JP6198332B2 - インク組成物、インクジェット記録方法及び着色体 - Google Patents

インク組成物、インクジェット記録方法及び着色体 Download PDF

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Description

本発明は、インク組成物、これを用いるインクジェット記録方法、及び着色体に関する。
各種のカラー記録方法の中でも代表的方法の一つであるインクジェットプリンタによる記録方法は、インクの小滴を発生させこれを種々の被記録材料(紙、フィルム、布帛等)に付着させ記録を行うものである。この方法は、記録ヘッドと被記録材料とが直接接触しないため音の発生が少なく静かであり、また小型化、高速化が容易という特長の為近年急速に普及しつつあり、今後とも大きな伸長が期待されている。
インクジェット記録方法では、被記録材として、インク受容層を有するインクジェット専用紙やインクジェット用光沢紙等のほかに、インク受容層を有していない汎用普通紙等が用いられる場合がある。このように汎用普通紙へインクジェット記録をする場合は、絵柄等のデザインよりも文字が使用されることが多いため、記録物に求められる品質の中では、特に発色性(印字濃度)が重視される傾向がある。
インクジェット記録に用いる黒色インク組成物は、例えば特許文献1〜6、及び、非特許文献1等に開示されている。
特開平11−70729号公報 特許第3346755号公報 特許第4100880号公報 国際公開2010/125903号 国際公開2006/051850号 特開09−217018号公報 特開2013−166844号公報
色材、77[9]、417−424[2004](色材協会誌 新井啓哲著)
本発明は、発色性(印字濃度)が高い黒色の記録画像を与える水性黒色インク組成物、これを用いるインクジェット記録方法及び着色体の提供を目的とする。
本発明者等は上記課題を解決すべく、鋭意検討の結果、下記式(1)で表される色素又はその塩、若しくはそれらの混合物と、実質的に水に不溶性の色素の両者を含有するインク組成物により、上記の課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、
(1)
着色剤として、下記式(1)で表される色素又はその塩、若しくはそれらの混合物、及び、実質的に水に不溶性の色素の両者を含有するインク組成物。
Figure 0006198332
[式(1)中、
、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;シアノ基;ヒドロキシ基;スルホ基;カルボキシ基;スルファモイル基;ホスホ基;ニトロ基;ウレイド基;アルキル基;アルコキシ基;ヒドロキシ基、及びアルコキシ基から選択される基で置換されたアルキル基;ヒドロキシ基、アルコキシ基、スルホ基、及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたアルコキシ基;アシル基;N−アルキルアミノスルホニル基;N−フェニルアミノスルホニル基;スルホ基、カルボキシ基、及びヒドロキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類以上の基で置換されたN−アルキルアミノスルホニル基;アルキルスルホニル基;スルホ基、カルボキシ基、及びヒドロキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類以上の基で置換されたアルキルスルホニル基;アシルアミノ基;アルキルスルホニルアミノ基;フェニルスルホニルアミノ基;又は、ハロゲン原子、アルキル基、及びニトロ基よりなる群から選択される少なくとも1種類以上の基で置換されたフェニルスルホニルアミノ基;を表す。
及びRは、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;シアノ基;カルボキシ基;スルホ基;ニトロ基;アルキル基;ヒドロキシ基、及びアルコキシ基から選択される基で置換されたアルキル基;アルコキシ基;ヒドロキシ基、アルコキシ基、スルホ基、及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたアルコキシ基;アルキルチオ基;スルホ基、及びカルボキシ基から選択される基で置換されたアルキルチオ基;アシルアミノ基;アルキルスルホニルアミノ基;フェニルスルホニルアミノ基;又は、ハロゲン原子、アルキル基、及びニトロ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたフェニルスルホニルアミノ基;を表す。
nは0または1の整数を表す。]
(2)
さらに、少なくとも1種類の分散剤を含有する上記(1)に記載のインク組成物。
(3)
分散剤の重量平均分子量が3000〜50000である上記(2)に記載のインク組成物。
(4)
乃至Rのうち、5つ以上がイオン性親水性基である上記(1)に記載のインク組成物。
(5)
乃至Rのうち、3つ以上がイオン性親水性基である、請求項1又は4に記載のインク組成物。
(6)
イオン性親水性基が、スルホ基、及びカルボキシ基から選択される任意の基である上記(4)又は(5)に記載のインク組成物。
(7)
式(1)において、
及びRが、それぞれ独立に、水素原子;スルホ基;カルボキシ基;及びヒドロキシ基;よりなる群から選択される基;であり、
及びRが、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;カルボキシ基;スルホ基;スルホ基、若しくはカルボキシ基で置換されたアルコキシ基;及び、スルホ基、及びカルボキシ基から選択される基で置換されたアルキルチオ基;であり、
乃至Rが、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;スルホ基;カルボキシ基;ヒドロキシ基;及びアルコキシ基;よりなる群から選択される基であり、
nが1である、
上記(1)に記載のインク組成物。
(8)
式(1)において、
がカルボキシ基、又はスルホ基であり、
が水素原子であり、
がスルホ基であり、
が水素原子であり、
が水素原子、カルボキシ基又はスルホ基であり、
がカルボキシ基又はスルホ基であり、
が水素原子であり、
nが1である、上記(1)に記載のインク組成物。
(9)
インク組成物の総質量中における、着色剤の総含有量が、3質量%以上15質量%以下である上記(1)乃至(8)のいずれか一項に記載のインク組成物。
(10)
インク組成物が含有する着色剤の総量中、実質的に水に不溶性の色素の含有量が50質量%以上90質量%以下である上記(1)乃至(9)のいずれか一項に記載のインク組成物。
(11)
さらに水溶性有機溶剤を含有する上記(1)乃至(10)いずれか一項に記載のインク組成物。
(12)
インクジェット記録に用いる上記(1)乃至(11)のいずれか一項に記載のインク組成物。
(13)
上記(1)乃至(12)のいずれか一項に記載のインク組成物の液滴を、記録信号に応じて吐出させて被記録材に付着させ、記録を行うインクジェット記録方法。
(14)
被記録材が情報伝達用シートである上記(13)に記載のインクジェット記録方法。
(15)
情報伝達用シートが普通紙、又は、多孔性白色無機物を含むインク受容層を有するシ−トである上記(14)に記載のインクジェット記録方法。
(16)
上記(13)乃至(15)のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法により着色された着色体。
(17)
上記(1)乃至(11)のいずれか一項に記載のインク組成物を含む容器が装填されたインクジェットプリンタ。
本発明により、発色性(印字濃度)が高い黒色の記録画像を与える水性黒色インク組成物、これを用いるインクジェット記録方法及び着色体が提供できた。
本明細書においては、特に断りの無い限り、「色素又はその塩、若しくはそれらの混合物」を、以下「色素」と簡略化して記載する。また、「%」及び「部」については、特に断りの無い限り、質量基準で記載する。
上記式(1)で表される色素は、水溶性の黒色色素である。
、R、R、R、R、R及びRにおけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましく、フッ素原子、塩素原子がより好ましい。
、R、R、R、R、R及びRにおけるアルキル基としては、直鎖又は分岐鎖のものが挙げられ、直鎖のものが好ましい。炭素数の範囲としては、C1−C4が好ましい。その具体例としては例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチルといった直鎖のもの;イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルといった分岐鎖のもの;等が挙げられる。好ましい具体例としては、メチル、n−プロピルが挙げられ、メチルがより好ましい。
、R、R、R、R、R及びRにおけるアルコキシ基としては、アルキル部分が直鎖又は分岐鎖のものが挙げられ、直鎖のものが好ましい。炭素数の範囲としては、C1−C4が好ましい。その具体例としては例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシといった直鎖のもの;イソプロポキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシといった分岐鎖のもの;等が挙げられる。好ましい具体例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシが挙げられ、メトキシがより好ましい。
、R、R、R、R、R及びRにおける、ヒドロキシ基、及びアルコキシ基から選択される基で置換されたアルキル基としては、アルキル基に、ヒドロキシ基及びアルコキシ基の両方、又はいずれか一方が置換したものが挙げられる。アルキル基及びアルコキシ基としては、好ましいもの等を含めて、上記「R、R、R、R、R、R及びRにおけるアルキル基」及び「R、R、R、R、R、R及びRにおけるアルコキシ基」と同じものが挙げられる。これらの基がアルキル基に置換する数としては、通常1つ又は2つ、好ましくは1つである。その具体例としては、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシ−n−プロピル、4−ヒドロキシ−n−ブチル等の、ヒドロキシアルキル基;メトキシメチル、2−メトキシエチル、3−メトキシ−n−プロピル、4−メトキシ−n−ブチル、エトキシメチル、2−エトキシエチル、3−エトキシ−n−プロピル、4−エトキシ−n−ブチル、n−プロポキシメチル、2−(n−プロポキシ)エチル、3−(n−プロポキシ)−n−プロピル、4−(n−プロポキシ)−n−ブチル、(n−ブトキシ)メチル、2−(n−ブトキシ)エチル、3−(n−ブトキシ)−n−プロピル、4−(n−ブトキシ)−n−ブチル等の、アルコキシアルキル基;2−ヒドロキシ−2−エトキシ-エチル、3−ヒドロキシ−3−(n−ブドキシ)−n−プロピル、4−ヒドロキシ−4−(n−ブトキシ)−n−ブチル等の、ヒドロキシ基及びアルコキシ基の両方が置換したアルキル基;等が挙げられる。
、R、R、R、R、R及びRにおける、ヒドロキシ基、アルコキシ基、スルホ基、及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたアルコキシ基としては、アルコキシ基の炭素原子に、上記の群から選択される少なくとも1種類の基が置換したものが挙げられる。置換する基の数は特に制限されないが、通常1つ又は2つ、好ましくは1つである。
これらのアルコキシ基は、いずれも、上記「R、R、R、R、R、R及びRにおけるアルコキシ基」と具体例、好ましいもの等を含めて同じものが挙げられる。その具体例としては、ヒドロキシメトキシ、ヒドロキシエトキシ、ヒドロキシ−n−プロポキシ、ヒドロキシ−n−ブトキシ等の、ヒドロキシアルコキシ基;メトキシメトキシ、メトキシエトキシ、メトキシ−n−プロポキシ、メトキシ−n−ブトキシ、エトキシメトキシ、エトキシエトキシ、エトキシ−n−プロポキシ、エトキシ−n−ブトキシ、(n−プロポキシ)メトキシ、(n−プロポキシ)エトキシ、(n−プロポキシ)−n−プロポキシ、(n−プロポキシ)−n−ブトキシ、(n−ブトキシ)メトキシ、(n−ブトキシ)エトキシ、(n−ブトキシ)−n−プロポキシ、(n−ブトキシ)−n−ブトキシ、イソプロポキシメトキシ、イソプロポキシエトキシ、イソプロポキシ−n−プロポキシ、イソプロポキシ−n−ブトキシ、(tert−ブトキシ)メトキシ、(tert−ブトキシ)エトキシ、(tert−ブトキシ)−n−プロポキシ、(tert−ブトキシ)−n−ブトキシ等の、アルコキシアルコキシ基;スルホメトキシ、スルホエトキシ、スルホ−n−プロポキシ、スルホ−n−ブトキシ等のスルホアルコキシ基;カルボキシメトキシ、カルボキシエトキシ、カルボキシ−n−プロポキシ、カルボキシ−n−ブトキシ等のカルボキシアルコキシ基;等が挙げられる。これらの中では、スルホ−n−プロポキシ、スルホ−n−ブトキシ、カルボキシ−n−プロポキシ、カルボキシ−n−ブトキシが好ましく、スルホ−n−プロポキシ、スルホ−n−ブトキシがより好ましい。
、R、R、R及びRにおけるアシル基としては、アルキルカルボニル基、フェニルカルボニル基、及びホルミル基等が挙げられる。
アルキルカルボニル基としては、アルキル部分が直鎖又は分岐鎖のものが挙げられ、直鎖のものが好ましい。アルキル部分の炭素数は、C1−C4が好ましい。その具体例としては例えば、メチルカルボニル、エチルカルボニル、n−プロピルカルボニル、n−ブチルカルボニル等の直鎖のもの;イソプロピルカルボニル、イソブチルカルボニル、sec−ブチルカルボニル、tert−ブチルカルボニル等の分岐鎖のもの;等が挙げられる。
上記の中では、アルキルカルボニル基、フェニルカルボニル基が好ましく、メチルカルボニル基がより好ましい。
、R、R、R及びRにおけるN−アルキルアミノスルホニル基としては、アルキル部分の炭素数が通常C1−C8、好ましくはC1−C6、より好ましくはC1−C4のものが挙げられる。その具体例としては、N−メチルアミノスルホニル、N−エチルアミノスルホニル、N−(n−プロピル)アミノスルホニル、N−(n−ブチル)アミノスルホニル、N−イソプロピルアミノスルホニル、N−(tert−ブチル)アミノスルホニル等が挙げられる。N−メチルアミノスルホニル、N−エチルアミノスルホニル、N−(n−プロピル)アミノスルホニル、N−(n−ブチル)アミノスルホニルが好ましく、N−メチルアミノスルホニル、N−エチルアミノスルホニルがより好ましい。
、R、R、R及びRにおける、スルホ基、カルボキシ基、及びヒドロキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類以上の基で置換されたN−アルキルアミノスルホニル基としては、上記「R、R、R、R及びRにおけるN−アルキルアミノスルホニル基」のアルキル部分の炭素原子にスルホ基、カルボキシ基、及びヒドロキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類以上の基が置換したものが挙げられる。
上記の群から選択される基が置換する位置は特に制限されない。置換する基の数は特に制限されないが通常1つ乃至3つ、好ましくは1つである。
その具体例としては、N−スルホメチルアミノスルホニル、N−(2−スルホエチル)アミノスルホニル、N−(3−スルホ−n−プロピル)アミノスルホニル、N−(4−スルホ−n−ブチル)アミノスルホニル等のスルホアルキルアミノスルホニル基;N−カルボキシメチルアミノスルホニル、N−(2−カルボキシエチル)アミノスルホニル、N−(3−カルボキシ−n−プロピル)アミノスルホニル、N−(4−カルボキシ−n−ブチル)アミノスルホニル等のカルボキシアルキルアミノスルホニル基;N−ヒドロキシメチルアミノスルホニル基、N−(2−ヒドロキシエチル)アミノスルホニル、N−(3−ヒドロキシ−n−プロピル)アミノスルホニル、N−(4−ヒドロキシ−n−ブチル)アミノスルホニル等のヒドロキシアルキルアミノスルホニル基;等が挙げられる。これらの中では、スルホ基、又はカルボキシ基で置換されたものが好ましく、具体例の中ではN−(2−スルホエチル)アミノスルホニル、N−(2−カルボキシエチル)アミノスルホニルが好ましい。
、R、R、R及びRにおけるアルキルスルホニル基としては、炭素数の範囲が通常C1−C8、好ましくはC1−C6、より好ましくはC1−C4のものが挙げられる。これらの中では、上記「R、R、R、R、R、R及びRにおけるアルキル基」と具体例、好ましいもの、より好ましいものを含めて同じアルキル基を有するアルキルスルホニル基がさらに好ましい。その具体例としては、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n−プロピルスルホニル、n−ブチルスルホニル等が挙げられる。
、R、R、R及びRにおける、スルホ基、カルボキシ基、及びヒドロキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類以上の基で置換されたアルキルスルホニル基としては、上記「R、R、R、R及びRにおけるアルキルスルホニル基」のアルキル部分の炭素原子にスルホ基、カルボキシ基、及びヒドロキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類以上の基が置換したものが挙げられる。
上記の軍から選択される基が置換する位置は特に制限されない。置換する基の数は特に制限されないが通常1つ乃至3つ、好ましくは1つ又は2つである。
その具体例としては、スルホメチルスルホニル、2−スルホエチルスルホニル、3−スルホ−n−プロピルスルホニル、4−スルホ−n−ブチルスルホニル等のスルホアルキルスルホニル基;カルボキシメチルスルホニル、2−カルボキシエチルスルホニル、3−カルボキシ−n−プロピルスルホニル、4−カルボキシ−n−ブチルスルホニル等のカルボキシアルキルスルホニル基;ヒドロキシメチルスルホニル、2−ヒドロキシエチルスルホニル、3−ヒドロキシ−n−プロピルスルホニル、4−カルボキシ−n−ブチルスルホニル等のヒドロキシアルキルスルホニル基;等が挙げられる。これらの中では、スルホ基、又はカルボキシ基で置換されたものが好ましい。また、具体例の中では2−スルホエチルスルホニル、2−カルボキシエチルスルホニルが好ましい。
、R、R、R、R、R及びRにおけるアシルアミノ基としては、非置換のアミノ基に、上記「R、R、R、R及びRにおけるアシル基」が置換したものが挙げられ、アルキルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基等が挙げられる。
上記のうち、アルキルカルボニルアミノ基の具体例としては、例えば、メチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノ、n−プロピルカルボニルアミノ、n−ブチルカルボニルアミノ等の直鎖のアルキルカルボニルアミノ基;イソプロピルカルボニルアミノ、イソブチルカルボニルアミノ、sec−ブチルカルボニルアミノ、tert−ブチルカルボニルアミノ等の分岐鎖のアルキルカルボニルアミノ基;が挙げられる。これらの中では直鎖のものが好ましい。
これらの中ではメチルカルボニルアミノ、及びフェニルカルボニルアミノから選択される基が好ましい。
、R、R、R、R、R及びRにおけるアルキルスルホニルアミノ基としては、炭素数の範囲が通常C1−C8、好ましくはC1−C6、より好ましくはC1−C4のものが挙げられる。これらの中では、上記「R、R、R、R、R、R及びRにおけるアルキル基」と具体例、好ましいもの、より好ましいものを含め同じアルキル基を有するアルキルスルホニルアミノ基がさらに好ましい。
その具体例としては、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ、n−プロピルスルホニルアミノ、n−ブチルスルホニルアミノ等の直鎖のアルキルスルホニルアミノ基;イソプロピルスルホニルアミノ、tert−ブチルスルホニルアミノ等の分岐鎖のアルキルスルホニルアミノ基;等が挙げられる。これらの中では直鎖のものが好ましい。また、具体例の中ではメチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノが好ましい。
、R、R、R、R、R及びRにおける、ハロゲン原子、アルキル基、及びニトロ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたフェニルスルホニルアミノ基としては、任意の炭素原子にハロゲン原子、アルキル基、及びニトロ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基が置換したフェニルスルホニルアミノ基が挙げられる。
上記の群から選択される少なくとも1種類の基が置換する位置は特に制限されない。置換する基の数は特に制限されないが通常1つ乃至3つ、好ましくは1つ又は2つ、より好ましくは1つである。
ハロゲン原子としては、上記「R、R、R、R、R、R及びRにおけるハロゲン原子」と具体例、好ましいもの、より好ましいもの等を含めて同じものが挙げられる。
アルキル基としても同様に、上記「R、R、R、R、R、R及びRにおけるアルキル基」と具体例、好ましいもの、より好ましいもの等を含めて同じものが挙げられる。
上記の群より選択される少なくとも1種類以上の基で置換されたフェニルスルホニルアミノ基の具体例としては、2−クロロフェニルスルホニルアミノ、3−クロロフェニルスルホニルアミノ、4−クロロフェニルスルホニルアミノ、2−ブロモフェニルスルホニルアミノ、4−フルオロフェニルスルホニルアミノ等のハロゲン原子で置換されたフェニルスルホニルアミノ基;2−メチルフェニルスルホニルアミノ、3−メチルフェニルスルホニルアミノ、4−メチルフェニルスルホニルアミノ、2−エチルフェニルスルホニルアミノ、3−(n−プロピル)フェニルスルホニルアミノ、4−(n−ブチル)フェニルスルホニルアミノ等のアルキル基で置換されたフェニルスルホニルアミノ基;2−ニトロフェニルスルホニルアミノ、3−ニトロフェニルスルホニルアミノ、4−ニトロフェニルスルホニルアミノ等のニトロ基で置換されたフェニルスルホニルアミノ基;等が挙げられる。これらの中ではアルキル基で置換されたものが好ましい。また、具体例の中では4−メチルフェニルスルホニルアミノがより好ましい。
及びRにおけるアルキルチオ基としては、アルキル部分が直鎖又は分岐鎖のものが挙げられ、直鎖のものが好ましい。その炭素数の範囲はC1−C4が好ましい。
その具体例としては、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、n−ブチルチオといった直鎖のもの;イソプロピルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ、tert−ブチルチオといった分岐鎖のもの;等が挙げられる。具体例の中ではメチルチオが好ましい。
及びRにおける、スルホ基、及びカルボキシ基から選択される基で置換されたアルキルチオ基としては、上記「R及びRにおけるアルキルチオ基」の任意の炭素原子に、これらの置換基を有するものが挙げられる。置換する基の数は、通常1つ又は2つ、好ましくは1つである。置換する基の位置は特に制限されない。その具体例としては例えば、2−スルホエチルチオ、3−スルホ−n−プロピルチオ、4−スルホ−n−ブチルチオ基等のスルホ基アルキルチオ基;2−カルボキシエチルチオ、3−カルボキシ−n−プロピルチオ、4−カルボキシ−n−ブチルチオ等のカルボキシアルキルチオ基;等が挙げられ、スルホ基で置換されたものが好ましい。具体例の中では、3−スルホプロピルチオが好ましい。
上記のうち、R及びRとしては、それぞれ独立に、水素原子;スルホ基;カルボキシ基;及び、ヒドロキシ基;よりなる群から選択される基が好ましい。
及びRとしてより好ましいものは、いずれか一方が水素原子又はスルホ基であり、他方がカルボキシ基、スルホ基又はアルコキシ基の場合であり、さらに好ましくは、いずれか一方が水素原子で、他方がカルボキシル基又はスルホ基の場合である。
これらの中では、Rがカルボキシ基、又はスルホ基であり、Rが水素原子であるのが特に好ましい。
上記のうち、R及びRとしては、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;カルボキシ基;スルホ基;スルホ基、及びカルボキシ基から選択される基で置換されたアルコキシ基;及び、スルホ基、及びカルボキシ基で置換されたアルキルチオ基;よりなる群から選択される基が好ましい。
及びRとしてより好ましいものは、一方がスルホ基、カルボキシ基、又はスルホアルコキシ基であり、他方が水素原子、スルホ基又はアルキル基の場合であり、さらに好ましくは、一方がスルホ基で他方が水素原子の場合である。
これらの中では、Rがスルホ基であり、Rが水素原子であるのが特に好ましい。
上記のうち、R乃至Rは、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;スルホ基;カルボキシ基;ヒドロキシ基;及びアルコキシ基;よりなる群から選択される基が好ましい。
、R及びRとして好ましいものは、いずれか1つがハロゲン原子、スルホ基、カルボキシ基、又はアルコキシ基の場合であり、これらの中ではスルホ基がより好ましい。
これらの中では、Rが水素原子、カルボキシ基又はスルホ基であり、Rがカルボキシ基又はスルホ基であり、Rが水素原子であるのが特に好ましい。
nは0又は1の何れでもよいが、1が好ましい。
上記RからRのうち、5つ以上がイオン性親水性基であるのが好ましく、3つ以上がイオン性親水性基であるのがより好ましく、イオン性親水性基がスルホ基、及びカルボキシ基から選択される基であるのがさらに好ましい。
上記のRからRのうち、好ましいものを組み合せた化合物はより好ましく、より好ましいものを組み合せた化合物はさらに好ましい。好ましいものと、より好ましいものとの組み合わせ等についても同様である。
上記式(1)で表される色素としては、下記表1乃至3に具体例を挙げることができる。ただし、これらに限定されるものではない。
Figure 0006198332
Figure 0006198332
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上記式(1)で表される色素は遊離酸、あるいはその塩として用いることもできる。式(1)で表される化合物の塩としては、無機又は有機陽イオンとの塩が挙げられる。無機陽イオンの塩の具体例としてはアルカリ金属塩、例えばリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等の塩;及びアンモニウム塩(NH4 +)が挙げられる。また、有機陽イオンとしては、たとえば下記式(16)で表される4級アンモニウムが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
Figure 0006198332
上記式(16)中、Z1〜Z4はそれぞれ独立に水素原子、C1−C4アルキル基、ヒドロキシC1−C4アルキル基、又はヒドロキシC1−C4アルコキシC1−C4アルキル基を表し、Z1〜Z4の少なくとも1つは水素原子以外の基である。
ここで、Z1〜Z4における上記C1−C4アルキル基の例としてはメチル、エチル等が挙げられる。同様に、上記ヒドロキシC1−C4アルキル基の例としては、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル等が挙げられる。同様に、上記ヒドロキシC1−C4アルコキシC1−C4アルキル基の例としては、ヒドロキシエトキシメチル、2−ヒドロキシエトキシエチル、3−(ヒドロキシエトキシ)プロピル、3−(ヒドロキシエトキシ)ブチル、2−(ヒドロキシエトキシ)ブチル等が挙げられる。
上記塩のうち好ましいものは、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンの塩等の有機4級アンモニウム塩;アンモニウム塩;等が挙げられる。これらのうち、より好ましくは、リチウム塩、ナトリウム塩、及びアンモニウム塩である。
当業者においては明らかなように、上記式(1)で表される化合物の塩又は遊離酸は、周知の方法等により、容易に得ることができる。
上記式(1)で表される色素の塩は、その塩の種類により溶解性等の物理的な性質、あるいはインクとして用いた場合のインクの性能が変化する場合もある。このため目的とするインク性能等に応じて塩の種類を選択することも好ましく行われる。
上記式(1)で表される化合物は、反応終了後、塩酸等の鉱酸の添加により固体の遊離酸として単離することができ、得られた遊離酸の固体を水、又は、例えば塩酸水等の酸性水で洗浄すること等により、不純物として含有する無機塩(無機不純物)、例えば塩化ナトリウムや硫酸ナトリウム等を除去することができる。
上記インク組成物は、上記式(1)で表される色素と共に、実質的に水に不溶性の色素を着色剤として含有する。
実質的に水に不溶性の色素とは、25℃において、100部の水に対する色素の溶解量が通常2g以下、好ましくは1g以下、より好ましくは0.1g以下の色素を意味する。
実質的に水に不溶性の色素としては、例えば分散染料及び顔料等が挙げられる。これらの中では顔料が好ましく、黒色の顔料がより好ましく、カーボンブラックがさらに好ましい。カーボンブラックを含有することにより、高い発色性を実現できる上、耐湿性、耐水性、耐オゾンガス性等の各種堅牢性を格段に向上することができる。
カーボンブラックとしては、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック等を挙げることができる。当該カーボンブラックの具体例としては、例えばRaven760ULTRA、Raven780ULTRA、Raven790ULTRA、Raven1060ULTRA、Raven1080ULTRA、Raven1170、Raven1190ULTRA II、Raven1200、Raven1250、Raven1255、Raven1500、Raven2000、Raven2500ULTRA、Raven3500、Raven5000ULTRA II、Raven5250、Raven5750、Raven7000(コロンビア・カーボン社製);Monarch700、Monarch800、Monarch880、Monarch900、Monarch1000、Monarch1100、Monarch1300、Monarch1400、Regal1330R、Regal1400R、Regal1660R、Mogul L(キャボット社製);Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW200、Color Black S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、 Printex 140U、 Printex 140V、 SpecIal Black 4、SpecIal Black 4A、SpecIal Black 5、Special Black 6(デグサ社製);MA7、MA8、MA100、MA600、MCF−88、No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300(三菱化学社製);及び、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。なお、本明細書において「C.I.」とは、「カラーインデックス」を意味する。
上記インク組成物は、着色剤に加えて分散剤を含有するのが好ましい。分散剤としては、例えば、リグニンスルホン酸、セラック等の天然高分子;ポリアクリル酸、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マイレン酸共重合体、スチレン−マイレン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マイレン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マイレン酸共重合体等が挙げられる。分散剤としては、その分子内にカルボキシ基を含有する樹脂が好ましい。
分散剤の分子量(MW)の範囲は特に限定されないが、3000〜50000が好ましく、より好ましくは7000〜25000である。
分散剤としては市販の樹脂を使用してもよい。その具体例としては、例えば、いずれもジョンソンポリマー社製のジョンクリル62、67、68、678、及び687等のスチレン−アクリル系樹脂;モビニールS−100A(ヘキスト合成社製の変性酢酸ビニル樹脂);ジュリマーAT−210(日本純薬株式会社製のポリアクリル酸エステル共重合体);等が挙げられる。
上記インク組成物中における、実質的に水に不溶性の色素の平均粒径は通常300nm以下、好ましくは50nm〜200nm、より好ましくは60nm〜120nmである。この平均粒径とすることにより、これを含有する分散液、及びインク組成物の分散安定性、及びインクジェット記録に用いたときの吐出安定性が優れるとともに、記録画像の発色性(印字濃度)を高くすることができる。この平均粒径は、レーザ光散乱を用いて測定できる。
上記インク組成物の総質量中における、着色剤の総含有量は通常3%以上15%以下、好ましくは5%以上10%以下がより好ましい。
また、上記インク組成物が含有する着色剤の総質量中における、実質的に水に不溶性の色素の含有量は通常50%以上90%以下、好ましくは60%以上80%以下である。
また、上記インク組成物は、黒色の微妙な色合いを調整する目的等により、上記式(1)及び実質的に水に不溶性の色素以外の着色剤として、他の調色用の色素等を適宜含有してもよい。
調色用色素の色相は特に制限されないが、例えば、イエロー(例えばC.I.ダイレクトイエロー34、C.I.ダイレクトイエロー58、C.I.ダイレクトイエロー86、C.I.ダイレクトイエロー132、C.I.ダイレクトイエロー161等);オレンジ(例えばC.I.ダイレクトオレンジ17、C.I.ダイレクトオレンジ26、C.I.ダイレクトオレンジ29、C.I.ダイレクトオレンジ39、C.I.ダイレクトオレンジ49等);ブラウン、スカーレット(例えばC.I.ダイレクトレッド89等);レッド(例えばC.I.ダイレクトレッド62、C.I.ダイレクトレッド75、C.I.ダイレクトレッド79、C.I.ダイレクトレッド80、C.I.ダイレクトレッド84、C.I.ダイレクトレッド225、C.I.ダイレクトレッド226等);マゼンタ(例えばC.I.ダイレクトレッド227等);バイオレット、ブルー、ネイビー、シアン(例えばC.I.ダイレクトブルー199、C.I.アシッドブルー249等);グリーン(例えばアシッドグリーン1);ブラック(例えばC.I.アシッドブラック2);等の種々の色相を有する色素が挙げられる。
上記インク組成物は水を媒体として調製され、本発明の効果を阻害しない範囲において、水溶性有機溶剤(水と混和可能な有機溶剤)を含有してもよい。この水溶性有機溶剤は、染料の溶解;組成物の乾燥の防止(湿潤状態の保持);組成物の粘度の調整;色素の被記録材への浸透の促進;組成物の表面張力の調整;組成物の消泡;等の効果を得られることもあるため、上記インク組成物には含有する方が好ましい。
上記水性インク組成物の調整において用いられる水溶性有機溶剤としては、特に限定されるものではなく、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノール等のC1−C6アルカノール;N,N−ジメチルホルムアミドまたはN,N−ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド;2−ピロリドン、N−メチルピロリジン−2−オン等のラクタム;1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オンまたは1,3−ジメチルヘキサヒドロピリミド−2−オン等の環式尿素類;アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン等のケトンまたはケトアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル;エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、1,2−へキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール等のC2−C6アルキレン単位を有するモノ、オリゴまたはポリアルキレングリコールまたはチオグリコール;グリセリン、ヘキサン−1,2,6−トリオール、トリメチロールプロパン等のポリオール(トリオール);エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)又はトリエチレングリコールモノメチルエーテル又はトリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールのC1−C4アルキルエーテル;γーブチロラクトン;及び、ジメチルスルホキシド;等が挙げられる。
これらの中では、環式尿素類、ポリオール(トリオール)、C2−C6アルキレン単位を有するモノ、オリゴまたはポリアルキレングリコールまたはチオグリコールが好ましい。
上記の具体例の中では2−ピロリドン、グリセリン、エチレングリコール、ペンタメチレングリコール、1,2−へキシレングリコールが好ましい。
これらの水溶性有機溶剤は、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
なお、上記の水溶性有機溶剤には、例えばトリメチロールプロパン等のように、常温で固体の物質も含まれている。しかし、該物質等は固体であっても水溶性を示し、さらに該物質等を含有する水溶液は水溶性有機溶剤と同様の性質を示し、同じ効果を期待して使用することができる。このため本明細書においては、便宜上、このような固体の物質であっても上記と同じ効果を期待して使用できる限り、水溶性有機溶剤の範疇に含むこととする。
上記インク組成物の総質量に対して、水溶性有機溶剤の総含有量は通常0〜50%、好ましくは15〜50%である。
上記インク組成物は、インク組成物の保存安定性の向上等を目的として、更にインク調製剤を含有しても良い。このインク調製剤としては、例えば防腐剤、防黴剤、pH調整剤、キレート試薬、防錆剤、水溶性紫外線吸収剤、水溶性高分子化合物、染料溶解剤、酸化防止剤、界面活性剤、及び消泡剤等が挙げられる。
防黴剤としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン及びその塩等が挙げられる。
防腐剤としては、例えば有機硫黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、ハロアリルスルホン系、ヨードプロパギル系、N−ハロアルキルチオ系、ニトリル系、ピリジン系、8−オキシキノリン系、ベンゾチアゾール系、イソチアゾリン系、ジチオール系、ピリジンオシキド系、ニトロプロパン系、有機スズ系、フェノール系、第4アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロム化インダノン系、ベンジルブロムアセテート系、無機塩系等の化合物が挙げられる。有機ハロゲン系化合物としては、例えばペンタクロロフェノールナトリウムが挙げられ、ピリジンオシキド系化合物としては、例えば2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウムが挙げられ、無機塩系化合物としては、例えば無水酢酸ソーダが挙げられ、イソチアゾリン系化合物としては、例えば1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンマグネシウムクロライド、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド等が挙げられる。
その他の防腐防黴剤として、ソルビン酸ソーダ、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。
pH調整剤としては、インク組成物のpHを例えば5〜11の範囲に制御できるものであれば任意の物質を使用することができる。その具体例として、例えばジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等のアルカノールアミン;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;水酸化アンモニウム(アンモニア);炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;酢酸カリウム、ケイ酸ナトリウム等の有機塩基;リン酸二ナトリウム等の無機塩基;等が挙げられる。
キレート試薬としては、例えばエチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラシル二酢酸ナトリウム等が挙げられる。
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグルコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト等が挙げられる。
水溶性紫外線吸収剤としては、例えばスルホ化されたベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾ−ル系化合物、サリチル酸系化合物、桂皮酸系化合物、トリアジン系化合物が挙げられる。
水溶性高分子化合物としては、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアミン、ポリイミン等が挙げられる。
染料溶解剤としては、例えばε−カプロラクタム、エチレンカーボネート、尿素等が挙げられる。これらの中では尿素が好ましい。
酸化防止剤としては、例えば、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。前記有機系の褪色防止剤としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、複素環類等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えばアニオン系、カチオン系、ノニオン系等の公知の界面活性剤が挙げられる。
アニオン界面活性剤としてはアルキルスルホン酸塩、アルキルカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸およびその塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリルスルホン塩酸、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキルシルスルホ琥珀酸、ジオクチルスルホ琥珀酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては2−ビニルピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体等が挙げられる。
両性界面活性剤としてはラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシンその他イミダゾリン誘導体等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアリールアルキルエーテル等のエーテル系;ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オール等のアセチレングリコール系;等が挙げられる。
消泡剤としては、高酸化油系、グリセリン脂肪酸エステル系、フッ素系、シリコーン系化合物等が挙げられる。
これらのインク調製剤は、単独又は混合して用いられる。なお、上記インク組成物の表面張力は通常25〜70mN/m、好ましくは25〜60mN/mであり、粘度は30mPa・s以下が好ましく、20mPa・s以下に調整することがより好ましい。
上記インク組成物の製造において、色素やインク調製剤等の各成分を混合する順序には特に制限はない。インク組成物の調製に用いる水は、イオン交換水、蒸留水等の不純物が少ないものが好ましい。
また、上記インク組成物の製造においては、実質的に水に不溶性の色素の分散液を調製し、これと、他の各成分とを混合してインク組成物を調製するのが好ましい。
上記の分散液を調製する方法としては、実質的に水に不溶性の色素と、分散剤と、水との混合物をサンドミル(ビーズミルともいう。)ロールミル、ボールミル、ペイントシェーカー、超音波分散機、マイクロフルイダイザー等を用いて混合分散する公知の方法が挙げられる。これらの中ではサンドミルが好ましい。サンドミルを用いた分散液の調製は、径の小さいビーズ(0.01mm〜1mm径)を使用し、ビーズの充填率を大きくすること等により、分散効率を高めた条件で行うことが望ましい。
また、分散液の調製後に、濾過及び/又は遠心分離等により、ビーズ等を除去するのとともに、目的とする平均粒径からの乖離が大きい色素を除去することも好ましく行われる。
また、黒色着色分散液を調製時に泡たち等を生じるときは、これを抑える目的で、公知のシリコーン系、アセチレングリコール系等の消泡剤を極微量添加してもよい。但し、消泡剤には、カーボンブラックの分散や微粒子化を障害するものもあり、分散や分散後の安定性に影響を及ぼさないものを適宜使用するのが好ましい。
また、必要に応じインク組成物の調製後に、メンブランフィルター等を用いて精密濾過を行って、インク組成物中の夾雑物を除いてもよい。特に、本発明のインク組成物をインクジェット記録用のインクとして使用する場合には、精密濾過を行うことが好ましい。
精密濾過に使用するフィルターの孔径は通常1μm〜0.1μm、好ましくは0.8μm〜0.1μmである。
上記インク組成物は、印捺、複写、マーキング、筆記、製図、スタンピング、又は記録(印刷)、特にインクジェット記録における使用に適する。
上記インクジェット記録方法は、上記インク組成物の液滴を、記録信号に応じて吐出させて被記録材に付着させ、記録を行う方法である。
インクジェット記録を行うときのインクノズル、及びプリンタの吐出方式等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式;ピエゾ素子の振動圧力を利用してインクを吐出させるドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式);電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式;、インクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力によりインクを吐出させるサーマルインクジェット(バブルジェット(登録商標))方式;等のいずれの方式をも用いることができる。
なお、前記インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数吐出させる方式;実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式;及び、無色透明のインクを用いる方式;等も含まれる。
上記の着色体は、上記インク組成物で着色された物質を意味し、好ましくは上記インク組成物をインクジェットプリンタによって吐出させて着色された物質である。
上記の物質としては、上記インク組成物により着色される物質であれば特に制限されない。その一例としては、例えば、紙、フィルム等の情報伝達用シート;繊維や布(セルロース、ナイロン、羊毛等);皮革;及び、カラーフィルター用基材;等が挙げられる。
情報伝達用シートとしては、表面処理されたもの、具体的には紙、合成紙、フィルム等の基材にインク受容層を設けたものが挙げられる。インク受容層は、例えば上記基材にカチオン系ポリマーを含浸あるいは塗工すること;多孔質シリカ、アルミナゾルや特殊セラミックス等のインク中の色素を吸収し得る多孔性白色無機物をポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の親水性ポリマーと共に上記基材表面に塗工すること;等により設けられる。このようなインク受容層を設けたものは通常インクジェット専用紙(フィルム)、光沢紙(フィルム)等と呼ばれる。その市販品としては、例えば、ピクトリコ(旭硝子株式会社製);プロフェッショナルフォトペーパー、スーパーフォトペーパー、マットフォトペーパー、光沢ゴールド、プラチナグレード(いずれもキヤノン株式会社製);写真用紙(光沢)、フォトマット紙、写真用紙クリスピア(高光沢)(いずれもセイコーエプソン株式会社製);プレミアムプラスフォト用紙、プレミアム光沢フィルム、フォト用紙、アドバンストフォトペーパー(いずれも日本ヒューレット・パッカード株式会社製);フォトライクQP(コニカ株式会社製)、画彩写真仕上げPro(富士フイルム株式会社製)等が挙げられる。
また、インク受容層を有しない被記録材としては、普通紙、上質紙、コート紙等が挙げられる。
これらのうち、特に多孔性白色無機物を表面に塗工した被記録材に記録した画像がオゾンガスによって変退色が大きくなることが知られている。上記インク組成物は、このような被記録材への記録したときでも優れた耐オゾンガス性を発揮する。
上記インクジェット記録方法で被記録材に記録するときは、例えば上記インク組成物を含有する容器をインクジェットプリンタの所定の位置に装填し、上記インクジェット記録方法で、被記録材に記録を行う。
上記インクジェット記録方法では、上記の黒色インク組成物の他に、公知のマゼンタインク組成物、シアンインク組成物、イエローインク組成物、及び、必要に応じてグリーンインク組成物、ブルー(又はバイオレット)インク組成物及びレッド(又はオレンジ)インク組成物と併用することができる。各色のインク組成物は、それぞれの容器に注入され、その容器を、上記インク組成物を含有する容器と同様に、インクジェットプリンタの所定の位置に装填することにより、インクジェット記録を行うことができる。
上記インク組成物は、普通紙及びインク受容層を有する情報伝達用シートといった被記録材上で非常に鮮明で、発色性(印字濃度)が高く、彩度の低い理想的な色相の黒色の記録画像を与える。このため、写真調のカラー画像を紙の上に忠実に再現させることも可能である。
また、上記インク組成物は長期間保存後の固体の析出、物性変化、色相変化等もなく、保存(貯蔵)安定性が極めて良好である。
上記インク組成物はインクジェット記録用、筆記具用として用いられ、特にインクジェットインクとして使用しても、ノズル付近におけるインク組成物の乾燥による固体の析出は非常に起こりにくく、噴射器(記録ヘッド)を閉塞することもない。
また、上記インク組成物は、連続式インクジェットプリンタを用い、比較的長い時間間隔においてインクを再循環させて使用するとき;又は、オンデマンド式インクジェットプリンタにより断続的に使用するとき;のいずれにおいても、物理的性質の変化を起こさない。
さらに、上記インク組成物により、インク受容層を有する情報伝達用シートに記録された画像は、耐水性、耐湿性、耐オゾンガス性、耐擦性、耐光性等の各種堅牢性、特に耐水性、耐オゾンガス性が良好である。この理由から、写真調の画像の長期保存安定性にも優れている。
また、従来のインクと比較して、普通紙上での彩度、明度、及び印字濃度等の発色性、演色性、特に近赤外光領域のセンサー対応特性および発色性の高さにも優れる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
また、下記の各式において、スルホ及びカルボキシ等の酸性官能基は、遊離酸の形で表記した。
[調製例1:]実質的に水に不溶性の色素を含有する分散液の調製
ジョンクリル678(MW:8500)4.2部、及びトリエタノールアミン2.4部をイオン交換水65.4部に溶解し、一時間撹拌した。得られた溶液にC.I.ピグメントブラック7(28部)を加え、1500rpmの条件下で20時間、サンドグラインダーで分散処理を行った。得られた分散液にイオン交換水100部を滴下した後、この液を濾過することにより、実質的に水に不溶性の色素の含有量が14.4%、平均粒径83nmである分散液を得た。これを「分散液1」とする。
なお、平均粒径の測定には、動的光散乱式粒径分布測定装置、LB−500、株式会社堀場製作所製を用いた。
[実施例1及び2]
下記表4に記載の各成分を混合し、おおよそ1時間攪拌した後、0.80μmのメンブランフィルター(商品名、セルロースアセテート系濾紙、アドバンテック社製)で濾過することにより、評価試験用の実施例1及び実施例2のインク組成物を調製した。
[比較例1]
下記式(3)で表される色素の代わりに、C.I.Direct Black 19を用いる以外は実施例2と同様にして、比較用のインク組成物を調製した。これを比較例1とする。
[比較例2]
下記式(3)で表される色素の代わりに、C.I.Acid Black 2を用いる以外は実施例2と同様にして、比較用の黒色インクを調製した。これを比較例2とする。
下記表4中、「式(3)」は下記式(3)で表される色素を意味する。下記式(3)で表される色素は、上記式(1)中、R、R及びRがスルホ、R、R、R及びRが水素原子、nが1である色素である。この化合物は、国際公開2006/051850号に記載の方法を追試することにより得た。
下記表4中の略号等は以下の意味を有する。また、記号「−」は、その成分を含有しないことを意味する。
DB19:C.I.ダイレクトブラック19。
AB2:C.I.アシッドブラック2。
DEGMBE:ジエチレングリコールモノブチルエーテル。
防腐剤:ArchChemicals社製、商品名プロキセルGXL(S)。
界面活性剤:日信化学株式会社製、商品名サーフィノール440。
Figure 0006198332
Figure 0006198332
[(B)インクジェット記録]
上記の各実施例、及び比較例のインク組成物を使用し、インクジェットプリンタ(EPSON株式会社製、商品名PX−105)により、下記の被記録材にインクジェット記録を行った。
普通紙1:日本製紙株式会社製、Npi70。
普通紙2:王子製紙株式会社製、OKH−Jオフ。
インクジェット記録は、100%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%濃度の10段階の階調の画像パターンが得られるように行い、濃黒色〜淡黒色のグラデーションの記録物を得た。得られた各記録物を24時間自然乾燥し、これらを試験片とし、以下の発色性評価試験を実施した。
[(C)発色性評価]
各試験片の発色性(印字濃度:OD)を、GRETAG−MACBETH社製の測色機、商品名SpectroEyeを用いて測定した。測色は、いずれも光源にD50、濃度基準にANSIA、視野角2°の条件で行なった。
測定値を結果を下記表5に示す。
Figure 0006198332
表5の結果より、各実施例は、発色性において、各比較例よりも優れた結果を示した。
本発明のインク組成物は、非常に発色性に優れるため、筆記用具等の各種記録用、特にインクジェット記録用の黒色インクに好適に用いられる。

Claims (17)

  1. 着色剤として、下記式(1)で表される色素又はその塩、若しくはそれらの混合物、及び、カーボンブラックの両者を含有するインク組成物。
    Figure 0006198332
    [式(1)中、
    、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;シアノ基;ヒドロキシ基;スルホ基;カルボキシ基;スルファモイル基;ホスホ基;ニトロ基;ウレイド基;アルキル基;アルコキシ基;ヒドロキシ基、及びアルコキシ基から選択される基で置換されたアルキル基;ヒドロキシ基、アルコキシ基、スルホ基、及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたアルコキシ基;アシル基;N−アルキルアミノスルホニル基;N−フェニルアミノスルホニル基;スルホ基、カルボキシ基、及びヒドロキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類以上の基で置換されたN−アルキルアミノスルホニル基;アルキルスルホニル基;スルホ基、カルボキシ基、及びヒドロキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類以上の基で置換されたアルキルスルホニル基;アシルアミノ基;アルキルスルホニルアミノ基;フェニルスルホニルアミノ基;又は、ハロゲン原子、アルキル基、及びニトロ基よりなる群から選択される少なくとも1種類以上の基で置換されたフェニルスルホニルアミノ基;を表す。
    及びRは、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;シアノ基;カルボキシ基;スルホ基;ニトロ基;アルキル基;ヒドロキシ基、及びアルコキシ基から選択される基で置換されたアルキル基;アルコキシ基;ヒドロキシ基、アルコキシ基、スルホ基、及びカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたアルコキシ基;アルキルチオ基;スルホ基、及びカルボキシ基から選択される基で置換されたアルキルチオ基;アシルアミノ基;アルキルスルホニルアミノ基;フェニルスルホニルアミノ基;又は、ハロゲン原子、アルキル基、及びニトロ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたフェニルスルホニルアミノ基;を表す。
    nは0または1の整数を表す。]
  2. さらに、少なくとも1種類の分散剤を含有する請求項1に記載のインク組成物。
  3. 分散剤の重量平均分子量が3000〜50000である請求項2に記載のインク組成物。
  4. 乃至Rのうち、5つ以上がイオン性親水性基である請求項1に記載のインク組成物。
  5. 乃至Rのうち、3つ以上がイオン性親水性基である、請求項1又は4に記載のインク組成物。
  6. イオン性親水性基が、スルホ基、及びカルボキシ基から選択される任意の基である請求項4又は5に記載のインク組成物。
  7. 式(1)において、
    及びRが、それぞれ独立に、水素原子;スルホ基;カルボキシ基;及びヒドロキシ基;よりなる群から選択される基;であり、
    及びRが、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;カルボキシ基;スルホ基;スルホ基、若しくはカルボキシ基で置換されたアルコキシ基;及び、スルホ基、及びカルボキシ基から選択される基で置換されたアルキルチオ基;であり、
    乃至Rが、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;スルホ基;カルボキシ基;ヒドロキシ基;及びアルコキシ基;よりなる群から選択される基であり、
    nが1である、
    請求項1に記載のインク組成物。
  8. 式(1)において、
    がカルボキシ基、又はスルホ基であり、
    が水素原子であり、
    がスルホ基であり、
    が水素原子であり、
    が水素原子、カルボキシ基又はスルホ基であり、
    がカルボキシ基又はスルホ基であり、
    が水素原子であり、
    nが1である、請求項1に記載のインク組成物。
  9. インク組成物の総質量中における、着色剤の総含有量が、3質量%以上15質量%以下である請求項1乃至8のいずれか一項に記載のインク組成物。
  10. インク組成物が含有する着色剤の総量中、カーボンブラックの含有量が50質量%以上90質量%以下である請求項1乃至9のいずれか一項に記載のインク組成物。
  11. さらに水溶性有機溶剤を含有する請求項1乃至10いずれか一項に記載のインク組成物。
  12. インクジェット記録に用いる請求項1乃至11のいずれか一項に記載のインク組成物。
  13. 請求項1乃至12のいずれか一項に記載のインク組成物の液滴を、記録信号に応じて吐出させて被記録材に付着させ、記録を行うインクジェット記録方法。
  14. 被記録材が情報伝達用シートである請求項13に記載のインクジェット記録方法。
  15. 情報伝達用シートが普通紙、又は、多孔性白色無機物を含むインク受容層を有するシ−トである請求項14に記載のインクジェット記録方法。
  16. 請求項乃至1のいずれか一項に記載のインク組成物の液滴が付着した着色体。
  17. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載のインク組成物を含む容器を有するインクジェットプリンタ。
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