターンが指定された場合、はずれの図柄組み合わせを決定する。
そして、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに基づき、変動ゲームを実行させるように演出表示装置11を制御する。その後、演出制御用CPU31aは、決定した飾り図柄による図柄組み合わせを全図柄停止コマンドの入力に応じて確定停止表示させる。
そして、本実施形態では、リーチ演出が実行されるときに、変動ゲームの結果を示唆するカウントダウン演出(達成演出)を実行可能に構成されている。なお、本実施形態では、変動ゲームの結果として大当りとなるか否かを示唆している。
具体的説明する。遊技者により操作可能な演出ボタンBTがパチンコ機前面側に設けられている。そして、演出ボタンBTは、演出制御基板31に接続されており、演出ボタンBTが操作されると、演出ボタンBTから操作信号が演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力される。
リーチ演出において、カウントダウン演出が実行されているとき、この演出ボタンBTが操作されると、カウントダウン演出において設定される演出値が減少する。演出値が所定の達成値(本実施形態では、「0」)に達すると、変動ゲームが大当りとなることを示唆する(具体的には、「大当り」との文字が表示される)。
以下、カウントダウン演出に係わる処理について説明する。
まず、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、入力した変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンが、カウントダウン演出を実行可能な変動パターンであるか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、カウントダウン演出を実行させるか否かを決定する演出抽選を実行する。この抽選に落選した場合、演出制御用CPU31aは、通常の演出内容で変動ゲームを実行させる。一方、この抽選に当選した場合には、演出制御用CPU31aは、カウントダウン演出の実行を決定する。
カウントダウン演出の実行を決定した場合、演出制御用CPU31aは、次に、演出値の初期値を決定する。初期値として、予め決められた複数の値の中から初期値を決定する。本実施形態では、初期値として、「50」、「100」、「200」、「777」が設定可能に構成されている。
図3に示すように、入力した変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンの種類に基づいて、演出制御用CPU31aは、初期値を設定する。つまり、各変動パターン毎に、選択可能な初期値が対応付けられていると共に、これらの各初期値に所定範囲の乱数が振分けられており、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cから取得した乱数が振分けられている初期値を決定するようになっている。つまり、変動パターン毎に、選択可能な各初期値の決定確率が予め決められている。
例えば、第1大当り変動パターンが決定されたときには、「50」、「100」、「200」、「777」のいずれかの中から初期値を決定するように構成されている。そして、第1大当り変動パターンが決定されたときには、演出制御用CPU31aは、「50」を69%の確率で決定し、「100」を20%の確率で決定し、「200」を10%の確率で決定し、「777」を1%の確率で決定する。
なお、図3に示すように、大当り期待度の高いリーチ演出が実行されるときほど、初期値として小さい値が決定されやすくなっている。その一方、大当り期待度の低いリーチ演出が実行されるときほど、初期値として大きい値が決定されやすくなっている。このため、遊技者は、初期値が小さいほど、大当り期待度が高いリーチ演出が実行されやいと認識することができ、初期値が大きいほど、大当り期待度が低いリーチ演出が実行されやいと認識することができる。また、大当り変動パターンが指定されたときに限り、「777」が設定可能となっている。このため、初期値が「777」であるときには、大当りが確定したことを認識できる。また、第1リーチ演出又は第2リーチ演出が実行される場合に、初期値として一番小さい値「50」が設定可能に構成されている。このため、初期値として予め決められた値「50」が設定された場合には、大当り期待度の高いリーチ演出(第1リーチ演出又は第2リーチ演出)が実行されることを認識できる。つまり、初期値として予め決められた値「50」が設定された場合には、一番大当り期待度が低い第3リーチ演出が実行されないことを認識できる。このため、カウントダウン演出の開始時において、初期値について遊技者に注目させ、遊技の興趣を向上させることができる。
そして、初期値を決定した演出制御用CPU31aは、決定した初期値を演出値に設定して、演出制御用RAM31cに記憶する。その後、変動ゲームが開始すると、演出制御用RAM31cは、変動パターンに基づき、リーチ演出中の所定の契機で、カウントダウン演出を開始させる。そして、演出制御用CPU31aは、当該カウントダウン演出中に、演出値を表示させると共に、演出ボタンBTの操作を促す画像を表示させる。このとき、演出制御用CPU31aは、演出ボタンBTからの操作信号の入力を有効とする操作有効期間を設定する。
なお、演出制御用CPU31aは、カウントダウン演出の開始時に初期値に応じてキャラクタ画像等を表示させる。また、演出制御用CPU31aは、カウントダウン演出中、背景画像をカウントダウン演出用の背景画像に変更して表示させると共に、演出値に応じた画像(キャラクタ画像)を表示させる。
次に、図4に基づき、カウントダウン演出の実行中におけるカウントダウン実行処理について説明する。
演出制御用CPU31aは、カウントダウン演出の操作有効期間において、演出ボタンBTから操作信号を入力すると、現在の演出値が予め決められた閾値「1」であるか否かを判定する(ステップS101)。
閾値でなかった場合、演出制御用CPU31aは、次式(Y)を利用して、増減値を決定する(ステップS102)。
x=f×d1+f×R×d2+1…(Y)
なお、xは、増減値である。fは、現在の演出値である。d1は、増減率である。d2は、調整率である。Rは、乱数値である。
つまり、現在の演出値(f)に増減率(d1)を乗算した値に、現在の演出値(f)に乱数値(R)及び調整率(d2)を乗算して求めた調整値と、「1」を合算した値を増減値(x)としている。
図5に示すように、増減率(d1)は、複数用意されており、各増減率(d1)は、現在の演出値(f)に対応して設定されている。このため、現在の演出値(f)に応じて、増減率(d1)が決定される。また、調整率(d2)も、複数用意されており、各調整率(d2)も、現在の演出値(f)に対応して設定されている。このため、現在の演出値(f)に応じて、調整率(d2)が決定される。
例えば、現在の演出値(f)が、「100」である場合には、増減率(d1)として、「0.3」を、調整率(d2)として、「0.3」を決定する。また、現在の演出値(f)が、「27」である場合には、増減率(d1)として、「0.2」を、調整率(d2)として、「0.2」を決定する。
また、乱数値(R)は、0以上で1よりも小さい乱数であり、具体的には、0〜0.9999までの値が0.0001刻みでランダムに設定される。なお、式Yを利用して値を算出する際、小数点以下を、切り捨てて増減値(x)を決定する。
そして、式Yにより増減値(x)を算出すると、演出制御用CPU31aは、式Yにより算出した増減値(x)を現在の演出値(f)から減算して、新たな現在値を算出する(ステップS103)。
そして、演出制御用CPU31aは、新たな演出値が、閾値「1」に達したか(「1」以下となったか)否かについて判定する(ステップS104)。この判定結果が否定の場合(閾値に達していない場合)、演出制御用CPU31aは、新たな演出値を演出制御用RAM31cに記憶させると共に、新たな演出値を演出表示装置11に表示させる(ステップS105)。そして、演出制御用CPU31aは、新たな演出値に応じて表示画像を変更させる。その後、演出制御用CPU31aは、カウントダウン実行処理を終了し、次の操作信号を入力するまで待機する。
また、新たな演出値が、閾値「1」に達した(「1」以下となった)と判定した場合、演出制御用CPU31aは、新たな演出値として閾値「1」を設定し、演出値「1」を演出制御用RAM31cに記憶させると共に、現在値「1」を演出表示装置11に表示させる(ステップS106)。そして、演出制御用CPU31aは、新たな演出値に応じて表示画像を変更させる。その後、演出制御用CPU31aは、カウントダウン実行処理を終了し、次の操作信号を入力するまで待機する。
一方、操作信号を入力したときに、記憶されていた現在の演出値が「1」である場合、演出制御用CPU31aは、新たな演出値として達成値を設定するか(つまり、達成値にするか)否かについて達成抽選を実行することにより判定する(ステップS107)。
図6に示すように、達成抽選の当選確率は、大当り変動パターンが指定されている場合には、操作信号の入力回数に応じて予め決められている。例えば、操作信号の入力回数が「1」〜「5」である場合には、5/100の確率で当選させ、操作信号の入力回数が「6」〜「9」である場合には、13/100の確率で当選させる。なお、操作信号の入力回数は、操作信号を入力する毎に演出制御用CPU31aにより1加算されて、演出制御用RAM31cに記憶される。一方、達成抽選の当選確率は、はずれリーチ変動パターンが指定されている場合には、「0」が設定されており、達成抽選に当選しないことを示している。
達成抽選に落選した場合には、現在の演出値を更新することなく(「1」のまま)、演出制御用CPU31aは、カウントダウン実行処理を終了して、次の操作信号を入力するまで待機する。
達成抽選に当選した場合には、演出制御用RAM31cは、新たな演出値として達成値「0」を設定し、演出値「0」を演出制御用RAM31cに記憶させると共に、演出値「0」を演出表示装置11に表示させる(ステップS108)。そして、演出制御用CPU31aは、新たな演出値に応じて表示画像を変更させる。その後、演出制御用CPU31aは、操作有効期間を終了させる(ステップS109)。そして、演出制御用CPU31aは、カウントダウン実行処理を終了する。
そして、演出制御用CPU31aは、変動パターンに基づき、カウントダウン演出を開始してから所定時間経過後に、操作有効期間を終了させる(但し、操作有効期間が継続しているに限る)と共に、カウントダウン演出の結果を表示させる。具体的には、演出制御用CPU31aは、カウントダウン演出の結果を表示させる際、演出値が達成値「0」が設定されていた場合には、変動ゲームが大当りとなることを示唆する表示画像を表示させる。一方、演出値が達成値「0」以外の値が設定されていた場合には、変動ゲームが大当りとならないこと(はずれとなること)を示唆する表示画像を表示させる。以上により、演出制御用CPU31aが、カウントダウン演出(達成演出)を実行させる演出制御手段となる。
また、本実施形態では、カウントダウン演出中、カットイン演出も実行可能に構成されている。カットイン演出は、演出ボタンBTから操作信号を入力したことを契機に、キャラクタ画像(カットイン画像、特別画像)を表示させる演出である。
カウントダウン演出の操作有効期間において、操作信号を入力すると、演出制御用CPU31aは、カットイン演出がカウントダウン演出中に実行されたことを示す情報が演出制御用RAM31cに記憶されているか否かを判定する。カットイン演出がカウントダウン演出中に実行されたことを示す情報が記憶されていた場合には、カットイン演出を実行することなく、そのまま終了する。
カットイン演出がカウントダウン演出中に実行されたことを示す情報が記憶されていなかった場合、演出制御用CPU31aは、カットイン演出を実行させるか否かについてカットイン抽選を実行することにより判定する。
図7に示すように、カットイン抽選の当選確率は、操作有効期間における操作信号の入力回数に応じて予め決められている。例えば、第1リーチ演出が実行される場合、カットイン抽選の当選確率は、操作信号の入力回数が「1」〜「5」である場合には、10/100の確率で当選させ、操作信号の入力回数が「6」〜「9」である場合には、20/100の確率で当選させる。
そして、カットイン抽選に当選した場合には、演出制御用CPU31aは、リーチ演出の種類に応じたキャラクタ画像を表示させる。また、演出制御用CPU31aは、カットイン演出がカウントダウン演出中に実行されたことを示す情報を演出制御用RAM31cに記憶する。本実施形態では、演出制御用CPU31aが、特別画像表示制御手段となる。
次に、図8〜図19において、カウントダウン演出においてどのように演出値が変化するかについてのシミュレーションを示し、その作用について説明する。なお、図8〜図19においては、図の右側から順番に、「操作信号の入力回数」、「現在の演出値(f)」、「増減値(x)」、「新たな演出値」、「増減率(d1)」、「調整率(d2)」、「達成抽選における当選確率」、「達成抽選において当選したか否か」を示す。なお、「達成抽選において当選したか否か」については、「0」が図示されている場合には、非当選を示し、「1」が図示されている場合には、当選を示す。また、図8〜図11では、初期値として「50」が設定されたものとして、計4回のシミュレーション結果を図示している。図12〜図15では、初期値として「100」が設定されたものとして、計4回のシミュレーション結果を図示している。図16〜図19では、初期値として「200」が設定されたものとして、計4回のシミュレーション結果を図示している。
例えば、図8では、入力回数が「1」のときにおいては、現在の演出値が「50」であり、増減値が「21」であり、その結果新たな演出値が「29」であることを示す。また、その際、増減率は「0.3」であり、調整率は「0.3」であることを示す。また、図8では、入力回数が「10」回であるときに、現在の演出値が閾値「1」であることから、入力回数が「10」回以降であるときには、達成抽選が実行されることとなる。また、図8では、入力回数が「15」回であるときに、「達成抽選において当選したか否か」を示す値が「1」となることから、達成抽選に当選して新たな演出値が「0」となり、カウントダウン演出の結果が表示されることを示している。
図8〜図19に示すように、初期値が変更されたとしても、閾値となるまでに必要な入力回数は、9〜11回の間に集中することとなる。その一方で、増減値は、一定ではなく、どのように減少するか予想しにくくなっている。そして、演出値の初期値が「50」である場合には、入力回数が11回となるまでに必ず閾値「1」に達する。また、演出値の初期値が「100」である場合には、入力回数が14回となるまでに必ず閾値「1」に達する。また、演出値の初期値が「200」である場合には、入力回数が15回となるまでに必ず閾値「1」に達する。また、演出値の初期値が「777」である場合には、入力回数が18回となるまでに必ず閾値「1」に達する。つまり、閾値に達するまでの必要な最大入力回数を設計者の任意に設定することができる。なお、各初期値における閾値に達するまでの最大の入力回数は、乱数値を全て「0」とすることにより算出することができる。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)演出制御用CPU31aは、式(Y)に基づき、現在の演出値(現在値=f)に予め決められた増減率(d1)を乗算することにより算出された値を、増減値(x)の一部としている。これにより、初期値に応じて、演出値が閾値(変換値)に達するまでの必要な操作信号の最大入力回数が予め決めることができる。このため、設計者が望む回数までに、達成抽選の実行を開始することができる(つまり、変動ゲームの結果を示唆する機会を与えることができる)。また、増減値は、現在の演出値に応じて変更されるため、演出ボタンBTの操作毎に算出される増減値を把握したとしても遊技者は、演出値が閾値に達するまでの回数について予想することができない。以上のことから、遊技機に適したカウントダウン演出(達成演出)を用意することができる。
(2)演出制御用CPU31aは、式(Y)に基づき、増減値(x)を算出する場合、必ず1以上の値を算出する。つまり、操作信号を入力したときには、増減率にかかわらず、1以上の値が増減値として決定されて演出値が更新されるため、遊技者に演出ボタンBTの操作が有効であったことを実感させることができる。また、まだ達成抽選が実行されていないことを明確に認識することができる。
(3)現在の演出値(f)に対応して、増減率(d1)が決定される(図5参照)。このため、現在の演出に応じて増減値を変化させることが可能となる。このため、演出値が予め決められた範囲の値である場合には、増減率を小さくして演出値の変化を停滞させたり、逆に増減率を多くしてすぐに異なる範囲に移行することができるようにしたりすることができる。例えば、演出値が大きいときには、増減率を大きくして演出値を大きく変化させることができる一方、演出値が小さいときには、増減率を小さくして演出値を小さく変化させることができる。このように、演出値の変化態様をある程度コントロールすることができる。そして、このように一律に変化するわけではないので、現在値からあとどれだけ操作すれば、閾値に達するか予想しにくくすることができる。
(4)演出ボタンBTが操作される毎に、現在の演出値が更新される。これにより、遊技者自らの操作により、現在の演出値を達成値に達しさせ、変動ゲームの結果を示唆させたと実感させることができる。つまり、遊技者自らの操作により、カウントダウン演出を進行しているという実感を与えることができる。
(5)現在の演出値(f)に予め決められた調整率(d2)及び乱数値(R)を乗算して算出した調整値と、現在値に予め決められた増減率(d1)を乗算して算出した値とを合算して、増減値を決定する。これにより、演出値が閾値に達するまでの必要な最大入力回数を初期値に応じた値とすることができる一方、乱数値に基づいて算出される調整値が増減値に加算されるため、最大入力回数よりも早い回数で閾値に到達させることも可能となる。また、調整値は、乱数値に基づいて算出されるため、どれだけ早く現在値が達成値に到達するか予想できない。このため、遊技者は、いつ達成するかについて興味を持たせることができる。
また、図6に基づき、現在の演出値に対応して、調整率が決定される。このため、現在の演出値に応じて調整値を変化させることが可能となる。このため、演出値が予め決められた範囲の値である場合には、調整率を小さくして演出値の変化を停滞させやすくしたり、逆に調整率を大きくしてすぐに異なる範囲に移行しやすくしたりすることができる。例えば、演出値が大きいときには、調整率を大きくして演出値を大きく変化させやすくすることができる一方、演出値が小さいときには、調整率を小さくして演出値を小さく変化させやすくすることができる。このように、演出値の変化態様をある程度コントロールすることができる。また、調整値を算出する際、乱数値を乗算するため、調整値は、調整率によって一律に決定されるわけではなく、ランダム性を有している。このため、調整率が大きくてもすぐに異なる範囲に移行するとは限らないようになっている。このように一律に変化するわけではないので、現在値からあとどれだけ操作すれば、閾値に達するか予想しにくくすることができる。
(6)現在の演出値が閾値(変換値、本実施形態では「1」)に達した以降は、式(Y)を利用することなく、増減させるか否かを決定する達成抽選を実行し、この達成抽選に当選した場合には、予め決められた数(本実施形態では「1」)を増減値として決定する一方、落選した場合には、増減値として零を決定する。つまり、達成抽選に当選した場合には、演出値から「1」を減算して、演出値が達成値に達するようにしている。これにより、現在の演出値が閾値に達した以降は、それまでの増減方法(式Yに基づく増減値の算出方法)とは異なる方法で演出値を更新するため、遊技者に予想外の印象を与え、驚かすことができる。また、現在の演出値が閾値に達した以降は、増減させるか否かを決定する達成抽選を実行し、この達成抽選に当選した場合に限り、演出値が更新されるため、演出値が更新されるか否かについて注目させることができる。以上のことから、遊技機に適したカウントダウン演出を用意することができる。
(7)達成抽選の当選確率は、カウントダウン演出開始からの操作信号の入力回数に応じて変更される。具体的には、入力回数が多くなるにつれて、段階的に当選確率が高くなるように構成されている。このため、入力回数が多いときに達成抽選が開始されたときでも(つまり、閾値に達するまでの入力回数が多い場合であっても)、達成抽選の当選確率を高くして、カウントダウン演出の結果を早く見せることができる。同様に、入力回数が少ないときに達成抽選が開始されたときでも(つまり、閾値に達するまでの入力回数が少ない場合であっても)、達成抽選の当選確率を低くして、カウントダウン演出の結果を早く見せないようにすることができる。このように、カウントダウン演出の結果を見せる時期をある程度調整することができる。
なお、達成抽選の当選確率は、操作信号の入力回数が予め決められた回数(30回)となったときには、必ず当選するように構成されている。このため、予め決められた回数を操作した場合には、カウントダウン演出の結果を必ず見せることができ、遊技者の期待に応えることができる。
(8)現在の演出値(f)が閾値(変換値)に達する前において、式(Y)による演出値の更新を繰り返した結果として、新たな演出値が閾値に超えた場合には、演出値に閾値を設定し、演出値が閾値に達した以降の制御を開始する(ステップS104及びステップS106参照)。これにより、演出値が閾値に達した以降の制御(達成抽選)を開始したときには、必ず、演出値として閾値「1」が設定された状態で開始することができる。このため、演出値が閾値に達した以降の演出態様を、同様にすることができる。つまり、達成抽選がすぐに終了してしまうことがない。これにより、遊技者に達成抽選に当選するか否か(現在の演出値が「1」となってから「0」となるか否か)に対して注目させ、より長く楽しませることができる。
(9)カウントダウン演出中、カットイン演出の実行可否が演出ボタンBTの操作毎に抽選されている。そして、カットイン抽選に当選した場合には、変動ゲームの大当り期待度、すなわち、演出内容(リーチ演出の種類)を示唆するようになっている。このため、遊技者に演出ボタンBTを操作させる意欲をより持たせることができる。また、カットイン抽選は、達成抽選と同じ方式で、実行可否を決定しているが、達成抽選と異なり、演出値が閾値に達する前から実行される。このため、カットイン演出は、カウントダウン演出の開始から実行される可能性があり、遊技者に予想外の驚きを与え、興趣を向上させることができる。
(10)そして、カットイン抽選の当選確率は、カウントダウン演出における入力回数に応じて変化するようになっている。具体的には、入力回数が多くなるほど、段階的に当選確率が高くなるように構成されている。このため、入力回数が多くなったときには、カットイン演出が実行されるのではないかと期待させることができる。また、カットイン抽選の当選確率は、予め決められた回数「14」のときに必ず100%で当選するように構成されており、ある程度操作すればカットイン演出の結果を見ることができると期待させることができる。また、カットイン抽選の当選確率が100%となる時期は、カウントダウン演出の達成抽選が100%となる前となっている。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を説明する。なお、第1実施形態と同様の構成は、第1実施形態と同じ符号を付してその詳細な説明及び図面は省略又は簡略する。
本実施形態では、カットイン抽選を実行しないようにしている。その一方で、現在の演出値が閾値「1」に達する前から達成抽選を実行するように構成されており、現在の演出値が閾値「1」に達する前に達成抽選に当選した場合には、カットイン演出を実行させるようにしている。そして、現在の演出値が閾値「1」に達する後に、達成抽選に当選した場合には、上記第1実施形態と同様に、演出値が達成値に達するようにしている。
なお、この別例として、現在の演出値が閾値「1」に達する前に達成抽選に当選した場合には、カットイン演出を実行させた場合において、現在の演出値が閾値「1」に達した場合には、すぐに演出値が達成値に達するようにしてもよい。
以上詳述したように、本実施形態は、第1実施形態の効果に加えて、以下の効果を有する。
(11)カットイン抽選と、達成抽選を1つの抽選で行うことができるようになったため、制御負担を少なくすることができる。
なお、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・上記実施形態において、演出ボタンBTの操作毎に、演出値が減少するカウントダウン演出を採用したが、操作毎に演出値が増加するカウントアップ演出を採用しても良い。
・上記実施形態において、カットイン演出は、現在の演出値が、閾値に達する前までに実行させるように構成しても良い。例えば、現在の演出値が閾値に達する場合において、それまでにカットイン演出が実行されていない場合には、必ずカットイン演出を実行させても良い。
・上記実施形態において、現在の演出値が閾値「1」に達したときに達成抽選を実行開始したが、閾値は、任意に設定してもよい。例えば、閾値(変換値)を「10」としてもよい。この場合、達成抽選に当選したときにおける増減値も閾値に応じて任意に変更しても良い。例えば、達成抽選に当選したときにおける増減値を「2」に変更しても良い。
・上記実施形態において、達成抽選に当選したとしても、現在の演出値が閾値に達してから複数の入力回数を計測した後でなければ、演出値として達成値「0」を設定しないようにしてもよい。このため、演出値が閾値に到達した以降において、遊技者を確実に焦らすことができ、より注目させることができる。
・上記実施形態では、カウントダウン演出の結果として、変動ゲームが大当りとなるか否かを示唆したが、それ以外の遊技情報を示唆するようにしても良い。遊技情報としては、例えば、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、リーチ演出の大当り期待度、変動ゲームの大当り期待度、確変状態が付与される期待度、確変状態中であることを示す確変期待度、付与される大当り遊技の種類などでもよい。確変状態とは、大当り抽選(判定)が当選する確率が通常よりも高確率となる状態をいう。また、大当り遊技の種類とは、規定ラウンド数、開放時間、賞球数、開放する大入賞口の数、場所などの違いにより、複数種類用意される。
・上記実施形態において、リーチ演出中にカウントダウン演出を実行させたが、リーチ演出中以外に行っても良い。例えば、リーチ演出前に実行しても良い。また、大当り遊技中や、デモ演出中にカウントダウン演出を実行させてもよい。この場合、カウントダウン演出の結果として示唆する遊技情報は、実行時期に応じて変更しても良い。例えば、大当り遊技中であれば、大当り遊技終了後の遊技状態や、大当り遊技の種類(規定ラウンド数や、獲得可能賞球数、開放時間など)などの遊技情報を示唆するようにしてもよい。また、デモ演出中にカウントダウン演出が実行された場合には、確変状態の有無などの遊技情報を示唆するようにしてもよい。
・上記実施形態では、現在の演出値が閾値に達した後、達成抽選に当選するまで現在の演出値が達成値に達することはなかったが、現在の演出値が閾値に達した後、所定回数の操作信号の入力が行われた場合には、必ず演出値が達成値に達するようにしてもよい。これにより、現在の演出値が閾値に達した後、達成抽選に当選しないことにより、演出が間延びすることを防止することができる。また、このようにしたとき、現在の演出値が閾値に達する前までに、カットイン演出が実行されていない場合には、所定回数の操作信号の入力が行われる前までに、必ずカットイン演出が実行されるようにしてもよい。
・上記実施形態において、増減率及び調整率は、現在の演出値に応じて設定されたが、任意に変更しても良い。例えば、一定に設定してもよいし、初期値に応じて設定してもよい。
・上記実施形態において、調整値を増減値の一部としたが、なくてもよい。すなわち、現在の演出値に増減率を乗算した値のみを増減値としてもよい。
・上記実施形態において、調整値は、現在の演出値に乱数値及び調整率を乗算した値としていたが、調整率を乗算しなくても良い。
・上記実施形態において、乱数値は、0〜0.9999までの値としたが、0以上であるならば、任意に変更しても良い。なお、乱数値は、0以上1未満の値が好ましい。
・上記実施形態において、調整率、乱数値、増減率は、任意に変更してもよいが、現在の演出値が閾値に達するまでの操作信号の入力回数が所定の範囲に高確率で集中するような値に変更することが望ましい。
・上記実施形態において、カットイン演出を実行可能に構成したが、実行されなくても良い。
・上記実施形態において、現在の演出値が閾値に達した後は、達成抽選を実行し、当選した場合に、演出値を達成値に到達させたが、達成抽選を実行しなくても良い。すなわち、増減値を現在の演出値から減算して、そのまま現在の演出値を達成値「0」に到達可能に構成しても良い。
・上記実施形態において、達成抽選の当選確率は、任意に変更しても良い。当選確率を、入力回数に関係なく、一定にしても良い。同様に、カットイン抽選の当選確率は、任意に変更しても良い。当選確率を、入力回数に関係なく、一定にしても良い。また、カットイン抽選の当選確率は、リーチ演出の種類毎に異ならせても良い。
・上記実施形態において、演出ボタンBTが操作されること(操作信号が入力されること)をカウントダウン演出の実行契機(つまり、演出値が減少する契機)としたが、それ以外の契機を実行契機としても良い。例えば、賞球が払い出されることを実行契機としても良いし、時間経過や、大当り遊技のラウンド数経過、図柄の変動停止、変動ゲームの保留、変動ゲームが実行されることを実行契機としてもよい。
・上記実施形態において、演出値が閾値に達する前までは、演出ボタンBTが操作されると、必ず「1」以上の増減値が設定されるようになっていたが、「0」が設定可能となるように構成しても良い。
・上記実施形態において、初期値の数及び種類は、任意に変更してもよい。また、大当り期待度や演出内容に関係なく、初期値を設定してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)上記遊技機において、前記演出制御手段は、現在値が変換値に達した場合、少なくとも複数回の所定契機を経た後でなければ、現在値が達成値に達しないように制御するようにしてもよい。
(ロ)上記遊技機において、前記演出制御手段は、現在値が変換値に達する前において、現在値の更新を繰り返した結果として、現在値が変換値に超えた場合には、現在値に変換値を設定し、現在値が変換値に達した以降の制御を開始するようにしてもよい。
(ハ)上記遊技機において、前記演出制御手段は、現在値が変換値に達するまでは、前記増減値として1以上の値を決定するようにしてもよい。
(ニ)上記遊技機において、前記現在値と増減率の組み合わせは予め記憶されており、前記現在値に対応して、増減率が決定されるようにしてもよい。
(ホ)上記遊技機において、遊技者が操作可能な演出用操作手段を備え、前記演出用操作手段が操作される毎に、現在値が更新されるようにしてもよい。
(ヘ)上記実施形態において、前記演出制御手段は、現在値に乱数値を乗算して算出した調整値と、現在値に予め決められた増減率を乗算して算出した値とを合算した値を、現在値に応じた増減値として決定するようにしてもよい。
(ト)上記遊技機において、乱数値は、0以上で1より小さい乱数に基づき設定される値としてもよい。
(チ)上記実施形態において、前記演出制御手段は、現在値に予め決められた調整率及び乱数値を乗算して算出した調整値と、現在値に予め決められた増減率を乗算して算出した値とを合算した値を、現在値に対応する増減値として決定するように構成されており、前記現在値と調整率の組み合わせは予め記憶されており、前記現在値に対応して、調整率が決定されるようにしてもよい。
(リ)上記実施形態において、前記演出制御手段は、
現在値が変換値に達するまでは、現在値に乱数値を乗算して算出した調整値と、現在値に予め決められた増減率を乗算して算出した値とを合算した値を、現在値に対応する増減値として決定し、現在値が変換値に達した以降は、増減させるか否かを決定する抽選を実行し、この抽選に当選した場合には、予め決められた数を増減値として決定する一方、落選した場合には、増減値として零を決定するようにしてもよい。