JP6198411B2 - 温度測定装置 - Google Patents

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本発明は、板状のステムと、前記ステムの前方側を覆う形態で前方側に蓋部を有する有蓋筒状のキャップとからなる筐体内に、前記キャップの蓋部に形成されたフィルタ開口部に配置され特定波長域の赤外線を透過させる光学フィルタと、前記ステムの前方側に載置され前記光学フィルタを透過した赤外線を受光し当該受光した赤外線の強度を検出する受光素子とからなる赤外線強度検出手段を配置してなるセンサデバイスを備え、
加熱される被加熱物から放射され前記光学フィルタを透過した特定波長域の赤外線の強度を前記受光素子で検出することで当該被加熱物の温度を非接触状態で測定する温度測定装置に関する。
上記温度測定装置は、加熱調理器において、バーナなどの加熱手段により加熱される調理用容器から放射された赤外線を利用して当該調理用容器の温度を非接触状態で測定するものであり、その測定された調理用容器の温度は、当該温度を設定温度に維持するための加熱手段に対する加熱量の自動調整や、当該温度が過度に上昇したときの加熱手段に対する自動停止などの各種制御に利用される。
赤外線を利用した非接触の温度測定装置として、特定波長域の赤外線を透過させる光学フィルタと、光学フィルタを透過した赤外線を受光し当該受光した赤外線の強度を検出する受光素子とからなる赤外線強度検出手段を配置してなるセンサデバイスを備えるものが知られている(例えば特許文献1又は2を参照。)。
かかるセンサデバイスは、板状のステムと当該ステムの前方側を覆う形態で前方側に蓋部を有する有蓋筒状のキャップとからなる筐体内に、光学フィルタをキャップの蓋部に設けられたフィルタ開口部に配置すると共に、受光素子をステムの前方側に載置して構成されている。
このようなセンサデバイスを備えた温度測定装置では、光学フィルタ及びそれを筐体内に固定するための接着剤やコーティング材は絶縁性材料で構成されているため、金属製等の筐体と比較して熱伝導性が劣り、このため光学フィルタの温度が上昇しやすい。そして、光学フィルタの温度上昇に起因して、その温度上昇した光学フィルタが発する赤外線が受光素子に入射されることで、温度測定精度が悪化するという問題があった。
そこで、上記特許文献2に記載の温度測定装置では、光学フィルタを、受光素子へ受光させる特定波長域の赤外線を吸収しない材料からなる基材の表面に、当該特定波長域以外の波長域の赤外線を反射させる反射膜を設けている。このような構成の光学フィルタを利用すれば、光学フィルタ自身における赤外線吸収による温度上昇を抑制することができる。
特開2010−175348号公報 特開2008−241617号公報
上記特許文献2に記載の温度測定装置では、光学フィルタ自身における赤外線吸収による温度上昇をある程度は抑制することができるものの、その温度上昇の抑制効果は十分でない場合があった。
また、一般的に、光学フィルタは、反射膜をコーティングした後に所望の形状に切断して製造されるが、その切断時における反射膜のチッピング等により、基材が露出する箇所が形成されることがあった。このような基材の露出箇所では、赤外線の吸収を防ぐために、接着剤等で遮蔽するなどの処置を施していたが、完全に遮蔽することは困難であった。
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、加熱される被加熱物から放射され光学フィルタを透過した特定波長域の赤外線の強度を受光素子で検出することで当該被加熱物の温度を非接触状態で測定する温度測定装置において、光学フィルタの温度上昇を好適に抑制し、被加熱物の温度測定精度を向上させるための技術を提供する点にある。
この目的を達成するための本発明に係る温度測定装置は、
板状のステムと、前記ステムの前方側を覆う形態で前方側に蓋部を有する有蓋筒状のキャップとからなる筐体内に、前記キャップの蓋部に形成されたフィルタ開口部に配置され特定波長域の赤外線を透過させる光学フィルタと、前記ステムの前方側に載置され前記光学フィルタを透過した赤外線を受光し当該受光した赤外線の強度を検出する受光素子とからなる赤外線強度検出手段を配置してなるセンサデバイスを備え、
加熱される被加熱物から放射され前記光学フィルタを透過した特定波長域の赤外線の強度を前記受光素子で検出することで当該被加熱物の温度を非接触状態で測定する温度測定装置であって、
その第1特徴構成は、
前記筐体内に、前記光学フィルタから前記キャップへの放熱を促進させる板状の放熱部を備え
前記放熱部は、前記フィルタ開口部に対応する開口部を備え、
前記放熱部が、前記光学フィルタの面の外周縁部に当接させる状態で、前記フィルタ開口部の後方以外の前記蓋部の後方に配置され、赤外線放射方向において覆われている点にある。
上記第1特徴構成によれば、上記放熱部が、筐体内に配置されているので、直接赤外線を吸収することがなく、自身が熱を発生することが抑制されている。
よって、光学フィルタが赤外線吸収して発生する熱を、上記放熱部が積極的に受け入れることになり、その受け入れた熱を当該光学フィルタよりも熱伝導性が高いキャップへ積極的に放熱させることができ、結果、光学フィルタの温度上昇を好適に抑制することができる。
また、光学フィルタは、キャップに対して、面の外周縁部から放熱部を介して放熱することができる。
従って、本発明により、光学フィルタの温度上昇を好適に抑制して、温度測定精度を向上させることができる温度測定装置を実現することができる。
尚、本願において、センサデバイスの赤外線が入射される側を「前方側」と表現し、その逆側を「後方側」と表現する場合がある。また、ある部材において、前方側の面を「前面」と表現し、後方側の面を「背面」と表現する場合がある。
本発明に係る温度測定装置の第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記光学フィルタが、前記キャップの蓋部の後方側に配置されている点にある。
上記第2特徴構成によれば、光学フィルタをキャップの蓋部の後方側に配置する場合には、その光学フィルタは、キャップに対して、背面の外周縁部から放熱部を介して放熱することができる。従って、光学フィルタの温度上昇を一層抑制して、温度測定精度を一層向上することができる。
本発明に係る温度測定装置の第3特徴構成は、上記第2特徴構成に加えて、
前記放熱部が、前面を前記外周縁部に当接させる状態で前記光学フィルタの後方側に配置され、前記開口部が形成された板状の高熱伝導性材料からなる放熱板部材を備えると共に、前記放熱板部材の外周面と前記キャップの内周面とが、高熱伝導性接着剤で接合されている点にある。
上記第3特徴構成によれば、光学フィルタは、キャップの蓋部の背面と放熱板部材の前面との間に挟持される状態で、筐体内に配置されることになる。
そして、光学フィルタで赤外線吸収により発生した熱を、外周縁部の背面の全周からキャップへ好適に放熱することができるようになる。
従って、光学フィルタの温度上昇を一層抑制して、温度測定精度を一層向上することができる。
本発明に係る温度測定装置の第4特徴構成は、上記第1乃至第3特徴構成の何れかに加えて、
前記センサデバイスの筐体内において、互いに異なる波長域の赤外線の強度を検出する前記赤外線強度検出手段の複数が、前記赤外線の放射方向と交差する方向に並設されている点にある。
赤外線強度検出手段を複数配置した温度計測装置において、夫々の光学フィルタは、互いに異なる特定波長域の赤外線を透過させるものとなる。そして、夫々の光学フィルタに吸収される赤外線の波長域も異なることになるので、夫々の光学フィルタの赤外線吸収による発熱量も異なる。
そこで、上記第4特徴構成によれば、夫々の光学フィルタの温度上昇が好適に抑制されることから、夫々の光学フィルタの温度差ができるだけ小さくなるので、この温度差による温度精度の悪化を抑制することができる。
コンロの概略構成図 温度測定装置の縦断面図 センサデバイスの縦断面斜視図 センサデバイスの筐体内における部分断面図 温度測定装置のセンサデバイスの固定部分にかかる分解斜視図 放熱部による放熱効果を検証するための熱解析結果を示すグラフ図
本発明に係る温度測定装置の実施形態として、コンロ100に設けられている温度測定装置40について、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、コンロ100は、円形の加熱用の開口部1aを有する平板状の天板1、開口部1aの上方に離間させて鍋等の調理用容器N(被加熱物の一例)を載置可能な五徳2、その五徳2上に載置される調理用容器Nを加熱する加熱手段としてのバーナ30、そのバーナ30の作動を制御する燃焼制御部3等を備えて構成されている。
バーナ30は、ブンゼン燃焼式の内炎式バーナであり、燃料供給路5を通じて供給される燃料ガスGを噴出するガスノズル31、そのガスノズル31から燃料ガスGが噴出されると共に、その燃料ガスGの噴出に伴う吸引作用により燃焼用空気Aが供給される混合管32、及び、内周部に混合気を噴出する複数の炎口33を備えて、混合管32から混合気が供給される環状のバーナ本体34等を備えて構成され、バーナ30は、開口部1aの下方に位置させて設けている。
このバーナ30においては、混合管32からバーナ本体34内に供給された燃料ガスGと燃焼用空気Aとの混合気が炎口33からバーナ本体34の中心に向けて略水平方向に噴出され、その噴出された燃料ガスGと燃焼用空気Aとの混合気が燃焼して、火炎Fが開口部1aを通って上向きに形成される。
燃料供給路5には、ガスノズル31への燃料ガスGの供給を断続する燃料供給断続弁6と、ガスノズル31への燃料ガスGの供給量を調節する燃料供給量調節弁7とが設けられ、バーナ30のバーナ本体34内の下方には、開口部1aを介して落下した煮零れ等を受けるための汁受皿8が設けられる。
次に、このコンロ100に設けられている温度測定装置40の詳細構成について説明する。
温度測定装置40は、調理用容器Nの温度を非接触状態で測定するものであり、具体的には、天板1の下方側に位置し且つ汁受皿8の中央部にセンサデバイス50を配置し、そのセンサデバイス50が、調理用容器Nから放射される赤外線における異なる2つの特定波長域夫々についての赤外線強度を検出する。そして、温度検出部61が、その検出される2つの特定波長域夫々についての赤外線強度の比に基づいて調理用容器Nの温度を検出する。
更に、センサデバイス50は、赤外線の波長範囲のうち、バーナ30の火炎Fからの放射強度が少ない範囲内に設定された波長域の赤外線強度を検出するものとして構成されている。
センサデバイス50は、図2及び図3に示すように、円板状のステム55と、ステム55の前方側を覆う形態で前方側に蓋部56aを有する有蓋円筒状のキャップ56とからなる鉄などの金属製板材で構成された筐体を備える。そして、この筐体内に、第1の赤外線強度検出手段53aと第2の赤外線強度検出手段53bとが、赤外線放射方向と交差する方向に並設されている。
円板状のステム55は、例えば厚肉に構成されており、背面側がその上の前面側より径が大きくされたフランジ部として形成されている。また、有蓋円筒状に形成されたキャップ56の背面側の端部にも同様のフランジ部が形成されている。そして、センサデバイス50の筐体は、これらフランジ部同士を接合する形態で、ステム55に対してそのステム55の前面側を覆う形態でキャップ56を組みつけて構成されており、その内部に形成された空間に、光学フィルタ51a、51bと受光素子52a、52bとが配置されている。
夫々の赤外線強度検出手段53a、53bは、キャップ56の蓋部56aに設けられたフィルタ開口部56bに配置され特定波長域の赤外線を透過させる光学フィルタ51a、51bと、ステム55の前方側に載置され光学フィルタ51a、51bを透過した赤外線を受光し当該受光した赤外線の強度を検出する受光素子52a、52bとを、赤外線放射方向に間隔を隔てて並ぶ状態で配置して構成されている。
尚、この受光素子52a、52bは、実質的に、複数の熱電対を直列や並列に接続したサーモパイルとして構成されており、赤外線を吸収することで発生した熱エネルギを電気エネルギに変換して電気信号を出力する。また、この受光素子52a、52bの出力信号は、相対温度、即ちステム55(冷接点)とサーモパイル(温接点)との温度差に基づく値を示すものとなる。
そこで、受光素子52a、52bとは別に、ステム55の温度を検出するサーミスタ57(図3参照)が設けられており、このサーミスタ57からの出力と、受光素子52a、52bからの出力との夫々が、ステム55の背面側から突出して設けられている複数の端子54から、当該端子54に接続された信号ケーブル60を介して、温度検出部61に出力される。
そして、温度検出部61では、サーミスタ57からの出力によりステム55の温度の変化に対する受光素子52a、52bからの出力誤差をある程度補正して当該受光素子52a、52bが受光した赤外線強度を検出することができる。
上記センサデバイス50は、後述するセンサホルダ45等を介して、本体部41が汁受皿8の中央部に配置されている。
また、この本体部41には、調理用容器Nから放射された赤外線をセンサデバイス50に案内する筒状の案内部41aが設けられ、この案内部41aの前方側の開口部には、光学フィルタ51a、51bの特定波長域を含む透過可能波長域の赤外線の通過を許容する光透過部材Tとしての窓部材42が架設されている。尚、この窓部材42は、1μm以上の波長域を透過させるシリコンを基材として構成されている。
即ち、この案内部41aの内部に、赤外線放射方向に沿って間隔を隔てて並べる状態で窓部材42、光学フィルタ51a、51b及び受光素子52a、52bが組み付けられていることになる。しかも、第1の赤外線強度検出手段53aが有する第1の受光素子52aと、第2の赤外線強度検出手段53bが有する第2の受光素子52bとが、赤外線放射方向と交差する方向に並ぶ状態で並設され、且つ、窓部材42を通過した赤外線のうちで異なる波長域の赤外線を通過させる形態で、第1の赤外線強度検出手段53aが有する第1の光学フィルタ51aと、第2の赤外線強度検出手段53bが有する第2の光学フィルタ51bとが、赤外線放射方向と交差する方向に並ぶ状態で並設されていることになる。
図1に示すように、この温度測定装置40を備えた本体部41は、汁受皿8に形成された開口部を通して上下方向に挿通する状態で設けられるが、汁受皿8からの熱が伝わり難くなるように、汁受皿8に対して断熱材Dを介して装着される構成となっている。尚、各受光素子52a、52bが温度上昇しないように冷却ファン等の温度上昇抑制手段を設けるようにしてもよい。
第1及び第2の赤外線強度検出手段53a、53bの夫々は、互いに異なる波長域の赤外線の強度を検出するものとして構成されている。即ち、第1及び第2の光学フィルタ51a、51bの夫々は、互いに異なる波長域を透過可能な特定波長域としたものとされている。
光学フィルタ51a、51bの基材としては、窓部材42と同じシリコンが用いられており、この表面には、窓部材42を通過した赤外線のうち、特定波長域以外の赤外線を反射させる反射膜が設けられている。
そして、第1の光学フィルタ51aは、3.5μm以上且つ4.2μm以下の範囲の波長域における赤外線を特定波長域の赤外線として透過させると共にそれ以外の波長域の赤外線を反射するように構成され、一方、第2の光学フィルタ51bは、8.0μm以上且つ12.0μm以下の範囲の波長域における赤外線を特定波長の赤外線として透過させると共にそれ以外の波長域の赤外線を反射するように構成されている。
次に、温度検出部61により調理用容器Nの温度を求める処理について説明する。尚、以下の説明では、2つの波長域をλ1、λ2にて示す。ちなみに、波長域λ2の方が波長域λ1よりも長波長側になる。
バーナ30が燃焼しているときの調理用容器Nの温度、例えば、常温〜300℃程度において、1.5μm以上且つ数十μm以下の範囲内の波長域において赤外線が放射しており、例えば、3.5μm以上且つ15μm以下の範囲内において各種の赤外線センサにて検出可能な充分な放射強度を有している。
また、赤外線の波長範囲のうち、1.5μm以上且つ1.8μm以下の範囲、2.0μm以上且つ2.4μm以下の範囲、3.1μm以上且つ4.2μm以下の範囲、及び、8.0μm以上且つ12.0μm以下の範囲では、火炎Fからの赤外線の放射が少ない。
従って、2つの波長域を、赤外線の波長範囲のうち、バーナ30の火炎Fからの赤外線の放射が少ない範囲内に設定すると、火炎Fからの赤外線による影響が少ない状態で調理用容器Nから放射される赤外線の強度を精度よく検出することができる。
そして、温度検出部61は、温度測定装置40における2つの波長域λ1、λ2夫々についての出力値(赤外線強度に対応する)の比(赤外線強度比に対応する)を求め、予め記憶している温度対赤外線強度比の関係から調理用容器Nの温度を求める。このような出力値の比をとることで調理用容器Nの温度をその調理用容器Nの放射率に依存することなく正確に検出することができる。
温度検出部61にて求められた温度の情報は燃焼制御部3に出力され、燃焼制御部3は、この温度検出部61にて求められる温度に基づいて、燃料供給断続弁6、燃料供給量調節弁7等を制御することにより、例えば調理用容器Nの温度を設定温度に維持するようにバーナ30の燃焼量を調整すべく燃料供給量調節弁7を制御したり、調理用容器Nの過度の温度上昇を回避させるためにバーナ30の加熱作動を停止させるべく燃料供給断続弁6を作動させたり等の処理を行うことになる。
更に、この温度測定装置40は、光学フィルタ51a、51bの温度上昇を好適に抑制して、調理用容器Nの温度測定精度を向上するための構成を備えており、その詳細について、図3〜図5を参照して、以下に説明を加える。
センサデバイス50の筐体内には、光学フィルタ51a、51bからキャップへの放熱を促進させる放熱部65が設けられている。この放熱部65が、光学フィルタ51a、51bが赤外線吸収して発生する熱を受け入れて、光学フィルタ51a、51bよりも熱伝導性が高い鉄などの金属製のキャップ56へ積極的に放熱させることで、光学フィルタ51a、51bの温度上昇が好適に抑制される。
光学フィルタ51a、51bは、図3及び図4に示すように、キャップ56の蓋部56aの後方側に配置されており、キャップ56の蓋部56aの背面及びキャップの側部56cの内面との間で、エポキシ樹脂系接着剤58を充填した状態で、キャップ56に接合されている。
そして、放熱部65は、光学フィルタ51a、51bの背面の外周縁部からキャップ56への放熱を促進させるべく、その光学フィルタ51a、51bの後方側に配置されている。
具体的には、放熱部65は、前面を光学フィルタ51a、51bの背面の外周縁部に当接させる状態で光学フィルタ51a、51bの後方側に配置され、フィルタ開口部56bに対応する開口部66aが形成された板状の銅などの高熱伝導性材料からなる放熱板部材66を備えると共に、放熱板部材66の外周面とキャップの内周面とが、高熱伝導性接着剤67で接合されている。
尚、この高熱伝導性接着剤67としては、熱伝導率が10W/m・K以上の接着剤を利用することが好ましく、例えば、熱可塑性樹脂及びエポキシ樹脂の一方又はそれらの混合物をベースにし、そのベースに銀や銅などの高熱伝導性のフィラーを添加した市販の高熱伝導性接着剤などを利用することができる。また、シリコーン系接着剤などでも、熱伝導率が高いものであれば、高熱伝導性接着剤67として利用しても構わない。
即ち、光学フィルタ51a、51bは、キャップ56の蓋部56aの背面と放熱板部材66の前面との間に挟持される状態で、センサデバイス50の筐体内に配置されることになり、光学フィルタ51a、51bで赤外線吸収により発生した熱は、外周縁部の背面の全周から、上記放熱板部材66及び高熱伝導性接着剤67を介して、キャップ56の側部56cへ好適に放熱されることになる。
次に、温度測定装置40におけるセンサデバイス50の本体部41への固定構造について、図5に基づいて説明する。
有蓋円筒状のセンサホルダ45が、アルミニウムなどの高熱伝導性材料からなるホルダ部材として設けられており、このセンサホルダ45がセンサデバイス50を本体部41に固定する。
具体的には、センサホルダ45の蓋部45aの背面に、センサデバイス50を構成するキャップ56の蓋部56aの前面を当接させる状態で、センサホルダ45の内部にセンサデバイス50が収容されており、このセンサホルダ45の蓋部45aには、第1及び第2の光学フィルタ51a、51bの夫々に対する赤外線の入射を許容する2つの開口部45bが形成されている。
センサホルダ45に対してセンサデバイス50を前方に付勢する付勢機構として、センサホルダ45の後方側の開口部から当該センサホルダ45の内部に挿入される円筒状の付勢用ホルダ46が、アルミニウムなどの高熱伝導性材料からなるホルダ部材として設けられている。
この付勢用ホルダ46は、外側面に形成された雄ネジ部46bを、センサホルダ45の内側面に形成された雌ネジ部45fに螺合させる形態で、センサホルダ45に固定されることで、付勢用ホルダ46の前方側の端部46aがセンサデバイス50の後方側を前方に押し付ける状態となる。
そして、このような付勢機構が設けられていることで、センサデバイス50を構成するキャップ56の蓋部56aの前面と、センサホルダ45の蓋部45aの背面との密着性が増すことになって、熱伝導を行う接触面積が大きくなる。よって、キャップ56の蓋部56aが赤外線吸収等により昇温した場合でも、その熱は積極的にセンサホルダ45の蓋部45a側に伝達されることになり、光学フィルタ51a、51bに伝達される熱量が少なくなるので、光学フィルタ51a、51bの温度上昇が好適に抑制されている。
センサデバイス50のステム55の背面と、付勢用ホルダ46の前方側の端部46aとの間には、板状のスペーサ47がアルミニウムなどの高熱伝導性材料からなるホルダ部材として介装されている。即ち、このスペーサ47は、その前面がステム55の背面に当接した状態で、付勢用ホルダ46により前方に向けて付勢されることになる。
しかも、スペーサ47の前面には、ステム55の背面及び側面を収容する凹部が形成されている。即ち、スペーサ47の前面の略全体がステム55の背面及び側面に当接する形態で、スペーサ47とステム55との接触面積が稼がれている。
つまり、スペーサ47の前面とステム55の背面との密着性が増し、センサデバイス50の熱を積極的にスペーサ47に伝達させて、光学フィルタ51a、51bの温度上昇が一層抑制されている。尚、ステム55の温度上昇が問題にならない程度である場合には、このスペーサ47を省略しても構わない。
また、スペーサ47には端子孔47aが穿設されており、この端子孔47aにセンサデバイス50の端子54がインシュレータなどで絶縁処理を施した上で挿入される。
センサホルダ45の側方面45cには、フランジ部45dが突出形成されており、このフランジ部45dに穿設された孔45eに固定用ボルト43を挿入し当該固定用ボルト43を本体部41に形成されたボルト孔41bに螺合する形態で、センサホルダ45が本体部41に固定されている。
つまり、本体部41からセンサホルダ45への熱伝導がフランジ部45dを介したものに制限されることになる。よって、本体部41が、バーナ30や調理用容器Nからの輻射や汁受皿8からの伝熱等により温度上昇した場合においても、それに起因するセンサホルダ45への熱伝導が抑制されている。
また、このフランジ部45dは、センサデバイス50の配置位置よりも後方側に配置されており、本体部41から、センサホルダ45におけるセンサデバイス50を外囲する部分の側方面45cへの直線的な熱伝導が抑制されている。
付勢用ホルダの後方側の開口部46cには、センサデバイス50の端子54に接続された信号ケーブル60が挿通されている。そして、その開口部46cと信号ケーブル60との間の隙間をできるだけ小さくして、外部からの高温の空気の流入を抑制するために、開口部46cは縮径構造とされている。また、図示は省略するが、この隙間を耐熱性充填剤で埋めても構わない。
次に、上述した放熱部65による放熱効果を検証するための熱解析結果及び温度測定試験結果を説明する。
まず、熱解析の結果について説明する。
尚、この熱解析では、これまで説明してきた本実施形態の放熱部65を有するセンサデバイス50と同様の構成(実施例)のモデルと、そのセンサデバイス50から放熱部65を取り除いた構成(比較例)のモデルとを作成し、夫々のモデルにて、光学フィルタの温度を30℃とし、他の部材の温度を20℃とした初期状態から放置した場合に、筐体を構成するステム55の外周縁部における経時的な温度上昇状態をシミュレーションにより求めた。
図6に示す熱解析の結果から、実施例モデルでは、比較例モデルと比較して、ステムの外周縁部の温度が30℃近傍まで急速に上昇していることがわかる。これにより、実施例モデルでは、放熱板部材及び高熱伝導性接着剤からなる放熱部を備えることにより、光学フィルタが保有する熱を、積極的に筐体を構成するキャップ側に放出することができ、比較例モデルよりも放熱効果が大きいことが確認できる。
次に、実施例及び比較例のセンサデバイスを用いた温度測定試験の結果を説明する。
尚、この温度測定試験では、100℃に加熱された被加熱物から放射される赤外線を受けてからの当該赤外線が遮断されるまでの測定時間中における温度検出部の出力値の変化状態を確認した。
結果、比較例のセンサデバイスでは、測定時間中において出力値は上昇し続けて、一定値を示すことがなかった。これに対し、実施形態のセンサデバイスでは、被加熱物から放射される赤外線を受けた測定開始時から1秒以内に温度検出部の出力値が上昇し、その後一定値を維持し続けた。
この結果により、実施例のセンサデバイスでは、光学フィルタの温度上昇がほとんどなく、光学フィルタの温度上昇に起因する温度検出部の出力値の上昇がほとんどないことが確認できた。
〔別実施形態〕
最後に、本発明のその他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記実施形態では、放熱部65を、光学フィルタ51a、51bの後方側に配置された放熱板部材66と当該放熱板部材66の外周面とキャップ56の内周面とを接合する高熱伝導性接着剤67とで構成することで、光学フィルタ51a、51bの背面の外周縁部からキャップ56への放熱を促進させるように構成したが、別に、放熱部65を光学フィルタ51a、51bの別の部位からキャップ56への放熱を促進させるように構成しても構わない。例えば、放熱板部材66を光学フィルタ51a、51bの前面とキャップ56の蓋部56aの背面との間に介装させ、当該放熱板部材66をキャップ56及び光学フィルタ51a、51bに対して高熱伝導性接着剤67で接合することで、光学フィルタ51a、51bの前面の外周縁部からキャップ56へ放熱を促進させることができる。
(2)上記実施形態では、赤外線強度検出手段53a、53bが、2個の光学フィルタ51a、51bを通過した赤外線を各別に検出する2個の受光素子52a、52bを備えて、調理用容器Nから放射される赤外線における互いに異なる2つの波長域夫々についての赤外線強度を検出するように構成したが、このような構成に代えて、1つの受光素子に対して2個の光学フィルタが交互に作用するように位置を切り換えて、その切り換えた状態の夫々における赤外線検出素子の検出値を用いて、互いに異なる波長域の赤外線強度を検出する構成としてもよい。又、受光素子及び光学フィルタからなる赤外線強度検出手段を3個以上並べて備える構成として、3つ以上の異なる特定波長域の赤外線を各別に検出して、それらの検出情報に基づいて調理用容器の温度を検出する構成としてもよい。
(3)上記実施形態では、加熱手段として、混合気を環状のバーナ本体34から内向きに噴出させて燃焼させる内炎式バーナ30にて構成するものを示したが、混合気を外向き上方に噴出させるブンゼン燃焼式のバーナを備えたコンロとして構成してもよい。
(4)上記実施形態では、加熱手段としてガス燃焼式のバーナ30にて構成したが、加熱手段はバーナに限定されるものではなく、例えば赤熱発光するハロゲンランプを用いたもの、電気抵抗線を内蔵したシーズヒータを用いたもの、又は、電磁誘導加熱(通常、「IH」と呼ばれる)を行う磁界発生コイルを用いたもの等、電気式加熱部にて構成しても良い。
本発明は、板状のステムと、前記ステムの前方側を覆う形態で前方側に蓋部を有する有蓋筒状のキャップとからなる筐体内に、前記キャップの蓋部に形成されたフィルタ開口部に配置され特定波長域の赤外線を透過させる光学フィルタと、前記ステムの前方側に載置され前記光学フィルタを透過した赤外線を受光し当該受光した赤外線の強度を検出する受光素子とからなる赤外線強度検出手段を配置してなるセンサデバイスを備え、加熱される被加熱物から放射され前記光学フィルタを透過した特定波長域の赤外線の強度を前記受光素子で検出することで当該被加熱物の温度を非接触状態で測定する温度測定装置として好適に利用可能である。
40 :温度測定装置
50 :センサデバイス
51a、51b:光学フィルタ
52a、52b:受光素子
53a、53b:赤外線強度検出手段
55 :ステム
56 :キャップ
56a :蓋部
56b :フィルタ開口部
56c :側部
61 :温度検出部
65 :放熱部
66 :放熱板部材
66a :開口部
67 :高熱伝導性接着剤

Claims (4)

  1. 板状のステムと、前記ステムの前方側を覆う形態で前方側に蓋部を有する有蓋筒状のキャップとからなる筐体内に、前記キャップの蓋部に形成されたフィルタ開口部に配置され特定波長域の赤外線を透過させる光学フィルタと、前記ステムの前方側に載置され前記光学フィルタを透過した赤外線を受光し当該受光した赤外線の強度を検出する受光素子とからなる赤外線強度検出手段を配置してなるセンサデバイスを備え、
    加熱される被加熱物から放射され前記光学フィルタを透過した特定波長域の赤外線の強度を前記受光素子で検出することで当該被加熱物の温度を非接触状態で測定する温度測定装置であって、
    前記筐体内に、前記光学フィルタから前記キャップへの放熱を促進させる板状の放熱部を備え
    前記放熱部は、前記フィルタ開口部に対応する開口部を備え、
    前記放熱部が、前記光学フィルタの面の外周縁部に当接させる状態で、前記フィルタ開口部の後方以外の前記蓋部の後方に配置され、赤外線放射方向において覆われている温度測定装置。
  2. 前記光学フィルタが、前記キャップの蓋部の後方側に配置されている請求項1に記載の温度測定装置。
  3. 前記放熱部が、前面を前記外周縁部に当接させる状態で前記光学フィルタの後方側に配置され、前記開口部が形成された板状の高熱伝導性材料からなる放熱板部材を備えると共に、前記放熱板部材の外周面と前記キャップの内周面とが、高熱伝導性接着剤で接合されている請求項2に記載の温度測定装置。
  4. 前記センサデバイスの筐体内において、互いに異なる波長域の赤外線の強度を検出する前記赤外線強度検出手段の複数が、前記赤外線の放射方向と交差する方向に並設されている請求項1〜3の何れか1項に記載の温度測定装置。
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