(第1実施例)
本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、同時に実行されないように制御される。またこれらの遊技性を両立させるために、本実施例のぱちんこ遊技機は、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置等を備える。なお、本実施例では第1の遊技と第2の遊技に共用の大入賞口が一つ設けられているが、変形例においては各遊技について別の大入賞口を設けるようにしてもよい。
すなわち、遊技球が第1始動入賞口または第2始動入賞口に入球すると、第1の抽選、第2の抽選がそれぞれ実行され、その抽選結果が「大当り」であった場合、大入賞口の開放がなされる単位遊技が複数回実行される特別遊技が開始される。本実施例では、特別遊技として、単位遊技数が8回(8ラウンド)に設定された8R特別遊技と、単位遊技数が12回(12ラウンド)に設定された12R特別遊技と、単位遊技数が16回(16ラウンド)に設定された16R特別遊技とが設けられている。ここでは、8R特別遊技への移行を示す大当りを「8R大当り」、12R特別遊技への移行を示す大当りを「12R大当り」、16R特別遊技への移行を示す大当りを「16R大当り」という。本実施例ではいずれの特別遊技においても、各単位遊技の終了条件が所定数以上の入球(10球以上入賞)または所定時間(30秒)の経過とされている。この単位遊技において大入賞口への入球があると、その入球ごとに所定球数の賞球が払い出される。この30秒という大入賞口の開放時間はその入球を十分に狙うことができ、設計上十分な賞球を獲得できる時間として設定されたものである。
このように単位遊技の数(ラウンド数)が異なる3種類の特別遊技が設けられ、その各特別遊技への移行を示す3種類の大当りが設けられている。ラウンド数の多い特別遊技へ移行されるか否かが出玉(賞球数)に大きく関わるため、いずれの大当りが発生したか否かは遊技者によって大きな関心事となる。本実施例では、特別遊技中に実行されうる大当り演出として、いずれの大当りであるのかを示唆するバトル演出を表示させる。本実施例のバトル演出では大勢の敵キャラクタが登場する。そして、味方キャラクタが敵キャラクタを殲滅させることができれば(成功演出)、8R大当りよりも有利な12R大当りまたは16R大当りが当選したことを示す。逆に、敵キャラクタを殲滅させることができなければ(失敗演出)、8R大当りが当選したことを示す。このバトル演出においては、遊技者による操作ボタンの連打と大入賞口への入球という2つの技術介入がバランス良く行われるか否かにより、目的とする敵キャラクタの殲滅の実現可能性が高くもなり、低くもなる。このような遊技者介入型の演出表示制御により興趣溢れる遊技性を実現する。以下、このような遊技性およびそれを実現するための構成および処理について説明する。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技の状態に応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出表示装置60、第1始動入賞口62(以下「第1始動口62」と表記する)、第2始動入賞口63(以下「第2始動口63」と表記する)、センター飾り64、大入賞口91、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない多数の遊技釘や風車などの機構が設置される。なお、以下の説明において第1始動口62と第2始動口63とを特に区別しない場合には単に「始動口」と表記する場合がある。
第1始動口62と第2始動口63とは、遊技領域52のセンター飾り64の下方位置に上下に並ぶように配置されている。第1始動口62は第1の遊技に対応する始動口として設けられ、第2始動口63は第2の遊技に対応する始動口として設けられる。第1始動口62は、始動入賞検出装置74を備える。始動入賞検出装置74は、第1始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動口63は、始動入賞検出装置75と、普通電動役物65と、普通電動役物65を開閉させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動入賞検出装置75は、第2始動口63への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。普通電動役物ソレノイド76の駆動力により普通電動役物65が拡開されると、第2始動口63への入球容易性が高まる。普通電動役物65の1回の開放時間は、通常状態においては0.5秒程度の短時間であるが、時短中においては普通電動役物65の1回の開放時間が6秒程度と通常状態よりも長く設定されるので、遊技球は第2始動口63に入球しやすくなる。
なお、本実施例では、図示のように普通電動役物65が拡開していない状態においては第2始動口63への入球がその直上の第1始動口62によって規制(遮蔽)される態様となり、第2始動口63への入球は実質的に期待できない。つまり、第1始動口62へ入球させるよりも第2始動口63へ入球させるほうが困難となっている。一方、普通電動役物65が拡開されることにより第2始動口63への入球容易性が高められると、第1始動口62へ入球させるよりも第2始動口63へ入球させるほうが格段に容易となる。このため、第2始動口63の入球容易性が低い状態においては第1始動口62への入球を狙い、第2始動口63の入球容易性が高められた状態において第2始動口63への入球を狙う手法が有効となる。
一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を複数備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
大入賞口91は、第1の遊技および第2の遊技に共通の大入賞口として設けられ、大当りの発生により開放される。大入賞口91は、遊技領域52の下部中央(第2始動口63の直下)に設けられ、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置77と、大入賞口91を開閉させるための大入賞口ソレノイド78を備える。入賞検出装置77は、大入賞口91への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。大入賞口91は、第1特別図柄192または第2特別図柄193が所定の大当り態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる。遊技領域52の略中央に設けられた演出表示装置60の周囲にはセンター飾り64が設けられ、大入賞口91は、そのセンター飾り64の下方に設けられている。
センター飾り64は、その内側に、センター飾り64の外部から隔てられる形で仕切られた空間を形成し、その内方に演出表示装置60が配設されている。センター飾り64は、遊技領域52の中央に設けられて遊技球の流下通路を左右に分岐させるとともに、外部から演出表示装置60を保護する役割も有する。
センター飾り64の左下方の左右に第1の遊技に対応する第1特別図柄表示装置70と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示装置71が設けられている。第1特別図柄表示装置70には第1の遊技に対応する第1特別図柄192の変動が表示され、第2特別図柄表示装置71には第2の遊技に対応する第2特別図柄193の変動が表示される。第1特別図柄192は、第1始動口62への遊技球の入球を契機として行われる第1の抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第2特別図柄193は、第2始動口63への遊技球の入球を契機として行われる第2の抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71は、例えば7セグメントLEDで構成される表示手段であり、第1特別図柄192および第2特別図柄193はそれぞれ「0」〜「9」の数字、「A」〜「C」の文字および「−」等の記号で表される。
演出表示装置60の表示領域194には第1特別図柄192に連動する装飾図柄190または第2特別図柄193に連動する装飾図柄190の変動が表示される。演出表示装置60は、例えば液晶ディスプレイである。装飾図柄190は、第1特別図柄192で示される第1の抽選の結果表示または第2特別図柄193で示される第2の抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を表示領域194に表示する。演出表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、機械式のドラムやLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、第1特別図柄192および第2特別図柄193は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。
作動口68は、遊技盤50の左側方位置(センター飾り64の左側の流下通路)に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は第2始動口63の普通電動役物65を拡開させるための普通図柄抽選(開放抽選)の契機となる。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当りながらその当り方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72、第1始動口62、第2始動口63、大入賞口91の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が第1始動口62に入球すると、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192が変動表示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190が変動表示される。遊技球が第2始動口63に入球すると、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193が変動表示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190が変動表示される。第1特別図柄192、第2特別図柄193、装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された表示時間の経過後に停止される。停止時の第1特別図柄192および装飾図柄190が大当り態様であった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な状態である特別遊技に移行し、大入賞口91の開閉動作が開始される。このときスロットマシンのゲームを模した装飾図柄190は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。停止時の第2特別図柄193および装飾図柄190が大当り態様であった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な状態である特別遊技に移行し、この場合も大入賞口91の開閉動作が開始される。
特別遊技が終了した後の通常遊技においては、原則として、特定遊技の一つである変動時間短縮遊技(以下、適宜「時短」という)が開始される。変動時間短縮遊技においては、特別図柄および装飾図柄の変動時間が通常より短縮される。特別図柄および装飾図柄の変動時間は、所定の変動回数の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻される。すなわち、時短は、所定の終期、例えば第1特別図柄192と第2特別図柄193の変動表示の合計が所定の終了条件回数、例えば100回に達するまで継続される。特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確率変動遊技(以下、適宜「確変」という)がさらに開始される。確率変動遊技においては、通常の確率状態より当りの確率が高い抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生する。
作動口68を遊技球が通過すると、普通図柄抽選が実行され、所定時間、普通図柄195が普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59はセンター飾り64の右下方に設けられる。所定時間の経過後に普通図柄195の変動表示が所定の当り態様にて停止すると、第2始動口63の普通電動役物65が所定時間拡開する。通常状態においては、普通図柄が当り態様で停止する確率は低確率に設定されるが、時短中にはその確率が高確率に変動する。そのため、通常状態においては第2始動口63の普通電動役物65が開放される確率も低いが、時短中にはその開放される確率が高くなる。また時短中においては、普通図柄の変動表示時間が短縮されるとともに、普通電動役物65が開放状態となる時間が相対的に長くなるよう設定される。このように、時短中以外は普通電動役物65が開放されにくいのに対し、時短中は普通電動役物65が開放されやすく、しかも開放される回数や開放時間も増加する。したがって、時短中であるか否かで第2始動口63への入球容易性が大きく異なり、その結果時短中であるか否かによって始動口への入賞に対する出玉に大きな差が生じる。時短中は遊技者が出玉をほとんど減らさずに遊技を進行させることができるので、時短中であるか否かに応じて異なる遊技性を実現することができる。このように、時短中は第1始動口62を狙って打球するよりも第2始動口63を狙って打球する方が入球可能性が高まるので、図柄変動および抽選の回数も多くすることができる。
センター飾り64は、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。遊技効果ランプ90がセンター飾り64の上部および下部に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。第1特別図柄表示装置70の下方には第1の遊技に対応する特図保留ランプ20が設けられ、第2特別図柄表示装置71の下方には第2の遊技に対応する特図保留ランプ21が設けられている。特図保留ランプ20は2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第1の遊技における当否抽選値(第1当否抽選値)の保留数を表示する。特図保留ランプ20における当否抽選値の保留数は、第1特別図柄192の変動中または特別遊技の実行中に第1始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。特図保留ランプ21も2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第2の遊技における当否抽選値(第2当否抽選値)の保留数を表示する。特図保留ランプ21における当否抽選値の保留数は、第2特別図柄193の変動中または特別遊技の実行中に第2始動口63へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。
普通図柄表示装置59の下方には、普通図柄変動に対応する普図保留ランプ22が設けられている。普図保留ランプ22は2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄195の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄195の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。操作ボタン82は、遊技者が遊技機側所定の指示を入力するために操作するボタンである。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40は、ぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、とくに第1始動口62、第2始動口63へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。裏セット機構39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、第1始動口62、第2始動口63、大入賞口91、一般入賞口72、作動口68、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作や遊技の進行を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御する主制御装置としてのメイン基板102と、図柄の演出等を制御する副制御装置としてのサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、第1抽選手段126、第2抽選手段128、普図抽選手段136、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124、特図調整手段152、条件保持手段176を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、演出決定手段132、演出表示制御手段134を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
ただし、メイン基板102とサブ基板104の間におけるデータの送受信はメイン基板102からサブ基板104への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板102とサブ基板104に配置される。このようにメイン基板102からサブ基板104へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板104に含まれる構成からメイン基板102に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板102で生成された情報は、メイン基板102がサブ基板104へ一方的に送信しない限りサブ基板104から参照することはできない。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動口62に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動口63に入賞したと判断する。入球判定手段110は、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口91に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。入球判定手段110は、大入賞口入賞情報を受け取ると、その情報を演出決定手段132へ送信する。
第1抽選手段126および第2抽選手段128は、「特図抽選手段」として機能する。第1抽選手段126は、第1抽選値取得手段112、第1当否判定手段113、第1パターン決定手段114を含み、第1始動口62への入球に対応する当否抽選(特別図柄抽選)として第1の抽選を実行する。第1の抽選の結果は、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190の変動表示の形で示される。一方、第2抽選手段128は、第2抽選値取得手段115、第2当否判定手段117、第2パターン決定手段119を含み、第2始動口63への入球に対応する当否抽選(特別図柄抽選)として第2の抽選を実行する。第2の抽選の結果は、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190の変動表示の形で示される。第1抽選手段126および第2抽選手段128は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の結果を演出決定手段132へ送信する。
第1抽選値取得手段112は、第1始動口62への入球を契機に、第1の抽選のために乱数の値を第1当否抽選値として取得する。第2抽選値取得手段115は、第2始動口63への入球を契機に、第2の抽選のために乱数の値を第2当否抽選値として取得する。なお、以下の説明において第1当否抽選値と第2当否抽選値とを特に区別しない場合には、両抽選値を適宜「当否抽選値」と総称する。例えば、当否抽選のために第1当否抽選値および第2当否抽選値として取得する値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。第1当否抽選値として取得された値および第2当否抽選値として取得された値は、保留制御手段116により所定の保留上限数を超えない範囲で一時的に保留される。
第1当否判定手段113は、第1当否抽選値に基づき、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。第2当否判定手段117は、第2当否抽選値に基づき、特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。
第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、大当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、通常状態(非確変状態)では通常確率による当否判定のための当否テーブル(以下、適宜「通常当否テーブルという」)を参照し、確変状態では通常確率より当りの確率が高くなる当否テーブル(以下、適宜「確変当否テーブルという」)を参照する。本実施例では、通常当否テーブルにおいては当否抽選値が0〜199の範囲に該当したときにのみ大当りとなる。確変当否テーブルにおいては大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜199の範囲に該当する場合だけでなく、200〜1999の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。
第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、別途取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定する。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する図柄範囲テーブルを保持する。図柄抽選値は、例えば「0」から「255」までの値範囲から取得される。第1特別図柄192または第2特別図柄193を決定するための図柄範囲テーブルには、「1」〜「9」の数字、「A」〜「C」の文字、および「−」の記号で表される特別図柄と第1図柄抽選値または第2図柄抽選値との対応関係が定められている。この図柄範囲テーブルの詳細については後述する。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、決定した停止図柄を示すデータをメイン表示制御手段118、演出決定手段132へ送出する。
第1パターン決定手段114は、第1特別図柄表示装置70および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第1パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第2パターン決定手段119は、第2特別図柄表示装置71および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第2パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、それぞれ図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、変動パターンを決定するために参照する変動パターンテーブルをそれぞれ複数保持する。変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動態様が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、決定した変動パターンを示すデータをメイン表示制御手段118、演出決定手段132へ送出する。
普図抽選手段136は、「普図決定手段」として機能し、作動口68を遊技球が通過したときに抽選値(「普図抽選値」ともいう)を取得することにより抽選を実行する。例えば、普図抽選値は「0」から「511」までの値範囲から取得される。普図抽選手段136が参照する当否テーブルには、当りまたは外れの判定結果と普図抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。本実施例では、時短状態において約99%と極めて高い確率で当りとなるように設定され、作動口68を遊技球が通過すると、ほぼ確実に第2始動口63が拡開されるようになる。なお、逆に通常状態において当りとなる確率は極めて低く、本実施例では1/100程度の当選確率に設定されている。普図抽選手段136による抽選の結果は、普通図柄表示装置59において普通図柄195の形で変動表示される。普図抽選手段136は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄195の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。その図柄範囲テーブルには普図抽選値と普通図柄195の対応関係が定められており、普図抽選手段136は、普通図柄195の停止図柄を図柄範囲テーブルを参照して決定する。
普図抽選手段136は、また、普通図柄195の変動時間を決定するために参照すべき時間決定テーブルを保持し、遊技機の内部状態に応じて普通図柄195の変動時間を選択する。普図抽選手段136は、通常状態における普通図柄195の変動表示において30〜60秒と比較的長い変動時間を選択する。一方、時短中は0.5秒と通常状態よりも相当短い変動時間を選択する。時間決定テーブルには、このような内部状態と普通図柄195の変動時間との対応関係が定められており、普図抽選手段136は、普通図柄195の変動時間を時間決定テーブルを参照して決定する。
普図抽選手段136は、普通図柄195について決定した停止図柄が所定の図柄となった場合、普通図柄195が当りに該当したと判定する。それによってその停止図柄にて普通図柄195の変動表示が停止された後、開閉制御手段124が第2始動口63の普通電動役物65を所定時間拡開する。普図抽選値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ普図抽選値が保留される。
保留制御手段116は、特図保留手段144、普図保留手段147を含む。特図保留手段144は、新たに第1の抽選が実行されるときにそれ以前の抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな第1の抽選の結果をその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。本実施例では第1の抽選の結果として4個を上限として当否抽選値を保持するが、その当否抽選値の当否判定結果とともに保持してもよい。その当否抽選値の保留数は、特図保留ランプ20の点灯数または点滅数により表される。特図保留手段144は、また、新たに第2の抽選が実行されるときにそれ以前の抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな第2の抽選の結果をその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。本実施例では第2の抽選の結果として4個を上限として当否抽選値を保持するが、その当否抽選値の当否判定結果とともに保持してもよい。その当否抽選値の保留数は、特図保留ランプ21の点灯数または点滅数により表される。
普図保留手段147は、作動口68へ新たな入球があったときにそれ以前の入球に対応する普通図柄の変動が表示されている場合、新たな普通図柄抽選の結果をその抽選に対応する普通図柄の変動表示開始まで保留する。本実施例では普通図柄抽選の結果として4個を上限として普図抽選値を保持するが、その普図抽選値の当否判定結果とともに保持してもよい。その普図抽選値の保留数は、普図保留ランプ22の点灯数または点滅数により表される。
メイン表示制御手段118は、第1特図制御手段148、第2特図制御手段150、普図制御手段153を含む。第1特図制御手段148は、第1抽選手段126による第1の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄192の変動を第1特別図柄表示装置70に表示させる。第1特図制御手段148は、それ以前になされた第1の抽選または第2の抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。第2特図制御手段150は、第2抽選手段128による第2の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄193の変動を第2特別図柄表示装置71に表示させる。第2特図制御手段150もまた、それ以前になされた第1の抽選または第2の抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
第1特図制御手段148および第2特図制御手段150は、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信する。これにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段153は、普図抽選手段136による抽選の結果を普通図柄195の変動表示として普通図柄表示装置59に表示させる。
特図調整手段152は、第1特別図柄192および第2特別図柄193のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の開始を待機させる。特図調整手段152は、第1始動口62および第2始動口63のうちいずれに遊技球が入球したかの順序にしたがって第1特別図柄192と第2特別図柄193とを選択的に変動表示させる。例えば、第1始動口62、第1始動口62、第2始動口63の順序で入球したときは、第1特別図柄192、第1特別図柄192、第2特別図柄193の順序で変動表示される。特図調整手段152は保留制御手段116を監視して当否抽選値の保留順序を記憶する。どちらの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順、すなわち保留制御手段116における当否抽選値の保留順序にしたがって決定されるので、遊技者は変動の順序を視覚的に把握しやすい。
なお、変形例における特図調整手段152は、第1特別図柄192の変動表示と第2特別図柄193の変動表示とを、入球順序にかかわらず予め定められた調整規則(消化順序設定)に基づいた順序にて表示させてもよい。例えば、第1特別図柄192の変動表示と第2特別図柄193の変動表示とを交互に表示することを優先してもよい。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、第1特別図柄192と第2特別図柄193とが交互に変動表示される。いずれの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順に関係なく単純に交互に入れ替わるので、遊技者は変動の順序を感覚的に把握しやすい。あるいは、第1特別図柄192の変動表示と第2特別図柄193の変動表示のいずれか一方の表示を優先してもよい。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、常にいずれか一方の当否抽選値を優先的に消化させ、第1特別図柄192および第2特別図柄193の一方を連続的に変動表示させてもよい。
特図調整手段152は、また、第1特別図柄192および第2特別図柄193のうち、一方が当り態様で停止されたときは他方の変動表示の開始を待機させる。この場合、特別遊技を実行する間は特別図柄の変動表示は開始されないので、遊技者は特別遊技に集中することができる。
条件保持手段176は、特別遊技作動条件保持手段として機能し、大入賞口91の開放を伴う単位遊技を複数回含む特別遊技へ移行するための条件として特別遊技作動条件を保持する。特別遊技作動条件は、第1の抽選または第2の抽選で特別遊技へ移行する旨を示す結果となり、その抽選に対応する図柄変動が停止したことをその条件の内容とする。
特別遊技制御手段120は、第1抽選手段126による第1の抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄192が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口91を開放させることにより特別遊技を実行する。同様に、特別遊技制御手段120は、第2抽選手段128による第2の抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄193が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口91を開放させることにより特別遊技を実行する。特別遊技は、大入賞口91の開閉動作を複数回連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした複数回の単位遊技(ラウンド)で構成される。特別遊技制御手段120は、単位遊技の継続回数が上限回数(本実施例では16回、12回または8回)に達していなければ、現在の単位遊技の終了後に次の単位遊技を開始させる。単位遊技が上限回数を消化した場合に特別遊技を終了させる。
特定遊技実行手段122は、遊技状態を通常状態から特定遊技状態へ移行させる制御と、特定遊技状態から通常状態へ戻す制御を実行する。本実施例における特定遊技には、当否抽選の当選確率を通常確率の状態から高確率の状態へ切り替える確変と、図柄変動時間を通常時間より短時間へ切り替える時短とがある。特定遊技実行手段122は、当否抽選値が確変状態へ移行すべき値であった場合に、特別遊技後の遊技状態を確変状態へ移行させる。確変状態は原則として次の大当りが発生するまで続行される。また、特定遊技実行手段122は、当否抽選値の如何に関わらず、特別遊技後に遊技状態を時短の状態へ移行させる。時短は、特別遊技後の特別図柄の変動回数が所定の継続回数(本実施例では100回)に至るまで継続される。
時短状態は、第2始動口63の単位時間あたりの入球容易性が向上する「入球容易状態」となる。時短状態においては、普通図柄抽選が当りとなる確率が通常状態よりも高くなる。また、第2始動口63が拡開する期間(開放時間)が通常状態よりも相対的に長くなる開放延長遊技がなされる。本実施例では、通常状態における第2始動口63の開放時間が0.5秒であるのに対し、時短中は6秒と比較的長く設定される。また、時短状態においては、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示時間が概ね短くなるよう、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119が変動時間の短い変動パターンを選択する。
開閉制御手段124は、第2始動口63の普通電動役物65や大入賞口91の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄195が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、第2始動口63の普通電動役物65を開放させる。開閉制御手段124は、時短状態においては普通電動役物65を通常状態に比べて長い時間作動させ、第2始動口63を通常状態に比べて長い時間拡開させる開放延長を実行する。第2始動口63の入球容易性を高め、遊技者が持ち玉を減らさずに遊技を継続できるようにするものである。開閉制御手段124は、特別遊技においては大入賞口ソレノイド78に開放指示を送り、大入賞口91を開放させる。
パターン記憶手段130は、装飾図柄190の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄190の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。パターン記憶手段130は、また、通常特別遊技および特定特別遊技のそれぞれにおいて演出表示装置60に表示させる大当り演出の画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出決定手段132は、第1抽選手段126または第2抽選手段128により決定された装飾図柄190の変動パターンをパターン記憶手段130から選択する。演出決定手段132は、装飾図柄190の停止図柄の組合せを第1抽選手段126または第2抽選手段128から受け取る特別図柄の停止図柄および変動パターンに基づいて決定する。
演出決定手段132は、通常遊技中における第1抽選手段126および第2抽選手段128による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターンに応じて変動演出パターンを決定する。演出決定手段132は、変動演出パターンを決定するために参照すべきパターンテーブルを保持する。演出決定手段132は、決定した変動演出パターンおよび予告演出パターンを含む演出パターンを示す情報を演出表示制御手段134へ送る。演出決定手段132は、特別遊技に移行された場合に、その特別遊技中に表示させる大当り演出の演出パターンを決定する。演出決定手段132は、大当り演出の演出パターンを決定するために参照すべきパターンテーブルを保持する。演出決定手段132は、決定した演出パターンを示す情報を演出表示制御手段134へ送る。
演出決定手段132は、大当り演出パターンとして後述するバトル演出の演出パターンを決定した場合、特別遊技の特定のラウンドで実行される対戦ゲームのための各種パラメータを決定する。具体的には、操作ボタン82の操作入力1回あたりの敵キャラクタの減少数、操作入力の待ち時間、大入賞口91への入賞数に対応づけられた敵キャラクタの減少限界値などを決定する。演出決定手段132は、また、その特定のラウンドにおける待ち時間を計測する計測手段として機能する一方、入球判定手段110から受信した大入賞口入賞情報に基づいて特別遊技中の大入賞口91への入球数をカウントするカウント手段としても機能する。このバトル演出の具体的内容については後に詳述する。
装飾図柄190の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば第1抽選手段126または第2抽選手段128による当否判定結果が大当り(特別遊技への移行)を示す場合は「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。第1抽選手段126または第2抽選手段128による当否判定結果が外れを示す場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せが選択される。当否判定結果が外れを示す場合であって、リーチ付きの外れを示す特別図柄の変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。演出決定手段132は、装飾図柄190の停止図柄組合せと装飾図柄の変動パターンデータを演出表示制御手段134へ送る。
装飾図柄の変動パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの演出過程が定義される。変動パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当り図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動パターンを選択する。
演出表示制御手段134は、第1演出制御手段168および第2演出制御手段170を含む。第1演出制御手段168は、第1抽選手段126による第1の抽選の結果を、選択された変動パターンデータにしたがって装飾図柄190として演出表示装置60の表示領域194に変動表示させる。第2演出制御手段170は、第2抽選手段128による第2の抽選の結果を、選択された変動パターンデータにしたがって装飾図柄190として演出表示装置60の表示領域194に変動表示させる。第1演出制御手段168および第2演出制御手段170は、それ以前の第1の抽選または第2の抽選に対応する装飾図柄190の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。演出表示制御手段134は、演出決定手段132が決定した演出パターンに対応する演出画像を表示させる。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
次に、本実施例における特徴的な遊技の進行制御の内容について説明する。本実施例では、特別遊技中の大当り演出としてバトル演出が選択された場合、ラウンド数の異なる3種類の特別遊技のいずれが実行されているか(3種類の大当りのいずれが当選したか)を示唆する示唆演出が表示される。具体的には、バトル演出において登場する味方キャラクタが大勢の敵キャラクタを殲滅できればラウンド数の多い16R大当りまたは12R大当りであったことが示され、殲滅できなければラウンド数の少ない8R大当りであったことが示される。特別遊技の所定ラウンドにおいて遊技者による操作ボタンの連打と大入賞口への入球という2つの介入が促され、その介入如何によって敵キャラクタの殲滅の実現可能性が変化する。このような演出表示制御により興趣溢れる遊技性を実現する。
図4は、バトル演出の表示過程で演出表示装置に表示される画面例を表す図である。同図(a)〜(h)は、その演出過程の一部を表している。当否抽選の結果が大当りとなり、大当り演出としてバトル演出が選択されると、図示のような画面が表示される。このバトル演出は、味方キャラクタと敵キャラクタとの間で勝敗を決めるゲームの演出であり、味方キャラクタが大勢の敵キャラクタの殲滅に成功した場合、それが第9ラウンド以降の特別遊技の継続(つまり8R特別遊技ではなく16R特別遊技または12R特別遊技であること)を示唆する。遊技者は、そのバトル演出の過程で敵キャラクタの減り具合からその殲滅に成功する成功演出が表示されるか、殲滅に失敗する失敗演出が表示されるかを予測する。
すなわち、大当り演出においては、第1ラウンドから第5ラウンドにかけて味方キャラクタや敵キャラクタの紹介、対戦に至るストーリーなど、図示しない対戦前の準備演出が表示される。そして、第6ラウンドの終了時に、図4(a)に示すように、バトルへの突入を示唆するとともに操作ボタン82の入力(連打)を促す画面が表示される。そして第7ラウンドに移行されると、図4(b)に示すように、大勢の敵キャラクタが登場する。遊技者が画面の要求にしたがって操作ボタン82の操作入力を行うと、図4(c)および(d)に示すように、その入力ごとに所定数の敵キャラクタが減少する。すなわち、第7ラウンドでは遊技者の介入を前提とする対戦ゲームの演出が表示される。ただし後述のように、連打を続ければ敵キャラクタを必ず殲滅できるわけではなく、特別遊技中の大入賞口91への入球数に応じて敵キャラクタを減らすことができる限界値が段階的に設定される。このため、その限界値をゼロに近づけるために大入賞口91への入球数を確保する必要もある。
本実施例では、敵キャラクタの残数がその限界値に達すると、図4(e)に示すように、大入賞口91(アタッカー)への入球を促す画面が表示される。遊技者は、その画面にしたがって大入賞口91に入球させることにより、図4(f)に示すように、限界値をゼロに近づけつつ敵キャラクタの殲滅を目指すことができる。このようにして第7ラウンドにて敵キャラクタを殲滅させることができると、図4(g)に示すように、第8ラウンドにおいて味方キャラクタの勝利、つまり敵キャラクタの殲滅に成功したことを示す結果表示(成功演出)が表示される。図示の例では、その成功により「16ラウンドゲット!」と表記され、16R特別遊技であることが示されている。なお、12R特別遊技である場合には、「12ラウンドゲット!」などの表記がなされる。一方、第7ラウンドにて敵キャラクタを殲滅させることができなかった場合には、図4(h)に示すように、第8ラウンドにおいて味方キャラクタの敗北、つまり敵キャラクタの殲滅に失敗したことを示す結果表示(失敗演出)が表示される。なお、第8ラウンドにて成功演出が表示された場合の第9ラウンド以降は、味方キャラクタを賞賛するなど、図示しない対戦後の余韻演出が表示される。
図5は、特別遊技においてバトル演出が表示される場合の大入賞口の開放態様と演出の流れとの対応を示すタイムチャートである。本実施例では合計3種類の開閉パターンが設けられており、図中上段から順に開閉パターン1〜3が示されている。横軸は時間の経過を示している。図中の「1」〜「16」は、特別遊技のラウンドを示している。
開閉パターン1は16R特別遊技に適用される開閉パターンであり、開閉パターン2は12R特別遊技に適用される開閉パターンであり、開閉パターン3は8R特別遊技に適用される開閉パターンである。いずれの開放パターンにおいても、1ラウンドあたりに大入賞口91が1回開放され、その開放時間が30秒に設定されている。なお、大入賞口91の開放期間が1ラウンドの期間に相当し、ラウンド間のインターバル時間(ラウンド間時間)は1秒に設定されている。なお、変形例においては、ラウンド間時間として異なる時間を設定してもよい。
図示のように、特別遊技が開始された直後の時刻t1からt2までの時間には、特別遊技の実行開始を示すデモンストレーション演出(「開始デモ演出」という)が表示される。そして、時刻t2以降にバトル演出が表示される。いずれの特別遊技においても上述のように、第1ラウンドから第5ラウンドにかけて対戦前の準備演出、第6ラウンドの終了時にバトルへの突入示唆、第7ラウンドに対戦ゲーム、第8ラウンドにバトルの結果表示がなされる。一方、16R特別遊技であれば、第9ラウンドから第16ラウンドまで開閉パターン1にしたがうラウンドの経過とともに対戦後の余韻演出が表示される。12R特別遊技であれば、第9ラウンドから第12ラウンドまで開閉パターン2にしたがうラウンドの経過とともに対戦後の余韻演出が表示される。8R特別遊技であれば、開閉パターン3にしたがい第8ラウンドにてバトル演出も終了される。
このように、第7ラウンドにおいては操作ボタン82の操作による遊技者の介入が演出に反映される。このため、第7ラウンドにおいては、その操作ボタン82を介した操作入力に応じた演出表示制御が実行される。すなわち、演出決定手段132は、操作入力1回あたりの敵キャラクタの減少量と、操作入力1回あたりの待ち時間(先の操作入力の受け付けを有効としてから後の操作入力の受け付けを有効とするまでの待ち時間)が抽選値に対応づけられた減算テーブル(「変化量決定テーブル」および「待ち時間決定テーブル」に対応する)を保持する。また、上述のように、操作ボタン82の操作がなされても、大入賞口91への入球数に応じた限界値が設定される。演出決定手段132は、大入賞口91への入賞数(カウント値)と限界値との関係が抽選値に対応づけられた関所設定テーブルを保持する。すなわち、演出上はその限界値を関所と位置づけ、複数種の関所パターンのいずれかが選択される。
図6は、減算テーブルを模式的に示す図である。演出決定手段132は、大当り演出としてバトル演出が決定される場合に図示の減算テーブルを参照する。図示のように、本実施例では減算パターン1〜7が設けられ、パターン抽選値「0〜255」が割り当てられている。図示の例では、減算パターン1〜6がほぼ同じ選択確率となっており、減算パターン7の選択確率がやや低くなっている。
各減算パターンには、敵キャラクタの残数範囲に応じて操作入力1回あたりの敵キャラクタの減算数と操作入力1回あたりの待ち時間とが定められている。本実施例では敵キャラクタの初期数が1000とされている。例えば減算パターン1においては、敵キャラクタの残数が「1000〜101」であれば減算数として111、待ち時間(1回操作入力をしてから次の操作入力が有効(受け付け可能)となるまでの待ち時間)として100msが設定される。敵キャラクタの残数が「100〜11」であれば減算数として11、待ち時間として150msが設定される。敵キャラクタの残数が「10〜1」であれば減算数として1、待ち時間として200msが設定される。減算数が大きいほど、また待ち時間が短いほど、早期に敵キャラクタを殲滅できる可能性が高くなる。なお、減算パターン7は、敵キャラクタの残数が「1000〜101」の範囲における減算数が他の減算パターンに比べて大きく設定されているが、その分、待ち時間は長くなっている。
図7は、関所設定テーブルを模式的に示す図である。図7(a)は8R大当りの場合に参照されるテーブルであり、図7(b)は12R大当りまたは16R大当りの場合に参照されるテーブルである。演出決定手段132は、当否抽選の結果が8R大当りとなり、大当り演出としてバトル演出が決定される場合に図7(a)に示す第1関所設定テーブルを参照する。この第1関所設定テーブルにおいては、関所パターン1〜15が設けられ、パターン抽選値「0〜255」が割り当てられている。
第1関所設定テーブルの各関所パターンには、大入賞口91への入賞数「0〜8」に応じた減算後の限界値(関所)が定められている。なお、大入賞口91に8以上の入賞があった場合には、入賞数「8」として参照される。例えば関所パターン1においては、入賞数が「0」または「1」であれば限界値として962、入賞数が「2」または「3」であれば限界値として214、入賞数が「4」または「5」であれば限界値として96、入賞数が「6」以上であれば限界値として1が設定される。すなわち、基本的には操作ボタン82の操作入力1回あたりに減算テーブルにより設定された減算数分だけ敵キャラクタを減らすことができるが(図6参照)、たとえ連打を繰り返しても関所パターンによる限界値を超えることはできない。このため、関所パターン1が選択された場合、例えば入賞数が「1」である場合には、操作ボタン82を連打したとしても、敵キャラクタは962までしか減少せず、さらに減らすためには入賞数を増やす必要がある。入賞数が「2」になると、連打によって敵キャラクタを214まで減らすことができる。
ただし、第1関所設定テーブルは8R大当りにて参照されるテーブルであるため、入賞数が「8」以上となってもいずれの関所パターンも限界値がゼロにはならない。つまり敵キャラクタを殲滅させることはできないようになっている。このため、遊技者はその介入により大入賞口91への入賞と操作ボタン82の連打を確保しても敵キャラクタを殲滅させることができず、失敗演出をみることになる。この第1関所設定テーブルにおいては、関所パターン1から15に向けて徐々に限界値が小さくなりやすくなる傾向にあるが、その限界値が小さくなりやすいパターンの選択確率は相対的に低くなっている。つまり、第1関所設定テーブルにおいては限界値が小さくなり難く設定されており、第8ラウンドにて終了するという事実に整合したものとなっている。
一方、当否抽選の結果が12R大当りまたは16R大当りとなり、大当り演出としてバトル演出が決定される場合には、演出決定手段132は、基本的に図7(b)に示す第2関所設定テーブルを参照する。すなわち、同図の第2関所設定テーブルは、大入賞口91の開放時の入球容易性が演出設計者の想定範囲にある場合に参照される「デフォルトテーブル」として設定されている。一方、遊技店によっては大入賞口91の周辺の遊技釘等の調整により大入賞口91の開放時の入球容易性が演出設計者の想定より少なくなる場合もある。そうした場合でも当否抽選の結果が12R大当りまたは16R大当りの演出が演出設計者の意図どおりに進行されるよう、このデフォルトテーブルとは別に後述する補正テーブルも設けられている。ただし、補正テーブルはあくまで例外的に設定される関所設定テーブルであり、普通はデフォルトテーブルで足りることになる。この第2関所設定テーブル(デフォルトテーブル)においては、関所パターン1〜17が設けられ、パターン抽選値「0〜255」が割り当てられている。
第2関所設定テーブルの各関所パターンには、大入賞口91への入賞数「0〜8」に応じた減算後の限界値(関所)が定められている。例えば関所パターン1においては、第1関所設定テーブルの関所パターン1に近似した傾向を有するが、入賞数が「8」以上であれば限界値としてゼロが設定される(図中太枠参照)。このため、遊技者がその介入により大入賞口91への入賞と操作ボタン82の連打を確保すれば、敵キャラクタを殲滅させることができ、成功演出をみることができる。この第2関所設定テーブルにおいては、関所パターン1から15に向けて徐々に限界値が小さくなりやすくなる傾向にある。なお、関所パターン16は、いわゆるプレミア的なパターンであり、大入賞口91への入賞がゼロであっても敵キャラクタを殲滅させることができる。また、関所パターン17は、入賞数が少なくても敵キャラクタの残数を速やかに減少させることができるが、少なくなってから殲滅させるまでに時間を要する内容となっている。この第2関所設定テーブルにおいては、限界値が小さくなりやすいパターンの選択確率が相対的に高くなっている。つまり、第2関所設定テーブルにおいては限界値が小さくなりやすく設定されており、第9ラウンド移行も継続するという事実に整合したものとなっている。
図8は、第2関所設定テーブルについて予備的に設けられた補正テーブルを模式的に示す図である。図8(a)は大入賞口91の入球容易性が設計値よりもやや低い場合に参照される第1補正テーブルであり、図8(b)は大入賞口91の入球容易性がさらに低い場合に参照される第2補正テーブルである。
演出決定手段132は、当否抽選の結果が12R大当りまたは16R大当りとなり、大当り演出としてバトル演出が決定される場合に、対戦ゲームを開始するラウンド(第7ラウンド)の前ラウンド(第6ラウンド)までの大入賞口91への入賞数の情報を取得し、その1ラウンドあたりの入賞数の平均値(「平均入賞数」という)を算出する。そして、その平均入賞数が設計値である「8」以上にならない場合、具体的には「7」であれば、第2関所設定テーブルとして図8(a)に示す第1補正テーブルを設定し、その平均入賞数が「6」以下であれば、第2関所設定テーブルとして図8(b)に示す第2補正テーブルを設定する。
第1補正テーブルは、図8(a)の太枠にて示された関所パターン2〜4,6〜8,10〜12,14〜16のみを選択対象とする。すなわち、第1補正テーブルは、大入賞口91への入賞数が「7」以上であれば限界値がゼロとなる関所パターンのみを選択対象とするテーブルであり、敵キャラクタを殲滅させるための入賞数に関する条件がデフォルトテーブルよりも緩和されている。一方、第2補正テーブルは、図8(b)の太枠にて示された関所パターン2,4,6,8,10,12,14〜16のみを選択対象とする。すなわち、第2補正テーブルは、大入賞口91への入賞数が「6」以上であれば限界値がゼロとなる関所パターンのみを選択対象とするテーブルであり、敵キャラクタを殲滅させるための入賞数に関する条件が第1補正テーブルよりもさらに緩和されている。各補正テーブルにおいては、図7(b)のデフォルトテーブルとの対比から分かるように、該当する関所パターンのみが選択対象となるよう、パターン抽選値の割り当てが調整されている。
すなわち、演出設計上はその平均入球数が「8」以上になると想定しているため、図7(b)のデフォルトテーブルのいずれの関所パターンが選択されても、遊技者が普通に大入賞口91を狙う限り、入球数が8の状態、つまり敵キャラクタがゼロとなる演出内容に到達できるようになっている。しかし、事後的な遊技釘等の調整により大入賞口91の開放時の入球容易性が設計値よりも低くなり、遊技者が大入賞口91を狙っても8球以上の入球を確保できない場合も想定される。そうなると、遊技者が連打を繰り返しても12R大当りまたは16R大当りを示唆する成功演出が表示されなくなり、当否抽選の結果と演出内容とが整合しなくなり、演出に対する信頼度を低下させてしまう。
そこで、対戦ゲームの前ラウンドまでの大入賞口91への入賞数の情報に基づき、その大入賞口91の入球容易性に応じた演出の進行度の調整を行っている。すなわち、当否抽選の結果が12R大当りまたは16R大当りであれば、仮に大入賞口91の入球容易性が設計値より低められていても、敵キャラクタを殲滅する演出内容に到達可能となるよう第2関所設定テーブルの調整が行われる。これにより、当否抽選の結果が12R大当りまたは16R大当りであれば、遊技者が普通に大入賞口91への入球を狙い、かつ操作ボタン82の操作を繰り返す限り成功演出が表示されるようになり、当否抽選の結果と演出内容とが整合し、バトル演出そのものの信頼度を確保することができる。
なお、本実施例では、第1関所設定テーブルについては補正テーブルを設けていない。第1関所設定テーブルにおいてはもともと限界値がゼロとなる関所パターンを設定する必要がないためである。すなわち、第1関所設定テーブルを選択する場合には敵キャラクタは最終的に殲滅されず失敗演出が表示されるためである。なお、変形例においては、第1関所設定テーブルにおいても大入賞口91への入賞数の情報に基づき、限界値の変化の傾向(限界値の変化の進行度)が異なるよう補正テーブルを設けるようにしてもよい。
以上に述べた大当り演出の演出パターンは、図柄変動に先立って行われる当否抽選、図柄抽選およびパターン抽選等を通じて決定される。以下、その詳細について説明する。図9は、図柄範囲テーブルを模式的に示す図である。図9(a)は当否判定結果が大当りであった場合に参照されるテーブルであり、図9(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照されるテーブルである。
第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、図柄判定においてこの図柄範囲テーブルを参照する。各図柄範囲テーブルには、「0」〜「9」の数字、「A」〜「C」の文字、および「−」の記号で表される特別図柄と図柄抽選値との対応関係が定められている。なお、同図には単に「図柄抽選値」と表記しているが、第1抽選値取得手段112が取得する図柄抽選値は「第1図柄抽選値」に対応し、第2抽選値取得手段115が取得する図柄抽選値は「第2図柄抽選値」に対応する。特別図柄の種類は当否判定結果と対応付けられており、「1」〜「9」の数字および「A」〜「C」の文字が大当りに対応し、「−」の記号が外れに対応する。
図9(a)に示す特別図柄のうち、特別図柄「1」〜「6」は確変移行を伴う大当り(「確変大当り」ともいう)を示し、特別図柄「7」〜「9」および「A」〜「C」は確変移行を伴わない大当り(「非確変大当り」ともいう)を示している。各特別遊技には、図柄抽選値「0〜255」が割り振られており、確変大当りとなる確率(特別図柄「1」〜「6」のいずれかが選択される確率)は約65%、非確変大当りとなる確率(特別図柄「7」〜「9」および「A」〜「C」が選択される確率)は約35%とされている。つまり、本実施例においては、第1の遊技および第2の遊技ともに大当りとなった場合の確変移行確率が65%に設定されている。図示のように、第1図柄抽選値には、「1」〜「9」の数字および「A」〜「C」の文字の全てが対応づけられている。一方、第2図柄抽選値には、「1」,「3」,「5」,「7」,「9」,「B」が対応づけられているが、「2」,「4」,「6」,「8」,「A」,「C」は対応づけられていない。一方、図9(b)に示すように、特別図柄「−」は当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。
図10は、開閉パターン判定テーブルを模式的に示す図である。特別遊技制御手段120は、特別遊技における大入賞口の開閉パターンの決定に際してこの開閉パターン判定テーブルを参照する。この開閉パターン判定テーブルにおいては、特別図柄「1」〜「9」,「A」〜「C」と開閉パターン1〜3(図5参照)が対応づけられている。図示のように、特別図柄「1」,「2」,「7」,「8」に対して16R特別遊技の開閉パターン1が対応づけられ、特別図柄「3」,「4」,「9」,「A」に対して12R特別遊技の開閉パターン2が対応づけられ、特別図柄「5」,「6」,「B」,「C」に対して8R特別遊技の開閉パターン3が対応づけられている。図8に示した図柄範囲テーブルと対比させると、第2の遊技のほうが第1の遊技よりもラウンド数の多い特別遊技が選択される可能性が高くなっている。
図11は、大当り演出パターン選択テーブルを模式的に示す図である。演出決定手段132は、図示の大当り演出パターン選択テーブルを参照し、決定された大当り(特別遊技)の種類に応じて大当り演出パターンを決定する。なお、図9にも示したように、大当りの種類は特別図柄に対応づけられているため、この大当り演出パターン選択テーブルにおいては、特別図柄の停止図柄と大当り演出パターンとが対応づけられている。
大当り演出パターン1〜6は、特別図柄「1」〜「6」に対応し、確変大当りであるため、大当り演出の終了時に確変大当りであることを報知する演出内容が含まれる。大当り演出パターン1は、図5上段の大当り演出である16Rバトル演出1を表示させるものである。大当り演出パターン2は、バトル演出ではない16R通常演出1を表示させるものである。大当り演出パターン3は、図5中段の大当り演出である12Rバトル演出1を表示させるものである。大当り演出パターン4は、バトル演出ではない12R通常演出1を表示させるものである。大当り演出パターン5は、図5下段の大当り演出である8Rバトル演出1を表示させるものである。大当り演出パターン6は、バトル演出ではない8R通常演出1を表示させるものである。
大当り演出パターン7〜12は、特別図柄「7」〜「9」,「A」〜「C」に対応し、非確変大当りであるため、確変大当りであることを報知する演出内容は含まれない。大当り演出パターン7は、図5上段の大当り演出である16Rバトル演出2を表示させるものである。大当り演出パターン8は、バトル演出ではない16R通常演出2を表示させるものである。大当り演出パターン9は、図5中段の大当り演出である12Rバトル演出2を表示させるものである。大当り演出パターン10は、バトル演出ではない12R通常演出2を表示させるものである。大当り演出パターン11は、図5下段の大当り演出である8Rバトル演出2を表示させるものである。大当り演出パターン12は、バトル演出ではない8R通常演出2を表示させるものである。図9に示した図柄範囲テーブルと対比させると、第1の遊技においては大当り演出パターン1〜12の全てが選択されうるが、第2の遊技においては大当り演出パターン1,3,5,7,9,11のみが選択されうる。すなわち、第2の遊技においては大当り演出としてバトル演出のみが表示されることになる。
図12は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が第1始動口62、第2始動口63、一般入賞口72、大入賞口91などへ入賞した場合の処理を実行する(S10)。そして、通常遊技中であれば(S12のY)、当否抽選などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、通常遊技中でなければ(S12のN)、特別遊技の制御処理を実行し(S16)、S10からS16までの処理における各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図13は、図12におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。通常遊技の制御処理においては、特別図柄および装飾図柄の処理が実行されるとともに(S20)、普通図柄の処理が実行される(S22)。
図14は、図13におけるS20の特別図柄および装飾図柄の処理を詳細に示すフローチャートである。この図柄変動処理は、第1特別図柄192、第2特別図柄193、装飾図柄190を変動表示させる処理を示す。まだ図柄変動表示が開始されていない場合(S30のN)、第1特別図柄192の変動表示タイミングであれば(S32のY)、第1当否判定手段113が特図保留手段144から第1当否抽選値を読み出して当否を判定する(S34)。そして、第1当否判定手段113が第1特別図柄192を決定し(S36)、第1パターン決定手段114が第1特別図柄192の変動パターンを決定し、演出決定手段132が決定された変動パターンに対応する装飾図柄190の変動演出パターンを決定する(S38)。そして、第1特別図柄192および装飾図柄190の図柄変動が開始される(S48)。
一方、第2特別図柄193の変動表示タイミングであれば(S40のY)、第2当否判定手段117が特図保留手段144から第2当否抽選値を読み出して第2の抽選の当否を判定する(S42)。そして、第2当否判定手段117が第2特別図柄193を決定し(S44)、第2パターン決定手段119が第2特別図柄193の変動パターンを決定する(S46)。そして、第2特別図柄193および装飾図柄190の図柄変動が開始される(S48)。
なお、第1特別図柄192の変動表示タイミングであるか、第2特別図柄193の変動表示タイミングであるかは、特図調整手段152により記憶された第1始動口62への入賞と第2始動口63への入賞の順序に応じて決定される。第1特別図柄192の変動表示タイミングでなく(S32のN)、第2特別図柄193の変動表示タイミングでもない場合(S40のN)、本図のフローを終了する。既に図柄変動表示が開始されている場合には(S30のY)、その変動表示処理を実行する(S49)。
図15は、図14におけるS49の変動表示処理を詳細に示すフローチャートである。既に図柄変動表示が開始されている場合、図柄変動の画像を表示し(S60)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S61のY)、表示中の図柄変動を停止する(S62)。停止した図柄変動に対応する当否抽選結果が16R大当りであった場合(S63のY)、16R特別遊技へ移行する(S64)。16R大当りではないが(S63のN)、12R大当りであった場合(S65のY)、12R特別遊技へ移行する(S66)。12R大当りでもなく(S65のN)、8R大当りであった場合(S67のY)、8R特別遊技へ移行する(S68)。8R大当りでもない場合には(S67のN)、S68の処理をスキップする。図柄表示の停止タイミングに達していない場合には(S61のN)、S62以降の処理をスキップして本図のフローを終了する。
図16は、図13におけるS22の普通図柄の処理を詳細に示すフローチャートである。普図保留手段147に普図抽選値の保留がなされている場合(S80のY)、普通図柄195が変動表示中でなければ(S82のN)、普図抽選手段136が普図保留手段147から抽選値を読み出して当否を判定し(S84)、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄195の停止図柄を決定し(S86)、その普通図柄195の変動時間を決定する(S88)。そして、決定されたタイミングにて普通図柄195の図柄変動を開始する(S90)。S80において普図抽選値が保留されていなかった場合は(S80のN)、S82からS90までの処理はスキップされ、S82において普通図柄195が変動表示中であった場合は(S82のY)、S84からS90までの処理はスキップされる。
続いて、普通図柄195の変動表示が開始済であれば(S92のY)、普通図柄195の変動表示を処理し(S94)、設定された変動時間が経過して普通図柄195の変動表示の停止タイミングに達したときは(S96のY)、変動表示中の普通図柄195を停止させる(S98)。このとき、停止図柄が当り態様であれば(S100のY)、第2始動口63を拡開させる開放時間を決定する(S102)。すなわち、このとき時短中であれば比較的長い時間値(本実施例では6秒)が設定され、時短中でなければ比較的短い時間値(本実施例では0.5秒)が設定される。そして、その開放時間にしたがって普通電動役物65を作動させて第2始動口63を開放させる(S104)。既に述べたように、時短中であれば比較的長い開放時間が設定される。一方、停止図柄が当り態様でなければ(S100のN)、S102およびS104の処理はスキップされる。変動時間経過前である場合(S96のN)、S98からS104の処理はスキップされる。S92において変動表示が開始されていないときは(S92のN)、S94からS104の処理はスキップされる。
図17は、図12におけるS16の特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。当否抽選の結果が大当りであった場合(S90のY)、特別遊技が未だ開始済みでなければ(S92のN)、特別遊技制御手段120は、図14のS36またはS44の処理にて決定された特別図柄の情報をもとに図10の開閉パターン判定テーブルを参照して大入賞口91の開閉パターンを決定する(S93)。演出決定手段132は、その特別図柄の情報をもとに図11の大当り演出パターン選択テーブルを参照して大当り演出パターンを決定する(S94)。そして、特別遊技を開始して(S95)、その大当り演出の表示を開始し(S96)、本処理を一旦終了する。演出決定手段132は、特別遊技の開始とともに大入賞口91への入球数のカウントを開始する。
既に特別遊技が開始済みであって(S92のY)、大入賞口91が開放済でなければ(S98のN)、大入賞口91の開放処理を実行し(S100)、開放済みであれば(S98のY)、大入賞口91の閉鎖処理を実行する(S102)。その結果、大入賞口91が閉鎖状態になっていれば(S104のY)、S106へ移行する。閉鎖状態でなければ(S104のN)、S106以降の処理をスキップして本処理を一旦終了する。
S106においては、特別遊技中の演出であるデモ演出中であるか否かを判定する。なお、ここでいう「デモ演出」は、開始デモ演出および終了デモ演出を含む。デモ演出中でなければ(S106のN)、特別遊技終了条件が満たされたか否かを判定する。ここでは、後述する終了フラグがオンになっていれば、特別遊技終了条件が満たされることになる。特別遊技終了条件が満たされていれば(S110のY)、その終了フラグをオフにしたうえで(S112)、終了デモ演出の表示を開始する(S114)。特別遊技終了条件が満たされていなければ(S110のN)、本処理を一旦終了する。S106にてデモ演出中であると判定され(S106のY)、終了デモ演出が終了した場合(S116のY)、特別遊技を終了し(S118)、時短や確変の特定遊技状態を開始する(S120)。終了デモ演出が終了していない場合は(S116のN)、S118およびS120の処理をスキップする。大当りでない場合は(S90のN)、本図のS92以降のフローをスキップする。
図18は、図17におけるS100の開放処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口91の所定の開放タイミングとなったとき(S122のY)、開閉制御手段124は、開閉パターンの動作を設定し(S124)、大入賞口91を開放させる(S126)。開放タイミングでないときは(S122のN)、S124およびS126の処理をスキップする。
図19は、図17におけるS102の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口91の所定の閉鎖タイミングとなったとき、開閉制御手段124は大入賞口91を閉鎖させる。すなわち、特別遊技中において、入球数による単位遊技の終了条件が満たされるか(S130のY)、または開放時間による単位遊技の終了条件が満たされれば(S132のY)、大入賞口91を閉鎖する(S134)。なお、単位遊技における入球数による終了条件は大入賞口への10球以上の入球であり、開放時間による終了条件は、大入賞口の開放開始から30秒の経過である。このとき、継続上限回数に達していれば(S136のY)、終了フラグをオンにする(S138)。継続上限回数に達していなければ(S136のN)、S138の処理をスキップする。本実施例においてこの継続上限回数は16回,12回または8回であり、特別遊技の種類によって異なる。入球数による終了条件および開放時間による終了条件のいずれも満たされていなければ(S130のN,S132のN)、S134以降の処理をスキップする。
図20は、図17におけるS96にて大当り演出が開始されたことを契機に実行される大当り演出制御処理を詳細に示すフローチャートである。演出決定手段132は、S94の処理でバトル演出が設定されて開始されていれば(S202のY)、対戦ゲームを表示させる対戦ラウンド(本実施例では第7ラウンド)であるか否かを判定する。このとき、対戦ラウンドでなければ(S204のN)、S205からS228の処理をスキップし、大当り演出パターンにしたがった演出表示を実行する(S230)。すなわち、第1ラウンドから第6ラウンドおよび第8ラウンド以降は遊技者の介入により演出表示内容が変化することがないため、大当り演出パターンにしたがった演出画像をそのまま表示させる。
一方、対戦ラウンドであれば(S204のY)、演出決定手段132は、減算パターンを設定するためのパターン抽選値を取得し、図6に示した減算テーブルを参照して減算パターン1〜7のいずれかを決定する(S205)。また、演出決定手段132は、関所パターンを設定するためのパターン抽選値を取得し、図7または図8に示した関所設定テーブルを参照して関所パターンを決定する(S206)。すなわち、8R大当りであった場合には図7(a)に示した第1関所設定テーブルを参照して関所パターン1〜15のいずれかを決定し、12R大当りまたは16R大当りの場合には図7(b),図8(a)または図8(b)に示した第2関所設定テーブルを参照して関所パターン1〜17のいずれかを決定する。
続いて、演出決定手段132は、決定された減算パターンにしたがい、現在の敵キャラクタの残数に応じて操作入力1回あたりの敵キャラクタの減算数ΔNを設定し(S207)、また、操作入力1回あたりの待ち時間を設定する(S208)。続いて、当該対戦ラウンドにおける大入賞口91への入賞数(カウント値)を確認し(S209)、決定された関所パターンにしたがい、大入賞口91への入賞数に応じて敵キャラクタの減算後の限界値NB(関所)を設定する(S210)。
続いて、演出表示制御手段134は、図4に示した入力画面を表示し、遊技者に操作ボタン82を介した操作入力(連打)を促す(S212)。そして、待ち時間が経過すると(S213のY)、遊技者の操作入力があったか否かを判定する。本実施例では、操作ボタン82の操作入力があった場合にこれを示す入力フラグがオンにされるので、その入力フラグの状態をみて操作入力の有無を判定する。このとき、遊技者の操作入力があれば(S214のY)、敵キャラクタの残数Nから減算数ΔNを差し引いた値である更新値(N−ΔN)を演算する。その更新値(N−ΔN)が限界値NB以上であれば(S216のY)、残数Nをその更新値(N−ΔN)に更新し(S218)、敵キャラクタが更新後の残数Nとなるよう減少させる表示制御を実行する(S220)。一方、その更新値(N−ΔN)が限界値NBよりも小さければ(S216のN)、残数Nを限界値NBに更新または維持し(S222)、図4(e)に示したような大入賞口91への入球を促す入球示唆表示を実行する(S224)。遊技者の操作入力がなければ(S214のN)、S216からS224の処理をスキップする。このとき、対戦ラウンドが終了していなければ(S228のN)、S207に戻り、同様の処理を繰り返す。対戦ラウンドが終了すると(S228のY)、一旦処理を終了する。
一方、大当り演出としてバトル演出ではなく通常演出が設定されて開始されている場合には(S202のN)、大当り演出パターンにしたがった演出表示を実行する(S230)。
図21は、図20におけるS206の関所パターン決定処理を詳細に示すフローチャートである。演出決定手段132は、当否抽選の結果が8R大当りであれば(S230のY)、図7(a)に示した第1関所設定テーブルを設定する(S232)。一方、当否抽選の結果が8R大当りではなく12R大当りまたは16R大当りであれば(S230のN)、対戦ラウンドの前ラウンド(本実施例では第6ラウンド)までの大入賞口91への入賞数Naの情報を取得し(S234)、その1ラウンドあたりの平均値である平均入賞数Navを算出する(S236)。このとき、平均入賞数Navが8以上であれば(S238のY)、第2関所設定テーブルとして図7(b)に示したデフォルトテーブルを設定する(S240)。一方、平均入賞数Navが8未満であり(S238のN)、7であれば(S242のY)、第2関所設定テーブルとして図8(a)に示した第1補正テーブルを設定する(S244)。平均入賞数Navが7未満であれば(S242のN)、第2関所設定テーブルとして図8(b)に示した第2補正テーブルを設定する(S246)。そして、設定された関所設定テーブルを参照して関所パターンを決定する関所パターン抽選を実行し(S248)、決定された関所パターンを設定する(S250)。
以上に説明したように、本実施例においては、大当り演出において複数の遊技者介入的要素が取り入れられる。すなわち、多数の敵キャラクタが登場するバトル演出において、操作ボタンを介した操作入力の回数と大入賞口への入球数とに応じて敵キャラクタを段階的に減少させ、最終的に敵キャラクタを殲滅できれば、ラウンド数の多い特別遊技が確保される。そして、敵キャラクタの残数を目標値であるゼロに近づけるに際してその限界値が段階的に設定され、大入賞口への入球数に応じてその限界値が段階的にシフトする。このため、限界値が設定されると、操作入力を繰り返すのみでは目標値に到達することはできない。すなわち、大入賞口への入球数を増加させて限界値をよりゼロに近づけたうえで操作入力を繰り返すことで敵キャラクタを徐々にゼロに近づけられるようになる。つまり、遊技者による2つの技術介入を効率的に行うか否かによって敵キャラクタの殲滅を達成する可能性、ひいては成功演出を経たラウンド継続可能性が左右されるようになる。遊技者の操作入力による介入と、遊技者の遊技球の打ち出による技術介入とによって成功演出または失敗演出の表示タイミングがランダムになり、演出表示のワンパターン化を防止することができる。つまり、遊技者による複数の介入のそれぞれの程度に応じて演出の表示タイミングが変化するようになり、遊技者の介入次第で興趣溢れる演出表示が実現されるようになる。
そして特に、大入賞口91への入球数に応じた限界値の設定により対戦ラウンドにおける演出内容が変化するところ、その入球状況によっては関所設定テーブルが変更される。すなわち、対戦ラウンドの前ラウンドまでの1ラウンドあたりの入球数が演出設計者の基準値を満たさない場合には適宜関所設定テーブルを変更することにより、対戦ゲームにおける演出内容の変化を調整することができる。したがって、遊技釘の調整等により大入賞口91への入球容易性が事後的に低下されたとしても、当否抽選の結果が12R大当りまたは16R大当りであれば限界値をゼロとして敵キャラクタを殲滅可能な状態とすることができ、当否抽選の結果と対戦ゲームの結果との整合性を保つことができるようになる。その結果、バトル演出を演出設計者の意図どおりに進行させることが可能になる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
(変形例1)
上記実施例では、大入賞口91への入球容易性が低下された場合に選択される補正テーブルの一例を図8に示した。変形例においては、それとは異なる補正テーブルの構成を採用してもよい。図22は、変形例に係る補正テーブルを模式的に示す図である。図22(a)は大入賞口91の入球容易性が設計値よりもやや低い場合に参照される第1補正テーブルであり、図22(b)は大入賞口91の入球容易性がさらに低い場合に参照される第2補正テーブルである。
演出決定手段132は、当否抽選の結果が12R大当りまたは16R大当りとなり、大当り演出としてバトル演出が決定される場合に、対戦ラウンドの前ラウンドまでの大入賞口91への平均入賞数が「8」に満たない「7」であれば、第2関所設定テーブルとして図22(a)に示す第1補正テーブルを設定し、その平均入賞数が「6」以下であれば、第2関所設定テーブルとして図22(b)に示す第2補正テーブルを設定する。本変形例の補正テーブルは、関所パターンの種類を図7(b)に示すデフォルトテーブルから削減することなく、各関所パターンにおける入賞数と限界値との対応関係をデフォルトテーブルと異なるものとしている。
すなわち、第1補正テーブルは、関所パターン1〜17を選択対象とする。ただし、各関所パターンについて大入賞口91への入賞数が「7」以上であれば限界値がゼロとなるよう、デフォルトテーブルとは入賞数と限界値との対応関係が異なるものとされている。それにより、敵キャラクタを殲滅させるための入賞数に関する条件がデフォルトテーブルよりも緩和されている。一方、第2補正テーブルも関所パターン1〜17を選択対象とする。ただし、各関所パターンについて大入賞口91への入賞数が「6」以上であれば限界値がゼロとなるよう、デフォルトテーブルとは入賞数と限界値との対応関係が異なるものとされている。それにより、敵キャラクタを殲滅させるための入賞数に関する条件が第1補正テーブルよりもさらに緩和されている。なお、図示の例では、デフォルトテーブルにおける敵キャラクタの減少傾向に合わせるために入賞数が「5」,「6」の場合の限界値をデフォルトテーブルのそれとは若干異なるものとしているが、同一内容としてもよい。
このような補正テーブルの構成としても、当否抽選の結果が12R大当りまたは16R大当りであれば、遊技者が普通に大入賞口91への入球を狙い、かつ操作ボタン82の操作を繰り返す限り成功演出が表示されるようになり、当否抽選の結果と演出内容とが整合し、バトル演出そのものの信頼度を確保することができる。なお、第1関所設定テーブルにおいても大入賞口91への入賞数の情報に基づき、限界値の変化の傾向(限界値の変化の進行度)が異なるよう補正テーブルを設けるようにしてもよい。
(変形例2)
図23は、他の変形例に係る第2関所設定テーブルを模式的に示す図である。図24は、変形例に係る関所パターン決定処理を詳細に示すフローチャートである。演出決定手段132は、当否抽選の結果が12R大当りまたは16R大当りとなり、大当り演出としてバトル演出が決定される場合に図23に示す第2関所設定テーブルを参照する。ただし、テーブルそのものの構成は図7(b)に示すデフォルトテーブルと同様であり、上記実施例とはそのテーブルを用いた関所パターンの抽選方法が異なっている。
すなわち、演出決定手段132は、当否抽選の結果が12R大当りまたは16R大当りとなり、大当り演出としてバトル演出が決定される場合に、対戦ラウンドの前ラウンドまでの大入賞口91への平均入賞数が「7」であれば、図23(a)に太枠にて示された関所パターンを設定対象とする。すなわち、本変形例では、デフォルトテーブルに対して図8に示したようなパターン抽選値の割り当て変更を行ってはおらず、関所パターン1〜17の全てを抽選対象としている。ただし、その関所パターン抽選の結果、関所パターン2〜4,6〜8,10〜12,14〜16が選択されればそれを設定するものの、それ以外の関所パターン1,5,9,13,17が選択されれば、その抽選結果を無効とし、設定対象となる関所パターンが選択されるまで抽選を繰り返す。
一方、対戦ラウンドの前ラウンドまでの大入賞口91への平均入賞数が「6」以下であれば、図23(b)に太枠にて示された関所パターンを設定対象とする。すなわち、関所パターン抽選の結果、関所パターン2,4,6,8,10,12,14〜16が選択されればそれを設定するものの、それ以外の関所パターン1,3,5,7,9,11,13,17が選択されれば、その抽選結果を無効とし、設定対象となる関所パターンが選択されるまで抽選を繰り返す。
すなわち、図24に示すように、演出決定手段132は、当否抽選の結果が12R大当りまたは16R大当りの場合、前ラウンドまでの平均入賞数Navが8以上であれば(S238のY)、図7(b)に示した第2関所設定テーブルを設定し(S240)、関所パターン抽選を実行し(S248)、決定された関所パターンを設定する(S250)。一方、平均入賞数Navが7であれば(S242のY)、図7(b)に示した第2関所設定テーブルに図23(a)に示す設定対象としての第1抽選値範囲(図中太枠)を設定し(S243)、関所パターン抽選のためのパターン抽選値を取得する(S245)。このとき、取得したパターン抽選値が第1抽選値範囲になければ(S246のN)、再度パターン抽選値を取得する(S245)。パターン抽選値が第1抽選値範囲にあれば(S246のY)、そのパターン抽選値に対応する関所パターンを決定し(S247)、決定された関所パターンを設定する(S250)。
平均入賞数Navが7未満であれば(S242のN)、図7(b)に示した第2関所設定テーブルに図23(b)に示す設定対象としての第2抽選値範囲(図中太枠)を設定し(S244)、関所パターン抽選のためのパターン抽選値を取得する(S245)。このとき、取得したパターン抽選値が第2抽選値範囲になければ(S246のN)、再度パターン抽選値を取得する(S245)。パターン抽選値が第1抽選値範囲にあれば(S246のY)、そのパターン抽選値に対応する関所パターンを決定し(S247)、決定された関所パターンを設定する(S250)。
このような関所パターン抽選を実行しても、当否抽選の結果が12R大当りまたは16R大当りであれば、遊技者が普通に大入賞口91への入球を狙い、かつ操作ボタン82の操作を繰り返す限り成功演出が表示されるようになり、当否抽選の結果と演出内容とが整合し、バトル演出そのものの信頼度を確保することができる。
(変形例3)
上記実施例では、図21に示したように、特別遊技において対戦ラウンドの前ラウンドまでの大入賞口91への入賞数を取得し、その累積入賞数から1ラウンドあたりの平均入賞数を算出し、その平均入賞数に応じて第2関所設定テーブルを変更する例を示した。変形例においては、例えば対戦ラウンドよりも前の特定ラウンド(例えば前ラウンドである第6ラウンド)における大入賞口91への入賞数に基づいて第2関所設定テーブルを変更するようにしてもよい。具体的には、その特定ラウンドにおける入賞数が8以上であればデフォルトテーブルを設定し、7以下であれば補正テーブルを設定するようにしてもよい。また、上記変形例1についても同様に、特定ラウンドにおける大入賞口91への入賞数に基づいて、第2関所設定テーブルを変更してもよい。さらに、上記変形例2についても同様に、特定ラウンドにおける大入賞口91への入賞数に基づいて、第2関所設定テーブルに抽選値範囲を設定するか否かを決定してもよい。
(変形例4)
上記実施例では、大入賞口91への1ラウンドあたりの入賞数に基づいて第2関所設定テーブルをデフォルトテーブルから補正テーブルに切り替える例を示した。それにより、その1ラウンドあたりの入賞数が少ないほど演出内容の進行を早めるようにした。変形例においては、一定時間(例えば5分)における所定の入球口への入球数に基づいて、特定の演出の進行速度や演出頻度を変更するようにしてもよい。例えば、第1始動口62および第2始動口63への一定時間における入球数をカウントし、その入球数が予め設定した判定基準値以下であれば、特定の演出として希少性の高い演出の頻度を高めるようにしてもよい。例えば、遊技者が空席の遊技台(入賞がしばらく検出されていない遊技台)についた直後は当り期待度の高い演出(表示された場合に大当りとなる確率が相対的に高い演出)が表示されやすくしてもよい。それにより、全体として遊技機の稼働率を高めることが可能になる。
あるいは、当否抽選値の保留数が所定数以上(例えば4球)となったときにのみ表示される特殊演出が設けられている場合、一定時間における入球数がその所定数に満たない場合には、その所定数をより少ない数に補正するようにしてもよい。それにより、始動口の周辺の遊技釘等によりその入球容易性が設計値よりも低くされている場合であっても、その特殊演出を表示できるようになる。
あるいは、一定時間における入球数ではなく、一定入球数(例えば5球)あたりの所要時間に基づいて、特定の演出の進行速度や演出頻度を変更するようにしてもよい。例えば、一定入球数あたりの所要時間が予め設定した判定基準値を超える場合に、特定の演出として希少性の高い演出の頻度を高めるようにしてもよい。
(変形例5)
上記実施例では、操作ボタン82の操作入力の回数(連打数)に応じて敵キャラクタが減少する例を示した。変形例においては、操作ボタン82の押圧時間(操作時間)の長さに応じて敵キャラクタを減少させるようにしてもよい。その場合においても、その押圧時間の長さによる敵キャラクタの減少に限界値を設け、大入賞口への入球数に応じてその限界値を徐々にゼロに近づけるようにしてもよい。また、上記実施例では、遊技者の操作入力と大入賞口への入球数に応じて敵キャラクタを減少させ、最終的に殲滅させることを目標とする演出内容について説明した。変形例においては、逆に、例えば遊技者の操作入力と大入賞口への入球数に応じて味方キャラクタを増加させ、その味方キャラクタが目標数に達すると敵キャラクタを敗北させることができるなど、より高い目標値又はより大きな目標値に向けて対象となるものの数を変化させる演出内容としてもよい。
(変形例6)
上記実施例では、特別遊技として16R特別遊技、12R特別遊技および8R特別遊技の3種類を設け、単位遊技における大入賞口の開放態様がいずれの特別遊技も同様になる例を示した。変形例においては、16ラウンドに統一するなど、共通のラウンド数を有するものの、所定ラウンドで単位遊技の態様が異なるように変化する特別遊技を含め、その所定ラウンドから単位遊技の態様が変化するか否かを上記実施例のバトル演出等により示唆するようにしてもよい。例えば、大入賞口の開放時間が相対的に短い特定単位遊技のみからなる第1特別遊技と、第9ラウンドから大入賞口の開放時間が相対的に長い通常単位遊技に切り替わる第2特別遊技とを含めてもよい。例えば、特定単位遊技の大入賞口の開放時間を3秒とし、通常単位遊技の大入賞口の開放時間を30秒としてもよい。そして、特定単位遊技の対戦ラウンド(例えば第7ラウンド)において敵キャラクタを殲滅させることにより、その後の所定ラウンド(例えば第9ラウンド)以降を通常単位遊技に切り替えて出玉を確保できるようにしてもよい。
(変形例7)
上記実施例では、特別遊技中の大当り演出に複数の遊技者介入要素を取り入れる例を示した。変形例においては、通常遊技中の演出(図柄変動に伴わせる演出)に同様の遊技者介入要素を取り入れるようにしてもよい。例えば、普通図柄抽選の当選有無をバトル演出にて示唆するようにしてもよい。具体的には、その普通図柄抽選の結果を示す普通図柄の変動表示が開始される前にその結果を取得するいわゆる「先読み」を行うことにより実現することができる。すなわち、普図抽選手段が、作動口への新たな入球があったときに、その入球に対応する普通図柄の変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらずその入球に対応する普通図柄抽選の結果を示す情報を演出決定手段へ送信するようにする。演出決定手段は、普通図柄抽選の結果を示す情報を受信したときに、その入球に対応する普通図柄の変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず、その抽選結果に当りとなるものがあるか否かを判定する。そして、当りが含まれる場合にはバトル演出において敵キャラクタを殲滅させる成功演出を表示させ、当りが含まれない場合には敵キャラクタを殲滅できない失敗演出を表示させるようにしてもよい。その際、普通電動役物にて拡開動作がなされる第2始動口への入球数と操作ボタンの操作量とに応じて敵キャラクタを減少させるようにしてもよい。つまり、対戦ゲームの表示制御については上記実施例と同様の手法で行うことができる。
すなわち、遊技球の入球容易性を高めるよう作動可能な入球変動機構を有する第2始動口と、第2始動口への入球数をカウントするカウント手段と、作動口への入球を契機として、入球変動機構を作動させるか否かを決定するための作動抽選を実行する作動抽選手段と、作動抽選の結果を示すための普通図柄を変動表示させる普通図柄表示制御手段と、前記作動抽選の結果が当りとなり、前記普通図柄が当りを示す態様で停止表示されたときに、入球変動機構を作動させる作動制御手段と、新たに前記作動抽選が実行されるときにそれ以前の作動抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな作動抽選の結果を所定個数を上限にその抽選に対応する普通図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、を備えるものでよい。
作動抽選手段は、作動口への新たな入球があったときに、その入球に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらずその入球に対応する作動抽選の結果を示す情報を演出決定手段へ送信する。演出決定手段は、第2始動口への入球数に応じて演出内容が特定の結末に向けて進行するとともに、その結末への到達が作動抽選の結果が当りであることを示唆する複数種の特殊演出を選択対象として含み、その複数種の特殊演出のいずれかを選択するための演出選択基準を保持する。特殊演出は通常遊技中および特別遊技中の双方における演出であってもよいし、いずれか一方における演出であってもよいが、作動抽選の結果が当りとなる効果が大きく得られる遊技状態、つまり通常遊技における入球容易状態にて選択対象とされるのが好ましい。上述のように、入球容易状態(時短状態)においては、第2始動口が拡開する期間(開放時間)が通常状態よりも長くなる開放延長遊技がなされるため、遊技者の介入により第2始動口への入球数を大きくすることができるからである。
演出決定手段は、特殊演出の表示を決定した場合には、作動抽選の結果を示す情報に基づき演出選択基準を参照していずれかの特殊演出を決定し、第2始動口への入球数に応じてその特殊演出の内容を決定する。すなわち、作動抽選の結果が当りであれば、特殊演出の演出内容が特定の結末に到達するように決定する。演出決定手段は、さらに、入球容易状態(時短中)における一定時間あたりの第2始動口への入球数に応じて、予め定める変更規則にしたがって演出選択基準としてのいずれかのテーブルを切り替える。あるいは、テーブルを切り替えなくとも、入球容易状態(時短中)における一定時間あたりの第2始動口への入球数に応じて演出内容の進行度を調整するようテーブルの参照先を変更することにより特殊演出の再決定を実行する。
より具体的には、例えば作動抽選の当選確率を2/3程度とし、演出表示装置にその作動抽選の当否結果を表示するための報知演出として特殊演出(バトル演出等)を表示させてもよい。すなわち、「先読み」により普図抽選値の保留ごとに作動抽選の当否を判定し、現時点以降の第2始動口の開放有無を特殊演出により示唆してもよい。その場合、直近の図柄変動(普通図柄の変動表示)にて示される作動抽選の結果が当りであるか否かを示唆してもよいが、さらに後続の図柄変動により示される作動抽選の結果も含めて示唆するようにしてもよい。例えば、作動抽選の結果として複数変動(例えば3変動)にわたって連続的に当選すること、あるいは連続しなくとも保留中の作動抽選の結果として複数の当りが含まれていることを特殊演出により報知してもよい。すなわち、普通図柄の1変動ごとに作動抽選の結果を報知してもよいし、複数変動分の作動抽選の結果をまとめて報知してもよい。そして、第2始動口への入球数が多くなるにしたがい、成功演出や失敗演出の表示タイミングを早めるようにしてもよいし、逆に表示タイミングを遅延させるようにしてもよい。
(変形例8)
上記実施例では、敵キャラクタを殲滅させることにより特別遊技のラウンド継続が確保される例を示した。変形例においては、例えば確変移行を伴う特別遊技であるか否かを示唆する昇格演出として同様の遊技性を実現してもよい。すなわち、特別遊技への移行前においては確変移行を伴わない通常大当りとして報知し、特別遊技中の大当り演出にて上記実施例と同様のバトル演出を表示させてもよい。すなわち、実際には確変大当りである場合にはバトル演出において敵キャラクタを殲滅させる成功演出を表示させ、通常大当りである場合には敵キャラクタを殲滅できない失敗演出を表示させるようにしてもよい。
あるいは、特別遊技中に当否抽選の結果を先読みし、後続の大当りが確保されたか否かを示唆する演出を行ってもよい。具体的には、当否抽選手段が、始動口への新たな入球があったときに、その入球に対応する特別図柄の変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらずその入球に対応する当否抽選の結果を示す情報を演出決定手段へ送信するようにする。演出決定手段は、当否抽選の結果を示す情報を受信したときに、その入球に対応する特別図柄の変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず、その抽選結果に大当りとなるものがあるか否かを判定する。そして、大当りが含まれる場合にはバトル演出において敵キャラクタを殲滅させる成功演出を表示させ、当りが含まれない場合には敵キャラクタを殲滅できない失敗演出を表示させるようにしてもよい。
(変形例9)
上記実施例では、第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する遊技機を前提とした例を示した。変形例においては、第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が一つ存在する遊技機において上記実施例を適用してもよい。
(変形例10)
上記実施例では、特別遊技として16R特別遊技、12R特別遊技および8R特別遊技の3種類を設け、第9ラウンド以降にも特別遊技が継続するか否か(8R特別遊技よりラウンド数の多い12R特別遊技または16R特別遊技が発生したか否か)をバトル演出にて示唆するようにした。変形例においては、さらに16R特別遊技又は12R特別遊技のいずれであるかを示唆する第2の対戦ゲームを組み入れるようにしてもよい。具体的には、第9ラウンドへ移行された後、例えば第10ラウンドの終了時に第2バトルへの突入示唆、第11ラウンドに第2対戦ゲーム、第12ラウンドに第2バトルの結果表示がなされるようにしてもよい。その場合、発生した特別遊技が12R特別遊技であれば、第12ラウンドにてバトル演出が終了される。また、発生した特別遊技が16R特別遊技であれば、第13ラウンドから第16ラウンドまで開閉パターン1にしたがうラウンドの経過とともに対戦後の余韻演出が表示される。このように、特別遊技中に遊技者の技術介入を複数回設けることで、遊技者の期待感をさらに高めることができる。
(第2実施例)
本実施例においては、遊技者が操作ボタンの連打を継続する限り、敵キャラクタの殲滅という目標に向けて演出が進行する。このため、遊技者はその遊技への介入を無駄にすることなく、演出上のメリットを享受することができる。以下、第1実施例との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略する。
本実施例においても、図4(a)〜(d)に示したように、第7ラウンドでは遊技者の介入を前提とする対戦ゲームの演出が表示され、その1ラウンドの期間(時間による終期が30秒)で敵キャラクタを殲滅する(残数をゼロにする)必要がある。ただし後述のように、連打の勢い(速さ)と敵キャラクタの減少量とが必ずしも比例するわけではなく、特別遊技中の大入賞口91への入球数に応じて一定の割合で敵キャラクタを減らすことができる限界値が段階的に設定される。本実施例では、その限界値として大入賞口91への入球数が多いほどゼロに近い値が設定される一方、限界値を段階的に経るごとに敵キャラクタの減少効率は低下する。このため、早期に敵キャラクタを減少させて殲滅に向けた時間的余裕を確保するためには、操作ボタン82の連打操作と大入賞口91への入球を狙った遊技球の打球操作とをバランス良く調整する必要がある。本実施例においても、敵キャラクタの残数が入球数に応じた限界値に近づくと、図4(e)に示すように、大入賞口91(アタッカー)への入球を促す画面が表示される。
本実施例では、一定の割合(つまり、操作入力1回あたりの敵キャラクタの減少量と、操作入力1回あたりの待ち時間が固定された状態)で敵キャラクタを減少させることが可能な限界値が、大入賞口91への入賞数に応じて設定される。演出決定手段132は、大入賞口91への入賞数(カウント値)と限界値との関係が抽選値に対応づけられた関所設定テーブルを保持する。すなわち、演出上はその限界値を関所と位置づけ、複数種の関所パターンのいずれかが選択される。
図25は、減算テーブルを模式的に示す図である。
演出決定手段132は、大当り演出としてバトル演出が決定される場合に図示の減算テーブルを参照する。図示のように、本実施例では減算パターン1〜7が設けられ、パターン抽選値「0〜255」が割り当てられている。図示の例では、減算パターン1〜6がほぼ同じ選択確率となっており、減算パターン7の選択確率がやや低くなっている。
各減算パターンには、大入賞口91への入賞数(第7ラウンドにおける入賞カウント数)に応じて、操作入力1回あたりの敵キャラクタの減算数と操作入力1回あたりの待ち時間とが定められている。本実施例では敵キャラクタの初期数が1000とされている。例えば減算パターン1においては、大入賞口91への入賞数が「0〜3」であれば減算数として11、待ち時間(1回操作入力をしてから次の操作入力が有効(受け付け可能)となるまでの待ち時間)として100msが設定される。大入賞口91への入賞数が「4〜6」であれば減算数として11、待ち時間として100msが設定される。大入賞口91への入賞数が「7〜8」であれば減算数として5、待ち時間として200msが設定される。減算数が大きいほど、また待ち時間が短いほど、早期に敵キャラクタを減少させることが可能になる。
本実施例では図示のように、大入賞口91への入賞数が多いほど減算数は小さくなり、待ち時間が長く設定されている。また、概ね減算パターンの番号が大きいほど減算数は小さくなり、待ち時間が長く設定されている。すなわち、第7ラウンドにおける賞球を確保するために大入賞口91への入球を狙う必要があるところ、敵キャラクタを早期に減少させるために当初は入賞数を少なく抑えるのが好ましい設定となっている。
図26は、関所設定テーブルを模式的に示す図である。図26(a)は8R大当りの場合に参照されるテーブルであり、図26(b)は12R大当りまたは16R大当りの場合に参照されるテーブルである。
演出決定手段132は、当否抽選の結果が8R大当りとなり、大当り演出としてバトル演出が決定される場合に図26(a)に示す第1関所設定テーブルを参照する。この第1関所設定テーブルにおいては、関所パターン1〜7が設けられ、パターン抽選値「0〜255」が割り当てられている。
第1関所設定テーブルの各関所パターンには、大入賞口91への入賞数「0〜8」に応じた減算後の限界値(関所)が定められている。なお、大入賞口91に8以上の入賞があった場合には、入賞数「8」として参照される。例えば関所パターン1においては、入賞数が「0」または「1」であれば限界値として962、入賞数が「2」または「3」であれば限界値として214、入賞数が「4」または「5」であれば限界値として96、入賞数が「6」であれば限界値として50、入賞数が「7」であれば限界値として40、入賞数が「8」以上であれば限界値として1が設定される。
本実施例では、基本的に操作ボタン82の操作入力1回あたりに減算テーブルにより設定された減算数分だけ敵キャラクタが減少するが(図25参照)、連打によって敵キャラクタの残数が入賞数に応じた限界値に達すると、敵キャラクタの減算パターンが切り替えられる。例えば、減算パターン1が選択され(図25の太い実線枠参照)、関所パターン1が選択され(図26の太い実線枠参照)、その減算パターンが設定されたときの大入賞口91への入賞数が「1」であった場合を想定する。この場合、図25に示したように、減算パターンに基づく敵キャラクタの減算数は「11」、待ち時間は「100ms」となる。
この状態から仮に大入賞口91への入球よりも操作ボタン82の操作を優先し、大入賞口91への入賞数が「1」のまま敵キャラクタの残数が対応する限界値「962」に達した場合、減算パターンは番号が一つ大きい減算パターン2(図25の太い一点鎖線枠参照)に変更される。その結果、待ち時間が「200ms」と相対的に長くなり、敵キャラクタの減少効率が低下する。すなわち、連打を優先して敵キャラクタを速やかに減少させることができても、入賞数に応じた限界値に達してしまった場合には、それ以降の減少効率が緩和される。
逆に、操作ボタン82の操作よりも大入賞口91への入球を優先し、大入賞口91への入賞数が「7」以上となった場合、減算パターンに基づく敵キャラクタの減算数が「5」となり、待ち時間が「200ms」となる。すなわち、大入賞口91への入球を優先して限界値をゼロに近づけるに応じて敵キャラクタの減少効率が緩和される。つまり、操作ボタン82の操作を優先しても、大入賞口91への入球を優先しても、結果的に対戦ゲームが終盤に近づくほど一定時間あたりの敵キャラクタの減少率が小さくされる。本実施例では、このように敵キャラクタの減少率を変化させるようにした結果、対戦ゲームの終了時点において敵キャラクタが1またはゼロに緩やかに近づくように演出の進行が調整される。その結果、敵キャラクタが1になってから遊技者に連打を長時間継続させることがなくなり、仮に敵キャラクタが1のまま殲滅できなかったとしても、遊技者の徒労感を抑制できるようになっている。
すなわち、第1関所設定テーブルは8R大当りにて参照されるテーブルであるため、最終的には敵キャラクタを殲滅できないよう設定されている。このため、遊技者はその介入により大入賞口91への入賞と操作ボタン82の連打を確保しても敵キャラクタを殲滅させることができず、失敗演出をみることになる。ただし、連打をしても敵キャラクタが全く減らないといった状況を回避または抑制でき、その結果、遊技者に不快感を与える事態を回避することができる。また、本実施例では後述のように、たとえ対戦ゲームの残り時間がある状態で敵キャラクタが減らなくなったとしても、連打に応じてその背景画像が切り替えられるようになる。つまり、連打の継続にもかかわらず演出内容が全く変化しないという状況は回避される。なお、この第1関所設定テーブルにおいては、関所パターン1から7に向けて徐々に限界値が小さくなりやすくなる傾向にあるが、その限界値が小さくなりやすいパターンの選択確率は相対的に低くなっている。
一方、当否抽選の結果が12R大当りまたは16R大当りとなり、大当り演出としてバトル演出が決定される場合には、演出決定手段132は、図26(b)に示す第2関所設定テーブルを参照する。この第2関所設定テーブルにおいては、関所パターン8〜11が設けられ、パターン抽選値「0〜255」が割り当てられている。
第2関所設定テーブルの各関所パターンには、大入賞口91への入賞数「0〜8」に応じた減算後の限界値(関所)が定められている。例えば関所パターン8においては、第1関所設定テーブルの関所パターン1に近似した傾向を有するが、入賞数が「8」以上であれば限界値としてゼロが設定される(図中太枠参照)。このため、遊技者がその介入により大入賞口91への入賞数として「8」以上を確保すれば、連打により当初の割合で敵キャラクタを減少させることができ、敵キャラクタを速やかに殲滅させて成功演出をみることができる。この第2関所設定テーブルにおいては、関所パターン8から11に向けて徐々に限界値が小さくなりやすくなる傾向にある。なお、関所パターン11は、いわゆるプレミア的なパターンであり、大入賞口91への入賞数が「5」以上であれば限界値をゼロとすることができ、入賞数が少なくても敵キャラクタの残数を速やかに減少させることができる。この第2関所設定テーブルにおいては、限界値が小さくなりやすいパターンの選択確率が相対的に高くなっている。演出決定手段132は、特別遊技の開始とともにラウンドごとの大入賞口91への入球数のカウントを開始する。
図27は、図17におけるS96にて大当り演出が開始されたことを契機に実行される大当り演出制御処理を詳細に示すフローチャートである。本図の処理は、図20の大当り演出制御処理に代えて実行される。
演出決定手段132は、S94の処理でバトル演出が設定されて開始されていれば(S202のY)、対戦ゲームを表示させる対戦ラウンド(本実施例では第7ラウンド)であるか否かを判定する。このとき、対戦ラウンドでなければ(S204のN)、S206からS228の処理をスキップし、大当り演出パターンにしたがった演出表示を実行する(S229)。すなわち、第1ラウンドから第6ラウンドおよび第8ラウンド以降は遊技者の介入により演出表示内容が変化することがないため、大当り演出パターンにしたがった演出画像をそのまま表示させる。
一方、対戦ラウンドであれば(S204のY)、演出決定手段132は、減算パターンを設定するためのパターン抽選値を取得し、図25に示した減算テーブルを参照して減算パターン1〜7のいずれかを決定する(S206)。また、演出決定手段132は、関所パターンを設定するためのパターン抽選値を取得し、図26に示した関所設定テーブルを参照して当初の関所パターンを決定する(S208)。すなわち、8R大当りであった場合には図26(a)に示した第1関所設定テーブルを参照して関所パターン1〜7のいずれかを決定し、12R大当りまたは16R大当りの場合には図26(b)に示した第2関所設定テーブルを参照して関所パターン8〜11のいずれかを決定する。
続いて、演出決定手段132は、その対戦ラウンドにおける現在までの大入賞口91への入賞数(カウント値)を確認し(S210)、決定された関所パターンにしたがい、その入賞数に応じた限界値NB(関所)を設定する(S212)。続いて、決定された減算パターンにおいてその入賞数に対応する操作入力1回あたりの敵キャラクタの減算数ΔNを設定し(S214)、また、操作入力1回あたりの待ち時間を設定する(S216)。
続いて、演出表示制御手段134は、図4に示した入力画面を表示し、遊技者に操作ボタン82を介した操作入力(連打)を促す(S218)。そして、待ち時間が経過すると(S220のY)、遊技者の操作入力があったか否かを判定する。本実施例では、操作ボタン82の操作入力があった場合にこれを示す入力フラグがオンにされるので、その入力フラグの状態をみて操作入力の有無を判定する。このとき、遊技者の操作入力があれば(S222のY)、演出表示を更新するための演出更新処理を実行する(S224)。遊技者の操作入力がなければ(S222のN)、S224の処理をスキップする。
このとき、対戦ラウンドが終了しておらず(S226のN)、S224の演出更新処理により敵キャラクタの殲滅達成表示がなされていなければ(S227のN)、S210に戻り、同様の処理を繰り返す。一方、敵キャラクタの殲滅達成表示がなされていれば(S227のY)、対戦ゲームの終了を表示する(S228)。また、対戦ラウンドが終了すると(S226のY)、対戦ゲームの終了を表示し(S228)、一旦処理を終了する。一方、大当り演出としてバトル演出ではなく通常演出が設定されて開始されている場合には(S202のN)、大当り演出パターンにしたがった演出表示を実行する(S229)。
図28は、図27におけるS224の演出更新処理を詳細に示すフローチャートである。演出決定手段132は、敵キャラクタの残数Nから減算数ΔNを差し引いた値である更新値(N−ΔN)を演算し、残数Nをその更新値(N−ΔN)に更新する(S230)。このとき、残数Nが1以上であれば(S234のY)、演出表示制御手段134は、敵キャラクタが更新後の残数Nとなるよう減少させる表示制御を実行する(S236)。そして、更新後の残数Nが限界値NB以上であれば(S238のY)、その残数Nと限界値NBとの差分(N−NB)が現在の減算数ΔN以下であるか否かを判定する。
このとき、その差分(N−NB)が減算数ΔN以下であれば(S240のY)、図4(e)に示したような大入賞口91への入球を促す入球示唆表示を実行し(S242)、限界値NBをより小さくすることを奨める。その差分(N−NB)が減算数ΔNより大きければ(S240のN)、S242の処理をスキップする。一方、更新後の残数Nが限界値NBよりも小さければ(S238のN)、減算パターンを変更する。本実施例では、図25に示した減算テーブルにおいて現在の減算パターンより番号が一つ大きい減算パターンに変更(シフト)される。それにより、それ以降の敵キャラクタの減少率が緩和される。
一方、S234において残数Nが1未満(ゼロまたはマイナス)であれば(S234のN)、演出決定手段132は、当該特別遊技が8R大当りによる8R特別遊技であるか否かを判定する。8R特別遊技であれば(S246のY)、残数Nを強制的に1とする。そして、演出表示制御手段134は、敵キャラクタの残数が1となるよう表示制御を実行する(S250)。なお、本実施例では、敵キャラクタの残数が1となっても背景が変化するなど演出内容に変化がみられるよう、残数が1の演出パターンが複数種類設定されている。このため、先の連打により敵キャラクタの残数が1となっていても、後の連打により演出表示が切り替えられるようになっている。一方、当該特別遊技が8R特別遊技でなければ(12R特別遊技または16R特別遊技であれば)(S246のN)、敵キャラクタの殲滅が達成する表示制御を実行する(S252)。
以上に説明したように、本実施例においては、大当り演出において複数の遊技者介入要素が取り入れられる。すなわち、多数の敵キャラクタが登場するバトル演出において、操作ボタンを介した操作入力の回数と大入賞口への入球数とに応じて敵キャラクタを段階的に減少させ、最終的に敵キャラクタを殲滅できれば、ラウンド数の多い特別遊技が確保される。そして、敵キャラクタの残数を目標値であるゼロに近づけるに際し、一定の減少率でその残数が減少する限界値が段階的に設定され、大入賞口への入球数に応じてその限界値がその減少率を緩和する方向にシフトされる。また、敵キャラクタの残数が限界値に到達することがトリガとなって減算パターンがその減少率を緩和する方向に変更(シフト)される。このため、対戦ゲームが終盤に近づくにつれて敵キャラクタが緩やかに減少するようになる。その結果、敵キャラクタが減らない状態で遊技者に連打を継続させるといった状況を回避または抑制することができる。すなわち、ラウンド数の少ない特別遊技であったために最終的に敵キャラクタを殲滅できなかったとしても、遊技者がその連打による徒労感を感じることを抑制することができる。つまり、遊技者の連打による介入がある限り対戦ゲームの内容が極力変化し続けるよう制御されるため、遊技者の積極的な介入が無駄にならず、対戦ゲームの開始から終了にわたって遊技者介入要素を有する遊技性を効果的に維持できるようになる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
(変形例11)
上記第2実施例では、図25に示したように、敵キャラクタの残数が限界値に達したときに、減算パターンを番号の1つ大きなパターンに変更(シフト)する例を示した。変形例においては、キャラクタの残数が限界値に達したときに、減算パターンの番号が現在よりも大きな減算パターンを選択対象とするよう減算テーブルを再構成し、その再構成後の減算テーブルを用いたパターン抽選によって新たな減算パターンを決定するようにしてもよい。具体的には、当初に減算パターン1を選択していた場合、敵キャラクタの残数が限界値に達したときに、減算パターン2〜7を選択対象として新たな減算パターンを決定するようにしてもよい。言い換えれば、特殊演出の対象数が入賞数に応じた限界値に達してしまった場合に、現在よりも対象数の減少効率(操作入力の回数と対象数の変化量との対応関係:特殊演出の進行度)が緩和される演出パターンを選択対象とするよう変化量決定テーブルを再構成してもよい。
(変形例12)
上記第2実施例では、対戦ゲームが進むにつれて敵キャラクタの減少数が緩和されるようにし、遊技者の無用な連打(連打しても敵キャラクタが減少しない状態)を回避または抑制する演出表示制御方法を例示した。変形例においては、対戦ゲームの残り表示時間に応じて敵キャラクタの減少数を調整し、操作ボタン82を介した操作入力がある限り必ず敵キャラクタの数が減少し続けるよう制御してもよい。例えば、演出決定手段132が、対戦ラウンドの開始からの経過時間を計測し、対戦ゲームの表示時間(上記実施例では30秒)からその経過時間を差し引くことにより、対戦ゲームの残り時間(対戦ラウンドの残り時間)を常に把握できるようにしてもよい。そして、特に8R特別遊技であった場合に選択対象となる演出パターンとして、対戦ゲームの残り時間に応じて減少数が対応づけられる複数の演出パターンを段階的に設けてもよい。
また、上記実施例では、操作ボタン82を介した多くの操作入力回数がある場合を想定し、敵キャラクタの残数が限界値に達した場合にそれ以降の敵キャラクタの減少数を緩和するように減算テーブルを切り替える例を示した。変形例においては逆に、あまり操作入力がない場合を想定した関所設定テーブルを用意してもよい。例えば、図25に示した減算テーブル(便宜上「通常減算テーブル」という)よりも敵キャラクタの減少率が大きい(操作入力の回数に対する敵キャラクタの減少数が相対的に多い)特定減算テーブルを別途設けてもよい。そして、対戦ゲームの残り表示時間が設定値以下になっても敵キャラクタの残数が基準値以上である場合、減算テーブルを通常減算テーブルから特定減算テーブルに切り替え、敵キャラクタの残数が限界値に達した場合に敵キャラクタの残数を相対的に大きくゼロに近づけるようにしてもよい。すなわち、対戦ゲームの残り表示時間が設定値以下になっても特殊演出の対象数が基準値以上である場合、現在よりも対象数の減少効率(操作入力の回数と対象数の変化量との対応関係:特殊演出の進行度)が高められる演出パターンを選択対象とする変化量決定テーブルに切り替えるようにしてもよい。その場合、「残り表示時間の設定値」や「対象数の基準値」についてはそれぞれ単一であってもよいし複数段階設定してもよい。
そして、演出表示制御手段134が、対戦ゲームが終了されるタイミング又はその直前のタイミングで敵キャラクタの残数が1となるように表示制御を実行してもよい。このような設定により、遊技者が対戦ゲームの終了間際まで敵キャラクタの殲滅に向けた連打を惜しみなく行えるようになる。敵キャラクタを殲滅できなくても、ギリギリ殲滅できなかった(あと一歩で殲滅できた)との印象を与えることができ、次回の対戦ゲームへの意欲をかきたてることができる。
(変形例13)
上記第2実施例では、特殊演出としてバトル演出を設け、遊技者が操作ボタン82の連打操作を繰り返すごとに敵キャラクタが殲滅に向けて減少する演出を例示した。変形例においては、敵キャラクタの減少等の一連の演出に限らず、遊技者が操作ボタン82の連打操作を繰り返すごとにキャラクタ等の表示オブジェクトの表示態様が変化し続けるよう特殊演出を設定してもよい。例えば、遊技者が操作ボタン82の連打を継続する限り、その連打ごとにキャラクタの繰り出す技が変化するよう演出内容(演出パターン)が変化させられるものであってもよい。あるいは、一貫性のない複数種類の演出内容(演出パターン)を設け、遊技者が操作ボタン82の連打を継続する限り異なる演出内容に切り替えてもよい。すなわち、遊技者の操作入力として想定される最大入力数以上の数の演出パターンを用意しておき、遊技者の操作入力ごとに演出パターンを切り替えるようにし、遊技者の操作が無駄にならないようにしてもよい。つまり、遊技者が操作ボタン82を押せば押しただけ様々な演出が出現するようにしてもよい。
その際、例えば、画面上の所定位置に後に表示される複数の演出内容を示唆する表示を行ってもよい。このように後に表示される演出内容の一部を予告するような表示をすることで、その演出に対する遊技者の興味を引きつけることも可能になる。さらに、それらの各演出内容に大当りの発生期待度を対応づけることで、後の演出について遊技者の期待感を高めることができるようになる。
(変形例14)
上記第2実施例では、操作ボタン82の操作入力の回数(連打数)に応じて敵キャラクタが減少する例を示した。変形例においては、操作ボタン82の押圧時間(操作時間)の長さに応じて敵キャラクタを減少させるようにしてもよい。その場合においても、その押圧時間の長さに応じて一定の割合で減少する敵キャラクタの減少限界値を設け、大入賞口への入球数に応じてその限界値を徐々にゼロに近づけるようにしてもよい。また、上記実施例では、遊技者の操作入力と大入賞口への入球数に応じて敵キャラクタを減少させ、最終的に殲滅させることを目標とする演出内容について説明した。変形例においては、逆に、例えば遊技者の操作入力と大入賞口への入球数に応じて味方キャラクタを増加させ、その味方キャラクタが目標数に達すると敵キャラクタを敗北させることができるなど、より高い目標値又はより大きな目標値に向けて対象となるものの数を変化させる演出内容としてもよい。
(変形例15)
上記第2実施例では述べなかったが、例えば大入賞口の周囲の釘調整などがその入球容易性に影響し、大入賞口への入賞数が設定されたフルカウント(上記実施例では8)まで得られない場合も想定される。このような場合の対策として、対戦ゲームを実行する前までの各ラウンドにおける大入賞口への入球カウント数の平均値を算出する平均カウント数算出手段と、その平均カウント数算出手段により算出された平均値よりも小さな入賞数で限界値がゼロとなる関所パターンを選択対象とする関所設定テーブルを再構成するテーブル再構成手段とを備え、演出決定手段が再構成された関所設定テーブルを用いて限界値を設定する遊技機としてもよい。
なお、第2実施例についても、例えば第1実施例の変形例6〜変形例10のような変形が可能であることは言うまでもない。
(変形例16)
上記各実施例では述べなかったが、特殊演出(バトル演出等)の表示期間における大入賞口への入球数や入球率に応じて変化量決定テーブル、待ち時間決定テーブルおよび進行量決定テーブルの少なくともいずれかを切り替え、特殊演出の進行度を適宜調整してもよい。具体的には、図7や図22に示した関所設定テーブルにおいてある関所パターンが選択されている状態で所定期間入球数に変化がなかった場合、同じ入球数で限界値がより小さくなる(ゼロに近づく)関所パターンに切り替えるようにしてもよい。例えば、関所パターン5に対応する特殊演出が実行されている状況下、その特殊演出実行中に大入賞口への入賞数が5の状態から所定期間入賞がなかった場合、つまり特殊演出の進行度合いが芳しくなかった場合、同じ入賞数で限界値がより小さくなる関所パターン15に切り替えるようにしてもよい。あるいは逆に、ある関所パターンが選択されている状態で特殊演出が実行されている状況下、その特殊演出実行中の所定期間に入球数が大きく変化した場合、限界値がゼロに近づく割合がより緩和される関所パターンに切り替えるようにしてもよい。例えば、関所パターン7が選択されている状態で特別遊技の開始から所定時間以内に大入賞口への入賞数が3に到達した場合、限界値がゼロに近づく割合がより緩和される関所パターン3に切り替えるようにしてもよい。このような調整により、特殊演出について一定の表示時間を確保することができ、当該特殊演出そのものを遊技者が楽しむ時間を確保することができる。もちろん、関所パターンを切り替える条件は、特別遊技の開始から所定期間の入球数としてもよく、特殊演出実行中の所定期間における入球数に限る必要はない。しかし、特殊演出実行中の所定期間における入球数を関所パターンの切り替え条件とすることで、特殊演出を実行しながらも、その演出の進行度合いに合わせた関所パターンへの切り替えをリアルタイムで行うことができる。つまり、特殊演出実行中の進行度合いに応じて適切な関所テーブルへとすぐさま切り替えることが可能となる。
(変形例17)
上記各実施例では述べなかったが、遊技状態に応じて変化量決定テーブル、待ち時間決定テーブルおよび進行量決定テーブルの少なくともいずれかの参照先を変更するようにしてもよい。また、確変移行を伴う特別遊技であるか否かを示唆する昇格演出に特殊演出を用いてもよい。すなわち、通常遊技において大当りが発生するとともに所定条件(例えば
特殊演出が抽選で当選するなど)が満たされた場合に、特別遊技への移行前においては確変移行を伴わない通常大当りとして報知し、特別遊技中の大当り演出にて各実施例や変形例と同様の特殊演出(バトル演出等)を表示させてもよい。具体的には、実際には確変大当りである場合にはバトル演出において敵キャラクタを殲滅させる成功演出を表示させ、通常大当りである場合には敵キャラクタを殲滅できない失敗演出を表示させるようにしてもよい。その場合、確変状態において大当りが発生した場合に、非確変状態において大当りが発生した場合よりもその特殊演出(昇格演出)の発生頻度(発生期待度)が相対的に高くなるよう演出抽選における特殊演出の当選確率を設定してもよい。このような設定により、特殊演出の開始そのものによって確変大当りに対する遊技者の期待感を高めることができ、また、特殊演出の進行によりその期待感を高揚させることが可能になる。加えて、通常確率遊技時に特別遊技へ移行する場合と確率変動遊技時に特別遊技へと移行する場合とに応じて特殊演出の発生頻度を異ならせても良い。近年では、通常確率遊技時の遊技性と確率変動遊技時の遊技性が大きく異なっている遊技機が増えている。例としては、通常確率遊技時は実際の大当りの種別が確変大当りであるか否かに関わらず、特別遊技への移行前において確変移行を伴わない通常大当りとして報知することを主とする(報知することが多い)遊技性、つまり昇格演出を頻発させる遊技性とする一方、確率変動遊技時は実際の大当りの種別が確率変動か否かを、特別遊技への移行前において明確に報知することを主とする(報知することが多い)遊技性、つまり昇格演出を頻出させない遊技性とすることが挙げられる。このような設定により、現在の遊技状態に応じて特殊演出の発生頻度や昇格期待度を異ならせるため、遊技状態に応じて特殊演出発生への期待や昇格への期待を異ならせることができ、特殊演出に対する遊技者の関心を集めることができる。
(変形例18)
上記各実施例では述べなかったが、大入賞口を複数設け、大入賞口の種類に応じて各テーブルにおける入賞数の設定が異なるように設定してもよい。例えば第1の遊技に対応する第1大入賞口と、第2の遊技に対応する第2大入賞口とを遊技領域52における異なる位置に設けてもよい。例えば第1大入賞口を遊技領域52の下方中央に設け、第2大入賞口を遊技領域52の下方右寄りの位置に設けるようにしてもよい。あるいは、第1大入賞口を遊技領域52の下方左寄りの位置に設け、第2大入賞口を遊技領域52の下方右寄りの位置に設けるようにしてもよい。このような配置構成により、第1大入賞口は遊技領域52の左側を狙って比較的弱めに発射したときに入球しやすくなり、第2大入賞口は遊技領域52の右側を狙って比較的強めに発射したとき、いわゆる「右打ち」をしたときに入球しやすくなるようにしてもよい。また、第1大入賞口および第2大入賞口のいずれか一方を相対的に上方、他方を相対的に下方に設けるようにしてもよい。さらに、第1大入賞口と第2大入賞口の大きさを異ならせたり、それぞれの大入賞口への到達距離やそれまでの盤面構成を異ならせたり(詳細としては、大入賞口までの到達経路における遊技釘・風車の配置を異ならせ、入球容易性を異ならせる)特別遊技における開放態様を異ならせるなどして一方よりも他方の入球容易性が高くなる構成としてもよい。このように各大入賞口への入球数や入球率が異なるように構成し、また大入賞口の種類に応じて各テーブルにおける入賞数の設定が異なるように設定することで、特殊演出の進行度を多様化させることが可能となる。
(変形例19)
上記各実施例では述べなかったが、普通図柄抽選の当選有無を特殊演出(バトル演出等)にて示唆するようにし、さらにそれによる可変入球口(例えば第2始動口)の開放態様にバリエーションをもたせるようにしてもよい。その際、上述のように「先読み」を利用してもよい。具体的には、普通図柄抽選の結果が当りとなる場合の当選図柄を2種類以上設け、当選の場合にいずれかの図柄を決定し、その図柄の種類に応じて第2始動口の開放パターンを異ならせるようにしてもよい。例えば、通常遊技の通常状態(非確変状態)において普通図柄抽選の結果が当りとなった場合、さらに図柄抽選を実行して当選図柄A,Bのいずれかを決定するようにしてもよい。そして、当選図柄Aが選択された場合に開放時間0.1秒の1回開放とし、当選図柄Bが選択された場合には開放時間6秒の1回開放となるようにしてもよい。すなわちこの場合、非確変状態であっても当選図柄Bが選択されれば、比較的長い開放時間を得ることができる。
このような設定において、非確変状態において普通図柄抽選の結果が当りとなり、さらに当選図柄Bが選択された場合には、「先読み」によって可変入球口の開放が開始するより前のタイミングにてバトル演出を発生させ、そのバトル演出において敵キャラクタを殲滅させる成功演出を表示させ、当選図柄Aが選択された場合には敵キャラクタを殲滅できない失敗演出を表示させるようにしてもよい。もしくは、失敗演出の際は、普通図柄の結果がハズレの場合や、普通図柄とはまったく関係のない所定タイミングにて表示させても良い。その際、普通電動役物にて拡開動作がなされる第2始動口への入球数と操作ボタンの操作量とに応じて敵キャラクタを減少させるようにしてもよい。つまり、対戦ゲームの表示制御については各実施例や変形例と同様の手法で行うことができる。
(変形例20)
上記各実施例では、遊技者の操作入力と大入賞口への入球数に応じて敵キャラクタを常に減少させる方向に変化させ、最終的に殲滅させることを目標とする演出内容について説明した。変形例においては、例えば遊技者の操作入力に応じて敵キャラクタを減少させるものの、遊技者の操作入力が所定時間途絶えることなどを条件に、敵キャラクタが増加するような演出内容とし、そのような敵キャラクタの増減がありつつも最終的に殲滅させることを目標とする演出内容としてもよい。あるいは逆に、例えば遊技者の操作入力と大入賞口への入球数に応じて味方キャラクタを増加させ、その味方キャラクタが目標数に達すると敵キャラクタを敗北させることができる設定とし、そのなかで遊技者の操作入力が所定時間途絶えることなどを条件に、味方キャラクタが減少するような演出内容としてもよい。そして、そのような味方キャラクタの増減がありつつも最終的に味方キャラクタを目標数に到達させることを目標とする演出内容としてもよい。
(変形例21)
上記変形例7では、普通図柄抽選の当選有無を特殊演出(バトル演出等)にて示唆するとともに、第2始動口への入球数と操作ボタンの操作量とに応じて敵キャラクタの数を目標値(例えばゼロ)に向けて変化させる例を示した。別の変形例においては、当否抽選の結果を特殊演出にて示唆するようにしてもよい。すなわち、遊技球の入球容易性を高めるよう作動可能な入球変動機構を有する第2始動口と、第2始動口への入球数をカウントするカウント手段と、新たに第1の当否抽選が実行されるときにそれ以前の第1の当否抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな第1の当否抽選の結果を所定個数を上限にその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する第1保留制御手段と、新たに第2の当否抽選が実行されるときにそれ以前の第2の当否抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな第2の当否抽選の結果を所定個数を上限にその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する第2保留制御手段と、を備えるものでよい。
第1抽選手段および第2抽選手段は、第1始動口または第2始動口に新たな入球があったときに、その入球に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらずその入球に対応する当否抽選の結果を示す情報を演出決定手段へ送信する。演出決定手段は、第2始動口への入球数に応じて演出内容が特定の結末に向けて進行するとともに、その結末への到達が作動抽選の結果が当りであることを示唆する複数種の特殊演出を選択対象として含み、その複数種の特殊演出のいずれかを選択するための演出選択基準を保持する。特殊演出は通常遊技中および特別遊技中の双方における演出であってもよいし、いずれか一方における演出であってもよいが、第2始動口への入球数が効率的に得られる遊技状態、つまり通常遊技における入球容易状態にて選択対象とされるのが好ましい。
演出決定手段は、特殊演出の表示を決定した場合には、当否抽選の結果を示す情報に基づき演出選択基準を参照していずれかの特殊演出を決定し、第2始動口への入球数に応じてその特殊演出の内容を決定する。すなわち、当否抽選の結果が大当りであれば、特殊演出の演出内容が特定の結末に到達するように決定する。演出決定手段は、さらに、入球容易状態(時短中)における一定時間あたりの第2始動口への入球数に応じて、予め定める変更規則にしたがって演出選択基準としてのいずれかのテーブルを切り替える。あるいは、テーブルを切り替えなくとも、入球容易状態(時短中)における一定時間あたりの第2始動口への入球数に応じて演出内容の進行度を調整するようテーブルの参照先を変更することにより特殊演出の再決定を実行する。
具体的には、入球容易状態にてスーパーリーチに発展したときに特殊演出を表示させ、第2始動口への入球数と操作ボタンの操作量とに応じて敵キャラクタを減少させるようにしてもよい。そして、遊技者が遊技球の発射を継続すれば特殊演出の結末を相対的に早く知ることができ、発射を止めるとその結果をなかなか知ることができない構成としてもよい。また、例えば当否抽選の結果として大当りが保留されたことを契機に特殊演出を開始し、その大当りにかかる図柄変動とともに特殊演出の結末を表示させる設定を基本とするものの、第2始動口への入球数が予め定める基準数を超えるような場合には、その大当りにかかる図柄変動より前の図柄変動にて特殊演出の結末を表示させるようにしてもよい。具体的には、入球容易状態にて特殊演出が開始されたために、その開放延長遊技中に第2始動口に多くの入球があることにより、その入球数が保留上限数を超える回数が設定回数以上となる場合、大当りにかかる図柄変動より前の図柄変動にて特殊演出の結末を表示させるようにしてもよい。このような構成により、遊技者が第2始動口へ向けて遊技球を打ち出すほど、当否抽選の結果を早期に把握できる可能性が高まる。
(変形例22)
上記各実施例および変形例においては、大入賞口や第2始動口等の可変入球口への入球数に応じて特殊演出の進行度を切り替える例を示した。別の変形例においては、第1始動口、一般入賞口、あるいは作動口等の可変入球口ではない入球口への所定期間の入球数に応じてテーブルを切り替え、特殊演出の進行度を変化させるようにしてもよい。「所定期間」としては、特殊演出の実行中でもよいし、特殊演出が開始される前であってもよい。
(変形例23)
上記各実施例および変形例においては、特殊演出としてキャラクタの数を増減させる演出を示したが、例えば画面に表示される特定の画像オブジェクト(キャラクタなど)の色彩を白→青→黄→緑→赤といった具合に変化させることで目標の色彩への到達有無を演出するものでもよい。また、例えば特定の画像オブジェクトの発光度(明度)を暗→明に変化させることで目標の発光度への到達有無を演出するものでもよい。さらに、特定の画像オブジェクトの大きさや形状を変化させることで目標の大きさや形状への到達有無を演出するものでもよい。
以上、本発明を実施例に基づいて説明した。尚、本願発明は上記実施例や変形例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施例や変形例に開示されている複数の構成要素の適宜組合せにより種々の発明を形成しても良いし、上記実施例や変形例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除しても良い。更に、複数の実施例にわたる構成要素を適宜組み合わせることも可能である。