JP6199201B2 - 架構の補強構造および架構の補強方法 - Google Patents

架構の補強構造および架構の補強方法 Download PDF

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Description

本発明は、架構の補強構造および架構の補強方法に関する。
従来、既存の建築物の耐震性能を向上させるための耐震補強構造および耐震補強方法が知られている。たとえば、柱と梁からなる架構面内に鉄骨ブレース材を増設して強度の増加を図る方法がある。この場合、採光や眺望への配慮等により、X型、V型、K型等の様々な形態で鉄骨ブレースを設置する方法が検討されている。また、ブレース材の端部を躯体の柱梁(鉄筋コンクリート(RC)、中空鋼管など)に接合する方法がある。また、枠付きの鉄骨ブレースを架構内にはめ込むように設置する方法がある。
下記の特許文献1には、フラットスラブと鋼管柱から構成される架構にブレース材を組み込んだ補強構造が記載されている。この構造では、ブレース材を取り付けるための取付部材の一部がフラットスラブに埋め込まれており、その埋め込まれた部分にシアーコネクタが設けられている。このシアーコネクタにより、取付部材がフラットスラブと一体化される。
一方で、圧縮抵抗型のブレースを利用した耐震補強方法に関する研究が行われている。たとえば、下記の非特許文献1に示されるように、鉄筋コンクリート造の建物の耐震補強方法として、圧縮抵抗型のコンクリート充填鋼管(CFT)ブレースを採用する方法が知られている。この方法では、CFTブレースに圧縮力のみを作用させることにより、RC部と鉄骨部が圧着した状態にしている。
特開2000−257158号公報
北島、中原、崎野、「CFT圧縮ブレースを用いたRC造架構の耐震補強法に関する実験」、コンクリート工学年次論文集、Vol.30、No.3、第1573頁−第1578頁、2008年
特許文献1に記載された技術では、ブレース材と躯体の接合が強固なものとなり、地震力等による水平力に対してブレース材を有効に機能させることができる。その一方で、ブレース材を設置するのにアンカーを多数打ち込む必要があり、アンカー筋の打ち込み時に騒音や振動が発生するという問題がある。
非特許文献1に記載された技術では、ブレース材の端部に設けられるスタッドやアンカーを少なくすることが可能であるが、ブレース材の両端が柱梁接合部に接合される構造のため、ブレース材が架構の対角線上に位置することになり、設計の自由度が限られる。そのため、ブレース材の設置により、建物等の利用環境(たとえば、採光や眺望等)が損なわれるおそれがある。
本発明は、ブレース材を設置するためのアンカーを最小限に抑え、しかも、設計の自由度を高めることができる架構の補強構造および架構の補強方法を提供することを目的とする。
本発明の架構の補強構造は、一対の柱と上梁および下梁とを有する架構の架構面内に設けられ、コンクリート充填鋼管を有して構成されたブレース材と、ブレース材の上端部が取り付けられた第1固定部と、ブレース材の下端部が取り付けられた第2固定部と、を備え、第1固定部および第2固定部の一方は、上梁または下梁と一方の柱との柱梁接合部に固定されており、第1固定部および第2固定部の他方は、上梁または下梁の延在方向における中途部に固定されており、第2固定部が中途部または柱梁接合部との間で生じる摩擦力によって固定されており、架構に水平力が作用した際にブレース材の下端部と第2固定部とが離間することにより、ブレース材は、引張力を負担せず圧縮力のみを負担する構成とされていることを特徴とする。
この架構の補強構造によれば、架構面内に設けられたブレース材の上端部が第1固定部に取り付けられ、ブレース材の下端部が第2固定部に取り付けられる。第1固定部および第2固定部の一方は、上梁または下梁と一方の柱との柱梁接合部に固定される。第1固定部および第2固定部の他方は、上梁または下梁の延在方向における中途部に固定される。ここで、第2固定部は、第2固定部と中途部または柱梁接合部との間で生じる摩擦力によって固定されている。架構に水平力が作用した際にブレース材の下端部と第2固定部とが離間することにより、ブレース材は、引張力を負担せず圧縮力のみを負担する。ブレース材が圧縮力を負担することにより、その応力が支圧によって架構に伝達されるため、水平耐力を向上させることができる。第2固定部は摩擦力によって固定されるため、第2固定部を固定するためのアンカーを最小限に抑えることができる。これにより、ブレース材を設置するためのアンカーを最小限に抑えることができる。しかも、第1固定部および第2固定部の他方は、柱梁接合部ではなく上梁または下梁の中途部に固定されるので、ブレース材を架構の対角線上に位置させる必要がない。よって、設計の自由度が高められる。
上記架構の補強構造において、第1固定部は上梁と一方の柱との柱梁接合部に固定されており、第2固定部は下梁の延在方向における中途部に固定されている。この構成によれば、第2固定部は摩擦力によって下梁に固定されるため、第2固定部を固定するためのアンカーを最小限に抑えることができる。また、第2固定部は下梁の中途部に固定されるので、ブレース材を架構の対角線上に位置させる必要がない。よって、設計の自由度が高められる。
上記架構の補強構造において、第1固定部は上梁の延在方向における中途部に固定されており、第2固定部は下梁と一方の柱との柱梁接合部に固定されている。この構成によれば、第2固定部は摩擦力によって柱梁接合部に固定されるため、第2固定部を固定するためのアンカーを最小限に抑えることができる。また、第1固定部は上梁の中途部に固定されるので、ブレース材を架構の対角線上に位置させる必要がない。よって、設計の自由度が高められる。
上記架構の補強構造において、架構面内には、1本のブレース材のみが設けられている。この構成によれば、架構面内に設けられるブレース材が1本のみであるため、採光や眺望の観点において、有利である。
上記架構の補強構造は、架構面内に設けられ、コンクリート充填鋼管を有して構成された他のブレース材と、他のブレース材の上端部が取り付けられた第3固定部と、他のブレース材の下端部が取り付けられた第4固定部と、を備え、第3固定部および第4固定部の一方は、上梁または下梁と他方の柱との柱梁接合部に固定されており、第3固定部および第4固定部の他方は、中途部から他方の柱側に離間した上梁または下梁の他の中途部に固定されており、第4固定部が他の中途部または柱梁接合部との間で生じる摩擦力によって固定されており、架構に水平力が作用した際に他のブレース材の下端部と第4固定部とが離間することにより、他のブレース材は、引張力を負担せず圧縮力のみを負担する構成とされている。この構成によれば、2本のブレース材が一対の柱の両方に設けられることにより、より多様な方向における水平耐力を向上させることができる。また、第1固定部および第2固定部の他方が設けられる中途部と、第3固定部および第4固定部の他方が設けられる他の中途部とは離間しているため、下端部同士が交差するいわゆるV字状のブレース構造とする必要がなく、設計の自由度が高められる。
上記架構の補強構造において、第3固定部は上梁と他方の柱との柱梁接合部に固定されており、第4固定部は中途部から他方の柱側に離間した下梁の他の中途部に固定されている。この構成によれば、第4固定部は摩擦力によって下梁に固定されるため、第4固定部を固定するためのアンカーを最小限に抑えることができる。また、第4固定部は下梁の他の中途部に固定されるので、ブレース材を架構の対角線上に位置させる必要がない。よって、設計の自由度が高められる。
上記架構の補強構造において、第3固定部は中途部から他方の柱側に離間した上梁の他の中途部に固定されており、第4固定部は下梁と他方の柱との柱梁接合部に固定されている。この構成によれば、第4固定部は摩擦力によって柱梁接合部に固定されるため、第4固定部を固定するためのアンカーを最小限に抑えることができる。また、第3固定部は上梁の他の中途部に固定されるので、ブレース材を架構の対角線上に位置させる必要がない。よって、設計の自由度が高められる。
上記架構の補強構造において、第2固定部は、アンカーを用いることなく固定されている。この場合、アンカー工事が不要となるため、工事中の騒音、振動、粉塵の発生を抑えることができる。
上記架構の補強構造において、第4固定部は、アンカーを用いることなく固定されている。この場合、2本のブレース材が設けられる構造においてもアンカー工事が不要となるため、工事中の騒音、振動、粉塵の発生を抑えることができる。
本発明の架構の補強方法は、一対の柱と上梁および下梁とを有する架構の架構面内に設けられ、コンクリート充填鋼管を有して構成されたブレース材と、ブレース材の上端部が取り付けられた第1固定部と、ブレース材の下端部が取り付けられた第2固定部と、を備え、第1固定部および第2固定部の一方が上梁または下梁と一方の柱との柱梁接合部に固定され、第1固定部および第2固定部の他方が上梁または下梁の延在方向における中途部に固定された補強構造による架構の補強方法であって、第2固定部と中途部または柱梁接合部との間で生じる摩擦力によって第2固定部を固定し、架構に水平力が作用した際にブレース材の下端部と第2固定部とが離間するようにし、ブレース材に引張力を負担させず圧縮力のみを負担させる構成とすることを特徴とする。
この架構の補強方法によれば、架構面内に設けられたブレース材の上端部が第1固定部に取り付けられ、ブレース材の下端部が第2固定部に取り付けられる。第1固定部および第2固定部の一方は、上梁または下梁と一方の柱との柱梁接合部に固定される。第1固定部および第2固定部の他方は、上梁または下梁の延在方向における中途部に固定される。ここで、第2固定部は、第2固定部と中途部または柱梁接合部との間で生じる摩擦力によって固定される。架構に水平力が作用した際にブレース材の下端部と第2固定部とが離間することにより、ブレース材は、引張力を負担せず、圧縮力のみを負担する。ブレース材が圧縮力を負担することにより、その応力が支圧によって架構に伝達されるため、水平耐力を向上させることができる。第2固定部を摩擦力によって固定するため、第2固定部を固定するためのアンカーを最小限に抑えることができる。これにより、ブレース材を設置するためのアンカーを最小限に抑えることができる。しかも、第1固定部および第2固定部の他方は、柱梁接合部ではなく上梁または下梁の中途部に固定されるので、ブレース材を架構の対角線上に位置させる必要がない。よって、設計の自由度が高められる。
本発明によれば、ブレース材を設置するためのアンカーを最小限に抑え、しかも、設計の自由度を高めることができる。
本発明の第1実施形態に係る補強構造を示す正面図である。 図1のII−II線に沿う断面図である。 (a)は、図1中のブレース材の正面図、(b)及び(c)はブレース材の側面図である。 架構に水平力が作用した場合の応力の伝達状態を示す概念図である。 (a)〜(d)は、ブレース材が設けられる角度の各種態様を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る補強構造を示す正面図である。 加力試験装置の概要図である。 (a)及び(b)は、加力試験において異なる角度で設置された試験体を示す正面図、(c)は下梁の目荒らし部を示す平面図である。 (a)及び(b)は、各条件における加力試験結果を示す図である。 (a)は試験体における曲げモーメントMとブレース導入軸力Nbを示す概念図、(b)は加力試験結果におけるそれらの関係を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1に示されるように、本実施形態の補強構造1は、たとえば既存の建物に対して耐震補強を行うために設けられるものである。補強構造1が設けられた建物は、たとえば鉄筋コンクリート造あるいは鉄骨鉄筋コンクリート造の建物である。この建物は、一対の柱2a,2bと、上梁3aと下梁3bとを有する架構Xを備える。補強構造1は、この架構Xに設けられる。下梁3bは、たとえば基礎梁であってもよいし、階層同士の間に設けられた梁であってもよい。すなわち、補強構造1は、1階部分を構成する架構Xに設けられてもよいし、2階以上の部分を構成する架構Xに設けられてもよい。
補強構造1は、架構Xの架構面内に設けられた1本のブレース材4を備える。ブレース材4は、上下方向においては上梁3aと下梁3bとの間に配置されており、水平方向においては一方の柱2aと他方の柱2bとの間に配置されている。ブレース材4は、その軸線が下梁3bの延在方向(すなわち水平方向)に対して所定の角度をなすように、傾斜して設けられている。
ブレース材4は、コンクリート充填鋼管(CFT;Concrete Filled Steel Tube)ブレースである。図3(a)に示されるように、ブレース材4は、長尺状の円形あるいは角形の鋼管である鋼管本体20と、鋼管本体20の一端に固定されたエンドプレート21と、ブレース材4の下端に固定されたエンドプレート23とを有する。ブレース材4の内部には、たとえば高流動コンクリートが打設されることにより、コンクリートが充填されている。CFTブレースからなるブレース材4は、軸圧縮耐力が大きいという特性を有する。
図1に示されるように、ブレース材4の上端部4aは、コンクリート製の第1固定部6を介して、上梁3aと柱2aとの柱梁接合部10に固定されている。ブレース材4の下端部4bは、コンクリート製の第2固定部7を介して、下梁3bの延在方向における中途部16に固定されている。補強構造1では、ブレース材4の下端が固定される中途部16は、一対の柱2a,2b間の中央よりもやや柱2a寄りに位置している。
図1および図2に示されるように、第1固定部6は、鉛直方向に設けられた複数のあと施工アンカー11および水平方向に設けられた複数のあと施工アンカー12を介して、柱梁接合部10に接合されている。第1固定部6内には、鉄筋13が配設される場合もある。第1固定部6は、木製あるいは鋼製の型枠を取り付け、その型枠内に高流動コンクリートを打設することにより形成される。
図1に示されるように、第2固定部7は、下梁3bの中途部16の上面に固定されている。第2固定部7内には、鉄筋が配設けられてもよいし、無筋であってもよい。第2固定部7の下面は、下梁3bの上面に圧接している。中途部16の上面において下梁3bが圧接する部分(すなわち接合界面)には、目荒らし処理が施されることにより目荒らし部Aが形成されている。
第2固定部7と下梁3bの中途部16との間には、あと施工アンカー等は設けられてない。すなわち、第2固定部7は、アンカーを用いることなく中途部16に固定されている。このようにして、第2固定部7は、第2固定部7と中途部16の上面との間で生じる摩擦力によって、下梁3bに固定されている。すなわち、下梁3bに対する第2固定部7の固定構造においては、摩擦力が支配的になっている。第2固定部7は、たとえば下梁3bに木製あるいは鋼製の型枠を取り付け、その型枠内に高流動コンクリートを打設することにより形成される。
図3(a)〜(c)に示されるように、ブレース材4の上端部4aに設けられたエンドプレート21の中心には、鋼管本体20の軸線に沿って異形鉄筋22が固定されている。また、ブレース材4の下端部4bに設けられたエンドプレート23の中心には、鋼管本体20の軸線に沿って丸鋼24が固定されている。異形鉄筋22および丸鋼24は、エンドプレート21,23から所定の長さ突出している。異形鉄筋22が第1固定部6内のコンクリートに一体化されることにより、ブレース材4の上端部4aが第1固定部6に取り付けられている。また、丸鋼24が第2固定部7内のコンクリートに一体化されることにより、ブレース材4の下端部4bが第2固定部7に取り付けられている。
このような取付構造により、ブレース材4の上端部4aは、第1固定部6に対して強固に接合されて付着力が高められている。一方、ブレース材4の下端部4bは、第2固定部7に対して比較的低い強度で接合されている。これにより、水平力が生じた際に、ブレース材4の下端部4bが第2固定部7から分離可能な構成としている。
以上の構造を有する補強構造1では、第2固定部7が中途部16の上面との間で生じる摩擦力によって下梁3bに固定されている。ブレース材4は、地震等によって架構Xに水平力が作用した際に、ブレース材4の下端部4bと第2固定部7とが離間することにより、引張力を負担せず圧縮力のみを負担する構成とされている。
より詳しくは、図4に示されるように、地震等が発生した際、ブレース材4には、水平方向の地震力F1が作用する。地震力F1は、軸力F2すなわち圧縮力としてブレース材4の軸線方向に伝達される。ブレース材4の軸線方向に伝達された圧縮力は、軸力F6として第2固定部7に伝わる。軸力F2は、地震力F1と鉛直方向の力F3とに分解することができる。鉛直方向の力F3は圧縮力F4として下梁3b(既存躯体)に伝達される。一方、第2固定部7と下梁3bとの間には、地震力F1とは反対方向の摩擦力F5が生じる。なお、摩擦力F5は、下梁3bの上面に目荒らし部Aが形成されていることにより、一層高められる。摩擦力F5が生じることにより、支圧による応力をより下梁3b(既存躯体)に伝えやすくなっている。これによって、第2固定部7と下梁3bとが圧着した状態を維持しやすくなっている。上記したように第2固定部7がアンカーを用いることなく下梁3bに固定されている場合であっても、第2固定部7と下梁3bとは、圧着した状態を維持しやすくなっている。このように、ブレース材4は、圧縮力のみを負担し、引張力を負担しない構成とされている。
次に、第2固定部7を介して下梁3bに作用する力nについて説明する。まず、第2固定部7と下梁3bとの間(すなわちコンクリート同士間)の摩擦係数μは0.5以上と評価することが可能であるが、ここでは、摩擦係数μを0.5と評価する。水平力H(図4に示す地震力F1に相当)と、水平抵抗力m(上記した摩擦力F5に相当)との関係は、ブレース材4の水平方向に対する角度(すなわち仰角)によって変わる。なお、水平抵抗力mは、圧縮力N(上記した圧縮力F4に相当)に摩擦係数μを乗じることで算出される。
水平力Hを1とすると、水平力Hと水平抵抗力mとの関係は次のように試算できる。ブレース材4の水平方向に対する角度が63.4°であると、図5(a)に示されるように、圧縮力Nは、N=2.0である。よって、摩擦力による水平抵抗力mは、m=2.0×0.5=1.0である。よって、下梁3bに作用する力nは、n=H−m=1.0−1.0=0である。この場合、水平力Hは水平抵抗力mにより相殺される。
ブレース材4の水平方向に対する角度が60°であると、図5(b)に示されるように、圧縮力Nは、N=1.73(すなわち3の平方根)である。よって、摩擦力による水平抵抗力mは、m=1.73×0.5=0.866である。よって、下梁3bに作用する力nは、n=H−m=1.0−0.866=0.134である。
ブレース材4の水平方向に対する角度が45°であると、図5(c)に示されるように、圧縮力Nは、N=1.0である。よって、摩擦力による水平抵抗力mは、m=1.0×0.5=0.5である。よって、下梁3bに作用する力nは、n=H−m=1.0−0.5=0.5である。この場合、水平力Hの半分に相当する力nが作用する。
ブレース材4の水平方向に対する角度が30°であると、図5(d)に示されるように、圧縮力Nは、N=0.577(すなわち3の平方根の逆数)である。よって、摩擦力による水平抵抗力mは、m=0.577×0.5=0.289である。よって、下梁3bに作用する力nは、n=H−m=1.0−0.289=0.711である。この場合、水平力Hの7割以上に相当する力nが作用する。
以上より、摩擦係数μが0.5である場合、仰角が63.4°以上となるようにブレース材4が立っている場合には、水平力Hよりも水平抵抗力m(摩擦力)が上回ることがわかる。よって、ブレース材4の仰角が63.4°以上である場合には、第2固定部7の固定にアンカーは不要となる。なお、上記の説明では摩擦係数μを0.5としたが、摩擦係数μは0.5以上とすることが適切な場合もある。
ブレース材4は、水平力Hよりも水平抵抗力m(摩擦力)が上回るように設けることが好ましい。言い換えれば、ブレース材4を設ける角度は、ブレース材4に軸力(図4に示す圧縮力F4参照)が確実に伝達されるように設定されることが好ましい。
次に、補強構造1の構築方法(補強方法)について説明する。まず、中途部16の上面に、第2固定部7の形状に応じた目荒らし部Aを形成する。また、既存躯体の柱梁接合部10に対して、ケミカルアンカー等のあと施工アンカー11,12を取り付ける。次に、コンクリートが打設されていない中空のブレース材4を所定位置に吊り下げる。次に、第2固定部7の型枠となる木製あるいは鋼製の型枠を下梁3bの中途部16上に取り付ける。また、第1固定部6の型枠となる木製あるいは鋼製の型枠を柱梁接合部10に取り付ける。この際、あと施工アンカー11,12を利用してもよい。
次に、上側の型枠と下側の型枠とに対し、ブレース材4を固定する。そして、第2固定部7の型枠内に高流動コンクリートを打設する。さらに、ブレース材4の鋼管本体20内と第1固定部6の型枠内とに高流動コンクリートを打設する。ブレース材4に高流動コンクリートを打設する際には、エンドプレート21に形成されたコンクリート打設用孔を用いることができる。コンクリートの養生後、必要な場合には、鋼板を取り外して脱型を行う。
補強構造1および補強構造1による架構Xの補強方法によれば、架構面内に設けられたブレース材4の上端部4aが第1固定部6に取り付けられ、ブレース材4の下端部4bが第2固定部7に取り付けられている。第1固定部6は、上梁3aと一方の柱2aとの柱梁接合部10に固定されている。第2固定部7は、下梁3bの延在方向における中途部16に固定されている。第2固定部7は、第2固定部7と中途部16の上面との間で生じる摩擦力によって、下梁3bに固定されている。架構Xに水平力が作用した際にブレース材4の下端部4bと第2固定部7とが離間することにより、ブレース材4は、引張力を負担せず、圧縮力のみを負担する。ブレース材4が圧縮力を負担することにより、その応力が支圧によって架構Xに伝達されるため、水平耐力を向上させることができる。第2固定部7を摩擦力によって下梁3bの中途部16に固定するため、第2固定部7を固定するためのアンカーが最小限に抑えられている。これにより、ブレース材4を設置するためのアンカーが最小限に抑えられている。アンカーが最小限に抑えられると、アンカー工事を減らすことができ、騒音、振動、塵埃、粉塵等の発生を抑制することができる。したがって、居ながら施工が可能になる。しかも、第2固定部7は、柱梁接合部ではなく下梁3bの中途部16に固定されるので、ブレース材4を架構Xの対角線上に位置させる必要がない。よって、設計の自由度が高められている。
また、架構面内には、1本のブレース材4のみが設けられているため、採光や眺望の観点において、有利である。
また、第2固定部7は、アンカーを用いることなく下梁3bの中途部16に固定されているため、アンカー工事が不要となっている。よって、工事中の騒音、振動、粉塵の発生が抑えられる。既存の耐震補強では、建物の利用(居住等)を妨げることなく施工することが求められる。アンカー工事が不要であることによって居ながら施工が可能になるので、補強構造1による補強方法は、既存の耐震補強に対して特に効果を発揮する。
図6は、第2実施形態に係る補強構造1Aを示す正面図である。図6に示されるように、架構面内に、逆ハの字状に2本のブレース材4,54を設けてもよい。すなわち、本実子形態の補強構造1Aは、図1に示した第1実施形態の補強構造1とは、ブレース材54がさらに設けられた点で異なっている。
ブレース材54は、ブレース材4と同様にして架構Xに取り付けられている。すなわち、補強構造1Aは、架構面内に設けられ、CFTブレースからなるブレース材(他のブレース材)54を備える。ブレース材54の上端部54aは、上梁3aと他方の柱2bとの柱梁接合部50に固定されたコンクリート製の第3固定部56に取り付けられている。ブレース材54の下端部54bは、中途部16から柱2b側に離間した下梁3bの他の中途部60に固定されたコンクリート製の第4固定部57に取り付けられている。第4固定部57は、アンカーを用いることなく下梁3bの中途部60に固定されている。第4固定部57が中途部60の上面との間で生じる摩擦力によって下梁3bに固定されていることにより、ブレース材54は、架構Xに水平力が作用した際に引張力を負担せず圧縮力のみを負担する構成とされている。
この補強構造1Aによれば、2本のブレース材4,54が一対の柱2a,2bの両方に設けられることにより、より多様な方向における水平耐力を向上させることができる。また、第2固定部7が設けられる中途部16と、第4固定部57が設けられる他の中途部60とが下梁3bの延在方向において離間しているため、下端部4b,54b同士を交差させる(いわゆるV字状のブレース構造とする)必要がなく、設計の自由度が高められている。
また、ブレース材4に第2固定部7に加えてブレース材54の第4固定部57も、アンカーを用いることなく下梁3bの中途部60に固定されているため、アンカー工事が不要となっている。よって、工事中の騒音、振動、粉塵の発生が抑えられる。既存の耐震補強では、建物の利用(居住等)を妨げることなく施工することが求められる。アンカー工事が不要であることによって居ながら施工が可能になるので、補強構造1Aによる補強方法は、既存の耐震補強に対して特に効果を発揮する。
本発明は、上記実施形態に限られるものではない。たとえば、第1固定部6,第3固定部56および第2固定部7,第4固定部57がコンクリート製である場合について説明したが、第1固定部は鋼製であってもよい。第1固定部は、柱梁接合部に固定されたガセットプレートを有する構成であってもよい。第2固定部は、水平方向に延在するプレートを備え、そのプレートの下面に微細な凹凸を施し、プレートの下面を目荒らし部Aに圧接させてもよい。第2固定部7,第4固定部57と下梁3bとの間に一または数本のアンカーを設けてもよい。
また、上記実施形態では、第1固定部6が柱梁接合部10に固定され、第2固定部7が下梁3bの中途部16に固定される場合について説明したが、これとは逆に、第1固定部が上梁3aの延在方向における中途部に固定され、第2固定部が下梁3bと柱2aとの柱梁接合部に固定されてもよい。この場合も、架構Xに水平力が作用した際にブレース材4の下端部4bと第2固定部とが離間するようにし、ブレース材4に引張力を負担させず、圧縮力のみを負担させる。これにより、上記の補強構造1と同様の作用・効果が奏される。
また、上記の補強構造1A(図6参照)では、第1固定部6および第3固定部56が柱梁接合部10,50に固定され、第2固定部7および第4固定部57が下梁3bの中途部16,60に固定される場合について説明したが、これとは逆に、第1固定部および第3固定部が上梁3aの延在方向における中途部に固定され、第2固定部および第4固定部が下梁3bと柱2a,2bとの柱梁接合部に固定されてもよい。すなわち、架構面内に、ハの字状に2本のブレース材4,54を設けてもよい。この場合も、架構Xに水平力が作用した際にブレース材4,54の下端部4b,54bと第2固定部,第4固定部とが離間するようにし、ブレース材4,54に引張力を負担させず、圧縮力のみを負担させる。これにより、上記の補強構造1,1Aと同様の作用・効果が奏される。
また、一方のブレース材4に関しては、補強構造1と同様に第1固定部6が柱梁接合部10に固定され、第2固定部7が下梁3bの中途部16に固定されており、他方のブレース材54に関しては、第3固定部が上梁3aの延在方向における中途部に固定され、第4固定部が下梁3bと柱2bとの柱梁接合部に固定された構造であってもよい。
本発明は、既存の建物に適用される場合に限られず、新築される建物に適用されてもよい。鉄筋コンクリート造の建物に限られず、鉄骨鉄筋コンクリート造の建物であってもよい。
[加力試験]
次に、試験体を用いて行った加力試験について説明する。図7は、加力試験装置の概要図である。図8(a)及び(b)は、加力試験において異なる角度で設置された試験体を示す正面図である。
試験体40は、直方体の鉄筋コンクリート基礎梁である加圧スタブ(以下、単に基礎梁という)34に、無筋コンクリート製の台形の接合ブロック40aとCFTブレースからなるブレース部40bとを取り付けたものである。基礎梁34の上面の一部に目荒らし部34aを形成し(図8(c)参照)、これに台形の型枠を設置した。この型枠にブレース部40bから高流動コンクリートを打設して、基礎梁34に試験体40を一体化した。なお、試験体40の設置において、あと施工アンカーは使用していない。ブレース部40bに用いた鋼管は、STKR400の100×100の鋼管である.ブレースの設置角度を実験変数として2体の試験体40を作成した。
図8(a)に示される試験体40において、ブレース部40bと基礎梁34のなす角度は45°である。この試験体40では、ブレース部40bの軸線L1が接合ブロック40aの中心を通るように設計されている。図8(b)に示される試験体40において、ブレース部40bと基礎梁34のなす角度は30°である。設置角度45°の試験体40を基本試験体として設置角度30°の試験体40を作成したため、このブレース部40bでは、ブレース部40bの軸線L2は接合ブロック40aの底面の外を通っている。
図7に示されるように、加力試験装置では、上梁32と基礎梁33と柱31とを有するフレーム30を用い、基礎梁33上にPC鋼棒37を介して基礎梁34を取り付け、基礎梁34上に試験体40を固定した。試験体40の上端には1000kNの油圧ジャッキ35を傾けて設置した。この油圧ジャッキ35とロードセル36とを介して、試験体40を柱31に接続した。なお、油圧ジャッキ35とロードセル36の上下端部には、ピン41,42を設けた。吊り治具43により、上梁32から油圧ジャッキ35を吊るようにした。
そして、試験体40のブレース部40bに軸圧縮力を導入する試験を行った。この試験では、地震時において建物が水平変形し、ブレース材に軸圧縮力が作用した場合を想定している。接合ブロック40aと基礎梁34との打ち継ぎ面で破壊させる計画とし、この面でのパンチングシア耐力を観測した。図8(a)に示される試験体40では、型枠を外さずに試験を実施した。図8(b)に示される試験体40では、鋼製の型枠は上部と下部が分離できるようになっており、下部の型枠を取り外して試験を実施した。
加力試験に使用したコンクリートの諸元を表1に示す。加力試験に使用した鋼材の性質(引張試験結果)を表2に示す。
Figure 0006199201
Figure 0006199201
加力試験により得られた最大耐力は、図8(a)に示される設置角度45°の試験体40では、320kNであり、図8(b)に示される設置角度30°の試験体40では、81kNであった。なお、これらの最大耐力は、水平力として算出している。設置角度40°の場合、設置角度30°の場合に比べて水平耐力が大きくなっている。
図9(a)及び(b)は、各条件における加力試験結果を示す図である。図9には、荷重と変形との関係を示す。縦軸は、油圧ジャッキ35のロードセル36により測定された値の水平分力である。横軸は、2台の変位計(面外補剛装置38およびワイヤ変位計39)により測定した基礎梁34と接合ブロック40aの相対変位である。図9(a)は設置角度45°の試験体40による試験結果を示し、図9(b)は設置角度30°の試験体40による試験結果を示している。設置角度45°の試験体40では、載荷初期から高い剛性を維持していることがわかる。最大耐力に達した時点でも変形は0.7mm程度に収まった。設置角度30°の試験体40では、初期載荷時に型枠のずれが観測され、型枠にとりつく変位計の値が大きく動いたため、この部分を消去している。軸力が導入された直後、0.5mmほど変形が進み、その後1mmの変形前に、最大水平力81kNに達して接合ブロック40aと基礎梁34との接合面が滑り、試験を終了した。
ブレース部40bの鋼管に貼付したひずみゲージの値から、上記試験結果の違いを考察する。なお、試験においては、油圧ジャッキ35からの軸力がブレース部40bの中央に作用しているかどうかを確認するため、角形の鋼管の4面に一軸の弾性ひずみゲージを貼付した。図10(b)に示される結果は、ブレース部40bの上面および下面の歪からブレース部40bの曲率を求め、これに曲げ剛性をかけて、ブレース部40bに作用している曲げモーメントM(図10(a)参照)を計算したものである。図の縦軸は曲げモーメントMであり、図の横軸はロードセル36により計測されたブレース部40bの軸力Nbである。図10(b)に示されるように、設置角度45°の試験体40では、曲げモーメントMは180kNmm以下に収まっているが、設置角度30°の試験体40では、軸力の増大に伴い曲げモーメントMが増加している。
これらの曲げモーメントMの違いが、最大水平耐力に影響していると考えられる。つまり、設置角度30°の試験体40では、載荷の初期段階から接合部分に曲げが作用しており、この影響により滑り面積が減少して水平耐力が低くなったものと推察される。また、設置角度45°の試験体40のブレース部40bの軸線L1が接合ブロック40aの中心を通るのに対して、設置角度30°の試験体40のブレース部40bの軸線L2が接合ブロック40aの底面よりも外を通ることも、水平耐力が低くなった要因の一つと推察される。
以上の試験結果より、ブレース材4が圧縮力のみに抵抗する上記の補強構造1,1Aでは、第2固定部7および第4固定部57の接合部分おいて鉛直力が付加されることになり、これにより水平抵抗力が増すことが確認された。補強構造1,1Aによれば、簡素な接合部設計が可能となることが示唆された。
1,1A…補強構造、2a,2b…柱、3a…上梁、3b…下梁、4…ブレース材、4a…上端部、4b…下端部、6…第1固定部、7…第2固定部、10…柱梁接合部、11,12…あと施工アンカー、16…中途部、50…柱梁接合部、54…ブレース材(他のブレース材)、54a…上端部、54b…下端部、56…第3固定部、57…第4固定部、60…中途部(他の中途部)、A,B…目荒らし部、X…架構。

Claims (10)

  1. 一対の柱と上梁および下梁とを有する架構の架構面内に設けられ、コンクリート充填鋼管を有して構成されたブレース材と、
    前記ブレース材の上端部が取り付けられた第1固定部と、
    前記ブレース材の下端部が取り付けられた第2固定部と、を備え、
    前記第1固定部および前記第2固定部の一方は、前記上梁または前記下梁と一方の柱との柱梁接合部に固定されており、
    前記第1固定部および前記第2固定部の他方は、前記上梁または前記下梁の延在方向における中途部に固定されており、
    前記第2固定部が前記中途部または前記柱梁接合部との間で生じる摩擦力によって固定されており、前記架構に水平力が作用した際に前記ブレース材の下端部と前記第2固定部とが離間することにより、前記ブレース材は、引張力を負担せず圧縮力のみを負担する構成とされていることを特徴とする架構の補強構造。
  2. 前記第1固定部は前記上梁と前記一方の柱との柱梁接合部に固定されており、
    前記第2固定部は前記下梁の延在方向における中途部に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の架構の補強構造。
  3. 前記第1固定部は前記上梁の延在方向における中途部に固定されており、
    前記第2固定部は前記下梁と前記一方の柱との柱梁接合部に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の架構の補強構造。
  4. 前記架構面内には、1本の前記ブレース材のみが設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の架構の補強構造。
  5. 前記架構面内に設けられ、コンクリート充填鋼管を有して構成された他のブレース材と、
    前記他のブレース材の上端部が取り付けられた第3固定部と、
    前記他のブレース材の下端部が取り付けられた第4固定部と、を備え、
    前記第3固定部および前記第4固定部の一方は、前記上梁または前記下梁と他方の柱との柱梁接合部に固定されており、
    前記第3固定部および前記第4固定部の他方は、前記中途部から前記他方の柱側に離間した前記上梁または前記下梁の他の中途部に固定されており、
    前記第4固定部が前記他の中途部または前記柱梁接合部との間で生じる摩擦力によって固定されており、前記架構に水平力が作用した際に前記他のブレース材の下端部と前記第4固定部とが離間することにより、前記他のブレース材は、引張力を負担せず圧縮力のみを負担する構成とされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の架構の補強構造。
  6. 前記第3固定部は前記上梁と前記他方の柱との柱梁接合部に固定されており、
    前記第4固定部は前記中途部から前記他方の柱側に離間した前記下梁の他の中途部に固定されていることを特徴とする請求項5に記載の架構の補強構造。
  7. 前記第3固定部は前記中途部から前記他方の柱側に離間した前記上梁の他の中途部に固定されており、
    前記第4固定部は前記下梁と前記他方の柱との柱梁接合部に固定されていることを特徴とする請求項5に記載の架構の補強構造。
  8. 前記第2固定部は、アンカーを用いることなく固定されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の架構の補強構造。
  9. 前記第4固定部は、アンカーを用いることなく固定されていることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載の架構の補強構造。
  10. 一対の柱と上梁および下梁とを有する架構の架構面内に設けられ、コンクリート充填鋼管を有して構成されたブレース材と、前記ブレース材の上端部が取り付けられた第1固定部と、前記ブレース材の下端部が取り付けられた第2固定部と、を備え、前記第1固定部および前記第2固定部の一方が前記上梁または前記下梁と一方の柱との柱梁接合部に固定され、前記第1固定部および前記第2固定部の他方が前記上梁または前記下梁の延在方向における中途部に固定された補強構造による架構の補強方法であって、
    前記第2固定部と前記中途部または前記柱梁接合部との間で生じる摩擦力によって前記第2固定部を固定し、前記架構に水平力が作用した際に前記ブレース材の下端部と前記第2固定部とが離間するようにし、前記ブレース材に引張力を負担させず圧縮力のみを負担させる構成とすることを特徴とする架構の補強方法。
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